JP6443147B2 - トナー収容容器、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、本発明は、更に、低温定着性と、耐ホットオフセット性と、耐熱保存性とを良好なレベルに両立させることが可能なトナー収容容器を提供することを目的とする。
前記トナー収容容器からのトナーを受け入れる粉体受入口を有し、
前記粉体受入口が上方に向け開口している搬送管を備え、
装着されたトナー収容容器を所定回転数の範囲で回転させる画像形成装置に用いるトナー収容容器であって、
前記トナーと、
前記トナーを収容する回転可能な粉体収容部と、
前記粉体収容部の一端に設けられ、前記搬送管を該トナー収容容器の回転中心となる位置に挿入可能な開口部と、
容器内部に突出して、前記開口部側へ前記粉体収容部内のトナーを搬送する螺旋状突起と、
前記粉体収容部が回転することで前記開口部側のトナーを汲み上げて前記粉体受入口へと供給する粉体汲み上げ部を備え、
前記トナーのゆるみみかけ密度(g/cm3)は0.370〜0.510であり、
前記トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、5,000以上35,000以下であり、
前記粉体汲み上げ部は、前記粉体収容部の内壁面から回転中心軸側に向かって延びる汲み上げ面を有し、
前記汲み上げ面は、
前記回転中心軸側の内端部が前記粉体収容部の該回転中心軸方向に延びているとともに、前記内端部の縁が前記回転中心軸と略平行であり、且つ、
前記回転中心軸方向から見たときに、該回転中心軸及び該内端部の縁を通る仮想直線よりも前記粉体収容部の回転方向における上流側に向けて所定範囲の傾斜角で傾斜させてあり、
前記螺旋状突起が汲み上げ面に接続されており、当該接続される部分は汲み上げ面から周方向に伸びていることを特徴とするトナー収容容器。」により解決される。
本発明は、前記(1)の「トナー収納容器」に係るものであるが、以下の(2)〜(11)に記載の「トナー収納容器」、(12)の「画像形成装置」に係るものでもあるので、これらについても併せて詳細に説明する。
(2)「トナーのゆるみみかけ密度(g/cm3)は0.390〜0.510であることを特徴とする前記(1)に記載のトナー収容容器。」
(3)「トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、5,000以上35,000以下である前記(1)又は前記(2)に記載のトナー収容容器。」
(4)「トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、8,000以上18,000以下である前記(1)乃至前記(3)のいずれかに記載のトナー収容容器。」
(5)「トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、14,000以上18,000以下である前記(1)乃至前記(4)のいずれかに記載のトナー収容容器。」
(6)「トナーの結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂を含む前記(1)又は前記(2)に記載のトナー収容容器。」
(7)「前記汲み上げ面の傾斜角は、前記回転中心軸方向から見たときに、該回転中心軸及び前記内端部の縁を通る仮想直線よりも前記粉体収容部の回転方向における上流側に向けて25度±5度の範囲であることを特徴とする前記(1)乃至前記(6)のいずれかに記載のトナー収容容器。」
(8)「前記汲み上げ面は、前記粉体収容部が回転したときに、前記粉体受入口の上方において、前記内端部の縁が当該粉体受入口の回転方向における開口範囲内に位置することを特徴とする前記(1)乃至前記(7)のいずれかに記載のトナー収容容器。」
(9)「前記汲み上げ面における前記螺旋状突起の位置は、前記開口部に前記搬送管が挿入されたときの、前記粉体受入口の軸線方向への開口範囲内である前記(1)乃至前記(8)のいずれかに記載のトナー収容容器。」
(10)「前記汲み上げ面を形成するボトル内壁面が、最もボトル内部に位置する前記汲み上げ面の端部を頂点とした山型になっていることを特徴とする前記(1)乃至前記(9)のいずれかに記載のトナー収容容器。」
(11)「前記汲み上げ面の端部を頂点として山型になっている凸部を形成する2面の角度が略鋭角になっていることを特徴とする前記(10)に記載のトナー収容容器。」
(12)「前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の粉体収納容器と、前記トナー収容容器から搬送された粉体を用いて像担持体上に画像形成する画像形成部とを有する画像形成装置。」
以下、本発明の複数の実施形態について図面を用いて説明する。各形態において同一部材または同一機能を有する部材には、同一の符号を付し、後段の実施形態においてはその説明を省略する。以下の記載は例であり、特許請求の範囲を限定するものではない。また当業者は本発明の特許請求の範囲内で変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であるが、これらの変更・修正は当然この特許請求の範囲に含まれる。なお、図中Y、M、C、Kは(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した構成部材に付す添え字であり、適宜省略する。
本実施形態において、露光装置47には、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でも良い。
作像部46Yは、ドラム状の感光体41Yを備える。作像部46Yは、帯電手段である帯電ローラ44Y、現像手段である現像装置50Y、感光体クリーニング装置42Y、除電装置等を感光体41Yの周囲に配設した構成である。そして、感光体41Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われることで、感光体41Y上にイエローのトナー像が形成される。
上述した二次転写ニップに搬送される記録媒体Pは、プリンタ部100の下方に配設された給紙部200に設けられた給紙トレイ26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。詳しくは、給紙トレイ26には記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図2中、反時計回り方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28の二つのローラによって形成されるローラニップに向けて搬送される。
挿入口形成部71は、各トナー収容容器32(Y、M、C、K)の装着動作時における挿入口71aが形成された部分である。トナー収容容器収納部70の挿入口形成部71は、複写機500の手前側(図2の紙面垂直方向手前側)に設置された図示しない本体カバーを開放すると露呈される。そして、各トナー収容容器32(Y、M、C、K)の長手方向を水平方向とした状態で、複写機500の手前側から各トナー収容容器32の着脱操作(トナー収容容器32(Y、M、C、K)の長手方向を着脱方向とする着脱操作)を行う。
容器受部72は、容器32の長手方向に沿って、挿入口形成部71から容器カバー受入部73まで続く、容器載置部としての溝部が形成されている。各色のトナー収容容器32(Y,M,C,K)は、この溝部上で長手方向(装着方向Q,離脱方向Q1)に滑り移動可能に構成されている。容器受部72は、その長手方向の長さが、各色のトナー収容トナー収容容器本体33(Y、M、C、K)の長手方向の長さとほぼ同等になるように形成されている。
4つのトナー収容容器32(Y、M、C、K)は、それぞれ容器受部72上で滑り移動可能とされている。このため、各トナー収容容器(Y、M、C、K)の装着動作にともない、容器先端側カバー34(Y、M、C、K)は、挿入口形成部71を通過した後に、しばらく容器受部72上を滑動して、その後に容器カバー受入部73に装着される。
