JP5956188B2 - ボールペン - Google Patents

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Description

本発明は、軸筒内に、ボールペン用インキを収容したインキタンクを配設し、ボールをボール抱持室の底壁に載置し、チップ先端部を内側にかしめることにより、ボールの一部をチップ先端縁より突出させて回転自在に抱持してなるボールペンチップを具備してなるボールペンに関する。
従来から、チップ本体に、ボール抱持室と、該ボール抱持室の底壁の中央に形成したインキ流通孔と、該インキ流通孔から放射状に延びる複数本のインキ流通溝とを有し、チップ先端部を内側にかしめることにより、ボールの一部をチップ先端縁より突出させて回転自在に抱持してなるボールペンチップについてよく知られている。
ボールとボール抱持室の底壁の関係について詳述すると、従来のボールぺンにあっては、筆記によってボールが回転すると、ボールとボール抱持室の底壁との接触部が摩耗する。
こうした、従来のボールペンチップにおいて、特開2000−71672号公報「ボールペンチップ」のように、ボール抱持室の底壁に、ボールと略同形のボール座を設け、該ボール座にボールを載置することで、耐摩耗性等、高荷重での性能を向上してなるボールペンチップも、数多く提案されている。
また、ボールペンチップにおいて、特開2001−39077号公報「ボールペンチップ」に、ボールをチップ先端側から押圧するハンマーリング加工によってボール座を形成することが開示されている。
さらにまた、ボールやボール座の摩耗を低減するため、セラミックス製のボールを用いたり、特開2004−338134号公報「ボールペンチップ及びボールペン」のように、金属製ボールの表面をダイヤモンド状炭素膜などの硬質の材料によりコーティングしたりすることが試みられている。また、ボールによるチップ本体の摩耗を低減するために、ボールだけでなくチップ本体を硬質の材料によりコーティングすることが試みられている。
特開2000−71672号公報 特開2001−39077号公報 特開2004−338134号公報
しかし、特許文献2のように、ボール座を形成することで、前記した摩耗量を抑制することができるが、摩耗の進行を防止するものではない。これは、ボール座を形成することで、ボールとの接触面が増加し、単位面積当たり荷重を小さくすることで摩耗を抑制することはできるが、進行を防止するには至っていないためである。
ところで、ボールペンにおいて、ボールの前後動するためのクリアランスは、ボールペン用インキを筆記面に流出するための流路として重要な要素であることはよく知られている。そのため、製造工程において、ボールペンチップが外部に露出した状態での組立は、前記したクリアランスが大きいとインキが漏れ出しやすく、チップ先端部を汚す恐れがあるとともに、チップ内のインキが乾燥固化する恐れがあり、特に10mPa・s以下(20℃)のような低粘度のインキ場合には、製造工程においてインキの漏れ出し防止及びチップ先端部の汚れ防止等の対策を講じる必要がある。
また、特許文献3のように、ボール及びチップ本体の硬度を高くしただけでは、ボール及びチップ本体の摩耗を完全に防止するには至っていないのが現実である。これは、ボールとチップ本体との接触部位をミクロ的に見た場合には、ボールとチップ本体との界面にボールペン用インキが介在することなく直接接触する境界潤滑の状態となる場合があり、特に10mPa・s以下(20℃)のような低粘度のインキ場合に生じやすい傾向がある。また、このような場合には、筆跡または描線が不均一となりやすく、改良の余地があった。
また、筆記によるクリアランスの変化量が大きい場合には、安定したインキ消費が得られず、長期距離に筆記において安定した筆記性能を維持することが困難であった。
本発明はこれらの従来技術に鑑みてなされたものであって、長距離筆記に適し、製造行程におけるインキ漏れなどが発生し難く、筆感及び筆跡が良好なボールペンを簡単な構造で提供することにある。
本発明は、前記問題を解決するために、第1の構成として、軸筒内に、ボールペン用インキを収容したインキタンクを配設し、ボールを、チップ本体のボール抱持室の底壁に載置し、チップ先端部を内側にかしめることにより、ボールの一部をチップ先端縁より突出させて回転自在に抱持してなるボールペンチップを具備してなるボールペンにおいて、前記ボールの表面及び/またはボール抱持室の底壁表面に炭素質膜を形成するとともに、前記炭素質膜が、炭素原子及び該炭素原子と結合した酸素原子を有し、前記ボールの前後方向のクリアランスが、筆記距離0mのクリアランスA、筆記距離100mのクリアランスB、筆記距離1000mのクリアランスC、筆記距離2000mのクリアランスDとしたとき、10μm≦A≦25μm、A<B≦C≦D、1.2<B/A<1.5、1.0≦C/B<1.2、1.0≦D/C<1.2を満足し、前記ボール抱持室の底壁の角度が、90度以上、150以下であることを特徴とする。
