JP5962034B2 - 原稿搬送装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
通常、ピックアップローラーは、原稿束の最上位の表面に所定の押圧力(ローラー押圧力)で押圧され、所定トルクで回転されることにより、ローラー周面と原稿の摩擦力により原稿を繰り出す。
ところが、原稿として厚紙が使用される場合もあり、この場合には、普通紙の場合よりも質量が大きく腰も強いので、搬送路に沿って送り出すために、ピックアップローラーによる繰り出し方向における搬送力(以下、「繰り出し力」という。)を大きくする必要がある。
そのため、例えば、特許文献1は、記録シートの給紙装置の例ではあるが、厚紙の記録シートを給紙する場合において、給紙ミスが生じた場合、ピックアップローラーの原稿に対する押圧力を増加させて摩擦力を高めることにより、繰り出し力を増加させて、給紙ミスを解消するようにしている。
このように繰り出し力を大きくすることにより、厚紙の原稿の繰り出しが行われ、仮にこの部分で原稿が二重に繰り出されても、捌きローラー対で1枚に捌かれて、さらに下流側に搬送される。
この場合には、厚紙の場合とは反対に、ピックアップローラーの押圧力を小さくして、繰り出し力を小さくすればよいとも考えられるが、実際には、湿度や紙質などの条件により、原稿間に作用する摩擦力が微妙に変化する。
本発明は、上記のような問題を解決するものであり、その目的は、原稿として薄紙や厚紙を使用しても、多重送りや給紙ミスの発生が生じにくく、円滑な原稿搬送を実現することができる原稿搬送装置および当該原稿搬送装置を備える画像形成装置を提供することにある。
したがって、少なくともピックアップローラーによる繰り出し力を、厚紙の原稿を繰り出すのに必要な大きさに設定しておけば、上記搬送抵抗の大きさを変更するだけで、薄紙から厚紙までの原稿を確実に1枚ずつ搬送することが可能となる。
ここで、前記搬送抵抗付与手段は、前記ピックアップローラーから前記捌き部に到るまでの間において、原稿のピックアップローラーの当接面と反対側の面に接触するように配設されたガイド部材を備え、当該ガイド部材の位置または傾きを変えて原稿の搬送進路を変更することにより前記搬送抵抗を変更するように構成されているとしてもよい。
また、原稿の先端が前記捌き部を通過したことを検出する検出手段を備え、前記制御手段は、当該原稿の繰り出し開始から所定時間以内に前記検出が行われなかった場合に原稿給紙ミスが発生したと判断して、原稿の繰り出し動作を再度実行する再繰り出し動作を実行し、前記給紙ミスが連続して所定の閾値回数以上発生した場合、当該原稿が厚紙であると判定して、前記搬送抵抗を低減させることが望ましい。
なお、本発明は、上記原稿搬送装置を備えた画像形成装置としてもよい。
図1は、複写機1の構成を説明するための模式図である。
同図に示すように複写機1は、大きく分けて、原稿画像を読み取るイメージリーダー部4と、読み取った画像をシート上にプリントして再現するプリンター部2とから構成される。
プリンター部2は、画像形成部20と、給紙部30と、定着部40と、制御部60とを備える。
給紙部30は、収容トレイ31と、繰り出しローラー32と、捌きローラー対33と、タイミングローラー対34などを有している。
繰り出しローラー32は、収容トレイ31の最上位の記録シートに接触して、これを原稿の搬送路に繰り出すものである。
捌きローラー対33は、一方が駆動ローラー、他方が従動ローラーであって、互いに接触して捌きニップを形成しており、当該従動ローラーにはトルクリミッターが取着され、原稿に対して搬送方向とは逆向きの力を与えている。
タイミングローラー対34は、制御部60から指示されたタイミングで記録シートを下流側に送り出すものである。
画像形成部20は、同図に示すように、Y、M、C、Kの各色のそれぞれに対応する作像ユニット10Y,10M,10C,10Kと、感光体ドラム11とそれぞれ対向する一次転写ローラー24と、中間転写ベルト25、二次転写ローラー35等を備えている。
作像ユニット10Kは、感光体ドラム11並びに、当該感光体ドラム11の周囲に配置された帯電器12、露光部13、現像器14及びクリーナー15を備える。
