JP5950916B2 - シアノ−アルコキシ−ボレートアニオンを含む電解質配合物 - Google Patents

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Description

本発明は、シアノ−アルコキシ−ボレートアニオンを含む電解質配合物、それらの調製および、特に電気化学的デバイスまたは光電子デバイスのための電解質配合物の一部としてのそれらの使用、およびシアノ−アルコキシ−ボレートアニオンを含む特定の化合物に関する。
以下に記載する式Iまたは式I*で表される塩を、一方で電気化学的デバイスまたは光電子デバイスのための電解質配合物の一部として使用することができ、他方では塩を、前記式IまたはIで表されるイオン性液体の合成のために使用することができる。
イオン性液体または液体塩は、有機カチオンおよび一般的に無機アニオンからなるイオン種である。それらはいかなる中性分子をも含まず、通常373Kより低い融点を有する。
潜在的な用途が多種多様であるので、イオン性液体の領域は、現在集中的な研究の対象である。イオン性液体に関する調査記事は、例えばR. Sheldon "Catalytic reactions in ionic liquids“, Chem. Commun., 2001, 2399-2407;M.J. Earle, K.R. Seddon “Ionic liquids. Green solvent for the future”, Pure Appl. Chem., 72 (2000), 1391-1398;P. Wasserscheid, W. Keim "Ionische Fluessigkeiten - neue Loesungen fuer die Uebergangsmetallkatalyse“ [Ionic Liquids - Novel Solutions for Transition-Metal Catalysis], Angew. Chem., 112 (2000), 3926-3945;T. Welton "Room temperature ionic liquids. Solvents for synthesis and catalysis”, Chem. Rev., 92 (1999), 2071-2083またはR. Hagiwara, Ya. Ito "Room temperature ionic liquids of alkylimidazolium cations and fluoroanions”, J. Fluorine Chem., 105 (2000), 221-227である。
イオン性液体の特性、例えば融点、熱的および電気化学的安定性、粘度は、アニオンの性質によって強度に影響される。
E. Bernhardt et al, Z. Anorg. Allg. Chem. 2000, 626, 560、E. Bernhardt et al, Chem. Eur. J. 2001, 7, 4696およびE. Bernhardt et al, Z. Anorg. Allg. Chem. 2003, 629, 1229には、式中x=1〜3である新規な化学的に、および電気化学的に安定なホウ酸アニオン[B(CN)、[FB(CN)4−xおよび[B(CFが開示されている。
EP 1205480 A1には、テトラキスフルオロアルキルボレート塩および伝導性塩またはイオン性液体としてのその使用が記載されている。
WO 2006/010455には、アルコキシトリス(パーフルオロアルキル)ボレート塩およびイオン性液体の合成のための前駆体としてのそれらの使用またはイオン性液体としてのそれらの使用が記載されている。
WO 2006/045405には、式[B(R4−x−y(CN)(F)で表され、式中xが1、2または3であり、y=0または1であり、x+y≦4であり、Rが1〜12個のC原子を有するパーフルオロ化されたかまたは部分的にフッ素化されたアルキル基を示す塩、特にカリウムトリス(トリフルオロメチル)シアノボレート、グアニジニウムトリス(トリフルオロメチル)シアノボレートおよびトリチリウムトリス(トリフルオロメチル)シアノボレートが記載されている。
WO 2010/086131には、イオン性液体としてのアルコキシ−トリシアノ−ボレート塩、特にカリウムトリシアノメトキシボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリシアノメトキシボレート、N−(n−ブチル)−2−メチルピリジニウムトリシアノメトキシボレート、テトラエチルアンモニウムトリシアノメトキシボレートおよびテトラ−(n−ブチル)−ホスホニウムトリシアノメトキシボレートが記載されている。イオン性液体の一般的な用途が、記載されている。前記イオン性液体の特定の用途は、記載されていない。
電解質配合物は、電気化学的デバイスおよび/または光電子デバイスの極めて重要な部分を形成し、デバイスの性能は、これらの電解質の様々な構成成分の物理的および化学的特性に大いに依存する。
電解質の用語を、本明細書中で以下に定義する電解質配合物の意味において使用し、本開示内の電解質配合物に同様に使用する。
多くの電気化学的デバイスおよび/または光電子デバイスの、ならびに特に色素または量子ドット増感太陽電池の技術的適用を尚妨げている要因は、有機溶媒に基づいた電解質の揮発性によって生じた信頼度問題である。例えば日常的な日夜サイクルの温度差および電解質の付随する熱膨張に耐えなければならないDSCパネル中の電解質の厳密な密封を維持することは、極めて困難である。DSCの略語は、色素増感太陽電池を意味する。この問題を、原則的にイオン性液体に基づいた電解質の使用によって解決することができる。レビュー“Ionic liquid electrolytes for dye-sensitized solar cells”については:William R Pitner et al., “Application of Ionic Liquids in Electrolyte System” Green Chemistry. vol.6, (2010)を参照。
イオン性液体または液体塩は、典型的には通常373Kより低い融点を有する有機カチオンおよび一般的に無機アニオンからなるイオン種である。様々な二成分系イオン性液体電解質は、最近色素増感太陽電池に適用されている。WO 2007/093961およびWO 2009/083901には、テトラシアノボレート(TCB)アニオンを有する顕著な量の有機塩を含むDSCのためのイオン性液体に基づいた電解質における、現在まで最良の電力変換効率が記載されている。
しかしながら、より良好なDSC効率を提供する改善された特性を有するイオン性液体に基づいた新規であり、改善された電解質についての需要が、継続してある。
したがって、本発明の目的は、広い温度範囲(−20℃〜85℃)における改善された電力変換効率を有する電気化学的デバイスおよび/または光電子デバイス、例えば光電池、発光デバイス、エレクトロクロミックまたはフォトエレクトロクロミック(photo-electrochromic)デバイス、電気化学的センサーおよび/またはバイオセンサー、特に色素または量子ドット太陽電池のための、特に好ましくは色素増感太陽電池のための電解質配合物を提供することにある。
