以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基づき、次の目次の順序にしたがって、詳細に説明する。
(1)パチンコ機の構造
(2)パチンコ機の制御機構
(3)パチンコ機の作動内容
(4)パチンコ機の特徴部分
(5)パチンコ機の効果
(6)パチンコ機の変更例
(1)パチンコ機の構造
図1は、実施例1にかかるパチンコ機1の正面を示したものである。パチンコ機1は、周囲が機枠42で覆われており、その機枠42の正面の上部には、遊技盤51が設置されている。また、遊技盤51の中央よりやや上方には、遊技球レール54によって区画された略円形の遊技領域2が設けられており、当該遊技領域2の前方には、ガラス板を嵌め込んだ前面扉53が片開き可能に設置されている。また、遊技領域2の下方には、供給皿3と貯留皿4とが、上下に連設されており、貯留皿4の右側には、遊技球発射装置52(図3参照)を操作するための発射ハンドル6が突設されている。一方、遊技領域2の上方の左右には、効果音を発生させるためのスピーカ5,5が設置されている。
図2は、遊技盤51を示したものであり、遊技領域2の中央上部には、大型遊技部材46が設置されており、その大型遊技部材46の略中央には、図柄表示装置8が設けられている。図柄表示装置8は、液晶板によって形成された液晶画面を有しており、その液晶画面の左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12の各表示部位に、一桁の数字や一文字のアルファベット等(たとえば、「0」〜「9」、「A」〜「E」)の所定種類の「装飾図柄」(いわゆる「デモ図柄」)を表示することができるようになっている。
また、図柄表示装置8の中央下側には、遊技球を入賞可能な図柄始動口57が設けられている。加えて、図柄始動口57の下側には、普通電動役物13が設けられており、上部の扉部材9,9が開閉するようになっている。また、普通電動役物13の下側には、入賞装置である大入賞装置(大入賞口)16が設置されており、内蔵された作動装置30(図4参照)によって、横長な平板状の扉が下端縁を軸として片開きするようになっている。一方、遊技領域2の右下方には、遊技球の通過可能なゲート7が設けられている。
また、遊技領域2の右下方には、表示部材15が付設されており、当該表示部材15には、2つのLEDによって形成された普通図柄保留ランプ58、1つのLEDによって形成された普通図柄表示器17、7セグメントのLED板によって形成された特別図柄表示器14、4つのLEDによって形成された特別図柄保留ランプ59、4つのLEDによって形成されたラウンドランプ60等が設けられている。普通図柄表示器17は、LEDを発光させることによって「当たり図柄」を表示することができるようになっており、特別図柄表示器14は、所定の種類の「特別図柄」を変動表示することができるようになっている。加えて、遊技領域2には、上記部材の他に、サイドランプ19、電飾ランプ20、種々の入賞口、風車、および多数の障害釘等が設けられている。加えて、普通電動役物13等の各入賞装置の内部には、遊技球の入賞を検出する入賞検出装置29(図4参照)が設けられている。
一方、図3は、パチンコ機1の背面を示したものであり、パチンコ機1の中央よりやや下側には、パチンコ機1の作動内容を制御するメイン制御基板(メイン制御装置)21が設置されている。また、メイン制御基板21の上方には、図柄表示装置8の表示内容を制御するための図柄制御基板22が設置されている。さらに、メイン制御基板21の右側には、遊技領域2に設置されたサイドランプ19,19や電飾ランプ20,20・・等の発光部材の発光を制御するための発光制御基板23、発生させる効果音の内容を制御するための効果音制御基板24が設けられている。また、図柄制御基板22の下方には、図柄制御基板22と発光制御基板23と効果音制御基板24とを統合して制御するためのサブ統合基板(サブ制御装置)43が設置されている。加えて、発光制御基板23、効果音制御基板24の上方には、賞品球や貸球を払い出すための遊技球払出装置25が設置されている。
(2)パチンコ機の制御機構
図4は、パチンコ機1の制御機構を示したものである。メイン制御基板21は、メインCPU26、ROM27やRAM31等の記憶手段、タイマ41等を有しており、メインCPU26が、インターフェイス28を介して、普通電動役物13等の各入賞口や入賞装置に内蔵された入賞検出装置29,29・・、大入賞装置16を開閉させるための作動装置30、遊技球払出装置25等と接続されている。また、メイン制御基板21は、サブ統合基板43を介して、図柄制御基板22、作動制御基板である発光制御基板23および効果音制御基板24と接続されている。
また、メイン制御基板21のRAM31には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア、ゲート7を遊技球が通過した際に取得した乱数を記憶する当たり関連情報記憶エリア、「普通図柄」の変動保留数を記憶する普図変動保留記憶エリア、後述する「大当たり抽選」時に取得した乱数を記憶する大当たり関連情報記憶エリア、「特別図柄」の変動保留数を記憶する特図変動保留記憶エリア等の各種の記憶エリアが設けられている。
さらに、RAM31のカウンタ記憶エリアには、図5の如く、普通図柄の「当たり」を決定する当たり決定カウンタであるaカウンタ、「大当たり」の生起を決定するための大当たり決定カウンタであるbカウンタ、大当たり決定カウンタの初期値を選択するcカウンタ、生起した「大当たり」の種別を決定する大当たり種別決定カウンタであるfカウンタ、「特別図柄」を変動させる際の変動態様(変動時間)を決定するための変動態様決定カウンタであるgカウンタ等の乱数取得カウンタ(ループカウンタ)が記憶されている。
