JP2004528146A - 眼の内圧を測定するための装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】眼の上に配置することができる複数の圧力検出素子を使用して、圧力値を、空間分解能をもって測定することができる、人間の眼の内圧を測定するための装置および方法を提供すること。
【解決手段】圧力検出素子が好ましくは圧力センサアレイ内に備えられた装置および方法であって、特に複数の圧力検出素子を少なくとも1つのラインを形成して有するマイクロ・エレクトロ・メカニカル・圧力センサアレイ内に配置した装置および方法を提供する。測定されたセンサ圧力値の合計と、この合計に寄与する圧力検出素子の数とから、眼圧が測定される。空間分解能を伴う圧力分布プロファイルおよび圧力分布マトリクスをグラフィック表示する。
【選択図】図3
【解決手段】圧力検出素子が好ましくは圧力センサアレイ内に備えられた装置および方法であって、特に複数の圧力検出素子を少なくとも1つのラインを形成して有するマイクロ・エレクトロ・メカニカル・圧力センサアレイ内に配置した装置および方法を提供する。測定されたセンサ圧力値の合計と、この合計に寄与する圧力検出素子の数とから、眼圧が測定される。空間分解能を伴う圧力分布プロファイルおよび圧力分布マトリクスをグラフィック表示する。
【選択図】図3
Description
【技術分野】
【0001】
この発明は、眼の内圧を測定するための装置および方法に関する。更に具体的には、この発明は、人間の眼の内圧を測定するための装置および方法、並びに、人間の眼の内圧を測定するための測定値を取得する測定センサに関する。
【背景技術】
【0002】
眼の内圧、すなわち、いわゆる、眼圧(IOP)は、眼房内における水の規則的な流れによって維持される。眼科学においては、医学的診断を行なう上で、眼圧の測定が極めて重要である。眼圧が非常に低いと、眼が不安定になる。眼圧が非常に高いと、緑内障や、IOPがあまりにも高すぎて視神経円板の正常且つ永続的な機能が得られない様々な眼病になる虞がある。眼圧は、現在のところ、緑内障の治療および早期診断において最も重要で且つ最も簡単に測定されるパラメータであると見なされている。統計上の記録によれば、例えば、男性の平均眼圧は15.9mmHg(1mmHg=1.33mbar)であり、女性の平均眼圧は16.6mmHgである。眼圧は、毎日3〜6mmHg変動するとともに、血圧(脈拍)によって約1.5mmHg変動する。眼圧は個人個人で異なるが、21mmHgは、しばしば、緑内障の危険性についての少なくとも更なる医学的解明が必要とされるかどうかの限界値として設定される。また、IOPが毎日10mmHg変動する状態は、病的な状態であると見なされる。最近の手法では、脈拍によって生じるIOPの短い変動の変化でさえ緑内障検診において検査される。
【0003】
眼圧は、いわゆる、眼圧計によって測定される。周知の眼圧測定方法において、圧力の測定は、既知の面積を用いた力の測定により、あるいは、既知の力を用いた面積の測定によって行なわれる。また、外圧を眼に加え、加えた圧力を測定する眼圧測定法もある。更に、空気の吹きつけによって角膜を平坦化し、これによりIOPを測定することができる非接触眼圧測定法もある。現在において最も良く知られており且つ最も正確であると考えられている眼圧計、すなわち、ゴールドマン圧平眼圧計は、一定の接触表面積(平坦な接触を用いる。これは、圧平面と称される)を用いた力の測定を基本としている。ゴールドマン圧平眼圧計を用いると、直径が3〜4mmの円形の圧平面の場合、角膜の硬さによって生じる力と、圧平面と眼との間に位置する涙液メニスカスによって引き起こされる付着力とが互いに相殺するように、圧平面のサイズが選択される。ゴールドマン圧平眼圧計を用いた測定では、2つのプリズムを備えた透明な圧平部材を通じて見た時に2つの半円が接触するまで圧平面に加える力を増大させることによって、圧平面のサイズを所定のサイズに設定する。その結果、眼圧IOPは、圧平面に加えられる測定された力Fと、設定された所定の圧平表面積Aとの比F/Aによって得られる。ゴールドマン圧平眼圧計は、スリットランプと共に使用されるとともに、一般に、患者を座らせなければならないような据え付け装置として構成されており、患者自身が自分で眼圧測定することはできない。ゴールドマン圧平眼圧計の携帯型の実施形態も実現されているが、装置技術に関しては、まだコストがかかっている。特に、患者自身による眼圧測定にとって必要な測定処理の自動化には、ゴールドマン圧平眼圧計を用いると、装置に関する技術に対する投資が非常に高くなる。これは、圧平表面積を測定して自動的に設定しなければならないからである。
【0004】
特許文献1には、挿入の容易なコンタクトレンズとして形成され、それにより、患者自身による眼圧測定に適すると考えられる新規な眼圧測定装置が記載されている。特許文献1に係るコンタクトレンズは、その表面形状が人間の眼の曲率に適合する凹状の窪みを有している。窪みの頂点には、膜によって封止された穴が設けられている。その穴は、流体充填チャンバシステムの一部であり、流体充填チャンバシステムは、そのチャンバシステム内に配置された圧力測定ユニットに向けて、上記膜に加えられた圧力を伝達する。この際、流体が圧力伝達媒体として機能する。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第WO00/71982号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る装置の形状に起因して、指示に従わない眼(穏やかに、且つ、力を加えることのない)の配置により、また、装置が眼から断続的に浮くことにより、眼圧が大きく影響を受け、結果的に、測定値が不正確なIOPを示すようになる可能性がある。これにより、患者自身による眼圧測定が更に難しくなるのは間違い無い。
【0007】
正確な測定結果を得るためには、周知の眼圧計を、非常に正確に、特に角膜に対して垂直に、注意深く適用しなければならない。また、周知の眼圧計の幾つかは、IOPの瞬時の値しか示さないため、IOPの平均値を決定するために、測定を何回も行なう必要がある。更に、周知の眼圧計は、互いに比較した場合、測定結果が異なっている。角膜の厚さ、硬さ、形状は、多くの方法でのIOPに関する測定結果に影響を与える。角膜の厚さを考慮に入れるため、特に、IOP測定と角膜の厚さ測定とを組み合わせる試みが成されている。
【0008】
この発明の目的は、前述した従来技術の特定の欠点を有さず且つ特に空間分解能をもって眼圧を測定することができる、眼の内圧を測定するための装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特に、これらの目的は、眼の内圧を測定するための装置であって、眼の上に直接または間接的に配置される複数の圧力検出素子と、これらの各圧力検出素子によって測定されたセンサ圧力値から眼圧を決定するための処理手段とを備えている装置によって達成される。複数の圧力検出素子は、少なくとも1つのライン、好ましくは複数のラインを形成して、眼の上に直接または間接的に配置された圧力センサアレイ内に配置されることが好ましい。眼圧を測定するために、複数の圧力検出素子、特に圧力センサアレイを使用する利点は、特に、空間分解能をもって眼圧を測定することができるという点である。これにより、局所的な圧力分布における不規則性を認識することができる。例えば、不十分な加圧、すなわち、眼の上への圧力センサアレイの不正確な配置によって、測定が無効なものとして認識される可能性がある。特に、圧力センサアレイを配置している最中の非常に力強い又は非常に弱い眼の接触(平坦な接触の場合、これは圧平と呼ばれる)を認識してユーザに知らせることができる。接触面(平坦な接触の場合には、圧平面)の所定のサイズおよび所定の押圧力を設定する必要がないため、患者を静止させたまま位置合わせする必要がない。また、圧力検出素子を平面的に配置する場合には、装置を特に簡単に適用することができる。これは、平坦面(圧力センサアレイ)を球状部(角膜)に接触させるだけで済み、幾つかの従来技術のように、接触面の心合わせおよび装置の垂直さに特別の注意を払う必要がないからである。更なる利点は、圧力センサアレイを使用することにより、機械的な部品を移動させることなく眼圧を測定できるという点である。
