JP5959176B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、垂直配向型の液晶表示装置における表示品質の改良技術に関する。
上下基板間に配置された液晶層内の液晶分子が電圧無印加時において各基板に対してほぼ垂直に配向する垂直配向型の液晶表示装置(液晶表示素子)は、正面観察時における液晶層のリタデーションがゼロまたはほぼゼロであるため、上下基板を挟んで配置される各偏光板をクロスニコル配置とした場合には偏光板自体による消光性能が発揮されることにより非常に良好な黒表示特性を実現することができる。そして、例えば、特許第4614200号公報(特許文献1)に示されるように特定の表面自由エネルギーを有する垂直配向膜に対し特定のラビング条件にてラビング処理を施すことにより、電圧無印加時および電圧印加時におけるラビング筋などの配向欠陥が観察されず配向均一性に優れた垂直配向型の液晶表示装置を実現できる。
上記のような垂直配向型の液晶表示装置は、下基板に設けられた下側電極と上基板に設けられた上側電極によって液晶層に電圧を印加することで液晶層の配向状態が制御される。電圧印加方法としては、例えばマルチプレックス駆動法(単純マトリクス駆動法)が用いられる。しかし、特開2008−281752号公報(特許文献2)に開示されるように、基板表面を配向処理した垂直配向型液晶表示装置をマルチプレックス駆動した場合には駆動時のフレーム周波数を低下することにより表示不均一性が発生する。したがって、表示均一性が得られるよう設定したプレティルト角や駆動波形によりフレーム周波数をある数値以上に設定する必要がある。
ところで、上記の特許文献2においては主にセグメント表示型液晶表示装置に関して検討した結果が示されていたが、セグメント表示部とドットマトリクス表示部を混在させた液晶表示装置については検討されていない。これについて発明者らが検討したところ、セグメント表示部とドットマトリクス表示部の両者に対して共通した駆動条件にて駆動する場合には、表示不均一性が発生するフレーム周波数がセグメント表示部とドットマトリクス表示部で異なり、セグメント表示部のほうが高いフレーム周波数で表示不均一性がみられるという現象が観察された。したがって、セグメント表示部に配向不均一性が発生しないようにするためには、セグメント表示部のみならずドットマトリクス表示部についてもフレーム周波数をより高くする必要が生じる。しかし、フレーム周波数を上昇させた場合には、ドットマトリクス表示部におけるクロストーク現象が顕著となることから表示ムラが生じ、表示品位の低下やコントラストの低下を招くという不都合が生じる。これに対して、セグメント表示部とドットマトリクス表示部で駆動条件を別々にするという方法も考えられるが、駆動回路の複雑化による高コスト化を招くため好ましくない。
特許第4614200号公報 特開2008−281752号公報
本発明に係る具体的態様は、垂直配向型の液晶表示装置における表示均一性を向上させることを目的の1つとする。
本発明に係る一態様の液晶表示装置は、(a)対向配置された第1基板及び第2基板と、(b)第1基板の一面側に設けられた第1電極及び第2電極と、(c)第2基板の一面側に設けられた第3電極及び第4電極と、(d)第1基板の一面側に設けられた第1垂直配向膜と、(e)第2基板の一面側に設けられた第2垂直配向膜と、(f)第1基板と第2基板の相互間に設けられた液晶層を含み、(g)第1電極と第3電極は、互いに重畳した領域が規則的に配列された複数の画素部となるドットマトリクス表示部を構成し、第2電極と第4電極は、互いに重畳した領域が所定の文字又は図案の形状となるセグメント表示部を構成し、(h)第1及び第2垂直配向膜の少なくとも一方は、ドットマトリクス表示部とセグメント表示部において同一の一軸配向能を有しており、(i)液晶層は、ドットマトリクス表示部に対応する領域よりもセグメント表示部に対応する領域の方が当該液晶層の全体における平均的なプレティルト角が小さく、かつ当該プレティルト角が前記ドットマトリクス表示部と前記セグメント表示部のいずれにおいても90°未満である、ことを特徴とする液晶表示装置である。この液晶表示装置における液晶層は、例えば、誘電率異方性が負の液晶材料と、感光性樹脂モノマーを重合させた高分子体を有しており、高分子体によってドットマトリクス表示部に対応する領域よりもセグメント表示部に対応する領域のほうが小さくなるようにプレティルト角が付与される。
上記の液晶表示装置によれば、例えば感光性樹脂モノマーを重合させた高分子体による配向規制作用を利用してドットマトリクス表示部におけるプレティルト角よりもセグメント表示部におけるプレティルト角が相対的に低くすることで、ドットマトリクス表示部に比べてセグメント表示部の表示均一性が得られるフレーム周波数を低くすることが可能となる。それにより、セグメント表示部における配向不均一性の発生を回避するためにフレーム周波数を高くする必要がなく、ドットマトリクス表示部においてクロストーク現象による表示品位の低下やコントラストの低下を招くという不都合を回避できる。したがって、例えばドットマトリクス表示部とセグメント表示部に対して同一のフレーム周波数で駆動信号を供給した場合にも、セグメント表示部とドットマトリクス表示部のいずれでも表示均一性を高めることが可能となる。
上記の液晶表示装置においては、第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極を介して液晶層にマルチプレックス駆動による駆動電圧を印加したときに外観観察による表示不均一が生じないフレーム周波数の下限値が、ドットマトリクス表示部とセグメント表示部で略等しいことが好ましい。
それにより、同一のフレーム周波数で駆動信号を供給した場合の表示均一性をさらに高めることが可能となる。
