JP5952114B2 - 電気導体の整列装置 - Google Patents
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Description
これにより、互いに形状の異なる2種類の電気導体を用いることで電気導体をより密に重ねることができるとともに、2種類の電気導体それぞれの一方の脚部を一組として各保持部で保持することで、電気導体ごとに保持部を設けた場合に比べて保持部の数を減らすことができる。その結果、保持部同士の干渉を回避でき、確実に電気導体を円環状に整列させることができるうえ、装置を小型化できる。
また、例えば電気導体の脚部を4方向から挟み込もうとすると、別々の駆動機構を設ける必要があり、保持部が大型化する。この場合には、整列させる際に保持部同士が互いに干渉し、電気導体を整列させることができないおそれがある。さらには、解放させようとすると、別途、駆動源による開閉機構が必要になり、保持部がさらに大型化する。
これにより、楕円柱状の回転部が回転することで、回転部と第1側面部との間隔及び回転部と第2側面部との間隔を変更することができ、電気導体の脚部を保持及び解放することができる。より詳しくは、これらの間隔を同時に縮小及び拡大できるため、第1電気導体の脚部及び第2電気導体の脚部を同時に保持及び解放できる。従ってこの発明によれば、簡易な構造により、電気導体を強い力で確実に保持できるとともに、これを解放できる。また、保持部を小型化でき、ひいては装置を小型化できる。
これにより、回転部とともに平板部が回転すると、平板部の回転部側の平面のうち、外側の部分から各電気導体の正面に当接し、回転が進むにつれてより内側の部分が各電気導体の正面に当接する。このとき、平板部の回転部側の平面が、外側から内側に向かうに従い回転部側に傾斜するようにテーパ状に形成されているため、より奥側に電気導体を押し込むことができ、各電気導体をより強く保持できる。ひいては、電気導体の保持位置のずれを調整できる。
本発明の第1実施形態に係る整列装置は、電気導体としての略U字状の複数のコイル要素を、円周方向に重ねながら円環状に整列させるものである。ここで、コイル要素としては、回転電機のステータコアの各スロットにそれぞれ挿入され、互いの端部が接続されることでステータコイルを形成する回転電機用のコイル要素が用いられる。
2つの第1保持部51,51は、互いに対向して配置され、隣接する第2保持部52に対して中心軸X方向に沿って下方にずれて配置される。また、複数の第2保持部52は、上側に配置される第2上側保持部53と、下側に配置される第2下側保持部55と、から構成され、これらが円周方向に交互に配置される。
図2に示すように、各スライド機構7は、基台3の平板部33上に取り付けられ、径方向に延びるスライドレール71と、スライドレール71に係合するスライドガイド73と、スライドガイド73に取り付けられ、スライドレール71に沿って径方向に延びるガイド板75と、を備える。第2上側保持部53及び第2下側保持部55は、スライドレール71に係合してスライドレール71上を移動するスライドガイド73及びガイド板75に案内されて、径方向に移動可能となっている。
また、第2上側保持部53は、接続部4の上面に取り付けられたリンク機構57により、隣接する一方の第2下側保持部55と結合される。同時に、接続部4の下面に取り付けられたリンク機構57により、隣接する他方の第2下側保持部55と結合される。
ただしスライド機構7Aは、スライド機構7と異なり、後述するシリンダ機構9のロッドの先端に設けられた把持部により把持される被把持部45をさらに備える。被把持部45は、接続部4の上面に上方に突出して設けられており、シリンダ機構9の把持部の凹部に嵌合して把持される。これにより、シリンダ機構9の駆動力が、被把持部45を介して第1保持部51を支持するスライド機構7Aに伝達される。
保持部本体530には、基端側に向かって凹んだ2つの凹部531,531と、これら凹部531,531間で先端側に向かって突出した突出部532が形成されている。
