JP6844360B2 - 電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、電池モジュールに関する。
従来の電池モジュールとして、例えば特許文献1に記載されたものがある。この従来の電池モジュールは、複数の電池セルを配列してなる配列体と、配列体を電池セルの配列方向に挟む一対のエンドプレートと、配列体に対して配列方向に拘束荷重を付加する拘束部材と、を備えて構成されている。拘束部材は、各エンドプレートに設けられた挿通孔に挿通された拘束ボルトと、各エンドプレートから外側に突出した拘束ボルトの突出部分それぞれに螺合された一対のナットと、を含んで構成され、これらのナットにより一対のエンドプレートを外側から締め付けることによって配列体に拘束荷重を付加している。
特開2001−236937号公報
上述したような電池モジュールでは、例えば搭載対象の車両の振動などによって衝撃荷重が作用した場合、挿通孔内での拘束ボルトの位置が変動することが考えられる。拘束ボルトの位置が変動すると、拘束ボルトがエンドプレートと干渉し、干渉位置において拘束ボルトに過大な荷重がかかるおそれがある。そのような事態の発生を抑制するために、拘束ボルトの結合位置において一方のエンドプレートを内側から締め付ける内側締結部及び外側から締め付ける外側締結部を追加し、拘束ボルトとエンドプレートとを強固に固定することが考えられる。しかしながら、かかる構成を採用すると、劣化又は過充電等によって電池セルが配列方向に膨張した場合に、エンドプレートを介して外側締結部に過大な荷重がかかり、外側締結部におけるエンドプレートとの接触面が陥没する等の不具合が生じるおそれがある。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、信頼性の高い電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る電池モジュールは、複数の電池セルを配列してなる配列体と、配列体を電池セルの配列方向に挟む一対のエンドプレートと、一対のエンドプレート同士を互いに連結する拘束ボルトを有し、配列体に対して配列方向に拘束荷重を付加する拘束部材と、を備え、拘束部材は、拘束ボルトの結合位置において一方のエンドプレートを内側から締め付ける内側締結部及び外側から締め付ける外側締結部を含み、外側締結部の配列方向の荷重に対する強度は、内側締結部の配列方向の荷重に対する強度よりも高くなっている。
この電池モジュールでは、拘束ボルトの結合位置において一方側のエンドプレートを内側締結部及び外側締結部によって両側から締め付け、両締結部間に大きな軸力(締結力)を生じさせることで、当該エンドプレートに対して拘束ボルトを強固に固定できる。このため、拘束ボルトとエンドプレートとの干渉を抑制できる。更に、この電池モジュールでは、外側締結部の配列方向の荷重に対する強度が、内側締結部の配列方向の荷重に対する強度よりも高くなっている。これにより、外側締結部の強度を確保でき、電池セルが膨張して外側締結部に比較的大きな荷重がかかった場合でも、外側締結部に不具合が生じることを抑制できる。よって、この電池モジュールによれば、信頼性を向上できる。
また、外側締結部と一方のエンドプレートとの接触面の面積は、内側締結部と一方のエンドプレートとの接触面の面積よりも広くなっていてもよい。この場合、外側締結部と一方のエンドプレートとの接触面の面積を内側締結部と一方のエンドプレートとの接触面の面積よりも広くすることで、外側締結部の強度を確保できる。
また、外側締結部の硬度は、内側締結部の硬度よりも高くなっていてもよい。この場合、外側締結部の硬度を内側締結部の硬度よりも高くすることで、外側締結部の強度を確保できる。
また、一対のエンドプレートの縁部には、外部との固定に用いられる固定片がそれぞれ設けられ、拘束部材は、固定片寄りの位置で一対のエンドプレート同士を連結する第1の拘束ボルトと、固定片から離れた位置で一対のエンドプレート同士を連結する第2の拘束ボルトと、を有し、第2の拘束ボルトの結合位置における外側締結部の配列方向の荷重に対する強度は、第1の拘束ボルトの結合位置における外側締結部の配列方向の荷重に対する強度よりも高くなっていてもよい。エンドプレートが縁部に設けられた固定片において外部に対して固定されている場合、電池セルの膨張時には、固定片寄りの位置で一対のエンドプレート同士を連結する第1の拘束ボルトの結合位置における外側締結部にかかる荷重よりも、固定片から離れた位置で一対のエンドプレート同士を連結する第2の拘束ボルトの結合位置における外側締結部にかかる荷重が大きくなる傾向がある。この電池モジュールでは、第2の拘束ボルトの結合位置における外側締結部の配列方向の荷重に対する強度が、第1の拘束ボルトの結合位置における外側締結部の配列方向の荷重に対する強度よりも高くなっている。これにより、第2の拘束ボルトの結合位置における外側締結部に不具合が生じることを好適に抑制できる。
