JP5960533B2 - 配線基板およびそれを備えた実装構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器(たとえば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ機器およびその周辺機器)に使用される配線基板およびそれを備えた実装構造体に関するものである。
従来、電子機器に使用される実装構造体としては、配線基板に電子部品を実装したものが知られている。
例えば、特許文献1には、貫通孔が形成された第1絶縁層と、貫通孔内に配された貫通導体と、第1絶縁層の上面に配されているとともに貫通導体に接続された接続導体と、第1絶縁層および接続導体の上面を覆った第2絶縁層とを備えた配線基板が開示されている。
ところで、従来の配線基板では、第1絶縁層および第2絶縁層と接続導体との熱膨張率が異なる。その結果、配線基板に熱が加わると、第1絶縁層および第2絶縁層と接続導体との境界面に熱応力が印加され、第1絶縁層および第2絶縁層と接続導体とが剥離しやすい。そして、第1絶縁層および第2絶縁層と接続導体とが剥離すると、その剥離が第1絶縁層と第2絶縁層との境界面に伝わり、第1絶縁層と第2絶縁層とが剥離しやすくなる。この場合、接続導体に電圧が印加された際に、該電圧によってイオン化した接続導体の一部が剥離箇所に侵入し(イオンマイグレーション)、隣り合う接続導体同士が電気的に短絡することがある。それゆえ、配線基板の電気的信頼性が低下しやすくなる。
特開2009−170669号公報
本発明は、配線基板の電気的信頼性を向上する要求に応える配線基板およびその配線基板を備えた実装構造体を提供することを目的とするものである。
本発明の一実施形態にかかる配線基板は、コア基板の主面にビルドアップ層を有する配線基板であって、前記ビルドアップ層が、上面に開口した凹部および該凹部の底面から下面に貫通した貫通孔が形成された第1絶縁層と、前記貫通孔内に配された貫通導体と、前記凹部内に配されて前記貫通導体に接続された接続導体と、前記第1絶縁層の上面および前記接続導体の上面を覆った第2絶縁層とを備え、前記凹部の側面は、前記貫通孔の側面と繋がっており、前記凹部の側面は、厚み方向に沿った断面視において、前記第1絶縁層の上面側から前記第1絶縁層の下面側にかけて、前記凹部の内側に傾斜しているとともに、前記接続導体の側面と前記凹部の側面との間には、前記第1絶縁層の上面側に開口した隙間が形成されており、前記第2絶縁層の一部は、前記隙間に配されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる配線基板によれば、接続導体の側面と凹部の側面との間には、第1絶縁層の上面側に開口した隙間が形成されており、第2絶縁層の一部は、前記隙間に配されているため、第1絶縁層と第2絶縁層との接着面積が大きくなることから、第1絶縁層と第2絶縁層との接着強度は向上して、第1絶縁層と第2絶縁層との剥離を低減することができ、ひいては配線基板の電気的信頼性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる実装構造体の例を示す、厚み方向(Z方向)に切断した断面図である。 図2は、図1のR1部分を拡大して示した、厚み方向(Z方向)に切断した断面図である。 図3は、図2のI−I’線で切断した平面図である。 図4は、図2のR2部分の拡大図である。 図5(a)ないし(b)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する、それぞれ厚み方向(Z方向)に切断した断面図である。 図6(a)および(b)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する、それぞれ厚み方向(Z方向)に切断した断面図である。 図7(a)および(b)は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する、それぞれ厚み方向(Z方向)に切断した断面図である。 図8は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する、厚み方向(Z方向)に切断した断面図である。 図9は、図1と異なる実施形態にかかる実装構造体の例を示す、厚み方向(Z方向)に切断した断面図である。
(実装構造体)
以下に、本発明の一実施形態にかかる配線基板を含む実装構造体を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示した実装構造体1は、例えば、各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ装置またはその周辺機器などの電子機器に使用される。この実装構造体1は、電子部品2と、この電子部品2が一主面に実装された配線基板3と、電子部品2と配線基板3との間に配された導体部材であるバンプ4とを含む。この配線基板3は上下両面にビルドアップ層6を有しており、そのうちのR1部分を図2に拡大して示している。
(電子部品)
電子部品2は、例えばICまたはLSIなどの半導体素子などであり、半田などの導電材料を含むバンプ4を介して、配線基板3にフリップチップ実装されている。この電子部品2は、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム砒素リン、窒化ガリウムまたは炭化ケイ素などの半導体材料から形成されている。
(配線基板)
配線基板3は、コア基板5と、コア基板5の両主面に配された一対のビルドアップ層6とを含んでいる。なお、ここで「上」および「下」とは、コア基板5の電子部品2側に配されたビルドアップ層6については、電子部品2側を「上」とし、コア基板5側を「下」としている。また、コア基板5の電子部品2とは反対側に配されたビルドアップ層6については、電子部品2側を「下」とし、反対側を「上」としている。
