JP5951409B2 - 溶接システムおよび溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は,溶接システムおよび溶接方法に関する。
大型構造物(例えば,原子力発電用の炉内構造物)の作成に関し,一対の厚板(ステンレス鋼)を狭開先で突き合わせて,溶接する場合がある(狭開先溶接)。
ここで,狭開先の厚板をレーザ溶接する溶接装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開2011−5533号公報
しかしながら,レーザ溶接では,溶込み量を大きくすることが困難であり,溶接速度が必ずしも充分ではない。
大型構造物での狭開先溶接においては,溶接品質等の関係で,TIG溶接を用いる場合が多いが,溶接速度が必ずしも充分ではない。
MIG溶接を用いると,溶接速度は上がるが,アークが不安定になり,溶接品質が低下し易くなる(開先側部や積層境界(積層した溶接ビード間)での融合不良)。
ここで,シールドガスに酸化性ガス(O等)を添加し,アークを安定化することができる(MAG溶接)。しかし,酸化性ガスにより,溶接ビードが酸化され,酸化スケールの除去等が必要となったり,溶接強度が低下したりする可能性がある。
本発明は,狭開先溶接において,溶接品質と溶接速度の両立が容易な溶接システムおよび溶接方法を提供することを目的とする。
実施形態の溶接システムは,狭開先で突き合わされた1対の溶接対象の,開先の幅よりも大きい,加工点ビーム径を有するレーザ光を出射するレーザヘッドと,溶接ワイヤに電圧を印加してアーク溶接する溶接トーチと,前記レーザヘッドと,前記溶接トーチとの間隔を調節する間隔調節機構と,前記間隔が調節されたレーザヘッドおよび溶接トーチを前記開先に沿って移動させ,前記ヘッドから出射されるレーザ光で前記開先内を溶融し,前記溶融された前記開先内を前記溶接トーチでアーク溶接して,溶接ビードを形成させる,移動部と,を備える。
本発明によれば,狭開先溶接において,溶接品質と溶接速度の両立が容易な溶接システムおよび溶接方法を提供できる。
実施形態に係る溶接システム100を表す図である。 溶接対象10を表す断面図である。 溶接対象10aを表す断面図である。 溶接対象10,レーザヘッド110,溶接トーチ210の詳細を表す図である。 溶接対象10をZ軸正方向から見た図である。 シールド部材310の縦断面図である。 シールド部材310の横断面図である。 開先13のプロファイルPPを表す図である。 開先13のプロファイルPPから開先幅W1を求める手法を表す図である。 開先13と溶接ワイヤWWの位置関係を表す図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。 溶接処理時の溶接対象10を表す断面写真である。 開先幅W1と入熱量Pの関係の一例を表すグラフである。 比較例による溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。
以下,図面を参照して,実施形態を詳細に説明する。
実施形態に係る溶接システム100は,溶接対象10をレーザおよびアーク放電で溶接するシステム(ハイブリッドシステム)である。
図1に示すように,実施形態に係る溶接システム100は,レーザヘッド110,レーザ発振器120,レーザ制御部130,ロボット装置140,ロボット制御部150,溶接トーチ210,溶接電源220,電源制御部230,トーチ移動機構240,トーチ位置制御部250,シールド部材310,シールドガス供給部321,322,距離計330,開先幅検出部340,撮像装置350,溶接位置検出部360,主制御装置400を有する。
溶接対象10は,狭開先(ナロウギャップ)で突き合わされた,一対のステンレス厚板である。
狭開先(ナロウギャップ)は,例えば,厚板の端部を板厚に比し小さな間隔で,対向または接触させた小さい角度を有する間隙(開先)をいう。
図2,図3は,溶接対象10,10aを表す断面図である。厚板等の母材11,12の端面が間隙(開先(ギャップ))13を有して,下端が接触するように配置される。開先13内は,底部15,側部16に区分される。開先13の外が,母材11,12の上部17である。
母材11,12は,ステンレス鋼(例えば,オーステナイトステンレス鋼)の厚板である。なお,母材11,12として,炭素鋼,低合金鋼,非鉄合金も利用可能である。
溶接対象10では,上部17のみに開先13を有し,上部17のみへの溶接で足りる。溶接対象10aでは,上下両面に開先13を有し,上下両面への溶接がなされる