本発明に係る一態様の液晶表示装置の製造方法は、規則的に配列された複数の画素部となるドットマトリクス表示部と、所定の文字又は図案の形状となるセグメント表示部とを有し、ドットマトリクス表示部に対応する領域よりもセグメント表示部に対応する領域の方が液晶層の全体における平均的なプレティルト角が小さい液晶表示装置の製造方法であって、(a)第1電極及び第2電極を有する第1基板上に当該第1電極及び第2電極を覆う第1垂直配向膜を形成する工程と、(b)第3電極及び第4電極を有する第2基板上に当該第3電極及び第4電極を覆う第2垂直配向膜を形成する工程と、(c)第1垂直配向膜及び第2垂直配向膜の少なくとも一方に、ドットマトリクス表示部に対応する領域とセグメント表示部に対応する領域に対して共通の一軸配向処理を行う工程と、(d)第1電極と第3電極が重畳してドットマトリクス表示部を構成し、かつ第2電極と第4電極が重畳してセグメント表示部を構成するように第1基板と第2基板を対向配置する工程と、(e)第1基板と第2基板の相互間に、誘電率異方性が負の液晶材料と感光性樹脂モノマーを含有する液晶組成物を注入することにより液晶層を形成する工程と、(f)第2電極と第4電極の間にのみ電圧を印加した状態で液晶層に光を照射する工程と、(g)液晶層を液晶材料の等方相温度以上の温度で熱処理する工程と、を含む液晶表示装置の製造方法である。
本発明に係る他の態様の液晶表示装置の製造方法は、規則的に配列された複数の画素部となるドットマトリクス表示部と、所定の文字又は図案の形状となるセグメント表示部とを有し、ドットマトリクス表示部に対応する領域よりもセグメント表示部に対応する領域の方が液晶層の全体における平均的なプレティルト角が小さい液晶表示装置の製造方法であって、(a)第1電極及び第2電極を有する第1基板上に当該第1電極及び第2電極を覆う第1垂直配向膜を形成する工程と、(b)第3電極及び第4電極を有する第2基板上に当該第3電極及び第4電極を覆う第2垂直配向膜を形成する工程と、(c)第1垂直配向膜及び第2垂直配向膜の少なくとも一方に、ドットマトリクス表示部に対応する領域とセグメント表示部に対応する領域に対して共通の一軸配向処理を行う工程と、(d)第1電極と第3電極が重畳してドットマトリクス表示部を構成し、かつ第2電極と第4電極が重畳してセグメント表示部を構成するように第1基板と第2基板を対向配置する工程と、(e)第1基板と第2基板の相互間に、誘電率異方性が負の液晶材料と感光性樹脂モノマーを含有する液晶組成物を注入することにより液晶層を形成する工程と、(f)第1電極と第3電極の間と第2電極と第4電極の間のそれぞれに電圧を印加した状態で液晶層のセグメント表示部に対応する領域のみに光を照射する工程と、(g)第1電極と第3電極の間と第2電極と第4電極の間のいずれにも電圧を印加しない状態で、少なくとも液晶層のドットマトリクス表示部に対応する領域に光を照射する工程と、(h)液晶層を液晶材料の等方相温度以上の温度で熱処理する工程と、を含む液晶表示装置の製造方法である。なお、上記した(g)工程においては、液晶層のセグメント表示部に対応する領域にも光を照射してもよい。
上記したいずれかの製造方法によれば、感光性樹脂モノマーを重合させた高分子体による配向規制作用を利用してドットマトリクス表示部におけるプレティルト角よりもセグメント表示部におけるプレティルト角が相対的に低くした液晶表示装置を製造することができる。このような液晶表示装置は、ドットマトリクス表示部に比べてセグメント表示部の表示均一性が得られるフレーム周波数を低くすることが可能となる。それにより、セグメント表示部における配向不均一性の発生を回避するためにフレーム周波数を高くする必要がなく、ドットマトリクス表示部においてクロストーク現象による表示品位の低下やコントラストの低下を招くという不都合を回避できる。したがって、例えばドットマトリクス表示部とセグメント表示部に対して同一のフレーム周波数で駆動信号を供給した場合にも、セグメント表示部とドットマトリクス表示部のいずれでも表示均一性を高めることが可能となる。
第1実施形態の液晶表示装置を模式的に示す断面図である。 液晶層の内部構成を模式的に示すモデル図である。 第1実施形態の液晶表示装置の製造方法の一例を示す模式的な断面図である。 比較例の液晶表示装置の外観を示す図である。 比較例および実施例の液晶表示装置において、各表示部の表示均一性が得られる駆動周波数の評価結果を示す図(表)である。 文字表示部、7セグメント表示部の縦棒部分および横棒部分における表示均一性が得られるフレーム周波数の紫外線照射時の印加電圧依存性を示す図である。 紫外線照射時の印加電圧と液晶層のプレティルト角の関係の評価結果を示す図である。 各駆動電圧V5の差ΔV5の紫外線照射時の印加電圧への依存性を評価した結果を示す図である。 紫外線感光性樹脂モノマー添加量が2wt%、4wt%のときにおける表示均一性が得られるフレーム周波数の紫外線照射時の印加電圧への依存性を示す図である。 紫外線感光性樹脂モノマーを各添加濃度とした液晶表示装置において紫外線照射時の印加電圧に対するプレティルト角の発現状態について評価した結果を示す図である。 表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値の紫外線照度依存性について評価した結果を示す図である。 第2実施形態の液晶表示装置の製造方法の一例を示す模式的な断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の液晶表示装置を模式的に示す断面図である。図1に示す本実施形態の液晶表示装置は、規則的に配列された複数の画素部を有するドットマトリクス表示部1と、任意の文字や図案などを表示するための表示部を有するセグメント表示部2を備え、上下基板間に配置された液晶層内の液晶分子が電圧無印加時において各基板に対してほぼ垂直に配向する垂直配向型の液晶表示装置である。図1に示すように液晶表示装置は、対向配置された上側基板(第1基板)11および下側基板(第2基板)12と、両基板の間に配置された液晶層19を基本構成として備える。
