JP5959728B2 - 乳酸―グリコール酸共重合体の製造法またはその塩の製造法 - Google Patents

乳酸―グリコール酸共重合体の製造法またはその塩の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP5959728B2
JP5959728B2 JP2015511260A JP2015511260A JP5959728B2 JP 5959728 B2 JP5959728 B2 JP 5959728B2 JP 2015511260 A JP2015511260 A JP 2015511260A JP 2015511260 A JP2015511260 A JP 2015511260A JP 5959728 B2 JP5959728 B2 JP 5959728B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactic acid
glycolic acid
salt
acid copolymer
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015511260A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014168134A1 (ja
Inventor
長原 清輝
長原  清輝
福入 靖
福入  靖
川畑 朋之
朋之 川畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Application granted granted Critical
Publication of JP5959728B2 publication Critical patent/JP5959728B2/ja
Publication of JPWO2014168134A1 publication Critical patent/JPWO2014168134A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/88Post-polymerisation treatment
    • C08G63/90Purification; Drying
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/30Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
    • A61K47/34Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyesters, polyamino acids, polysiloxanes, polyphosphazines, copolymers of polyalkylene glycol or poloxamers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/02Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/06Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from hydroxycarboxylic acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、乳酸-グリコール酸共重合体またはその塩の製造方法に関する。
乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩などは、生体内分解性重合体として知られており、例えば、徐放性製剤として用いる生理活性物質を内包させるためのマイクロカプセル等の材料として有用である。しかし、徐放製剤の材料として使用する乳酸−グリコール酸共重合体に、原料として使用したラクタイド、グリコライドの残存量が多いと、それらの加水分解により酸が生成され乳酸−グリコール酸共重合体の分解が促進されるため、徐放製剤が所望する徐放期間得られなくなる。そのような徐放性製剤に好適な精製された乳酸−グリコール酸共重合体の製造法としては、例えば、1)親水性有機溶媒にポリヒドロキシカルボン酸を溶解して水を加え析出させて製造する方法(特許文献1)、2)ポリエステル溶液を沈殿溶媒下で高せん断を有する装置を用いて微粒子を得る方法(特許文献2)、3)ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液とイソプロピルアルコールを、混練機構を有する装置に供給し紛体を得る方法(特許文献3)、4)乳酸系重合体をラクタイドの溶解度が4%以上の溶媒存在下、ミキサーを用いて粉砕、攪拌しながら残留ラクタイドを抽出する製造法(特許文献4)などが知られている。しかしながら、1)の方法で得られる精製された重合体は、その重合体中に比較的多くの有機溶媒が残存した水飴状であり、濾過での採取が困難であるため、採取するために特殊なデカンテーション機器が必要である。また、残存する有機溶媒等を除去するために減圧乾燥を行うと残存有機溶媒等の蒸発に伴い重合体が著しく発泡し体積が大きくなるため乾燥が困難となる。2)3)または4)の方法で得られる精製された重合体は、再沈殿法などにより重合体を析出した場合でも、重合体は水飴状または塊状で得られる。そのため、その重合体を乾燥してもそのままでは粉末状の重合体とはなっておらす、粉末状の重合体とするためには、析出した重合体をせん断粉砕するために高せん断力を有する高速回転機器、ニーダーなどの特殊な機器が必要になる。
また、その他にも、5)ポリ乳酸を溶解させ、冷却後、相分離させて分別する方法(特許文献5)、6)ポリ乳酸を水混和性の有機溶媒に溶解した後、アルカリ金属塩水溶液を添加して製造する方法(特許文献6)、7)高分子量の乳酸系重合体を加水分解し、目的とする乳酸重合体を析出する製造方法(特許文献7)、などが知られている。
これら従来の方法では精製乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を工業的に簡便な方法で粉末状に製造することは困難であり、さらに改善の余地があった。
特許第3902518号 特公昭63−254128 特開2000−26588 特開平8−245779 特表2007−534803 特表2012−508293 特許第5046447号
本発明は、高せん断力を要する特殊な機器を用いることなく、残留ラクタイド、グリコライドのような二量体の含有量が低減された精製乳酸―グリコール酸共重合体、好ましくは粉末状の精製乳酸―グリコール酸共重合体を工業的に簡便な方法で製造することを課題とする。また、本発明は、残留ラクタイド、グリコライドのような二量体、および分子量の小さい乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩の量が少なく、また重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が小さい、精製度の高い乳酸―グリコール酸共重合体を工業的に、簡便に製造することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、乳酸―グリコール酸共重合体またはその塩を溶解させた特定の有機溶媒溶液に、乳酸―グリコール酸共重合体またはその塩が溶解しにくい特定の溶媒を加え、該共重合体の溶解度が低下した溶液を、乳酸―グリコール酸共重合体またはその塩が溶解しにくい特定の溶媒に、好ましくは撹拌条件下で、添加、典型的には滴下すると、驚くべきことに、高せん断力を要する特殊な機器を用いなくとも、簡便に固体状、好ましくは粉末状の共重合体を析出させることができ、しかも該共重合体中の残留ラクタイド、グリコライドのような二量体の含有量が十分に低減されていることを見い出し、また、好ましくは液−液相分離を活用した特定の条件で乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を処理することにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[17]に関する。
[1](1−1)乳酸単位及びグリコール酸単位を有する乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、25℃での溶解度が1重量%以上である1種以上の有機溶媒(B1)に溶解して乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液を作製する工程、
(1−2)前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S1)を添加して、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を含む混合液を作製する工程、
(2)前記工程(1−2)で作製された混合液を、水、及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つを含む溶媒(S2’)に添加して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を析出させる工程、および
(3)析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を回収する工程、
を含む、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[2]乳酸−グリコール酸共重合体(A1)が乳酸単位40〜90モル%及びグリコール酸単位60〜10モル%(ただし、乳酸単位およびグリコール酸単位の合計100モル%とする。)を有する、[1]に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[3]乳酸−グリコール酸共重合体(A1)が、4,500〜110,000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する、[1]または[2]に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[4]工程(1−1)において、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、有機溶媒(B1)に1〜50重量%の濃度となるように溶解する、[1]〜[3]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[5]前記工程(1−1)で使用する有機溶媒(B1)が、非プロトン性極性有機溶媒である[1]〜[4]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[6]前記工程(2)における添加方法が滴下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[7]前記工程(2)において精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を粉末状に析出させる、[1]〜[6]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[8](1−1)乳酸単位40〜90モル%及びグリコール酸単位60〜10モル%(ただし、乳酸単位およびグリコール酸単位の合計100モル%とする。)を有し、かつ4,500〜110,000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、25℃での溶解度が1重量%以上である1種以上の有機溶媒(B1)に1〜50重量%の濃度となるように溶解して乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液を作製する工程、
(1−2−A)前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S1)を添加して、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を含む混合溶液を作製する工程、
(2)前記工程(1−2−A)で作製された混合溶液を、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S2)に滴下して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を粉末状に析出させる工程、および
(3)析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を回収する工程、