ここで,狭開先は,1パス1層溶接が可能な開先と定義する。
具体的には,母材11,12の厚さH1と開先13の底部15での母材11,12の間隔W1において次の条件を満たす場合,狹開先とすることができる。
H1≦100mmの場合,W1≦20mm
H1>100mmの場合,W1≦30mm
このとき,開先13の側部16(母材11,12)のなす角度θ1は小さく,例えば,20°以下とする。
図4は,ファイバーレーザでのレーザヘッド110,溶接トーチ210の詳細を表す。また,図5は, 溶接対象10をZ軸正方向から見た図である。
レーザヘッド110は,レーザ光のビームを溶接対象10に集光する。レーザヘッド110は,ケース111,コリメータレンズ112,集光レンズ113を有し,光ファイバ115を介して,レーザ発振器120からのレーザ光を溶接対象10に照射する。
ケース111は,コリメータレンズ112,集光レンズ113を収容する。
コリメータレンズ112は,焦点距離f1を有し,光ファイバ115の端部から放射されるレーザ光を平行光に変換する。
集光レンズ113は,焦点距離f2を有し,コリメータレンズ112からの平行光を収束光に変換し,溶接対象10に集光する。集光レンズ113から距離f2の焦点Pfにレーザ光が集光され,その後,広がって溶接対象10の加工点P1に加工点ビーム径Wのレーザスポットとして照射される。
なお,後述のように,溶接対象10の加工点P1は,シールドガスG1が充満するシールド部材310内に配置され,酸化等が防止される。
溶接対象10の加工点P1でのビーム径(加工点ビーム径)Wは,溶接対象10の開先幅W1より大きくなるように設定される。焦点Pfから加工点P1までの距離Lをある程度取ることで(焦点Pfを加工点P1から距離Lずらす),加工点ビーム径Wを開先幅W1より大きくすることが可能となる。開先幅W1が8mmのとき,加工点ビーム径Wを,例えば,10mmとする。
焦点外しの距離Lと加工点ビーム径W間に次の式(1)が成り立つ。
L=f2×(W−Wb)/(Wa−Wb)
Wb=λ/(2πNA)×f2/f1 ……式(1)
L:焦点外しの距離(mm)
W:加工点ビーム径(mm),
Wa:集光レンズ113への入射時のビーム径(mm)
Wb:焦点Pfでのビーム径(mm)(スポット径)
λ:レーザ光の波長(mm)
NA:光ファイバ115のNA値
f1:コリメータレンズ112の焦点距離(mm)
f2:集光レンズ113の焦点距離(mm)
加工点ビーム径Wを開先幅W1より大きくすることで,開先13の底部15のみならず側部16もがレーザ光で照射され,溶接対象10の一部が溶融してプールPL1が形成される。開先13の底部15,側部16が溶融することで,後続するアーク溶接時での融け込みが向上し,側部16の融合不良の発生を防止することができる。
尚,プールPL1の大きさに影響する因子は,加工点ビーム径W,レーザ出力,溶接速度であるが,この内,加工点ビーム径Wの影響がもっとも大きい。なお,レーザ出力と溶接速度を調整することで,加工点ビーム径Wが開先幅W1よりも小さい場合であっても,側部16を溶かすことは可能となる。
なお,本実施形態では,加工点ビーム径Wを広げていることから,溶接対象10の単位面積当たりのレーザ光の強度は低くなり,いわゆるキーホール溶接と異なり,プールPL1は広く,浅いものとなる。キーホール溶接では,レーザ光の焦点付近に溶接対象10が配置され,溶接対象に狭く,深い穴(キーホール)が形成される。
ここでは,レーザヘッド110と溶接対象10の間に,焦点Pfを配置することで(距離Lを正とする),加工点ビーム径Wを大きくしている。これに対して,レーザヘッド110と焦点Pfの間に,溶接対象10を配置することで(距離Lを負とする),加工点ビーム径Wを大きくしても良い。
距離Lを調節することで,加工点ビーム径Wを変更できる。後述のように,ロボット装置140によって,レーザヘッド110のZ軸方向の高さを変更することで,距離Lを調節できる。
溶接対象10を多層盛り溶接する場合,溶接が進むにつれ,開先幅W1は増大する。即ち,開先13が角度θ1を有して広がっていることから,1層目より2層目と,層数が増大するにつれ,開先幅W1も増大し,これに合わせて,加工点ビーム径Wを増加させるのが好ましい。例えば,溶接する層数に応じて,レーザヘッド110のZ軸方向の高さを大きくし,加工点ビーム径Wを増加できる。
レーザ光は,溶接対象10に垂直入射せず,角度を持って入射する。このように角度を持たせるのは,溶接対象10で反射されたレーザ光がレーザヘッド110に再入射し,レーザヘッド110が損傷することを防止するためである。