驚くべきことに、式Iaで表されるボレートアニオンを含む電解質配合物がそのような要求を満たすことが見出された。
したがって、本発明は、式Ia
[B(CN)4−x(OR* Ia
式中、xは、1または2であり、R*は、各場合において互いに独立して、1〜12個のC原子を有し、Halによって部分的に置換され得る直鎖状または分枝状アルキル基を示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示す、
で表されるボレートアニオンを含む少なくとも1種の化合物を含む電解質配合物に関する。
本発明はさらに、式I
[Kt]z+z[B(CN)4−x(OR*
式中、[Kt]z+は、無機もしくは有機カチオンまたはHを示し、
zは、1、2、3または4であり、
xは、1または2であり、R*は、各場合において互いに独立して、1〜12個のC原子を有し、Halによって部分的に置換され得る直鎖状または分枝状アルキル基を示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示す、
で表される少なくとも1種の化合物を含む電解質配合物に関する。好ましくは、HalはFまたはClを示す。特に好ましくは、HalはFを示す。
化学において、電解質は、物質を電気的に伝導性にする遊離イオンを含むあらゆる物質である。最も典型的な電解質はイオン性溶液であるが、溶融した電解質および固体の電解質もまた、可能である。
したがって、本発明の電解質配合物は、基本的に溶解したか、または溶融した状態で存在する、すなわちイオン種の運動によって電気伝導性を支持する少なくとも1種の物質の存在により電気的に伝導性の媒体である。
本発明はさらに、式I*
[Kt]z+z[B(CN)(OR**
で表される化合物に関し、
式中、R*は、各場合において互いに独立して、1〜12個のC原子を有し、Halによって部分的に置換され得る直鎖状または分枝状アルキル基を示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
zは、1、2、3または4であり、
[Kt]z+は、H
NO、H、Li、Na、K、Rb、CsもしくはMg2+、Cu、Cu2+、Zn2+、Ag、Ca2+、Y+3、Yb+3、La+3、Sc+3、Ce+3、Nd+3、Tb+3、Sm+3または希土類元素、遷移金属または貴金属、例えばロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、トリウム、ウラン、金を含む錯体(配位子含有)金属カチオンの群から選択された無機または有機カチオン;
あるいは、Rが互いに独立して1〜8個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキル基、または非置換フェニルまたはR、OR、N(R、CNもしくはハロゲンによって置換されているフェニルを示し、式(2)で表されるスルホニウムカチオンの場合において、さらに各々独立して(R’’’)Nを示し、R’’’が互いに独立して直鎖状または分枝状C〜Cアルキルである、式[(RO](1)で表されるオキソニウムカチオンまたは式[(RS](2)で表されるスルホニウムカチオン;
あるいは式(3)
[NR (3)、
式中、
Rは、各場合において互いに独立して、
H、OR’、NR’(ただし式(3)中の最大1つの置換基Rは、OR’またはNR’である)、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで1つまたは2つのRは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−CN、−NR’、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NO、−SR’、−S(O)R’、−SOR’によって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである、
に適合するアンモニウムカチオン;あるいは
式(4)
[PR (4)
式中、
は、各場合において互いに独立して、
H、OR’またはNR’
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで1つまたは2つのRは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−CN、−NR’、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NO、−SR’、−S(O)R’、−SOR’によって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである、
に適合するホスホニウムカチオン;
あるいは式(5)
[C(NR)(OR)(NR)] (5)、
式中、
〜Rは、各々、互いに独立して、
H(ここでHはRについては除外される)、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで置換基R〜Rの1つまたは2つは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR〜R中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである、
に適合するウロニウムカチオン;
あるいは式(6)
[C(NR)(SR)(NR)] (6)、
式中、
〜Rは、各々、互いに独立して、
H(ここでHはRについては除外される)、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで置換基R〜Rの1つまたは2つは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR〜R中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである、
に適合するチオウロニウムカチオン;
あるいは式(7)
[C(NR)(NR1011)(NR1213)] (7)、
式中、
〜R13は、各々、互いに独立して、
H、−CN、NR’、−OR’、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで置換基R〜R13の1つまたは2つは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR〜R13中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである、
に適合するグアニジニウムカチオン
を示し、
あるいは[Kt]z+は、式(8)
[HetN]z+ (8)
式中、HetNz+は、以下の群
から選択された複素環式カチオンを示す、
に適合し、
式中、置換基
1’〜R4’は、各々、互いに独立して、
H;
