JP2004528839A - カロテノイド生合成 - Google Patents
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- C12R2001/01—Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
Abstract
Description
【0001】
本発明は、カロテノイドを生産するための方法および材料、特に、カロテノイドを生産するのに用いることができる核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞、ならびに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスタキサンチン(3,3'-ジヒドロキシ-β,β−カロテン4,4'-ジオン)は、サケ、マスおよび小エビの卵、肉および皮膚にピンク色の色素を付与する主要カロテノイドである。ほとんどの動物はカロテノイドを合成することができない。むしろ、この色素はアスタキサンチンの主な生産体である海洋藻類および植物プランクトンからの食物連鎖を通じて獲得される。ATXは3つの立体異性体[(3S, 3'S)、(3R, 3R')および(3S, 3'R;3R, 3'S)]で存在するが、ATXは海洋環境においては(3S, 3'S)の形態でしかみいだされていない。その結果、この形態がATXの天然の最も望ましい形態であると考えられる。
【0003】
アスタキサンチンは、いくつかの酵母および甲殻類から商業的に抽出されており、また、(3S, 3'S)-、(3S, 3'R)-および(3R, 3R')-異性体の1:2:1混合物として化学的に合成されているが、アスタキサンチンは、入手可能性に制限があり、購入するのは高価である。Torrisenら(1989)Crit. Rev. Aquatic Sci. 1:209;およびMayer(1994)Pure Appl. Chem., 66:931-938を参照されたい。従って、天然に存在する(3S, 3'S)アスタキサンチンのより安価な供給源が求められている。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、リコペン、ゼアキサンチン、ゼアキサンチンジグルコシド、カンタキサンチン、β−カロテン、ルテイン、およびアスタキサンチンなどのカロテノイドを生産する方法および材料に関する。このようなカロテノイドは、ヒトの栄養補給剤として用いることでき、また、水産養殖において、または動物飼料として使用するために製剤化することができる。本発明は、特定のカルテノイドを産生する能力がある宿主細胞を遺伝子工学的に作製するのに用いることができる核酸分子、ならびに、特定のカルテノイドを製造するために無細胞系で用いることができるポリペプチドを提供する。本明細書に記載する遺伝子操作細胞を用いて、多量のカロテノイドを生産することができる。
【0005】
一形態では、本発明は、配列番号1のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも33個連続したヌクレオチドである配列番号1の断片に対して少なくとも76%の配列同一性(例えば、配列番号1のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、85%、90%、または95%の配列同一性)を有する単離された核酸に関する。単離された核酸は、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも75%同一であるゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼポリペプチドをコードすることができる。また、発現制御エレメントに機能的に連結された上記核酸を含む発現ベクターにも関する。
【0006】
別の形態では、本発明は、配列番号3のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも32個連続したヌクレオチドである配列番号3の断片に対して少なくとも78%の配列同一性(例えば、配列番号3のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、85%、90%、または95%の配列同一性)を有する単離された核酸に関する。単離された核酸は、配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも83%同一であるリコペンβ−シクラーゼポリペプチドをコードすることができる。β−カロテンは、このような単離された核酸によりコードされたポリペプチドとリコペンを接触させることにより製造することができる。本発明はまた、発現制御エレメントに機能的に連結された上記核酸を含む発現ベクターにも関する。
【0007】
さらに別の形態では、本発明は、配列番号5のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも60個連続したヌクレオチドである配列番号5の断片に対して少なくとも81%の配列同一性(例えば、配列番号5のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%、90%、または95%の配列同一性)を有する単離された核酸に関する。単離された核酸は、配列番号6のアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一であるゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードすることができる。ゲラニルゲラニルピロリン酸は、上記核酸によりコードされたポリペプチドと、ファルネシルピロリン酸およびイソペンテニルピロリン酸を接触させることにより製造することができる。本発明はまた、発現制御エレメントに機能的に連結された上記核酸を含む発現ベクターにも関する。
【0008】
本発明はさらに、配列番号7のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも30個連続したヌクレオチドである配列番号7の断片に対して少なくとも82%の配列同一性(例えば、配列番号7のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%、90%、または95%の配列同一性)を有する単離された核酸に関する。単離された核酸は、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるフィトエンデサチュラーゼポリペプチドをコードすることができる。リコペンは、上記核酸によりコードされたポリペプチドとフィトエンを接触させることにより製造することができる。本発明はまた、発現制御エレメントに機能的に連結されたこのような核酸を含む発現ベクターにも関する。
【0009】
本発明はまた、配列番号9のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも23個連続したヌクレオチドである配列番号9の断片に対して少なくとも82%の配列同一性(例えば、配列番号9のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%、90%、または95%の配列同一性)を有する単離された核酸に関する。単離された核酸は、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも89%同一であるフィトエンシンターゼポリペプチドをコードすることができる。フィトエンは、上記核酸によりコードされたポリペプチドと、ゲラニルゲラニルピロリン酸を接触させることにより製造することができる。本発明はまた、発現制御エレメントに機能的に連結されたこのような核酸を含む発現ベクターにも関する。
【0010】
さらに別の形態では、本発明は、配列番号11のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも36個連続したヌクレオチドである配列番号11の断片に対して少なくとも85%の配列同一性(例えば、配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%または95%の配列同一性)を有する単離された核酸に関する。単離された核酸は、配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるβ−カロテンヒドキシラーゼポリペプチドをコードすることができる。ゼアキサンチンは、上記核酸によりコードされたポリペプチドとβ−カロテンを接触させることにより製造することができる。アスタキサンチンは、上記核酸によりコードされたポリペプチドとカンタキサンチンを接触させることにより製造することができる。本発明はまた、発現制御エレメントに機能的に連結されたこのような核酸を含む発現ベクターにも関する。
【0011】
本発明はまた、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、β−カロテンヒドキシラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む膜性細菌、例えばロドバクター属(Rhodobacter)細菌にも関し、該膜性細菌においては、少なくとも1つの外因性核酸の発現により、検出可能な量のアスタキサンチンが産生される。フィトエンデサチュラーゼのアミノ酸配列は、配列番号8のアミノ酸に対して少なくとも90%同一でありうる。リコペンβ−シクラーゼのアミノ酸配列は、配列番号4のアミノ酸に対して少なくとも83%同一でありうる。β−カロテンヒドキシラーゼのアミノ酸配列は、配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一でありうる。β−カロテンC4オキシゲナーゼのアミノ酸配列は、配列番号39のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一でありうる。膜性細菌はさらに、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(例えば、多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ)をコードする外因性核酸を含んでいてもよく、あるいは、内在性バクテリオクロロフィル生合成を欠失していてもよい。多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼは、配列番号45のアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むことができる。膜性細菌はさらに、フィトエンシンターゼをコードする外因性核酸を含んでいてもよい。フィトエンシンターゼは、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも89%同一のアミノ酸配列を含むことができる。
【0012】
別の形態では、本発明は、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するフィトエンデサチュラーゼをコードする外因性核酸を含む膜性細菌に関し、該膜性細菌は検出可能な量のリコペンを産生する。この膜性細菌は、リコペンβ−シクラーゼを含んでいてもよく、その際、該膜性細菌は検出可能な量のβ−カロテンを産生する。この膜性細菌はまた、β−カロテンヒドキシラーゼを含んでいてもよく、その際、該膜性細菌は検出可能な量のゼアキサンチンを産生する。
【0013】
さらに別の形態では、本発明は、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む膜性細菌にも関し、その際、少なくとも1つの外因性核酸の発現により、膜性細菌において検出可能な量のカンタキサンチンが産生される。この膜性細菌はまた、β−カロテンヒドキシラーゼを含んでいてもよく、その際、該膜性細菌は検出可能な量のアスタキサンチンを産生する。
【0014】
本発明はまた、遺伝子操作されたロドバクター属細菌細胞を含む組成物に関し、該細胞は検出可能な量のアスタキサンチンまたはカンタキサンチンを産生する。遺伝子操作されたロドバクター属細菌細胞は、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、β−カロテンヒドキシラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする少なくとも1つの外因性核酸を含んでいてもよい。上記組成物は水産養殖用に製剤化し、注射により魚の肉または甲殻類の甲皮を着色することができる。上記組成物はヒト消費用に、または動物飼料として製剤化する(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、ウシ、ブタまたはヒツジによる消費用に製剤化する)ことができる。
【0015】
本発明はまた、機能性食品(nutraceutical)を製造する方法に関する。この方法は、遺伝子操作したロドバクター属細菌細胞からカロテノイドを抽出することを含んでなり、この遺伝子操作したロドバクター属細菌細胞は、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、β−カロテンヒドキシラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする少なくとも1つの外因性核酸を含んでおり、上記ロドバクター属細菌細胞は検出可能な量のアスタキサンチンを産生する。
【0016】
さらに別の形態では、本発明は膜性細菌に関し、ここで、該膜性細菌は、配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも83%同一のアミノ酸配列を有するリコペンβ−シクラーゼをコードする外因性核酸を含む。この膜性細菌はさらに、フィトエンデサチュラーゼ(例えば、外因性フィトエンデサチュラーゼ)を含んでいてもよく、その場合、該膜性細菌は検出可能な量のβ−カロテンを産生する。この膜性細菌はまた、β−カロテンヒドキシラーゼ(例えば、外因性β−カロテンヒドキシラーゼ)を含んでもよく、その場合、該細菌は検出可能な量のゼアキサンチンを産生する。
【0017】
また、本発明は、配列番号12のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するβ−カロテンヒドキシラーゼを含む膜性細菌にも関する。この膜性細菌はさらに、リコペンβ−シクラーゼ(例えば、外因性リコペンβ−シクラーゼ)を含んでもよく、その場合、該膜性細菌は検出可能な量のゼアキサンチンを産生する。この膜性細菌はまた、フィトエンデサチュラーゼ(例えば、外因性フィトエンデサチュラーゼ)を含んでいてもよく、その場合、該膜性細菌は検出可能な量のβ−カロテンを産生する。
【0018】
本発明はまた、ファルネシルピロリン酸シンターゼをコードする内在性核酸を欠失している膜性細菌(例えば、ロドバクター属細菌)に関し、該細菌は検出可能な量のカロテノイドを産生する。この膜性細菌は、多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼをコードする外因性核酸を含んでいてもよい。
【0019】
別の形態では、本発明は、配列番号38のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも15個連続したヌクレオチドである配列番号38の核酸断片に対して少なくとも70%の配列同一性(例えば、少なくとも80%または90%の配列同一性)を有する単離された核酸に関する。上記核酸は、β−カロテンC4オキシゲナーゼをコードすることができる。カンタキサンチンは、上記核酸によりコードされるポリペプチド、または配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドとβ−カロテンを接触させることにより製造することができる。アスタキサンチンは、上記単離された核酸によりコードされるポリペプチドまたは配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、ゼアキサンチンを接触させることにより製造することができる。
【0020】