各爪部533は、基端側が各凹部531内に挿入された状態で保持部本体530に取り付けられる。各爪部533は先端側が拡開して延びており、この先端側と、保持部本体530の2つの凹部531,531間に設けられた突出部532とで略コの字形状を形成し、これらの間にコイル要素の一方の脚部を挿入可能となっている。
各把持部95には、その下面側に、上方に向かって凹んだ凹部951が形成されており、各凹部951が、上述の突設された被把持部45に嵌合することで、被把持部45が把持部95により把持される。これにより、各シリンダ機構9の駆動力が、第1保持部51を支持するスライド機構7Aに伝達される。
なお、図7及び図9の平面図では、便宜上、保持部5が保持するコイル要素の記載を省略し、図8及び図10の側面図では、便宜上、コイル要素及び保持部の一部の記載を省略している。また、図11では、円孔35の下方に配置されたステータコア15も併せて示している。
なお、図9に示すように、円環状に整列したコイル要素10の円環の径は、基台3の平板部33に形成された円孔35の径よりも小さく設定される。これにより、円環状に整列したコイル要素10の脚部を、円孔35の下方に配置されるステータコア15のスロットに挿入し易いようになっている。
先ず本実施形態では、円環状に複数設けられた保持部5により、略U字状の各コイル要素10の一方の脚部を保持し、複数のコイル要素10を円周方向に重ならない間隔で円環状に配列させる。その後、スライド機構7,7A及びシリンダ機構9により複数の保持部5を径方向内側に移動させることで、複数のコイル要素10を円周方向に重ねながら円環状に整列させる。
これにより、複数のコイル要素10を、互いに干渉しない領域まで広げて円環状に配列させ、そこからほぼ同時に径方向内側へ移動させるため、整列に要する時間を短縮できる。また、各コイル要素10をほぼ同時に移動させて整列させるため、整列の順序によらず、複数のコイル要素10を互いに干渉することなく容易に円環状に整列させることができる。
これにより、隣接する保持部5同士がリンク機構57で結合されているため、第1保持部51がシリンダ機構9から直接駆動力を受けて移動すると、それに従動して第2保持部52も移動する。従って、複数の保持部5を容易にほぼ同時に移動させることができるうえ、保持部5ごとに駆動源を設ける必要がないため、装置を小型化できる。
本発明の第2実施形態に係る整列装置2は、保持部及び接続部の構成が異なる点以外は、上述の第1実施形態に係る整列装置1と同一の構成である。また、第1実施形態では1種類のコイル要素10を円環状に整列させたが、本実施形態に係る整列装置2では、互いに形状の異なる2種類の第1コイル要素及び第2コイル要素を円環状に整列させる。
図12は、本実施形態に係る整列装置2の保持部6及び保持部6に保持された第1コイル要素11及び第2コイル要素12の斜視図である。より詳しくは、図12は、複数の保持部6を構成する第2上側保持部63及び第2下側保持部65に保持された第1コイル要素11及び第2コイル要素12の斜視図である。
図12に示すように、保持部6は、接続部40の先端側に一体成形されている。また、複数の保持部6を構成する第1保持部61(図示せず)、第2上側保持部63及び第2下側保持部65の基本構成は同一であり、接続部4の上側に取り付けられるか下側に取り付けられるかの違いでしかない点は、第1実施形態と同様である。具体的には、第1保持部61及び第2下側保持部65は接続部4の下側に取り付けられており、第2上側保持部63は接続部4の上側に取り付けられている。従って、図12〜15では、第2上側保持部63を例に挙げて示し、これら図12〜15を参照して、保持部6の構成について詳しく説明する。
保持部本体630は、基端側から先端側に向かうに従い、一端側に徐々に幅広となるように形成されている。第1爪部631及び第2爪部632は、保持部本体630の先端面の両端部側に一体成形され、保持部本体630と第1爪部631及び第2爪部632は、一体構造となっている。
図12に示すように動作時には、第1側面部としての第1爪部631の内側面631Aには、第1コイル要素11の一方の脚部の一の側面11Aが当接する。同様に、第2側面部としての第2爪部632の内側面632Aには、第2コイル要素12の一方の脚部の側面12Aが当接する。