各乱数取得カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっており、aカウンタは、0〜99(100通り)の間を、b,cカウンタは、0〜990(991通り)の間をループカウントするようになっている。また、パチンコ機は、1割込のうちに、メインプログラムを一通り実行するようになっているが、cカウンタは、1割込の時間とメインプログラムの実行に要する時間との差(残余時間)の間に、1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっている。なお、残余時間が所定の時間よりも短い場合には、cカウンタはループカウントを実行しないようになっている。そして、bカウンタは、0〜990の間を一回りループカウントした後には、次回のループカウントを、一回りループカウントした時点におけるcカウンタの数値から実行するようになっている。一方、fカウンタ、gカウンタは、それぞれ、0〜99(100通り)の間をループカウントするようになっている。
また、大当たり関連情報記憶エリアには、図6の如く、判定エリアおよび第1〜第4保留記憶エリアが設けられている。さらに、判定エリアおよび第1〜第4保留記憶エリアには、それぞれ、大当たり決定カウンタであるbカウンタの値が記憶される大当たり乱数記憶領域、大当たり種別決定カウンタであるfカウンタの値が記憶される大当たり種別乱数記憶領域、変動態様決定カウンタであるgカウンタの値が記憶される変動態様乱数記憶領域が設けられている。
一方、メイン制御基板21のROM27には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア、パチンコ機1を制御するための各種プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア、メイン制御基板21からサブ統合基板43等に出力される制御指令信号のテーブルを記憶する指令信号テーブル記憶エリア、特別図柄表示器14に表示する「特別図柄」を記憶する特別図柄記憶エリア、「特別図柄」の変動態様に関するテーブル等の情報を記憶する変動態様記憶エリア、「当たり抽選」、「大当たり抽選」等の抽選の際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリア等が設けられている。
さらに、判定テーブル記憶エリアには、「大当たり」となった際に生起させる「大当たり状態」の種類を決定する際に利用される大当たり種別決定テーブルが記憶されている。図7は、当該大当たり種別決定テーブルを示したものであり、大当たり種別決定テーブルにおいては、大当たり種別決定カウンタであるfカウンタの数値が、大当たりの種類、および、特別図柄表示器14に表示する「大当たり特別図柄」と対応付けられている。なお、上記した大当たり種別決定テーブルにおける「確変」は、「大当たり」によって生起した「大当たり状態」の終了後に次回の「大当たり」の生起確率を増大させる「確変遊技状態」を生起させる特典を伴った「大当たり」(以下、「確変大当たり」という)であり、「非確変」は、生起した「大当たり状態」の終了後に「確変遊技状態」を生起させる特典を伴わない「大当たり」(以下、「非確変大当たり」という)である。
一方、ROM27の変動態様記憶エリアには、「大当たり抽選」において「大当たり」が生起したときに用いる大当たり時用変動態様テーブル、「大当たり抽選」において「はずれ」となったときに用いるはずれ時用変動態様テーブル等が記憶されている。図8は、大当たり時用変動態様テーブルおよびはずれ時用変動態様テーブルを示したものであり、各テーブルにおいては、変動態様決定カウンタであるgカウンタの数値が、各種の変動態様(変動継続時間)と対応付けられている。
また、図4の如く、サブ統合基板43は、CPU45、ROM48やRAM49等の記憶手段等を有しており、統合CPU45が、インターフェイス47を介して、メイン制御基板21のメインCPU26、図柄制御基板22の図柄表示CPU32、発光制御基板23の発光CPU35、効果音制御基板24の効果音CPU38と接続されている。
さらに、サブ統合基板43のRAM49には、図9の如く、図柄表示装置8に最終的に表示(確定表示)する「装飾図柄」を決定するj,k,lカウンタ、「確変大当たり」生起時に図柄表示装置8に最終的に表示する「装飾図柄」を決定するnカウンタ等のループカウンタが記憶されている。各ループカウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっており、nカウンタは、0〜2(3通り)の間を、jカウンタは、0〜14(15通り)の間を、それぞれループカウントするようになっている。また、kカウンタは、0〜14(15通り)の間を、jカウンタの数値が14から0になる毎に(すなわち、15割込のうちに)1ずつ加算しながらループカウントするようになっている。さらに、lカウンタは、0〜14(15通り)の間を、kカウンタが14から0になる毎に(すなわち、225割込のうちに)1ずつ加算しながらループカウントするようになっている。加えて、サブ統合基板43のROM48には、図10の如く、j,k,l,nカウンタの数値が各種の「装飾図柄」と対応付けられた状態で記憶されている。
一方、図柄制御基板22は、図4の如く、図柄表示CPU32、ROMやRAM等の記憶手段33等を有している。そして、図柄表示CPU32が、インターフェイス34を介して、図柄表示装置8、サブ統合基板43のCPU45等と接続されている。また、図柄制御基板22の記憶手段33には、図11の如く、各種の「装飾図柄」の変動態様(図柄変動時に用いる動画の種類)が、メイン制御装置21のROM27に記憶されている大当たり時用変動態様テーブルおよびはずれ時用変動態様テーブルにおける「変動継続時間」と対応付けられた状態で記憶されている。
一方、発光制御基板23は、図4の如く、発光CPU35、ROMやRAM等の記憶手段36等を有している。そして、発光CPU35が、インターフェイス37を介して、サイドランプ19、電飾ランプ20等の発光部材、サブ統合基板43のCPU45等と接続されている。加えて、効果音制御基板24は、効果音CPU38、ROMやRAM等の記憶手段39等を有している。そして、効果音CPU38が、インターフェイス40を介して、スピーカ5、サブ統合基板43のインターフェイス47等と接続されている。
