JP5952383B2 - 低ガラス転移温度を有するフルオロポリエーテルエラストマー組成物 - Google Patents

低ガラス転移温度を有するフルオロポリエーテルエラストマー組成物 Download PDF

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Description

本開示は、低ガラス転移温度を有するフッ素化エラストマーを製造するためのラジカル硬化性フルオロポリエーテル組成物、低ガラス転移温度を有するフッ素化ポリエーテルエラストマー、それを製造する方法、及びそれを含有する物品に関する。
フルオロエラストマーは、広い温度範囲にわたってそのエラストマー特性を保持し、且つ熱、化学物質、及び燃料に対する高い耐性を有するので、産業において広く用いられている。例えば、フルオロエラストマーは、燃料に対する耐性が望まれる自動車又は航空機産業において用いられている。また、フルオロエラストマーは、化学的な加工処理、並びに油及びガス用途でも利用される。多くの用途において、フルオロエラストマーは、非常に低温でそのエラストマー特性を保持することが望ましい。一部の用途では、材料を長期間−40℃未満、又は更には−100℃未満の温度に曝露しなければならない。
高い化学物質及び温度耐性、並びに優れた機械的特性を有するフルオロエラストマーは、例えば、欧州特許第1 829 905 B1号に記載の通り、フッ化ビニリデン及び/又はテトラフルオロエチレンとペルフルオロビニルエーテルとのコポリマー、並びに硬化部位モノマーを含む系を硬化させることによって調製することができる。約−30℃のガラス転移温度を有する材料が、欧州特許第1 829 905号に記載されている。しかし、ペルフルオロビニルエーテルモノマーは、かなり高価な材料である。
異なるアプローチが、米国特許第6,160,051号に記載されている。別のフッ素化モノマー、硬化部位モノマーの存在下で、更にジヨードペルフルオロポリエーテルの存在下で、フッ化ビニリデンを共重合させてブロックコポリマーを形成することによって、低ガラス転移温度を有するフルオロエラストマー(−40℃もの低い範囲のTR−10温度)が得られた。得られたブロックコポリマーを硬化させて、低温フルオロエラストマーが得られた。
以下に、
a)約400g/モルから約25,000g/モル以下の分子量を有し、且つ(−CO−)、(−CO−)、(−CO−)、(−CFO−)、又はこれらの組み合わせから選択される部分を含有する少なくとも1つの官能化フルオロポリエーテルであって、ラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性である少なくとも1つの官能基を末端位置、又は前記末端位置に隣接する位置に含有するように官能化されたフルオロポリエーテルと、
b)少なくとも1つのラジカル発生化合物を含む少なくとも1つのラジカル硬化系と、
を含む硬化性組成物を提供する。
別の態様では、上記硬化性組成物を硬化させることによって得られる硬化フルオロエラストマーを含む組成物を提供する。
更に別の態様では、−40℃未満のガラス転移温度を有するフルオロエラストマーを含む組成物を製造する方法であって、
i.上記の通り硬化性組成物を提供することと、
ii.前記硬化性組成物をラジカル硬化反応に供することと、
を含む方法を提供する。
更なる態様では、上記硬化性組成物を射出成形又は圧縮成形することによって得られる成形物品を提供する。
本開示の実施形態を詳細に説明するのに先立ち、その適用に際して本開示は以下の説明文に記載される組成物の細部及び要素の配置に限定されないことが、理解されなければならない。本発明には他の実施形態が可能であり、本発明は様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用する語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、発明を限定するものとして見なされるべきでない点は理解されるべきである。「からなる」の使用とは対照的に、本願における「包含する」、「含有する」、「含む」、又は「有する」及びその変化形の使用は広い範囲を意味し、これらの語の後に列記される要素及びその同等物に加えて更なる要素を網羅することを意味する。「からなる」という言葉は、限定された範囲を意味し、これらの語の後に列挙される要素及びその同等物のみを包含するが、任意の追加の要素は含まないことを意味する。用語「から基本的になる」は、その下の記述により定義される意味を有する。
「a」又は「an」の使用は、「1以上」を包含することを意味する。本明細書において記載される全ての数値範囲は、その範囲の下限値から上限値までの全ての値を含むものとする。例えば、1%〜50%の濃度範囲は略記であり、例えば、2%、40%、10%、30%、1.5%、3.9%等の1%〜50%の値を明確に開示するものとする。
低温用途に好適なフルオロエラストマーは、このような低い適用温度に近いか又はそれよりも低いガラス転移温度を有するが、その理由は、ガラス転移温度よりも低いポリマー相がポリマーの可撓性又はエラストマー特性を保証するためである。したがって、−40℃未満又は−120℃以下のガラス転移温度を有するフルオロエラストマーを提供することが望まれている。
−40℃未満のガラス転移温度を有するフルオロエラストマーは、ラジカル硬化系における官能化ペルフルオロポリエーテルを架橋してペルフルオロポリエーテルエラストマーを生成することによって調製できることが今では判明している。ペルフルオロポリエーテルエラストマーは、低温用途のための成形物品、例えば、シールの製造に好適である。
以下では、硬化させてフルオロエラストマーを含む組成物を製造することができる硬化性フルオロポリマー組成物を提供する。このようなフルオロエラストマー組成物は、低ガラス転移温度を有する。前記組成物は、成形物品の調製において用いられるのに十分な機械的強度を有する。フルオロエラストマーのガラス転移温度が低いことにより、低温で可撓性を保持する成形物品を調製することができる。フルオロエラストマーは、ラジカル硬化反応においてフルオロポリエーテルを硬化させることによって調製される。フルオロポリエーテルは、フルオロポリエーテルを架橋させてエラストマー材料を提供するために、ラジカル硬化反応において反応性である官能基を有するように官能化される。ラジカル硬化反応では、ラジカル発生化合物によってフリーラジカルが発生する。フリーラジカルは、典型的に、熱又は化学線等の放射線の影響下で、又はレドックス反応の結果として発生する。ラジカル発生化合物は、典型的に、硬化系の一部である。また、硬化系は、硬化助剤(co-agent)を更に含有してよく、前記硬化助剤は、硬化発生化合物及びフルオロポリエーテルの官能基と相互作用することができる。
得られる硬化生成物は、ラジカル架橋反応の結果として互いに結合しているフルオロポリエーテルセグメントを含有する。したがって、得られる硬化生成物は、典型的に主成分としてフルオロポリエーテルセグメントを含有するので、フルオロポリエーテルエラストマーとも呼ばれる。
ラジカル硬化エラストマーは、化学的組成が異なる硬化系によって作製されるエラストマーとは異なる。別の硬化系、例えば、アンモニアを含む系は、トリアジン基を含有するポリマーを導く場合がある。したがって、ラジカル硬化エラストマーは、トリアジン又はトリアジン基を含まない場合がある。トリアジン基は、例えば、(50μmの薄いポリマーサンプルを用いて)FT−IR分析において1550〜1560cm−1における強い吸収ピークによって検出することができる。このような波長のIRバンドが存在しないことは、トリアジン基が存在しないことの指標である。
次に、成分及び方法をより詳細に記載する。
フルオロポリエーテル
好適なフルオロポリエーテルは、(−CO−)、(−CO−)、(−CO−)、(−CFO−)又はこれらの組み合わせから選択されるペルフルオロアルキレンオキソ部分を含有する化合物である。例としては、以下のようなペルフルオロアルキレンオキソ基の組み合わせが挙げられる:(−CO−)及び(−CFO−);
(−CO−)、(−CO−)及び(−CFO−);(−CO−)及び(−CO−);(−CO−)及び(−CO−)。これらユニットは、ランダムな順序で存在してよい。
フルオロポリエーテルは、直鎖骨格を有してもよく、分岐していてもよい(この場合、骨格は、側鎖を含んでよい)。側鎖は、例えば、フルオロポリエーテルが直鎖(−CO−)又は(−CO−)ユニットではなく分枝状(−CO−)又は(−CO−)ユニットを含有する場合に存在し得る。
フルオロポリエーテルは、官能化され、これは、少なくとも1つの官能基を含有することを意味する。官能基は、ラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性である。これは、ラジカル硬化反応において、すなわち、硬化剤の活性化後に、フルオロポリエーテル間で結合を形成させることができることを意味する。このような官能基の例としては、以下が挙げられる:
(i)ヨウ素、臭素、及び塩素から選択されるハロゲン、好ましくはヨウ素。
(ii)連結基、すなわち、ハロゲンとフルオロポリエーテルのペルフルオロアルキレンオキソ部分とを連結する基を含有するハロゲン。典型的に、連結基は、1〜10個の炭素原子を含有する。例としては、1〜10個の炭素原子を有するアルキルハロゲンが挙げられる。アルキルハロゲンは、フッ素化されていなくてもよく、フッ素化されていてもよく、全フッ素化されていてもよい。これらは、更に、酸素又は窒素原子、及びハロゲンを更に含有してもよく、含有しなくてもよい。ハロゲン含有連結基は、上記(i)に定義した通り1以上のハロゲンを含有し得る。
(iii)ニトリル基。
(iv)ニトリル炭素に加えて1〜10個の炭素原子を含有するニトリル含有連結基。ニトリル含有連結基は、アルキルニトリルであってよい。アルキルニトリルは、フッ素化されていなくてもよく、フッ素化されていてもよく、全フッ素化されていてもよい。また、これらは、酸素又は窒素原子、好ましくは、カテナリー酸素又は窒素原子、すなわち、炭素−炭素鎖を中断する原子を含有してよい。連結基は、1以上のニトリル基を含有してよい。
