JP5965932B2 - α−カロテン骨格を持ったカロテノイドの生産方法 - Google Patents
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Description
さらに、β-クリプトキサンチンには骨粗鬆症や肺がんの予防効果があることがわかっている(非特許文献1)。また、リコペン(リコピン)、ルテイン(α-カロテン骨格を持ったカロテノイドの1つ)、ゼアキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチンといった、ヒトではビタミンAでは代謝されないこれらのカロテノイドについても、ヒトの健康に重要であることがわかってきている。
こられのカロテノイドは、トマト(リコペン)、緑色野菜(ルテイン、ゼアキサンチン)、海藻(フコキサンチン)、又はサケ(アスタキサンチン)といった食品に含まれており、カロテノイドの豊富な食品の摂取が、疾病予防や健康維持に大きく貢献すると期待されている。例えば、ルテインとゼアキサンチンは、ヒトの眼の黄班部に分布し、加齢性黄斑変性の予防など眼の健康に重要な役割を果たしている(非特許文献2)。アスタキサンチンは4位及び4’位がケト化されたケトカロテノイドの1種であるが、このカロテノイドには抗老化(アンチエージング)や抗疲労作用等があり、皮膚の老化や眼精疲労、筋肉疲労等の軽減に効果があることが知られている(非特許文献3)。
なお、前述したすべてのカロテノイドは、通常の食品から摂取できるが、現在ではサプリメントとしても販売されている。例えば、マリーゴールドから抽出したルテインとゼアキサンチンを含有する健康食品用機能性素材がユニキス(株)から販売されており、ヘマトコッカス(Haematococcus)藻から抽出したアスタキサンチンを含有する健康食品・化粧品用機能性素材がアスタリール(株)から販売されている。
一方、高等植物は、通常、β環の4,4’位にケト基を導入する酵素遺伝子を有さないので、アスタキサンチン等のケトカロテノイドを合成できない。ただし、フクジュソウ(福寿草)の仲間アドニス(Adonis)属植物(例えばアドニス・エスティバリス(Adonisaestivalis)は例外で、その赤い花弁にアスタキサンチン脂肪酸エステルを蓄積する(非特許文献4)。
今日では、ケト基導入酵素(carotenoid4,4’-ketolase;carotenoid4,4’-oxygenaseとも呼ばれる)遺伝子を利用した代謝工学(pathwayengineering;先端(モダン)バイオテクノロジーの一技術分野)により、種々の高等植物にアスタキサンチン産生能を与えることができる(非特許文献4)。しかしながら、植物は微生物に比べて成長が著しく遅く、植物を用いた場合の生産性は、大腸菌などの微生物を用いた場合に比べて低い。
これまでに、γ-プロテオバクテリア綱の土壌細菌パントエア・アナナティス(Pantoea ananatis)由来のcrtE(GGPP synthase)、crtB(phytoene synthase)、crtI(phytoene desaturase)遺伝子を使用したプラスミド(pACCRT-EIB)を用いて、大腸菌を形質転換することにより、リコペンが生産されることが報告されている(特許文献1、非特許文献5)。また、同等の3つのcrt遺伝子が導入されリコペンを生産する大腸菌に、シロイヌナズナ由来のリコペンβ環化酵素 LCYb(lycopene β-cyclase)遺伝子、及び、リコペンε環化酵素 LCYe (lycopeneε-cyclase)とLCYb遺伝子を導入することにより、それぞれ、β-カロテン、及び、α-カロテン、δ-カロテン及びβ-カロテンが生産されることが報告されている(非特許文献6,7)。さらに、このα-カロテン等を生産する大腸菌に、イネ由来のカロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ(carotenoidβ-ring hydroxylase;シトクロムP450 CYP97A4)とカロテノイドε-ヒドロキシラーゼ(carotenoidε-ring hydroxylase;シトクロムP450 CYP97C2)をコードする遺伝子を導入することにより、ルテインやゼイノキサンチンなどが生産されることが報告されている(非特許文献7)。また、ケトカロテノイドを合成するのに働くケト基導入酵素をコードする遺伝子は、1995年にα-プロテオバクテリア綱の海洋細菌パラコッカス属(Paracoccus sp.)N81106株(当初はアグロバクテリウム・オーランティアカム(Agrobacterium aurantiacum)と呼ばれていた)から初めて単離され、crtWと名付けられた(特許文献1、非特許文献5)。その後、カロテノイド産生細菌等から種々のカロテノイド生合成遺伝子が単離され、今日では、これらの遺伝子(crtWを含む)を組み合わせて、アスタキサンチン、カンタキサンチン、ゼアキサンチンなど、様々なカロテノイドを大腸菌に作らせることが可能になっている(特許文献1、非特許文献5、8、9)。
1.α-カロテン骨格を持ったカロテノイドの製造方法であって、
以下の(1)〜(5)のいずれか1の遺伝子群が導入されたリコペン産生能を持つ宿主を培養し、培養後の宿主からα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを抽出することを特徴とする製造方法。
(1)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素
(2)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素
(3)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ
(4)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼ
(5)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼ
2.さらに、イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子が前記リコペン産生能を持つ宿主に導入されている前項1に記載の製造方法。
3.前記α-カロテン骨格を持ったカロテノイドは、以下のいずれか1以上である前項1又は2に記載の製造方法。
(1)4-ケトゼイノキサンチン
(2)α-エキネノン
(3)ゼイノキサンチン
(4)ルテイン
(5)α-カロテン
4.リコペン産生能を持つ宿主は、リコペン産生大腸菌である前項1〜3のいずれか1に記載の製造方法。
5.下記の構造式(I)を有する化合物。
本発明のα-カロテン骨格を持ったカロテノイドは、以下を例示できる。これらのα-カロテン骨格を持ったカロテノイドは、合成が困難である。なお、参照として、α-カロテン(α-carotene){(6’R)-β,ε-Carotene、β環とε環を持ったカロテン}の構造を以下に示す。
骨粗鬆症の予防を始めとしてヒトの健康の維持に重要な働きをするβ-クリプトキサンチン(骨粗鬆症や肺がんの予防効果があることが知られている、非特許文献1)と類似の構造(β環を持つ単極性カロテノイド)をしているので、重要な機能性を有することが期待される。特に、抗老化・抗疲労効果等を有する強力な抗酸化カロテノイドであるアスタキサンチン{抗老化(アンチエージング)や抗疲労作用等があり、皮膚の老化や眼精疲労、筋肉疲労等の軽減に効果があることが知られている、非特許文献3}の構造(3-ヒドロキシ-4-ケト-β環)も併せ持っているので、極めて有望である。
