JP5952114B2 - 電気導体の整列装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気導体の整列装置に関する。詳しくは、略U字状の複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる電気導体の整列装置に関する。
回転電機のステータコイルは、例えば、次のようにして形成される。先ず、略U字状に成形した複数の電気導体を、円周方向に重ねながら円環状に整列させる。次いで、円環状に整列された各電気導体の脚部を、ステータコア上に円環状に設けられた各スロットにそれぞれ挿入する。そして、隣接する脚部の端部同士を接続する。これにより、回転電機のステータコイルが形成される。
ところで、略U字状の複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる技術に関して、従来から種々の検討がなされている。例えば、略U字状の複数の電気導体の一方の脚部を、整列円環パレット上に設けられた複数の収納溝にそれぞれ挿入し、この状態で整列円環パレットを回動させる技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術によれば、整列円環パレットの回動に従動して複数の電気導体が回動することで、複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列できるとされている。
特開2004−173357号公報
しかしながら特許文献1の技術では、整列円環パレットを回動させながら複数の電気導体を順番に整列させるため、それらの整列が完了するまでに時間を要する。また、略U字状の複数の電気導体を円周方向に重ねながら順に整列させていくと、最後の電気導体を整列させる際に、すでに整列されている電気導体との干渉が生じ、整列が困難になる。
そこで本発明者らは、各電気導体の一方の脚部を複数の保持部で保持し、移動部によりこれら複数の保持部を移動させることで、複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる装置を見出している。ところがこの整列装置では、複数の電気導体を高密度で円環状に整列させる場合には、保持部同士の間隔が極めて狭くなる。そのため、保持部同士が互いに干渉し、電気導体の整列が困難になるおそれがある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、各電気導体の一方の脚部を保持した複数の保持部を移動させることで、複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる電気導体の整列装置であって、保持部同士が互いに干渉することなく確実に電気導体を整列させることができる電気導体の整列装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、略U字状の複数の電気導体(例えば、後述のコイル要素)を円周方向に重ねながら円環状に整列させる電気導体の整列装置(例えば、後述の整列装置2)であって、各電気導体の一方の脚部を保持する複数の保持部(例えば、後述の保持部6)と、前記複数の保持部を移動させることで、前記複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる移動部(例えば、後述のスライド機構7,7A、シリンダ機構9,9)と、を備え、前記複数の電気導体は、第1電気導体(例えば、後述の第1コイル要素11)と、前記第1電気導体とは形状の異なる第2電気導体(例えば、後述の第2コイル要素12)と、から構成され、前記複数の保持部は、それぞれ、前記第1電気導体の一方の脚部と、前記第2電気導体の一方の脚部と、を保持することを特徴とする電気導体の整列装置を提供する。
本発明では、電気導体として、互いに形状の異なる第1電気導体及び第2電気導体を用いるとともに、第1電気導体の一方の脚部と、前記第2電気導体の一方の脚部を一組として、これを各保持部で保持する。
これにより、互いに形状の異なる2種類の電気導体を用いることで電気導体をより密に重ねることができるとともに、2種類の電気導体それぞれの一方の脚部を一組として各保持部で保持することで、電気導体ごとに保持部を設けた場合に比べて保持部の数を減らすことができる。その結果、保持部同士の干渉を回避でき、確実に電気導体を円環状に整列させることができるうえ、装置を小型化できる。
この場合、前記複数の保持部は、前記第1電気導体の一方の脚部の一の側面(例えば、後述の一の側面11A)に当接する第1側面部(例えば、後述の第1爪部631)と、前記第2電気導体の一方の脚部の一の側面(例えば、後述の一の側面12A)に当接する第2側面部(例えば、後述の第2爪部632)と、前記第1側面部と前記第2側面部の間でこれら側面部に対して略平行な回転軸(例えば、後述の回転軸Y)を中心に回転可能に設けられ、且つ前記第1電気導体の一方の脚部の他の側面(例えば、後述の他の側面11B)、及び前記第2電気導体の一方の脚部の他の側面(例えば、後述の他の側面12B)に当接する回転部(例えば、後述の回転部633)と、を備え、前記回転部は、前記回転軸方向に延びる楕円柱状に形成され、前記回転部が回転することで、前記第1電気導体の一方の脚部及び前記第2電気導体の一方の脚部が保持及び解放されることが好ましい。
ところで、例えば、ばねの付勢力により、電気導体の脚部を2方向から挟持して保持する場合には、自ら解放することができないうえ、挟持する際には挟持面間に脚部を挿入して摺動させる必要がある。そのため、摩擦係数の大きい弾性体を複数本束にした電気導体を用いた場合には、電気導体の形状バラツキを吸収できないおそれがある。