を含む、[1]に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[9]前記工程(1−2)または(1−2−A)で使用する溶媒(S1)の混合割合が、有機溶媒(B1)に対して0.05重量倍から2.5重量倍である[1]〜[8]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[10]前記工程(2)で使用する溶媒(S2’)の温度が、該溶媒(S2’)の凝固点以上25℃以下である[1]〜[9]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[11]前記工程(2)で使用する溶媒(S2’)の量比が、有機溶媒(B1)に対して3重量倍以上である[1]〜[10]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[12]工程(1−2)が以下の工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を含む[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
(1−2−B1)前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、水および脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1つの溶媒(B2)を添加して攪拌し、2つの相に液−液相分離させる工程。
(1−2−B2)2つの相のうち、より大きな重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を含む相を回収する工程。
[13](1−1)乳酸単位40〜90モル%及びグリコール酸単位60〜10モル%(ただし、乳酸単位およびグリコール酸単位の合計100モル%とする。)を有し、かつ4,500〜105,000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、25℃での溶解度が10重量%以上である1種以上の有機溶媒(B1)に、10〜50重量%の濃度となるように溶解して乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液を作製する工程、
(1−2−B1)前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、1種以上の脂肪族アルコール(B2)を添加して攪拌し、2つの相に液−液相分離させる工程、
(1−2−B2)2つの相のうち、より大きな重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を含む相を回収する工程、
(2)前記工程(1−2−B2)で回収された相を、水を含む溶媒に滴下して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を析出させる工程、および
(3)析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を回収する工程、
を含む、[12]に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[14]前記工程(2)で、回収された相を滴下する溶媒が水である[13]に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[15]工程(1−2−B2)で回収された相に、さらに工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を1回以上繰り返した後に、工程(2)および(3)を行う[12]〜[14]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[16]工程(1−2−B2)で回収された相に前記有機溶媒(B1)を添加した後、さらに工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を1回以上繰り返した後に、工程(2)および(3)を行う[12]〜[15]のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
[17][1]〜[16]のいずれかに記載の製造方法により得られた精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を含む徐放性製剤。
本発明の製造方法により、高せん断力を要する特殊な機器を用いることなく、残留ラクタイド、グリコライドのような二量体の含有量が低減された、粉末状の精製乳酸―グリコール酸共重合体を工業的に簡便な方法で製造できる。また、本発明の製造方法により、残留ラクタイド、グリコライドなどの二量体、および分子量の小さい乳酸−グリコール酸重合体またはその塩の量が少なく、また重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が小さい精製度の高い乳酸―グリコール酸共重合体を工業的に簡便に製造できる。このようにして製造された乳酸―グリコール酸共重合体は、例えば徐放性製剤などに好適である。
本発明では、乳酸―グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を原料として用いる。この乳酸―グリコール酸共重合体(A1)は、乳酸単位及びグリコール酸単位を有する重合体である。前記乳酸―グリコール酸共重合体(A1)は、乳酸単位を通常40〜90モル%、好ましくは50〜85モル%含み、グリコール酸単位を通常60〜10モル%、好ましくは50〜15モル%含む(ただし、乳酸単位およびグリコール酸単位の合計100モル%とする。)。なお、上記乳酸―グリコール酸共重合体(A1)には、エステル誘導体単位が含まれていてもよい。エステル誘導体単位としては、例えば、モノオール類残基、ジオール類残基、ポリオール類残基などが挙げられる。これらの残基は、後述の開始剤(C)に由来する。
前記乳酸―グリコール酸共重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、通常4,500〜110,000、好ましくは4,500〜105,000、より好ましくは5,000〜90,300、さらに好ましくは5,000〜80,000、よりさらに好ましくは8,000〜80,000である。前記乳酸―グリコール酸共重合体(A1)の分子量分布、すなわち重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は通常1.5〜7.0、好ましくは1.8〜6.0である。また、上記Mw/Mnは、好ましくは1.5〜5.0、特に好ましくは1.8〜4.7であることも望ましい。なお、本発明において、重量平均分子量(Mw)および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)測定により求めた標準ポリスチレン換算の値である。
前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)は、例えば、乳酸の環状二量体であるラクタイド、およびグリコール酸の環状二量体であるグリコライドを原料とし、必要に応じて開始剤(C)、触媒などを添加することにより開環重合法にて製造できる。また、前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)は、乳酸とグリコール酸を、必要に応じて触媒存在下で、共重合することによっても製造できる。
開始剤(C)に乳酸、グリコール酸のようなヒドロキシカルボン酸類を用いると、乳酸―グリコール酸共重合体(A1)の分子末端はカルボキシル基となる。
開始剤(C)にヘキサノール、オクタノール、ドデカノールのようなモノオール類を用いると、分子末端にエステル誘導体単位を有する乳酸―グリコール酸共重合体(A1)となる。
開始剤(C)にエチレングリコール、プロピレングリコールのようなジオール類を用いると、分子内部にエステル誘導体単位を有する乳酸―グリコール酸共重合体(A1)となる。
開始剤(C)にグリセリン、マンニトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、グルコース、シクロデキストリンのようなポリオールを用いると、分子内部にエステル誘導体単位を有した分岐構造の乳酸―グリコール酸共重合体(A1)となる。
このようにして製造された乳酸−グリコール酸共重合体(A1)の乳酸含有量は、典型的には40〜90モル%、より典型的には50〜85モル%であり、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)のグリコール酸含有量は、典型的には60〜10モル%、より典型的には50〜15モル%である。なお乳酸−グリコール酸共重合体(A1)は市販の物であってもよい。
また、前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)は塩となっていてもよく、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属などの無機金属の塩であってもよく、トリエチルアミン等の塩基性有機化合物との塩であってもよい。
[工程(1−1)]
工程(1−1)では、前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、25℃での溶解度が1重量%以上である1種以上の有機溶媒(B1)に溶解して、乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩の溶液を作製する。ここで上記溶解度とは、重量平均分子量(Mw)が76,000、数平均分子量(Mn)が14,100である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位85モル%及びグリコール酸単位15モル%)の25℃での溶解度を示す。また、前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、25℃での溶解度が10重量%以上である1種以上の有機溶媒(B1)に溶解して、乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩の溶液を作製することも好ましい一態様である。ここで「溶解度が10重量%以上」における溶解度は、重量平均分子量(Mw)が11,300、数平均分子量(Mn)が5,300である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位73モル%及びグリコール酸単位27モル%)の25℃での溶解度を示す。
上記有機溶媒(B1)としては、非プロトン性極性有機溶媒、特に炭素数2〜5の非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。
上記非プロトン性極性有機溶媒としては、アセトン等の炭素数2〜5のケトン;アセトニトリル等の炭素数2〜5の有機シアン化物;テトラヒドロフラン等の炭素数2〜5の環状エーテル;酢酸エチル等の炭素数2〜5のカルボン酸エステル;、N,N−ジメチルホルムアミド等の炭素数2〜5のアミド化合物;、ジメチルスルホキシド等の炭素数2〜5の含硫黄有機化合物などが挙げられる。
これら有機溶媒(B1)の中でも、取り扱いの容易さ等の観点から、アセトン、テトラヒドロフランおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。なお、上記溶解度測定条件において、アセトン、テトラヒドロフランおよびN,N−ジメチルホルムアミドは、重量平均分子量(Mw)が76,000、数平均分子量(Mn)が14,100である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位85モル%及びグリコール酸単位15モル%)の25℃での溶解度基準で、30重量%以上の溶解度をもつ。
また、これら有機溶媒(B1)の中でも、取り扱いの容易さ等の観点から、アセトンおよびアセトニトリルが特に好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)が11,300、数平均分子量(Mn)が5,300である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位73モル%及びグリコール酸単位27モル%)の25℃での溶解度基準で、アセトンおよびアセトニトリルは、40重量%以上の溶解度をもつ。
上記有機溶媒(B1)の中でも、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)に溶媒が残存した時の毒性の観点からは、アセトンが特に好ましい。
前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液の濃度は、使用する乳酸−グリコール酸共重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)、乳酸単位とグリコール酸単位とのモル比などに応じて、所望の精製された共重合体、好ましくは粉末の精製された共重合体が得られるように適切な濃度とすることができるが、通常1〜50重量%の範囲であり、例えば5〜40重量%とすることもできる。また、前記乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩の溶液の濃度としては、通常10〜50重量%の範囲であるが、精製の容易さ等の観点から、好ましくは20〜40重量%の範囲とすることも好ましい一態様である。
