JP5959727B2 - 冷却機器 - Google Patents

Description

本発明は、冷却機器であって、該冷却機器が、ケーシング内に位置する少なくとも１つの冷却室を備えており、該冷却室には、側方に摺動可能な少なくとも１つのスライドカバーを介して上方から接近が可能であり、該スライドカバーが、特に熱反射性の内側被覆層を備えた透明な板材を有しており、該板材が、少なくとも前側の長手方向領域では、長手方向に対して横方向で外側に向かって凸状の湾曲部を介して、前側の縁取り材を備えた長手方向縁部で終わっている冷却機器に関する。

このような冷却機器は、米国意匠第５４１８２７号に示されている。同号では、商品用のほぼ直方体状の冷却室を取り囲むケーシングがその上側に、長手方向に摺動可能な複数のスライドカバーを備えている。これらのスライドカバーは、ケーシングの長手方向に延びる側方の縁部に沿って滑動式にガイドされており、これによって、冷却室がその上側で商品の出し入れのために開放され、その後、再び良好に密閉されるようになっている。しかしながら、ガイド手段はかなりの負荷にさらされていて、時間が経つにつれて汚れてしまい、したがって、スライドカバーの易動性と密封機能とに対して常時不利となる摩耗を被ってしまう。

長持ち状の冷却機器は、米国意匠第５８６３６６号にも示されている。

本発明の課題は、冒頭で述べた冷却機器を改良して、易動性の摺動と確実な密封特性とが持続的に維持され続けるようにすることである。

この課題は、請求項１の特徴によって解決される。本発明では、前側の縁取り材が、鉛直な重力方向に対して水平な支承面を有していることが提案されている。

前側の縁取り材の水平な支承面によって、横断面で見て凸状に湾曲させられた１つ以上のスライドカバーの下側の長手方向縁部を重力に対して面状に支持する、有利な摺動特性と広幅面状の密封とを伴った平らで水平な滑動面もしくは滑動路が得られる。さらに、この水平な滑動面は汚れにくく、狭い中空室が回避されているので、容易に清掃することができる。密な縁取り材を備えたスライドカバーの構成は、エネルギ節約的な運転にも常時寄与している。板材がその内面に付加的にさらに熱反射性の内側被覆層を備えていると、エネルギ効率が一層改善される。

密封および良好な摺動特性のためには、水平な支承面が、シール手段を備えている手段が有利である。

易動性の運動と良好なガイドとには、縁取り材の、横断面で見て鉛直な前側の縁部が、長手方向ガイドのための支持区分として働き、この支持区分の前側平面を越えて突出したスペーサを備えている手段が寄与している。

構造および機能に対して有利な態様では、縁取り材が、板材の前側の長手方向縁部に続く内外の面領域に被さる結合区分と、この結合区分に一体成形されていて、水平な支承面を備えた屈曲させられた支承区分とを備えた長手方向異形材として形成されている。縁取り材は、有利にはプラスチックから製造されてよい。

さらに、良好な機能は、シール手段が、その下面に滑動特性を有していて、水平な支承面に取り付けられた別体のシールエレメントとして形成されていることによってアシストされる。

さらに、構造および機能に対して、支承区分が、長手方向に延びる収容室を備えており、この収容室が、その下側において、支承面を有する閉鎖壁によって画定されており、収容室内に、シールエレメントに設けられた保持区分が挿入されている手段が有利である。たとえば、この構造では、損傷したシールエレメントを容易に取り換えることができる。

スペーサが、外側に向かって湾曲させられた支持面を有していることが提案されていると、前側のガイド区分に対するスペーサによる点状の支持によって、最小の横方向力で易動性のガイドが達成される。

さらに、易動性の摺動と良好な密封とには、板材が、その後側の長手方向縁部に後側の縁取り材を備えており、この縁取り材が、支承区分を有しており、この支承区分が、その下面に水平な支承面を備えている手段が寄与している。

良好な摺動・密封特性とエネルギ効率のよい運転とは、たとえば、板材が、前側の長手方向縁部から上昇して、凸状の湾曲部を介して、後方に続く平らで水平な領域に移行しており、この領域の後側の長手方向縁部が、水平な支承面を有する後側の縁取り材を備えており、シール手段が、前側の縁取り材の支承面に相応して取り付けられていることが提案されている態様において有利に効果を発揮する。

有利な態様は、たとえば、ケーシングが、その上側の縁領域に被覆フレームを備えており、この被覆フレームが、位置および延在長さに関して支承面に合わせられた長手方向に延びる少なくとも１つの載置面と、位置および姿勢に関して支持区分に合わせられた少なくとも１つのガイド区分とを有していることによって達成される。

