JP5970399B2 - 防水コネクタ - Google Patents
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Description
防水構造を形成するために、内部の導電部材の周囲を囲むように環状の防水ゴムを備える方法がある。例えば、図43のコネクタにおいて、第1コネクタハウジング2と第2コネクタハウジング3との接合部に設置された環状の防水ゴムで、嵌合時に互いに接続されるコンタクト4および5の周囲を囲むことにより、これらコンタクト4および5に対する防水を図ることができる。
すなわち、図43(A)に示されるように、操作レバー1の回転に伴って操作レバー1の先端部8を環状の防水ゴム9の内側に嵌め込もうとしても、操作レバー1の先端部8が円弧状に移動するため、図43(B)に示されるように、防水ゴム9の圧迫は不均一とならざるを得ない。仮に、操作レバー1の先端部8と環状の防水ゴム9のサイズおよび相対的な位置関係を最適なものに設計することで防水効果を期待しても、実使用時においては、設計公差およびコネクタの嵌合状態等に起因して防水効果が低下することとなる。
さらに、プラグ側嵌合検知ピンは、プラグ側ハウジングの近傍に配置され、スライダは、プラグ側嵌合検知ピン収容部が形成されたスライダハウジングを有し、ソケット側嵌合検知ピンは、一端がプラグ側嵌合検知ピン収容部内に露出するようにスライダハウジングに取り付けられ、ロックばねは、スライダハウジングの外面上に取り付けられることが好ましい。
スライダは、検知ピン接続位置ロック用の第1の突起部を有し、スライダハウジング収容部は、プラグとソケットとが嵌合され且つスライダが検知ピン接続位置に位置したときに第1の突起部が挿入されて引っ掛かる第1の引っ掛け部を有し、第1の突起部および第1の引っ掛け部によりスライダロック機構を形成するように構成することができる。
スライダは、第1の突起部が形成された弾性変形可能な梁部と、梁部の上に形成された押し込みボタンを有していてもよい。この場合、スライダは、梁部の上に形成された検知ピン遮断位置ロック用の第2の突起部を有し、スライダ格納部は、第2の突起部が引っ掛かる第2の引っ掛け部を有することもできる。
スライダ格納部は、スライダが検知ピン遮断位置に位置するときにロックばねを押し込んで内側へ変位させるロックばね押さえを有し、スライダが検知ピン接続位置に位置すると、ロックばねは、スライダ格納部の外に出て拡張することが好ましい。
操作レバーは、平坦部を有し、ロックばねは、操作レバーがコネクタ嵌合位置に位置する状態で拡張したときに操作レバーの平坦部に接触する先端部を有していてもよい。
好ましくは、プラグは、プラグ側ハウジングに突出形成された引っ掛けピンを有し、ソケットは、ソケット側ハウジングに突出形成された回動軸ピンを有し、操作レバーは、回動軸ピンが挿入される回動軸孔と引っ掛けピンが挿入されるガイド溝を有している。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る防水コネクタの構成を示す。防水コネクタは、モータ、インバータ等のハウジングに固定されるプラグ11と、ケーブルの端部に取り付けられるソケット12を備えており、ソケット12に操作レバー13が回転可能に取り付けられている。プラグ11にソケット12をあてがって操作レバー13を回転することにより、図2に示されるように、ソケット12がプラグ11に嵌合する。
プラグ側ハウジング16の内部にソケット側コンタクト収容部18が形成されると共に、プラグ側ハウジング16の上部に、操作レバー13と係わり合う引っ掛けピン19が突出形成されている。
図5に示されるように、プラグ側コンタクト20には、ソケット側コンタクト収容部18に露出する一端側に接点部23が形成され、プラグ側ハウジング16の背部から突出する他端側に接続用の孔24が形成されている。
スライダハウジング収容部25内に形成された検知ピン突入部26には、図9に示されるような検知信号ハーネス32が格納されている。この検知信号ハーネス32には、先端部に一対のピン挿入孔33が形成され、検知信号ハーネス32の内部に、図10に示されるような一対のプラグ側嵌合検知ピン34がそれぞれ格納され、プラグ側嵌合検知ピン34にリード線35が接続されている。
