以下、図1〜図19を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
図1,図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の側部に軸着され、開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に軸着されて開閉自在に取り付けられ、中央に大きく設けられたガラス窓4A及び当該ガラス窓4Aの下方に設けられた受皿6を有するパネル扉4と、本体枠3の下部に配設された図外の発射装置と、パネル扉4の下部に取り付けられたハンドル7と、パネル扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8、及びパネル扉4の内部に配設された図外の複数の発光体を備える。
受皿6の中央部には、操作部9が配設される。操作部9は、演出表示装置50に表示されるカーソル等を移動するためのダイアル部と、ダイアル部によって移動されるカーソルと対応する項目を選択する際や、例えば演出表示装置50において展開される多様なボタン演出の際に押下されるボタン部とから構成される。
図1に示すように、パチンコ機1の側部には、遊技球貸し出し装置(以下、貸し出し装置という。)20が設置されている。図3に示すように貸し出し装置20は、パチンコ機1の払出制御装置300と図外のケーブル等の通信手段を介して電気的に接続されている。
貸し出し装置20には、紙幣取込口21やプリペイドカード出入口22等の貸し球媒体取込部が設けられている。
ここで貸し球媒体としては、紙幣(所謂現金)や、予め遊技者によって購入されたプリペイドカード、プリペイドコイン等、パチンコ機1が設置された遊技店ごとに定められた媒体であれば、如何なる記録方式や形状を有するものであってもよい。本実施形態においては、貸し球媒体として紙幣、及び、プリペイドカードを使用可能な貸し出し装置20を例として説明する。
貸し出し装置20は、内部に金額読み取り手段を備え、紙幣の金種、又は、プリペイドカード内に記憶された金額情報に基づいて球貸し可能数を設定する。当該球貸し可能数は、球貸し可能度数に換算され、例えば液晶表示器によって構成された度数表示部23に数字として表示される。ここで、球貸し可能度数「1度」は、1百円と対応し、例えば1万円紙幣、又は、1万円分の金額情報が記憶されたプリペイドカードがそれぞれ対応する紙幣取込口21又はプリペイドカード出入口22に挿入された場合、球貸し可能度数が「100度」として表示される。また、球貸し可能度数「1度」は、貸し球としての遊技球25個分と対応しており、球貸し出し装置20の前面に配設された球貸し釦24が押下される度に減算される。
球貸し釦24は、遊技者によって任意に操作される釦である。当該球貸し釦24が押下されると、貸し出し装置20は後述するパチンコ機1の払出制御装置300に対して球貸しコマンドを送信し、当該コマンドを受信した払出制御装置300は、パチンコ機1の内部に設けられた遊技球払出装置301を駆動することにより、受皿6上に貸し球としての遊技球を、例えば球貸し可能度数の5度分(遊技球100個)まとめて払い出す。
貸し出し装置20は、遊技球の払出動作に基づいて度数表示部23に表示された球貸し可能度数を減算(−5)して表示し、球貸し可能度数が減少したことを遊技者に報知する。また、遊技者は受皿6上に貸し球として払い出された遊技球を用いて遊技を行うことが可能である。
球貸し釦24の隣には、返却釦25が配設されている。当該返却釦25が押下されると、貸し出し装置20は、球貸し可能度数が0でないことを条件として、プリペイドカードに記憶された金額情報を更新(減算)して、当該金額情報が更新されたプリペイドカードをプリペイドカード出入口22から返却する。なお、本実施形態においては、紙幣による入金がなされた場合、その残額を金額情報として予め内部に格納された新規のプリペイドカードに記録してプリペイドカード出入口22から返却する構成であるが、例えば釣り銭排出口を設け、その残額を紙幣や硬貨により直接払い出す構成としてもよい。
パチンコ機1の背面側には、図外の収容体や支持部材等を介して、図3に示す主制御装置100と、副制御装置を構成するサブ制御装置(演出制御装置)200と、払出制御装置300、及び発射制御装置400とが搭載されている。払出制御装置300には、上述した球貸し装置20が電気的に接続されている。
制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300及び発射制御装置400は、何れもCPU(Central Processing Unit)と、遊技処理に必要なプログラム、及び、遊技処理に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。なお、主制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300及び発射制御装置400の各制御装置は、図外の電源供給装置からの電力供給により駆動する。続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を概説する。
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。遊技領域31は、ガラス窓4Aから観察することができる。遊技領域31は、図示しないパチンコ機1の内部に設けられる発射装置から発射された球を滑走させるガイドレール27と遊技球規制レール28によって略円形状となるように区画形成されている。
前面ボード7の受皿6に充填された遊技球はパチンコ機1の内部に1個ずつ流入され、図示しない発射装置に1個ずつ流入(供給)されるようになっている。発射制御装置400は、ハンドル7の回動操作量に応じて球の発射強度を設定し、その発射強度で球が発射されるよう発射装置を制御するようになっている。また、発射制御装置400には、ハンドル7に設けられた人体検知に係るタッチスイッチ401や停止スイッチ402からの信号が払出制御装置300を経由して入力され、タッチスイッチ401がON状態であることを条件にハンドル7の回動操作が有効化され、発射装置により発射されて遊技領域31の上部位置に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。
遊技盤30には、遊技領域31の略中央部に配設された演出表示装置50と、第1特別図柄表示装置35Aと、第2特別図柄表示装置35Bと、普通図柄表示装置41と、第1始動部品61と、第2始動部品62と、特別可変入賞装置65と、通過ゲート66と、複数の一般入賞部品67と、アウト口68、及び、図外の複数の遊技釘や風車が設けられている。以下、各部の詳細について説明する。
演出表示装置50は、遊技領域31の略中央部に配設される例えば液晶表示装置である。演出表示装置50は、その表示画面51上に、例えば1〜8までの数字、及び、特定のキャラクター等からなる演出図柄Sを変動表示可能である。また、演出表示装置50の表示画面51には、演出図柄Sの変動中に展開される多様な予告演出、或いは、リーチ演出を盛り上げるための特定の画像やアニメーション等の動画等が表示可能である。なお、これらの演出に係る制御は、主制御装置100によって実行される所定の抽選処理の結果に基づいて、後述のサブ制御装置200によって実行される。
表示画面上51上に表示される演出図柄Sの変動時間(変動を開始してから停止するまでの時間)は、後述の特別図柄の変動時間と略同期しており、一般に遊技者は、当該演出図柄Sの変動停止までに展開される多様な演出の行方を見守ることにより、特別遊技(所謂大当り遊技)への期待感を抱きながら遊技を進行し、演出図柄Sが大当りであることを示す所定の態様で停止表示されることにより、大当り遊技を獲得したことを認識する。
次に遊技領域31内に配設された各種の遊技部品について説明する。
第1始動部品61は、遊技領域31の略中央部において、ステージ52の下部に開設された遊技球導出口52Aの直下に配設された入賞部品(始動入賞部品)である。
第1始動部品61の内部には、遊技球の進入を検知する第1始動口検知センサ91が設けられる。また、第1始動口検知センサ91によって検知された遊技球は、遊技盤30の内部に取り込まれた後、遊技盤30の後方に設けられた図外の排出機構を経て排出される。
第2始動部品62は、遊技領域31の右側部に配設された入賞部品(始動入賞部品)である。第2始動部品62の内部には、遊技球の進入を検知する第2始動口検知センサ92が設けられる。第2始動口検知センサ92によって検知された遊技球は、遊技盤30の内部に取り込まれた後、遊技盤30の後方に設けられた図外の排出機構を経て排出される。
開閉体63は、上下方向に延在する一対の軸体であって、通常時(閉鎖状態)においては、各軸体の自由端部(先端部)が第2始動部品62の上方に配設された障壁部64と当接、又は、遊技球1個の直径よりも狭い間隔で離間している。
一方で、作動時(開放状態)においては、各軸体の自由端部が互いに離れる方向に回転動作し、障壁部64に対して遊技球1個の直径よりも離れた位置で停止する。
開閉体63は、図外のソレノイド等の駆動源と所定の伝達機構を介して接続されており、駆動源が普通遊技制御手段180によって制御されることにより、閉鎖状態と開放状態の態様を取り得る。また、開閉体63が開放状態となった場合、開閉体63を構成する一対の軸体の各自由端部と障壁部64との間には、遊技球1個の直径よりも大径な間隔が形成されることから、遊技球が第2始動部品62内に進入可能となる。つまり開閉体63が開放した状態は、遊技球の第2始動部品62への進入を許容する状態である。なお、本実施形態における開閉体63は、閉鎖状態において遊技球の第2始動部品62への進入を不能とする構成であるが、これに限られるものではなく、閉鎖状態において進入を困難とする程度の間隔を形成する構成としてもよい。
上述した複数の始動入賞部品としての第1始動部品61、又は第2始動部品62に遊技球が進入すると、当該遊技球の進入が各検知センサ91;92によってそれぞれ検知され、検知センサ91;92からの各検知信号が後述の主制御装置100側に出力される。
主制御装置100は、各検知センサ91;92からの検知信号の入力を契機として、後述の複数の乱数を含む特図(特別図柄)遊技情報を取得して記憶するとともに、始動条件の成立により当該取得した特図遊技情報に基づいて後述の特別図柄当否抽選(以下、特図当否抽選という)をはじめとする各種の遊技抽選を実行する。
つまり、遊技球の第1始動部品61又は第2始動部品62への進入は、特図遊技情報の記憶、及び、当該特図遊技情報に基づく各種の遊技抽選の契機となるものである。
また、主制御装置100は、検知信号の入力を契機として遊技球払出制御装置300に対して所定の払出コマンドを送信し、払出制御装置300を介して遊技球払出装置301を動作させることにより、遊技者に対して例えば3個の賞球を払出す。なお、上述の説明においては、第1始動部品61及び第2始動部品62について、遊技球を遊技盤30の内部に取り込み、一定の賞球の払出を伴う入賞部品として説明したが、これに限られるものではない。例えば全ての始動部品又はその一部を、遊技球を取り込むことなく遊技領域31上に流下させる通過型の始動部品としても良いし、賞球を伴わない始動部品としてもよい。
特別可変入賞装置65は、遊技領域31の右側部において、第2始動部品62の下方に配設される所謂アタッカ装置とも呼ばれる可変入賞部品である。特別可変入賞装置65は、左右方向に長い矩形状に開設された大入賞口と、当該大入賞口と略同形に形成され大入賞口の前方を閉鎖する蓋部材と、当該蓋部材を駆動するソレノイドとを備える。蓋部材は、遊技盤30の前面と平行な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられ、遊技盤30の前面と平行に直立した閉鎖状態において大入賞口への遊技球の進入を不可能とし、遊技盤30の前面に対して前方に傾動した開放状態において遊技球を大入賞口内に進入可能とする。
特別可変入賞装置65は、後述する特図当否抽選の結果が「当り」となった場合に実行される特別遊技中において、主制御装置100の特別遊技制御手段150によって開放駆動される。よって、遊技者は、特別遊技中において遊技球を遊技領域31の右側部方向に打ち出すことにより、遊技球を容易に大入賞口内に入賞させることができる。