【0010】
上記した処理手段は、測定された(且つ例えば重み付けられた)センサ圧力値の合計と、この合計に寄与する前記圧力検出素子の数とから、眼の内圧を測定するように構成されていることが好ましい。測定されたセンサ圧力値の合計を、寄与する(アクティブな)圧力検出素子の数で割ることによって眼圧が測定されるので、圧力センサアレイの全ての圧力検出素子を眼の上に載置する必要がない。これにより、様々な接触状態が眼圧測定に適するという利点が得られ、乱視を伴う際に生じるような例えば楕円接触面が眼圧測定を歪めることはない。
【0011】
一変形例において、本装置は、所定の基準にしたがって、測定された特定のセンサ圧力値を上記した合計から排除するためのフィルタ手段を備えている。これにより、眼圧の計算に悪影響を与える個々のセンサ圧力値を、眼の内圧測定から排除することができる。例えば、接触領域の外縁上の圧力検出素子によって測定され且つ角膜の硬さ及び/又は眼と各圧力検出素子との間に位置する涙液メニスカスの付着力によって影響されるセンサ圧力値を、眼圧測定から排除することができる。また、例えば角膜の厚さは、局所的な角膜の肉厚または窪みの存在により眼によって異なるが、それに起因して眼圧の計算を歪ませるようなセンサ圧力値を除去することもできる。また、角膜の硬さによって引き起こされる不規則性を検出し、それを使用して角膜の硬さの影響を補正することもできる。測定された特定のセンサ圧力値を排除することは、使用される圧力センサアレイの空間分解能が粗い場合、すなわち、圧力センサアレイが比較的大きな接触面をそれぞれ測定する数少ない圧力検出素子によって形成されているために、接触領域の外縁にある各圧力検出素子が眼の上に部分的にしか載置されない場合に有益となり得る。
【0012】
一変形例において、本装置は、測定されたセンサ圧力値を記憶するとともに、眼の内圧に関する複数の特定の値を記憶するための記憶手段を備えている。これにより、センサ圧力値の取得(測定)、および、取得されたセンサ圧力値の評価を、時間を変えて様々なステップで行なうことができ、これにより、例えば患者自身による眼圧測定を簡略化することができる。また、測定されたセンサ圧力値を記憶することによって、測定されたセンサ圧力値に関する時間平均の計算が容易になる。更に、血圧の脈拍によって引き起こされるIOPの圧力変動の振幅を記録することもできる。眼に関する様々な特定の内圧値を、好ましくはその対応する時間表示と共に記憶すると、異なる時間で取得された眼圧値の比較が更に可能となる。
【0013】
一変形例において、本装置は、測定され及び/又は記憶された前記センサ圧力値を特に空間分解能を伴う表示でグラフィック表示するための表示手段を備えている。これにより、接触面を横たわるラインに沿った圧力分布プロファイル及び/又は接触面全体にわたる2次元圧力分布プロファイル、例えば圧力分布マトリクスを表示して解析することができる。グラフィック表示を通じて記憶されたセンサ圧力値により、一連の圧力分布プロファイルおよび圧力分布マトリクスを表示して解析することもできる。
【0014】
一変形例において、本装置は、眼に関して測定された内圧値を遠隔伝送するための通信手段を備えている。これより、例えば、患者が自分で眼圧測定した眼に関する内圧値を主治医に送信して記録および評価することができる。
【0015】
上記した圧力センサアレイは、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)として構成されていることが好ましい。これにより、高度の集積化と、それに伴う高度の小型化が可能となり、高い分解能をもってコンパクトで且つ携帯できる装置を実現することができる。
【0016】
一変形例において、上記した圧力センサアレイは、接点を有し或は有さないインタフェースを介して評価ユニットに接続された測定センサ内に組み込まれている。これにより、特にコンパクトな測定センサを実現でき、対応するインタフェースとプログラム化されたソフトウェアモジュールとを介して例えばパームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の従来の処理・表示装置または携帯電話と組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、一例として、本発明の一実施形態について説明する。実施形態の実施例は、添付図面によって示されている。
【0018】
図1の参照符号1は、眼圧測定用装置を示している。この装置は、以下において測定装置1とも称される。測定装置1は、複数の圧力検出素子111を備えている。これらの圧力検出素子111は、例えば1つの線、直線、あるいは、輪状線に沿って、好ましくはマトリクス状を成して、圧力センサアレイ11内に配置されている。また、圧力検出素子111は、圧力検出リングとして形成されて同心円状に配置されても良い。圧力は、圧力検出素子111によって取得されるが、圧力検出素子111の感応部を変形させ、圧力検出素子111又はその感応部のそれぞれの具体的構成に応じて、共振周波数の変化により、あるいは、他の適当な方法により、例えば容量的、圧電的、抵抗的、光学的に検出される。圧力を検出する圧力検出素子111の感応部は、例えば検出面を直接に覆うように、眼2の角膜21または強膜上に置かれる。しかしながら、流体接続等の適当な接続により検出面を圧力検出素子111の感応部に接続することもできる。流体接続は、静的または動的な種類のものであっても良い。例えば、動的な接続を用いると、空気の流れ又は液体の流れが直接的または間接的に角膜と接触する開口へと運ばれる。流れ抵抗は、角膜に近づいて接触するにつれて、その開口において増大する。角膜で生じる対圧を利用してIOPを測定することができる。
【0019】
ここで強調すべき点は、眼2上における圧力検出素子111または圧力センサアレイ11の配置は、直接的または間接的に行なうことができるという点である。圧力センサアレイ11を眼2の上に直接に置くことにより眼圧を測定する他、圧力センサアレイ11または圧力検出素子111を、角膜21上に置かれたコンタクトレンズの上に配置することにより、あるいは、閉じられた瞼の上に配置することにより、眼圧を測定することもできる。コンタクトレンズまたは瞼を介した眼圧の測定は、眼が圧力検出素子111との接触によって傷付けられないという利点を有する。
【0020】
圧力センサアレイ11は、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムとして形成されることが好ましい。処理ユニットと共に、例えば、測定値をデジタル化するためのアナログ/デジタル変換器と共にチップ上に集積されるマイクロ・エレクトロ・メカニカル・圧力センサアレイ11を利用することができる。そのような圧力センサアレイチップは、例えばCMOS互換処理技術によって製造される。圧力センサアレイは、特に、例えばロボット工学における接触検出の分野で開発されて使用されている。圧力センサアレイの更なる用途は、生物測定学における、例えば、指紋の認識あるいは足の裏の踏面における圧力プロファイルの測定において見出される。例えばCMOS技術においては、トヨタにより、32×32の配列を成す圧力検出素子111を有し且つ方位分解能が250μmで全体のサイズが10×10mmの圧力センサアレイチップが製造されている。図2〜図5に関して後述するように、眼2の上に配置できる圧力センサアレイ11は、測定センサ1’内に組み込まれている。無菌測定状態を得るために、また、眼および圧力センサアレイ11を保護するために、圧力センサアレイ11は、例えば使い捨て可能な膜によって覆われる。当業者であれば分かるように、圧力センサアレイ11は、複数の圧力検出素子111を単に1列に並べることによって形成されていても良い。しかしながら、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111を平坦に配置せず、その代わり、その外形が例えば人間の眼の曲率に適合する湾曲キャリア上に圧力検出素子111を配置することも考えられる。圧力検出素子111は、圧力センサアレイ11内で規則的に配置されることが好ましい。しかしながら、各圧力検出素子111間の間隔は異なっていても良い。