図13は、整列装置2の保持部6を径方向内側から見たときの図である。図14は、整列装置2の保持部6の回転部633及び平板部634の構成を示す図であり、(A)はその前方斜視図であり、(B)はその後方斜視図である。
また、回転部633は、先端側(平板部634側)に向かうに従い、その径が若干小さくなっている。
一方、この状態から、回転部633を所定角度回転(右回り又は左回りいずれも可能であり、例えば、平板部634の向きが水平方向から38度前後となるように回転。以下、同様。)させることで、第1爪部631と回転部633との間隔が十分に狭められ、これらの間で第1コイル要素11の一方の脚部が把持される。同様に、第2爪部632と回転部633との間隔が十分に狭められ、これらの間で第2コイル要素12の一方の脚部が把持される。
なお、複数の回転部633の回転動作は、図示しない制御部により複数のモータ636を制御することで同期制御される。
また、平板部634の回転部633側の平面634Aは、外側から内側に向かうに従い回転部633側に傾斜するテーパ状に形成されている。即ち、平板部634は、外側ほどその厚みが薄くなるように形成されている。これにより、回転部633とともに平板部634が回転し、テーパ状の平面634Aが、第1コイル要素11の一方の脚部の正面11C及び第2コイル要素12の一方の脚部の正面12Cに当接してこれら正面を押圧することで、各コイル要素がより各爪部の奥側に押し込まれ、より強く把持される。
なお、平板部634の延出長さは、回転部633が上述の所定角度回転したときに、テーパ状の平面634Aが、第1コイル要素11の一方の脚部の正面11C及び第2コイル要素12の一方の脚部の正面12Cに当接し、これら正面を十分に押圧できる程度に設定される。
図15に示すように、保持部本体630の中央部内には、モータ636と、モータ636の出力軸(回転軸Y)が挿通されたハウジング637が設けられている。また、保持部本体630の両側部内には、ハウジング637を側方から固定して出力軸を固定する固定部638,638が設けられている。回転部633及び平板部634は、モータ636の駆動により、回転軸Yを中心として回転する。
本実施形態に係る保持部6は、次のようにして、第1コイル要素11及び第2コイル要素12それぞれの一方の脚部を把持して保持する。
本実施形態では、電気導体として、互いに形状の異なる第1コイル要素11及び第2コイル要素12を用いるとともに、第1コイル要素11の一方の脚部と、第2コイル要素12の一方の脚部を一組として、これを各保持部6で保持する。
これにより、互いに形状の異なる2種類のコイル要素を用いることでコイル要素をより密に重ねることができるとともに、2種類のコイル要素それぞれの一方の脚部を一組として各保持部6で保持することで、コイル要素ごとに保持部を設けた場合に比べて保持部6の数を減らすことができる。その結果、保持部6同士の干渉を回避でき、確実にコイル要素を円環状に整列させることができるうえ、装置を小型化できる。
また、例えばコイル要素の脚部を4方向から挟み込もうとすると、別々の駆動機構を設ける必要があり、保持部が大型化する。この場合には、整列させる際に保持部同士が互いに干渉し、電気導体を整列させることができない。さらには、解放させようとすると、別途、駆動源による開閉機構が必要になり、保持部が大型化する。
これにより、楕円柱状の回転部633が回転することで、回転部633と第1爪部631との間隔及び回転部633と第2爪部632との間隔を変更することができ、各コイル要素の脚部を保持及び解放することができる。より詳しくは、これらの間隔を同時に縮小及び拡大できるため、第1コイル要素11の脚部及び第2コイル要素12の脚部を同時に保持及び解放できる。従って本実施形態によれば、簡易な構造により、コイル要素を強い力で確実に保持できるとともに、これを解放できる。また、保持部6を小型化でき、ひいては整列装置2を小型化できる。
