JP5951282B2 - 粉砕機およびその粉砕方法 - Google Patents
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Description
ケーシング5内において、ケーシング5の下部には、気流搬送用の酸化ガスを外部から取り込むための供給口5aが設けられている。この供給口5aからケーシング5内に供給された酸化ガスは、テーブル3の外周部に設けられた環状の酸化ガス吹出リング7からテーブル3の上方空間に流出し、テーブル3上で粉砕された粉砕炭を、上方の分級部6へと搬送する。分級部6においては、粉砕機10の運転時には、微粉炭粒子のみが分級部6を通過して粉体出口8から流出して分級される。
粉砕機10においては、ローラ4が、回転するテーブル3上の原炭との間の摩擦によって自転しながら、ローラ4とテーブル3の間に原炭を挟み込んで粉砕する。このとき、
ローラ4を、テーブル3に対して油圧シリンダ等の加圧機構によって押し付けているため、テーブル3上の原炭を粉砕するときに炭層に合わせてローラ4が上下動すると、その反力が油圧シリンダ等の加圧機構を介して粉砕機10のケーシング5に伝達される。すると、粉砕機10全体が振動する。
ローラ4の上下動によって発生する振動には、定常的に発生する振動と、ローラ4がテーブル3上の原炭との間でスリップを生じたときの自励振動で発生する異常振動とがある。ローラ4の自励振動は、ローラ4が原炭を粉砕するときに、ローラ4が横方向(回転軸に沿った方向)にスリップした後、摩擦の回復、スリップを繰り返すことによって生じる。このような自励振動においてローラ4にスリップが生じると、ローラ4には衝撃が加わったような大きな異常振動が発生する。このような異常振動が粉砕機10のケーシング5に伝わったときに、前記のベーン7cが変形、割れを発生する可能性がある。
ケーシングと、前記ケーシング内で回転駆動されるテーブルと、前記テーブルの上面に押圧されつつ回転し前記テーブル上の被粉砕物を粉砕するローラと、前記ケーシング内で前記テーブルの外周部に取付けられた酸化ガス吹出リングと、前記酸化ガス吹出リングより上方に取付けられケーシング中央に向けて傾斜した偏流板と、を備え、前記酸化ガス吹出リングは、環状の酸化ガス通路を形成する内側円環壁および外側円環壁と、前記内側円環壁と前記外側円環壁の間において、前記酸化ガス吹出リングの周方向に間隔を隔てて複数が設けられた偏流ベーンと、を備え、前記偏流ベーンは、下方から前記酸化ガス吹出リングに送り込まれる酸化ガスを前記ケーシングの中心に向けて偏流させるよう、当該偏流ベーンの下辺において前記内側円環壁と前記外側円環壁とを結ぶ下端面に対し、当該偏流ベーンの上辺において前記内側円環壁と前記外側円環壁とを結ぶ上端面が、前記酸化ガス吹出リングの中心側に傾斜して設けられており、前記上端面は、前記外側円環壁側の端部が、前記内側円環壁側の端部よりも、前記テーブルと一体に回転する前記酸化ガス吹出リングの回転方向後方に位置するよう形成されていることを特徴とする。
これにより、酸化ガス吹出リングから上方に噴き出した酸化ガスは、ケーシングの内側に向かって強く偏流され、テーブルの回転時に遠心力によって外周側に流れようとする粉砕炭が偏流板に衝突しにくくなる。その結果、偏流板の摩耗や損傷を防ぐことができ、高い耐久性を有したものとなる。
また、偏流ベーンを、酸化ガスをケーシングの中心に向けて偏流させるために立体形状とすることで、その強度を高め、酸化ガス吹出リングの強度を高めることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、粉砕機10は、その外殻をなす円筒状のケーシング11内に、石炭を粉砕して微粉炭にする粉砕部20と、微粉炭の粒径を分級する分級部30と、を備えている。また、ケーシング11の上方には、貯炭場等、外部から供給される石炭をケーシング11内に供給する給炭部15が配置されている。
ケーシング11の上面には、給炭部15から石炭をケーシング11内に送り込む給炭管12と、分級部30で分級された微粉炭を外部に送出する複数本の微粉炭管13とが設けられている。
それぞれの偏流ベーン53は、中間部の稜線53aを屈曲部として、板状部材をくの字状に折り曲げて形成されている。偏流ベーン53の下端面53bは、内側円環壁51の下端部51aと外側円環壁52の下端部52aとを、酸化ガス吹出リング50の径方向に結ぶよう設けられている。稜線53aは、内側円環壁51側から外側円環壁52側に向けて、漸次低くなるよう傾斜して形成されている。また、この稜線53aは、外側円環壁52側の端部53dが、内側円環壁51側の端部53eよりも、テーブル21と一体に回転する酸化ガス吹出リング50の回転方向前方に位置するよう形成されている。これにより、外側円環壁52側の端部53dと下端面53bの距離よりも、内側円環壁51側の端部53eと下端面53bの距離の方が大きくなるよう形成されている。
また、偏流ベーン53の上端面53cは、内側円環壁51の上端部51bと外側円環壁52の上端部52bとを結ぶよう設けられている。また、この上端面53cは、外側円環壁52側の端部53fが、内側円環壁51側の端部53gよりも、テーブル21と一体に回転する酸化ガス吹出リング50の回転方向後方に位置するよう形成されている。これにより、偏流ベーン53は、その下端面53bに対し、上端面53cが酸化ガス吹出リング50の中心側に傾斜して設けられている。
