JP5971560B2 - 樹脂フロントエンド部の構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両における樹脂フロントエンド部の構造に関する。
従来から、車両前部には、車両前後方向に沿って延在する左右両側のフロントサイドメンバ、枠構造のサポートメンバ、エンジンアセンブリ、バンパーメンバ等が配置されており、ラジエータ、コンデンサなどの熱交換器は、サポートメンバの上下部に懸架されている(例えば、特許文献1参照)。このような枠構造のサポートメンバは、骨格が剛性を有する板金部材で構成されており、重量を有するラジエータなどの熱交換器の懸架荷重に耐えることと、ヘッドランプなどの取付精度を維持する機能を果たしている。
ところで近年は、軽量化及び高機能化を図るために、板金構造のサポートメンバに代えて、樹脂材料を用いて製造した樹脂フロントエンド部が採用される傾向にある。このような樹脂フロントエンド部は、板金構造のサポートメンバと同様の剛性性能や部品取付性を確保するために、アッパメンバ部、左右両側のサイドブレース部、及びロアメンバ部を有する四角形状の枠構造で構成されている。そして、左右両側のサイドブレース部は、フロントサイドメンバの前端部に懸架されているとともに、熱交換器の上下部は、樹脂フロントエンド部に懸架されている。
特開平10−18843号公報
しかしながら、上述した従来構造の樹脂フロントエンド部は、板金構造のサポートメンバと比べて剛性が低くなる傾向にあるので、当該樹脂フロントエンド部の断面積を大きく形成することによって、剛性を確保する必要があった。ところが、剛性確保のために樹脂フロントエンド部の断面積を大きくした場合には、その分だけ構造物の外側端部が車両外方に出てしまい、構造物の外側に設置するヘッドランプなどの周辺部品を車両外側にレイアウトしなければならず、車両の大型化を招くおそれがあった。
特に、フードを閉じる時の車両下方への荷重によるフードラッチ部等の変形を低減させるだけでなく、フードラッチ半分解除状態(フードを開けるための運転席でのノブ操作や不十分なフード閉じ操作により起こる)での車両走行風によってフードが煽られる際に生じる荷重(車両上方への荷重)に対してフードラッチのかみ合いを確実に保持するために、フードラッチ部の剛性を確保する必要があった。板金部材からなるアッパメンバの場合は、アッパメンバをコ字型形状などに折り曲げることにより剛性を確保してフードラッチ部の変形を低減させているが、樹脂部材からなるアッパメンバ部の場合は、局所変形が大きくなるため、大きな荷重を直接樹脂部品が受けてから他の部品に分散させることは難しいという問題を有していた。しかも、フードラッチ部が設けられる樹脂部材のアッパメンバ部は、エンジンの排気系が隣接して配置される場合が多く、高温に晒されることになるので、板金部材のアッパメンバと異なり溶けてしまうことが懸念されている。
一方、特にコンパクトな車両においては、熱交換器懸架用の構造物が大きくならず、車両前部の空間を板金構造のサポートメンバと同じように利用できることが要求されており、従来の樹脂フロントエンド部を熱交換器の懸架構造に用いることは適当とはいえなかった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、フードラッチ部の剛性を向上させることにより、フード閉荷重が掛かってもフードラッチ部等の変形を低減させるとともに、フードラッチ半分解除状態でフードの煽られ荷重が掛かってもフードラッチのかみ合いを確実に保持し、フードの開放を防止することが可能な樹脂フロントエンド部の構造を提供することにある。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、車両前部に配置される樹脂フロントエンド部が、アッパメンバ部、左右のサイドブレース部、及びロアメンバ部を有する四角形状の枠構造で構成され、前記アッパメンバ部と前記ロアメンバ部とは、前記樹脂フロントエンド部の車両幅方向の中間部で中央ブレース部によって連結されているとともに、前記アッパメンバ部には、フードを固定するフードラッチ部が設けられている樹脂フロントエンド部の構造において、前記アッパメンバ部には、前記フードラッチ部のフードラッチを取付けるラッチ補強板が取付けられ、前記フードラッチの下端には、前記中央ブレース部に沿って車両上下方向へ延びる中央ブレース補強部材の上端が上側締結部で締結され、前記上側締結部では、前記中央ブレース補強部材、前記中央ブレース部及び前記フードラッチの3部材が共締めされ、前記中央ブレース補強部材の下端は、前記ロアメンバ部側の下側締結部で締結されている。