上側基板11は、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。下側基板12は、上側基板11と同様に、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。図示のように、上側基板11と下側基板12は、上側電極13aと下側電極14aが対向し、かつ上側電極13bと下側電極14bが対向するようにして、所定の間隙(例えば6μm程度)を設けて貼り合わされている。
上側電極13a、13bは、上側基板11の一面側に設けられている。同様に、下側電極14a、14bは、下側基板12の一面側に設けられている。上側電極13a、13bおよび下側電極14a、14bは、それぞれ例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。これらの上側電極13a、13b、下側電極14a、14bを介して外部の駆動回路(図示省略)から液晶層19に駆動電圧が供給される。
上側電極13aと下側電極14aは、互いが重なった領域がセグメント表示部2の所定の文字や図案を形作るように構成されている。上側電極13bは、紙面の左右方向に対応する第1方向に延在するストライプ形状に形成されており、下側電極14bは、上記の第1方向と直交する第2方向に延在するストライプ形状に形成されている。これらの上側電極13bと下側電極14bとが互いに交差した領域のそれぞれが画素部となり、全体としては規則的に配列された複数の画素部からなるドットマトリクス表示部1が構成される。
配向膜15は、上側基板11の一面側において上側電極13a、13bを覆うようにして設けられている。また、配向膜16は、下側基板12の一面側に、下側電極14a、14bを覆うようにして設けられている。これらの配向膜15、16としては、液晶層19の配向状態を垂直配向に規制する垂直配向膜が用いられている。各配向膜15、16は、それぞれラビング処理等の一軸配向処理が施されており、それぞれへの配向処理の方向が逆方向となるように配置されている。なお、一軸配向処理はいずれか片方の配向膜のみに施してもよい。
ポリマー膜17は、上側基板11の一面側において配向膜15上に設けられている。また、ポリマー膜18は、下側基板12の一面側において配向膜16上に設けられている。これらのポリマー膜17、18は、例えば、液晶層19を構成する液晶材料に予め感光性樹脂モノマーを混入しておき、その後外部から紫外線等の光を照射して感光性樹脂モノマーをポリマー化した際に各配向膜15、16上に形成されるものである。
液晶層19は、上側基板11と下側基板12の間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが負の液晶材料を用いて液晶層19が構成されている。液晶層19に図示された太線は、液晶層19における液晶分子の配向方向を模式的に示したものである。本実施形態の液晶層19は、電圧無印加時における液晶分子の配向方向が上側基板11および下側基板12の各基板面に対して略垂直となる垂直配向モードに設定されている。
上側偏光板21は、上側基板11の外側に配置されている。同様に、下側偏光板22は、下側基板12の外側に配置されている。上側偏光板21と下側偏光板22は、各々の吸収軸が互いに略直交するように配置されている。これにより、本実施形態の液晶表示装置はノーマリーブラックモードとなる。また、上側偏光板21と下側偏光板22の各吸収軸は、配向処理の方向に対応して定義される液晶層19の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向に対して略45°の角度をなす位置に設定される。なお、各偏光板21、22と各基板11、12との間には適宜Cプレート等の光学補償板が配置されてもよい。例えば本実施形態では、上側基板11と上側偏光板21の間、下側基板12と下側偏光板22の間のそれぞれに光学補償板23、24が配置されている。
図2は、液晶層19の内部構成を模式的に示すモデル図である。詳細には、図2(A)は液晶層19のうちドットマトリクス表示部1に対応する領域での内部構成のモデル図である。また、図2(B)は液晶層19のうちセグメント表示部2に対応する領域での内部構成のモデル図である。本実施形態の液晶表示装置における液晶層19は、液晶分子30と、モノマー31が相互に結合してなる高分子ネットワーク(高分子体)を含んでいる。このような高分子ネットワークは、例えば、少量(例えば数wt%)の紫外線感光性樹脂モノマーが混入された液晶材料を上側基板11と下側基板12の間に注入し、その後外部から紫外線照射を行うことによって形成される。本実施形態ではドットマトリクス表示部1に対応する領域とセグメント表示部2に対応する領域で紫外線照射の条件を異ならせることにより、高分子ネットワークによる配向規制作用の差を利用してドットマトリクス表示部1とセグメント表示部2のそれぞれにおけるプレティルト角を異なる大きさに制御している。具体的には、ドットマトリクス表示部1に対応する領域でのプレティルト角をθpdとし(図2(A)参照)、セグメント表示部2に対応する領域でのプレティルト角をθpsとすると(図2(B)参照)、これらの関係はθps<θpdとなっている。すなわち、セグメント表示部2に対応する領域のプレティルト角のほうがドットマトリクス表示部1に対応する領域のプレティルト角よりも小さい。ここでいう「プレティルト角」とは、液晶層19の全体における平均的なプレティルト角であり、上側基板11あるいは下側基板12と液晶層19との界面近傍におけるプレティルト角とは異なる。また、プレティルト角の大きさについては、上側基板11または下側基板12の基板面法線からの角度として規定している。