また、例えば電気導体の脚部を4方向から挟み込もうとすると、別々の駆動機構を設ける必要があり、保持部が大型化する。この場合には、整列させる際に保持部同士が互いに干渉し、電気導体を整列させることができないおそれがある。さらには、解放させようとすると、別途、駆動源による開閉機構が必要になり、保持部がさらに大型化する。
これに対して、この発明では、第1電気導体の一方の脚部の一の側面に当接する第1側面部と、第2電気導体の一方の脚部の一の側面に当接する第2側面部を保持部に設けるとともに、これら側面部の間でこれら側面部に対して略平行な回転軸を中心に回転可能であり、且つ第1電気導体の一方の脚部の他の側面及び第2電気導体の一方の脚部の他の側面に当接する回転部を保持部に設ける。また、この回転部を、回転軸方向に延びる楕円柱状に形成する。
これにより、楕円柱状の回転部が回転することで、回転部と第1側面部との間隔及び回転部と第2側面部との間隔を変更することができ、電気導体の脚部を保持及び解放することができる。より詳しくは、これらの間隔を同時に縮小及び拡大できるため、第1電気導体の脚部及び第2電気導体の脚部を同時に保持及び解放できる。従ってこの発明によれば、簡易な構造により、電気導体を強い力で確実に保持できるとともに、これを解放できる。また、保持部を小型化でき、ひいては装置を小型化できる。
この場合、前記保持部は、前記回転部の先端に設けられ、且つ前記回転部から延出されてその長径方向の両外側に延びる平板部(例えば、後述の平板部634)をさらに備え、前記平板部の前記回転部側の平面(例えば、後述の平面634A)は、外側から内側に向かうに従い前記回転部側に傾斜するようにテーパ状に形成され、前記回転部とともに前記平板部が回転することで、前記テーパ状に形成された前記平板部の前記回転部側の平面が、前記第1電気導体の一方の脚部の正面(例えば、後述の正面11C)及び前記第2電気導体の一方の脚部の正面(例えば、後述の正面12C)に当接してこれら正面を押圧することが好ましい。
この発明では、回転部から延出されてその長径方向の両外側に延びる平板部を、回転部の先端に設ける。また、平板部の回転部側の平面を、外側から内側に向かうに従い回転部側に傾斜するようにテーパ状に形成する。
これにより、回転部とともに平板部が回転すると、平板部の回転部側の平面のうち、外側の部分から各電気導体の正面に当接し、回転が進むにつれてより内側の部分が各電気導体の正面に当接する。このとき、平板部の回転部側の平面が、外側から内側に向かうに従い回転部側に傾斜するようにテーパ状に形成されているため、より奥側に電気導体を押し込むことができ、各電気導体をより強く保持できる。ひいては、電気導体の保持位置のずれを調整できる。
本発明によれば、各電気導体の一方の脚部を保持した複数の保持部を移動させることで、複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる電気導体の整列装置であって、保持部同士が互いに干渉することなく確実に電気導体を整列させることができる電気導体の整列装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る整列装置の斜視図である。 第1実施形態に係る第2保持部及びスライド機構の後方斜視図である。 第1実施形態に係る第2上側保持部及びスライド機構の前方斜視図である。 第1実施形態に係る第2下側保持部及びスライド機構の前方斜視図である。 第1実施形態に係る第1保持部及びスライド機構の後方斜視図である。 第1実施形態に係る保持部の部分断面平面図である。 第1実施形態に係る整列装置の平面図であり、複数の保持部が径方向外側に後退して離散したときの状態を示す図である。 第1実施形態に係る整列装置の側面図であり、複数の保持部が径方向外側に後退して離散したときの状態を示す図である。 第1実施形態に係る整列装置の平面図であり、複数の保持部が径方向内側に前進して集合したときの状態を示す図である。 第1実施形態に係る整列装置の側面図であり、複数の保持部が径方向内側に前進して集合したときの状態を示す図である。 第1実施形態に係る整列装置によるコイル要素の整列方法を説明するための図であり、(A)はコイル要素が円周方向に重ならない間隔で円環状に配列された状態を示す図であり、(B)はコイル要素が円周方向に重なりながら円環状に整列していく状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る保持部及び当該保持部に保持された第1コイル要素及び第2コイル要素の斜視図である。 第2実施形態に係る保持部を径方向内側から見たときの図である。 第2実施形態に係る保持部の回転部及び平板部の構成を示す図であり、(A)はその前方斜視図であり、(B)はその後方斜視図である。 第2実施形態に係る保持部の平面図である。 本発明の第3実施形態に係る保持部及び当該保持部に保持された第1コイル要素及び第2コイル要素の斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る保持部及び当該保持部に保持された第1コイル要素及び第2コイル要素が解放されるときの斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、同一の動作及び効果についても、その説明を省略する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る整列装置は、電気導体としての略U字状の複数のコイル要素を、円周方向に重ねながら円環状に整列させるものである。ここで、コイル要素としては、回転電機のステータコアの各スロットにそれぞれ挿入され、互いの端部が接続されることでステータコイルを形成する回転電機用のコイル要素が用いられる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る整列装置1の斜視図である。図1に示すように、整列装置1は、基台3と、複数の保持部5と、移動部としての複数のスライド機構7,7Aと、同じく移動部としての2つのシリンダ機構9,9と、を備える。