また、本発明において、前記上側締結部は、前記中央ブレース部から車両後方へ向かって延びる延長部の後面に形成され、前記下側締結部は、前記中央ブレース部から車両後方へ向かって延びる延長部の後面に形成され、前記中央ブレース補強部材は、前記中央ブレース部から一定の間隔を空けて車両後方側に配置されている。
さらに、本発明において、前記ラッチ補強板は、前記アッパメンバ部の上面で水平方向に配置される平板であり、前記ラッチ補強板には、前記フードラッチを挿通する開口部が設けられ、前記フードラッチは、前記開口部の車両幅方向の周辺位置で前記ラッチ補強板に取付けられ、前記上側締結部は、車両上方視で、前記ラッチ補強板の取付点及び前記フードラッチの取付点のほぼ中央に位置している。
そして、本発明において、前記アッパメンバ部のフードラッチ部の周囲には、車両後方へ向かって拡大する形状の切欠部が設けられ、前記ラッチ補強板の取付点は、前記切欠部の車両幅方向の左右両側に少なくとも2点ずつ設けられ、これら取付点のそれぞれは、車両後方へ向かうに従って前記フードラッチから離れるように広がって配置されている。
また、本発明において、前記アッパメンバ部及び前記中央ブレース部の前面側には、車両前方へ向かって延びる導風板が設けられ、前記上側締結部付近では、前記アッパメンバ部及び前記中央ブレース部の導風板が湾曲部を介して連続的に連結され、前記上側締結部の延長部は、車両前方視で凹み形状に形成され、前記導風板の湾曲部と前記凹み形状の前端部とは、隣接して配置されている。
上述の如く、本発明に係る樹脂フロントエンド部の構造は、車両前部に配置される樹脂フロントエンド部が、アッパメンバ部、左右のサイドブレース部、及びロアメンバ部を有する四角形状の枠構造で構成され、前記アッパメンバ部と前記ロアメンバ部とは、前記樹脂フロントエンド部の車両幅方向の中間部で中央ブレース部によって連結されているとともに、前記アッパメンバ部には、フードを固定するフードラッチ部が設けられているものであって、前記アッパメンバ部には、前記フードラッチ部のフードラッチを取付けるラッチ補強板が取付けられ、前記フードラッチの下端には、前記中央ブレース部に沿って車両上下方向へ延びる中央ブレース補強部材の上端が上側締結部で締結され、前記上側締結部では、前記中央ブレース補強部材、前記中央ブレース部及び前記フードラッチの3部材が共締めされ、前記中央ブレース補強部材の下端は、前記ロアメンバ部側の下側締結部で締結されているので、フードラッチに掛かる車両上下方向の荷重がラッチ補強板を通してアッパメンバ部に分散され、かつ中央ブレース補強部材に伝達されてロアメンバ部に分散されるとともに、上側締結部を介して中央ブレース部に分散されることになる。したがって、本発明の樹脂フロントエンド部の構造によれば、フードラッチに掛かる荷重が一箇所に集中することなく、アッパメンバ部、ロアメンバ部及び中央ブレース部などの複数箇所に分散させることが可能となるので、フードラッチ部等の変形を低減できるとともに、フードラッチ半分解除状態にあるフードが車両走行中に煽られてもフードラッチのかみ合いを確実に保持でき、フードの開放を防止することができる。
また、本発明において、前記上側締結部は、前記中央ブレース部から車両後方へ向かって延びる延長部の後面に形成され、前記下側締結部は、前記中央ブレース部から車両後方へ向かって延びる延長部の後面に形成され、前記中央ブレース補強部材は、前記中央ブレース部から一定の間隔を空けて車両後方側に配置されているので、車両前後に支柱が2本配設されることになり、荷重が2本の支柱を通る形状となって、車両上方からの荷重によるフードラッチ部等の変形をより効果的に低減させことができる。しかも、中央ブレース補強部材が板金部材により構成されている場合には、中央ブレース補強部材が中央ブレース部よりもエンジン排気系の近くに配置されることになり、エンジン排気系からの放射熱に対して中央ブレース補強部材が中央ブレース部の盾となる効果を発揮し、中央ブレース部への熱を低減させることができる。それに加えて、中央ブレース補強部材が熱くなっても、両者の間には一定の間隔が設けられているので、中央ブレース補強部材から中央ブレース部への熱の伝達量を小さくすることができる。