なお,溶接対象10で反射されたレーザ光は,後述のようにシールド部材310で受け止められ,溶接対象10の周囲へのレーザ光の漏れが防止される。
レーザ発振器120は,レーザの光源であり,光ファイバ115を介して,レーザヘッド110にレーザ光を送り込む。ここでは,レーザ発振器120として,ファイバーレーザを用いている。レーザ発振器120に,YAGレーザ,Diskレーザ,COレーザを用いても良い。
レーザ制御部130は,レーザ発振器120の出力を制御する制御装置である。加工点ビーム径Wに対する適正なレーザ出力を設定することで,溶接対象10を適切な溶込み深さとすることが可能となる。
ロボット装置140は,レーザヘッド110をX,Y,Z方向に移動する移動装置であり,溶接対象10に対してレーザヘッド110を適切な高さとし,溶接対象10の開先に沿って移動(走査)できる。開先に沿って,レーザヘッド110(および溶接トーチ210)を複数回走査することで,溶接対象10を多層盛り溶接が可能となる。
ロボット装置140は,間隔が調節されたレーザヘッドおよび溶接トーチを前記開先に沿って移動させ,前記ヘッドから出射されるレーザ光で前記開先内を溶融し,前記溶融された前記開先内を前記溶接トーチでアーク溶接して,溶接ビードを形成させる,移動部として機能する。
ロボット装置140は,ベース141,アーム142〜145,関節146,147を有する。ベース141は,床に配置され,ロボット装置140を保持する。アーム142は,ベース141に回転(Z軸を回転軸とする回転)可能に接続される。アーム143は,アーム142にX,Z方向に移動可能に接続される。アーム144は,アーム143に関節146で接続され,回転可能である。アーム145は,アーム144に関節147で接続され,回転可能である。
アーム145にレーザヘッド110が固定される。この結果,レーザヘッド110は,アーム142〜145によって,X,Y,Z方向での移動および回転が可能となる。ベース141,アーム142〜145,関節146,147は,このような移動,回転を可能とするモータ(図示せず)および位置,向きを検出する検出器(図示せず)を備える。
ロボット制御部150は,ロボット装置140を制御し,レーザヘッド110の位置(座標(X,Y,Z)),向きを変更し,溶接対象10に対する焦点Pfの位置等を調節する。ロボット制御部150は,レーザヘッド110の座標および向きを連続的に制御するための教示データを備える。この教示データでレーザヘッド110の座標および向きを制御することで,自動的な,溶接対象10の多層盛り溶接が可能となる。
溶接トーチ210は,トーチ移動機構240によって,レーザヘッド110に移動可能に接続され,溶接対象10をアーク溶接する(MIG溶接またはMAG溶接)。
溶接トーチ210は,先端部211,本体部212を有する。先端部211は,略円筒形状を有し,端面から溶接ワイヤWWを繰り出すと共に,シールドガスG2を噴出する。本体部212は,溶接ワイヤWWを繰り出す繰り出し機構(図示せず)およびシールドガスG2の流路を有する。
溶接ワイヤWWには,溶接電源220から高電圧が印加される。この結果,溶接ワイヤWWの先端と溶接対象10との間でアーク放電が発生し,溶接ワイヤWWが溶融することで,溶接対象10の加工点がアーク溶接される。融けた溶接ワイヤWWのプールPL2が形成され,溶接対象10の材料(レーザ光で溶融されてなるプールPL1)と混じり合い,ビードが形成される。
ここで,溶接対象10がレーザ光で溶融され,その後にアーク溶接することから,作成されたビードと溶接対象10の融け込みが良好となる。即ち,開先13の側部16や積層されたビード間での融合不良が低減される。
シールドガスG2を不活性ガス(Ar等)のみ(不活性ガス100%)とすることで,MIG(Metal Inert Gas)アーク溶接がなされ,無酸化の状態のビードを形成できる。このようにすることで,多層盛り溶接の際に,パス間での酸化皮膜の除去が不要となる。この結果,溶接時間が短縮され,作業効率が改善される。さらに,ビードが無酸化であることより,酸化による継ぎ手強度の低下が防止できる。
シールドガスG2を不活性ガス(Ar等)のみとすること(MIGアーク溶接)は,MAG溶接等と比べて,アーク放電が不安定になる可能性がある。この理由は次のようなものである。即ち,MAG溶接等では,シールドガスG2中の酸素等により,母材表面に連続的な酸化膜が形成され,この酸化膜が陰極点を安定化させる。これに対して,MIG溶接では,多くの小さな陰極点が形成され,これらの陰極点が電極表面を高速で動き回り,安定し難くなる。
