JP5952656B2 - 光ファイバ用ガラス母材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、石英ガラスロッドの表面を火炎でエッチング処理した後、該エッチング処理面に石英ガラス微粒子を堆積させて光ファイバ用石英多孔質母材とし、該光ファイバ用石英多孔質母材を透明ガラス化する工程を有する、光ファイバ用ガラス母材の製造方法であって、前記エッチング処理は、前記石英ガラスロッドに対して、その長手方向に沿って、前記火炎を生成するトーチを一方向のみに複数回相対移動させ、前記トーチの前記石英ガラスロッドに対する相対移動を、前記石英ガラスロッドの一端から開始して、他端へ向けて行うことを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法を提供する。
かかる製造方法によれば、石英ガラスロッドは、その長手方向において表面のエッチング量(外径)の変動が抑制され、得られた光ファイバ用ガラス母材は、その長手方向において、コアの外径とクラッドの外径との比(コアの外径/クラッドの外径)の変動が抑制される。そして、かかる母材から得られた光ファイバは、カットオフ波長の変動値が抑制される。
本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法においては、前記エッチング処理は、前記石英ガラスロッドに対して、その長手方向に沿って、前記火炎を生成するトーチを一方向のみに複数回相対移動させ、一回の相対移動で、前記石英ガラスロッドの一端から他端まで、前記トーチを相対移動させることで行うことが好ましい。
エッチング量を算出することで、その値を目的値と比較して、目的とする程度にまでエッチングされているか否かを、その都度判断できる。
エッチング処理の追加の有無を判断し、必要に応じてエッチング処理を追加することで、石英ガラスロッドに対して、目的とする程度にまでエッチング処理を確実に行うことができる。
プラズマ火炎を用いることで、エッチング処理時における水の発生が抑制され、石英ガラスロッドのエッチング処理面における水酸基の残存が抑制されて、OH損失がより低減された光ファイバが得られる。
かかる製造方法によれば、エッチング処理中、石英ガラスロッドは、その長手方向において、エッチング処理されるときの表面の温度がより均一となるため、表面のエッチング量(石英ガラスロッドの表面からのエッチング距離)の変動が抑制される。その結果、得られた光ファイバ用ガラス母材は、その長手方向において、コアの外径とクラッドの外径との比(コアの外径/クラッドの外径)の変動が抑制されたものとなる。したがって、このような光ファイバ用ガラス母材から得られた光ファイバは、カットオフ波長の変動値が抑制された、優れた光学特性を有するものとなる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。図1は、本発明に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法を説明するための模式図である。
石英ガラスロッドの大きさは特に限定されない。
石英ガラスロッドは、VAD法等、公知の方法で作製できる。
プラズマ源となるガスとしては、アルゴン(Ar)ガスが例示できる。
プラズマ火炎の生成時に加える電圧は、高周波電圧であることが好ましく、電圧の周波数は2MHz〜2.45GHzであることが好ましい。
前記フッ素含有ガスは、化学構造中にフッ素原子を含有するガスであればよく、エッチング能力及びコストの面から好ましいものとしては、六フッ化硫黄(SF6)、六フッ化エタン(C2F6)、四フッ化ケイ素(SiF4)、四フッ化メタン(CF4)が例示できる。
フッ素含有ガスは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
そして、本発明においては、石英ガラスロッドに対して、その長手方向に沿って、トーチを一方向のみに複数回相対移動させることで、エッチング処理を行う。このようにすることで、エッチング処理中、石英ガラスロッドは、その長手方向において、エッチング処理されるときの表面の温度がより均一となるため、エッチング量がより均一となり、表面のエッチング量の変動が抑制される。