骨粗鬆症の予防を始めとしてヒトの健康の維持に重要な働きをするβ-クリプトキサンチン(非特許文献1)と類似の構造(β環を持つ単極性カロテノイド)をしているので、重要な機能性を有することが期待される。
骨粗鬆症の予防を始めとしてヒトの健康の維持に重要な働きをするβ-クリプトキサンチン(非特許文献1)と類似の構造(β環を持つ単極性カロテノイド)をしているので、重要な機能性を有することが期待される。
加齢性黄斑変性の予防に効果があることがわかっている機能性カロテノイドである(非特許文献2)。
本発明のα-カロテン骨格を持ったカロテノイドの生産方法に使用するα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する宿主とは、カロテノイド生合成酵素をコードする外来性の遺伝子群が導入された宿主のことである。
宿主としては、組換え大腸菌、昆虫系、酵母系、植物細胞系、無細胞系(コムギ胚芽等)等を使用することができるが、特に好ましいのはカロテノイドを産生する大腸菌である。なお、カロテノイドを産生する大腸菌とは、カロテノイド生合成酵素をコードする外来性の遺伝子群が導入された遺伝子組換え大腸菌のことである。
α-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する宿主である例えば大腸菌は、カロテノイド生合成に関与する酵素の遺伝子として、α-カロテンからα-エキネノンを合成する(α-カロテンをα-エキネノンに変換する)酵素であるCrtWをコードする遺伝子を、α-カロテンを生産する遺伝子組換え大腸菌に導入することにより得ることができる。
カロテノイド生合成に関与する酵素遺伝子群について、以下で詳細に説明する。
4-ケトカロテノイドを合成するのに必要な酵素遺伝子については、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素(ケト基導入酵素)をコードする遺伝子が好適である。ケト基導入酵素遺伝子として、α-プロテオバクテリア綱に属する細菌から単離されたcrtW遺伝子や、H. pluvialisから単離されたBkt遺伝子(Bkt1、Bkt2、Bkt3)等が知られている(非特許文献5及び8)。
なお、CrtW(crtW遺伝子がコードするタンパク質)とBKT(Bkt遺伝子がコードするタンパク質)は互いに相同性を有している。好ましくは、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素(ケト基導入酵素)を用いる。より好ましくは、ブレバンディモナス属細菌SD212株(Brevundimonas sp. SD212株)由来のカロテノイド4,4’-ケト基導入酵素(CrtW)をコードする遺伝子配列(前記非特許文献5;配列情報はDDBJ アクセッション番号 AB377271に記載)を用いる。必ずしも、これと同じcrtW遺伝子配列を用いる必要は無く、他の生物由来のケト基導入酵素を用いてもよい。
カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素をコードする遺伝子としては、ブレバンディモナス属細菌SD212株由来のカロテノイド4,4’-ケト基導入酵素(CrtW)(配列番号2)をコードする遺伝子が好ましく、このような遺伝子として、例えば、配列番号1の塩基配列を含むDNAがより好ましい。
また、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素をコードする遺伝子として、配列番号1の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAと、ストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつβ環を持つカロテノイド(β-カロテンやゼアキサンチン等)のβ環の4位及び/又は4’位にケト基を導入する活性を有するポリペプチドをコードするDNAも、好適に用いられる。また、このようなDNA配列として、配列番号1の塩基配列からなるDNAと通常約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の配列同一性を有し、かつβ環を持つカロテノイドのβ環の4位及び/又は4’位にケト基を導入する活性を有するポリペプチドをコードするDNAが好適に用いられる。
本明細書中において「ストリンジェントな条件」は、一般的な条件、例えば、MolecularCloning, A Laboratory Manual, Second Edition, 1989, Vol2, p11.45に記載された条件を指す。具体的には、完全ハイブリッドの融解温度(Tm)より5〜10℃低い温度でハイブリダイゼーションが起こる場合を指す。
IDI(Idi;IPP isomerase)によりIPPとDMAPPの量比が調整される。IDI(Idi)には互いに構造が異なる、1型(type 1)と2型(type 2)が存在している。2型のidi遺伝子は、α-プロテオバクテリア綱又はγ-プロテオバクテリア綱に属するカロテノイド産生細菌が有するカロテノイド生合成遺伝子群(carotenoid biosynthesis gene cluster)の中に時々一緒に存在している(三沢典彦, オレオサイエンス 9 (9): 385-391, 2009)。1型、2型にかかわらず、idi遺伝子をカロテノイド生合成遺伝子と共に大腸菌に導入して発現させると、idi遺伝子を導入しない場合と比べて、カロテノイドの生産量が上昇することがわかっている(H. Harada, N. Misawa, Appl. Microbiol.Biotechonol. 84: 1021-1031, 2009)。
本発明で用いられる遺伝子組換え大腸菌は、前記カロテノイド生合成に関与する酵素遺伝子に加えて、イソペンテニル二リン酸イソメラーゼをコードする遺伝子を導入することにより得られる遺伝子組換え大腸菌であることが好ましい。
本発明者らは、下記実施例では、一例として1型のidi遺伝子を用いた。具体的には、担子菌様酵母Xanthophyllomyces dendrorhous由来のIdiをコードする遺伝子配列(非特許文献9;配列情報はDDBJアクセッション番号 AB019035に記載)を用いた。すなわち、本実施例では、このidi遺伝子の発現用プラスミドpRK-idi(非特許文献9)を、目的遺伝子配列とともに大腸菌に導入し、α-カロテン骨格を持った希少カロテノイドを主成分として産生する遺伝子組換え大腸菌を得た。
前記酵母Xanthophyllomyces dendrorhous由来のIPPイソメラーゼ(Idi)をコードする遺伝子配列(DDBJ アクセッション番号 AB019035)を配列番号3に示し、酵母Xanthophyllomyces dendrorhous由来のIPPイソメラーゼ(Idi)のアミノ酸配列を配列番号4に示す。
また、イソペンテニル二リン酸イソメラーゼをコードする遺伝子として、配列番号3の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAと、ストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつイソペンテニル二リン酸をジメチルアリル二リン酸に変換するイソメラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA等も好適に用いられる。また、このようなDNAとして、例えば、配列番号3の塩基配列からなるDNAと通常約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の配列同一性を有し、かつイソペンテニル二リン酸をジメチルアリル二リン酸に変換するイソメラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAが好適に用いられる。
ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)由来のカロテノイド生合成酵素遺伝子群、すなわち、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素、リコペンβ環化酵素、リコペンε環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、ならびにシトクロムP450 CYP97C(カロテノイドε-ヒドロキシラーゼ)をコードする遺伝子群の内、そのすべて、又はリコペンβ環化酵素とリコペンε環化酵素をコードする遺伝子を含む一部の遺伝子群を、必要に応じてケト基導入酵素やIPPイソメラーゼ遺伝子と共に、リコペンを産生する宿主(例、大腸菌)に導入して得られるα-カロテン骨格を持ったカロテノイド産生宿主(例、遺伝子組換え大腸菌)が好ましい。このようなカロテノイド産生宿主は、4-ケトゼイノキサンチンを始めとするα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを効率的に生産することができる。
前記リコペンβ環化酵素をコードする遺伝子としては、ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)由来のリコペンβ環化酵素(MpLCYb)(配列番号6)をコードする遺伝子が好ましく、このような遺伝子として、例えば、配列番号5の塩基配列を含むDNA等が好ましく、配列番号5の塩基配列からなるDNAがより好ましい。
また、リコペンβ環化酵素をコードする遺伝子として、配列番号5の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAと、ストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつリコペンの端をβ環化する活性を有するポリペプチドをコードするDNAも、好適に用いられる。また、このようなDNA配列として、配列番号5の塩基配列からなるDNAと通常約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の配列同一性を有し、かつリコペンの端をβ環化する活性を有するポリペプチドをコードするDNAが好適に用いられる。
前記リコペンε環化酵素をコードする遺伝子としては、ゼニゴケ由来のリコペンε環化酵素(MpLCYe)(配列番号8)をコードする遺伝子が好ましく、このような遺伝子として、例えば、配列番号7の塩基配列を含むDNA等が好ましく、配列番号7の塩基配列からなるDNAがより好ましい。
また、リコペンε環化酵素をコードする遺伝子として、配列番号7の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAと、ストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつリコペンの端をε環化する活性を有するポリペプチドをコードするDNAも、好適に用いられる。また、このようなDNA配列として、配列番号7の塩基配列からなるDNAと通常約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の配列同一性を有し、かつリコペンの端をε環化する活性を有するポリペプチドをコードするDNAが好適に用いられる。
前記カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼをコードする遺伝子としては、ゼニゴケ由来のカロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ(MpBHY)(配列番号10)をコードする遺伝子が好ましく、このような遺伝子として、例えば、配列番号9の塩基配列を含むDNA等が好ましく、配列番号9の塩基配列からなるDNAがより好ましい。
また、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼをコードする遺伝子として、配列番号9の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAと、ストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつカロテノイドのβ環を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするDNAも、好適に用いられる。また、このようなDNA配列として、配列番号9の塩基配列からなるDNAと通常約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の配列同一性を有し、かつカロテノイドのβ環を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするDNAが好適に用いられる。
前記カロテノイドε-ヒドロキシラーゼをコードする遺伝子としては、ゼニゴケ由来のカロテノイドε-ヒドロキシラーゼ(MpCYP97C)(配列番号12)をコードする遺伝子が好ましく、このような遺伝子として、例えば、配列番号11の塩基配列を含むDNA等が好ましく、配列番号11の塩基配列からなるDNAがより好ましい。
また、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼをコードする遺伝子として、配列番号11の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAと、ストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつカロテノイドのε環を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするDNAも、好適に用いられる。また、このようなDNA配列として、配列番号11の塩基配列からなるDNAと通常約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の配列同一性を有し、かつカロテノイドのε環を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするDNAが好適に用いられる。
前記遺伝子組換え大腸菌として、配列番号1の塩基配列を含むDNA、配列番号3の塩基配列を含むDNA、配列番号5の塩基配列を含むDNA、配列番号7の塩基配列を含むDNA、配列番号9の塩基配列を含むDNA、及び配列番号11の塩基配列を含むDNAの幾つかの組合せが、リコペン産生大腸菌に導入され発現した遺伝子組換え大腸菌が特に好ましい。これら6種の遺伝子群の幾つかの組合せを導入することにより、より多くのα-カロテン骨格を持った希少又は機能性カロテノイドが生産されるため好ましい。
前記酵素遺伝子は、公知の方法により大腸菌に導入される。大腸菌への外来性遺伝子の導入方法は特に限定されず、例えば、導入したい外来性遺伝子を、公知の方法により適当なプロモータとターミネータの利用により発現する系である大腸菌の形質転換用ベクターに挿入してプラスミドを作製し、該プラスミドを大腸菌の細胞に導入すればよい。複数の遺伝子を導入する場合、それらの遺伝子は、1つの形質転換用ベクターにより導入されてもよく、それぞれ異なる形質転換用ベクターにより導入されてもよい。