工程(1−1)の溶解は、通常15〜35℃程度、好ましくは20〜30℃程度の温度で行えばよいが、必要に応じて加熱下で溶解を行ってもよい。
[工程(1−2)]
工程(1−2)では、前記工程(1−1)で得られた乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S1)を添加して、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を含む混合液を作製する。該混合液を作製するためには、工程(1−1)で得られた溶液に溶媒(S1)を添加した後、攪拌し、混合すればよい。
工程(1−2)で用いる脂肪族アルコール(B2)としては、特に炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖をもつ脂肪族アルコールが挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、およびブチルアルコールなどが挙げられる。
工程(1−2)で使用する上記溶媒(S1)の混合割合は、有機溶媒(B1)に対して0.05重量倍から2.5重量倍が好ましく、0.15重量倍から1.5重量倍がより好ましい。
上述の工程(1−2)の好ましい態様としては、下記工程(1−2−A)の態様、下記工程(1−2−B1)および工程(1−2−B2)の態様が挙げられる。
[工程(1−2−A)]
工程(1−2−A)では、前記工程(1−1)で得られた乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S1)を添加して、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を含む混合溶液を作製する。該混合溶液を作製するためには、工程(1−1)で得られた溶液に溶媒(S1)を添加した後、攪拌し、混合すればよい。
工程(1−2−A)で用いる脂肪族アルコール(B2)としては、工程(1−2)の部分で例示した脂肪族アルコールが挙げられる。上記脂肪族アルコール(B2)の中でも、経済面や臭気等の観点から、メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコールが好ましい。これら脂肪族アルコールは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ、または水と組み合わせて用いてもよい。また、経済面や毒性がないという観点で、溶媒(S1)として水を単独で用いることも好ましい態様である。ただし、溶媒(S1)としては、前記工程(1−1)で用いた有機溶媒(B1)と混和する溶媒を用いる。
工程(1−2−A)で、工程(1−1)で得られた乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液と溶媒(S1)とを混合する際の温度は、通常15〜35℃程度、好ましくは20〜30℃程度の温度で行えばよいが、必要に応じて加熱下で混合を行ってもよい。
工程(1−2−A)で使用する上記溶媒(S1)の混合割合は、有機溶媒(B1)に対して0.05重量倍から2.5重量倍が好ましく、0.15重量倍から1.5重量倍がより好ましい。
工程(1−1)で得られた乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に溶媒(S1)を混合すると、溶液中の共重合体の溶解度が低下する。そして、工程(1−1)で得られた上記溶液に、少量ずつ溶媒(S1)を添加していくと、次第に白濁を生じる。この白濁が生じ始めた量で添加した状態が、共重合体の溶解度がある程度低下しつつも、溶媒中に共重合体が比較的安定した状態で存在する状態であり、本発明の工程(1−2−A)で作製される混合溶液として比較的好ましい一態様となる。なお、溶媒(S1)の添加量をさらに多くすると、液−液相分離を起こしてしまう場合もある。その場合であっても、得られた混合物を加熱することにより、均一な溶液が作製される場合には、その溶液を用いることができる。
以下、工程(1−2)のもう一つの好ましい態様である、工程(1−2−B1)および工程(1−2−B2)について説明する。
[工程(1−2−B1)]
工程(1−2−B1)では、前記工程(1−1)で得られた乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、1種以上の脂肪族アルコール(B2)を添加して攪拌し、2つの相に液−液相分離させる。
工程(1−2−B1)で用いる脂肪族アルコール(B2)としては、工程(1−2)の部分で例示した脂肪族アルコールが挙げられる。上記脂肪族アルコール(B2)の中でも、粉末状で精製乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩が回収できること等の観点から、エタノール、およびイソプロピルアルコールが好ましい。これら脂肪族アルコールは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
工程(1−2−B1)では液−液相分離構造を形成させるが、例えば、原料として用いる乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の重量平均分子量(Mw)、乳酸単位とグリコール酸単位とのモル比、または所望の精製乳酸−グルコール酸共重合体(A2)またはその塩の重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)などに応じて、工程(1−2−B1)で液−液相分離をさせるために添加する溶媒は適宜選択することができる。
工程(1−2−B1)では中間相がほとんどない明確な液−液相分離構造を形成させることが好ましく、例えば、工程(1−1)の有機溶媒(B1)としてアセトンを用いた場合には、工程(1−2−B1)の脂肪族アルコール(B2)としてイソプロピルアルコールおよびエタノールが好ましく、工程(1−1)の有機溶媒(B1)としてアセトニトリルを用いた場合には、脂肪族アルコール(B2)としてイソプロピルアルコールが好ましい。
脂肪族アルコール(B2)/有機溶媒(B1)の重量比は、工程(1−2−B1)で液−液相分離が形成できる限り特に限定されず、前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の重量平均分子量(Mw)、乳酸単位とグリコール酸単位とのモル比などにより、適宜設定することができる。例えば、有機溶媒(B1)としてアセトン、脂肪族アルコール(B2)としてイソプロピルアルコールまたはエタノールを用いた場合には、前記重量比は、通常0.6以上、好ましくは0.70以上であり、通常3.5以下、好ましくは2.5以下である。有機溶媒(B1)としてアセトニトリル、脂肪族アルコール(B2)としてイソプロピルアルコールを用いた場合には、前記重量比は、通常0.6以上、好ましくは0.70以上であり、通常3.5以下、好ましくは3.0以下である。
前記重量比の値が上限値よりも大きい場合には、相分離した一方の相、典型的には下の相の流動性が悪くなる傾向にあり、その相を回収するための分液操作が困難となる場合がある。前記重量比の値が下限値よりも小さい場合には、液−液相分離構造が形成しにくい傾向にある。
工程(1−2−B1)の液−液相分離構造の形成は、原料となる乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の重量平均分子量(Mw)、乳酸単位とグリコール酸単位とのモル比などにより異なるが、通常0〜40℃程度、好ましくは5〜30℃程度の温度で行う。
なお、これら工程(1−1)および(1−2−B1)は、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩に対して、有機溶媒(B1)を工程(1−1)で規定の濃度となる量、脂肪族アルコール(B2)を工程(1−2−B1)で所望の脂肪族アルコール(B2)/有機溶媒(B1)の重量比となる量で同時に添加することにより行ってもよい。
[工程(1−2−B2)]
工程(1−2−B2)では、前記工程(1−2−B1)で形成された2つの相のうち、より大きな重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を含む相を回収する。前記工程(1−2−B1)で形成された2相のうち、どちらの相により大きな重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩が含まれているかは、各相の溶液をサンプリングし、各相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量(Mw)を確認することにより、容易に判別できる。
工程(1−2−B1)で2つの相に液−液相分離しているため、より大きな重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を含む相は、分液ロートなどにより容易に分離して回収できる。
また、工程(1−1)および(1−2−B1)の一度の操作のみでは、乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩が所望の状態、例えば、所望の重量平均分子量(Mw)、所望の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)などになっていない場合には、この工程(1−2−B2)の後に、工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を1回以上繰り返して行ってもよい。また、より大きな重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を含む回収された相に、有機溶媒(B1)を加えた後に、工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を1回以上繰り返し行ってもよい。
工程(1−2−B2)は、通常0〜30℃程度、好ましくは5〜25℃程度の温度で行う。
[工程(2)]
工程(2)は、前記工程(1−2)で作製された混合液を、水、及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つを含む溶媒(S2’)に添加して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を析出、好ましくは粉末状に析出させる。
上記溶媒(S2’)には、脂肪族アルコール(B2)以外の有機溶媒(B3)が含まれていてもよい。有機溶媒(B3)としては、非プロトン性極性有機溶媒、特に炭素数2〜5の非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。上記非プロトン性極性有機溶媒としては、アセトン等の炭素数2〜5のケトン;アセトニトリル等の炭素数2〜5の有機シアン化物;テトラヒドロフラン等の炭素数2〜5の環状エーテル;酢酸エチル等の炭素数2〜5のカルボン酸エステル;、N,N−ジメチルホルムアミド等の炭素数2〜5のアミド化合物;、ジメチルスルホキシド等の炭素数2〜5の含硫黄有機化合物などが挙げられる。
上記溶媒(S2’)への添加は連続的に行っても、断続的に行ってもよい。上記添加としては滴下が好ましく、液滴状に滴下することが特に好ましい。添加時間は特に限定されるものではないが、例えば0.05〜20時間、好ましくは0.3〜3時間である。添加速度も特に限定されるものではないが、例えば溶媒(S2’)の量に対しての添加速度、典型的には滴下する場合の滴下速度は、100〜10000g/時間/kg、好ましくは300〜6000g/時間/kgである。液滴状の滴下する場合の滴下速度は、溶媒(S2’)の量に対して、300〜1000g/時間/kgである。
工程(2)で使用する上記溶媒(S2’)の温度としては、その溶媒(S2’)の凝固点以上25℃以下が好ましい。溶媒(S2’)の温度が25℃を超えると、水飴状または塊状の共重合体が析出しやすくなる傾向にある。
工程(2)で使用する上記溶媒(S2’)は、有機溶媒(B1)に対して3重量倍以上の量で使用することが好ましく、3重量倍以上6重量倍以下の量で使用することがより好ましい。6重量倍を超える量で溶媒(S2’)を使用すると、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)を粉末状で得ることは可能であるが、溶媒使用量が増えるため、大きな設備が必要になるなど、経済性の面で好ましくない。一方、3重量倍未満では、水飴状または塊状の共重合体が析出しやすくなる傾向にある。
上述の工程(2)の好ましい態様としては、下記工程(2−A)の態様、下記工程(2−B)の態様が挙げられる。