また、第2の構成として、前記ボールペンチップと前記インキタンクとの間にチップ保持部材を具備し、前記チップ保持部材の後方に前記インキタンクを着脱自在に取り付けたことを特徴とする。
さらにまた、第3の構成として、前記炭素質膜の表面における酸素原子と結合した炭素原子の全炭素原子に対する比率は、0.1以上であることを特徴とする。
本発明は、長距離筆記に適し、製造行程におけるインキ漏れなどが発生し難く、筆感及び筆跡が良好なボールペンを簡単な構造で提供することができた。
実施形態のボールペンを示す縦断面図である。 図1のキャップを取り外した状態を示す図である。 図1のボールペンチップを示す一部省略した要部拡大縦断面図である。 図3の100m筆記後のボールペンチップを示す一部省略した要部拡大縦断面図である。 ボール表面を示す一部省略した要部拡大断面図である。
本発明によるボールペンの実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明すると以下の通りである。
本発明の一実施形態であるボールペンの断面図は図1に示す通りである。このボールペン1は直液式ボールペンであり、チップ保持部材3の両端にボールペンチップ2とインキタンク4とが取り付けられている。このチップ保持部材3には、インキタンク4の内圧上昇に伴う溢出インキを一時的に保持する櫛歯31が形成されている。この櫛歯31により保留溝32及び誘導溝33が画成され、インキを保溜する機能が発揮される。ボールペン1のボールペンチップ側を先端側とすると、後端側にインキタンク4が取り付けられているが、本実施形態においてはインキタンク4は着脱自在に取り付けられており、ボールペン1はインキタンク交換式ボールペンである。
図1に図示されたボールペン1は、先軸5と、後軸6とをさらに具備している。前記先軸5はチップ保持部材3を収容しており、またその後端部に後軸6を着脱自在に取り付けるための螺合構造が設けられている。先軸5に収容されているチップ保持部材の後端側にはインキタンク4が着脱自在に取り付けられる構造が設けられている。図1に示されたボールペンにおいては、後述する先軸5の後端が突出して、筒状の結合部52が形成され、それにインキタンク4が着脱自在に接続されている。このインキタンク4は、後軸6を取り付けることによって後軸6内に収容される。前記チップ保持部材3の先端にはボールペンチップ2が取り付けられている。チップ保持部材3を貫通しているインキ誘導部材8により前記インキタンク4からボールペンチップ2へインキが誘導される。
・先軸
前記先軸5は、両端が開口された筒状構造、例えば円筒体よりなり、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート等)の射出成形等により得られる。前記先軸5の後端部には、縮径された筒状の螺合部51と、該螺合部51の内側に同心円状に配置される筒状の結合部52とを備える。前記螺合部51の外面には、雄ネジ部が形成される。前記結合部52は、インキタンク4の取り付け時、インキタンク4の開口部内に圧入される。さらに、前記結合部52の後端の一部には、インキタンク4の取り付け時にインキタンク4の開口部の栓体9を後方へ押し外して開栓させるための突片52aが形成される。
・後軸
前記後軸6は、先端側が開口された有底筒状体よりなり、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート等)の射出成形等により得られる。前記後軸6の先端側開口部の内周面には、前記先軸5の螺合部51の雄ネジ部に着脱自在に螺合可能な雌ネジ部61が形成されている。また、前記後軸6は、インキタンク4内のインキ残量を外部より視認可能なよう、透明性を有することが好ましい。
・チップ保持部材
前記チップ保持部材3は、合成樹脂(例えば、ABS樹脂等)の射出成形等により得られる。このチップ保持部材3にはボールペンチップ2とインキタンク4とが取り付けられている。インキタンク4は着脱自在に取り付けられている。一方、図1に示されたボールペンにおいては、ボールペンチップ2は着脱不可能に取り付けられている。すなわち、本願発明においては、ボールペンチップの耐久性が高いために交換の必要性がなく、そのために着脱可能とする必要がないのである。ただし、より長期にわたって使用することを意図して、ボールペンチップを着脱可能に取り付けることも可能である。