(コア基板)
コア基板5は、配線基板3のヤング率を高めるものである。このコア基板5は、基体7と、基体7の両主面に形成された一対のコア導電層8と、一対のコア導電層8同士を電気的に接続する円筒状のスルーホール導体9と、円筒状のスルーホール導体9の内部に充填された絶縁体10とを含む。
基体7は、コア基板5のヤング率を高めるものである。この基体7は、例えば、コア樹
脂部(図示せず)とコア樹脂部に被覆された基材(図示せず)とを含んでいる。
コア樹脂部は、基体7の主要部をなすものである。このコア樹脂部には、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂またはポリエーテルケトン樹脂などの材料を使用することができる。
基材は、基体7のヤング率を高めつつ、熱膨張量を低減するものである。この基材としては、例えばガラス繊維または樹脂繊維などから構成された織布もしくは不織布が挙げられる。
コア導電層8は、コア基板5の両主面に配されたビルドアップ層6との電気的な接続を図るものであり、例えば、銅、銀、金またはアルミニウムなどの導電性材料からなる。
スルーホール導体9は、基体7を厚み方向に貫通して、基体7の両主面に形成された一対のコア導電層8同士の電気的な接続を図るものであり、例えば、銅、銀、金またはアルミニウムなどの導電性材料によって円筒状に形成されている。
円筒状に形成されたスルーホール導体9の内部には、絶縁部10が形成されている。この絶縁部10の端面は、スルーホール導体9の端面と共に、これらの端面上に形成されるコア導電層8を支持しており、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂またはビスマレイミドトリアジン樹脂などの樹脂材料で形成されている。
(ビルドアップ層)
ビルドアップ層6は、複数の絶縁層11と、複数のビルドアップ導電層12と、複数の貫通導体13とを含み、絶縁層11とビルドアップ導電層12とが交互に積層され、厚み方向に離れた導電層同士を貫通導体13が電気的に接続している。
(絶縁層)
絶縁層11は、ビルドアップ層6においてビルドアップ導電層12同士や貫通導体13同士の絶縁を図るものである。この絶縁層11は、絶縁層11の下面を構成した樹脂層14と、絶縁層11の上面を構成しているとともに樹脂層14に積層された無機絶縁層15とを含む。そして、絶縁層11には、図2に示したように、無機絶縁層15を貫通して絶縁層11の上面に開口した凹部Hと、凹部Hの底面から絶縁層11の下面まで、すなわち樹脂層14を貫通した貫通孔Vとが形成されている。なお、本実施形態において、貫通孔Vの上端の開口は凹部Hの底面の全てを貫通して形成されていることから、凹部Hの側面と貫通孔Vの側面とは連続しており、その結果、凹部Hの側面は貫通孔Vの側面と繋がっている。また、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、凹部Hの幅は、貫通孔Vの上端の開口の幅以上に設定されている。
絶縁層11の厚みは、例えば8μm以上43μm以下に設定されており、絶縁層11のヤング率は、例えば10GPa以上30GPa以下に設定されており、絶縁層11の平面方向(XY平面方向)および厚み方向(Z方向)への熱膨張率は、例えば10ppm以上50ppm以下に設定されている。なお、絶縁層11の厚みは、配線基板3の研摩によって露出した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、厚み方向(Z方向)に沿った長さを10箇所以上測定し、その平均値を算出することで求められる。また、絶縁層11の熱膨張率は、市販のTMA(熱機械分析)装置を用いて、JIS K7197−1991に準じた測定方法によって測定される。また、絶縁層
11のヤング率は、ナノインデンターを用いて、ISO527−1:1993に準じた測定方法によって測定される。
また、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、凹部Hの絶縁層11の上面における開口幅は、例えば45μm以上250μm以下に設定されている。また貫通孔Vの凹部Hの底面における開口幅は、例えば15μm以上150μm以下に設定されている。なお、凹部Hの絶縁層11の上面における開口幅および貫通孔Vの凹部Hの底面における開口幅は、絶縁層11の厚みと同様に測定される。
なお、以下の記載において、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとは、ある1つの接続導体21に着目したときに、その接続導体21が配された凹部Hが形成された絶縁層11を第1絶縁層11Aとし、その第1絶縁層11Aの上面に配された絶縁層11を第2絶縁層11Bとする。
(樹脂層)
樹脂層14は、無機絶縁層15同士または無機絶縁層15とビルドアップ導電層12とを接着するものである。この樹脂層14は、図2に示したように、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂またはシアネート樹脂などの樹脂材料からなるビルドアップ樹脂部16と、ビルドアップ樹脂部16に被覆されたフィラー粒子17とを含む。
樹脂層14の厚みは、例えば3μm以上20μm以下に設定されており、樹脂層14のヤング率は、例えば1GPa以上10GPa以下に設定されており、樹脂層14の平面方向(XY平面方向)および厚み方向(Z方向)への熱膨張率は、例えば20ppm/℃以上70ppm/℃以下に設定されている。また、樹脂層14におけるフィラー粒子17の体積比率(体積%)は、例えば10体積%以上70体積%以下に設定されている。