次に、図1に示した断面構造を有する液晶表示装置の製造方法の一例を説明する。図3は、第1実施形態の液晶表示装置の製造方法の一例を示す模式的な断面図である。
まず、上側基板11および下側基板12をそれぞれ作製する。例えば、片面が研磨処理され、その表面にSiOアンダーコートが施された後、ITO(インジウム錫酸化物)からなる透明電極が成膜された一対のガラス基板を用意する。これらのガラス基板の透明電極に対してフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程を行うことにより所望の形状にパターニングする。これにより、上側基板11の一面側に上側電極13a、13bが形成され、下側基板12の一面側に下側電極14a、14bが形成される。なお、本例では省略しているが、必要に応じて、パターニングされた透明電極の一部表面上にSiOなどによる絶縁層を形成してもよい。
次に、上側基板11および下側基板12のそれぞれをアルカリ溶液等で洗浄した後、配向膜を形成する。上側基板11については、配向膜材料を上側基板11のほぼ全面に渡ってフレキソ印刷法またはインクジェット法によって塗布し、所定条件(例えば、180℃、30分間)で焼成する。また、下側基板12についても、配向膜材料を下側基板12のほぼ全体に渡ってフレキソ印刷法またはインクジェット法によって塗布し、所定条件(例えば、180℃、30分間)で焼成する。その後、各配向膜15、16に対してラビング処理を行う。ラビング処理には、例えば綿製ラビング布を用いる。
次に、一方の基板(例えば上側基板11)に、例えば5.5μm程度の粒径のロッド状ガラススペーサーが略2wt%混入したシール材をディスペンサーによって所望パターンに塗布する。また、他方の基板(例えば下側基板12)には、例えば6μm程度の粒径の球状プラスティックスペーサーを乾式散布法によって散布する。その後、上側基板11と下側基板12をこれらの一面同士が対向するようにして貼り合わせ、熱圧着する。これによりシール材が硬化し、上側基板11と下側基板12が固定される(空セルが完成する)。上記したように各基板は、それぞれへ施されたラビング方向がアンチパラレルとなるように配置される。
次に、真空注入法等の方法によって上側基板11と下側基板12の間隙に液晶組成物を注入し、プレス処理をしながら注入口を封止することにより、液晶層19を形成する。このときの液晶組成物としては、誘電率異方性Δε<0の液晶材料に対して、ある温度範囲にて液晶層を示し、紫外線照射によりポリマー化して硬化する紫外線感光性樹脂モノマーを適量添加し(例えば1〜4wt%)、相溶させたものが用いられる。以上により、図3(A)に示すような液晶セルが完成する。この時点では、液晶層19のプレティルト角は、ドットマトリクス表示部1に対応する領域、セグメント表示部2に対応する領域のいずれにおいても同じであり、例えば略89.9°である。
次に、図3(B)に示すように、セグメント表示部2の全体(または一部)に駆動手段40から電圧を印加しながら、セグメント表示部2およびドットマトリクス表示部1に渡って液晶層19に紫外線(UV)を照射する。この時の電圧は液晶層の閾値電圧以上とする。ここでは例えば、フレーム周波数400Hzのスタティック駆動波形(矩形波デューティ比1:1)の電圧を印加する。このとき、液晶層19ではセグメント表示部2に対応する領域のみ電圧印加による液晶分子の再配向が生じる。この状態で紫外線を照射することにより、紫外線感光性樹脂モノマーが重合してポリマー化し、高分子ネットワーク(高分子体)が形成される。また、紫外線感光性樹脂モノマーの一部は、上側基板11、下側基板12の各一面上に堆積し、ポリマー膜17、18となる(図3(C)参照)。電圧印加によって液晶分子を再配向させた状態で高分子ネットワークを形成することにより、電圧印加を解除した後も、液晶層19のセグメント表示部2に対応する領域にプレティルト角を付加することができる。このプレティルト角θpsは、液晶層19のドットマトリクス表示部1に対応する領域におけるプレティルト角θpdよりも小さくなる(図2(A)および図2(B)参照)。これは、主に液晶層19内に形成された高分子ネットワークによる作用と考えられる。また、この作用は各ポリマー膜17、18によって補強されるものと考えられる。その後、液晶材料の等方相転移温度以上の温度(例えば120℃)で1時間の熱処理を行う。
次に、上側基板11の外側に上側偏光板21および光学補償板23を貼り合わせ、かつ下側基板12の外側に下側偏光板22および光学補償板24を貼り合わせる。上側偏光板21と下側偏光板22のそれぞれは、例えば、液晶層19の略中央における液晶分子の配向方向に対して略45°の角度を有し、かつ互いの吸収軸がクロスニコル配置とされる。最後に、リードフレーム等を適宜に取り付けることにより、上記した図1に示した液晶表示装置が完成する。
次に、ドットマトリクス表示部1とセグメント表示部2でプレティルト角を相違させることによる効果についての検証結果を説明する。ここでは、上記した製造方法により、紫外線感光性樹脂モノマーの添加量や紫外線の照度をいくつかの条件に設定して作製した実施例の液晶表示装置について諸特性を評価した。また、比較例として、紫外線感光性樹脂モノマーを添加しない液晶材料を用いて液晶層を形成した点を除いては実施例と共通の構成を備える液晶表示装置を作製した。