【0021】
図1に概略的に示されるように、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定された圧力検出値は、更なる評価のために、処理手段14へと送られる。垂直力以外に剪断力も検出する圧力検出素子111を含む圧力センサアレイ11が使用される場合には、評価のため、測定された圧力検出値に加えて、測定された剪断力(横方向の力)も処理手段14へと送られても良い。
【0022】
処理手段14は、記憶手段141、特に、測定された圧力検出値を内部に記憶する電子データ記憶装置を有している。記憶手段141は、例えば、圧力センサアレイ11と共にチップ上に集積される電子データ記憶装置を備えている。
【0023】
処理手段14は、所定の基準にしたがって、測定された特定の圧力検出値を更なる処理から排除するフィルタ手段142を備えている。特に、眼圧の測定を歪める圧力検出値が、更なる処理から排除される。フィルタ手段142は、ハードウェアとして、例えば集積回路として、あるいは、プロセッサによって制御できるプログラム化されたソフトウェアモジュールとして形成される。フィルタ手段142の機能を実現する方法は、デジタル信号・画像処理の周知のアルゴリズムに対応している。この場合、測定されたセンサ圧力値のマトリクスまたはラインは、画像処理と同様に、デジタル化されたグレースケール値を有するピクセル(画素)の画像マトリクスまたは画像ラインに対応している。任意の所望の目的でプログラム化できるDSP(デジタル信号プロセッサ)チップ、または、画像処理プロセッサチップ、チップに組み込まれた処理アルゴリズムを利用することができる。
【0024】
図5を参照して、フィルタ手段142の機能のうちの1つを説明する。図5の下側の部分には、測定センサ1’が概略的に示されている。測定センサ1’は、そのセンサアレイ11と共に、眼2の角膜21上に置かれている。角膜21上に載置されるセンサアレイ11の面、すなわち、接触面(平らに配置される圧平面)が、図5に参照符号22で示されている。図5の上側部分には、一例として、圧力分布プロファイルpが示されている。この圧力分布プロファイルpは、接触面22上横たわるラインに沿って、あるいは、眼2の上に載置されている圧力センサアレイ11のラインに沿って、取得された圧力値の推移に対応している。b’およびb”によって示された圧力分布プロファイルpの領域は、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定されたセンサ圧力値であって且つ角膜の硬さの影響を伴う及び/又は角膜21と圧力センサアレイ11との間に位置する涙液メニスカス23によって引き起こされる付着力の影響を伴うセンサ圧力値を含む。涙液メニスカス23によって影響される圧力検出素子111は、接触面22の外側の領域に位置されている。bによって示される圧力分布プロファイルpの領域は、接触面22の内側の領域にある圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定されたセンサ圧力値であって且つ角膜の硬さ及び/又は涙液メニスカス23によって僅かにだけ影響されるか或いは全く影響されないセンサ圧力値を含む。圧力分布プロファイルpの領域b’,b”は、測定されたセンサ圧力値に基づく眼圧の計算を歪ませる可能性があるので、これらの領域に位置するセンサ圧力値をフィルタ手段142により更なる処理から排除することができる。それに対応するフィルタ機能は、例えば、領域b内にわたって示されているセンサ圧力値Pを少なくとも所定の差分値だけ上回るか或いは下回るセンサ圧力値をフィルタリングすることにより、達成することができる。また、各フィルタ機能は、予め規定された或いは動的に測定された幾何学的な領域b内で取得されるセンサ圧力値をフィルタリングすることによっても達成することができる。また、対応するフィルタ機能は、接触面22の外側領域に位置された圧力検出素子111及びその一部だけが角膜21上にある圧力検出素子111によって測定されるセンサ圧力値を排除するために使用することもできる。圧力検出素子111の一部だけが角膜上にある状態は、例えばその圧力検出素子111が1mmまたはそれ以上の素子幅を有する空間分解能が粗い圧力センサアレイ11を用いる場合におこり得る。
【0025】
また、各眼2の角膜の厚さは、例えば手術処置等によって生じた局所的な角膜の肉厚または窪みの存在により眼によって異なるが、フィルタ手段142は、そのような眼圧の計算を歪ませるセンサ圧力測定値を排除する機能を有していても良い。また、フィルタ手段142の少なくとも特定のフィルタ機能をユーザによってONまたはOFFに交互に切換えることができれば都合が良い。また、フィルタ手段142は、ユーザが対象領域を設定して選択することができるように形成されていても良い。
【0026】
処理手段14は、フィルタ手段142によって排除されないこれらの測定されたセンサ圧力値から眼の内圧を演算する圧力演算手段143を有している。これにより、これらのセンサ圧力値(例えば重み付けられる)の合計は、その合計に寄与する圧力検出素子111の数、すなわち、測定されたセンサ圧力値を表示し且つそのセンサ圧力値がフィルタ手段142により更なる処理から排除されなかったアクティブな圧力検出素子111の数によって割られる。圧力演算手段143は、集積回路のようなハードウェアとして形成され、あるいは、プロセッサによって制御できるプログラム化されたソフトウェアモジュールとして実現される。測定されたセンサ圧力値を標準化された圧力値に較正するため、処理手段14は、較正機能を更に有しており、また、実施形態に応じて、較正機能に属する較正テーブルも有している。また、処理手段14は、例えば、ユーザが他の方法で圧力検出素子111を較正できるようにする較正機能も備えている。例えば、ゴールドマン圧平眼圧計の測定値に対応する測定値を与える較正を選択することができる。
【0027】
処理手段14は、測定されたセンサ圧力値を例えば液晶ディスプレイ等のディスプレイ120上にグラフィック表示するための表示手段144を有している。表示手段144は、プロセッサによって制御できるプログラム化されたソフトウェアモジュールとして形成されていることが好ましい。表示手段144は、例えば、図5に係る圧力分布プロファイルp、または、圧力センサアレイ11の二次元圧力プロファイルを表わす二次元圧力分布プロファイルm(マルチライン圧力センサアレイ11を用いた場合)を生成して表示する機能を有している。二次元圧力分布プロファイルmは、測定されたセンサ圧力値のマトリクスを例えば異なるグレーまたはセンサ圧力値に対応する色調によって空間分解能を有するように画像化した圧力分布マトリクスである(図3および図4参照)。しかしながら、分解能および二次元圧力分布プロファイルmの表示は、圧力検出素子111の数及び/又は圧力センサアレイ11の構造と一致する必要はない。また、表示手段144は、例えば、演算された眼圧の時間的な推移をグラフィック表示する機能、または、取得され及び/又は記憶された一連のセンサ圧力測定値のラインまたはマトリクスをグラフィック表示する機能を有している。また、表示手段144をフィルタ手段142と組み合わせることにより、例えば、フィルタ手段142により眼圧演算から排除されたセンサ圧力値を考慮して例えば圧力分布プロファイルp,m(圧力分布マトリクス)の表示で光学的に強調できるようにしても良い。このようにすれば、例えば、眼の凹凸、例えば角膜の厚さの相違をディスプレイ120上で見ることもできる。
【0028】
操作および制御のため、測定装置1は、操作部、例えばキーを更に有している。このキーにより、例えばディスプレイ120上に表示されたメニューも使用することができる。
