JP5030430B2 - 竪型ローラミル - Google Patents
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Description
粉砕された微粉原料50は、回転テーブル5の外周に取り付けられている空気案内リング10より供給される熱風の吹出流に乗り分級されて気流搬送されて上昇し、上方に位置するセパレータ19の気流作用により更に分級を受け、十分に微粉化された微粉原料は頂上の出口管20から排出される。空気案内リング10からの搬送空気(以下、空気と称す)の吹出しが適正でない場合には、粉砕されずに回転テーブル5の外周の空気案内リング5とケーシング2の間の空間から下方に落ち込む粉砕対象物であるスピレージの量が多くなるため、これを適正に保つ必要がある。
空気案内リング10から吹出した空気は、回転テーブル5上で粉砕された微粉原料50を取り込んで一緒に吹き上げる。その際に空気案内リング10の上方に設けられた偏流板18に衝突して、搬送した微粉原料50のうち粗大粒子若しくは重い粒子が一次分級される。
また、特許文献3(特公平8−24852号公報)には、空気案内リングの構成として、空気を通流する複数の通路セグメントを円形に組み合わせた構成を開示しており、これにより通路構成体に損傷又は摩耗が生じた場合、それを回転テーブルから取り外して交換することができ、また、損傷又は摩耗した通路セグメントだけを交換することも可能としている。
特許文献2では、空気案内リングの外側円環壁が偏流板に沿って傾斜されているため、摩耗は防止できるものの、空気案内リングにおける空気通路の通路断面積が一定でなく且つ通路長が短いため、空気の整流効果が小さく、一次分級が困難であるという問題がある。
特許文献3では、ベーンが摩耗することに対する対策であり、偏流板の摩耗については言及されていない。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、一次分級性能を維持しながら空気が衝突する偏流板の摩耗を最小限に抑え、長寿命化を可能とした縦型ローラミルを提供することを目的とする。
前記偏流板に衝突する前の空気が流れる前記内側円環壁と外側円環壁の間の前記外側円環壁側に偏流リングを設置し、該偏流リング通過後の前記偏流板に衝突する空気の流線を、該偏流リング通過前の空気案内リング内を通る空気の流線に対し、円環中心側に向けて偏流させるとともに、該偏流により前記偏流板に衝突する空気の流線の衝突角度が0〜20°になるように、前記偏流リングの配設位置を設定したことを特徴とする。
また、前記偏流リングの断面形状を正円状、長円状若しくは楕円状の何れかとしてもよい。このように断面円状の偏流リングを用いることにより、加工性が高く安価なコストで提供することが可能となる。
これは、最も摩耗が著しくなる衝突角度が30°程度であるため、本発明のごとく0〜20°の衝突角度となるように偏流リングを設置することにより、摩耗を最小限に抑えることが可能となるものである。
これにより、空気案内リングから吹き上げる空気流速が適正に保たれ、流速分級性能を向上させることができる。
前記空気案内リングの内側円環壁と外側円環壁が略同一長さを有し、これらの円環壁が略平行に設置されるとともに該円環壁が水平方向に対して50〜70°の傾斜となるように円環壁上方を中心へ向けて傾斜させたことを特徴とする。
また、これら円環壁の傾斜角度を水平方向に対して50〜70°とすることにより、回転テーブル差圧、さらには分級精度、スピレージ量等のミル特性を適正に保つことが可能で、且つ偏流板の摩耗を抑制できる竪型ローラミルを提供することができる。
また、参考発明において、内側円環壁と外側円環壁を中心に向けて傾斜させることにより、一次分級性能を維持しながら搬送空気が衝突する偏流板の摩耗を最小限に抑え、長寿命化を可能とした縦型ローラミルを提供することができる。
図1は本発明の実施例1に係る空気案内リングの側断面図、図2は本発明の実施例2に係る空気案内リングの側断面図、図3は本発明の実施例3に係る空気案内リングの側断面図、図4は本発明の実施例に係る竪型ローラミルの全体構成を示す側断面図、図5は図4に示した竪型ローラミルの空気案内リングの拡大図である。
本実施例において、被粉砕物としては石炭等の固体燃料、石灰、スラグ等の塊状の固体原料が挙げられる。
ローラ7は、ケーシング2の内周面から離間して複数配置されており、互いに等距離に配置されるように適当に支持されている。本実施例では判り易くなるようにローラ7を1個だけ示してある。該ローラ7は図示略の軸に支持されており、該軸によりローラ7は回転テーブル5の上面に押し付けられ、回転テーブル5の回転に伴い摺動するようになっている。固体原料50は固体原料供給手段3から回転テーブル5上面に供給され、ここで回転テーブル5とローラ7に挟まれて押しつぶし粉砕される。
セパレータ19では、空気流中に残留する微粉原料50をさらに選別して二次分級が行われる。即ち、所望の粒度を有する微粉原料50はセパレータ19を通り、空気とともにここから排出され、さらに微粉出口管20よりケーシング2外へ排出される。一方、所望粒度よりも大きい微粉原料50はセパレータ19の斜面を介して再び回転テーブル5上へ送り返され、ここで再粉砕される。