また、大入賞口内には、遊技球の進入を検知する大入賞口検知センサ93が設けられており、当該大入賞口検知センサ93の検知信号が主制御装置100に出力される。主制御装置100は、当該検知信号の入力を契機として遊技球払出制御装置300に対して所定の払出コマンドを送信し、払出制御装置300を介して遊技球払出装置301を動作させることにより遊技者に対して例えば15個の賞球を払出す。
通過ゲート66は、例えば遊技領域31の右側部における第2始動部品62の上方に配設される。通過ゲート66は、遊技球が上方から下方に向けて通過可能な門型の構造をなしたものであり、当該通過ゲート66を通過した遊技球は、内部に格納された通過ゲート検知センサ94によって検出される。通過ゲート検知センサ94は、前述の各検知センサ91〜93と同様に主制御装置100に接続されており、その検知信号が主制御装置100に出力される。
主制御装置100は、通過ゲート検知センサ94からの検知信号の入力を契機として複数の乱数を含む普図(普通図柄)遊技情報を取得して記憶するとともに、始動条件の成立により、当該取得した普図遊技情報に基づいて普通図柄当否抽選をはじめとする遊技抽選を実行する。つまり、遊技球の通過ゲート66への進入は、普図遊技情報の記憶、及び、当該普図遊技情報に基づく遊技抽選処理の契機となるものである。
複数の一般入賞部品67は、例えば遊技領域31の左側部に上下方向に分かれて配設される。一般入賞部品67の内部には、遊技球の進入を検知する一般入賞口検知センサ95が設けられる。主制御装置100は、当該一般入賞口検知センサ95からの検知信号の入力を契機として払出制御装置300に対して所定の払出コマンドを送信し、払出制御装置300を介して遊技球払出装置301を動作させることにより遊技者に対して例えば3個の賞球を払出す。
以上のとおり、遊技盤30の遊技領域31内には様々な遊技部品が配設されており、いずれの遊技部品にも取り込まれなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に開設されたアウト口68から回収されて、遊技盤30の裏側を経由して機外に排出される。
次に、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、及び、普通図柄表示装置41について説明する。第1特別図柄表示装置35Aは、第1始動部品61への遊技球の進入を契機に、主制御装置100により行われる特図当否抽選(第1特図当否抽選)の結果を表示する表示器である。第2特別図柄表示装置35Bは、第2始動部品62への遊技球の進入を契機に、主制御装置100により行われる特図当否抽選(第2特図当否抽選)の結果を表示する表示器である。各特別図柄表示器35A;35Bは、例えば7セグメントディスプレイにより構成され、各特図当否抽選の結果に基づいて特別図柄(1〜9までの数字やその他の記号)を高速で点滅表示させた後に、各特図当否抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示する。
ここで、特別図柄が点滅表示されている時間は、特別図柄の変動時間であり、導出表示されている時間は特別図柄の停止時間である。また、例えば各特図当否抽選の結果が「当り」である場合に導出表示される特別図柄は、1〜9までの何れかの数字であり、「外れ」である場合に停止表示される特別図柄は、数字以外のアルファベットや「−」等の記号である。なお、特別図柄表示装置35A;35Bの変動表示に係る制御は、主制御装置100の特図変動表示制御手段145により実行される。
第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bは、演出表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように、遊技盤30の右下部分に上下方向に配列されている。なお、特別図柄表示装置35A;35Bの形態は7セグメントに限られず、複数のランプを規則的又はランダムに配列した形態等のものを採用することも可能である。
普通図柄表示装置41は、上述の各特別図柄表示装置35A;35Bの下方に配置され、遊技球の通過ゲート66の通過を契機に、主制御装置100により行われる普図当否抽選の結果を表示する表示器である。本実施形態における普通図柄表示装置41は、並設された2つのLEDランプにより構成され、普図抽選の結果に基づいてLEDランプを高速で点滅表示させた後に、普図当否抽選の結果を表示する態様で導出表示するものである。例えば、普図当否抽選の結果が「当り」の場合には、2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、「外れ」のときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
以下、図3を参照し、上記構成からなる遊技盤30を備えたパチンコ機1のハードウェア上の構成について説明すると共に、パチンコ機1における主要な制御処理について概説する。同図に示すように、パチンコ機1は主制御装置100、サブ制御装置200を主たる装置として備えている。
同図に示すように、主制御装置100は、特図遊技情報記憶手段110と、特図当否抽選手段120と、当り種類決定手段130と、特図変動時間決定手段140と、特図変動表示制御手段145と、特別遊技制御手段150と、普図遊技情報記憶手段155と、普図当否抽選手段160と、普図変動時間決定手段170と、普図変動表示制御手段175と、普通遊技制御手段180、遊技状態制御手段185と、遊技回数計測手段190、及び貸し球媒体取り忘れ監視手段195を備える。
特図遊技情報記憶手段110は、第1始動部品61、第2始動部品62にそれぞれ対応する第1始動口検知センサ91、第2始動口検知センサ92から出力される検出信号の入力を契機として、複数の乱数からなる特図遊技情報を取得して記憶する。
図4(a)は、特図遊技情報記憶手段110の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特図遊技情報記憶手段110は、特図当否抽選用乱数発生部111Aと、特図当否抽選用乱数取得部111Bと、当り種類決定用乱数発生部112Aと、当り種類決定用乱数取得部112Bと、特図変動時間決定用乱数発生部113Aと、特図変動時間決定用乱数取得部113B、及び特図特図遊技情報保留記憶部115とから構成される。
特図当否抽選用乱数発生部111Aは、周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である特図抽選用乱数を発生させるハードウェアカウンタである。特図当否抽選用乱数取得部111Bは、第1始動口検知センサ91又は第2始動口検知センサ92から出力される検知信号の入力に基づき、特図当否抽選用乱数発生部111Aにより発生した特図当否抽選用乱数を取得(ラッチ)する。
当り種類決定用乱数発生部112Aは、上記特図当否抽選用乱数発生部111Aと同様に周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である当り種類決定用乱数を発生させるハードウェアカウンタである。当り種類決定用乱数取得部112Bは、第1始動口検知センサ91又は第2始動口検知センサ92から出力される検知信号の入力に基づき、当り種類決定用乱数発生部112Aにより発生した当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
特図変動時間決定用乱数発生部113Aは、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特図変動時間決定用乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。特図変動時間決定用乱数取得部113Bは、第1始動口検知センサ91又は第2始動口検知センサ92から出力される検知信号の入力に基づき、特図変動時間決定用乱数発生部113Aにより発生した特図変動時間決定用乱数を取得(ラッチ)する。
つまり、上述の各乱数は第1始動口検知センサ91又は第2始動口検知センサ92からの入力に基づいて同時に取得されるものである。そして以下の説明においては、これら同時に取得される複数の乱数を総称して「特図遊技情報」という場合がある。
特図遊技情報保留記憶部115は、特図遊技情報を記憶する複数の記憶領域(第1記憶領域,第2記憶領域)を有するRAMにより構成される。本実施形態においては、特図遊技情報保留記憶部115に記憶可能な特図遊技情報の上限は、第1始動部品61、第2始動部品62への入賞それぞれについて4個(最大8個)とされており、特図遊技情報保留記憶部115は、それぞれの始動部品への進入を契機として取得された特図遊技情報を始動口(検出信号)の種別に応じて、それぞれ独立して設けられた記憶領域(第1記憶領域,第2記憶領域)内に順に記憶する。
また、各記憶領域に記憶された特図遊技情報は、始動条件の成立によって、第2記憶領域に記憶された特図遊技情報が第1記憶領域に記憶された特図遊技情報よりも優先して読み出され、読み出された特図遊技情報に基づく第1の遊技抽選(特図当否抽選処理,当り種類決定処理,特図変動時間決定処理)に係る処理が実行されたのちに順次削除される。
図4(b)は、特図遊技情報記憶手段110による特図遊技情報の取得,記憶処理の流れを示すフローチャートである。まず、S100において特図遊技情報記憶手段110は、第1始動部品61への入賞が検出されたかを判定し、判定がYESの場合S101に移行し、NOの場合S104に移行する。S101において特図遊技情報記憶手段110は、第1記憶領域に記憶されている特図遊技情報が上限の4未満であるかを判定し、YESの場合S102に移行し、NOの場合、特図遊技情報を新たに取得することなく処理を終了する。
ここで、第1記憶領域内に記憶可能な特図遊技情報の上限は、上述のとおり4個として設定されており、第1記憶領域に記憶されている特図遊技情報の合算が4個未満である場合に判定がYESとなる。S102において特図遊技情報記憶手段110は、上述の各乱数発生手段により発生した乱数を上述の各乱数取得手段により取得し、S103に移行する。
特図遊技情報記憶手段110は、S103において、S102で取得した複数の乱数を特図遊技情報として、互いに対応付けて特図遊技情報保留記憶部115の第1記憶領域に記憶(保留記憶)し、一回の処理を終了する。
特図遊技情報記憶手段110は、S104において第2始動部品62への入賞が検出されたかを判定し、判定がYESの場合S105に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。特図遊技情報記憶手段110は、S105において第2記憶領域内に記憶されている特図遊技情報が上限の4未満であるかを判定し、YESの場合S106に移行し、NOの場合、特図遊技情報を新たに取得することなく処理を終了する。ここで、第2記憶領域内に記憶可能な特図遊技情報の上限は、上述のとおり4個として設定されており、特図遊技情報が4個未満である場合に判定がYESとなる。
S106において特図遊技情報記憶手段110は、上述の各乱数発生手段により発生した乱数を上述の各乱数取得手段により取得し、S107に移行する。特図遊技情報記憶手段110は、S107において、S106で取得した複数の乱数を特図遊技情報として互いに対応付けて特図遊技情報保留記憶部115の第2記憶領域に記憶(保留記憶)し、一回の処理を終了する。
以上のとおり、本実施形態に係る特図遊技情報記憶手段110は、遊技球の第1始動部品61又は第2始動部品62への進入を契機として、複数の乱数から構成される特図遊技情報を上限に達するまで順次取得,記憶する機能を有する。また、特図遊技情報の最大記憶数(最大保留記憶数)は、8個として設定されている。
次に、上述の特図遊技情報に基づいて、主制御装置100の特図当否抽選手段120等によって実行される第1の遊技抽選処理ついて説明する。なお、以下に詳説するが、特図当否抽選手段120、当り種類決定手段130、及び特図変動時間決定手段140は、所定の始動条件が成立したことに応じて、前記特図遊技情報記憶手段110に記憶された特図遊技情報に含まれる各乱数をそれぞれ読み出し、読み出した乱数に対応する特図当否抽選の結果、当り種類、及び、特別図柄の変動時間を決定する。
図5(a)は、特図当否抽選手段120の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特図当否抽選手段120は、特図当否抽選用乱数読出し部121と、低確率用特図当否抽選テーブル122A及び高確率用特図当否抽選テーブル122Bを備えている。