また、工程(1−2−A)を経て混合液が作製された場合には、下記工程(2−A)を経ることが好ましい一態様であり、工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を経て混合液が作製された場合には、下記工程(2−B)を経ることが好ましい一態様である。
[工程(2−A)]
工程(2−A)は、前記工程(1−2)で作製された混合液、典型的には前記工程(1−2−A)で作製された混合溶液を、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S2)に添加、好ましくは滴下して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を析出、好ましくは粉末状に析出させる。前記工程(1−2)を経て得られた混合溶液を溶媒(S2)に添加、好ましくは滴下することにより、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩が水飴状ではなく、析出、好ましくは粉末状で析出させることができる。そのため、その後の回収、乾燥等が容易となるだけではなく、乳酸−グリコール酸共重合体に取り込まれている乳酸−グリコール酸共重合体と親和性が高い非常に分子量が小さい成分、例えば、ラクタイド、グリコライドなどの二量体や、それら二量体が加水分解した乳酸、グリコール酸などのモノマーなどを溶媒(S2)に溶出させ、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩から除去することも可能となる。
工程(2−A)で用いる脂肪族アルコール(B2)としては、特に炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖をもつ脂肪族アルコールが挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、およびブチルアルコールなどが挙げられる。これら脂肪族アルコールは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、水との組み合わせで用いてもよい。また、経済面や毒性がないという観点で、溶媒(S2)として水を単独で用いることも好ましい態様である。ただし、前記工程(1−1)で用いた有機溶媒(B1)および前記工程(1−2)で使用した溶媒(S1)と混和するものを用いる。また、通常は前記工程(1−2)で使用した溶媒(S1)と同一の溶媒を用いるが、有機溶媒(B1)および溶媒(S1)と混和するものであれば溶媒(S2)として他の溶媒を用いてもよい。これら溶媒(S2)の中でも、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、および水が好ましい。
メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコールは乳酸−グリコール酸共重合体(A1)に含まれるラクタイド、グリコライドなどの二量体以外に、分子量の小さい乳酸−グリコール酸共重合体を溶解させることができる。したがって、溶媒(S2)としてこれらを用いると分子量の小さい乳酸−グリコール酸共重合体の含有量を低減させた分子量分布が狭い、すなわち重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が小さい、精製度の高い精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)を得ることができる。
溶媒(S2)としては、重合体の粉末の状態、経済性などの点から、イソプロピルアルコール及び水が特に好ましい。なお、溶媒(S2)として水を用いた場合は、乳酸−グリコール酸共重合体が水に溶解しないため、高収率で精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)が得られる。
工程(2−A)において、工程(1−2)で作製された混合溶液を溶媒(S2)に添加、好ましくは滴下すると瞬時に粉末状の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)が得られる。滴下する場合の速度は特に制限はなく、液滴状に滴下できればよい。
また、工程(2−A)で粉末状の共重合体を得るためには、用いる設備は、ホモジナイザー等の高いせん断能力を有する機器は必要とせず、一般的な実験設備、工業設備で用いられる攪拌装置(例えば、いかり型撹拌羽、三日月型撹拌羽根などの撹拌羽根、回転撹拌子など)を備えた機器中に添加、例えば、1分当たり200〜600回転、先端速度0.7〜2.0m/秒、好ましくは1分当たり300回転、先端速度1m/秒程度の低速度の撹拌速度条件で撹拌した機器中に、工程(1−2)で作製された混合溶液を添加、好ましくは滴下することにより、粉末状の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)を得ることができる。
工程(2−A)で使用する上記溶媒(S2)の温度としては、その溶媒(S2)の凝固点以上25℃以下が好ましい。溶媒(S2)の温度が25℃を超えると、水飴状または塊状の共重合体が析出しやすくなる傾向にある。
工程(2−A)で使用する上記溶媒(S2)は、有機溶媒(B1)に対して3重量倍以上の量で使用することが好ましく、3重量倍以上6重量倍以下の量で使用することがより好ましい。6重量倍を超える量で溶媒(S2)を使用すると、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)を粉末状で得ることは可能であるが、溶媒使用量が増えるため、大きな設備が必要になるなど、経済性の面で好ましくない。一方、3重量倍未満では、水飴状または塊状の共重合体が析出しやすくなる傾向にある。
[工程(2−B)]
工程(2−B)では、前記工程(1−2)で作製された混合液、典型的には前記工程(1−2−B2)で回収された相すなわち混合溶液を、水を含む溶媒に添加、好ましくは滴下して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を析出させる。ここで、水を含む溶媒とは、典型的には水、または水と有機溶媒とを含む溶媒であり、具体的には、水、または水と脂肪族アルコール(B2)及び脂肪族アルコール(B2)以外の有機溶媒(B3)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S3)とを含む溶媒である。このように、工程(1−1)および(1−2)、好ましくは工程(1−1)、(1−2−B1)、および(1−2−B2)を経て回収された相から共重合体を、工程(2−B)の溶媒中に、その共重合体が回収された相に含まれる溶媒を抱き込みガム状の状態などになることなく析出させることができる。そのため、その後の回収、乾燥等が容易となるだけではなく、共重合体に取り込まれている共重合体と親和性が高い非常に分子量が小さい成分、例えば、ラクタイド、グリコライドなどの二量体や、それら二量体が加水分解した乳酸、グリコール酸などのモノマーなどを、水を含む溶媒に溶出させ、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩から除去することも可能となる。
回収された相を添加、好ましくは滴下する水を含む溶媒は、乳酸−グリコール酸共重合体(A2)に含まれる非常に分子量が小さい成分を効率的に除去する観点からは、回収された相100重量部に対して、通常200〜3000重量部、好ましくは300〜2000重量部の量となるように使用する。
工程(2−B)は、通常0〜30℃程度、好ましくは5〜25℃程度の温度で行う。
乳酸−グリコール酸共重合体(A2)に含まれる非常に分子量が小さい成分、例えばモノマー成分を効率的に除去する観点からは、水を含む溶媒としては、水を80重量%以上100重量%以下含む溶媒が好ましく、水がより好ましい。
[工程(3)]
工程(3)では、前記工程(2)で析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を回収する。前記工程(2)で析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩は、析出、好ましくは粉末状の状態で析出しているため、濾過等により簡便に回収できる。使用した溶媒に溶解した残留ラクタイドやグリコライドなどの二量体は、濾液として排出することができ、ラクタイド、グリコライドのような二量体の含有量を低減した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を得ることができる。
工程(3)の濾過方法としては、特に限定されないが、例えば、減圧濾過、加圧濾過、セントル濾過などにより行うことができる。
工程(3)では、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)に残存する溶媒、析出物に付着している残留ラクタイド、グリコライドなどの二量体などを除去することなどを目的に、さらに必要に応じて水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒により洗浄してもよい。洗浄は、有機溶媒を除く点からは、水で洗浄することが好ましい。
洗浄方法としては、前記工程(2)で析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩の湿潤状態の固体、典型的には粉末を洗浄液で撹拌し洗浄するスラリー法や洗浄液を通液するリンス法等が行えるが、それに限定するものではない。
このような工程(3)で回収された精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)は、固体の状態、典型的には粉末状の状態で回収されているために、非常に低温の乾燥条件、例えば減圧下30〜40℃で乾燥が可能である。そのため、乾燥によって、乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩が熱分解、変性する等の危険性も極めて低い。また固体の状態、典型的には粉末状であるため、重合物を溶解させる有機溶媒(B1)を洗浄により効率よく除くことができるので、乾燥時に再溶解することもなく、溶媒蒸発による発泡も見られず容易に固体状のまま、典型的には粉末状のまま乾燥できる。
さらに精製度が高い精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)を得る為に工程(1−1)から工程(3)までを繰り返してもよい。
このようにして得られた、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)は、乳酸単位を通常40〜90モル%、好ましくは50〜85モル%含み、グリコール酸単位を通常60〜10モル%、好ましくは50〜15モル%含む(ただし、乳酸単位およびグリコール酸単位の合計100モル%とする。)。また、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)の重量平均分子量(Mw)は、通常5,000〜120,000の範囲、好ましくは8,000〜85,000の範囲である。精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは6,000〜95,000の範囲、特に好ましくは6,500〜90,000であってもよい。
また、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)のMw/Mnは、通常1.5〜7.0の範囲、好ましくは1.8〜6.0の範囲である。精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)のMw/Mnは、通常1.2〜3.5の範囲、好ましくは1.2〜3.2の範囲であってもよい。
さらに、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)のラクタイド含有量は通常0.6重量%以下であり、好ましくは0.1重量%以下である。
例えば、工程(2)で使用する脂肪族アルコール(B2)をメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを用いた場合、0.1重量%以下まで低減できる。精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)のグリコライド含有量は通常0.1重量%以下である。
乾燥によって得られる精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)は、好ましくは粒径1mm以下が全体の80重量%以上を占める最大粒径3mm以下の粉末状である。なお、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)の平均粒径は0.5mm以下が好ましい。
原料が乳酸−グリコール酸共重合体(A1)の塩である場合には、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)は塩の状態で得られる。
