JP5965015B2 - チタン酸リチウム結晶構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、チタン酸リチウム結晶構造体、チタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体、その製造方法、その複合体を用いた電極及び電気化学素子に関する。
現在、リチウム電池の電極としてリチウムを貯蔵、放出するカーボン材料等が用いられているが、負極電位が電解液の還元分解電位より低いので電解液の分解という危険性がある。そこで、特許文献1や特許文献2に記載のように、負極電位が電解液の還元分解電位より低いチタン酸リチウムの使用が検討されているが、チタン酸リチウムは出力特性が低いという問題点がある。そこで、チタン酸リチウムをナノ粒子化し、炭素に担持させた電極によって、出力特性を向上する試みがある。
特開2007−160151号公報 特開2008−270795号公報
これらの特許文献に記載の発明は、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を加えて、化学反応を促進させる方法(一般に、メカノケミカル反応と呼ばれる)によって、カーボンに分散担持されたチタン酸リチウムを得るものである。この場合、反応物としては、例えば、チタン酸リチウムの出発原料であるチタンアルコキシドと酢酸リチウム、及びカーボンナノチューブやカーボンブラック等のカーボン、酢酸等を使用する。
これらの特許文献に記載のチタン酸リチウム結晶構造体を担持したカーボンを使用した電極は、優れた出力特性を発揮するものの、最近では、この種の電極において、さらに出力特性を向上させ、電気伝導度を向上させる要求がある。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、出力特性及び電気伝導度の向上を可能とした電極や電気化学素子を得ることのできるチタン酸リチウム結晶構造体、チタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体、その製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、前記複合体を用いた電極及び電気化学素子を提供することにある。
本実施例のチタン酸リチウム結晶構造体は、2〜5原子層レベルの厚みを有し、二次元面の一辺が5〜100nmの平板状に展開していることを特徴とする。特に、その二次元面が(111)面であること、また本発明のチタン酸リチウム結晶構造体は2〜5原子層レベルで1nm以下の厚みを有する超薄膜構造体であるので、厚みと二次元面の一辺の比が1:5〜1:350となって、二次元面が平板状に展開していることが望ましい。このチタン酸リチウム結晶構造体は、チタン源とリチウム源を含む溶液にずり応力と遠心力を加えて反応させて、チタン酸リチウム結晶構造体の前駆体を製造し、この前駆体を加熱して2〜5原子層レベルで1nm以下の厚みを有する平板状の結晶構造体を生成することができる。
本発明によれば、チタン酸リチウム結晶構造体は、厚みが2〜5原子層レベルの超薄膜構造体であり、その厚みが極度に薄く、体積あたりの表面積が極度に大きいため、結晶構造体を構成するリチウム原子の露出度が大きい。そのため、電極体積あたりのリチウムの吸脱着するサイト(表面積)が無限大に近くなるので、容量が高くレート特性が良好になる。この結晶構造体を電極や電気化学素子に使用した場合に、電子やイオンの移動が容易になり、電気伝導度の向上が可能となる。
実施例1のチタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体のTEM像を示す図面代用写真。 実施例1のチタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体を拡大したTEM像とFET解析結果を示す図面代用写真。 実施例1のチタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体の他の部分を拡大したTEM像とFET解析結果を示す図面代用写真。 実施例1のチタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体の他の部分を拡大したTEM像とFET解析結果を示す図面代用写真。 本発明の製造方法に使用する反応器の一例を示す斜視図。