しかしながら,本実施形態では,MIGアークより先行するレーザ光が開先13内につくるプールPL1により,陰極点が動きにくくなり,MIGアークの陰極点が安定する。この結果,シールドガスG2が不活性ガスのみであっても,MIGアークの安定化が可能となる。
レーザの有無の影響を比較したビードオン試験において,レーザがある場合の MIGビードは,レーザがない場合のMIGビードと比較し,ビードのよれが小さいことが確認できる。
なお,溶接トーチ210に揺動機構を設け,開先13の幅方向(Y軸方向)にアークを揺動しても良い。MIGアークが多少ふらついても,開先13の側部16を溶融できる。
なお,不活性ガス(Ar等)に加え,シールドガスG2に酸化性ガス(CO又はO)を含めることで,MAG(Metal Active Gas)アーク溶接がなされ,アーク放電の安定化が図れる。CO又はOから電離したOイオンにより,アークの陰極点が安定する。
溶接電源220は,溶接ワイヤWWに高電圧を印加し,溶接対象10との間でアーク放電を発生するための高電圧電源である。
電源制御部230は,溶接電源220を制御し,溶接ワイヤWWに印加される電圧等を調節する。
トーチ移動機構240は,レーザヘッド110に対して溶接トーチ210を移動可能に接続する。トーチ移動機構240は,アーム241,243,245,テーブル242,244,246を有する。トーチ移動機構240は,「レーザヘッドと,溶接トーチとの間隔を調節する間隔調節機構」として機能する。
アーム241は,レーザヘッド110に固定される一端を有する。テーブル242は,アーム241の他端にY軸方向に移動可能に接続される。アーム243は,テーブル242に接続される一端を有し,テーブル242によって,アーム241に対して移動可能である。テーブル244は,アーム243にX軸方向に移動可能に接続される。アーム245は,テーブル244に接続され,テーブル244によって,アーム243に対して移動可能である。テーブル246は,アーム245にZ軸方向に移動可能に接続される。
溶接トーチ210は,テーブル246に接続される。この結果,溶接トーチ210は,トーチ移動機構240によって,レーザヘッド110に対して,相対移動可能である。トーチ移動機構240は,このような移動を可能とするモータ(図示せず)および位置を検出する検出器(図示せず)を備える。
トーチ位置制御部250は,トーチ移動機構240を制御し,レーザヘッド110に対する溶接トーチ210(溶接ワイヤWW)の位置を変更できる。即ち,レーザによる加工点P1とアーク溶接による加工点P2の距離LLを調節できる。例えば,加工点ビーム径Wに応じて,距離LLを調節する。
図5,図6は,シールド部材310の縦断面図および横断面図である。
シールド部材310は,加工点P1,P2の周囲を覆い,シールドガスG1で満たすことで,溶接対象10の酸化等を防止する。また,溶接対象10から反射されるレーザ光を受け止め,周囲に漏れることを防止する。
シールド部材310は,必要に応じて,レーザヘッド110,または溶接トーチ210に取り付けて用いることができる。また,移動機構により,レーザヘッド110に対して移動可能に取り付けることも可能である。例えば,溶接対象10に対して,レーザヘッド110をZ軸方向に移動させる場合,その移動量によっては,レーザヘッド110とシールド部材310とを別個に移動可能とする方が好ましい。
シールド部材310は,上板311,4つの側板312,遮光部材313を有する。上板311には,レーザヘッド110からのレーザ光の入射および溶接トーチ210の挿入が可能なように,開口314を有する。
4つの側板312は,流路315,複数の噴出口316を有する。流路315は,側板312の内部に設けられ,シールドガスG1の流入,流出が可能である。噴出口316は,側板312の内側面に設けられ,流路315内のシールドガスG1をシールド部材310内に噴出する。即ち,シールド部材310に流入したシールドガスG1により,シールド部材310内が満たされ,溶接対象10の酸化が防止される。
上板311,4つの側板312は,「レーザ光の加工点と前記アーク溶接の加工点を覆う覆い」として機能する。
シールド部材310内を満たしたシールドガスG1は,シールド部材310の底(シールド部材310と溶接対象10の間の隙間)および開口314から排出される。シールドガスG1連続的に供給され,シールド部材310に噴出され,外部に排出される。