F、Cl、Br、I、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)X、−C(O)NR’、−SONR’、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’および/またはNO(ただしR1’、R3’、R4’は、Hである)および/または1〜20個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキル
1〜20個のC原子を有し、任意にフッ素化またはパーフルオロ化されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル;
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有し、任意に部分的にフッ素化されていてもよい直鎖状または分枝状アルケニル;
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有し、任意に部分的にフッ素化されていてもよい直鎖状または分枝状アルキニル;
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル;
飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C〜Cアルキルまたはアリール−C〜Cアルキル
を示し、
ここで置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’は、一緒にまた環系を形成してもよく、
ここで1つ、2つまたは3つの置換基R1’〜R4’は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよいが、ここでR1’およびR4’は、ハロゲンによって同時には完全に置換され得ず、かつここで置換基R1’〜R4’において、ヘテロ原子に結合していない1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、
ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである。
有機カチオンを有する式Iで表される化合物(およびしたがってまた式I*で表される化合物)は、低い粘度を有する。粘度のいくつかは、同一の有機カチオンを有する対応するテトラシアノボレートと比較してさらに低い。例えば、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムテトラシアノボレート(emim TCB)は、22mPas(20℃で)の動粘性係数を有し、対応する1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムトリシアノ−メトキシ−ボレートは、20mPas(20℃で)の粘度を有する。
アルコキシ基(R*O)、例えばメトキシ、エトキシまたは1,1,1−トリフルオロエトキシ基の式Iで表される化合物の粘度に対する正の影響は、完全に予想外である。ボレートアニオンの負電荷を有効に非局在化することができる電子求引基、例えばフルオロ、パーフルオロアルキルまたはシアノ基と比較して、アルコキシ基(R*O)は、電子供与基である。少なくとも1つのアルコキシ基のホウ素への導入によって、トリシアノアルコキシボレートアニオンの配位能力が増大し、トリシアノアルコキシボレートまたはジシアノジアルコキシボレートアニオンを有する有機塩の粘度の増大がもたらされるはずである。しかし、実験結果は、この理論的観点と反対である。
式Iで表される化合物(およびしたがってまた式I*で表される化合物)の他の利点は、それらを産業から入手できる安価な出発物質から単純な反応プロトコルによって調製することができることである。
1〜12個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、1−(2,2−ジメチル)−プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、xが1;2または3であるx−メチルブチル、xが1;2;3または4であるx−メチルペンチル、xが1;2;3;4または5であるx−メチルヘキシル、xが1;2または3であるx−エチルペンチル、xが1;2;3または4であるx−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシルまたはn−ドデシルであり、それは、上に定義したようにHalによって部分的に置換され得る。好ましい部分的にフッ素化されたアルキル基についての例は、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチルまたは1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−トリフルオロメチル−プロパン−2−イルである。
式Ia中の、または式I中の、または式I*中のR*は、特に、互いに独立して1〜8個のC原子を有し、Halによって部分的に置換され得る直鎖状または分枝状アルキルである。式Ia中の、または式I中の、または式I*中のR*は、特に好ましくは独立してメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは3,3,3−トリフルオロプロピルである。
本発明による式Iで表される化合物のカチオンの選択に関しては、制限はそれ自体ない。したがって、[Kt]z+は、無機または有機カチオンであり得る。アルカリ金属カチオンを有する式Iまたは式I*で表される化合物は、有機カチオンまたは合成のための出発物質の使用されたアルカリ金属カチオン以外の金属カチオンを有する式Iで表される化合物または式I*で表される化合物の合成のための好ましい出発物質である。カチオンは、式I*で表される塩の使用がイオン性液体または有機塩自体についての適用の分野内にある場合には、好ましくは有機カチオンである。カチオンは、式Iまたは式I*で表される塩の使用がイオン性液体の合成のための前駆体、有機カチオンもしくはブレンステッド酸を有する、または触媒の分野における伝導性塩、電気化学的デバイスもしくはセンサーのための伝導性塩および前記塩を含む対応する電解質配合物としてである場合には、好ましくは金属カチオンである。
カチオンは、式Iまたは式I*で表される塩の使用が光電子デバイスのための、好ましくは色素または量子ドット増感太陽電池のための、特に好ましくは色素増感太陽電池のための電解質配合物の一部としてである場合には、好ましくは有機カチオンである。
好ましくは、有機カチオンは、スルホニウム、オキソニウム、アンモニウム、ホスホニウム、ウロニウム、チオウロニウム、グアニジニウムカチオンまたは複素環式カチオンを含む群から選択される。有機カチオンの例はまた、荷電の程度z=4を有するポリアンモニウムイオンまたはトリチリウムカチオンであり、ここでフェニル基は、1〜20個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキル基、2〜20個のC原子および1つもしくは2つ以上の二重結合を有する直鎖状もしくは分枝状アルケニルまたは2〜20個のC原子および1つもしくは2つ以上の三重結合を有する直鎖状もしくは分枝状アルキニルによって置換されていてもよい。