(3)パチンコ機の作動内容
以下、パチンコ機1の作動内容について説明する。遊技者等によって発射ハンドル6が回動操作された場合には、供給皿3内の遊技球が、発射装置52によって遊技領域2に打ち込まれる。そして、打ち込まれた遊技球が各種入賞口に入賞した場合(たとえば、遊技球が図柄始動口57の上部から内部へ入り込んだ場合)には、賞品球として、所定数の遊技球が、遊技球払出装置25によって払い出される。
また、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が、ゲート7を通過した場合には、その瞬間に、aカウンタがループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。さらに、取得された数値が何であるか判断され、その数値が所定の10通りの数値であると判断された場合には「当たり」となり、その他の場合(90通り)には「はずれ」となる(以下、かかる「当たり」か否かの決定を「当たり抽選」という)。 一方、遊技球がゲート7を通過するのと同時に、普通図柄表示器17に表示された「普通図柄」が変動を開始する。
「当たり抽選」の結果、「当たり」と判断された場合には、「普通図柄」の変動開始から所定の時間(たとえば、約29秒)後に、普通図柄表示器17に「当たり図柄」が表示される(LEDが発光する)とともに、普通電動役物13が所定時間(たとえば、約0.5秒間)開成する(扉部材9,9の上端が離反する)。なお、「普通図柄」の変動中に遊技球がゲート7を通過したときは、次回以降に「普通図柄」を変動させる「普図変動記憶」として所定の個数(たとえば、4個)までRAM31の当たり関連情報記憶エリアの判定エリアに記憶し、その個数を普通図柄保留ランプ58の発光によって報知する。
そして、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が、図柄始動口57あるいは開成した普通電動役物13に入賞した場合には、その入賞が図柄始動口57あるいは普通電動役物13に内蔵された入賞検出装置29によって検出され、メイン制御基板21に「始動入賞検出信号」が送信される。なお、「特別図柄」の変動中に図柄始動口57や普通電動役物13へ遊技球が入賞したときは、次回以降に「特別図柄」を変動させる「特図変動記憶」として所定の個数(たとえば、4個)までRAM31の大当たり関連情報記憶エリアの判定エリアに記憶し、その個数を図柄表示装置8において画像で表示するとともに、特別図柄保留ランプ59を発光させることによって遊技者へ報知する。
上記の如く、メイン制御基板21に「始動入賞検出信号」が送信されると、b,f,gカウンタが、それぞれ、ループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。しかる後に、それらの取得した数値を、RAM31の大当たり関連情報記憶エリア(図6参照)の判定エリアに記憶させる(bカウンタ、fカウンタ、gカウンタの取得した乱数を各エリアの大当たり乱数記憶領域、大当たり種別乱数記憶領域、変動態様乱数記憶領域に記憶させる)。なお、b,f,gカウンタによる数値の取得を「大当たり抽選」という。
そして、「大当たり抽選」において、bカウンタが所定の「大当たり乱数」を取得した場合には、「大当たり」が生起し、「大当たり乱数」以外の数値を取得した場合には、「はずれ」となる。なお、後述する「確変遊技状態」以外の「非確変遊技状態」においては、1回の「大当たり抽選」における「大当たり」の生起確率が10/990となるように、予め10通りの大当たり乱数が設定されている。
さらに、「大当たり抽選」においてbカウンタが所定の「大当たり乱数」を取得した場合には、RAM31内の大当たり種別決定用テーブル(図7)を参照して、当該「大当たり抽選」におけるfカウンタ(大当たり種別決定カウンタ)の取得乱数に対応した「大当たり状態」を生起させる。すなわち、fカウンタが“40〜99”を取得した場合には「確変大当たり」を生起させ、fカウンタが“0〜39”を取得した場合には「非確変大当たり」を生起させる。
加えて、RAM31内の大当たり時用変動態様テーブル(図8)を参照して、当該「大当たり抽選」におけるgカウンタの取得乱数に対応した「変動態様(変動継続時間)」を選択し、特別図柄表示器14において当該時間だけ「特別図柄」を変動させる。しかる後、RAM31内の大当たり種別決定用テーブル(図7)を参照して、当該「大当たり抽選」におけるfカウンタの取得乱数に対応した「大当たり特別図柄」を選択し、当該「大当たり特別図柄」を特別図柄表示器14に表示する(確定表示する)。すなわち、「確変大当たり」を生起させる場合には「β」を表示し、「非確変大当たり」を生起させる場合には「α」を表示する。なお、「確変大当たり特別図柄」である「α」や「非確変大当たり特別図柄」である「β」は、7セグメント方式の小さな特別図柄表示器14を利用して、通常の文字とは異なる記号として短時間だけ表示されるため、遊技に精通していない遊技者は、「α」や「β」のみの表示では、生起した「大当たり」が「確変大当たり」であるのか「非確変大当たり」であるのかを認識することができないようになっている。
また、「大当たり抽選」の結果、「大当たり」が生起した場合には、その「大当たり」の種別に関する情報、および「大当たり抽選」においてgカウンタが取得した乱数に対応した「変動継続時間」を含めた「抽選結果報知信号」が、メイン制御基板21からサブ統合基板43へ送信される。一方、「大当たり抽選」の結果、「はずれ」となった場合には、その「はずれ」となった旨、および「大当たり抽選」においてgカウンタが取得した乱数に対応した「変動継続時間」を含めた「抽選結果報知信号」が、メイン制御基板21からサブ統合基板43へ送信される。