遮光部材313は,銅等の金属から構成される略直方体形状の部材である。遮光部材313は,溶接対象10から反射されたレーザ光を受け止め,シールド部材310の外部に漏れるのを防止する。
遮光部材313は,その内部に冷却水の流路316を有する。この流路316に冷却水を流入,流出させることで,レーザ光の吸収による熱の流入による温度上昇を制限する。遮光部材313を冷却しないと,レーザ光により遮光部材313が溶融する可能性がある。
シールドガス供給部321,322はそれぞれ,シールドガスG1,G2をシールド部材310,溶接トーチ210に供給する。これらのシールドガスG1,G2は同種とすることができる。既述のように,MIG溶接の場合,シールドガスG2に不活性ガスのみを用いることが可能となり,シールドガスG1,G1の双方を不活性ガスのみとすることができる。この場合,シールドガス供給部321,322を共通化し,単一のシールドガス供給部を用いることができる。
距離計330は,例えば,レーザ距離計であり,シールド部材310に取り付けられて,溶接対象10の開先13の形状(プロファイル)を測定できる。開先13の方向と垂直な面(開先の方向がX軸方向ならYZ平面)での開先13の形状(プロファイル)を測定する。例えば,レーザ光をY軸方向に走査して,距離の変化を測定することで,開先の形状を測定できる。図8は,距離計330で測定された開先13のプロファイルPPを表す図である。
開先幅検出部340は,距離計330での測定結果に基づき,開先幅W1を検出する。開先のプロファイルの折れ曲がりの大きい箇所(屈曲点)を複数抽出し,複数の箇所の間隔を算出することで,開先幅W1を検出できる。開先幅検出部340は,開先の幅を検出する幅検出部として機能する。
図9は,開先13のプロファイルPPから抽出された屈曲点PB1〜PB4を表す。Z軸下方に配置される一対の屈曲点PB2,PB3が開先13の底部15と側部16の境界に対応する。即ち,の屈曲点PB2,PB3間の距離が開先幅W1に対応する。
既述のように,例えば,多層盛り溶接の進行等により開先幅W1は変動することから,開先幅W1を検出することが好ましい。検出された開先幅W1に対応して,加工点ビーム径Wを変化させることで,融け込み等の良好な溶接が可能となる。
撮像装置350は,例えば,CCD(charge-coupled device)カメラであり,溶接対象10と溶接ワイヤWWとを撮影し,画像データを溶接位置検出部360に送る。図10は,撮像装置350の画像データの一例を表わす。開先13と溶接ワイヤWWの位置関係が表される。
溶接位置検出部360は,撮像装置350から送られた画像データに基づき,開先13と溶接ワイヤWWの位置関係,具体的には,開先13の中心Cと溶接ワイヤWWの先端との距離Dが求められる。溶接位置検出部360は,「開先の中心と前記溶接ワイヤとの位置関係を検出する位置関係検出部」として機能する。
例えば,画像データでの明暗の境界を抽出することで,開先13の底部15と側部16の境界線および溶接ワイヤWWの輪郭を求める。この境界線から等間隔の箇所が開先13の中心線Cとなる。開先13の中心線Cと溶接ワイヤWWの輪郭との距離Dを画像上算出できる。
底部15と側部16の境界線を用いて,開先幅W1を求めることができる。即ち,距離計330でのプロファイルのデータに替え,撮像装置350の画像データを用いて,開先幅W1を求められる。この場合,距離計330を不要とすることができる。
主制御装置400は,溶接システム100全体,特に,レーザのビーム径(加工点ビーム径W),および溶接位置を制御する。主制御装置400は,ビーム径決定部410,ビーム径調節部420,溶接位置調節部430を有する。
ビーム径決定部410は,開先幅検出部340で検出された開先幅W1に基づき,加工点ビーム径Wを決定する。ビーム径決定部410は,開先幅W1と加工点ビーム径Wとの対応関係を表すテーブル(対応関係データ)を記憶し,開先幅W1およびこのテーブルから加工点ビーム径Wを決定できる。
ビーム径調節部420は,ビーム径決定部410で決定された加工点ビーム径Wに基づいて,ロボット制御部150に指示する。即ち,ビーム径調節部420は,レーザヘッド110のZ軸方向の高さを決定し,ロボット制御部150に指示する。この結果,焦点外しの距離Lが変更され,レーザの加工点ビーム径Wが調節される。