スルホニウムカチオンを、例えば式(1)によって記載することができ、オキソニウムカチオンを、例えば式(2)によって記載することができ、
[(RS] (1)
[(RO] (2)、
式中、Rは、互いに独立して1〜8個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基、あるいは非置換フェニルまたはR、OR、N(R、CNもしくはハロゲンによって置換されているフェニルを示し、式(2)で表されるスルホニウムカチオンの場合においては、さらに各々独立して(R’’’)Nを示し、R’’’は、互いに独立して直鎖状または分枝状C〜Cアルキルである。
[(RO]カチオンまたは[(RS]カチオンのRは、好ましくは互いに独立して1〜8個のC原子を有する、好ましくは1〜4個のC原子を有する直鎖状アルキル、特にメチルまたはエチル、極めて特に好ましくはエチルである。特に好ましいスルホニウムカチオンは、ジエチル−メチルスルホニウムである。
アンモニウムカチオンを、例えば式(3)
[NR (3)
によって記載することができ、
式中、
Rは、各場合において互いに独立して、
H、
OR’、NR’(ただし式(3)中の最大1つの置換基Rは、OR’、NR’である)、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで1つまたは2つのRは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’によって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである。
ホスホニウムカチオンを、例えば式(4)
[PR (4)
によって記載することができ、
式中、
は、各場合において互いに独立して、
H、OR’またはNR’
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで1つまたは2つのRは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである。
しかしながら、式(3)および(4)で表され、式中すべての4つまたは3つの置換基RおよびRがハロゲンによって完全に置換されているカチオン、例えばトリス(トリフルオロメチル)メチルアンモニウムカチオン、テトラキス(トリフルオロメチル)アンモニウムカチオンまたはテトラキス(ノナフルオロブチル)アンモニウムカチオンは、除外される。
ウロニウムカチオンを、例えば式(5)
[C(NR)(OR)(NR)] (5)
によって記載することができ、
チオウロニウムカチオンを、式(6)
[C(NR)(SR)(NR)] (6)
によって記載することができ、
式中、
〜Rは、各々、互いに独立して、
H(ここでHは、Rについては除外される)、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで置換基R〜Rの1つまたは2つは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR〜R中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである。
グアニジニウムカチオンを、式(7)
[C(NR)(NR1011)(NR1213)] (7)
によって記載することができ、
式中、
〜R13は、各々、互いに独立して、
H、−CN、−NR’、−OR’、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル
を示し、
ここで置換基R〜R13の1つまたは2つは、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよく、かつここでα位にはないR〜R13中の1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである。
複素環式カチオンを、例えば式(8)
[HetN]z+ (8)
によって記載することができ、
式中、
HetNz+は、以下の群
から選択された複素環式カチオンを示し、
式中、置換基
1’〜R4’は、各々、互いに独立して、
H;
F、Cl、Br、I、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)X、−C(O)NR’、−SONR’、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’および/またはNO(ただしR1’、R3’、R4’は、Hである)および/または1〜20個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキル
1〜20個のC原子を有し、任意にフッ素化またはパーフルオロ化されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル;
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有し、任意に部分的にフッ素化されていてもよい直鎖状または分枝状アルケニル;
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有し、任意に部分的にフッ素化されていてもよい直鎖状または分枝状アルキニル;
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル;
飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C〜Cアルキルまたはアリール−C〜Cアルキル
を示し;
ここで置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’は、一緒にまた環系を形成してもよく、
ここで1つ、2つまたは3つの置換基R1’〜R4’は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよいが、ここでR1’およびR4’は、ハロゲンによって同時には完全に置換され得ず、かつここで置換基R1’〜R4’において、ヘテロ原子に結合していない1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、
ここでR’は、各々独立してH、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化された直鎖状または分枝状C〜C18アルキル、飽和C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、Xは、各々独立してハロゲンである。
本発明の目的のために、完全に不飽和の置換基はまた、芳香族置換基を意味するものと解釈される。
本発明において、式(3)〜(7)で表される化合物の好適な置換基RおよびR〜R13は、Hに加えて、好ましくは以下のものである:C〜C20、特にC〜C14アルキル基、および飽和の、または不飽和の、すなわちまた芳香族のC〜Cシクロアルキル基であって、それは、C〜Cアルキル基、特にフェニルによって置換されていてもよい。