さらに、本発明において、前記ラッチ補強板は、前記アッパメンバ部の上面で水平方向に配置される平板であり、前記ラッチ補強板には、前記フードラッチを挿通する開口部が設けられ、前記フードラッチは、前記開口部の車両幅方向の周辺位置で前記ラッチ補強板に取付けられ、前記上側締結部は、車両上方視で、前記ラッチ補強板の取付点及び前記フードラッチの取付点のほぼ中央に位置しているので、車両上下方向の荷重の多くがフードラッチから中央ブレース補強部材に効率良く流れ、フードラッチの取付点を介してラッチ補強板に分配された荷重だけがアッパメンバ部に分散されることになる。このため、アッパメンバ部は、大きな変形を生じることがなくなるから、樹脂製の部材でもフードラッチを設置でき、形状の自由度を活かして樹脂フロントエンド部の軽量化及び高機能化を図ることができる。
そして、本発明において、前記アッパメンバ部のフードラッチ部の周囲には、車両後方へ向かって拡大する形状の切欠部が設けられ、前記ラッチ補強板の取付点は、前記切欠部の車両幅方向の左右両側に少なくとも2点ずつ設けられ、これら取付点のそれぞれは、車両後方へ向かうに従って前記フードラッチから離れるように広がって配置されているので、切欠部の存在でエンジン排気系からの放射熱を受ける部位を削除できる。しかも、切欠部の開口部分には、ラッチ補強板が配置されているので、アッパメンバ部としての剛性は確保されている。また、ラッチ補強板の取付点は、切欠部の形状に合わせた配置となっているので、熱源であるエンジン排気系に近い車両後方側を幅方向に広く取ることができ、熱放射の少ない部分でラッチ補強板を締結することができる。
また、本発明において、前記アッパメンバ部及び前記中央ブレース部の前面側には、車両前方へ向かって延びる導風板が設けられ、前記上側締結部付近では、前記アッパメンバ部及び前記中央ブレース部の導風板が湾曲部を介して連続的に連結され、前記上側締結部の延長部は、車両前方視で凹み形状に形成され、前記導風板の湾曲部と前記凹み形状の前端部とは、隣接して配置されているので、アッパメンバ部及び中央ブレース部の導風板の角部が折れ変形しにくい湾曲形状となり、導風板の角部及び根元部の剛性向上を実現することができる。したがって、このような剛性の高い部位に上側締結部の延長部の根元を配置することが可能となり、上側締結部の設置剛性を比較的高くすることができる。
本発明の実施形態に係る構造が適用される樹脂フロントエンド部及びフードラッチ部を車両前方の斜め上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る構造が適用される樹脂フロントエンド部及びフードラッチ部を車両後方の斜め上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る構造が適用される樹脂フロントエンド部、フードラッチ部及びエンジン排気系システムの配置構成を車両後方の斜め上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るフードラッチ部及びその周辺部を車両後方の斜め上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るフードラッチ部及びその周辺部を車両後方の斜め下方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るフードラッチ部及びその周辺部を車両前方から見た斜視図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6は本発明の実施形態に係る樹脂フロントエンド部の構造を示すものである。なお、図1〜図3において、矢印F方向は車両前方を示している。
図1〜図3に示すように、本発明の実施形態に係る構造が適用される車両前部1には、主として、車両前後方向に沿って延在し、かつ車両幅方向の左右両側に間隔を置いて配置される左右一対のフロントサイドメンバ2、これらフロントサイドメンバ2よりも車両前方側に配置される樹脂フロントエンド部3、該樹脂フロントエンド部3に懸架される車両前方視で平面形状の熱交換器(ラジエータ、コンデンサ、インタークーラーなど)4、樹脂フロントエンド部3の車両前方に配置されるバンパーメンバ5、アンダーブレース6及びアンダーメンバ7、樹脂フロントエンド部3の車両後方に配置されるエンジン排気系システム(エンジン排気管、触媒、ターボ等)8などが設けられている。フロントサイドメンバ2は、車両前部1の主骨格を構成する剛性部材である。
本実施形態の樹脂フロントエンド部3は、図1〜図6に示すように、アッパメンバ部(ランプサポートメンバ)9、左右両側のサイドブレース部(ランプサポートブレース)10、及びロアメンバ部(ラジエータサポートメンバ)11を有する四角形の枠構造で構成されており、左右両側のサイドブレース部10をフロントサイドメンバ2の前端部に取付けることによって、フロントサイドメンバ2に懸架されている。