【0029】
また、測定装置1は、ユーザによって選択できる様々な動作モードで動作することができる。第1の動作モードにおいては、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定されたセンサ圧力値が取得されて記憶手段141に記憶される。また、記憶されたセンサ圧力値から直接に眼圧が計算されるとともに、その眼圧が例えば対応する圧力分布プロファイルp,m(例えば、圧力分布マトリクス)と共にディスプレイ120上に表示される。更なる動作モードにおいては、第1の動作モードに係る複数の一連の眼圧測定が自動的に行なわれ、その平均値が眼圧結果として表示される。更に他の動作モードにおいては、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定されたセンサ圧力値が連続的に取得されて記憶手段141に記憶される。そして、その記憶されたセンサ圧力値から直接に現在及び/又は平均の眼圧が計算されるとともに、その眼圧は、例えば眼圧の一次的な推移と共に、ディスプレイ120上に表示される。このようにすれば、例えば血圧の脈拍によって引き起こされる圧力変動も見ることができる。特に、測定装置1の使用中にユーザを助けるために、連続的に測定された現在のセンサ圧力値の圧力分布プロファイルp,m(例えば、圧力分布マトリクス)を、例えば、記憶手段141に一時的に記憶することなく、ディスプレイ120上に表示することができる。これにより、ユーザは、圧力センサアレイ11を眼2の上に置くことにより生じる接触面(圧平面)のリアルタイムなフィードバックを得ることができる。また、ユーザに対して、正確な用法(例えばボタン等を押すことにより選択された動作モードにしたがって測定を行なうこと)を提示することができる(OK)。
【0030】
眼圧に関して計算された値は、自動的に、あるいは、ユーザによるコマンドに基づいて、長期間、記憶手段141に記憶することができる。計算されて記憶された値を互いに比較して例えば医師に送ることができる。後の評価のため、眼圧に関して計算された値は、好ましくは例えば装置1の時間記録モジュール(図示せず)によって供給されるクロックタイムおよび日付を含む眼圧取得時間に関する時間表示と共に、記憶手段141に記憶される。また、例えば測定状態についての表示、患者の状態、または、患者が服用した薬といった眼の圧力値に関連する更なる情報を記憶手段141に記憶することができる。この補助的な情報は、例えば話し言葉によって、あるいは、前述した操作部によって、入力することができる。眼圧に関して計算された値を送信するため、装置1は、例えば、GSM(移動体通信用グローバルシステム)またはUMTSネットワーク(ユニバーサル携帯電話システム)、あるいは、PSTN(公衆交換電話網)、ISDN(統合サービスデジタルネットワーク)、IPネットワーク(インターネットプロトコル)といった所定のネットワーク等の移動無線ネットワークを介してデータを通信できるように設計された通信モジュール15を有している。記憶された値は、ユーザのコマンドに基づいて消去され、及び/又は、例えば所定時間後に自動的に消去されても良い。
【0031】
図2には、測定装置1のコンパクトな変形例が概略的に示されている。この測定装置1は、特に、患者が自分で眼圧を測定するのに十分適している。この変形例においては、例えばバッテリにより給電される圧力センサアレイ11および処理手段14を有する測定装置1の全体が、移動できる携帯用測定センサ1’内に収容されている。ディスプレイ120は、検査している医師が読めるように、あるいは、患者自身が読めるように、配置されており、例えば図2に示されるように回動可能に設計されている。
【0032】
図3には、測定装置1の一変形例が概略的に示されている。この変形例において、測定装置1の機能モジュールは、測定センサ1’と評価ユニット12とに分けられている。図3に示されるように、圧力センサアレイ11を備えた測定センサ1’は、接点を有するインタフェース13により、例えば給電ラインを有するケーブル接続によって、ディスプレイを備えた評価ユニット12に接続されている。処理手段14は、様々な方法で、測定センサ1’と評価ユニット12とに分配することができる。測定センサ1’は、圧力センサアレイ11の他、例えば、測定されたセンサ圧力値の少なくとも1つのマトリクスまたは1つのラインを記憶する記憶手段141を有している。更なるマトリクスを記憶する更なる記憶手段141、フィルタ手段142、圧力演算手段143、表示手段144は、例えば、プログラム化できるプロセッサ等を備える評価ユニット12内に配置されている。
【0033】
図4には、測定装置1の変形例が概略的に示されている。この変形例において、図3に係る変形例とほぼ同様に設計された測定センサ1’と評価ユニット12は、非接触インタフェース13’を介して、例えば赤外線または無線インタフェースを介して、互いに接続されている。評価ユニット12は、例えば、非接触インタフェース13’が付設された従来のパームトップコンピュータまたはラップトップコンピュータである。フィルタ手段142、圧力演算手段143、表示手段144は、例えば、評価ユニット12内のプログラム化されたソフトウェアモジュールとして実現されている。
【0034】
提案された上記測定装置1または上記測定装置1’は、力や表面積を正確に設定することなく、複数の圧力検出素子111を単に適用するだけで眼圧を測定することができ、圧力プロファイルを連続的に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】圧力センサアレイ、処理手段、およびディスプレイを用いて眼圧測定用装置を概略的に示すブロック図を示している。
【図2】圧力センサアレイを有する測定センサにディスプレイが設けられた眼圧測定用装置の概略図を示している。
【図3】測定センサが接点を有するインタフェースを介して評価ユニットに接続される眼圧測定用装置の更なる変形例の概略図を示している。
【図4】測定センサが非接触インタフェースを介して評価ユニットに接続される眼圧測定用装置の構成の概略図を示している。
【図5】眼の上に載置される測定センサの表面に横たわる(すなわち、接触面にわたる、あるいは、平面的な接触の場合、圧平面にわたる)ラインに沿った圧力分布プロファイルの一例を概略的に示している。
【符号の説明】
【0036】
1 眼圧測定装置(測定装置)
1’ 測定センサ
2 眼
11 圧力センサアレイ
12 評価ユニット
13 接点を有するインタフェース
13’ 非接触インタフェース
14 処理手段
15 通信モジュール
21 角膜
22 接触面(圧平面)
23 涙メニスカス
111 圧力検出素子
120 ディスプレイ
141 記憶手段
142 フィルタ手段
143 圧力演算手段
144 表示手段
p 圧力分布プロファイル
m 二次元圧力分布プロファイル(圧力分布マトリクス)
【0001】
この発明は、眼の内圧を測定するための装置および方法に関する。更に具体的には、この発明は、人間の眼の内圧を測定するための装置および方法、並びに、人間の眼の内圧を測定するための測定値を取得する測定センサに関する。
【背景技術】
【0002】
眼の内圧、すなわち、いわゆる、眼圧(IOP)は、眼房内における水の規則的な流れによって維持される。眼科学においては、医学的診断を行なう上で、眼圧の測定が極めて重要である。眼圧が非常に低いと、眼が不安定になる。眼圧が非常に高いと、緑内障や、IOPがあまりにも高すぎて視神経円板の正常且つ永続的な機能が得られない様々な眼病になる虞がある。眼圧は、現在のところ、緑内障の治療および早期診断において最も重要で且つ最も簡単に測定されるパラメータであると見なされている。統計上の記録によれば、例えば、男性の平均眼圧は15.9mmHg(1mmHg=1.33mbar)であり、女性の平均眼圧は16.6mmHgである。眼圧は、毎日3〜6mmHg変動するとともに、血圧(脈拍)によって約1.5mmHg変動する。眼圧は個人個人で異なるが、21mmHgは、しばしば、緑内障の危険性についての少なくとも更なる医学的解明が必要とされるかどうかの限界値として設定される。また、IOPが毎日10mmHg変動する状態は、病的な状態であると見なされる。最近の手法では、脈拍によって生じるIOPの短い変動の変化でさえ緑内障検診において検査される。
