JP5971262B2 - マグネトロンスパッタリング用磁場発生装置 - Google Patents

マグネトロンスパッタリング用磁場発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、基板表面に薄膜を形成するために使用されるマグネトロンスパッタリング装置に組み込まれる磁場発生装置に関する。
Ar等の不活性物質を高速で衝突させることによりターゲットを構成する原子や分子がたたき出される現象をスパッタリングといい、このたたき出された原子や分子を基板上に付着させることで、薄膜を形成することができる。マグネトロンスパッタリング法は、陰極内部に磁場を組み込むことにより、基板へのターゲット物質の堆積速度を向上させることができ、しかも基板への電子の衝突が起こらないため低温で成膜が可能な手法である。従って、半導体IC、フラットパネルディスプレー、太陽電池等の電子部品反射膜等の製造プロセスにおいては、基板表面に薄膜を形成するためにマグネトロンスパッタリング法が多く用いられている。
マグネトロンスパッタリング装置は、真空チャンバー内に陽極側の基板と、基板と相対するように配置したターゲット(陰極)と、ターゲットの下方に配置した磁場発生装置とを具備する。陽極と陰極との間に電圧を印加することによりグロー放電を起こし、真空チャンバー内の不活性ガス(0.1 Pa程度のArガス等)をイオン化させ、一方でターゲットから放出された二次電子を磁場発生装置により形成した磁場により捕獲し、ターゲット表面でサイクロイド運動を行わせる。電子のサイクロイド運動によりガス分子のイオン化が促進されるため、膜の生成速度は磁場を用いない場合に比べ格段に大きくなり、膜の付着強度が大きくなる。
特開平1-147063号は、磁性材料からなるヨーク上に設けられた、高さ方向(ターゲットの表面に垂直な方向)に磁化された円柱状の中心磁極と、前記中心磁極と逆方向に磁化され、前記中心磁極の周囲に同心的に配置された外周磁極とから構成された磁界発生装置において、前記磁界発生装置とターゲットとの間に円形及び同心円形の板状磁性部材を配置し、ターゲット表面のエロージョン領域を広げる技術を開示している。
特開平1-147063号に記載されたように、磁界発生装置とターゲットとの間に磁性部材を配置するためには、バッキングプレート(ターゲットの支持板)内にこの磁性部材を埋め込む必要がある。一方で、バッキングプレート(ターゲットの支持板)は、ターゲットの発熱を抑えるために冷却機構も備えなければならないため、バッキングプレート(ターゲットの支持板)の構造が複雑になり、必然的に磁界発生装置からターゲット表面までの距離が遠くなってしまう。そのため、大きな磁場を発生させることが必要となり磁界発生装置を大型化してしまう。
特開2008-156735号は、図17(a)及び図17(b)に示すような、非磁性体からなるベース210と、その表面に設置された長方形状の中央磁極片220と、その周囲に設けられた長円形状の外周磁極片230と、前記中央磁極片と前記外周磁極片との間に連設された複数の永久磁石240,250とを有し、前記永久磁石240,250は水平方向に磁化されかつ同極性の磁極が前記中央磁極片に対向するように配置されているとともに、前記中央磁極片の高さ及び前記外周磁極片の高さは前記永久磁石の高さ以上に形成されているマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置200を開示しており、この磁場発生装置は永久磁石の各磁極面に磁極片が接触しているため、永久磁石からの漏洩磁束が低減され、従来よりも少ない永久磁石で所定の磁束を発生することができると記載している。
特開2008-156735号は、この磁場発生装置は、特にコーナー部において、不活性ガスを閉じこめに必要な強度(磁束密度水平成分が10 mT以上)の磁場領域を従来に比べて拡大させるので、コーナー部でのエロージョン領域を拡大させ、直線部及びコーナー部のエロージョンを均一にすることができると記載しているが、中央磁極片に対向する部分の磁束密度が比較的低いため、ターゲットの中央部分(中央磁極片に対向する部分)のエロージョン進行が遅く、ターゲットの使用効率を低下させる原因になっている。
特開平4-235277号は、ターゲット表面にドーナツ状の磁場を発生させるための磁気装置であって、ターゲット中心近傍に環状に配置した中央磁石と、ターゲット外周近傍に環状に配置した外周磁石とを有し、各磁石の磁化方向又は配向がターゲット面に対して斜め(例えば、±45°)になるよう磁気装置を開示しており、この磁気装置により、ターゲット直上面の中心から外周に至る範囲において、ターゲット面に水平な方向の磁束密度成分が双峰特性を示し、かつ中心と外周との間で垂直方向の磁束密度成分の傾きがほぼゼロとなるような磁束密度分布が得られ、ターゲットのエロージョン領域を均一にし、ターゲットの利用効率を高めることができると記載している。
特開平4-235277号は、各磁石の磁化方向又は配向をターゲット面に対して斜めに構成する具体的な方法の一つとして、中央磁石と外周磁石とを磁化方向がターゲット面に平行になるように設け、それらの間に、環状の中間磁石を、前記中央磁石と外周磁石とから離間して配置した構成を記載している。この構成は、環状の中間磁石を離間させることで、中央及び外周の各々の永久磁石のN極からS極へ向かう小ループを描く磁力線をもターゲット上の漏洩磁界に積極的に利用しようとしたものである。しかしながら、このような、中央磁石、外周磁石及び中間磁石がお互いに離間して配置された構成は、各磁石の磁力線同士が打ち消し合う部分が生じるため、磁場発生の効率が低下してしまうという問題がある。また、この方法は、永久磁石だけで構成するため、磁気効率(パーミアンス)が低くなってしまい、高い磁束密度を得るために必要以上の永久磁石体積が要求され、装置が大型化してしまう。