別の形態では、本発明は、β−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする外因性核酸を含む膜性細菌に関し、その際、β−カロテンオキシゲナーゼは、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する。
【0021】
さらに別の形態では、本発明は、(3S, 3'S)アスタキサンチンの生成を触媒する1種以上のポリペプチドをコードする核酸配列を含んでなる外因性核酸を含む宿主細胞に関し、上記宿主細胞はCoQ-10および(3S, 3'S)アスタキサンチンを産生する。また、実質的に同時にCoQ-10および(3S, 3'S)アスタキサンチンを製造する方法にも関する。この方法は、(3S, 3'S)アスタキサンチンの生成を触媒する1種以上のポリペプチドをコードする核酸配列を含んでなる核酸で宿主細胞を形質転換し、(3S, 3'S)アスタキサンチンおよびCoQ-10の産生を可能にする条件下で該宿主細胞を培養することを含んでなる。上記方法はさらに、該宿主細胞を、CoQ-10の生成を触媒する1種以上のポリペプチドをコードする少なくとも1つの外因性核酸で形質転換することを含んでなる。
【0022】
本発明はまた、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号38および配列番号44から成る群より選択されるヌクレオチド配列を有する単離された核酸にも関する。
【0023】
本発明は、配列番号44のヌクレオチド配列、または長さが少なくとも60個連続したヌクレオチドである配列番号44の核酸断片に対して少なくとも90%の配列同一性を有する単離された核酸に関する。ゲラニルゲラニルピロリン酸は、上記核酸によりコードされたポリペプチドと、イソペンテニルピロリン酸およびジメチルアリルピロリン酸を接触させることにより製造することができる。
【0024】
特に断らない限り、本明細書で用いる技術および科学用語は、本発明が属する技術分野における通常の技術者により一般に理解されている意味とする。本明細書に記載されているものに類似した、またはそれらと同等の方法および材料を用いて本発明を実施することもできるが、好適な方法および材料については以下に記載する。本明細書に記載した刊行物、特許出願、特許、ならびに、その他の参照文献は、その全文を参考としてそのまま本明細書に組み入れるものとする。コンフリクトが生じた場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は、例示を目的とするにすぎず、制限を意図するものではない。
【0025】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
核酸分子
本発明は、カロテノイド生合成に関与する酵素をコードする単離された核酸に関する。配列番号1、3、5、7、9および11の核酸は、それぞれ、ゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼ(crtX)、リコペンβ−シクラーゼ(crtY)、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)、フィトエンデサチュラーゼ(crtI)、フィトエンシンターゼ(crtB)およびβ−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)をコードする。本発明の核酸は、配列番号1の核酸、または長さが少なくとも約33ヌクレオチドである配列番号1の核酸の断片に対して少なくとも76%の配列同一性、例えば、78%、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性;配列番号3のヌクレオチド配列、または長さが少なくとも約32ヌクレオチドである配列番号3の核酸の断片に対して少なくとも78%の配列同一性、例えば、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性;配列番号5のヌクレオチド配列、または長さが少なくとも約60ヌクレオチドである配列番号5の核酸の断片に対して少なくとも81%の配列同一性、例えば、82%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性;配列番号7もしくは配列番号9のヌクレオチド配列、または長さがそれぞれ少なくとも約30または23ヌクレオチドである配列番号7もしくは配列番号9の核酸の断片に対して少なくとも82%の配列同一性、例えば、83%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性;配列番号11のヌクレオチド配列、または長さが少なくとも約36ヌクレオチドである配列番号11の核酸の断片に対して少なくとも85%の配列同一性、例えば、86%、90%、92%、95%、または99%の配列同一性を有するものでありうる。本発明の核酸は、配列番号38のヌクレオチド配列、または長さが少なくとも約15ヌクレオチドである配列番号38の核酸の断片に対して少なくとも60%の配列同一性、例えば、少なくとも65%、70%、80%、85%、90%、95%、または99%配列同一性を有するものでもよい。このような核酸は、β−カロテンC4オキシゲナーゼ(crtW)をコードすることができる。本発明の核酸はまた、配列番号44に示すヌクレオチド配列、または長さが少なくとも約60ヌクレオチドである配列番号44の核酸の断片に対して少なくとも90%の配列同一性を有していてもよい。このような核酸は、多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼをコードすることができる。
【0027】
一般に、同一性パーセントは、アラインメントした核酸配列においてマッチした位置の数を決定し、アラインメントしたヌクレオチドの総数でマッチした位置の数を割って、得られた値に100を掛けることにより算出する。マッチした位置とは、アラインメントした核酸配列における同じ位置に、同一のヌクレオチドが存在する位置をさす。配列同一性パーセントは、以下のようにして任意の核酸またはアミノ酸配列について決定することができる。最初に、核酸またはアミノ酸配列は、BLASTNバージョン2.0.14およびBLASTPバージョン2.0.14を含むBLASTZの独立型(stand-alone)バージョンからのBLAST 2シーケンス(B12seq)プログラムを用いて、同定された核酸またはアミノ酸配列と比較する。このBLASTZの独立型バージョンは、ウィスコンシン大学図書館から、ならびに、またはで入手することができる。B12seqプログラムの使用法についての説明書は、BLASTZに添付されるリードミー(readme)ファイルに見出せる。
【0028】
B12seqは、BLASTNまたはBLASTPアルゴリズムのいずれかを用いて、2つの配列間の比較を実行する。BLASTNは核酸配列を比較するのに用いられるのに対し、BLASTPはアミノ酸配列を比較するのに用いられる。2つの核酸配列を比較するためには、下記のようにオプションを設定する:比較しようとする第1核酸配列を含むファイル(例えば、C:\seq1.txt)に-iを設定し;比較しようとする第2核酸配列を含むファイル(例えば、C:\seq2.txt)に-jを設定し;-pをblastnに設定し;任意の所望のファイル名(例えば、C:\output.txt)に-oを設定し;-qを-1に設定し;-rを2に設定し;その他のオプションはすべて、それらのデフォルト設定に残す。例えば、下記のコマンドを用いて、2つの配列の比較を含むアウトプットファイルを作成することができる: C:\B12seq-i c:\seq1.txt-j c:\seq2.txt-p blastn-o c:\output.txt-q-1-r2。2つのアミノ酸を比較するためには、B12seqのオプションを次のように設定する::比較しようとする第1アミノ酸配列を含むファイル(例えば、C:\seq1.txt)に-iを設定し;比較しようとする第2アミノ酸配列を含むファイル(例えば、C:\seq2.txt)に-jを設定し;-pをblastpに設定し;任意の所望のファイル名(例えば、C:\output.txt)に-oを設定し;その他のオプションはすべて、それらのデフォルト設定に残す。例えば、下記のコマンドを用いて、2つのアミノ酸配列の比較を含むアウトプットファイルを作成することができる: C:\B12seq-i c:\seq1.txt-j c:\seq2.txt-p blastp-o c:\output.txt。標的配列が、同定された配列の任意の部分との相同性を有する場合、指定したアウトプットファイルは相同性の領域をアラインメントした配列として提示する。標的配列が、同定された配列のいずれの部分とも相同性を共有しない場合には、指定したアウトプットファイルは、アラインメントした配列を提示しない。
【0029】
アラインメントした後、長さを決定するにあたり、いずれかのマッチした位置で開始し、いずれかの他のマッチした位置で終結する同定配列からの配列アラインメントにおいて提示された標的配列からの連続したヌクレオチドまたはアミノ酸残基の数をカウントする。マッチした位置とは、同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基が、標的配列と同定配列の両方に提示される位置である。ギャップはヌクレオチドまたはアミノ酸残基ではないので、標的配列に提示されるギャップはカウントしない。同様に、標的配列のヌクレオチドまたはアミノ酸残基をカウントし、同定配列からのヌクレオチドまたはアミノ酸残基はカウントしないことから、同定配列に提示されたギャップもカウントしない。
【0030】
特定の長さにわたる同一性パーセントは、その長さにわたるマッチ位置の数をカウントし、その数を長さで割って得られた値に100を掛けることにより決定する。例えば、(1)1,000ヌクレオチドの標的配列を配列番号1に示す配列と比較し、(2)B12seqプログラムが、配列番号1に示す配列の領域とアラインメントした標的配列からの200ヌクレオチドを提示し、その際、該200ヌクレオチド領域の最初と最後のヌクレオチドはマッチであり、そして(3)上記アラインメントした200ヌクレオチドにわたるマッチの数が180であるならば、1,000ヌクレオチド標的配列は200の長さを含み、この長さにわたる同一性パーセントは90(すなわち、180÷200 * 100=90)となる。
【0031】
同定配列とアラインメントする1つの核酸またはアミノ酸標的配列は、多くの異なる長さを有する可能性があり、それぞれの長さが、それ自身の同一性パーセントを有することが理解されるであろう。例えば、同定配列とアラインメントする20ヌクレオチドの領域を含む標的配列は、以下のように、表1に挙げたものを含めて、様々な長さを有する。
【0032】
【表1】
【0033】
同一性パーセントの値は、最も近い少数第1位に概算されることに留意されたい。例えば、78.11、78.12、78.13および78.14は、78.1に切り捨てるのに対し、78.15、78.16、78.17、78.18および78.19は、78.2に切り上げる。また、長さの値は必ず整数であることにも留意すべきである。
【0034】
本発明の単離された核酸分子は、長さが少なくとも約20ヌクレオチドである。例えば、この核酸分子は、長さが約20〜30、22〜32、33〜50、34〜45、40〜50、60〜80、62から92、50〜100、または150ヌクレオチド以上、例えば、200〜300、300〜500、もしくは500〜1,000ヌクレオチドでありうる。このような断片は、タンパク質をコードするか否かにかかわらず、プローブ、プライマー、および診断試薬として用いることができる。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、全長ゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ、フィトエンデサチュラーゼ、β−カロテンヒドキシラーゼ、β−カロテンC4オキシゲナーゼ、または多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする。核酸分子は、DNAまたはRNA、線状または環状、およびセンスまたはアンチセンス配向のいずれでもよい。
【0035】
本発明の単離された核酸分子は、標準的技法で生産することができる。本明細書で用いる「単離された」とは、ゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ、フィトエンデサチュラーゼ、β−カロテンヒドキシラーゼ、β−カロテンC4オキシゲナーゼ、または多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする遺伝子、あるいは、2つ以上のこのようなポリペプチドをコードするオペロンの部分または全部に対応する配列であるが、天然に存在するゲノム(例えば、細菌ゲノム)における野生型遺伝子またはオペロンの一方または両方の末端に通常隣接する配列を含まない配列を意味する。核酸に関して本明細書で用いられる用語「単離された」は、天然に存在する核酸配列以外の配列も含む。というのは、このような非天然配列は天然には存在せず、天然に存在するゲノムにおいて直接隣接している配列を持たないからである。
【0036】
単離された核酸は例えばDNA分子でありうるが、天然に存在するゲノムにおける該DNA分子に通常隣接する核酸配列の1つが除去されているか、あるいは、その配列が存在しないものとする。従って、単離された核酸は、限定するものではないが、他の配列とは独立した個別分子として存在するDNA分子(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理により得られるcDNAまたはゲノムDNA断片)、ならびに、ベクター、自律複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)、あるいは、原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれた組換えDNAを包含する。さらに、単離された核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸の一部である組換えDNA分子など、遺伝子操作された核酸も包含する。数百から数百万の他の核酸(例えば、cDNAライブラリーもしくはゲノムライブラリー、またはゲノムDNA制限酵素消化物を含むゲル切片)の中に存在する核酸は、単離された核酸とはみなさないものとする。
【0037】
本発明の範囲に含まれる単離された核酸は、限定するものではないが、一般的な分子クローニングおよび化学的核酸合成法などのいずれかの方法を用いて、取得することができる。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技法を用いて、配列番号1、3、5、7、9、11、38または44に示す配列との同一性を共有する核酸配列を含む単離された核酸を取得することができる。PCRとは、標的核酸を増幅する方法または技法を意味する。典型的には、目的とする領域の両末端からの、またはそれを越える配列情報を用いて、増幅しようとする鋳型の相対する鎖と配列が同じオリゴヌクレオチドプライマーを設計する。PCRを用いて、DNAならびにRNAから特定の配列(全ゲノムDNAまたは全細胞RNAからの配列を含む)を増幅することができる。プライマーの長さは、典型的には、14〜40ヌクレオチドであるが、10ヌクレオチドから数百ヌクレオチドの範囲にあるものでよい。一般的PCR技法は、例えば、PCR Primer:A Laboratory Manual, Dieffenbach, CおよびDveksler, G.編, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995に記載されている。鋳型の供給源としてRNAを用いる場合には、逆転写酵素を用いて、相補的DNA(cDNA)鎖を合成することができる。
【0038】
本発明の単離された核酸は、単一の核酸分子または一連のオリゴヌクレオチドのいずれかとして、化学的に合成することができる。例えば、所望の配列を含む1以上の対の長いオリゴヌクレオチド(例えば、>100ヌクレオチド)を合成することができ、その際、各々の対は、相補的(例えば、約15ヌクレオチド)DNAの短いセグメントを含んでいるため、オリゴヌクレオチド対をアニーリングすると二本鎖が形成される。DNAポリメラーゼを用いて、オリゴヌクレオチドを伸長することにより、オリゴヌクレオチド対毎に二本鎖核酸分子が形成され、これをベクターに連結することができる。
