JP5962701B2 - トナー収容容器、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、本発明は、更に、低温定着性と、耐ホットオフセット性と、耐熱保存性とを良好なレベルに両立させることが可能なトナー収容容器を提供することを目的とする。
本発明のトナー収容容器は、
トナー搬送装置に装着可能であり、前記トナー搬送装置に供給するトナーが収容された容器本体と、
前記容器本体の内部に配置され、前記トナーを前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、
前記容器開口部に配置され、前記トナー搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、
前記搬送部によって搬送された前記トナーを前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管のトナー受入口に向けて移動させる汲み上げ部と、を備えるトナー収容容器において、
前記トナーの平均雪崩角が、27°〜60°であり、
前記容器本体が、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有し、
前記汲み上げ部が、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部とを有し、
前記突出部が、前記トナー収容容器が前記トナー搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている、
ことを特徴とする。
本発明のトナー収容容器は、トナーと、容器本体と、搬送部と、管受入口と、汲み上げ部と、を少なくとも備え、更に必要に応じて、その他の部材を備える。
前記搬送部は、前記容器本体の内部に配置され、前記トナーを前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する。
前記管受入口は、前記容器開口部に配置され、前記トナー搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能である。
前記汲み上げ部(トナー移送部ともいう)は、前記搬送部によって搬送された前記トナーを前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管のトナー受入口に向けて移動させる。
前記汲み上げ部は、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部とを有する。
前記突出部は、前記トナー収容容器が前記トナー搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている。
なお、前記平らな側面は、前記汲み上げ部に対向する前記板状の部材の面と略直交する側面である。
また、前記汲み上げ部は、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって隆起した隆起部を有する。前記隆起部には前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部が設けられている。
前記突出部は、前記トナー収容容器が前記トナー搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている。
2つの前記突出部は、前記トナー収容容器における長手方向の中心軸を挟んで対向して配置されていてもよいし、対向して配置されていなくてもよい。
本発明の画像形成装置においては、前記トナー収容容器が画像形成装置本体に着脱可能に設置されている。
図2は、本実施形態の複写機500の概略構成図である。複写機500は、複写機装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)及びプリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下、スキャナ部400という)から構成されている。
本形態において、露光装置47には、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でもよい。
作像部46Yは、像担持体であるドラム状の感光体41Yを備える。作像部46Yは、帯電手段である帯電ローラ44Y、現像手段である現像装置50Y、感光体クリーニング装置42Y、不図示の除電装置等を感光体41Yの周囲に配設した構成である。そして、感光体41Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われることで、感光体41Y上にイエローのトナー画像が形成される。
上述した二次転写ニップに搬送される記録媒体Pは、プリンタ部100の下方に配設された給紙部200に設けられた給紙トレイ26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。詳しくは、給紙トレイ26には記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図2中、反時計回り方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28の二つのローラによって形成されるローラニップに向けて搬送される。
図4は、トナー補給装置60Yにトナー収容容器32Yが装着された状態を示す模式図であり、図5は、トナー収容容器収容部70に四つのトナー収容容器32(Y,M,C,K)が装着された状態を示す概略斜視図である。
説明の便宜のため、トナー収容容器32Yのトナー補給装置60Yへの装着方向を基準にして、後述する容器本体33の容器開口部33a側を容器先端側とし、容器開口部33aの反対側(後述する把手部303側)を容器後端側とする。トナー収容容器32Yが図4中矢印Qの方向へ移動してプリンタ部100のトナー収容容器収容部70に装着されると、その装着動作に連動して、トナー収容容器32Yの容器先端側からトナー補給装置60Yの搬送ノズル611Yが挿入される。これにより、トナー収容容器32Y内と搬送ノズル611Y内とが連通する。この装着動作に連動して連通する構成についての詳細は後述する。
そのため、トナー収容容器32Yの装着動作にともない、容器先端側カバー34Yは、挿入口形成部71を通過した後に、しばらく容器受部72上を滑動して、その後に容器カバー受入部73に装着される。
また、容器先端側カバー34には、図6に示すように、トナー収容容器32の使用状況等のデータを記録したIDタグ(IDチップ)700が設けられている。更に、容器先端側カバー34には、収納するトナーの色が異なるトナー収容容器32が他の色のセットカバー608に装着されることを防止する色非互換リブ34bを設けている。スライドガイド361が装着時に容器受部72のスライドレールと係合することで容器先端側カバー34の補給装置60上での姿勢が決まる。そして、容器ロック部339と補給装置側ロック部材609の位置合わせ、及びIDタグ700と本体側のコネクタの位置合わせをスムースに行うことができる。IDタグはトナー収容容器の情報(収容されているトナーの色、使用された回数等)を記憶する記憶素子が設けられている電子基板であり。本実施例の形態に限定されるものではない。また、IDタグが存在しない構成にしてもよい。
トナー収容容器32(Y,M,C,K)は、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。トナー収容容器32の長手方向における容器先端側カバー34とは反対側の一端には把手部303が設けられており、交換の際には、作業者が把手部303を握って引き出すことで、装着されたトナー収容容器32を取り外すことが出来る。
また、本実施形態のトナー補給装置60Yでは、搬送ノズル611Y内に供給されたトナーを搬送スクリュ614Yによって搬送する構成としているが、搬送ノズル611Y内に供給されたトナーを搬送する搬送部材の構成としては、スクリュ部材に限るものではない。例えば周知の粉体ポンプを用いて搬送ノズル611Yの開口部に負圧を発生させる構成など、スクリュ部材以外によって搬送力を付与する構成であってもよい。
図1は、トナー収容容器32を装着する前のトナー補給装置60と、容器先端側のトナー収容容器32の端部との断面説明図であり、図9は、トナー収容容器32を装着した状態のトナー補給装置60と、容器先端側のトナー収容容器32の端部との断面説明図である。
上述したようにトナー収容容器32は、容器本体33と、容器先端側カバー34とから主に構成されている。図10は、図6の状態から容器先端側カバー34を取り外した状態のトナー収容容器32の斜視説明図である。なお、本発明におけるトナー収容容器32は、容器本体33と、容器先端側カバー34とから主に構成されているものに限られない。たとえば、容器先端側カバー34が有するスライドガイド361やIDタグ700などの機能を設けない場合には、図10の容器先端側カバー34がない状態でトナー収容容器として用いてもよい。また、スライドガイド361やIDタグ700などの機能をトナー収容容器に設けることで、容器先端側カバーがないトナー収容容器とすることができる。
図11は、図10の状態から容器本体33から管挿入部材としてのノズル受入部材330を取り外した状態のトナー収容容器32の斜視説明図であり、図12は、容器本体33からノズル受入部材330を取り外した状態のトナー収容容器32の断面説明図である。図13は、図12の状態からノズル受入部材330を容器本体33に取り付けた状態のトナー収容容器32(図10と同様に容器先端側カバー34を取り外した状態のトナー収容容器32)の断面説明図である。
凸部304hは、螺旋を形成しながら容器本体33の回転中心に向かって山の稜線を成すように容器本体33の内側に隆起した部分(隆起部)である。汲み上げ壁面304fは、凸部304hから容器本体33の周面の内壁にまで繋がる壁面のうち凸部304hを挟んで容器回転方向から見て下流側となる壁面である。
そして、汲み上げ壁面304fが下方にあるときに、螺旋状突起302の搬送力によって汲み上げ部304に対向する内部空間に進入したトナーを、容器本体33の回転に応じて汲み上げ壁面304fが上方に汲み上げる。これにより、挿入された搬送ノズル611よりも上方にトナーを汲み上げることができる。すなわち下方から上方にトナーを持ち上げる。
更に回転が進むと汲み上げ壁面611によって汲み上げられているトナーが重力に従い、汲み上げ壁面上から滑り落ちる、また、そのまま崩れて落下してゆく。
滑り落ちる先には後述する本体側の搬送管である搬送ノズル611が存在するため、搬送管のノズル開口に向けてトナーを移動させることになる。
図9等では汲み上げ部304を区別する必要上、便宜的に曲線で凸部304hを表している。汲み上げ壁面304fは、図9にあるように格子で表された領域であり、図30にあるように、容器本体33の回転軸を点対象の基準として凸部304hと容器本体33の内周面とをつなぐ一対の斜面から成る。凸部304hは、隆起し始める容器内壁面から当該内壁面に対向する反対側の内壁面に向かって、且つ、開口部方向に伸びるように連続して設けられている。なお、図9などのE−E断面の箇所では、凸部304hで分けられた内壁面のうち容器回転方向上流側の壁面は、図9などのE−E断面の切断方向と壁面の延在方向が概ね一致しているため、図30のような肉厚の状態で表れている。凸部304hもその一見肉厚に見える箇所にある。
トナー収容容器32は、容器本体33に対して容器開口部33aの開口からトナーを充填後、ノズル受入部材330を容器本体33の容器開口部33aに固定する構成となっている。
容器本体33において、容器ギア301、容器開口部33a及びカバー爪引掛け部306等の容器ギア301から容器先端側の各部は、射出成形されたプリフォームのままの形状であるため、精度良く成形できる。一方、汲み上げ部304、螺旋状突起302が形成されている部分、及び、把手部303は、射出成形された後、延伸ブロー成形工程で延伸して成形されているため、成型の精度はプリフォーム成型部よりは劣る。
図14は、容器先端側から見たノズル受入部材330の斜視説明図であり、図15は、容器後端側から見たノズル受入部材330の斜視説明図である。また、図16は、図13に示す状態のノズル受入部材330を上から見た上断面図であり、図17は、図13に示す状態のノズル受入部材330を横(図13中の奥側)から見た横断面図である。さらに、図18は、ノズル受入部材330の分解斜視図である。
すなわち容器本体が、容器開口部の容器本体内部側から、容器後端側に向かって突出している突出部を有している。
ガイドロッド332eは、先端円筒部332cの円筒内部から容器後端側に向けて起立した棒材であり、容器シャッタバネ336のコイル内部に挿入されることで容器シャッタバネ336が座屈しないように規制するロッド部分である。
ガイドロッド摺動部332gは、円柱状のガイドロッド332eの途中からガイドロッド332eの中心軸を挟んで両側に一対の平面が形成されている。また、ガイドロッド摺動部332bの容器後端側は二股に割れて一対の片持ち梁332fを形成している。
シャッタ抜け防止爪332aは、ガイドロッド332eの起立した根元とは反対側の端部であって片持ち梁332fの端部に備えられ、容器シャッタ支持部材340から容器シャッタ332の脱落を防止する一対の爪部分である。