搬送ノズル611内には、それぞれ搬送スクリュ614が配置されている。各搬送スクリュ614は、駆動部(容器回転駆動部)91から搬送スクリュギア605に回転駆動が入力されることで回転し、搬送ノズル611内に供給されたトナーをそれぞれ搬送する。搬送ノズル611の搬送方向下流端は、トナー落下搬送経路64にそれぞれ接続されている。各搬送スクリュ614によって搬送されたトナーは、トナー落下搬送経路64を自重落下して現像装置50(第二現像剤収容部54)内にそれぞれ補給される。
一方、トナー収容容器32(トナー収容トナー収容容器本体)の先端面の中央には、装着時に搬送ノズル611が挿入される管挿入口としてのノズル受入口331が形成されており、非装着時にノズル受入口331を閉鎖する開閉部材としての容器シャッタ332を備える。
本実施形態におけるトナー収容容器32は、画像形成用のトナーが収容されたトナー収容容器32が装着され、トナーが搬送される搬送管としての搬送ノズル611と、搬送ノズルに設けられた粉体受入口としてのノズル開口610を開閉する粉体受入口開閉部材としてのノズルシャッタ612と、ノズルシャッタ612がノズル開口610を閉鎖するように付勢する付勢部材としてのノズルシャッタバネ613と、駆動力をトナー収容容器32内の搬送手段に伝達する本体側歯車としての容器駆動ギア601と、搬送ノズル611と同軸線上であって搬送ノズル611の周囲に配設されたトナー収容容器32を受け入れる容器受入部としての容器セット部615とを備えた複写機500に装着可能なトナー収容容器である。
ノズル受入部材330は、図11に示すように、支持部材としての容器シャッタ支持部材340と、容器シャッタ332と、封止部材としての容器シール333と、付勢手段としての容器シャッタバネ336と、受入部材固定部337とから構成されている。容器シャッタ支持部材340は、シャッタ後端支持部335、側面部としてのシャッタ側面支持部335a、側面開口部としてのシャッタ支持開口335b及び受入部材固定部337からなり、容器シャッタバネ336はコイルスプリングからなる。容器シャッタ支持部材340に設けられたシャッタ側面支持部335aとシャッタ支持開口335bとはトナー収容容器回転方向において互いに隣り合って配置され、二つの互いに対向するシャッタ側面支持部335aが円筒形状の一部を形成し、シャッタ支持開口335bの部分(ニ箇所)で円筒形状を大きく切り取った形状となっている。このような形状により、円筒形状の内側に形成される円柱状の空間内を容器シャッタ332が長手方向に移動するようにガイドすることができる。
を搬送され、トナー落下搬送経路64から現像装置50へと落下して供給される。
但し、この評価結果は、比較し易くするため、一種類のトナー収容容器及び一種類のトナーについて、その汲み上げ面3040の傾斜角θを変化させた場合の影響を定量的に示すためのもの(数値)をであって、本発明で対象とする他の形状及びサイズのトナー収容容器、及び、他の種類のトナーを用いたときにこの数値結果と同じ数値になることを云うものでは無論ない。
評価の仕方は、評価用の画像形成装置である複写機500に、汲み上げ面の傾斜角θを変更した複数の評価モデル、として作製(試作)したトナーボトルをそれぞれ装着し、トナー収容トナー収容容器本体33を一定速度で一定時間回転させた後の容器内のトナー残量を計測した。
トナー残量gは、トナー収容トナー収容容器本体33内に残留しているトナーTの量を示す。
評価は、トナー残量が少ない領域のトナー排出量[g]が高いほど優位としている。図15(a)に示すように、低回転数(95rpm)では傾斜角θが15°と30°がほぼ同等で排出量のピークとなっている。これに対し、傾斜角θが0°では極端に排出量が劣位で、傾斜角θが45°まで傾きを増やすと排出量の落ち込みが見られる。これに対し、図15(b)に示すように、高回転数(120rpm)では傾斜角θが15°がピークで、次いで傾斜角θが30°と45°がほぼ同等で次点、傾斜角θが0°は最も劣位であることがわかる。実機のボトル回転数の狙い値が上記2条件の間にあるため、最適な傾斜角θは15°〜30°の範囲であることがわかる。
粉体であり、現像剤であるトナーをトナー収容トナー収容容器本体33内に封入されたトナーボトル32は、長期間同じ姿勢で置くとトナーが固まることがある。このため、使用前に、上下ないしは左右に振ってトナーを解す予備動作が必要となる場合がある。また、トナーボトル32の保管は、通常、トナー補給装置60(複写機500)への装着状態と同様に水平に置いて保管することを推奨している。しかし、保管スペースの関係からトナーボトル32を、容器開口部33aを下方にして立てた状態で保管することもある。
そこで、本実施形態では、凹面状に容器内部にせり出しているトナー収容トナー収容容器本体33の内壁33c´の形状を凸形状に変更して、すなわち、粉体汲み上げ部の形状を変更して、上述の凸形状で力を集中させること及び容器内でのトナーの逃げ場を多くすることで、トナーの逃げ場が制約されない構成とした。
本実施形態において、各粉体汲み上げ部304Eは、トナー収容容器本体33の内壁面33cから回転中心軸O側に向かって延びる汲み上げ面3040Eをそれぞれ有している(但し、汲み上げ面3040Eの延長線は回転中心軸Oを通過しない)。
これら汲み上げ面3040Eは、回転中心軸O側の内端部3040Eaがトナー収容容器本体33の回転中心軸方向に沿った方向に延びている。具体的には、内端部3040Eaにおける最も回転中心軸O側に形成された縁(ヘリ、辺部)3042Eが、回転中心軸Oと略行に延びており、トナー収容容器本体33の内壁面の回転中心軸O側に隆起している部分33c´と汲み上げ面3040Eとの間で回転中心軸Oに沿った稜線を形成している。さらに汲み上げ面3040Eは、図20に示すように、回転中心軸方向から見たときに、回転中心軸O及び内端部の縁(辺部)3042Eを通る仮想直線Xよりもトナー収容容器本体33の回転方向Aにおける上流側に向けて所定角度角範囲で傾斜させて形成されている。本実施形態においても、各傾斜角θの所定範囲は25度±5度(25°±5°)としている。
そして、汲み上げ面3040Eにおける、この螺旋状突起の端部(終端部分)304a1よりも回転中心軸方向でトナー収容容器32の開口部33a側は、トナー収容容器32を画像形成装置(トナー補給装置)に装着した際に、ノズル開口610に対向可能な位置になるように構成されている。
また、螺旋状突起の端部304a1は、ノズル開口610が延在する方向(搬送ノズル611の軸線方向)に対して略垂直でもあるため、トナーの流し込みの邪魔にならないという利点も有る。
無論、本実施形態においても、各内端部の縁(辺部)3042Eは、トナー補給装置60に装着されてトナー収容容器本体33が回転方向Aに回転して、図20に示す位置へと回転するときに、ノズル開口610の上方において、搬送ノズル611の断面範囲W1内、好ましくは、ノズル開口610の開口範囲W2内に位置するように形成されている。
このようにトナー収容容器本体33が回転方向Aに回転すると、汲み上げ面3040Eによって汲み上げられたトナーTがノズル開口610の上部から搬送ノズル611内に供給することができる。
さらに、螺旋状突起が汲み上げ面に接続されており、当該接続される部分は汲み上げ面から周方向に伸びている。これにより、螺旋状突起の端部304a1と汲み上げ面3040Eとトナー収容容器32の内壁面33cとで囲まれる空間を、トナーをより多く保持できる保持部として機能させることができる。
本発明の容器は上記の構成によってトナーを効率よく、大量に汲み上げ、搬送管の粉体受入口に流しこむことが可能になっている。
(1)汲み上げ面によって大量のトナーが保持されたまま(汲み上げ面からこぼれ落ちずに)、汲み上げられる。
(2)大量のトナーが固まり状で一気に粉体受入口に落下する。