【0039】
本発明の単離された核酸は、突然変異誘発により取得することができる。例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、38または44に示す配列との同一性を共有する単離された核酸は、一般的分子クローニング技法(例えば、部位特異的突然変異誘発)を用いて突然変異させることができる。考えられる突然変異として、限定するものではないが、欠失、挿入、および置換、ならびに、欠失、挿入および置換の組合せが挙げられる。カロテノイド酵素をコードする他の既知配列と、本発明の核酸とのアラインメントを用いて、改変すべき位置を確認することができる。例えば、配列番号5のヌクレオチド配列と、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼをコードする核酸(例えば、さび菌(Erwinia uredovora)由来)とのアラインメントにより、どのヌクレオチドを置換することができるか、どのヌクレオチドを欠失することができるか、ならびに、どの位置でヌクレオチドを挿入することができるかについての指針が得られる。
【0040】
さらに、核酸およびアミノ酸データベース(例えば、GenBank(登録商標))を用いて、本発明の範囲に含まれる単離された核酸を取得することができる。例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、38または44に示す配列に対して相同性を有する任意の核酸、あるいは、配列番号2、4、6、8、10、12、39または45に示す配列との相同性を有する任意のアミノ酸配列をクエリー(問合せ)として用いて、GenBankを検索することができる。
【0041】
さらに、核酸ハイブリダイゼーション技法を用いて、本発明の範囲内の単離された核酸を取得することができる。手短に言えば、配列番号1、3、5、7、9、11、38または44に示した配列とある程度の相同性を有する任意の核酸をプローブとして用いて、中程度から高度のストリンジェンシーの条件下でのハイブリダイゼーションにより、類似した核酸を同定することができる。中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、25 mM KPO4(pH7.4)、5X SSC、5Xデンハート溶液、50μg/mLの変性した音波処理サケ精子DNA、50%ホルムアミド、10%硫酸デキストラン、および1〜15 ng/mLプローブ(約5×107cpm/μg)を含むハイブリダイゼーション溶液における約42℃でのハイブリダイゼーション、ならびに、2X SSCおよび0.1%SDSを含む洗浄溶液を用いた約50℃での洗浄段階を含む。高度のストリンジェンシーについては、同じハイブリダイゼーション条件を用いることができるが、0.2X SSCおよび0.1%SDSを含む洗浄溶液を用いて、約65℃で洗浄を実施する。
【0042】
いったん核酸を同定したら、この核酸を精製し、配列決定し、分析することにより、本明細書に記載した本発明の範囲に含まれるかどうかを決定することができる。ハイブリダイゼーションは、サザンまたはノーザン分析により実施して、プローブにハイブリダイズするDNAまたはRNA配列をそれぞれ同定する。プローブは、ビオチン、ジゴキシゲニン、酵素、または32Pまたは35Sのような放射性同位体で標識することができる。分析しようとするDNAまたはRNAをアガロースまたはポリアクリルアミドゲル上で電気泳動により分離し、ニトロセルロース、ナイロンまたはその他の好適な膜に移行させてから、当業者には公知の標準的方法を用いて、プローブとハイブリダイズさせることができる。例えば、Sambrookら、(1989)、Molecular Cloning、第2版、Cold Spring harbor Laboratory, Plainview, NYのセクション7.39〜7.52を参照されたい。
【0043】
ポリペプチド
本発明はまた、単離されたゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼ(配列番号2)、リコペンβ−シクラーゼ(配列番号4)、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(配列番号6)、フィトエンデサチュラーゼ(配列番号8)、フィトエンシンターゼ(配列番号10)、およびβ−カロテンヒドキシラーゼ(配列番号12)ポリペプチドにも関する。さらに、本発明は、β−カロテンC4オキシゲナーゼポリペプチド(配列番号39)および多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼポリペプチド(配列番号45)に関する。本発明のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列またはその断片に対して少なくとも75%、例えば、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性;配列番号4のアミノ酸配列またはその断片に対して少なくとも83%、例えば、85%、90%、95%、または99%の配列同一性;配列番号6のアミノ酸配列またはその断片に対して少なくとも85%、例えば、90%、95%、または99%の配列同一性;配列番号8のアミノ酸配列またはその断片に対して少なくとも90%、例えば、90%、92%、95%、または99%の配列同一性;配列番号10のアミノ酸配列またはその断片に対して少なくとも89%、例えば、90%、95%、または99%の配列同一性;配列番号12のアミノ酸配列またはその断片に対して少なくとも90%、例えば、95%または99%の配列同一性;配列番号39のアミノ酸配列またはその断片に対して少なくとも60%、例えば、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性;あるいは、配列番号45のアミノ酸配列またはその断片に対して少なくとも90%、例えば、95%または99%の配列同一性を有するものでよい。配列同一性パーセントは、核酸分子について記載したのと同様に決定することができる。
【0044】
「単離されたポリペプチド」は、自然界でそれに付随する細胞成分から分離されたものである。典型的には、このポリペプチドは、それが少なくとも60重量%(例えば、70%、80%、90%、95%、または99%)であり、自然界でそれに付随するタンパク質および天然の有機分子を含まない場合に、単離されているといえる。一般に、単離されたポリペプチドは、非還元ポリアクリルアミドゲル上で単一の主要バンドを形成する。
【0045】
「ポリペプチド」という用語は、長さまたは翻訳後修飾とは無関係に、アミノ酸のあらゆる鎖を包含する。配列番号2、4、6、8、10、12、39または45のアミノ酸配列に対して同一性を有するポリペプチドは、酵素の機能を保持することができる(カロテノイド生合成経路の概略については図1を参照のこと)。例えば、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼは、ファルネシルピロリン酸(FPP)とイソペンテニルピロリン酸(IPP)を一緒に縮合することにより、ゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)を生成することができる。フィトエンシンターゼは、2分子のGGPPを一緒に縮合することにより、フィトエンを生成することができる。フィトエンデサチュラーゼは、フィトエンに対して4回の連続した脱飽和を実施することにより、リコペンを形成することができる。リコペンβ−シクラーゼは、リコペンに対して2回の連続した環化反応を実施することにより、β−カロテンを形成することができる。β−カロテンヒドロキシラーゼは、β−カロテンに対して2回の連続したヒドロキシル化反応を実施することにより、ゼアキサンチンを形成することができる。あるいはまた、β−カロテンヒドロキシラーゼは、カンタキサンチンに対して2回の連続したヒドロキシル化反応を実施することにより、アスタキサンチンを形成することができる。ゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼは、1または2個のグルコースまたはその他の糖部分をゼアキサンチンに付加することにより、それぞれゼアキサンチンモノグリコシドまたはジクリコシドを形成することができる。β−カロテンC4オキシゲナーゼは、β−カロテンまたはゼアキサンチンのC4およびC4'位置のメチレン基を変換することにより、それぞれカンタキサンチンまたはアスタキサンチンを形成することができる。多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼは、3個のIPP分子および1個のジメチルアリルピロリン酸(DMAPP)分子を1個のGGPP分子に直接変換することができる。
【0046】
一般に、保存的アミノ酸置換、すなわち、同類アミノ酸の置換は、タンパク質の機能に影響を与えることなく、許容される。同類アミノ酸とは、大きさおよび/または電荷特性が類似したアミノ酸である。類似した側鎖を有するアミノ酸のファミリーが知られている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、またはヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、またはシステイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、またはトリプトファン)、β分枝側鎖(例えば、トレオニン、バリン、またはイソロイシン)、ならびに、芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、またはヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。
【0047】
突然変異誘発を用いて核酸を改変することにより、この核酸によってコードされるポリペプチドの活性を(例えば、特定のカロテノイドの産生を増加するように)改変することができる。例えば、誤りがちのPCR(例えば、(GeneMorph PCR Mutagenesis Kit;Stratagene Inc. La Jolla, CA;カタログ番号600550;改訂版番号090001)を用いて、B. aurantiaca crtW遺伝子(配列番号38)を突然変異誘発させることにより、産生されるモノケトカロテノイド(例えば、エチノン(β,β−カロテン−4−オン)またはアドニキサンチン(3,3'-ジヒドロキシ−β,β−カロテン−4−オン))に対するジケトカロテノイド(例えば、アスタキサンチン(3,3'-ジヒドロキシ−β,β−カロテン−4,4'−ジオン)またはカンタキサンチン(β,β−カロテン−4,4'−ジオン))の相対量を増加させることができる。一般に、突然変異誘発を行おうとする核酸は、pCR-Blunt II-TOPO(Clontech;Palo Alto, CA)のようなベクターにクローニングして、誤りがちのPCRの鋳型として用いることができる。定方向の進化のためには、2〜7ヌクレオチド/Kbp鋳型(1〜4アミノ酸突然変異/333アミノ酸)が一般に望ましい。突然変異の頻度は鋳型濃度を増減することにより、それぞれ低下または増加することができる。PCRは製造業者の推奨事項に従って実施することができる。突然変異誘発させた核酸は、発現ベクターに連結し、これを用いて宿主を形質転換した後、発現させたタンパク質の活性を評価する。例えば、crtW遺伝子の場合には、エレクトロコンピテント(electrocompetent)P. stewartii(ATCC 8200)細胞を、本明細書に記載したように調製して形質転換し、得られた個々のコロニーを、明るい黄色の色素形成(ゼアキサンチンの産生)、黄色がかったオレンジ色(モノケトカロテノイドの産生)または赤みを帯びたオレンジ色(ジケトカロテノイドの産生)から表現型の変化を目視検査することにより、スクリーニングすることができる。アスタキサンチン産生量の増加は、HPCL/MSにより確認することができる。
【0048】
本発明の単離されたポリペプチドは、例えば、天然の供給源(例えば、植物または細菌細胞)からの抽出、化学的合成、または宿主における組換え生産により取得することができる。例えば、本発明のポリペプチドは、発現ベクターのような核酸構築物に、ポリペプチドをコードする核酸分子を連結してから、該発現ベクターで細菌または真菌宿主細胞を形質転換することにより生産することができる。一般に、核酸構築物は、本発明のポリペプチド(例えば、ゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ、フィトエンデサチュラーゼ、フィトエンシンターゼ、β−カロテンヒドキシラーゼ、β−カロテンC4オキシゲナーゼ、または多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼポリペプチド)をコードする核酸に機能的に連結された発現制御エレメントを含む。発現制御エレメントは、典型的には、遺伝子産物をコードしないが、その代わり、核酸配列の発現に影響を与える。本明細書に使用する「機能的に連結された」とは、核酸配列の発現を可能にするような、発現制御エレメントと核酸配列との連結を意味する。発現制御エレメントとして、例えば、プロモーター配列、エンハンサー配列、応答エレメント、ポリアデニル化部位、または誘導エレメントを挙げることができる。プロモーターの非制限的例は、ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)由来のpufプロモーター(GenBank登録番号E13945)、R. sphaeroides由来のnifHDKプロモーター(GenBank登録番号AF031817)、およびR. sphaeroides 由来のfliKプロモーター(GenBank登録番号U86454)が挙げられる。
【0049】
細菌系では、DH10BまたはBL-21のような大腸菌株を用いることができる。好適な大腸菌ベクターとして、限定するものではないが、pUC18、pUC19、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質を産生するpGEX系列のベクター、ならびに、pBluescript系列のベクターが挙げられる。典型的には、形質転換した大腸菌を指数的に増殖させてから、イソプロピルチオガラクトピラノシド(IPTG)で刺激した後回収する。一般には、pGEX系列のベクターから産生された融合タンパク質は可溶性であり、グルタチオン−アガロースビーズへの吸着後、遊離グルタチオンの存在下での溶離により、容易に溶解細胞から精製することができる。pGEXベクターは、トロンビンまたは因子Xaプロテアーゼ切断部位を含むように設計されているため、クローニングした標識遺伝子産物をGST成分から放出させることができる。
【0050】
真核生物の宿主細胞では、多数のウイルス発現系を用いて、本発明のポリペプチドを発現させることができる。本発明のポリペプチドをコードする核酸は、例えば、pBlueBac(Invitrogen、サンジエゴ、CA)のようなバキュロウイルスベクターにクローニングしてから、これを用いて、ヨトウガ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞のような昆虫細胞を、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)多重包膜核多角体病ウイルス(AcMNPV)由来の野生型DNAと一緒に共トランスフェクションする。本発明のポリペプチドを産生する組換えウイルスは、標準的方法により同定することができる。あるいは、本発明のポリペプチドをコードする核酸は、SV40、レトロウイルス、またはワクシニアに基づくウイルスベクターに導入した後、これを適当な宿主細胞に感染させることができる。
【0051】