石英ガラスロッド10は、両端部にダミー母材9が同軸状に接続され、これらダミー母材9は、一対の回転チャック8,8で把持されている。すなわち、石英ガラスロッド10は、矢印Aで示すように軸回りに回転可能とされ、反応容器7内に設置されている。
反応容器7の片側は排気ダクト(図示略)に接続されており、排気ダクト内は通常、20〜300Pa程度の陰圧とされ、反応容器7の外部からクリーンエアを供給することで、反応容器7が置かれたブース(図示略)内が、3〜30Pa程度の陽圧となるように調整される。
ここでは、石英ガラスロッド10を矢印A方向に回転させ、石英ガラスロッド10をその長手方向においては固定し、その長手方向に沿って、トーチ6を矢印B方向(左側)に移動させることで、エッチング処理を行う場合を例示している。符号4は火炎である。石英ガラスロッド10は、同じ軸回りに矢印A方向に対して反対方向に回転させてもよく、トーチ6は、矢印B方向に対して反対方向である矢印C方向(右側)に移動させてもよい。石英ガラスロッド10の前記回転の回転数は、例えば、15〜40rpmとすることが好ましい。
トーチ6は、矢印B方向への一回の相対移動では、例えば、石英ガラスロッド10の長手方向において、石英ガラスロッド10の一端10aから他端10bまで相対移動させ、矢印C方向への一回の相対移動では、例えば、石英ガラスロッド10の長手方向において、石英ガラスロッド10の他端10bから一端10aまで相対移動させるなど、石英ガラスロッド10の長手方向における所望の領域で相対移動させる。そして、トーチ6の相対移動の開始位置及び終了位置は、目的に応じて適宜選択すればよい。
一方、石英ガラスロッド10の長手方向の長さが長く、例えば、エッチングの対象領域の長さが1500mm程度である場合には、トーチ6が一回の相対移動の完了に要する時間が長くなるため、石英ガラスロッド10の長手方向における中央部やその周辺の領域は、トーチ6の次回の相対移動によるエッチング処理までに、比較的長い時間を要し、冷却によって温度が安定し易い。その結果、石英ガラスロッド10のこの領域は、一回のエッチング処理によるエッチング量が安定して、外径の変動が抑制される。しかし、トーチ6の反転部位近傍にある石英ガラスロッド10の領域は、上記の連続加熱時間の影響によって、前記中央部やその周辺の領域よりも外径が細くなることに変わりはなく、外径の変動が大きくなる。
このように、トーチ6を二方向に相対移動させた場合には、石英ガラスロッド10の長手方向の長さによらず、エッチング処理後の石英ガラスロッド10は、その長手方向において外径の変動が大きくなる。
例えば、エッチング処理間において、エッチング処理の終了位置から開始位置まで、火炎を消火してトーチ6を移動させることが好ましい。また、火炎を消火しない場合には、エッチング処理間において、エッチング処理の終了位置から開始位置まで、火炎が石英ガラスロッドから十分に離間するように、トーチを移動させる。
追加で行うエッチング処理における、トーチの前記相対移動の方向は、これよりも前に行ったエッチング処理の場合と同じでもよいし、異なってもよいが、同じであることが好ましい。
石英ガラスロッドの外径は、例えば、レーザ外径測定機等を用いる公知の方法で測定できる。
さらに、プラズマ火炎は、熱容量が小さく、赤外線波長域の光を含まないため、酸水素火炎よりも輻射熱の発生が非常に少ない。したがって、プラズマ火炎で石英ガラスロッドを加熱しても、表面が広範囲に渡って、高温で長時間熱を帯びた(予熱された)状態とはならないので、エッチング処理面は、水が結合(反応)する前に十分に冷却される。通常は、エッチング処理面の温度が高いほど、水はエッチング処理面と結合(反応)し易くなる。このような効果も相まって、プラズマ火炎を用いて予熱処理することにより、石英ガラスロッドのエッチング処理面における水酸基の残存は、高度に抑制される。
石英ガラス微粒子の堆積は、公知の方法で行うことができる。
前記石英ガラス原料ガスとしては、四塩化ケイ素(SiCl4)ガス、四塩化ゲルマニウム(GeC14)ガス等が例示できる。
前記不活性ガスとしては、アルゴンガス、窒素ガスが例示できる。
そして、石英ガラス微粒子の堆積を複数回繰り返して行う場合に、前記移動方向は、すべての回で同一方向であってもよいし、すべての回で異なる方向であっても(一方向ずつ二回行っても)よく、一部の回のみ異なる方向であってもよい。