なお、樹脂層14の厚み、ヤング率および熱膨張率は、絶縁層11と同様に測定される。また、フィラー粒子17の体積比率(体積%)は、まず、樹脂層14の研摩によって露出した断面をSEMまたはTEMで撮影し、撮影した画像から画像解析装置などを用いて面積比率(面積%)を測定する。次に、これらの測定値から面積比率の平均値を算出し、これをフィラー粒子17の体積比率とみなすことによって、フィラー粒子17の体積比率(体積%)が求められる。
(フィラー粒子)
フィラー粒子17は、樹脂層14中に分散しており、樹脂層14のヤング率を向上させるとともに、樹脂層14の熱膨張量を低減するものである。このフィラー粒子17は、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムなどの無機絶縁材料からなる。
フィラー粒子17の平均粒径は、例えば0.3μm以上5μm以下に設定されている。なお、フィラー粒子17の平均粒径は、樹脂層14の断面をSEMまたはTEMで観察し、20個以上50個以下の粒子を含むように拡大した断面を撮影し、この拡大した断面にて各粒子の最大径を測定し、それらの平均値を算出することによって求められる。
(無機絶縁層)
無機絶縁層15は、絶縁層11のヤング率を向上させるとともに、絶縁層11の熱膨張量を低減するものである。この無機絶縁層15は、図2に示したように、樹脂材料よりも熱膨張率が小さくかつヤング率が大きい無機絶縁材料からなる複数の第1無機絶縁粒子18および複数の第2無機絶縁粒子19が互いに接続している。すなわち、複数の第1無機絶縁粒子18および複数の第2無機絶縁粒子19が樹脂中に分散している場合に比べて、
複数の第1無機絶縁粒子18および複数の第2無機絶縁粒子19は互いに拘束し合っていることから、互いに流動することを抑制するので、無機絶縁層15の熱膨張率を低減し、かつヤング率を向上させることができ、その結果、絶縁層11の熱膨張量を低減でき、かつヤング率を向上させることができる。
無機絶縁層15の厚みは、例えば3μm以上25μm以下に設定されており、無機絶縁層15のヤング率は、例えば20GPa以上50GPa以下に設定されており、無機絶縁層15の平面方向(XY平面方向)および厚み方向(Z方向)の熱膨張率は、例えば0.6ppm/℃以上10ppm/℃以下に設定されている。なお、無機絶縁層15の厚み、ヤング率、熱膨張率および熱伝導率は、樹脂層14と同様に求められる。
無機絶縁層15における、第1無機絶縁粒子18と第2無機絶縁粒子19とを含めた体積比率(体積%)は、例えば62体積%以上75体積%以下に設定されており、そのうち、第1無機絶縁粒子18の体積比率(体積%)は、例えば20体積%以上90体積%以下に設定されており、第2無機絶縁粒子19の体積比率(体積%)は、10体積%以上80体積%以下に設定されている。なお、第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19の体積比率(体積%)は、フィラー粒子17と同様に測定される。
また、間隙Gの体積比率(体積%)は、例えば25体積%以上38体積%以下に設定されている。そして、間隙Gにおけるビルドアップ樹脂部16の一部の体積比率は、例えば99.5体積%以上100体積%以下に設定されている。なお、間隙Gの体積比率はフィラー粒子17と同様に求められる。
(第1無機絶縁粒子)
第1無機絶縁粒子18は、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムなどの無機絶縁材料からなる。中でも、電気信号の伝送特性の観点から酸化ケイ素を用いることが望ましい。また、第1無機絶縁粒子18は、非晶質体を用いることが望ましい。第1無機絶縁粒子18を非晶質体とすることで、結晶構造に起因した熱膨張率の異方性を低減することができ、無機絶縁層15におけるクラックの発生を低減できる。
第1無機絶縁粒子18の平均粒径は、例えば3nm以上110nm以下に設定されており、第1無機絶縁粒子18の平均粒径は、フィラー粒子17の平均粒径と同様に求められる。
(第2無機絶縁粒子)
第2無機絶縁粒子19は、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムなどの無機絶縁材料からなり、例えば球状である。また第2無機絶縁粒子19は、第1無機絶縁粒子18と第2無機絶縁粒子19との接続強度の観点から、第1無機絶縁粒子18と同じ材料からなることが望ましい。また、第2無機絶縁粒子19は、非晶質体を用いることが望ましい。その結果、第2無機絶縁粒子19の結晶構造に起因した第2無機絶縁層23のクラックの発生を低減することができる。
第2無機絶縁粒子19の平均粒径は、例えば0.5μm以上5μm以下に設定されており、フィラー粒子17の平均粒径と同様に求められる。
(ビルドアップ導電層)
ビルドアップ導電層12は、図1ないし図3に示したように電気信号を伝送する配線導体20と、貫通導体13と配線導体20とを、または厚み方向に隣接した貫通導体13同士を接続する接続導体21とを含む。
配線導体20は、例えば、銅、銀、金またはアルミニウムなどの導電性材料からなり、絶縁層11の無機絶縁層15の上面に線状に形成されている。
配線導体20の厚みは、例えば1.5μm以上15μm以下に設定されており、配線導体20のヤング率は、例えば50GPa以上200GPa以下に設定されており、配線導体20の平面方向(XY平面方向)および厚み方向(Z方向)への熱膨張率は、例えば15ppm/℃以上23ppm/℃以下に設定されている。なお、配線導体20の厚み、ヤング率および熱膨張率は、絶縁層11と同様に求められる。