(3)粉体受入口をトナーの一部が覆うようになった状態で、トナーが崩れずに残る
(4)これにより、粉体受入口がふさがれてしまい、トナーの排出ができなくなる。
すなわち、粉体受入口に落下したトナーが搬送管内のスクリュによって搬送される際に、スクリュ下流側で、搬送管から排出されずに(落下せずに)スクリュに付着しているままになる。
一度この状態が発生すると、スクリュの力によってスクリュ上流側から搬送されるトナーに下流側のトナーが押圧され、トナーが押し固められてしまい、下流側からトナーが詰まっていってしまい、トナーの排出が不可能になってしまう。
本発明者は上記の課題に対してトナーの流動性指標のひとつである移送性に着目して検討した結果、以下の知見を得ることができた。
本発明のトナーは結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、外添剤とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
次に、本発明のトナー収容容器に収容されているトナーについて説明する。
前記トナーのゆるみ見かけ密度は、0.350〜0.510(g/cm3)であり、0.370〜0.510(g/cm3)がより好ましい。
前記トナーのゆるみ見かけ密度が、0.350(g/cm3)未満を超えると、上述したようなトナー収容機の粉体受入口がふさがれてしまい、トナーの排出ができなくなるという不具合、および、粉体受入口に落下したトナーが搬送管内のスクリュによって搬送される際に、スクリュ下流側で、搬送管から排出されずに(落下せずに)スクリュに付着し、トナーが押し固められてしまい、下流側からトナーが詰まっていってしまうという不具合が発生する。
前記トナーのゆるみ見かけ密度は、0.350〜0.510(g/cm3)トナーの排出が不可能になってしまうという不具合の発生を防止できる。また、トナー収容器に多量のトナーが残ったままトナーが排出されなくなりトナー収容機の交換が必要となることも防止できる。
また、ゆるみ見かけ密度が、0.350〜0.510(g/cm3)を超えてしまうと、トナー間の平均的な付着力が低下し、フラッシング現象なども起こりやすくなるため、トナー集容器内でのトナーくみ上げ量が安定せず、トナーを過剰量補給する場合があり現像機内でのトナー飛散が生じる場合がある。
前記トナーの流動性の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー母体粒子の形状、外添剤の種類、トナーにおける外添剤の含有量、及びトナー母体粒子への外添剤の添加条件により調整することができる。
本明細書において、トナーの「ゆるみ見かけ密度」とは、以下の方法によって求められる指標である。
ゆるみ見かけ密度(AD)の測定方法は以下の通りに行う。
(I)測定試料(紛体)を、天秤で、「7.50g」秤量する。
(II)上記試料を、漏斗等を使い、50ml共栓メスシリンダーに入れる。
(III)テープで栓を固定して、メスシリンダーの真中を持ち、上下に「20回」振る。
(IV)振動を与えないように、上記メスシリンダーを実験台に置き、「5分間」静置する。
(V)メスシリンダーの「前面の左右および後ろの計3点」の目盛りを読み取り、その
数値(嵩)[ml]を控え、平均値を計算する。
(VI)ゆるみ見かけ密度は、上記(I)の仕込み量[g]と、上記(V)の嵩(体積)[ml]
(3点の平均値)から、求められる。
ゆるみ見かけ密度(AD)[g/ml]=(メスシリンダーへの投入量(仕込み量))/ (メスシリンダーの3点の目盛りの平均値)
また、本発明で使用するトナーは、テトラヒドロフラン(THF)に対する不溶分中の樹脂成分がトナーに対し0.5質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
不溶分の主成分は樹脂であり、その他顔料などが含まれる場合もある。不溶の樹脂は特に限定はされないが、分子量が非常に大きくTHFに対する溶解性が乏しかったり、架橋した構造だったりする場合が多い。架橋については、例えば共有結合などの化学結合を通じた化学的架橋以外に、水素結合や金属を介した配位結合、イオン結合、疎水相互作用などを通じた物理的架橋が考えられる。不溶分が全くないもしくは少なすぎる場合は、定着時のトナーの粘度が低すぎるので、ホットオフセットを起こす。一方、高すぎると、定着時のトナーの粘度が高すぎるのでコールドオフセットを起こしやすく、低温定着が困難になる。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量Mwの測定は以下のように行う。
トナー0.3gを秤量し、あらかじめ重量を秤量(g)した円筒濾紙(「No.86R」;東洋濾紙製)に入れてソクスレー抽出器にかける。ヒーター温度を85℃にセットし、抽出溶媒としてソクスレー用丸底フラスコにテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)200mLを用いて、7時間にわたって全還流抽出(ソクスレー抽出)を行った後、ロータリーエバポレーターでTHFを留去せしめて、抽出物を得る。抽出物をTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15質量%で溶解後、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μL注入して測定する。
本発明における不溶分の樹脂成分の算出方法は、次の通りである。
トナーを電気炉内に設置し、窒素ガスを供給して窒素ガスで置換した状態下で、樹脂や離型剤が分解するが、着色剤、磁性材料、外添剤が分解しない温度で処理する。重量減少を確認し、重量減少が止まった段階で樹脂成分以外の不溶分を秤量する。
樹脂成分以外の不溶分の質量の測定方法としては、着色剤、磁性材料、外添剤のそれぞれの材料の化学構造を特定し、着色剤、磁性材料、外添剤のそれぞれの材料に含まれる元素であって、他の成分には含まれない元素に着目し、当該材料の質量を変更した場合の蛍光X線のエネルギー強度の変化から得られる検量線を用いて質量を算出することもできる。
ソックスレー抽出後の円筒濾紙を風乾後、さらに減圧乾燥した上で、濾紙上の不溶分と濾紙の質量の総和(g)を秤量する。それからあらかじめ秤量した樹脂成分以外の不溶分と濾紙質量(g)を引くことで不溶分中の樹脂成分の質量を求めることができる。不溶分中の樹脂成分の質量をトナー仕込み量0.3gで割り100をかけることで、トナー質量に対する不溶分中の樹脂成分の割合を質量パーセントで算出する。
測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35mL/min
試料:上述のソクスレー抽出物の乾燥固体、ないしは標準サンプルをTHFに溶解させ0.15質量パーセント濃度の試料を作成し、0.1mL注入する。
検量線:試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580をTHFに溶解させ、0.15質量パーセント濃度の溶液を作成し、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いて作成する。
検出されたピークのうち、最も大きいものをメインピークとする。複数ピークが検出された場合は、図24に示したようにピークのすその下端で垂直分割し、メインピークについて解析を行い、Mwを算出する。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物粒子(例えば、チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア微粒子、疎水化されたチタニア微粒子が好ましい。
前記外添剤の形状、粒径により、トナーの流動性を制御することができる。