これにより、回転部633とともに平板部634が回転すると、平板部634の回転部633側の平面634Aのうち、外側の部分から各コイル要素の正面に当接し、回転が進むにつれてより内側の部分が各コイル要素の正面に当接する。このとき、平板部634の回転部633側の平面634Aが、外側から内側に向かうに従い回転部633側に傾斜するようにテーパ状に形成されているため、各コイル要素の正面を押圧してより凹部の奥側に各コイル要素を押し込むことができ、各コイル要素をより強く保持できる。ひいては、コイル要素の保持位置のずれを調整できる。
本発明の第3実施形態に係る整列装置30は、保持部の構成が第2実施形態と相違する以外は、第2実施形態と同一の構成である。ここで、図16は、第3実施形態に係る保持部8及び保持部8に保持された第1コイル要素11及び第2コイル要素12の斜視図である。また図17は、第3実施形態に係る保持部8及び保持部8に保持された第1コイル要素11及び第2コイル要素12が解放されるときの斜視図である。
例えば上記実施形態では、電気導体として回転電機用のコイル要素を用いたがこれに限定されず、略U字状に成形された電気導体であればよい。
また、第1実施形態では1種類のコイル要素10を用い、第2実施形態では2種類の第1コイル要素11及び第2コイル要素12を用いたがこれに限定されない。例えば、これらのコイル要素は、いずれの実施形態においても用いることができ、また、いずれの実施形態においてもより多くの種類のコイル要素を用いることもできる。
また上記実施形態では、シリンダ機構を2つ設け、これに対応して第1保持部51(61)を2つ設けたが、シリンダ機構及び第1保持部51(61)の数は特に限定されない。
5,6,8…保持部
7,7A…スライド機構(移動部)
9…シリンダ機構(移動部)
10…コイル要素(電気導体)
11…第1コイル要素(第1電気導体)
12…第2コイル要素(第2電気導体)
11A,12A…一の側面
11B,12B…他の側面
11C,12C…正面
51…第1保持部
52…第2保持部
57…リンク機構
631…第1爪部(第1側面部)
632…第2爪部(第2側面部)
633…回転部
634…平板部
634A…平面
X…中心軸(円環の中心軸)
Y…回転軸
Claims (2)
- 略U字状の複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる電気導体の整列装置であって、
各電気導体の一方の脚部を保持する複数の保持部と、
前記複数の保持部を移動させることで、前記複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる移動部と、を備え、
前記複数の電気導体は、第1電気導体と、前記第1電気導体とは形状の異なる第2電気導体と、から構成され、
前記複数の保持部は、
それぞれ、前記第1電気導体の一方の脚部と、前記第2電気導体の一方の脚部と、を保持するとともに、
前記第1電気導体の一方の脚部の一の側面に当接する第1側面部と、
前記第2電気導体の一方の脚部の一の側面に当接する第2側面部と、
前記第1側面部と前記第2側面部の間でこれら側面部に対して略平行な回転軸を中心に回転可能に設けられ、且つ前記第1電気導体の一方の脚部の他の側面、及び前記第2電気導体の一方の脚部の他の側面に当接する回転部と、を備え、
前記回転部は、前記回転軸方向に延びる楕円柱状に形成され、
前記回転部が回転することで、前記第1電気導体の一方の脚部及び前記第2電気導体の一方の脚部が保持及び解放されることを特徴とする電気導体の整列装置。 - 前記保持部は、前記回転部の先端に設けられ、且つ前記回転部から延出されてその長径方向の両外側に延びる平板部をさらに備え、
前記平板部の前記回転部側の平面は、外側から内側に向かうに従い前記回転部側に傾斜するようにテーパ状に形成され、
前記回転部とともに前記平板部が回転することで、前記テーパ状に形成された前記平板部の前記回転部側の平面が、前記第1電気導体の一方の脚部の正面及び前記第2電気導体の一方の脚部の正面に当接してこれら正面を押圧することを特徴とする請求項1に記載の電気導体の整列装置。
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