図5(b)に示すように、これらのテーブルには、0〜65535までの範囲の特図当否抽選用乱数それぞれに対応する当否結果(「当り」,「外れ」)が規定されている。
特図当否抽選手段120の特図当否抽選用乱数読出し部121は、所定の始動条件が成立したことに基づいて、前述の特図遊技情報記憶手段110によって特図遊技情報として記憶された特図当否抽選用乱数を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じて低確率用特図当否抽選テーブル122A及び高確率用特図当否抽選テーブル122Bのいずれかのテーブルを参照し、読み出した特図当否抽選用乱数に対応する当否結果(「当り」又は「外れ」)を抽出する。
本実施形態においては、低確率用特図当否抽選テーブル122Aが参照される場合よりも、高確率用特図当否抽選テーブル122Bが参照される場合の方が、特図当否結果が「当り」となる確率が約10倍高く設定されている。いずれのテーブルが参照されるかは、後述する遊技状態制御手段185によって設定される遊技状態(特図低確率又は特図高確率)によって異なり、遊技状態が後述する「特図低確率」である場合は、低確率用特図当否抽選テーブル122Aが参照され、「特図高確率」である場合は、高確率用特図当否抽選テーブル122Bが参照される。
ここで、上記特図当否抽選が実行される契機となる始動条件とは、特別図柄が変動中でないこと、かつ、特別遊技実行中でないことであり、当該始動条件が成立したことに基づいて、特図遊技情報記憶手段110によって記憶された特図当否抽選用乱数が読み出され、対応する当否結果が抽出される。
また、特図当否抽選用乱数の読出し順は、同一の記憶領域内においては入賞順であるが、第2記憶領域に記憶された特図遊技情報は、第1記憶領域に記憶された特図遊技情報に優先して読み出される。つまり、第1記憶領域、第2記憶領域の双方に特図遊技情報が記憶されている場合においては、常に第2記憶領域に記憶された特図遊技情報が先に読み出される。なお、特図当否抽選用乱数の読出し順の設定については、パチンコ機1の仕様により適宜変更可能であり、第1記憶領域に記憶された特図遊技情報を優先的に読み出す構成としてもよいし、記憶領域の相違に関わらず入賞順(特図遊技情報の記憶順)に読み出す構成としてもよい。
次に、主制御装置100の当り種類決定手段130により実行される当り種類決定処理ついて説明する。図6(a)は、当り種類決定手段130の構成を示すブロック図である。同図に示すように、当り種類決定手段130は、当り種類決定用乱数読出し部131と、前述の特図当否抽選の結果(当否結果)が「当り」である場合に参照される当り種類決定テーブル132を備えている。
図6(b)に示すように、当り種類決定テーブル132は、それぞれ特1当り用当り種類決定テーブル132A,特2当り用当り種類決定テーブル132Bに細分化されている。これらのテーブルには、0〜99までの範囲の当り種類決定用乱数それぞれに対応する当り種類(特別図柄の種類)が規定されている。
当り種類決定手段130の当り種類決定用乱数読出し部131は、前述の特図当否抽選の結果が「当り」であることに基づいて、特図遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された当り種類決定用乱数を読み出し、特1当り用当り種類決定テーブル132A、及び特2当り用当り種類決定テーブル132Bのいずれかのテーブルを参照して、読み出した当り種類決定用乱数に対応する特別図柄の種類を抽出する。
なお、特1当り用当り種類決定テーブル132Aは、当り種類決定用乱数を含む特図遊技情報が第1始動部品61への進入を契機に取得されたものである場合に参照されるテーブルであり、特2当り用当り種類決定テーブル132Bは、当り種類決定用乱数を含む特図遊技情報が第2始動部品62への進入を契機に取得されたものである場合に参照されるテーブルである。
換言すれば、当り種類決定用乱数が特図遊技情報保留記憶部115の第1記憶領域から読み出されたものである場合は、特1当り用当り種類決定テーブル132Aが参照され、第2記憶領域から読み出されたものである場合は、特2当り用当り種類決定テーブル132Bが参照される。
図6(b)に示すように、特1当り用当り種類決定テーブル132A、及び特2当り用当り種類決定テーブル132Bには、当り種類決定用乱数に対して、特別図柄A〜特別図柄Fまでの合計6種類の特別図柄のうち、いずれかの特別図柄の種類が規定されている。
特1当り用当り種類決定テーブル132Aには、特別図柄A〜特別図柄Fまでの特別図柄の種類がそれぞれ、20%,20%,10%,30%,10%,10%の割合で規定されている。一方、特2当り用当り種類決定テーブル132Bには、特別図柄A〜Eまでの特別図柄の種類がそれぞれ、30%,30%,5%,30%,5%の割合で規定されている。同図から明らかなとおり、当り種類決定用乱数が第1始動部品61への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特1当り用当り種類決定テーブル132Aと、当り種類決定用乱数が第2始動部品62への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特2当り用当り種類決定テーブル132Bとの間には、当り種類(特別図柄の種類)の選択率に差が設けられている。これらのテーブルによって抽出される当り種類は、後述する特別遊技中の態様(ラウンド数)や、当該特別遊技後の遊技状態を決定する要素として用いられる。
また、これらの当り種類は、前述の第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様を決定する。本実施形態において、例えば当り種類が「特別図柄A」,「特別図柄C」,「特別図柄E」の何れかである場合には、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上に1〜9までの数字のうち、偶数が並列して表示され、「特別図柄B」,「特別図柄D」,「特別図柄F」何れかである場合には、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上に1〜9までの数字のうち、奇数が並列して表示される。なお、前述の当否抽選の結果が「外れ」である場合は、当り種類決定処理は実行されず、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様は「−」とされる。
次に、主制御装置100の特図変動時間決定手段140により実行される特図変動時間決定処理ついて説明する。図7(a)は、特図変動時間決定手段140の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特図変動時間決定手段140は、特図変動時間決定用乱数読出し部141と、低確率用特図変動時間テーブル142と、高確率用特図変動時間テーブル143を備えている。
図7(b)に示すように、低確率用特図変動時間テーブル142は、外れ用の低確率用特図変動時間テーブル142A−1;142A−2、及び、当り用の低確率用特図変動時間テーブル142Bに細分化されている。
また、高確率用特図変動時間テーブル143は、外れ用の高確率用特図変動時間テーブル143A−1;143A−2、及び当り用の高確率用特図変動時間テーブル143Bに細分化されている。
これらのテーブルには、0〜99までの範囲の特図変動時間決定用乱数に対応する特別図柄の変動時間(2秒,3秒,6秒,12秒,30秒,45秒,90秒のいずれか)が規定されている。特図変動時間決定手段140の特図変動時間決定用乱数読出し部141は、前述の特図当否抽選の結果が抽出されたことに基づいて、遊技情報記憶手段110によって特図遊技情報として記憶された特図変動時間決定用乱数を読み出すとともに、遊技状態(普図低確率又は普図高確率)や、特図変動時間決定用乱数の読出し直後の特図遊技情報の保留記憶数に応じて、上記いずれかのテーブルを選択,参照し、当該参照したテーブルの中から読み出した特図変動時間決定用乱数に対応する特別図柄の変動時間を抽出する。
ここで、外れ用の低確率用特図変動時間テーブル142A−1;142A−2は、共に前述の特図当否抽選の結果が「外れ」であり、遊技状態が「普図低確率」の場合に参照される点で共通する。一方、上記テーブルのうち、低確率用特図変動時間テーブル142A−1は、特図変動時間決定用乱数の読出し直後の特図遊技情報の保留記憶数(第1記憶領域及び第2記憶領域に記憶された特図遊技情報の合計)が1個以下である場合に参照される。他方、低確率用特図変動時間テーブル142A−2は、特図変動時間決定用乱数の読出し直後の特図遊技情報の保留記憶数が2個以上である場合に参照される。
両テーブルに規定された変動時間の比較から明らかなように、その平均変動時間は、低確率用特図変動時間テーブル142A−1が参照される場合よりも、低確率用特図変動時間テーブル142A−2が参照された場合の方が短くなるように設定されている。
また、低確率用特図変動時間テーブル142A−1に規定された最短の変動時間(本例では「12秒」)は、低確率用特図変動時間テーブル142A−2に規定された最長の変動時間(本例では「6秒」)よりも長く設定されている。
つまり、特図変動時間決定用乱数の読出し直後の特図遊技情報の保留記憶数が2個以上である場合には、特別図柄の変動時間が短縮されることとなり、特図当否抽選の結果(本例においては「外れ」)が導出されるまでの時間効率が向上する。一方、特図変動時間決定用乱数の読出し直後の特図遊技情報の保留記憶数が1個以下である場合には、特別図柄の変動時間が短縮されることはなく、少なくとも「12秒」以上の変動時間が抽出される。
当り用の低確率用特図変動時間テーブル142Bは、特図当否抽選の結果が「当り」であり、遊技状態が「普図高確率」の場合に参照される。外れ用の低確率用特図変動時間テーブル142A−1;142A−2との比較からも明らかなように、その平均変動時間は、当り用の低確率用特図変動時間テーブル142Bが参照された場合の方が長くなるように設定されている。
外れ用の高確率用特図変動時間テーブル143A−1;143A−2は、共に前述の特図当否抽選の結果が「外れ」であり、遊技状態が「普図高確率」の場合に参照される点で共通する。一方、上記テーブルのうち、高確率用特図変動時間テーブル143A−1は、特図変動時間決定用乱数の読出し直後の特図遊技情報の保留記憶数が1個以下である場合に参照される。他方、高確率用特図変動時間テーブル143A−2は、特図変動時間決定用乱数の読出し直後の特図遊技情報の保留記憶数が2個以上である場合に参照される。
両テーブルに規定された変動時間の比較から明らかなように、その平均変動時間は、高確率用特図変動時間テーブル143A−1が参照される場合よりも、高確率用特図変動時間テーブル143A−2が参照された場合の方が短くなるように設定されている。
また、高確率用特図変動時間テーブル143A−1に規定された最短の変動時間(本例では「12秒」)は、高確率用特図変動時間テーブル143A−2に規定された最長の変動時間(本例では「2秒」)よりも長く設定されている。
換言すれば、遊技状態が「普図高確率」である場合は、常時、読出し直前の特図遊技情報の保留記憶数を3個以上に保つことができれば、複数の変動時間のうち、最も短い「2秒」の変動時間が抽出され続けるため、特図抽選の結果(本例においては「外れ」)が導出されるまでの時間効率を極めて向上させることができる。
一方で、時間効率が向上する「普図高確率」の状態であっても、読出し直前の特図遊技情報の保留記憶数が3個未満となった場合には、読出し直前の保留記憶数が3個以上である場合に参照される高確率用特図変動時間テーブル143A−2に規定された「2秒」よりも長い「12秒」の変動時間が抽出されることとなる。
なお、上述の各テーブルは例示に過ぎず、この他にも特図遊技情報の保留記憶数に応じてさらに細分化したテーブルを設けても良いし、変動時間についてもさらに細分化して規定してもよい。
以上のとおり、主制御装置100は、特図当否抽選手段120、当り種類決定手段130及び特図変動時間決定手段140を備えており、特図遊技情報記憶手段110に記憶された特図遊技情報を読み出し、読み出した特図遊技情報に対応する特図当否抽選の結果、当りの種類、及び特図変動時間を抽出する第1の遊技抽選を実行する。