本発明によれば、信頼性の高い電池モジュールを提供できる。
実施形態に係る電池モジュールを示す概略断面図である。 (a)は、第1変形例を示す概略断面図であり、(b)は、第2変形例を示す概略断面図である。 第3変形例を示す概略断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態に係る電池モジュールを示す概略断面図である。同図に示すように、実施形態に係る電池モジュール1は、複数の電池セル3が配列されてなる配列体2と、配列体2を配列方向Dに挟む一対のエンドプレート6,7と、配列体2に対して配列方向Dに拘束荷重を付加する拘束部材8と、を備えている。配列体2には、弾性部材4及びミドルプレート5が更に含まれている。
配列体2を構成する電池セル3は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。本実施形態では、配列体2には8体の電池セル3が含まれている。隣り合う電池セル3同士は、例えば両面テープで貼り合わされている。各電池セル3は、樹脂製のセルホルダによって保持された状態で配列されていてもよい。また、隣り合う電池セル3の間に伝熱プレートが配置されていてもよい。
各電池セル3は、例えば略直方体形状をなす中空のケース内に電極組立体及び電解液を収容してなる。ケースの頂面には、一対の電極端子(不図示)が互いに離間して設けられている。電極端子の一方は、電極組立体の正極に接続された正極端子であり、電極端子の他方は、電極組立体の負極に接続された負極端子である。隣接する電池セル3,3は、正極端子と負極端子とが互いに隣り合うように配列され、隣り合う正極端子と負極端子とをバスバー部材で接続することにより、電気的に直列に接続されている。
弾性部材4は、電池セル3に膨張が生じた場合に、拘束荷重による電池セル3、エンドプレート6,7及び拘束部材8の破損を防止する目的のために用いられる。弾性部材4は、例えばウレタン製のゴムスポンジによって矩形の板状に形成されている。弾性部材4は、配列体2における配列方向Dの一方端に配置されている。弾性部材4の他の形成材料としては、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、シリコンゴム等が挙げられる。また、弾性部材4は、ゴムに限らず、バネ材などであってもよい。
ミドルプレート5は、例えば樹脂製の板状部材である。ミドルプレート5は、配列方向Dから見た場合の電池セル3の形状に対応した略矩形の板状をなしており、配列方向Dの最も一方側に位置する電池セル3と弾性部材4との間に配置されている。ミドルプレート5により、弾性部材4から各電池セル3にかかる荷重のばらつきが抑制されている。ミドルプレート5の四隅には、後述する拘束ボルト12を挿通させる挿通孔5aが設けられている。
エンドプレート6,7は、例えば金属製の板状部材である。エンドプレート6,7は、ミドルプレート5と同様に、配列方向Dから見た場合の電池セル3の形状に対応した略矩形の板状をなしている。一方のエンドプレート6は、弾性部材4に当接するように配置されている。他方のエンドプレート7は、配列方向Dの最も他方側に位置する電池セル3に当接するように配置されている。エンドプレート6,7の四隅には、拘束ボルト12を挿通させる挿通孔6a,7aがそれぞれ設けられている。
エンドプレート6の縁部6bには、外部(ここでは筐体10)との固定に用いられる固定片9が設けられている。固定片9は、エンドプレート6の縁部6bからエンドプレート6に対して略直角に張り出している。固定片9には、固定ボルト11を挿通させる挿通孔9aがエンドプレート6の縁部6bに沿って複数設けられている。エンドプレート7の縁部7bにも同様の固定片9が設けられている。これらの挿通孔9aに通した固定ボルト11を筐体10に設けたボルト孔10aに螺合することにより、電池モジュール1が筐体10に対して固定されている。
