JP5965606B2 - ノズルを冷却するためのシステム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、総括的にはノズルを冷却するためのシステム及び方法に関連する。具体的には、本発明の実施形態では、冷却媒体を供給してノズルの表面を冷却することができる。
ガスタービンは、産業用発電運転において広く使用されている。一般的なガスタービンは、前部における軸流圧縮機と、中間部の周りの1以上の燃焼器と、後部におけるタービンとを含む。外気が圧縮機に流入し、圧縮機の動翼及び静翼は、空気に徐々に運動エネルギーを与えて高エネルギー状態の加圧作動流体を生成する。加圧作動流体は、圧縮機から流出しかつノズルを通って燃焼器内に流れ、燃焼器において、加圧作動流体は燃料と混合されかつ点火されて、高い温度及び圧力を有する燃焼ガスを発生する。燃焼ガスは、タービン内で膨張して仕事を産生する。例えば、タービン内における燃焼ガスの膨張は、発電機に連結されたシャフトを回転させて、電気を生成することができる。
ガスタービンの熱力学的効率は作動温度つまり燃焼ガス温度が高くなるにつれて増大することが、広く知られている。しかしながら、燃料及び空気が燃焼に先立って均一に混合されていない場合には、燃焼器内に局所的ホットスポットが形成されるおそれがある。局所的ホットスポットは、燃焼器内の火炎がノズル内への逆火及び/又はノズル内部での付着を生じて、ノズルの損傷の可能性が増す。逆火及び保炎はあらゆる燃料で発生する可能性があるが、それら逆火及び保炎は、より高い燃焼速度及びより広い可燃範囲を有する、水素のような高反応性燃料の場合により容易に発生する。
逆火及び保炎を最小にしながらより高い作動温度を可能にする様々な技術的方法が存在する。これらの技術的方法の多くは、局所的ホットスポットを減少させかつ/或いは低流量ゾーンを減少させて逆火及び保炎の発生を防止するか又は減少させる。例えば、ノズル設計における継続的な改良により、燃焼に先立つ燃料及び空気のより均一な混合が得られて、燃焼器内に局所的ホットスポットが形成されるのが減少するか又は防止される。それに代えて又は加えて、ノズルは、該ノズルを通る燃料及び/又は空気の最低流量を保証して、ノズル表面を冷却しかつ/或いは燃焼器火炎がノズル内に逆火するのを防止するように設計されてきた。
米国特許第7513115号明細書
しかしながら、保炎又逆火の発生を減少させかつ/或いは防止するようなノズル設計における継続的な改良は、有用であると言える。
本発明の態様及び利点は、以下において次の説明に記載しており、或いはそれら説明から自明なものとして理解することができ、或いは本発明の実施により学ぶことができる。
本発明の一実施形態は、ノズルであり、本ノズルは、中心胴体と、中心胴体の少なくとも一部分を円周方向に囲んで、該中心胴体との間に環状通路を画成するシュラウドとを含む。複数の開口が、中心胴体を貫通して環状通路に至り、またプレナムが、中心胴体内部に延在しかつ複数の開口と流体連通している。冷却媒体が、プレナムと流体連通している。
本発明の別の実施形態は、ノズルであり、本ノズルは、中心胴体と、中心胴体の少なくとも一部分を円周方向に囲んで、該中心胴体との間に環状通路を画成するシュラウドとを含む。シュラウドは、該シュラウドを貫通して環状通路に至る複数の通路を画成し、またプレナムが、シュラウドを貫通する複数の通路と流体連通している。冷却媒体が、プレナムと流体連通している。
本発明はまた、ノズルを冷却する方法を含む。本方法は、プレナムを通してノズルの表面を横切って冷却媒体を流すステップを含む。
本明細書を精査することにより、当業者には、そのような実施形態の特徴及び態様並びにその他がより良好に理解されるであろう。
添付図面の図を参照することを含む本明細書の以下の残り部分において、当業者に対する本発明の最良の形態を含む本発明の完全かつ有効な開示をより具体的に説明する。
本発明の一実施形態による燃焼器の簡略側面断面図。 図1に示す燃焼器の軸方向断面図。 本発明の実施形態によるノズルの簡略側面断面図。 図3に示す翼の側面断面図。 別の実施形態による、図3に示す翼の側面断面図。 本発明の別の実施形態によるノズルの簡略側面断面図。 図6に示す翼の斜視図。
次に、その1以上の実施例を添付図面に示している本発明の現時点での実施形態を詳細に説明する。詳細な説明では、図面中の特徴要素を示すために参照符号及び文字表示を使用している。本発明の同様な又は類似した部品を示すために、図面及び説明において同様な又は類似した表示を使用している。