このようなシャッタ抜け防止爪332aのシャッタ後端支持部335に対する引っ掛かりと、容器シャッタバネ336の付勢力と、によって位置決めがなされる。詳しくは、容器シャッタ332のトナー漏れ防止機能を発揮する先端円筒部332cと容器シール333との軸方向の容器シャッタ支持部材340に対する位置決めがなされる。両者が密着する関係で位置決めがされ、トナーの漏出を防止することが出来る。
このとき、シール部材巻き込み防止空間337bが無く、三番目の内周面から繋がる垂直面(容器シール333の貼付面)と五番目の内周面GGとが直交するように繋がっていた場合、次のような状態となるおそれがある。すなわち、容器シール333の弾性変形した部分が、容器シャッタ332と摺動する受入部材固定部337の内周面と容器シャッタ332の外周面との間に挟まれて、巻き込まれた状態となるおそれがある。受入部材固定部337と容器シャッタ332とが摺動する部分、即ち、先端円筒部332cと内周面GGとの間に容器シール333が巻き込まれると、受入部材固定部337に対して容器シャッタ332がロックされ、ノズル受入口331の開閉が行えなくなる。
図9に示すように、トナー収容容器32をトナー補給装置60に装着したときには、トナー補給装置60側のノズルシャッタ612のノズルシャッタ鍔部612aが、ノズルシャッタバネ613に付勢されて容器シール333の突き出た分を押し潰す。ノズルシャッタ鍔部612aが更に進入してノズルシャッタ突き当てリブ337aの容器先端側端部に突き当たり、容器シール333の先端側端面を覆って容器外部から遮断する。これにより、装着時のノズル受入口331における搬送ノズル611周りの密閉性を確保し、トナー漏れを防止することができる。
その後、容器本体33が回転すると、汲み上げ部304によって搬送ノズル611よりも上方に汲み上げられたトナーが、ノズル開口610から搬送ノズル611内に落下して導入される。搬送ノズル611内に導入されたトナーは、搬送スクリュ614が回転することで搬送ノズル611内をトナー落下搬送経路64に向かって搬送され、トナー落下搬送経路64から現像装置50へと落下して供給される。
さらに、シャッタ側面支持部335aと凸部が対向する部分では、凸部304hがシャッタ側面支持部335aの外形に沿うように容器径方向外方に向かって湾曲している(湾曲部304i)。言い換えると、内側から径方向外方に向かってへこんでいる。
この凸部のへこんでいる部分を湾曲部304iとしている。
当該湾曲部304iは凸部304hの他の部分よりもなだらかになっており、シャッタ側面支持部材335aに長手方向でも沿うようになっている。
図32においては、符号Zで示した囲み部の箇所が、図面奥に向かって湾曲しており、この箇所に湾曲部304iが形成されている。
また、同様に、汲み上げ壁面304fもシャッタ側面支持部335aと対向する。そして、容器回転方向下流側から見て、汲み上げ壁面304f、シャッタ側面支持部335a(突出部)の回転方向下流側端面335c(平らな側面)、ノズル開口610の回転方向上流側の横縁部611sがある。突出部としてのシャッタ側面支持部335aは搬送ノズル611が挿入されたときには、搬送ノズル611に沿って伸びている。
このとき、上記シャッタ側面支持部335a(突出部)の外周面及び回転方向下流側端面335c(平らな側面)は、汲み上げ部304からノズル開口610へのトナーの橋渡しをするトナー橋渡し部として機能する。
容器本体33の図中矢印A方向の回転によって、汲み上げ壁面304fで容器本体の周方向に沿って汲み上げられたトナーは、重力によってノズル開口610の方向に流れていく(図中矢印T1)。図30に示す構成では、搬送ノズル611と凸部304h(汲み上げ壁面304fの回転中心側に突出した凸部)との間にある隙間を塞ぐようにシャッタ側面支持部335a(突出部)が配置されている。そうなるように容器本体33の回転方向下流側からみて、シャッタ側面支持部335a(突出部)の回転方向下流側端面335c(平らな側面)、汲み上げ部304の凸部304hの順に配置されている。
凸部304hの湾曲部304iが存在することにより、凸部304h及び汲み上げ壁面304fをよりシャッタ側面支持部材335aに沿わせるようにすることが可能になっており、シャッタ側面支持部材335aがトナーの汲み上げ壁面からノズル開口への橋渡しに有効に機能するようになる。
・本体側ノズルを容器に挿入する構成とすることで、トナー飛散等を抑える構成にする。
・シャッタ側面支持部を、汲み上げ壁面からノズルへのトナー橋渡しとして利用することで、トナーの補給性を向上させる。
という有用な構成を備えている。
なお、当該課題はブロー成型で顕著ということであり、ブロー成型ではなくとも、凸部とシャッタ側面支持部材との高度な寸法精度をだすことは困難であることから、本発明の容器本体はブロー成型品に限るものではない。
第1の要因としてトナーの流動性が高いとシャッタ側面支持部335aと、隆起部(凸部304h)との間(図35のAで示す部分)からトナーが流れ落ちてしまうことが考えられる。これにより、搬送ノズル611へのトナー供給量が低下すると考えられる。これは、流動性が高いトナーでは顕著であると考えられる。
第2の要因として長手方向で見れば、汲み上げ壁面304fは開口部に向かって傾斜する(容器本体の軸線方向に対して外側に傾斜する)ように設けられており、搬送ノズル611に最も接近している凸部304hから徐々に離れていくように構成されている(図35のBで示す部分)。これは、トナーを汲み上げて、ノズル開口近傍まで搬送するのに有効な構成である。しかし、当該構成を採ると、容器先端側に向かうにつれ、搬送ノズル611と、凸部304hとの間にある隙間は広くなっていく。このため、シャッタ側面支持部335aと汲み上げ壁面304fとの間からトナーが流れ落ちてしまう。これにより、搬送ノズル611へのトナー供給量が低下すると考えられる。これは、流動性が高いトナーでは顕著であると考えられる。
第3の要因として同じく長手方向で見れば、トナーは汲み上げ壁面304fの容器後端側から、先端側(図35のCで示す部分)へ向かってシャッタ側面支持部335a近傍まで移動してゆくが、その間で汲み上げ壁面304fから落下してしまうトナーが存在すると考えられる。汲み上げ壁面304fから落下すると当然、搬送ノズル611まではトナーは搬送されないため、落下したトナー分だけ、搬送ノズル611へのトナー供給量は低下すると考えられる。これも、流動性が高いトナーで顕著な要因のひとつであると考えられる。
第4の要因としてトナーの流動性が低いとそもそも排出が不可能であると考えられる。
また、トナー排出性能はトナー残量が少なくなってきたときに顕著な課題となる。
トナー残量が多い状態だと、トナー収容容器本体の螺旋状の搬送部の搬送力によって勢いでトナーが排出されるが、トナー残量が少ない状態だと汲み上げ部及び橋渡し手段の構成によってはノズル開口610へトナーを注ぎ込むことができなくなる場合がある。
第1の要因、第2の要因に対しては、適度な粒子間の凝集力があるため、隙間にはまりにくく多少の隙間があっても乗り越えていくという作用が生じさせると考えられる。これにより、隙間が存在してもトナー剤がノズルに供給される。また、凝集度によっては隙間にはまった場合にも、脱落して通り抜けてしまうことがなく、はまったトナーがその場で凝集体となり隙間を埋める役割を担う作用を生じさせることも考えられる。
第3の要因に対しては、適度な粒子間の凝集力によりトナーがこぼれにくく、汲み上げの効率を向上させるものと考えられる。
第4の要因に対しては、流動性が向上することによりトナーの搬送をスムーズにさせるものと考えられる。
ここで、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとが平坦面であったと仮定すると、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの接触が面摺動となり、高負荷になる。また、組み付け誤差や部品のバラツキなどにより理想的に完全な面同士の摺動になることは難しく、微小な隙間が発生する。このため、当該隙間にトナーが入り込み、面摺動にともないトナーを擦るという動作が行われてしまうことがある。
また、トナー収容容器内を舞ったトナーが、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間に付着した場合を考える。トナー収容容器32がトナー補給装置60に装着された状態では、容器シャッタ332の先端円筒部332cは容器シャッタバネ336によって搬送ノズルの端面611aに押し付けられるため、容器シャッタに制動力が加わっている。その結果、容器本体33に固定され、螺旋状突起302と一体で回転している容器シャッタ支持部材340に対して容器シャッタ332がつれまわりしなくなると考えられる。その場合、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340の間のトナーが容器シャッタ332によって擦られることが予想される。
そうすると、擦られて負荷がかかったトナーは負荷がかかっていない状態のトナー粒径より大きい凝集体となる可能性がある。この凝集体が、トナー補給装置60を経由して現像装置50に搬送されてしまうと、意図しない黒ポチなどの異常画像が発生する虞がある。この凝集体を形成してしまう現象は、トナーの中でも、特に低い定着温度で画像形成できる低融点トナーの場合に、より発生しやすい。
凝集抑制手段として、容器シャッタ332の先端円筒部332cがその長手方向で容器シャッタバネ336の押圧によって搬送ノズル611に押し付けられ、その押し付けで制動力が生じても容器シャッタ332が容器シャッタ支持部材340とつれまわるようにしてある。この防止作用により、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間でトナーに作用する摺動負荷は低減される。つれまわり(相対的な回転)とは、ガイドロッド332eの軸を中心とした容器シャッタ332の回転を想定している。容器シャッタ332が容器シャッタ支持部材340とつれまわる状態とは、両者が一緒に回転する状態、言い換えれば容器シャッタ332が容器シャッタ支持部材340に対して相対的には回転しない状態を意味する。また、容器シャッタ332と容器シャッタ支持部材340との間とは、滑動部332dの外周面とシャッタ支持開口部335bの内周面との間、及びガイドロッド摺動部332gと後端開口部335dとの間を想定している。
図20Aは図17における左側から(容器後端側から)見たときの開閉部材後端支持部中央の貫通孔としての後端開口部335dとシャッタ抜け防止爪332aとの関係を示す平面図である。図20Bは、図19Cにおける後端開口部335dとガイドロッド摺動部332gとの嵌め合い関係を示すガイドロッド摺動部332gの断面図である。
ガイドロッド332eは、円筒部332iとガイドロッド摺動部332gと片持ち梁332fとシャッタ抜け防止爪332aとで構成されている。容器シャッタ332のガイドロッド332eは、図17に示すように、容器後端側が二股に割れて一対の片持ち梁332fを形成している。その各梁の外周面にシャッタ抜け防止爪332aが設けられている。シャッタ抜け防止爪332aは、図17及び図20Aに示すように、後端開口部335dの長手方向の長さWにおける外縁よりも外側に突出している。後端開口部335dは、片持ち梁332fとガイドロッド摺動部332gが後端開口部335dと摺動しながら容器シャッタ332の移動をガイドする機能を有する。ガイドロッド摺動部332gは、図20Bに示すように、後端開口部335dの上下辺と対向する平面をなし、左右辺が後端開口部335dにならった曲面を有している。円筒部332iは、図20A及び図20Bにおける左右方向の幅がガイドロッド摺動部332gと同じである円筒形状をなす。また、図19A〜Dに示す容器シャッタ332の移動の際に、後端開口部335dが片持ち梁332fとガイドロッド摺動部332gとの移動を妨げない程度の嵌め合い関係を有している。このように、後端開口部335dは、片持ち梁332fとガイドロッド摺動部332gを挿通して容器シャッタ332の移動を案内するとともに容器シャッタ332の回転軸を中心とする回転を規制する。
容器シャッタ支持部材340に容器シャッタ332を組み付けるときは、ガイドロッド332eを容器シャッタバネ336に通し、ガイドロッド332eの一対の片持ち梁332fをガイドロッド332eの軸中心に向かって撓ませて、後端開口部335dに対してシャッタ抜け防止爪332aを通過させる。これにより、図15乃至17に示すようなノズル受入部材330に対するガイドロッド332eの組み付けがなされる。このとき、容器シャッタ332は、容器シャッタバネ336によってノズル受入口331を閉じる方向に加圧されるとともに、シャッタ抜け防止爪332aにより容器シャッタの抜けが防止される。なお、片持ち梁332fが撓める弾性を有すよう、ガイドロッド332eはポリスチレン等の樹脂で成型されていることが好ましい。
そして、トナー収容容器32がセット位置にセットされると、ガイドロッド摺動部332gは後端開口部335dを通過し、図19D及び図20Bに示すように、被駆動伝達部としてのガイドロッド摺動部332gの平面部と、駆動伝達部としての後端開口部335dの開口辺とが対向し、接触する位置となる。このとき、シャッタ側面支持部335a(突出部)の内周面が先端円筒部332cおよび滑動部332dの外周面と対向する。
なお、上記凝集抑制手段は、ガイドロッド摺動部332gに限られず、片持ち梁332fとしてもよい。この場合、トナー収容容器32がセット位置にあるときに片持ち梁332fが後端開口部335dに位置するように長さ、位置を決定すればよい。