【0003】
眼圧は、いわゆる、眼圧計によって測定される。周知の眼圧測定方法において、圧力の測定は、既知の面積を用いた力の測定により、あるいは、既知の力を用いた面積の測定によって行なわれる。また、外圧を眼に加え、加えた圧力を測定する眼圧測定法もある。更に、空気の吹きつけによって角膜を平坦化し、これによりIOPを測定することができる非接触眼圧測定法もある。現在において最も良く知られており且つ最も正確であると考えられている眼圧計、すなわち、ゴールドマン圧平眼圧計は、一定の接触表面積(平坦な接触を用いる。これは、圧平面と称される)を用いた力の測定を基本としている。ゴールドマン圧平眼圧計を用いると、直径が3〜4mmの円形の圧平面の場合、角膜の硬さによって生じる力と、圧平面と眼との間に位置する涙液メニスカスによって引き起こされる付着力とが互いに相殺するように、圧平面のサイズが選択される。ゴールドマン圧平眼圧計を用いた測定では、2つのプリズムを備えた透明な圧平部材を通じて見た時に2つの半円が接触するまで圧平面に加える力を増大させることによって、圧平面のサイズを所定のサイズに設定する。その結果、眼圧IOPは、圧平面に加えられる測定された力Fと、設定された所定の圧平表面積Aとの比F/Aによって得られる。ゴールドマン圧平眼圧計は、スリットランプと共に使用されるとともに、一般に、患者を座らせなければならないような据え付け装置として構成されており、患者自身が自分で眼圧測定することはできない。ゴールドマン圧平眼圧計の携帯型の実施形態も実現されているが、装置技術に関しては、まだコストがかかっている。特に、患者自身による眼圧測定にとって必要な測定処理の自動化には、ゴールドマン圧平眼圧計を用いると、装置に関する技術に対する投資が非常に高くなる。これは、圧平表面積を測定して自動的に設定しなければならないからである。
【0004】
特許文献1には、挿入の容易なコンタクトレンズとして形成され、それにより、患者自身による眼圧測定に適すると考えられる新規な眼圧測定装置が記載されている。特許文献1に係るコンタクトレンズは、その表面形状が人間の眼の曲率に適合する凹状の窪みを有している。窪みの頂点には、膜によって封止された穴が設けられている。その穴は、流体充填チャンバシステムの一部であり、流体充填チャンバシステムは、そのチャンバシステム内に配置された圧力測定ユニットに向けて、上記膜に加えられた圧力を伝達する。この際、流体が圧力伝達媒体として機能する。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第WO00/71982号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る装置の形状に起因して、指示に従わない眼(穏やかに、且つ、力を加えることのない)の配置により、また、装置が眼から断続的に浮くことにより、眼圧が大きく影響を受け、結果的に、測定値が不正確なIOPを示すようになる可能性がある。これにより、患者自身による眼圧測定が更に難しくなるのは間違い無い。
【0007】
正確な測定結果を得るためには、周知の眼圧計を、非常に正確に、特に角膜に対して垂直に、注意深く適用しなければならない。また、周知の眼圧計の幾つかは、IOPの瞬時の値しか示さないため、IOPの平均値を決定するために、測定を何回も行なう必要がある。更に、周知の眼圧計は、互いに比較した場合、測定結果が異なっている。角膜の厚さ、硬さ、形状は、多くの方法でのIOPに関する測定結果に影響を与える。角膜の厚さを考慮に入れるため、特に、IOP測定と角膜の厚さ測定とを組み合わせる試みが成されている。
【0008】
この発明の目的は、前述した従来技術の特定の欠点を有さず且つ特に空間分解能をもって眼圧を測定することができる、眼の内圧を測定するための装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特に、これらの目的は、眼の内圧を測定するための装置であって、眼の上に直接または間接的に配置される複数の圧力検出素子と、これらの各圧力検出素子によって測定されたセンサ圧力値から眼圧を決定するための処理手段とを備えている装置によって達成される。複数の圧力検出素子は、少なくとも1つのライン、好ましくは複数のラインを形成して、眼の上に直接または間接的に配置された圧力センサアレイ内に配置されることが好ましい。眼圧を測定するために、複数の圧力検出素子、特に圧力センサアレイを使用する利点は、特に、空間分解能をもって眼圧を測定することができるという点である。これにより、局所的な圧力分布における不規則性を認識することができる。例えば、不十分な加圧、すなわち、眼の上への圧力センサアレイの不正確な配置によって、測定が無効なものとして認識される可能性がある。特に、圧力センサアレイを配置している最中の非常に力強い又は非常に弱い眼の接触(平坦な接触の場合、これは圧平と呼ばれる)を認識してユーザに知らせることができる。接触面(平坦な接触の場合には、圧平面)の所定のサイズおよび所定の押圧力を設定する必要がないため、患者を静止させたまま位置合わせする必要がない。また、圧力検出素子を平面的に配置する場合には、装置を特に簡単に適用することができる。これは、平坦面(圧力センサアレイ)を球状部(角膜)に接触させるだけで済み、幾つかの従来技術のように、接触面の心合わせおよび装置の垂直さに特別の注意を払う必要がないからである。更なる利点は、圧力センサアレイを使用することにより、機械的な部品を移動させることなく眼圧を測定できるという点である。
【0010】
上記した処理手段は、測定された(且つ例えば重み付けられた)センサ圧力値の合計と、この合計に寄与する前記圧力検出素子の数とから、眼の内圧を測定するように構成されていることが好ましい。測定されたセンサ圧力値の合計を、寄与する(アクティブな)圧力検出素子の数で割ることによって眼圧が測定されるので、圧力センサアレイの全ての圧力検出素子を眼の上に載置する必要がない。これにより、様々な接触状態が眼圧測定に適するという利点が得られ、乱視を伴う際に生じるような例えば楕円接触面が眼圧測定を歪めることはない。
【0011】
一変形例において、本装置は、所定の基準にしたがって、測定された特定のセンサ圧力値を上記した合計から排除するためのフィルタ手段を備えている。これにより、眼圧の計算に悪影響を与える個々のセンサ圧力値を、眼の内圧測定から排除することができる。例えば、接触領域の外縁上の圧力検出素子によって測定され且つ角膜の硬さ及び/又は眼と各圧力検出素子との間に位置する涙液メニスカスの付着力によって影響されるセンサ圧力値を、眼圧測定から排除することができる。また、例えば角膜の厚さは、局所的な角膜の肉厚または窪みの存在により眼によって異なるが、それに起因して眼圧の計算を歪ませるようなセンサ圧力値を除去することもできる。また、角膜の硬さによって引き起こされる不規則性を検出し、それを使用して角膜の硬さの影響を補正することもできる。測定された特定のセンサ圧力値を排除することは、使用される圧力センサアレイの空間分解能が粗い場合、すなわち、圧力センサアレイが比較的大きな接触面をそれぞれ測定する数少ない圧力検出素子によって形成されているために、接触領域の外縁にある各圧力検出素子が眼の上に部分的にしか載置されない場合に有益となり得る。
【0012】
一変形例において、本装置は、測定されたセンサ圧力値を記憶するとともに、眼の内圧に関する複数の特定の値を記憶するための記憶手段を備えている。これにより、センサ圧力値の取得(測定)、および、取得されたセンサ圧力値の評価を、時間を変えて様々なステップで行なうことができ、これにより、例えば患者自身による眼圧測定を簡略化することができる。また、測定されたセンサ圧力値を記憶することによって、測定されたセンサ圧力値に関する時間平均の計算が容易になる。更に、血圧の脈拍によって引き起こされるIOPの圧力変動の振幅を記録することもできる。眼に関する様々な特定の内圧値を、好ましくはその対応する時間表示と共に記憶すると、異なる時間で取得された眼圧値の比較が更に可能となる。