例えば、粒径に関していえば、通常、粒径の小さい外添剤よりも粒径の大きな外添剤の方が混合したときにトナー母体粒子に固定化されやすいので、トナーとしての流動性は小さくなる。逆に粒径の小さい外添剤はトナー母体粒子に固定化されず流動しやすいので、トナー自体の流動性もよくなる。
また、形状に関していえば、真円に近いほど流動しやすく、トナーの流動性もよくなる。外添剤に用いる酸化チタンは針状だが、シリカは球状及び異型化形状のものが知られている。このうち、球状シリカがもっとも流動しやすく、トナーの流動性も良くなり、小粒径シリカを用いると特に流動性を良くすることができる。
一方、前記外添剤による前記トナー母体粒子の被覆の割合を増やしすぎると、表面が無機物で覆われる面積が増えすぎるので定着しにくくなる。逆に、前記外添剤の被覆の割合を減らしすぎると、トナーの流動性がなくなってトナーの補給ができなくなったり、トナー同士が凝集して異常画像が発生しやすくなったりすることがある。
前記トナー母体粒子は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有し、更に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤などを含有する。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温定着性に優れ、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可撓性を有する点で、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂と上記他の結着樹脂とを組み合わせた樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記ポリエステル樹脂としては、ポリエステルの側鎖に各種反応性官能基を導入した変性ポリエステル樹脂でもよいし、導入していない未変性ポリエステル樹脂でもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂であってもよいし、非結晶性ポリエステル樹脂であってもよい。
前記結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂とは、主鎖が規則的に配向する結晶構造をとっている割合が特に高く、融点近傍で樹脂の粘度が大きく変化するポリエステル樹脂のことを指す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、例として、アルコール成分として、炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物(特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、及びこれらの誘導体)と、少なくとも酸成分酸性分として、二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸、若しくは、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸(特にフマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,−8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸、及びこれらの誘導体)を用いて合成される結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
また、前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)に対する不溶分中の樹脂成分に関しては、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。前記不溶分中の樹脂成分が、少ないと熱がかかったときに軟らかくなりやすくなるので定着性には有利だが、耐熱性には不利になる。また、前記不溶分中の樹脂成分が、0.5質量%未満であると、定着時にトナーが融解したときの粘度が低すぎてホットオフセットが置き易く十分な定着幅の確保が難しい。一方、前記不溶分中の樹脂成分が多いとホットオフセットが起きにくく定着の確保が容易だったり、耐熱性も向上したりするが、定着下限温度が上昇する。前記不溶分中の樹脂成分が、20質量%を超えると、そもそもトナーが溶融しても定着が起きるまでの粘度にするためには温度が必要なので、低温定着が困難になる。
一方、溶解懸濁法においては、トナー組成物を溶剤に溶解又は分散液を水系媒体中に乳化/分散し、得られた乳化/分散液から溶剤を除去した後にプレポリマーを加熱架橋反応させる(例えば、撹拌下で45℃、10時間)方法がある。熟成の温度、時間を変えることにより反応を制御することができる。この場合は、架橋反応後のプレポリマーは高分子量化が進みソクスレー抽出できない不溶分になるが、この架橋反応が十分に進行しない場合ソクスレーで抽出可能な成分となり、見かけの抽出された抽出成分は分子量が大きい傾向を示すこととなることと推測される。このように架橋反応が進まない場合は、定着時のトナーの溶融粘度が下がりすぎホットオフセットが起こる。
また、不溶分に関しては主成分が架橋反応後のプレポリマーであるので、結着樹脂中のプレポリマーの量を増やしたり減らしたりすることで、不溶分を増やしたり減らしたり制御することが可能である。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。これらの中でも、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有することが好ましい。
前記黒色顔料は、例えば、ブラックトナーに用いられる。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト、ニグロシン染料、鉄黒などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、例えば、イエロートナーに用いられる。前記イエロー顔料としては、例えば、シイ・アイ・ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow)74、93、97、109、128、151、154、155、166、168、180、185、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエローなどが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、例えば、マゼンタトナーに用いられる。前記マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、シイ・アイ・ピグメントレッド(C.I.Pigment Red)48:2、57:1、58:2、5、31、146、147、150、176、184、269等のモノアゾ顔料などが挙げられる。また、前記モノアゾ顔料に前記キナクリドン系顔料を併用してもよい。
前記シアン顔料は、例えば、シアントナーに用いられる。前記シアン顔料としては、例えば、Cu−フタロシアニン顔料、Zn−フタロシアニン顔料、Al−フタロシアニン顔料などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロウ類、ワックス類などが挙げられる。
前記ロウ類及び前記ワックス類としては、例えば、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックスなどが挙げられる。前記植物系ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックスなどが挙げられる。前記動物系ワックスとしては、例えば、ミツロウ、ラノリンなどが挙げられる。前記鉱物系ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシンなどが挙げられる。前記石油ワックスとしては、例えば、パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどが挙げられる。