各実施例は、本発明の限定ではなくて本発明の説明として示している。実際には、本発明においてその技術的範囲及び技術思想から逸脱せずに修正及び変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として例示し又は説明した特徴要素は、別の実施形態で使用してさらに別の実施形態を生成することができる。従って、本発明は、そのような修正及び変更を特許請求の範囲及びその均等物の技術的範囲内に属するものとして保護することを意図している。
本発明の様々な実施形態は、ノズル表面に対して冷却を行なって、保炎の発生を減少させ、また保炎が発生した場合には、ノズル表面に対する損傷を低減及び/又は防止する。具体的な実施形態は、ノズル表面を通して又は該ノズル表面を横切って冷却媒体を流して、ノズルのフィルム及び/又はエフュージョン冷却により該ノズルを冷却する冷却媒体の供給源を含むことができる。
図1は、本発明の一実施形態による燃焼器10の簡略断面図を示している。図示するように、燃焼器10は一般に、頂部キャップ14内に半径方向に配列された1以上のノズル12を含む。ケーシング16が、燃焼器10を囲んで、圧縮機(図示せず)から流出した空気又は加圧作動流体を閉じ込めることができる。端部キャップ18及びライナ20が、ノズル12の下流に燃焼チャンバ22を画成することができる。流れ孔26を備えた流れスリーブ24が、ライナ20を囲んで、該スリーブ24とライナ20の間に環状通路28を画成することができる。
図2は、図1に示す燃焼器10の頂面図を示している。燃焼器10の様々な実施形態は、ノズルの異なる数及び構成を含むことができる。例えば、図2に示す実施形態では、燃焼器10は、半径方向に配置された5つのノズル12を含む。作動流体は、端部キャップ18に到達するまでスリーブ24とライナ20の間に環状通路28を通って流れ、端部キャップ18において、作動流体は、その方向を逆にしてノズル12を通ってかつ燃焼チャンバ22内に流れる。
図1及び図2に示すように、ノズル12に対してマニホルド30を連結して、該ノズル12に、該ノズル12を通して及び/又は該ノズル12上に冷却媒体32を供給することができる。マニホルド30は、流体連通を形成する当業者に公知の任意のパイプ及びバルブ構成を含むことができる。冷却媒体32には、熱を除去するのに好適でありかつさらに燃焼チャンバ22及び下流構成要素を通して流すことができる任意の流体を含むことができる。例えば、冷却媒体32には、蒸気、不活性ガス、希釈剤、又は当業者に公知の別の好適な流体を含むことができる。
図3は、本発明の一実施形態によるノズル12の簡略断面図を示している。図3に示すように、ノズル12は一般に、中心胴体34及びシュラウド36を含む。中心胴体34は一般に、ノズル12の軸方向中心線38に沿って延在する。シュラウド36は、中心胴体34の少なくとも一部分を円周方向に囲んで、該中心胴体34とシュラウド36の間に環状通路40を画成する。ノズル12はさらに、中心胴体34とシュラウド36の間の環状通路40内に翼42を含むことができ、翼42は、該翼42上を流れる燃料及び/又は作動流体に接線方向速度を与えることができる。このようにして、作動流体は、環状通路40を通って流れかつ中心胴体34及び/又は翼42から該環状通路40内に噴射された燃料と混合させることができる。
図3に示すように、ノズル12はさらに、中心胴体34内部を及び/又はシュラウド36に沿った該ノズル12外部に延在するプレナム44と、プレナム44と環状通路40の間を流体連通する複数の孔、開口、ポート又は通路とを含むことができる。本明細書で使用する場合に、「孔」、「開口」、「ポート」及び「通路」と言う用語は、その意味がほぼ同一であることを意図しておりかつ互いに同義語として使用することができる。プレナム44は、冷却媒体32の供給源と流体連通しておりかつ冷却媒体32を中心胴体34、シュラウド36及び/又は翼42に分配する。図3に示すように、中心胴体34はさらに、該中心胴体34を貫通して環状通路40に至る複数の開口46を画成することができる。その結果、冷却媒体32は、該冷却媒体32の供給源から、中心胴体34内のプレナム44を通りかつ開口46から環状通路40内に流れることができる。このようにして、冷却媒体は、中心胴体34の外部表面に沿って流れて該中心胴体34に対してフィルム冷却を行なって、ノズル12から熱を除去することができる。