このようにして本発明により得られた精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩の精製度は高いため、高純度な乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を必要とする用途に好適である。例えば、前記精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を含む徐放性製剤を製造するのに好適である。
以下、実施例に基づきさらに本発明をより具体的に説明するが、これら実施例により本発明は限定されるものではない。
(1)GPC測定
以下の実施例および比較例での重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)測定条件は以下の通りである。
溶離液 : テトラヒドロフラン
カラム : Shodex KF−806L×2本(昭和電工製)
流速 : 0.8ml/min
カラム温度 : 40℃
試料濃度 : 0.3wt%
検出器 : RI検出器(40℃)
検量線は、標準ポリスチレンにより作成したものを用いた。
(2)GC測定
以下の実施例および比較例でのラクタイド、グリコライド(二量体)のガスクロマトグラフィ(GC)測定の条件は以下通りである。
ガスクロマトグラフ: 島津 GC−14A(FID)昇温装置付又は同等の性能を有するもの。
カラム : J&W DB−624(60m×0.53mmID)
カラム温度 : 120℃
注入口温度 : 200℃
検出器温度 : 230℃
キャリアガス: ヘリウム (20ml/min)
キャリア圧力: 0.13MPa(1.3Kg/cm2)
可燃ガス : 水素 0.11MPa(1.1Kg/cm2
Air : 0.11MPa(1.1Kg/cm2
検出器 : 水素炎イオン検出器(FID)
注入量 : 3μl
スプリット比: 2:1
インテグレータ: 島津CR―6A又はそれと同等の性能を有するもの。
(3)粒度分布測定
以下の実施例および比較例での粒度分布の測定条件は以下の通りである。
篩サイズ : 直径20cm、高さ4.5cm
篩の目開き径: 5.6mm、2.8mm、2.0mm、1.0mm、0.35mm、0.18mm、0.106mmの7種類
振とう機器 : ロータップ式篩振とう機(タナカテック製 RS−2型)
振とう条件 : 篩に精製乳酸−グリコール酸共重合体を入れ、1分間当たり100タップで5分間振とうした。
振とう終了後、各目開きの篩に留まった精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量を測定し、各粒径の重量%を算出した。
[実施例1A]
重量平均分子量(Mw)が5,980、数平均分子量(Mn)が3,250である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)15gを200ml三角フラスコに取り、アセトン85gに23〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にアセトンに対して0.25重量倍の水21.3gを23〜25℃で混合した。続いて1000mlの丸底フラスコにアセトンに対して6重量倍の水510gを入れ、長さ7.5cmの三日月型の撹拌羽根を1分当たり300回転で撹拌しながら、水を5℃まで冷却した。
その温度と回転数を維持しながら、乳酸−グリコール酸共重合体の溶液をローラーポンプで約1時間かけて水に滴下した。滴下に伴い乳酸−グリコール酸共重合体が粉末状に析出してきた。
約1時間撹拌後、粉末状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターにて減圧濾過し、乳酸−グリコール酸共重合体の湿潤析出物を得た。この湿潤析出物を5℃の水100gでリンス洗浄濾過を行い、得られた乳酸−グリコール酸共重合体の湿潤析出物を30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、粉末状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、残存するラクタイド、グリコライドの値、粒度分布を表1Aに示す。なお表1A中の乳酸−グリコール酸共重合体はPLGAと略する。
[実施例2A〜8A]
表1Aの精製前PLGAのカラムに示されるMw、Mn、および乳酸単位とグリコール酸単位とのモル比の乳酸−グリコール酸共重合体を原料とし用い、表1Aの工程(1−1)から工程(2)のカラムに記載されている条件で、有機溶媒(B1)による溶液の作製、工程(1−2)での混合溶液の作製、工程(2)での共重合体の析出を行う以外は、実施例1Aと同様にして、粉末状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、残存するラクタイド、グリコライドの値、粒度分布を表1Aに示す。

Figure 0005959728
[実施例9A]
重量平均分子量(Mw)が76,000、数平均分子量(Mn)が14,100、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が5.40である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=85:15、残存ラクタイド量1.4重量%、残存グリコライド量0.02重量%)5gを200ml三角フラスコに取りアセトン78.3gに23〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にアセトンに対して0.18重量倍の水14.1gを23〜25℃で混合した。続いて1000mlの丸底フラスコにアセトンに対して6重量倍の脂肪族アルコール(B2)のメタノール470gを入れ、長さ7.5cmの三日月型の撹拌羽根を1分当たり300回転で撹拌しながら、メタノールを5℃まで冷却した。
その温度と回転数を維持しながら、乳酸−グリコール酸共重合体の溶液をローラーポンプで約1時間かけてメタノールに滴下した。滴下に伴い乳酸−グリコール酸共重合体が粉末状に析出してきた。
約1時間撹拌後、粉末状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターにて減圧濾過し、乳酸−グリコール酸共重合体の湿潤析出物を得た。この湿潤析出物を5℃の水100gでリンス洗浄濾過を行い、得られた乳酸−グリコール酸共重合体の湿潤析出物を30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、粉末状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、残存するラクタイド、グリコライドの値を表2Aに示す。なお表2A中の乳酸−グリコール酸共重合体はPLGAと略する。
[実施例10A〜11A]
表2Aの工程(2)で使用する脂肪族アルコール(B2)のカラムに示される溶媒を溶媒(S2)として用いる以外は、実施例9Aと同様にして、粉末状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、残存するラクタイド、グリコライドの値を表2Aに示す。
Figure 0005959728
[実施例12A]
重量平均分子量(Mw)が5,980、数平均分子量(Mn)が3,250である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)1gずつを20mlサンプル瓶5本にとり、23〜25℃条件下で、工程(1−1)における共重合体の濃度が各々20重量%(試験12−1)、30重量%(試験12−2)、40重量%(試験12−3)、50重量%(試験12−4)、60重量%(試験12−5)になるようにアセトンに溶解した。その溶解液にアセトンに対して1重量倍のイソプロピルアルコールを23〜25℃で混合した。すべての濃度で混合した液は透明であった。続いて50mlの三角フラスコに水35gを入れ、長さ2cmの回転子をマグネチックスターラーにて1分当たり600回転で撹拌しながら、水を5℃まで冷却した。
その温度と回転数を維持しながら、乳酸−グリコール酸共重合体の溶液をピペットで約2分かけて水に滴下した。析出してくる乳酸−グリコール酸共重合体が粉末状であるか観察を行った。なお、水への滴下実験は、試験12−1〜12−5の各濃度で個別に行った。
乳酸−グリコール酸共重合体60重量%濃度(試験12−5)では、10mmくらいの球状で析出する状態が見られたが、50重量%濃度以下(試験12−1〜12−4)では、1mm以下の粉末状で析出した。
[実施例13A]
重量平均分子量(Mw)が76,000、数平均分子量(Mn)が14,100である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=85:15)0.3gずつを20mlサンプル瓶にとり、アセトンを4.7g入れ23〜25℃条件下で乳酸−グリコール酸共重合体を溶解した。その溶解液にアセトンに対して0.25重量倍の水1.2gを23〜25℃で混合した。該方法で6本の混合液を作製し、工程(2)の温度を変えた実験を実施した。
方法は50mlの三角フラスコに水30gを入れ、長さ2cmの回転子をマグネチックスターラーにて1分当たり600回転で撹拌しながら、水を5℃(試験13−1)、10℃(試験13−2)、15℃(試験13−3)、20℃(試験13−4)、25℃(試験13−5)に設定し、その温度とマグネチックスターラーの回転数を維持しながら、乳酸−グリコール酸共重合体の溶液をピペットで約2分かけて水に滴下した。析出してくる乳酸−グリコール酸共重合体が粉末状であるか観察を行った。なお、水への滴下実験は試験13−1〜13−5の各温度で個別に行った。
水の温度が25℃以下(試験13−1〜13−5)では、1.5mm以下の粉末状で析出する状態が見られ、15℃以下(試験13−1〜13−3)ではさらに細かい1.0mm以下の粉末が析出した。
[実施例14A]
重量平均分子量(Mw)が14,800、数平均分子量(Mn)が7,360、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が2.01である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=74:26、残存ラクタイド量1.80重量%、残存グリコライド量0.10重量%)2gを20mlサンプル瓶に取り30重量%になるように有機溶媒(B1)のテトラヒドロフラン4.7gに23〜25℃条件下で溶解した。その溶解液に脂肪族アルコール(B2)のメタノールを23〜25℃で白濁し始めるまで混合した。その量は有機溶媒(B1)のテトラヒドロフランに対して1.0重量倍(4.7g)であった。続いて50mlの三角フラスコに有機溶媒(B1)のテトラヒドロフランに対して7重量倍の水33gを入れ、長さ2cmの回転子をマグネチックスターラーにて1分当たり600回転で撹拌しながら、水を5℃まで冷却した。
その温度と回転数を維持しながら、乳酸−グリコール酸共重合体の溶液をピペットで約5分かけて水に滴下した。滴下に伴い乳酸−グリコール酸共重合体が粉末状に析出してきた。
約30分撹拌後、粉末状の乳酸−グリコール酸共重合体を直径21mmの桐山ロートにて減圧濾過し、乳酸−グリコール酸共重合体の湿潤析出物を得た。この湿潤析出物を5℃の水10gでリンス洗浄濾過を行った。得られた精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率を正確に測定するために、湿潤析出物をろ紙と共に30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、粉末状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率(乾燥重量は、全重量からろ紙重量を差し引いたものである。)および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、残存するラクタイド、グリコライドの値を表3Aに示す。なお表3A中の乳酸−グリコール酸共重合体はPLGAと略する。
[実施例15A〜19A]
表3Aに示される有機溶媒(B1)を工程(1−1)の溶媒として用い、表3Aに示される脂肪族アルコール(B2)を、同表3Aで示される脂肪族アルコール(B2)量の重量倍で、工程(1−2)で使用する溶媒(S1)として用いる以外は、実施例14Aと同様にして、粉末状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、残存するラクタイド、グリコライドの値を表3Aに示す。
Figure 0005959728
[比較例1A]
工程(1−2)を行わない以外は、実施例5Aと同様の操作を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体の調製を試みた。
しかし、工程(1−1)で得た乳酸−グリコール酸共重合体の溶液を、工程(1−2−A)を経ることなく、ローラーポンプにより水へ滴下すると(工程(2)の実施)、水へ滴下するのに伴い、撹拌羽根の周りに乳酸−グリコール酸共重合体の水飴状の塊が回り始め、滴下が終わる時点で粘性のある約5cmの球状の塊になった。