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
前記帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕法、ケミカル工法などが挙げられる。これらの方法を用いることで、トナー母体粒子を得ることができる。
前記ケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、シード重合法、溶解懸濁法、溶解懸濁重合法、転相乳化法、これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。
前記溶解懸濁法は、樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散乃至乳化させる方法である。
前記溶解懸濁重合法は、前記溶解懸濁法において、活性水素基と反応可能な官能基を有する結着樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)を含む油相組成物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中に乳化乃至分散させ、該水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、前記反応性基含有プレポリマーとを反応させる方法である。
前記転相乳化法は、樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる方法である。
以下に、これらの製法についての詳細に説明する。
前記粉砕法は、例えば、少なくとも着色剤、結着樹脂、離型剤を有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナー母体粒子を製造する方法である。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
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前記溶解懸濁法は、例えば、少なくとも結着樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤、及び離型剤を含有してなるトナー組成物を有機溶媒中に溶解乃至分散させた油相組成物を、水系媒体中で分散乃至乳化させることにより、トナー母体粒子を製造する方法である。
前記溶解懸濁重合法においては、前記溶解懸濁法において、少なくとも結着樹脂、反応性基含有結着樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)、着色剤、及び離型剤を含む油相組成物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中に分散乃至乳化させ、トナー母体粒子を造粒して得ることが好ましい。
なお、前記反応性基含有結着樹脂前駆体としては、活性水素基と反応可能な官能基を有する反応性基含有プレポリマーが知られており、これを用いる製造においては、乳化造粒した母体粒子中で前記油相組成物中及び/又は水系媒体中に含まれる活性水素基含有化合物とプレポリマーを反応させる方法が好ましい。
前記樹脂微粒子の体積平均粒径は、10nm〜300nmが好ましく、30nm〜120nmがより好ましい。前記樹脂微粒子の体積平均粒径が、10nm未満である場合、及び300nmを超える場合、トナーの粒度分布が悪化することがある。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(株式会社奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
本明細書において、トナーの「ゆるみ見かけ密度」とは、以下の方法によって求められる指標である。
ゆるみ見かけ密度(AD)の測定方法は以下の通りに行う。
(I)測定試料(紛体)を、天秤で、「7.50g」秤量する。
(II)上記試料を、漏斗等を使い、50ml共栓メスシリンダーに入れる。
(III)テープで栓を固定して、メスシリンダーの真中を持ち、上下に「20回」振る。
(IV)振動を与えないように、上記メスシリンダーを実験台に置き、「5分間」静置する。
(V)メスシリンダーの「前面の左右および後ろの計3点」の目盛りを読み取り、その
数値(嵩)[ml]を控え、平均値を計算する。
(VI)ゆるみ見かけ密度は、上記(I)の仕込み量[g]と、上記(V)の嵩(体積)[ml]
(3点の平均値)から、求められる。
ゆるみ見かけ密度(AD)[g/ml]=(メスシリンダーへの投入量(仕込み量))/ (メスシリンダーの3点の目盛りの平均値)
トナー0.3gを秤量し、あらかじめ重量を秤量(g)した円筒濾紙(「No.86R」;東洋濾紙製)に入れてソクスレー抽出器にかけた。ヒーター温度を85℃にセットし、抽出溶媒としてソクスレー用丸底フラスコにテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)200mLを用いて、7時間にわたって全還流抽出(ソクスレー抽出)を行った後、ロータリーエバポレーターでTHFを留去せしめて、抽出物を得た。抽出物をTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15質量%で溶解後、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を100μL注入して測定した。
トナーを電気炉内に設置し、窒素ガスを供給して窒素ガスで置換した状態下で、樹脂や離型剤が分解するが、着色剤、磁性材料、外添剤が分解しない温度で処理した。重量減少を確認し、重量減少が止まった段階で樹脂成分以外の不溶分を秤量した。
ソックスレー抽出後の円筒濾紙を風乾後、さらに減圧乾燥した上で、濾紙上の不溶分と濾紙の質量の総和(g)を秤量した。それからあらかじめ秤量した樹脂成分以外の不溶分と濾紙質量(g)を引くことで不溶分中の樹脂成分の質量を求めた。不溶分中の樹脂成分の質量をトナー仕込み量0.3gで割り100をかけることで、トナー質量に対する不溶分中の樹脂成分の割合を質量パーセントで算出した。結果は表1に示した。
測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35mL/min
試料:上述のソクスレー抽出物の乾燥固体、ないしは標準サンプルをTHFに溶解させ0.15質量パーセント濃度の試料を作成し、0.1mL注入した。
検量線:試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580をTHFに溶解させ、0.15質量パーセント濃度の溶液を作成し、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いて作成した。
検出されたピークのうち、最も大きいものをメインピークとした。複数ピークが検出された場合は、図24に示したようにピークのすその下端で垂直分割し、メインピークについて解析を行い、Mwを算出した。
−結着樹脂生成工程−
結着樹脂として、ポリエステル(1)を用い、以下のようにしてトナー母体粒子を製造した。