そこで、開閉部材であるところの容器シャッタ332の回転によって発生するトナー凝集を抑制する凝集抑制手段であって、上記実施形態とは別の箇所でのトナー凝集体発生の抑制を目的とする第2の凝集抑制手段を提案するものである。以下の凝集抑制手段は、搬送ノズルの端面611aと対向する先端円筒部332cの当接領域でのトナーへの摺動負荷を低減するものである。
容器シャッタの端面332hは、図9、図14に示すように、画像形成装置に前記トナー収容容器が装着された際には、該端面332hから対向する搬送ノズル611の端面611aに向かって(または容器先端から外に向けて)突出し、搬送ノズル611の端面611aに当接する当接部342を有する。当接部342はこの実施形態における凝集抑制手段(第2の凝集抑制手段)となる突出部である。当接部342の外周面は、トナー収容容器32の回転軸と同心の円周面を有し、搬送ノズルの端面611aに向けてその直径が小さくなるような形状(たとえば半球状)であり、図9に示すように、その半球状の頂部と搬送ノズルの端面611aとで点接触するように設けられている。これにより、当接部342が搬送ノズルの端面611aと当接した際の摺動負荷が低い状態で回転することができる。したがって、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとが平坦面の場合に比べて接触面積を大幅に削減できるので、容器本体33の回転に伴う容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの間でトナーに加えられる摺動負荷を低減でき、トナーの凝集を抑制することができる。
当接部342の材質として、容器シャッタ332と一体成形する場合は容器シャッタ332と同一の材質、例えばポリスチレン樹脂などが挙げられる。容器シャッタ332はトナー収容容器32側に装着された部品であるので、トナー収容容器32と一緒に交換される。このため、搬送ノズルの端面611aに接触して回転する当接部342の材質は、交換を前提にした場合、プリンタ部100に設置して、基本的に交換しない搬送ノズル611(端面611a)の材質よりも柔らかい材質とするのが耐久性の点で好ましい。
また、当接部342は、図9、図14に示すように、トナー収容容器32の回転中心軸上、言い換えれば容器シャッタ332の回転中心軸上になるよう、容器シャッタの端面332hのおおむね中心に配置されている。このような構成により、容器シャッタの端面332hは搬送ノズルの端面661aに対して相対的に回転するときの当接部342先端の回転軌跡は理想的には1点になる。トナー収容容器と画像形成装置という別部品同士の装着ゆえ許容交差内の位置ズレは不可避であり、かつ大量生産によるばらつきも生じるが、それらを考慮しても上記回転軌跡を極小にすることはできる。そうすると、上記同様に容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの接触面積の増大を抑制でき、摺動負荷に起因するトナーの凝集を抑制することができる。
本発明者らは、突出量Xと画像中の黒ポチの発生の関係、すなわち、当接領域の摺動面積と画像中の黒ポチの発生の関係を調べたところ、図22に示す傾向となった。すなわち、本形態において、突出量X(面間の隙間)は1mmに設定している。このため、面間の隙間に入り込んだトナーは摺動による負荷が軽減され、また面外に落下しやすく滞留し難くなるため、凝集体が発生しなくなる。このように、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの間の隙間にトナーが入り込んだ場合でも摺動負荷が軽減されるので、トナーへの負荷が軽減される。このため、トナーへの負荷を最小限に抑えて凝集体の生成や異常画像を抑制することができる。
このような構成としても、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの面間の隙間に入り込んだトナーは摺動による負荷が軽減される。このため、凝集体が発生しなくなる。このように、トナーが容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの面間の隙間に入り込んだ場合でも摺動負荷が軽減されるので、トナーへの負荷が軽減される。このため、トナーへの負荷を最小限に抑えて凝集体の生成や異常画像を抑制することができる。
上記の凝集抑制手段では、凝集抑制手段を容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aの間に配置しているので、トナーの凝集体の生成を抑制することに対しては特に有効であるが、トナー収容容器32をトナー補給装置60から取り外したとき、面間に付着したトナーが画像形成装置内または床に落下して汚すことが想定される。
そこで、本凝集抑制手段では、容器シャッタの端面332hにおける搬送ノズルの端面611aとの非当接領域Rにシール部材350を配置する。このため、容器シャッタの端面332hと搬送ノズルの端面611aとの面間にトナーが滞留することを防止することができる。
なお、図29に示すように、シール部材350の潰れ量t1は、0.1mm〜0.5mm程度に設定している。例えば潰れ量を1mm以上にすると、摺動負荷が上昇するため、シール部材350の対向面350aと搬送ノズルの端面611aとの間でトナーの凝集体が発生しや易くなることが観察された。そのため潰れ量t1としては0.5mm以下とするのが望ましい。本形態では潰れ量t1を0.2mmの設定している。このように、シール部材350の圧縮量を最小限にすることにより、トナー収容容器32(容器本体33)の回転負荷を低減することができる。またシール部材350の表面に付着してしまったトナーには僅かながら圧縮作用を受けてしまうが、容器シャッタの端面332hと搬送ノズル611の端面611aという剛体同士に挟まれるわけではなく、柔軟なシール部材350によって搬送ノズル611の端面611aに押し付けられるのでシールの柔軟性が押し付け力を吸収し、トナーへの摺動負荷が小さくなることも見込める。
シール部材350を設けたことによりトナーが面間に入り込むことを抑制することができるので、容器本体33の回転に伴う凝集体の発生もより確実に抑制することができる。
また、図26に示すように、シール部材350の対向面350aは、搬送ノズルの端面611aに圧接された状態で容器シャッタ332と一体で回転する。このため、シール部材350の対向面350aに、図28に示すように、例えば高分子ポリエチレンシート或いはポリエチレンテレフタレート(PET)材で形成されたシート材351を接着することで、搬送ノズルの端面611aに対向する側を低摩擦面として形成してもよい。このように搬送ノズルの端面611aとの対向面350aを低摩擦面とすると、搬送ノズルの端面611aとの摺動でトナーへ与える負荷を軽減することができる。
具体的には、容器開口部を閉鎖する容器シャッタ332を弾性変形する薄膜部材を複数枚(本実施形態では2枚)ずらして重ねることで形成し、重なっている部分が弾性変形によって容器開口部を開放可能に構成する。
当該薄膜部材の重ね合わさっている部分を押し広げて搬送ノズルが容器開口部内に挿入される。この場合には前述の実施形態における付勢部材によって付勢されるシャッタが存在しない。
しかし、容器開口部から容器後端側に向けて一対の平板状の部材を前述の実施形態のシャッタ側面支持部335aと同様に突出させ、汲み上げ部からノズル開口へのトナーの橋渡しをするトナー橋渡し部として機能させる。
上記以外の構成は他の実施形態と同様である。
このように突出部の形状、構成に関しては、本発明の効果が奏することが可能であればいかなる対応もとることが可能である。
まず、空のトナー収容容器32に対して、把手部303に容器本体33内に通じる穴部33d2(貫通穴)を形成する(加工工程である。)。
その後、穴部33d2から清掃用ノズルを差し込んで、容器本体33内の清掃を行う。
その後、図38Aを参照して、穴部33d2が形成されたトナー収容容器32を充填機200にセットする。
詳しくは、充填機200の支持部210に把持部303の引掛部としてのくびれ部33d1を係合させて、把持部33dが上方になるようにトナー収容容器32を吊着する。
さらに、トナー収容容器32の穴部33d2に、充填機200のノズル220を差し込んで、充填機200からトナー収容容器32内にトナーを充填する(充填工程である。)。
これにより、トナーを充填した後のトナー収容容器32におけるシール性が担保される。
なお、本実施の形態では、把手部303に覆設されるキャップ90を封止部材として用いたが、穴部33d2に差し込まれる栓を封止部材として用いることもできるし、穴部33d2に覆設される発泡ポリウレタン等のシール部材を封止部材として用いることもできる。すなわち、上記実施形態におけるトナー収容容器において、容器本体に開口が設けられ、当該開口を封止部材によって封止されているトナー収容容器ができ上がる。
上述したように、本実施形態では、トナー収容容器32のトナー充填時において、容器本体33からノズル受入部材330を分解することなく、トナー収容容器32へのトナー充填を行うことができることになる。
これにより、製造時の作業性が向上する。
次に、本発明のトナー収容容器に収容されているトナーについて説明する。
前記トナーの平均雪崩角は、27°〜60°であり、35°〜60°が好ましく、35°〜50°がより好ましい。
前記トナーの平均雪崩角が、27°〜60°であることにより、排出性とトナー補給性とを両立することができ、トナー収容容器内のトナー残量が少なくなっても、トナーの補給が可能なトナー収容容器を提供することができる。
前記トナーの平均雪崩角が、35°〜60°又は35°〜50°を満たすことにより、補給速度が安定する。この補給速度の安定は、容器本体33内のトナーの量が少なくなった場合でも維持される。
前記トナーの平均雪崩角が、27°未満であると、トナー収容容器内のトナー残量が少なくなった時にトナー補給性が悪化し、60°を超えると、トナー間の付着力が増大して、流動性が低下するため、トナーがトナー収容容器から吐出できず、トナー補給がされなくなる。
また、本発明で使用するトナーは、テトラヒドロフラン(THF)に対する不溶分中の樹脂成分がトナーに対し0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
不溶分の主成分は樹脂であり、その他顔料などが含まれる場合もある。不溶の樹脂は特に限定はされないが、分子量が非常に大きくTHFに対する溶解性が乏しかったり、架橋した構造だったりする場合が多い。架橋については、例えば共有結合などの化学結合を通じた化学的架橋以外に、水素結合や金属を介した配位結合、イオン結合、疎水相互作用などを通じた物理的架橋が考えられる。不溶分が全くないもしくは少なすぎる場合は、定着時のトナーの粘度が低すぎるので、ホットオフセットを起こす。一方、高すぎると、定着時のトナーの粘度が高すぎるのでコールドオフセットを起こしやすく、低温定着が困難になる。
トナーの平均雪崩角は、トナーの流動性を表わす指標であり、トナーの補給性の良し悪しの目安になる。
本明細書において、「雪崩角」とは、所定量の粉体が入った円筒容器を底面の中心に垂直に立てた垂線を軸にゆっくりと一定速度で回転させて、円筒容器の回転とともに粉の積層体が容器壁面に沿ってゆっくりと上昇し、粒子間の付着力と重力とのバランスが崩れて雪崩(粉の積層体の崩落)が起こる直前の角度(粉の積層体の斜面と水平面とがなす角度)のことである。雪崩角は、雪崩が生じる前の最大位置エネルギーで測定したときの粉体の角度であって、雪崩角が小さいほど、良好な流動性が得られることがわかっている。
回転ドラム式画像解析計測装置は、円筒のフタ部が透明な円筒容器(ドラム)と円筒容器を円周に沿って回転させる回転装置と円筒のフタ方向から内部を写すカメラと前記カメラと逆方向から円筒容器内部を照らすバックライトからなる計測装置であり、円筒容器に所定量の粉体を入れた後、ドラムをゆっくりと回転させると、ドラムの回転とともに粉体の堆積層がゆっくりと回転に沿って上方へ引き上げられるが、その際の粒子間の付着力と重力のバランスが崩れたときに発生する雪崩(粉の積層体の崩落)の大きさを画像解析することによって定量化する装置である。また、粒子の充填の状態を一定とした上で繰り返し測定を行うため、再現性の良好なデータを得ることができ、また、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出することができ、特に雪崩によって得られる値で流動性を測定するため、従来の方法に比べて、トナー同士の付着力である上層の流動性を表現できている。
次に、画像処理部の調整を行う。回転ドラム式画像解析計測装置と接続したパソコンにて測定装置内のカメラをリアルタイムでモニタリングをしながら、粉体が雪崩だとみなす雪崩変化量と、画像光量と、測定領域の調整を行う。雪崩変化量は、検討の結果より、0.65%に固定して行う。また、画像光量は、バックグラウンドの光量を調整することでカメラの感度を調整するために必要であり、例えば、24db程度になるように調整する。また、測定領域は、壁付着等で粉体が固着して、回転に対して雪崩応答が生じなくなった範囲を適切に排除することで、測定精度を向上させるために必要であり、リアルタイムでモニタリングしながら固着した粉体の範囲を避けるように任意で設定する。
さらに続けて、同サンプルを100回雪崩が起こるまで測定を行い、画像処理によって得られた、個々の雪崩角の総和より、平均雪崩角を算出する。
なお、測定は、トナーを、23℃、53%RHで24時間調湿して行う。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量Mwの測定は以下のように行う。