露光部13は、レーザダイオードなどの発光素子及びレンズ等を備え、LANなどを介して外部から取得された画像データ、もしくは、イメージリーダー部4によって読み取られた原稿データにもとづいて制御部60が生成した駆動信号を取得し、感光体ドラム11を露光するためのレーザ光を出射して、感光体ドラム11上を主走査方向に露光走査させる。
各静電潜像は、各色の現像器14により現像され、これにより感光体ドラム11表面にY、M、C、Kの現像剤像としてのトナー像が作像される。
中間転写ベルト25上の重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト25の回転により二次転写位置に移動する。
二次転写位置を通過したシートは、定着部40に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧されてシートに定着された後、一対の排出ローラー31を介して排紙トレイ5に排紙される。
また、プリンター部2には、テンキーおよびタッチパネルなどからなり、操作者からの指示を受け付けると共に、操作者に対して情報を表示する操作パネル(不図示)が設けられている。
イメージリーダー部4は、固定光学系の一つであるシートスルー方式と移動光学系であるスキャナ移動方式の両方で原稿画像の読み取りが可能なように構成されている。
ここで、シートスルー方式は、光学系(読取位置)を静止(固定)させた状態で、原稿を移動させながら読み取る方式である。
イメージリーダー部4は、シートスルー方式を実現するための自動原稿搬送部9と、画像を読み取る画像読取部8とを備えている。
<画像読取部>
画像読取部8は、シートスルー方式で原稿を読み取る場合には、スキャナ80は、シートスルー用読取ガラス89下方の位置(シートスルーポジション)に存する。
原稿面からの反射光は、第1ミラー82、第2ミラー83および第3ミラー84により光路変更され、集光レンズ85によってCCDラインセンサー86の受光面で結像される。
この際、第2ミラー83と第3ミラー84とが対となって、上記スキャナ80と同方向であってその移動速度の半分の速度で移動するようになっており、これにより原稿面から集光レンズ85までの距離(光路長)が常に一定に保たれて、原稿の反射光は、CCDラインセンサー86の受光面で結像される。
<自動原稿搬送部>
自動原稿搬送部9は、原稿給紙トレイ91にセットされた原稿束から原稿を1枚ずつ分離し、スキューを補正した後に、シートスルー用読取ガラス89上を通過させた後、原稿排紙トレイ9aに排紙するものである。
原稿Gが繰り出されたその先には、原稿に接触して原稿の搬送を妨げようとする抵抗(以下、「搬送抵抗」という。)を付与する搬送抵抗付与部90が設けられている。当該搬送抵抗付与部90の詳細については後述する。
原稿Gは、搬送抵抗付与部90を経て、給送ローラー93aとトルクリミッターが装着された捌きローラー93bとからなる捌きローラー対93の捌きニップ部を通過することにより、1枚だけに捌かれた後、レジストローラー対94へと搬送される。
そして、スキュー補正された原稿Gは、その下流側に配置された読取前ローラー対95aまで搬送される。
レジストローラー対94から送り出された原稿Gは、読取前ローラー対95aを経て、所定のタイミングでシートスルー用読取ガラス89の上方を通過するように送り出される。
なお、ピックアップローラー92と給送ローラー93aには、図2に示すように、駆動ベルト92aが巻き掛けられており、これにより、ピックアップローラー92が給送ローラー93aに連動して駆動されるようになっている。
具体的構成としては、例えば、ピックアップローラー92に原稿Gの最上面が接触して、ピックアップローラー92が所定量押し上げられると、昇降板91aの上昇が停止する構成とすることで、原稿束の厚みが変化しても、上記弾性部材の撓み量が一定に保たれて、原稿G対する押圧力を略一定に保つことが可能となる。
なお、読取前ローラー対95a、第1読取後ローラー対95b、第2読取後ローラー対96および原稿排紙ローラー対97を同一の駆動源で回転駆動する構成としてもよい。
<搬送抵抗付与部>
図2は、搬送抵抗付与部90およびその周辺の構成を示す部分断面図である。