そして、主制御装置100は、第1の遊技抽選によって抽出,決定された特図当否抽選の結果、当りの種類、及び特図変動時間の情報を含む演出図柄変動コマンドをサブ制御装置200側に送信する。当該演出図柄変動コマンドを受信したサブ制御装置200側では、特図当否抽選の結果、当りの種類、及び特図変動時間に基づいて演出図柄の変動時間、及び、変動に際して表示される多様な演出内容(予告パターン,リーチパターン等)を決定し、演出表示装置50で各種の演出を展開する処理を実行する。
演出図柄変動コマンドの送信と対応して、主制御装置100の特図変動表示制御手段145は、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに対して変動開始信号を出力し、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を、抽出された所定の変動時間実行するとともに、所定の変動時間経過後に変動停止信号を出力し、当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。これにより、第1始動部品口61又は第2始動部品62への入賞を契機として取得された特図遊技情報に対する特図当否抽選の結果が確定し、遊技者に報知される。
図8,図9は、上述した主制御装置100による第1の遊技抽選処理のフローである。同図に示すように、主制御装置100は、S200において、遊技情報記憶手段110(第1記憶領域又は第2記憶領域)に特図遊技情報が保留記憶されているかを判定し、YESの場合S201に移行し、NOの場合、当該判定を繰り返す。
主制御装置100は、S201において、現在の遊技状態が特別遊技中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S202に移行する。なお、特別遊技中であるか否かの判定は、特別遊技中においてRAMに設定される特別遊技フラグの状態(ON,OFF)により行われる。
主制御装置100は、S202において、特別図柄が変動中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S203に移行する。なお、特別図柄が変動中であるか否かの判定は、変動中においてRAMに設定される特別図柄変動フラグの状態(ON,OFF)により行われる。
主制御装置100は、S203において、特図遊技情報が第2記憶領域に記憶されているかを判定し、NOの場合S204に移行し、YESの場合S208に移行する。
主制御装置100は、S204において、第1記憶領域に保留記憶された特図遊技情報を読み出すとともに、特図遊技情報の保留記憶数を1減算し、S205に移行する。
主制御装置100は、S205において、S204で読み出した特図遊技情報に含まれる特図当否抽選用乱数を参照し、前述の特図当否抽選処理を実行して、S206に移行する。
主制御装置100は、S206において、特図当否抽選の結果が「当り」であるかを判定し、YESの場合S207に移行し、NOの場合S300に移行する。
主制御装置100は、S207において、特図遊技情報に含まれる当り種類決定用乱数及び第1当り用当り種類決定用テーブル132Aを参照して、当り種類決定処理を実行し、S300に移行する。
次に、S203の判定がNOのである場合の処理について説明する。
主制御装置100は、S208において、第2記憶領域に保留記憶された特図遊技情報を読み出すとともに、特図遊技情報の保留記憶数を1減算し、S209に移行する。
主制御装置100は、S209において、S208で読み出した特図遊技情報に含まれる特図当否抽選用乱数を参照し、前述の特図当否抽選処理を実行して、S210に移行する。
主制御装置100は、S210において、特図当否抽選の結果が「当り」であるかを判定し、YESの場合S211に移行し、NOの場合S300に移行する。主制御装置100は、S211において、特図遊技情報に含まれる当り種類決定用乱数、及び第2当り用当り種類決定用テーブル132Bを参照して、当り種類決定処理を実行し、S300に移行する。
以下、図9に示す特図変動時間決定処理のサブチャートを参照し、S300以降の処理について説明する。主制御装置100は、S300において現在の遊技状態が「普図低確率」であるかを判定し、YESの場合S301に移行し、NOの場合S306に移行する。主制御装置100は、S301において、S205における特図抽選の結果が「当り」であるかを判定し、YESの場合S302に移行し、NOの場合S303に移行する。
主制御装置100は、S303において、特図遊技情報に含まれる特図変動時間決定用乱数、及び、現在の遊技状態が「普図低確率」かつ特図抽選の結果が「当り」である場合に参照される低確率用変動時間テーブル142Bに基づいて特別図柄の変動時間を決定し、S311以降の処理に移行する。一方、S301における判定がNO(特図抽選結果=「外れ」)である場合、主制御装置100は、S303において、現在(減算後)の特図遊技情報の保留記憶数が2以上であるかを判定し、YESの場合S304に移行し、NOの場合S305に移行する。
主制御装置100は、S304において、特図遊技情報に含まれる特図変動時間決定用乱数、及び、特図抽選の結果が「外れ」、現在の遊技状態が「普図低確率」、かつ、減算後の特図遊技情報の保留記憶数が2個以上である場合に参照される低確率用変動時間テーブル142A−2に基づいて特別図柄の変動時間を抽出し、S311以降の処理に移行する。
主制御装置100は、S305において、特図遊技情報に含まれる特図変動時間決定用乱数、及び、特図抽選の結果が「外れ」、現在の遊技状態が「普図低確率」、かつ、減算後の特図遊技情報の保留記憶数が1個以下である場合に参照される低確率用変動時間テーブル142A−1に基づいて特別図柄の変動時間を抽出し、S311以降の処理に移行する。
次にS300における判定がNOである場合の処理について説明する。
主制御装置100は、S306においてS205における特図当否抽選の結果が「当り」であるかを判定し、YESの場合S307に移行し、NOの場合S308に移行する。主制御装置100は、S307において特図遊技情報に含まれる特図変動時間決定用乱数、及び、現在の遊技状態が「普図高確率」かつ特図抽選の結果が「当り」である場合に参照される高確率用変動時間テーブル143Bに基づいて特別図柄の変動時間を抽出し、S311以降の処理に移行する。
一方、S306における判定がNO(特図抽選結果=「外れ」)である場合、主制御装置100は、S308において、現在(減算後)の特図遊技情報の保留記憶数が2個以上であるかを判定し、YESの場合S309に移行し、NOの場合S310に移行する。
主制御装置100は、S309において、特図遊技情報に含まれる特図変動時間決定用乱数、及び、特図抽選の結果が「外れ」、現在の遊技状態が「普図高確率」、かつ、減算後の特図遊技情報の保留記憶数が2個以上である場合に参照される高確率用変動時間テーブル143A−2に基づいて特別図柄の変動時間を抽出し、S311以降の処理に移行する。
主制御装置100は、S310において、特図遊技情報に含まれる特図変動時間決定用乱数、及び、特図抽選の結果が「外れ」、現在の遊技状態が「普図高確率」、かつ、減算後の特図遊技情報の保留記憶数が1個以下である場合に参照される高確率用変動時間テーブル143A−1に基づいて特別図柄の変動時間を抽出し、S311以降の処理に移行する。
以上のS300乃至S310までの処理によって、現在の遊技状態(普図低確率又は普図高確率)、及び特図遊技情報の保留記憶数に応じた特図変動時間の長さが決定される。
図8に戻り、引き続き主制御装置100は、S311において、決定された特図変動時間に基づいて特別図柄の変動を開始させ、S312に移行する。主制御装置100は、S312において、特図当否抽選の結果、当りの種類、及び特別図柄の変動時間の情報を含む演出図柄変動コマンドをサブ制御装置200側に送信して処理を終了する。以上の処理によって、特別図柄及び演出図柄Sがほぼ同期して変動を開始し、所定の変動時間経過後に、特図当否抽選の結果を示す態様でほぼ同期して停止表示される。
次に、主制御装置100の特別遊技制御手段150について説明する。特別遊技制御手段150は、上述の特図当否抽選の結果が「当り」である場合、当該「当り」であることを示す態様で特別図柄及び演出図柄Sが停止表示された後に、遊技者に対して遊技者にとって有利な特別遊技(所謂「大当り遊技」)を実行する。ここで、特別遊技の具体的態様は、前述の当り種類(特別図柄の種類)に応じて予め設定されている。
例えば、特別図柄の種類が、「特別図柄A」又は「特別図柄B」である場合、特別遊技制御手段150は、特別可変入賞装置65の駆動源としてのソレノイドに駆動信号を出力し、特別可変入賞装置65の大入賞口を16R(ラウンド)開放状態とする。
ここで、1Rあたりの開放時間は、例えば開放開始から30秒が経過するまで、又は遊技球が10個入賞するまでのうち、いずれか早い条件が成立するまでとされている。
また、各ラウンド間のインターバルは、1.8秒とされている。よって、特別図柄の種類が「特別図柄A」又は「特別図柄B」であることに基づいて特別遊技が実行された場合に、遊技者が獲得可能な理論上の賞球数(払出し数)は、2400個(15×10×16)となる。そして遊技者は、上記特別遊技終了後の遊技においては、貸し球装置20より貸し出される貸し球によることなく、上記特別遊技において獲得した遊技球によって遊技を続行することが可能となる。
一方、特別図柄の種類が、「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合、特別遊技制御手段150は、特別可変入賞装置65に駆動信号を出力し、特別可変入賞装置65の大入賞口を4R(ラウンド)開放状態とする。特別図柄の種類が「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合の1R当りの開放時間及びラウンド間のインターバルは上述の特別図柄の種類が、「特別図柄A」又は「特別図柄B」である場合の特別遊技と同様に設定されており、特別図柄の種類が「特別図柄C」又は「特別図柄D」であることに基づいて特別遊技が実行された場合に、遊技者が獲得可能な理論上の賞球数(払出し数)は、600個(15×10×4)となる。そして遊技者は、上記特別遊技終了後の遊技においては、貸し球装置20より貸し出される貸し球によることなく、上記特別遊技において獲得した遊技球によって遊技を続行することが可能となる。
また、特別図柄の種類が、「特別図柄E」又は「特別図柄F」である場合、特別遊技制御手段150は、特別可変入賞装置65の駆動源としてのソレノイドに駆動信号を出力し、特別可変入賞装置65の大入賞口を2R(ラウンド)開放状態とする。ここで、1Rあたりの開放は、例えば開放開始から0.2秒が経過するまでとされている。また、各ラウンド間のインターバルは、0.5秒とされている。このように、特別図柄の種類が、「特別図柄E」又は「特別図柄F」である場合に実行される特別遊技は、特別可変入賞装置65の大入賞口の開放時間が極めて短時間であるため、遊技球を大入賞口内に入賞させることが困難な遊技であり、実質的な賞球を得ることが困難な遊技として設定されている。
よって、上記特別遊技においては、実質的な賞球を得ることができないため、当該特別遊技終了後の遊技において遊技を続行する場合には、貸し球装置20より貸し出される貸し球によって遊技を行う可能性が高くなる。
次に、普図遊技情報記憶手段155について説明する。図10は、普図遊技情報記憶手段155の構成を示すブロック図である。同図に示すように、普図遊技情報記憶手段155は、普図当否抽選用乱数発生部155Aと、普図当否抽選用乱数取得部155Bと、普図変動時間決定用乱数発生部156Aと、普図変動時間決定用乱数取得部156B、及び、普図遊技情報保留記憶部157とから構成される。
普図当否抽選用乱数発生部155Aは、周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である普図抽選用乱数を発生させるハードウェアカウンタである。普図当否抽選用乱数取得部155Bは、通過ゲート検知センサ94から出力される検知信号の入力に基づき、普図当否抽選用乱数発生部155Aにより発生した普図当否抽選用乱数を取得(ラッチ)する。