大腸菌の形質転換用ベクターは、導入遺伝子の数や種類等により適宜選択すればよいが、例えば、pETDuet-1やRSFDuet-1(参照:図3)等が挙げられる。また、プロモータは、大腸菌中で発現できるものであればいずれを用いてもよい。例えば、T7プロモータ、lacZプロモータ、rrnBプロモータ等が挙げられる。特に、導入した遺伝子が大腸菌において一過的に発現することが好ましいことから、誘導プロモータを用いることが好ましく、IPTG等による誘導型T7プロモータ等がより好ましい。ターミネータとしては、導入する遺伝子等により適宜選択することができるが、例えば、T7ターミネータ、tacターミネータ等が挙げられる。
また、大腸菌形質転換ベクターにより目的とする外来性遺伝子(例えば、CrtWをコードする遺伝子等)が導入された大腸菌細胞を効率よく選抜するために、各種選抜マーカー遺伝子を用いてもよい。選抜マーカー遺伝子は、特に限定されず、自体公知のものを用いてよい。例えば、薬剤耐性を付与する遺伝子を選抜マーカーとして用い、この選抜マーカー遺伝子と前記カロテノイドの生合成に関わる遺伝子とを含むプラスミド等を大腸菌形質転換ベクターとして大腸菌細胞に導入することが好ましい。これによって選抜マーカー遺伝子の発現から効率良く外来性遺伝子が導入された大腸菌細胞を選抜することができる。このような選抜マーカー遺伝子として、例えば、各種の薬剤耐性遺伝子等が挙げられる。例えば、アンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子等が挙げられる。また、該選抜マーカー遺伝子の上流及び下流には、該遺伝子を発現するためのプロモータ及びターミネータを有することが好ましい。
大腸菌の形質転換用ベクター及びこれを用いた大腸菌の形質転換法は、公知のものを用いることができる。一例として、4-ケトゼイノキサンチン等を合成する酵素遺伝子を大腸菌に導入するために発明者らが用いた大腸菌形質転換用ベクターを図3に示した。大腸菌の形質転換用ベクターのクローニング部位に、発現させたい外来遺伝子を導入すればよい。プロモータやターミネータは大腸菌で機能するものを用いればよいが、例として、T7プロモータとT7ターミネータを挙げることができる。さらに、プロモータとターミネータに囲まれた薬剤耐性遺伝子を形質転換のマーカー遺伝子として一緒に用いることが好ましい。
大腸菌の形質転換は、公知の方法により行うことができる。例えば、導入したい外来遺伝子や選抜マーカー遺伝子(薬剤耐性遺伝子など)を適当なプロモータとターミネータの利用により発現する形にしたDNA断片を作製し、該DNA断片を熱ショック法等により導入すればよい。遺伝子が導入された大腸菌は、薬剤により選抜することにより得られる。
大腸菌に導入した外来性遺伝子が遺伝子組換え大腸菌において発現していることは、例えば、ノザンブロッティング、RT-PCR、ウェスタンブロッティング等の方法により確認することができる。また、該大腸菌においてカロテノイドが産生されていることは、例えば、HPLC分析、LC-MS分析等の方法により確認することができる。また、カロテノイドを合成する酵素をコードする遺伝子が導入され、発現した遺伝子組換え大腸菌は、野生型の大腸菌と比較して、通常産生されたカロテノイドに由来する黄色〜赤色を呈するものとなる。このため、目視によってもカロテノイドの産生等を確認することができる。
作製した遺伝子組換え大腸菌を、通常、培養することにより、該大腸菌内にカロテノイドが産生される。なお、遺伝子組換え大腸菌の培養方法は、特に限定されない。
例えば、遺伝子組換え大腸菌には、カロテノイドとして、通常、4-ケトケトゼイノキサンチン、α-エキネノン、ゼイノキサンチン又はルテインと共に、α-カロテンやβ-カロテン等が含まれる。このため公知の抽出方法により、これらのカロテノイド混合物が得られる。
遺伝子組換え大腸菌により産生されるカロテノイドの混合物は、例えば、健康・機能性食品、養殖魚、養禽などの飼料等に好適に用いられる。また、カロテノイドの混合物から、HPLC等の公知の分離又は精製方法により、さらに各カロテノイドを単離することもできる。
前記遺伝子組換え大腸菌は、例えば4-ケトゼイノキサンチン等を含有する素材として、そのまま、又は所望により加熱、乾燥、粉末化等の処理を行って、機能性食品の材料、養殖魚、養豚牛、養禽などの飼料等としても好適に用いられる。
以下に、大腸菌を宿主の例示として、α-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する宿主を列挙する。
ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)由来のリコペンβ環化酵素、リコペンε環化酵素及びカロテノイドβ-ヒドロキシラーゼをコードする遺伝子を、土壌細菌Pantoea ananatis由来のcrtE、crtB、crtI遺伝子を含むプラスミドpACCRT-EIBが導入されたリコペンを生産する大腸菌に導入したα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する大腸菌(1)
大腸菌(1)は、植物性の希少カロテノイドであるゼイノキサンチンを始めとするα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを、全カロテノイドの52%のレベルで生産できることを見出した。
より詳細には、土壌細菌Pantoea ananatis 由来のcrtE(GGPP synthase)、crtB(phytoene synthase)及びcrtI(phytoene desaturase)遺伝子の発現用プラスミドpACCRT-EIB(非特許文献5)に加えて、ゼニゴケ由来のLCYb(lycopeneβ-cyclase:リコペンβ環化酵素)、LCYe(lycopeneε-cyclase:リコペンε環化酵素)、及びBHY(carotenoidβ-ring hydroxylase:カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ)の各酵素をコードする遺伝子の発現用プラスミドが導入した大腸菌(1)を作製した。
大腸菌(1)が生産したカロテノイド組成は、ゼイノキサンチン(カロテノイド全体の32%)、α-カロテン(20%)、ゼアキサンチン(18%)、β-カロテン(14%)、β-クリプトキサンチン(8%)、リコペン(6%)であった。すなわち、α-カロテン骨格を持ったカロテノイド(ゼイノキサンチンとα-カロテン)は全カロテノイドの52%と、全カロテノイドの約半分を占めた。
ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)由来のリコペンβ環化酵素、リコペンε環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ及びP450CYP97C(カロテノイドε-ヒドロキシラーゼ)をコードする遺伝子を、土壌細菌Pantoea ananatis由来のcrtE、crtB、crtI遺伝子を含むプラスミドpACCRT-EIBが導入したα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する大腸菌(2)
大腸菌(2)が生産したカロテノイド組成は、植物性の機能性カロテノイドであるルテインを始めとするα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを、全カロテノイドの48%のレベルで生産できることを見出した。