(v)一般式−Z−CW=CWのエチレン性不飽和基(式中、Wは、独立して、H、Cl、F、又はCFを表し、Zは、化学結合、あるいは任意でフッ素、塩素、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの組み合わせを含有する1〜10個の炭素原子のアルキル基を表し、例えば、−CHO−、−CHOC(O)−、−CH−O−NHC(O)−、−CHCHOC(O)−、ペルフルオロアルキレンオキソ(例えば、−CF−)等であるが、ただし、少なくとも1つのW、好ましくは2つのWがHを表す)。
また、フルオロポリエーテルは、異なる官能基の組合せ、例えば、官能基(i)及び(ii)、又は(i)及び(iii)、(i)及び(iv)、(i)及び(v)、(ii)及び(iii)、(ii)及び(iv)、(ii)及び(v)、(iii)及び(iv)、(iii)及び(v)、又は(iv)及び(v)の組み合わせを含有してよい。好ましい実施形態では、官能基は、同じ種類である、例えば、官能基は、全てハロゲンであるか、又は全て不飽和ユニットである。
少なくとも1つの(好ましくは大部分又は全ての)官能基は、フルオロポリエーテルの末端位置、又は前記末端位置に隣接する位置に位置する。用語「末端位置」は、本明細書で使用するとき、骨格の末端位置を包含するが、非直鎖フルオロポリエーテルの場合、側鎖の末端位置を含んでもよい。
好ましくは、フルオロポリエーテルは、2以上の官能基を含有し、すなわち、フルオロポリエーテルは、好ましくは、二官能性、三官能性、又は多官能性である。
好ましい実施形態では、フルオロポリエーテルは、全フッ素化される。以上及び以下の本明細書で使用するとき、用語「全フッ素化」は、全ての水素原子がフッ素原子によって置換されている有機基又は有機化合物を意味する。しかし、全フッ素化基又は化合物は、例えば、窒素原子、酸素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等のフッ素及び炭素原子以外の原子を更に含有してもよい。例えば、FC−又はFC−O−は、それぞれ、全フッ素化メチル又は全フッ素化メトキシ基である。全フッ素化基又は化合物とは対照的に、全ての水素原子が置換されている訳ではない基又は化合物を、本明細書では、「部分フッ素化」基又は化合物と呼ぶ。例えば、FHC−又はFHC−O−基は、それぞれ、部分フッ素化メチル又はメトキシ基である。全フッ素化ポリエーテルの場合、連結基が存在する場合、連結基も全フッ素化される。
好ましくは、フルオロポリエーテルは、(−CFO−)、(−CO−)、(−CO−)又は(−CO−)から選択されるユニット、あるいは(−CFO−)、(−CO−)、(−CO−)及び(−CO−)ユニットのうちの1以上の組み合わせから本質的になる。本明細書において使用されるとき、用語「本質的になる」は、少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90モル%の前述の単位を含有する化合物を意味する。
骨格の残りは、好ましくは、官能基、及び前記官能基と上記ペルフルオロアルキレンオキソ基とを連結する残基を含む。
フッ素化フルオロポリエーテルの典型例としては、以下の一般式によって表されるものが挙げられる:
X−A−Y
(式中、X及びYは、上記の通りラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性である同じ又は異なる官能基であり、Aは、(−CO−)、(−CO−)、(−CO−)、(−CFO−)又はこれらの組み合わせから選択されるペルフルオロアルキレンオキソ基を含むか又はからなるフルオロポリエーテルセグメントを意味する。)。
官能化フルオロポリエーテルの具体例は、以下の式によって表すことができる:
XCFO(CFO)(CO)(CO)(CO)CF
(式中、X及びYは、互いに独立して、上記の通りラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性である官能基でを表す。w、x、y、及びzは、互いに独立して、0〜30の整数であるが、ただし、w+x+y+zは、少なくとも6であり、前記ペルフルオロアルキレンオキソユニットは、ランダムに配置され得る。)。好ましくは、X及びYは、独立して、ハロゲン又は1〜10個の炭素原子を有するアルキルハロゲンを表す。好ましいハロゲンは、ヨウ素である。
好ましくは、ポリエーテルユニットAは、(−(CFO−)、
(−(CFO−)、(−CFO−)又はこれらの組み合わせ、例えば、(−(CFO−)及び
(−(CFO−)ユニットの組み合わせ;(−(CFO−)、(−(CFO−)及び(−CFO−)ユニットの組み合わせ、(−(CFO−)及び(−CFO−)ユニットの組み合わせ;(−(CFO−)及び(−CFO−)ユニットの組み合わせから選択されるユニットを含む。
1つの実施形態では、フルオロポリエーテルは、以下の式によって表すことができる:
XCFO(−(CF)O−)(−(CFO−)(−CFO−)CF
(式中、x及びyは、互いに独立して、2〜12の整数であり、zは、0〜12の整数であり、(−CFO−)及び(−(CFO−)ユニット、並びに(−(CFO−)ユニットは、存在する場合、ランダムに配置され得、X及びYは、上記の通り同じ又は異なる官能基である)。好ましくは、X及びYは、上記の通りヨウ素又は不飽和基である。
フルオロポリエーテルは、典型的に、(周囲条件、すなわち、25℃及び約1bar(0.1MPa)で)液体である。また、これらは、低分子量である。フルオロポリエーテルは、一般的に、25,000g/モル以下、又は約15,000g/モル以下、典型的には、約400g/モル〜約15,000g/モル、約1,200〜約14,900、好ましくは、約450〜9,000g/モルの分子量を有する。フルオロポリエーテルは、混合物であってもよく、上記分子量は、混合物の重量平均分子量(例えば、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定することができる場合)であってよい。また、フルオロポリエーテルとペルフルオロポリエーテルとの混合物を用いてもよい。混合物を用いる場合、二官能性又は多官能性の成分の重量パーセントは、75%よりも高いことが好ましい。
上記フルオロポリエーテル及びその合成は公知である。例えば、−CFCFO−ユニットのブロックを特徴とする骨格を有するペルフルオロポリエーテルは、米国特許第3,125,599号に記載の通り、テトラフルオロエチレンエポキシドから作製することができる。酸素をテトラフルオロエチレンと反応させて製造する他の物は、−CFO−の反復ユニット(例えば、米国特許第3,392,097号を参照)から製造される骨格を特徴とする。−CFO−及び−CF(CF)O−ユニットと組み合わせた、−CO−ユニットの骨格を有するペルフルオロポリエーテルは、例えば、米国特許第3,699,145号に述べられている。更に、ペルフルオロポリエーテルの有用な例として、米国特許第3,810,874号に開示されているような、−CFO−及び−CFCFO−の反復ユニットの骨格を有するものが挙げられる。また、ペルフルオロポリエーテルは、例えば米国特許第4,647,413号及び同第3,250,808号に記載されているように、重合開始剤としてジカルボン酸フッ化物を用いるHFPOの重合によっても得ることができる。HFPOに由来するペルフルオロポリエーテルは、分枝鎖ペルフルオロアルキル基を含み、ユニット(−CO−)のうちの少なくとも1つが直鎖ではなく、例えば、(−CO−)は、−CF−CF(CF)−O−ユニットである。HFPOに由来するペルフルオロポリエーテルはまた、例えば、KRYTOXの商品名でDuPont de Nemoursから市販されている。官能化したフルオロポリエーテルを含むフルオロポリエーテル、特に、直鎖型は、市販されており、例えばFOMBLIN,FOMBLIN Z DEALの商品名でSolvay Solexisから、DEMNUMの商品名でDaikinから市販されている。官能化フルオロポリエーテルを、上記の通り官能基を含有するフルオロポリエーテルに変換することは、有機合成の公知の方法によって実施することができる。
例えば、ニトリル官能基を有するフルオロポリエーテルは、例えば、米国特許第3,810,874号、又は同第4,647,413号、又は同第5,545,693号に記載のように、対応する前駆体ペルフルオロポリエーテルから得ることができる。合成のためには、前駆体ペルフルオロポリエーテルは、典型的には酸フッ化物末端基を有する。これらの酸フッ化物末端基は、適切なアルコール(メタノール等)との反応により、エステルに変換することができる。エステルは、その後、アンモニアとの反応によりアミドに変換することができる。次いで、ピリジン及びトリフルオロ酢酸無水物を使用して、適切な溶媒(DMF等)の中で、アミドを脱水しニトリルにすることができる。あるいは、P又はPClのような他の試薬を用いてアミドを脱水してもよい。
ハロゲン官能基を有するフルオロポリエーテルは、例えば、米国特許第5,288,376号又はJournal of Fluorine Chemistry 126,(2005),45〜51に記載の通り、フルオロポリエーテルカルボニルフルオリドとヨウ化カリウム(KI)又はヨウ化リチウム(LiI)とのハロゲン交換反応から得ることができる。
エチレン性不飽和基を有するフルオロポリエーテルは、例えば、米国特許第3,810,874号に記載の方法を用いて、フルオロポリエーテルエステルとアリルアミン、ジアリルアミン、又は2−アミノエチルビニルエーテルとの反応から得ることができる。他の調製としては、米国特許第5,453,549号に記載のようなフルオロポリエーテルの脱ハロゲン化が挙げられる。アクリル官能基を有するフルオロポリエーテルは、三級アミン、例えば、トリエチルアミンの存在下で、塩化アクリロイルと反応した後、対応するアルコールから得ることができる。
射出成形加工を用いることができたり、射出成形のコストを低減できたりするので、液体組成物をフルオロエラストマーの製造に用いることができる点が本発明の利点である。粘度は、よりペーストに近い稠度を生み出すために充填剤を添加することによって、便利に適応させることができる。