普図変動時間決定用乱数発生部156Aは、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜9の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図変動時間決定用乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。普図変動時間決定用乱数取得部156Bは、通過ゲート検知センサ94から出力される検知信号の入力に基づき、普図変動時間決定用乱数発生部156Aにより発生した普図変動時間決定用乱数を取得(ラッチ)する。
以上のとおり、上述の各乱数(普図当否抽選用乱数,普図変動時間決定用乱数)は、通過ゲート検知センサ94からの入力に基づいて同時に取得されるものである。そして以下の説明においては、これら同時に取得される複数の乱数を総称して「普図遊技情報」という場合がある。
普図遊技情報保留記憶部155は、普図遊技情報を記憶する記憶領域を有するRAMにより構成される。本実施形態においては、普図遊技情報保留記憶部155に記憶可能な第2の遊技情報の上限は4個とされており、普図遊技情報保留記憶部155は、通過ゲート66への進入を契機として取得された普図遊技情報を記憶領域内に順に記憶する。
また、記憶領域に記憶された普図遊技情報は、始動条件の成立によって記憶順に読み出され、読み出された普図遊技情報に基づく第2の遊技抽選(普図当否抽選処理,普図変動時間決定処理)に係る処理が実行されたのちに順次削除される。なお、始動条件については後述する。
次に、主制御装置100の普図当否抽選手段160及び普図変動時間決定手段170によって実行される遊技抽選処理ついて説明する。なお、以下に詳説するが、普図当否抽選手段160、及び普図変動時間決定手段170は、所定の始動条件が成立したことに応じて、普図遊技情報記憶手段155に記憶された普図遊技情報に含まれる乱数をそれぞれ読み出し、読み出した乱数に対応する普図当否抽選の結果、及び、普通図柄の変動時間を決定する。
図11(a)は、普図当否抽選手段160の構成を示すブロック図である。同図に示すように、普図当否抽選手段160は、普図当否抽選用乱数読出し部161と、低確率用普図当否抽選テーブル162A、及び高確率用普図当否抽選テーブル162Bを備えている。
図11(b)に示すように、これらのテーブルには、0〜99までの範囲の普図当否抽選用乱数それぞれに対応する当否結果(「当り」,「外れ」)が規定されている。
普図当否抽選手段160の普図当否抽選用乱数読出し部161は、所定の始動条件が成立したことに基づいて、前述の普図遊技情報記憶手段155によって普図遊技情報として記憶された普図当否抽選用乱数を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じて低確率用普図当否抽選テーブル162A及び高確率用普図当否抽選テーブル162Bのいずれかのテーブルを参照し、読み出した普図当否抽選用乱数に対応する当否結果(「当り」又は「外れ」)を抽出する。
同図に示すように、低確率用普図当否抽選テーブル162Aが参照された場合において、当否結果が「当り」となる確率は3%である。一方で、高確率用普図当否抽選テーブル162Bが参照された場合において、当否結果が「当り」となる確率は、98%に設定されている。上記いずれのテーブルが参照されるかは、後述する遊技状態制御手段185によって設定される遊技状態によって異なり、遊技状態が後述する「普図低確率」である場合は、低確率用普図当否抽選テーブル162Aが参照され、「普図高確率」である場合は、高確率用普図当否抽選テーブル162Bが参照される。
そして、両テーブルに規定された当否抽選の結果の比較から明らかなように、遊技状態が「普図低確率」である場合には、普図当否抽選の結果が「当り」となる確率が低く、遊技状態が「普図高確率」である場合には、普図当否抽選の結果が「普図低確率」である場合に比べ相対的に高くなる。
またここで、上記普図当否抽選が実行される契機となる始動条件とは、普通図柄が変動中でないことであり、上述の特別図柄に係る始動条件とは異なり、特別遊技実行中であっても普通図柄に係る普図当否抽選が実行される。
次に、普図変動時間決定手段170により実行される普図変動時間決定処理ついて説明する。図12(a)は、普図変動時間決定手段170の構成を示すブロック図である。同図に示すように、普図変動時間決定手段170は、普図変動時間決定用乱数読出し部171と、低確率用普図変動時間テーブル172と、高確率用普図変動時間テーブル173を備えている。普図変動時間決定手段170の普図変動時間決定用乱数読出し部171は、前述の普図当否抽選の結果が抽出されたことに基づいて、普図遊技情報記憶手段155によって普図遊技情報として記憶された普図変動時間決定用乱数を読み出すとともに、遊技状態に応じて上記いずれかのテーブルを参照し、読み出した普図変動時間決定用乱数に対応する普通図柄の変動時間を抽出する。
ここで、低確率用普図変動時間テーブル172は、遊技状態が後述する「普図低確率」である場合に参照されるテーブルである。図12(b)に示すように、低確率用普図変動時間テーブル172には、普図変動時間決定用乱に対応して「10秒」又は「20秒」の変動時間が、例えば50%の割合で規定されている。また、高確率用普図変動時間テーブル173は、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合に参照されるテーブルである。図12(b)に示すように、高確率用普図変動時間テーブル173には、普図変動時間決定用乱に対応して「2秒」の変動時間が規定されている。
両テーブルに規定された変動時間の比較から明らかなように、低確率用普図変動時間テーブル172が参照される場合の方が、高確率用普図変動時間テーブル173が参照される場合よりも長い変動時間が抽出される。換言すれば、遊技状態が「普図低確率」である場合には、普通図柄が変動を開始してから変動停止するまでの時間が長くなり、遊技状態が「普図高確率」である場合には、普通図柄が変動を開始してから変動停止するまでの時間が「普図低確率」である場合に比べ相対的に短くなる。なお、上述の各テーブルは例示に過ぎず、この他にも普図遊技情報の記憶数(保留記憶数)に応じて異なる変動時間が規定されたテーブルを参照して普通図柄の変動時間を決定する構成としてもよい。
以上のとおり、主制御装置100は、普図当否抽選手段160及び普図変動時間決定手段170を備えており、普図遊技情報記憶手段155に記憶された普図遊技情報を読み出し、読み出した普図遊技情報に対応する普図当否抽選の結果、及び、変動時間を抽出する第2の遊技抽選を実行する。そして、主制御装置100の普図変動表示制御手段175は、普図遊技情報に対応する当否抽選の結果、及び、変動時間が抽出されたことに基づいて、普通図柄表示装置41に対して変動開始信号を出力し、普通図柄を抽出された所定の変動時間だけ変動表示させるとともに、所定の変動時間経過後に変動停止信号を出力し、当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。これにより、通過ゲート66への進入を契機として取得された普図遊技情報に対する普図当否抽選の結果が確定し、遊技者に報知される。
次に、主制御装置100の普通遊技制御手段180について説明する。普通遊技制御手段180は、上述の普図当否抽選の結果が「当り」である場合、当該「当り」であることを示す態様で普通図柄が停止表示された後に、第2始動部品62の開閉体63を所定の時間,間隔により開放状態とする。
例えば、現在の遊技状態が「普図低確率」であり、前述の普図当否抽選の結果が「当り」である場合、開閉体63の駆動源としてのソレノイドに駆動信号を出力し、開閉体63を例えば0.4秒間開放状態とした後に閉鎖状態とする。
一方、現在の遊技状態が「普図高確率」であり、前述の普図当否抽選の結果が「当り」である場合、開閉体63を例えば1.5秒間開放状態とした後に閉鎖状態とするサイクルを3回繰り返して実行する。この時の1サイクルの間隔は例えば0.4秒に設定される。
つまり、遊技状態が「普図高確率」である場合には、「普図低確率」である場合に比べ、
普通図柄の変動時間が大幅に短縮されるとともに、開閉体63の開放時間及び開放頻度が大幅に向上し、遊技球が第2始動部品62に取り込まれ易くなるため、遊技者が遊技球を遊技盤30の右側部方向へ打ち出すことにより、特図遊技情報の保留記憶数を常時3つ以上に維持し易くなるとともに、第2始動部品62への進入を契機とする前述の第1の遊技抽選を、遊技球を殆ど減らすことなく連続して受けることが可能となる。
次に、主制御装置100の遊技状態制御手段185について説明する。遊技状態制御手段185は、上述の特図当否抽選の結果が「当り」である場合に、その当り種類に応じて、特別遊技後の遊技状態を切り替える。
図13は、当り種類と、特別遊技後の遊技状態を示す対応図である。同図に示すように、本実施形態において、当り種類が「特別図柄A」である場合、特別遊技後の遊技状態は、「普図低確率」かつ「特図低確率」の遊技状態に切り替えられる。また、当り種類が「特別図柄B」である場合、特別遊技後の遊技状態は、「普図高確率」かつ「特図高確率」の遊技状態に切り替えられる。また、当り種類が「特別図柄C」である場合、特別遊技後の遊技状態は、「普図高確率」かつ「特図低確率」の遊技状態に切り替える。また、当り種類が「特別図柄D」である場合、特別遊技後の遊技状態は、「普図高確率」かつ「特図高確率」の遊技状態に切り替えられる。また、当り種類が「特別図柄E」である場合、特別遊技後の遊技状態は、「普図低確率」かつ「特図低確率」の遊技状態に切り替えられる。また、当り種類が「特別図柄F」である場合、特別遊技後の遊技状態は、「普図低確率」かつ「特図高確率」の遊技状態に切り替えられる。
これらの遊技状態は、RAMの記憶領域にそれぞれ独立して設けられた遊技状態フラグ
(特別図柄用フラグ,普通図柄用フラグ)によって管理され、前述した特図遊技情報に基づく第1の遊技抽選、及び、普図遊技情報に基づく第2の遊技抽選においては、当該フラグの状態(ON,OFF)に基づいて、対応するテーブル等が参照されることとなる。
また、遊技状態の切替は、特別遊技中において開放する特別可変入賞装置65の大入賞口の最終ラウンド終了後(「16R」,「4R」,「2R」終了後)に実行され、当該時期に遊技状態が切り替わることにより、特別遊技終了後に、切替後の遊技状態における遊技が開始可能となる。また、本実施形態における「特図高確率」の状態は、特別遊技終了後、次回の特別遊技が実行されるまで継続するものであるが、例えば遊技回数(特図当否抽選の回数)が所定の回数に達するまで継続する設定としてもよい。
また、本実施形態における「普図高確率」の状態は、当り種類が「特別図柄B」である場合には、特別遊技終了後から遊技回数が100回に達するまで継続し、当り種類が「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合には、特別遊技終了後から遊技回数が50回に達するまで継続する。なお、遊技回数については、以下に説明する遊技回数計測手段190によって計測される。
遊技回数計測手段190は、例えば前述した演出図柄変動コマンドの送信が実行される度にカウントアップするハードウェア又はソフトウェア上のカウンタであって、特別図柄及び演出図柄Sの変動回数、換言すれば特図当否抽選の実行回数(遊技回数)を計測する。当該遊技回数計測手段190によって計測される遊技回数は、前述の特別遊技が実行される度にクリア処理がなされ、特別遊技後の新たな遊技状態において、遊技回数が「0」から計測される。また、遊技回数計測手段190によって計測される遊技回数は、前述の遊技状態制御手段185によって参照される。具体的には、遊技状態制御手段185は、遊技回数計測手段190によって計測される遊技回数に基づいて、遊技状態を「普図高確率」から「普図低確率」へと変更する(「特別図柄C」又は「特別図柄D」の場合)。
次に、貸し球媒体取り忘れ監視手段195について説明する。
図14に示すように、貸し球媒体取り忘れ監視手段195は、監視実行判定部195Aと、取り忘れ監視報知部195Bを含んで構成される。監視実行判定部195Aは、特別遊技中において、所定の条件を満たしたことに基づいて監視実行フラグ196の状態(ON,OFF)を切り替え、特別遊技終了後の新たな遊技状態における取り忘れ監視報知部195Bによる取り忘れ報知に関する処理の有無を決定する。
