JP5952391B2 - 光走査装置及び画像読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー光などの光束を走査する光走査装置及びそれを備えた画像読取装置に関する。
バーコード等の光学パターンの読み取り装置として、レーザー方式やCCDラインセンサを用いたラインセンサ方式、CMOSセンサを用いたイメージセンサ方式が実用化されている。レーザー方式は、振動ミラーでレーザー光を走査して反射光強度の時間変化を検出する方式であり、安価な光学センサを採用できるため、コスト的なメリットが大きい。
近年、ラインセンサ方式やイメージセンサ方式では、読み取り率(読み取りの成功率)が向上し、かつ、バーコードの幅広化に対応している。そのため、レーザー方式にも読み取り率の向上とバーコードの幅広化への対応が求められている。レーザー方式で読み取り率を上げる発明として、可変焦点ミラーを用いた発明が提案されている(特許文献1参照)。この方法では、レーザーダイオードと光スキャナとの間に可変焦点ミラーが配置され、可変焦点ミラーがレーザー走査の速度よりも遅い速度で駆動される。これにより、1走査毎に焦点距離を変えた走査が実行される、つまり、レーザーのビームウエストの位置が周期的に変化するため、読み取り可能範囲が拡大されるとともに読み取り率が向上している。
特開平07−121645号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、光スキャナと可変焦点ミラーとは別個の光学部品であるため、部品点数が多く、レーザー方式のコストメリットが生かせない。さらに、特許文献1の発明では、読み取り装置の小型化の要求にも対応できない。
さらに、特許文献1の発明では幅広のバーコードを高い読み取り率で検出することが困難である。幅広のバーコードに対応するには、レーザーの走査角を大きくする必要がある。しかし、レーザーの走査角を大きくすると、走査中央と走査端ではレーザーの投射距離に大きな差が生じる。つまり、走査位置によってはビーム径が太り、読み取りの分解能が低下する。このため、特許文献1の発明では、高精細のバーコードでは読み取り率が大幅に低下する。走査端でも分解能を保てる範囲の走査角で幅広バーコードを検出するには、投射距離を非常に長くすればよい。しかし、投射距離を非常に長くすると、反射光強度の低下により読み取り率が低下してしまうだけでなく、小型化も困難となる。
そこで、本発明は、たとえば、小型化も可能で、かつ、コスト的に有利な光走査装置を提供する。
本発明は、たとえば、ねじり梁と、前記ねじり梁に支持された可変焦点ミラーとを有し、前記ねじり梁にねじり振動を生じさせて前記可変焦点ミラーにより光束の向きを可変すると共に前記可変焦点ミラーのミラー面の曲率を変化させて被走査物に対して前記可変焦点ミラーの焦点を調整しながら、前記可変焦点ミラーのミラー面から反射する光束で前記被走査物の上を走査する走査装置であって、第1の周波数の第1の電気信号を発生することで、前記ねじり梁にねじり振動を誘起させる第1電気信号生成部と、前記第1の周波数の2倍の周波数を有する第2の電気信号と、当該第1の周波数よりも低い第3の周波数の第3の電気信号とを発生することで、当該第2の電気信号による変形と当該第3の周波数の第3の電気信号による変形とを重畳させてなる曲げ振動を前記可変焦点ミラーに励起させる第2電気信号生成部とをさらに備えたことを特徴とする光走査装置を提供する。
本発明によれば、光を反射する振動ミラー自体を可変焦点ミラーにより構成したことで、振動ミラーと可変焦点ミラーとを個別に有していた従来技術と比較して、部品点数を減らすことができる。つまり、部品点数を減らすことで、小型化も可能で、かつ、コスト的に有利な光走査装置が提供できるようになる。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1Aは本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。 図1Bは本発明の第1の実施形態を示す図である。 図1Cは本発明の第1の実施形態を示す平面図である。 図2Aは本発明の機能を説明する平面図である。 図2Bは本発明の機能を説明する平面図である。 図2Cは本発明の機能を説明する平面図である。 図3は本発明の駆動信号を示すグラフである。 図4は本発明の他の機能を説明する平面図である。 図5Aは本発明の第1の実施形態の他の構成を示す斜視図である。 図5Bは本発明の第1の実施形態の他の構成を示す図である。 図6Aは本発明の第1の実施形態の他の構成を示す図である。 図6Bは本発明の第1の実施形態の他の構成を示す図である。 図7は本発明の第2の実施形態を示す斜視図である。 図8は本発明の応力を説明するグラフである。 図9は本発明の実施例1を示す斜視図である。 図10Aは本発明の実施例2を示す斜視図である。 図10Bは本発明の実施例2を示す斜視図である。 図11は本発明の実施例2を示す斜視図である。 図12Aは本発明の機能を説明する平面図である。 図12Bは本発明の機能を説明する平面図である。 図12Cは本発明の機能を説明する平面図である。 図13は本発明の駆動信号を示すグラフである。 図14は本発明の光走査装置の動作を説明する平面図である。 図15Aは本発明の光走査装置の動作を説明するグラフである。 図15Bは本発明の光走査装置の動作を説明するグラフである。 図15Cは本発明の光走査装置の動作を説明するグラフである。 図16Aは本発明の光走査装置の動作を説明するグラフである。 図16Bは本発明の光走査装置の動作を説明するグラフである。
(第1の実施形態)