約1時間撹拌後、球状の塊を薬さじですくい取り、ガラスフィルター上で5℃の冷水100gで洗浄し、減圧濾過した。得られた乳酸−グリコール酸共重合体の球状の塊を30〜40℃条件下で減圧乾燥を行ったところ、著しく発泡する状態が見られた。
得られた精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、残存するラクタイド、グリコライドの値を表4A示す。乾燥したものが泡状の塊だったので粒度分布については測定していない。なお表4A中の乳酸−グリコール酸共重合体はPLGAと略する。
[比較例2A]
工程(1−2−A)を行わない以外は、実施例6Aと同様の操作を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体の調製を試みた。
しかし、工程(1−1)で得た乳酸−グリコール酸共重合体の溶液を、工程(1−2−A)を経ることなく、ローラーポンプにより水へ滴下すると(工程(2)の実施)、水へ滴下するのに伴い、撹拌羽根の周りに乳酸−グリコール酸共重合体の繊維状の塊が回り始め、滴下が終わる時点で撹拌羽の周りで約7cmの繊維状物の塊になった。
約1時間撹拌後、繊維状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターにて減圧濾過し、乳酸−グリコール酸共重合体の繊維状湿潤析出物を得た。この湿潤析出物を5℃の水100gでリンス洗浄濾過を行い、得られた乳酸−グリコール酸共重合体の湿潤析出物を30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、繊維状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。
得られた精製乳酸−グリコール酸共重合体の収率および重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、残存するラクタイド、グリコライドの値、粒度分布を表4Aに示す。
Figure 0005959728
[実施例1B]
重量平均分子量(Mw)が5680、数平均分子量が2950(Mn)である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)200gをアセトン466gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にイソプロピルアルコール466gを20〜25℃条件下で約1時間かけて滴下し20〜25℃条件下で0.5時間攪拌した。
攪拌後、得られた液を5℃で4時間静置し、上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。続いて回収した下の相を、あらかじめ5〜10℃に冷却していた下の相の5重量倍の水に、攪拌下、約2時間かけて滴下し、乳酸−グリコール酸共重合体を析出させ、さらに5℃で10時間攪拌した。析出させた粉末状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターで減圧濾過して、乳酸−グリコール酸共重合体の析出物を回収した。この析出物の約2重量倍の水で、析出物を洗浄した後、30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)を表1Bに示す。なお表1B中、乳酸−グリコール酸共重合体はPLGAと略する。
[実施例2B]
表1Bの実施例2Bのカラムに示されるMw、Mn、および乳酸単位とグリコール酸単位とのモル比を有する乳酸−グリコール酸共重合体200gをアセトン466gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にイソプロピルアルコール466gを20〜25℃条件下で約1時間かけて滴下し20〜25℃件下で0.5時間攪拌した。
攪拌後、得られた液を5℃で4時間静置し、上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。続いて回収した下の相を、あらかじめ5〜10℃に冷却していた下の相の5重量倍の水に、攪拌下、約2時間かけて滴下し、乳酸−グリコール酸共重合体を析出させ、さらに5℃で10時間攪拌した。析出させた粉末状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターで減圧濾過して、乳酸−グリコール酸共重合体の析出物を回収した。この析出物の約2重量倍の水で、析出物を洗浄した後、30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)、残留ラクタイド、グリコライド(重量%)を表1Bに示す。
[実施例3B〜5B]
表1Bの実施例3B〜5Bのカラムに示されるMw、Mn、および乳酸単位とグリコール酸単位とのモル比を有する乳酸−グリコール酸共重合体200gをアセトン466gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にイソプロピルアルコール466gを20〜25℃条件下で約1時間かけて滴下し20〜25℃件下で0.5時間攪拌した。
攪拌後、得られた液を20〜25℃で2時間静置し、上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。続いて回収した下の相を、あらかじめ5〜10℃に冷却していた下の相の5重量倍の水に、攪拌下、約1時間かけて滴下し、乳酸−グリコール酸共重合体を析出させ、さらに5℃で4時間攪拌した。析出させた粉末状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターで減圧濾過して、乳酸−グリコール酸共重合体の析出物を回収した。この析出物の約2重量倍の水で、析出物を洗浄した後、30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)、残留ラクタイド、グリコライド(重量%)を表1Bに示す。
[実施例6B]
表1Bの実施例6Bのカラムに示されるMwが73,200、Mnが23,300、Mw/Mnが3.14である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=85:15)200gをアセトン800gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にイソプロピルアルコール600gを20〜25℃条件下で約1時間かけて滴下し、その後20〜25℃条件下で1時間攪拌した。
攪拌後、得られた液を20〜25℃で1時間静置し、上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。続いて回収した下の相を、あらかじめ20〜25℃にしていた下の相の12重量倍の水にホモジナイザーで分散しながら、約2時間かけて滴下し、さらに20〜25℃で1時間攪拌した。析出させた粉末状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターで減圧濾過して、乳酸−グリコール酸共重合体の析出物を回収した。この析出物の約2重量倍の水で、析出物を洗浄した後、30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)、残留ラクタイド、グリコライド(重量%)を表1Bに示す。
Figure 0005959728
[実施例7B]
Mwが68,800、Mnが14,980、Mw/Mnが4.54である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=85:15)40gをアセトン160gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液に、アセトンの0.75重量倍のイソプロピルアルコール120gを約0.5時間かけて、攪拌下で滴下した。攪拌後、得られた液を20〜25℃下、2時間静置し、上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。続いて回収した下の相を、あらかじめ20℃にしていた下の相の重量の12重量倍の水に、ホモジナイザーで分散しながら約1時間かけて滴下して乳酸−グリコール酸共重合体を析出させた。析出した粉状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターで減圧濾過して、乳酸−グリコール酸共重合体の析出物を回収した。この析出物を析出物の約3重量倍の水で洗浄した後、30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)、残留ラクタイド、グリコライド(重量%)を表2Bに示す。なお表2B中、乳酸−グリコール酸共重合体はPLGAと略する。
[実施例8B]
Mwが68,800、Mnが14,980、Mw/Mnが4.54である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=85:15)40gをアセトン160gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液に、アセトンの0.75重量倍のイソプロピルアルコール120gを約0.5時間かけて、攪拌下で滴下した。攪拌後、得られた液を20〜25℃下、2時間静置し、上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。回収した下の相170gにアセトン80gとイソプロピルアルコール61gを攪拌下で滴下した。さらに20〜25℃下で1時間攪拌後、2時間静置して上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。続いて回収した下の相を、あらかじめ20℃にしていた下の相の重量の12重量倍の水に、ホモジナイザーで分散しながら約1時間かけて滴下して乳酸−グリコール酸共重合体を析出させた。析出した粉状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターで減圧濾過、乳酸−グリコール酸共重合体の析出物を回収した。この析出物の約3重量倍の水で洗浄した後、30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)、残留ラクタイド、グリコライド(重量%)を表2Bに示す。
[比較例1B]
Mwが68,800、Mnが14,980、Mw/Mnが4.54である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=85:15)40gをアセトン160gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液をあらかじめ20℃にしていた溶解液重量の12重量倍の水に、ホモジナイザーで分散しながら約1時間かけて滴下して乳酸−グリコール酸共重合体を析出させた。析出した粉状の乳酸−グリコール酸共重合体をガラスフィルターで減圧濾過、乳酸−グリコール酸共重合体の析出物を得た。この析出物の約3重量倍の水で洗浄した後、30〜40℃条件下で減圧乾燥を行い、精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)、残留ラクタイド、グリコライド(重量%)を表2Bに示す。
Figure 0005959728
[参考例1B〜3B]
Mwが11,300、Mnが5,300、Mw/Mnが2.15である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)5gをアセトン11.7gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液に、下記表3Bに記載のアセトンに対する重量比のイソプロピルアルコール(参考例1B:1.0重量倍(11.7g)、参考例2B:1.5重量倍(17.5g)、参考例3B:2.0重量倍(23.4g))を約0.5時間かけ滴下し20〜25℃条件下で0.5時間攪拌した。
攪拌後、得られた液を20〜25℃下5時間静置し、上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。回収した下の相から有機溶媒を留去し、水飴状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)を表3Bに示す。なお表3B中、乳酸−グリコール酸共重合体はPLGAと略する。
[参考例4B〜6B]
Mwが11,300、Mnが5,300、Mw/Mnが2.15である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)5gをアセトン11.7gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液に、下記表3Bに記載のアセトンに対する重量比のエタノール(参考例4B:1.0重量倍(11.7g)、参考例5B:1.5重量倍(17.5g)、参考例6B:2.0重量倍(23.4g))を約0.5時間かけ滴下し20〜25℃条件下で0.5時間攪拌した。