ソケット側ハウジング36にケーブル38の折れ曲がりを緩和すると共に外部からの水の浸入を防止するためのケーブル側防水ゴム部材39が取り付けられている。また、ソケット側ハウジング36の上部および下部にそれぞれ回動軸ピン40が突出形成され、これらの回動軸ピン40を中心として回転可能に操作レバー13がソケット側ハウジング36に取り付けられている。さらに、スライダ格納ハウジング37の内部に、スライダS1が格納されている。
なお、嵌合軸C1と中心軸C3との間隔は、プラグ11における嵌合軸C1と中心軸C2との間隔と同一の値に設定されているものとする。
図13に、3本のケーブル38の先端にそれぞれ接続された3つのソケット側コンタクト42を示す。それぞれのソケット側コンタクト42は、図14に示されるように、一端にほぼ矩形の断面を有する筒形状部44を有すると共に、他端にケーブル38に結線される結線部45を有し、筒形状部44の内部に板ばね46が固定されている。板ばね46は、コネクタの嵌合時にプラグ側コンタクト20に接触するもので、図15に示されるように、断面が「く」の字状に屈曲した接点部47を有している。
図17に示されるように、ソケット側ハウジング36の上壁部には、プラグ側ハウジング16に突出形成された引っ掛けピン19が導入されるスリット状の引っ掛けピン導入溝53が形成され、ソケット側ハウジング36の背部には、3つのソケット側コンタクト42に接続される3本のケーブル38を通すケーブル収容部54が形成されている。
図19に示されるように、押し込みボタンスライド溝61の中間部には、押し込みボタンスライド溝61に直交する直交溝62が接続されている。また、ランス60の先端部に凸部60aが形成されている。
スライダハウジング63の側面上には、中心軸C4に沿って延びる弾性変形可能な梁部65が形成され、梁部65の上に1つの第1の突起部66と、第1の突起部66を挟んで中心軸C4に直交する方向の両側に配置された一対の第2の突起部67と、第1の突起部66の近傍に配置された押し込みボタン68がそれぞれ形成されている。さらに、図21に示されるように、第1の突起部66には、スライダS1の先端側にテーパ部66aが形成され、双方の第2の突起部67には、それぞれスライダS1の基端側にテーパ部67aが形成されている。
また、スライダハウジング63の上面および下面には、それぞれ中心軸C4方向に延びる仮固定溝69が形成され、仮固定溝69の中に第3の突起部70が形成されている。
図23に示されるように、スライダハウジング63の内部には、スライダS1の先端方向に開口する検知信号ハーネス収容部71が形成され、検知信号ハーネス収容部71内に2本のソケット側嵌合検知ピン72が突出している。これらのソケット側嵌合検知ピン72は、図24に示されるように、スライダハウジング63の内部で互いに連結されている。
ここで、スライダS1の仮固定溝69の中に第3の突起部70が形成されているので、スライダ格納ハウジング37のランス60の先端に形成された凸部60aがスライダS1の第3の突起部70に接触することで、スライダ格納ハウジング37からのスライダS1の脱落が防止されるように構成されている。
図26および27に示したように、スライダS1を検知ピン遮断位置に位置させた状態で、図30に示されるように、嵌合軸C1に沿ってソケット12をプラグ11に接近させる。このとき、操作レバー13は、把持部48がプラグ11から最も離されるような回転位置にあり、この回転位置を「コネクタ離脱位置」と呼ぶこととする。この状態から、ソケット12をプラグ11に向けて押し込むと、図31に示されるように、プラグ側ハウジング16の上部に突出形成されている引っ掛けピン19が、ソケット12に取り付けられている操作レバー13のガイド溝51に挿入される。このとき、図32に示されるように、ソケット12のスライダS1は、まだ、プラグ11側のスライダ受け容れハウジング17から離れた状態にあり、スライダS1の一対のロックばね64は、ロックばね押さえ58により押されて弾性変形し、一対のロックばね64の先端部64bの間隔W3は、操作レバー13の間隔W1よりも小さくなっている。すなわち、操作レバー13は、回転操作可能な状態にある。
これにより、図34に示されるように、プラグ側コンタクト20の接点部23がソケット側コンタクト42の筒形状部44内に挿入され、板ばね46の接点部47により押しつけられ、コネクタの主回路がオン状態となる。
ただし、このとき、図35に示されるように、スライダS1のソケット側嵌合検知ピン72とプラグ11のプラグ側嵌合検知ピン34は互いに離れており、コネクタの嵌合状態は、まだ検知されていない。
