JP5962606B2 - 固定治具、およびそれを用いた組電池の組立方法 - Google Patents
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Description
エンドプレートの上端部および下端部には、それぞれ一対の貫通孔が形成され、各貫通孔にロッドが挿通される。
ロッドの一端部には、一方のエンドプレートの表面における貫通孔の周囲に当接することにより、ロッドの挿通方向への移動を規制する頭部が形成されている。
まず、一方のエンドプレートの下端部における各貫通孔の周囲にロッドの頭部が当接するように、一方のエンドプレートの下端部における各貫通孔にロッドを挿通させた後、それらの部材をボールトランスファ等の搬送手段を備える作業台に載置する。
次に、一方のエンドプレートに取り付けた二本のロッドの上に、複数の電池モジュールを積層した状態で載置する。
そして、一方のエンドプレートの上端部における各貫通孔の周囲にロッドの頭部が当接するように、一方のエンドプレートの上端部における各貫通孔にロッドを挿通させる。
続いて、それらの部材を拘束装置に移動させ、他方のエンドプレートを、一方のエンドプレートと共に複数の電池モジュールを挟むように配置する。
最後に、前記拘束装置により、一対のエンドプレートを介して、複数の電池モジュールを積層方向に沿って押圧した状態で、各ロッドの他端部に所定の固定手段(ナット等)を取り付けて、各ロッドを一対のエンドプレートに固定する。
ロッドの位置がずれた状態で、拘束装置を作動させた場合には、ロッドおよびエンドプレートが破損する等の問題が生じる。
なお、説明の便宜上、図1における矢印の如く、組電池100の前後方向、上下方向、および左右方向を定義する。
複数の電池モジュール110・110・・・は、積層された状態で、前側エンドプレート120および後側エンドプレート130、ならびに一対の上側拘束ロッド140・140および一対の下側拘束ロッド150・150によって拘束されている。
一対の上側支持部121・121は、前側エンドプレート120の上面から上方に突出するように形成され、互いに左右方向に所定の間隔を空けて配置されている。
一対の下側支持部122・122は、前側エンドプレート120の下面から下方に突出するように形成され、互いに左右方向に所定の間隔を空けて配置されている。
貫通孔121aは、上側支持部121を前後方向に沿って貫通し、前方から見て、略正方形状に形成されている。
なお、下側支持部122は、下側拘束ロッド150を挿通するための貫通孔を有し、上側支持部121と略同様に構成されているため、その詳細な説明を省略する。
一対の上側支持部131・131は、後側エンドプレート130の上面から上方に突出するように形成され、前側エンドプレート120における一対の上側支持部121・121と左右方向における位置を合わせて配置されている。一対の上側支持部131・131には、一対の上側拘束ロッド140・140を挿通するための貫通孔が前後方向に沿って形成されている。上側支持部131の貫通孔は、上側支持部121の貫通孔121aとは異なり、前方から見て、円状に形成されている。
一対の下側支持部132・132は、後側エンドプレート130の下面から下方に突出するように形成され、前側エンドプレート120における一対の下側支持部122・122と左右方向における位置を合わせて配置されている。一対の下側支持部132・132には、一対の下側拘束ロッド150・150を挿通するための貫通孔が前後方向に沿って形成されている。下側支持部132の貫通孔は、下側支持部122の貫通孔とは異なり、前方から見て、円状に形成されている。
円柱部141は、略円柱状に形成されている。円柱部141は、前側エンドプレート120における上側支持部121の貫通孔121aに挿通できる程度の外径を有する。円柱部141は、後側エンドプレート130における上側支持部131の貫通孔の形状に沿った外形を有しており、当該貫通孔に挿入可能となっている。円柱部141は、その前端部に、角柱部142および頭部143が形成され、後端部に、ボルト160を螺嵌するためのボルト穴が形成されている。
角柱部142は、略正四角柱状に形成されている。角柱部142は、貫通孔121aの形状に沿った略正方形状の断面が前後方向に連続する形状を有しており、貫通孔121aに挿入可能となっている。
頭部143は、所定の厚みを有する板状に形成されている。頭部143は、前方から見て、略正方形状に形成され、角柱部142の断面積よりも大きい面積を有する。つまり、頭部143は、上側支持部121の貫通孔121aを通過できないように形成されている。頭部143は、上側支持部121の前面における貫通孔121aの周囲に当接することにより、上側拘束ロッド140の後方への移動を規制する。
上側拘束ロッド140は、その後端部に形成されたボルト穴にボルト160が螺嵌されることで、前側エンドプレート120および後側エンドプレート130に固定される。
なお、固定治具1の構成については後述する。
ここで、作業台200は、組電池100を組み立てるための台であり、第一作業部210と第二作業部220とを有する。
第一作業部210は、組電池100を成す部材を所望の位置に移動させるための搬送手段(例えば、ボールトランスファ)が上面の略全域に設けられている。
第二作業部220は、第一作業部210に隣接して(図3における第一作業部210の左側に連続して)設けられ、組電池100を成す部材を拘束するための拘束装置230を有する。