拘束部材8は、拘束ボルト12と、内側締結部13と、外側締結部14とによって構成されている。拘束ボルト12は、頭部12aを有する長尺のボルトであり、先端部にネジ部12bが形成されている。拘束ボルト12は、一対のエンドプレート6,7の間に掛け渡され、エンドプレート6,7同士を互いに連結する。拘束部材8は、拘束ボルト12として、固定片9寄りの位置で一対のエンドプレート6,7同士を連結する第1の拘束ボルト12Aと、固定片9から離れた位置で一対のエンドプレート6,7同士を連結する第2の拘束ボルト12Bとを、それぞれ2本ずつ有している。
拘束ボルト12は、エンドプレート7側からミドルプレート5及びエンドプレート6,7を挿通するように、挿通孔5a,6a,7aに通されている。エンドプレート6から突出する拘束ボルト12のネジ部12bには、ナットによって構成された外側締結部14が螺合されている。外側締結部14は、エンドプレート6を配列方向Dの外側から締め付け、拘束ボルト12の頭部12aとの間で一対のエンドプレート6,7を挟み込んでいる。これにより、電池セル3、弾性部材4及びミドルプレート5が挟持されてユニット化されると共に、エンドプレート6,7を介して電池セル3、弾性部材4及びミドルプレート5に所定の拘束荷重が付加されている。この拘束荷重は、弾性部材4の弾性反発力と釣り合っており、例えば数百N程度となっている。
更に、拘束ボルト12のネジ部12bには、ナットによって構成された内側締結部13が螺合されている。内側締結部13は、エンドプレート6を配列方向Dの内側から締め付け、拘束ボルト12の結合位置Pにおいて外側締結部14との間でエンドプレート6を挟み込んでいる。拘束ボルト12の結合位置Pは、エンドプレート6において拘束ボルト12に対応する位置であり、より詳細には挿通孔6aの周辺部分である。内側締結部13及び外側締結部14の締結力によって両側から締め付けられることにより、エンドプレート6には大きな軸力が作用している。この軸力は、上記拘束荷重よりも大きく、例えば数千N程度となっている。
内側締結部13は、第1の拘束ボルト12Aの結合位置Pにおける内側締結部13Aと、第2の拘束ボルト12Bの結合位置Pにおける内側締結部13Bとにより構成されている。外側締結部14は、第1の拘束ボルト12Aの結合位置Pにおける外側締結部14Aと、第2の拘束ボルト12Bの結合位置Pにおける外側締結部14Bとにより構成されている。内側締結部13及び外側締結部14は、配列方向Dから見て、互いに相似な外形状を有している。この例では、配列方向Dから見た場合の内側締結部13及び外側締結部14の外形は、六角形状となっている。本実施形態では、内側締結部13及び外側締結部14は、互いに同一の材料により構成されている。内側締結部13及び外側締結部14の厚さは、互いに等しくなっている。
電池モジュール1では、第1の拘束ボルト12Aの結合位置Pにおける内側締結部13A及び外側締結部14Aについて、外側締結部14Aの二面幅(対向する2つの側面間の距離)D1が、内側締結部13Aの二面幅D2よりも広くなっていることにより、外側締結部14Aの座面(エンドプレート6との接触面)の面積が内側締結部13Aの座面の面積よりも広くなっている。これにより、外側締結部14Aの配列方向Dの荷重に対する強度が、内側締結部13Aの配列方向Dの荷重に対する強度よりも高くなっている。
同様に、第2の拘束ボルト12Bの結合位置Pにおける内側締結部13B及び外側締結部14Bについても、外側締結部14Bの二面幅(対向する2つの側面間の距離)D3が内側締結部13Bの二面幅D2よりも広くなっていることにより、外側締結部14Bの座面の面積が内側締結部13Bの座面の面積よりも広くなっている。これにより、外側締結部14Bの配列方向Dの荷重に対する強度が、内側締結部13Bの配列方向Dの荷重に対する強度よりも高くなっている。内側締結部13Bの二面幅は、内側締結部13Aの二面幅D2と等しくなっている。