トナー0.3gを秤量し、あらかじめ重量を秤量(g)した円筒濾紙(「No.86R」;東洋濾紙製)に入れてソクスレー抽出器にかける。ヒーター温度を85℃にセットし、抽出溶媒としてソクスレー用丸底フラスコにテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)200mLを用いて、7時間にわたって全還流抽出(ソクスレー抽出)を行った後、ロータリーエバポレーターでTHFを留去せしめて、抽出物を得る。抽出物をTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15質量%で溶解後、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μL注入して測定する。
本発明における不溶分中の樹脂成分の算出方法は、次の通りである。
トナーを電気炉内に設置し、窒素ガスを供給して窒素ガスで置換した状態下で、樹脂や離型剤が分解するが、着色剤、磁性材料、外添剤が分解しない温度で処理する。重量減少を確認し、重量減少が止まった段階で樹脂成分以外の不溶分を秤量する。
樹脂成分以外の不溶分の質量の測定方法としては、着色剤、磁性材料、外添剤のそれぞれの材料の化学構造を特定し、着色剤、磁性材料、外添剤のそれぞれの材料に含まれる元素であって、他の成分には含まれない元素に着目し、当該材料の質量を変更した場合の蛍光X線のエネルギー強度の変化から得られる検量線を用いて質量を算出することもできる。
ソックスレー抽出後の円筒濾紙を風乾後、さらに減圧乾燥した上で、濾紙上の不溶分と濾紙の質量の総和(g)を秤量する。それからあらかじめ秤量した樹脂成分以外の不溶分と濾紙質量(g)を引くことで、不溶分中の樹脂成分の質量を求めることができる。不溶分中の樹脂成分の質量をトナー仕込み量0.3gで割り100をかけることで、トナー質量に対する不溶分中の樹脂成分の割合を質量パーセントで算出する。
測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35mL/min
試料:上述のソクスレー抽出物の乾燥固体、ないしは標準サンプルをTHFに溶解させ0.15質量パーセント濃度の試料を作成し、0.1mL注入する。
検量線:試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580をTHFに溶解させ、0.15質量パーセント濃度の溶液を作成し、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いて作成する。
検出されたピークのうち、最も大きいものをメインピークとする。複数ピークが検出された場合は、図40に示したようにピークのすその下端で垂直分割し、メインピークについて解析を行い、Mwを算出する。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物粒子(例えば、チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア微粒子、疎水化されたチタニア微粒子が好ましい。
前記外添剤の形状、粒径により、トナーの流動性を制御することができる。
例えば、粒径に関していえば、通常、粒径の小さい外添剤よりも粒径の大きな外添剤の方が混合したときにトナー母体粒子に固定化されやすいので、トナーとしての流動性は小さくなる。逆に粒径の小さい外添剤はトナー母体粒子に固定化されず流動しやすいので、トナー自体の流動性もよくなる。
また、形状に関していえば、真円に近いほど流動しやすく、トナーの流動性もよくなる。外添剤に用いる酸化チタンは針状だが、シリカは球状及び異型化形状のものが知られている。このうち、球状シリカがもっとも流動しやすく、トナーの流動性も良くなり、小粒径シリカを用いると特に流動性を良くすることができる。
一方、前記外添剤による前記トナー母体粒子の被覆の割合を増やしすぎると、表面が無機物で覆われる面積が増えすぎるので定着しにくくなる。逆に、前記外添剤の被覆の割合を減らしすぎると、トナーの流動性がなくなってトナーの補給ができなくなったり、トナー同士が凝集して異常画像が発生しやすくなったりすることがある。
前記トナー母体粒子は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有し、更に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤などを含有する。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温定着性に優れ、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可撓性を有する点で、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂と上記他の結着樹脂とを組み合わせた樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記ポリエステル樹脂としては、ポリエステルの側鎖に各種反応性官能基を導入した変性ポリエステル樹脂でもよいし、導入していない未変性ポリエステル樹脂でもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂であってもよいし、非結晶性ポリエステル樹脂であってもよい。
前記結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂とは、主鎖が規則的に配向する結晶構造をとっている割合が特に高く、融点近傍で樹脂の粘度が大きく変化するポリエステル樹脂のことを指す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、例として、アルコール成分として、炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物(特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、及びこれらの誘導体)と、少なくとも酸成分として、二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸、若しくは、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸(特にフマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸、及びこれらの誘導体)を用いて合成される結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
また、前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)に対する不溶分中の樹脂成分に関しては、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。前記不溶分中の樹脂成分が、少ないと熱がかかったときに軟らかくなりやすくなるので定着性には有利だが、耐熱性には不利になる。また、前記不溶分中の樹脂成分が、0.5質量%未満であると、定着時にトナーが融解したときの粘度が低すぎてホットオフセットが置き易く十分な定着幅の確保が難しい。一方、前記不溶分中の樹脂成分が多いとホットオフセットが起きにくく定着の確保が容易だったり、耐熱性も向上したりするが、定着下限温度が上昇する。前記不溶分中の樹脂成分が、20質量%を超えると、そもそもトナーが溶融しても定着が起きるまでの粘度にするためには温度が必要なので、低温定着が困難になる。
一方、溶解懸濁法においては、トナー組成物を溶剤に溶解又は分散液を水系媒体中に乳化/分散し、得られた乳化/分散液から溶剤を除去した後にプレポリマーを加熱架橋反応させる(例えば、撹拌下で45℃、10時間)方法がある。熟成の温度、時間を変えることにより反応を制御することができる。この場合は、架橋反応後のプレポリマーは高分子量化が進みソクスレー抽出できない不溶分になるが、この架橋反応が十分に進行しない場合ソクスレーで抽出可能な成分となり、見かけの抽出された抽出成分は分子量が大きい傾向を示すこととなることと推測される。このように架橋反応が進まない場合は、定着時のトナーの溶融粘度が下がりすぎホットオフセットが起こる。
また、不溶分に関しては主成分が架橋反応後のプレポリマーであるので、結着樹脂中のプレポリマーの量を増やしたり減らしたりすることで、不溶分を増やしたり減らしたり制御することが可能である。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。これらの中でも、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有することが好ましい。
前記黒色顔料は、例えば、ブラックトナーに用いられる。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト、ニグロシン染料、鉄黒などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、例えば、イエロートナーに用いられる。前記イエロー顔料としては、例えば、シイ・アイ・ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow)74、93、97、109、128、151、154、155、166、168、180、185、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエローなどが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、例えば、マゼンタトナーに用いられる。前記マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、シイ・アイ・ピグメントレッド(C.I.Pigment Red)48:2、57:1、58:2、5、31、146、147、150、176、184、269等のモノアゾ顔料などが挙げられる。また、前記モノアゾ顔料に前記キナクリドン系顔料を併用してもよい。
前記シアン顔料は、例えば、シアントナーに用いられる。前記シアン顔料としては、例えば、Cu−フタロシアニン顔料、Zn−フタロシアニン顔料、Al−フタロシアニン顔料などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロウ類、ワックス類などが挙げられる。
前記ロウ類及び前記ワックス類としては、例えば、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックスなどが挙げられる。前記植物系ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックスなどが挙げられる。前記動物系ワックスとしては、例えば、ミツロウ、ラノリンなどが挙げられる。前記鉱物系ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシンなどが挙げられる。前記石油ワックスとしては、例えば、パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどが挙げられる。
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
前記帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕法、ケミカル工法などが挙げられる。これらの方法を用いることで、トナー母体粒子を得ることができる。
前記ケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、シード重合法、溶解懸濁法、溶解懸濁重合法、転相乳化法、これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。
前記溶解懸濁法は、樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散乃至乳化させる方法である。
前記溶解懸濁重合法は、前記溶解懸濁法において、活性水素基と反応可能な官能基を有する結着樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)を含む油相組成物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中に乳化乃至分散させ、該水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、前記反応性基含有プレポリマーとを反応させる方法である。
前記転相乳化法は、樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる方法である。
以下に、これらの製法についての詳細に説明する。
前記粉砕法は、例えば、少なくとも着色剤、結着樹脂、離型剤を有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナー母体粒子を製造する方法である。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
前記溶解懸濁法は、例えば、少なくとも結着樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤、及び離型剤を含有してなるトナー組成物を有機溶媒中に溶解乃至分散させた油相組成物を、水系媒体中で分散乃至乳化させることにより、トナー母体粒子を製造する方法である。