同図に示すように、搬送抵抗付与部90は、原稿に対して搬送抵抗を付与するものであって、捌き前ガイド191aと、1対の支持体191bと、カム192と、弾性部材193と、カム192を回転駆動させる捌き前ガイド駆動部M4とからなる。
1対の支持体191bは、捌き前ガイド191aを上記奥行方向の両側で支持するものであって、支軸191cを介して、ADFのフレーム(不図示)に回動自在に保持されている。
捌き前ガイド駆動部M4は、例えば、ステッピングモータなどの回転角度の制御が容易な駆動源であって、カム192を回転駆動する。
カム192の回転角度は、ステッピングモータの駆動パルスをカウントすることにより把握することもできるが、ステッピングモータが脱調した場合には、検出された角度と現実の角度との間にずれが生じるため、本実施の形態では、念のため、捌き前ガイド駆動部M4に、カム192の回転角度を検出するロータリーエンコーダーなどの公知の角度センサーS2を付設している。
以上の構成により、カム192が回転駆動されると、捌き前ガイド191aが揺動し、捌き前ガイド191aの原稿と接触する先端部191dの位置が高くなる第1の位置と、それよりも低い第2の位置との間で択一的に切り替る構成となっている。
このとき、原稿Gの進路を給送ローラー93a寄りに反らせるため、原稿に与える搬送抵抗が大きくなる(図6(a)参照)。
すなわち、図6(a)に示すように原稿はピックアップローラー92によって、ピックアップローラー92と原稿との当接位置と捌きニップを結ぶ進路L1よりも下方の線L2に沿って原稿が繰り出され、その先端が捌き前ガイド191aのガイド面に対し、θの突入角で突入する。
この段階で記録シートは上方に大きく反っているため、その腰によりガイド先端部191dに対する原稿の押圧力は強くなり、この部分での摩擦力が大きくなって、下方に重なって連れ送りされている原稿に大きな搬送抵抗が付与されて捌かれる。
更に、原稿が搬送されると、原稿先端が、回転する給送ローラー93aの周面に当接して、下方へと押し下げられることで、捌きニップに引き込まれる。
捌きローラー93bにより捌かれて、1枚に分離した状態で捌きローラー93bから送出される。
反対に、捌き前ガイド191aの先端部191dが第2の位置となるように捌き前ガイド191aを揺動させると、搬送抵抗が小さくなる(図6(b)参照)。
予め、ピックアップローラー92による繰り出し力を、厚紙の場合でも十分搬送できる程度に設定しておけば、厚紙の繰り出しが円滑して行える。
上述のように搬送抵抗は、原稿をその正規の進路(捌き前ガイド部材がないときの進路)から反らせる量(変更量)が大きい程大きくなるため、原稿がピックアップローラー92に接触する位置と、捌きローラー対93のニップ部Nとを結んだ進路L1を基準として、捌き前ガイド191aの先端部191dが進路L1から上方に突出する突出量H1[mm]を変更することにより搬送抵抗値を調整することができる。
一般的に、薄紙、普通紙および厚紙の目付量は、それぞれ30[g/m2]〜50[g/m2]、60[g/m2]〜80[g/m2]および126[g/m2]以上であるとして取り扱われていることが多く、本実施の形態における薄紙、普通紙および厚紙の定義についても、これに準ずる。
<自動原稿搬送部の原稿搬送制御部>
図3は、自動原稿搬送部9の制御系における主要部の構成を示すブロック図である。
原稿搬送制御部98は、CPU、クロック、ROM、RAMおよびEEPROMなどからなる。
原稿搬送制御部98は、自動原稿搬送部9における(1)ピックアップローラー92および給送ローラー93aの2つのローラーと、(2)レジストローラー対94と、(3)読取前ローラー対95a、第1読取後ローラー対95bおよび原稿排紙ローラー対97の3つのローラー対の、それぞれの駆動源である原稿搬送駆動源M1、M2およびM3、並びに捌き前ガイド191aを揺動駆動する捌き前ガイド駆動部M4の駆動を制御して、原稿の搬送動作を実行する。
以下、本実施の形態に係る、原稿搬送制御部98における原稿搬送制御について、図4のフローチャートに基づき説明する。
ここでは、原稿束として、同一サイズの薄紙、普通紙、厚紙が混在した原稿(混載原稿)を搬送する処理(以下、「原稿搬送処理」という。)を実行するための制御について説明する。