図4は、比較例の液晶表示装置の外観を示す図である。この図4に基づいて、比較例の液晶表示装置における配向不均一性の外観観察結果について説明する。比較例の液晶表示装置では、上側基板および下側基板の各々への配向処理の方向を液晶表示装置の正面から見て6時方向および12時方向(図中において上下方向)としているため、液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向は12時方向に定まる。このとき、液晶層に閾値電圧以上の電圧を印加すると液晶層の液晶分子は配向方向に沿って水平方向へ傾斜する。この比較例の液晶表示装置は、6時方向から観察すると明表示の透過率が上昇し、12時方向から観察すると明表示の透過率が低下して視認しにくくなる。このときの6時方向を「最良視認方向」、12時方向を「反視認方向」と呼ぶ。ただし、本実施形態においてはカイラル剤をさらに用いることも可能であり、その場合は液晶分子の配向方向は液晶層の層厚方向の中央における液晶分子の配向方向を基準として考える。
比較例の液晶表示装置は、図4に示すように文字や7セグメントパターンによる数字表示を実現するセグメント表示部(図中、右側に点線で囲んで示す部分)と、複数の略長方形の画素部を規則的に配置したドットマトリクス表示部(図中、左側に点線で囲んで示す部分)が存在する。図4は、ドットマトリクス表示部およびセグメント表示部の全てを明表示としたものである。このときの駆動条件は1/128デューティ、1/12バイアスとし、フレーム周波数をいくつかの条件に設定したフレーム反転波形によるマルチプレックス駆動であり、略最大コントラストが得られる明表示駆動電圧を用いた。なお、図4に示したのはフレーム周波数を175Hzとした場合の観察像である。
上記に示した駆動条件下でドットマトリクス表示部およびセグメント表示部の各々における外観上の表示均一性が観察されるフレーム周波数の下限値を評価した。表示均一性の評価は正面外観観察により行い、観察者の主観で均一性の良/不良を判断した。これは、実際の量産工程における点灯検査と同様な評価方法である。評価の結果、表示均一性を得られるフレーム周波数の下限値(最低フレーム周波数)は、ドットマトリクス表示部においては140Hz、セグメント表示部の文字表示部である「MDCD AMFM」および「TEMP」のそれぞれにおいては240Hz、セグメント表示部の7セグメントによる数字表示部(数字の「8」を4つの縦棒と3つの横棒により表現した部分)のうち、縦棒部分においては160Hz、横棒部分においては180Hzであった。すなわち、ドットマトリクス表示部の方がセグメント表示部に比べ表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値が低いことが明らかになった。
また、セグメント表示部内においても表示パターンにより表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値が異なることが分かった。より詳細にセグメント表示部を観察してみると、文字表示部である「MDCD AMFM」の部分ではフレーム周波数を低下させていくと、「C」、「D」、「A」、「F」のそれぞれの縦棒部分では比較的に低いフレーム周波数まで表示均一性を維持できるが、横棒部分や曲線部分ではフレーム周波数が高い場合においても表示不均一性が発生する傾向がみられた。また、文字表示部である「TEMP」の部分や7セグメントによる数字表示部でも同様な傾向がみられた。これを検討すると、明表示時における液晶分子の配向方向とセグメント表示部の画素エッジが直交している場合、又は画素エッジが、液晶層の層厚方向の中央における配向方向と90°に近い角度の比較的広角で交差しておりその画素エッジの長さが比較的長い場合には表示均一性が得られるフレーム周波数が高く、これとは逆に液晶分子の配向方向と画素エッジが平行の場合、又は画素エッジが、液晶層の層厚方向の中央における配向方向と0°に近い角度の比較的狭角で交差しておりその画素エッジの長さが比較的に長い場合には表示均一性が得られるフレーム周波数が低い傾向がみられる。これは、液晶分子の配向方向に対して略直交し、または広角で交差する画素エッジでは、電圧印加時において上下電極間に発生する斜め電界の影響を受けてラビング処理により規定された容易軸方向とは異なる方向へ液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子が配向しようとするためと考えられる。
次に、実施例の液晶表示装置における配向不均一性の外観観察結果について説明する。ここでは、実施例の液晶表示装置の正面観察時において、明表示時の表示均一性の駆動周波数依存性を評価した。具体的には表示不均一性が観察されるフレーム周波数の下限値を外観観察から評価した。なお、液晶表示装置の駆動条件は比較例の液晶表示装置の観察時と同様に1/128デューティ、1/12バイアスとし、フレーム周波数をいくつかの条件に設定したフレーム反転波形によるマルチプレックス駆動であり、略最大コントラストが得られる明表示駆動電圧を用いた。
図5は、比較例および実施例の液晶表示装置において、各表示部の表示均一性が得られる駆動周波数の評価結果を示す図(表)である。なお、実施例の液晶表示装置は、紫外線感光性樹脂モノマーを液晶材料に対して2wt%添加し、紫外線照度は略18mW/cm、照射量は略1J/cm、紫外線照射時の印加電圧の駆動波形はスタティック駆動波形とし、そのフレーム周波数を400Hz、電圧は0〜30Vの間で設定した。この結果、比較例の液晶表示装置はドットマトリクス表示部において表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値が140Hzであるのに対し、実施例の液晶表示装置は紫外線照射時に電圧を印加しない場合(印加電圧=0Vの場合)でも表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値が90Hzとなり、比較例に比べて大幅に低下することが分かった。