式(3)または(4)で表される化合物中の置換基RおよびRは、同一であっても異なっていてもよい。置換基RおよびRは、好ましくは異なっている。
置換基RおよびRは、特に好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシルまたはテトラデシルである。
グアニジニウムカチオン[C(NR)(NR1011)(NR1213)]の4つまでの置換基をまた、単環式、二環式または多環式カチオンが形成するように対に結合させてもよい。
一般性を制限せずに、そのようなグアニジニウムカチオンの例は、以下のものである:
式中、置換基R〜R10およびR13は、上に示した意味または特に好ましい意味を有することができる。
所望により、上に示したグアニジニウムカチオンの炭素環または複素環はまた、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−CN、−NO、F、Cl、Br、I、−OH、−C〜Cアルコキシ、−NR’、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−C(O)OH、−SONR’、−SOX’または−SOH(ここでXおよびR’は上に示した意味を有する)、置換もしくは非置換フェニルまたは非置換もしくは置換複素環によって置換されていてもよい。
ウロニウムカチオン[C(NR)(OR)(NR)]またはチオウロニウムカチオン[C(NR)(SR)(NR)]の4つまでの置換基をまた、単環式、二環式または多環式カチオンが形成するように対に結合させてもよい。
一般性を制限せずに、そのようなカチオンの例を以下に示し、式中Y=OまたはSである:
式中、置換基R、RおよびRは、上に示した意味または特に好ましい意味を有することができる。
所望により、上に示したカチオンの炭素環または複素環はまた、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−CN、−NO、F、Cl、Br、I、−OH、−C〜Cアルコキシ、−NR’、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−COOH、SONR’、SOXもしくはSOHまたは置換もしくは非置換フェニルまたは非置換もしくは置換複素環によって置換されていてもよく、ここでXおよびR’は、上に示した意味を有する。
置換基R〜R13は、各々、互いに独立して、好ましくは1〜16個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基である。式(5)〜(7)で表される化合物中の置換基RおよびR、RおよびR、RおよびR、R10およびR11ならびにR12およびR13は、同一であっても異なっていてもよい。R〜R13は、特に好ましくは、各々、互いに独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、フェニル、ヘキシルまたはシクロヘキシル、極めて特に好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたはヘキシルである。
本発明において、式(8)で表される化合物の好適な置換基R1’〜R4’は、各々、互いに独立して、好ましくは、

1〜20個のC原子を有し、任意にフッ素化もしくはパーフルオロ化されていてもよい直鎖状もしくは分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つもしくは2つ以上の二重結合を有し、任意に部分的にフッ素化されていてもよい直鎖状もしくは分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つもしくは2つ以上の三重結合を有し、任意に部分的にフッ素化されていてもよい直鎖状もしくは分枝状アルキニル、または
2〜8個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルコキシアルキル
である。
本発明において、式(8)で表される化合物の好適な置換基R2’およびR3’は、特に好ましくは:H、C〜C20、特にC〜C12アルキル基、および飽和の、または不飽和の、すなわちまた芳香族のC〜Cシクロアルキル基であり、それは、C〜Cアルキル基、特にフェニルによって置換されていてもよい。
本発明において、式(8)で表される化合物の好適な置換基R1’およびR4’は、特に好ましくは、各々、互いに独立して直鎖状または分枝状C〜C20、特にC〜C12アルキル基、および飽和の、または不飽和の、すなわちまた芳香族のC〜Cシクロアルキル基であり、それは、C〜Cアルキル基、特にフェニルによって置換されていてもよい。
置換基R1’およびR4’は、各々、互いに独立して、特に好ましくはメチル、エチル、アリル、イソ−プロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。それらは、極めて特に好ましくはメチル、エチル、n−ブチルまたはヘキシルである。ピロリジニウム、ピペリジニウムまたはインドリニウム化合物において、2つの置換基R1’およびR4’は、好ましくは異なっている。
置換基R2’またはR3’は、各場合において互いに独立して、特にH、メチル、エチル、イソ−プロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。R2’は、特に好ましくはH、メチル、エチル、イソ−プロピル、プロピル、ブチルまたはsec−ブチルである。R2’およびR3’は、極めて特に好ましくはHである。
〜C12アルキル基は、例えばメチル、エチル、イソ−プロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルであり、それは、任意にフッ素化またはパーフルオロ化されていてもよい。「パーフルオロ化された」の用語は、すべてのH原子が所与のアルキル基中のF原子によって置換されていることを意味する。「フッ素化された」の用語は、所与のアルキル基の少なくとも1個のH原子がF原子によって置換されていることを意味する。「フッ素化された」または「パーフルオロ化された」基の例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはノナフルオロブチルである。
2〜20個のC原子を有し、ここで複数の二重結合がまた存在してもよい直鎖状または分枝状アルケニルは、例えばアリル、2−または3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、さらに4−ペンテニル、イソ−ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、−C17、−C1019〜−C2039、好ましくはアリル、2−または3−ブテニル、イソ−ブテニル、sec−ブテニル、さらに、好ましくは4−ペンテニル、イソペンテニルまたはヘキセニルであり、それは、任意に部分的にフッ素化されていてもよい。「フッ素化された」の用語は、所与のアルキル基の少なくとも1個のH原子がF原子によって置換されていることを意味する。