接続導体21は、例えば、銅、銀、金またはアルミニウムなどの導電性材料からなる。この接続導体21は、絶縁層11の凹部Hに配されて、絶縁層11の貫通孔Vに配された貫通導体13に接続している。また、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、接続導体21の最大幅は、凹部Hの第1絶縁層11Aにおける開口幅よりも小さく設定されている。また、接続導体21の側面と凹部Hの側面との間には、接続導体21の側面と凹部Hの側面とに囲まれて、第1絶縁層11Aの上面と平行の面よりも下側に窪んだ隙間Cが形成されており、隙間Cには、第2絶縁層11Bの一部が配されており、第2絶縁層11Bは間隙Cの例えば99体積%以上を満たしている。なお、接続導体21は、例えば図3に示したように、平面視において円形状である。
また、本実施形態においては、この接続導体21は、図2に示したように、凹部Hの側面と接した第1底面B1と、コア導電層8または貫通導体13と接続した第2底面B2とを具備している。そして、図2に示したように、隙間Cは、接続導体21の第1底面B1と凹部Hの側面とが接して形成された角部Eを具備しており、この角部Eは、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、例えば25°以上85°以下の鋭角となっている。その結果、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、隙間Cが矩形状に形成されている場合と比較して、隙間Cの体積を小さくすることができ、隙間Cに入り込む第2絶縁層11Bの樹脂層14の体積を小さくすることができる。それゆえ、第2絶縁層11Bの樹脂層14の割合を低減することができ、第2絶縁層11Bの熱膨張量を低減することができる。なお、角部Eは、第2絶縁層11Bの樹脂層14の充填効率の観点から30°以上の鋭角が望ましい。
接続導体21の厚みは、例えば1.5μm以上15μm以下に設定されており、接続導体21のヤング率は、例えば50GPa以上200GPa以下に設定されており、接続導体21の平面方向(XY平面方向)および厚み方向(Z方向)への熱膨張率は、例えば15ppm/℃以上23ppm/℃以下に設定されている。また、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、接続導体21の最大幅は、例えば30μm以上200μm以下に設定されている。なお、接続導体21の厚み、ヤング率および熱膨張率は、絶縁層11と同様に求められる。また、接続導体21の幅は、接続導体21の厚みと同様に求められる。
(貫通導体)
貫通導体13は、この貫通導体13が貫通する絶縁層14の上下に位置するビルドアップ導電層12同士を、接続導体21を介して相互に接続するものであり、例えば銅、銀、金、アルミニウムまたはニッケルクロムなどの導電材料からなる。
貫通導体13のヤング率は、例えば50GPa以上200GPa以下に設定されている。また、貫通導体13の厚み方向(Z方向)および平面方向(XY平面方向)への熱膨張率は、例えば15ppm/℃以上23ppm/℃以下に設定されている。また、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、貫通導体13の最大幅は、例えば15μm以上120μm以下に設定されている。なお、貫通導体13の厚み、ヤング率および熱膨張率は、
絶縁層11と同様に求められる。また、貫通導体13の幅は、貫通導体13の厚みと同様に求められる。
ところで、前述したように、接続導体21は、第1絶縁層11Aに形成された凹部Hに配されており、第1絶縁層11Aの上面および接続導体21の上面を第2絶縁層11Bが覆っている。そして、図2に示したように、接続導体21の側面と凹部Hの側面との間には、第1絶縁層11Aの上面側に開口した隙間Cが形成されており、第2絶縁層11Bの一部が隙間Cに配されている。その結果、第1絶縁層11Aおよび第2絶縁層11Bと接続導体21との熱膨張率の差に起因して、第1絶縁層11Aおよび第2絶縁層11Bと接続導体21とが剥離した場合でも、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとの接着面積が大きくなることから、第1絶縁層11Aおよび第2絶縁層11Bと接続導体21との剥離に起因して、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとが剥離することを低減することができ、かつ接続導体21の近接した箇所における第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとの接着面積が大きくなることから、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとの剥離の起点において接着強度が向上することから、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとの剥離を良好に低減することができ、ひいては実装構造体の電気的信頼性を向上させることができる。
また、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとの接触面において、それぞれ熱膨張率が異なった部材が接している場合には、それぞれの熱膨張率の差に起因して、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bと接続導体21との接触箇所に熱応力が印加されやすく、当該接触箇所から剥離が生じやすいが、この場合においても、前述したように、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとの剥離を良好に低減することができる。