本発明を実施するための形態について、以下、説明する。
(メカノケミカル反応)
本発明で用いる反応方法は、本出願人等が先に特許出願した特許文献1及び特許文献2に示した方法と同様のメカノケミカル反応であって、化学反応の過程で、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させるものである。
この反応方法は、例えば、図5に示すような反応器を用いて行うことができる。図5に示すように、反応器は、開口部にせき板1−2を有する外筒1と、貫通孔2−1を有し旋回する内筒2からなる。この反応器の内筒内部に反応物を投入し、内筒を旋回することによってその遠心力で内筒内部の反応物が内筒の貫通孔を通って外筒の内壁1−3に移動する。この時反応物は内筒の遠心力によって外筒の内壁に衝突し、薄膜状となって内壁の上部へずり上がる。この状態では反応物には内壁との間のずり応力と内筒からの遠心力の双方が同時に加わり、薄膜状の反応物に大きな機械的エネルギーが加わることになる。この機械的なエネルギーが反応に必要な化学エネルギー、いわゆる活性化エネルギーに転化するものと思われるが、短時間で反応が進行する。
この反応において、薄膜状であると反応物に加えられる機械的エネルギーは大きなものとなるため、薄膜の厚みは5mm以下、好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下である。なお、薄膜の厚みはせき板の幅、反応液の量によって設定することができる。
この反応方法は、反応物に加えられるずり応力と遠心力の機械的エネルギーによって実現できるものと考えられるが、このずり応力と遠心力は内筒内の反応物に加えられる遠心力によって生じる。したがって、本発明に必要な内筒内の反応物に加えられる遠心力は1500N(kgms-2)以上、好ましくは60000N(kgms-2)以上、さらに好ましくは270000N(kgms-2)以上である。
この反応方法においては、反応物にずり応力と遠心力の双方の機械的エネルギーが同時に加えられることによって、このエネルギーが化学エネルギーに転化することによるものと思われるが、従来にない速度で化学反応を促進させることができる。
(チタン酸リチウム結晶構造体)
本発明に係るチタン酸リチウム結晶構造体は、例えば、チタンアルコキシドなどのチタン源、酢酸リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウムなどのリチウム源を出発原料として使用し、前記メカノケミカル反応により、チタン酸リチウム結晶構造体の前駆体を生成する。本実施例では、このチタン酸リチウム結晶構造体の前駆体を窒素雰囲気中で加熱することにより、酸素欠陥のサイトに窒素がドープされたチタン酸リチウム結晶構造体を生成する。
(カーボン)
反応過程でCNFを加えることによって、5〜100nmのチタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体を得ることができる。すなわち、反応器の内筒の内部に前記チタン源とリチウム源、反応抑制剤と所定量のCNFを投入して、内筒を旋回して金属塩と反応抑制剤とCNFを混合、分散する。さらに内筒を旋回させながら水酸化ナトリウムなどの触媒を投入して加水分解、縮合反応を進行させ、チタン酸リチウムを生成すると共に、このチタン酸リチウムとカーボンを分散状態で、混合する。反応終了後にこれを急速加熱することで、チタン酸リチウム結晶構造体を高分散担持させたカーボンを形成することができる。
ここで用いるカーボンとしては、CNFを使用することが好ましい。CNFは中空状の構成を有するが、内表面が小さく、その径が太いので、チタン酸リチウム結晶構造体を担持させた場合に、チタン酸リチウム結晶構造体がCNFに内包される量が少なく、CNFの外表面に担持される量が多い。そして、CNFはその径が太い、つまり「比表面積(外比表面積)が小さい」ので、前記のようなメカノケミカル反応下では、担持したチタン酸リチウム粒子がCNFの表面に沿って外に向かって成長して結晶化し、シート状になる。