フルオロポリエーテルは、好ましくは、硬化性組成物の重量に基づいて、少なくとも30重量%の量で存在する。典型的な量としては、硬化性組成物の総重量に基づいて、少なくとも35重量%又は少なくとも40重量%、好ましくは、少なくとも50重量%又は少なくとも70重量%が挙げられる。硬化性組成物は、硬化系と同時に、充填剤又は他の添加剤等の他の成分を含有してもよい。
特定の実施形態では、硬化性組成物は、1以上の固体フルオロポリマーを更に含有する。典型的に、フルオロポリマーを、フルオロポリエーテルとブレンドしてもよい。フルオロポリマーの添加は、得られるエラストマー組成物の引張り強度又は硬度等の機械的特性を高めることができるが、得られるフルオロポリエーテルセグメントを含有するエラストマーのガラス転移温度は低いままである。フルオロポリマーは、充填剤として添加してもよい。しかし、特定の実施形態では、フルオロポリマーは、ラジカル硬化系に対して反応性であり、且つフルオロポリエーテルと架橋する。好適な反応性フルオロポリマーについて以下に記載する。
反応性フルオロポリマー
好適なフルオロポリマーとしては、少なくとも1つのフッ素化オレフィン、好ましくは全フッ素化オレフィンに由来する反復ユニットを含み、更に、ラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性である少なくとも1つの官能基を含むものが挙げられる。有用なフルオロポリマーは、典型的に、25℃未満のガラス転移温度を有する。好ましくは、フルオロポリマーは、非晶質、すなわち、非結晶質である。典型的には、最高3℃にわたる別個の融点ではなく、少なくとも5℃にわたる融解範囲を有する。好適な全フッ素化オレフィンとしては、式CF=CY−R(式中、Yは、F、Cl、又はCFであり、Rfは、フッ素又はC1〜C8フルオロアルキルである)によって表されるものが挙げられる。好適なオレフィンの例としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、及びクロロトリフルオロエチレン(CTFE)が挙げられる。特に好ましいオレフィンとしては、TFEが挙げられる。好ましくは、フルオロポリマーは、TFEに由来するか、又はTFE及びHFPに由来する反復ユニットを主に含む。「主に」とは、これらモノマーに由来する反復ユニットがポリマーの主成分(重量による)であることを意味する。
フルオロポリマーは、1以上の全フッ素化ビニル又はアリルエーテルに由来する共重合ユニットを更に含んでもよい。好適な全フッ素化エーテルとしては、例えば、CF=CF(CFOCF、CF=CCF(CFOCFOCF、CF=CF(CFOCFOCFCF、CF=CF(CFOCFOCFCFCFOCF、CF=CF(CF−OCFCFOCF、CF=CF(CF−OCFCFCFOCF、CF=CF(CF−OCFCFCF、CF=CF(CF−OCFCF(CF)OCFCFCF、及びCF=CF(CFOCFCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF、CF=CF(CFOCF OCFOCF(式中、nは1(アリルエーテルの場合)又は0(ビニルエーテルの場合)を表す)が挙げられる。
組み込まれるビニル又はアリルエーテルのエーテル基は、フルオロポリマーの側鎖に位置する。これらは、典型的には、ポリマー骨格の一部ではない。
フルオロポリマーは、非全フッ素化モノマーであるモノマーに由来する反復ユニット、例えば、部分フッ素化オレフィン又は非フッ素化オレフィンを任意で含んでよい。好適なモノマーとしては、式CY’=CY’−R(式中、各Y’は、独立して、H、F又はClを表し、Rは、H、F、又はC1〜C12、好ましくはC1〜C3アルキル基であるが、ただし、少なくとも1つのY’はFではない)のものが挙げられる。
部分フッ素化モノマーの好適な例としては、フッ化ビニリデン(VDF)が挙げられる。非フッ素化水素含有モノマーの好適な例としては、炭化水素オレフィン、例えば、エテン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等が挙げられる。
上述の任意のモノマーの組み合わせを用いてもよい。
好ましい実施形態では、フルオロポリマーは、全フッ素化され、これは、全フッ素化モノマーのみに由来することを意味する。
フルオロポリマーは、更に、ラジカル条件下、すなわち、フリーラジカルの存在下で反応することができる少なくとも1つの官能基を含む。官能基は、ラジカル条件下で助剤の官能基、及び/又はフルオロポリエーテルの官能基と反応し得るように選択される。
好適な官能基としては、ハロゲン原子及びニトリルが挙げられる。ラジカル反応に関与し得るハロゲンは、塩素、臭素、又はヨウ素であってよい。好ましくは、ハロゲンはヨウ素である。
ラジカル反応に関与し得る官能基は、骨格鎖の末端位置に位置してもよいが、ポリマー鎖に沿って分布してもよい。
ラジカル反応に関与することができるハロゲンは、少なくともI又はBr原子を含有する連鎖移動剤を重合中に使用することにより、ポリマー鎖の末端位置に導入され得る。連鎖移動剤は、成長するポリマー鎖と反応し、連鎖成長を停止させることができる化合物である。好適な連鎖移動剤の例としては、式R(式中、Xは、Cl、Br、又はIであり、好ましくは、Iであり、Rfは、1〜12個の炭素原子を有するp価のフルオロアルキルラジカル又はペルフルオロアルキルラジカルであり、これは、任意で塩素原子を含有してもよい)を有するものが挙げられる。典型的に、pは1又は2である。具体例としては、CFBr、Br(CFBr、Br(CFBr、CFClBr、CFCFBr CFBr、I(CFI、I(CFIが挙げられる。連鎖移動剤の更なる例としては、ジヨードアルカン等の非フッ素化連鎖移動剤が挙げられ、特に、α,ω−ジヨードアルカン、ヨード−ブロモアルカン、ジブロモアルカン等である。具体例としては、ヨードメタン、ジヨードメタン、ジブロモメタン、及びα,ω−ヨードペルフルオロアルカンが挙げられる。
適切に官能化された連鎖移動剤に加えて、ハロゲン原子は、好適な酸化還元反応開始剤系を使用して末端位置に導入され得る。有用な反応開始剤系の例としては、ラジカル開始剤、及び
X(CFSOM(式中、n=1〜10であり(式中、Xは、Cl、Br又はIである)、Mは、例えばNa等の一価金属を表す)等であるがこれらに限定されないハロゲン化塩が挙げられる。更に、開始及び/又は重合は、フッ素化ポリマーの末端炭素原子にハロゲン化物を導入するために、例えば、臭化カリウム、臭化アンモニウム、及びヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウム等を含む、金属ハロゲン化物又はハロゲン化アンモニウム等のハロゲン化物塩の存在下で実施されてもよい。
末端位置の官能基に加えて、官能基は、例えば、硬化部位モノマーとしても知られている好適なモノマーを組み込むことによって、ポリマー鎖に沿って分布してもよい。硬化部位モノマーは、ラジカル条件下、すなわち、ラジカル発生化合物の存在下で反応する1以上の官能基を含有するモノマーである。
有用な硬化部位モノマーとしては、例えば、以下が挙げられる:
(a)以下の式を有するブロモ−又はヨード−又はクロロ−(ペル)フルオロアルキル−(ペル)フルオロビニルエーテル:
ZRf−O−CX=CX
(式中、各Xは、同じであっても異なっていてもよく、且つH又はFを表し、Zは、Cl、Br又はIであり、Rfは、任意に塩素及び/又はエーテル酸素原子を含有する(ペル)フルオロアルキレンC1〜C12である)。
好適な例としては、ZCF−O−CF=CF、ZCFCF−O−CF=CF、ZCFCFCF−O−CF=CF、CFCFZCF−O−CF=CF(式中、Zは、Br、I、又はClを表す)が挙げられる;及び
(b)例えば、以下の式を有するもの等のブロモ−又はヨード−又はクロロ−ペルフルオロオレフィン:
Z’−(Rf’)r−CX=CX
(式中、各Xは、独立してH又はFを表し、Z’はBr、I、又はClであり、Rf’は、任意に塩素原子を含有するペルフルオロアルキレンC1〜C12であり、rは0又は1である)。
例としては、ブロモ−又はヨード−トリフルオロエタン、4−ブロモ−ペルフルオロブテン−1、4−ヨードペルフルオロブテン−1、又はブロモ−若しくはヨード−フルオロオレフィン、例えば、1−ヨード,2,2−ジフルオロエテン、1−ブロモ−2,2−ジフルオロエテン、4−ヨード−3,3,4,4,−テトラフルオロブテン−1及び4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1が挙げられる;
(c)非フッ素化ブロモ及びヨード−オレフィン、例えば、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、4−ブロモ−1−ブテン、及び4−ヨード−1−ブテン。
更なる好適な官能基としては、ニトリルが挙げられる。ニトリルは、ニトリル含有モノマーを用いることによって、ポリマーに導入され得る。用いることができるニトリル含有モノマーの例としては、以下が挙げられる:CF=CF−CF−O−Rf−CN;
CF=CFO(CFCN;CF=CFO[CFCF(CF)O](CFOCF(CF)CN及び
CF=CF[O CFCF(CF)]O(CFCN
(式中、rは2〜12の整数を表し、pは0〜4の整数を表し、kは1又は2を表し、vは0〜6の整数を表し、uは1〜6の整数を表し、Rfは、ペルフルオロアルキレン又は二価ペルフルオロエーテル基である)。
ニトリル含有フッ素化モノマーの具体的な例としては、ペルフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、及びCF=CFO(CFCN、及びCF=CFO(CFOCF(CF)CNが挙げられる。
有用なフルオロポリマーは、典型的に、1〜150ユニット、好適には1〜100ユニットのムーニー粘度(121℃においてML1+10)を有する。ムーニー粘度は、例えば、ASTM D−1646により決定され得る。フルオロポリマーは、単峰性又は二峰性又は多峰性の重量分布を有してよい。
フルオロポリマー中の官能基含有モノマーの量は、好ましくは、少なくとも約0.001モル%、より好ましくは少なくとも約0.01モル%の範囲である。フルオロポリマー中の官能基含有モノマーの量は、好ましくは、0超から約5モル%未満、より好ましくは約3モル%未満の範囲である。