また、図2に示したように、接続導体21の第1底面B1は、凹部Hの側面の一部すなわち無機絶縁層15と接していることが望ましい。その結果、従来の樹脂材料からなる絶縁層に接続導体21が接している場合と比較して、第1絶縁層11Aと接続導体21との接触部における熱膨張率の差を低減することができ、第1絶縁層11Aと接続導体21との剥離を低減することができる。
また、図2に示したように、凹部Hの側面は、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、第1絶縁層11Aの上面側から第1絶縁層11Aの下面側にかけて、凹部Hの幅が小さくなるように内側に傾斜している。その結果、接続導体21の底面の一部は、第1絶縁層11Aの下面に向かってテーパー状であることから、第1絶縁層11Aの厚み方向(Z方向)への熱膨張に起因した熱応力は分散させることができ、接続導体21が貫通導体13からクラックすることを、あるいは貫通導体13が貫通孔Vから引き抜かれることを抑制することができる。
また、図2に示したように、厚み方向(Z方向)に対する凹部Hの側面の第1傾斜角A1は、厚み方向(Z方向)に対する貫通孔Vの側面の第2傾斜角A2よりも大きいことが望ましい。その結果、貫通導体13および接続導体21を、無電解メッキまたは電気メッキによって一体的に形成した際に、接続導体21の上面の中央部が盛り上がることを低減できる。
ここで、第1傾斜角A1は、厚み方向(Z方向)に平行であって凹部H内から凹部Hの内壁まで伸長した第1仮想線分L1と凹部Hの内壁との間の角度をいう。同様に、第2傾斜角A2は、厚み方向(Z方向)に平行であって貫通孔V内から貫通孔Vの内壁まで伸長した第2仮想線分L2と貫通孔Vの内壁との間の角度をいう。
なお、第1傾斜角A1の角度は、例えば25°以上80°以下に設定されており、第2
傾斜角A1の角度は、例えば1°以上23°以下に設定されている。また、第1傾斜角A1および第2傾斜角A2の角度は、絶縁層11の厚みと同様に、絶縁層11の断面を観察して測定する。また、第1傾斜角A1は、第2傾斜角A2の例えば2倍以上4.5倍以下に設定されている。
また、図2に示したように、凹部Hの側面には、第2無機絶縁粒子19が突出してなる複数の突起部Pが形成されており、隙間Cに配された第2絶縁層11Bの樹脂層11Bは、複数の突起部Pを覆っている。その結果、樹脂層11Bが複数の突起部Pに覆い被さっているため、アンカー効果により、隙間Cにおいて第1絶縁層11Aから第2絶縁層11Bが剥離することを低減することができる。
また、図2に示したように、接続導体21は、凹部Hの側面に形成された突起部Pを覆っている。その結果、アンカー効果によって、接続導体21と無機絶縁層15との熱膨張率の差に起因した剥離を低減することができる。
なお、この突起部Pの表面は、第2無機絶縁粒子19が球状である場合には、球面状に形成される。また、突起部Pは、凹部Hの内壁面からの高さが、例えば0.25μm以上2.5μm以下に設定されており、突起部Pの幅は、例えば0.25μm以上2.5μm以下に設定されており、凹部Hの内壁面において、周方向に複数形成されている。
また、図2に示したように、凹部Hの側面には、第2無機絶縁粒子19が凹部Hの側面から剥離して形成された窪み部Dが形成されており、隙間Cに配された第2絶縁層11Bの樹脂層11Bは、窪み部Dに入り込んでいる。その結果、樹脂層11Bの一部が窪み部Dに配されているため、アンカー効果によって、第1絶縁層11Aから第2絶縁層11Bが剥離することを抑制することができる。
なお、窪み部Dの内表面は、第2無機絶縁粒子19が球状である場合には、球面状に形成される。また、窪み部Dは、凹部Hの内壁面からの深さが、例えば0.25μm以上2.5μm以下に設定されており、窪み部Dの幅は、例えば0.25μm以上2.5μm以下に設定されており、凹部Hの内壁面において、周方向に複数形成されている。
また、図2に示したように、接続導体21の一部は、凹部Hの側面に形成された窪み部Dに入り込んでいる。その結果、アンカー効果によって、接続導体21と無機絶縁層15との熱膨張率の差に起因した剥離を低減することができる。
また、図2に示したように、配線導体20は、接続導体21の側面の一部と接続しており、配線導体20の一部は、凹部Hの側面に形成された突起部Pの全部または一部を覆っている。その結果、凹部H内に配された配線導体20の一部が突起部Pの全部または一部に覆い被さっているため、アンカー効果によって、配線導体20と第1絶縁層11Aとの剥離を低減することができる。
また、接続導体21の側面は、厚み方向(Z方向)に沿った断面視において、角部Eから接続導体21の上面にかけて、接続導体21の幅が小さくなるように凹部Hの内側に傾斜していることが望ましい。隙間Cに配された第2絶縁層11Bの平面方向(XY平面方向)への熱膨張による熱応力が、接続導体21の側面が傾斜していることによって、接続導体21を押しこむ方向に働き、接続導体21が凹部Hから剥離することを抑制することができる。
また、接続導体21の上面は、第1絶縁層11Aの上面よりも貫通導体13側に位置していることが望ましい。その結果、接続導体21の上面が第1絶縁層11Aの上面から突
出することによって、接続導体21の上面および第1絶縁層11Aの上面を覆った第2絶縁層11Bの主面が出っ張ることを抑制し、ひいては電子部品2と配線基板3との接続信頼性を向上させることができる。これは、特に図9に示したように、複数の貫通導体13および複数の接続導体21を厚み方向(Z方向)に積み上げた構成の配線基板3において効果的である。
<実装構造体の製造方法>
次に、前述した実装構造体1の製造方法を、図5から図8を参照しつつ説明する。
(積層シートの作製)