ここでは、石英ガラスロッド10をその長手方向においては固定し、その長手方向に沿って、トーチ6及び石英ガラスバーナ5を同一方向、すなわち矢印B方向(左側)に移動させることで、予熱処理及び石英ガラス微粒子の堆積を行う場合を例示している。このとき、石英ガラスロッド10は矢印A方向に回転させる。石英ガラスバーナ5は、トーチ6を追いかけるように移動させる。火炎4にエッチングガスは添加しないが、トーチ6は、ここでの予熱処理だけでなく、前記エッチング処理も行うものであってよい。
排気ダクト内と、反応容器7が置かれたブース内の圧力は、図1(a)の場合と同様である。
石英ガラス微粒子の堆積を複数回行う場合には、二回目以降においては、石英ガラスバーナ5のみを移動させることで、堆積させることができる。
また、石英ガラスロッド10は、同じ軸回りに矢印A方向に対して反対方向に回転させてもよく、トーチ6及び石英ガラスバーナ5は、矢印B方向に対して反対方向(右側)に移動させてもよい。石英ガラスロッド10の前記回転の回転数は、図1(a)の場合と同様である。
なお、ここでは石英ガラスバーナ5が、石英ガラスロッド10の長手方向に沿って2個直列に配置された例を示しているが、石英ガラスバーナ5の数及び配置形態は、これに限定されず、適宜調節できる。
透明ガラス化は公知の方法で行えばよく、光ファイバ用石英多孔質母材を脱水及び焼結処理することで行うことができるが、かかる母材が水酸基の量が十分に低減されたものである場合には、脱水処理は省略してもよい。
前記焼結処理は、ヘリウムガス等の不活性ガスの存在下で行うことが好ましい。
また、脱水及び焼結処理をフッ素含有ガスの存在下で行うことにより、フッ素添加を行い、透明ガラス化した層(外付け層)の屈折率を低下させることができる。このときのフッ素含有ガスとしては、前記エッチング処理においてエッチングガスとして用いるフッ素含有ガスと同じものが例示でき、かかるフッ素含有ガスは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
追加形成する外付け層は、公知の方法で形成してもよいし、上記の透明ガラス化で得られたものを、あらたに石英ガラスロッドとして用い、上記の本発明の製造方法を適用して形成してもよい。
追加形成する外付け層の数及び種類は、目的とする光ファイバ用ガラス母材の構造に応じて、任意に設定できる。
図2中、Dは外側クラッドの外径を、d1は内側クラッドの外径を、d2はトレンチ層の外径を、それぞれ示す。
なお、ここに示す光ファイバ用ガラス母材は、本発明により得られるものの一例を示すに過ぎず、本発明により得られる光ファイバ用ガラス母材は、これに限定されるものではない。
また、光ファイバ用ガラス母材2は、例えば、石英ガラスロッドとしてコア11及び内側クラッド12を構成するものを用い、トレンチ層14の形成時に本発明を適用することで製造できる。
そして、このようなエッチング処理済みの石英ガラスロッドを用いることにより、得られる光ファイバ用ガラス母材は、外付けされた透明ガラス化層の長手方向における厚さの変動が抑制される。すなわち、長手方向において、コアの外径とクラッドの外径との比(コアの外径/クラッドの外径)の変動が抑制される。そして、この特性を反映して、かかる光ファイバ用ガラス母材から得られた光ファイバは、その長手方向においてカットオフ波長の変動値が抑制された、優れた光学特性を有するものとなる。例えば、光ファイバとして、カットオフ波長の標準偏差(σ)が好ましくは21.5nm以下、より好ましくは20.0nm以下のものが得られる。
[実験例1]
図1(a)を参照して説明した方法により、石英ガラスロッドの表面をエッチング処理した。具体的には、以下の通りである。
VAD法で作製した石英ガラスロッドの両端部にダミー母材を同軸状に接続し、反応容器内でこれを一対の回転チャックで把持した後、石英ガラスロッドを軸回りに回転数25rpmで回転させた。石英ガラスロッドとしては、長手方法の長さが約500mmのものを用いた。また、反応容器には外部からクリーンエアを供給し、反応容器が置かれたブース内の圧力を、3〜30Paの範囲内に収まるように調整した。