本発明においてチップ保持部材3は、ボールペンチップ2とインキタンク4とを連結する機能を有するものである。ここで、より高い筆記特性を実現するために、チップ保持部材にインキ保溜機能を持たせることが好ましい。図1に示されたボールペンはインキ保溜機能を有するチップ保持部材を具備するものである。
前記チップ保持部材3は、複数の円板状の櫛歯31を備えている。前記櫛歯31の相互間には、インキを一時的に保溜する保溜溝32が形成されている。前記櫛歯31には、前記各々の保溜溝32と接続している、軸方向に延びるスリット状の誘導溝33が形成されている。前記チップ保持部材3の櫛歯31群の最後端に位置する鍔部34には、前記誘導溝33と接続し且つインキタンク4側に開口する連通溝35が前後に貫設されている(図2参照)。また、前記櫛歯31には、空気流通用の凹溝36が形成されている。また、前記チップ保持部材3の中心には、中心孔37が貫設されている。前記中心孔37には、合成樹脂の押出成形体からなる第1のインキ誘導部材7が挿着される。また、ボールペンチップ2の内部には、ボール10後面にインキを誘導する繊維加工体よりなる第2のインキ誘導部材8が収容される。
なお、ここではチップ保持部材3としてインキタンク内の内圧上昇に伴う溢出インキを一時的に保持するインキ保溜機能を有する部材を例示したが、特にこれに限定されるものではない。
・インキタンク
図1、図2に示されたボールペン1において、前記インキタンク4は、合成樹脂(例えは、ポリエチレン等)の射出成形等により得られる。前記インキタンク4は、一般に先端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体であり、開口部の内周面には、インキタンク4内を封鎖する栓体9が、嵌着、溶着または接着等により設けられている。前記インキタンク4内には、ボールペン用インキが直接収容されている。尚、前記インキタンク4は、内部のインキ残量が視認可能なよう、透明性を有することが好ましい。
また、図1には、インキタンク4にインキ(図示せず)を直に貯蔵する直液式ボールペンが例示されているが、中綿にインキを含浸した中綿式ボールペンであってもよい。
・キャップ
前記キャップ18は、キャップ本体19の後端が開口され且つ先端が閉鎖された有底筒状体であり、先端部内に内方側に突出するリブ19aを設け、このリブ間に、チップ先端部12とボール10を閉鎖する弾性体20を圧入保持によって配設してある。
また、本発明によるボールペンに用いられるインキは、水性インキ、水性ゲルインキ、油性インキ等、特に限定されるものではない。しかし、ニュートン粘性の水性インキ、剪断減粘性を付与した水性インキは、ボールとボール抱持室との接触部分が境界潤滑となって摩耗し易い傾向があるため、本発明による耐久性改良の効果が顕著に表れるので好ましい。さらに、本発明に用いられるインキの粘度も、特に限定されるものではないが、筆記時の粘度が10mPa・s未満(20℃)であるインキを用いた場合にも、同様に本発明の効果が顕著に表れるので好ましい。
また、筆記時の粘度が10mPa・s未満(20℃)の場合には、筆記距離0mのクリアランスAは、5μmより小さいと十分なインキ消費量が得られず、カスレなどが発生する恐れがあり、25μmを超えると、製造時におけるインキ漏れや垂れ下がりが発生する恐れがあることなどを考慮して適宜設定することができ、10μm≦A≦25μm、好ましくは、15μm≦A≦20μm、15μm≦A≦18μmが最も好ましい。
また、本発明によるボールペンに用いられるインキ(図示せず)は、炭素質膜10Aとの親和性が高いことが望ましい。例えばボールペンに用いられるインキには、アルコールやグリコールエーテル等の親水性官能基を有する成分が含まれていることが多い。このような成分を含むインキは、従来使用されていたボール、例えば表面処理がなされていない炭化ケイ素からなるボールとは親和性が低い。このため、ボールとボール抱持室13の底壁14との接触部分が境界潤滑となり易い傾向がある。しかしながら、本発明においてはボール10またはボール抱持室13の底壁14いずれかに炭素質膜が形成されており、それと親和性の高いインキを用いることでボールとボール抱持室との間が流体潤滑となりやすい。このような炭素質膜に対するインキの親和性は、接触角により評価することができる。
・ボールペンチップ
前記ボールペンチップ2は、例えば、φ2.3mm〜φ2.5、硬度が230Hv〜280Hvのステンレス鋼線材を切削加工によって得ている。このボールペンチップ2は、チップ本体11のボール抱持室13、インキ流通孔16と、インキ流通孔16から放射状に伸びるインキ流通溝15を作製後、ボール抱持室の底壁14に、φ0.5mmのボール10を載置し、チップ先端部12を内側へかしめることで、ボール10を回転自在に抱持してある。