2〜20個のC原子を有し、ここで複数の三重結合がまた存在してもよい直鎖状または分枝状アルキニルは、例えばエチニル、1−または2−プロピニル、2−または3−ブチニル、さらに4−ペンチニル、3−ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、−C15、−C1017〜−C2037、好ましくはエチニル、1−または2−プロピニル、2−または3−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニルまたはヘキシニルであり、それは、任意に部分的にフッ素化されていてもよい。「フッ素化された」の用語は、所与のアルキル基の少なくとも1個のH原子がF原子によって置換されていることを意味する。
2〜12個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルコキシアルキルは、例えばメトキシメチル、1−メトキシエチル、1−メトキシプロピル、1−メトキシ−2−メチル−エチル、2−メトキシ−プロピル、2−メトキシ−2−メチル−プロピル、1−メトキシブチル、1−メトキシ−2,2−ジメチル−エチル、1−メトキシ−ペンチル、1−メトキシヘキシル、1−メトキシ−ヘプチル、エトキシメチル、1−エトキシエチル、1−エトキシプロピル、1−エトキシ−2−メチル−エチル、1−エトキシブチル、1−エトキシ−2,2−ジメチル−エチル、1−エトキシペンチル、1−エトキシヘキシル、1−エトキシヘプチル、プロポキシメチル、1−プロポキシエチル、1−プロポキシプロピル、1−プロポキシ−2−メチル−エチル、1−プロポキシブチル、1−プロポキシ−2,2−ジメチル−エチル、1−プロポキシペンチル、ブトキシメチル、1−ブトキシエチル、1−ブトキシプロピルまたは1−ブトキシブチルである。特に好ましいのは、メトキシメチル、1−メトキシエチル、2−メトキシ−プロピル、1−メトキシプロピル、2−メトキシ−2−メチル−プロピルまたは1−メトキシブチルである。
アリール−C〜Cアルキルは、例えばベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチルまたはフェニルヘキシルを示し、ここでフェニル環およびまたアルキレン鎖の両方は、上に記載したようにハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clによって部分的にもしくは完全に、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって部分的に置換されていてもよい。
したがって、3〜7個のC原子を有する非置換の飽和の、または部分的にもしくは完全に不飽和のシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロペンタ−1,3−ジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサ−1,3−ジエニル、シクロヘキサ−1,4−ジエニル、フェニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタ−1,3−ジエニル、シクロヘプタ−1,4−ジエニルまたはシクロヘプタ−1,5−ジエニルであり、その各々は、C〜Cアルキル基によって置換されていてもよく、ここでシクロアルキル基またはC〜Cアルキル基によって置換されたシクロアルキル基は、次にまたハロゲン原子、例えばF、Cl、BrもしくはI、特にFもしくはClによって、または−OH、−OR’、−NR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−SR’、−S(O)R’、−SOR’、−NOによって置換されていてもよい。
置換基R、R〜R13またはR1’〜R4’において、ヘテロ原子に対してα位において結合していない1個または2個の隣接していない炭素原子はまた、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’=フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化されたC〜C18アルキル、C〜Cシクロアルキル、非置換または置換フェニルである。
一般性を制限せずに、このようにして修飾された置換基R、R〜R13およびR1’〜R4’の例は、以下のものである:
−OCH、−OCH(CH、−CHOCH、−CH−CH−O−CH、−COCH(CH、−CSC、−CSCH(CH、−S(O)CH、−SOCH、−SO、−SO、−SOCH(CH、−SOCHCF、−CHSOCH、−O−C−O−C、−CF、−C、−C、−C、−C(CF、−CFSOCF、−CN(C)C、−CHF、−CHCF、−C、−CFH、−CH、−C(CFH、−CHC(O)OH、−CH、−C(O)CまたはP(O)(C
R’において、C〜Cシクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。
R’において、置換フェニルは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−CN、−NO、F、Cl、Br、I、−OH、−C〜Cアルコキシ、NR’’、−COOH、−SOX’、−SR’’、−S(O)R’’、−SOR’’、SONR’’またはSOHによって置換されたフェニルを示し、ここでX’は、F、ClまたはBrを示し、R’’は、R’について定義したようにフッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化されたC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキル、例えばo−、m−またはp−メチルフェニル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチル)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメトキシ)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−ヨードフェニル、さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジヒドロキシフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメトキシフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニルまたは2,4,5−トリメチルフェニルを示す。
1’〜R4’において、ヘテロアリールは、5〜13個の環要素を有する飽和の、または不飽和の単環式の、または二環式の複素環式基を意味するものと解釈され、ここで1個、2個もしくは3個のNおよび/または1個もしくは2個のSもしくはO原子が存在してもよく、複素環式基は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−CN、−NO、F、Cl、Br、I、−OH、−NR’’、−C〜Cアルコキシ、−COOH、−SOX’、−SONR’’、−SR’’、−S(O)R’’、−SOR’’またはSOHによって単置換または多置換されていてもよく、ここでX’およびR’’は、上に示した意味を有する。