サブ統合基板43は、「抽選結果報知信号」を受信すると、その内容をRAM49に一時的に記憶させ、当該「抽選結果報知信号」の内容から、「大当たり」生起の有無および「大当たり」の種別(「確変大当たり」あるいは「非確変大当たり」)を認識する。また、装飾図柄決定カウンタであるj,k,lカウンタが、それぞれ、ループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。そして、それらの取得乱数に対応した「装飾図柄」(図10参照)が、記憶手段のROM48から呼び出される。しかる後に、その呼び出された「装飾図柄」の内容と「抽選結果報知信号」の内容とを含めた「図柄表示指令信号」が、サブ統合基板43から図柄制御基板22へ送信される。
なお、サブ統合基板43においては、「抽選結果報知信号」の内容によって、「非確変大当たり」が生起したと認識した場合には、j〜lカウンタが乱数を取得した際に、jカウンタの取得乱数が“3”,“5”,“7”のいずれかの数値である場合には、当該jカウンタの取得乱数に“1”が加算され、その加算された数値がjカウンタの取得乱数として認識される。そして、その取得乱数に対応した「装飾図柄」(図10(a))が、記憶手段のROM48から呼び出され、その呼び出された「装飾図柄」の内容と「抽選結果報知信号」の内容とを含めた「図柄表示指令信号」が作成される。
また、サブ統合基板43においては、「抽選結果報知信号」の内容によって、「確変大当たり」が生起したと認識した場合には、nカウンタが、ループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。そして、その取得乱数に対応した「装飾図柄」(図10(b))が、記憶手段のROM48から呼び出され、その呼び出された「装飾図柄」の内容と「抽選結果報知信号」の内容とを含む「図柄表示指令信号」が、サブ統合基板43から図柄制御基板22へ送信される。
一方、図柄制御基板22においては、「図柄表示指令信号」を受信すると、「図柄表示指令信号」に含まれた「変動継続時間」(すなわち、「大当たり抽選」においてgカウンタが取得した乱数に対応した「変動継続時間」)に対応した「変動態様」(図11)が、記憶手段33から呼び出される。そして、図柄制御基板22は、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に表示されている「装飾図柄」を、呼び出された「変動態様」によって、所定の時間(たとえば、50秒)だけ変動させる。かかる「装飾図柄」の変動は、各表示部位10〜12において、「一桁の数字や一文字のアルファベット等が上下あるいは左右にスクロールして別の数字やアルファベット等に切り替わる動画」を表示することによって行われる。
また、図柄制御基板22は、受信した「図柄表示指令信号」から「非確変大当たり」が生起したと判断した場合には、上記した所定時間に亘る変動表示の後に、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に、「図柄表示指令信号」に含まれたjカウンタの取得乱数に対応した「装飾図柄」を表示する(確定表示する)。したがって、各表示部位10〜12には、同一な図柄の組み合わせである「非確変大当たり装飾図柄」(たとえば、「2,2,2」)が表示される。
さらに、図柄制御基板22は、受信した「図柄表示指令信号」から「確変大当たり」が生起したと判断した場合には、上記した所定時間に亘る変動表示の後に、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に、「図柄表示指令信号」に含まれたnカウンタの取得乱数に対応した「装飾図柄」を表示する(確定表示する)。したがって、各表示部位10〜12には、同一な図柄の組み合わせである「確変大当たり装飾図柄」(たとえば、「3,3,3」)が表示される(なお、「非確変大当たり装飾図柄」と「確変大当たり装飾図柄」とを含めて「大当たり装飾図柄」という)。
一方、図柄制御基板22は、受信した「図柄表示指令信号」から「はずれ」となったと判断した場合には、上記した所定時間に亘る変動表示の後に、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に、「図柄表示指令信号」に含まれたj,k,lカウンタの各取得乱数に対応した「装飾図柄」を表示することによって、「大当たり装飾図柄」と異なる「はずれ図柄」(たとえば、「1,2,3」)を表示する。なお、j,k,lカウンタが偶発的に同一の数値を取得した場合でも、「大当たり装飾図柄」が表示されないように制御される。
そして、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に「大当たり特別図柄」および「大当たり装飾図柄」が確定表示された場合には、「大当たり状態」が生起し、大入賞装置16が、所定時間(たとえば、約25秒)経過するまで、あるいは所定個数(たとえば、9個)の遊技球の入賞を検出するまで開成する。そして、その所定時間経過するまで、あるいは所定個数の遊技球の入賞を検出するまでの大入賞装置16の開成を、所定回数(ラウンド数)だけ断続的に繰り返す。したがって、「大当たり状態」が生起した場合には、遊技者は、非常に高い確率で、短期間の間に多くの賞品球を獲得することができる。
また、「大当たり抽選」の結果、「確変大当たり」が生起した場合には、「大当たり状態」終了後に、「確変遊技状態」が生起する。「確変遊技状態」においては、「普通図柄」の「当たり判定」において、aカウンタによって取得された乱数が所定の97通りの数値(たとえば、“3”〜“99”)であると判断された場合に、「当たり」となる。このため、「当たり」の生起確率は“97/100”に増大する。また、上記の如く、ゲート7は、高い頻度で遊技球が通過するように構成されているので、普通電動役物13が頻繁に開成し、遊技球が高い頻度で普通電動役物13に入賞するようになる。さらに、「確変遊技状態」においては、「大当たり抽選」時にbカウンタが所定の60通りの乱数を取得した場合に、「大当たり」と判定される。このため、「大当たり」の生起確率は“60/990”に増大する。したがって、「確変遊技状態」の生起中、遊技者は、きわめて高い確率で短期間の内に、再度、「大当たり」を生起させることが可能となる。なお、「確変遊技状態」中に「非確変大当たり」が生起し「大当たり状態」が生起した場合には、その「確変遊技状態」が終了する。また、「確変遊技状態」は、開始時点からの「大当たり抽選」の総積算回数が10,000回(確変回数)に到達したときに終了するように制御される。