本発明を以下に複数の実施の形態に基づき図面を参照しながら詳細に説明する。

複数のスライドカバーを備えた冷却機器を横前方から見た斜視図である。 スライドカバーの前側のガイド領域における冷却機器の一部の拡大横断面図である。 スライドカバーの後側のガイド領域における一部の拡大横断面図である。

図１には、長持ち状の冷蔵・冷凍機器、つまり、冷却機器１が示してある。この冷却機器１は、ほぼ直方体状のケーシング６を備えている。このケーシング６は、前壁と、２つの側壁と、（図面に認めることができない）後壁と、（同じく認めることができない）底壁と、上側に設けられた開放可能なカバー手段とによって、商品用の冷却室を取り囲んでいる。ケーシング６のカバー手段は、ケーシング６の長手方向に摺動可能な２つのスライドカバー２によって形成されている。両スライドカバー２は、透明な板材２０、好ましくはガラスまたは択一的にはプラスチック材料、たとえばプレキシガラス（登録商標）と、この板材２０の縁側に取り付けられたカバー縁取り材３とから成っている。簡単な摺動のために、スライドカバー２の両板材２０にグリップ４が取り付けられている。ケーシング６の上側の縁部は被覆フレーム５を備えている。この被覆フレーム５は、前側のフレーム部分５０と、２つの側方のフレーム部分５１と、後側のフレーム部分５５とを有していて、被覆フレーム５の下側に収容構造部を備えている。この収容構造部内には、ケーシング６の壁エレメントの上側の領域が挿入されている。

図２から明らかであるように、板材２０の内面は、熱反射性の内側被覆層２１を備えており、これによって、外部から板材２０に衝突した熱放射線が、少なくとも部分的に反射され、場合によっては、構成および要求に応じて、部分的に吸収もされて、冷却室内への侵入に対して少なくとも十分に遮蔽されるようになっている。可視のスペクトル範囲において、板材２０は透明であるかもしくは透き通っており、これによって、冷却室内の商品をカバー手段の閉鎖時に外部から良好に認めることができる。

良好な視認性、更には、利用者に面した前側から冷却室への手の良好な近づけやすさには、ケーシング６の前壁の上側の縁部が、側壁および後壁の上側の縁部に比べて下方に引き下げされていて、板材２０が後側から、まず、平らで水平な区分と、これに続く外側に向かって凸状の湾曲部とを介して、前壁の上側の縁部を覆う前側のフレーム部分５０にまで下向きに延びていることが寄与している。この場合、板材２０の外面および内面は、前縁部の領域で前方斜め下向きである。垂線（重力方向）に対する外面もしくは内面の前側の領域の角度またはその接線の角度は、明らかに０°よりも大きくて、明らかに９０°よりも小さく、図２から判るように、垂線に対して、たとえば１０°〜８５°の範囲内にある。

板材２０のカバー縁取り材３は、２つの側方の縁取り材と、前側の縁取り材３０と、後側の縁取り材３５とを有している。図２には、前側の縁取り材３０が横断面図で示してあり、図３には、後側の縁取り材３５が横断面図で示してある。

図２に示したように、前側の縁取り材３０は結合区分３００でもって板材２０の外面および内面の縁側の区分に被さっていて、該当する板材２０の縁側の区分に固定されている。結合区分３００には、前方に向かって、一体に成形された支承区分３１０が続いている。この支承区分３１０は、板材２０の前側の区分に対して屈曲させられていて、水平に前方に向かって突出していて、その下面に水平な支承面３１２を形成している。支承区分３１０の前側には、鉛直な支持区分３１３、すなわち、横断面で見て支承面３１２に対して直交方向に向けられた支持区分３１３が形成されている。この支持区分３１３の前面には、スペーサ３１４が取り付けられている。支承区分３１０内には、長手方向に延びる収容室３１１が成形加工されている。この収容室３１１の下側の壁は、中間の長手方向ギャップを介して支承面３１２に向かって開放されており、これによって、アンダカットされたＴ字形溝状の収容区分が得られる。

収容室３１１内には、下方から、シールエレメント７に設けられた保持区分が挿入されている。この保持区分は、下側の閉鎖壁の内面に、側方に突出した保持リップによって保持されている。前側の縁取り材３０の長さにわたって延びるシールエレメント７は、開放ギャップにわたって延びていて、支承面３１２と、この支承面３１２に面していて、被覆フレーム５に形成された面状の水平な載置区分５１２との間に、密な滑動面を形成しており、これによって、面状の滑動路と面状の密封とを伴って、前側のフレーム部分５０に沿ったスライドカバー２のための滑動載置が達成される。図示の実施の形態では、シールエレメント７がその下側の区分で中空であり、横断面で見て下側に向かって凸状に湾曲させられている。これによって、重力に基づき、良好な密封と摺動特性とを伴って、載置区分５１２への面状の密な押付けが達成される。