尚、図1では、ステンレス鋼線材をドリルによる切削加工によってチップ本体11を形成する切削タイプを例示しているが、金属製のパイプ(例えばステンレス鋼製パイプ)の先端近傍側壁を径方向内方に押圧変形することにより形成した複数(例えば、3個または4個)の内方突出部とによってボール抱持室を形成し、内方突出部によって設けた底壁にボールを載置し、チップ先端部を内側にかしめることにより、ボールの一部をチップ先端縁より突出させて回転自在に抱持してなるボールペンチップであってもよい。
チップ本体11に抱持されているボール10の材質は特に限定されないが、一般に金属またはセラミックスからなるものが用いられる。本発明によるボールペンには耐久性が求められるために、高度の高い材料が選択されることが好ましい。例えば、炭化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素などのセラミックスやステンレス鋼などの金属が用いられる。
なお、本実施形態においては、ボール10がチップ先端縁より臨出するボール出は、ボール径の30%であり、かしめ角度αは90度であり、ボール10の縦方向のクリアランス(可動距離)は15μmであり、底壁4の傾斜角度βは135度である。尚、チップ先端部12のかしめ角度αは、紙当たり角度やインキ流路、かしめ保持力を考慮して60〜110度とすることが好ましく、70〜100度が最も好ましい。また、底壁4の角度βは、150度を超えると、長距離筆記における摩耗を抑制し難く、90度より小さいとインキを溜める空間が小さくなる傾向となるため、底壁の角度βは、90度以上、150度以下が好ましく、100度から140度が最も好ましい。
図1に示されたボールペンチップにおいては、直径0.5mmの炭化タングステン(ISO K−10相当)のボール10を用いている。ボール10の大きさは、そのボールペンの用途や筆記時に要求される描線の幅などによって決められるが、一般に0.25〜2.0mmの範囲から選択される。チップ本体には、フェライト系ステンレス鋼線材(下村特殊精工株式会社製:SF−20T)を用いている。
ボールペンチップにおいては、前記ボール10表面、または前記ボール抱持室13の底壁14表面の少なくとも一方に炭素質膜10Aが形成されている。前記ボール10表面とボール抱持室13の底壁14表面の両方に炭素質膜10Aが形成されていてもよい。
また、ボール抱持室13の底壁14表面に炭素質膜10Aが形成される場合には、ボール10と接触する部分だけに炭素質膜が形成されていればよいが、製造の容易さや、使用による変形などの観点から、実際の接触部分よりも広い範囲に炭素質膜が形成されていてもよい。さらには、ボール抱持室13の内面全部に炭素質膜が形成されていてもよい。
本発明において炭素質膜10Aは、炭素原子及び該炭素原子と結合した酸素原子を有している。このため、ボール10またはボール抱持室13の底壁14の耐久性が高くなる。さらに本発明における炭素質膜はインキとの親和性が高いため、ボールとボール抱持室13の底壁14との隙間にインキが保持され、ボール10とボール抱持室13の底壁14との直接の接触が生じにくくなる。この結果、ボール10とボール抱持室13の底壁14とが直接に接触することによるボール10及びボール抱持室13の底壁14の摩耗を低減でき、耐久性がさらに改良される。そして耐久性改良により使用に伴う書き味の劣化が生じにくいため、ボールペンチップの交換は不要となり、長期にわたり安定した筆記性能を満足するボールペンを実現することができる。また、ボールとインキとの親和性が向上することにより、インキの供給を安定化することができるので、より均一な筆跡及び良好な筆感を実現することが可能となる。
尚、炭素質膜において炭素原子は種々の形態で酸素原子と結合する。具体的には、C−O、O=C−O、およびC=Oの形態で炭素原子と酸素原子とが結合していると考えられる。ここで、C−Oは水酸基及びエーテル等を主に構成し、C=Oはカルボニル基及びケトン等を主に構成し、O=C−Oは主にカルボキシル基及びエステル等を主に構成していると考えられる。これらの結合によって親水性が高くなると考えられる。また、炭素原子は、その他、炭素や水素とC−CまたはC−Hの形態で結合している。したがって、炭素の全結合(C−O、O=C−O、C=O、C−C、およびC−H)に対する酸素を含む結合(C−O、O=C−O、およびC=O)の割合(以下、COtotalという)が大きくなるほど、炭素質膜の表面における親水性が増大し、炭素質膜とインキとの親和性が高くなると考えられる。COtotalの値はボールの表面とインキとの親和性が高まり、長期及び長距離にわたり安定した筆記性能を維持しやすいので0.1以上であることが好ましく、0.15以上であることがより好ましい。一方、COtotalの値が大きくなりすぎると、炭素同士の結合が減少して硬度が低下する傾向があるため、0.5以下とすることが好ましく、0.45以下であることがより好ましい。