特に好適なフルオロポリマーは、TFE系フルオロエラストマーである。具体的には、それは、少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも30モル%の、テトラフルオロエチレンに由来する反復ユニットを含んでよい。更に、それは、少なくとも1つの全フッ素化ビニルエーテル及びハロゲン含有モノマー、好ましくは、全フッ素化ヨウ素含有モノマーを含んでよい。
このようなコポリマーでは、共重合化全フッ素化ビニルエーテルユニットは、ポリマー中に存在する全モノマーユニットの約1〜約50モル%(より好ましくは、10〜40モル%)を占める。
フルオロポリマーは、モノマー単独のフリーラジカル重合によって、あるいは有機溶媒又は水中の溶液、エマルション、又は分散液として調製することができる。
水性エマルション又は懸濁液における重合が好ましいことが多い。その理由は、モノマーが急速且つほぼ完全に変換され、重合の熱の除去が容易であり、ポリマーの単離の準備が整っているためである。乳化又は懸濁重合は、典型的に、過硫酸アンモニウム(APS)又は過マンガン酸カリウム等の無機フリーラジカル開始剤系、及び界面活性剤又は懸濁剤の存在下で、水性媒体中でモノマーを重合させることを含む。
水性乳化重合は、例えば、生じるエマルション又は懸濁液を連続的に除去しながら、モノマー、水、界面活性剤、バッファ、及び触媒が、最適な圧力及び温度条件下で撹拌反応器に連続的に供給される定常状態条件下で連続的に実施してよい(例えば、米国特許第5,789,489号に記載の通り)。
別の技術としては、バッチ又は半バッチ重合が挙げられる。この種の重合は、成分を攪拌反応器に供給し、それらを設定温度で一定時間反応させるか、又は成分を反応器内に充填し、所望量のポリマーが形成されるまで一定圧力を維持するように、モノマーを反応器に供給することを含む。
フルオロポリマーは、典型的に、フルオロポリエーテルよりも高い分子量を有する。典型的に、フルオロポリマーは、少なくとも25,000g/モル又は少なくとも50,000g/モルの重量平均分子量を有する。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー等の標準的な方法によって求めることができる。
フルオロポリエーテルのフルオロポリマーに対する重量比は、2:3〜1:0で変動し得る。最小限の量のフルオロポリエーテルは、典型的に、硬化性組成物の総重量に基づいて少なくとも30重量%である。反応性フルオロポリマーの存在は必要なく、その量は0であってもよい。
典型的に、フルオロポリマーは、室温で固体であり、これは、注ぐことができないことを意味する。「注ぐことができる」とは、本明細書で使用するとき、10gのサンプルのうちの少なくとも1gが、周囲条件(1bar(0.1MPa)、25℃)において、ある容器から別の容器に10分間で注がれ得ることを意味する。したがって、注ぐことができないとは、10gのサンプルのうちの0g又は1g未満しか、特定の期間内に他の容器に注ぐことができないことを意味する。
硬化系
ラジカル硬化反応のための硬化系は、少なくとも1つのラジカル発生化合物を含む。有用なラジカル発生化合物は、ペルオキシドを含有するか又は発生させ、これは、次いで、活性化の際にフリーラジカルを生じさせると考えられる。活性化は、好ましくは、熱の印加によって行われる。ジアルキルペルオキシド又はビス(ジアルキル)ペルオキシド等の有機ペルオキシドが好ましい。50℃超の温度で分解してフリーラジカルを生じさせる化合物が特に好ましい。多くの場合、ペルオキシ酸素原子に結合した三級炭素原子を有するジtert−ブチルペルオキシドを使用することが好ましい。この種のペルオキシドで最も有用なものは、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンである。他のペルオキシドは、ジクミルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、過安息香酸第3ブチル、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、及びジ[1,3−ジメチル−3−(tert−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネート等であるがこれらに限定されない化合物から選択することができる。
一般的に、フルオロポリエーテル100部当たり約2〜10部のペルオキシドを用いてよい。
望ましい場合、ニトリル官能基を有する硬化フルオロポリエーテルの架橋密度は、ラジカル架橋に加えてトリアジン基の形成を通じて架橋を引き起こす更なる架橋剤を添加することによって増加し得る。このような架橋剤の有用な例としては、テトラフェニルスズSn(Ph)及びペルフルオロセバカミジンが挙げられる。
異なるラジカル発生化合物の組み合わせを用いてもよい。
更に、硬化系は、少なくとも1つの助剤を含んでもよい。
助剤は、架橋を提供するために、ラジカル条件下でフルオロポリエーテルの官能基及び任意のフルオロポリマーの官能基と反応することができる少なくとも2つの官能基を含む。好適な官能基としては、ハロゲン及びエチレン性不飽和基が挙げられる。好ましい実施形態では、助剤は、架橋の形成下でラジカル発生化合物の存在下で、フルオロポリエーテル及び任意のフルオロポリマーの官能基と反応することができる多価不飽和化合物を含む。
更に有用な助剤としては、例えば、ジビニルペルフルオロヘキサン等のフッ素化オレフィン、又はCBr又は四臭化ペンタエリスリトール等の三若しくは四ハロゲン化化合物等の多ハロゲン化有機化合物が挙げられる。
有用な助剤の例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルトリメリテート、トリ(メチルアリル)イソシアヌレート、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリル−ホスファイト、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホラミド、N,N,N’,N’−テトラアルキルテトラフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド(tetraallyl inalonamide)、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリル−フタレート、及びトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい助剤は、トリアリルイソシアヌレートである。
助剤は、典型的に、フルオロポリエーテル100部当たり1〜20部、好ましくはフルオロポリエーテル100部当たり4〜16部の量で存在し得る。
助剤は、そのまま添加してもよく、担体上に存在してもよい。担体の典型的な例は、シリカである。
助剤の官能基は、フルオロポリエーテルの官能基と同じではないことが好ましい、すなわち、ハロゲン又はニトリル含有フルオロポリエーテルと組み合わせて多価不飽和基を有する助剤を用いることが好ましく、逆もまた同様である。別の実施形態では、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するフルオロポリエーテルを用いる場合、ハロゲンを含む少なくとも2つの官能基を有する助剤を用いることが好ましい。このような組み合わせは、より有効な又はより優れた架橋をもたらすと考えられる。
充填剤
好ましくは、硬化性フルオロポリエーテル組成物は、更に、少なくとも1つの充填剤を含む。好ましくは、充填剤は、組成物を硬化させる前に添加される。硬化性フルオロポリエーテル組成物は、典型的に、液体又はペーストである。1つの態様では、充填剤は、粘度を上昇させて、ペースト様稠度を得るために添加してよい。ペースト様稠度は、典型的に、25℃で2,000〜50,000センチポアズのブルックフィールド粘度を有する。
別の態様では、液体フルオロポリエーテルと固体フルオロポリマーとのブレンドを用いる場合、充填剤は、フルオロポリマーとフルオロポリエーテルとの混合を促進するために用いてよい。フルオロポリエーテルは、予め充填剤に分散させてもよい。予め分散させたフルオロポリエーテルは、次いで、フルオロポリマーにより容易に分散及びブレンドされ得る。
また、充填剤は、硬化フルオロエラストマー組成物のレオロジー特性を改変又は適合させるために用いてよい。
充填剤は典型的には粒子である。粒子は球状又は非球状であってよい。これらはロッド又は繊維であってよい。典型的には、充填剤はマイクロサイズの材料である。典型的に、充填剤は、約500nm又は0.05μmから約5,000μm以下、約1,000μm以下、又は約500μm以下の長さ又は直径である少なくとも1つの寸法を有する。充填剤、特に炭素又はシリカ含有材料は、500nm〜30μm程度の小さい粒径(数平均)で得られる。