図1A、図1B、図1Cに、本発明の第1の実施形態である振動ミラーである光走査装置1を示す。図1A、図1B、図1Cが示すように、x軸、y軸、z軸を定義する。振動部材10は、ねじり梁101と、ミラー部104と、それを支持する支持部102、103とを有している。なお、ねじり梁はジンバルやヒンジ、トーションバーと呼ばれることもある。本実施形態では、ねじり梁101とミラー部104とは一体的に設けられている。たとえば、ねじり梁101とミラー部104とが同一の金属材料により形成されている。ミラー部104の下部には、支持部102、103の上部が接続されている。支持部102、103の下部は接続部を介して接続されている。なお、図1Aでは、接続部が磁石50、51によって狭持されているため、隠れている。接続部の下部には、ねじり梁101の上部が接続されている。ミラー部104は、ねじり梁101を回転軸として回転する。ねじり梁101の長さ方向は、z軸方向と平行である。ミラー部104の表面には必要に応じて反射膜20が形成される。なお、ミラー部104の厚み方向がy軸方向と平行になっている。また、ミラー部104は、表面と裏面は平面であり、x軸方向と平行である。なお、ミラー部104上に反射膜20を設ける場合には、反射膜20の表面が実質的にミラー面となり、ミラー部104はねじり梁101と一体的に形成されたベース体となる。また、反射膜は、ミラー部の一方面上に設けてもよいし、両面に設けてもよい。いずれにしても、ねじり梁101と可変焦点ミラーとなるミラー部104とが一体的に形成されることで、全体として小型化を図ることができる。
図1Aや図1Bが示すように、支持部102、103の接続部の付近には磁石50、51が配置されている。つまり、磁石50、51は、2つの支持部102、103に取り付けられた磁石である。駆動コイル55は、磁石50、51に対応して設置され、第1の周波数の電気信号を印加されて磁界を発生するコイルである。なお、磁石50、51の着磁方向は、同一である。また、ねじり梁101に回転トルクが働けば良いため、磁石50、51の着磁方向は、ねじり梁101のz軸方向に対して垂直な方向(例:図1Aの矢印D1や矢印D2の方向やこれらの反対方向)であれば十分である。駆動回路60から電気信号を駆動コイル55に供給することで、駆動コイル55が磁界を発生する。この磁界によって磁石50、51が吸引または反発するため、ねじり梁101にはねじり振動が誘起される。ねじり梁101のねじり振動により、ミラー部104が回転振動する。よって、光源が出力された光束(レーザー光)は、ミラー部104によって向きが変更(偏向)される。このように、ミラー部104によって光走査が実現される。
ミラー部104の曲率を変化させる圧電素子30は、可変焦点ミラーであるミラー部104においてミラー面の反対側の面に配置される。圧電素子30は、電気信号が印加されることで、ミラー面の曲率を変化させる第2の圧電素子として機能する。図1Cが示すように、駆動回路61から供給された電気信号(周波数f2、周波数f3)に応じて圧電素子30が伸縮することで、ミラー部104には曲げ変形が誘起される。図1Bは金属材料により構成された振動部材10を示している。そのため、振動部材10は、圧電素子30の電極または配線として機能する。この圧電素子30による曲げ変形によりミラー部104の表面の曲率が変化するため、ミラー部104は、可変焦点ミラーとして機能する。
本発明では、光走査用のミラーと焦点調整用のミラーとを可変焦点ミラーとなる単一のミラー部104によって実現しているため、振動ミラーと可変焦点ミラーとを個別に有していた従来技術と比較して、部品点数を減らすことができる。つまり、本発明は、部品点数を減らすことで、小型化も可能で、かつ、コスト的に有利な光走査装置が提供できるようになる。
図1Cが示すように、ミラー部104が曲げ変形した際にもy軸方向に変位しない2つの位置が存在する。この2つの位置で、ねじり梁101から接続部を介して二股に分かれた支持部102、103がミラー部104に接続されている。支持部102、103は、ねじり梁101の回転軸に対して対称な2つの位置に配置された、可変焦点ミラーを支持する2つの支持部として機能する。これにより、ミラー部104に曲げ振動が誘起された場合でも、ミラー部104の重心は変動しない。このように、ミラー部104のうちy軸方向に変位しない2つの位置に支持部102、103を接続することで、ねじり梁101に撓み振動が誘起されるのを抑制できる。なお、ねじり振動と撓み振動が同時にミラー部104に発生すると、振動部材10が異常振動を起こすため、正常な光走査が阻害される。本発明によればこの異常振動が抑制されるため、精度よく光走査を行なうことができる。
図1Aにおいて、振動部材10は一体構造をなしているが、必ずしも一体構造である必要なない。ただし、振動部材10を一体構造にすることで、接合部の耐久性や製造工程の簡略化、低コスト化の観点で有利である。振動部材10は金属材料やシリコンウエハの他、セラミック基板などから形成可能である。成型方法としては、エッチングやプレス加工、レーザー加工、ワイヤ放電加工等を採用できる。ただし、金属材料を採用することで、耐衝撃性の観点からは、有利である。金属材料は容易に破断しないからである。とりわけ、SUS301やSUS631等のステンレスや銅合金、Co−Ni基合金などを採用すれば、繰り返し耐久性の観点で優れている。その中でもセイコーインスツル株式会社製のSPRON510に代表されるCo−Ni基合金は特に疲労限が高い。Co−Ni基合金は、繰り返しのねじり応力及び曲げ応力が加わる本発明の光走査装置1には向いている。
反射膜20は、たとえば、Au、Ag、Al等の蒸着膜で形成され、必要に応じて増反射膜が形成されてもよい。