更に、外側締結部14Bの二面幅D3が外側締結部14Aの二面幅D1よりも広くなっていることにより、外側締結部14Bの座面の面積が外側締結部14Aの座面の面積よりも広くなっている。これにより、外側締結部14Bの配列方向Dの荷重に対する強度が、外側締結部14Aの配列方向Dの荷重に対する強度よりも高くなっている。なお、二面幅に限らず、例えば対角距離が変更されることによって上述したような強度関係が実現されてもよい。また、例えば配列方向Dから見た場合の内側締結部13及び外側締結部14の外形が円形状である場合、直径が変更されることによって上述したような強度関係が実現されていてもよい。このように、配列方向Dから見た場合の内側締結部13及び外側締結部14の外形は限定されず、任意の形状であってよい。
内側締結部13の座面の面積は、電池モジュール1の組付時にかかる初期締結力(拘束ボルト12の軸力)によって座面が陥没しないように設定されている。より詳細には、例えば下記の式を満たすように設定されている。
内側締結部13の座面陥没応力[Pa]>初期締結力[N]/内側締結部13の座面面積[m
ここで、座面陥没応力は、内側締結部13を構成する材料によって決まる値である。初期締結力は、振動や衝撃によって内側締結部13の座面に加わる滑り方向荷重よりも大きくなっている。すなわち、初期締結力は、下記の式を満たす。
初期締結力[N]×座面摩擦係数>滑り方向荷重[N]
外側締結部14については、劣化又は過充電等によって電池セル3が配列方向Dに膨張した場合、圧縮変形した弾性部材4からエンドプレート6に荷重がかかり、エンドプレート6を介して外側締結部14に大きな荷重がかかる。そのため、外側締結部14の座面の面積は、初期締結力に加えて当該荷重が加わった場合でも座面が陥没しないように、内側締結部13の座面の面積よりも広く設定されている。
特に、本実施形態のようにエンドプレート6,7が縁部6b,7bに設けられた固定片9において筐体10に固定されている場合、電池セル3の膨張時には、固定片9寄りの位置で一対のエンドプレート6,7同士を連結する第1の拘束ボルト12Aの結合位置Pにおける外側締結部14Aにかかる荷重よりも、固定片9から離れた位置で一対のエンドプレート6,7同士を連結する第2の拘束ボルト12Bの結合位置Pにおける外側締結部14Bにかかる荷重が大きくなる傾向がある。これは、エンドプレート6,7が固定片9側において筐体10に固定されており、エンドプレート6,7における固定片9寄りの部分の剛性が高くなっているために、エンドプレート6,7における固定片9から遠い側の端部が外側に倒れ込むように(第2の拘束ボルト12Bが伸びるように)変形しようとするためである。そのため、電池モジュール1では、外側締結部14Bの座面の面積が外側締結部14Aの座面の面積よりも広く設定されている。
次に、電池モジュール1の組立工程の例を説明する。まず、複数の電池セル3、弾性部材4、ミドルプレート5及びエンドプレート7を配列方向Dに沿って配列すると共に、エンドプレート7側からミドルプレート5及びエンドプレート7に拘束ボルト12を挿通させる。続いて、拘束ボルト12のネジ部12bに内側締結部13を螺合する。このとき、内側締結部13は、後工程において作業の妨げにならないように、エンドプレート6の組付位置よりも内側で且つミドルプレート5の組付位置よりも外側の位置に位置付けられる。
続いて、エンドプレート6を弾性部材4に隣接するように配置し、エンドプレート6に拘束ボルト12を挿通させる。続いて、拘束ボルト12のネジ部12bに外側締結部14を螺合し、電池セル3、弾性部材4及びミドルプレート5に所定の拘束荷重を付加する。続いて、内側締結部13を回転させて配列方向Dの外側に向けて移動させることで、エンドプレート6を内側締結部13及び外側締結部14によって両側から締め付け、エンドプレート6に所定の軸力を作用させる。以上により、電池モジュール1が製造される。なお、組付性の向上ために、エンドプレート6,7の挿通孔6a,7aと拘束ボルト12の軸部との間のクリアランスは、ミドルプレート5の挿通孔5aと拘束ボルト12の軸部との間のクリアランスよりも大きくなっている。
以上説明したように、本実施形態の電池モジュール1では、拘束ボルト12の結合位置Pにおいてエンドプレート6を内側締結部13及び外側締結部14によって両側から締め付け、内側締結部13と外側締結部14との間に大きな軸力(締結力)を生じさせることで、エンドプレート6に対して拘束ボルトを強固に固定できる。このため、拘束ボルト12とエンドプレート6との干渉を抑制できる。更に、電池モジュール1では、外側締結部14の配列方向Dの荷重に対する強度が、内側締結部13の配列方向Dの荷重に対する強度よりも高くなっている。これにより、外側締結部14の強度を確保でき、電池セル3が膨張して外側締結部14に比較的大きな荷重がかかった場合でも、外側締結部14に不具合が生じることを抑制できる。よって、電池モジュール1によれば、信頼性を向上できる。