本発明において炭素質膜は、任意の方法により、ボール表面、またはボール抱持室のボールとの接触部分に形成させることができる。炭素質膜は、ボール表面またはボール抱持室のいずれか一方に形成させればよいが、両方に形成させてもよい。
尚、炭素質膜を形成する方法は、特に制限されない。例えば、炭化水素ガスを原料として用いるプラズマ化学気相堆積法(プラズマCVD法)又は触媒化学気相堆積法(CAT−CVD法)等により形成することができる。また、固体グラファイトを原料とするスパッタリング法、アークイオンプレーティング法等により形成することもできる。さらに、他の方法により形成してもよく、複数の方法を組み合わせて形成してもよい。
本発明において用いられる炭素質膜は、ダイヤモンド様膜(DLC膜)に代表されるsp炭素−炭素結合(グラファイト結合)及びsp炭素−炭素結合(ダイヤモンド結合)を含む膜である。DLC膜のようなアモルファス状態の膜であっても、ダイヤモンド膜のような結晶状態の膜であってもよい。しかしながら、本発明において炭素質膜は、sp炭素−炭素結合のsp炭素−炭素結合に対する比率が高いほうが、炭素質膜の硬度が高くなるので好ましい。具体的には、sp炭素−炭素結合のsp炭素−炭素結合に対する比率が0.3以上であることが好ましい。
また、通常、炭素質膜はsp炭素−水素結合及びsp炭素−水素結合を含んでいるが、本発明における炭素質膜には炭素−水素結合は必須の構成要素ではない。また、炭素質膜には本発明の効果を損なわない範囲でシリコン(Si)又はフッ素(F)等が添加されていてもよい。
また、炭素質膜へ炭素−酸素結合を導入する方法は、例えば酸素プラズマ又は酸素を含むガスのプラズマ等の照射により行えばよい。酸素を含むガスとしては水蒸気、空気等を用いることができる。また、酸素原子を含む有機物化合物等のガスを用いることもできる。さらに、酸素を含む雰囲気において炭素質膜に紫外線を照射したり、炭素質膜を酸化性の溶液に浸漬することによって、酸素を導入することもできる。また、炭素質膜を成膜する際に雰囲気中の酸素濃度を高くすることにより、炭素質膜を成膜する際に炭素−酸素結合を導入することも可能である。炭素質膜の成膜直後にはその表面に未結合手が存在している。このため、成膜直後の炭素質膜を酸素を含む雰囲気に放置することにより未結合手と酸素とを反応させて炭素−酸素結合を導入することも可能である。
炭素質膜の膜厚は、特に限定されないが、0.001μm〜3μmの範囲が好ましく、0.005μm〜1μmの範囲であることがより好ましい。また、炭素質膜はボールまたはボール抱持室の表面に直接形成することができるが、ボールまたはボール抱持室と炭素質膜とをより強固に密着させるために、中間層10Bを設けることが好ましい。中間層の材質としては、ボールまたはボール抱持室の種類に応じて種々のものを用いることができるが、例えばケイ素(Si)と炭素(C)、チタン(Ti)と炭素(C)又はクロム(Cr)と炭素(C)からなるアモルファス膜等の公知のものを用いることができ、ケイ素(Si)と炭素(C)とすることが好ましい。その厚みは特に限定されるものではないが、0.001μm〜0.3μmの範囲が好ましく、0.005μm〜0.1μmの範囲であることがより好ましい。中間層は、例えば、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法、溶射法、イオンプレーティング法又はアークイオンプレーティング法等を用いて形成することができる。
・炭素質膜
本発明によるボールペンにおいては、ボール10の表面またはボール抱持室13の底壁14表面の少なくとも一方に炭素質膜10Aが形成されている。次に、炭素質膜10Aの形成方法について説明する。ここでは、例としてボール10表面に炭素質膜10Aを形成させる方法を説明する。ボール抱持室13の底壁14表面に炭素質膜を形成させる場合にも同様の方法を応用することができる。
まず、ボール10の表面にSiとCとを含むアモルファス膜からなる中間層10Bを形成させる。成膜には例えばイオン化蒸着法を用いることができる。この方法では、真空ポンプを用いてイオン化蒸着用のチャンバー内を所定の圧力に調整すると共に、チャンバー内にテトラメチルシラン(Si(CH)を導入し、ボール10にバイアス電圧(例えば1kV)を印加して、放電(例えば30分間)を行う。成膜の際にチャンバー内においてボール10を回転させることにより、ボール10の表面全面に中間層10Bを形成することができる。