先ず、原稿搬送制御部98は、図6(a)に示すように、捌き前ガイド駆動部M4を制御して、捌き前ガイド191aを揺動させ、薄紙および普通紙において多重送りが生じににくい位置、即ち、捌き前ガイド191aの先端部191dが第1の位置に来るように、その揺動姿勢を整える(ステップS101)。
つまり、現状がこのような状態にある場合は、この状態を維持し、このような状態になければ、角度センサーS2(図3)からの出力される情報を参照しつつ、捌き前ガイド駆動部M4を駆動してカム192を回転させて、捌き前ガイド191aを揺動し、薄紙および普通紙にとって、多重送りが生じにくい条件として予め設定された姿勢になるまで揺動させる。
ここで、所定時間t1は、ピックアップローラー92の駆動開始から、適正に原稿が繰り出されているとすれば、原稿検出センサーS1による検出位置に原稿の先端が到達するまでに要する時間に、所定の許容誤差(例えば、+3%)を付加した値が設定されて、予め原稿搬送制御部98内のROMなどに格納されている。
原稿搬送制御部98は、原稿検出センサーS1により原稿の先端が検出されてから時間t2経過時にピックアップローラー92および給送ローラー93aを停止させる(ステップS201)。
この時間t2は、上記原稿検出センサーS1により原稿の先端が検出されてから、給送ローラー93aにより適正に搬送された原稿の先端が、停止中のレジストローラー対94のニップ部に当接した後に所定量のループが形成されるまでの時間であって、予め設計者により求められて原稿搬送制御部98内のROMなどに格納されている。
次に、このレジストローラー対94により原稿の搬送開始から所定時間t3経過時に、原稿検出センサーS1により原稿が検出されているか否かを判定する(ステップS203)。
このような時間t3経過後に、原稿検出センサーS1によりまだ原稿が検出されていれば(ステップS203:YES)、それは、多重送りが生じて、連れ送りされた原稿がずれて検出されているものと解される。
なお、画像読取りの対象となる原稿が固定サイズの場合(例えば、A4縦搬送サイズ)には、上記時間t3も固定的でよいが、別のサイズの原稿の場合には、原稿サイズによって時間t3も変わる。
上記原稿長さは、ユーザーがスタートキーを押下する前に自ら操作パネル20c(図3)から入力するようにしてもよい。
この信号を受信したプリンター部2の制御部60は、プリンター部2に設けられた操作パネル20cに、多重送りが生じていることを示すエラーメッセージを表示させる。
その後、原稿は、さらに下流側へと送り出され、シートスルー用読取ガラス89上を通過した後、原稿排紙トレイ9aに排出されることとなる。
また、ステップS103において、ピックアップローラーと給送ローラーの駆動開始から所定時間t1以内に原稿検出センサーS1が原稿を検出していない場合には(ステップS103:NO)、原稿が、ピックアップローラー92と捌きローラー対93との間で停滞している、即ち、給紙ミスが生じているものと考えられるため、この状態がさらに悪化してジャムの発生を招かないように、直ちに、ピックアップローラー92および給送ローラー93aの回動を停止する(ステップS106)。
続いて、原稿搬送制御部98は、変数N、即ち、給紙ミスの連続発生回数Nが、所定値(所定閾値)以上になっているか否かを判定し、所定値以上となっていない場合(ステップS108:NO)、給紙ミスの発生回数が少なく、給紙ミスが生じにくい普通紙や薄紙の原稿にも偶発的に給紙ミスが生じている可能性があるため、これまでと同様の繰り出し動作を再度繰り返す(以下、このような動作を「リトライ動作」という)。
一方、ステップS108で、給紙ミスの連続発生回数Nが、所定値以上になっている場合、この原稿が厚紙である可能性が大きいため、原稿搬送制御部98は、角度センサーS2の出力を参照しつつ、捌き前ガイド駆動部M4を駆動させて、図6(b)に示すように、捌き前ガイド191aの先端部191dが、第2の位置に来るように揺動させる(ステップS109)。
もしくは、搬送抵抗を少なくするため(搬送抵抗=0も含む)、ガイド部材の先端部191dが、正規の進路L1(図2)より下方に位置するようにしてもよい。