また、電池モジュール1では、外側締結部14とエンドプレート6との接触面の面積が、内側締結部13とエンドプレート6との接触面の面積よりも広くなっている。これにより、外側締結部14とエンドプレート6との接触面の面積を内側締結部13とエンドプレート6との接触面の面積よりも広くすることで、外側締結部14の強度を確保できる。
また、電池モジュール1では、第2の拘束ボルト12Bの結合位置Pにおける外側締結部14Bの配列方向Dの荷重に対する強度が、第1の拘束ボルト12Aの結合位置Pにおける外側締結部14Aの配列方向Dの荷重に対する強度よりも高くなっている。これにより、第2の拘束ボルト12Bの結合位置Pにおける外側締結部14Bに不具合が生じることを好適に抑制できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、例えば、図2(a)に示される第1変形例のように構成されてもよい。第1変形例では、拘束ボルト12が、円筒部分12cの先端側に当該円筒部分12cよりも小径のネジ部12dが設けられた段付きボルトであり、内側締結部13が、円筒部分12cとネジ部12dとの間の段差部12eによって構成されている。段差部12eは、例えば配列方向Dに垂直な段差面を有している。このような拘束ボルト12は、例えば円筒状の基材の先端部を削り出し、当該先端部にネジ部12dを設けることによって形成される。円筒部分12cの基端側にはネジ部が設けられ、当該ネジ部に例えばダブルナットが螺合されている。この例では、外側締結部14と当該ダブルナットとの間で一対のエンドプレート6,7が挟み込まれている。また、段差部12e(内側締結部13)と外側締結部14との間でエンドプレート6が挟み込まれている。内側締結部13A,13B及び外側締結部14A,14Bの配列方向Dの荷重に対する強度の関係は、上記実施形態と同様になっている。
第1変形例の組立工程においては、まず、エンドプレート6に拘束ボルト12を挿通させた後、拘束ボルト12のネジ部12bに外側締結部14を螺合し、エンドプレート6を内側締結部13(段差部12e)及び外側締結部14によって両側から締め付ける。続いて、複数の電池セル3、弾性部材4、ミドルプレート5及びエンドプレート6を配列方向Dに沿って配列すると共に、エンドプレート6側からミドルプレート5及びエンドプレート7に拘束ボルト12を挿通させる。続いて、拘束ボルト12の基端側のネジ部にダブルナットを螺合し、電池セル3、弾性部材4及びミドルプレート5に所定の拘束荷重を付加する。以上により、第1変形例の電池モジュール1が製造される。このような第1変形例によっても、上記実施形態と同様に、拘束ボルト12とエンドプレート6との干渉を抑制できると共に、外側締結部14に不具合が生じることを抑制できる。
また、図2(b)に示される第2変形例のように構成されてもよい。第2変形例では、内側締結部13が、拘束ボルト12に設けられた鍔部12fによって構成されている。鍔部12fは、例えば円環状をなし、溶接等により拘束ボルト12の一端部側に結合されている。第1変形例と同様に、拘束ボルト12の他端部側に設けられたネジ部にダブルナットが螺合されており、外側締結部14と当該ダブルナットとの間で一対のエンドプレート6,7が挟み込まれている。また、鍔部12f(内側締結部13)と外側締結部14との間でエンドプレート6が挟み込まれている。内側締結部13A,13B及び外側締結部14A,14Bの配列方向Dの荷重に対する強度の関係は、上記実施形態と同様になっている。第2変形例の電池モジュール1は、第1変形例と同様の組立工程により製造される。このような第2変形例によっても、上記実施形態と同様に、拘束ボルト12とエンドプレート6との干渉を抑制できると共に、外側締結部14に不具合が生じることを抑制できる。