従って、本発明の目的は、バッキングプレート中に磁性体を配置しない構成であっても、ターゲット面上の磁束密度平行成分(ターゲット表面に対して平行な成分)が一定となる領域を広げることができ、ターゲットのエロージョン進行をより均一にし、もって基板上に均一な厚さの薄膜を形成できるマグトロンスパッタリング用磁場発生装置を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、棒状の中央磁極部材と外周磁極部材とによって形成されるレーストラック状の領域に、ターゲット面に対して平行な方向に磁化された複数の永久磁石を設置してなるマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記永久磁石の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さを、磁化方向の中央部において両端部よりも薄く設計することにより、ターゲット面上の磁束密度平行成分(ターゲット表面に対して平行な成分)が一定となる領域を広げることができ、さらに薄く設計した前記永久磁石の中央部の片面又は両面に磁性体を配置することで、ターゲットのエロージョン進行をより均一にできることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、ターゲットに対向し、ターゲット表面に磁場を発生させるための本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置は、
直線部及びコーナー部からなるレーストラック形状を有し、
非磁性体からなるベース上に、(a)棒状の中央磁極部材と、(b)前記中央磁極部材を取り囲むように設置された外周磁極部材と、(c)前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間に、一方の磁極が前記中央磁極部材に対向し、他方の磁極が前記外周磁極部材に対向するように設置された複数の永久磁石とを有し、
前記直線部に設置された複数の永久磁石は、前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが磁化方向の中央部において両端部よりも薄い、少なくとも1つの磁場調節用永久磁石を含むことを特徴とする。
前記コーナー部に設置された複数の永久磁石は、前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが磁化方向の中央部において両端部よりも薄い、少なくとも1つの磁場調節用永久磁石を含むのが好ましい。
前記磁場調節用永久磁石は、前記磁化方向の中央部及び両端部の少なくとも3つの領域を有し、前記両端部の領域は前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが互いに等しく、前記中央部の領域の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが前記両端部の領域の厚さよりも薄いことにより、前記中央部の領域に対応する凹状部が形成されているのが好ましい。
前記磁場調節用永久磁石は、前記中央部の領域の磁化方向長さが、前記永久磁石の磁化方向全長の1〜99%であるのが好ましい。
前記磁場調節用永久磁石は、前記中央部の領域の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが、前記両端部の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さの0%より大きく99%以下であるのが好ましい。
前記中央部及び両端部の少なくとも3つの領域が、それぞれ独立した永久磁石からなり、それらの独立した永久磁石を貼り合わせて前記磁場調節用永久磁石が構成されているのが好ましい。
前記磁場調節用永久磁石は、前記ターゲット側の面及び/又は前記ベース側の面に、前記中央部の領域に対応する凹状部を有するのが好ましい。
前記磁場調節用永久磁石は、前記ターゲット側及び前記ベース側の両面に、前記中央部の領域に対応する凹状部を有するのが好ましい。
前記凹状部に磁性体を配置した構成を有するのが好ましい。
前記凹状部に配置した前記磁性体の厚さが、前記凹状部の深さと同じであるのが好ましい。
前記磁場調節用永久磁石は、前記ターゲット側及び前記ベース側の両面に、前記中央部の領域に対応する凹状部及び前記凹状部に配置した磁性体を有するのが好ましい。
前記ターゲット側及び前記ベース側の両面に、前記中央部の領域に対応する凹状部を有する前記磁場調節用永久磁石により構成されたマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置から、前記ベースを除去してもよい。
前記ターゲット側及び前記ベース側の両面に、前記中央部の領域に対応する凹状部及び前記凹状部に配置した磁性体を有する前記磁場調節用永久磁石により構成されたマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置から、前記ベースを除去してもよい。
前記複数の永久磁石の少なくとも1つを、前記永久磁石と磁化方向が同じで磁化方向長さが短い少なくとも2つの永久磁石を離間して直列に配置してなる磁場調節用永久磁石群に置き換えた構成を有してもよい。