(1)第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19を含む固形分と、この固形分が分散した溶剤とを有する無機絶縁ゾル15xを準備する。無機絶縁ゾル15xは、例えば、固形分を10体積%以上50体積%以下含み、溶剤を50%体積以上90体積%以下含む。また、無機絶縁ゾル15xの固形分は、例えば、第1無機絶縁粒子18を20体積%以上90体積%以下含み、第2無機絶縁粒子19を10体積%以上80体積%以下含む。
第1無機絶縁粒子18は、例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)などのケイ酸化合物を精製し、化学的に酸化ケイ素を析出させることによって作製することができる。この場合には、低温条件下で第1無機絶縁粒子18を作製することができるため、非晶質状態である第1無機絶縁粒子18を作製することができる。
第2無機絶縁粒子19は、酸化ケイ素からなる場合であれば、例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)などのケイ酸化合物を精製し、化学的に酸化ケイ素を析出させた溶液を火炎中に噴霧し、凝集物の形成を低減しつつ800℃以上1500℃以下に加熱することによって作製することができる。また、第2無機絶縁粒子19を作製する際の加熱時間は、1秒以上180秒以下に設定されていることが望ましい。その結果、この加熱時間を短縮することにより、800℃以上1500℃以下に加熱した場合においても、第2無機絶縁粒子19の結晶化を抑制し、非晶質状態を維持することができる。
一方、無機絶縁ゾル15xに含まれる溶剤は、例えば、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、またはこれらから選択された2種以上の混合物を含んだ有機溶剤を使用することができる。
(2)樹脂材料または金属材料などによって形成された支持シート22を準備し、支持シート22の一主面に無機絶縁ゾル15xを塗布する。無機絶縁ゾル15xの塗布は、例えば、ディスペンサー、バーコーター、ダイコーターまたはスクリーン印刷を用いて行なうことができる。
(3)無機絶縁ゾル15xを乾燥させて溶剤を蒸発させる。
ここで、溶剤の蒸発に伴って無機絶縁ゾル15xが収縮するが、かかる溶剤は、第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19に囲まれた間隙Gに含まれており、第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19自体には含まれていない。このため、無機絶縁ゾル15xが平均粒径の大きい第2無機絶縁粒子19を含んでいると、その分、間隙Gが小さくなるとともに、溶剤が充填される領域が少なくなり、無機絶縁ゾル15xの溶剤の蒸発時に無機絶縁ゾル15xの収縮量が小さくなる。すなわち、第2無機絶縁粒子19に
よって無機絶縁ゾル15xの収縮が規制されることとなる。その結果、無機絶縁ゾル15xの収縮に起因するクラックの発生を低減することができる。
無機絶縁ゾル15xの乾燥は、例えば、加熱および風乾によって行なわれる。乾燥温度が、例えば20℃以上溶剤の沸点(2種類以上の溶剤を混合している場合には、最も沸点の低い溶剤の沸点)未満に設定され、乾燥時間が、例えば20秒以上30分以下に設定される。その結果、溶剤の沸騰が抑制され、沸騰の際に生じる気泡の圧力によって第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19が押し出されることが抑制され、この粒子の分布をより均一にすることが可能となる。
(4)残存した無機絶縁ゾル15xの固形分を加熱し、第1無機絶縁粒子18同士および第1無機絶縁粒子18と第2無機絶縁粒子19とを互いの一部で接続させた無機絶縁層15を作製する。
ここで、本実施形態における無機絶縁ゾル15xは、平均粒径が微小な値に設定された第1無機絶縁粒子18を有している。その結果、無機絶縁ゾル15xの加熱温度が比較的低温、例えば第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19の結晶化開始温度未満と低温であっても、第1無機絶縁粒子18同士を強固に接続させることができる。
また、このように低温で加熱することによって、第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19が粒子の形状を保持しつつ、第1無機絶縁粒子18同士および第1無機絶縁粒子18と第2無機絶縁粒子19とを近接領域のみで接続させることができる。その結果、第1無機絶縁粒子18同士および第1無機絶縁粒子18と第2無機絶縁粒子19とを接続させることができ、間隙Gを容易に形成することができる。
なお、無機絶縁ゾル15xの加熱は、温度が例えば100℃以上700℃未満に設定され、時間が例えば0.5時間以上24時間以下に設定されることが望ましい。
(5)未硬化の樹脂材料にフィラー粒子17を分散させた樹脂前駆体14xを準備し、図5(a)に示したように、無機絶縁層15の支持シート22と反対側の主面に樹脂前駆体14xを塗布または積層し、支持シート22、無機絶縁層15および樹脂前駆体14xを上下方向に加熱加圧することによって、無機絶縁層15の間隙Gの一部に未硬化の樹脂材料を入り込ませて、型体15、無機絶縁層15および樹脂前駆体14xを含む積層体19を作製する。なお、未硬化とは、ISO472:1999に準ずるA−ステージまたはB−ステージの状態である。
また、支持シート22、無機絶縁層15および樹脂前駆体14xの加熱加圧は、樹脂前駆体14xの熱硬化開始温度未満で行なう。具体的には、加熱温度が例えば60℃以上160℃以下に設定され、圧力が例えば0.1MPa以上2MPa以下に設定され、加熱加圧時間が例えば0.5時間以上2時間以下に設定される。