また、「大当たり抽選」の結果、「非確変大当たり」が生起した場合には、生起した「大当たり状態」の終了後に、「時短状態」を生起させる。かかる「時短状態」においては、「普通図柄」、「特別図柄」および「装飾図柄」の変動時間の平均値が短くなる。また、「確変遊技状態」と同様に、「普通図柄」の「当たり判定」における「当たり」の生起確率が“97/100”に増大する。それゆえ、上記の如く高い頻度で遊技球がゲート7を通過することに起因して、普通電動役物13が頻繁に開成し、遊技球が高い頻度で普通電動役物13に入賞するようになる。したがって、「時短状態」の生起中においては、遊技者は、多くの賞品球を獲得することができ、ほとんど遊技球を消費しないで、次回の「大当たり」を狙うことができる。なお、「時短状態」は、開始時点からの「大当たり抽選」の総積算回数が所定の数値(たとえば、100回、以下、「時短回数」という)に到達したときに終了するように制御される。
(4)パチンコ機の特徴部分の説明
パチンコ機1は、「確変大当たり」が生起した場合であって、「大当たり抽選」において大当たり種別決定カウンタであるfカウンタの取得した乱数が“40〜69”である場合には、図柄表示装置8において、「大当たり抽選」において変動態様決定カウンタであるgカウンタの取得した乱数と対応した変動継続時間(図8参照)だけ「装飾図柄」を変動させた後に「大当たり装飾図柄」を表示(確定表示)した後に、「大当たり状態」を生起させる。この場合には、「大当たり状態」の終了後に、サブ統合基板43において、スーパーチャンスモードフラグがONに設定され、「確変遊技状態」であることを遊技者に明確に認識させ得る「スーパーチャンスモード」に移行する。
一方、「非確変大当たり」が生起した場合や、「確変大当たり」が生起した場合であって、「大当たり抽選」において大当たり種別決定カウンタであるfカウンタの取得した乱数が“70〜99”である場合には、「大当たり状態」の終了後に、サブ統合基板43において、チャンスモードフラグがONに設定され、後述する「チャンスモード」に移行する。そして、当該「チャンスモード」中に、所定条件を充足した場合に、図柄表示装置8において「特定演出」である「かくれんぼ演出」(かくれんぼをしているかの如き動画による演出表示)を実行し、そのゲームの結果として、「確変遊技状態」になっていることや新たに「大当たり」が生起したことを遊技者へ報知する。
なお、「確変大当たり」が生起した場合であって、「大当たり抽選」においてfカウンタが“70〜99”のいずれかの数値を選択することによって「チャンスモード」に移行した場合には、「装飾図柄」の変動開始から「大当たり抽選」においてgカウンタ(変動態様決定カウンタ)の取得した乱数と対応した変動継続時間が経過した後に、一旦、図柄表示装置8に「非確変大当たり装飾図柄」を表示する(なお、そのように「非確変大当たり装飾図柄」を表示する場合には、図柄制御基板22によって、「図柄表示指令信号」に含まれたjカウンタの取得乱数に対応した「装飾図柄」を図柄表示装置8の各表示部位10〜12に表示するように制御される)。また、「チャンスモード」においては、「確変遊技状態」になっている場合でも、遊技者が「確変遊技状態」になっていることを認識できないように、各種の演出が制御される。それゆえ、「確変大当たり」が生起した場合でも、「大当たり抽選」においてfカウンタが“70〜99”のいずれかの数値を選択することによって「チャンスモード」に移行した場合には、遊技者は、「大当たり状態」の生起前から「チャンスモード」における「確変遊技状態」の告知まで、先に生起した「大当たり」が「確変大当たり」であって「確変遊技状態」が生起していることを認識することができない(なお、遊技に精通している遊技者であれば、特別図柄表示器14における「確定大当たり特別図柄」の確定表示によって、「確変遊技状態」が生起していることを認識することができる)。
また、上記の如く、「チャンスモード」中に「かくれんぼ演出」を実行するために、パチンコ機1のサブ統合基板43のRAM49のカウンタ記憶エリアには、図9に示された各カウンタの他に、図12の如く、図柄表示装置8の表示画面に形成される第一表示領域a,b,cに表示する「背景画像」を決定するための背景画像決定カウンタであるα,β,γカウンタ、後述する「かくれんぼ演出」を実行するか否かを決定するための特定演出実行決定カウンタであるεカウンタ、および、「予告画像」の表示の有無および表示する第一表示領域(a,b,cのいずれか)を決定するための予告画像表示決定カウンタであるδカウンタが設けられている。
α,β,γカウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに0〜4(5通り)の間を1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっており、サブ統合基板43がメイン制御基板21から「抽選結果報知信号」を受信した時点で、一つの数値を選択するようになっている。また、δカウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに0〜14(15通り)の間を1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっており、サブ統合基板43がメイン制御基板21から「抽選結果報知信号」を受信した時点で、一つの数値を選択するようになっている。さらに、εカウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに0〜59(60通り)の間を1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっており、サブ統合基板43がメイン制御基板21から「抽選結果報知信号」を受信した時点で、一つの数値を選択するようになっている。