溶接位置調節部430は,ビーム径決定部410で決定された加工点ビーム径Wに基づいて,加工点P1,P2の距離LLを決定し,トーチ位置制御部250に指示する。溶接位置調節部430は,加工点ビーム径Wと距離LLとの対応関係を表すテーブル(対応関係データ)を記憶し,加工点ビーム径Wおよびこのテーブルから距離LLを決定できる。
溶接位置調節部430は,トーチ位置制御部250に指示し,加工点P1,P2の距離LLが決定された値になるようにする。
また,溶接位置調節部430は,トーチ位置制御部250に指示し,溶接位置検出部360によって検出された開先13と溶接ワイヤWWの位置関係が適正になるようにする。即ち,開先13の中心Cと溶接ワイヤWWの先端との距離Dが0に近くなるように,トーチ位置制御部250に指示する。溶接位置調節部430は,検出された位置関係に基づいて,前記溶接トーチの位置を調節する位置調節部として機能する。
(溶接の手順)
溶接システム100による溶接の手順を説明する。図11〜図18は,溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。図11は,溶接前の溶接対象10を表し,図12〜図18は,溶接の進行に伴い変化した溶接対象10を表す。また,図19は,溶接後の溶接対象10溶接対象10を表す断面写真である。
(1)第1層の溶接
1)レーザによる溶解(図11,図12)
レーザ光を照射するレーザヘッド110をロボット装置140により移動させる。
溶接対象10の開先13に沿って,開先幅W1よりも大きい加工点ビーム径Wのレーザ光が移動する。この結果,開先13の底部15および側部16の一部が溶融され,プールPL11が形成される。
2)アーク溶接(図13,図14)
溶接トーチ210は,トーチ移動機構240により,レーザヘッド110に固定される。このとき,レーザの加工点P1とアーク溶接の加工点P2の距離LLが例えば,3mm〜10mmとなるように設定される。
シールドガスG2を噴出し,高電圧が印加された溶接トーチ210は,レーザヘッド110と共に,ロボット装置140により移動させる。即ち,レーザ光の照射に続いて,アーク溶接がなされ,プールPL11上にプールPL21が形成される。プールPL11とプールPL21は一体となり,冷却され,ビードB1が形成される。
ここで,溶接対象10がレーザ光で溶融され,その後にアーク溶接することから,ビードB1と溶接対象10の融け込みが良好となる。特に,開先幅W1よりも大きい加工点ビーム径Wのレーザ光を用いることから,開先13の側部16での融け込みが良好となる。
また,プールPL11により,アークの陰極点が安定し,シールドガスG2が不活性ガスのみであっても,アークの安定化が可能となる。
(3)第2層以降の溶接(図15〜図18)
1)開先幅W1,開先中心Cと溶接ワイヤWWの距離Dの検出
開先幅W1,および開先中心Cと溶接ワイヤWWの距離Dを検出する。既述のように,溶接の進行に伴い,開先幅W1等が変化する可能性がある。
これらの検出は,溶接と並行あるいは別個のいずれでも良い。
溶接と並行に検出する場合,溶接のためのレーザヘッド110の移動(走査)時に加工点P1より前での開先幅W1等を検出する。また,溶接と別個に検出するときには,レーザヘッド110,溶接トーチ210での溶接動作を停止した状態で,距離計330および撮像装置350を開先に沿って動作させ,開先に沿う開先幅W1および距離の変化を検出する。
2)レーザによる溶解(図15)
開先幅W1に応じた加工点ビーム径Wとなるよう,Z軸方向でのレーザヘッド110と溶接対象10の距離(距離LL)を調節する。また,加工点ビーム径Wに応じたレーザ出力になるよう調節する。
レーザ光を照射させたレーザヘッド110をロボット装置140により移動させる。
溶接対象10の溶接線に沿って,開先幅よりも大きい加工点ビーム径のレーザ光が移動する。この結果,開先13の底部15および側部16の一部が溶融され,プールPL12が形成される。
2)アーク溶接(図16,図17)
レーザ光の照射に続いて,アーク溶接がなされ,プールPL12上にプールPL22が形成される。プールPL12とプールPL22は一体となり,冷却され,ビードB2が形成される。
ここで,ビードB1がレーザ光で溶融され,その後にアーク溶接することから,ビードB1,B2間での融け込みが良好となる。特に,開先幅W1よりも大きい加工点ビーム径Wのレーザ光を用いることから,開先13の側部16でのビードB1,B2の融け込みが良好となる。