図3、図4及び図5にさらに示すように、翼42は、該翼42を貫通して環状通路40に至る複数のポート48を画成することができる。ポート48は、翼42の一方又は両方の側面上に及び/或いは翼42の先端に設けることができる。このようにして、冷却媒体32は、該冷却媒体32の供給源から、プレナム44を通り翼42にかつ該翼42から外方に流れて該翼42の1以上の表面に対してフィルム冷却を行なって、ノズル12から熱を除去することができる。
シュラウド36は、該シュラウド36を貫通して環状通路40に至る複数の通路50を同様に形成することができる。図3に示すように、プレナム44は、冷却媒体32のための流体連通を形成して、プレナム44を通りまた該シュラウド36を貫通して環状通路40に至る複数の通路50を通って流れることができる。冷却媒体32は、複数の通路50を通って流れるので、冷却媒体32は、シュラウド36の内側表面に対してフィルム冷却を行なってノズル12から熱を除去する。
開口46、ポート48及び通路50の多数の変形形態が実施可能でありまたそれらの変形形態は、本発明の特定の実施形態の技術的範囲内にある。例えば、開口46、ポート48及び通路50は、任意の幾何学的形状を含むことができまた軸方向中心線38に対して様々な角度で配置して、それぞれの開口46、ポート48及び/又は通路50を通り環状通路40内に流れる冷却媒体の半径方向、軸方向又は接線方向速度を変化させることができる。それに代えて又は加えて、開口46、ポート48及び/又は通路50の1以上に近接してルーバ52、フィン又は同様の構造体を設置して、それぞれの開口46、ポート48及び/又は通路50を通って流れる冷却媒体32を配向し直すことができる。ルーバ52、フィン又は同様の構造体は、軸方向中心線38に対して直線とし、傾斜させ又は湾曲させて冷却媒体32に対して所望の半径方向、軸方向又は接線方向速度を与えることができる。例えば、図3に示すように、本発明の技術的範囲内における特定の実施形態は、選択開口46及び通路50の直ぐ上流に設置されて、それぞれ中心胴体34及びシュラウド36の表面に沿って冷却媒体32を配向し直して、該冷却媒体32によって中心胴体34及びシュラウド36に行なわれるフィルム冷却を向上させるルーバ52を含むことができる。同様に、翼42は、一方又は両方の側面上の1以上のポートに近接してルーバ52を含むことができる。加えて、図5に示すように、翼42の厚さは、各ルーバ52の下流方向に徐々に減少させることができる。このようにして、ルーバ52は、翼42の上流表面とほぼ同一平面としかつ該ルーバ52の上流の流体流路に悪影響を与えずに該ルーバ52の下流に流れる冷却媒体32を配向し直すことができる。本発明の技術的範囲内における特定に実施形態は、中心胴体34及び/又はシュラウド36の厚さ或いは表面輪郭の同様の変化を含むことができる。開口46、ポート48及び通路50の実際の幾何学的形状、角度及び位置並びに/或いはルーバ52の使用は、例えば予想燃料、燃料流量及び/又は作動流体流量のような多くの設計及び作動考慮事項に基づいて選択される。
図6は、本発明の別の実施形態によるノズル62を示している。ノズル62はここでも同様に、図3に関して前述したような中心胴体64、シュラウド66及び1以上のべーン68を含むことができる。具体的には、中心胴体64は一般に、ノズル62の軸方向中心線70に沿って延在し、またシュラウド66は、中心胴体64の少なくとも一部分を円周方向に囲んで、該中心胴体64とシュラウド66の間に環状通路72を画成する。存在する場合には翼68は、該翼68上を流れる燃料及び/又は作動流体に接線方向速度を与える。このようにして、作動流体は、環状通路72を通って流れ、かつ中心胴体64及び/又は翼68から環状通路72内に噴射された燃料と混合させることができる。