そして、α,β,γ,δ,εカウンタが選択した数値は、サブ統合基板43のRAM49に記憶され、それらのカウンタが新たに数値を選択する毎に更新されるようになっている。また、サブ統合基板43には、「確変遊技状態」や「時短状態」の期間を決定するための積算カウンタである確変・時短期間決定カウンタが設けられており、後述する所定のタイミングで、“1”ずつ積算カウントするようになっている。
また、サブ統合基板43のROM48の判定テーブル記憶エリアには、「かくれんぼ演出」において第一表示領域a,b,cに表示する「背景画像」の種類を決定する際に利用する背景画像決定テーブルが記憶されている。図13は、背景画像決定テーブルを示したものであり、かかるテーブルにおいては、背景画像決定カウンタであるα,β,γカウンタの各数値が、「背景画像」の種類と対応付けられている。
さらに、サブ統合基板43のROM48の判定テーブル記憶エリアには、「かくれんぼ演出」を実行するか否かを決定する際に利用する特定演出実行決定テーブルが記憶されている。図14は、特定演出実行決定テーブルを示したものであり、かかるテーブルにおいては、ゲーム実行決定カウンタであるεカウンタの数値が、ゲームの実行の有無と対応付けられている。
加えて、サブ統合基板43のROM48の判定テーブル記憶エリアには、「かくれんぼ演出」において第一表示領域a,b,cに「予告画像」を表示するか否か、および、「予告画像」を表示する位置を決定するための予告画像表示位置決定テーブルが記憶されている。図15は、予告画像表示位置決定テーブルを示したものであり、かかるテーブルにおいては、予告画像表示位置決定カウンタであるδカウンタの数値が、「予告画像」を表示するか否か、および、「予告画像」を表示する位置(第一表示領域a,b,cのいずれか)と対応付けられている。
一方、サブ統合基板43のROM48の制御プログラム記憶エリアには、「チャンスモード」における演出表示処理、かくれんぼ演出処理(大当たり時かくれんぼ演出処理、あるいは、はずれ時かくれんぼ演出処理)を実行するための各種の作動制御プログラムが記憶されている。
<チャンスモード時の演出表示>
パチンコ機1は、「大当たり状態」の終了後に「チャンスモード」に移行した場合には、図柄表示装置8において、「特別図柄」の変動表示を通常時と同様に実行する他に、図16(a)〜(c)の如く、「装飾図柄」の変動表示を通常時よりも小さな範囲で実行し、3つの矩形の第一表示領域a,b,cを形成するとともに、それらの第一表示領域a,b,cより大きな第二表示領域dを形成し、それらの第一表示領域a,b,cと第二表示領域dとを利用して、演出表示を実行する。
図17は、「チャンスモード」時におけるパチンコ機1の演出表示処理の内容を示すフローチャートであり、当該演出表示処理は、主としてサブ統合基板43によって制御される。「チャンスモード」時の演出表示処理においては、まず、ステップ(以下、単にSで示す)10で、図柄始動口57あるいは普通電動役物13への入賞検知信号を受けたことを契機として、特別図柄表示器14において「特別図柄」の変動を開始するとともに、図柄表示装置8において「装飾図柄」の変動を開始する。 さらに、かかる「特別図柄」、「装飾図柄」の変動開始とともに、背景画像決定カウンタであるα,β,γカウンタ、特定演出実行決定カウンタであるεカウンタが、それぞれ、ループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。しかる後に、それらの取得した数値を、サブ統合基板43のRAM49に記憶させる(なお、εカウンタによる数値の取得を「かくれんぼ抽選」という)。
しかる後、S20で、メイン制御基板21において「大当たり抽選」と同時に選択された変動態様(変動継続時間、図8参照)が、「かくれんぼ演出」に対応した変動時間(すなわち、30秒)であるか否か判断され、“YES”と判断された場合には、S21で、「かくれんぼ抽選」におけるεカウンタの取得数値、およびサブ統合基板43のROM48の特定演出実行決定テーブル(図14参照)が参酌され、「かくれんぼ演出」を実行するか否か判断される。すなわち、εカウンタの数値が“0〜29”である場合には、「かくれんぼ演出」を実行することを決定し、εカウンタの数値が“30〜59”である場合には、「かくれんぼ演出」を実行しないことを決定する。
さらに、S21で“YES”と判断された場合には、S30で、メイン制御基板21における「大当たり抽選」で「大当たり」が生起したか否か判断され、“YES”と判断された場合(すなわち、「大当たり」生起の旨を含んだ「抽選結果報知信号」を受信している場合)には、S40で、後述する「大当たり時かくれんぼ演出」を実行する。さらに、「大当たり時かくれんぼ演出」を実行した後には、S50で、「大当たり」が生起したことの告知表示として、第一表示領域a,b,cにおいて、それぞれ、「大」、「当」、「たり」の文字を表示する。
しかる後、S60で、通常時と同様な方法で、特別図柄表示器14において「特別図柄」の確定表示を実行し、図柄表示装置8において「装飾図柄」の確定表示を実行した後に、確変・時短状態決定カウンタの数値nに“1”を加算して、処理を終了する。なお、「非確変大当たり」の生起後に「チャンスモード」に移行した場合には、n=100となった時点で、時短状態の終了とともに「チャンスモード」が終了する。一方、「確変大当たり」の生起後に「チャンスモード」に移行した場合には、n=10,000とならない限り、次回の「大当たり」が生起するまで「確変遊技状態」が継続されるとともに、「チャンスモード」も継続される。