次いで、石英ガラスロッドをその長手方向においては固定し、その長手方向に沿って、プラズマトーチを15mm/分の速度で移動させることで、石英ガラスロッドの表面をプラズマ火炎でエッチング処理した。このとき、アルゴンガスを30SLMの流量でプラズマトーチに供給し、高周波電源を用いて13.56MHz、6KWの条件で電圧を加えることで、高周波プラズマ火炎を生成させた。そして、生成されたプラズマ火炎に、SF6ガスを2.5SLMの流量で添加することで、エッチング処理を行った。エッチング処理は、ガラスロッドの一端から他端へ向けてプラズマトーチを一方向のみに二回繰り返して移動させることで、二回行った。なお、エッチング処理の前後において、レーザ外径測定機(キーエンス社製LS−3000シリーズ)を用いて、石英ガラスロッドの外径を長手方向全域において測定した。
そして、一回目のエッチング処理前における石英ガラスロッドの外径の測定値と、二回目のエッチング処理後における石英ガラスロッドの外径の測定値との差(二回のエッチング処理によって生じた石英ガラスロッドの外径差)を、石英ガラスロッドの長手方向全域に渡って算出した。このときの結果を図4に示す。二回のエッチング処理による、石英ガラスロッドの表面のエッチング量は、この外径差の1/2の値となる。
プラズマトーチを石英ガラスロッドの一端から他端へ向けて一回移動させた後、直ちに方向を反転させて、逆方向に一端へ向けて一回移動させることで、二方向に一回ずつ移動させたこと以外は、実験例1と同様にエッチング処理し、二回のエッチング処理によって生じた石英ガラスロッドの外径差を算出した。このときの結果を図4に示す。
これに対して、実験例2では、石英ガラスロッドは一端から他端へかけて、長手方向における全域で、外径差が変動していた。具体的には、石英ガラスロッドは概ね、一端から他端へ向かうにつれて、外径差が増大していた。これは、他端がプラズマトーチの反転部位近傍に位置するために、他端に近いほど石英ガラスロッドの表面は、火炎による連続加熱時間が長くなり、二回目のエッチング処理が予熱された状態で行われ、エッチングが促進されたためであった。なお、実験例2では、横軸が0mm及び500mmの近傍の領域で外径差が特に大きく変動して、ノイズが出ているが、これは、ダミー母材の外径を測定したためである。
<光ファイバ用ガラス母材の製造>
図1を参照して説明した方法により、表1に示す条件で、図2(b)に示す構造の光ファイバ用ガラス母材を製造した。具体的には、以下の通りである。
VAD法で作製した石英ガラスロッドの両端部にダミー母材を同軸状に接続し、反応容器内でこれを一対の回転チャックで把持した後、石英ガラスロッドを軸回りに回転数25rpmで回転させた。石英ガラスロッドとしては、長手方法の長さが1500mmであり、コア及び内側クラッドを構成するものを用いた。また、反応容器には外部からクリーンエアを供給し、反応容器が置かれたブース内の圧力を、3〜30Paの範囲内に収まるように調整した。
そして、一回目のエッチング処理前における石英ガラスロッドの外径の測定値と、二回目のエッチング処理後における石英ガラスロッドの外径の測定値との差(二回のエッチング処理によって生じた石英ガラスロッドの外径差)を、石英ガラスロッドの長手方向全域に渡って算出した。
次いで、石英ガラスバーナの移動を妨げない位置にプラズマトーチを退避させた後、一回目と同方向に石英ガラスバーナのみを複数回繰り返して移動させることにより、石英ガラス微粒子の堆積を複数回行った。
ここまでの工程で、光ファイバ用石英多孔質母材を作製した。
ここまでの工程で、図2(b)に示す構造の光ファイバ用ガラス母材のうち、コア〜トレンチ層の部分を作製した。
ここまでの工程で、図2(b)に示す構造の光ファイバ用ガラス母材を製造した。
得られた光ファイバ用ガラス母材を、従来法により素線化して、外側クラッドの外径が125μmの光ファイバを製造した。そして、得られた光ファイバについて、カットオフ波長及びOH損失を測定し、カットオフ波長の標準偏差(σ)を求めた。結果を表1に示す。
表1に示すように、石英ガラスロッドとして、長手方法の長さが500mmであるものを用いたこと以外は、実施例1と同様に、光ファイバ用ガラス母材を製造し、さらに光ファイバを製造した。
得られた光ファイバの、カットオフ波長の標準偏差(σ)及びOH損失を表1に示す。
