JP5962226B2 - 眼球生体情報収集装置および眼球生体情報収集方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、角膜などに接触させた超音波プローブによって受信した眼組織からの反射エコーに基づいて眼軸長などの眼球生体情報を計測する装置が開示されている。
このような装置では、通常の生活状態において長期間の眼球生体情報の情報(データ)を採取して、その変動を把握するのは困難である。このため、長期間における眼球生体情報を容易に計測できる眼球生体情報収集装置が要望されている。
例えば、緑内障の診断・治療において、被検者の眼球生体情報としての眼圧の計測は不可欠である。緑内障の治療においては眼圧を下げることで視野障害の進行を停めるという方法がとられており、投薬後または施術後の眼圧の数日にわたる、かつ日内の被検者の活動状態(起床、日常活動、就寝など)毎による眼圧変化を把握することで、治療効果の向上が期待できる。
このように、眼瞼に取り付けられる超音波センサー部を備え、タイマー部で設定された計測タイミングと計測間隔で眼球生体情報を得ることができ、容易に眼球生体情報の変動を捉えることができる。
そして、タイマー部で設定された計測タイミングと計測間隔とで眼球生体情報の計測が行われるため、被検者の活動に合わせた計測頻度で眼球生体情報を計測でき、測定値の信頼性向上と無駄な測定を低減することができる。
このため、超音波センサー素子と超音波センサー素子で受信した信号を増幅する増幅回路との間の配線を短く設定することができ、配線の長さに起因するノイズの影響を抑制することができる。
眼圧、角膜厚、眼軸長、前房深度、水晶体厚などの眼球生体情報は、体位(体の位置、姿勢)により変動することが知られており、2つの異なる体位での情報を利用することで、異常計測値の判断、絶対値の演算などに利用することができる。
なお、本明細書での眼球生体情報とは、眼球に対して超音波を送信して受信される反射波および、その反射波から得られるあらゆるデータを含めて言う。
眼圧は体位により変動することが知られており、また、眼圧が高いと強膜の厚みは薄くなり、眼圧が低いと強膜の厚みが厚くなるという相関があり、2つの異なる体位での眼球の強膜の厚み変動に対する眼圧値の変化率データを利用することで眼圧の絶対値の演算に利用することができる。
眼圧は体位により変動することが知られており、また、眼圧が高いと角膜の厚みは薄くなり、眼圧が低いと強膜の厚みが厚くなるという相関があり、2つの異なる体位での眼球の角膜の厚み変動に対する眼圧値の変化率データを利用することで眼圧の絶対値の演算に利用することができる。
このように、眼瞼に超音波センサー部を取り付けることから、容易に眼球生体情報を計測でき、一定の計測タイミングと計測間隔とで計測が可能である。また、常時または一定期間内での眼球生体情報を計測できる。
眼圧、角膜厚、眼軸長、前房深度、水晶体厚などの眼球生体情報は、体位(体の位置、姿勢)により変動することが知られており、それぞれの体位での情報を利用することで、異常計測値の判断、絶対値の演算などに利用することができる。
眼圧は体位により変動することが知られており、また、眼圧が高いと強膜の厚みは薄くなり、眼圧が低いと強膜の厚みが厚くなるという相関があり、それぞれの体位での予め入手した眼球の強膜からの反射波データと眼圧値を利用することで眼圧の絶対値を正確に算出することができる。
眼圧は体位により変動することが知られており、また、眼圧が高いと角膜の厚みは薄くなり、眼圧が低いと角膜の厚みが厚くなるという相関があり、それぞれの体位での予め入手した眼球の角膜からの反射波データと眼圧値を利用することで眼圧の絶対値を正確に算出することができる。
(第1実施形態)
(眼圧計測装置の概略構成)
図1は本実施形態の眼圧計測装置の機能構成を示すブロック図である。図2は本実施形態の眼圧計測装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、眼圧計測装置1は超音波センサー部10と本体部30とを備えている。
超音波センサー部10は超音波センサー素子11と、センサー回路部12を備えている。この超音波センサー素子11は超音波を発信する発信素子11aと超音波の反射波を受信する受信素子11bを有し、下瞼に取り付け可能である。