磁石50、51の材質は特に限定されるものではない。ただし、出来るだけ小型で磁力の強い磁石を採用すると、振動に係わる慣性モーメントを小さくすることができる。たとえば、磁力の強いNd−Fe−B系磁石やSm−Co系磁石等、小型形状形成が可能で加工性にも優れたFe−Cr−Co系磁石などを採用してもよい。
圧電素子30の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を採用することで、変位量を大きくとれるが、これにのみ限定されるわけではない。たとえば、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛等の圧電特性を有する材料を採用できる。圧電素子30は焼結体の素子の接着や直接成膜によって形成される。焼結体の積層構造を持つ圧電素子は変位量が大きく非常に優れた特性を有する。一方で、振動部材10のミラー部104への直接成膜は、接着部分の耐久性の点で優れている。その中でも、エアロゾルディポジション法やガスデポジション法は、成膜レートが高く、膜質の良い厚膜を容易に形成できる。圧電素子30の材料にPZTを用い、振動部材10として金属材料を用いる場合、鉛の拡散を防止する中間層を形成することで、圧電特性が向上する。さらに、金属材料の中でも耐熱性の高い材料を用いることで、熱処理温度を高くすることができる。たとえば、Co−Ni基合金は、500℃〜600℃程度で時効硬化処理が実行可能である。
図2Aないし図2Cを参照して本発明の光走査装置1による読み取り率向上の原理を説明する。図2Aは光走査装置1によるレーザー光走査を示したものであり、光走査装置1を上方から見た平面図である。図2Aにおいてレーザー光は、面P1の上端⇒中央⇒下端⇒中央⇒上端へと移動する。ここで、レーザー光の走査中心から面P1の上端までの距離をR1’とし、中央までの距離をR1とし、下端までの距離をR1”とする。また、ここで、レーザー光の走査中心から面P1の上端までの距離をR2’とし、中央までの距離をR2とし、下端までの距離をR2”とする。バーコード90は、面P1と面P2に平行に配置され、面P1から面P2までのいずれかの位置に配置される。図2Bは、面P1の上端を走査しているときのミラー部104の状態(以下、状態(R1’))、面P1の中央を走査しているときのミラー部104の状態(以下、状態(R1))、面P1の下端を走査しているときのミラー部104の状態(以下、状態(R1”))を示している。図2Cは、面P2の上端を走査しているときのミラー部104の状態(以下、状態(R2’))、面P2の中央を走査しているときのミラー部104の状態(以下、状態(R2))、面P2の下端を走査しているときのミラー部104の状態(以下、状態(R2”))を示している。
本実施形態において、面P1の中央をレーザー光で走査するときには、圧電素子30に所定の電気信号を印加することにより、ミラー部104には、図2Bが示すような曲率(1/R1)が付与される。つまり、ミラー部104の曲率半径はR1である。ここで、ビームウエストは、走査中心から距離R1だけ離れた位置にある面P1の中央に位置している。
ねじり梁101のねじり振動によりミラー部104が回転して、ミラー部104の状態が図2Bの(R1’)の状態になったとする。つまり、面P1の上端をレーザー光で走査するときには、ミラー部104の曲率が1/R1’となり、曲率半径がR1’となるように、圧電素子30に加えられる電気信号を駆動回路61が変化させる(R1<R1’)。これにより、曲率半径が1/R1から1/R1’へ小さくなり、ビームウエストが走査中心からR1’の距離にある面P1の上端に位置するようになる。仮に曲率が1/R1に維持されていた場合、ビームウエストの位置は走査中心から距離R1の位置になるため、面P1の上端ではビーム径が拡がって分解能が低下し、読み取り率が低下してしまう。そこで、本実施形態では、面P1の上端を走査するときは、ビームウエストが面P1上に位置するように、ミラー部104の曲率半径をR1’に変更する。
走査下端でも同様に、図2Bの(R1”)の状態で曲率半径をR1”へと変化させることにより、ビームウエストは面P1上に保持される。面P1上にバーコード90等の光学パターンが置かれた場合、走査中央と走査端で同様の分解能を得ることができる。特に幅広のバーコードに対応するために走査角を大きくした場合であっても、読み取り率を大幅に向上させる効果がある。
図2Cは、同様に面P2にビームウエストを保持するためのミラー部104の変形状態を示している。図2Cが示すように、走査位置に応じて曲率を追従させることで、面P2上にビームウエストが常に維持されるようになる。さらに、本実施形態では、走査面を面P1から面P2まで連続的に移動することにより、バーコードが面P1から面P2の範囲内にあれば確実に高分解能で検出することが可能になる。たとえば、バーコードを面P1から面P2まで移動させながら複数回の走査を実行し、各走査結果を復号し、有効な読み取り結果が得られたときに、走査を終了してもよい。