カーボンナノチューブ(以下、CNTと呼ぶ)は中空状態であるが、チタン酸リチウム結晶構造体が筒状をしたCNTに内包されるので、本発明には適していない。すなわち、本実施例に示すCNF(多層のCNTの径の太いもの)の外比表面積は150〜350cm2/g、一般的な多層のCNTの比表面積は200〜400cm2/g、単層のCNTの比表面積は400〜500cm2/g、SGCNT(スーパーグロースカーボンナノチューブ)は600〜1100cm2/g、ケッチェンブラックは600〜800cm2/gである。
チタン酸リチウム結晶構造体を多量にカーボンに担持させるためには、カーボンの外比表面積を150〜350cm2/gの範囲にすることが、好ましい。このような外比表面積を取るCNFとしては、その外径が10〜30nmの太さのものが好ましい。外径がこの範囲より細いと外比表面積が大きくなってチタン酸リチウム結晶構造体が外へ向かって成長しづらくなる。外径がこの範囲より太いと、外比表面積が小さくなり75/25(w/w)以上のチタン酸リチウム結晶構造体を担持させることが困難である。
(チタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの量)
複合体において、チタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの割合は、75:25〜85:15、特に、この割合は、従来提案されていた70:30に比較して、チタン酸リチウム結晶構造体の割合が多く、そのため、メカノケミカル反応下で、チタン酸リチウムが反応器の周方向に向かってシート状に成長することを助けている。また、この範囲の臨界的意義は、電極あたりの容量によって定まるものであり、この範囲では大きな電極容量を得ることができる。
(溶媒)
溶媒としては、アルコール類、水、これらの混合溶媒を用いることができる。例えば、酢酸と酢酸リチウムをイソプロパノールと水の混合物に溶解した混合溶媒を使用することができる。
(反応抑制剤)
出発原料としてチタンアルコキシドを使用した場合には、特許文献2に記載のように、前記メカノケミカル反応を適用する所定のチタンアルコキシドに、反応抑制剤として該チタンアルコキシドと錯体を形成する所定の化合物を添加することができる。これにより、化学反応が促進しすぎるのを抑制することができる。
すなわち、チタンアルコキシドに、これと錯体を形成する酢酸等の所定の化合物を該チタンアルコキシド1モルに対して、1〜3モル添加して錯体を形成することにより、反応を抑制、制御することができる。なお、この反応によって生成されるのは、チタン酸リチウムの結晶構造体の前駆体である、リチウムと酸化チタンの複合体のナノ粒子であり、これを焼成することにより、チタン酸リチウム結晶構造体が得られる。
このように、反応抑制剤として酢酸等の所定の化合物を添加することにより、化学反応が促進しすぎるのを抑制することができるのは、酢酸等の所定の化合物がチタンアルコキシドと安定な錯体を形成するためであると考えられる。
チタンアルコキシドと錯体を形成することができる物質としては、酢酸の他、クエン酸、蓚酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、プロピオン酸、レプリン酸等のカルボン酸、EDTA等のアミノポリカルボン酸、トリエタノールアミン等のアミノアルコールに代表される錯化剤が挙げられる。
(加熱)
本実施例では、メカノケミカル反応によりカーボンナノ粒子の構造体の内部にチタン酸リチウム結晶構造体の前駆体を担持させた複合体を得ると共に、このチタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体を加熱することによって、チタン酸リチウムの結晶化を促進させ、この複合体を使用した電極や電気化学素子の容量、出力特性を向上させる。
すなわち、得られたチタン酸リチウム結晶構造体の前駆体とCNFは「比表面積が小さい」ので、担持したチタン酸リチウム結晶構造体が外に向かって成長してシート状になる。前記加熱温度は、700℃から900℃であり、この温度未満では良好な結晶化の進行が得られず、この温度を越えると相転移によって、エネルギー貯蔵特性の良好なチタン酸リチウムが得られない。本実施例では、700℃で加熱することで、優れた電気的特性が得られた。