センサー制御部15は増幅回路13および波形形成部14に接続され、発信素子11aから発信する超音波のパルス信号と強度を制御している。
波形形成部14では所定周波数のパルス信号を生成し、そのパルス信号を増幅回路13にて所定の強度の信号に増幅して、発信素子11aに入力する。
一方、受信素子11bが受け取った反射波は増幅回路16にて増幅され、A/Dコンバーター17にてアナログ信号からデジタル信号に変換される。ここで一旦、センサー制御部15に接続された一次メモリー18に、受信した波形データがストアされる。
なお、超音波センサー素子11は発信と受信を別の素子として説明したが、両者を兼ねる素子で構成しても良い。この場合、発信モードと受信モードを時分割方式で切り替えて超音波を発信または受信すればよい。
データ演算部40は相対変動値演算部41、変動値判定部42、強膜厚変動値演算部43、眼圧値演算部44が順に接続され、それぞれは制御部60に接続されている。
また、データ記憶部50は波形メモリー51、校正値メモリー52、計測値メモリー53を備えている。
波形メモリー51では、前回受信した眼球の強膜の前壁と後壁とからの反射波の波形データがストアされている。
校正値メモリー52では、少なくとも2つの体位の異なる状態で予め計測したそれぞれの眼圧値と、そのときの体位において眼圧計測装置1で計測した眼球の強膜からの反射波の波形データおよび強膜厚み変動に対する眼圧値の変化率データがストアされ、これらのデータを用いて計測したデータの校正値として利用する。
計測値メモリー53では、演算した眼圧値がストアされている。
変動値判定部42では、相対変動値演算部41で演算した変動値に対して規定値の範囲内か範囲外かを判定する。このように変動値判定部42を設けることで、計測の誤り、または計測値の異常を判断することができ、再計測、警告や警報などの対応が可能となる。
強膜厚変動値演算部43では、校正値メモリー52でストアされた反射波の波形データと相対変動値演算部41で演算された反射波の波形データの変動値から、強膜の厚みまたは強膜の厚みの変動値を演算する。
眼圧値演算部44では、強膜厚変動値演算部43で演算された強膜の厚みまたは反射波の波形データの変動値と、校正値メモリー52でストアされた眼圧値から今回計測した眼球の眼圧値を演算する。そして、その演算された眼圧値は計測値メモリー53にストアされる。
計測間隔設定部67はタイマー66の間隔の設定を行い、眼圧を計測する計測間隔を設定することができる。この計測間隔設定部67を設けることにより、例えば、被検者の活動状態に合わせて計測間隔を変更するなどの対応が可能となる。具体的には、就寝中に比べて活動中は計測間隔を短くするなどの設定が可能であり、無駄な計測を低減することができる。
表示部31は液晶パネルなどで構成される表示装置で、制御部60から指示される眼圧値の表示や各種の表示を行う。
入力部32は押圧スイッチなどで構成される入力装置で、スイッチの押圧信号を制御部60に出力し、各種データの入力、データの呼び出しなどの操作が可能である。
時計部33は振動子、発振回路を有し、時刻を計時する時計とカレンダー情報を有する時計装置である。
主メモリー35はROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置などで構成され、眼圧計測装置1を動作させる動作プログラムがストアされている。
眼圧計測装置1は頭部に装着できるめがね型のフレーム100を有し、フレーム100から下瞼111に向かって延びる弾性を有する支持部材101が設けられている。支持部材101の先端には超音波センサー素子11が設けられ、超音波センサー素子11が常時、下瞼111に密着するように構成されている。
超音波センサー素子11から支持部材101およびフレーム100の内部を通って配線がされフレーム100の弦部に設けられたセンサー回路部12に接続されている。そして、センサー回路部12からはコード102が繋がり、表示部31、入力部32を外観に備え、内部にデータ演算部40などが内蔵された本体部30に接続されている。
また、超音波センサー素子11の眼瞼への取り付けは、上述のめがねフレーム型のほかに、アイマスク型、あるいは直接眼瞼に貼り付ける方法など、いかなる方法であってもよい。
次に眼圧計測の原理について説明する。
図3は超音波センサー部と眼瞼および眼球との位置を説明する模式断面図である。