ここで、給紙ミスの連続発生回数Nの値と比較している上記所定値は、例えば、複写機1の納入業者がプリンター部2に設けられた操作パネル20c(図3参照)を用いて設定されたもの、もしくは、本複写機1を利用するユーザーにより設定されたものである。この所定値をどのよう設定すべきかについては、後述する。
このとき、原稿を検出した場合には、原稿が捌きローラー対93を通過し、正常な搬送が行われているので、この後、ステップS104と同じ多重送り判定処理のサブルーチンを実行し(ステップS112)、当該のサブルーチンで多重送りが発生していないと判定されてリターンされた場合に、変数Nの値を0にクリアして(ステップS113)、本原稿搬送処理を終了する。
以上のように、原稿搬送制御部98は、最初は搬送抵抗を高めた状態で原稿を搬送する。
この状態は、普通紙および薄紙の原稿にとって、搬送が良好に行える条件に設定されたものであるため、搬送される原稿が普通紙や薄紙であるならば、給紙ミスの発生回数Nが所定値以上となる前に、問題なく搬送が行われる。
これにより、厚紙の原稿であっても、搬送しやすくなり給紙ミスを解消することができる。
ところで、給紙ミスの発生回数Nの閾値を、小さく設定しすぎると、まだ原稿が普通紙や薄紙である可能性が高いのにも拘わらず、少ないリトライ回数で原稿搬送路上の搬送抵抗が低減されるため、多重送りが生じやすくなる。
逆に、給紙ミスの発生回数Nの閾値を大きく設定しすぎると、リトライ回数が増加し、原稿搬送路上の搬送抵抗が低減されるタイミングが遅れる。
厚紙の原稿を搬送するケースが多いときに、このような設定を行った場合、リトライ動作が所定値と同じ回数だけ繰り返される可能性が大きくなり、1枚の原稿を搬送するまでの時間がかかり生産性が低下する。
通常は、上記所定値は、1から3の範囲内で設定される。
(1)上記実施の形態において、自動原稿搬送部9は、捌き前ガイド191aを揺動させて、原稿Gの搬送軌道を上方に逸らせるように搬送路変更を行ったり、行わなかったりすることで、搬送抵抗を変化させていたが、これに限らず、例えば、変更搬送路の上下に挟む1対のガイド部材の間隔を変更する構成としてもよい。
同図では、上側捌き前ガイド291と、これの下方において、当該上側捌き前ガイド291と対向する位置に下側捌き前ガイド292が設けられている。
上側捌き前ガイド291は、固定的に配置されており、一方、下側捌き前ガイド292は、上記実施の形態における捌き前ガイド191aと同様に、回動自在に設けられており、上記実施の形態と同様にカム機構などにより揺動される。
本変形例によれば、原稿を表裏から挟み込むようにして搬送抵抗を創出しているので、上記実施の形態のように水平方向に搬送される記録シートを上に反らせるように進路変更して、重力とシート自身の腰を利用して捌き前ガイドとの摩擦力によって搬送抵抗を増加させる場合よりも、より確実で、かつ大きな搬送抵抗を生成することができるという利点がある。
なお、本変形例において、一対の捌き前ガイドの距離を変更するため、上側捌き前ガイド291および下側捌き前ガイド292の双方を移動させてもよいし、上側捌き前ガイド291のみを移動させる構成としても構わない。
繰り出し力は、ピックアップローラー92の押圧力F1やピックアップローラー92の表面および原稿間の摩擦係数などによって決まる。
この場合、薄紙や普通紙の場合には押圧力F1を弱く、厚紙の場合には押圧力F1を強くなるように設定される。具体的な押圧力F1の大きさは、実験などにより決定される。
画像読取部8またはプリンター部2内に設けられている制御系が原稿搬送制御部98を兼ねる構成であってもよい。
(4)上記実施の形態では、ガイド先端部191dの位置を、第1と第2の位置に変更して、原稿の進路を2段階に変更できるようにしたが、3段階以上に分けて進路変更できるようにしてもよい。例えば、薄紙と普通紙とで進路が異なるように設定しても構わない。
(5)上記実施の形態では、捌き部を、給送ローラー93aと捌きローラー93bで捌きニップを形成することにより構成したが、これに限られない。
例えば、捌きローラー93bの代わりに捌きパッドなどの捌き部材を給送ローラー93aの周面に当接もしくは近接させる構成にしてもよい。