一方、S30で“NO”と判断された場合(すなわち、「はずれ」の場合)には、S80で、後述する「はずれ時かくれんぼ演出」を実行した後、S60で、通常時と同様な方法で、特別図柄表示器14において「特別図柄」の確定表示を実行し、図柄表示装置8において「装飾図柄」の確定表示を実行した後に、確変・時短状態決定カウンタの数値nに“1”を加算して、一連の処理を終了する。
また、S20で“NO”と判断された場合(すなわち、「かくれんぼ演出」を実行しないと判断された場合)には、後述する「大当たり時かくれんぼ演出」や「はずれ時かくれんぼ演出」を実行することなく、S60へ移行する。
<大当たり時かくれんぼ演出処理>
図18は、「大当たり時かくれんぼ演出」をする際の処理内容を示すフローチャートであり、当該演出処理も、主としてサブ統合基板43によって制御される。当該「大当たり時かくれんぼ演出処理」においては、S110で、図柄始動口57あるいは普通電動役物13への入賞検知信号を受けたことを契機として、背景画像決定カウンタであるα,β,γカウンタが取得した乱数に対応した「背景画像」を、図柄表示装置8に形成された各第一表示領域a,b,cに表示する(図16(a)参照)。
しかる後、S120で、予告画像表示決定カウンタであるδカウンタが、所定の数値(“12〜14”)を取得するまで乱数の取得を繰り返し実行する。そして、δカウンタが所定の数値(“12〜14”)を取得した場合には、サブ統合基板43のROM48の予告画像表示位置決定テーブル(図15参照)が参酌され、S130で、図柄表示装置8において、取得した数値に対応した第一表示領域(a,b,cのいずれか)で、図16(b)の如く、「背景画像」に「予告画像」(たとえば、人物のシルエットの画像)を重複させて表示する。
上記の如く、「予告画像」を背景に重ねて表示した後には、S140で、図柄表示装置8において、「予告画像」が表示された第一表示領域(a,b,cのいずれか)の「背景画像」と同一の「背景画像」を第二表示領域dに表示する(すなわち、第二表示領域dの「背景画像」を、「予告画像」が表示された第一表示領域(a,b,cのいずれか)の「背景画像」と同じものに切り替える)。しかる後、S150で、図16(c)の如く、第一表示領域(a,b,cのいずれか)で表示された「予告画像」を変形させた画像(たとえば、「予告画像」と同一の輪郭線を有する人物の写真の拡大画像、以下、「変形予告画像」という)を、第二表示領域dの「背景画像」に重複させて表示して、一連の処理を終了する(図17のチャンスモード時の演出表示処理のS50に移行し、「大当たり」が生起した旨の告知表示を実行する)。
<はずれ時かくれんぼ演出処理>
一方、図17は、「はずれ時かくれんぼ演出」をする際の処理内容を示すフローチャートであり、当該演出処理も、主としてサブ統合基板43によって制御される。当該「はずれ時かくれんぼ演出処理」においては、S210で、図柄始動口57あるいは普通電動役物13への入賞検知信号を受けたことを契機として、背景画像決定カウンタであるα,β,γカウンタが取得した乱数に対応した「背景画像」を、図柄表示装置8に形成された各第一表示領域a,b,cに表示する(図16(a)参照)。
しかる後、S220で、予告画像表示決定カウンタであるδカウンタの取得した数値が12〜14であるか否か判断され、“YES”と判断された場合には、S230で、図柄表示装置8において、取得した数値に対応した第一表示領域(a,b,cのいずれか)で(図15参照)、図16(b)の如く、「背景画像」に「予告画像」(たとえば、人物のシルエットの画像)を重複させて表示する。
上記の如く、「予告画像」を「背景画像」に重ねて表示した後には、S240で、図柄表示装置8において、「予告画像」が表示された第一表示領域(a,b,cのいずれか)の「背景画像」と同一の「背景画像」を第二表示領域dに表示する。しかる後、S241で、当該δカウンタの取得した数値が“14”であるか否か判断され、“YES”と判断された場合には、S242で、メイン制御基板21における「大当たり抽選」で「確変大当たり」が生起したか否か判断される。
そして、S242で“YES”と判断された場合には、S243で、図16(c)の如く、「変形予告画像」を、第二表示領域dの「背景画像」に重複させて表示した後、S244で、図16(d)の如く、それまで小さな範囲で行っていた「装飾図柄」の変動表示を拡大して行った後に「確変大当たり装飾図柄」確定表示させることによって、先に生起した「大当たり」が「確変大当たり」であった旨を遊技者に告知(報知)する。かかる告知表示によって、遊技者は、先に生起した「大当たり」が「確変大当たり」であって「確変遊技状態」がすでに生起しており継続中であることを、初めて認識することができる。
しかる後、S245で、チャンスモードフラグをOFFにして、一連の処理を終了する(図17のチャンスモード時の演出表示処理のS60に移行し、特別図柄表示器14において「特別図柄」の確定表示を実行し、図柄表示装置8において「装飾図柄」の確定表示を実行する)。なお、S244で先に生起した「大当たり」が「確変大当たり」であった旨を遊技者に告知した場合には、S245でチャンスモードフラグをOFFにするとともに、スーパーチャンスモードフラグをONにして、上記した「スーパーチャンスモード」に移行する。
一方、S220で“NO”と判断された場合(すなわち、δカウンタの取得数値が“0〜11”である場合)には、S230における「予告画像」の表示や、S240における第二表示領域dの「背景画像」の切り替えを実行することなく、処理を終了する(図17のチャンスモード時の演出表示処理のS60に移行する)。
また、S241で“NO”と判断された場合(すなわち、δカウンタの取得数値が“12”あるいは“13”である場合)、あるいは、S242で“NO”と判断された場合(すなわち、先に生起した「大当たり」が「確変大当たり」でなかった場合)には、S243における「変形予告画像」の表示やS244における「確変大当たり」の報知を実行することなく、処理を終了する(図17のチャンスモード時の演出表示処理のS60に移行する)。