眼球120は、硝子体123、水晶体124、前房125などを内包するようにその外周を膜で取り囲んでいる。この膜は、前房125を囲む部分は角膜122とよばれ、角膜122から繋がり硝子体123に近い部分を強膜121と呼ばれている。強膜121は白い硬い膜であり白目といわれる部分である。
本実施形態では、超音波センサー素子11は下瞼111に密着して配置される。超音波センサー素子11から超音波が発振され、強膜121に当たると、その強膜121の前壁および後壁で反射波が生じ、その反射波の受信時間差を検出することで強膜121の厚みが算出できる。
σ=P×r/(2t) ・・・(1)
と表される。
この式(1)から、眼圧Pが上昇すると強膜の厚みtは薄くなる。このことから、強膜の厚みtから眼圧Pを推定することが可能であり、強膜の厚みの変動から眼圧の変動を推定することができる。
次に、超音波センサー部の構成の一例について説明する。ここでは超音波センサー部は超音波センサー素子とセンサー回路部を一体化した形態である。
図4は超音波センサー部の構成を示す概略断面図である。
超音波センサー部10は、超音波を発信する発信素子11aと超音波の反射波を受信する受信素子11bとを備えている。これらの素子は等間隔にアレイ状に複数配置されている。
発信素子11aと受信素子11bは同じ構造を有しており、代表して発信素子11aの構造について説明する。
発信素子11aは、シリコンなどの基板20に開口部20aを有し、開口部20aを覆って閉塞する振動膜(メンブレン)21を備えている。この振動膜21は、例えばSiO2層とZrO2層との2層構造により構成される。ここで、SiO2層は、基板20がSi基板である場合、基板表面を熱酸化処理することで成膜することができる。また、ZrO2層は、SiO2層上に例えばスパッタリングなどの手法により成膜される。ここで、ZrO2層は、後述する圧電体膜として例えばPZTを用いる場合に、PZTを構成するPbがSiO2層に拡散することを防止するための層である。また、ZrO2層は、圧電体膜の歪みに対する撓み効率を向上させるなどの効果もある。
つまり、下電極22aと上電極22bとの間に圧電体膜22cが挟まれている構造となり、圧電部を構成している。
圧電体膜22cは、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛:lead zirconate titanate)を膜状に成膜することで形成される。本実施形態では、圧電体膜22cとしてPZTを用いるが、電圧を印加することで、面内方向に収縮することが可能な素材であれば、いかなる素材を用いてもよく、例えばチタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO3)などを用いてもよい。
そして、発信素子11aと受信素子11bの上電極22bを覆ってシリコーン系樹脂などで形成された保護膜20bが配置されている。
発信素子11aおよび受信素子11bと、センサー回路部12との接続はフレキシブル基板24を介して行われている。例えば発信素子11aの下電極22aとセンサー回路部12の接続電極25とはフレキシブル基板24により接続される。このように、発信素子11aおよび受信素子11bとセンサー回路部12とは一体に形成される。特に、少なくとも受信素子11bおよびそれに接続されるセンサー回路部12の増幅回路が一体に形成されることが好ましい。この構成によれば、超音波センサー素子で受信した信号を増幅する増幅回路との間の配線を短く設定することができ、配線の長さに起因するノイズの影響を抑制することができる。
なお、発信素子11aおよび受信素子11bとセンサー回路部12を一体に形成する形態として、図4のように表裏の関係となるように配置する形態や、発信素子11aおよび受信素子11bとセンサー回路部12を積層する形態を採用できる。また一枚の基板の片側に両者を配置する形態であっても良い。
また、筐体28には発信素子11aおよび受信素子11bと対応する部分が開口された開口部28aが形成されている。
さらに、発信素子11aおよび受信素子11bを保護する保護膜20bに接触し筐体28の開口部28aに挟み込まれた弾性を有する粘弾性部材29が配置されている。粘弾性部材29は、音響結合用高分子ゲルであり、形状適合性に優れ、皮膚への密着性がよい。そして、生体組織と同程度の音響インピーダンスを持つように構成されている。この粘弾性部材29が本実施形態において眼瞼に密着する部分(密着部)である。