より詳細には、上記大腸菌(1)に、さらに、ゼニゴケ由来のシトクロムP450(以下、単にP450と記載することがある)CYP97C(carotenoidε-ring hydroxylase:カロテノイドε-ヒドロキシラーゼ)遺伝子を導入して発現させたところ、大腸菌(2)は、ゼアキサンチン(24%)、ルテイン(22%)、α-カロテン(16%)、β-カロテン(11%)、ゼイノキサンチン(10%)、β-クリプトキサンチン(9%)、リコペン(8%)を生産した。すなわち、α-カロテン骨格を持ったカロテノイド(ルテイン、α-カロテン、ゼイノキサンチン)は全カロテノイドの48%と、全カロテノイドの約半分を占めた。
ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)由来のリコペンβ環化酵素、リコペンε環化酵素及びカロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、及び海洋細菌Brevundimonas属SD212株由来のカロテノイド4,4’-ケト基導入酵素をコードする遺伝子を、土壌細菌Pantoea ananatis由来のcrtE、crtB、crtI遺伝子を含むプラスミドpACCRT-EIBと担子菌様酵母Xanthophyllomyces dendrorhous由来のidi遺伝子を含むプラスミドpRK-idiが導入されたα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する大腸菌(3)
大腸菌(3)が生産したカロテノイド組成は、4-ケトゼイノキサンチンや動物性の希少カロテノイドであるα-エキネノンを始めとするα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを、全カロテノイドの41%のレベルで生産できることを見出した。
より詳細には、上記大腸菌(1)に、さらに、担子菌様酵母Xanthophyllomyces dendrorhous由来のidi遺伝子(DDBJ アクセッション番号AB019035;プラスミドpRK-idi:非特許文献9)、及びα-プロテオバクテリア綱の海洋細菌Brevundimonas属SD212株由来crtW遺伝子(carotenoid 4,4’-ketolase:カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素;DDBJアクセッション番号AB377271)を導入して発現させたところ、本組換え大腸菌(3)は、アスタキサンチン(28%)、4-ケトゼイノキサンチン(17%)、カンタキサンチン(16%)、α-エキネノン(13%)、α-カロテン(11%)、β-カロテン(5%)、エキネノン(4%)、アドニルビン(3%)を生産した。すなわち、α-カロテン骨格を持ったカロテノイド(4-ケトゼイノキサンチン、α-エキネノン、α-カロテン)は全カロテノイドの41%を占めた。α-エキネノンはウニに微量存在する希少カロテノイドである。
本発明のα-カロテン骨格を持ったカロテノイドの産生方法において、組換え大腸菌以外の宿主としては、昆虫系、酵母系、植物細胞系、無細胞系(コムギ胚芽等)等を使用することができる。
これらの宿主においても、適切な各合成酵素遺伝子(リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼ等)を導入することにより、組換え大腸菌系と同様に、4-ケトゼイノキサンチン、α-エキネノン、ゼイノキサンチン、ルテインの製造が可能になる。各宿主に追加で必要な合成酵素遺伝子は、以下の通りである。
酵母系: idi、crtE、crtB、crtI、リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼの内のすべてまたは一部
昆虫系: idi、crtE、crtB、crtI、リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼの内のすべてまたは一部
植物系:idi、crtB、crtI、リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイド4,4’-ケト基導入酵素、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼの内のすべてまたは一部
加えて、パーティクルガンによる葉緑体の形質転換により葉緑体内に、直接、外来遺伝子を導入し発現させる場合は、イソペンテニル二リン酸(IPP)イソメラーゼ(1型及び/又は2型)遺伝子を共発現させることにより、目的のα-カロテン骨格を持ったカロテノイド生産量が向上することができると考えられる。
MpLCYbはMpLCYb-F(配列番号13)とMpLCYb-R(配列番号14)、MpLCYeはMpLCYe-F(配列番号15)とMpLCYe-R(配列番号16)、MpBHYはMpBHY-F(配列番号17)とMpBHY-R(配列番号18)、MpCYP97CはMpCYP97C-F(配列番号19)とMpCYP97C-R(配列番号20)、CrtWはCrtW-F(配列番号21)とCrtW-R(配列番号22)を用いた。
Brevundimonas sp. SD212株由来のcrtW遺伝子の配列(配列番号1)は、Brevundimonas sp. SD212株cDNAよりPCRにより増幅した。また、担子菌様酵母Xanthophyllomyces dendrorhous由来のidi遺伝子の配列(配列番号3)は、Xanthophyllomyces dendrorhousのcDNAよりPCRにより増幅した(非特許文献9)。また、crtWとidiの塩基配列(配列番号1及び配列番号3)はそれぞれ、DDBJ アクセッション番号 AB377271及びアクセッション番号 AB019035から入手することができる。
大腸菌形質転換用ベクターとして、pETDuet-1とRSFDuet-1を使用した。
NcoIおよびSalIで切断したMpLCYb断片と、NdeIおよびXhoIで切断したMpLCYe断片を切り出し、それぞれベクターpETDuet-1のNcoI-SalI部位とNdeI-XhoI部位に挿入し、プラスミドpETD-MpLCYb/MpLCYeを作製した(図4A)。
NcoIおよびBamHIで切断したMpBHY断片と、NdeIおよびSalIで切断したMpCYP97C断片を切り出し、それぞれベクターRSFDuet-1のNcoI-BamHI部位とNdeI- XhoI部位に挿入し、プラスミドRSFD-MpBHY/MpCYP97Cを作製した(図4B)。
NcoIおよびBamHIで切断したMpBHY断片を切り出し、ベクターRSFDuet-1のNcoI-BamHI部位に挿入し、プラスミドRSFD-MpBHYを作製した(図4C)。
NcoIおよびBamHIで切断したMpBHY断片と、NdeIおよびKpnIで切断したcrtW断片を切り出し、それぞれベクターRSFDuet-1のNcoI-BamHI部位とNdeI- KpnI部位に挿入し、プラスミドRSFD-MpBHY/crtWを作製した(図4D)。
idi遺伝子発現用ベクターとして、pRK-idi(非特許文献9)を用いた。
実施例1で作製したプラスミドpETD-MpLCYb/MpLCYe、RSFD-MpBHY、RSFD-MpBHY/MpCYP97C、RSFD-MpBHY/crtW及びpRK-idiを用いて、大腸菌を公知の方法により形質転換して、α-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する大腸菌を作成した。詳細は、以下の通りである。
次に、実施例1で作製したプラスミドならびにpRK-idiを組み合わせて、処理した大腸菌と混合し、氷上で静置した。42℃の熱ショックをかけた後、SOC培地で培養し、薬剤含有培地に撒いた。一晩培養後、出てきた薬剤耐性コロニーを、形質転換大腸菌(遺伝子組換え大腸菌)として得た。
