JP5959000B2 - 結晶系の安定な固形製剤の製造方法 - Google Patents

結晶系の安定な固形製剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗悪性腫瘍剤として有用なイマチニブメシル酸塩(日本医薬品一般名称)、すなわち4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ]フェニル]−ベンズアミドメタンスルホン酸塩の、α形結晶を安定に保有する固形製剤の製造方法に関する。
特許文献1に、上記イマチニブメシル酸塩には、無定形、α形及びβ形の結晶多形が存在すること、遊離イマチニブとメシル酸を用いて常法によりメシル酸塩を製造するとα形結晶が得られること、そしてそのα形結晶は一定条件下でβ形結晶に転移することが開示されている。
このα形結晶のイマチニブメシル酸塩を錠剤化した場合、保存中にβ形への結晶形転移がおこると、化学的及び物理的特性も変化し、消化管での薬剤溶出性等に影響を及ぼすことになるので、顆粒剤、錠剤等の固形剤の製造中及び保存中において結晶形転移を生じないようにすることが要請されている。
特許文献2には、崩壊性が高いクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)をイマチニブメシル酸塩を含む錠剤総量に対して10〜35%配合し、さらに、吸水性の高い微結晶セルロースを配合して、湿式造粒法による高薬物充填錠剤の製造方法が開示されている。しかし、イマチニブメシル酸塩α形結晶含有錠剤の製造に湿式造粒法を適用すると、水分の影響により結晶形がβ形に転移してくる。
特許第3276359号公報 特開2010−31019号公報
本発明の課題は、イマチニブメシル酸塩のα形結晶を含有する固形製剤であって、α形結晶からβ形結晶への転移が抑制された錠剤の製造方法を提供することにある。
イマチニブメシル酸塩のα形結晶を用いて乾式造粒法により顆粒を製造し、ステアリン酸マグネシウムと混合して打錠した後、汎用されるコーティング基材ヒプロメロースを用いてコーティングを施した錠剤について苛酷試験(60℃、相対湿度75%、ガラス瓶開放)を行ったところ、保存開始17日でβ形結晶への転移が始まり、保存開始28日後には殆どがβ形に転移していた。この結晶形転移は、ヒプロメロースコーティング液に使用した水に起因していると考えられる。
一方で、上記打錠品にポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及び水を含むコーティング液でコーティングを施し、前期と同様の苛酷試験を実施したところ、水を用いたコーティングであっても結晶形転移は認められないことが判り、さらにコーティング剤として種々の高防湿性高分子化合物を検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(7)の発明を提供するものである。
(1)イマチニブメシル酸塩のα形結晶を含有する固形製剤を高防湿性高分子化合物でコーティングすることを特徴とする結晶系の安定な固形製剤の製造方法。
(2)固形製剤が顆粒剤又は素錠である前記(1)に記載の結晶系の安定な固形製剤の製造方法。
(3)高防湿性高分子化合物がポリビニルアルコール系重合体である前記(1)又は(2)に記載の結晶系の安定な固形製剤の製造方法。
(4)ポリビニルアルコール系重合体がポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体である前記(3)に記載の結晶系の安定な固形製剤の製造方法。
(5)造粒方法が乾式造粒または溶融造粒である前記(1)〜(4)に記載の結晶系の安定な固形製剤の製造方法。
(6)錠剤が、イマチニブメシル酸塩のα形結晶を固形製剤の80〜99重量%含む錠剤である前記(1)〜(5)に記載の結晶系の安定な固形製剤の製造方法。
本発明によれば、イマチニブメシル酸塩のα形結晶の固形製剤、特に顆粒及び素錠に、高防湿性高分子化合物をコーティングすることにより、結晶転移が抑制され、長期間に亘り一定の品質を保持した製剤を提供することができる。なおこのコーティングされた固形製剤は、コーティングに際して水を使用しても、結晶系転移防止の効果が高い。
イマチニブメシル酸塩のα形結晶の粉末X線回折図(屈折角2θを横軸に、相対的ライン強度を縦軸にプロットしたもの。以下の図において同じ。)である。 イマチニブメシル酸塩のβ形結晶の粉末X線回折図である。 実施例1の錠剤について試験例1の開始時に測定した粉末X線回折図である。 実施例1の錠剤について試験例1の28日後に測定した粉末X線回折図である。 実施例2の錠剤について試験例1の開始時に測定した粉末X線回折図である。 実施例2の錠剤について試験例1の28日後に測定した粉末X線回折図である。 実施例3の錠剤について試験例1の開始時に測定した粉末X線回折図である。 実施例3の錠剤について試験例1の28日後に測定した粉末X線回折図である。 実施例4の錠剤について試験例1の開始時に測定した粉末X線回折図である。 実施例4の錠剤について試験例1の28日後に測定した粉末X線回折図である。 実施例5の錠剤について試験例1の開始時に測定した粉末X線回折図である。 実施例5の錠剤について試験例1の28日後に測定した粉末X線回折図である。 比較例1の錠剤について試験例1の開始時に測定した粉末X線回折図である。 比較例1の錠剤について試験例1の28日後に測定した粉末X線回折図である