基台3は、後述する複数のスライド機構7,7Aを支持する。基台3は、4つの円柱状の基台脚部31と、これら基台脚部31により支持された円環状の平板部33と、を備える。平板部33の中央にある円孔35の径は、回転電機のステータコアの径に対応して、例えばステータコアの径よりも若干大きく設定される。本実施形態に係る整列装置1では、円孔35の下方に、図示しない回転電機のステータコアが配置され、整列装置1により整列されたコイル要素をステータコアの各スロットに挿入するための図示しない挿入装置が整列装置1とステータコアの間に配置される。これにより、整列装置1で円環状に整列した複数のコイル要素の脚部を、挿入装置によりステータコアの各スロット内に挿入することが可能となっている。
複数の保持部5は、図示しない略U字状の各コイル要素の一方の脚部の下部を保持する。図1に示すように、複数の保持部5は、基台3の平板部33上に円環状に配置される。より詳しくは、複数の保持部5は、基台3の平板部33上に放射状に設けられたスライド機構7,7Aによりそれぞれ支持されて、2つのシリンダ機構9,9の駆動力により径方向に移動可能となっている。
また図1に示すように、複数の保持部5は、隣接する保持部5の位置が円環の中心軸X方向(高さ方向)に交互にずれて配置されている。より詳しくは、後述するスライド機構7,7Aにより複数の保持部5が径方向内側に向かって前進して集合したときに、保持部5同士が干渉しないように、中心軸X方向に交互にずれて配置されている。
複数の保持部5は、後述するシリンダ機構9,9から直接駆動力を受けて移動する2つの第1保持部51,51と、第1保持部51,51の移動に従動する複数の第2保持部52と、から構成される。ここで、本明細書において直接駆動力を受けるとは、後述するリンク機構を介さずに、シリンダ機構9,9の駆動力を受けることを意味する。
2つの第1保持部51,51は、互いに対向して配置され、隣接する第2保持部52に対して中心軸X方向に沿って下方にずれて配置される。また、複数の第2保持部52は、上側に配置される第2上側保持部53と、下側に配置される第2下側保持部55と、から構成され、これらが円周方向に交互に配置される。
複数の保持部5は、隣接する保持部5同士が互いに、L字状のリンク機構57で結合される。このリンク機構57により、第1保持部51に隣接する第2保持部52が第1保持部51に結合され、この第1保持部51に結合された第2保持部52が、隣接する第2保持部52に結合される。このようにして隣接する第2保持部同士が順次結合されることで、複数の第2保持部52が第1保持部51の移動に従動する。リンク機構57については、後段で詳述する。
図2は、本実施形態に係る第2保持部52及びスライド機構7の後方斜視図である。より詳しくは、図2では、交互に配置された第2上側保持部53及び第2下側保持部55と、これら保持部を支持する4つのスライド機構7を示している。
図2に示すように、各スライド機構7は、基台3の平板部33上に取り付けられ、径方向に延びるスライドレール71と、スライドレール71に係合するスライドガイド73と、スライドガイド73に取り付けられ、スライドレール71に沿って径方向に延びるガイド板75と、を備える。第2上側保持部53及び第2下側保持部55は、スライドレール71に係合してスライドレール71上を移動するスライドガイド73及びガイド板75に案内されて、径方向に移動可能となっている。
第2上側保持部53及び第2下側保持部55はいずれも、スライドガイド73の上面にそれぞれ取り付けられて径方向内側に延びる板状の接続部4を介して、スライドガイド73に支持される。接続部4は、各保持部の円周方向の中央ではなく、一方側(図2では右側)に接続されており、これにより、複数の保持部5を密に集合させることが可能となっている。
また、第2上側保持部53は、接続部4の上面に取り付けられたリンク機構57により、隣接する一方の第2下側保持部55と結合される。同時に、接続部4の下面に取り付けられたリンク機構57により、隣接する他方の第2下側保持部55と結合される。
リンク機構57は、図2に示すように、短手部571及び長穴575が形成された長手部573からなるL字状の板状部材と、ボルト570と、で構成される。このリンク機構57では、短手部571が一方の接続部4に固定される。長手部573に形成された長穴575は、ボルト570の頭部の径よりも小さく且つボルト570の軸部の径よりも僅かに大きい幅で形成される。この長穴575にボルト570の軸部が挿通され、長手部573とボルト570の頭部との間に隙間が確保された状態で、ボルト570が他方の接続部4に固定される。これにより、長穴575内の幅方向におけるボルト570の移動が規制される一方で、長穴575内の長さ方向におけるボルト570の移動が許容される。そのため、複数の保持部5は、隣接する保持部5の径方向への移動に従動して、径方向へ移動可能となっている。
図3は、本実施形態に係る第2上側保持部53及びスライド機構7の前方斜視図である。また図4は、本実施形態に係る第2下側保持部55及びスライド機構7の前方斜視図である。これら図3及び図4に示すように、第2上側保持部53は、接続部4の上面41側に取り付けられるのに対して、第2下側保持部55は、接続部4の下面43側に取り付けられる。これにより、第2上側保持部53の中心軸X方向の位置と、第2下側保持部55の中心軸X方向の位置は異なったものとなっている。
図5は、本実施形態に係る第1保持部51及びスライド機構7Aの後方斜視図である。図5に示すように、第1保持部51は、上述の第2下側保持部55と同様の構成であり、接続部4の下面43側に取り付けられる。
第1保持部51を支持するスライド機構7Aは、基本的には上述のスライド機構7と同様の構成であり、スライドレール71と、スライドガイド73と、ガイド板75と、を備える。