なお、本発明において粘弾性部材29を用いなくても良く、眼瞼に接触して密着するのは、保護膜20bの表面(密着部)としても良い。
そして、眼球の強膜121などの各組織の境界で反射された反射波は粘弾性部材29、保護膜20bを経て受信素子11bで受信する。このとき振動膜21が膜厚方向に振動し、これにより圧電体膜22cの下電極22a側の面と上電極22b側の面とで電位差が発生し、上電極22bおよび下電極22aから圧電体膜22cの変位量に応じた検出信号(電流)が出力される。
次に、眼圧計測装置における眼圧の計測手順について説明する。
図5は本実施形態における眼圧計測のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、眼圧計測装置に校正データが有るかを確認する(ステップS1)。具体的には校正データが校正値メモリー52にストアされているかを判断する。
校正値メモリー52に必要な校正データがない場合には、ステップS5で校正値設定処理を行う。
校正データの取得指示がなされた場合には、ステップS5に進み、校正値設定処理を行う。
校正データの取得指示がない場合には、ステップS3に進む。
ステップS3では、眼圧の計測指示があるかを判断する。
眼圧の計測指示がある場合には、ステップS7に進み眼圧の計測処理を行う。
また、眼圧の計測指示がない場合(計測するタイミングでないとき)には、メイン処理を終了する。
まず、立位での眼圧値Piを別の眼圧計にて測定をし、眼圧値を眼圧計測装置に入力する(ステップS11)。眼圧値の入力は入力部32から行われ、立位での眼圧値Piを校正値メモリー52にストアする(ステップS12)。
次に、上記の眼圧を測定したのと同じ立位の状態で、本実施形態の眼圧計測装置1で眼球の強膜からの反射波を計測処理する(ステップS13)。
そして、この立位での反射波の波形データWiを校正値メモリー52にストアする(ステップS14)。
次に、上記の眼圧を測定したのと同じ座位の状態で、本実施形態の眼圧計測装置1で眼球の強膜からの反射波を計測処理する(ステップS17)。
そして、この座位での反射波の波形データWhを校正値メモリー52にストアする(ステップS18)。
眼圧は体位によって変動することは知られており、また眼圧の変動により眼球の強膜の厚みも変動する。このことから、体位の異なる状態における眼圧とそのときの強膜の厚みが分かれば、眼圧と強膜厚みを示すグラフの傾き(係数K)から強膜厚みから眼圧値を推定することが可能である。
例えば、図9はこの体位による眼圧と強膜厚との関係を示すグラフである。このグラフは縦軸に眼圧値、横軸に強膜厚みを設定し、座位(または伏位)と立位でのデータをプロットしている。それぞれの体位での値を結ぶ線分には傾きが生じ、この傾きを係数Kとして利用することで、眼圧から強膜厚み、または強膜厚みから眼圧を計算することが可能である。
なお、強膜の厚みまで算出せずに強膜の反射波の波形を利用して眼圧を求めることも可能である。
また、校正値に利用する体位は、少なくとも異なる2つの体位を採用すればよく、例えば立位、座位、伏位、側臥位、仰臥位、伏臥位などから2つの体位を選べばよい。
まず、計測間隔を設定するタイマー部65のタイマー66がオン状態であるかを判断する(ステップS31)。タイマー66がオン状態である場合には、計測タイミングに応じて超音波センサー部10から超音波が発信され、眼球の強膜からの反射波を計測する反射波計測処理(ステップS32)を行う。そして、得られた反射波の波形を日時データと共に一次メモリー18にストアする(ステップS33)。また、ステップS31において、タイマー66がオン状態ではない場合には、計測処理を終了する。なお、上記の日時データには装着からの経過時間も含むものである。
続いて、データ演算部40にて強膜厚または眼圧の計算処理を行う(ステップS34)。そして、強膜厚および眼圧値を計測値メモリー53にストアし、眼圧計測処理を終了する。このように、タイマー66の設定時間(計測間隔)毎に眼球の強膜からの反射波を計測することになる。
図8に示すように、まず、眼球の強膜から反射され、受信素子11bで受信した反射波Wiから強膜の前壁から反射された反射波の前壁反射領域Rfと、強膜の後壁から反射された反射波の後壁反射領域Rbとを同定する(ステップS41)。