レーザ光の照射およびアーク溶接を複数回繰り返すことで(複数パスの溶接),図18に示すように,1パス1層での溶接を繰り返して,複数のビードB1〜B5を形成することが可能となる(1パス1層の多層盛り溶接)。溶接対象10,ビードB1〜B5間での(特に,開先13の側部16),融け込みが良好な溶接が可能となる。
図19に示すように,実際の溶接において,開先13の側部16においても,融け込みが良好であることを確認できた。
以上のように,本実施形態では,加工点ビーム径Wを開先幅W1よりも大きくしたレーザ光をMIGアークより先行させて,開先13の側部16と前パスのビードを溶融させる。この結果,融け込みの良好な溶接が可能となる。
また,シールドガスに100%Arを使用すると,ビードが酸化されず,パス間での酸化皮膜除去処理が不要となる。溶接時間が短縮され,かつ作業効率も改善できる。また,ビードが無酸化であることより,酸化による継ぎ手強度の低下を防止できる。
(実施例)
開先幅W1=8mm,開先角度θ1=2〜6°,開先深さH1=30mmのステンレス鋼を狭開先多層盛り突合せ溶接した。加工点ビーム径Wを開先幅W1よりも+2〜6mm大きくした6000〜40000W/cmのエネルギ密度を有するレーザ光を先行させた。このレーザ光で,開先13の側部16と前パスのビードを溶融させる。その後,レーザ光よりも距離LL=3mm〜10mm程度離した位置にMIGアークを後続させる。この結果,融合不良がなく,安定したアーク溶接を行い,多層盛りの積層が可能となる。
ここで,開先幅W1と総入熱量P(レーザ光およびアーク溶接双方の入熱量の和)の関係を説明する。
図20は,開先幅W1に対して,好ましい総入熱量Pの範囲の一例を示す。この例では,開先幅W1=8mmの場合,4.5〜32[kJ/cm]の総入熱量Pが好ましいことが分かる。この範囲の総入熱量Pで,融合不良がなく,安定したアーク溶接が可能であった。
本溶接方法では,主プロセスが MIG溶接,副プロセスがレーザ溶接となるが,主プロセスの MIG溶接にとって,副プロセスのレーザ溶接を加えることは,ビード幅と溶込み深さの増加に寄与することができる。
例えば,溶接速度60cm/min,MIG電流250A,MIG電圧21Vの条件で MIG単独で溶接した場合,ビード幅9mm,溶込み深さ1mmである。これに副プロセスのレーザ溶接を加えた場合,ビード幅12mm,溶込み深さ3mmまで増加することが確認できた。
本溶接方法により,例えば,1パスの積層厚さが約3〜5mm程度,溶着量が70〜140g/minと,大きな溶接速度を確保できた。
(比較例1)
比較例1として,ビームを絞った(例えば,加工点ビーム径=φ0.2〜φ0.6mm)レーザ光の照射後に,MIG溶接することを考える。この場合,加工点ビーム径Wが絞られることで,レーザ光はいわゆるキーホール溶接の状態になり,キーホール型のプール(狭く,深いプール)が形成される。このプールが固まらない内に,MIGアーク溶接する。
図21は,この比較例による溶接処理時の溶接対象10を表す断面図である。レーザによるプールPL1x上にMIGアークによるプールPL2xが形成される。開先13の側部16にレーザが照射されず,側部16において融け込みが不十分となり易いことが判る。
さらにキーホール型のプールPL1xは,細く,深いため,Arガスが抜け難く,ブローホールが発生し易くなる。このため,比較例1の手法により多層盛り溶接を行う場合,母材に溶ける種類のシールドガスを選択する必要がある。
ここでは,レーザ,MIGアークの順序での処理を考えたが,この順序を逆にしても,側部16にレーザが照射されず,側部16において融け込みが不十分となり易いことは変わらない。
(比較例2)
比較例2として,TIG溶接を考える。TIG溶接では,充分大きな溶接速度を得るのが困難である。例えば,溶接速度が8cm/min,1層あたり積層厚さ3mm程度と溶接効率が十分とは言い難い。また,入熱が MIGアークと比較し大きい為(TIG溶接:約15,000J/cm,MIG溶接:約7000J/cm),溶接による変形量が大きくなり易い。
以上の比較例1,2に対して,実施形態の手法により,多層盛り溶接に適した融け込み,および溶接効率等を確保できる。既述のように,加工点ビーム径Wを開先幅W1よりも大きくしたレーザ光をMIGアークより先行させることで,開先13の側部16においても融け込みの良好な溶接が可能となる。また,十分な溶接速度の確保が容易である。