ただしスライド機構7Aは、スライド機構7と異なり、後述するシリンダ機構9のロッドの先端に設けられた把持部により把持される被把持部45をさらに備える。被把持部45は、接続部4の上面に上方に突出して設けられており、シリンダ機構9の把持部の凹部に嵌合して把持される。これにより、シリンダ機構9の駆動力が、被把持部45を介して第1保持部51を支持するスライド機構7Aに伝達される。
また、スライド機構7Aは、第1保持部51を支持するスライドガイド73の径方向外側への移動を規制する外側ストッパー715を備える。外側ストッパー715は、径方向に略直交する方向に延設され、固定部材717により基台3の平板部33上に固定されている。この外側ストッパー715がスライドガイド73に当接することで、第1保持部51を支持するスライドガイド73の径方向外側への移動が規制される。
また、スライド機構7Aは、第1保持部51を支持するスライドガイド73の径方向内側への移動を規制する内側ストッパー713を備える。内側ストッパー713は、スライドガイド73から径方向外側に向かって延設された水平部711の下面から下方に向かって延設されており、基台3の平板部33上に設けられた内側ストッパーボルト331に径方向外側から当接することで、第1保持部51を支持するスライドガイド73の径方向内側への移動が規制される。
図6は、本実施形態に係る保持部5の部分断面平面図である。ここで、複数の保持部5を構成する第1保持部51、第2上側保持部53及び第2下側保持部55は、上述した通りその基本構成は同一であり、接続部4の上側に取り付けられるか下側に取り付けられるかの違いでしかない。従って、図6では、第2上側保持部53を例に挙げて示し、この図6を参照して、保持部5の構成について詳しく説明する。
図6に示すように、第2上側保持部53は、接続部4に取り付けられる保持部本体530と、保持部本体530の先端側に取り付けられる一対の爪部533,533と、を備える。
保持部本体530には、基端側に向かって凹んだ2つの凹部531,531と、これら凹部531,531間で先端側に向かって突出した突出部532が形成されている。
各爪部533は、基端側が各凹部531内に挿入された状態で保持部本体530に取り付けられる。各爪部533は先端側が拡開して延びており、この先端側と、保持部本体530の2つの凹部531,531間に設けられた突出部532とで略コの字形状を形成し、これらの間にコイル要素の一方の脚部を挿入可能となっている。
各爪部533は、保持部本体530の両側面に設けられた一対のチャック機構534,534により、それらの先端側と突出部532との間でコイル要素の一方の脚部を把持する。より詳しくは、一方の爪部533と突出部532との間で、一のコイル要素の一方の脚部を把持し、他方の爪部533と突出部532との間で、一のコイル要素に隣接する他のコイル要素の一方の脚部を把持する。なお、各コイル要素の他方の脚部は把持せず、把持しない他方の脚部が把持した一方の脚部よりも径方向内側に位置するようにして、各コイル要素の一方の脚部を把持する。
各チャック機構534は、挿通部535と、ばね536と、を備える。挿通部535は、基端側の頭部が保持部本体530の側面にボルト537で固定され、軸部の先端側が各爪部533の基端側を貫通して突出部532の内部にまで挿通される。各挿通部535は、互いの先端が当接し合うまで挿通される。ばね536は、各挿通部535の軸部に収縮した状態で巻回される。
以上の構成を備える第2上側保持部53では、各爪部533の先端側と突出部532との間に、コイル要素の脚部を摺動させながら挿入する。すると、各爪部533の基端側が外側に押し拡げられる。このとき、ばね536の強い付勢力により、各爪部533の基端側が突出部532側に押圧される。これにより、各爪部533の先端側に、突出部532側への力が付与されることで、コイル要素の脚部が把持される。
図1に戻って、2つのシリンダ機構9,9は、それぞれ、上述した通り第1保持部51に対して直接駆動力を付与する。図1に示すように、2つのシリンダ機構9,9は、基台3を介して対向配置されている。各シリンダ機構9は、支持台90と、支持台90に支持された円筒状のシリンダ91と、シリンダ91内を往復動可能に設けられた図示しないピストンと、ピストンに接続されたロッド93と、ロッド93の先端に設けられた把持部95と、を備える。
各把持部95には、その下面側に、上方に向かって凹んだ凹部951が形成されており、各凹部951が、上述の突設された被把持部45に嵌合することで、被把持部45が把持部95により把持される。これにより、各シリンダ機構9の駆動力が、第1保持部51を支持するスライド機構7Aに伝達される。
以上の構成を備える本実施形態に係る整列装置1が動作することで、本発明に係る整列方法の実行が可能となっている。以下、本実施形態に係る整列装置1の動作について、図7〜図11を参照しながら説明する。
ここで、図7及び図9は、本実施形態に係る整列装置1の平面図であり、図8及び図10は、本実施形態に係る整列装置1の側面図である。図7及び図8は、複数の保持部5が径方向外側に後退して離散したときの状態を示す図であり、図9及び図10は、複数の保持部5が径方向内側に前進して集合したときの状態を示す図である。また、図11は、本実施形態に係る整列装置1によるコイル要素10の整列方法を説明するための図であり、(A)は、コイル要素10が円周方向に重ならない間隔で円環状に配列された状態を示す図であり、(B)は、コイル要素10が円周方向に重なりながら円環状に整列していく状態を示す図である。
なお、図7及び図9の平面図では、便宜上、保持部5が保持するコイル要素の記載を省略し、図8及び図10の側面図では、便宜上、コイル要素及び保持部の一部の記載を省略している。また、図11では、円孔35の下方に配置されたステータコア15も併せて示している。