α-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する大腸菌(1):リコペン生産大腸菌(pACCRT-EIB;非特許文献5)+pETD-MpLCYb/MpLCYe+RSFD-MpBHY
α-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する大腸菌(2):リコペン生産大腸菌(pACCRT-EIB;非特許文献5)+pETD-MpLCYb/MpLCYe+RSFD-MpBHY/MpCYP97C
α-カロテン骨格を持ったカロテノイドを産生する大腸菌(3):リコペン生産大腸菌(pACCRT-EIB;非特許文献5)+pETD-MpLCYb/MpLCYe+RSFD-MpBHY/crtW+pRK-idi(非特許文献9)
なお、薬剤(抗生物質)としては、遺伝子組換え大腸菌(1)(2)の場合は、クロラムフェニコール(30 mg/L)、アンピシリン(40 mg/L)とカナマイシン(40 mg/L) を培地に加えた。遺伝子組み換え大腸菌(3)の場合は、クロラムフェニコール(30 mg/L)、アンピシリン(40 mg/L)、カナマイシン(40 mg/L) 、テトラサイクリン(15 mg/L)を培地に加えた。
実施例2で得た大腸菌(1)〜(3)からカロテノイドを抽出し、さらに該カロテノイドをHPLCで分析した。詳細は、以下の通りである。
OD600が0.4-0.6になるまで培養した後、0.05 mMのIPTGを加え、20℃で2晩培養した。培養した菌液を遠心分離し、菌体を得た。菌体にメタノールを加え、よく懸濁した後、1 M Tris (pH7.5)と1 M NaCl溶液を加えた。さらにクロロホルムを加え、よく懸濁した後、遠心分離を行った。カロテノイド抽出液(クロロホルム層)を回収した。
上記の抽出溶液をエバポレーターで濃縮乾固した後、酢酸エチルに溶解し、それぞれのカロテノイド成分をHPLCにより分離し、精製した。HPLCの条件は以下の通りである。
(HPLCの条件)
HPLCカラム:Cosmosil 5SL-II4.6×250mm
移動層:0-20分アセトン/ヘキサン(2:8)、20分以降アセトン/ヘキサン(4:6)
流速:1.0 ml/min、検出450 nm
各カロテノイドの組成はHPLCのピーク面積より求めた。
大腸菌(1)により生産されたカロテノイドのHPLC分析結果を下記表2に示した。生産されたカロテノイドは、ゼイノキサンチン(カロテノイド全体の32%)、α-カロテン(20%)、ゼアキサンチン(18%)、β-カロテン(14%)、β-クリプトキサンチン(8%)、リコペン(6%)であった。すなわち、α-カロテン骨格を持ったカロテノイド(ゼイノキサンチンとα-カロテン)は全カロテノイドの52%と、全カロテノイドの約半分を占めた。
1: Carotenes、2: α-Echinenone、3: 4-ketozeinoxanthin、4: Canhthaxanthin、5: Adonirubin、6: Astaxanthin、7: 9Z-Astaxanthin、8: 13Z-Astaxanthin。
上記同定により、大腸菌(3)により生産されたカロテノイド組成を下記表4に示した。生産されたカロテノイドは、アスタキサンチン(28%)、4-ケトゼイノキサンチン(17%)、カンタキサンチン(16%)、α-エキネノン(13%)、α-カロテン(11%)、β-カロテン(5%)、エキネノン(4%)、アドニルビン(3%)を生産した。すなわち、α-カロテン骨格を持ったカロテノイド(4-ケトゼイノキサンチン、α-エキネノン、α-カロテン)は全カロテノイドの41%を占めた。
大腸菌(1)、大腸菌(2)及び大腸菌(3)が生産したカロテノイドについて、各種カロテノイド毎にそれぞれ分取して精製し、UV-VIS及びFAB MS分析を行い、必要に応じて、1H-NMR、13C-NMR及びCD分析により、各種カロテノイドの同定を行った。詳細は、以下の通りである。
大腸菌体300 mLをアセトン300 mLで3回抽出(室温)した。抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮(37℃)して得られた赤色の濃縮物をヘキサン-ジエチルエーテル (1:1)と水で分配した。有機溶媒層を取りさらに濃縮した。得られた赤色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画した。ヘキサン溶出画分をさらにオクタドデシルシラン(ODS)を固定相にクロロホルム/メタノール (15:85) を移動相とするHPLCにより分画しlycopene (retention time 49.4min), α-carotene (Rt 54.8 min), β-carotene (Rt 51.1 min) が得られた。アセトン-ヘキサン(15:75)で溶出したフラクションをさらにシリカゲル用を固定相にアセトン/ヘキサン (15:85) を移動相とするHPLCにより分画した。zeinoxanthin (Rt 27.5 min), β-cryptoxanthin(Rt 30.0 min), zeaxanthin (Rt 72.5 min) が得られた。
大腸菌体300 mLをアセトン300 mLで3回抽出(室温)した。抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮(37℃)して得られた赤色の濃縮物をヘキサン-ジエチルエーテル (1:1)と水で分配した。有機溶媒層を取りさらに濃縮した。得られた赤色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画した。ヘキサン溶出画分をさらにオクタドデシルシラン(ODS)を固定相にクロロホルム/メタノール (15:85) を移動相とするHPLCにより分画しlycopene (retention time 49.4min), α-carotene (Rt 54.8 min), β-carotene (Rt 51.1min) が得られた。アセトン-ヘキサン(15:75)で溶出したフラクションをさらにシリカゲル用を固定相にアセトン/ヘキサン (15:85) を移動相とするHPLCにより分画した。zeinoxanthin (Rt 27.5 min), β-cryptoxanthin(Rt 30.0 min), lutein (Rt 70 min), zeaxanthin (Rt 72.5min) が得られた。
大腸菌体300 mLをアセトン300 mLで3回抽出(室温)した。抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮(37℃)して得られた赤色の濃縮物をヘキサン-ジエチルエーテル (1:1)と水で分配した。有機溶媒層を取りさらに濃縮した。得られた赤色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画した。ヘキサン溶出画分をさらにオクタドデシルシラン(ODS)を固定相にクロロホルム/メタノール(15:85)を移動相とするHPLCにより分画しlycopene (retention time 49.4min), α-carotene (Rt 54.8 min), β-carotene (Rt 51.1min) が得られた。アセトン-ヘキサン(15:75)で溶出したフラクションをさらにシリカゲル用を固定相にアセトン/ヘキサン (15:85)を移動相とするHPLCにより分画した。α-echinenone (Rt 20.0 min),echinenone (Rt 20.2 min), 4-ketozeinoxanthin (Rt 24.6 min), canthaxanthin (Rt27.3 min), adonirubin (Rt 36.3 min), astaxanthin (Rt 50.1min), 9Z-astaxanthin(Rt 58.9min), and 13Z-astaxanthin (Rt 61.7 min), lutein (Rt 70 min) が得られた。