アッパメンバ部9は、樹脂フロントエンド部3の上部に配置され、車両幅方向へ沿って延在しており、車両幅方向の中央部近傍には、図示しないフロントフードを固定するフードラッチ部12が設けられている。また、ロアメンバ部11は、樹脂フロントエンド部3の下部に配置されており、車両幅方向へ沿って延在している。さらに、サイドブレース部10は、樹脂フロントエンド部3の車両幅方向の左右両側に配置されており、車両上下方向へ沿って延在しており、アッパメンバ部9とロアメンバ部11とは、サイドブレース部10によって連結されている。しかも、樹脂フロントエンド部3の車両幅方向の中央部近傍には、車両上下方向へ延在する中央ブレース部13が配置されており、該中央ブレース部13の上下端部は、アッパメンバ部9とロアメンバ部11とに連結されている。
そして、熱交換器4は、図1〜図4に示すように、アッパメンバ部9、左側のサイドブレース部10、ロアメンバ部11及び中央ブレース部13によって囲まれた空間領域に配置された状態で、アッパメンバ部9及びロアメンバ部11の左右両側の上下懸架位置にそれぞれ懸架支持されている。すなわち、アッパメンバ部9への懸架は、熱交換器4の上部に取付けた上部熱交換器保持部材14と、アッパメンバ部9の下面側に設けた上部熱交換器保持部15との係合により行われるように構成されている。また、ロアメンバ部11への懸架は、熱交換器4の下面の左右両側に設けた下部熱交換器保持部16と、ロアメンバ部11の下部熱交換器保持部17との係合により行われるように構成されている。
本実施形態の樹脂フロントエンド部3の構造において、アッパメンバ部9の上面側には、図1〜図6に示すように、フードラッチ18を取付けるラッチ補強板19が取付けられており、フードラッチ部12は、主として、これらフードラッチ18及びラッチ補強板19によって構成されている。フードラッチ18の下端には、中央ブレース部13に沿って車両上下方向へ延びる板金製の中央ブレース補強部材20の上端がボルト及びナットなどの締結具を用いて上側締結部21で締結されており、この上側締結部21では、中央ブレース補強部材20、中央ブレース部13及びフードラッチ18の3部材がフードラッチ18の下端を間に挟んで共締めされている。しかも、中央ブレース補強部材20は、中央ブレース部13の後面側全長をほぼ覆うことが可能な長さで、一定の幅を有する帯状板材であって、かつ剛性を有する板金部材を用いて形成されている。
一方、中央ブレース補強部材20の下端は、ボルト及びナットなどの締結具を用いてロアメンバ部11側の下側締結部22で締結されている。また、中央ブレース補強部材20の上下方向の中間部は、固定ブラケット23やボルト及びナットなどの締結具を用いて中央ブレース部13の中間締結部24で締結されている。
上側締結部21は、図2〜図6に示すように、中央ブレース部13から車両後方へ向かって延びる有底円筒状の延長部25の後面に形成され、下側締結部22は、中央ブレース部13から車両後方へ向かって延びる有底筒状の延長部26の後面に形成され、中間締結部24は、中央ブレース部13から車両後方へ向かって延びる有底筒状の延長部27の後面に形成されており、これら延長部25,26,27の後面には、締結ボルトを挿入する挿入孔28が設けられている。そして、各延長部25,26,27の車両後方への延長長さは、中央ブレース部13と中央ブレース補強部材20との間隔が一定となるような寸法にそれぞれ形成されている。
そのため、中央ブレース補強部材20は、延長部25,26,27の後面に締結されると、中央ブレース部13の後面から一定の間隔を空けて車両後方側に配置されることになる。これによって、本実施形態の樹脂フロントエンド部3の中央部後方側には、中央ブレース部13及び中央ブレース補強部材20からなる2本の支柱が車両前後に間隔を置いて配設され、荷重が2本の支柱を通るような形状となるので、車両上方からの荷重がフードラッチ取付部12を介してアッパメンバ部9、中央ブレース部13、中央ブレース補強部材20及びロアメンバ部11などに分散され、フードラッチ取付部12等の変形が低減されることになる。また、図3に示すように、中央ブレース補強部材20が中央ブレース部13よりもエンジン排気系システム8の近くに配置されることになるので、エンジン排気系システム8からの放射熱が中央ブレース補強部材22によって遮断され、中央ブレース部13がエンジン排気系システム8からの熱に晒され難くなっている。さらに、中央ブレース補強部材20が熱くなっても、中央ブレース部13との間には一定の間隔が設けられているので、中央ブレース補強部材20の熱が中央ブレース部13に直接伝わらず、中央ブレース補強部材20から中央ブレース部13への熱の伝達量を小さくすることが可能になっている。