本発明の範囲に含まれるポリペプチドは、アフィニティーマトリックス上でのポリペプチドの捕捉を可能にするアミノ酸配列を含むように「操作する(engineered)」ことができる。例えば、c-myc、ヘマグルチニン、ポリヒスチジン、またはFlag(商標)タグ(Kodak)などのタグを用いて、ポリペプチド精製に役立てることができる。このようなタグは、カルボキシルまたはアミノ末端など、ポリペプチド内のどこに挿入してもよい。有用と考えられるその他の融合体としては、アルカリ性ホスファターゼなど、ポリペプチドの検出に役立つ酵素が挙げられる。
【0052】
アグロバクテリウム媒介による形質転換、エレクトロポレーションおよび粒子ガン形質転換を用いて、植物細胞を形質転換することができる。形質転換方法の例が、米国特許第5,204,253号(粒子ガン)および米国特許第5,188 ,958号(アグロバクテリウム)に記載されている。アグロバクテリウムspp.のTiおよびRiプラスミドを使用する形質転換方法では、典型的には、バイナリー型ベクターを用いる。Walkerpeach, C.ら、Plant Molecular Biology Manual, S. GelbinおよびR. Schilperoort編、Kluwer Dordrecht、C1:1-19(1994)。細胞または組織培養物を形質転換用のレシピエント組織として用いる場合には、当業者には公知の技法により、形質転換した培養物から植物を再生することができる。
【0053】
遺伝子操作された細胞
本発明の範囲内の単離された核酸を含む細胞はすべて、それ自体が本発明に包含される。これには、限定するものではないが、R. sphaeroides細胞のような原核細胞や、植物、酵母およびその他の真菌細胞のような真核細胞が含まれる。本発明の単離された核酸を含む細胞は、この単離された核酸を発現する必要がないことに留意すべきである。加えて、単離された核酸は細胞のゲノムに組み込まれても、またはエピソーム状態で維持されてもよい。換言すれば、本発明の単離された核酸で、安定にまたは一過性に細胞をトランスフェクションすることができる。
【0054】
どのような方法を用いて単離された核酸を細胞に導入してもよい。実際、in vivoまたはin vitroにかかわらず、細胞に核酸を導入する多くの方法が当業者には公知である。例えば、リン酸カルシウム沈降、コンジュゲーション、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルス介在核酸導入が、細胞に核酸分子を導入するのに用いることができる一般的方法である。また、他所(米国特許第5,580,859号および第5,589,466号)に記載されているように、裸のDNAを直接細胞にin vivo送達することができる。さらには、トランスジェニック動物を作製することにより、核酸を細胞に導入することができる。
【0055】
どのような方法を用いて、本発明の範囲内の単離された核酸を含む細胞を同定してもよい。例えば、PCRや、ノーザンおよびサザン分析のような核酸ハイブリダイゼーション技法を用いることができる。場合によっては、免疫組織化学および生化学的技法を用いて、特定の核酸によりコードされたポリペプチドの発現を検出することにより、細胞がこの特定の核酸を含むか否かを決定することができる。例えば、目的とするポリペプチドは、このポリペプチドに対して特異的な結合親和性を有する抗体を用いて検出することができるが、これは、上記細胞が、導入された核酸を含むだけではなく、コードされたポリペプチドを発現することも示すものである。また、目的とするポリペプチドの酵素活性を検出したり、あるいは、最終産物(例えば、特定のカロテノイド)を検出したりすることもでき、これは、上記細胞が、導入された核酸を含み、かつ、この導入された核酸から、コードされたポリペプチドを発現することを示している。
【0056】
本明細書に記載する細胞は、特定の外因性核酸を単一コピーまたは多数のコピー(例えば、約5、10、20、35、50、75、100または150コピー)で含むことができる。非天然核酸はすべて、いったん細胞に導入されると、外因性核酸とみなされる。核酸および特定の細胞に関して、本明細書で用いる用語「外因性」とは、天然に存在するこの特定の細胞に由来しないあらゆる核酸を意味する。天然に存在する核酸も特定の細胞には外因性となり得る。例えば、ある細菌から単離された全オペロンは、該オペロンがいったん別の細菌に導入されれば、その細菌に関して外因性核酸となる。例えば、細菌細胞(例えば、ロドバクター属)は、本発明の外因性核酸の約50コピーを含むことができる。加えて、本明細書に記載する細胞は、1以上の特定の外因性核酸を含むことができる。例えば、細菌細胞は、外因性核酸Xの約50コピーと、外因性核酸Yの約75コピーを含むことができる。これらの場合、様々な核酸の各々は、それぞれに特有の酵素活性を有する別々のポリペプチドをコードすることができる。例えば、細菌細胞は2つの異なる外因性核酸を含むことができ、これにより、高レベルのアスタキサンチンまたは他のカロテノイドが産生される。さらに、単一の外因性核酸は1以上のポリペプチドをコードすることができる。例えば、単一の外因性核酸が3以上の異なるポリペプチドをコードしてもよい。
【0057】
カロテノイドを産生するのに適した微生物は、自然界でカロテノイドを産生するものでも、産生しないものでもよく、細菌、酵母および真菌などの原核および真核微生物が含まれる。特に、ファフィア・ロドザイマ(Phaffia rhodozyma)(キサントフィロミセス・デンドロルホウス)(Xanthophyllomyces dendrorhous))、カンジダ・ウチリス(Candida utilis)、およびサッカロミセス・セレビシエのような酵母、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、フィコマイセス・ブラケスリーアヌス(Phycomyces blakesleeanus)、ブレークスリア・トリスポラ(Blakeslea trispora)およびアスペルギルス属のような真菌、ハロバクテリウム・サリナリウム(Halobacterium salinarium)のような古細菌、ならびに、パントエア・ステワルチイ(Pantoea stewartii)(例えば、ATCC登録番号8200)のようなパントエア属(以前はエルウィニア属と呼ばれた)、ザントバクター・オートトロフィクス(Xanthobacter autotrophicus)やフラボバクテリウム・ムルチボルム(Flavobacterium multivorum)のようなフラボバクテリア属、チモノモナス・モビリス(Zymonomonas mobilis)、R. sphaeroidesおよびR. capsulatusのようなロドバクター属、大腸菌およびE. vulnerisを含むユーバクテリア(Eubacteria)を用いることができる。使用可能な他の細菌の例として、α−サブディビジョン(α-subdivision)におけるスフィンゴモナス属およびグラム陰性細菌に属する細菌、例えば、パラコッカス、アゾトバクター、アグロバクテリウム、およびエリトロバクターなどが挙げられる。ユーバクテリア、特に、R. sphaeroidesおよびR. capsulatusは、特に有用である。R. sphaeroidesおよびR. capsulatusは自然界で特定のカロテノイドを産生し、既定培地で増殖する。このようなロドバクター属細菌も非発熱性であり、機能性食品への使用に関する健康上の問題を最小限にする。いくつかの実施形態では、これは、インドトウモロコシ、アブラナ、トマト、マンジュギク、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ドゥナリイラ・サリナ、クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)、およびネオスポンギオコックム・エキセントルム(Neospongiococcum excentrum)のような植物および藻類においてカロテノイドを生産するのに有用である。
【0058】
細菌は、膜性または非膜性細菌でありうることに留意されたい。本明細書で用いる用語「膜性細菌」(membranous bacteria)とは、細胞質内膜を有する細菌であって、天然に存在する、遺伝的に改変された、または環境により改変されたあらゆる細菌を意味する。細胞質内膜は、多様な様式で組織化されたものでよく、限定するものではないが、小胞、管、チラコイド様膜嚢、ならびに、高度に組織化された膜層が挙げられる。細胞質内膜の存在について細菌を分析するのに、どのような方法を用いてもよいが、例えば、限定するものではないが、電子顕微鏡、光学顕微鏡、および密度勾配が挙げられる。例えば、下記を参照のこと:Choryら(1984)J. Bacteriol., 159:540-554;NiedermanおよびGibson, Isolation and Physiochemical Properties of Membranes from Purple Photosynthetic Bacteria: The Photosyntetic Bacteria、Roderick K. ClyatonおよびWilliam R. Sistrom編、Plenum Press, pp.79-118(1978);およびLuekingら(1978)J. Biol. Chem., 253: 451-457。用いることができる膜性細菌の例として、限定するものではないが、紅色非硫黄細菌が挙げられ、例えば、ロドバクター属(例えば、R. sphaeroidesおよびR. capsulatus)、ロドスピリルム属、ロドシュードモナス属、ロドミクロビウム属、およびロドフィラ属に属するものなど、ロドスピリルム科の細菌が含まれる。「非膜性細菌」という用語は、細胞質内膜が欠如したあらゆる細菌を意味する。膜性細菌は高度に膜性の細菌である。本明細書で用いる用語「高度に膜性の細菌」とは、R. sphaeroides(ATCC 17023)細胞を(1)好気的条件下で有機栄養体的に4日間培養し、(2)嫌気的条件下で有機栄養体的に4日間培養してから、(3)回収した後に、R. sphaeroides(ATCC 17023)が有するものより多い細胞質内膜を有するあらゆる細菌を意味する。好気的培養条件は、25%酸素の存在下、30℃、光の下で細胞を培養することを含んでなる。嫌気的培養条件は、2%酸素の存在下、30℃、光の下で細胞を培養することを含んでなる。4時間の嫌気的培養段階の後、遠心分離によりR. sphaeroides(ATCC 17023)細胞を回収し、分析する。
【0059】
検出可能な量のカロテノイドを産生するように、本発明の核酸を微生物において発現させることができる。本明細書で用いる「検出可能」とは、標準的分析方法を用いて、カロテノイドおよびそのエステルまたはグリコシドを検出できることを意味する。一般には、カロテノイドは、アセトンまたはメタノールのような有機溶剤で抽出することができ、同じ有機溶剤中での400〜500 nmの吸収スキャンにより検出することができる。場合によっては、ヘキサンのような第2の有機溶剤で、再抽出するのが望ましいこともある。各カロテノイドの最大吸光度は、それが含まれる溶剤に応じて違ってくる。例えば、アセトン中では、ルテインの最大吸光度は451 nmであり、ゼアキサンチンの最大吸光度は454 nmである。ヘキサン中では、ルテインおよびゼアキサンチンの最大吸光度は、それぞれ446 nmおよび450 nmである。また、質量分析法と組み合わせた高性能液体クロマトグラフィーを用いて、カロテノドを検出することもできる。水およびアセトンの溶剤勾配と共に、直列に連結した2つの逆相カラムを用いることができる。第1カラムは、カロテノイド分離用に設計されたC30専用カラム(例えば、YMCa Carotenoid S3m;2.0 x 150 mm、3mm粒度;Waters Corporation, PN CT99S031502 WT)であり、これに、C8 Xterraa MSカラム(例えば、Xterraa MS C8;2.1 x 250 mm、5mm粒度;Waters Corporation, PN 186000459)が続く。
【0060】
カロテノイドの検出可能な量とは、乾燥細胞重量(dcw)1gあたり10μg以上を意味する。例えば、約10〜100,000μg/g(dcw)、約100〜60,000μg/g(dcw)、約500〜30,000μg/g(dcw)、約1,000〜20,000μg/g(dcw)、約5,000〜55,000μg/g(dcw)、または約30,000μg/g(dcw)〜55,000μg/g(dcw)である。アスタキサンチン、β−カロテン、リコペンまたはゼアキサンチンなどの特定のカロテノイドを産生する藻類またはその他の植物もしくは動物に関しては、「検出可能な量」のカロテノイドは、植物または動物における内在レベルより多い検出可能な量である。
【0061】
微生物、ならびに、微生物内に存在する代謝物に応じて、1以上の下記酵素を微生物に発現させることができる:ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ、フィトエンシンターゼ、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβシクラーゼ、リコペンεシクラーゼ、ゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼ、β−カロテンヒドロキシラーゼ、β−カロテンC4ケトラーゼ、および多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ。これらの酵素をコードする好適な核酸は前述の通りである。また、例えば、パラコッカス・マルクシイのカロテノイド生合成遺伝子の配列についてはGenbank登録番号Y15112;アグロバクテリウム・アウランチアクムのカロテノイド生合成遺伝子についてはGenbank登録番号D58420;エルウィニア・ヘルビコラのカロテノイド生合成遺伝子についてはGenbank登録番号M87280 M99707;およびフラボバクテリウム属細菌株R1534のカロテノイド生合成遺伝子についてはGenbank登録番号U62808を参照されたい。
【0062】
例えば、ニューロスポレンをもともと産生する微生物(例えば、ロドバクター属)においてリコペンを産生させるために、フィトエンデサチュラーゼ(例えば、本発明のフィトエンデサチュラーゼ)をコードする外因性核酸を発現させ、標準的方法を用いて、リコペンを検出することができる。このような遺伝子操作細胞における追加のカロテノイド遺伝子の発現により、追加のカロテノイドの生産が可能になる。例えば、このような遺伝子操作細胞におけるリコペンβ−シクラーゼの発現により、検出可能な量のβ−カロテンの生産が可能になり、また、β−カロテンヒドロキシラーゼの発現により、別のカロテノイド、ゼアキサンチンの産生が可能になる。標準的方法を用いて、β−カロテンおよびゼアキサンチンを検出することができ、これは、HPLC上の移動度により識別する。ゼアキサンチンジグルコシドは、ゼアキサンチンを産生する生物におけるゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼ(crtX)のさらなる発現により生産することができる。
【0063】
フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼ(すなわち、カロテノイドのC4およびC4'位置のメチレン基をケトン基に変換する酵素)の発現により、フィトエンを産生する生物において、カンタキサンチンを生産することができる。例えば、アグロバクテリウム・アルランチアクム(Agrobacterium aurantiacum)またはヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)に由来するβ−カロテンC4オキシゲナーゼを用いることができる。A. aurantiacumおよびH. pluvialis酵素のヌクレオチドおよびアミノ酸配列の記載については、GenBank登録番号1136630およびX86782をそれぞれ参照のこと。また、ブレブンジモナス・アウランチアカ(Brebunjimonas aurantiaca)由来のβ−カロテンC4オキシゲナーゼを用いることもできる。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列の記載については、実施例2を参照されたい。もともとカロテノイドを産生しない微生物では、カンタキサンチンの生産にはさらに別の酵素が必要である。ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼおよびフィトエンシンターゼを発現させて、カンタキンサチン合成に必要な前駆体が存在するようにすることができる。