ターゲットに対向し、ターゲット表面に磁場を発生させるための本発明のもう一つのマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置は、
直線部及びコーナー部からなるレーストラック形状を有し、
非磁性体からなるベース上に、(a)棒状の中央磁極部材と、(b)前記中央磁極部材を取り囲むように設置された外周磁極部材と、(c)前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間に、一方の磁極が前記中央磁極部材に対向し、他方の磁極が前記外周磁極部材に対向するように設置された複数の永久磁石とを有し、
前記複数の永久磁石の少なくとも1つを、前記永久磁石と磁化方向が同じで磁化方向長さが短い少なくとも2つの永久磁石を離間して直列に配置してなる磁場調節用永久磁石群に置き換えた構成を有することを特徴とする。
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置は、前記ターゲット表面に印加される磁場の、前記ターゲット表面に対して垂直な方向の磁束密度がゼロとなる位置において、前記ターゲット表面に対して平行な方向の磁束密度が10 mT以上であるのが好ましい。
本発明の磁場発生装置を用いることにより、ターゲット面上の磁束密度平行成分(ターゲット表面に対して平行な成分)が一定となる領域を広げることができ、ターゲットのエロージョン進行をより均一にできるので、ターゲットの利用効率を向上させることができる。
本発明の磁場発生装置を用いることにより、バッキングプレートに磁性体を配置する必要がなくなるため、部品点数を減らすことができ(低コスト化)、さらにターゲットの冷却を効率的に行うことが可能となる。またバッキングプレートを薄く設計できるので、磁場発生装置の小型化が可能となる(低コスト化)。
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の一例を示す平面図である。 図1(a)のA-A断面図である。 図1(b)から直線部用磁石のみを抜き出して示す部分断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の直線部用磁石の他の一例を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の直線部用磁石のさらに他の一例を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の直線部用磁石に設けた凹状部に磁性体を配置した一例を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の直線部用磁石に設けた凹状部に磁性体を配置した他の一例を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の直線部用磁石に設けた凹状部に磁性体を配置したさらに他の一例を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の直線部用磁石のさらに他の一例を示す断面図である。 図1(a)のB-B断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の他の一例を示す部分平面図である。 図6(a)のC-C断面図である。 図6(b)からコーナー部用磁石のみを抜き出して示す部分断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のコーナー部用磁石のさらに他の一例を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のコーナー部の他の一例を示す平面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のコーナー部のさらに他の一例を示す平面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のコーナー部のさらに他の一例を示す平面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の他の態様を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置のさらに他の態様を示す断面図である。 比較例1の磁場発生装置を示す平面図である。 図12(a)のD-D断面図である。 図12(a)のE-E断面図である。 実施例1の磁場発生装置を示す平面図である。 図13(a)のF-F断面図である。 図13(a)のG-G断面図である。 比較例1及び実施例1の磁場発生装置におけるAライン及びBラインを示す模式図である。 比較例1及び実施例1の磁場発生装置によってターゲット面上に発生する磁束密度の平行成分及び垂直成分をAラインに沿ってプロットしたグラフである。 比較例1及び実施例1の磁場発生装置によってターゲット面上に発生する磁束密度の平行成分及び垂直成分をBラインに沿ってプロットしたグラフである。 従来のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置の一例を示す平面図である。 図17(a)のH-H断面図である。
(1)構成