【0013】
一変形例において、本装置は、測定され及び/又は記憶された前記センサ圧力値を特に空間分解能を伴う表示でグラフィック表示するための表示手段を備えている。これにより、接触面を横たわるラインに沿った圧力分布プロファイル及び/又は接触面全体にわたる2次元圧力分布プロファイル、例えば圧力分布マトリクスを表示して解析することができる。グラフィック表示を通じて記憶されたセンサ圧力値により、一連の圧力分布プロファイルおよび圧力分布マトリクスを表示して解析することもできる。
【0014】
一変形例において、本装置は、眼に関して測定された内圧値を遠隔伝送するための通信手段を備えている。これより、例えば、患者が自分で眼圧測定した眼に関する内圧値を主治医に送信して記録および評価することができる。
【0015】
上記した圧力センサアレイは、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)として構成されていることが好ましい。これにより、高度の集積化と、それに伴う高度の小型化が可能となり、高い分解能をもってコンパクトで且つ携帯できる装置を実現することができる。
【0016】
一変形例において、上記した圧力センサアレイは、接点を有し或は有さないインタフェースを介して評価ユニットに接続された測定センサ内に組み込まれている。これにより、特にコンパクトな測定センサを実現でき、対応するインタフェースとプログラム化されたソフトウェアモジュールとを介して例えばパームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の従来の処理・表示装置または携帯電話と組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、一例として、本発明の一実施形態について説明する。実施形態の実施例は、添付図面によって示されている。
【0018】
図1の参照符号1は、眼圧測定用装置を示している。この装置は、以下において測定装置1とも称される。測定装置1は、複数の圧力検出素子111を備えている。これらの圧力検出素子111は、例えば1つの線、直線、あるいは、輪状線に沿って、好ましくはマトリクス状を成して、圧力センサアレイ11内に配置されている。また、圧力検出素子111は、圧力検出リングとして形成されて同心円状に配置されても良い。圧力は、圧力検出素子111によって取得されるが、圧力検出素子111の感応部を変形させ、圧力検出素子111又はその感応部のそれぞれの具体的構成に応じて、共振周波数の変化により、あるいは、他の適当な方法により、例えば容量的、圧電的、抵抗的、光学的に検出される。圧力を検出する圧力検出素子111の感応部は、例えば検出面を直接に覆うように、眼2の角膜21または強膜上に置かれる。しかしながら、流体接続等の適当な接続により検出面を圧力検出素子111の感応部に接続することもできる。流体接続は、静的または動的な種類のものであっても良い。例えば、動的な接続を用いると、空気の流れ又は液体の流れが直接的または間接的に角膜と接触する開口へと運ばれる。流れ抵抗は、角膜に近づいて接触するにつれて、その開口において増大する。角膜で生じる対圧を利用してIOPを測定することができる。
【0019】
ここで強調すべき点は、眼2上における圧力検出素子111または圧力センサアレイ11の配置は、直接的または間接的に行なうことができるという点である。圧力センサアレイ11を眼2の上に直接に置くことにより眼圧を測定する他、圧力センサアレイ11または圧力検出素子111を、角膜21上に置かれたコンタクトレンズの上に配置することにより、あるいは、閉じられた瞼の上に配置することにより、眼圧を測定することもできる。コンタクトレンズまたは瞼を介した眼圧の測定は、眼が圧力検出素子111との接触によって傷付けられないという利点を有する。
【0020】
圧力センサアレイ11は、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムとして形成されることが好ましい。処理ユニットと共に、例えば、測定値をデジタル化するためのアナログ/デジタル変換器と共にチップ上に集積されるマイクロ・エレクトロ・メカニカル・圧力センサアレイ11を利用することができる。そのような圧力センサアレイチップは、例えばCMOS互換処理技術によって製造される。圧力センサアレイは、特に、例えばロボット工学における接触検出の分野で開発されて使用されている。圧力センサアレイの更なる用途は、生物測定学における、例えば、指紋の認識あるいは足の裏の踏面における圧力プロファイルの測定において見出される。例えばCMOS技術においては、トヨタにより、32×32の配列を成す圧力検出素子111を有し且つ方位分解能が250μmで全体のサイズが10×10mmの圧力センサアレイチップが製造されている。図2〜図5に関して後述するように、眼2の上に配置できる圧力センサアレイ11は、測定センサ1’内に組み込まれている。無菌測定状態を得るために、また、眼および圧力センサアレイ11を保護するために、圧力センサアレイ11は、例えば使い捨て可能な膜によって覆われる。当業者であれば分かるように、圧力センサアレイ11は、複数の圧力検出素子111を単に1列に並べることによって形成されていても良い。しかしながら、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111を平坦に配置せず、その代わり、その外形が例えば人間の眼の曲率に適合する湾曲キャリア上に圧力検出素子111を配置することも考えられる。圧力検出素子111は、圧力センサアレイ11内で規則的に配置されることが好ましい。しかしながら、各圧力検出素子111間の間隔は異なっていても良い。
【0021】
図1に概略的に示されるように、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定された圧力検出値は、更なる評価のために、処理手段14へと送られる。垂直力以外に剪断力も検出する圧力検出素子111を含む圧力センサアレイ11が使用される場合には、評価のため、測定された圧力検出値に加えて、測定された剪断力(横方向の力)も処理手段14へと送られても良い。
【0022】
処理手段14は、記憶手段141、特に、測定された圧力検出値を内部に記憶する電子データ記憶装置を有している。記憶手段141は、例えば、圧力センサアレイ11と共にチップ上に集積される電子データ記憶装置を備えている。
【0023】
処理手段14は、所定の基準にしたがって、測定された特定の圧力検出値を更なる処理から排除するフィルタ手段142を備えている。特に、眼圧の測定を歪める圧力検出値が、更なる処理から排除される。フィルタ手段142は、ハードウェアとして、例えば集積回路として、あるいは、プロセッサによって制御できるプログラム化されたソフトウェアモジュールとして形成される。フィルタ手段142の機能を実現する方法は、デジタル信号・画像処理の周知のアルゴリズムに対応している。この場合、測定されたセンサ圧力値のマトリクスまたはラインは、画像処理と同様に、デジタル化されたグレースケール値を有するピクセル(画素)の画像マトリクスまたは画像ラインに対応している。任意の所望の目的でプログラム化できるDSP(デジタル信号プロセッサ)チップ、または、画像処理プロセッサチップ、チップに組み込まれた処理アルゴリズムを利用することができる。
【0024】