UV-vis λ max(Ether) 445-470 nm; HR-ESI MS; m/z 556.4122 (M+,calcd for C40H54O2 , 566.4124); 1H NMR(CDCl3, 500 MHz) δ 0.83 (H3-17’, s), 0.91 (H3-16’,s), 1.18 (H-2’β, m), 1.22 (H3-17, s), 1.33 (H3-16, s),1.43 (H-2’α, m), 1.59 (H3-18’, s), 1.81 (H-2β, dd, 13, 13), 1.91 (H3-19’,s), 1.95 (H3-18, s), 1.97 (H3-20’, s), 1.98 (H3-20,s), 2.00 (H3-19, s), 2.00 (H2-3’ m), 2.16 (H-2α, dd (13,5.3), 2.18 (H-6’, d 9.5), 3.68 (OH-3, d 2), 4.32 (H-3, ddd, 13, 5.2, 2), 5.42(H-4’, br s), 5.54 (H-7’, dd, 15, 9.5), 6.11 (H-8’, d, 15), 6.12 (H-10’, d,11), 6.22 (H-7, d, 16), 6.25 (H-14’, d, 11), 6.30 (H-14, d, 11), 6.30 (H-10, d,11), 6.34 (H-12’, d, 15), 6.34 (H-8, d, 16), 6.45 (H-12, d 15), 6.61 (H-11’,dd, 15, 11), 6.63 (H-15 and H-15’, m), 6.64 (H-11, dd, 15,11); CD (Ether) λ (Δε) 225 (+8.8), 246 (+12.5), 260 (0), 285 (-11.0), 310(0), 360 (-2.5)
UV-vis λ max(Ether) 445-470 nm; HR-ESI MS; m/z 550.4195 (M+,calcd for C40H54O, 550.4175); 1H NMR (CDCl3,500 MHz) δ 0.83 (H3-17’, s), 0.91 (H3-16’, s), 1.18 (H-2’β,m), 1.20 (H3-16 and H3-17, s), 1.85 (H2-2, t,7), 1.88 (H3-18, s), 1.43 (H-2’α, m), 1.59 (H3-18’, s),1.91 (H3-19’, s), 1.97 (H3-20’, s), 1.98 (H3-20,s), 2.00 (H3-19, s), 2.00 (H2-3’ m), 2.18 (H-6’, d 9.5),2.51(H2-4, t, 7), 5.42 (H-4’, br s), 5.54 (H-7’, dd, 15, 9.5), 6.11(H-8’, d, 15), 6.12 (H-10’, d, 11), 6.24 (H-7, d, 16), 6.25 (H-14’, d, 11),6.30 (H-14, d, 11), 6.28 (H-10, d, 11), 6.34 (H-12’, d, 15), 6.37 (H-8, d, 16),6.45 (H-12, d 15), 6.61 (H-11’, dd, 15, 11), 6.62 (H-15’, dd, 15,11), 6.65(H-11, dd, 15,11), 6.67 (H-15, dd, 15,11); CD (Ether) λ(Δε) 245 (+4.3), 270 (0), 285 (-0.7), 298 (0), 344 (+3.7), 380 (0)
UV-vis λ max(Ether) 421, 443, 471 nm; HR-ESI MS; m/z552.4337 (M+, calcd for C40H56O, 562.4331); 1HNMR (CDCl3, 500 MHz) δ 0.83 (H3-17’, s), 0.91 (H3-16’,s), 1.07 (H3-16 and H3-17, s), 1.18 (H-2’β, m), 1.43 (H-2’α,m), 1.48 (H-2β, dd, 11, 11), 1.59 (H3-18’, s), 1.74 (H3-18,s), 1.78 (H-2α, ddd, 11, 5.5, 2), 1.91 (H3-19’, s), 1.97 (H3-19and H3-20, s), 1.98 (H3-20’, s), 2.00 (H2-3’m), 2.04 (H-4β, dd, 16, 9), 2.39 (H-4α, ddd, 16, 5.5, 2), 2.18 (H-6’, d 9.5),4.00 (H-3, m), 5.42 (H-4’, br s), 5.54 (H-7’, dd, 15, 9.5), 6.10 (H-7, d, 16),6.11 (H-8’, d, 15), 6.12 (H-10’, d, 11), 6.15 (H-8, d, 16), 6.15 (H-10, d, 11),6.24 (H-14 and H-14’, d, 11), 6.30 (H-10, d, 11), 6.34 (H-12’, d, 15), 6.35(H-12, d, 15), 6.45 (H-12, d 15), 6.61 (H-11’, dd, 15, 11), 6.62 (H-15 and H-15’,m), 6.64 (H-11, dd, 15,11); CD (Ether) λ (Δε) 233(+5.5), 257 (0), 271 (-2.7), 296 (0), 322 (+2.4)
UV-vis λ max(Ether) 423, 443, 471 nm; HR-ESI MS; m/z568.4300 (M+, calcd for C40H56O2,568.4280); 1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 0.85 (H3-17’,s), 1.00 (H3-16’, s), 1.07 (H3-16 and H3-17,s), 1.37 (H-2’β,dd, 14, 7), 1.48 (H-2β, dd, 11, 11), 1.63 (H3-18’,s), 1.74 (H3-18, s), 1.78 (H-2α, ddd, 11, 5.5, 2), 1.85 (H-2’α, dd,14, 7), 1.91 (H3-19’, s), 1.97 (2H3-19, 20, s), 1.98 (H3-20’,s), 2.04 (H-4β, dd, 16, 9), 2.39 (H-4α, ddd, 16, 5.5, 2), 2.40 (H-6’, d 9.5),4.00 (H-3, m), 4.24 (H-3’, m), 5.43 (H-7’, dd, 15, 9.5), 5.55 (H-4’, br s),6.10 (H-7, d, 16), 6.12 (H-10’, d, 11), 6.14 (H-8’, d, 15), 6.15 (H-8, d, 16),6.15 (H-10, d, 11), 6.24 (H-14 and H-14’, d, 11), 6.30 (H-10, d, 11), 6.34(H-12’, d, 15), 6.35 (H-12, d, 15), 6.45 (H-12, d 15), 6.61 (H-11’, dd, 15,11), 6.62 (H-15 and H-15’, m), 6.64 (H-11, dd, 15,11); CD (Ether) λ (Δε) 245 (+6.5), 286 (-2.7), 350 (+0.5)