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置1は、ターゲット表面にレーストラック状の磁場を発生させるための装置であり、図1(a)に示すように、ターゲット7に対向し、直線部20及び2つのコーナー部30,30からなるレーストラック形状を有している。
すなわち、磁場発生装置1は、図1(a)、図1(b)及び図1(c)に示すように、非磁性体からなるベース6上に、(a)棒状の中央磁極部材2と、(b)前記中央磁極部材を取り囲むように設置された外周磁極部材3と、(c)前記中央磁極部材2と前記外周磁極部材3との間に、磁化方向が前記ターゲット表面7aに平行になるように、かつ一方の磁極が前記中央磁極部材2に対向し、他方の磁極が前記外周磁極部材3に対向するように設置された複数の直線部用永久磁石4及びコーナー部用永久磁石5とを有し、前記直線部20に配置された複数の永久磁石4は、前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さが磁化方向の中央部4aにおいて両端部4b,4cよりも薄い、少なくとも1つの磁場調節用永久磁石41を含むことを特徴とする。
(a)直線部の構成
前記直線部20は、例えば図1(a)及び図1(b)に示すように、非磁性体からなるベース6上に設置された四角柱状の中央磁極部材2と、前記中央磁極部材2と平行に、前記中央磁極部材2の両側に離間して設置された四角柱状の2つの外周磁極部材3と、前記中央磁極部材2及び前記外周磁極部材3との間に、磁化方向がターゲット表面7aに対して平行で、一方の同極性の磁極(図ではN極)が中央磁極部材2に対向し、他方の同極性の磁極(図ではS極)が外周磁極部材3に対向するように設置された複数の直線部用永久磁石4とからなり、前記直線部用永久磁石4は少なくとも1つの磁場調節用永久磁石41を含む。
前記磁場調節用永久磁石41は、例えば図1(c)に示すように、磁化方向の中央部4a及び両端部4b,4cの少なくとも3つの領域を有しており、前記中央部4aの領域の前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さH1が、前記両端部4b,4cの領域の前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さHよりも薄いことにより凹状部4dを形成している。前記中央部4aの領域の厚さH1は、前記両端部4b,4cの領域の厚さHの0%より大きく99%以下であるのが好ましく、30〜70%であるのがより好ましい。前記両端部4b,4cの領域の前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さは、互いに等しく、かつ前記外周磁極部材3と同じ厚さであるのが好ましい。前記中央部4aの領域の磁化方向長さL1は、磁場調節用永久磁石41の磁化方向全長Lの1〜99%であるのが好ましく、30〜70%であるのがより好ましい。
前記磁場調節用永久磁石41は、図1(b)に示すように、ターゲット7側の面に凹状部4dが形成されたものであっても良いし、図2(a)に示すように、ベース6側の面に凹状部4dが形成されたものであっても良いし、図2(b)に示すように、ターゲット7側及びベース6側の両面に凹状部4dが形成されたものであっても良い。ターゲット7側及びベース6側の両面に凹状部4d,4dが形成される場合、2つの凹状部4d,4dは対応する位置に形成されるのが好ましく、それらの深さは目的に応じて同じであっても異なっていても良い。
前記磁場調節用永久磁石41は、立方体の永久磁石に研磨等の加工を施すことにより凹状部4dを形成して作製しても良いし、前記中央部4a及び前記両端部4b,4cを構成する3つの永久磁石を貼り合わせて作製しても良い。またさらに多くの(4つ以上の)永久磁石を貼り合わせて構成しても良い。
前記中央磁極部材2及び前記外周磁極部材3との間に配置された複数の直線部用永久磁石4の全てを、凹状部4dを有する磁場調節用永久磁石41で構成しても良いし、一部のみを凹状部4dを有する磁場調節用永久磁石41で構成してもよい。また、磁場調節用永久磁石41の形状は全て同じである必要はなく、目的に応じて凹状部4dの深さ(中央部4aの領域の厚さ)及び磁化方向長さ、もしくは凹状部4dが形成された面が異なる複数の磁石を組み合わせて使用しても良い。
前記磁場調節用永久磁石41に形成された凹状部4dには、図3(a)〜図3(c)に示すように、充填用磁性体8を配置しても良い。前記充填用磁性体8は、凹状部4dの形状と対応する形状、すなわち凹状部4dの深さに等しい厚さを有し、凹状部4dに配置したときに、凹状部4dを隙間なく充填することのできる形状であってもよいし、凹状部4dの深さに対して、薄いものであっても、厚いものであっても良く、さらに凹状部4dの一部のみを充填するような形状であっても良い。前記充填用磁性体8の形状及び厚さを変更することにより、磁場強度を調節することができる。
前記複数の永久磁石4の少なくとも1つを、図4に示すように、前記永久磁石4と磁化方向が同じで磁化方向長さが短い少なくとも2つの永久磁石からなり、一つの永久磁石42aが前記中央磁極部材2に対向し、他の一つの永久磁石42bが前記外周磁極部材3に対向するように、離間して直列に配置してなる磁場調節用永久磁石群42に置き換えて磁場発生装置を構成してもよい。すなわちこの構成は、前記中央部4aの領域のターゲット7方向厚さを薄くした前記磁場調節用永久磁石41に対して、前記中央部4aの領域に対応する部分を除去したものである。