図5を参照して、フィルタ手段142の機能のうちの1つを説明する。図5の下側の部分には、測定センサ1’が概略的に示されている。測定センサ1’は、そのセンサアレイ11と共に、眼2の角膜21上に置かれている。角膜21上に載置されるセンサアレイ11の面、すなわち、接触面(平らに配置される圧平面)が、図5に参照符号22で示されている。図5の上側部分には、一例として、圧力分布プロファイルpが示されている。この圧力分布プロファイルpは、接触面22上横たわるラインに沿って、あるいは、眼2の上に載置されている圧力センサアレイ11のラインに沿って、取得された圧力値の推移に対応している。b’およびb”によって示された圧力分布プロファイルpの領域は、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定されたセンサ圧力値であって且つ角膜の硬さの影響を伴う及び/又は角膜21と圧力センサアレイ11との間に位置する涙液メニスカス23によって引き起こされる付着力の影響を伴うセンサ圧力値を含む。涙液メニスカス23によって影響される圧力検出素子111は、接触面22の外側の領域に位置されている。bによって示される圧力分布プロファイルpの領域は、接触面22の内側の領域にある圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定されたセンサ圧力値であって且つ角膜の硬さ及び/又は涙液メニスカス23によって僅かにだけ影響されるか或いは全く影響されないセンサ圧力値を含む。圧力分布プロファイルpの領域b’,b”は、測定されたセンサ圧力値に基づく眼圧の計算を歪ませる可能性があるので、これらの領域に位置するセンサ圧力値をフィルタ手段142により更なる処理から排除することができる。それに対応するフィルタ機能は、例えば、領域b内にわたって示されているセンサ圧力値Pを少なくとも所定の差分値だけ上回るか或いは下回るセンサ圧力値をフィルタリングすることにより、達成することができる。また、各フィルタ機能は、予め規定された或いは動的に測定された幾何学的な領域b内で取得されるセンサ圧力値をフィルタリングすることによっても達成することができる。また、対応するフィルタ機能は、接触面22の外側領域に位置された圧力検出素子111及びその一部だけが角膜21上にある圧力検出素子111によって測定されるセンサ圧力値を排除するために使用することもできる。圧力検出素子111の一部だけが角膜上にある状態は、例えばその圧力検出素子111が1mmまたはそれ以上の素子幅を有する空間分解能が粗い圧力センサアレイ11を用いる場合におこり得る。
【0025】
また、各眼2の角膜の厚さは、例えば手術処置等によって生じた局所的な角膜の肉厚または窪みの存在により眼によって異なるが、フィルタ手段142は、そのような眼圧の計算を歪ませるセンサ圧力測定値を排除する機能を有していても良い。また、フィルタ手段142の少なくとも特定のフィルタ機能をユーザによってONまたはOFFに交互に切換えることができれば都合が良い。また、フィルタ手段142は、ユーザが対象領域を設定して選択することができるように形成されていても良い。
【0026】
処理手段14は、フィルタ手段142によって排除されないこれらの測定されたセンサ圧力値から眼の内圧を演算する圧力演算手段143を有している。これにより、これらのセンサ圧力値(例えば重み付けられる)の合計は、その合計に寄与する圧力検出素子111の数、すなわち、測定されたセンサ圧力値を表示し且つそのセンサ圧力値がフィルタ手段142により更なる処理から排除されなかったアクティブな圧力検出素子111の数によって割られる。圧力演算手段143は、集積回路のようなハードウェアとして形成され、あるいは、プロセッサによって制御できるプログラム化されたソフトウェアモジュールとして実現される。測定されたセンサ圧力値を標準化された圧力値に較正するため、処理手段14は、較正機能を更に有しており、また、実施形態に応じて、較正機能に属する較正テーブルも有している。また、処理手段14は、例えば、ユーザが他の方法で圧力検出素子111を較正できるようにする較正機能も備えている。例えば、ゴールドマン圧平眼圧計の測定値に対応する測定値を与える較正を選択することができる。
【0027】
処理手段14は、測定されたセンサ圧力値を例えば液晶ディスプレイ等のディスプレイ120上にグラフィック表示するための表示手段144を有している。表示手段144は、プロセッサによって制御できるプログラム化されたソフトウェアモジュールとして形成されていることが好ましい。表示手段144は、例えば、図5に係る圧力分布プロファイルp、または、圧力センサアレイ11の二次元圧力プロファイルを表わす二次元圧力分布プロファイルm(マルチライン圧力センサアレイ11を用いた場合)を生成して表示する機能を有している。二次元圧力分布プロファイルmは、測定されたセンサ圧力値のマトリクスを例えば異なるグレーまたはセンサ圧力値に対応する色調によって空間分解能を有するように画像化した圧力分布マトリクスである(図3および図4参照)。しかしながら、分解能および二次元圧力分布プロファイルmの表示は、圧力検出素子111の数及び/又は圧力センサアレイ11の構造と一致する必要はない。また、表示手段144は、例えば、演算された眼圧の時間的な推移をグラフィック表示する機能、または、取得され及び/又は記憶された一連のセンサ圧力測定値のラインまたはマトリクスをグラフィック表示する機能を有している。また、表示手段144をフィルタ手段142と組み合わせることにより、例えば、フィルタ手段142により眼圧演算から排除されたセンサ圧力値を考慮して例えば圧力分布プロファイルp,m(圧力分布マトリクス)の表示で光学的に強調できるようにしても良い。このようにすれば、例えば、眼の凹凸、例えば角膜の厚さの相違をディスプレイ120上で見ることもできる。
【0028】
操作および制御のため、測定装置1は、操作部、例えばキーを更に有している。このキーにより、例えばディスプレイ120上に表示されたメニューも使用することができる。
【0029】
また、測定装置1は、ユーザによって選択できる様々な動作モードで動作することができる。第1の動作モードにおいては、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定されたセンサ圧力値が取得されて記憶手段141に記憶される。また、記憶されたセンサ圧力値から直接に眼圧が計算されるとともに、その眼圧が例えば対応する圧力分布プロファイルp,m(例えば、圧力分布マトリクス)と共にディスプレイ120上に表示される。更なる動作モードにおいては、第1の動作モードに係る複数の一連の眼圧測定が自動的に行なわれ、その平均値が眼圧結果として表示される。更に他の動作モードにおいては、圧力センサアレイ11の圧力検出素子111によって測定されたセンサ圧力値が連続的に取得されて記憶手段141に記憶される。そして、その記憶されたセンサ圧力値から直接に現在及び/又は平均の眼圧が計算されるとともに、その眼圧は、例えば眼圧の一次的な推移と共に、ディスプレイ120上に表示される。このようにすれば、例えば血圧の脈拍によって引き起こされる圧力変動も見ることができる。特に、測定装置1の使用中にユーザを助けるために、連続的に測定された現在のセンサ圧力値の圧力分布プロファイルp,m(例えば、圧力分布マトリクス)を、例えば、記憶手段141に一時的に記憶することなく、ディスプレイ120上に表示することができる。これにより、ユーザは、圧力センサアレイ11を眼2の上に置くことにより生じる接触面(圧平面)のリアルタイムなフィードバックを得ることができる。また、ユーザに対して、正確な用法(例えばボタン等を押すことにより選択された動作モードにしたがって測定を行なうこと)を提示することができる(OK)。
【0030】
眼圧に関して計算された値は、自動的に、あるいは、ユーザによるコマンドに基づいて、長期間、記憶手段141に記憶することができる。計算されて記憶された値を互いに比較して例えば医師に送ることができる。後の評価のため、眼圧に関して計算された値は、好ましくは例えば装置1の時間記録モジュール(図示せず)によって供給されるクロックタイムおよび日付を含む眼圧取得時間に関する時間表示と共に、記憶手段141に記憶される。また、例えば測定状態についての表示、患者の状態、または、患者が服用した薬といった眼の圧力値に関連する更なる情報を記憶手段141に記憶することができる。この補助的な情報は、例えば話し言葉によって、あるいは、前述した操作部によって、入力することができる。眼圧に関して計算された値を送信するため、装置1は、例えば、GSM(移動体通信用グローバルシステム)またはUMTSネットワーク(ユニバーサル携帯電話システム)、あるいは、PSTN(公衆交換電話網)、ISDN(統合サービスデジタルネットワーク)、IPネットワーク(インターネットプロトコル)といった所定のネットワーク等の移動無線ネットワークを介してデータを通信できるように設計された通信モジュール15を有している。記憶された値は、ユーザのコマンドに基づいて消去され、及び/又は、例えば所定時間後に自動的に消去されても良い。