図3は、図2Aないし図2Cのような走査を行うための駆動回路60、61が生成する駆動信号の一例を示している。駆動回路60、61は、ねじり梁101にねじり振動を生じさせるための第1の駆動信号と、可変焦点ミラー(ミラー部104)に曲げ変形を生じさせる第2の駆動信号とを同時に生成する駆動制御部となる。ここでは、駆動回路60、61は、別々の回路として図示しているが、個別の基板にそれぞれ設けられていてもよく、1つの基板に設けてもよい。ここで、駆動回路61は、第2の駆動信号として、駆動回路60から出力される第1の駆動信号における第1の周波数と異なる複数の周波数を重畳させた信号を生成する。このとき、駆動回路61は、第2の駆動信号として、第1の周波数の偶数倍(例えば、2倍、4倍等)に相当する周波数の信号を含めて生成するのがよい。効率的な可変焦点ミラーの駆動を実現できるからである。特に、駆動回路61は、第2の駆動信号として、第1の駆動信号における第1の周波数の2倍の周波数の信号と前記第1の周波数の4倍の周波数の信号とを重畳した信号を生成するのがよい。なお、駆動回路61は、第1の駆動信号を生成している間、第2の駆動信号を生成することで、効率的な動作で可変焦点ミラーを駆動することが可能となる。例えば、本実施形態では、駆動回路60は、第1の周波数の第1の電気信号を発生することで、ねじり梁101にねじり振動を誘起させる第1電気信号生成部として機能する。すなわち、駆動回路60は、ミラー部104の回転振動を誘起するために、第1の周波数f1の第1の電気信号を出力する。一方、駆動回路61は、第1の周波数の偶数倍(ここでは2倍)の周波数を有する第2の電気信号と、第1の周波数よりも低い第3の周波数の第3の電気信号とを発生することで、第2の電気信号による変形と第3の周波数の電気信号による変形とを重畳させてなる曲げ振動を可変焦点ミラーに励起させる第2電気信号生成部として機能する。すなわち、駆動回路61は、ミラー部104の曲率変形を誘起するために、第1の周波数f1の2倍の第2の周波数f2を持つ第2の電気信号と、第1の周波数f1よりも充分に低くい第3の周波数f3を持つ第3の電気信号を重畳させた電気信号を出力する。第2の電気信号は、一走査内において、ビームウエストが常に走査面上に位置するように維持するための信号である。第3の電気信号は走査中央から走査面までの距離を連続的に変化させる信号である。
なお、周波数f1と周波数f3との差を大きくすればするほど面P1から面P2までの範囲内での走査回数が増える。よって、焦点合わせの精度が向上する。しかし、バーコードと焦点が合って有効な信号が得られるまでにかかる読み取り時間は長くなってしまう。また、読み取り時間は一走査の時間、すなわちミラー部104の回転周波数にも依存する。たとえば、ミラー部104の回転周波数が50Hzから100Hzまでの範囲で、かつ、0.2秒で読み取りを完了させようとすると、周波数f3は周波数f1の10倍から20倍程度になる。また、ミラー部104の走査角度は、ねじり梁101の材料の弾性域内でねじり梁101が使用されている場合には周波数f1の駆動信号の振幅に比例する。また、ミラー部104は圧電素子30を貼り付けられたユニモルフ型の圧電振動子を形成している。そのため、曲率の大きさは圧電素子30に印加される周波数f2と周波数f3を合成してなる駆動信号の振幅に依存する。
図2Aないし図2Cでは、走査上端と下端で走査中心からビームウエストまでの距離が同じになるように、図2Bの状態(R1’)と状態(R1”)とでそれぞれ曲げ変形の大きさを同じにしている。ただし、駆動回路61が圧電素子30に加える駆動信号の周波数を調整することで、状態(R1’)と状態(R1”)でのそれぞれの曲げ変形を違う大きさにしてもよい。これにより、ビームウエスト位置が保持される走査面を図4が示す面P1’のように、傾けることが可能になる。つまり、走査面を面P1’から面P1”まで回転させることができるようになる。これは、バーコードがz軸回りに回転し、バーコードが理想平面に対して傾いたとしても、走査面を回転させることで、高分解能な検出が可能になることを意味する。
このように、本実施形態では、平面上の物体である被走査物の走査面上に、ミラー部104により反射された光束のビームウエストがあるように、第2の電気信号と第3の電気信号とによって可変焦点ミラーのミラー面の曲率を変化させる。これにより、光学部品の部品点数を削減しつつ、読み取り率を向上させることができる。
図5Aおよび図5Bは、本発明の第1の実施形態の他の構成例を示している。図1Aに示した光走査装置と比較して、光走査装置2では、ミラー部104の回転機構が異なっている。図5Aでは、図1Aでは隠れていた、2つの支持部102、103を結合する結合部材501も示されている。また、ねじり梁101は、結合部材501から延伸した並行する2本の梁11、12で構成されている。梁11、12のそれぞれに圧電素子31、32を配置する。圧電素子31、32は、2つの梁11、12のそれぞれに設けられ、第1の電気信号が印加される第1の圧電素子として機能する。さらに、梁11、12が互いに逆方向の曲げ変形を起こすように、図5Bが示す駆動回路62が圧電素子31、32に電気信号を印加することで、ミラー部104に回転振動が誘起される。圧電素子31、32は圧電素子30と同様に形成可能であるため、製造工程の簡略化が可能となる。また、磁石やコイルを削減できるため、部品点数削減によるさらなる小型化が可能になる。
図5Aおよび図5Bの構成以外にも、ミラー部104にコイルパターンを形成して外部に磁石を配置することで、ムービングコイル方式の駆動によりミラー部104の回転振動を誘起する構成を採用してよい。また、図1Aないし図1C並びに図5Aおよび図5Bの構成はミラー部104を片側で支持したものであるが、ねじり梁と支持部をミラー部104の両側(上部と下部)に設けた両側支持構成が採用されてもよい。両側支持構成は、ミラー面の倒れこみを抑制できる点で有利である。
図6A、図6Bに、圧電素子30の別の構成例を示す。図6Aは同一形状の複数の圧電素子33をミラー部104の裏面に略等間隔で配置した構成を示している。複数の圧電素子33には夫々に異なる駆動電圧を駆動回路60が印加することで、ミラー面の曲率分布を作り、球面収差の補正を行うことが可能になる。つまり、圧電素子が1個だけではミラー面の曲率の変化幅が限定されてしまうが、複数個の圧電素子を採用することで自由に曲率分布を作ることができ、収差の補正が容易になる。なお、複数の圧電素子33に印加される駆動信号の振幅は異なるが、位相や周波数は同一でよい。