前記永久磁石42a,42bの磁化方向長さ、及びそれらの間隔は目的に応じて適宜調節するのが好ましい。前記永久磁石42a,42bの間には、磁性体を配置しても良いし、非磁性体を配置しても良いし、何も配置しなくても良い。
図1(a)では、前記中央磁極部材2及び前記外周磁極部材3との間に複数の直線部用永久磁石4を連接して直線部20の磁気回路を構成しているが、これらの複数の直線部用永久磁石4によって構成する代わりに、一体に形成された直線部用永久磁石4を用いて直線部20の磁気回路を構成してもよい。また必要な磁場強度や磁石の材質に応じて、複数の直線部用永久磁石4を離間して並べて直線部20の磁気回路を構成してもよい。離間して配置する場合、永久磁石と永久磁石との間は、非磁性のスペーサで充填しても良いし、何も置かなくても良い。直線部用永久磁石4の数及び大きさは特に限定されず、製造上又は組立易さの観点からどのような大きさに分割してもよく、またそれぞれの大きさが異なっていても良い。
(b)コーナー部の構成
コーナー部30は、図1(a)に示すように、中央磁極部材2の端部2aと、中央磁極部材2の端部2aを中心として半多角形状に設置されたコーナー部外周磁極部材3cと、中央磁極部材2の端部2aとコーナー部外周磁極部材3cとの間に、磁化方向がターゲット表面7aに対して平行で、一方の同極性の磁極(図ではN極)が中央磁極部材2の端部2aに対向し、他方の同極性の磁極(図ではS極)がコーナー部外周磁極部材3cに対向するように設置された複数のコーナー部用永久磁石5とからなる。前記中央磁極部材2の端部2a及び前記コーナー部外周磁極部材3cは、図1(a)では半多角形状だが、半円状であってもよい。
コーナー部用永久磁石5は、図5に示すように、前記ターゲット表面に対して垂直な方向の厚さが、磁化方向に沿って均一な磁石を用いても良いが、図6(b)及び図6(c)に示すように、前述の直線部用永久磁石4と同様に、前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さが磁化方向の中央部5aにおいて両端部5b,5cよりも薄い、少なくとも1つの磁場調節用永久磁石51を含んでいてもよい。
磁場調節用永久磁石51は、例えば図6(c)に示すように、磁化方向の中央部5a及び両端部5b,5cの少なくとも3つの領域を有しており、前記中央部5aの領域の前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さHc1が、前記両端部5b,5cの領域の前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さHcよりも薄いことにより、凹状部5dを形成している。前記中央部5aの領域の厚さHc1は、前記両端部5b,5cの領域の厚さHcの0%より大きく99%以下であるのが好ましく、30〜70%であるのがより好ましい。前記両端部5b,5cの領域の前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さは、互いに等しく、かつ前記外周磁極部材3cと同じ厚さであるのが好ましい。前記中央部5aの領域の磁化方向長さLc1は、磁場調節用永久磁石51の磁化方向全長Lcの1〜99%であるのが好ましく、30〜70%であるのがより好ましい。
コーナー部磁場調節用永久磁石51は、前記直線部磁場調節用永久磁石41と同様に、ターゲット7側の面に凹状部5dが形成されたものであっても良いし、ベース6側の面に凹状部5dが形成されたものであっても良いし、ターゲット7側及びベース6側の両面に凹状部5dが形成されたものであっても良い。ターゲット7側及びベース6側の両面に凹状部5d,5dが形成される場合、2つの凹状部5d,5dは対応する位置に形成されるのが好ましく、それらの深さは目的に応じて同じであっても異なっていても良い。
前記直線部磁場調節用永久磁石41の磁化方向全長Lに対する前記中央部4aの領域の磁化方向長さL1の割合と、前記コーナー部磁場調節用永久磁石51の磁化方向全長Lcに対する前記中央部5aの領域の磁化方向長さLc1の割合とは同じであっても良いし、異なっていても良い。前記直線部磁場調節用永久磁石41の前記中央部4aの領域の前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さH1と、前記コーナー部磁場調節用永久磁石51の前記中央部5aの領域の前記ターゲット表面7aに垂直な方向の厚さHc1とは同じであるのが好ましい。また前記直線部磁場調節用永久磁石41の前記両端部4b,4cの領域の前記厚さHに対する前記中央部4aの領域の前記厚さH1の割合と、前記コーナー部磁場調節用永久磁石51の前記両端部5b,5cの領域の前記厚さHcに対する前記中央部5aの領域の前記厚さHc1の割合は同じであっても良いし、異なっていても良い。
磁場調節用永久磁石51は、例えば平面視台形の柱状体の永久磁石に研磨等の加工を施すことにより凹状部5dを形成して作製しても良いし、前記中央部5a及び前記両端部5b,5cを構成する3つの永久磁石を貼り合わせることによって作製しても良い。またさらに多くの(4つ以上の)永久磁石を貼り合わせて構成しても良い。
前記中央磁極部材2の端部2a及び前記コーナー部外周磁極部材3cの間に配置された複数のコーナー部用永久磁石5の全てを凹状部5dを有する磁場調節用永久磁石51で構成しても良いし、一部のみを凹状部5dを有する磁場調節用永久磁石51で構成してもよい。また、磁場調節用永久磁石51の形状は全て同じである必要はなく、目的に応じて凹状部5dの深さ(中央部5aの領域の厚さ)及び磁化方向長さ、もしくは凹状部5dが形成された面が異なる複数の磁石を組み合わせて使用しても良い。