充填剤としては、無機又は有機材料が挙げられる。有用な例としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、及び酸化シリコーン含有材料が挙げられる。酸化シリコーン含有充填剤の例として、シリカ(二酸化ケイ素とも呼ばれる)が挙げられる。シリカの具体的な例として、親水性及び疎水性シリカ、ヒュームドシリカ(これは、例えば、Evonik GmbH,Frankfurt,Germanyから、例えば、AEROSIL 200、AEROSIL R972又はAEROSIL R974等のAEROSILの商標名で;又は、Cabot CorporationからNANOGELの商標名で市販されている)、シラン処理ヒュームドシリカ(例えば、Cabot CorporationからCABOSILの商標名で市販されている)及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる例としては、例えば、カルシウムシリケート、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート及びこれらの混合物等のシリケート、例えば、雲母、粘土及びガラス等、例えばガラス球(3M社からGLASSBUBBLESの商標名で市販されている)等が挙げられる。更に好適な充填剤としては、ハロゲン修飾シリカ、例えば、3−ハロゲンプロピルトリエトキシシラン又はニトリル修飾シリカが挙げられる。ニトリル変性シリカは、例えば、市販されているヒドロキシル含有シリカ、例えば、AEROSIL 200V(Evonikから市販されている)等を、例えば、3−シアノプロピルトリエトキシシラン(Aldrichから入手可能)等のシアノシランと、塩酸を含有するエタノールの存在下で反応させることにより調製することができる。反応物の量は、10〜30(重量)%のニトリル変性シリカが得られるように選択される。更に、好適なシリカ含有充填剤としては、フッ素変性シリカが挙げられる。フッ素変性シリカは、例えば、市販されているヒドロキシル含有シリカ(例えば、AEROSIL 200V)をフルオロシランと反応させることにより調製できる。好適なフルオロシランとしてHFPOシランが挙げられ、これは米国特許第3,646,085号に述べられているように、オリゴマーのHFPOエステル、及び、例えば、アミノアルキルトリアルコキシシラン等のシランから調製することができる。更に好適なフルオロシランは、例えば、米国特許第6,716,534号に述べられているように、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキルトリアルコキシシランと反応した、FOMBLIN Z Deal(Solvay Solexis)等の、市販されているペルフルオロポリエーテルから誘導することができる。反応物の量は、典型的には、1〜5(重量)%のフッ素変性シリカが得られるように選択される。
好適な充填剤の他の例としては、炭素材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、Sigma Aldrichから入手可能なメソ細孔性炭素ナノ粉末等のナノサイズ化炭素粒子、及びArchemaから入手可能なカーボンナノチューブ;例えば、アセチレンブラック等のカーボンブラック又はそのサブタイプ;例えば、フッ化グラファイト等の修飾炭素(例えば、Central Glassから入手可能)又はCarbofluor(Advanced Research Coから入手可能)が挙げられる。カーボンブラックは、例えば、Cabot Corporationから市販されている。
充填剤は、フルオロポリエーテル(phr)100重量部当たり1〜50重量部、又は4〜30重量部の量で添加してよい。
硬化性フルオロポリエーテル組成物(また、硬化フルオロポリエーテル組成物)は、例えば、酸受容体等の更なる添加剤を含んでもよい。かかる酸受容体は、無機酸受容体、又は無機酸受容体と有機酸受容体の混合物であってよい。無機酸受容体の例としては、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、二塩基性亜リン酸鉛、酸化亜鉛、水酸化ストロンチウム、ハイドロタルサイト、Zeochem AGから入手可能なZeoflair等のゼオライトが挙げられる。有機酸受容体としては、エポキシ、ステアリン酸ナトリウム、及びシュウ酸マグネシウムが挙げられる。特に好適な酸受容体としては、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛が挙げられる。酸受容体の混合物も同様に使用することができる。酸受容体の量は、一般に、使用する酸受容体の特性により異なる。典型的には、使用する酸受容体の量は、フルオロポリエーテル100部当たり0〜5部である。
更に有用な添加剤としては、安定剤、可塑剤、顔料、酸化防止剤、加工助剤、レオロジー−調整剤、潤滑剤、難燃剤、難燃相乗剤、抗菌剤、及びフルオロポリマーの配合及びゴムの加工技術において既知の更なる添加剤が挙げられる。
硬化性フルオロポリエーテル組成物
硬化性組成物は、フルオロポリエーテルと、上記硬化系とを含む。
硬化性組成物の典型的な実施形態としては、以下が挙げられる:
1つの実施形態では、硬化性組成物は、液体フルオロポリエーテルと、助剤と、ラジカル発生化合物と、任意の充填剤及び添加剤とを含む。
この実施形態に係る硬化性組成物の好適な例としては、少なくとも1つのハロゲン又はニトリル官能基を有するフルオロポリエーテルと、多価不飽和助剤と、ペルオキシドと、任意の充填剤及び添加剤とを含む組成物が挙げられる。これらの中でも、フルオロポリエーテルが少なくとも2つのヨウ素官能基を有し、助剤が多価不飽和化合物である組成物が好ましい。
この実施形態に係る硬化性組成物の更なる好適な例としては、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するフルオロポリエーテルを、少なくとも2つのハロゲンを有する助剤、ペルオキシド、並びに任意の充填剤及び添加剤と組み合わせて含む組成物が挙げられる。
更なる実施形態では、硬化性組成物は、フルオロポリエーテルと、上に定義するフルオロポリマーと、助剤と、ペルオキシドと、任意の充填剤及び添加剤とを含む。
この実施形態に係る好適な例としては、少なくとも1つのハロゲン又はニトリル官能基を含むフルオロポリエーテルを、少なくとも1つのハロゲン又はニトリル官能基を含むフルオロポリマー、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含む助剤、ペルオキシド、並びに任意の充填剤及び添加剤と組み合わせて含む組成物が挙げられる。
この実施形態に係る硬化性組成物の更に好適な例としては、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を含むフルオロポリエーテルを、少なくとも1つのハロゲン又はニトリル官能基を含むフルオロポリマー、少なくとも2つのハロゲン官能基を含む助剤、ペルオキシド、並びに任意の充填剤及び添加剤と組み合わせて含む組成物が挙げられる。
硬化性フルオロポリエーテル組成物は、公知の混合装置を用いて成分を混合することによって調製することができ、例えば、ロータリーミキサー、遊星ロールミキサー、アコースティックミキサー、高速ディスペンサー、又はHauschild(商標)Speedmixerを用いてよい。混合中の混合物の温度は、典型的に、約120℃を超えて上昇してはならない。混合物は、コーティングとして塗布してもよく、成形型に移して硬化させてもよい。硬化は、大気中で行ってよく、例えば、開放成形型又はホットエアトンネル中で常圧で行ってよいが、好ましくは、密閉成形型中で実施する。密閉成形型の中における硬化は、作業者を硬化反応中に発生するフュームに曝露しない利点を提供する。代替実施形態では、硬化はオートクレーブの中で行われることができる。
フルオロポリエーテルを反応性フルオロポリマーと共に用いる場合、フルオロポリエーテルを予め分散させるために、まずフルオロポリエーテルと充填剤とを混合することが推奨される。例えば、ロータリーミキサー、遊星ロールミキサー、アコースティックミキサー、高速ディスペンサー又はHauschild(商標)Speedmixer等の、公知の混合装置を使用してよい。フルオロポリマーと良好に混合するために、フルオロポリエーテルと充填剤との混合物は、粉末の形態であることが好ましい。この混合物に、更に充填剤及び添加剤をを添加してよい。次いで、この混合物を、バンバリーミキサー又はロールミル等の従来のゴム混合装置を用いて助剤及びフルオロポリマーと均質に配合してよい。混合中の混合物の温度は、典型的に、約120℃を超えて上昇し得ない。混合中、成分及び添加剤は、均一に分布する。
フルオロポリエーテルエラストマー
フルオロポリエーテルエラストマーを含む組成物は、上記硬化性組成物をラジカル硬化反応に供することによって得ることができる。
このようなフルオロポリエーテルエラストマー組成物は、約−40℃未満、約−50℃未満、−60℃未満、−80℃未満、又は更には−100℃未満のガラス転移温度を有する。−117℃もの低いガラス転移温度が記録されている。
硬化は、典型的には、硬化性フルオロポリエーテル組成物を熱処理することによって達成される。熱処理は、硬化ポリマーを作るのに有効な温度で且つ有効な時間行われる。熱処理は、ラジカルを生成するためにラジカル発生化合物を活性化させる。最適条件は、得られるフルオロエラストマーを機械的及び物理的特性に関して調べることにより、試験することができる。典型的には、硬化は、120℃超又は150℃超の温度で実施される。典型的な硬化条件には、160℃〜210℃又は160℃〜190℃の温度で硬化することが挙げられる。典型的な硬化時間としては、0.5〜30分が挙げられる。硬化は、圧力下で行われるのが好ましい。例えば、10〜100bar(1〜10MPa)の圧力を印加してもよい。硬化プロセスが完全に完了するのを確実にするために、後硬化サイクルが適用されてもよい。後硬化は、170℃〜250℃の温度で1〜24時間の期間行われてもよい。
硬化性組成物の硬化反応の反応生成物は、架橋フルオロポリエーテルを含む組成物である。架橋(硬化)フルオロポリエーテルは、エラストマー(本明細書では、フルオロポリエーテルエラストマーとも呼ばれる)である。
本明細書で提供されるフルオロポリエーテルエラストマー(硬化フルオロポリエーテル)及びそれを含有する組成物は、約−40℃未満、約−50℃未満、−60℃未満、−80℃未満、又は更には−100℃未満、例えば、最高−117℃以下のガラス転移温度を有する。
フルオロポリエーテルエラストマー組成物は、400g/モルから25,000g/モル以下、好ましくは15,000g/モルの重量平均分子量を有し、(−CO−)、(−CO−)、(−CO−)、(−CFO−)又はこれらの組み合わせから選択される複数の部分を含有するか、又はからなるフルオロポリエーテルセグメントを含有する硬化フルオロポリエーテル系ポリマーを含む。
フルオロポリエーテルエラストマー組成物は、反応性フルオロポリマーが用いられる場合、フルオロポリエーテルセグメントの分子量よりも高い分子量を有するフルオロポリマーのセグメントを更に含んでよい。
フルオロポリエーテルエラストマー組成物は、典型的に、少なくとも10%の破断点伸びを有する。硬化フルオロポリエーテル組成物は、典型的に、2超の最大トルク(MH)(ASTM D 5289−93aに従って測定)に達する。