図6Bは同一形状の複数の圧電素子34を、ミラー面の反対側の面の端部と中央部とで異なる間隔で配置した構成を示している。複数の圧電素子34には同じ電圧を駆動回路60が印加することになるが、ミラー部104の場所によって曲げ変形量が異なる。これは、複数の圧電素子34間の間隔がミラー部104の端部と中央部とで異なっているからである。つまり、複数の圧電素子34には振幅だけでなく、位相や周波数もすべて同じ駆動信号が付与される。複数の圧電素子34を、ミラー部104の端部において密に配置し、中央部に疎に配置することで、曲率の可変範囲を大きく取りやすくなるだろう。よって、図6Aと同様にミラー面に曲率分布を作って球面収差の補正に用いることができる。このように、圧電素子33、34は、ミラー面の曲率を変化させる第2の圧電素子として機能する。
(第2の実施形態)
次に、図7を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。図7の構成は図5Aに示した構成と類似しているが、ミラー部104は、圧電素子30に電圧が印加されていない状態で予め曲率を有している点が異なる。ミラー部104に曲率を形成するための加工としては、機械的またはレーザー等の熱による曲げ加工等を採用できる。振動部材10には金属材料が用いられる。金属材料として金属ガラスを採用してもよい。金属ガラスに過冷却領域で曲げ加工を施すことで、曲率の形成と同時にミラー面を型の転写で形成することもできる。よって、反射膜20は不要となる。ミラー部104への曲率の付与は、金属材料であれば圧延と同時にローラーで付与することもできる。また、反射膜20とミラー部104の背面に配置した図示していない膜による膜応力を制御して、ミラー部104に曲率を付与してもよい。ミラー部104に曲率が付与された後で、圧電素子30は、直接成膜によって、形成されてもよい。
図8は、ミラー部104の繰り返し曲げ変形時の応力変化を説明する図である。ミラー部104が予め変形されていない場合(すなわち、圧電素子30に電圧が印加されていない状態でミラー面が平面である場合)、必要な最小の曲率を得るためのオフセット電圧を加えた上で、図3に示した第2の周波数f2と第3の周波数f3の重畳された電気信号が圧電素子30に印加される。この際に圧電素子30とミラー部104の接合面に加わる応力変化は、図8のσ1のようにオフセットするため、ミラー部104に加わる最大応力が非常に大きくなってしまう。これは、繰り返し変形に対して圧電素子30の剥離などの不良を招く可能性がある。
一方、予め曲率を付与されたミラー部104では、圧電素子30とミラー部104の接合面に加わる応力変化が、図8のσ2のように正負均等に変化するため、最大応力を相対的に下げることができる。これにより、繰り返し変形に対しても圧電素子30の剥離などの不良が発生しにくくなり、信頼性の高い光走査装置3を実現することが可能になる。このように、ねじり梁11、12と可変焦点ミラーとして機能するミラー部104の少なくとも一部を金属材料により形成し、さらに、ミラー部104のミラー面を、第1の電気信号、第2の電気信号および第3の電気信号のいずれもが発生していない状態で曲げ変形させておくことで、光走査装置の耐久性を向上させることができる。
<実施例>
次に、本発明の光走査装置を用いた画像読取装置の実施例を説明する。
(実施例1)
図9は実施例にかかる画像読取装置5を示している。光走査装置として図7に示した光走査装置3を採用しているが、光走査装置1、2のいずれが採用されてもよい。振動部材10の素材としては、Co−Ni−Cr−Mo合金のSPRON510(セイコーインスツル株式会社製)が用いられ、ワイヤーカット加工で形成されている。ミラー部104の裏面に設置される圧電素子30としては、エアロゾルディポジション法で成膜されたPZT膜が用いられている。
画像読取装置5は、レーザー光源70から出力されたレーザー光が、光走査装置3により反射されて走査面上に配置された被走査物であるバーコード90上を走査する。走査中には、ミラー部104の走査中心からバーコードまでの走査距離を、バーコード上の走査位置に応じて変化させることで、レーザー光のビームウエストが常にバーコード上に維持される。駆動回路63は、上述した第1ないし第3の駆動信号を出力する。バーコード90からの散乱光は、被走査物からの反射光であり、これを集光する集光部品である集光レンズ35を通してフォトセンサ80上に集光され、フォトセンサ80によって検出される。フォトセンサ80は、集光部品により集光された反射光を受光する受光素子として機能する。信号処理回路64は、フォトセンサ80から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、バーコード90に対応した画像信号を作成し、デコーダ65へ出力する。デコーダ65は、画像信号に基づいてバーコード90を復号する。本実施例の画像読取装置5は、本発明の光走査装置3を用いているため、幅広の高精細パターンであっても高分解能で検出が可能であり、且つ、小型化も可能である。
(実施例2)