なお、上記のステップS41、ステップS42の工程はデータ演算部40の相対変動値演算部41にて行われる。
続いて、強膜の膜厚Tiを算出する(ステップS44)。
前回の演算における強膜の膜厚をTi-1とすると、
Ti=Ti-1+ΔTi ・・・(2)
で表され、この式(2)を用いて、強膜の膜厚Tiを算出できる。
なお、ステップS43、ステップS44の工程はデータ演算部40の強膜厚変動値演算部43にて行われる。
上記の工程におけるデータ演算部40での演算は、従来から公知である位相差トラッキング法による処理が行われる。
なお、ステップS44において強膜の膜厚を算出したが、この工程を省略して、ステップS43の強膜の膜厚変動値ΔTiと、係数Kから眼圧Piを求めても良い。
このように、下瞼111に取り付けられる超音波センサー素子11を備え、タイマー部65の設定により一定の計測タイミングと計測間隔とで眼圧を計測することができるため、容易に眼圧の変動を捉えることができる。また、一定期間の中で間欠的に超音波を発信して眼圧を計測するため、連続して計測する場合と比べて超音波センサー素子11の発熱が抑えられ、かつ眼球に対して低侵襲である。
このように、例えば、緑内障の診断・治療において、眼圧の変動値に基づき細かな投薬などが可能となり、治療効果の向上が期待できる。
眼圧は体位により変動することが知られており、また、眼圧が高いと強膜の厚みは薄くなり、眼圧が低いと強膜の厚みが厚くなるという相関があり、2つの異なる体位での眼球の強膜の厚み変動に対する眼圧値の変化率データを利用することで眼圧の絶対値の演算に利用することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では超音波センサー部を上瞼に取り付ける形態であり、角膜の膜厚変動から眼圧を計測する眼圧計測装置である。第1実施形態では眼球の強膜に対する反射波を検出したが、第2実施形態では眼球の角膜に対する反射波を検出する点が異なる。
このため、第1実施形態と異なる部分について説明をする。
図11に示すように、データ記憶部50には、波形メモリー51、校正値メモリー52、計測値メモリー53を備えている。
波形メモリー51では、前回受信した眼球の角膜の前壁と後壁とからの反射波の波形データがストアされている。
校正値メモリー52では、少なくとも2つの体位の異なる状態で予め計測したそれぞれの眼圧値と、そのときの体位において眼圧計測装置2で計測した角膜からの反射波の波形データおよび角膜厚み変動に対する眼圧値の変化率データがストアされ、これらのデータを用いて計測したデータの校正値として利用する。
計測値メモリー53では、演算した眼圧値がストアされている。
相対変動値演算部41では、波形メモリー51にストアされた前回受信した眼球の角膜の前壁と後壁とからの反射波の波形データと、今回受信した一次メモリー18にストアされた眼球の角膜の前壁と後壁とからの反射波の波形データから反射波の波形データの変動値を演算する。
変動値判定部42では、相対変動値演算部41で演算した変動値に対して規定値の範囲内か範囲外かを判定する。
角膜厚変動値演算部48では、校正値メモリー52でストアされた反射波の波形データと相対変動値演算部41で演算された反射波の波形データの変動値から、角膜の厚みまたは角膜の厚みの変動値を演算する。
眼圧値演算部44では、角膜厚変動値演算部48で演算された角膜の厚みまたは反射波の波形データの変動値と校正値メモリー52でストアされた眼圧値から今回計測した眼球の眼圧値を演算する。そして、その演算された眼圧値は計測値メモリー53にストアされる。
なお、上記第1、第2実施形態では眼圧を計測する眼圧計測装置1,2について説明したが、眼球生体情報収集装置として眼軸長の計測、前房深度の計測、水晶体厚の計測などが可能である。
Claims (11)
- 被検者の頭部に装着して使用される眼球生体情報収集装置であって、
使用時に前記被検者の眼球に超音波を発信し前記眼球に反射した反射波を受信する超音波センサー部と、
使用時に前記超音波センサー部を前記被検者の眼瞼に密着させる密着部と、
前記超音波センサー部で検出された検出データに基づき眼球生体情報を演算するデータ演算部と、
前記超音波センサー部で検出された検出データおよび前記データ演算部で演算された演算データを記憶するデータ記憶部と、