先ず、図7及び図8に示すように、2つのシリンダ機構9,9を駆動させて、外側ストッパー715がスライドガイド73に当接するまで、スライド機構7Aにより第1保持部51を径方向外側に後退させる。すると、第2保持部52も、複数のリンク機構57及びスライド機構7によって第1保持部51の移動に従動し、径方向外側に後退する。これにより、複数の保持部5が全て、径方向外側に後退して離散した状態となる。
次いで、この状態で、各保持部5により各コイル要素10の一方の脚部の下部を把持して保持する。これにより、図11(A)に示すように、複数のコイル要素10は、円周方向に重ならない間隔で、円環状に配列される(本発明に係る整列方法の配列工程に相当)。なおこのとき、各コイル要素10の他方の脚部は把持せず、把持しない他方の脚部が把持した一方の脚部よりも径方向内側に位置するようにして、各コイル要素10の一方の脚部を把持する。
ここで、本実施形態で用いる複数のコイル要素10は、1種類のコイル要素からなり、具体的には図8に示すような略U字状のコイル要素である。このコイル要素10は、例えば、次のようにして成形される。先ず、直線状のコイル用平角線材を4本束にし、その略中央部に、第1平面上で略S字形状を呈するS字形状部を成形する。次いで、S字形状部よりも両端部側の脚部を、互いに近接する方向に折り曲げる。次いで、第1平面に略直交する第2平面に沿って、S字形状部の略中央部を捻りながら屈曲させることで、S字形状部を略頂点部分とした山形形状に成形する。これにより、略U字状のコイル要素10が得られる。
このようにして得られたコイル要素10は、脚部の断面が矩形状であるとともに、成形時に捻られている。そのため、コの字状の爪部533と突出部532との間で、一方の脚部の側面が爪部533及び突出部532に当接するようにして一方の脚部を把持することにより、把持しない他方の脚部は、自動的に把持した一方の脚部よりも径方向内側に配置される。
次いで、図9及び図10に示すように、シリンダ機構9,9を駆動させて、内側ストッパー713が内側ストッパーボルト331に当接するまで、スライド機構7により第1保持部51を径方向内側に前進させる。すると、第2保持部52も、複数のリンク機構57及びスライド機構7によって第1保持部51の移動に従動し、径方向内側に前進する。これにより、複数の保持部5が全て、径方向内側に前進して集合した状態となる。
このとき、一方の脚部が各保持部5で把持された複数のコイル要素10は、図11(B)に示すように、ほぼ同時に径方向内側に前進することで、互いに円周方向に重なり合いながら、集合する(本発明に係る整列方法の整列工程に相当)。以上により、複数のコイル要素10が、円周方向に重なりながら円環状に整列する。
なお、図9に示すように、円環状に整列したコイル要素10の円環の径は、基台3の平板部33に形成された円孔35の径よりも小さく設定される。これにより、円環状に整列したコイル要素10の脚部を、円孔35の下方に配置されるステータコア15のスロットに挿入し易いようになっている。
本実施形態に係る整列装置1によれば、以下の効果が奏される。
先ず本実施形態では、円環状に複数設けられた保持部5により、略U字状の各コイル要素10の一方の脚部を保持し、複数のコイル要素10を円周方向に重ならない間隔で円環状に配列させる。その後、スライド機構7,7A及びシリンダ機構9により複数の保持部5を径方向内側に移動させることで、複数のコイル要素10を円周方向に重ねながら円環状に整列させる。
これにより、複数のコイル要素10を、互いに干渉しない領域まで広げて円環状に配列させ、そこからほぼ同時に径方向内側へ移動させるため、整列に要する時間を短縮できる。また、各コイル要素10をほぼ同時に移動させて整列させるため、整列の順序によらず、複数のコイル要素10を互いに干渉することなく容易に円環状に整列させることができる。
また本実施形態では、隣接する保持部5の位置が、複数の保持部5により形成される円環の中心軸X方向にずれて配置される。これにより、複数の保持部5を径方向内側に移動させたときに、隣接する保持部5同士が干渉するのを回避できる。
また本実施形態では、隣接する保持部5同士を互いにリンク機構57で結合するとともに、複数の保持部5を、シリンダ機構9から直接駆動力を受けて移動する少なくとも一つ以上の第1保持部51と、第1保持部51の移動に従動する複数の第2保持部52で構成する。
これにより、隣接する保持部5同士がリンク機構57で結合されているため、第1保持部51がシリンダ機構9から直接駆動力を受けて移動すると、それに従動して第2保持部52も移動する。従って、複数の保持部5を容易にほぼ同時に移動させることができるうえ、保持部5ごとに駆動源を設ける必要がないため、装置を小型化できる。
また本実施形態に係る整列装置1により実行される整列方法によれば、上述の効果と同様の効果が奏される。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る整列装置2は、保持部及び接続部の構成が異なる点以外は、上述の第1実施形態に係る整列装置1と同一の構成である。また、第1実施形態では1種類のコイル要素10を円環状に整列させたが、本実施形態に係る整列装置2では、互いに形状の異なる2種類の第1コイル要素及び第2コイル要素を円環状に整列させる。
以下、本実施形態に係る整列装置2の保持部の構成について、図12〜図15を参照しながら詳しく説明する。
図12は、本実施形態に係る整列装置2の保持部6及び保持部6に保持された第1コイル要素11及び第2コイル要素12の斜視図である。より詳しくは、図12は、複数の保持部6を構成する第2上側保持部63及び第2下側保持部65に保持された第1コイル要素11及び第2コイル要素12の斜視図である。