本発明に係るイマチニブメシル酸塩のα形結晶を含有する固体製剤、特に顆粒剤、素錠は、通常の方法で製造することができる。たとえば、イマチニブメシル酸塩のα形結晶を滑沢剤とともに造粒して顆粒となし、更にその顆粒を常法により打錠して製造することができる。
その造粒方法として湿式造粒法又は乾式造粒法のいずれも使用できるが、本発明においては乾式造粒法がより好ましい。乾式造粒は一般的な乾式造粒機、例えばローラーコンパクター等により粉末を圧縮成型することにより顆粒を形成する。圧縮成型時の圧力は1〜30MPaが好ましく、より好ましくは3〜12MPaである。また、圧縮成型時のロール回転数は1〜50rpmが好ましく、より好ましくは3〜20rpmである。この時、形成した顆粒をコーミル等で解砕するのが好ましい。この造粒品に滑沢剤を加えて圧縮成型した錠剤にコーティングし、フィルムコーティング錠を製造、又は造粒品にコーティングし、顆粒剤を製造することができる。
造粒の際に使用する滑沢剤としては、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等を挙げることができるが、とりわけタルク、フマル酸ステアリルナトリウムが好ましい。滑沢剤の使用量としては、錠剤の0.1〜2.0重量%が好ましい。
なお、乾式造粒時に乳糖水和物等の賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース等の結合剤、クロスポピドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルロースカルシウム等の崩壊剤を加えても良い。
本発明において用いることのできる高防湿性高分子化合物としては、膜厚150μmのフィルムにおいて25℃90%RH条件下でのフィルム状物質の透過性標準試験法(ASTM)による水蒸気透過量が500g/m・24hr以下、好ましくは50〜350g/m・24hrであるコーティング基剤が好ましい。その化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRSなどが挙げられるが、これらのうちポリビニルアルコール系重合体であるポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体〔平均重合度450〜550、重量平均分子量約40,000、透過性標準試験法(ASTM)による水蒸気透過量が190g/m・24hr、販売名POVACOAT(登録商標)〕を用いるのが特に好ましい。
本発明においてコーティングする際、滑沢剤を用いることができる。この滑沢剤としては、コーティング時に錠剤同士の付着や造粒物同士の凝集が防止できるものであれば限定されることはなく、タルク、カルナウバロウや硬化油などの油脂、軽質無水ケイ酸などのケイ酸、ケイ酸カルシウムなどのケイ酸塩、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸塩、ショ糖脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらのなかでもタルクが好ましい。そして、コーティング液中の高防湿性高分子化合物に対する滑沢剤の重量比は、1:0.05〜1:3が好ましく、より好ましくは1:0.1〜1:2である。
フィルムコーティング方法は特に限定はされないが、素錠については一般的な通気型コーティング機や糖衣パン等を用いて、顆粒は一般的な流動層造粒コーティング機等を用いて行うことができる。本発明においては、高防湿性高分子化合物や滑沢剤等を水に分散しコーティング液を調製する。使用できる他の溶媒は、エタノール、メタノールおよびイソプロピルアルコールが挙げられ、水がより好ましい。
本発明の方法により製造される錠剤中のイマチニブメシル酸塩の含有比率に特に制限はないが、本剤の場合1日投与量が多いことから、嵩高くなるのを防ぐ意味で80〜99重量%とするのが好ましい。
また、本発明は、錠剤の識別性を目的として三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化チタン等の着色剤を使用することもあり、顆粒内への添加やコーティング液に分散する等してもよい。
イマチニブメシル酸塩のα形結晶239g(住友化学製)をローラーコンパクター(フロイント産業製/TF−Labo型)に投入し、圧力6MPa、ロール回転数4rpmにて成型し、網目24meshのオシレータで解砕した。得られた整粒品をステアリン酸マグネシウム2g(太平化学産業製)と共に混合し、ロータリー式打錠機(クリーンプレスコレクト19K/菊水製作所製)にて、打錠し1錠質量120.5mg、直径7.5mmの素錠を得た。