また、セグメント表示部においては文字表示部である「TEMP」の部分と、数字表示部である7セグメントによる数字表示部の縦棒部分と横棒部分を観察した。比較例の液晶表示装置ではそれぞれの部分において表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値が240Hz、160Hz、180Hzであり、特に「TEMP」の部分とドットマトリクス表示部のそれぞれにおけるフレーム周波数の下限値に大きな隔たりがあることが分かった。一方、実施例の液晶表示装置においては、紫外線照射時に電圧印加を行わない場合、上記したそれぞれの部分において表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値が155Hz、120Hz、145Hzであり、いずれも比較例の液晶表示装置より低下しており、かつセグメント表示部内の各部分におけるフレーム周波数の下限値の差が減少する傾向にあることが分かった。ただし、ドットマトリクス表示部におけるフレーム周波数の下限値が90Hzであるので、セグメント表示部内の「TEMP」の部分との比較ではフレーム周波数の差が大きい。これに対して、紫外線照射時に電圧を印加することによりセグメント表示部の各部分のフレーム周波数の下限値はさらに低下させることが可能となる。例えば、フレーム周波数の下限値が最も高くなる「TEMP」の部分について見ると、紫外線照射時の印加電圧が10V、20V、30Vと変化するに従ってフレーム周波数の下限値が130Hz、115Hz、110Hzと減少し、30V時にはドットマトリクス表示部のフレーム周波数と比べて20Hzの差に減少しており、略同等とみなせるフレーム周波数を実現できることが分かった。
図6は、文字表示部のうち「TEMP」の部分(図中「TEMP」と表記)、7セグメント表示部の縦棒部分(図中「7segL」と表記)および横棒部分(図中「7segH」と表記)における表示均一性が得られるフレーム周波数の紫外線照射時の印加電圧依存性を示す図である。紫外線照射時の印加電圧(VLCD)を上昇させることにより、上記した各表示部におけるフレーム周波数の下限値は低下し、さらにその差が小さくなる傾向がみられる。そして、印加電圧が20Vよりも高い場合には表示部の違いに関わらずほぼ同等なフレーム周波数が得られるようになることが分かった。ドットマトリクス表示部のフレーム周波数の下限値は90Hzであるので、紫外線照射時の印加電圧を30Vに設定すれば、液晶表示装置の全面で略等しいフレーム周波数の下限値を実現できる。
図7は、紫外線照射時の印加電圧と液晶層のプレティルト角の関係の評価結果を示す図である。図示のように、印加電圧(VLCD)が0Vのときのプレティルト角は89.95°であり、印加電圧が増加するに従ってプレティルト角が低下することが分かった。プレティルト角の大きさは印加電圧が20V程度となると飽和し、印加電圧が30Vのときと20Vのときではプレティルト角に差がほとんどない。この結果は、上記した図6に示したフレーム周波数の下限値と印加電圧の相関性と非常によく似た傾向であり、プレティルト角を低下させることによりフレーム周波数の下限値が低下することが分かる。
ところで、電気光学特性はプレティルト角が90°に近いほどより急峻になることから、開口率が低いドットマトリクス表示部においては出来るだけプレティルト角を90°に近い状態とすることが望まれる。一方で、セグメント表示部はドットマトリクス表示部に比べて表示部の開口率が高いことから、多少急峻性が低下しても外観上は大きな影響はない。ここで問題となるのは、共通の駆動回路によってセグメント表示部とドットマトリクス表示部をマルチプレックス駆動する際には、電気光学特性における閾値に差が大きく生じると最大コントラストが得られる駆動電圧などに大きな隔たりが生じ、表示部全体としての均質性が損なわれることである。そこで、図7に示した評価結果を得るために用いた液晶表示装置を使用してマルチプレックス駆動時の電気光学特性における閾値の差を評価した。ここでは、電気光学特性における最大透過率を100%、最低透過率を0%とした場合に5%の透過率が得られる駆動電圧V5を測定し、セグメント表示部とドットマトリクス表示部の各々の駆動電圧V5の差ΔV5の紫外線照射時の印加電圧への依存性を評価した。
図8は、各駆動電圧V5の差ΔV5の紫外線照射時の印加電圧への依存性を評価した結果を示す図である。ここでの駆動条件は1/128デューティ、1/12バイアス、フレーム周波数250Hzのフレーム反転波形とした。印加電圧(VLCD)が10VのときのΔV5は0.18V程度、印加電圧が30VのときのΔV5は0.28V程度であり、この程度のプレティルト角変化であれば外観上もセグメント表示部とドットマトリクス表示部において閾値が異なるように観察されないことを確認した。
次に、表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値と液晶材料(液晶組成物)に含まれる紫外線感光性樹脂モノマー濃度の関係について調査した。図9は、紫外線感光性樹脂モノマー添加量が2wt%、4wt%のときにおける表示均一性が得られるフレーム周波数の紫外線照射時の印加電圧への依存性を示す図である。印加電圧(VLCD)が0Vのときにはフレーム周波数の下限値の紫外線感光性樹脂モノマー添加濃度への依存性は観察されないが、印加電圧が上昇するに従って添加濃度が高い方がフレーム周波数の下限値がより低い値になる傾向が観察された。
図10は、紫外線感光性樹脂モノマーを各添加濃度とした液晶表示装置において紫外線照射時の印加電圧に対するプレティルト角の発現状態について評価した結果を示す図である。紫外線感光性樹脂モノマーの添加濃度に対する印加電圧依存性は上記図9と同様な傾向が観察されるが、添加濃度が高い方がプレティルト角がより低く発現する傾向が観察される。従って、プレティルト角がより低く発現することにより表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値が低下したと考えられる。