攪拌後、得られた液を20〜25℃下、5時間静置し、上の相、下の相の2つの相の液−液相分離構造を形成させた。その後、各相を少量サンプリングし、GPC測定を行った結果、下の相に含まれる乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量が高いことを確認した。この2つの相の液−液相分離構造を有する液を分液ロートに移し、下の相の液を回収した。回収した下の相から有機溶媒を留去し水飴状の精製乳酸−グリコール酸共重合体を得た。精製乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値、分子量画分(%)を表3Bに示す。
Figure 0005959728
[参考例7B]
Mwが11,300、Mnが5,300、Mw/Mnが2.15である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)5gをアセトン11.7gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にアセトンの0.5重量倍のイソプロピルアルコールを約0.5時間かけて、攪拌下で滴下した。攪拌後、得られた液を20〜25℃下、5時間静置したが、液−液相分離構造が形成されなかった。
[参考例8B]
Mwが11,300、Mnが5,300、Mw/Mnが2.15である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)5gをアセトン11.7gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液に、アセトンの4.0重量倍のイソプロピルアルコールを約0.5時間かけて、攪拌下で滴下した。該溶液を20〜25℃下、5時間静置して液−液相分離構造が形成されたが、下の相の粘性が高く分液操作が困難であった。
[参考例9B]
Mwが11,300、Mnが5,300、Mw/Mnが2.15である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)5gをアセトン11.7gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にアセトンの0.5重量倍のエタノールを約0.5時間かけて、攪拌下で滴下した。攪拌後、得られた液を20〜25℃下、5時間静置したが、液−液相分離構造が形成されなかった。
[参考例10B]
Mwが11,300、Mnが5,300、Mw/Mnが2.15である乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸単位:グリコール酸単位モル比=75:25)5gをアセトン11.7gに20〜25℃条件下で溶解した。得られた溶解液にアセトンの4.0重量倍のエタノールを約0.5時間かけて、攪拌下で滴下した。攪拌後、得られた液を20〜25℃下、5時間静置して、液−液相分離構造が形成されたが、下の相の粘性が高く分液操作が困難であった。
本発明により、例えば徐放性製剤用材料としても有用な、残留ラクタイドやグリコライドのような二量体、および分子量の小さい乳酸−グリコール酸重合体またはその塩の量を調節可能な精製乳酸―グリコール酸共重合体またはその塩を工業的に簡便に製造できる。
[関連出願の参照]
本願は、日本出願特願2013−082988号および日本出願特願2014−020184号を基礎とする優先権を主張する。これらの出願の開示内容は、引用することによりそのまま本明細書の一部とされる。

Claims (17)

  1. (1−1)乳酸単位及びグリコール酸単位を有する乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、25℃での溶解度が1重量%以上である1種以上の有機溶媒(B1)に溶解して乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液を作製する工程、
    (1−2)前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S1)を添加して、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を含む混合液を作製する工程、
    (2)前記工程(1−2)で作製された混合液を、水、及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つを含む溶媒(S2’)に添加して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を析出させる工程、および
    (3)析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を回収する工程、
    を含む、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  2. 乳酸−グリコール酸共重合体(A1)が乳酸単位40〜90モル%及びグリコール酸単位60〜10モル%(ただし、乳酸単位およびグリコール酸単位の合計100モル%とする。)を有する、請求項1に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  3. 乳酸−グリコール酸共重合体(A1)が、4,500〜110,000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1または2に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  4. 工程(1−1)において、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、有機溶媒(B1)に1〜50重量%の濃度となるように溶解する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  5. 前記工程(1−1)で使用する有機溶媒(B1)が、非プロトン性極性有機溶媒である請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  6. 前記工程(2)における添加方法が滴下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  7. 前記工程(2)において精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を粉末状に析出させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  8. (1−1)乳酸単位40〜90モル%及びグリコール酸単位60〜10モル%(ただし、乳酸単位およびグリコール酸単位の合計100モル%とする。)を有し、かつ4,500〜110,000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、25℃での溶解度が1重量%以上である1種以上の有機溶媒(B1)に1〜50重量%の濃度となるように溶解して乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液を作製する工程、
    (1−2−A)前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S1)を添加して、乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を含む混合溶液を作製する工程、
    (2)前記工程(1−2−A)で作製された混合溶液を、水及び脂肪族アルコール(B2)から選ばれる少なくとも1つの溶媒(S2)に滴下して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を粉末状に析出させる工程、および
    (3)析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を回収する工程、
    を含む、請求項1に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  9. 前記工程(1−2)または(1−2−A)で使用する溶媒(S1)の混合割合が、有機溶媒(B1)に対して0.05重量倍から2.5重量倍である請求項1〜8のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  10. 前記工程(2)で使用する溶媒(S2’)の温度が、該溶媒(S2’)の凝固点以上25℃以下である請求項1〜9のいずれかに記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  11. 前記工程(2)で使用する溶媒(S2’)の量比が、有機溶媒(B1)に対して3重量倍以上である請求項1〜10のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  12. 工程(1−2)が以下の工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
    (1−2−B1)前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、水および脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1つの溶媒(B2)を添加して攪拌し、2つの相に液−液相分離させる工程。
    (1−2−B2)2つの相のうち、より大きな重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を含む相を回収する工程。
  13. (1−1)乳酸単位40〜90モル%及びグリコール酸単位60〜10モル%(ただし、乳酸単位およびグリコール酸単位の合計100モル%とする。)を有し、かつ4,500〜105,000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩を、25℃での溶解度が10重量%以上である1種以上の有機溶媒(B1)に、10〜50重量%の濃度となるように溶解して乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液を作製する工程、
    (1−2−B1)前記乳酸−グリコール酸共重合体(A1)またはその塩の溶液に、1種以上の脂肪族アルコール(B2)を添加して攪拌し、2つの相に液−液相分離させる工程、
    (1−2−B2)2つの相のうち、より大きな重量平均分子量(Mw)を有する乳酸−グリコール酸共重合体またはその塩を含む相を回収する工程、
    (2)前記工程(1−2−B2)で回収された相を、水を含む溶媒に滴下して、精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を析出させる工程、および
    (3)析出した精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を回収する工程、
    を含む、請求項12に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  14. 前記工程(2)で、回収された相を滴下する溶媒が水である請求項13に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  15. 工程(1−2−B2)で回収された相に、さらに工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を1回以上繰り返した後に、工程(2)および(3)を行う請求項12〜14のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  16. 工程(1−2−B2)で回収された相に前記有機溶媒(B1)を添加した後、さらに工程(1−2−B1)および(1−2−B2)を1回以上繰り返した後に、工程(2)および(3)を行う請求項12〜15のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の精製乳酸−グリコール酸共重合体(A2)またはその塩を製造する方法を含む徐放性製剤の製造方法
JP2015511260A 2013-04-11 2014-04-08 乳酸―グリコール酸共重合体の製造法またはその塩の製造法 Active JP5959728B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013082988 2013-04-11
JP2013082988 2013-04-11
JP2014020184 2014-02-05
JP2014020184 2014-02-05