−−ポリエステルの合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールエチレンオキサイド2モル付加物70質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド2モル付加物568質量部、テレフタル酸44質量部、及びイソフタル酸211質量部を投入し、常圧窒素気流下にて、210℃で13時間縮合反応した。更に0mmHg〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(1)を得た。ポリエステル(1)の重量平均分子量Mwは5,700であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、プレピレングリコール650質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物90質量部、テレフタル酸290質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、7時間反応させて、中間体ポリエステル(1)を合成した。
得られた中間体ポリエステル(1)は、数平均分子量(Mn)が5,900、重量平均分子量(Mw)が22,500、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が22mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル(1)410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、ポリエステルプレポリマー(1)(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたポリエステルプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール154部(1.30mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ15,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂1]は、Mw14,000、融点66℃であった。
<溶解懸濁重合法>
−離型剤分散液1の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(HNP−9、日本精蝋株式会社製、融点75℃)50部、[グラフト重合体]30部、及び酢酸エチル420部を入れ、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液1]を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100部、及び酢酸エチル400部を入れ、撹拌下75℃で加熱溶解させた後、1時間で10℃以下まで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填の条件で、5時間分散を行い[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
・非結晶性ポリエステル樹脂1 100部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ1]を作製した。
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[非結晶性ポリエステル樹脂1]93部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]68部、[離型剤分散液1]75部、[マスターバッチ1]18部、及び酢酸エチル19部を入れて、撹拌機にてプレ分散させた後、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相1]を得た。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業株式会社製)10部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で20分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は60nmであり、樹脂分の重量平均分子量は140,000、Tgは73℃であった。
水990部、[樹脂微粒子の水分散液]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相1]を得た。
前記[油相1]273部に[ポリエステルプレポリマー1]の50%酢酸エチル溶液45部、及びイソホロンジアミンの50%酢酸エチル溶液3部を添加し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相1’]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に[水相1]400部を入れ、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相1’]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で10時間熟成を行い、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ1を得た。
得られた濾過ケーキ1を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子1を作製した。トナー母体粒子1の粒径を測定したところ、体積平均粒径(Dv)は5.5μmであった。
製造例1において、脱溶剤後の熟成の時間を10時間から5時間に変えた以外は、製造例1と同様にして製造例2のトナー母体粒子2を得た。
製造例1において、脱溶剤後の熟成の時間を10時間から15時間に変えた以外は、製造例1と同様にして製造例3のトナー母体粒子3を製造した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、プレピレングリコール682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて5時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、中間体ポリエステル(2)を合成した。
得られた中間体ポリエステル(2)は、数平均分子量(Mn)が2,900、重量平均分子量(Mw)が11,500、ガラス転移温度(Tg)が45℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が32mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル(2)410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(2)(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.46質量%であった。
製造例1の乳化・分散工程においてプレポリマー(1)をプレポリマー(2)に変えた以外は、製造例1と同様にして製造例4のトナー母体粒子4を得た。
製造例1において、脱溶剤後の熟成の時間を10時間から0時間(熟成工程無し)に変えた以外は、製造例1と同様にして製造例5のトナー母体粒子5を得た。
製造例1の乳化・分散工程において、前記プレポリマー(1)を使用しないこと以外は、製造例1と同様にして製造例6のトナー母体粒子6を得た。
製造例1の乳化・分散工程において、前記プレポリマー(1)を20質量部使用すること以外は、製造例1と同様にして製造例7のトナー母体粒子7を得た。
製造例1の乳化・分散工程において、前記プレポリマー(1)を75質量部使用すること以外は、製造例1と同様にして製造例8のトナー母体粒子8を得た。
製造例1の乳化・分散工程において、前記プレポリマー(1)を90質量部使用すること以外は、製造例1と同様にして製造例9のトナー母体粒子9を得た。