図11は、表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値の紫外線照度依存性について評価した結果を示す図である。ここでは、紫外線感光性樹脂モノマー添加量を2wt%、紫外線照射時の駆動条件はスタティック駆動波形、フレーム周波数400Hz、印加電圧20V、紫外線照射量は1J/cmに設定した。この場合には、紫外線照度が略15〜25mW/cm程度でフレーム周波数の下限値が100Hzとなり、フレーム周波数の下限値を最も低くすることが出来た。配向組織を観察すると、紫外線照度が10mW/cm未満及び40mW/cm以上の範囲では配向均一性が損なわれる傾向が観察された。一方、上記でフレーム周波数が最も低く出来る紫外線照度の条件においては配向均一性が優れ外観観察時に表示均一性に優れていることが分かった。また、紫外線照射量に関しても条件の最適化を行った。上記の結果を踏まえて紫外線照射時の照度を25mW/cmに固定したとき、配向組織において配向均一性が得られ、外観観察において良好な表示状態を実現できる紫外線照射量の範囲は0.75〜1.5J/cm程度であった。紫外線照射量を上昇させていくと5J/cm以上の範囲では配向組織において配向不均一が観察される傾向がみられ、外観観察においても表示均一性が若干劣化する傾向が観察された。したがって、照射量は0.75mJ/cm以上、5J/cm未満に設定することが好ましい。
(第2実施形態)
上記した第1実施形態においては、セグメント表示部にのみ紫外線照射時に電圧を印加したが、マルチプレックス駆動の液晶表示装置においては電極パターンの配線状況によっては、上記したスタティック駆動条件ではドットマトリクス表示部に電圧を完全に印加しない駆動状態にはできない可能性がある。このような場合に適した製造方法を以下に説明する。なお、液晶表示装置の構造については上記した第1実施形態と同様であり、製造方法についても紫外線を照射する工程以外は同様であるため、ここでは紫外線を照射する工程について説明する。
図12は、第2実施形態の液晶表示装置の製造方法の一例を示す模式的な断面図である。紫外線感光性樹脂モノマーを適量添加し(例えば1〜4wt%)、相溶させた液晶材料を用いて液晶層19が形成され、液晶セルが完成すると、図12(A)に示すように、ドットマトリクス表示部1およびセグメント表示部2の全体に駆動手段40から電圧を印加しながら、ドットマトリクス表示部1およびセグメント表示部2に渡って紫外線(UV)を照射する。このとき、ドットマトリクス表示部1に対応する領域を覆う遮光パターンを有するフォトマスク41を介して紫外線を照射する。それにより、ドットマトリクス表示部1に対応する領域には紫外線が照射されず、セグメント表示部2にのみ選択的に紫外線を照射することができる。
次に、図12(B)に示すように、ドットマトリクス表示部1とセグメント表示部2のいずれにも電圧を印加しない状態で再度、ドットマトリクス表示部1およびセグメント表示部2に渡って紫外線を照射する。このとき、セグメント表示部2に対応する領域を覆う遮光パターンを有するフォトマスク42、すなわち、上記したフォトマスク41の遮光パターンを反転した遮光パターンを有するフォトマスク42を介して紫外線を照射する。それにより、セグメント表示部2に対応する領域には紫外線が照射されず、ドットマトリクス表示部1にのみ選択的に紫外線を照射することができる。
以上のようにして紫外線を照射することによっても、第1実施形態と同様に液晶層19のセグメント表示部2に対応する領域のプレティルト角θpsがドットマトリクス表示部1に対応する領域におけるプレティルト角θpdよりも小さく設定された液晶表示装置を得ることができる。なお、1回目の紫外線照射時に紫外線感光性モノマーが十分にポリマー化できる紫外線照射量で露光できているのであれば、2回目の紫外線照射時には遮光パターンの反転したフォトマスク42を介さず液晶表示装置の全面に紫外線照射してもよい。また、液晶層19の各領域に対して選択的に紫外線照射を行うことができるのであれば、必ずしもフォトマスクを用いる必要はない。
(第3実施形態)
セグメント表示部において表示部の形状にかかわらず全面で表示均一性が得られるフレーム周波数の下限値を略一致させるには、表示部によって紫外線照射時の印加電圧を変化させることが有効であると考えられる。具体的には、図5で示したフレーム周波数の下限値の紫外線照射時の印加電圧への依存性を考慮すると、最もフレーム周波数が高い文字表示部(「TEMP」表示部)では30V印加時に110Hzが得られるが、数字表示部の7セグメントの縦棒部分と横棒部分ではフレーム周波数110Hzを達成し得る紫外線照射時の印加電圧はそれぞれ略8Vおよび20Vである。従って、それぞれの表示部にこれらの印加電圧を印加しながら紫外線を照射することにより、各表示部でのフレーム周波数の下限値を略一致させることが可能になる。しかし、マルチプレックス駆動を前提にした液晶表示装置においてはスタティック駆動ではそれぞれの表示部に同時に任意の電圧を印加することは困難である。従って、マルチプレックス駆動により駆動し、各表示部にスタティック駆動時と同じ駆動電圧が加わる実効値電圧が印加されるようにパルス幅変調、フレームレート変調等の中間調駆動方法を用いて電圧を印加するようにすれば、セグメント表示部2の各表示部における実効値電圧を制御可能である。なお、マルチプレックス駆動においても中間調電圧を用いない場合は第2実施形態に示したフォトマスクを用いたマスク露光により紫外線照射を複数回行うことに実現可能と考えられる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。
1:ドットマトリクス表示部
2:セグメント表示部
11:上側基板
12:下側基板
13a、13b:上側電極
14a、14b:下側電極
15、16:配向膜
17、18:ポリマー膜
19:液晶層
21:上側偏光板
22:下側偏光板
23、24:光学補償板(視角補償板)
30:液晶分子