【0031】
図2には、測定装置1のコンパクトな変形例が概略的に示されている。この測定装置1は、特に、患者が自分で眼圧を測定するのに十分適している。この変形例においては、例えばバッテリにより給電される圧力センサアレイ11および処理手段14を有する測定装置1の全体が、移動できる携帯用測定センサ1’内に収容されている。ディスプレイ120は、検査している医師が読めるように、あるいは、患者自身が読めるように、配置されており、例えば図2に示されるように回動可能に設計されている。
【0032】
図3には、測定装置1の一変形例が概略的に示されている。この変形例において、測定装置1の機能モジュールは、測定センサ1’と評価ユニット12とに分けられている。図3に示されるように、圧力センサアレイ11を備えた測定センサ1’は、接点を有するインタフェース13により、例えば給電ラインを有するケーブル接続によって、ディスプレイを備えた評価ユニット12に接続されている。処理手段14は、様々な方法で、測定センサ1’と評価ユニット12とに分配することができる。測定センサ1’は、圧力センサアレイ11の他、例えば、測定されたセンサ圧力値の少なくとも1つのマトリクスまたは1つのラインを記憶する記憶手段141を有している。更なるマトリクスを記憶する更なる記憶手段141、フィルタ手段142、圧力演算手段143、表示手段144は、例えば、プログラム化できるプロセッサ等を備える評価ユニット12内に配置されている。
【0033】
図4には、測定装置1の変形例が概略的に示されている。この変形例において、図3に係る変形例とほぼ同様に設計された測定センサ1’と評価ユニット12は、非接触インタフェース13’を介して、例えば赤外線または無線インタフェースを介して、互いに接続されている。評価ユニット12は、例えば、非接触インタフェース13’が付設された従来のパームトップコンピュータまたはラップトップコンピュータである。フィルタ手段142、圧力演算手段143、表示手段144は、例えば、評価ユニット12内のプログラム化されたソフトウェアモジュールとして実現されている。
【0034】
提案された上記測定装置1または上記測定装置1’は、力や表面積を正確に設定することなく、複数の圧力検出素子111を単に適用するだけで眼圧を測定することができ、圧力プロファイルを連続的に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】圧力センサアレイ、処理手段、およびディスプレイを用いて眼圧測定用装置を概略的に示すブロック図を示している。
【図2】圧力センサアレイを有する測定センサにディスプレイが設けられた眼圧測定用装置の概略図を示している。
【図3】測定センサが接点を有するインタフェースを介して評価ユニットに接続される眼圧測定用装置の更なる変形例の概略図を示している。
【図4】測定センサが非接触インタフェースを介して評価ユニットに接続される眼圧測定用装置の構成の概略図を示している。
【図5】眼の上に載置される測定センサの表面に横たわる(すなわち、接触面にわたる、あるいは、平面的な接触の場合、圧平面にわたる)ラインに沿った圧力分布プロファイルの一例を概略的に示している。
【符号の説明】
【0036】
1 眼圧測定装置(測定装置)
1’ 測定センサ
2 眼
11 圧力センサアレイ
12 評価ユニット
13 接点を有するインタフェース
13’ 非接触インタフェース
14 処理手段
15 通信モジュール
21 角膜
22 接触面(圧平面)
23 涙メニスカス
111 圧力検出素子
120 ディスプレイ
141 記憶手段
142 フィルタ手段
143 圧力演算手段
144 表示手段
p 圧力分布プロファイル
m 二次元圧力分布プロファイル(圧力分布マトリクス)
Claims (17)
- 眼(2)、特に人間の眼の内圧を測定するための装置(1)であって、
複数の圧力検出素子(111)と、
前記圧力検出素子によって測定されたセンサ圧力値から眼圧を測定するための処理手段(14)と、
を備える装置(1)。 - 複数の前記圧力検出素子(111)で形成される少なくとも1つのラインを有する圧力センサアレイ(11)を備える、請求項1に記載の装置(1)。
- 前記処理手段(14)は、測定された前記センサ圧力値の合計または測定されて重み付けられた前記センサ圧力値の合計と、この合計に寄与する前記圧力検出素子(111)の数とから、眼圧を測定するように構成される、請求項1または2に記載の装置(1)。
- 所定の基準にしたがって、測定された特定のセンサ圧力値を前記合計から排除するためのフィルタ手段(142)を備える、請求項3に記載の装置(1)。
- 前記センサ圧力値を記憶するとともに、眼圧に関する複数の特定の値を記憶するための記憶手段(141)を備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載の装置(1)。
- 測定され及び/又は記憶された前記センサ圧力値および眼圧値をグラフィック表示するための表示手段(144)を備える、請求項5に記載の装置(1)。
- 測定された眼圧値を遠隔伝送するための通信手段(15)を備える、請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置(1)。
- 前記圧力センサアレイ(11)がマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムとして形成されている、請求項2〜7のいずれか1つに記載の装置(1)。
- コンパクトで、移動可能で、携帯できる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の装置(1)。
- 前記圧力センサアレイ(11)は、接点を有し或は有さないインタフェース(13,13’)を介して評価ユニットに接続された測定センサ(1’)内に組み込まれている、請求項2〜8のいずれか1つに記載の装置(1)。
- 眼(2)、特に人間の眼の内圧を測定するための測定値を取得する測定センサ(1’)であって、
複数の圧力検出素子(111)と、
接点を有し或は有さないとともに、各圧力検出素子によって測定されたセンサ圧力値を評価ユニットに送信するインタフェース(13,13’)と、
を備える測定センサ(1’)。 - 複数の前記圧力検出素子(111)で形成される少なくとも1つのラインを有する圧力センサアレイ(11)を備える、請求項11に記載の測定センサ(1’)。
- 眼(2)、特に人間の眼の内圧を測定するための方法であって、
複数の圧力検出素子(111)を眼の上に直接または間接的に配置し、
各圧力検出素子(111)によって測定されたセンサ圧力値から眼圧を測定する、
方法。 - 複数の前記圧力検出素子(111)で形成される少なくとも1つのラインを有する圧力センサアレイ(11)を眼(2)の上に配置する、請求項13に記載の方法。
- 測定された前記センサ圧力値の合計または測定されて重み付けられた前記センサ圧力値の合計と、この合計に寄与する前記圧力検出素子(111)の数とから、眼圧を測定する、請求項13または14に記載の方法。
- 所定の基準にしたがって、測定された特定のセンサ圧力値が前記合計から排除される、請求項15に記載の方法。
- 前記圧力検出素子(111)は、眼(2)の上に置かれたコンタクトレンズ上、または、眼(2)の瞼の上に配置される、請求項13〜16のいずれか1つに記載の方法。
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