図12に示すように、保持部6は、接続部40の先端側に一体成形されている。また、複数の保持部6を構成する第1保持部61(図示せず)、第2上側保持部63及び第2下側保持部65の基本構成は同一であり、接続部4の上側に取り付けられるか下側に取り付けられるかの違いでしかない点は、第1実施形態と同様である。具体的には、第1保持部61及び第2下側保持部65は接続部4の下側に取り付けられており、第2上側保持部63は接続部4の上側に取り付けられている。従って、図12〜15では、第2上側保持部63を例に挙げて示し、これら図12〜15を参照して、保持部6の構成について詳しく説明する。
ここで、第1コイル要素11及び第2コイル要素12はいずれも、上述のコイル要素10と同様に、S字形状部の略中央部を捻りながら屈曲させることで、S字形状部を略頂点部分とした山形形状に成形された略U字状のコイル要素である。ただし、第2コイル要素12は第1コイル要素11よりも小さなU字状であり、第2コイル要素12が第1コイル要素11の内周に嵌合するように成形されている。
図12に示すように、本実施形態に係る整列装置2では、第1コイル要素11の一方の脚部と第2コイル要素12の一方の脚部を一組として、これを各保持部6で保持する。これにより、第1コイル要素11と第2コイル要素12を円周方向に交互により密に整列させることが可能となっている。
第2上側保持部63は、接続部4に取り付けられる保持部本体630と、保持部本体630の先端側に設けられた第1側面部及び第2側面部としての第1爪部631及び第2爪部632と、を備える。
保持部本体630は、基端側から先端側に向かうに従い、一端側に徐々に幅広となるように形成されている。第1爪部631及び第2爪部632は、保持部本体630の先端面の両端部側に一体成形され、保持部本体630と第1爪部631及び第2爪部632は、一体構造となっている。
第1爪部631及び第2爪部632は、それぞれ、平面視略L字状に形成されており、互いの内側面が対向するように設けられている。各爪部は、短手部が保持部本体630の先端面の一端側に一体成形されており、長手部が先端側に延びて設けられている。
図12に示すように動作時には、第1側面部としての第1爪部631の内側面631Aには、第1コイル要素11の一方の脚部の一の側面11Aが当接する。同様に、第2側面部としての第2爪部632の内側面632Aには、第2コイル要素12の一方の脚部の側面12Aが当接する。
また第2上側保持部63は、チャック機構として、保持部本体630の先端面の中央部に、回転部633と、平板部634と、を備える。
図13は、整列装置2の保持部6を径方向内側から見たときの図である。図14は、整列装置2の保持部6の回転部633及び平板部634の構成を示す図であり、(A)はその前方斜視図であり、(B)はその後方斜視図である。
図13及び図14に示すように、回転部633は、後述するモータ636及びその出力軸(回転軸Y)が挿通されたハウジング637と一体形成されている。これにより、回転部633は、第1爪部631及び第2爪部632の間で、これら爪部に対して略平行な回転軸Yを中心に回転可能となっている。動作時には、回転部633は、第1コイル要素11の一方の脚部の他の側面11Bと、第2コイル要素12の一方の脚部の他の側面12Bに当接する。
回転部633は、回転軸Y方向に延びる楕円柱状に形成されている。回転部633の短径は、回転部633の長径方向を略鉛直方向としたときに、回転部633と各爪部の内側面との間に各コイル要素の一方の脚部が挿通可能な程度の間隔が確保されるように設定される。
また、回転部633は、先端側(平板部634側)に向かうに従い、その径が若干小さくなっている。
従って、回転部633の長径方向を略鉛直方向とすることで、第1爪部631と回転部633との間に、第1コイル要素11の一方の脚部を挿入するのに十分な間隔が確保される。同様に、第2爪部632と回転部633との間に、第2コイル要素12の一方の脚部を挿入するのに十分な間隔が確保される。
一方、この状態から、回転部633を所定角度回転(右回り又は左回りいずれも可能であり、例えば、平板部634の向きが水平方向から38度前後となるように回転。以下、同様。)させることで、第1爪部631と回転部633との間隔が十分に狭められ、これらの間で第1コイル要素11の一方の脚部が把持される。同様に、第2爪部632と回転部633との間隔が十分に狭められ、これらの間で第2コイル要素12の一方の脚部が把持される。
なお、複数の回転部633の回転動作は、図示しない制御部により複数のモータ636を制御することで同期制御される。
平板部634は、回転部633の先端に設けられ、回転部633からその長径方向の両外側に所定長さ延出されている。即ち、平板部634は、その中央部で回転部633と結合されている。
また、平板部634の回転部633側の平面634Aは、外側から内側に向かうに従い回転部633側に傾斜するテーパ状に形成されている。即ち、平板部634は、外側ほどその厚みが薄くなるように形成されている。これにより、回転部633とともに平板部634が回転し、テーパ状の平面634Aが、第1コイル要素11の一方の脚部の正面11C及び第2コイル要素12の一方の脚部の正面12Cに当接してこれら正面を押圧することで、各コイル要素がより各爪部の奥側に押し込まれ、より強く把持される。
なお、平板部634の延出長さは、回転部633が上述の所定角度回転したときに、テーパ状の平面634Aが、第1コイル要素11の一方の脚部の正面11C及び第2コイル要素12の一方の脚部の正面12Cに当接し、これら正面を十分に押圧できる程度に設定される。
なお、図13に示すように、第1爪部631の内側面631A及び第2爪部632の内側面632Aには、外側に向かって凹んだ凹部が形成されており、その凹部には滑り止めのウレタンゴム631B,632Bが取り付けられている。これにより、第1コイル要素11及び第2コイル要素12それぞれの一方の脚部を、より確実に把持して保持することが可能となっている。