また、図3に示される第3変形例のように構成されてもよい。第3変形例では、外側締結部14が拘束ボルト12の頭部12gによって構成されている。拘束ボルト12において頭部12gに隣接する部分には、内側締結部13が螺合するネジ部12hが設けられている。第1及び第2変形例と同様に、拘束ボルト12の基端側(頭部12gとは反対側)に設けられたネジ部にダブルナットが螺合されており、外側締結部14と当該ダブルナットとの間で一対のエンドプレート6,7が挟持されている。また、内側締結部13と頭部12g(外側締結部14)との間でエンドプレート6が挟持されている。内側締結部13A,13B及び外側締結部14A,14Bの配列方向Dの荷重に対する強度の関係は、上記実施形態と同様になっている。第3変形例では、拘束ボルト12は、エンドプレート6側からミドルプレート5及びエンドプレート7に挿通させられる。第3変形例の組立工程においては、まず、エンドプレート6に拘束ボルト12を挿通させた後、拘束ボルト12のネジ部12hに内側締結部13を螺合し、エンドプレート6を内側締結部13及び外側締結部14(頭部12g)によって両側から締め付ける。その他の点は第1変形例の場合と同様である。このような第3変形例によっても、上記実施形態と同様に、拘束ボルト12とエンドプレート6との干渉を抑制できると共に、外側締結部14に不具合が生じることを抑制できる。
また、上記実施形態では、外側締結部14の座面の面積が内側締結部13の座面の面積よりも広くなっていることにより、外側締結部14の配列方向Dの荷重に対する強度が内側締結部13の配列方向Dの荷重に対する強度よりも高くなっていたが、これに代えて又は加えて、外側締結部14の硬度が内側締結部13の硬度よりも高くなっていることにより当該強度関係が実現されてもよい。例えば、外側締結部14を構成する材料として内側締結部13を構成する材料よりも剛性が高い材料を用いることで、外側締結部14の硬度を内側締結部13の硬度よりも高くしてもよい。このような材料の組合せとしては、焼き入れしていない鋼(内側締結部13)と焼き入れした鋼(外側締結部14)の組合せや、アルミニウム(内側締結部13)と鋼(外側締結部14)の組合せ等が挙げられる。また、上記実施形態において、弾性部材4の配置数や配置態様は限定されず、例えば配列体2の配列端及び/又は各電池セル3間に複数の弾性部材4が配置されてもよい。
1…電池モジュール、2…配列体、3…電池セル、4…弾性部材、6,7…エンドプレート、8…拘束部材、12…拘束ボルト、12A…第1の拘束ボルト、12B…第2の拘束ボルト、13…内側締結部、14…外側締結部、13A…第1の拘束ボルトの結合位置における内側締結部、13B…第2の拘束ボルトの結合位置における内側締結部、14A…第1の拘束ボルトの結合位置における外側締結部、14B…第2の拘束ボルトの結合位置における外側締結部、D…配列方向。

Claims (4)

  1. 複数の電池セルを配列してなる配列体と、
    前記配列体を前記電池セルの配列方向に挟む一対のエンドプレートと、
    前記一対のエンドプレート同士を互いに連結する拘束ボルトを有し、前記配列体に対して前記配列方向に拘束荷重を付加する拘束部材と、を備え、
    前記拘束部材は、前記拘束ボルトの結合位置において一方の前記エンドプレートを内側から締め付ける内側締結部及び外側から締め付ける外側締結部を含み、
    前記外側締結部の前記配列方向の荷重に対する強度は、前記内側締結部の前記配列方向の荷重に対する強度よりも高くなっている、電池モジュール。
  2. 前記外側締結部と前記一方のエンドプレートとの接触面の面積は、前記内側締結部と前記一方のエンドプレートとの接触面の面積よりも広くなっている、請求項1に記載の電池モジュール。
  3. 前記外側締結部の硬度は、前記内側締結部の硬度よりも高くなっている、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
  4. 前記一対のエンドプレートの縁部には、外部との固定に用いられる固定片がそれぞれ設けられ、
    前記拘束部材は、前記固定片寄りの位置で前記一対のエンドプレート同士を連結する第1の拘束ボルトと、前記固定片から離れた位置で前記一対のエンドプレート同士を連結する第2の拘束ボルトと、を有し、
    前記第2の拘束ボルトの結合位置における前記外側締結部の前記配列方向の荷重に対する強度は、前記第1の拘束ボルトの結合位置における前記外側締結部の前記配列方向の荷重に対する強度よりも高くなっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
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