拘束装置230は、第二作業部220上の所定の位置に固定された固定部231と、固定部231に対して近接および離間する押圧部232とを有する。
なお、図3における作業台200よりも下側が作業者の立ち位置となる。
なお、説明の便宜上、図5(a)および図5(b)における矢印の如く、固定治具1の前後方向、上下方向、および左右方向を定義する。
本体部10は、一対の取付部11・11と、一対の規制部12・12と、摺動穴13とを有する。
可動部20は、一対の爪部21・21を有する。
操作部30は、第一タブ31と、第二タブ32とを有する。
第二タブ32は、可動部20が摺動穴13に収納された状態で、ボルト50・50を第二タブ32の貫通孔、および第一ダブ31における凸部の左右両側の空隙を通して、本体部10に形成されたボルト穴に螺嵌することで、本体部10と一体的に固定されることとなる。
この時、第二タブ32と第一ダブ31との間には、両者を互いに離間するように付勢する付勢手段としての圧縮バネ40が設けられる。そのため、可動部20は、常に本体部10に近接する方向(後方向)に付勢された状態となる。
この時、作業者は、可動部20の爪部21・21と、本体部10の規制部12・12との間隔が、上側拘束ロッド140・140の頭部143・143の前面から前側エンドプレート120の上側支持部121・121の後面までの距離よりも大きくなるように、操作部30をつまむ。
この時、上側拘束ロッド140・140の頭部143・143は、可動部20の爪部21・21によって後方に押圧された状態となっている。
これにより、上側拘束ロッド140が前方に移動して、角柱部142が上側支持部121の貫通孔121aから脱離することを防止できる。
この時、前側エンドプレート120には、固定治具1が取り付けられているため、移動の際に生じる振動によって上側拘束ロッド140・140の位置がずれることはない。
こうして、拘束装置230により、前側エンドプレート120および後側エンドプレート130を介して、複数の電池モジュール110・110・・・が積層方向に沿って押圧される。つまり、複数の電池モジュール110・110・・・、ならびに前側エンドプレート120および後側エンドプレート130が一体的に拘束されることとなる。
この時、固定治具1により、上側拘束ロッド140の角柱部142が前側エンドプレート120の上側支持部121の貫通孔121aから脱離することはないため、拘束装置230による上側拘束ロッド140および前側エンドプレート120の破損が防止される。
こうして、前側エンドプレート120および後側エンドプレート130に、上側拘束ロッド140・140および下側拘束ロッド150・150が固定され、それらの部材によって複数の電池モジュール110・110・・・が拘束されることとなり、組電池100の組み立てが完了する。
その後は、前側エンドプレート120から固定治具1が取り外されると共に、拘束装置230の拘束が解除され、組電池100の外観検査が行われることとなる。
10 本体部
11 取付部
12 規制部
13 摺動穴
20 可動部
21 爪部
30 操作部
31 第一タブ
32 第二タブ
40 圧縮バネ(付勢手段)
100 組電池
110 電池モジュール
120 前側エンドプレート(エンドプレート)
121 上側支持部
122 下側支持部
130 後側エンドプレート(エンドプレート)
131 上側支持部
132 下側支持部
140 上側拘束ロッド(ロッド)
141 円柱部
142 角柱部
143 頭部
150 下側拘束ロッド(ロッド)
200 作業台
230 拘束装置
Claims (2)
- 積層された複数の電池モジュールと、当該電池モジュールを積層方向に沿って挟むように設けられる一対のエンドプレートと、一方のエンドプレートに形成された複数の貫通孔に挿通されて、前記複数の電池モジュールを拘束するように前記一対のエンドプレートに固定される複数のロッドと、を具備し、各ロッドは、前記一方のエンドプレートの表面における貫通孔の周囲に当接することにより、当該ロッドの挿通方向への移動を規制する頭部を有する、組電池を組み立てる際に用いられる固定治具であって、
前記一方のエンドプレートに取り付けられる本体部と、
前記本体部に対して近接および離間するように、前記挿通方向に沿って移動可能に構成され、付勢手段によって前記本体部に近接するように付勢される可動部と、
前記本体部から前記可動部を離間させるための操作部と、を具備し、
前記本体部は、当該本体部の前記挿通方向の反対方向への移動を規制する規制部を有し、
前記可動部は、前記ロッドの頭部に、前記挿通方向へ当接する爪部を有する、
ことを特徴とする固定治具。 - 請求項1に記載の固定治具を用いて前記組電池を組み立てる、組電池の組立方法であって、
前記一方のエンドプレートの表面における貫通孔の周囲に前記頭部が当接するように、当該貫通孔に前記ロッドを挿通する工程と、
前記規制部によって前記本体部の前記挿通方向の反対方向への移動が規制されるように、前記本体部を前記一方のエンドプレートに取り付ける工程と、
前記操作部を操作して、前記一方のエンドプレートの貫通孔に挿通された前記ロッドの頭部に、前記爪部を前記挿通方向へ当接させる工程と、を含む、
ことを特徴とする組電池の組立方法。
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