図15は、整列装置2の保持部6の平面図である。より詳しくは、回転部633の長径方向を略鉛直方向とした状態から、回転部633を所定角度回転させることで、第1コイル要素11の一方の脚部と第2コイル要素12の一方の脚部が把持されたときの状態を示す平面図である。
図15に示すように、保持部本体630の中央部内には、モータ636と、モータ636の出力軸(回転軸Y)が挿通されたハウジング637が設けられている。また、保持部本体630の両側部内には、ハウジング637を側方から固定して出力軸を固定する固定部638,638が設けられている。回転部633及び平板部634は、モータ636の駆動により、回転軸Yを中心として回転する。
本実施形態に係る整列装置2の動作については、保持部6の動作以外は、第1実施形態に係る整列装置1と同一である。
本実施形態に係る保持部6は、次のようにして、第1コイル要素11及び第2コイル要素12それぞれの一方の脚部を把持して保持する。
先ず、複数の保持部6が全て径方向外側に後退して離散した状態で、モータ636を駆動させて、回転部633の長径方向が略鉛直方向となるように回転部633を回転させる。これにより、第1爪部631と回転部633との間に、第1コイル要素11の一方の脚部を挿入するのに十分な間隔が確保される。同様に、第2爪部632と回転部633との間に、第2コイル要素12の一方の脚部を挿入するのに十分な間隔が確保される。またこのとき、平板部634の延在方向も、同様に略鉛直方向となる。
次いで、第1爪部631と回転部633との間に、第1コイル要素11の一方の脚部を挿入する。また、第2爪部632と回転部633との間に、第2コイル要素12の一方の脚部を挿入する。
挿入後、モータ636を駆動させて、回転部633を所定角度回転させる。これにより、第1爪部631と回転部633との間隔が十分に狭められ、これらの間で第1コイル要素11の一方の脚部が把持される。同様に、第2爪部632と回転部633との間隔が十分に狭められ、これらの間で第2コイル要素12の一方の脚部が把持される。
またこのとき、平板部634も回転部633とともに回転し、テーパ状の平面634Aの外側の部分から、第1コイル要素11の一方の脚部の正面11C及び第2コイル要素12の一方の脚部の正面12Cに当接し、回転が進むにつれてより内側の部分がこれら正面に当接してこれら正面を押圧する。これにより、各コイル要素がより奥側に押し込まれ、より強く把持される。
なお、各コイル要素を円環状に整列させた後、各コイル要素の脚部を、円孔35の下方に配置されたステータコア15の各スロット内に挿入する際には、モータ636を駆動させて、回転部633の長径方向が略鉛直方向となるように回転部633を回転させる。これにより、第1爪部631と回転部633との間隔が十分に拡げられるとともに、第2爪部632と回転部633との間隔が十分に拡げられることで、把持されていた第1コイル要素11及び第2コイル要素12それぞれの一方の脚部が解放される。
本実施形態に係る整列装置2によれば、第1実施形態に係る整列装置1の効果に加えて、以下の効果が奏される。
本実施形態では、電気導体として、互いに形状の異なる第1コイル要素11及び第2コイル要素12を用いるとともに、第1コイル要素11の一方の脚部と、第2コイル要素12の一方の脚部を一組として、これを各保持部6で保持する。
これにより、互いに形状の異なる2種類のコイル要素を用いることでコイル要素をより密に重ねることができるとともに、2種類のコイル要素それぞれの一方の脚部を一組として各保持部6で保持することで、コイル要素ごとに保持部を設けた場合に比べて保持部6の数を減らすことができる。その結果、保持部6同士の干渉を回避でき、確実にコイル要素を円環状に整列させることができるうえ、装置を小型化できる。
ところで、例えば、ばねの付勢力により、コイル要素の脚部を2方向から挟持して保持する場合には、自ら解放することができないうえ、挟持する際には挟持面間に脚部を挿入して摺動させる必要がある。そのため、摩擦係数の大きい弾性体を複数本束にしたコイル要素を用いた場合には、コイル要素の形状バラツキを吸収できず、確実に保持できないおそれがある。
また、例えばコイル要素の脚部を4方向から挟み込もうとすると、別々の駆動機構を設ける必要があり、保持部が大型化する。この場合には、整列させる際に保持部同士が互いに干渉し、電気導体を整列させることができない。さらには、解放させようとすると、別途、駆動源による開閉機構が必要になり、保持部が大型化する。
これに対して本実施形態では、第1コイル要素11の一方の脚部の一の側面11Aに当接する第1爪部631と、第2コイル要素12の一方の脚部の一の側面12Aに当接する第2爪部632を保持部6に設けるとともに、これら爪部の間でこれら爪部に対して略平行な回転軸Yを中心に回転可能であり、且つ第1コイル要素11の一方の脚部の他の側面11B及び第2コイル要素12の一方の脚部の他の側面12Bに当接する回転部633を保持部6に設ける。また、この回転部633を、回転軸Y方向に延びる楕円柱状に形成する。
これにより、楕円柱状の回転部633が回転することで、回転部633と第1爪部631との間隔及び回転部633と第2爪部632との間隔を変更することができ、各コイル要素の脚部を保持及び解放することができる。より詳しくは、これらの間隔を同時に縮小及び拡大できるため、第1コイル要素11の脚部及び第2コイル要素12の脚部を同時に保持及び解放できる。従って本実施形態によれば、簡易な構造により、コイル要素を強い力で確実に保持できるとともに、これを解放できる。また、保持部6を小型化でき、ひいては整列装置2を小型化できる。
また本実施形態では、回転部633からその長径方向の両外側に延出された平板部634を回転部633の先端に設ける。また、平板部634の回転部633側の平面634Aを、外側から内側に向かうに従い回転部633側に傾斜するようにテーパ状に形成する。