このようなベーン53は、下端面53bと稜線53aとの間の偏流ベーン下部53Aと、稜線53aと上端面53cとの間の偏流ベーン上部53Bとからなり、偏流ベーン下部53Aに対し、偏流ベーン上部53Bが径方向内側にひねった(ツイストされた)ような形状をなしている。
酸化ガス吹出リング50は、偏流ベーン53が、その偏流ベーン下部53Aに対し、偏流ベーン上部53Bが径方向内側にひねったような形状をなしているので、テーブル21と一体に回転する酸化ガス吹出リング50により、酸化ガスがケーシング11の中心に向けてねじられるようにして送り出される。これにより、図4に示されるように、本発明の酸化ガスは、偏流板25に衝突せずに流される。
ローラ機構24により形成された微粉炭は、テーブル21の外周側の酸化ガス吹出リング50から導入された酸化ガスにより上方に搬送され、分級部30において、所定粒径以下の微粉炭を通過させ、微粉炭管13に流入し外部へ気流搬送される。
また、偏流ベーン53は、偏流ベーン下部53A、偏流ベーン上部53Bが稜線53aにおいて折り曲げられたような形状を有しているので、これを平板状とする構成に比較して、剛性を大幅に高めることができる。これにより、ローラ機構24においてローラのスリップに起因する自励振動等が生じても、偏流ベーン53が変形するのを防ぎ、高い信頼性を有するものとすることができる。
例えば、偏流ベーン53は、稜線53aにおいて屈曲された立体形状をなしているが、下端面53bから上端面53cに向けて連続する湾曲形状をなすようにしても良い。
さらに、石炭を粉砕する粉砕機10以外であっても、テーブル上の被粉砕物をローラにより粉砕する粉砕機であれば、上記構成を同様に適用することができる。
11 ケーシング
12 給炭管
13 微粉炭管
15 給炭部
16 ケーシング
18 供給口
20 粉砕部
21 テーブル
24 ローラ機構(ローラ)
25 偏流板
30 分級部
50 酸化ガス吹出リング
51 内側円環壁
52 外側円環壁
53 偏流ベーン
53A 偏流ベーン下部
53B 偏流ベーン上部
53a 稜線(屈曲部)
53b 下端面
53c 上端面
Claims (4)
- ケーシングと、
前記ケーシング内で回転駆動されるテーブルと、
前記テーブルの上面に押圧されつつ回転し前記テーブル上の被粉砕物を粉砕するローラと、
前記ケーシング内で前記テーブルの外周部に取付けられた酸化ガス吹出リングと、
前記酸化ガス吹出リングより上方に取付けられケーシング中央に向けて傾斜した偏流板と、を備え、
前記酸化ガス吹出リングは、環状の酸化ガス通路を形成する内側円環壁および外側円環壁と、前記内側円環壁と前記外側円環壁の間において、前記酸化ガス吹出リングの周方向に間隔を隔てて複数が設けられた偏流ベーンと、を備え、
前記偏流ベーンは、下方から前記酸化ガス吹出リングに送り込まれる酸化ガスを前記ケーシングの中心に向けて偏流させるよう、当該偏流ベーンの下辺において前記内側円環壁と前記外側円環壁とを結ぶ下端面に対し、当該偏流ベーンの上辺において前記内側円環壁と前記外側円環壁とを結ぶ上端面が、前記酸化ガス吹出リングの中心側に傾斜して設けられており、
前記上端面は、前記外側円環壁側の端部が、前記内側円環壁側の端部よりも、前記テーブルと一体に回転する前記酸化ガス吹出リングの回転方向後方に位置するよう形成されていることを特徴とする粉砕機。 - 前記偏流ベーンは、前記下端面と前記上端面との間に屈曲部を有した立体形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の粉砕機。
- 前記上端面は、前記下端面よりも前記酸化ガス吹出リングの回転方向後方に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粉砕機。
- ケーシングと、
前記ケーシング内で回転駆動されるテーブルと、
前記テーブルの上面に押圧されつつ回転し前記テーブル上の被粉砕物を粉砕するローラと、
前記ケーシング内で前記テーブルの外周部に取付けられた酸化ガス吹出リングと、
前記酸化ガス吹出リングより上方に取付けられケーシング中央に向けて傾斜した偏流板と、を備え、
前記酸化ガス吹出リングは、環状の酸化ガス通路を形成する内側円環壁および外側円環壁と、前記内側円環壁と前記外側円環壁の間において、前記酸化ガス吹出リングの周方向に間隔を隔てて複数が設けられた偏流ベーンと、を備えた粉砕機の粉砕方法であって、
前記偏流ベーンは、当該偏流ベーンの下辺において前記内側円環壁と前記外側円環壁とを結ぶ下端面に対し、当該偏流ベーンの上辺において前記内側円環壁と前記外側円環壁とを結ぶ上端面が、前記酸化ガス吹出リングの中心側に傾斜して設けられ、
前記上端面は、前記外側円環壁側の端部が、前記内側円環壁側の端部よりも、前記テーブルと一体に回転する前記酸化ガス吹出リングの回転方向後方に位置するよう形成され、
前記偏流ベーンにより、下方から前記酸化ガス吹出リングに送り込まれる酸化ガスを前記ケーシングの中心に向けて偏流させて供給することを特徴とする粉砕機の粉砕方法。
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JP2012044765A JP5951282B2 (ja) | 2012-02-29 | 2012-02-29 | 粉砕機およびその粉砕方法 |
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