高い耐化学性を有するために、本明細書で提供されるフルオロポリエーテルエラストマーのフッ素含量は、例えば、41%超、52重量%超、又は更には56重量%超等、高いことが望ましい。高フッ素含量を有する物質は、例えば、任意で反応性フルオロポリマーと組み合わせて、ペルフルオロポリエーテルを用いることを選択することによって調製することができる。
硬化フルオロポリエーテル又はそれを含有する組成物は、少なくとも10%の破断点伸びを有する。それらは、ゴム状の稠度のものであり、エラストマー特性を有する。これは、それらが、好適な力(破断点伸びに関する方法のセクションに記載の通り)を印加することによって初期長さの少なくとも10%伸び得、また、力を印加しなくなった後に元の長さを保持することを意味する。
好ましくは、フルオロポリエーテルエラストマー又はそれを含有する組成物は、少なくとも50%の破断点伸びを有する。典型的に、それらは、約50%から約100%以下、又は約120%以下、又は更には120%を超える破断点伸びを有し得る。好ましくは、それらは、更に、少なくとも15のショアA硬度を有する。典型的に、それらは、15から約90以下、又は約100以下のショアA硬度を有する。より好ましくは、それらは、更に、少なくとも1MPaの引張り強度を有する。典型的に、それらは、25以下、又は15以下、又は10MPa以下の引張り強度を有し得る。
本明細書に記載する方法によって得ることができる硬化フルオロポリエーテルエラストマーは、以下の特性のうちの1以上又は全てを有し得る:
(i)−50℃未満、好ましくは−60℃未満、より好ましくは−80℃未満、又は−100℃未満のガラス転移温度(Tg);
(ii)少なくとも50%の破断点伸び;
(iii)少なくとも1MPa、好ましくは少なくとも1.3MPaの引張り強度;
(iv)少なくとも15、好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも40のショアA硬度。
硬化フルオロポリエーテルエラストマー又それを含有する組成物の典型的な実施形態は、−50℃未満のガラス転移温度、少なくとも1MPaの引張り強度、少なくとも25のショアA硬度、少なくとも50%の破断点伸び、及び少なくとも40重量%のフッ素含量を有する。
物品及び物品製造方法
本明細書に提供する硬化性組成物は、例えば、成形することによって成形物品を作製するために用いることができる。フルオロポリマーの配合又は加工に使用される従来の加工技術、例えば、射出成形、特に液体射出成形、圧縮成形、押出、又はカレンダリング等が使用できる。あるいは、シートの形態の物品は、オープンエアオーブン又はホットエアトンネルにおいて常圧でフルオロポリエーテル組成物の層を硬化させることによって製造することができる。このようなシートは、切削又はスタンピング方法によって更に成形することができる。
圧縮成形は、典型的には、未硬化フルオロエラストマー組成物を加熱した成形型の空洞に入れ、その後適切な圧力により成形型を閉じ、物品を成形することを含む。十分な温度で、架橋(硬化)を進行させるのに十分な時間、ゴム状物質を保持した後、典型的には、それを成形型から取り出す。
液体射出成形は、硬化性組成物を、加熱したチャンバーにポンプ移送し、次いでそこから水力による手段(例えば、ピストン)を使用して、組成物を中空成形型の空洞に注入する成形技術である。架橋(硬化)後、成形物品を成形型から取り出す。
本明細書で提供される硬化性組成物は、航空機産業、航空宇宙産業、化学加工産業で用いるための物品を作製するために用いることができる。特に、それらは、例えば、成形によって成形物品を作製するために用いることができる。硬化は、典型的に、成型中に行われる。あるいは、組成物を硬化させ、次いで、例えば、打ち抜き等の切削によって物品に成型してもよい。硬化性組成物は、ガス圧縮及び膨張、取り扱い、負荷、保存、液化ガスの輸送(例えば、CO、Ar、H、CO、N、HS、Cl、NH、液化炭化水素ガス、特に、天然ガス、及びその置換物、例えば、LNG、SNG、LPG、CtL、CNG)を含む極低温用途で用いるための成形物品を製造するために用いることができる。好適な成形物品の典型的な例としては、O−リング等のシールが挙げられる。また、典型的なシールとしては、燃焼機関の燃料の天然ガス等であるがこれに限定されない液体又は気体状の炭化水素に面するか又は面するように適用される少なくとも1つの表面を有するものを含む。典型的に、少なくとも1つの燃料ポンプ及び/又は少なくとも1つの燃料噴射装置を含む燃料管理システムの構成要素であり、ここで、燃料は、好ましくは、エタノール又はメタノール等であるがこれらに限定されない炭化水素、炭化水素エステル、又は炭化水素アルコールである。一般的に、このような構成要素又は好適な物品の例としては、O−リング、軸封、ガスケット、チューブ、裏地、シート、コンテナ、蓋、ホース、又はこれらの構成要素、膜、及び接着されたシールが挙げられる。物品の具体例としては、上記燃料システムの構成要素が挙げられ、ここで、燃料システムは、自動車、航空機、ヘリコプター、航空宇宙機、又は船舶の燃料システムである。
発明を更に説明するために、具体的な実施形態を以下に羅列する。この羅列は説明の目的のためだけに提供されたものであり、本発明を制限することを意図するものではない。
実施形態1.硬化性組成物であって、
a)約400g/モルから約25,000g/モル以下の分子量を有し、且つ(−CO−)、(−CO−)、(−CO−)、(−CFO−)、又はこれらの組み合わせから選択される部分を含有する少なくとも1つの官能化フルオロポリエーテルであって、ラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性である少なくとも1つの官能基を末端位置、又は前記末端位置に隣接する位置に含有するように官能化されたフルオロポリエーテルと、
b)少なくとも1つのラジカル発生化合物を含む少なくとも1つのラジカル硬化系と、
を含む硬化性組成物。
実施形態2.前記ラジカル硬化系が、少なくとも1つの助剤を更に含む、実施形態1に記載の硬化性組成物。
実施形態3.ラジカル硬化反応で硬化して、−40℃未満のガラス転移温度を有するフッ素化エラストマーを含む組成物を生成する、実施形態1又は2に記載の硬化性組成物。
実施形態4.ラジカル硬化反応で硬化して、−50℃未満又は−60℃から−120℃のガラス転移温度を有するフッ素化エラストマーを含む組成物を生成する、実施形態1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態5.ラジカル硬化反応で硬化して、−60℃から−120℃のガラス転移温度、少なくとも50%の破断点伸び、少なくとも15のショアA硬度、及び少なくとも1MPaの引張り強度を有するフッ素化エラストマーを含む組成物を生成する、実施形態1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態6.前記フッ素化フルオロポリエーテルが、約1,200から約14,900g/モル以下の分子量を有する、実施形態1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態7.前記フッ素化フルオロポリエーテルが、少なくとも30重量%の量で存在する、実施形態1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態8.前記フッ素化フルオロポリエーテルが、以下の式によって表される、実施形態1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物:
X−A−Y
(式中、X及びYは、ラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性である官能基を含む同じ又は異なる残基であり、Aは、(−CO−)、(−CO−)、(−CO−)、(−CFO−)又はこれらの組み合わせから選択されるユニットのポリオキシペルフルオロアルキレン部分を意味する)。
実施形態9.前記フッ素化フルオロポリエーテルが、以下の式によって表される、実施形態1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物:
XCFO(CFO)(CO)(CO)(CO)CF
式中、X及びYは、互いに独立して、ラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性であり、且つ以下から選択される少なくとも1つの官能基を含有する残基を表す:
(i)ハロゲン及びアルキルハロゲンであって、前記アルキルハロゲンのアルキル基が、1〜10個の炭素原子を有し、フッ素化されていなくても、フッ素化されていても、全フッ素化されていてもよく、且つ任意で酸素又は窒素原子を含有し、前記ハロゲンが、ヨウ素、臭素、及び塩素から選択されるハロゲン及びアルキルハロゲン;
(ii)ニトリル又はアルキルニトリルであって、前記アルキルニトリルのアルキル基が、1〜10個の炭素原子を有し、フッ素化されていなくても、フッ素化されていても、全フッ素化されていてもよく、且つ任意で酸素又は窒素原子を含有するニトリル又はアルキルニトリル;
(iii)エチレン性不飽和基−Z−CW=CWであって、Wは、独立して、H、Cl、F、又はCFを表し、Zは、化学結合、任意でフッ素、塩素、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの組み合わせを含有する1〜10個の炭素原子のアルキル基を表すが、ただし、少なくとも1つの残基WはHであるエチレン性不飽和基。