前記溶解懸濁重合法においては、前記溶解懸濁法において、少なくとも結着樹脂、反応性基含有結着樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)、着色剤、及び離型剤を含む油相組成物を樹脂微粒子を含む水系媒体中に分散乃至乳化させ、トナー母体粒子を造粒して得ることが好ましい。
なお、前記反応性基含有結着樹脂前駆体としては、活性水素基と反応可能な官能基を有する反応性基含有プレポリマーが知られており、これを用いる製造においては、乳化造粒した母体粒子中で前記油相組成物中及び/又は水系媒体中に含まれる活性水素基含有化合物とプレポリマーを反応させる方法が好ましい。
前記樹脂微粒子の体積平均粒径は、10nm〜300nmが好ましく、30nm〜120nmがより好ましい。前記樹脂微粒子の体積平均粒径が、10nm未満である場合、及び300nmを超える場合、トナーの粒度分布が悪化することがある。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(株式会社奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
回転ドラム式画像解析計測装置として、パウダーアナライザーREVOLUTION(Mercury Science Inc.製)を用いた。
まず、内径100mmの円筒容器に、トナーを60g充填した。充填した状態で円筒容器を回転台の上にのせて6.0rpmで回転させ、緩やかに撹拌した。
次に、画像処理部の調整を行った。回転ドラム式画像解析計測装置と接続したパソコンにて測定装置内のカメラをリアルタイムでモニタリングをしながら、粉体が雪崩だとみなす雪崩変化量と、画像光量と、測定領域の調整を行った。雪崩変化量は、検討の結果より、0.65%に固定して行った。また、画像光量は、バックグラウンドの光量を調整することでカメラの感度を調整するために必要であり、24db程度になるように調整した。また、測定領域は、壁付着等で粉体が固着して、回転に対して雪崩応答が生じなくなった範囲を適切に排除することで、測定精度を向上させるために必要であり、リアルタイムでモニタリングしながら固着した粉体の範囲を避けるように任意で設定した。
さらに続けて、同サンプルを100回雪崩が起こるまで測定を行い、画像処理によって得られた、個々の雪崩角の総和より、平均雪崩角を算出した。
なお、測定は、トナーを、23℃、53%RHで24時間調湿して行った。
トナー0.3gを秤量し、あらかじめ重量を秤量(g)した円筒濾紙(「No.86R」;東洋濾紙製)に入れてソクスレー抽出器にかけた。ヒーター温度を85℃にセットし、抽出溶媒としてソクスレー用丸底フラスコにテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)200mLを用いて、7時間にわたって全還流抽出(ソクスレー抽出)を行った後、ロータリーエバポレーターでTHFを留去せしめて、抽出物を得た。抽出物をTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15質量%で溶解後、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を100μL注入して測定した。
トナーを電気炉内に設置し、窒素ガスを供給して窒素ガスで置換した状態下で、樹脂や離型剤が分解するが、着色剤、磁性材料、外添剤が分解しない温度で処理した。重量減少を確認し、重量減少が止まった段階で樹脂成分以外の不溶分を秤量した。
ソックスレー抽出後の円筒濾紙を風乾後、さらに減圧乾燥した上で、濾紙上の不溶分と濾紙の質量の総和(g)を秤量した。それからあらかじめ秤量した樹脂成分以外の不溶分と濾紙質量(g)を引くことで不溶分中の樹脂成分の質量を求めた。不溶分中の樹脂成分の質量をトナー仕込み量0.3gで割り100をかけることで、トナー質量に対する不溶分中の樹脂成分の割合を質量パーセントで算出した。結果は表2−1、表2−2に示した。
測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35mL/min
試料:上述のソクスレー抽出物の乾燥固体、ないしは標準サンプルをTHFに溶解させ0.15質量パーセント濃度の試料を作成し、0.1mL注入した。
検量線:試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580をTHFに溶解させ、0.15質量パーセント濃度の溶液を作成し、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いて作成した。
検出されたピークのうち、最も大きいものをメインピークとした。複数ピークが検出された場合は、図40に示したようにピークのすその下端で垂直分割し、メインピークについて解析を行い、Mwを算出した。
<結晶性ポリエステル樹脂1の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール154部(1.30mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ15,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂1]は、Mw14,000、融点66℃であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂1(未変性ポリエステル樹脂)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物222部、ビスフェノールA PO2mol付加物129部、テレフタル酸150部、アジピン酸15部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2mgKOH/gになった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、常圧で3時間反応させ、[非結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂1]は、Mw6,000、Tg54℃であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂2(未変性ポリエステル樹脂)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物212部、ビスフェノールA PO2mol付加物116部、テレフタル酸166部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応させ、Mwがおよそ15,000に達するまで反応を行い、[非結晶性ポリエステル樹脂2]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂2]は、Mw14,000、Tg60℃であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂3(未変性ポリエステル樹脂)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物204部、ビスフェノールA PO2mol付加物106部、テレフタル酸166部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応させ、Mwがおよそ40,000に達するまで反応を行い、[非結晶性ポリエステル樹脂3]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂3]は、Mw38,000、Tg62℃であった。
<ポリエステルプレポリマーの製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物720部、ビスフェノールA PO2mol付加物90部、テレフタル酸290部、及びテトラブトキシチタネート1部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下にて7時間反応させ、[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、Mn3,200、Mw9,300であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、得られた[中間体ポリエステル1]400部、イソホロンジイソシアネート95部、及び酢酸エチル500部を入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[ポリエステルプレポリマー1]の50%酢酸エチル溶液を得た。[ポリエステルプレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.47%であった。
<グラフト重合体の製造>
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、キシレン480部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業株式会社製、サンワックスLEL−400:軟化点128℃)100部を入れて充分溶解し、窒素置換した後、スチレン740部、アクリロニトリル100部、アクリル酸ブチル60部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36部、及びキシレン100部の混合溶液を170℃で3時間滴下して重合し、更にこの温度で30分間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[グラフト重合体]を合成した。得られた[グラフト重合体]は、Mw24,000、Tg67℃であった。
<トナー母体粒子1の製造>
<溶解懸濁重合法>
−離型剤分散液1の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(HNP−9、日本精蝋株式会社製、融点75℃)50部、[グラフト重合体]30部、及び酢酸エチル420部を入れ、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液1]を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100部、及び酢酸エチル400部を入れ、撹拌下75℃で加熱溶解させた後、1時間で10℃以下まで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填の条件で、5時間分散を行い[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
・非結晶性ポリエステル樹脂1 100部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ1]を作製した。
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[非結晶性ポリエステル樹脂1]93部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]68部、[離型剤分散液1]75部、[マスターバッチ1]18部、及び酢酸エチル19部を入れて、撹拌機にてプレ分散させた後、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相1]を得た。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業株式会社製)10部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で20分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は60nmであり、樹脂分の重量平均分子量は140,000、Tgは73℃であった。
水990部、[樹脂微粒子の水分散液]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相1]を得た。
前記[油相1]273部に[ポリエステルプレポリマー1]の50%酢酸エチル溶液45部、及びイソホロンジアミンの50%酢酸エチル溶液3部を添加し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相1’]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に[水相1]400部を入れ、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相1’]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ1を得た。
得られた濾過ケーキ1を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子1を作製した。
<トナー母体粒子2の製造>
<粉砕法>
−マスターバッチ2の作製−
・非結晶性ポリエステル樹脂2 100部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ2]を作製した。