図10Aおよび図10Bは本発明の光走査装置の実施例である。光走査装置4は、図1Aないし図1Cの構成を発展させてねじり梁101、107を両側に設けた両側支持構成を採用している。光学パターンからの戻り光を効率的に検出するための外側ミラー108を設けた。さらに、振動部材10に磁石を配置する替わりに外側ミラー108の裏面にコイルパターン56を形成し、外側ミラー108の外部に磁石52、53を設けている。つまり、光走査装置4は、ムービングコイル方式でねじり振動を誘起する構成を採用している。なお、コイルパターン56は、磁石52、53に対応して設置され、第1の周波数の電気信号を印加されて磁界を発生するコイルとして機能する。磁石52、53の着磁方向はコイルパターン56が発生する磁界と平行である。つまり、磁石52、53の着磁方向は、矢印D1の方向かまたはその反対方向であればよい。これにより、回転トルクが発生する。
外側ミラー108の表面には反射膜21が形成されており、反射率が向上している。外側ミラー108の中央には空間が設けられており、その空間にミラー部104が配置されている。ミラー部104は、4つの支持部102、103、105、106により外側ミラー108に接続されている。つまり、ミラー部104の上部には支持部105、106が接続されており、ミラー部104の下部には支持部102、103が配置されている。支持部102、103、105、106の配置位置は、ミラー部104の曲げ振動時にy軸方向に変位しない位置である。
図11に、図10Aの光走査装置4を用いた実施例である画像読取装置6を示す。レーザー光源70から発射されたレーザー光L1はミラー部104によって反射されバーコード90上を走査する。バーコード90からの散乱光L2は、外側ミラー108で反射され、集光部品である集光ミラー36に向かう。散乱光L2は、集光ミラー36で集光され、フォトセンサ80に入射する。このように、外側ミラー108は、レーザー光L1の投射方向からの散乱光L2だけを選択的に集光ミラー36へ反射するため、検出精度をより向上させることが可能になる。本実施例によれば、画像読取装置6のサイズは図9に示した画像読取装置5のサイズよりも大きくなるが、レーザー光L1のビームウエスト位置の移動による高分解能化と、方向選択的な検出による検出精度向上の相乗効果により、幅広の高精細パターンに対しても読み取り率の高い画像読取装置を実現できる。
(第2の実施形態)
次に、図12A〜図16Bを参照して、本発明の光走査装置の動作の他の例について説明する。
図12Aは本発明の光走査装置によるレーザー光走査の状態を示したものである。また、図12Bは回転振動体である振動部材10に配置されたミラー部材104の変形の様子を示したものである。この変形は、光の走査方向、及び、それに垂直な副走査方向に共通の変形である。
ミラー部材104が、圧電素子30などの圧電材に加えられた電気信号により図12BのR1が示すような曲率を持った状態であるとき、ビームウエストが走査中心からR1の距離にある投射面P1の中央に位置しているとする。ねじり梁101のねじり振動により回転振動体が回転して図12BのR1’の状態になったとき、ミラー部材104の曲率は圧電材に加えられる電気信号の変化によりR1の状態から小さくなる方向に変化する。ビームウエストは走査中心からR1’の距離にある投射面P1の右端に位置するようになる。
仮にR1の状態から曲率が変化していない場合には、ビームウエストは走査端方向にR1の位置になり、投射面P1の右端ではビーム径が拡がってしまう。走査左端も同様に、図12BのR”の状態で曲率が変化することにより、ビームウエストは投射面P1上に保持される。
このように、1回の往復走査の間に2回のミラー曲率変化を生じさせる制御、即ち、走査周波数に対して2倍の周波数を含む信号を用いたミラー曲率の制御を行ってもよい。これにより、アークサインレンズなどのレンズ光学系を使用することなく、最小スポットが形成されるビームウエスト位置をほぼ同一平面上に保持した光走査が可能になる。
図12Cは、同様に面P1よりも投射距離の長い投射面P2にビームウエストを保持するためのミラー部材104の変形状態を示したものである。図12Cでは図12Bよりも曲率が大きい状態を保持することで、ビームウエスト位置はR2→R2’→R2→R2”→R2と移動する。このように、圧電材の駆動信号の制御により、ビームウエストを保持する面を変化させることも可能である。
図13は、図12Aないし図12Cのような走査を行うための駆動信号の例である。回転振動体の回転振動を誘起する駆動回路60からの周波数f1の駆動信号に対して、ミラー部材104の曲率変形を誘起する駆動回路61からは、周波数f1の2倍の周波数f2の駆動信号にオフセット電圧ΔVを加えた信号が印加される。周波数f2の駆動信号は1走査内でビームウエストを走査面上に維持するための信号成分である。ΔVはビームウエストを保持する面を変化させるための信号成分である。ミラーを共振により回転振動させる場合には駆動信号f1とミラーの回転角の位相が90度ずれるため、回転角に合わせてミラーの曲率変形を制御するように、周波数f2の駆動信号の位相も周波数f1の駆動信号の位相からずれている。
次に、投射面に形成されるビームスポットの移動速度について説明する。光走査装置1では、ビームを走査しながら時系列データに基づいてビーム強度を変化させたり、ビーム走査時の反射光の強度変化を時系列データとして検出したりする。これにより、画像の形成や投影、光学パターンの読み取りなどを行う。その際、ビームの移動速度が大きく変化すると、画像の歪や読み取り分解能のばらつきが生じてしまう。時系列データを補正してビーム強度の変化をビームの移動速度の変化に対応させる方法や、読み取り速度を移動速度の変化に対応させる方法も考えられる。しかし、これらの方法には高価で高速の制御手段が必要となる。投射面上のビームスポットの移動はできるだけ等速であることが要求される。振動ミラーのビーム走査角はサイン波状に角度変化するが、そのうち投射面上での等速性が得られる範囲の走査角が使用されてもよい。