【0064】
また、アスタキサンチンは、もともとカロテノイドを産生する微生物において生産することができる。例えば、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、β−カロテンヒドロキシラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼを発現させ、かつ、検出可能な量のアスタキサンチンを産生するように、ロドバクター属細菌細胞を操作することができる。このような生物は、グルコース(例えば、アスタキサンチンジグルコシドを生産するため)、その他の糖、または脂肪酸のような化学基で、アスタキサンチンの3または3'ヒドロキシル基を修飾できる酵素を発現させることができる。さらに、β−カロテンC4オキシゲナーゼを発現させ、かつ、検出可能な量のアスタキサンチンを産生するように、P. stewartii細胞を操作することができる。アスタキサンチンは、前記のように検出することができ、アセトン中480 nmで最大吸光度を有する。
【0065】
アスタキサンチンおよびその他のカロテノイドの生産量は、操作した微生物における、S. shibatae由来(配列番号45)またはアーケオグロブス・フルギドゥス(Archaeoglobus fulgidus)(GenBank登録番号AF120272)由来の古細菌遺伝子など、多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸遺伝子の発現により、高めることができる。古細菌GGPPS遺伝子は、内在性ロドバクター遺伝子の相同体であり、3個のIPP分子と1個のDMAPP分子を1個のGGPPS分子に直接変換することにより、カロテノイド経路の分枝を抑制し、あまり好ましくない他のイソプレノイドの産生を排除する。また、内在性バクテリオクロロフィル生合成を排除し、これによって、流れをカロテノイド生合成に向けなおすことにより不要な代謝物をさらに低減させることができる。例えば、bchO、bchD、およびbchI遺伝子を欠失させ、かつ/または古細菌GGPPS遺伝子で置換することができる。さらなる生産量の増加は、内在性crtE遺伝子または内在性crtC、crtD、crtE、crtA、crtI、およびcrtF遺伝子の欠失により達成することができる。
【0066】
一般的な突然変異誘発またはノックアウト技法を用いて、内在性遺伝子を欠失させることができる。あるいは、アンチセンス技法を用いて、酵素活性を低下させることも可能である。例えば、酵素が産生されるのを阻止するアンチセンス分子をコードするcDNAを含有するように、R. sphaeroides細胞を操作することができる。本明細書で用いる用語「アンチセンス分子」とは、内在性ポリペプチドのコード鎖に対応する配列を含むあらゆる核酸を包含する。アンチセンス分子はまた、フランキング配列(例えば、調節配列)を有していてもよい。従って、アンチセンス分子は、リボザイムまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドでありうる。リボザイムは、限定するものではないが、該分子がRNAを切断するのであれば、ヘアピン、ハンマーヘッド、またはアックスヘッド(axhead)構造など、いずれの一般的構造を有していてもよい。
【0067】
カロテノイド比の制御
特定のカロテノイドの量、例えば、カンタキサンチンに対するアスタキサンチン、またはゼアキサンチンに対するアスタキサンチンの量は、誘導プロモーターからのカロテノイド遺伝子の発現、または様々な強度の構成プロモーターの使用により、制御することができる。本明細書で用いる「誘導(性)」とは、アップレギュレーションおよびダウンレギュレーションの両方を意味する。誘導プロモーターは、インデューサーに応答して1以上のDNA配列または遺伝子の転写を直接または間接的に活性化することができるプロモーターである。インデューサーが存在しないと、DNA配列または遺伝子は転写されない。インデューサーは、タンパク質、代謝物、増殖調節剤、フェノール化合物のような化学物質、あるいは、高温、低温、塩、もしくは毒性エレメントにより直接、またはウイルスのような病原体または疾患因子の作用を介して間接的に加えられる生理的ストレスでありうる。インデューサーはまた、明るさ、暗さ、多様な光の様相(波長、強度、蛍光、方向、持続時間を含む)など、照明因子であってもよい。誘導プロモーターの例として、大腸菌由来のlac系およびテトラサイクリン耐性系が挙げられる。Lac系の一形態では、lacオペレーター連結配列の発現は、lacR-VP16融合タンパク質により構成的に活性化され、IPTGの存在下でオフになる。lac系の別の形態では、IPTGの存在下でlacオペレーターと結合するlacR-V16変異型を用いるが、これは、細胞の温度を高めることにより増強することができる。
【0068】
また、テトラサイクリン(Tc)耐性系の成分を用いて、遺伝子発現を調節することができる。例えば、テトラサイクリンの非存在下でtetオペレーターと結合して遺伝子転写を抑制するTetリプレッサー(TetR)を用いて、tetオペレーター配列を含むプロモーターからの転写を抑制することができる。また、TetRをVP16の活性化ドメインと融合させることにより、テトラサイクリン制御転写アクチベーター(tTA)を生成することができるが、これは、TetRと同じように、テトラサイクリンにより調節される。すなわち、tTAは、テトラサイクリンの非存在下でtetオペレーター配列と結合するが、テトラサイクリンの存在下では結合しない。従って、この系では、Tcの連続的存在下で遺伝子発現が抑制され、また、転写を誘導するためには、Tcが除かれる。
【0069】
カロテノイドの比を制御する別の方法として、酵素阻害剤を用いて特定の酵素の活性レベルを調節するものがある。
【0070】
カロテノイドの生産
カロテノイドは、in vitroまたはin vivoで生産することができる。例えば、1以上のポリペプチドを、適当な基質または基質の組合せと接触させることにより、所望のカロテノイド(例えば、アスタキサンチン)を生成することができる。カロテノイド生合成経路の概略については、例えば、図1を参照されたい。
【0071】
特定のカロテノイド(例えば、アスタキサンチン、リコペン、β−カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、ゼアキサンチンジグルコシド、またはカンタキサンチン)はまた、操作した微生物を用意し、この微生物を培地で培養してカロテノイドを産生させることにより、生産することができる。一般に、培地および/または培養条件は、微生物が適切な密度にまで増殖し、所望の化合物を効率的に産生するような条件である。大規模生産工程の場合には、下記の方法を用いることができる。最初に、例えば、グルコース炭素源を含有する好適な培地を入れた大型タンク(例えば、100ガロン、200ガロン、500ガロン、またはそれ以上のタンク)に特定の微生物を接種する。接種後、微生物をインキュベートすることによりバイオマスを産生させる。いったん所望のバイオマスに達したら、微生物を含むブロスを第2のタンクに移す。この第2タンクは任意の大きさのものでよい。例えば、第2タンクは、第1タンクより大きい、小さい、または同じサイズのいずれでもよい。典型的には、第2タンクは、第1タンクより大きく、第1タンクからのブロスに別の培地を添加できるようにする。加えて、この第2タンク内の培地は、第1タンクで用いたものと同じでも、異なっていてもよい。例えば、第1タンクはキシロース含有培地を含むのに対し、第2タンクはグルコース含有培地を含むことができる。
【0072】
移動させた後、微生物をインキュベートすることにより所望のカロテノイドを産生させることができる。いったん産生したら、任意の方法を用いて所望の化合物を単離する。例えば、微生物が所望のカロテノイドをブロス中に放出する場合には、一般的分離法を用いて、ブロスからバイオマスを取り出し、一般的単離方法(例えば、抽出、蒸留、およびイオン交換方法)を用いて、微生物を含まないブロスからカロテノイドを取得することができる。さらに、所望のカロテノイドを産生させながら単離したり、あるいは、産物の生産段階が終了した後にブロスからカロテノイドを単離したりすることも可能である。微生物が所望のカロテノイドを保持している場合には、バイオマスを回収し、バイオマスを処理することによりカロテノイドを放出させるか、またはバイオマスから直接カロテノイドを抽出してもよい。抽出したカロテノイドは機能性食品として製剤化することができる。本明細書で用いる機能性食品とは、食物、錠剤、粉末、または、その他の医薬品形態に組み込まれ、被験者による摂取時に、該被験者に特定の医学的または生理学的利益をもたらす配合物を意味する。
【0073】
あるいは、バイオマスを回収した後、カロテノイドを抽出せずに、そのまま乾燥させてもよい。次に、バイオマスをヒトの消費用(例えば、栄養補助食品として)、または動物飼料(例えば、イヌ、ネコ、およびウマなどのペットや家畜、または生産動物用)として製剤化することができる。例えば、ニワトリやシチメンチョウのような家禽、またはウシ、ブタおよびヒツジによる消費用に、バイオマスを製剤化することができる。このような組成物の供給により、家禽の胸肉の生産量を高め、その他の酪農動物における体重増加を向上させることができる。さらには、カロテノイドは、抗酸化剤の保護を高めることから、食肉製品の貯蔵期間を引き延ばすと考えられる。また、バイオマスを水産養殖で使用するために製剤化することもできる。例えば、アスタキサンチンおよび/またはカンタキサンチンを産生する操作微生物を含むバイオマスを魚または甲殻類に供給することにより、肉や甲皮をそれぞれ着色することができる。このような組成物は、サケ、マス、シーブリーム(sea bream)、もしくはフエダイなどの魚類、または小エビ、ロブスターおよびカニのような甲殻類に供給するのに特に有用である。
【0074】
以下に挙げる1以上の成分を、乾燥前または後のバイオマスに添加することができる:ビタミン、その他のカロテノイド、エトキシキンのような抗酸化剤、ビタミンE、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドキシトルエン(BHT)、またはアスコルビルパルミテート;コーン油、ベニバナ油、ヒマワリ油、またはダイズ油などの植物油;ならびに、ダイズレシチンやソルビタンエステルのような食用乳化剤。抗酸化剤や植物油の添加は、加工(例えば、乾燥)、輸送および貯蔵期間中のカロテノイドの劣化防止に役立つ。
【0075】
本発明について、以下の実施例でさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【実施例】
【0076】
実施例1−パントエア・ステワルチイ( Pantoea stewartii )由来のゼアキサンチン遺伝子クラスターのクローニング:
P. stewartii由来のゲノムDNAを単離し、制限酵素で消化することにより、サイズが約8〜10 kBのゲノムDNA断片を取得した。これらのゲノムDNA断片を、同じ制限酵素で切断したベクターに連結し、エレクトロコンピテント大腸菌にエレクトロポレーションにより導入した。形質転換コロニーを個別に採取し、適切な抗生物質選択(アンピシリン/アンピシリン置換物)を有する新鮮な固体培地上に移した。P. stewartiiカロテノイド遺伝子を含む大腸菌コロニーは、ゼアキサンチン色素の産生によって黄色を、またはリコペンの産生によって赤色を帯びると考えられる。少なくとも2,000個のアンピリシン耐性大腸菌形質転換体をスクリーニングしたが、P. stewartiiカロテノイド遺伝子を含むコロニーは1つもなかった。
【0077】
これに代わり、第2のPCRに基づく方法を用いて、P. stewartiiゲノムDNA由来のカロテノイド(crt)遺伝子クラスターを同定し、配列決定した。エルウィニア・ヘルビコラ(Erwinia herbicola)およびエルウィニア・ウレドボラ(Erwinia uredovora)由来のcrt遺伝子において同定された相同性領域に基づいて、縮重プライマーを設計した。表2は、E. herbicolaおよびE. uredovoraにおけるcrt遺伝子の位置を示す。
【表2】
【0078】
以下のプライマーを設計し(表3)、様々な組合せで用いて、多様な長さのPCR産物を取得した。P. stewartiiゲノムDNAを鋳型として用いた。
【表3】
【0079】
勾配サーモサイクラー(Gradient Thermocycler)において、次のようにPCRを実施した:96℃で5分間インキュベートすることにより開始し、96℃で30秒の変性、40℃/45℃/50℃/55℃/または60℃で105秒のアニーリング、および72℃で90秒の伸長を40サイクル実施した後、72℃で10分インキュベートする。PCR反応でのMgCl2濃度もいろいろに変化させ、1.5 mMの最終濃度から6mMまでの範囲とした。表4は、様々なプライマーの組合せを用いたPCR産物の推定サイズを示す。
【表4】
【0080】
PCR反応物をアガロースゲルによる電気泳動にかけ、PCR産物のサイズを推定してから、Qiagenゲル抽出キットを用いて、DNAをゲルから抽出した。精製したPCR産物をミネソタ大学のAdvanced Genetic Analysis Center(AGAC)に配列決定のため提出した。取得したDNA配列をBLAST分析に付して、該配列が他の細胞由来のcrt遺伝子と相同であるか否かを調べた。1.2-kb DNA断片の配列解析は、E. herbicolaおよびE. uredovora由来のフィトエンデサチュラーゼ(crtI)遺伝子との相同性があることを示したのに対し、0.47 kB産物は、E. herbicolaおよびE. uredovora由来のcrtE遺伝子との相同性を有することがわかった。
【0081】
P. stewartii由来のカロテノイド遺伝子の増幅領域および縮重プライマーを用いて得られたDNA配列情報に基づいて、P. stewartii crt遺伝子に特異的なプライマーを設計した。これらを表5に示す。これらの特異的プライマーを用いて、縮重プライマーで増幅したDNA領域の上流および下流の情報を取得した。この原理を用いてDNA配列を伸長させ、P. stewartii crt遺伝子に関するDNA配列情報を取得した。
【表5】
【0082】
PCRを用いて、P. stewartiiからcrt遺伝子クラスター配列を補完しようとしたがうまくいかなかったため、Clontech製のユニバーサルゲノムウォーカー(Universal Genome Walker)キットを用いて、P. stewartii crtEおよびcrtZ遺伝子の完全な配列を取得した。このキットはPCRに基づく手法を用いている。下記のプライマー対を合成し、ゲノム歩行実験に用いた:
GwcrtE2, 5'-CATCGGTAAGATCGTCAAGCAACTGAA-3'(配列番号:30);および
GwcrtE1, 5'-GATTTACCTGCATCCTGATTGATGTCT-3'(配列番号:31);および
GwcrtZ1, 5'-ATGTATAACCGTTTCAGGTAGCCTTTG-3'(配列番号:32);および
GwcrtZ2, 5'-AATACAGTAAACCATAAGCGGTCATGC-3'(配列番号:33)。
P. stewartii由来のcrt遺伝子およびコード化タンパク質の配列を、デフォルトパラメーターの下でBLASTを用いて、E. herbicolaおよびE. uredovora由来のcrt遺伝子およびタンパク質の配列と比較した。P. stewartii crt遺伝子のヌクレオチドおよびアミノ酸配列については配列番号1〜12を参照されたい。アラインメントの結果を表6に示す。
【表6】
【0083】
実施例2−ブレブンジモナス・アウランチアカ( Brevundimonas aurantiaca )由来のβ−カロテン C4 オキシゲナーゼのクローニング:
ブラジヒゾビウム、アルカリゲネス、アグロバクテリウム・アウランチアクム(Agrobacterium aurantiacum)、およびパラコッカス・マルクシイ(Paracoccus marcusii)を用いて、crtW用の縮重PCRプライマーを設計した。プライマーは次の配列:(crtW(181P.m.)-5'TTCATCATCGCGCATGAC3'(配列番号34)およびcrtW(668P.m.)-5'AGRTGRTGYTCGTGRTGA(配列番号35)を有しており、Integrated DNA Technologies Inc.(コーラルビル、IA)により合成されたものである。B. aurantiaca(ATCC登録番号15266)由来のゲノムDNAを用いて、マスターサイクラー勾配装置(Eppendorf)においてPCRを実施した。反応条件は、下記の通りである:96℃で5分に続いて、94℃で30秒の変性、50℃で2分のアニーリング、および72℃で2分30秒の伸長を30サイクル実施し、最後に72℃で10分のインキュベーション。約500 bpのPCR産物を取得し、ベクターpCR-BluntII-TOPO(Invitrogen Corp. カールズバッド、CA)にクローニングした。
【0084】
普遍的(universal)M13フォワードおよびリバースプライマーを用いて、独立したクローンを配列決定した。DNA配列決定は、ミネソタ大学のAGAC(セントポール、MN)で実施した。crtW遺伝子の部分的ヌクレオチド配列を取得した。その部分的配列と既知crtW遺伝子とのアラインメントにより、上記配列がブラジヒゾビウム、アルカリゲネス、アグロバクテリウム・アウランチアクム(Agrobacterium aurantiacum)、およびパラコッカス・マルクシイ(Paracoccus marcusii)由来のcrtW遺伝子のN末端およびC末端に対してそれぞれアラインメントすることがわかった。Clontech製のユニバーサルゲノムウォーカー(Universal Genome Walker)キットを用いて、B. aurantiaca crtW遺伝子の完全な配列を取得した。部分的配列に基づいてプライマーを合成し、ゲノム歩行実験に用いた。
【0085】
該遺伝子の末端由来の配列を取得した後、下記のオリゴヌクレオチドプライマーを合成して、ゲノムDNA由来の完全なcrtW遺伝子を増幅するために使用した:5'-GCGGCATAGGCTAGATTGAAG-3'(プライマー1、Tm=72℃、配列番号36)と5'-GCGAGTTCCTTCTCACCTAT-3'(プライマー2、Tm=67℃、配列番号37)。Qiagenゲノム−チップ500Gキット(バレンシア、CA;カタログ番号10262)を用いて、製造業者のプロトコルに従い、B. aurantiaca(ATCC 15266)ゲノムDNAを作製した。手短に説明すると、30mlのB. aurantiaca培養物をATCC培地36(Caulobacter培地;2g/lペプトン、1g/l酵母エキス、0.2 g/l MgSO4.7H20)において30℃で一晩培養した。培養物を遠心分離(15,000 x g;10分)により回収し、ゲノムDNAを製造業者の推奨プロトコルに従って精製した(Qiagen Genomic DNA Handbook for Blood, Cultured Cells, Tissue, Mouse Tails, Yeast, Bacteria(Gram- & some Gram+))。エキスパンドDNAポリメラーゼシステム(Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, IN;カタログ番号1732641)を、下記を含む反応に用いた:2μlのB. aurantiacaゲノムDNA(50 ng/μl)、1μlのプライマー1(100 pmol/μl)、1μlのプライマー2(100 pmol/μl)、5μlの10 x PCRバッファー、1μlのエキスパンドDNAポリメラーゼ(3.5 U/μl)、2.5μlのジメチルスルホキシド(DMSO)、2μlのdNTP(各々10 nmol/μl)、ならびに、35.5μlのddH2O。反応条件は次の通りである:96℃で5分、続いて94℃で30秒の変性、50℃で2分のアニーリング、および72℃で2分30秒の伸長を30サイクル、最後に72℃で10分のインキュベーション。
【0086】
PCR産物を0.8%アガロースゲルでの電気泳動にかけた後、ゲルから約0.85 kBバンドを切り出し、Qiagen QIAquick Gel Extractionキット(カタログ番号28704)を用いて、製造業者の推奨プロトコル(QIAquick Spin Handbook)に従い精製した。ゲル精製PCR産物をpCR-BluntII-TOPO(Clontech;パロアルト、CA)の平滑末端クローニング部位にクローニングすることによりpTOPOcrtWを作製した。連結混合物を大腸菌DH10Bでエレクトロマックス(electromax)細胞(Gibco BRL;ゲイザーズバーグ、MD;カタログ番号18290-015)にエレクトロポレーション(25μF、200オーム、12.5 KV/cm)した。形質転換体を1mlのSOC培地において振盪しながら37℃で60分間回復させた。細胞をLB寒天+50μg/mlカナマイシン上にプレートし、37℃で一晩増殖させた。形質転換体コロニーを1ml LBブロス+50μg/mlカナマイシンに接種してから、振盪しながら37℃で一晩増殖させた。QIAprep Spin Miniprepキット(50)(カタログ番号27104)を用いて、製造業者のプロトコルに従い、ミニプレップを調製し、その後EcoRIを用いた制限分析によりpTOPOcrtWの存在をスクリーニングした。pTOPOcrtWのEcoRI消化物から、約0.85 Kbpおよび3.5 Kbpの産物を回収した。
【0087】
crtW遺伝子をミネソタ大学のAGAC(セントポール、MN)により配列決定した。B. aurantiaca由来のcrtW遺伝子のヌクレオチド配列を配列番号38に示し、crtW遺伝子によりコードされるタンパク質を配列番号39に示す。
【0088】
実施例3−パントエア・ステワルチイ( Pantoea stewartii )への pTOPOcrtW の形質転換と、 P. stewartii::pTOPOcrtW におけるアスタキサンチンおよびアドニキサンチンの産生:
下記のプロトコルでは、ゼアキサンチンを産生する宿主P. stewartiiにおけるcrtWの発現を記載する。これは、アスタキサンチン(すなわち、3,3'-ジヒドロキシ-β,β−カロテン−4,4'-ジオン)およびアドニキサンチン(3,3'-ジヒドロキシ-β,β−カロテン−4-オン)を産生することができる形質転換宿主をもたらす。LB中のP. stewartii細胞の5%接種物50 mlを、攪拌(250 rpm)しながら30℃で、0.5〜1.0のOD590に到達するまで培養することにより、エレクトロコンピテントP. stewartii(ATCC 8200)細胞を調製した。この細菌を50 mlの10mM HEPES(pH 7.0)で洗浄してから、10,000 x gで10分遠心分離した。25 mlの10 mM HEPES(pH 7.0)で洗浄を繰り返した後、同じ遠心分離プロトコルを実施した。次に、これらの細胞を25 mlの10%グリセロールで一回洗浄した。遠心分離後、細胞を500μlの10%グリセロール中で再懸濁させた。40μlアリコートを凍結し、使用するまで−80℃に維持した。
【0089】
プラスミドTOPOcrtWをエレクトロコンピテントP. stewartii細胞にエレクトロポレーション(25μF、25 KV/cm、200オーム)した後、50μg/mlカナマイシンを含有するLB寒天プレート上で培養した。陰性対照として、pCR-BluntII-TOPO自己連結親ベクターもP. stewartiiにエレクトロポレーションした後、50μg/mlカナマイシンを含有するLB寒天プレート上で培養した。明るい黄色の色素形成(ゼアキサンチンの産生)から赤みがかったオレンジ色の色素形成(アスタキサンチンの産生)への表現型変化について、P. stewartii::pTOPOcrtWの個々のコロニーを目視検査によりスクリーニングし、さらなる色素分析のために選択した。P. stewartii::pCR-BluntII-TOPOの個々のコロニーについて表現型変化は一切認められなかったため、色素分析用にはクローンをランダムに選択した。
【0090】
HPLC/MSによりアスタキサンチンの産生を確認した。50μg/mlカナマイシンを含むLB中で増殖させたP. stewartii::pTOPOcrtWまたはP. stewartii::pCR-Blunt II-TOPO(25 ml)の5日齢培養物から回収した細胞よりカロテノイドを抽出するにあたり、洗浄した細胞ペレットを5mlのアセトン中に再懸濁させた。ガラスビーズを添加し、この混合物を室温の暗所で、随時ボルテックス混合しながら、60分インキュベートした。15,000 x gで10分の遠心分離によりこれらの細胞をアセトン抽出物から分離した。次に、HPLC/MSにより、アセトン上清を分析した。
【0091】
カロテノイド分離用に設計された2つの逆相C30専用カラム(YMCa Carotenoid S3m;2.0 X 150 mm、3mm粒度;Waters Corporation, PN CT99S031502WT))を縦列で用いると共に、Waters 2790 LCシステムを使用した。室温でカラムを作動させた。移動相A(0.1%酢酸)および移動相B(90%アセトン)の勾配を用いて、下記の勾配タイムテーブル:0分(10%A、90%B)、10分(100%B)、12分(10%A、90%B)、15分(10%A、90%B)に従い、ゼアキサンチンおよびアスタキサンチンを分離した。流量は、0.3 ml/分とした。サンプルをオートサンプラー中に20℃で保存し、25μLの量を注入した。Waters 996 Photodiodeアレイ検出器、350〜550 nmを用いて、ゼアキサンチンおよびアスタキサンチンを検出した。これらのクロマトグラフィー条件下、約5.42〜5.51 minでアスタキサンチンが、また約6.22〜6.4 minでゼアキサンチンが溶出した。
【0092】
カロテノイド標準品を用いてピークを確認した。アスタキサンチンはSigma Chemical Co.(セントルイス、MO)から、また、ゼアキサンチンはExtrasynthese(フランス)から、それぞれ入手した。UV-可視吸収スペクトルをカロテノイドの診断特徴として用い、質量分析により生成された分子イオンおよび断片化パターンも同様に用いた。陽イオン大気圧化学的イオン化質量分析計を用いた;スキャン範囲は400〜800 m/zで、四重極イオントラップを有する。代表的HPLCクロマトグラムを図3に示すが、これにより、B. aurantiaca crtW遺伝子で形質転換したP. stewartiiにおけるアスタキサンチンの産生が確認される。
【0093】
実施例4−微生物における CoQ-10 および( 3S, 3'S )アスタキサンチンの同時産生:
ファフィア・ロドザイマ(Phaffia rhodozyma)は、アスタキサンチンの3S、3'Sイソ型を産生することができないが、補酵素Q-10を産生することが知られている。この化合物は機能性食品として特に高い価値を有することがわかっている。R. sphaeroidesは、補酵素Q-10を産生することが知られており、また、新規であるものの、MABPにおいて天然遺伝子と相同である遺伝子で形質転換されていることから、本発明は特に高い価値を有する。従って、記載した生物は、補酵素Q-10と(3S, 3'S)-ATXの両方を同時に産生することが期待される。これは、単一の微生物宿主において(3S, 3'S)-ATXと補酵素Q-10の両方を産生させたことについて最初に記載したものである。
【0094】
(3S, 3'S)-ATXの同定は、Maoka, T.ら、J. Chromatogr.318:122-124(1985)により記載されているように行うことができる。簡単に述べると、これは、アセトンまたはジクロロメタンのような好適な有機溶剤とバイオマスを接触させることにより、カロテノイド色素を抽出することからなる。次に、液体窒素流の下でカロテノイド抽出物を乾燥させてから、n-ヘキサン−ジクロロメタン−エタノール(48:16:0.6)の溶剤に再懸濁させる。この抽出物を0.8 ml/分の流量でSumipax OA-2000(粒度:10μM)内径250 x 4 mm (Sumitomo Chemicals、大阪、日本)キラル分割HPLCカラムにアプライする。一般に、溶出の順序は、(3R, 3'R)-ATX、続いて(3R, 3'S;3S, 3'R)-ATX、その後(3S, 3'S)-ATXであると予想される。同様の分離が、Maoka, T.ら、Comp. Biochem. Physiol. 83B:121-124(1986)に記載されている。簡単に言えば、これは、カロテノイドの単離、塩化ベンゾイルによるビベンゾエート形態への誘導体化、およびSumipax OA-2000キラル分割HPLCカラムを用いたエナンチオマーの分離からなる。
【0095】
実施例5−染色体に挿入されたパントエア・ステワルチイ( Pantoea stewartii )由来の crtY および crtI 遺伝子を有するロドバクター属細菌株 ppsr- へのアーケオグロブス・フルギドゥス( Archeoglobus fulgidus )由来の多機能性 GGPP シンターゼの形質転換:
以下のプロトコルは、β−カロテンを産生するR. sphaeroides株(ATCC 35053)(すなわち、任意光合成従属栄養生物)の作製について記載するものであり、ここでは、Higuchi, R.ら、Nucleic Acid Res. 16:7351-7367に記載のインフレーム欠失法を用いて、ppsr遺伝子を欠失させることにより、株ΔREGを作製した。表7に、この実施例に用いた菌株およびプラスミドを記載する。PpsRは、好気的増殖条件下で光化学的遺伝子発現の抑制に関与する転写因子である。OhおよびKaplan、Biochemistry 38:2688-2696(1999);およびLenzら、J. Bacteriology 176:4385-4393(1994)の方法を用いて、ΔREGの天然tspO、crtC、crtD、crtEおよびcrtF遺伝子を含む染色体の領域を、P. stewartii由来のリコペンβシクラーゼ(crtY)およびフィトエンデサチュラーゼ(crtI)遺伝子で置換することにより、株ΔREG(Δ5:YI)を作製した。簡単に述べると、crtYおよびcrtI遺伝子をpLO1、すなわち、カナマイシン耐性遺伝子と、スクロースに対する感受性をコードする枯草菌sacB遺伝子とを含むR. sphaeroides用の自殺ベクター、にクローニングした。crtYI遺伝子に隣接し、かつ、R. sphaeroides tspOおよびcrtF遺伝子の約500 bp内部断片と配列が同じであるDNA断片をpLO1にクローニングした。これらの隣接するDNA領域は、crtYI遺伝子の挿入のための所望の領域に相当する。PCR分析、ならびに、crtYI遺伝子およびR. sphaeroidesゲノムの隣接領域に特異的な好適PCRプライマーを用いて、ΔREGにおけるcrtYI遺伝子の挿入を確認した。crtYI(P. stewartii)挿入、ならびに、tspO、crtC、crtD、crtEおよびcrtF(R. sphaeroides)欠失により、天然カロテノイド産生が欠失すると共に、挿入イベントを確認する赤色から緑色への色素形成の変化が起こった。
【表7】
【0096】
このpPctrlベクターは、R. sphaeroides rrnBプロモーター(GenBank登録番号X53854;rrnBP)の1コピーを、ベクターpBBR1MCS2(GenBank登録番号U23751)に挿入することにより構築した。rrnBプロモーターをBamHI制限酵素消化によりベクターpTEX24(S. Kaplan)から単離したが、その際、363 bp断片として該プロモーターが放出された。この断片を、2%トリス−酢酸−EDTA(TAE)アガロースゲルからゲル精製した。連結用のpBBR1MCS2ベクターを作製するために、そのベクターもBamHIで消化し、この酵素を80℃で20分熱失活させた。消化したベクターを小エビアルカリ性ホスファターゼ(Roche Molecular Biochemicals、インディアナポリス、IN)で脱リン酸化してから、1%TAE−アガロースゲルからゲル精製した。作製したベクターとrrnB断片を、T4 DNAリガーゼを用いて16℃で16時間連結させることにより、プラスミドpPctrlを作製した。1μlの連結反応物を用いて、40μLの大腸菌Electromax TM DH10BTM細胞(Life Technologies, Inc.、ロックビル、MD)をエレクトロポレーションにかけた。