中間層10Bの形成後、チャンバー内に供給するガスをベンゼンに変更し、炭素質膜を形成する。チャンバー内を真空ポンプを用いて所定の圧力に調整した後、ボールにバイアス電圧(例えば1kV)を印加して、放電(例えば90分間)を行う。成膜の際にチャンバー内においてボールを回転させることによりボールの表面全面に炭素質膜を形成することができる。
この後、酸素を含む雰囲気においてプラズマ照射を行い、炭素質膜10Aへの炭素−酸素結合の導入を行う。チャンバー内を例えば100Paの圧力に調整し、出力を例えば10Wとしてプラズマ照射を行い、目的のボールを得ることができる。
得られた炭素質膜10Aに含まれる炭素−酸素結合の割合は、X線光電子分光(XPS)測定により評価することができる。測定条件は、形成させる炭素質膜10Aの種類、厚さなどによって調整されるが、例えば、試料に対する検出角度を90°とし、X線源にはAlを用い、X線照射エネルギーを100Wとすることができる。1回の測定の時間は0.1ms程度とされるのが一般的である。また、測定精度を高めるために、1つの試料について複数回、例えば64回測定を行ってその平均値を測定結果とすることがある。
炭素質膜10A中のC−O、C=O及びO=C−Oの割合を求めるために、XPS測定により得られた炭素1s(C1s)ピークを、炭素同士が結合したspC−C及びspC−C、炭素と水素とが結合したspC−H及びspC−H、炭素と酸素とが結合したC−O、C=O及びO=C−Oの7つの成分にカーブフィッティングにより分解する。カーブフィッティングにあたり、spC−Cの結合エネルギーは283.8eV、spC−Cの結合エネルギーは284.3eV、spC−Hの結合エネルギーは284.8eV、spC−Hの結合エネルギーは285.3eV、C−Oの結合エネルギーは285.9eV、C=Oの結合エネルギーは287.3eV、O=C−Oの結合エネルギーは288.8eVとするのが適当である。カーブフィッティングにより得られた各ピークの面積をC1sピーク全体の面積により割った値を、各成分の組成比とした。C−O、C=O及びO=C−Oの組成比の和を炭素−酸素結合した炭素原子の全炭素原子に対する割合(COtotal)とする。
炭素質膜10Aが形成されたボールをオージェ電子分光分析装置(アルバックファイ株式会社製 PHI−660型)により分析することで、中間層10Bおよび炭素質膜10Aの厚さを測定することができる。具体的には、炭素質膜10Aが形成されたボール10の表面を段階的にエッチングし、各段階でオージェ電子分光分析法により表面分析を行う。測定条件は、例えば、電子銃の加速電圧を10kV、試料電流を500nm、アルゴンイオン銃の加速電圧を2kVとする。この測定条件により、ボール表面の40μm角の領域について、各深さにおける分析を行うことで、中間層10Bや炭素質膜10Aの厚さを測定することができる。
前記した方法により製造した炭素質膜10A付きのボール10について分析した場合には以下の結果が得られた。炭素質膜10Aが形成されたボール10の表面から80nm程度の深さまではほぼ炭素原子(C)だけが存在しており、炭素質膜10Aが形成されていた。80nm〜120nmの深さにおいては、Si原子が存在しており、SiCからなる中間層10Bが形成されていた。100nm以上の深さの部分では炭化タングステン(WC)だけが検出され、ボール10である炭化タングステンの表面に、中間層10Bおよび炭素質膜10Aが形成されていることが確認された。
実施例
前記した方法により、ボール表面に炭素質膜を形成させたボール(DLC−1)と、プラズマ照射条件を変えることにより、炭素−酸素結合の割合が異なる炭素質膜を得たボール(DLC−2)を作成した。具体的には、DLC−1は、高周波電源の出力を10Wとし、60秒秒間酸素プラズマを照射した。DLC−2は、高周波電源の出力を50Wとし、60秒間酸素プラズマを照射した。これらのボールに形成された炭素質膜に含まれる各結合の割合を前記した方法で測定した。得られた結果は表1に示す通りであった。
Figure 0005956188
酸素原子と結合した炭素原子の全炭素原子に対する比率(COtotal)は、DLC−1では0.16であり、DLC−2では0.43であった。酸素プラズマを照射する際の電源出力が高いDLC−2の方がDLC−1よりもCOtotalの値が大きくなった。COtotalをさらに詳しくみると、C−Oの全炭素に対する比率は、DLC−1とDLC−2とでほぼ同じとなったが、C=Oの比率は、DLC−2においてDLC−1の約6倍となり、O=C−Oの比率は、DLC−2においてDLC−1の約9倍となった。また、これらの炭素質膜におけるsp炭素−炭素結合のsp炭素−炭素結合に対する比率は0.3以上であった。