前記コーナー部磁場調節用永久磁石51に形成された凹状部5dには、前記直線部磁場調節用永久磁石41と同様に、充填用磁性体8を配置しても良い。前記充填用磁性体8は、凹状部5dの形状と対応する形状、すなわち凹状部5dの深さに等しい厚さを有し、凹状部5dに配置したときに、凹状部5dを隙間なく充填することのできる形状であってもよいし、凹状部5dの深さに対して、薄いものであっても、厚いものであっても良く、さらに凹状部5dの一部のみを充填するような形状であっても良い。前記充填用磁性体8の形状及び厚さを変更することにより、磁場強度を調節することができる。
前記複数の永久磁石5の少なくとも1つを、図7に示すように、前記永久磁石5と磁化方向が同じで磁化方向長さが短い少なくとも2つの永久磁石からなり、一つの永久磁石52aが前記中央磁極部材2の端部2aに対向し、他の一つの永久磁石52bが前記コーナー部外周磁極部材3cに対向するように、離間して直列に配置してなる磁場調節用永久磁石群52に置き換えて磁場発生装置を構成してもよい。ここで、図7は、図6(b)に示すコーナー部C-C断面図における磁場調節用永久磁石51を磁場調節用永久磁石群52に置き換えた断面図である。すなわちこの構成は、前記中央部5aの領域のターゲット表面7aに垂直な方向厚さを薄くした前記磁場調節用永久磁石51に対して、前記中央部5aの領域に対応する部分を除去したものである。
前記永久磁石52a,52bの磁化方向長さ、及びそれらの間隔は目的に応じて適宜調節するのが好ましい。前記永久磁石52a,52bの間には、磁性体を配置しても良いし、非磁性体を配置しても良いし、何も配置しなくても良い。
コーナー部用永久磁石5の平面視による形状は、コーナー部外周磁極部材3cの形状に応じて設定するのが好ましい。コーナー部用永久磁石5は、図1(a)、図6(a)又は図8に示すように、コーナー部外周磁極部材3cが半多角形状である場合、平面視でほぼ台形であるのが好ましく、図9に示すように、コーナー部外周磁極部材3cが半円状の場合、平面視でほぼ扇形であるのが好ましい。また図10に示すように、平面視で長方形であっても良い。コーナー部用永久磁石5の数及び大きさは特に限定されず、製造上又は組立易さの観点からどのような大きさに分割してもよく、またそれぞれの大きさが異なっていても良い。
コーナー部用永久磁石5は、図1(a)及び図6(a)に示すように、中央磁極部材2の端部2aと、中央磁極部材2の端部2aを中心として半多角形状に設置されたコーナー部外周磁極部材3cとの間隙を全て充填するように配置されていてもよく、図8に示すように、コーナー部用永久磁石5とコーナー部用永久磁石5との間に間隙5eを空けて配置しても良い。このように間隙5eを開けてコーナー部用永久磁石5を配置することによりターゲット表面上の磁束密度を調節することができる。間隙5eには、非磁性体のスペーサを充填しても良い。中央磁極部材2の端部2aとコーナー部外周磁極部材3cとの間隙の総面積に対するコーナー部用永久磁石5の占有率は、30%以上であるのが好ましく、30〜80%であるのがより好ましい。
(c)エロージョン領域
直線部に前記直線部磁場調節用永久磁石41又は直線部磁場調節用永久磁石群42を使用しないで構成した従来の磁場発生装置では、ターゲット表面における磁束密度平行成分(ターゲット表面に対して平行な成分)を磁化方向に沿ってプロットしたとき、前記磁束密度平行成分が山形である(図15及び図16の比較例1を参照)ため、磁化方向に沿ってターゲットの浸食(エロージョン)が不均一になり、ターゲットを高い効率で利用することができない。
これに対し、直線部20に凹状部4dを有する直線部磁場調節用永久磁石41、又は離間する少なくとも2つの永久磁石42a,42bからなる直線部磁場調節用永久磁石群42を使用した本発明の磁場発生装置では、前記ターゲット表面における磁束密度平行成分のプロット値が磁化方向に沿って台形である(図15の実施例1を参照)ため、磁化方向に沿ってターゲットの浸食(エロージョン)が均一化され、ターゲットの利用効率が向上する。
またコーナー部30にも凹状部5dを有するコーナー部磁場調節用永久磁石51、又は離間する少なくとも2つの永久磁石52a,52bからなるコーナー部磁場調節用永久磁石群52を使用することにより、コーナー部30においても、前記ターゲット表面における磁束密度平行成分のプロット値が磁化方向に沿って台形(図16の実施例1を参照)となるため、磁化方向に沿ってターゲットの浸食(エロージョン)が均一化され、ターゲットの利用効率が向上する。
(d)永久磁石
直線部及びコーナー部を構成する永久磁石は、公知の永久磁石材料で形成することができる。永久磁石材料の材質は設備の構成(磁場発生装置からターゲットまでの距離)や必要な磁場強度によって適宜設定すれば良い。本発明においては、ターゲット表面7aにおける磁場の磁束密度垂直成分がゼロとなる位置における磁束密度の平行成分が10 mT以上となるように永久磁石を選択するのが好ましい。
高い磁束密度を得たい場合には、R(Nd等の希土類元素のうちの少なくとも一種)、T(Fe又はFe及びCo)及びBを必須成分とするR-T-B系異方性焼結磁石等の希土類磁石(耐食性の点から各種の表面処理を施したもの)を使用すれば良く、必要な磁束密度がそれほど高くないときにはフェライト磁石でも良い。また直線部とコーナー部との磁束密度を変えたい場合には、それぞれに必要な磁束密度にあわせ、直線部用永久磁石、コーナー部用永久磁石、中央部永久磁石及び端部永久磁石の材質や寸法を設定すれば良い。