[非結晶性ポリエステル樹脂2]54部、[非結晶性ポリエステル樹脂3]27部、[結晶性ポリエステル樹脂1]8部、パラフィンワックス(HNP−9、日本精蝋株式会社製、融点75℃)6部、及び[マスターバッチ2]12部を、へンシェルミキサー(ヘンシェル20B、日本コークス工業株式会社製)を用いて1,500rpmで3分間予備混合した後、一軸混練機(小型ブス・コ・ニーダー、Buss社製)にて、設定温度(入口部90℃)、出口部(60℃)、フィード量(10kg/hr)の条件で溶融、混練した。得られた混練物を圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)にて粗粉砕した。次いで、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力(6.0atm/cm2)、フィード量(0.5kg/hr)の条件にて微粉砕を行い、更に分級機(アルピネ社製、132MP)により分級を行って、[トナー母体粒子2]を得た。
<トナー1の作製>
得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤を添加し、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)にて混合した。混合順として、1段目に平均一次粒径120nmのシリカを2.3部添加して3分間混合し、さらに2段目に酸化チタン0.6部を追加して3分間混合し、さらに3段目に平均一次粒径30nmのシリカを1.5部添加して3分間混合した。混合後は、目開き500meshの篩を通過させ、[トナー1]を作製した。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径30nmのシリカを1.8部添加して3分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー2]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径30nmのシリカを1.1部添加して3分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー3]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径30nmのシリカを1.8部添加して5分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー4]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径19nmのシリカを0.6部添加して3分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー5]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径19nmのシリカを1.0部添加して3分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー6]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径30nmのシリカを1.5部添加して1分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー7]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径19nmのシリカを1.3部添加して3分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー8]を得た。
[トナー1]の作製において、[トナー母体粒子2]を用い、3段目に平均一次粒径30nmのシリカを0.5部添加して3分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー9]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径19nmのシリカを1.3部添加して5分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー10]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径19nmのシリカを1.7部添加して5分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー11]を得た。
[トナー1]の作製において、3段目に平均一次粒径19nmのシリカを2.0部添加して5分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー12]を得た。
[トナー1]の作製において、[トナー母体粒子2]を用い、3段目に平均一次粒径30nmのシリカを0.5部添加して1分間混合した以外は、[トナー1]の作製と同様にして、[トナー13]を得た。
−結着樹脂生成工程−
結着樹脂として、ポリエステル(II−1)を用い、以下のようにしてトナー母体粒子を製造した。
−−ポリエステルの合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールエチレンオキサイド2モル付加物70質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド2モル付加物568質量部、テレフタル酸44質量部、及びイソフタル酸211質量部を投入し、常圧窒素気流下にて、210℃で13時間縮合反応した。更に10mmHg〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(II−1)を得た。ポリエステル(II−1)の重量平均分子量Mwは5,700であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、プロピレングリコール650質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物90質量部、テレフタル酸290質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、7時間反応させて、中間体ポリエステル(II−1)を合成した。
得られた中間体ポリエステル(II−1)は、数平均分子量(Mn)が5,900、重量平均分子量(Mw)が22,500、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が22mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル(II−1)410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、ポリエステルプレポリマー(II−1)〔プレポリマー(II−1):前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体〕を合成した。
得られたポリエステルプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール154部(1.30mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ15,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂II−1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂II−1]は、Mw14,000、融点66℃であった。
<溶解懸濁重合法>
−離型剤分散液II−1の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(HNP−9、日本精蝋株式会社製、融点75℃)50部、[グラフト重合体]30部、及び酢酸エチル420部を入れ、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液II−1]を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に[結晶性ポリエステル樹脂II−1]100部、及び酢酸エチル400部を入れ、撹拌下75℃で加熱溶解させた後、1時間で10℃以下まで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填の条件で、5時間分散を行い[結晶性ポリエステル樹脂分散液II−1]を得た。
・ポリエステル(II−1)(非結晶性ポリエステル樹脂II−1) 100部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチII−1]を作製した。
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[ポリエステル(II−1)]93部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液II−1]68部、[離型剤分散液II−1]75部、[マスターバッチII−1]18部、及び酢酸エチル19部を入れて、撹拌機にてプレ分散させた後、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相II−1]を得た。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業株式会社製)10部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で20分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は60nmであり、樹脂分の重量平均分子量は140,000、Tgは73℃であった。
水990部、[樹脂微粒子の水分散液]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相II−1]を得た。
前記[油相II−1]273部に[ポリエステルプレポリマーII−1]の50%酢酸エチル溶液45部、及びイソホロンジアミンの50%酢酸エチル溶液3部を添加し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相II−1’]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に[水相II−1]400部を入れ、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相II−1’]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリーII−1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーII−1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[スラリーII−1]を得た。得られた[スラリーII−1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキII−1を得た。
得られた濾過ケーキII−1を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子II−1を作製した。トナー母体粒子II−1の粒径を測定したところ、体積平均粒径(Dv)は5.5μmであった。
製造例II−1において、脱溶剤後の熟成の時間を10時間から5時間に変えた以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−2のトナー母体粒子II−2を得た。
製造例II−1において、脱溶剤後の熟成の時間を10時間から15時間に変えた以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−3のトナー母体粒子II−3を製造した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、プロピレングリコール682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて5時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、中間体ポリエステル(II−2)を合成した。
得られた中間体ポリエステル(II−2)は、数平均分子量(Mn)が2,900、重量平均分子量(Mw)が11,500、ガラス転移温度(Tg)が45℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が32mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル(II−2)410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(II−2)(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.46質量%であった。
製造例II−1の乳化・分散工程においてプレポリマー(II−1)をプレポリマー(II−2)に変えた以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−4のトナー母体粒子II−4を得た。
製造例II−1において、脱溶剤後の熟成の時間を10時間から0時間(熟成工程無し)に変えた以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−5のトナー母体粒子II−5を得た。