取り忘れ監視報知部195Bは、特別遊技終了後の遊技において、前述の特図遊技情報の保留記憶数を監視し、所定の条件を満たしたことに基づいてサブ制御装置200側に取り忘れ報知実行コマンドを送信する。以下、図15のフローチャートに基づいて、上記監視実行判定部195A、及び、取り忘れ監視報知部195Bによる処理について説明する。
図15(a)は、監視実行判定部195Aによる監視実行判定処理を示すフローチャートである。なお、当該監視実行判定処理は、特別遊技中において、前述の遊技状態制御手段185による遊技状態の切替処理が実行される前に行われる。
同図に示すように、監視実行判定部195Aは、S400において、特別遊技フラグがONであるか、換言すれば特別遊技が開始されたかを判定し、YESの場合S401に移行し、NOの場合1回の処理を終了する。監視実行判定部195Aは、S401において、遊技状態フラグに基づいて、特別遊技開始前(現在)の遊技状態が、予め設定された所定の遊技状態であるかを判定し、YESの場合S402に移行し、NOの場合1回の処理を終了する。
ここで、所定の遊技状態とは、特別遊技開始前の遊技状態が「普図低確率」かつ「特図低確率」であること、又は、「普図低確率」かつ「特図高確率」であることのいずれかであることを条件とし、特別遊技開始前の遊技状態が上記いずれかである場合に判定がYESとなる。より具体的には、遊技状態が「普図低確率」である場合に特別遊技を獲得した場合に判定がYESとなり、時間効率が大幅に向上し、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を継続できる「普図高確率」である場合に特別遊技を獲得した場合に判定がNOとなる。
当該判定が実行されることにより、特別遊技において獲得した遊技球を殆ど減らすことなく次回の特別遊技を獲得する所謂「連荘」中に、後述の取り忘れ報知がなされることがなくなり、遊技者が取り忘れ報知が繰り返されることにより感じる煩わしさを防止できる。
監視実行判定部195AはS402において、現在実行中の特別遊技の契機となった当り種類が予め設定された所定の当り種類であるかを判定し、YESの場合S403に移行し、NOの場合1回の処理を終了する。ここで、所定の当り種類とは、現在実行中の特別遊技において、実質的な賞球を得ることが可能な特別図柄A〜特別図柄Dであることを条件とし、当り種類が、これらの当り種類のいずれかである場合に判定がYESとなり、実質的な賞球を得ることが困難な特別図柄E又は特別図柄Fの場合、判定がNOとなる。
なお、本実施形態においては、当り種類に応じて、「16R」,「4R」及び「2R」の特別遊技を設定して、当り種類が「16R」又は「4R」に対応する場合に判定をYESとするようにしたが、これに限られるものではなく、さらに多くの複数のラウンド数を設定した場合において、理論上の最大獲得賞球数(本例の場合2400個)の4分の1以上の賞球を獲得可能な特別遊技と対応する当り種類である場合に判定がYESとなるように設定することが、特別遊技後の遊技続行の可能性の観点から望ましい。
このような判定が実行されることにより、特別遊技終了後に遊技を継続して行う可能性が高い遊技者に対して後述の取り忘れ報知を適切に行うことが可能となる。換言すれば、実質的な賞球を得ることができない特別遊技終了後に取り忘れ報知を行わないことにより、前述の貸し球としての遊技球を用いた遊技を促進することができる。
監視実行判定部195Aは、S403において、RAMに設定される監視実行フラグをON(0→1)し、1回の処理を終了する。以上、S400からS403までの処理の結果により、特別遊技終了後の遊技において取り忘れ監視報知部195Bによる取り忘れ監視報知処理の有無が決定される。以下、取り忘れ監視報知部195Bによる取り忘れ監視報知処理について説明する。
図15(b)は、取り忘れ監視報知処理を示すフローチャートである。
忘れ監視報知部195BはS500において、特別遊技フラグがOFFであるか、換言すれば特別遊技が終了しているかを判定し、YESの場合S501に移行し、NOの場合、当該処理を繰り返す。忘れ監視報知部195BはS501において、監視実行フラグがONであるかを判定し、YESの場合S502に移行し、NOの場合1回の処理を終了する。
忘れ監視報知部195BはS502において、特図遊技情報記憶手段110に記憶された特図遊技情報の保留記憶数(第1記憶領域及び第2記憶領域に記憶された特図遊技情報の合計)を計数して、当該保留記憶数が2以下であるかを判定し、YESの場合S503に移行し、NOの場合1回の処理を終了する。
なお、当該特図遊技情報の保留記憶数の計数は、前述の第1遊技抽選に係る特図遊技情報の読出し前に毎回実行され、読出し前の特図遊技情報の数の合計が2以下(=読出し後(減算後)の特図遊技情報の数が1以下)である場合に判定がYESとなる。
忘れ監視報知部195BはS503において、前述の遊技回数計測手段190によって計測された遊技回数が、予め設定された所定の遊技回数以下であるかを判定し、YESの場合S504に移行し、NOの場合S505に移行する。なお、S503における判定に係る予め設定された所定の遊技回数の意義については後述する。
忘れ監視報知部195Bは、S504において、サブ制御装置200側に取り忘れ報知実行コマンドを送信し、1回の処理を終了する。なお、当該取り忘れ報知実行コマンドの送信時期は、前述の演出図柄変動コマンドの送信時期とほぼ同時であり、サブ制御装置200は、取り忘れ報知実行コマンド及び演出図柄変動コマンドをほぼ同時に受信する。
そして、取り忘れ報知実行コマンドを受信したサブ制御装置200は、所定の取り忘れ注意喚起表示が演出図柄Sの変動中において表示されるように演出表示装置50を制御し、遊技者に対して貸し球媒体の取り忘れ(排出忘れ)に関する注意を促す。
なお、取り忘れ注意喚起表示の具体的な表示制御については、サブ制御装置200の構成と併せて後述する。また、前述の監視実行判定部195Aは、当該取り忘れ報知実行コマンドが送信されたことに基づいて監視実行フラグをOFF(1→0)し、忘れ監視報知部195Bによる取り忘れ監視報知処理を終了させる。
一方、忘れ監視報知部195Bは、S505において、S503における判定がNOであること、換言すれば、遊技回数計測手段190によって計測された特別遊技終了後からの遊技回数が、予め設定された所定の遊技回数よりも多い回数であることに基づいて、前述の監視実行判定部195Aに対して監視終了信号を出力する。監視実行判定部195Aは、当該監視終了信号の入力に基づいて監視実行フラグをOFF(1→0)し、取り忘れ監視報知部195Bによる取り忘れ監視報知処理を終了させる。
以下、監視実行判定部195Aによる監視実行判定処理、及び取り忘れ監視報知部195Bによる取り忘れ監視報知処理について、具体的な遊技の進行パターンを例として説明する。
まず、図16(a)に示す遊技の進行パターンは、遊技状態が「普図低確率」かつ「特図低確率」である場合に、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄A」である場合をモデルとしている。
同図に示すとおり、「普図低確率」かつ「特図低確率」の遊技状態において、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄A」である場合には、「16R」の特別遊技が実行されるとともに、当該特別遊技後の遊技状態が「普図低確率」かつ「特図低確率」の状態となる(遊技状態が維持される)。そして、当該16Rの特別遊技中においては、遊技状態フラグの切替以前に、前述の監視実行判定処理が実行され、監視実行フラグのON,OFFに係る判定が実行される。
本例においては、まず特別遊技開始前の遊技状態が「普図低確率」かつ「特図低確率」であることからS401の判定がYESとなり、さらに当該特別遊技の契機となった当り種類が実質的な賞球を伴う「特別図柄A」であることからS402の判定もYESとなる。よって、S403において監視実行フラグがON(0→1)となって処理が終了する。
そして、監視実行フラグがONとなったことにより、特別遊技終了後には取り忘れ報知監視処理が継続して実行される。ここで、図示の進行パターンにおいては、特別遊技後の遊技状態が「普図低確率」であるため、開閉体63の開放動作によって遊技球を第2始動部品62内に取り込ませることは困難であり、特別遊技終了後から短時間のうちに特図遊技情報の保留記憶数が2以下となり易く、早期にS502の判定がYESとなる可能性が高い。そして、S502の判定がYESとなった場合、これに引き続いてS503の判定が実行される。ここで、S503における「所定の遊技回数」は、例えば50回に設定されており、特図遊技情報の保留記憶数が2以下であり、かつ、特別遊技終了後からの遊技回数が50回以下である場合には、S504において取り忘れ報知実行コマンドがサブ制御装置200側に送信される。
一方、特図遊技情報の保留記憶数が2以下となった場合であっても、特別遊技終了後からの遊技回数が50回を超えている場合には、S505において取り忘れ報知実行コマンドは送信されることなく取り忘れ報知監視処理が終了する。
上記「所定の遊技回数」は、特別遊技後の「普図高確率」の継続回数に応じて設定される。即ち、本例においては、当り種類が「特別図柄A」であり、特別遊技後の遊技状態が「普図低確率」(=普図高確率0回」)であることから「所定の遊技回数」が「普図高確率」の継続回数よりも50回多い50回に設定される(0回+50回=50回)。なお、「所定の遊技回数」は、当り種類に応じて予め設定されている。
このように、「所定の遊技回数」を「普図高確率」の継続回数に応じて設定することにより(本例においては「普図高確率」の継続回数よりも50回多い回数)、前述の貸し球媒体を用いた遊技を促進することができる。
即ち、特別遊技後、「普図低確率」の状態で遊技回数が50回を超えるまで遊技を続行したということは、特別遊技において獲得した賞球(本例の場合約2400個)が大幅に減少することによって、賞球を用いた遊技(所謂「持ち球遊技」)が終了し、遊技者によって貸し出し装置20に挿入された貸し球媒体の球貸し可能度数に基づく球貸し操作がなされる可能性が高いことが予想される。そして、このような予想の下に、特図遊技情報の保留記憶数が2以下となった場合であっても、特別遊技終了後からの遊技回数が所定の遊技回数を超えている場合には、あえて取り忘れ報知実行コマンドを送信することなく、貸し球媒体を用いた遊技を促進する構成としている。
なお、本例のように、遊技状態が「普図低確率」である場合において、遊技状態が50回に達するまで特図遊技情報の保留個数が2以下とならない場合は、極めて稀なことであり、通常は、特別遊技終了後から短時間のうちに特図遊技情報の保留記憶数が2以下となり、取り忘れ報知実行コマンドが送信され、特別遊技が終了した直後の所謂「キリ」の良いタイミングで遊技者に対して後述する取り忘れ注意喚起表示が表示される。
次に、図16(b)に示す遊技の進行パターンは、遊技状態が「普図低確率」かつ「特図低確率」である場合に、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄B」である場合をモデルとしている。
同図に示すとおり、「普図低確率」かつ「特図低確率」の遊技状態において、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄B」である場合には、「16R」の特別遊技が実行されるとともに、当該特別遊技後における遊技状態が「普図高確率」かつ「特図高確率」の状態に移行する。そして、当該16Rの特別遊技中においては、遊技状態フラグの切替以前に前述の監視実行判定処理が実行され、監視実行フラグのON,OFFに係る判定が実行される。
本例においては、まず特別遊技開始前の遊技状態が「普図低確率」かつ「特図低確率」であることからS401の判定がYESとなり、さらに当該特別遊技の契機となった当り種類が実質的な賞球を伴う「特別図柄B」であることからS402の判定もYESとなる。よって、S403において監視実行フラグがON(0→1)となって処理が終了する。
そして、監視実行フラグがONとなったことにより特別遊技終了後には、取り忘れ報知監視処理が継続して実行される。ここで、本例においては、特別遊技終了後の遊技状態において、遊技者が遊技球を遊技盤30の右側部に打ち出せば、遊技球を通過ゲート66に頻繁に通過させることが可能となり、前述した第2の遊技抽選を繰り返し受けることが可能となる。そして、前述のとおり遊技状態が「普図高確率」である場合の普図当否抽選の結果が導出されるまでの時間は大幅に短縮され、かつ「当り」となる確率は極めて高く設定されており、さらに「当り」である場合の開閉体63の開放時間は大幅に向上することから、通常の釘の設定であれば、遊技球を第2始動部品62内にほぼ絶え間なく取り込ませることが可能となる。