また、スライダS1が前方へ移動したことにより、図38に示されるように、ロックばね押さえ58によるロックばね64の押さえが解除され、ロックばね64はスライダ受け容れハウジング17のロックばね突入部27を通って初期の状態に拡張し、一対のロックばね64の先端部64bの間隔W2は、操作レバー13の間隔W1よりも大きくなる。その結果、一対のロックばね64の先端部64が、それぞれ操作レバー13の平坦部52に接触し、操作レバー13の回転位置がロックされる。このため、操作レバー13に不測の外力が加わっても、操作レバー13がコネクタ嵌合位置から回転することはなく、プラグ11とソケット12の嵌合状態が維持される。
そこで、回動軸ピン40を中心として操作レバー13の把持部48をプラグ11から引き離すように引くことにより操作レバー13をコネクタ嵌合位置からコネクタ離脱位置まで回転させると、プラグ側ハウジング16の引っ掛けピン19が操作レバー13のガイド溝51によって案内され、ソケット12がプラグ11から離れ始める。さらに、ソケット12をプラグ11から引き離すことで、コネクタが離脱される。すなわち、プラグ側コンタクト20とソケット側コンタクト42とが互いに離され、コネクタの主回路はオフ状態となる。
図39に、実施の形態2に係る防水コネクタで用いられるスライダS2の構成を示す。このスライダS2は、実施の形態1で使用されたスライダS1において、一対のロックばね64に回転阻止用突起部64cを形成したものである。一対のロックばね64が拡張状態にあるときには、これら回転阻止用突起部64cの間隔は、操作レバー13の間隔W1よりも大きい値を有するものとする。
図40に示されるように、スライダS2を検知ピン遮断位置に位置させて一対のロックばね64をロックばね押さえ58で内側へ変位し、一対のロックばね64の先端部64bの間隔W3が操作レバー13の間隔W1よりも小さくなった状態で、操作レバー13をコネクタ離脱位置から回転させれば、ロックばね64の先端部64bおよび回転阻止用突起部64cは操作レバー13の回転経路に干渉することなく、操作レバー13は正常にコネクタ嵌合位置まで回転する。すなわち、実施の形態1と同様にして、コネクタの嵌合および離脱を行うことができる。
Claims (12)
- プラグにソケットを嵌合することにより主回路を形成するプラグ側コンタクトとソケット側コンタクトとが接続され、プラグ側嵌合検知ピンにソケット側嵌合検知ピンが接続されることで前記プラグと前記ソケットとの嵌合を検知する防水コネクタにおいて、
コネクタ嵌合位置とコネクタ離脱位置との間で回転可能に前記ソケットに取り付けられると共に前記コネクタ嵌合位置に向けて回転することで前記ソケットを嵌合軸に沿って前記プラグに嵌合させる嵌合力を発生し且つ前記コネクタ離脱位置に向けて回転することで前記ソケットを前記嵌合軸に沿って前記プラグから離脱させる離脱力を発生する操作レバーと、
前記ソケット側嵌合検知ピンを有すると共に前記嵌合軸に沿って検知ピン接続位置と検知ピン遮断位置との間で直進可能に前記ソケットに取り付けられたスライダと、
前記スライダに取り付けられ且つ前記スライダが前記検知ピン遮断位置にあるときは前記操作レバーの回転経路に干渉しないように内側へ変位すると共に前記スライダが前記検知ピン接続位置にあるときは前記操作レバーの回転経路上にまで拡張するロックばねと、
前記スライダを前記検知ピン接続位置にロックするスライダロック機構と、
前記プラグに前記ソケットを嵌合したときに、互いに接続される前記プラグ側コンタクトおよび前記ソケット側コンタクトの周囲を囲む環状のコンタクト用防水部材と、
前記プラグ側嵌合検知ピンに前記ソケット側嵌合検知ピンを接続したときに、前記プラグ側嵌合検知ピンおよび前記ソケット側嵌合検知ピンの周囲を囲む環状の検知ピン用防水部材と
を備え、前記スライダが前記検知ピン遮断位置に位置する状態で前記操作レバーを前記コネクタ嵌合位置に回転させて前記プラグ側コンタクトに前記ソケット側コンタクトを接続した後、前記スライダを前記検知ピン接続位置に直進させることにより、前記プラグ側嵌合検知ピンに前記ソケット側嵌合検知ピンが接続されると共に前記ロックばねが拡張して前記操作レバーが前記コネクタ嵌合位置にロックされることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記プラグは、前記プラグと前記ソケットとの嵌合時に前記ソケット側コンタクトを収容するためのソケット側コンタクト収容部が形成されたプラグ側ハウジングを有し、