素錠をコーティング機(DRC−200型/パウレック製)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(POVACOAT(水蒸気透過性190g/m・24h)/大同化成工業製)2.0g、タルク(ビクトリーライト/勝鉱山製)2.0g、三二酸化鉄(癸巳化成製)0.04g及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成製)1.0gを精製水46gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量123mgになるまでコーティングし、65℃に達するまで乾燥してコーティング錠(イマチニブメシル酸塩含有率97重量%)を得た。
イマチニブメシル酸塩のα形結晶239g(住友化学製)及びフマル酸ステアリルナトリウム(日生化学製)3gを混合し、ローラーコンパクター(フロイント産業製/TF−Labo型)に投入、圧力6MPa、ロール回転数4rpmにて成型し、網目24meshのオシレータで解砕した。得られた整粒品をフマル酸ステアリルナトリウム3gと共に混合し、ロータリー式打錠機(クリーンプレスコレクト19K/菊水製作所製)にて、打錠し1錠質量122.5mg、直径7.5mmの素錠を得た。
素錠をコーティング機(DRC−200型/パウレック製)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(POVACOAT(水蒸気透過性190g/m・24h)/大同化成工業製)2.0g、タルク(ビクトリーライト/勝鉱山製)2.0g、三二酸化鉄(癸巳化成製)0.04g及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成製)1.0gを精製水46gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量125mgになるまでコーティングし、排気温度が65℃に達するまで乾燥してコーティング錠(イマチニブメシル酸塩含有率97重量%)を得た。
イマチニブメシル酸塩のα形結晶239g(住友化学製)及びフマル酸ステアリルナトリウム(日生化学製)3gを混合し、ローラーコンパクター(フロイント産業製/TF−Labo型)に投入、圧力6MPa、ロール回転数4rpmにて成型し、網目24meshのオシレータで解砕した。得られた整粒品をフマル酸ステアリルナトリウム3gと共に混合し、ロータリー式打錠機(クリーンプレスコレクト19K/菊水製作所製)にて、打錠し1錠質量122.5mg、直径7.5mmの素錠を得た。
素錠をコーティング機(DRC−200型/パウレック製)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール(部分けん化物)(EG−05/日本合成化学製)2.0g、タルク(ビクトリーライト/勝鉱山製)2.0g、三二酸化鉄(癸巳化成製)0.04g及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成製)1.0gを精製水46gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量125mgになるまでコーティングし、排気温度が65℃に達するまで乾燥してコーティング錠(イマチニブメシル酸塩含有率97重量%)を得た。
イマチニブメシル酸塩のα形結晶239g(住友化学製)及びフマル酸ステアリルナトリウム(日生化学製)3gを混合し、ローラーコンパクター(フロイント産業製/TF−Labo型)に投入、圧力6MPa、ロール回転数4rpmにて成型し、網目24meshのオシレータで解砕した。得られた整粒品をフマル酸ステアリルナトリウム3gと共に混合し、ロータリー式打錠機(クリーンプレスコレクト19K/菊水製作所製)にて、打錠し1錠質量122.5mg、直径7.5mmの素錠を得た。
素錠をコーティング機(DRC−200型/パウレック製)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(POVACOAT(水蒸気透過性190g/m・24h)/大同化成工業製)2.0g、軽質無水ケイ酸(アゾソリダー101/フロイント産業製)2.0g、三二酸化鉄(癸巳化成製)0.04g及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成製)1.0gを精製水46gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量125mgになるまでコーティングし、排気温度が65℃に達するまで乾燥してコーティング錠(イマチニブメシル酸塩含有率97重量%)を得た。
イマチニブメシル酸塩のα形結晶239g(住友化学製)及びフマル酸ステアリルナトリウム(日生化学製)3gを混合し、ローラーコンパクター(フロイント産業製/TF−Labo型)に投入、圧力6MPa、ロール回転数4rpmにて成型し、網目24meshのオシレータで解砕した。得られた整粒品をフマル酸ステアリルナトリウム3gと共に混合し、ロータリー式打錠機(クリーンプレスコレクト19K/菊水製作所製)にて、打錠し1錠質量122.5mg、直径7.5mmの素錠を得た。