複素環式基は、好ましくは、置換または非置換2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、1−、2−もしくは3−ピロリル、1−、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソキサゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−もしくは6−ピリミジニル、
さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1−もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−もしくは−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−もしくは−5−イル、2−、3−、4−、5−もしくは6−2H−チオピラニル、2−、3−もしくは4−4H−チオピラニル、3−もしくは4−ピリダジニル、ピラジニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−1H−インドリル、1−、2−、4−もしくは5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−もしくは7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリニル、1−、2−、3−、4−もしくは9−カルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−アクリジニル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニルまたは1−、2−もしくは3−ピロリジニルである。
ヘテロアリール−C〜Cアルキルは、アリール−C〜Cアルキルと同様に、例えばピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリジニルプロピル、ピリジニルブチル、ピリジニルペンチル、ピリジニルヘキシルを意味するものと解釈され、ここで上記の複素環は、さらにアルキレン鎖にこのようにして結合していてもよい。
HetNz+は、好ましくは
であり、
ここで置換基R1’〜R4’は、各々、互いに独立して上に記載した意味を有する。
HetNz+は、特に好ましくは
であり、
ここで置換基R1’〜R4’は、各々、互いに独立して上に記載した意味を有する。
HetNz+は、極めて特に好ましくは
であり、
ここで置換基R1’〜R4’は、各々、互いに独立して上に記載した意味を有する。
好ましい1,1−ジアルキルピロリジニウムカチオンは、例えば1,1−ジメチルピロリジニウム、1−メチル−1−エチルピロリジニウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム、1−メチル−1−ブチルピロリジニウム、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウム、1−メチル−1−ヘキシルピロリジニウム、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウム、1−メチル−1−オクチルピロリジニウム、1−メチル−1−ノニルピロリジニウム、1−メチル−1−デシルピロリジニウム、1,1−ジエチルピロリジニウム、1−エチル−1−プロピルピロリジニウム、1−エチル−1−ブチルピロリジニウム、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウム、1−エチル−1−ヘキシルピロリジニウム、1−エチル−1−ヘプチルピロリジニウム、1−エチル−1−オクチルピロリジニウム、1−エチル−1−ノニルピロリジニウム、1−エチル−1−デシルピロリジニウム、1,1−ジプロピルピロリジニウム、1−プロピル−1−メチルピロリジニウム、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウム、1−プロピル−1−ペンチルピロリジニウム、1−プロピル−1−ヘキシルピロリジニウム、1−プロピル−1−ヘプチルピロリジニウム、1−プロピル−1−オクチルピロリジニウム、1−プロピル−1−ノニルピロリジニウム、1−プロピル−1−デシルピロリジニウム、
1,1−ジブチルピロリジニウム、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−ブチル−1−ペンチルピロリジニウム、1−ブチル−1−ヘキシルピロリジニウム、1−ブチル−1−ヘプチルピロリジニウム、1−ブチル−1−オクチルピロリジニウム、1−ブチル−1−ノニルピロリジニウム、1−ブチル−1−デシルピロリジニウム、1,1−ジペンチルピロリジニウム、1−ペンチル−1−ヘキシルピロリジニウム、1−ペンチル−1−ヘプチルピロリジニウム、1−ペンチル−1−オクチルピロリジニウム、1−ペンチル−1−ノニルピロリジニウム、1−ペンチル−1−デシルピロリジニウム、1,1−ジヘキシルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−ヘプチルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−オクチルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−ノニルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−デシルピロリジニウム、1,1−ジヘキシルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−ヘプチルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−オクチルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−ノニルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−デシルピロリジニウム、1,1−ジヘプチルピロリジニウム、1−ヘプチル−1−オクチルピロリジニウム、1−ヘプチル−1−ノニルピロリジニウム、1−ヘプチル−1−デシルピロリジニウム、1,1−ジオクチルピロリジニウム、1−オクチル−1−ノニルピロリジニウム、1−オクチル−1−デシルピロリジニウム、1,1−ジノニルピロリジニウム、1−ノニル−1−デシルピロリジニウムまたは1,1−ジデシルピロリジニウムである。
極めて特に好ましいのは、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムまたは1−プロピル−1−メチルピロリジニウムである。