31:モノマー
40:駆動手段
41、42:フォトマスク

Claims (6)

  1. 対向配置された第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板の一面側に設けられた第1電極及び第2電極と、
    前記第2基板の一面側に設けられた第3電極及び第4電極と、
    前記第1基板の一面側に設けられた第1垂直配向膜と、
    前記第2基板の一面側に設けられた第2垂直配向膜と、
    前記第1基板と前記第2基板の相互間に設けられた液晶層、
    を含み、
    前記第1電極と前記第3電極は、互いに重畳した領域が規則的に配列された複数の画素部となるドットマトリクス表示部を構成し、
    前記第2電極と前記第4電極は、互いに重畳した領域が所定の文字又は図案の形状となるセグメント表示部を構成し、
    前記第1及び第2垂直配向膜の少なくとも一方は、前記ドットマトリクス表示部と前記セグメント表示部において同一の一軸配向能を有しており
    前記液晶層は、前記ドットマトリクス表示部に対応する領域よりも前記セグメント表示部に対応する領域の方が当該液晶層の全体における平均的なプレティルト角が小さく、かつ当該プレティルト角が前記ドットマトリクス表示部と前記セグメント表示部のいずれにおいても90°未満である、
    液晶表示装置。
  2. 前記液晶層は、誘電率異方性が負の液晶材料と、感光性樹脂モノマーを重合させた高分子体を有しており、
    前記高分子体によって前記ドットマトリクス表示部に対応する領域よりも前記セグメント表示部に対応する領域のほうが小さくなるようにプレティルト角を付与される、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極及び前記第4電極を介して前記液晶層にマルチプレックス駆動による駆動電圧を印加したときに外観観察による表示不均一が生じないフレーム周波数の下限値が、前記ドットマトリクス表示部と前記セグメント表示部で略等しい、請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 規則的に配列された複数の画素部となるドットマトリクス表示部と、所定の文字又は図案の形状となるセグメント表示部とを有し、前記ドットマトリクス表示部に対応する領域よりも前記セグメント表示部に対応する領域の方が液晶層の全体における平均的なプレティルト角が小さい液晶表示装置の製造方法であって、
    (a)第1電極及び第2電極を有する第1基板上に当該第1電極及び第2電極を覆う第1垂直配向膜を形成する工程と、
    (b)第3電極及び第4電極を有する第2基板上に当該第3電極及び第4電極を覆う第2垂直配向膜を形成する工程と、
    (c)前記第1垂直配向膜及び前記第2垂直配向膜の少なくとも一方に、前記ドットマトリクス表示部に対応する領域と前記セグメント表示部に対応する領域に対して共通の一軸配向処理を行う工程と、
    (d)前記第1電極と前記第3電極が重畳して前記ドットマトリクス表示部を構成し、かつ前記第2電極と前記第4電極が重畳して前記セグメント表示部を構成するように前記第1基板と前記第2基板を対向配置する工程と、
    (e)前記第1基板と前記第2基板の相互間に、誘電率異方性が負の液晶材料と感光性樹脂モノマーを含有する液晶組成物を注入することにより液晶層を形成する工程と、
    (f)前記第2電極と前記第4電極の間にのみ電圧を印加した状態で前記液晶層に光を照射する工程と、
    (g)前記液晶層を前記液晶材料の等方相温度以上の温度で熱処理する工程と、
    を含む、液晶表示装置の製造方法。
  5. 規則的に配列された複数の画素部となるドットマトリクス表示部と、所定の文字又は図案の形状となるセグメント表示部とを有し、前記ドットマトリクス表示部に対応する領域よりも前記セグメント表示部に対応する領域の方が液晶層の全体における平均的なプレティルト角が小さい液晶表示装置の製造方法であって、
    (a)第1電極及び第2電極を有する第1基板上に当該第1電極及び第2電極を覆う第1垂直配向膜を形成する工程と、
    (b)第3電極及び第4電極を有する第2基板上に当該第3電極及び第4電極を覆う第2垂直配向膜を形成する工程と、
    (c)前記第1垂直配向膜及び前記第2垂直配向膜の少なくとも一方に、前記ドットマトリクス表示部に対応する領域と前記セグメント表示部に対応する領域に対して共通の一軸配向処理を行う工程と、
    (d)前記第1電極と前記第3電極が重畳して前記ドットマトリクス表示部を構成し、かつ前記第2電極と前記第4電極が重畳して前記セグメント表示部を構成するように前記第1基板と前記第2基板を対向配置する工程と、
    (e)前記第1基板と前記第2基板の相互間に、誘電率異方性が負の液晶材料と感光性樹脂モノマーを含有する液晶組成物を注入することにより液晶層を形成する工程と、
    (f)前記第1電極と前記第3電極の間と前記第2電極と前記第4電極の間のそれぞれに電圧を印加した状態で前記液晶層の前記セグメント表示部に対応する領域のみに光を照射する工程と、
    (g)前記第1電極と前記第3電極の間と前記第2電極と前記第4電極の間のいずれにも電圧を印加しない状態で、少なくとも前記液晶層の前記ドットマトリクス表示部に対応する領域に光を照射する工程と、
    (h)前記液晶層を前記液晶材料の等方相温度以上の温度で熱処理する工程と、
    を含む、液晶表示装置の製造方法。
  6. 前記(g)において前記液晶層の前記セグメント表示部に対応する領域にも光を照射する、請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
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