素錠をコーティング機(DRC−200型/パウレック製)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(POVACOAT(水蒸気透過性190g/m・24h)/大同化成工業製)2.0g、ケイ酸カルシウム(フローライトRE/エーザイ・フードケミカル製)2.0g、三二酸化鉄(癸巳化成製)0.04g及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成製)1.0gを精製水46gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量125mgになるまでコーティングし、排気温度が65℃に達するまで乾燥してコーティング錠(イマチニブメシル酸塩含有率97重量%)を得た。
〔比較例1〕
イマチニブメシル酸塩のα形結晶239g(住友化学製)をローラーコンパクター(フロイント産業製/TF−Labo型)に投入し、圧力6MPa、ロール回転数4rpmにて成型し、網目24meshのオシレータで解砕した。得られた整粒品をステアリン酸マグネシウム2g(太平化学産業製)と共に混合し、ロータリー式打錠機(クリーンプレスコレクト19K/菊水製作所製)にて、打錠し1錠質量120.5mg、直径7.5mmの素錠を得た。
素錠をコーティング機(DRC−200型/パウレック製)に投入し、これに、予めヒプロメロース(TC−5(M)/信越化学工業製)3.4g、タルク(ビクトリーライト/勝鉱山製)0.2g、マクロゴール6000(三洋化成工業性)0.4g、三二酸化鉄(癸巳化成製)0.04g及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成製)1.0gを精製水46gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量123mgになるまでコーティングし、排気温度が65℃に達するまで乾燥してコーティング錠(イマチニブメシル酸塩含有率97重量%)を得た。
〔試験例1〕
実施例1及び比較例1で得た錠剤について、試験開始時の錠剤、温度60℃、相対湿度75%及び28日保存した後の錠剤、並びに標準品としてイマチニブメシル酸塩のα形結晶とβ形結晶について下記の条件下粉末X線回折の測定をし、各サンプルの結晶形を調べた。
(1)粉末X線回折の測定
使用した装置:ブルカー・エイエックスエス社製D8 DISCOVER with EADDS CS
測定条件:管球 Cu 管電圧 45KV 管電流 40mA
(2)示差走査熱量測定(DSC)
使用した装置:NETZSCH 社製 DSC204F1 Phoehix
測定条件:昇温速度 5℃/分 測定範囲 50℃〜250℃
(3)結晶形の確認
α形結晶に係る図1とβ形結晶に係る図2とを対比すると、α形結晶に特有なピークは2θ:10.5°、14.9°、21.4°、21.7°、25.0°及び28.6°に認められ、一方、β形結晶に特有なピークに特有なピークは2θ:9.7°、17.4°、20.6°、21.1°及び22.1°に認められる。
これらの中から両結晶形を最も判別し易いものとして、α形結晶では2θ:25.0°のピークを、β形結晶では2θ:20.6°のピークを選び、試験サンプルにおけるイマチニブメシル酸塩の結晶形を確認した。
なお、実施例1、実施例2及び比較例1の各錠剤に含まれるイマチニブメシル酸塩結晶の含有率が92〜97重量%と高いことから、各結晶形の判別は容易である。
(4)結果
本発明に係る実施例1の錠剤におけるイマチニブメシル酸塩のα形結晶は60℃、相対湿度75%で28日間保存後においてもβ形結晶への転移は認められなかった。一方、比較例1の錠剤では、その17日後にβ形への転移が始まり、28日後には粉末X線回折測定でα形結晶のピークは殆ど認められないことが判った(図及び表1)。
なお、表1中のα形結晶含有率は、α形結晶及びβ形結晶の混合粉末の示差走査熱量測定で得られたそれぞれの融解熱から作成した検量線を用いて算出した。
本発明によれば、長期間一定の品質を担保したイマチニブメシル酸塩の錠剤を製造することができ、有用な抗悪性腫瘍剤を医療に提供することができる。
図中、2θが25.0°付近のα及び2θが20.6°付近のβは、それぞれイマチニブメシル酸塩のα形結晶及びβ形結晶に特有のピークを示す。

Claims (4)

  1. イマチニブメシル酸塩のα形結晶を含有する素錠を高防湿性高分子化合物でコーティングすることを特徴とし、高防湿性高分子化合物がポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRSから選択される、結晶の安定な錠剤の製造方法。
  2. 高防湿性高分子化合物がポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体から選択されるポリビニルアルコール系重合体である、請求項1に記載の結晶の安定な錠剤の製造方法。
  3. イマチニブメシル酸塩のα形結晶を造粒して顆粒とするための造粒方法が乾式造粒または溶融造粒である、請求項1又は2に記載の結晶の安定な錠剤の製造方法。
  4. 錠剤がイマチニブメシル酸塩のα形結晶を錠剤の80〜99重量%含む、請求項1〜3のいずれかに記載の結晶の安定な錠剤の製造方法。
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