【0097】
エレクトロポレーションに付した細胞を、25μg/mLのカナマイシン含有LB培地(LBK)上にプレートした。pPctrl DNAを単一コロニーの培養物から単離した後、HindIIIで消化することによりrrnBプロモーターの単一挿入の存在を確認した。また、pPctrlの配列もDNA配列決定で確認した。
【0098】
A. fulgidus(GenBank登録番号AF120272)に由来する多機能性GGPPシンターゼ(gps)遺伝子をpPctrlの多重クローニング部位にクローニングすることにより、構築物pPgpsを作製した。
【0099】
エレクトロコンピテントΔREG(Δ5:YI)細胞を次のようにして作製した:微量元素、ビタミン類(O'Garaら、J. Bacteriol. 180:4044-4050(1988);Cohen-Bazireら、J. Cell. Comp. Physiol. 49:25-68(1957))および炭素源として0.4%のグルコースを補充したシストロムズ(Sistrom's)培地を用いて、5ml培養物を接種してから、振盪しながら30℃で一晩増殖させた。この培養物を300 mLの同じ培地において1/100に稀釈した後、0.5〜0.8のOD660まで増殖させた。細胞を氷上で10分冷却した後、7,500 gで6分遠心分離した。上清を廃棄してから、元の量の半分で氷冷10%グリセロール中に細胞ペレットを再懸濁させた。細胞を7,500 gで6分の遠心分離によりペレット化した。上清を再び廃棄し、元の量の1/4で氷冷10%グリセロール中に該細胞を再懸濁させた。最後の遠心分離および再懸濁段階を繰り返した後、7,500 gで6分の遠心分離に付した。上清をデカントした後、廃棄しなかった少量のグリセロール中で上記細胞を再懸濁させた。必要であれば、さらに氷冷10%グリセロールを再懸濁させた細胞に添加する。40μlの再懸濁細胞を試験エレクトロポレーション(以下を参照)に用いることにより、細胞を遠心分離で濃縮する必要があるか、または10%氷冷グリセロールで稀釈する必要があるかを決定した。8.5〜9.0の時定数(time constant)により、良好な形質転換効率が達成された。許容可能な時定数が達成されたら、細胞を冷やした微小遠心管に分注し、−80℃で保存した。培地およびグリセロールのために用いた水はすべて、18 Mohm以上であった。
【0100】
ΔREG(Δ5:YI)のエレクトロポレーションを以下のように実施した。1μLのpPgpsまたはpPctrlベクターDNAを40μLのΔREG(Δ5:YI)エレクトロコンピテント細胞と穏やかに混合した後、これを0.2 cM電極ギャップを有するエレクトロポレーションキュベットに移した。エレクトロポレーションは、電位2.5 kV、抵抗400オーム、および静電容量25μFの設定でBiorad Gene Pulser II(Biorad、ハーキュルズ、CA)を用いて実施した。400μL SOC培地において30℃で6〜16時間にわたり細胞を回復させた。この細胞を、50μg/mlカナマイシン含有LB培地にプレート(1プレート当たり200μL)した後、30℃で5〜6日間インキュベートした。
【0101】
インキュベーション後、pPctrlプラスミドDNAで形質転換したΔREG(Δ5:YI)のプレートに緑がかったコロニーが観察された。pPgpsプラスミドDNAで形質転換したΔREG(Δ5:YI)のプレートに現れたコロニーは黄色を帯びていた。黄色の色素形成は、pPgps由来のA. fulgidus gps遺伝子を発現するΔREG(Δ5:YI)におけるβ−カロテン産生を示している。
【0102】
ビタミン類、微量元素、0.4%グルコースおよび50μg/mlカナマイシンを補充したシストロムズ液体培地において、振盪しながら、単一の黄色コロニーを30℃で24〜48時間増殖させた。カロテノイドを抽出した後、前記のようにLCMS分析に付した。用いたクロマトグラフィー条件下で、β−カロテンは約13.87〜14.2分で溶出した。β−カロテン標準品(Sigma chemical、セントルイス、MO)を用いて、ピークを確認した。UV-可視吸収スペクトルと、HPCLを用いた保持時間は、質量分析中に生成した分子イオンおよび断片化パターンと共に、pPgps DNAで形質転換したΔREG(Δ5:YI)におけるβ−カロテン同定のための診断特徴として用いた。こうして、pPgps由来のA. fulgidus gps遺伝子を発現するΔREG(Δ5:YI)においてβ−カロテンの産生を確認した。
【0103】
実施例6−染色体に挿入されたアーケオグロブス・フルギドゥス由来の gps 遺伝子を有するロドバクター属Δ REG (Δ 5 : YI )株へのブレブムジモナス・アウランチアクム( Brebumjimonas aurantiacum )由来のβ−カロテン C-4 ケトラーゼ( crtW )遺伝子および P. stewarutii 由来のβ−カロテンヒドロキシラーゼ( crtZ )の形質転換:
以下のプロトコルは、前記ΔREG(Δ5:YI)を用いた、R. sphaeroideskのアスタキサンチン産生株の作製について説明するものである。また、この実施例で用いる菌株およびプラスミドのさらに詳しい説明については、表7を参照されたい。Higuchi, R.らにより、Nucleic Acid Res. 16:7351-7367に記載された遺伝子挿入方法を用いて、ΔREG(Δ5:YI)のcrtA遺伝子をA. fulgidus由来のgps遺伝子で置換することによりΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps)株を作製した。エレクトロコンピテント細胞ΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps)は、前述のように作製した。
【0104】
適当な制限酵素を用いて、B. aurantiacum由来のcrtW遺伝子、P. stewartii由来のcrtZ遺伝子、A. fulgidus由来のgps遺伝子をpPctrlプラスミドにクローニングすることにより、構築物pPgps WZを作製した。適当な制限酵素を用いて、B. aurantiacum由来のcrtW遺伝子およびP. stewartii由来のcrtZ遺伝子をpPctrlプラスミドにクローニングすることにより、構築物pPWZを作製した。
【0105】
前記のように、pPWZまたはpPgpsWZ構築物をエレクトロコンピテント細胞ΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps)にエレクトロポレーションすることにより、それぞれ、ΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPWZまたはΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPgpsWZを作製した。形質転換混合物を50μg/mlカナマイシン含有LBプレート上で培養した。crtZに特異的なPCRプライマーを用いたPCR分析を実施することにより、ΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps)におけるpPWZまたはpPgpsWZプラスミドの存在を確認した。
【0106】
前述したように、ΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPWZまたはΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPgpsWZの単一コロニーを50μg/mlカナマイシンで補充した培地において増殖させた。細胞ペレットを蒸留水で洗浄してから、225 rpmで振盪しながら30℃で30分、アセトン:メタノール(7:2)を用いてカロテノイドを抽出した。前記のLCMS分析を用いてカロテノイド分析を実施した。UV-可視吸収スペクトルと、HPLCを用いた保持時間は、質量分析中に得られた分子イオンおよび断片化パターンと共に、ΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPWZおよびΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPgpsWZにおけるアスタキサンチン同定の診断特徴として用いた。アスタキサンチンの産生は、ΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPWZおよびΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPgpsWZの両方で確認された。ΔREG(Δ5:YI)(ΔA:gps):: pPgpsWZで増大したアスタキサンチン産生を観察した。
【0107】
実施例7:スルフォロブス・シバタエ( Sulfolobus shibatae )由来の新規な多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ遺伝子( gps )のクローニングおよび配列決定:
スルフォロブス・スルフォタリクス(Sulfolobus solfotaricus)およびスルフォロブス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)由来のgps遺伝子配列における保存配列に基づいて、縮重プライマー配列MFGGPP1(5'CCAYGAYGAYATWATGGA3'、配列番号40)およびMFGGPP2(5'YTTYTTVCCYTYCCTAAT3'、配列番号41)を設計し、Integrated DNA Technologies(コーラルビル、IA)で合成した。S. shibatae(ATCC登録番号51178、ロット番号1162977)由来のゲノムDNAを用いて、マスターサイクラー勾配装置(Eppendorf)においてPCRを実施した。反応条件は、次の通りである:96℃で5分に続いて、94℃で30秒の変性、50+10℃で60秒のアニーリング、ならびに、72℃で90秒の伸長を30サイクル、最後に72℃で10分のインキュベーション。約500bpのPCR産物を取得し、これをベクターpC-BuntII-TOPO(Invitrogen Corp.、カールズバッド、CA)にクローニングした。
【0108】
普遍的M13フォワードおよびリバースプライマーを用いて、独立したクローンを配列決定した。AGAC(ミネソタ大学、セントポール、MN)でDNA配列決定を実施した。このPCR産物のDNA配列分析は、S. sulfotaricusおよびS. acidocaldarius由来のgps遺伝子に対する類似性を示した。ユニバーサルゲノムウォーカー(Universal Genome Walker)キット(Clontech)を用いて、S. shibatae由来の元のPCR産物に隣接する一層多くのgps遺伝子配列を取得した。部分的配列に基づいてプライマーを合成し、ゲノム歩行実験のために用いた。
【0109】
以下の戦略を用いて、S. shibatae gps遺伝子を完全に配列決定した。S. sulfotaricus gps遺伝子の上流に、ERWCRTS相同体を観察した。UDP-A-アセチルグルコサミン−ドリチル−ホスフェート−N-アセチルグルコサミンホスホトランスフェラーゼ遺伝子は、S. sulfotaricusおよびS. acidocaldarius両方におけるgps遺伝子の下流に存在した。gps遺伝子の2つの遺伝子SsDolidn(5'ACAGCGTTGGACACTCAG3'、配列番号42)およびSsERCRTup(5'GCGTCGATAATGGAAGTGAG3'、配列番号43)の配列に基づいてプライマーを設計した。SsDolidnおよびSsERCRTupプライマーと、S. shibataeに由来するゲノムDNAを用いて、約2 kbのPCR産物を増幅した。このPCR産物を前述のようにpC-BuntII-TOPOにクローニングした後、普遍的M13フォワードおよびリバースプライマーを用いて配列決定した。S. shibatae由来のgps遺伝子のヌクレオチド配列を配列番号44に示し、gps遺伝子によりコードされるタンパク質のアミノ酸配列を配列番号45に示す。
【0110】
その他の実施形態
本発明は、その詳細な説明と共に記載してきたが、以上の説明は例示を目的とするものであり、本発明の範囲を何ら制限する意図はなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により定められる。その他の形態、効果および改変も特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】ゼアキサンチンの産生およびゼアキサンチンジグルコシドへの変換の生合成経路を示した概略図である。
【図2】P. stewartiiカロテノイド遺伝子オペロン(6586 bp)を示した概略図である。
【図3】P. stewartii::crtW(B. aurantiaca)におけるアスタキサンチン産生のクロマトグラムである。
Claims (91)
- 配列番号1のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも33個連続したヌクレオチドである配列番号1の断片に対して少なくとも76%の配列同一性を有する、単離された核酸。
- 配列番号1のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1に記載の単離された核酸。
- 配列番号1のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項1に記載の単離された核酸。
- 配列番号1のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1に記載の単離された核酸。
- 配列番号1のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項1に記載の単離された核酸。
- 発現制御エレメントと機能的に連結された請求項1に記載の核酸を含む発現ベクター。
- 配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも75%同一である、ゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼポリペプチドをコードする、単離された核酸。
- 配列番号3のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも32個連続したヌクレオチドである配列番号3の断片に対して少なくとも78%の配列同一性を有する、単離された核酸。
- 配列番号3のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項8に記載の単離された核酸。
- 配列番号3のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項8に記載の単離された核酸。
- 配列番号3のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項8に記載の単離された核酸。
- 配列番号3のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項8に記載の単離された核酸。
- 発現制御エレメントに機能的に連結された請求項8に記載の核酸を含む発現ベクター。
- 配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも83%同一である、リコペンβ−シクラーゼポリペプチドをコードする、単離された核酸。
- 配列番号5のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも60個連続したヌクレオチドである配列番号5の断片に対して少なくとも81%の配列同一性を有する、単離された核酸。
- 配列番号5のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項15に記載の単離された核酸。
- 配列番号5のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項15に記載の単離された核酸。