表1に示すように、石英ガラスロッドとして、外径が40mmであるものを用い、エッチング処理時に、トーチの移動速度を55mm/分として酸水素火炎を用いたこと以外は、実施例1と同様に、光ファイバ用ガラス母材を製造し、さらに光ファイバを製造した。
得られた光ファイバの、カットオフ波長の標準偏差(σ)及びOH損失を表1に示す。
表2に示すように、エッチング処理時に、プラズマトーチを石英ガラスロッドの一端から他端へ向けて一回移動させた後、直ちに方向を反転させて、逆方向に一端へ向けて一回移動させることで、二方向に一回ずつ移動させたこと以外は、実施例1と同様に、光ファイバ用ガラス母材を製造し、さらに光ファイバを製造した。
得られた光ファイバの、カットオフ波長の標準偏差(σ)及びOH損失を表2に示す。
表2に示すように、エッチング処理時に、プラズマトーチの移動速度を80mm/分とし、プラズマトーチを石英ガラスロッドの一端から他端へ向けて一回移動させた後、直ちに方向を反転させて、逆方向に一端へ向けて一回移動させることで、二方向に一回ずつ移動させ、さらに、この操作を一回繰り返して、エッチング処理を合計で4回行ったこと以外は、実施例1と同様に、光ファイバ用ガラス母材を製造し、さらに光ファイバを製造した。
得られた光ファイバの、カットオフ波長の標準偏差(σ)及びOH損失を表2に示す。
表1に示すように、石英ガラスロッドとして、外径が40mmであるものを用い、エッチング処理時に、トーチの移動速度を55mm/分として酸水素火炎を用い、トーチを石英ガラスロッドの一端から他端へ向けて一回移動させた後、直ちに方向を反転させて、逆方向に一端へ向けて一回移動させることで、二方向に一回ずつ移動させたこと以外は、実施例1と同様に、光ファイバ用ガラス母材を製造し、さらに光ファイバを製造した。
得られた光ファイバの、カットオフ波長の標準偏差(σ)及びOH損失を表2に示す。
これに対し、比較例1〜3では、石英ガラスロッドの外径差の変動値が0.08〜0.10mm(エッチング量の変動値が0.04〜0.05mm)と大きく、その結果、得られた光ファイバは、カットオフ波長の変動値が大きかった。
光ファイバのOH損失は、実施例1〜3と比較例1〜3とでは、同等であった。
以上のように、本発明は顕著に優れた効果を奏することが確認できた。これは、実施例1と比較例1及び2との比較、並びに実施例3と比較例3との比較から、より明らかである。
Claims (5)
- 石英ガラスロッドの表面を火炎でエッチング処理した後、該エッチング処理面に石英ガラス微粒子を堆積させて光ファイバ用石英多孔質母材とし、該光ファイバ用石英多孔質母材を透明ガラス化する工程を有する、光ファイバ用ガラス母材の製造方法であって、
前記エッチング処理は、前記石英ガラスロッドに対して、その長手方向に沿って、前記火炎を生成するトーチを一方向のみに複数回相対移動させ、前記トーチの前記石英ガラスロッドに対する相対移動を、前記石英ガラスロッドの一端から開始して、他端へ向けて行うことを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法。 - 前記エッチング処理は、前記石英ガラスロッドに対して、その長手方向に沿って、前記火炎を生成するトーチを一方向のみに複数回相対移動させ、一回の相対移動で、前記石英ガラスロッドの一端から他端まで、前記トーチを相対移動させることで行うことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
- 前記エッチング処理の前後において、前記石英ガラスロッドの外径を測定し、エッチング量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
- 前記エッチング量を算出後、その値を目的値と比較し、前記石英ガラスロッドに対して、その長手方向に沿って、前記トーチを一方向のみに相対移動させることで行う、エッチング処理の追加の有無を判断することを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
- 前記火炎がプラズマ火炎であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
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