このように原稿の厚みが変わらないケースでは、搬送すべき原稿が、薄紙、普通紙および厚紙のいずれに相当するのかを、操作パネル20cを介して操作者から受け付け、原稿搬送制御部98がその結果にもとづいて、捌き前ガイド191aの先端部191dを第1および第2の位置のいずれかに揺動させるとしてもよい。
また、上記実施の形態および上記変形例の内容を可能な限り、それぞれ組み合わせるとしてもよい。
2 プリンター部
4 イメージリーダー部
M4 捌き前ガイド駆動部
5 排紙トレイ
8 画像読取部
9 自動原稿搬送部
9a 原稿排紙トレイ
60 制御部
90 搬送抵抗付与部
91 原稿給紙トレイ
91a 昇降板
92 ピックアップローラー
92a 駆動ベルト
93 捌きローラー対
93a 給送ローラー
93b 捌きローラー
94 レジストローラー対
95a 読取前ローラー対
95b 第1読取後ローラー対
96 第2読取後ローラー対
97 原稿排紙ローラー対
98 原稿搬送制御部
99 搬送路
191a 捌き前ガイド
191b 支持体
191c 支軸
191d 先端部
192 カム
193 弾性部材
290 搬送抵抗付与部
291 上側捌き前ガイド
292 下側捌き前ガイド
Claims (5)
- 原稿トレイ上に載置された原稿の上面にピックアップローラーを当接させて搬送路上に繰り出した後、原稿を捌く捌き部へと導入し、捌き部で捌かれた原稿を、さらに搬送方向下流側へと搬送する原稿搬送装置であって、
前記ピックアップローラーから前記捌き部に至るまでの間を搬送される原稿に、搬送方向と反対向きに作用する搬送抵抗を付与する搬送抵抗付与手段と、
原稿の厚さに応じて前記搬送抵抗を変更するように前記搬送抵抗付与手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記搬送抵抗付与手段は、前記ピックアップローラーから前記捌き部に到るまでの間の搬送路に繰り出された原稿の表裏に対向するように、前記ピックアップローラーと当該原稿との当接位置から前記捌き部に到るまでの当該原稿の正規の進路を挟んで対向配置された第1のガイド部材と第2のガイド部材とを備え、
前記第1のガイド部材と第2のガイド部材との少なくとも一方が他方に対して移動することにより、前記第1のガイド部材が前記正規の進路から前記第2のガイド部材に向かって突出する量を変更可能であり、
前記制御手段は、原稿が厚紙よりも薄い場合には前記搬送抵抗付与手段に、当該原稿の進路が前記第1のガイド部材に加えて前記第2のガイド部材に当接するように前記突出する量を増加させることにより、前記搬送抵抗を増大させ、
前記制御手段は、原稿が厚紙である場合には前記搬送抵抗付与手段に、当該原稿の進路が前記第2のガイド部材には当接しないように前記突出する量を減少させることにより、前記搬送抵抗を低減させる
ことを特徴とする原稿搬送装置。 - 前記第1のガイド部材は、原稿の表面と裏面とのうち、ピックアップローラーには当接しない方に接触するように配設され、前記第1のガイド部材が位置または傾きを変えることによって前記突出する量を変更するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。 - 原稿の先端が前記捌き部を通過したことを検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、
当該原稿の繰り出し開始から所定時間以内に前記検出が行われなかった場合に原稿給紙ミスが発生したと判断して、原稿の繰り出し動作を再度実行する再繰り出し動作を実行し、
前記給紙ミスが連続して所定の閾値回数以上発生した場合、当該原稿が厚紙であると判定して、前記搬送抵抗を低減させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。 - 操作者から前記閾値回数の入力を受け付ける受付手段を備える請求項3に記載の原稿搬送装置。
- 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の原稿搬送装置を備える画像形成装置。
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