また、本実施形態のラッチ補強板19は、図1〜図6に示すように、アッパメンバ部9の上面で水平方向に配置される平板であり、前後部分がほぼ平行で前部よりも後部の方が車両幅方向の長さが大きく、かつ左右両側が傾斜している平面視で台形形状に形成され、ボルト及びナットなどの締結具を用いて前後左右の4つの取付点29,30,31,32でアッパメンバ部9の上面に取付けられている。そして、ラッチ補強板19の車両後方寄りの中央部分には、フードラッチ18を挿通する開口部33が設けられており、フードラッチ18は、車両幅方向水平に延びる左右両側の支持片34を介して、ボルト及びナットなどの締結具を用いて開口部33の車両幅方向の周辺位置の取付点35,36でラッチ補強板19に取付けられている。しかも、フードラッチ18の下端の中央ブレース補強部材20への締結部である上側締結部21は、図2〜図5に示すように、車両上方視で、ラッチ補強板19の取付点29,30,31,32及びフードラッチ18の取付点35,36のほぼ中央に位置している。この配置構成によって、車両上下方向の荷重の多くがフードラッチ18から中央ブレース補強部材20に効率良く流れ、フードラッチ18の取付点35,36を介してラッチ補強板19に分配された荷重だけがアッパメンバ部9に分散されるようになっている。
さらに、本実施形態におけるアッパメンバ部9のフードラッチ部12の周囲には、図3及び図5に示すように、車両後方へ向かって開口部分が拡大する形状の切欠部37が設けられている。これに伴い、ラッチ補強板19の取付点29,30,31,32は、切欠部37の車両幅方向の左右両側に2点ずつ設けられ、これら取付点29,30,31,32のそれぞれは、車両後方へ向かうに従ってフードラッチ18から離れるように、平面視で「ハの字状に」広がって配置されている。このような切欠部37がアッパメンバ部9に設けられていると、エンジン排気系システム8からの放射熱を受けるアッパメンバ部9の部位が削除され、当該放射熱を逃がしやすくなる。また、ラッチ補強板19の取付点29,30,31,32は、切欠部37の形状に合わせた配置となっていることから、熱源であるエンジン排気系システム8に近い車両後方側を幅方向に広く取って、熱放射が少なく樹脂材が軟らかくなることのない部分でラッチ補強板19が締結されるようになっている。しかも、切欠部37の開口部分の上部には、ラッチ補強板19が配置されているため、アッパメンバ部9としての剛性は確保されている。
一方、本実施形態のアッパメンバ部9及び中央ブレース部13の前面側には、図1及び図6に示すように、車両前方へ向かって延びる導風板(整流板)38,39が走行風などを熱交換器4に導くために設けられている。これらアッパメンバ部9及び中央ブレース部13の導風板38,39は、上側締結部21の付近において、湾曲部40を介して連続的に連結されており、当該導風板38,39の角部及び根元部は、湾曲部40により剛性が高められ、導風板38,39の角部が折れ変形しにくくなっている。
また、上側締結部21の延長部25は、図6に示すように、車両後方に向かって突出した車両前方視で凹み形状に形成されており、導風板38,39の湾曲部40と凹み形状の前端部(根元部)とは、隣接して配置されている。そのため、剛性の高い部位の湾曲部40に上側締結部21の延長部25の根元部分が配置されることになり、上側締結部21の設置剛性が比較的高くなるように構成されている。
本発明の実施形態に係る樹脂フロントエンド部3の構造では、アッパメンバ部9にフードラッチ部12のフードラッチ18を取付けるラッチ補強板19が取付けられ、フードラッチ18の下端に、中央ブレース部13に沿って車両上下方向へ延びる中央ブレース補強部材20の上端が上側締結部21で締結され、上側締結部21において、中央ブレース補強部材20、中央ブレース部13及びフードラッチ18の3部材が共締めされ、中央ブレース補強部材20の下端が、ロアメンバ部11側の下側締結部22で締結されているので、フードラッチ18に掛かる車両上下方向の荷重がラッチ補強板19を通してアッパメンバ部9に分散され、かつ中央ブレース補強部材20に伝達されてロアメンバ部11に分散されるとともに、上側締結部21を介して中央ブレース部13にも分散されることになる。