PCT/JP2014/060158 WO2014168134A1 (ja) 2013-04-11 2014-04-08 乳酸―グリコール酸共重合体の製造法またはその塩の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5959728B2 true JP5959728B2 (ja) 2016-08-02
JPWO2014168134A1 JPWO2014168134A1 (ja) 2017-02-16

Family

ID=51689541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015511260A Active JP5959728B2 (ja) 2013-04-11 2014-04-08 乳酸―グリコール酸共重合体の製造法またはその塩の製造法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10011681B2 (ja)
EP (1) EP2985304B1 (ja)
JP (1) JP5959728B2 (ja)
WO (1) WO2014168134A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019167402A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 三井化学株式会社 乳酸−グリコール酸共重合体を含む粉体の製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04218528A (ja) * 1990-04-13 1992-08-10 Takeda Chem Ind Ltd 生体内分解型高分子重合物
JP2003026790A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Mitsui Chemicals Inc 生体吸収性ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法
JP2004155792A (ja) * 2001-06-29 2004-06-03 Takeda Chem Ind Ltd 徐放性組成物およびその製造法
JP2007534803A (ja) * 2004-04-23 2007-11-29 アムジエン・インコーポレーテツド 低分子量ポリ乳酸ポリマー
JP2009525372A (ja) * 2006-01-31 2009-07-09 ピュラック バイオケム ビー.ブイ. 残留モノマーから吸収性ポリマーを精製する方法
JP2010519218A (ja) * 2007-02-15 2010-06-03 キューエルティー ユーエスエー,インコーポレイテッド. 低バーストポリ−(ラクチド/グリコシド)およびポリマーを生成するための方法
JP2010180145A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Hosokawa Micron Corp トラネキサム酸含有ナノ粒子及び複合粒子の製造方法
JP2011178729A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Tokyo Univ Of Science ナノ粒子、ならびにナノコンポジット粒子およびその製造方法
JP2012508293A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 サムヤン コーポレイション 高純度ポリ乳酸、その塩またはその誘導体、及びその精製方法
JP5046447B2 (ja) * 2000-08-07 2012-10-10 和光純薬工業株式会社 乳酸重合体及びその製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3708916A1 (de) 1987-03-19 1988-09-29 Boehringer Ingelheim Kg Verfahren zur reinigung resorbierbarer polyester
CA2040141C (en) 1990-04-13 2002-05-14 Minoru Yamada Biodegradable high-molecular polymers, production and use therof
JPH08245779A (ja) 1995-03-13 1996-09-24 Dainippon Ink & Chem Inc 乳酸系ポリマーの精製方法
JP2000026588A (ja) 1998-07-08 2000-01-25 Mitsui Chemicals Inc ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法
JP3902518B2 (ja) 2001-06-29 2007-04-11 武田薬品工業株式会社 徐放性組成物用乳酸−グリコール酸重合体の製造法
TWI225416B (en) 2001-06-29 2004-12-21 Takeda Chemical Industries Ltd Sustained-release composition and process for producing the same
DE102007020951A1 (de) 2007-05-04 2008-11-06 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co. Kg Verfahren und Vorrichtung zur Reinigung eines resorbierbaren Polyesters

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04218528A (ja) * 1990-04-13 1992-08-10 Takeda Chem Ind Ltd 生体内分解型高分子重合物
JP5046447B2 (ja) * 2000-08-07 2012-10-10 和光純薬工業株式会社 乳酸重合体及びその製造方法
JP2004155792A (ja) * 2001-06-29 2004-06-03 Takeda Chem Ind Ltd 徐放性組成物およびその製造法
JP2003026790A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Mitsui Chemicals Inc 生体吸収性ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法
JP2007534803A (ja) * 2004-04-23 2007-11-29 アムジエン・インコーポレーテツド 低分子量ポリ乳酸ポリマー
JP2009525372A (ja) * 2006-01-31 2009-07-09 ピュラック バイオケム ビー.ブイ. 残留モノマーから吸収性ポリマーを精製する方法
JP2010519218A (ja) * 2007-02-15 2010-06-03 キューエルティー ユーエスエー,インコーポレイテッド. 低バーストポリ−(ラクチド/グリコシド)およびポリマーを生成するための方法
JP2012508293A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 サムヤン コーポレイション 高純度ポリ乳酸、その塩またはその誘導体、及びその精製方法
JP2010180145A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Hosokawa Micron Corp トラネキサム酸含有ナノ粒子及び複合粒子の製造方法
JP2011178729A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Tokyo Univ Of Science ナノ粒子、ならびにナノコンポジット粒子およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20160060388A1 (en) 2016-03-03
WO2014168134A1 (ja) 2014-10-16
US10011681B2 (en) 2018-07-03
EP2985304B1 (en) 2024-08-14
EP2985304A1 (en) 2016-02-17
JPWO2014168134A1 (ja) 2017-02-16
EP2985304A4 (en) 2016-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2401317B1 (fr) Procédé de production de stéréocomplexes plla/pdla
KR101840505B1 (ko) 정제 폴리로탁산의 제조 방법
AU2008347720C1 (en) Highly pure amphiphilic copolymer comprising hydrophobic block from alpha-hydroxy acid and process for the preparation thereof
KR101119861B1 (ko) 고순도 폴리락틱산, 또는 그 유도체, 그 염, 및 그의 정제방법
ES2743924T3 (es) Método de preparación de partículas de polidioxanona para material de relleno
KR101966617B1 (ko) 생원천의 지방족 폴리에스테르의 미세 분말 및 그의 제조 방법
CN102557099B (zh) 一种方解石相和/或球霰石相碳酸钙的制备方法
JP5959728B2 (ja) 乳酸―グリコール酸共重合体の製造法またはその塩の製造法
CN113905721B (zh) 含有半胱天冬酶抑制剂前药的可注射组合物及其制备方法
EP4234543A1 (en) Method for refining glycolide and glycolide obtained using same
Biela Stereocomplexes of star-shaped poly [(R)-lactide] s and poly [(S)-lactide] s bearing various number of arms. Synthesis and thermal properties
Zhu et al. Cellulose diacetate-g-poly (p-dioxanone) co-polymer: synthesis, properties and microsphere preparation
JP2019167402A (ja) 乳酸−グリコール酸共重合体を含む粉体の製造方法
JP2020532621A (ja) 改善された再吸収性ポリマーの精製方法
JP4612239B2 (ja) 生体吸収性ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法
JP7499546B1 (ja) ラクチド複合体の製造方法
Rao et al. Body temperature polymerization and in situ drug encapsulation in supercritical carbon dioxide
JP2007131691A (ja) 部分加水分解アセチル化グルコマンナン及びその製造方法
Chung et al. Reactivity of ethyl acetate and its derivatives toward ammonolysis: ramifications for ammonolysis‐based microencapsulation process
EP3383934A1 (fr) Procede de controle de la structure d'un copolymere a blocs par copolymerisation selective, par ouverture de cycle, de monomeres cycliques de carbonate et de lactone
Zant et al. Drug-loaded low molecular weight PCL microparticles prepared by aw/o/w double emulsion and solvent evaporation technique
JP2005248120A (ja) テトラヒドロフラン環を含むアルコール由来の多分岐ポリオール
JP2006232964A (ja) 粉末状ポリグリセリン脂肪酸エステル組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160621

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5959728

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250