次に、炭素質膜を形成していない炭化タングステンボール(WC)、前記したDLC−1、または前記したDLC−2と、ボールペン用インキとの接触角に関し、測定を行った。尚、ボールペン用インキは、水、有機溶剤、着色剤(水溶性染料)からなるボールペン用水性インキ(株式会社パイロットコーポレーション製、20℃の環境下におけるインキ粘度は、2mPa・s)を用いて測定を行っている。
未処理のWCボールでは60°程度あった接触角がDLC−1では55°程度まで低下し、DLC−2では3°程度まで低下しており非常に親和性が高くなっていることがわかる。炭素−酸素結合を有する炭素質膜を形成することにより、ボールペン用インキとの親和性が向上することが明らかである。
接触角の測定には、自動接触角測定機(協和界面科学株式会社製DM−500(商品名))を用いた。ボールに設けた炭素質膜と同一条件にて設けた炭素質膜を有する試験プレート(WC、ISO K−10相当)の表面上にインキを1μl滴下して接触角を測定した。測定タイミングは滴下直後とし、測定値は3点の平均値とした。尚、接触角は、粘度の高い水性ゲルインキ及び油性インキの場合には滴下の3秒後の測定(測定値は3点の平均値)によって求めることができる。
尚、前記インキの表面張力は40mN/mであった。インキの表面張力は、インキタンクの交換時にスムーズにインキが供給されるように、20℃の環境下で、20mN/m以上、40mN/m以下とすることが好ましくは、25mN/m〜35mN/mとすることが最も好ましい。この表面張力の測定方法は、20℃の環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、ガラスプレートを用いて、垂直平板法によって測定によって求めることができる。
次に、前記の各ボールを具備したボールペンを準備して、走行試験を行った。この試験は、ボールペンを紙面に対して70度傾斜させた状態で保持し、直径32mmの円を描くように回転させ、筆記用紙(JIS:P3201)を4m/分の速さで移動させる試験機を用いて、ボールペンによる筆記距離を調べる試験である。ボールペンが1つの円を描くことにより約10cmの距離を筆記する。筆記距離の100mごとにボールホルダからのボール先端位置までの距離を測定した。ボール10及びボール抱持室13の底壁14の磨耗により、チップ先端からのボール10先端位置までの距離H(ボール出)が小さくなるため、ボール先端位置の変化量(沈み量)を磨耗量とした。また、インキタンク4に充填されたインキの消耗後は、インキタンク4を交換し、さらに走行試験を継続した。
先に述べた摩耗量を測定した結果、炭素質膜を形成していない未処理のボール(WC)>表面に炭素−酸素結合の官能基導入を行っていない炭素質膜(DLC−0)>DLC−1>DLC−2という結果となった。これは、水性インキにおいては、ボール10とボール抱持室13の底壁14との間での境界潤滑あるいは混合潤滑になると考えられるが、炭素−酸素結合を有する炭素質膜を形成した場合には、ボールと水性インキとの親和性が向上し、ボールとボール抱持室の底壁との直接の接触が生じにくいため、ボール及びボール抱持室の底壁が摩耗しにくくなったためである考えられる。また、DLC−0は、2000m筆記において、摩耗量が大きく、均一な筆跡を得られなかった。一方、DLC−1、DLC−2については、3000m、5000mの筆記においても安定した筆記性能を維持することができた。
具体的なDLC−1のボールとチップ先端部との縦方向の隙間(クリアランス)は、未筆記で18μm(摩耗量0μm)、0〜100m筆記後21.0μm(摩耗量3μm)であり、500m筆記後が22μm(摩耗量4μm)、1000m筆記後が23μm(摩耗量5μm)であった。さらに、カートリッジを交換して、連続的に測定した結果、1500m筆記後が23μm(摩耗量5μm)であり、2000m筆記後が24μm(摩耗量6μm)、3000m筆記後が26μm(摩耗量8μm)、5000m筆記後が26μm(摩耗量9μm)であった。尚、インキの組成や粘度によっても異なるが、ボール先端位置の変化量(沈み量)が10μmを超えると均一な筆跡を得られ難い。
DLC−1については0〜100m筆記後3μmとやや摩耗量が大きいが、これは、筆記距離0mから筆記距離100mまでボール10と底壁14とが線または点で当接し、ボールの回転が安定するまで、ボール10の回転によって底壁14を削り取って当接面14Aを形成する。その後、当接面14Aによって安定してボール10が回転することと、炭素原子及び該炭素原子と結合した酸素原子を有する炭素質膜10Aとに相乗効果によって、クリアランスが、1.0≦C/B<1.2、さらには、1.0≦D/C<1.2を満足することで、摩耗しない或いは僅かに摩耗するだけなので、長期に渡り安定した筆記性能を満足するものとなる。尚、筆記距離0mから筆記距離100m筆記後のクリアランスが、B/A<1.2の場合には、当接面が小さく、その後の摩耗量が大きくなる恐れがあり、B/A>1.5の場合には、クリアランスの変化が大きく筆跡の太さや濃さの相違が判別し易いため、1.2<B/A<1.5とするものである。