製造例1の乳化・分散工程において、ポリエステル(1)の代わりに前記非結晶性ポリエステル樹脂3を使用した以外は、製造例1と同様にして製造例10のトナー母体粒子10を得た。
[非結晶性ポリエステル樹脂2]27部、[非結晶性ポリエステル樹脂3]54部、[結晶性ポリエステル樹脂1]8部、パラフィンワックス(HNP−9、日本精蝋株式会社製、融点75℃)6部、及び[マスターバッチ2]12部を、へンシェルミキサー(ヘンシェル20B、日本コークス工業株式会社製)を用いて1,500rpmで3分間予備混合した後、一軸混練機(小型ブス・コ・ニーダー、Buss社製)にて、設定温度(入口部90℃)、出口部(60℃)、フィード量(10kg/hr)の条件で溶融、混練した。得られた混練物を圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)にて粗粉砕した。次いで、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力(6.0atm/cm2)、フィード量(0.5kg/hr)の条件にて微粉砕を行い、更に分級機(アルピネ社製、132MP)により分級を行って、製造例11のトナー母体粒子11を得た。トナー母体粒子11の粒径を測定したところ、体積平均粒径(Dv)は7.0μmであった。
製造例11において、[非結晶性ポリエステル樹脂2]を27部から57部に、[非結晶性ポリエステル樹脂3]を54部から24部に変更した以外は、製造例11と同様にして、トナー母体粒子12を得た。
サンプルとして、製造したトナー0.3gを秤量し、円筒濾紙(「No.86R」;東洋濾紙製)に入れてソクスレー抽出器にかけた。ヒーター温度を85℃にセットし、抽出溶媒としてソクスレー用丸底フラスコにテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)200mLを用いて、7時間にわたって全還流抽出(ソクスレー抽出)を行った後、ロータリーエバポレーターでTHFを留去せしめて、抽出物を得た。抽出物をTHFに溶解した溶液をポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過した後、GPCによって分子量の測定を行った。
<トナー1〜72の作製>
得られた[トナー母体粒子1]〜[トナー母体粒子12]100部に対して、表1に従って、所定の外添剤を所定量添加した。混合にはヘンシェルミキサーを用い、混合後は、目開き500メッシュの篩を通過させ、トナー1〜トナー72を得た。
更にキャリアと混合してトナー濃度10質量%の二成分現像剤を作成し、得られた各現像剤を用いて、下記に示した評価内容で、定着性(オフセット未発生上限温度及び定着下限温度)、耐熱保存性(針入度)を評価した。
図9に示すトナー収容容器(容器開口部の断面は、図20に示す断面)を用いた。トナー収容容器本体内には、トナー製造例で製造したトナーを充填した。
図10に示すトナー収容容器は、汲み上げ部がトナー収容容器本体と一体的に形成されており、突出部がトナー収容容器本体に固定されており、トナー収容容器本体が回転することで、前記汲み上げ部が、トナーを下方から上方に持ち上げる。
下記の方法により評価した実施例1〜50、比較例1〜22の評価結果を表1に示す。
上記のトナー収容容器について、以下の評価方法で評価を行った。
その際のトナー収容容器本体からのトナーの排出性を以下の評価基準で評価した。結果を表1に示した。
トナーを、図1〜図15にて詳細に説明したトナー収容容器に120g充填した(なお、トナー収容容器の容量は、1,200mL)。トナー収容容器を振ってトナーを十分に攪拌した。トナー収容容器を本実施例に記載の搬送ノズルを備えた補給装置に装着した(図9参照)。トナー収容容器を回転、及び補給装置を動作させて補給装置から排出されるトナーの量を計測した。
条件:トナー収容容器回転数:110rpm
補給装置の搬送ノズル内の搬送スクリュピッチ:12.5mm
搬送スクリュ外径:10mm
搬送スクリュ軸径:4mm
搬送スクリュ回転数:460rpm
くみ上げ面の傾斜角 25°
(ボトル排出性)
○:収容容器内トナー残量が70gとなってもトナーが排出されるもの。
×:収容容器内トナー残量が70gとなる前にトナー排出がなされなくなるもの。
本実験においてはトナーの未使用時充填量(製品出荷時の充填量)は200g以上と想定して、排出性を検証するために上記のようにトナー残量70gを評価基準とした。
○を合格とし×を不合格とした。
上記のトナー収容容器について、上記排出性の評価方法と同じ評価方法で評価を行った。
その際のトナー収容容器本体からのトナー補給性を以下の評価基準で評価した。結果を表1に示した。
○:良好(トナーが排出できなくなるまで駆動し続けたときに、トナー収容容器内のトナー受け入れ口にトナーによる経路閉塞が生じない)
△:許容レベル(トナーが排出できなくなるまで駆動し続けたときに、トナー収容容器内のトナー受け入れ口にトナーによる一部経路閉塞が生じる)
×:実用上使用できないレベル(トナーが排出できなくなるまで駆動し続けたときに、トナー収容容器内のトナー受け入れ口にトナーによる完全な経路閉塞が生じる)
○△を合格とし、×を不合格とした。
図25に示すベルト式定着装置110を備えた画像形成装置を用いて、定着性(オフセット未発生温度及び定着下限温度)を評価した。
ベルト式定着装置110は、加熱ローラ121と、定着ローラ122と、加圧ローラ124と、定着ベルト123とを備えている。
定着ベルト123は、内部に回転可能に配置された加熱ローラ121と定着ローラ122とによって張架され、加熱ローラ121により所定の温度に加熱されている。加熱ローラ121は、内部には加熱源125が内蔵されており、加熱ローラ121の近傍に取り付けられた温度センサ127により温度調節自在に設計されている。定着ローラ122は、定着ベルト123の内側に、かつ定着ベルト123の内面に当接しながら回転可能に配置されている。加圧ローラ124は、定着ベルト123の外側に、かつ定着ベルト123の外面に、定着ローラ122を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。
ベルト式定着装置110では、まず、定着処理すべきトナー像が形成された記録媒体(シート)Pが加熱ローラ121まで搬送される。そして、内蔵されている加熱源125の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ121及び定着ベルト123によりシートP上のトナーTが加熱されて溶融状態となる。この状態において、該シートPが定着ローラ122及び加圧ローラ124間に形成されたニップ部に挿入される。該ニップ部に挿入されたシートPは、定着ローラ122及び加圧ローラ124の回転に連動して回転する定着ベルト123の表面に当接され、加圧ローラ124の押圧力により前記ニップ部を通過する際に押圧され、トナーTがシートP上に定着される。次いで、トナーTが定着されたシートPは、定着ローラ122及び加圧ローラ124間を通過し、定着ベルト123から剥離され、ガイドGを経てトレイ(不図示)に搬送される。なお、定着ベルト123はクリーニングローラ126で清浄化される。
定着ローラ122は、直径38mm、アスカーC硬度が約30度のシリコーン発砲体製のローラである。加圧ローラ124は、直径48mmの芯金(鉄製、肉厚1mm)上にPFAチューブを被覆し、該PFA層の表面に厚さ1mmのシリコーンゴム層を被覆した直径50mm、アスカーC硬度が約75度のローラである。加熱ローラ121は、直径30mm、肉厚2mmのアルミニウム製のローラである。定着ベルト123は、ベルト直径60mm及びベルト幅310mmであり、約40μm厚みのニッケル製ベルト基体表面に厚さ約150μmのシリコーンゴム製の離型層を有するローラに張架されている。