実施形態10.前記硬化系が、ポリビニル又はポリアリル化合物から選択される助剤を含有する、実施形態1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態11.前記ラジカル発生化合物が、ペルオキシドである、実施形態1〜10のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態12.シリカ含有物質、炭素含有物質、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの充填剤を含む、実施形態1〜11のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態13.前記組成物の総量に基づいて、少なくとも40重量%の前記フルオロポリエーテルを含む、実施形態1〜12のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態14.前記組成物の総量に基づいて、少なくとも40重量%のフッ素化フルオロポリエーテル、及び25℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1つのフルオロポリマーを含み、ラジカル硬化反応において硬化性であり、且つ前記フルオロポリエーテルよりも高い分子量を有する、実施形態1〜13のいずれかに記載の硬化性組成物。
実施形態15.実施形態1〜14のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させることによって得ることができる硬化フルオロエラストマーを含む組成物。
実施形態16.前記組成物が、−50℃未満のガラス転移温度、少なくとも1MPaの引張り強度、少なくとも25のショアA硬度、少なくとも50%の破断点伸びを有する、実施形態15に記載の組成物。
実施形態17.−50℃未満のガラス転移温度、少なくとも1MPaの引張り強度、少なくとも25のショアA硬度、少なくとも50%の破断点伸びを有する硬化フルオロエラストマーを含み、(−CO−)、(−CO−)、(−CO−)、(−CFO−)又はこれらの組み合わせから選択され、400g/モルから約25,000g/モル以下の分子量を有する部分の複数の架橋フルオロポリエーテルセグメントを含有し、トリアジン基を含まない組成物。
実施形態18.一般式CFO(CFO)(CO)(CO)(CO)CF
を有する複数のユニットを含む、実施形態15〜17のいずれかに記載の組成物(式中、w、x、y、及びzは、互いに独立して、0〜30の整数であるが、ただし、w+x+y+zは、少なくとも6である)。
実施形態19.以下の一般式を有する複数のユニットを含む、実施形態15〜18のいずれかに記載の組成物:
XCFO(−(CF)O−)(−(CFO−)(−CFO−)CF
(式中、x及びyは、互いに独立して、2〜12の整数であり、zは、0〜12の整数であり、(−CFO−)及び(−(CFO−)ユニット、並びに(−(CFO−)ユニットは、存在する場合、ランダムに配置され得る)。
実施形態20.−40℃未満のガラス転移温度を有するフルオロエラストマーを含む組成物を製造する方法であって、
実施形態1〜14のいずれかに係る硬化性組成物を提供することと、前記硬化性組成物をラジカル硬化反応に供することとを含む方法。
実施形態21.実施形態1〜14のいずれかに係る硬化性組成物を射出成形又は圧縮成形することによって得られる成形物品。
以下の実施例は、本明細書で提供される組成物及び方法を更に例証するために提供される。以下の実施例は幾つかの実施形態を説明するために用意されたものであり、その発明を限定するものではない。実施形態の説明に先立ち、材料及びその特性評価に使用される幾つかの試験方法を述べる。特に指示がない限り、パーセンテージは全組成物の質量に対する重量パーセンテージであり、それぞれのケースで100重量パーセントとなる。
試験方法
硬さ:
ショアA硬度(2”(5.08cm))は、ASTM D−2240に準拠し、250℃で20時間、後硬化した試料について測定した。
ガラス転移温度(Tg):
TA Instrumentsから入手できるTA Instruments Q200 modulated DSCを使用する、温度変調DSCにより、Tgを測定した。測定条件:2又は3℃/分での−150℃〜50℃、60秒中の+−1℃/分の温度変調振幅。
破断点引張強さ、破断点伸び及び100%伸びにおける応力:
ASTM D412(DIE D)に従い、Instro(商標)機械試験機により1kNロードセルを使用して、これらの特性を測定した。全ての試験は、500mm/分の一定のクロスヘッド変位速度で行った。各試験は3回行った。報告した値は3回の試験の平均である。
100%伸びにおける応力、破断点伸び、及び破断点引張強さは、メガパスカル(MPa)、%及びMPaの単位でそれぞれ報告した。エラストマー特性は、破断点伸びを測定するために行ったときに求めることができる。サンプルは、その元の長さの10%まで伸びる。次いで、伸びが止まり、サンプルは元の形状に戻る。サンプルは、15分以内に元の長さに戻る場合、エラストマー性である。
硬化特性:
加硫特性は、Alpha Technologies Moving Die Rheometerを使用して(ASTM D 5289−93aに従い177℃で)測定し、最低トルク(ML)、最高トルク(MH)及びデルタトルク(これはMHとMLとの差である)を報告した。トルク値はin.lbs(N.m)の単位で報告する。MLにおけるtg δ及びMHにおけるtg δも報告する。Ts2(トルクがMLから2単位増加するのに必要な時間)、T50(トルクがMLからデルタトルクの50%増加する時間)、及びT90(トルクがMLからデルタトルクの90%増加する時間)等の硬化速度を示すパラメータを更に報告し、これらは全て分の単位で報告した。
サンプルの調製
使用材料:
フッ素化フルオロポリエーテル(PFE):
PFE−1:I−CFO(CFO)9〜11(CFCFO)9〜11−CF−I
1000mLの3つ口丸底フラスコに、500g(0.25mol)のFomblin(登録商標)Z−Deal及び100gのFC77を充填し、撹拌した。100gの水中32g(0.56mol)のKOHの溶液を、15分間かけて追加の漏斗を通して添加し、混合物を30分間かけて僅かに還流しながら100℃まで加熱した。反応が完了した後、呼吸性真空を印加して、大部分の溶媒及び水を除去し、白色のペーストをガラスのトレイにデカンタし、真空オーブン内で乾燥させて、定量的収量の二カリウム酸塩を得た。
次の工程では、204.8gの二カリウム塩(0.1モル)を1000mLのフラスコに添加した。240gの水中26gの濃HSOの混合物を添加し、1時間90℃で撹拌した。反応混合物を分液漏斗に移し、有機相を分離し、FC77で抽出し、濾過し、溶媒を除去して、194gのPFPE二酸を単離した。1000mLの3つ口丸底フラスコに、155gのPFPE二酸(0.078モル)を充填し、10滴のDMF、及び32.5gの塩化チオニル(0.27モル)を70℃でゆっくりと添加した。酸性ガス流をNaOH水相に流した。反応混合物を20時間80℃で維持して、157gのPFPE二酸塩化物を得た。19F−NMRにより、純度が98モル%であることが明らかになった。
112.09gのPFPE二酸塩化物(0.056モル)を13gの無水フッ化カリウム(0.223モル)と共に撹拌し、65℃で20時間加熱した。反応が完了した後、少量のFC77を添加し、全ての塩を濾過によって除去した。次いで、溶媒を除去し、PFPE二酸フッ化物を1000mLの3つ口丸底フラスコに直接移し、19.67gの無水ヨウ化リチウム(0.147モル)を添加した。混合物を1.5時間かけて190℃までゆっくりと加熱し、脱気しながら210℃で30分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、一部のFC 77を添加し、混合物をCelite(登録商標)カラムで濾過して、形成されたLiF塩を除去した。濾液を弱アルカリ性水溶液で洗浄して、副生成物として形成されたヨウ素を除去した。19F−NMRによって、フルオロポリエーテルニヨウ化物の純度が>75モル%であることが明らかになった。
PFE−2:I−CH−CFO(CFO)9〜11(CFCFO)9〜11−CFCH−I
2000mLのフラスコに、800gの無水THFを充填し、機械的攪拌器及び還流凝縮器を組み立てた。反応混合物を窒素下に置いた。次いで、18.06gのZnCl、及び5gのN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(0.04モル)を添加した。10.0265gのNaBHを撹拌反応混合物にゆっくりと添加した。ビーカーにおいて、250gのFomblin(登録商標)Z−DEAL及び600gのFC−77を混合した。反応混合物を45℃まで加熱した。フルオロケミカル混合物を1時間かけて添加漏斗を通して添加する。混合物を12時間60℃で撹拌した。次の工程では、反応混合物を氷浴中で10℃まで冷却した。500mLの水及び350mLのHCl溶液(25重量%)の混合物を混合し、反応混合物に滴下した。強い発熱及び気体形成が観察された。1時間撹拌した後、混合物を分液漏斗に移した。有機相を水相から分離し、水で2回洗浄した。240gのフルオロポリエーテル−ジオールを透明な液体として収集した。赤外線解析によって、1798cm−1におけるカルボニル振動の完全な消失、及び3400cm−1周辺における広いOHバンドの出現が示された。NMR分析によって、反応が完全に完了したことが明らかになった。
次の工程では、150gのフルオロポリエーテルジオール(0.073モル)をガラスのフラスコに充填した。更に、300gのHFE 7200及び14.15gのトリエチルアミン(0.14モル)を添加した。反応混合物を氷浴で冷却した。5℃で、17.8gの塩化メシル(0.155モル)をゆっくりと添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。最後に、白色のHCl塩を濾取し、有機相を濃縮した。
最後の工程で、135.36gのフルオロポリエーテル−diMes(0.064モル)を500mLのフラスコに充填した。200gの無水ジメチルホルムアミドを添加した。更に、均質な混合物が得られるまで、一部のHFE 7200を添加した。29.75gの無水KIを添加した。反応混合物を24時間75℃で撹拌した。混合物を室温まで冷却した後、2つの相が現れた。反応混合物を分液漏斗に移し、少量のHFE 7200、次いで300mLの水を添加した。有機相を分離し、全ての揮発物を除去した。最後に第2のDMF相が観察される場合、反応を水で更に洗浄する。19F−NMR分析によって、>95モル%の変換が明らかになった。
PFE−3:NCCFO(CFO)9〜11(CFCFO)9〜11 CFCN