- 配列番号5のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項15に記載の単離された核酸。
- 発現制御エレメントに機能的に連結された請求項15に記載の核酸を含む発現ベクター。
- 配列番号6のアミノ酸配列と85%同一である、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする、単離された核酸。
- 配列番号7のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも30個連続したヌクレオチドである配列番号7の断片に対して少なくとも82%の配列同一性を有する、単離された核酸。
- 配列番号7のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項21に記載の単離された核酸。
- 配列番号7のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項21に記載の単離された核酸。
- 配列番号7のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項21に記載の単離された核酸。
- 発現制御エレメントに機能的に連結された請求項21に記載の核酸を含む発現ベクター。
- 配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、フィトエンデサチュラーゼポリペプチドをコードする、単離された核酸。
- 配列番号9のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも23個連続したヌクレオチドである配列番号9の断片に対して少なくとも82%の配列同一性を有する、単離された核酸。
- 配列番号9のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項27に記載の単離された核酸。
- 配列番号9のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項27に記載の単離された核酸。
- 配列番号9のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項27に記載の単離された核酸。
- 発現制御エレメントに機能的に連結された請求項27に記載の核酸を含む発現ベクター。
- 配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも89%同一である、フィトエンシンターゼポリペプチドをコードする、単離された核酸。
- 配列番号11のヌクレオチド配列に対して、または長さが少なくとも36個連続したヌクレオチドである配列番号11の断片に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、単離された核酸。
- 配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項33に記載の単離された核酸。
- 配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項33に記載の単離された核酸。
- 配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項33に記載の単離された核酸。
- 発現制御エレメントに機能的に連結された請求項33に記載の核酸を含む発現ベクター。
- 配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である、β−カロテンヒドロキシラーゼポリペプチドをコードする、単離された核酸。
- フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、β−カロテンヒドロキシラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む膜性細菌であって、該少なくとも1つの外因性核酸の発現により、該膜性細菌において検出可能な量のアスタキサンチンが産生される、上記膜性細菌。
- 上記フィトエンデサチュラーゼのアミノ酸配列が、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項39に記載の膜性細菌。
- 上記リコペンβ−シクラーゼのアミノ酸配列が、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも83%同一である、請求項39に記載の膜性細菌。
- 上記β−カロテンヒドロキシラーゼのアミノ酸配列が、配列番号12のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項39に記載の膜性細菌。
- 上記膜性細菌がゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼをコードする外因性核酸をさらに含む、請求項39に記載の膜性細菌。
- 上記膜性細菌が内在性バクテリオクロロフィル生合成を欠失している、請求項39に記載の膜性細菌。
- 上記外因性核酸が多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼをコードする、請求項43に記載の膜性細菌。
- 上記多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼのアミノ酸配列が、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項45に記載の膜性細菌。
- 上記β−カロテンC4オキシゲナーゼのアミノ酸配列が、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも80%同一である、請求項39に記載の膜性細菌。
- 上記膜性細菌がフィトエンシンターゼをコードする外因性核酸をさらに含む、請求項39に記載の膜性細菌。
- 上記フィトエンシンターゼのアミノ酸配列が、配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも89%同一である、請求項48に記載の膜性細菌。
- 上記膜性細菌がロドバクター属細菌である、請求項39に記載の膜性細菌。
- 配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するフィトエンデサチュラーゼをコードする外因性核酸を含む膜性細菌であって、検出可能な量のリコペンを産生する、上記膜性細菌。
- 上記膜性細菌がリコペンβ−シクラーゼをさらに含み、上記膜性細菌は検出可能な量のβ−カロテンを産生する、請求項51に記載の膜性細菌。
- 上記膜性細菌がβ−カロテンヒドロキシラーゼをさらに含み、上記膜性細菌は検出可能な量のゼアキサンチンを産生する、請求項52に記載の膜性細菌。
- フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む膜性細菌であって、該少なくとも1つの外因性核酸の発現により、該膜性細菌において検出可能な量のカンタキサンチンが産生される、上記膜性細菌。
- 遺伝子操作されたロドバクター属細菌細胞を含んでなる組成物であって、該細胞が検出可能な量のアスタキサンチンまたはカンタキサンチンを産生する、上記組成物。
- 上記遺伝子操作されたロドバクター属細菌細胞が、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、β−カロテンヒドロキシラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む、請求項55に記載の組成物。
- 上記組成物が水産養殖用に製剤化される、請求項55に記載の組成物。
- 上記組成物が摂取後に魚の肉または甲殻類の甲皮を着色する、請求項57に記載の組成物。
- 上記組成物がヒト消費用に製剤化される、請求項55に記載の組成物。
- 上記組成物が動物飼料として製剤化される、請求項55に記載の組成物。
- 上記動物飼料がニワトリ、シチメンチョウ、ウシ、ブタまたはヒツジによる消費のために製剤化される、請求項60に記載の組成物。
- 遺伝子操作されたロドバクター属細菌細胞からカロテノイドを抽出することを含んでなる機能性食品の製造方法であって、該遺伝子操作されたロドバクター属細菌細胞が、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンβ−シクラーゼ、β−カロテンヒドロキシラーゼ、およびβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする少なくとも1つの外因性核酸を含み、検出可能な量のアスタキサンチンを産生する、上記方法。
- 配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも83%同一であるアミノ酸配列を有するリコペンβ−シクラーゼをコードする外因性核酸を含む、膜性細菌。
- 上記膜性細菌がフィトエンデサチュラーゼをさらに含み、該細菌が検出可能な量のβ−カロテンを産生する、請求項63に記載の膜性細菌。
- 上記膜性細菌がβ−カロテンヒドロキシラーゼをさらに含み、該細菌が検出可能な量のゼアキサンチンを産生する、請求項64に記載の膜性細菌。
- 配列番号12のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するβ−カロテンヒドロキシラーゼを含む、膜性細菌。
- 上記膜性細菌がリコペンβ−シクラーゼをさらに含み、該細菌が検出可能な量のゼアキサンチンを産生する、請求項66に記載の膜性細菌。
- 上記膜性細菌がフィトエンデサチュラーゼをさらに含み、該細菌が検出可能な量のβ−カロテンを産生する、請求項67に記載の膜性細菌。
- ファルネシルピロリン酸シンターゼをコードする内在性核酸を欠失している膜性細菌であって、検出可能な量のカロテノイドを産生する、上記膜性細菌。
- 上記細菌が多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼをコードする外因性核酸を含む、請求項69に記載の膜性細菌。
- 上記多機能性ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼのアミノ酸配列が、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項70に記載の膜性細菌。
- 上記膜性細菌がロドバクター属の細菌である、請求項69に記載の膜性細菌。
- 配列番号38のヌクレオチド配列に対して、または、長さが少なくとも15個連続したヌクレオチドである配列番号38の核酸の断片に対して少なくとも60%の配列同一性を有する、単離された核酸。
- 配列番号38のヌクレオチド配列に対して、または、長さが少なくとも15個連続したヌクレオチドである配列番号38の核酸の断片に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項73に記載の単離された核酸。
- 配列番号38のヌクレオチド配列に対して、または、長さが少なくとも15個連続したヌクレオチドである配列番号38の核酸の断片に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項73に記載の単離された核酸。
- 上記核酸がβ−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする、請求項73に記載の単離された核酸。
- β−カロテンC4オキシゲナーゼをコードする外因性核酸を含む膜性細菌であって、該β−カロテンC4オキシゲナーゼが配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する、上記膜性細菌。
- (3S, 3'S)アスタキサンチンの生成を触媒する1種以上のポリペプチドをコードする核酸配列を含んでなる外因性核酸を含む宿主細胞であって、CoQ-10および(3S, 3'S)アスタキサンチンを産生する、上記宿主細胞。
- CoQ-10と(3S, 3'S)アスタキサンチンを実質的に同時に製造する方法であって、(3S, 3'S)アスタキサンチンの生成を触媒する1種以上のポリペプチドをコードする核酸配列をを含む核酸で宿主細胞を形質転換し、該宿主細胞を、(3S, 3'S)アスタキサンチンおよびCoQ-10の産生を可能にする条件下で培養することを含んでなる、上記方法。
- CoQ-10の生成を触媒する1種以上のポリペプチドをコードする少なくとも1つの外因性核酸で上記宿主細胞を形質転換することをさらに含む、請求項79に記載の方法。
- 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号38および配列番号44からなる群より選択されるヌクレオチド配列を有する、単離された核酸。
- 配列番号44のヌクレオチド配列に対して、または、長さが少なくとも60個連続したヌクレオチドである配列番号44の核酸の断片に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、単離された核酸。
- ゲラニルゲラニルピロリン酸を製造する方法であって、イソペンテニルピロリン酸およびジメチルアリルピロリン酸を、請求項82に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
- ゲラニルゲラニルピロリン酸を製造する方法であって、ファルネシルピロリン酸およびイソペンテニルピロリン酸を、請求項15に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドまたは請求項20に記載のポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
- β−カロテンを製造する方法であって、リコペンを、請求項8に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドまたは請求項14に記載のポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
- リコペンを製造する方法であって、フィトエンを、請求項21に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドまたは請求項26に記載のポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
- フィトエンを製造する方法であって、ゲラニルゲラニルピロリン酸を、請求項27に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドまたは請求項32に記載のポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
- ゼアキサンチンを製造する方法であって、β−カロテンを、請求項33に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドまたは請求項38に記載のポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
- カンタキサンチンを製造する方法であって、β−カロテンを、請求項73に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドまたは配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
- アスタキサンチンを製造する方法であって、カンタキサンチンを、請求項33に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドまたは請求項38に記載のポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
- アスタキサンチンを製造する方法であって、ゼアキサンチンを、請求項73に記載の単離された核酸によりコードされたポリペプチドまたは配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと接触させることを含んでなる、上記方法。
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