これにより、回転部633とともに平板部634が回転すると、平板部634の回転部633側の平面634Aのうち、外側の部分から各コイル要素の正面に当接し、回転が進むにつれてより内側の部分が各コイル要素の正面に当接する。このとき、平板部634の回転部633側の平面634Aが、外側から内側に向かうに従い回転部633側に傾斜するようにテーパ状に形成されているため、各コイル要素の正面を押圧してより凹部の奥側に各コイル要素を押し込むことができ、各コイル要素をより強く保持できる。ひいては、コイル要素の保持位置のずれを調整できる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る整列装置30は、保持部の構成が第2実施形態と相違する以外は、第2実施形態と同一の構成である。ここで、図16は、第3実施形態に係る保持部8及び保持部8に保持された第1コイル要素11及び第2コイル要素12の斜視図である。また図17は、第3実施形態に係る保持部8及び保持部8に保持された第1コイル要素11及び第2コイル要素12が解放されるときの斜視図である。
図16及び図17に示すように、本実施形態に係る整列装置30の保持部8は、第2実施形態の保持部6が、各スライド機構7,7Aに対して上下2段で2つずつ設けられたものに相当する。上下2段に設けられた保持部6,6は、それぞれ接続部40,40と一体成形されており、これら接続部40,40の基端側は、中間部材400を介して接続されている。これにより、本実施形態では、上下2段の保持部6,6で脚部を把持するため、安定してコイル要素の脚部を保持することが可能となっている。
また、上下2段の保持部6,6は、それぞれ、互いに隣接する上下2段の保持部6,6と水平方向に並んで配置されている。ここで、第1実施形態の保持部5では、幅寸法が比較的大きいため、隣接する爪部同士の干渉を回避すべく第2上側保持部53及び第2下側保持部55を高さ方向に交互にずらして配置する必要がある。これに対して、第2実施形態の保持部6では幅寸法が小さいため、本実施形態のように、上下2段の保持部6,6を、互いに隣接する上下2段の保持部6,6と水平方向に並んで配置させることが可能となっている。
なお、図17に示すように、上下2段に設けられた平板部634,634は、各平板部の向き(延出方向)を略鉛直方向としたときに、互いに干渉することがない程度の長さで延出されている。これにより、複数の保持部8が集合した状態で、コイル要素の把持及び解放が可能となっている。
本実施形態に係る整列装置30は、第2実施形態に係る整列装置2と同様に動作し、同様の効果が奏される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
例えば上記実施形態では、電気導体として回転電機用のコイル要素を用いたがこれに限定されず、略U字状に成形された電気導体であればよい。
また、第1実施形態では1種類のコイル要素10を用い、第2実施形態では2種類の第1コイル要素11及び第2コイル要素12を用いたがこれに限定されない。例えば、これらのコイル要素は、いずれの実施形態においても用いることができ、また、いずれの実施形態においてもより多くの種類のコイル要素を用いることもできる。
また上記実施形態では、シリンダ機構を2つ設け、これに対応して第1保持部51(61)を2つ設けたが、シリンダ機構及び第1保持部51(61)の数は特に限定されない。
1,2,3…整列装置
5,6,8…保持部
7,7A…スライド機構(移動部)
9…シリンダ機構(移動部)
10…コイル要素(電気導体)
11…第1コイル要素(第1電気導体)
12…第2コイル要素(第2電気導体)
11A,12A…一の側面
11B,12B…他の側面
11C,12C…正面
51…第1保持部
52…第2保持部
57…リンク機構
631…第1爪部(第1側面部)
632…第2爪部(第2側面部)
633…回転部
634…平板部
634A…平面
X…中心軸(円環の中心軸)
Y…回転軸

Claims (2)

  1. 略U字状の複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる電気導体の整列装置であって、
    各電気導体の一方の脚部を保持する複数の保持部と、
    前記複数の保持部を移動させることで、前記複数の電気導体を円周方向に重ねながら円環状に整列させる移動部と、を備え、
    前記複数の電気導体は、第1電気導体と、前記第1電気導体とは形状の異なる第2電気導体と、から構成され、
    前記複数の保持部は、
    それぞれ、前記第1電気導体の一方の脚部と、前記第2電気導体の一方の脚部と、を保持するとともに、
    前記第1電気導体の一方の脚部の一の側面に当接する第1側面部と、
    前記第2電気導体の一方の脚部の一の側面に当接する第2側面部と、
    前記第1側面部と前記第2側面部の間でこれら側面部に対して略平行な回転軸を中心に回転可能に設けられ、且つ前記第1電気導体の一方の脚部の他の側面、及び前記第2電気導体の一方の脚部の他の側面に当接する回転部と、を備え、
    前記回転部は、前記回転軸方向に延びる楕円柱状に形成され、
    前記回転部が回転することで、前記第1電気導体の一方の脚部及び前記第2電気導体の一方の脚部が保持及び解放されることを特徴とする電気導体の整列装置。
  2. 前記保持部は、前記回転部の先端に設けられ、且つ前記回転部から延出されてその長径方向の両外側に延びる平板部をさらに備え、
    前記平板部の前記回転部側の平面は、外側から内側に向かうに従い前記回転部側に傾斜するようにテーパ状に形成され、
    前記回転部とともに前記平板部が回転することで、前記テーパ状に形成された前記平板部の前記回転部側の平面が、前記第1電気導体の一方の脚部の正面及び前記第2電気導体の一方の脚部の正面に当接してこれら正面を押圧することを特徴とする請求項に記載の電気導体の整列装置。
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