製造例II−1の乳化・分散工程において、前記プレポリマー(II−1)を使用しないこと以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−6のトナー母体粒子II−6を得た。
製造例II−1の乳化・分散工程において、前記プレポリマー(II−1)を20質量部使用すること以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−7のトナー母体粒子II−7を得た。
製造例II−1の乳化・分散工程において、前記プレポリマー(II−1)を75質量部使用すること以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−8のトナー母体粒子II−8を得た。
製造例II−1の乳化・分散工程において、前記プレポリマー(II−1)を90質量部使用すること以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−9のトナー母体粒子II−9を得た。
製造例II−1の乳化・分散工程において、ポリエステル(II−1)の代わりに前記非結晶性ポリエステル樹脂3を使用した以外は、製造例II−1と同様にして製造例II−10のトナー母体粒子II−10を得た。
<ポリエステル樹脂II−2の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物212部、ビスフェノールA PO2mol付加物116部、テレフタル酸166部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応させ、Mwがおよそ15,000に達するまで反応を行い、[ポリエステル樹脂II−2を得た。得られた[ポリエステル樹脂II−2]は、Mw14,000、Tg60℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物204部、ビスフェノールA PO2mol付加物106部、テレフタル酸166部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応させ、Mwがおよそ40,000に達するまで反応を行い、[ポリエステル樹脂II−3]を得た。得られた[ポリエステル樹脂II−3]は、Mw38,000、Tg62℃であった。
製造例II−11において、[ポリエステル樹脂II−2]を27部から57部に変更し、[ポリエステル樹脂II−3]を54部から24部に変更した以外は、製造例II−11と同様にして、トナー母体粒子II−12を得た。
サンプルとして、製造したトナー0.3gを秤量し、円筒濾紙(「No.86R」;東洋濾紙製)に入れてソクスレー抽出器にかけた。ヒーター温度を85℃にセットし、抽出溶媒としてソクスレー用丸底フラスコにテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)200mLを用いて、7時間にわたって全還流抽出(ソクスレー抽出)を行った後、ロータリーエバポレーターでTHFを留去せしめて、抽出物を得た。抽出物をTHFに溶解した溶液をポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過した後、GPCによって分子量の測定を行った。
結果を表2−1、及び表2−2に示す。
<トナー収容容器>
図10に示すトナー収容容器(容器開口部の断面は、図30に示す断面)を用いた。容器本体内には、製造例I−6で製造したトナーを充填した。
図10に示すトナー収容容器は、容器本体が、容器開口部の容器本体内の側から、一端側に向かって突出している突出部を有している。
また、汲み上げ部は、容器本体内壁面から突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と突出部に沿うように湾曲する湾曲部とを有している。
また、汲み上げ部は、容器本体内壁面から突出部に向かって隆起した隆起部を有している。隆起部には突出部に沿うように湾曲する湾曲部が設けられている。
突出部は、トナー収容容器がトナー搬送装置に装着された際、湾曲部と挿入された搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている。
更に、図10に示すトナー収容容器は、突出部が、板状の部材であって、板状の部材の平らな側面(厚さ方向の側面)が、湾曲部と、挿入されたトナー搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている。
更に、図10に示すトナー収容容器は、汲み上げ壁面を有する汲み上げ部を2つ有する。2つの汲み上げ部それぞれにおいて、トナー収容容器がトナー搬送装置に装着された際、前記汲み上げ部が有する湾曲部と、挿入された搬送管のトナー受入口との間に、突出部が存在する。
図10に示すトナー収容容器は、汲み上げ部が容器本体と一体的に形成されており、突出部が容器本体に固定されており、容器本体が回転することで、前記汲み上げ部が、トナーを下方から上方に持ち上げる。
<<トナー排出性>>
上記のトナー収容容器について、以下の評価方法で評価を行った。
その際の容器本体からのトナーの排出性を以下の評価基準で評価した。結果を表1に示した。
〔評価方法〕
トナーをトナー収容容器に120g充填した(なお、トナー収容容器の容量は、1,200mL)。トナー収容容器を振ってトナーを十分に攪拌した。トナー収容容器を本実施例に記載の搬送ノズルを備えた補給装置に装着した(図9参照)。トナー収容容器を回転、及び補給装置を動作させて補給装置から排出されるトナーの量を計測した。
条件:トナー収容容器回転数:100rpm
補給装置の搬送ノズル内の搬送スクリュピッチ:12.5mm
搬送スクリュ外径:10mm
搬送スクリュ軸径:4mm
搬送スクリュ回転数:500rpm
〔評価基準〕
○:収容容器内トナー残量が70gとなってもトナーが排出されるもの。
×:収容容器内トナー残量が70gとなる前にトナー排出がなされなくなるもの。
本実験においてはトナーの未使用時充填量(製品出荷時の充填量)は200g以上と想定して、排出性を検証するために上記のようにトナー残量70gを評価基準とした。
○を合格とし×を不合格とした。
上記のトナー収容容器について、上記排出性の評価方法と同じ評価方法で評価を行った。
その際の容器本体からのトナーの補給安定性を以下の評価基準で評価した。結果を表1に示した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好(トナーが排出できなくなるまで駆動し続けたときに、トナー収容容器内のトナー残量が70g未満、10g以上の範囲において、トナー補給量が0.4g/sec以上の状態で安定的に(一定量)で維持されている。図39のイ)
※トナー補給量0.4g/secは、A4紙に全ベタ画像を連続通紙してもトナー補給量不足によりベタ画像のかすれ等がない(ベタ追従性)ことが予測される補給量である。
※トナー10g以上の範囲としたのは、容器内壁にトナーが付着する分を考慮したものである。
※トナー補給量は、0.4g/secより少ないが、安定的に(一定量で)補給量が維持されているため、トナー収容容器の回転数を上げる等により、トナー補給量の底上げを行なうことができ、安定して、ベタ追従に十分な補給が行える。
※トナーは排出されるため、補給が0になるということはないが、ベタ追従性を保障するためにより複雑な補給制御が必要となる。
※今回の◎、○となっているトナーについて言えばトナー残量が10g未満の範囲で補給量が急激に減少した(変極点を持って下降した)。
また、今回の実験においては、◎、○となっているトナーのトナー補給量の変動幅がトナー残量10gから70gの範囲において0.05g/sec以内であった。
製造例I−6の<トナー1の作製>において、トナー母体粒子、並びにシリカA及びシリカBを表2−1及び表2−2に記載のとおりにした以外は、製造例I−6と同様にして、トナーII−1〜II−72を製造した。
実施例1と同様の評価を行い、更にキャリアと混合してトナー濃度5質量%の二成分現像剤を作成し、得られた各現像剤を用いて、以下のようにして、定着性(オフセット未発生上限温度及び定着下限温度)、耐熱保存性(針入度)、及び総合評価を評価した。
結果を表2−3及び表2−4に示す。
図41に示すベルト式定着装置110を備えた画像形成装置を用いて、定着性(オフセット未発生温度及び定着下限温度)を評価した。
ベルト式定着装置110は、加熱ローラ121と、定着ローラ122と、加圧ローラ124と、定着ベルト123とを備えている。
定着ベルト123は、内部に回転可能に配置された加熱ローラ121と定着ローラ122とによって張架され、加熱ローラ121により所定の温度に加熱されている。加熱ローラ121は、内部には加熱源125が内蔵されており、加熱ローラ121の近傍に取り付けられた温度センサ127により温度調節自在に設計されている。定着ローラ122は、定着ベルト123の内側に、かつ定着ベルト123の内面に当接しながら回転可能に配置されている。加圧ローラ124は、定着ベルト123の外側に、かつ定着ベルト123の外面に、定着ローラ122を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。
ベルト式定着装置110では、まず、定着処理すべきトナー像が形成された記録媒体(シート)Pが加熱ローラ121まで搬送される。そして、内蔵されている加熱源125の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ121及び定着ベルト123によりシートP上のトナーTが加熱されて溶融状態となる。この状態において、該シートPが定着ローラ122及び加圧ローラ124間に形成されたニップ部に挿入される。該ニップ部に挿入されたシートPは、定着ローラ122及び加圧ローラ124の回転に連動して回転する定着ベルト123の表面に当接され、加圧ローラ124の押圧力により前記ニップ部を通過する際に押圧され、トナーTがシートP上に定着される。次いで、トナーTが定着されたシートPは、定着ローラ122及び加圧ローラ124間を通過し、定着ベルト123から剥離され、ガイドGを経てトレイ(不図示)に搬送される。なお、定着ベルト123はクリーニングローラ126で清浄化される。
定着ローラ122は、直径38mm、アスカーC硬度が約30度のシリコーン発砲体製のローラである。加圧ローラ124は、直径48mmの芯金(鉄製、肉厚1mm)上にPFAチューブを被覆し、該PFA層の表面に厚さ1mmのシリコーンゴム層を被覆した直径50mm、アスカーC硬度が約75度のローラである。加熱ローラ121は、直径30mm、肉厚2mmのアルミニウム製のローラである。定着ベルト123は、ベルト直径6
0mm及びベルト幅310mmであり、約40μm厚みのニッケル製ベルト基体表面に厚さ約150μmのシリコーンゴム製の離型層を有するローラに張架されている。
図41に示すベルト式定着装置を備えた画像形成装置を用いてオフセット未発生温度を測定した。即ち、画像形成は、カラー複写機(「プリテール550」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6000−70W」;株式会社リコー製)に、ベタ画像を、1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像されるように調整した。得られた画像を定着ベルト(加熱ローラ)の温度を変えて図41のベルト式定着装置を用いて定着し、オフセットの発生しない定着温度(オフセット未発生温度)を測定した。
図41に示すベルト式定着装置を備えた画像形成装置を用いて、画像は、カラー複写機(「プリテール550」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)をセットし、複写テストを行った。得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。なお、定着下限温度が150℃より低いトナーが、好ましく、定着下限温度が130℃より低いトナーが、更に好ましい。
定着下限温度とオフセットオフセット未発生温度の上限の差を定着幅とした。定着幅は20℃以上が好ましく、50℃以上の場合更に好ましい。
50mLのガラス容器に各トナーを10g充填し、50℃の恒温槽に20時間放置した。このトナーを室温に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度を測定した。なお、前記針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示す。
X−24(商品名):信越化学工業株式会社製
UFP35(商品名):電気化学工業株式会社製
NX90G(商品名):日本アエロジル株式会社製
H2000(商品名):クラリアント社製
<1> トナー搬送装置に装着可能であり、前記トナー搬送装置に供給するトナーが収容された容器本体と、
前記容器本体の内部に配置され、前記トナーを前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、
前記容器開口部に配置され、前記トナー搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、
前記搬送部によって搬送された前記トナーを前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管のトナー受入口に向けて移動させる汲み上げ部と、を備えるトナー収容容器において、