偏流板18は、微粉原料50を同伴した空気の流れをケーシング2中心へ向けて偏流させる作用を有する。また、微粉原料50を同伴した空気流が偏流板18に衝突することにより、粗大粒子が落下して回転テーブル5上へと導かれる作用も有する。
本実施例1の空気案内リング10は、上記したように内側円環壁12と、外側円環壁13と、該内側円環壁12と外側円環壁13の間に形成された円環状空気通路15と、該空気通路15に所定間隔で配設された複数のベーン16とから構成され、これらが回転テーブル5に固定されて回転テーブル5と同体に回転する。ベーン16は、空気通路15を通過する空気の方向を決定するために設けられるが、本実施例では回転テーブル5の回転方向に対して逆方向に空気流が形成されるように配設しても良いし、順方向に空気流が形成されるように配設してもよい。必要に応じて内側円環壁12の上端に水平状に塞ぎ板14を設け、流路断面積を調整することにより空気流速調整を行うこともできる。
空気案内リング10上方のケーシング2内壁面には所定の傾斜角度を有する偏流板18が取付けられている。これは、ケーシング2に対してボルト18a、18bにより取付けられる。
このとき、偏流リング11が、空気の流線を偏流板18の角度に対して0〜20°の角度に偏流させるように設置することが好ましい。これは、最も摩耗が著しくなる衝突角度が30°程度であるため、0〜20°の衝突角度となるように偏流リング11を設置することにより、摩耗を最小限に抑えることが可能となるものである。
本実施例2の空気案内リング10は、上記したように内側円環壁12と、外側円環壁13と、該内側円環壁12と外側円環壁13の間に形成された円環状空気通路15と、該空気通路15に所定間隔で配設された複数のベーン16とから構成され、これらが回転テーブル5に固定されて回転テーブル5と同体に回転する。本実施例においてベーン16は、回転テーブル5の回転方向に対して逆方向に空気流が形成されるように配設しても良いし、順方向に空気流が形成されるように配設してもよい。
本実施例1の空気案内リング10は、上記したように内側円環壁12と、外側円環壁13と、該内側円環壁12と外側円環壁13の間に形成された円環状空気通路15と、該空気通路15に所定間隔で配設された複数のベーン16とから構成され、これらが回転テーブル5に固定されて回転テーブル5と同体に回転する。本実施例ではベーン16は、回転テーブル5の回転方向に対して逆方向に空気流が形成されるように配設される。好適にはベーンの取付角度が45°程度となることが好ましい。
このように、円環壁12、13を中心に向けて傾斜させることにより、空気流と偏流板の衝突角度が小さくなり、偏流板18の摩耗を低減することが可能となる。
また、円環壁12、13の傾斜角度を水平方向に対して60°とした場合と、傾斜角度を85°とした場合において、給炭量等を同条件として模擬試験を行った結果、傾斜角度60°の場合は回転テーブル差圧が250mmAqと適正な値となり、傾斜角度85°の場合は回転テーブル差圧が275mmAqと非常に高い値となった。この結果にも明らかなように、傾斜角度を50〜70°とすることにより回転テーブル差圧、さらには分級精度、スピレージ量等のミル特性を適正に保つことが可能で、且つ偏流板の摩耗を抑制できる竪型ローラミルを提供することができる。
2 ケーシング
3 固体原料供給手段
5 回転テーブル
7 ローラ
10 空気案内リング
11 偏流リング
12 内側円環壁
13 外側円環壁
14 塞ぎ板
15 空気通路
16 ベーン
18 偏流板
19 セパレータ
20 微粉出口管
Claims (4)
- ケーシング内で垂直駆動軸回りに回転する回転テーブルと、該回転テーブル上面に押圧されつつ回転し固体原料を粉砕するローラと、前記回転テーブルの外周端に取付けられた空気案内リングと、前記空気案内リングより上方のケーシング内面に取付けられ上方側がケーシング中心に向けて傾斜した偏流板と、を備え、前記空気案内リングが環状の空気通路を形成する内側円環壁と外側円環壁からなり、該内側円環壁と外側円環壁の間に空気を偏流させる複数の偏流ベーンが配置され、前記内側円環壁と外側円環壁の間を通って偏流ベーンにより偏流された空気が前記ケーシング中心に向けて傾斜した偏流板に衝突するように構成した竪型ローラミルにおいて、
前記偏流板に衝突する前の空気が流れる前記内側円環壁と外側円環壁の間の前記外側円環壁側に偏流リングを設置し、該偏流リング通過後の前記偏流板に衝突する空気の流線を、該偏流リング通過前の空気案内リング内を通る空気の流線に対し、円環中心側に向けて偏流させるとともに、該偏流により前記偏流板に衝突する空気の流線の衝突角度が0〜20°になるように、前記偏流リングの配設位置を設定したことを特徴とする竪型ローラミル。 - 前記偏流リングの断面形状が、三角状であることを特徴とする請求項1記載の竪型ローラミル。
- 前記偏流リングの断面形状が正円状、長円状若しくは楕円状の何れかであることを特徴とする請求項1記載の竪型ローラミル。
- 前記偏流リングが、前記回転テーブル上方と前記空気案内リング下方の差圧が0.8〜1.2KPaとなるように設置されることを特徴とする請求項1記載の竪型ローラミル。
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