以上のようにして、支持シート22、無機絶縁層15および樹脂前駆体14xを含む積層シート23を作製する。
(コア基板の作製)
(6)コア樹脂部と、コア樹脂部に被覆された基材とを含む基体7を準備し、基体7を厚み方向に貫通するスルーホール導体9を形成し、基体7上にコア導電層8を形成する。具体的には、以下のように行なう。
まず、例えばドリル加工やレーザー加工などにより、基体7を厚み方向に貫通したスル
ーホールを複数形成する。次に、例えば無電解めっき、蒸着法、CVD法またはスパッタリング法などにより、スルーホールの内壁に導電材料を被着させて、円筒状のスルーホール導体9を形成する。次に、円筒状のスルーホール導体9の内部に、樹脂材料などを充填し、絶縁体10を形成する。次に、例えば無電解めっき法、蒸着法、CVD法またはスパッタリング法などにより、導電材料を絶縁体10の露出部に被着させる。次に、フォトリソグラフィー技術、エッチングなどを用いて被着した導電材料を任意にパターニングすることによって、コア導電層8を形成する。
以上のようにして、コア基板5を作製する。
(ビルドアップ層の作製)
(7)図5(b)に示したように、コア導電層8を樹脂前駆体14xが被覆するように、積層シート23を積層した積層体24を準備する。次いで、積層体24を上下方向に加熱加圧することによって、無機絶縁層15の間隙Gにさらに樹脂前駆体14xの一部を充填するとともに、積層体24の樹脂前駆体14xを熱硬化させて樹脂層14とし、無機絶縁層15の間隙Gに樹脂層14の一部が充填した絶縁層11を作製する。
なお、積層体24の加熱加圧は、樹脂前駆体5xの硬化開始温度以上樹脂前駆体5xの熱分解温度未満で行なう。具体的には、温度は例えば150℃以上250℃以下に設定され、圧力は例えば2MPa以上3MPa以下に設定され、時間は例えば0.5時間以上2時間以下に設定される。
(8)図6(a)に示したように、支持シート22を剥離して、例えばYAGレーザー装置または炭酸ガスレーザー装置により、絶縁層11の上面からレーザー光を照射し、無機絶縁層15を貫通した凹部Hを形成する。そして、そのまま絶縁層11にレーザー光を照射させ続けることによって、樹脂層14を貫通して、底部にコア導電層8の少なくとも一部が露出した貫通孔Vを形成する。なお、このとき、絶縁層11は無機絶縁層15と樹脂層14の2層によって構成されており、無機絶縁層15は、樹脂層14と比較して、レーザー光のエネルギーを透過しやすいため、レーザー光が平面方向に大きく拡散しやすい。その結果、厚み方向(Z方向)に対する凹部Hの内壁の第1傾斜角A1は、厚み方向(Z方向)に対する貫通孔Vの内壁の第2傾斜角A2よりも大きく形成される。
また、無機絶縁層15は、第1無機絶縁粒子18同士、および第1無機絶縁粒子18と第2無機絶縁粒子19とが、ネックを介して結合しており、これらの結合は、無機絶縁層15に照射されたレーザー光のエネルギーによって切断されやすい。それゆえ、レーザー光の照射によって、無機絶縁層15から第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19が剥離して、無機絶縁層15に凹部Hが形成される。ここで、第1無機絶縁粒子18および第2無機絶縁粒子19が無機絶縁層15から次々と剥離していくことによって、凹部Hの径は大きくなっていくが、レーザー光の照射が停止した時に、凹部Hの内壁において、粒径の大きい第2無機絶縁粒子19が、凹部H側では第1無機絶縁粒子18が剥離し、無機絶縁層15側では第1無機絶縁粒子18と結合していると、この第2無機絶縁粒子19は、一部が無機絶縁層15に接着しつつ、他の部位が凹部H内に突出することとなる。その結果、図2に示すように、凹部Hの内壁に、第2無機絶縁粒子11からなる突起部Pが形成される。
また、レーザー光の一部は、第2無機絶縁粒子19を透過して無機絶縁層15側に到達するため、無機絶縁層15側において、第2無機絶縁粒子19と第1無機絶縁粒子18との結合が切断される。その結果、第2無機絶縁粒子19が凹部Hから剥離することによって、窪み部Dが形成される。なお、第2無機絶縁粒子19が球状であると、該第2無機絶縁粒子19がレンズとして機能し、無機絶縁層15側にてレーザー光が集光され、第2無
機絶縁粒子19と第1無機絶縁粒子18との結合が切断されやすくなる。
なお、例えば、YAGレーザー装置を用いる場合であれば、1ショット当たりのエネルギーを例えば12.5μJ以上13.6μJ以下に設定し、レーザー光のパルス幅を例えば20ns以上40ns以下に設定し、5ショット、5サイクルでレーザー光を照射することによって、?凹部Hおよび貫通孔Vを形成できる。
また、例えば、炭酸ガスレーザー装置を用いる場合であれば、レーザー光の1ショット当たりのエネルギーを例えば1mJ以上2mJ以下に設定し、レーザー光のパルス幅を例えば64μsに設定し、2ショットでレーザー光を照射することによって、?凹部Hおよび貫通孔Vを形成できる。
(9)絶縁層11の上面に、樹脂材料からなるレジスト膜25を積層し、加圧することによってその一部を凹部内に入り込ませる。その後、レジスト膜25の上面に所望の形状のマスクを配し、従来周知のフォトリソグラフィー法を用いて、レジスト膜25を露光・現像することによって、図6(b)に示したように、一部が凹部内に配された所望形状の開口部を具備したレジスト膜25を形成する。次いで、図7(a)に示したように、レジスト膜25の開口部に無電解めっき法などを使用して導電材料を被着させることによって、貫通導体13、接続導体21および配線導体20を一体的に形成する。
(10)図7(b)に示したように、(7)〜(8)の工程を繰り返すことにより、コア基板5上下にビルドアップ層6を形成し、配線基板3を作製することができる。
(電子部品2の実装)