前記トナーの平均雪崩角が、27°〜60°であり、
前記容器本体が、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有し、
前記汲み上げ部が、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部とを有し、
前記突出部が、前記トナー収容容器が前記トナー搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている、
ことを特徴とするトナー収容容器である。
前記<1>のトナー収容容器においては、前記容器本体に収容された前記トナーが、前記搬送部によって前記容器開口部が設けられた他端側に搬送され、前記汲み上げ部によって前記搬送管のトナー受け入れ口に移動する際に、前記容器本体が有する前記突出部が、前記汲み上げ部が有する前記湾曲部と挿入される前記搬送管のトナー受入口との間に存在し、かつ前記トナーの平均雪崩角が、27°〜60°であることにより、現像装置へのトナーの補給が安定して行われ、トナー収容容器内のトナー残量が少なくなっても、現像装置へのトナーの補給が可能になる。
<2> トナー搬送装置に装着可能であり、前記トナー搬送装置に供給するトナーが収容された容器本体と、
前記容器本体の内部に配置され、前記トナーを前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、
前記容器開口部に配置され、前記トナー搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、
前記搬送部によって搬送された前記トナーを前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管のトナー受入口に向けて移動させる汲み上げ部と、を備えるトナー収容容器において、
前記トナーの平均雪崩角が、27°〜60°であり、
前記容器本体が、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有し、
前記汲み上げ部が、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって隆起した隆起部を有し、
前記隆起部には前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部が設けられており、
前記突出部が、前記トナー収容容器が前記トナー搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている、
ことを特徴とするトナー収容容器である。
前記<2>のトナー収容容器においては、前記容器本体に収容された前記トナーが、前記搬送部によって前記容器開口部が設けられた他端側に搬送され、前記汲み上げ部によって前記搬送管のトナー受け入れ口に移動する際に、前記容器本体が有する前記突出部が、前記汲み上げ部が有する前記湾曲部と挿入される前記搬送管のトナー受入口との間に存在し、かつ前記トナーの平均雪崩角が、27°〜60°であることにより、現像装置へのトナーの補給が安定して行われ、トナー収容容器内のトナー残量が少なくなっても、現像装置へのトナーの補給が可能になる。
<3> トナーの平均雪崩角が、35°〜60°である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<4> トナーの平均雪崩角が、35°〜50°である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<5> トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、5,000以上35,000以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<6> トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、8,000以上18,000以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<7> トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、14,000以上18,000以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<8> トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソクスレー抽出法による抽出の不溶分のうち樹脂成分が、前記トナーに対し0.5質量%以上20質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<9> トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソクスレー抽出法による抽出の不溶分のうち樹脂成分が、前記トナーに対し0.5質量%以上5質量%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<10> トナーの結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂を含む前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<11> 突出部が、板状の部材であって、
前記板状の部材の平らな側面が、湾曲部と、挿入されたトナー搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている<1>から<10>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<12> 汲み上げ部を2つ有し、
トナー収容容器がトナー搬送装置に装着された際、前記2つの汲み上げ部がそれぞれに有する湾曲部と、挿入された搬送管のトナー受入口との間のそれぞれに、突出部が存在する前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<13> 汲み上げ部と、突出部とが、容器本体に固定されている又は一体的に形成されており、
前記容器本体が回転することで、前記汲み上げ部が、トナーを下方から上方に持ち上げる前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<14> 容器開口部を閉鎖する閉鎖位置と、開放する開放位置との間で移動可能なシャッタ部材を有し、
前記シャッタ部材が、搬送管に押圧されることで前記閉鎖位置から前記開放位置へと移動するとともに、
前記突出部が、前記シャッタ部材の移動領域に沿って設けられている前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナー収容容器である。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナー収容容器が画像形成装置本体に着脱可能に設置されたことを特徴とする画像形成装置である。
33 容器本体
33a 容器開口部
50 現像装置
60(Y,M,C,K) トナー補給装置
70 トナー収容容器収納部
302 螺旋状突起
303 把手部
304 汲み上げ部
304f 汲み上げ壁面
304h 凸部
304i 湾曲部
330 ノズル受入部材
331 ノズル受入口
332 容器シャッタ
332a シャッタ抜け防止爪
332c 先端円筒部
332d 滑動部
332e ガイドロッド
332f 片持ち梁
332g ガイドロッド摺動部
332h 容器シャッタの端面
332i 円筒部
333 容器シール
333a 管挿入口の内面
335 シャッタ後端支持部
335a シャッタ側面支持部
335b シャッタ支持開口部
335d 後端開口部
336 容器シャッタバネ
340 容器シャッタ支持部材
342 当接部
350 シール部材
610 ノズル開口
611 搬送ノズル
611a 搬送ノズルの端面
614 搬送スクリュ
Claims (15)
- トナー搬送装置に装着可能であり、前記トナー搬送装置に供給するトナーが収容された容器本体と、
前記容器本体の内部に配置され、前記トナーを前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、
前記容器開口部に配置され、前記トナー搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、
前記搬送部によって搬送された前記トナーを前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管のトナー受入口に向けて移動させる汲み上げ部と、を備えるトナー収容容器において、
前記トナーの平均雪崩角が、27°〜60°であり、
前記容器本体が、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有し、
前記汲み上げ部が、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって伸びる汲み上げ壁面と前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部とを有し、
前記突出部が、前記トナー収容容器が前記トナー搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている、
ことを特徴とするトナー収容容器。 - トナー搬送装置に装着可能であり、前記トナー搬送装置に供給するトナーが収容された容器本体と、
前記容器本体の内部に配置され、前記トナーを前記容器本体における長手方向の一端側から容器開口部が設けられた他端側に搬送する搬送部と、
前記容器開口部に配置され、前記トナー搬送装置に固定された搬送管を受け入れ可能な管受入口と、
前記搬送部によって搬送された前記トナーを前記容器本体の下方から上方に持ち上げ、前記搬送管のトナー受入口に向けて移動させる汲み上げ部と、を備えるトナー収容容器において、
前記トナーの平均雪崩角が、27°〜60°であり、
前記容器本体が、前記容器開口部の容器本体内部側から、前記一端側に向かって突出している突出部を有し、
前記汲み上げ部が、前記容器本体内壁面から前記突出部に向かって隆起した隆起部を有し、
前記隆起部には前記突出部に沿うように湾曲する湾曲部が設けられており、
前記突出部が、前記トナー収容容器が前記トナー搬送装置に装着された際、前記湾曲部と挿入された前記搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている、
ことを特徴とするトナー収容容器。 - トナーの平均雪崩角が、35°〜60°である請求項1から2のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの平均雪崩角が、35°〜50°である請求項1から3のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、5,000以上35,000以下である請求項1から4のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、8,000以上18,000以下である請求項1から5のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、14,000以上18,000以下である請求項1から6のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソクスレー抽出法による抽出の不溶分のうち樹脂成分が、前記トナーに対し0.5質量%以上20質量%以下である請求項1から7のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソクスレー抽出法による抽出の不溶分のうち樹脂成分が、前記トナーに対し0.5質量%以上5質量%以下である請求項1から8のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1から9のいずれかに記載のトナー収容容器。
- 突出部が、板状の部材であって、
前記板状の部材の平らな側面が、湾曲部と、挿入されたトナー搬送管のトナー受入口との間に存在するように設けられている請求項1から10のいずれかに記載のトナー収容容器。 - 汲み上げ部を2つ有し、
トナー収容容器がトナー搬送装置に装着された際、前記2つの汲み上げ部がそれぞれに有する湾曲部と、挿入された搬送管のトナー受入口との間のそれぞれに、突出部が存在する請求項1から11のいずれかに記載のトナー収容容器。 - 汲み上げ部と、突出部とが、容器本体に固定されている又は一体的に形成されており、
前記容器本体が回転することで、前記汲み上げ部が、トナーを下方から上方に持ち上げる請求項1から12のいずれかに記載のトナー収容容器。 - 容器開口部を閉鎖する閉鎖位置と、開放する開放位置との間で移動可能なシャッタ部材を有し、
前記シャッタ部材が、搬送管に押圧されることで前記閉鎖位置から前記開放位置へと移動するとともに、
前記突出部が、前記シャッタ部材の移動領域に沿って設けられている請求項1から13のいずれかに記載のトナー収容容器。 - 請求項1から14のいずれかに記載のトナー収容容器が画像形成装置本体に着脱可能に設置されたことを特徴とする画像形成装置。
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