図14は、図12Aと同様に光走査の状態を示したものである。走査の中央を基準にして、ミラー部材104の回転振動によるビームの最大走査角をθoとする。そのうち実際に走査光が利用される有効範囲をθeffとする。走査中心から距離Lの位置にある投射面P上でθeffに相当する範囲をXeffとしている。
投射面Pを図12AのP1とすると、Xeffの位置は投射面P1の端部にあるR1’の位置に相当する。ビーム方向が角度θの方向とする。このときの、投射面P上に形成されるビームスポットの移動速度をVとし、角度θ=0の時の移動速度をVoとする。Voを基準にして、角度θに対する移動速度Vの変化率V/Voは図15Aのようになる。横軸はビームの方向を示す角度θであり、縦軸は移動速度Vの変化率V/Voである。最大走査角θoを増加させていくと図のi〜vのように角度θに対する移動速度Vが変化する。
このとき、スポット移動速度の許容誤差をΔvとすると、iiiのグラフでこの範囲内にある角度、即ち、有効走査角θeffはΘ3である。最大走査角θoを増加させたivのグラフでは有効走査角がΘ4に拡がる。しかし、さらに最大走査角を増加させたvのグラフでは有効走査角がΘ5となって、Θ4よりも狭まる。よって、Θ4よりも最大走査角θoを増加しても有効走査角θeffを拡げることはできない。
図15Bはこの最大走査角θoと有効走査角θeffの関係を示したものである。図15Bによれば、許容誤差Δvの大きさによって有効走査角θeffが最も広くなる最大走査角が異なる。
図15Cは、許容誤差Δvの大きさに対する最大の有効走査角θeffと、その有効走査角θeffを得るために必要な最大走査角θoを示している。許容誤差Δvによる差はあるが、最大の有効走査角θeffを得るには、少なくとも40度以上の最大走査角θoが必要となる。光走査装置1においては、短い投射距離で広い範囲の画像形成や読み取りを行うことが要求されることがある。よって、有効走査角θeffはできるだけ広くする。また、振動ミラーの小型化や消費電力の観点から最大走査角θeffはできるだけ狭くなってもよい。これらのことから、有効走査角θeffがピークとなる最大走査角θoで振動ミラーを動作させる。そのためには、最大走査角として走査の中央に対して±40度以上、振動ミラーの回転振動振幅として±20度以上に設定してもよい。小型の振動ミラーでこの振幅を実現するには、ミラーを支持するねじり梁101に高い強度と耐久性が必要である。たとえば、時効硬化型のCo−Ni基合金をねじり梁101の材料として用いてもよい。
次に、光走査時の投射面に投射されるビームスポット径の変化について説明する。光走査装置1において、ビームスポット径は光走査により形成や投影される画像の精細度や、光学パターン読み取りの分解能に大きく影響する。このため、有効走査領域内でのビームスポット径の変動は極力少なくしてもよい。
図16Aに投射面上の位置によるビームスポット径の変化の一例を示す。図16Aによれば、図14において投射距離L=174mmに設定し、振動ミラーの回転振動によって投射面中央Oからx軸方向へビームスポットを移動したときのビームスポット径の変化を示している。図16Aの横軸は投射面中央からの距離であり、縦軸はビームスポット径である。
図16Bには、ミラー部材104の曲率を変化させるために圧電材に印加する駆動信号の一例を示す。周波数f2の駆動信号は振動ミラーの回転振動の周波数、即ち、走査周波数f1の2倍の周波数を持つ信号である。これは、図13に示した周波数f2の駆動信号と同じ信号である。周波数f4の駆動信号は周波数f1の4倍の周波数を持つ信号である。周波数f2+f4の駆動信号は周波数f2の駆動信号と周波数f4の駆動信号を適当な比率で重畳して生成された信号である。走査面上の位置に依存したビームスポット径の変化は、走査周波数と同期したミラー変形を行わない場合には図16Aの“f2なし”のグラフに示されたものとなる。図16Aによれば、走査端に向うにしたがって急激にスポット径が増大することがわかる。
これに対して、周波数f2の駆動信号によりミラー部材104の曲率を変化させた場合のビームスポット径は、図16Aの“f2のみ”のグラフに示されたものとなる。これにより、有効走査範囲Xeff内でビームスポット径の変動を大幅に抑えることができる。さらに、周波数f2と周波数f4の駆動信号を重畳させて得られた駆動信号でミラー部材104の曲率を変化させた場合のビームスポット径は、図16Aの“f2+f4”のグラフに示されたものとなる。位置に依らずにほぼ一定のビームスポット径を得ることができる。
上に述べた等速性やビームスポット径の安定化の効果は、振動ミラーが異常振動などを生じずに安定した光走査を行うことができる場合に得られるものである。本発明の振動ミラーを用いて最大走査角を適切に設定し、かつ、走査周波数の2倍および4倍の周波数を持つ駆動信号でミラーの曲率を制御してもよい。これにより、画像の形成や投影、光学パターンの読み取りなどを高精度に行うことが可能な光走査装置を実現できる。
本実施形態の光走査装置1は、上述した実施例1の画像読取装、及び実施例2の画像読取装置に適用可能であって、上述した他の実施形態と同様の効果を有する。また、本発明は、画像形成装置や画像投影装置にも適用可能である。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
本願は、2012年4月23日提出の日本国特許出願特願2012−098229号を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

Claims (15)