ペルフルオロポリエーテルジエステルから出発してフッ素化ポリエーテルを製造した。
米国特許第5,545,693号の実施例3に記載のプロセスに係る、CH3OC(O)CFO(CFO)9〜11(CFCFO)9〜11 CFC(O)OCH3(平均分子量約2,000g/モル、商品名Fomblin(商標)Z−DEALとしてSolvay Solexisから入手)。第1の工程において、ペルフルオロポリエーテルジエステルを、アンモニアガスを使用して、対応するジカルボンアミドに変換した。第2の工程では、ジカルボンアミドを対応するジニトリルに変換した。
PFE−4:CH=CHC(O)O−CFO(CFO)9〜11(CFCFO)9〜11CFOC(O)CH=CH
50gのペルフルオロエーテルジオール(0.0257モル)を250mLのフラスコに充填した。80mLのHFE 7200を添加し、次いで、5.36gのトリエチルアミン(0.053モル)を添加した。4.65gの塩化アクリロイル(0.0514モル)を室温でゆっくりと添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。その後、形成されたHCl塩をブフナーフィルタで濾取した。溶媒をRotavapによって除去した。19F−NMR分析によって、完全な変換が明らかになった。
PFE−5:I−CFO(CFCFO)5〜14−CF
1リットルの3つ口丸底フラスコに、650g(0.68モル)、Exfluor Research Corporation(Austin,Texas)から入手したペルフルオロポリエチレンオキシドのジメチルエステル、及び100gのFluoinert FC77(3M)を充填し、撹拌した。300gの水中90g、1.6モルのKOHの溶液を15分かけて添加し、混合物を30分間かけて僅かに還流しながら100℃まで加熱した。混合物をトレイ上に置き、真空オーブン内で乾燥させて、定量的収量の683gのペルフルオロポリエチレンオキシド二カリウム酸塩を得た。50%固形分溶液を水中で作製し、濃HSOで酸性化し、FC77で抽出し、濾過し、溶媒を除去して、500g(0.53モル)のペルフルオロポリエチレンオキシド二酸を単離した。1リットルの3つ口丸底フラスコに、500g(0.53モル)のペルフルオロポリエチレンオキシド二酸を充填し、4gのDMF、及び65g(0.55モル)の塩化チオニルを30分間かけて添加し、2時間かけて85℃まで加熱して、ペルフルオロポリエチレンオキシド二酸塩化物を得た。ペルフルオロポリエチレンオキシド二酸塩化物を80g(1.4モル)のKFと共に撹拌し、65℃で20時間加熱し、FC77に取り、濾過し、溶媒を除去して306g(0.32モル)のペルフルオロポリエチレンオキシド二酸フッ化物を得た。1リットルの3つ口丸底フラスコに、300g(0.32モル)のペルフルオロポリエチレンオキシド二酸フッ化物及び100g、0.74モルのLilを充填し、撹拌し、脱気しながら2時間かけて190℃まで加熱した。次いで、反応物をNMR分析して、反応が行われたときを求めた。添加したFC77を粘土を通して濾過し、溶媒を除去して、220g(0.2モル)のPFE−5二ヨウ化物を得た。NMRによって構造を確認した。
PFE−6:I−CF(CF3)O−[CF2CF(CF3)O]4−8(C4F8O)−[CF(CF3)CF2O]4−8CF(CF3)−I
2リットルの3つ口丸底フラスコに、ジグリム中のヘキサフルオロプロピレンオキシド、ペルフルオロスクシニルフッ化物、及びフッ化カリウムの反応から米国特許第4,647,413号に記載の通り作製した1000g(0.7モル)のヘキサフルオロプロピレンオキシド二酸フッ化物のオリゴマーと、212g(1.6モル)のヨウ化リチウムとを充填し、脱気しながら2時間かけて190℃まで加熱した。次いで、反応物をNMR分析して、反応が行われたときを求めた。添加したFC77を粘土を通して濾過し、溶媒を除去して、967g(0.61モル)のPFE−6二ヨウ化物を得た。NMRによって構造を確認した。
フルオロポリマー
FP−1:E 20575:ペルオキシド硬化性VF2−HFPコポリマー、3Mから入手可能
FP−2:PFE−90X:ペルオキシド硬化性ペルフルオロポリマー、3Mから市販。
FP−3:LTFE 6400Z:ペルオキシド硬化性フルオロポリマー、3Mから市販。
助剤:
Luvomaxx TAIC DL 70:シリカ担体上70%トリアリル−イソシアヌレート、Lehmann & Vossから入手可能
ジビニルペルフルオロヘキサン:Apollo Scientific Ltd.から入手可能。
ペンタエリスリトール四臭化物:Sigma Aldrichから入手可能
ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン:Sigma Aldrichから入手可能
ペルオキシド
Trigonox 101−50:有機ペルオキシド、Akzo Nobelから入手可能
ジクミルペルオキシド:Akzo Nobelから入手可能
添加剤
Nanogel(商標):Cabot Corporationから入手可能
Carbofluor 2065:フッ素化カーボンブラック、Advanced Research Coから入手可能
ZnO:Adnano、ナノ粒子酸化亜鉛、Evonikから入手可能
SAF N110:Cabot Corpから入手可能
MT N−99:カーボンブラック、Cancarbから入手可能
(実施例)
(実施例1〜3)
実施例1〜3では、ペースト形態の硬化性フルオロポリエーテルエラストマー組成物を、Hauschild(商標)Speedmixer(2000rpmで1分間、3500rpmで1分間)内で、表1に示す通りのフルオロポリエーテルPFE−1、硬化助剤、ペルオキシド、及び添加剤を混合することによって作製した。Agila press(Agila NV(Ieper,Belgium)製のAgila PE 60プレス、加熱板を装備した典型的なラバープレスである)を使用して、ペーストをプレス硬化した。硬化は、177℃で3分間、20bar(2MPa)の圧力で行った。
Figure 0005952383
硬化性組成物を、その硬化挙動について試験し、硬化フルオロエラストマーを、そのプレス硬化後のガラス転移温度(Tg)について評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005952383
(実施例4)
実施例4では、100部のPFE−1、8部のTAIC、5部のTrigonox 101−50、5部のNANOGEL、25部のCarbofluor 2065、及び3部のZnOを混合することによってペーストを作製した。ペーストを20bar(2MPa)の圧力下で177℃にて5分間プレス硬化させた。プレス硬化したフルオロエラストマーを、230℃で16時間オーブン内で後硬化させた。硬化性組成物の硬化挙動、並びに硬化及び後硬化フルオロエラストマーの特性を表3に記載する。
Figure 0005952383
(実施例5〜12)
実施例5〜12では、ペースト形態の、硬化性フルオロエラストマー組成物を、Hauschild(商標)Speedmixer(2000rpmで1分間、3500rpmで1分間)内で、表1に示す通りのフルオロポリエーテル、硬化助剤、ペルオキシド、及び添加剤を混合することによって作製した。ペーストは、Agila press(Agila NV in Ieper,BelgiumからのAgila PE 60プレス、加熱板を装備した典型的なラバープレスである)を使用して、プレス硬化した。硬化は177℃で3分間、20bar(2MPa)の圧力で行った。サンプルを、そのレオロジー特性について試験した。結果を表4に示す。
Figure 0005952383
(実施例13〜16)
実施例13〜16では、まずペルフルオロポリエーテルPFE−1をNANOGEL(90/10)と混合することによって硬化性組成物を調製した。この混合物を表5に示す化合物とブレンドした。組成物をロールミルで十分に混合した。次いで、組成物を7分間177℃でプレス硬化させ、次いで、16時間200℃で後硬化させた。硬化したサンプルを、その硬化及びレオロジー特性について試験した。結果も表5に示す。
Figure 0005952383

Claims (4)

  1. )400g/モルから25,000g/モル以下の分子量を有し、且つ下式
    XCF O(CF O) (C O) (C O) (C O) CF
    (式中、X及びYは、互いに独立して、ラジカル硬化反応においてラジカル硬化系に対して反応性であり、且つニトリル又はアルキルニトリルであって、前記アルキルニトリルのアルキル基が、1〜10個の炭素原子を有し、フッ素化されていなくても、フッ素化されていても、全フッ素化されていてもよく、且つ任意で酸素又は窒素原子を含有するニトリル又はアルキルニトリルより選択される少なくとも1つの官能基を有する残基を表し、w、x、y、及びzは、互いに独立して、0〜30の整数であるが、ただし、w+x+y+zは、少なくとも6である)
    によって表される1種以上の官能化フルオロポリエーテルと、
    b)少なくとも1つのラジカル発生化合物を含む少なくとも1つのラジカル硬化系と、
    c)シリカ含有物質、炭素含有物質、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの充填剤と
    を含む硬化性組成物であって、この組成物の総重量を基準として少なくとも30重量%の官能化フルオロポリエーテルを含む硬化性組成物。
  2. 前記組成物の総量に基づいて少なくとも40重量%のフルオロポリエーテル、及び25℃未満のガラス転移温度を有し、ラジカル硬化反応において硬化性であり、且つ前記フルオロポリエーテルよりも高い分子量を有する少なくとも1種のフルオロポリマーを含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 請求項1に記載の硬化性組成物を硬化させることによって得られる硬化フルオロエラストマーを含む組成物。
  4. 請求項1に記載の硬化性組成物を射出成形又は圧縮成形することによって得られる成形物品。
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