時刻情報に基づいて計測タイミングと計測間隔とを設定するタイマー部と、
前記超音波センサー部、前記データ演算部、前記データ記憶部、前記タイマー部を制御する制御部と、
を備え、
前記タイマー部で設定された計測タイミングと計測間隔における眼球の生体情報を得ることを特徴とする眼球生体情報収集装置。 - 請求項1に記載の眼球生体情報収集装置において、
前記超音波センサー部は、
複数の開口部がアレイ状に配置された基板と、
前記開口部に形成され膜厚方向に変位可能な振動膜と、
前記振動膜の上に設けられ、2つの電極に接触する圧電体膜を有する超音波センサー素子と、を備える
ことを特徴とする眼球生体情報収集装置。 - 請求項2に記載の眼球生体情報収集装置において、
前記超音波センサー部は、
前記超音波センサー素子と前記超音波センサー素子で受信した信号を増幅する増幅回路とが一体に備えられている
ことを特徴とする眼球生体情報収集装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の眼球生体情報収集装置において、
前記データ演算部は前記超音波センサー部で検出した前回の検出データに基づいて変動値を演算する相対変動値演算部と、
前記相対変動値演算部で演算された変動値の演算データを判定する変動値判定部を備える
ことを特徴とする眼球生体情報収集装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の眼球生体情報収集装置において、
前記データ記憶部には校正値を記憶する校正値メモリーを有し、
前記校正値メモリーには、少なくとも2つの異なる体位での眼球生体情報を備える
ことを特徴とする眼球生体情報収集装置。 - 請求項5に記載の眼球生体情報収集装置において、
前記データ記憶部の前記校正値メモリーには、
校正値として少なくとも2つの異なる体位から得られる眼球の強膜厚み変動に対する眼圧値の変化率データを備え、
前記データ演算部は前記超音波センサー部で検出した検出データに基づいて眼球の強膜の厚み変動を演算する膜厚変動値演算部と、
前記校正値メモリーに記憶された校正値と校正時の検出データに基づき、前記膜厚変動値演算部で演算された眼球の強膜の厚み変動から眼圧を演算する眼圧値演算部と、を備える
ことを特徴とする眼球生体情報収集装置。 - 請求項5に記載の眼球生体情報収集装置において、
前記データ記憶部の前記校正値メモリーには、
校正値として少なくとも2つの異なる体位から得られる眼球の角膜厚み変動に対する眼圧値の変化率データを備え、
前記データ演算部は前記超音波センサー部で検出した検出データに基づいて眼球の角膜の厚み変動を演算する角膜厚変動値演算部と、
前記校正値メモリーに記憶された校正値と校正時の検出データに基づき、前記角膜厚変動値演算部で演算された眼球の角膜の厚み変動から眼圧を演算する眼圧値演算部と、を備える
ことを特徴とする眼球生体情報収集装置。 - 被検者の頭部に装着した状態で眼球生体情報を得る眼球生体情報収集方法であって、
被検者の眼瞼に密着した超音波センサー部から、眼球に対して所定の計測タイミングと計測間隔とで超音波の発信および受信を行い、
前記超音波センサー素子で検出した検出データに基づき眼球生体情報を算出する
ことを特徴とする眼球生体情報収集方法。 - 請求項8に記載の眼球生体情報収集方法において、
前記超音波センサー部で検出した検出データおよび、予め入手した少なくとも2つの異なる体位での眼球生体情報に基づき眼球生体情報を算出する
ことを特徴とする眼球生体情報収集方法。 - 請求項8に記載の眼球生体情報収集方法において、
前記超音波センサー部で検出した検出データに基づいて眼球の強膜の厚み変動を演算し、
予め入手した少なくとも2つの異なる体位での眼球の強膜からの反射波データと眼圧値に基づいて、眼球の強膜の厚み変動から眼圧を算出する
ことを特徴とする眼球生体情報収集方法。 - 請求項8に記載の眼球生体情報収集方法において、
前記超音波センサー部で検出した検出データに基づいて眼球の角膜の厚み変動を演算し、
予め入手した少なくとも2つの異なる体位での眼球の角膜からの反射波データと眼圧値に基づいて、眼球の角膜の厚み変動から眼圧を算出する
ことを特徴とする眼球生体情報収集方法。
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