(e)磁極部材及び充填用磁性体
磁極部材及び充填用磁性体には公知の磁性体(軟磁性体)を用いるのが好ましい、特に磁性を有する鋼材を用いるのが好ましい。
(2)その他の態様
マグネトロンスパッタリング用磁場発生装置1の他の態様として、図11(a)に示すように、前記磁場調節用永久磁石41,51の両面に、前記凹状部4d,5dを形成し、前記ベースを除去した構成が挙げられる。またさらに他の態様として、図11(b)に示すように、前記磁場調節用永久磁石41,51の両面に、前記凹状部4d,5d及び前記凹状部4d,5dに配置した充填用磁性体8を有し、前記ベースを除去した構成が挙げられる。このように前記ベースを除去して磁場発生装置1を構成することにより、磁場発生装置1の両面にターゲット7,7を配置して両面でスパッタすることが可能となる。なお図11(a)及び図11(b)において、コーナー部磁場調節用永久磁石51は直前部磁場調節用永久磁石41と同様なので省略した。
さらに本発明の磁場発生装置を複数台所定間隔で並列に配置し、各磁場発生装置を前記間隔と同程度に移動(揺動)させることにより、一体型のターゲットを使用して大型の基板に成膜することができる。また磁場発生装置には、磁場発生装置の上面とターゲット面との距離を調節する機構を設けてもよい。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
比較例1
図12(a)、図12(b)及び図12(c)に示す構成で、Al-Mg系合金(A5052)製のベース6上に、フェライト系ステンレス(SUS430)製の中央磁極部材2、その端部2a、外周磁極部材3及びコーナー部外周磁極部材3c、並びにフェライト焼結磁石(日立金属製NMF-3B、最大エネルギー積:約4 MGOe)からなる直線部用永久磁石4、コーナー部用永久磁石5を配置し、磁場発生装置1(W=360 mm、L1=260 mm、L2=50 mm、a=110 mm、b=26 mm、c=10 mm、d=8 mm、e=20 mm、f=42 mm、g=42 mm、h=18 mm、及びi=8 mm)を作製した。
実施例1
直線部用永久磁石4及びコーナー部用永久磁石5を、図13(a)、図13(b)及び図13(c)に示すように、それぞれ凹状部4d及び凹状部5dを有する直線部磁場調節用永久磁石41及びコーナー部磁場調節用永久磁石51に置き換えた以外比較例1と同様にして磁場発生装置1(W=360 mm、L1=260 mm、L2=50 mm、a=110 mm、b=26 mm、c=10 mm、d=8 mm、e=20 mm、f=42 mm、g=42 mm、h=18 mm、h1=13 mm、hc=18 mm、hc1=13 mm、i=8 mm、j=26 mm、k=8 mm、l=8 mm、m=26 mm、n=8 mm、及びo=8 mm)を作製した。
実施例1及び比較例1の磁場発生装置1表面(ターゲットと対向する面)から17 mmの位置(ターゲット表面の位置に相当)における磁束密度を磁場解析により求め、前記磁束密度のターゲット表面に対して平行な成分(磁束密度平行成分)及び垂直な成分(磁束密度垂直成分)を、図14に示すように、Aライン(直線部中央)及びBライン(コーナー部)に沿ってそれぞれ図15及び図16にプロットした。
図15及び図16から、直線部用永久磁石4及びコーナー部用永久磁石5に凹状部4d及び凹状部5dを設けた直線部磁場調節用永久磁石41及びコーナー部磁場調節用永久磁石51に置き換えたことにより、直線部及びコーナー部ともに磁束密度平行成分が磁化方向に沿って台形状になり、より均一な磁場を与えることがわかった。これらの結果から、本発明の磁場発生装置は、従来のものに比べて、ターゲットのエロージョンが均一化され、ターゲットの利用効率が向上すると予測できる。
1・・・マグネトロンスパッタリング用磁場発生装置
2・・・中央磁極部材
2a・・・端部
3・・・外周磁極部材
3c・・・コーナー部外周磁極部材
4・・・直線部用永久磁石
4a・・・中央部
4b,4c・・・両端部
4d・・・凹状部
41・・・磁場調節用永久磁石
42・・・磁場調節用永久磁石群
42a,42b・・・永久磁石
5・・・コーナー部用永久磁石
5a・・・中央部
5b,5c・・・両端部
5d・・・凹状部
5e・・・間隙
51・・・磁場調節用永久磁石
52・・・磁場調節用永久磁石群
52a,52b・・・永久磁石
6・・・ベース
7・・・ターゲット
7a・・・ターゲット表面
8・・・充填用磁性体
20・・・直線部
30・・・コーナー部
200・・・マグネトロンスパッタリング用磁場発生装置
210・・・ベース
220・・・中央磁極片
230・・・外周磁極片
240,250・・・永久磁石

Claims (15)

  1. ターゲットに対向し、ターゲット表面に磁場を発生させるための、直線部及びコーナー部からなるレーストラック形状のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置であって、
    非磁性体からなるベース上に、(a)棒状の中央磁極部材と、(b)前記中央磁極部材を取り囲むように設置された外周磁極部材と、(c)前記中央磁極部材と前記外周磁極部材との間に、一方の磁極が前記中央磁極部材に対向し、他方の磁極が前記外周磁極部材に対向するように設置された複数の永久磁石とを有し、
    前記直線部に設置された複数の永久磁石は、前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが磁化方向の中央部において両端部よりも薄い、少なくとも1つの磁場調節用永久磁石を含み、