よって、特別遊技終了後に開始される取り忘れ報知監視処理においては、S502の判定がYESとなることが稀であり、遊技回数が100回に達するまでの間に、取り忘れ報知実行コマンドが送信される可能性は低くなる。
一方で、例えば、遊技者がパチンコ機1から一時的に離席することにより、特図遊技情報の保留記憶数が2以下となった場合には、S502の判定がYESとなり、これに引き続くS503の判定が実行される。本例においては、S503の「所定の遊技回数」として、150回が設定されている。よって、S502の判定がYESとなり、さらに現在の遊技回数が150回以下である場合には、S504において取り忘れ報知実行コマンドが送信される。一方、特図遊技情報の保留記憶数が2以下となった場合であっても、特別遊技終了後からの遊技回数が150回を超えている場合には、S505において取り忘れ報知実行コマンドは送信されることなく、取り忘れ報知監視処理が終了する。
上記「所定の遊技回数」は、前記同様に、特別遊技後の「普図高確率」の継続回数に応じて設定される。即ち、本例においては、当り種類が「特別図柄B」であり、特別遊技後の「普図高確率」が100回継続することから、「所定の遊技回数」が「普図高確率」の継続回数よりも50回多い150回に設定される(100回+50回=150回)。
「所定の遊技回数」をこのように設定することにより、前述と同様の貸し球媒体を用いた遊技を促進することが可能となる。なお、本例のように、遊技状態が「普図高確率」から「普図低確率」に切り替わった場合において、特別遊技の終了後からの遊技回数が150回に達するまで特図遊技情報の保留個数が2以下とならない場合は、極めて稀なことであり、通常は、遊技状態が切り替わる遊技回数100回を超えた時点から短時間のうちに特図遊技情報の保留記憶数が2以下となり、特別遊技後の「普図高確率」が終了した直後の所謂「キリ」の良いタイミングで取り忘れ報知実行コマンドが送信される。
次に、図16(c)に示す遊技の進行パターンは、遊技状態が「普図低確率」かつ「特図高確率」である場合に、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄C」である場合をモデルとしている。
同図に示すとおり、「普図低確率」かつ「特図高確率」の遊技状態において、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄C」である場合には、「4R」の特別遊技が実行されるとともに、当該特別遊技後において遊技状態が「普図高確率」かつ「特図低確率」の状態に移行する。そして、当該4Rの特別遊技中においては、遊技状態フラグの切替以前に前述の監視実行判定処理が実行され、監視実行フラグのON,OFFに係る判定が実行される。本例においては、まず特別遊技開始前の遊技状態が「普図低確率」かつ「特図高確率」であることからS401の判定がYESとなり、さらに当該特別遊技の契機となった当り種類が実質的な賞球を伴う「特別図柄C」であることからS402の判定もYESとなる。よって、S403において監視実行フラグがON(0→1)となって処理が終了する。
そして、監視実行フラグがONとなったことにより、特別遊技終了後には、取り忘れ報知監視処理が継続して実行される。ここで、本例においては、前述の図16(b)に示す例と同様に、通常の釘の設定であれば、遊技球を第2始動部品62内にほぼ絶え間なく取り込ませることが可能である。
よって、特別遊技終了後に開始される取り忘れ報知監視処理においては、S502の判定がYESとなることが稀であり、遊技回数が50回に達するまでの間に取り忘れ報知実行コマンドが送信される可能性は低くなる。一方で、例えば、遊技者がパチンコ機1から一時的に離席することにより、特図遊技情報の保留記憶数が2以下となった場合には、S502の判定がYESとなり、これに引き続くS503の判定が実行される。
本例において、S503の「所定の遊技回数」として、100回が設定されている。よって、S502の判定がYESとなり、さらに現在の遊技回数が100回以下である場合には、S504において取り忘れ報知実行コマンドが送信される。
一方、特図遊技情報の保留記憶数が2以下となった場合であっても、特別遊技終了後からの遊技回数が100回を超えている場合には、S505において取り忘れ報知実行コマンドは送信されることなく、取り忘れ報知監視処理が終了する。
上記「所定の遊技回数」は、前記同様に、特別遊技後の「普図高確率」の継続回数に応じて設定される。即ち、本例においては、当り種類が「特別図柄C」であり、特別遊技後の「普図高確率」が50回継続することから、「所定の遊技回数」が「普図高確率」の継続回数よりも50回多い100回に設定される(50回+50回=100回)。そして、「所定の遊技回数」をこのように設定することにより、前述と同様の貸し球媒体を用いた遊技を促進することができる。なお、本例のように、遊技状態が「普図高確率」から「普図低確率」に切り替わった場合において、特別遊技の終了後からの遊技回数が100回に達するまで特図遊技情報の保留個数が2以下とならない場合は、極めて稀なことであり、通常は、遊技状態が切り替わる遊技回数50回を超えた時点から短時間のうちに特図遊技情報の保留記憶数が2以下となり、特別遊技後の「普図高確率」が終了した直後の所謂「キリ」の良いタイミングで取り忘れ報知実行コマンドが送信される。
次に、図16(d)に示す遊技の進行パターンは、遊技状態が「普図高確率」かつ「特図高確率」である場合に、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄D」である場合をモデルとしている。同図に示すとおり、「普図高確率」かつ「特図高確率」の遊技状態において、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄D」である場合には、「4R」の特別遊技が実行されるとともに、当該特別遊技後における遊技状態が「普図高確率」かつ「特図高確率」の状態に移行する(遊技状態が維持される)。そして、当該4Rの特別遊技中においては、遊技状態フラグの切替以前に前述の監視実行判定処理が実行され、監視実行フラグのON,OFFに係る判定が実行される。
本例においては、特別遊技開始前の遊技状態が「普図高確率」かつ「特図高確率」であることからS401の判定がNOとなり、監視実行フラグがOFF(0)のまま維持される。なお、既に監視実行フラグがONである場合には、OFFに切り替えられる(1→0)。
そして、本例においては、監視実行フラグがOFFとなることから、前述の各例のように、特別遊技終了後における取り忘れ報知監視処理が実行されることはなく、取り忘れ報知実行コマンドがサブ制御装置200側に送信されることもない。このように、特別遊技前の遊技状態が「普図高確率」かつ「特図高確率」である場合に、特別遊技を獲得した場合において、当該特別遊技後に取り忘れ報知監視処理が実行されず、後述の取り忘れ報知表示がなされないことにより、遊技者に煩わしさを感じさせることを防止できる。
即ち、遊技状態が「普図高確率」かつ「特図高確率」又は「普図高確率」かつ「特図低確率」である場合において、遊技者の心理状態としては、できるだけ短時間のうちに次回の特別遊技の獲得を望むものであり、他の遊技状態の場合と比べて、遊技者の注意がより一層演出図柄Sの停止態様に注がれる。そして、このような心理状態下において、後述する取り忘れ注意喚起表示が演出表示装置50上に表示されることは、遊技者に煩わしさを感じさせ、遊技者の高揚感を阻害する要因となりかねないため、本実施形態においては特別遊技前の遊技状態が「普図高確率」かつ「特図高確率」又は「普図高確率」かつ「特図低確率」である場合において、特別遊技終了後に、あえて取り忘れ報知監視処理を実行しない構成としている。
次に、図16(e)に示す遊技の進行パターンは、遊技状態が「普図低確率」かつ「特図低確率」である場合に、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄F」である場合をモデルとしている。同図に示すとおり、「普図低確率」かつ「特図低確率」の遊技状態において、特図当否抽選の結果が「当り」となり、当り種類が「特別図柄F」である場合には、「2R」の特別遊技が実行されるとともに、当該特別遊技後における遊技状態が「普図低確率」かつ「特図高確率」の状態に移行する。そして、当該2Rの特別遊技中においては、遊技状態フラグの切替以前に前述の監視実行判定処理が実行され、監視実行フラグのON,OFFに係る判定が実行される。本例においては、特別遊技開始前の遊技状態が「普図低確率」かつ「特図低確率」であることからS401の判定がYESとなり、S402の判定に移行する。S402の判定においては、当り種類が実質的な賞球を伴わない「特別図柄F」であることから判定がNOとなり、監視実行フラグがOFF(0)のまま維持される。なお、既に監視実行フラグがONである場合には、OFFに切り替えられる(1→0)。
そして、本例においては、監視実行フラグがOFFとなることから、図16(d)におけるパターンと同様に特別遊技終了後における取り忘れ報知監視処理が実行されることはなく、取り忘れ報知実行コマンドがサブ制御装置200側に送信されることもない。
このように、特別遊技獲得の契機となった当り種類が実質的な賞球を得ることが困難な「特別図柄E」又は「特別図柄F」である場合に、当該特別遊技後に取り忘れ報知監視処理が実行されず、後述の取り忘れ注意喚起表示がなされないことにより、遊技者の遊技意欲が減退することを防止できる。
即ち、特別遊技中において実質的な賞球を得ることができなかった遊技者は、特別遊技後の遊技状態において所謂「持ち球遊技」を行うことができず、遊技を続行するためには、再び貸し球装置20を操作して貸し球としての遊技球によって遊技をする必要がある。そして、このような遊技者による貸し球装置20の操作が予見される場合に、後述の取忘れ注意喚起表示を行うことは、遊技者に対してイライラ感を与える要因となり、遊技意欲の減退を招くため、本実施形態においては、特別遊技の契機となった当り種類が実質的な賞球を伴わない種類である場合に、あえて取り忘れ報知監視処理を実行しない構成としている。さらに、このような構成とすることにより、貸し球媒体を用いた遊技を促進することができる。
以上のとおり、本実施形態に係る貸し球媒体取り忘れ監視手段195は、特別遊技前の遊技状態と、当該特別遊技前の遊技状態において実行された特図当否抽選の結果が「当り」であることに基づいて決定される当り種類とに基づいて、特別遊技終了後における取り忘れ監視報知処理実行の有無を決定する監視実行判定処理を実行する。
さらに貸し球媒体取り忘れ監視手段195は、監視報知処理に際して保留記憶された特図遊技情報の数と、及び特別遊技終了後からの遊技回数に基づいて、取り忘れ報知実行コマンドの送信に関する有無を決定し、遊技者にとって最も適切なタイミングで後述の取忘れ注意喚起表示を表示させる。
次に、サブ制御装置200の構成及び処理について説明する。
サブ制御装置200は、主として主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドに基づいて演出表示装置50を制御し、所定の時間、多様な演出パターンにより演出図柄Sを変動表示させ、その停止態様によって前述の特図当否抽選の結果を導出する演出表示制御手段210と、主としてスピーカ8から発せられる各種の楽曲や音声を制御する音声制御手段230と、主として遊技盤30に搭載された可動役物70や装飾ランプを多様な動作態様により駆動制御する役物制御手段240とを備える。
また、本実施形態における演出表示制御手段210は、主制御装置100から演出図柄変動コマンドと同時に送信される取り忘れ報知実行コマンドを受信したことに基づいて、演出図柄Sの変動表示に対応して後述する取り忘れ注意喚起表示を演出表示装置50上に表示する。以下、各手段について説明する。
図17(a)は、演出表示制御手段210の構成を示すブロック図である。演出表示制御手段210は、演出図柄表示装置50との間に接続される図外の演出表示制御基板に対して各種のコマンドを送信する。演出表示制御基板には、演算手段としてのCPU,演出表示に必要な画像,動画データや、或いは取り忘れ注意喚起表示に必要な画像データが格納された記憶手段としてのROM,RAM及びVDP等の回路構成要素が組み込まれており、演出表示制御手段210により生成,送信される演出パターンコマンドや、取り忘れ注意喚起表示コマンドに基づいて演出図柄表示装置50を制御し、所定の演出や表示を展開させる。