実施例において、前記加熱は、窒素雰囲気中で行うことが好ましい。すなわち、チタン酸リチウムを窒素雰囲気中で加熱することによって、その結晶構造体に酸素欠陥が生じて、このサイトにリチウムが吸蔵、脱離するので、この複合体を用いた電極や電気化学素子において容量、出力特性が向上すると考えられる。また、この酸素欠陥のサイトに窒素がドープして、チタン酸リチウムの電気伝導性が向上し、出力特性が向上すると考えられる。
(電極)
本発明により得られたチタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体は、バインダーと混錬、成型し、電気化学素子の電極、すなわち電気エネルギー貯蔵用電極とすることができ、その電極は高出力特性、高容量特性を示す。
(電気化学素子)
この電極を用いることができる電気化学素子は、リチウムやマグネシウムなどの金属イオンを含有する電解液を用いる電気化学キャパシタ、電池である。すなわち、本発明の電極は、金属イオンの吸蔵、脱着を行うことができ、負極や正極として作動する。したがって、リチウムイオンを含有する電解液を用い、対極として活性炭、リチウムイオンを吸蔵、脱着するカーボンや金属酸化物等を用いることによって、電気化学キャパシタ、電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
チタンアルコキシド1モルに対して、酢酸1.8モル、酢酸リチウム1モルとなる量の酢酸と酢酸リチウムをイソプロパノールと水の混合物に溶解して混合溶媒を作製した。この混合溶媒とチタンアルコキシド、CNFを旋回反応器内に投入し、66000N(kgms-2)の遠心力で5分間、内筒を旋回して外筒の内壁に反応物の薄膜を形成すると共に、反応物にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させ、チタン酸リチウム結晶構造体の前駆体を高分散担持したCNFを得た。この場合、混合溶媒に溶解するチタンアルコキシドとCNFの量は、得られる複合体の組成が、チタン酸リチウム/CNFが、80/20の質量比(w/w)となるように設定した。
得られたチタン酸リチウム結晶構造体の前駆体を高分散担持させたCNFを、真空中において80℃で17時間乾燥することにより、チタン酸リチウム結晶構造体の前駆体がCNFに高分散担持された複合体粉末を得た。
得られたチタン酸リチウム結晶構造体の前駆体がCNFに高分散担持された複合体粉末を、窒素雰囲気中で700℃で加熱することによってリチウムを含有するチタン酸化物の結晶化を進行させ、チタン酸リチウムのナノ粒子が平面状に形成された結晶構造体がCNFに高分散担持された複合体粉末を得た。
このようにして得られた実施例1のチタン酸リチウム結晶構造体を担持したCNFの各TEM像を図1に示した。図1においては5nm〜20nmのチタン酸リチウム結晶構造体がCNFに高分散担持していることが分かる。
特に、図1のTEM像にみられるように、本実施例の「チタン酸リチウム結晶構造体とカーボンの複合体」は、CNFがつながった「グラファイトフラグメントのビルディング構造」をとっており、この構造体にチタン酸リチウム結晶構造体が高分散担持されている。
図2〜図4に、実施例1のチタン酸リチウムの前駆体を高分散担持したCNFを高解像度TEMで観察した図を示す。すなわち、チタン酸リチウムがカーボンナノファイバーに担持(付着)している部分を、拡大して撮影したものである。図中、平行な線が多数現れているが、この線が結晶格子を示している。また、面間隔:4.91Å(1 1 1)、面間隔:5.10Å(1 1 1)とは、TEM写真を撮っているチタン酸リチウムのシート面が結晶の(111)面を意味し、面間隔は2つの結晶が存在することを示す。
図2〜図4からわかるように、チタン酸リチウム結晶構造体は、超薄膜構造となっている。この超薄膜構造体は2〜5原子層レベルで1nm以下の厚みを有し、二次元面の一辺が5〜100nmの平板状をしている。また、二次元面が(111)面になっている。また、チタン酸リチウム結晶構造体のほとんどは、その厚みと二次元面の一辺の比が1:5〜1:350の範囲にある。
このような超薄膜構造体は厚みが極度に薄く、体積あたりの表面積が極度の大きい。したがって、高い出力特性を示すことができる。体積あたりの表面積について、厚みが無限にゼロに近い超薄膜構造体の表面積が最も大きいが、本実施例のチタン酸リチウム結晶構造体は、このような超薄膜構造体に近い数原子層レベルの厚みを持つ構造を有している。