前側のスペーサ３１４を備えた支持区分３１３には、鉛直な前側のガイド区分５１１の内面が対置している。このガイド区分５１１は、前側のフレーム部分５０に一体成形されている。スペーサ３１４は、有利には外側に向かって凸状に成形されており、これによって、ほぼ点状の支持が達成される。支持区分３１３の長手方向には、たとえば２つ以上のスペーサ３１４、たとえばリベットが取り付けられている。

これらのスペーサ３１４は、被覆フレーム５に対するスライドカバー２の開閉時の引っ掛かりを阻止するために、鉛直な支持区分３１３とガイド区分５１１との間に正確に寸法設定されて設けることができる。この手段により、このように形成されたガイドにおいて、鉛直な前側の支持部に沿って最小の横方向力で良好な滑動特性が得られる。特にシールエレメント７それ自体が載置区分５１２に対して良好な滑動特性を有していると、確実な密封とスライドカバー２の易動性の摺動とが実現される。

さらに図２に示したように、前側のフレーム部分５０は、横断面で見て外側で前方かつ上方に向かって湾曲させられた正面区分５００を備えている。この正面区分５００は後方に向かって、載置区分５１２と、この載置区分５１２の上方に位置する支承区分３１０とから間隔を置いて配置された、この支承区分３１０にわたって突出した上側の端区分に移行しており、これによって、スライドカバー２が、上方への不本意な持上りに対して防護されている。

前側のフレーム部分５０は、上側の載置区分５１２の下方に、内部に成形された下側の水平な載置区分５１３を備えている。この載置区分５１３は、前方において、前側の下側の鉛直なガイド区分を介して画定されていて、上側の載置区分５１２の下面に一体成形されている。下側の載置区分５１３は、上側の載置区分５１２の載置面５１０に対して平行な水平な載置面を有している。この載置面の上方には、水平な支承面３１２と、間挿されたシールエレメント７とを備えた前側の縁取り材３０に相応して、第２のスライドカバーがその前側の縁取り材を介して位置することができ、これによって、両スライドカバー２が、重なり合った状態で互いに相対的に側方に摺動可能となる。下側の載置区分５１３には、後方に向かって、やや斜め下側に向けられた区分が続いている。この区分を介して、第２のスライドカバーの前側の縁取り材の支承区分が容易に挿入可能となり、付加的には、下側で安全確保されている。上側の載置区分５１２も下側の載置区分５１３も後側に向かって開放しており、すなわち、上方に突出した突起によって画定されておらず、したがって、良好に清潔に保つことができ、妨害なしに清掃することができる。

前側の縁取り材３０と前側のフレーム部分５０とは、有利には長手方向異形材として形成されている。フレーム部分５０の下側には、前側のケーシング壁の区分を挿入するための前側の収容区分５３０と保持区分５２１とが形成されていて、後側には、下側の載置区分５１３を越えて後方に突出した区分の下側の後方の収容部５２０が形成されている。前側の縁取り材３０および前側のフレーム部分５０と、カバー縁取り材３および被覆フレーム５の残りの区分とは、好ましくはプラスチックから形成されているものの、択一的には、別種の材料、たとえば金属から成っていてもよい。カバー縁取り材３の残りのフレーム部分および区分も同じく、有利には異形材区分として形成されている。

図３に示したように、板材２０の後側の縁領域も後側の縁取り材３５を備えている。前側の縁領域に相応して、板材２０の隣接し合った外面および内面に結合区分３６０が被さっている。この結合区分３６０の後側には、下面に水平な支承面を備えた、水平方向に向けられた支承区分３５０が一体に成形されている。この支承区分３５０も同じく、その縁区分に長手方向に延びる開放ギャップを備えた、長手方向に延びる収容室を有している。この収容室内には、前側の縁取り材３０に関して前述すると共に図２に示したように、シールエレメント７’に設けられた保持区分が挿入されている。シールエレメント７’はその下側の区分で中空であり、重力の作用時の密な載置および良好な摺動特性のために、横断面で見て下側に向かって凸状に湾曲させられている。