前述の通り、ボール10の前後方向のクリアランスが、筆記距離0mのクリアランスA、筆記距離100mのクリアランスB、筆記距離1000mのクリアランスCとしたとき、A<B≦C、1.2<B/A<1.5、1.0≦C/B<1.2を満足することで、生産性及び長期に渡り安定した筆記性能を得ることができ、1.0≦D/C<1.2を満足することで、さらに安定した筆記性能を維持することができる。
また、100m当たりのインキ消費量は、0〜100mまでが、120mgであり、400m〜500mが132mg、900m〜1000mが135mgであった。さらに、1400〜1500mが135mg、1900m〜2000mが137mg、2900〜3000mが142mg、4900〜5000mが145mgであった。尚、インキ消費量の測定は、前記筆記試験の筆記距離100mにおけるインキ消費量を測定した数値である。
また、前述の通り、筆記距離0mから筆記距離100mまでの摩耗によって、ボール抱持室の底壁に、摩耗することによって形成された当接面は、ボールの回転によって形成されるために、ハンマーリングによって形成されるボール座よりもボールとの抵抗を低減することができる。
さらに、本発明のボールペンチップは、ボールをチップ先端側から押圧するハンマーリング加工等、製造によって予めボール座を形成しないため、製造工程の削減及びをインキの漏れ出しなどを抑制できる効果を奏する。
また、有機溶剤、水溶性の染料系着色剤、剪断減粘性付与剤、保湿湿潤剤及び水からなる筆記具用水性ゲルインキ(株式会社パイロットコーポレーション製、20℃の環境下で、剪断速度384.0秒−1における粘度は50mPa・s)、有機溶剤であるフェニルグリコール及びベンジルアルコール、油溶性の染料系着色剤、樹脂、潤滑剤及び粘度調整剤かなる筆記具用油性インキ(20℃の環境下における粘度は1500mPa・s)においても、接触角は、WCボール>DLC−1>DLC−2という結果となった。尚、接触角は、粘度の高い水性ゲルインキ及び油性インキの場合には滴下の3秒後の測定(測定値は3点の平均値)によって求めることができる。
本発明のボールペンは、0.5mm以下の小径のボールを用いたボールペンとして好適に用いることができる。
1 ボールペン
2 ボールペンチップ
3 インキ保溜部材
31 櫛歯
32 保留溝
33 誘導溝
34 鍔部
35 連通溝
36 凹溝
37 中心孔
4 インキタンク
5 先軸
6 後軸
7 第1のインキ誘導部材
8 第2のインキ誘導部材
9 栓体
10 ボール
10A 炭素質膜
10B 中間層
11 チップ本体
12 チップ先端部
13 ボール抱持室
14 底壁
14A 当接面
15 インキ流通溝
16 インキ流通孔
α かしめ角度
β 底壁の角度
H ボール出

Claims (3)

  1. 軸筒内に、ボールペン用インキを収容したインキタンクを配設し、ボールを、チップ本体のボール抱持室の底壁に載置し、チップ先端部を内側にかしめることにより、ボールの一部をチップ先端縁より突出させて回転自在に抱持してなるボールペンチップを具備してなるボールペンにおいて、前記ボールの表面及び/またはボール抱持室の底壁表面に炭素質膜を形成するとともに、前記炭素質膜が、炭素原子及び該炭素原子と結合した酸素原子を有し、前記ボールの前後方向のクリアランスが、筆記距離0mのクリアランスA、筆記距離100mのクリアランスB、筆記距離1000mのクリアランスC、筆記距離2000mのクリアランスDとしたとき、10μm≦A≦25μm、A<B≦C≦D、1.2<B/A<1.5、1.0≦C/B<1.2、1.0≦D/C<1.2を満足し、前記ボール抱持室の底壁の角度が、90度以上、150以下であることを特徴とするボールペン。
  2. 前記ボールペンチップと前記インキタンクとの間にチップ保持部材を具備し、前記チップ保持部材の後方に前記インキタンクを着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のボールペン。
  3. 前記炭素質膜の表面における酸素原子と結合した炭素原子の全炭素原子に対する比率は、0.1以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のボールペン。
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