同図に示すように演出表示制御手段210は、演出パターン設定部211と、注意喚起表示設定部215とを備える。
演出パターン設定部211は、主として主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドに含まれる各種の情報に基づいて、前述の特別図柄の変動表示と対応して演出図柄Sの変動表示、及び、当該変動表示に対応した演出(予告演出やリーチ演出或いは可動役物演出等)の態様を決定する。同図に示すように、演出パターン設定部211は、演出パターン決定用乱数取得手段212と、演出パターン決定用テーブル213とを備え、演出パターン決定用乱数取得手段212によって取得された演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンを演出パターン決定用テーブル213から抽出する。
ここで、演出パターン決定用乱数は、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜9の整数の範囲)で1ずつ更新させることにより生成されるソフトウェア乱数であって、演出図柄変動コマンドの受信と同時に演出パターン決定用乱数取得手段212によって取得される。
図17(b)に示すように、演出パターン決定用テーブル213は、前述した特別図柄の変動時間(2秒,3秒,6秒,12秒,30秒,45秒,90秒)に対応した演出時間を有する演出パターン決定用テーブル213A〜213Gに細分化されており、取得された演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンが規定されている。ここで、「リーチ」とは、3つの演出図柄のうち、2つの演出図柄Sが同一の数字又はキャラクターで先行して仮停止した状態であって、残余の1つの演出図柄Sが、先行して仮停止した状態の演出図柄S(リーチ図柄)と同一の数字又はキャラクターで停止すれば特別遊技となる可能性のある状態をいう。また、演出図柄Sが変動開始してから「リーチ」を形成するまでの時間は、例えば予め「8秒」に設定されている。
逆に「非リーチ」とは上記状態以外の状態をいう。また、「スーパーリーチ」とは、上記のリーチ成立後に残余の演出図柄Sが停止するまでの間、所定の画像や動画による演出表示が実行される演出パターンであり、付された番号の相違により異なる画像や動画を用いた演出が実行される。
以上のとおり、演出パターン設定部211は、演出パターンテーブル213の中から主制御装置100によって決定された特別図柄の変動時間と対応する演出時間を有する演出パターンを抽出する。なお、図示は省略するが、各演出パターンには、例えば予告演出の種類や可動役物演出種類或いは演出時間等の詳細が規定されている。
演出パターン設定部211は、演出図柄変動コマンドに含まれる特図当否抽選の結果から演出図柄Sの最終的な停止態様を決定するとともに、当該停止態様情報と、抽出した前述の演出パターン情報、及び、演出時間とを含む内部コマンドとしての変動開始コマンドを図外の演出表示制御基板に送信する。変動開始コマンドを受信した演出表示制御基板は、変動開始コマンドに含まれる情報に基づいて演出に必要な画像データや動画データをROMから読み出すとともに、当該データを演出表示装置50側に出力し、演出パターンに対応した多様な演出表示を展開させ、演出時間(特別図柄の変動時間)経過に応じて演出図柄Sを特図当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。
なお、当否抽選の結果を示す態様とは、特図当否抽選の結果が「当り」である場合は、3つの演出図柄Sが全て同一の数字又はキャラクターで停止表示される態様であり、当否抽選の結果が「外れ」である場合は、上記以外の組み合わせで停止表示される態様である。
注意喚起表示設定部215は、主制御装置100から送信される取り忘れ報知実行コマンドを受信したことに基づいて、演出表示制御基板に対して取り忘れ注意喚起表示コマンドを送信し、上述の変動開始コマンドに基づいて変動する演出図柄Sの変動開始後、変動停止前に(変動時間中)に、所定の取り忘れ注意喚起表示を演出表示装置50の表示画面51上に表示させる。
図18,図19は、表示画面51の変化を時系列で示す図である。
図18(a)〜(d)は、注意喚起表示設定部215から取り忘れ注意喚起表示コマンドが送信されない場合における演出図柄Sが変動を開始してから停止表示されるまでの表示画面51の様子を示し、図19(a)〜(d)は、注意喚起表示設定部215から取り忘れ注意喚起表示コマンドが送信された場合における演出図柄Sが変動を開始してから停止表示されるまでの様子を示す。なお、各図の例においては、演出図柄Sの変動時間(演出時間)は、12秒であり、「リーチ」(リーチ1又はリーチ2)を含むものであるとする。
図18(a),図19(a)に示すように、演出図柄Sの変動開始直後においては、それまで停止表示されていた演出図柄S(例えば,「1」,「2」,「3」)が、下方に向かって徐々にその速度を上げながらスクロールするように順に変動を開始する。
そして、図18(b),図19(b)に示すように、変動開始から例えば1秒後には、遊技者から演出図柄Sが視認困難な程度に高速でスクロールする状態に至る。
そして、図18(c)に示すように、注意喚起表示設定部215から取り忘れ注意喚起表示コマンドが送信されない場合においては、変動開始から8秒後に「リーチ」の状態が形成され、中央の演出図柄Sのみがスクロール表示を継続する。なお、「リーチ」形成までの過程としては、例えば高速でスクロール中の左側の演出図柄Sが徐々に速度を落としながら停止し、その後右側の演出図柄Sが徐々に速度を落としながら左側の演出図柄Sと同様の図柄(本例では「3」)で停止することにより「リーチ」が形成される。
そして、図18(d)に示すように、残る中央の演出図柄Sは、変動開始から11.5秒後に「リーチ」を形成した演出図柄Sとは異なる図柄(本例では「8」)で停止し、残余の0.5秒間の間、停止した状態の3つの演出図柄Sが表示され(確定表示時間)、次変動に移行する。
一方、図19(c)に示すように、注意喚起表示設定部215から取り忘れ注意喚起表示コマンドが送信された場合においては、変動開始から例えば2秒後に、それまで高速でスクロール表示されていた演出図柄Sを遮るように、例えば「カードの取り忘れに注意して下さい!!」との、遊技者に対して貸し球媒体の取り忘れ防止を喚起する取り忘れ注意喚起表示が差し込まれ、表示画面51のほぼ全域に渡って表示される。
なお、取り忘れ注意喚起表示の具体的な内容は、図示の例に限られるものではなく、貸し球媒体の取り忘れを防止し得る注意喚起を促す内容であれば如何なる内容であってもよい。また、当該取り忘れ注意喚起表示は、例えば2秒間継続して表示され、表示から2秒後に消去される。
また、取り忘れ注意喚起表示が表示される時期は、演出図柄Sの変動開始から変動停止までの間であればいつでも良いが、少なくとも全ての演出図柄Sが停止する変動開始から11.5秒よりも前の時期が望ましく、より望ましくは「リーチ」が形成される変動開始から8秒よりも前の時期がよい。取り忘れ注意喚起表示が表示される時期をこのように設定することにより、遊技者が関心を抱く「リーチ」の瞬間や、最終的に表示される演出図柄Sの態様を遊技者に対して明確に看取させることが可能となり、遊技の興趣を低下させることがなくなる。なお、同図の例においては、スクロール表示されていた演出図柄Sを遮るように視認不能として、取り忘れ注意喚起表示を表示するようにしたが、例えばスクロール表示されていた演出図柄Sを表示画面51の四隅の何れかの領域において小さく表示するようにしてもよい。
上述の取り忘れ注意喚起表示が2秒間継続して表示され、消去された後には、図19(d),(e)に示すように、図18(c),(d)と同様に変動開始から8秒後に「リーチ」が形成され、変動開始から11.5秒後に3つの演出図柄Sが停止表示される。
次に、上記取り忘れ注意喚起表示と、特別図柄(演出図柄S)の変動時間との関係について説明する。前述のとおり(図7(b)参照)、本実施形態に係る特別図柄の変動時間(演出図柄Sの変動時間)は、特図当否判定結果が「外れ」である場合において、特図遊技情報の読出し後の保留記憶数が1以下である場合には、低確率用変動時間テーブル142A−1、又は高確率用変動時間テーブル143A−1が参照されることにより、最短でも12秒の変動時間が確保されることとなる。一方、図15(b)に示すように、取り忘れ監視報知処理においては、読出し前の特図遊技情報が2以下であることを条件として、S504において取り忘れ報知実行コマンドを送信する処理を実行している。
以上の関係から明らかなように、本実施形態に係る取り忘れ注意喚起表示は、特別図柄(演出図柄S)の変動時間が少なくとも「12秒」以上である場合に表示され、特別図柄(演出図柄S)の変動時間が特図遊技情報の読出し後の保留記憶数が2以上である場合に選択され得る「2秒」,「3秒」,「6秒」のいずれかである場合には表示されない構成である。
このような構成とすることにより、特図遊技情報の保留記憶数が所定以上である場合に選択される短縮変動時間中に、表示画面51の表示が目まぐるしく変化することが抑制されるとともに、特図遊技情報の保留記憶数が所定以下である場合に選択される非短縮変動時間中に、遊技者に対して貸し球媒体の取り忘れ防止を喚起する取り忘れ注意喚起表示を余裕を持って適切に表示することができる。
なお、本実施形態においては、読出し後の特図遊技情報の保留記憶数が1以下、又は2以上であるかを基準として、特別図柄(演出図柄S)の変動時間を「2秒」,「3秒」,「6秒」からなる短縮変動時間とするか、「12秒」以上の非短縮変動時間とするかを決定するようにしたが、これに限られるものではなく、読出し後の特図遊技情報の保留記憶数の基準を変更し、短縮変動時間及び非短縮変動時間が選択される割合を自在に変更することが可能である。そして、その場合には図15(b)のS502における読出し前の特図遊技情報の保留記憶数の基準についても変更し、非短縮変動時間中に取り忘れ注意喚起表示を表示することが可能である。
以下、図3に戻り、サブ制御装置200の他の構成について説明する。
音声制御手段230は、演出表示制御手段210の各制御部によって生成される各種のコマンドの内容を含む内部コマンドを受信し、当該内部コマンドに基づいて、図外のROMから演出図柄Sの変動、特別遊技等を盛り上げる楽曲データや音声データ、或いは効果音データをスピーカ8を駆動させる図外のドライバ回路側に出力し、スピーカ8から遊技の進行状況に対応した音を生じさせる。例えば、前述の取り忘れ注意喚起表示の表示時期と対応するように、遊技者の注意を促す警告音を発する。
役物制御手段240は、上記同様の内部コマンドに基づいて、例えば可動役物70の駆動態様、駆動時期及び可動期間を決定し、当該決定した態様により可動役物70の駆動源として設けられた図外のステップモータを駆動し、遊技者に対して前述の演出のパターンに対応した可動役物70の動作を視認させることにより遊技を盛り上げる演出を実行する。
また、役物制御手段240は、当該内部コマンドに基づいて、遊技盤30やパネル扉4の内部に配設された図外の発光体の点灯態様、点灯時期及び点灯期間を決定し、当該決定した態様により発光体が搭載された回路基板に対して信号を出力し、各演出に対応した発光体の点灯動作を視認させることにより遊技を盛り上げる演出を実行する。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、上述の実施形態においては、取り忘れ報知実行コマンドの送信に関する取り忘れ監視報知処理を主制御装置100によって行う構成としたが、当該処理をサブ制御装置200側に行わせる構成としてもよい。この場合、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンド内に、監視実行フラグの状態、及び、現在の遊技情報保留記憶数に関する情報を含め、さらに演出図柄変動コマンドの受信回数に応じてカウントアップする遊技回数計測手段を設けておけば、サブ制御装置200側でこれらの情報に基づいて取り忘れ注意喚起表示を行うかを判定することができる。