(11)図8に示したように、前述した配線基板3の一主面上に電子部品2をフリップチップ実装することにより、電子部品2がバンプ4を介して接続導体21と電気的に接続された実装構造体1を作製することができる。
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良、組合せなどが可能である。
例えば、前述した本発明の実施形態は、コア基板5の両主面にビルドアップ層6が形成された配線基板3を例に説明したが、ビルドアップ層6のみで構成された配線基板にしても構わない。
また、前述した本発明の実施形態は、ソルダーレジスト層についての説明を省略したが、配線基板3は上下面に樹脂材料を含むソルダーレジスト層を有していても構わない。この場合、隙間Cにソルダーレジスト層の一部が入り込むことによって、ソルダーレジスト層と絶縁層11との接着強度を向上させることができる。
また、前述した本発明の実施形態は、アンダーフィルについての説明を省略したが、配線基板3と電子部品2との間にアンダーフィルを有しても構わない。
また、前述した本発明の実施形態は、図3に示したように、平面視において接続導体21は円形であるが、円形でなくてもよい。
また、前述した本発明の実施形態は、図3に示したように、平面視において接続導体21の全てが凹部H内に配されているが、第1絶縁層11Aと第2絶縁層11Bとの接着強度を確保できるのであれば、接続導体21の全てが凹部H内に配されなくてもよい。
また、前述した本発明の実施形態は、無機絶縁層15がビルドアップ層6のみに含まれていたが、図9に示したように、コア基板5に含まれていてもよい。
また、前述した本発明の実施形態は、グランド層、電源層については特に記載はしていないが、配線基板3はグランド層および電源層を含んでもよい。
1 実装構造体
2 電子部品
3 配線基板
4 バンプ
5 コア基板
6 ビルドアップ層
7 基体
8 コア導電層
9 スルーホール導体
10 絶縁体
11 絶縁層
12 ビルドアップ導電層
13 貫通導体
14 樹脂層
14x 樹脂前駆体
15 無機絶縁層
15x 無機絶縁ゾル
16 ビルドアップ樹脂部
17 フィラー粒子
18 第1無機絶縁粒子
19 第2無機絶縁粒子
20 配線導体
21 接続導体
22 支持シート
23 積層シート
24 積層体
25 レジスト膜
A1 第1傾斜角
A2 第2傾斜角
B1 接続導体21の第1底面
B2 接続導体21の第2底面
C 隙間
D 窪み部
E 角部
G 間隙
G1 第1間隙
G2 第2間隙
H 凹部
L1 第1仮想線分
L2 第2仮想線分
P 突起部
V 貫通孔

Claims (8)

  1. コア基板の主面にビルドアップ層を有する配線基板であって、前記ビルドアップ層が、上面に開口した凹部および該凹部の底面から下面に貫通した貫通孔が形成された第1絶縁層と、前記貫通孔内に配された貫通導体と、前記凹部内に配されて前記貫通導体に接続された接続導体と、前記第1絶縁層の上面および前記接続導体の上面を覆った第2絶縁層とを備え、
    前記凹部の側面は、前記貫通孔の側面と繋がっており、
    前記凹部の側面は、厚み方向に沿った断面視において、前記第1絶縁層の上面側から前記第1絶縁層の下面側にかけて、前記凹部の内側に傾斜しているとともに、
    前記接続導体の側面と前記凹部の側面との間には、前記第1絶縁層の上面側に開口した隙間が形成されており、
    前記第2絶縁層の一部は、前記隙間に配されていることを特徴とする配線基板。
  2. 請求項1に記載の配線基板において、
    前記隙間は、前記接続導体の前記側面と前記凹部の前記側面とが接する角部を具備し、
    該角部は、厚み方向に沿った断面視において、鋭角であることを特徴とする配線基板。
  3. 請求項に記載の配線基板において、
    前記貫通孔の側面は、厚み方向に沿った断面視において、前記第1絶縁層の上面側から前記第1絶縁層の下面側にかけて、前記貫通孔の内側に傾斜しており、
    厚み方向に対する前記凹部の側面の傾斜角は、厚み方向に対する前記貫通孔の側面の傾斜角よりも大きいことを特徴とする配線基板。
  4. 請求項1に記載の配線基板において、
    前記第1絶縁層は、互いの一部で接続した複数の第1無機絶縁粒子と、該第1無機絶縁粒子の粒径よりも大きい、それぞれが該複数の第1無機絶縁粒子と互いの一部で接続した複数の第2無機絶粒子とを含んだ無機絶縁層を有し、
    前記第2絶縁層は、樹脂層を有し、
    前記隙間において、前記第1絶縁層の前記無機絶縁層と前記第2絶縁層の前記樹脂層とが接していることを特徴とする配線基板。
  5. 請求項に記載の配線基板において、
    前記凹部の側面には、前記第2無機絶縁粒子が突出してなる複数の突起部が形成されてお
    り、
    前記第2絶縁層の前記樹脂層は、前記複数の突起部を覆っていることを特徴とする配線基板。
  6. 請求項に記載の配線基板において、
    前記第1絶縁層の上面に配されているとともに、一部が前記凹部の側面に配されて前記接続導体と接続した配線導体をさらに備え、
    前記配線導体の一部は、前記複数の突起部の一部を覆っていることを特徴とする配線基板。
  7. 請求項2に記載の配線基板において、
    前記接続導体の側面は、厚み方向に沿った断面視において、前記角部から前記接続導体の上面にかけて、前記凹部の内側に傾斜していることを特徴とする配線基板。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の配線基板と、該配線基板の一主面上に実装されて前記接続導体に電気的に接続された電子部品とを備えた実装構造体。
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