UV-vis λ max(Ether) 423, 445, 473 nm; HR-ESI MS; m/z536.4368 (M+, calcd for C40H56O,536.4382); 1HNMR (CDCl3, 500 MHz) δ 0.83 (H3-17’, s), 0.91 (H3-16’,s), 1.03 (H3-16 and H3-17, s), 1.18 (H-2’β, m), 1.43 (H-2’α,m), 1.46 (H2-2, m), 1.59 (H3-18’, s), 1.62 (H2-3,m), 1.72 (H3-18, s), 1.91 (H3-19’, s), 1.97 (H3-19and H3-20, s), 1.98 (H3-20’, s), 2.00 (H2-3’m), 2.02 (H2-4, t, 7), 2.18 (H-6’, d 9.5), 4.00 (H-3, m), 5.42 (H-4’,br s), 5.54 (H-7’, dd, 15, 9.5), 6.15 (H-8, d, 16), 6.15 (H-8, d, 10), 6.16(H-7, d, 16), 6.11 (H-8’, d, 15), 6.12 (H-10’, d, 11), 6.15 (H-8, d, 16), 6.15(H-10, d, 11), 6.24 (H-14 and H-14’, d, 11), 6.30 (H-10, d, 11), 6.34 (H-12’, d,15), 6.36 (H-12, d, 15), 6.45 (H-12, d 15), 6.61 (H-11’, dd, 15, 11), 6.62(H-15 and H-15’, m), 6.65 (H-11, dd, 15,11); CD (Ether)λ (Δε) 240 (+5.5), 260 (+4.5), 280 (0), 350 (+0.5)
ゼイノキサンチンの発癌抑制効果及び抗炎症効果を確認した。詳細は、以下の通りである。
マウス皮膚発ガンモデル{参照:J. Oleo. Sci. 62,181-186(2013)}を用いて発ガン抑制効果を検討した。比較には、構造類似物質であり発ガン予防効果が知られているβ-クリプトキサンチンを用いた。ゼイノキサンチン処置区及びβ-クリプトキサンチン処置区は、コントロール区に比べて、腫瘍発現の遅延を確認した。20週目において、コントロール区のマウスに7.9個の腫瘍が見られたのに対して、ゼイノキサンチンでは5.4個であり、β-クリプトキサンチンでは4.7個と腫瘍数の減少が認められた。
ゼイノキサンチンは、SST細胞でのUVB照射と熱障害による炎症とTPA塗布によるマウス耳殻の炎症を抑制した。ゼイノキサンチンのこれらの活性は、すでに生理機能が注目されているβ-クリプトキサンチンやアスタキサンチンの活性と比べてほぼ同等であった。
遺伝子組換え大腸菌における各種カロテノイドの生合成経路と各種カロテノイド合成酵素の機能は、図1に示した。
ゼニゴケ由来のLCYbとLCYe遺伝子を導入した大腸菌(1)〜(3)は、α-カロテンを高効率で合成できることを示した。
このような結果は、従来の研究成果からは驚くべき結果である。例えば、クニングハム(Cunningham)らは、土壌細菌由来のパントエア・アグロメランス(Pantoea agglomerans;旧名Erwinia herbicola)由来のcrtE(GGPP synthase)、crtB(phytoene synthase)及びcrtI(phytoenedesaturase)遺伝子が導入されてリコペンを合成する大腸菌に、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来のLCYbとLCYe遺伝子を導入し発現させると、1つのε環を持ったδ-カロテンが主要カロテノイドとして合成され、α-カロテンの合成量は全カロテノイドの1/3以下であることを報告した(非特許文献6)。その後、Pantoea agglomerans由来のcrtE、crtB及びcrtI遺伝子、及びシロイヌナズナ由来のLCYbとLCYe遺伝子の大腸菌用発現プラスミドが改良されたが、主要カロテノイドはβ-カロテンであり、α-カロテンの生産量は1/4程度であった(非特許文献7)。クィンラン(Quinlan)らは、この組換え大腸菌に、イネ(Oryza sativa)由来のCYP97A4(carotenoid β-ring hydroxylase)遺伝子、及び、CYP97A4とCYP97C2(carotenoid ε-ring hydroxylase)遺伝子を導入し発現することにより、それぞれ、ゼイノキサンチン、及び、ルテインとゼイノキサンチンが生産されることを報告したが、これらのα-カロテン骨格を持ったカロテノイドの生産量は、β-カロテン骨格を持つカロテノイドの1/3程度以下であった。(非特許文献7)。
Claims (5)
- α-カロテン骨格を持ったカロテノイドの製造方法であって、
以下の(1)〜(5)のいずれか1の遺伝子群が導入されたリコペン産生能を持つ宿主を培養し、培養後の宿主からα-カロテン骨格を持ったカロテノイドを抽出することを特徴とする製造方法。
(1)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、ゼニゴケ由来のカロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイド4,4'-ケト基導入酵素
(2)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、カロテノイド4,4'-ケト基導入酵素
(3)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、ゼニゴケ由来のカロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ
(4)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、ゼニゴケ由来のカロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼ
(5)リコペンε環化酵素、リコペンβ環化酵素、ゼニゴケ由来のカロテノイドβ-ヒドロキシラーゼ、カロテノイド4,4'-ケト基導入酵素、カロテノイドε-ヒドロキシラーゼ
- さらに、イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子が前記リコペン産生能を持つ宿主に導入されている請求項1に記載の製造方法。
- 前記α-カロテン骨格を持ったカロテノイドは、以下のいずれか1以上である請求項1又は2に記載の製造方法。
(1)4-ケトゼイノキサンチン
(2)α-エキネノン
(3)ゼイノキサンチン
(4)ルテイン
- リコペン産生能を持つ宿主は、リコペン産生大腸菌である請求項1〜3のいずれか1に記載の製造方法。
- 下記の構造式(I)を有する化合物。
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