したがって、本発明の樹脂フロントエンド部3の構造によれば、フードラッチ18に掛かる荷重が一箇所に集中するということはなくなり、アッパメンバ部9、ロアメンバ部11及び中央ブレース部13などの複数箇所に分散させることができ、フードラッチ部12等の変形を低減できるとともに、仮にフードラッチ18が半分解除状態にあるフロントフード(図示せず)が車両走行中に煽られることがあっても、フードラッチ18のかみ合いをそのまま保持でき、フロントフードが開放される事態を防ぐことができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、既述の実施の形態では、中央ブレース補強部材20が一定の幅を有する帯状板材によって構成されているが、中央ブレース部13の後面側と同じ幅形状に形成することによって、中央ブレース部13の後面側全体を覆うように構成しても良い。また、ラッチ補強板19の取付点29,30,31,32は、切欠部37の左右両側に2点ずつ設けられているが、ラッチ補強板19の大きさなどに対応して、3点ずつあるいはそれ以上の取付点を設けることも可能である。
1 車両前部
3 樹脂フロントエンド部
4 熱交換器
8 エンジン排気系システム
9 アッパメンバ部
11 ロアメンバ部
12 フードラッチ部
13 中央ブレース部
18 フードラッチ
19 ラッチ補強板
20 中央ブレース補強部材
21 上側締結部
22 下側締結部
25,26 延長部
28 挿入孔
29,30,31,32 ラッチ補強板の取付点
33 開口部
34 支持片
35,36 フードラッチの取付点
37 切欠部
38,39 導風板
40 湾曲部

Claims (5)

  1. 車両前部に配置される樹脂フロントエンド部が、アッパメンバ部、左右のサイドブレース部、及びロアメンバ部を有する四角形状の枠構造で構成され、前記アッパメンバ部と前記ロアメンバ部とは、前記樹脂フロントエンド部の車両幅方向の中間部で中央ブレース部によって連結されているとともに、前記アッパメンバ部には、フードを固定するフードラッチ部が設けられている樹脂フロントエンド部の構造において、
    前記アッパメンバ部には、前記フードラッチ部のフードラッチを取付けるラッチ補強板が取付けられ、前記フードラッチの下端には、前記中央ブレース部に沿って車両上下方向へ延びる中央ブレース補強部材の上端が上側締結部で締結され、前記上側締結部では、前記中央ブレース補強部材、前記中央ブレース部及び前記フードラッチの3部材が共締めされ、
    前記中央ブレース補強部材の下端は、前記ロアメンバ部側の下側締結部で締結されていることを特徴とする樹脂フロントエンド部の構造。
  2. 前記上側締結部は、前記中央ブレース部から車両後方へ向かって延びる延長部の後面に形成され、前記下側締結部は、前記中央ブレース部から車両後方へ向かって延びる延長部の後面に形成され、前記中央ブレース補強部材は、前記中央ブレース部から一定の間隔を空けて車両後方側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂フロントエンド部の構造。
  3. 前記ラッチ補強板は、前記アッパメンバ部の上面で水平方向に配置される平板であり、前記ラッチ補強板には、前記フードラッチを挿通する開口部が設けられ、前記フードラッチは、前記開口部の車両幅方向の周辺位置で前記ラッチ補強板に取付けられ、前記上側締結部は、車両上方視で、前記ラッチ補強板の取付点及び前記フードラッチの取付点のほぼ中央に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂フロントエンド部の構造。
  4. 前記アッパメンバ部のフードラッチ部の周囲には、車両後方へ向かって拡大する形状の切欠部が設けられ、前記ラッチ補強板の取付点は、前記切欠部の車両幅方向の左右両側に少なくとも2点ずつ設けられ、これら取付点のそれぞれは、車両後方へ向かうに従って前記フードラッチから離れるように広がって配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂フロントエンド部の構造。
  5. 前記アッパメンバ部及び前記中央ブレース部の前面側には、車両前方へ向かって延びる導風板が設けられ、前記上側締結部付近では、前記アッパメンバ部及び前記中央ブレース部の導風板が湾曲部を介して連続的に連結され、前記上側締結部の延長部は、車両前方視で凹み形状に形成され、前記導風板の湾曲部と前記凹み形状の前端部とは、隣接して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の樹脂フロントエンド部の構造。
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