上記の如く演出表示処理を実行することにより、図柄表示装置8を利用してバーチャルな“かくれんぼ(隠れん坊)”が実行され、対象となる「予告画像」が表示された場合(見つかった場合)の一部の場合に、遊技者は、先に生起した「大当たり」が「確変大当たり」であったことや、新たに「大当たり」が生起したことを認識することとなる。それゆえ、遊技者は、第一表示領域(a,b,cのいずれか)に「予告画像」が表示されること、「かくれんぼ演出」が実行されることに期待しながら、長期間に亘って高い遊技意欲を保持しながら遊技を継続することとなる。
(5)パチンコ機の効果
パチンコ機1は、上記の如く、特定の「大当たり」である「確変大当たり」が生起した場合の内の一部の場合に、「大当たり状態」の終了後に、図柄表示装置8において、複数の「背景画像」を切り替えて表示可能な複数の第一表示領域a,b,cと、それらの第一表示領域a,b,cに表示される「背景画像」を第一表示領域a,b,cより大きく表示可能な第二表示領域dとを形成し、所定条件の充足(δカウンタが“12〜14”の数値を取得すること)を契機として、いずれかの第一表示領域a,b,cに、予め設定された「予告画像」を「背景画像」に重ねて表示した後に、第二表示領域dの「背景画像」を、第一表示領域a,b,cの「背景画像」と同一の「背景画像」に切り替える「特定演出」を実行し、その「特定演出」の終了後に、「確変大当たり」が生起していたことを報知するものである。したがって、パチンコ機1によれば、「特定演出」を実行することにより、図柄表示装置8においてバーチャルな“かくれんぼ(隠れん坊)”あるいは“宝探し”が行われ、その結果として「確変大当たり」が生起したかの如き感覚を遊技者に提供することができるので、趣向性が高く、長期間に亘って遊技者の遊技意欲を高く保持することができる。
また、パチンコ機1は、「特定演出」が、所定条件の充足を契機として、第一表示領域a,b,cのいずれかに、予め設定された「予告画像」を「背景画像」に重ねて表示した後に、第二表示領域dの「背景画像」を第一表示領域(a,b,cのいずれか)の「背景画像」と同一の「背景画像」に切り替える場合に、いずれかの第一表示領域(a,b,cのいずれか)に表示された「予告画像」との関連性が高い画像(拡大した「予告画像」や「変形予告画像」)を第二表示領域dの「背景画像」に重ねて表示するものである。したがって、パチンコ機1によれば、図柄表示装置8において行われるバーチャルな「特定演出」の内容がよりリアルなものとなるので、非常に趣向性が高く、きわめて長期間に亘って遊技者の遊技意欲を高く保持することができる。
さらに、パチンコ機1は、制御装置として、メイン制御基板21とサブ統合基板43とを有しており、メイン制御基板21によって抽選を行い、その抽選結果に対応したメイン制御基板21からの指令に基づいて、サブ統合基板43が図柄表示装置8における「装飾図柄」の変動表示を制御するものであり、「特定演出」を実行するか否かを、サブ統合基板43によって決定するものである。したがって、パチンコ機1によれば、「特定演出」を実行するか否かを「抽選」に関する制御を行わないサブ統合基板43によって決定するため、「特定演出」を実行するための制御内容の自由度が大きく、より趣向性の高い「特定演出」を実行することが可能となる。
(6)パチンコ機の変更例
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、図柄始動口、メイン制御基板、サブ統合基板、図柄制御基板、図柄表示装置、大入賞装置等の形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
たとえば、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「特定演出」を実行する際に一つの第二表示領域と三つの第一表示領域を形成するものに限定されず、必要に応じて第一表示領域の数を変更することができる。また、上記実施形態の如く、先に生起した「大当たり」が「確変大当たり」であったことや、新たに「大当たり」が生起したことを報知する際に、変形させた「予告画像」を第二表示領域に表示するものに限定されず、予告画像と同一の画像や拡大させた予告画像を第二表示領域に表示するもの等に変更することも可能である。
本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、“「特定演出」を実行した後に、先に生起した「大当たり」が「確変大当たり」であった旨を遊技者に告知(報知)するもの”に限定されず、“「特定演出」を実行した後に、「大当たり」が生起した旨を遊技者に告知(報知)するもの”等に変更することも可能である。加えて、本発明の遊技機は、「変動態様(変動継続時間)」の一部(変動継続時間が所定の時間(たとえば、30秒)以上のもの)を「リーチ変動態様」とし、かかる「リーチ変動態様」で装飾図柄を変動表示する場合には、図柄表示装置の3つの表示部位の内の2つの部位において、同一の装飾図柄を表示した後に、もう一つの表示部位で未だ変動している装飾図柄を、高速で変動させたり低速で変動させたりした後に停止させるように構成することも可能である。そして、そのような構成を採用する場合には、「大当たり抽選」の抽選結果とは無関係に、“「特定演出」を実行した後に、「リーチ変動態様」によって装飾図柄の変動表示を実行するもの”、“図柄表示装置の3つの表示部位の内の2つの部位において、同一の装飾図柄を表示した後に、「特定演出」を実行し、しかる後に、残りの表示部位で未だ変動している装飾図柄を停止させるもの”や、“一旦、「リーチ変動態様」によって装飾図柄の変動表示を実行し、「特定演出」を実行した後に、先に行った「リーチ変動態様」よりも長い時間の「リーチ変動態様」によって装飾図柄の変動表示を実行するもの”等に変更することも可能である。
なお、本発明の遊技機は、上記実施形態の如きパチンコ機ばかりでなく、スロットマシーン等の他の遊技機として応用することも可能である。