スライドカバー２の前側の区分に相応して、後側の区分も一方または両方の板材２０で凸状に湾曲させられている場合には、構成を前側の区分に相応して形成することができる。

図３に示したように、被覆フレーム５の後側のフレーム部分５５も同じく後側のガイド区分を備えている。このガイド区分は、上側の載置区分５５１と、この上側の載置区分５１２に対して下方に段付けられた下側の載置区分５５２とを有している。両載置区分５５１，５５２は、それぞれ水平な載置面を備えている。上側の載置区分５５１が、後側で上方に延びる鉛直な後側のガイド区分によって画定されているのに対して、下側の載置区分５５２は、上側の載置区分５５１の前側に続く上方に向けられた鉛直な後側のガイド区分によって画定されている。上側の載置区分５５１も下側の載置区分５５２も同じく、上方に突出した突起なしに、前方に向かって冷却室に移行していて、容易に清潔に保つことができる。

さらに、後側のフレーム部分５５はその下側に後側の収容区分５５３を有している。この収容区分５５３は、後側では、鉛直な外側の画定区分５５４によって画定されていて、内側では、鉛直な内側の画定区分５５５によって画定されており、これによって、ケーシング６の後壁の上側の区分が、後側の収容区分５５３内に簡単に挿入可能となり、安定的に収容されている。

図３からも、板材２０の内側被覆層２１が明らかである。後側の支承区分３５０の水平な支承面と協働した状態での水平な載置区分５５１，５５２によるガイドによって、スライドカバー２の、良好に密封された易動性のガイドが補われる。

Claims (9)

1. 冷却機器（１）であって、該冷却機器（１）が、ケーシング（６）内に位置する少なくとも１つの冷却室を備えており、該冷却室には、側方に摺動可能な少なくとも１つのスライドカバー（２）を介して上方から接近が可能であり、該スライドカバー（２）が、熱反射性の内側被覆層（２１）を備えた透明な板材（２０）を有しており、該板材（２０）が、少なくとも前側の長手方向領域では、長手方向に対して横方向で外側に向かって凸状の湾曲部を介して、前側の縁取り材（３０）を備えた長手方向縁部で終わっている冷却機器において、
   前側の縁取り材（３０）が、鉛直な重力方向に対して水平な支承面（３１２）を有しており、水平な支承面（３１２）が、シール手段を備えており、縁取り材（３０）の、横断面で見て鉛直な前側の縁部が、長手方向ガイドのための支持区分（３１３）として働き、該支持区分（３１３）の前側平面を越えて突出したスペーサ（３１４）を備えていることを特徴とする、冷却機器。
2. 縁取り材（３０）が、板材（２０）の前側の長手方向縁部に続く内外の面領域に被さる結合区分（３００）と、該結合区分（３００）に一体成形されていて、水平な支承面（３１２）を備えた屈曲させられた支承区分（３１０）とを備えた長手方向異形材として形成されている、請求項１記載の冷却機器。
3. シール手段が、その下面に滑動特性を有していて、水平な支承面（３１２）に取り付けられた別体のシールエレメント（７）として形成されている、請求項１又は２記載の冷却機器。
4. 支承区分（３１０）が、長手方向に延びる収容室（３１１）を備えており、該収容室（３１１）が、その下側において、支承面（３１２）を有する閉鎖壁によって画定されており、収容室（３１１）内に、シールエレメント（７）に設けられた保持区分が挿入されている、請求項３記載の冷却機器。
5. スペーサ（３１４）が、外側に向かって湾曲させられた支持面を有している、請求項１から４までのいずれか１項記載の冷却機器。
6. スペーサ（３１４）の前記外側に向かって湾曲させられた支持面が点状の支持を形成している、請求項５項記載の冷却機器。
7. 板材（２０）が、その後側の長手方向縁部に後側の縁取り材（３５）を備えており、該縁取り材（３５）が、支承区分（３５０）を有しており、該支承区分（３５０）が、その下面に水平な支承面を備えている、請求項１から６までのいずれか１項記載の冷却機器。
8. 板材（２０）が、前側の長手方向縁部から上昇して、凸状の湾曲部を介して、後方に続く平らで水平な領域に移行しており、該領域の後側の長手方向縁部が、水平な支承面を有する後側の縁取り材（３５）を備えており、シール手段が、前側の縁取り材（３０）の支承面（３１２）に相応して取り付けられている、請求項７記載の冷却機器。
9. ケーシング（６）が、その上側の縁領域に被覆フレーム（５）を備えており、該被覆フレーム（５）が、位置および延在長さに関して支承面（３１２）に合わせられた長手方向に延びる少なくとも１つの載置面（５１０）と、位置および姿勢に関して支持区分（３１３）に合わせられた少なくとも１つのガイド区分（５１１）とを有している、請求項１から８までのいずれか１項記載の冷却機器。

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