    前記磁場調節用永久磁石は、前記ターゲット側の面及び/又は前記ベース側の面に、前記中央部の領域に対応する凹状部を有し、
    前記凹状部に磁性体が配置されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  2. 請求項1に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、
    前記コーナー部に設置された複数の永久磁石は、前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが磁化方向の中央部において両端部よりも薄い、少なくとも1つの磁場調節用永久磁石を含むことを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  3. 請求項2に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記コーナー部の磁場調節用永久磁石は、前記ターゲット側の面及び/又は前記ベース側の面に、前記中央部の領域に対応する凹状部を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  4. 請求項3に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記凹状部に磁性体配置されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、
    前記磁場調節用永久磁石は、前記磁化方向の中央部及び両端部の少なくとも3つの領域を有し、前記両端部の領域は前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが互いに等しく、前記中央部の領域の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが前記両端部の領域の厚さよりも薄いことにより、前記中央部の領域に対応する凹状部が形成されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  6. 請求項5に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、
    前記中央部の領域の磁化方向長さが、前記永久磁石の磁化方向全長の1〜99%であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  7. 請求項5又は6に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、
    前記中央部の領域の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さが、前記両端部の前記ターゲット表面に垂直な方向の厚さの0%より大きく99%以下であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記中央部及び両端部の少なくとも3つの領域が、それぞれ独立した永久磁石からなり、それらの独立した永久磁石を貼り合わせて前記磁場調節用永久磁石が構成されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記磁場調節用永久磁石は、前記ターゲット側及び前記ベース側の両面に、前記中央部の領域に対応する凹状部を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記凹状部に配置した前記磁性体の厚さが、前記凹状部の深さと同じであることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記磁場調節用永久磁石は、前記ターゲット側及び前記ベース側の両面に、前記中央部の領域に対応する凹状部及び前記凹状部に配置した磁性体を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  12. 請求項9に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置から、前記ベースを除去した構成を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  13. 請求項11に記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置から、前記ベースを除去した構成を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、
    前記複数の永久磁石の少なくとも1つを、前記永久磁石と磁化方向が同じで磁化方向長さが短い少なくとも2つの永久磁石を離間して直列に配置してなる磁場調節用永久磁石群に置き換えた構成を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置において、前記ターゲット表面に印加される磁場の、前記ターゲット表面に対して垂直な方向の磁束密度がゼロとなる位置において、前記ターゲット表面に対して平行な方向の磁束密度が10 mT以上であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁場発生装置。
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