  1. ねじり梁と、前記ねじり梁に支持された可変焦点ミラーとを有し、前記ねじり梁にねじり振動を生じさせて前記可変焦点ミラーにより光束の向きを可変すると共に前記可変焦点ミラーのミラー面の曲率を変化させて被走査物に対して前記可変焦点ミラーの焦点を調整しながら、前記可変焦点ミラーのミラー面から反射する光束で前記被走査物の上を走査する走査装置であって、
    第1の周波数の第1の電気信号を発生することで、前記ねじり梁にねじり振動を誘起させる第1電気信号生成部と、
    前記第1の周波数の2倍の周波数を有する第2の電気信号と、当該第1の周波数よりも低い第3の周波数の第3の電気信号とを発生することで、当該第2の電気信号による変形と当該第3の周波数の第3の電気信号による変形とを重畳させてなる曲げ振動を前記可変焦点ミラーに励起させる第2電気信号生成部と
    をさらに備えたことを特徴とする光走査装置
  2. 前記可変焦点ミラーは、前記ねじり梁と一体的に設けられたミラー部と、当該ミラー部の少なくとも一方面上に設けられた反射膜とを有することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記ねじり梁と前記可変焦点ミラーの少なくとも一部は金属材料により形成されており、
    前記可変焦点ミラーのミラー面は、前記第1の電気信号、前記第2の電気信号および前記第3の電気信号のいずれもが発生していない状態で曲げ変形していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記被走査物は平面上の物体であり、前記可変焦点ミラーにより反射された光束のビームウエストが前記被走査物の上にあるように、前記第2の電気信号と前記第3の電気信号とによって前記可変焦点ミラーのミラー面の曲率を変化させることを特徴とする請求項又はに記載の光走査装置。
  5. ねじり梁と、前記ねじり梁に支持された可変焦点ミラーとを有し、前記ねじり梁にねじり振動を生じさせて前記可変焦点ミラーにより光束の向きを可変すると共に前記可変焦点ミラーのミラー面の曲率を変化させて被走査物に対して前記可変焦点ミラーの焦点を調整しながら、前記可変焦点ミラーのミラー面から反射する光束で前記被走査物の上を走査する光走査装置であって、
    前記ねじり梁にねじり振動を生じさせるための第1の駆動信号と、前記可変焦点ミラーに曲げ変形を生じさせる第2の駆動信号とを同時に生成する駆動制御部を有し、前記駆動制御部は、前記第2の駆動信号として、前記第1の駆動信号における第1の周波数と異なる複数の周波数を重畳させた信号を生成することを特徴とする走査装置。
  6. 前記駆動制御部は、前記第2の駆動信号として、前記第1の周波数の偶数倍に相当する周波数の信号を含めて生成することを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
  7. 前記駆動制御部は、前記第2の駆動信号として、前記第1の駆動信号における第1の周波数の2倍の周波数の信号と前記第1の周波数の4倍の周波数の信号とを重畳した信号を生成することを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
  8. 前記駆動制御部は、前記第1の駆動信号を生成している間、前記第2の駆動信号を生成することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の光走査装置。
  9. 前記ねじり梁の回転軸に対して対称な2つの位置に配置され、前記可変焦点ミラーを支持する2つの支持部をさらに備えていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の光走査装置。
  10. 磁石と、
    前記磁石に対応して設置され、前記第1の周波数の第1の電気信号を印加されて磁界を発生するコイルと
    をさらに備えていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の光走査装置。
  11. 前記2つの支持部を結合する結合部材と、
    前記ねじり梁として機能する、前記結合部材から延伸した2つの梁と、
    前記2つの梁のそれぞれに設けられ、前記第1の電気信号が印加される第1の圧電素子と
    をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
  12. 前記可変焦点ミラーにおいてミラー面の反対側の面に配置され、前記第2の電気信号と前記第3の電気信号が印加されることで、当該ミラー面の曲率を変化させる第2の圧電素子と
    をさらに備えていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の光走査装置。
  13. 前記第2の圧電素子は、略等間隔で配置された複数の圧電素子であることを特徴とする請求項12に記載の光走査装置。
  14. 前記第2の圧電素子は、前記可変焦点ミラーにおいてミラー面の反対側の面の端部と中央部とでそれぞれ異なる間隔で配置された複数の圧電素子であることを特徴とする請求項12に記載の光走査装置。
  15. 光束を出力する光源と、
    前記光源から出力された前記光束を被走査物に向けて可変する、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の光走査装置と、
    前記被走査物からの反射光を集光する集光部品と、
    前記集光部品により集光された反射光を受光する受光素子と
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
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