図25に示すベルト式定着装置を備えた画像形成装置を用いてオフセット未発生温度を測定した。即ち、画像形成は、カラー複写機(「プリテール550」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6000−70W」;株式会社リコー製)に、ベタ画像を、1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像されるように調整した。得られた画像を定着ベルト(加熱ローラ)の温度を変えて図25のベルト式定着装置を用いて定着し、オフセットの発生しない定着温度(オフセット未発生温度)を測定した。
図25に示すベルト式定着装置を備えた画像形成装置を用いて、画像は、カラー複写機(「プリテール550」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)をセットし、複写テストを行った。得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。なお、定着下限温度が150℃より低いトナーが、好ましく、定着下限温度が130℃より低いトナーが、更に好ましい。
定着下限温度とオフセットオフセット未発生温度の上限の差を定着幅とした。定着幅は20℃以上が好ましく、50℃以上の場合更に好ましい。
50mLのガラス容器に各トナーを10g充填し、50℃の恒温槽に20時間放置した。このトナーを室温に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度を測定した。なお、前記針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示す。
32Y、32M、32C、32K トナー収容容器(トナー収容容器)
33 トナー収容容器本体(粉体収容部)
33a 開口部
33c 粉体収容部の内壁面
34 容器先端側カバー(容器カバー)
41 感光体(像担持体)
46Y、46M、34C、46K 作像部
50 現像装置
60 トナー補給装置(粉体補給(供給)装置)
100 プリンタ部(複写機本体)
200 給紙テーブル(給紙部)
301 容器ギア
302 螺旋状突起(搬送手段)
304、304(B〜E) 粉体汲み上げ部
304a 汲み上げ部螺旋状突起
304a1 螺旋状突起の端部(終端部分)
304a2 開口部から離れた側の端部
3040、3040(B〜E) 汲み上げ面
3040a、3040(Ba〜Ea) 汲み上げ面の内端部
3041 壁部(容器先端側壁部)
3042、3042(B〜E) 縁(ヘリ、辺部)
3043 内壁
330 ノズル受入部材(搬送管受入部材)
331 ノズル受入口(管挿入口)
332 容器シャッタ(開閉部材)
335 シャッタ後端支持部
335a シャッタ側面支持部
335b シャッタ支持開口
340 容器シャッタ支持部材
500 複写機(画像形成装置)
608 セットカバー
610 ノズル開口(粉体受入口)
611 搬送ノズル(搬送管)
615 容器セット部(容器受入部)
θ 汲み上げ面の傾斜角
θ1 突起部と汲み上げ面のなす角度
θ2 汲み上げ部の2面の角度
O 回転中心軸
h1 汲み上げ面の高さ
h2 突起の高さ
S 空間
S7 開始位置(始点)
T トナー(画像形成用の粉体)
W 粉体受入口の回転方向の開口範囲
W1 粉体受入口の軸線方向の開口範囲
X、X1 仮想直線
P 記録媒体
G 現像剤
Q 装着方向
Q1 離脱方向
(図25)
110 ベルト式定着装置
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
P シート
T トナー
G ガイド
Claims (12)
- トナーが収容されたトナー収容容器が装着可能であり、
前記トナー収容容器からのトナーを受け入れる粉体受入口を有し、
前記粉体受入口が上方に向け開口している搬送管を備え、
装着されたトナー収容容器を所定回転数の範囲で回転させる画像形成装置に用いるトナー収容容器であって、
前記トナーと、
前記トナーを収容する回転可能な粉体収容部と、
前記粉体収容部の一端に設けられ、前記搬送管を該トナー収容容器の回転中心となる位置に挿入可能な開口部と、
容器内部に突出して、前記開口部側へ前記粉体収容部内のトナーを搬送する螺旋状突起と、
前記粉体収容部が回転することで前記開口部側のトナーを汲み上げて前記粉体受入口へと供給する粉体汲み上げ部を備え、
前記トナーのゆるみみかけ密度(g/cm3)は0.370〜0.510であり、
前記トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、5,000以上35,000以下であり、
前記粉体汲み上げ部は、前記粉体収容部の内壁面から回転中心軸側に向かって延びる汲み上げ面を有し、
前記汲み上げ面は、
前記回転中心軸側の内端部が前記粉体収容部の該回転中心軸方向に延びているとともに、前記内端部の縁が前記回転中心軸と略平行であり、且つ、
前記回転中心軸方向から見たときに、該回転中心軸及び該内端部の縁を通る仮想直線よりも前記粉体収容部の回転方向における上流側に向けて所定範囲の傾斜角で傾斜させてあり、
前記螺旋状突起が汲み上げ面に接続されており、当該接続される部分は汲み上げ面から周方向に伸びていることを特徴とするトナー収容容器。 - トナーのゆるみみかけ密度(g/cm3)は0.390〜0.510であることを特徴とする請求項1に記載のトナー収容容器。
- トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、5,000以上35,000以下である請求項1又は2に記載のトナー収容容器。
- トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、8,000以上18,000以下である請求項1から3のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソクスレー抽出法により抽出される成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布における重量平均分子量Mwが、14,000以上18,000以下である請求項1から4のいずれかに記載のトナー収容容器。
- トナーの結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1又は2に記載のトナー収容容器。
- 前記汲み上げ面の傾斜角は、前記回転中心軸方向から見たときに、該回転中心軸及び前記内端部の縁を通る仮想直線よりも前記粉体収容部の回転方向における上流側に向けて25度±5度の範囲であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のトナー収容容器。
- 前記汲み上げ面は、前記粉体収容部が回転したときに、前記粉体受入口の上方において、前記内端部の縁が当該粉体受入口の回転方向における開口範囲内に位置することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のトナー収容容器。
- 前記汲み上げ面における前記螺旋状突起の位置は、前記開口部に前記搬送管が挿入されたときの、前記粉体受入口の軸線方向への開口範囲内である請求項1から8のいずれかに記載のトナー収容容器。
- 前記汲み上げ面を形成するボトル内壁面が、最もボトル内部に位置する前記汲み上げ面の端部を頂点とした山型になっていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のトナー収容容器。
- 前記汲み上げ面の端部を頂点として山型になっている凸部を形成する2面の角度が略鋭角になっていることを特徴とする請求項10に記載のトナー収容容器。
- 請求項1から11のいずれかに記載の粉体収納容器と、前記トナー収容容器から搬送された粉体を用いて像担持体上に画像形成する画像形成部とを有する画像形成装置。
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