さらに,板厚40mm,開先深さ30mmのビードオン型狭開先試験での溶接変形に於いて,TIG溶接の横収縮量4mmに対し,本溶接条件による横収縮量が2mm前後と本溶接方法,条件の使用により,横収縮量を抑えることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,10a…溶接対象,11,12…母材,13…開先,15…底部,16…側部,17…上部,100…溶接システム,110…レーザヘッド,111…ケース,112…コリメータレンズ,113…集光レンズ,115…光ファイバ,120…レーザ発振器,130…レーザ制御部,140…ロボット装置,141〜145…ベース,146,147…関節,150…ロボット制御部,210…溶接トーチ,211…先端部,212…本体部,220…溶接電源,230…電源制御部,240…トーチ移動機構,241,243,245…アーム,242,244,246…テーブル,250…トーチ位置制御部,310…シールド部材,311…上板,312…側板,313…遮光部材,314…開口,315…流路,316…噴出口,317…流路,321,322…シールドガス供給部,330…距離計,340…開先幅検出部,350…撮像装置,360…溶接位置検出部,400…主制御装置,410…ビーム径決定部,420…ビーム径調節部,430…溶接位置調節部

Claims (11)

  1. 狭開先で突き合わされた1対の溶接対象の,開先の幅よりも大きい加工点ビーム径を有するレーザ光を出射するレーザヘッドと,
    溶接ワイヤに電圧を印加してアーク溶接する溶接トーチと,
    前記レーザヘッドと,前記溶接トーチとの間隔を調節する間隔調節機構と,
    前記間隔が調節されたレーザヘッドおよび溶接トーチを前記開先に沿って移動させ,前記ヘッドから出射されるレーザ光で前記開先内を溶融し,前記溶融された前記開先内を前記溶接トーチでアーク溶接して,溶接ビードを形成させる,移動部と,
    を具備する溶接システム。
  2. 前記開先の幅を検出する幅検出部と,
    前記検出された開先の幅に基づいて,前記レーザ光の加工点ビーム径を調節するビーム径調節部と,
    をさらに具備する請求項1記載の溶接システム。
  3. 前記開先の中心と前記溶接ワイヤとの位置関係を検出する位置関係検出部と,
    前記検出された位置関係に基づいて,前記溶接トーチの位置を調節する位置調節部と,
    をさらに具備する請求項1または2に記載の溶接システム。
  4. 前記レーザ光の加工点と前記アーク溶接の加工点を覆う覆いと,
    前記覆い内にシールドガスを供給するガス供給部と,
    前記溶接対象から反射されたレーザ光を受ける遮光部材と,
    前記遮光部材を冷却する冷却機構と,
    をさらに具備する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接システム。
  5. 前記アーク溶接が,MIGアーク溶接である
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶接システム。
  6. 前記レーザ光の加工点と前記アーク溶接の加工点の距離が3mm以上10mm以下である
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の溶接システム。
  7. 前記溶接対象が,ステンレス鋼,炭素鋼,低合金鋼,非鉄合金のいずれかである
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の溶接システム。
  8. 狭開先で突き合わされた1対の溶接対象の,開先の幅よりも大きい加工点ビーム径を有する,レーザ光の加工点を前記開先に沿って移動させ,前記開先内を溶融させる工程と,
    電圧を印加された溶接ワイヤからのアーク放電による加工点を前記開先に沿って移動させ,前記レーザ光で溶融された開先内をアーク溶接して,溶接ビードを形成する工程と,
    を具備する溶接方法。
  9. 前記開先の幅よりも大きい,加工点ビーム径を有するレーザ光で,前記溶接ビードを有する前記開先内を溶融させる工程と,
    前記溶融された開先内をアーク溶接し,前記溶接ビード上に,第2の溶接ビードを形成する工程と,
    をさらに具備する請求項8記載の溶接方法。
  10. 前記レーザ光の加工点と前記アーク溶接の加工点の距離が3mm以上10mm以下である
    請求項8または9に記載の溶接方法。
  11. 前記アーク溶接が,MIGアーク溶接である
    請求項8乃至10のいずれか1項に記載の溶接方法。
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