図6に示す実施形態では、プレナム74は、中心胴体64内に及び/又はシュラウド66の周りのノズル62外部に延在する。プレナム74は、冷却媒体32の供給源と流体連通しておりかつ冷却媒体32を中心胴体64、シュラウド66及び/又は翼68に分配する。図6に示すように、中心胴体64はさらに、複数の開口76を画成することができ、翼68はさらに、複数のポート78を画成することができ、またシュラウド66はさらに、複数の通路80を画成することができる。開口76、ポート78及び通路80は一般に、図3、図4及び図5に示す実施形態に関して前述した類似の開口46、ポート48及び通路50よりも小さくかつより緊密な間隔を置いて配置される。例えば、図7に示すように、翼68のポート78は、翼68の表面並びに/或いは翼68の後縁及び前縁に対してエフュージョン冷却を行なうように緊密に間隔を置いて配置される。このようにして、冷却媒体32は、プレナム74を通りまた中心胴体64の開口76、翼68のポート78並びに/或いはシュラウド66の通路80の1以上から外方に流れて、中心胴体64、翼68及び/又はシュラウド66の表面に対してエフュージョン冷却を行なう。
図3、図4、図5、図6及び図7に示す実施形態は、ノズル12、16を冷却する方法を提供することが当業者には容易に分かるであろう。具体的には、本方法は、プレナム44、74を通してかつノズル12、62の表面を横切って冷却媒体32を流す。例えば、本方法は、中心胴体34、64、翼42、68及び/又はシュラウド36、66を通して冷却媒体32を流して、ノズル12、62の表面に対してフィルム及び/又はエフュージョン冷却を行なうステップを含む。
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
10 燃焼器
12 ノズル
14 頂部キャップ
16 ケーシング
18 端部キャップ
20 ライナ
22 燃焼チャンバ
24 流れスリーブ
26 流れ孔
28 環状通路
30 マニホルド
32 冷却媒体の供給源
34 中心胴体
36 シュラウド
38 軸方向中心線
40 環状通路
42 翼
44 プレナム
46 中心胴体の開口
48 翼のポート
50 シュラウドの通路
52 ルーバ
62 ノズル
64 中心胴体
66 シュラウド
68 翼
70 軸方向中心線
72 環状通路
74 プレナム
76 中心胴体の開口
78 翼のポート
80 シュラウドの通路

Claims (7)

  1. ノズル(12)であって、
    a.中心胴体(34)と、
    b.前記中心胴体(34)の少なくとも一部分を円周方向に囲むシュラウド(36)であって、前記中心胴体(34)とシュラウド(36)との間に環状通路(40)を画成するシュラウド(36)と、
    c.前記中心胴体を貫通して前記環状通路(40)に至る複数の開口(46)と、
    d.前記中心胴体(34)内部に延在しかつ前記複数の開口(46)と流体連通したプレナム(44)と、
    e.前記中心胴体(34)とシュラウド(36)の間の1以上の翼(42)であって、該1以上の翼(42)を貫通して前記環状通路(40)に至る複数のポート(48)を画成する1以上の翼(42)と、
    f.前記1以上の翼(42)の複数のポート(48)と流体連通した前記プレナム(44)と流体連通している冷却媒体(32)と
    を備えるノズル(12)。
  2. 前記冷却媒体(32)が、蒸気、不活性ガス又は希釈剤の少なくとも1つを含む、請求項1記載のノズル(12)。
  3. 前記シュラウド(36)が、該シュラウド(36)を貫通して前記環状通路(40)に至る複数の通路(50)を画成する、請求項1又は請求項記載のノズル(12)。
  4. 前記プレナム(44)が、前記シュラウド(36)を貫通する前記複数の通路(50)と流体連通している、請求項記載のノズル(12)。
  5. 前記中心胴体(34)に連結されかつ前記複数の開口(46)の少なくとも1つに近接したルーバ(52)をさらに含む、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載のノズル(12)。
  6. 前記プレナム(44)が、中心胴体(34)内部に延在しているとともに、前記シュラウド(36)に沿って前記ノズル(12)の外部にも延在している、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のノズル(12)。
  7. 前記冷却媒体(32)が、前記ノズル(12)に連結されたマニホルド(30)から前記プレナム(44)に供給される、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のノズル(12)。
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