以上の超薄膜構造体は旋回する反応器内でチタン酸リチウムの出発原料とCNF粉末とを含む溶液にずり応力と遠心力を加えて反応させるとともに、その後の加熱処理によって形成されるものと思われる。
(実施例2)
得られるチタン酸リチウム結晶構造体とCNFの配合比が75/25となるように混合溶液に溶解するチタンアルコキシドとCNFの量を変更する以外は、前記実施例と同様にして、チタン酸リチウム結晶構造体とCNFの複合体粉末を作製した。
(実施例3)
得られるチタン酸リチウム結晶構造体とCNFの配合比が85/15となるように混合溶液に溶解するチタンアルコキシドとCNFの量を変更する以外は、前記実施例と同様にして、チタン酸リチウム結晶構造体とCNFの複合体粉末を作製した。
(比較例1)
得られるチタン酸リチウム結晶構造体とCNFの配合比が70/30となるように混合溶液に溶解するチタンアルコキシドとCNFの量を変更する以外は、前記実施例と同様にして、チタン酸リチウム結晶構造体とCNFの複合体粉末を作製した。
前記のように構成した実施例1と比較例1で得られた複合体粉末をバインダーとしてのポリフッ化ビニリデンPVDFと共に(Li4Ti512/CNF/PVDF 56:24:20)、SUS板上に溶接されたSUSメッシュ中に投入し、作用電極W.E.とした。前記電極上にセパレータと対極C.E.及び参照極としてLiフォイルを乗せ、電解液として、1.0M 四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)/炭酸エチレンEC:炭酸ジメチルDEC(1:1 w/w)を浸透させて、セルとした。
更に、実施例1〜3と比較例1の複合体粉末を用いた電極を有するセルについて、その充放電挙動から算出した容量を比較した結果は、以下の通りである。
(1)実施例1
Li4Ti512:CNF=80:20 容量:131mAh/g
(2) 実施例2
Li4Ti512:CNF=75:25 容量:125mAh/g
(3) 実施例3
Li4Ti512:CNF=85:15 容量:137mAh/g
(4) 比較例1
Li4Ti512:CNF=70:30 容量:118mAh/g
この結果から明らかなように、チタン酸リチウム結晶構造体とカーボンナノファイバーの質量比が75:25〜85:15である本実施例の複合体を使用した場合、比較例に比べて容量が増加していることが確認された。また出力特性も良好であった。
(実施例4)
実施例1の複合体粉末9重量部と、1重量部のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)バインダーを混練し、圧延してシートを形成した。このシートを真空乾燥後、銅箔に接合し、負極とした。
また、活性炭(クラレケミカル社製、RD−20)8重量部と、1重量部のPTFEバインダー(ポリテトラフルオロエチレン)、導電性材料としてアセチレンブラック1重量部とを混練し、圧延してシートを形成した。このシートを真空乾燥後、アルミニウム箔に接合し、正極とした。
これらの電極を、LiBF4、プロピレンカーボネート溶液を注入したビーカーに、セルロース系のセパレータを介して、対向させてハイブリッドキャパシタセルを作製した。
(実施例5)
実施例2の複合体粉末を用いて、同様にして、ハイブリッドキャパシタセルを作製した。
(実施例6)
実施例3の複合体粉末を用いて、同様にして、ハイブリッドキャパシタセルを作製した。
(比較例2)
比較例1の複合体粉末を用いて、同様にして、ハイブリッドキャパシタセルを作製した。
これらのハイブリッドキャパシタセルの容量を測定した。結果は実施例4〜6の容量はそれぞれ29.4mAh/g、29.0mAh/g、29.8mAh/g、28.4mAh/gであり、比較例2の28.4mAh/gに比べて大きな容量をしめし、本願のハイブリッドキャパシタセルの特性が良好であることがわかる。

Claims (1)

  1. 2〜5原子層レベルで1nm以下の厚みを有し、
    二次元面の一辺が5〜100nmの平板状に展開し、
    前記二次元面が(111)面であり、
    厚みと前記二次元面の一辺の比が1:5〜1:350である平板状の結晶構造体からなるチタン酸リチウム結晶構造体。
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