前記ソケットは、前記プラグと前記ソケットとの嵌合時に前記プラグ側ハウジングを嵌め込むためのプラグ側ハウジング収容部が形成されたソケット側ハウジングを有し、
前記プラグ側コンタクトは、一端が前記ソケット側コンタクト収容部内に露出するように前記プラグ側ハウジングに取り付けられ、
前記ソケット側コンタクトは、一端が前記プラグ側ハウジング収容部内に露出するように前記ソケット側ハウジングに取り付けられている請求項1に記載の防水コネクタ。 - 前記プラグ側嵌合検知ピンは、前記プラグ側ハウジングの近傍に配置され、
前記スライダは、前記プラグ側嵌合検知ピン収容部が形成されたスライダハウジングを有し、
前記ソケット側嵌合検知ピンは、一端が前記プラグ側嵌合検知ピン収容部内に露出するように前記スライダハウジングに取り付けられ、
前記ロックばねは、前記スライダハウジングの外面上に取り付けられている請求項2に記載の防水コネクタ。 - 前記ソケットは、前記ソケット側ハウジングに一体に形成されると共に前記スライダを前記嵌合軸に沿って移動可能に格納するスライダ格納部を有し、
前記プラグは、前記スライダハウジングを収容するためのスライダハウジング収容部を有し、
前記プラグ側嵌合検知ピンは、前記スライダハウジング収容部内に露出するように配置されている請求項3に記載の防水コネクタ。 - 前記スライダは、検知ピン接続位置ロック用の第1の突起部を有し、
前記スライダハウジング収容部は、前記プラグと前記ソケットとが嵌合され且つ前記スライダが前記検知ピン接続位置に位置したときに前記第1の突起部が挿入されて引っ掛かる第1の引っ掛け部を有し、
前記第1の突起部および前記第1の引っ掛け部により前記スライダロック機構が形成される請求項4に記載の防水コネクタ。 - 前記スライダは、前記第1の突起部が形成された弾性変形可能な梁部と、前記梁部の上に形成された押し込みボタンを有する請求項5に記載の防水コネクタ。
- 前記スライダは、前記梁部の上に形成された検知ピン遮断位置ロック用の第2の突起部を有し、
前記スライダ格納部は、前記第2の突起部が引っ掛かる第2の引っ掛け部を有する請求項6に記載の防水コネクタ。 - 前記スライダは、前記嵌合軸に沿って形成された溝と、前記溝内に形成された脱落防止用の第3の突起部を有し、
前記スライダ格納部は、前記溝内に弾性的に挿入されるランスを有し、
前記ランスの先端部が前記第3の突起部に接触することにより前記スライダ格納部からの前記スライダの脱落が防止される請求項4〜7のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記スライダ格納部は、前記スライダが前記検知ピン遮断位置に位置するときに前記ロックばねを押し込んで内側へ変位させるロックばね押さえを有し、
前記スライダが前記検知ピン接続位置に位置すると、前記ロックばねは、前記スライダ格納部の外に出て拡張する請求項1〜8のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記操作レバーは、平坦部を有し、
前記ロックばねは、前記操作レバーが前記コネクタ嵌合位置に位置する状態で拡張したときに前記操作レバーの前記平坦部に接触する先端部を有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記ロックばねは、前記スライダを前記検知ピン接続位置に位置させることにより拡張している状態で、前記操作レバーを前記コネクタ離脱位置から前記コネクタ嵌合位置に向けて回転させたときに、前記操作レバーに接触して前記操作レバーの前記コネクタ嵌合位置への回転を阻止するための回転阻止用突起部を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記プラグは、前記プラグ側ハウジングに突出形成された引っ掛けピンを有し、
前記ソケットは、前記ソケット側ハウジングに突出形成された回動軸ピンを有し、
前記操作レバーは、前記回動軸ピンが挿入される回動軸孔と前記引っ掛けピンが挿入されるガイド溝を有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
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