好ましい1−アルキル−1−アルコキシアルキルピロリジニウムカチオンは、例えば1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピロリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−エチルピロリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−プロピルピロリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−ブチルピロリジニウム、1−(2−エトキシエチル)−1−メチルピロリジニウム、1−エトキシメチル−1−メチルピロリジニウムである。極めて特に好ましいのは、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピロリジニウムである。
好ましい1,3−ジアルキルイミダゾリウムカチオンは、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−メチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウム、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1−エチル−3−ペンチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−プロピルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,3−ジプロピルイミダゾリウム、1,3−ジブチルイミダゾリウム、1,3−ジペンチルイミダゾリウム、1,3−ジヘキシルイミダゾリウム、1,3−ジヘプチルイミダゾリウム、1,3−ジオクチルイミダゾリウム、1,3−ジノニルイミダゾリウム、1,3−ジデシルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘプチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ノニルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−ヘキシルイミダゾリウム、1−エチル−3−ヘプチルイミダゾリウム、1−エチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−エチル−3−ノニルイミダゾリウムまたは1−デシル−3−エチルイミダゾリウムである。
特に好ましいカチオンは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムまたは1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムである。
好ましい1−アルコキシアルキル−3−アルキルイミダゾリウムカチオンは、例えば1−(2−メトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(2−メトキシエチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(2−メトキシエチル)−3−プロピルイミダゾリウム、1−(2−メトキシエチル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(2−エトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−エトキシメチル−3−メチルイミダゾリウムである。
好ましい1−アルケニル−3−アルキルイミダゾリウムカチオンは、例えば1−アリル−3−メチル−イミダゾリウムまたは1−アリル−2,3−ジメチルイミダゾリウムである。
好ましい1−アルキル−ピリジニウムカチオンは、例えば1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−n−プロピルピリジニウム、1−イソプロピルピリジニウム、1−n−ブチルピリジニウム、1−n−ブチル−3−メチルピリジニウム、1−n−ブチル−4−メチルピリジニウム、1−n−ブチル−3−エチルピリジニウム、1−n−ペンチルピリジニウム、1−n−ヘキシルピリジニウム、1−n−ヘプチルピリジニウム、1−n−オクチルピリジニウム、1−n−ノニルピリジニウム、1−n−デシルピリジニウム、1−n−ウンデシル−ピリジニウムまたは1−n−ドデシルピリジニウムである。
式Iまたは式I*で表される化合物のカチオン[Kt]z+は、さらにまた無機カチオン、特に金属カチオンまたはNOであってもよい。金属カチオンは、周期表の1〜12族からの金属を含んでいてもよい。
好ましい金属カチオンは、アルカリ金属カチオン、例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Ag、Mg2+、Cu、Cu2+、Zn2+、Ca2+、Y+3、Yb+3、La+3、Sc+3、Ce+3、Ce+4、Nd+3、Tb+3、Sm+3または希土類元素、遷移金属もしくは貴金属、例えばロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、トリウム、ウラン、金を含む錯体(配位子含有)金属カチオンである。アルカリ金属は、好ましくはリチウム、ナトリウムまたはカリウムである。
式Iまたは式I*で表され、式中[Kt]z+がLiである化合物を、一次電池、二次電池、コンデンサ、スーパーコンデンサ(supercapacitor)または電気化学セルにおける伝導性塩として、任意にまたさらなる伝導性塩および/または添加剤と組み合わせて、高分子電解質または相間移動媒体の構成要素として好ましく使用することができる。式Iで表され、式中[Kt]z+がLiである少なくとも1種の化合物を含む電解質配合物を、一次電池、二次電池、コンデンサ、スーパーコンデンサまたは電気化学セルにおいて、任意にまたさらなる伝導性塩および/または添加剤と組み合わせて好ましく使用することができる。
[Kt]z+がNaまたはKである式Iで表される化合物または式I*で表される化合物を、[Kt]z+が有機カチオンまたはナトリウムもしくはカリウム以外の他の金属カチオンである式Iで表される化合物または式I*で表される化合物のための出発物質として好ましく使用することができる。
本発明の電解質配合物の一部としての式Iで表される化合物の有機カチオンは、好ましくは式(1)、(3)および(4)で表されるスルホニウム、アンモニウム、ホスホニウムカチオンまたは式(8)で表される複素環式カチオンである。
本発明の式I*で表される化合物の有機カチオンは、好ましくは式(1)、(3)および(4)で表されるスルホニウム、アンモニウム、ホスホニウムカチオンまたは式(8)で表される複素環式カチオンである。
本発明の電解質配合物の一部としての式Iで表される化合物、または式I*で表される化合物の有機カチオンは、特に好ましくは、式(8)で表され、式中HetNz+が上に定義したようにイミダゾリウム、ピロリジニウムまたはピリジニウムであり、ここで置換基R1’〜R4’が各々、互いに独立して上に記載した意味を有する複素環式カチオンである。式Iまたは式I*で表される化合物の有機カチオンは、極めて特に好ましくはイミダゾリウムであり、ここで置換基R1’〜R4’は、各々、互いに独立して上に記載した意味を有するか、または上に記載した1,1−ジアルキルピロリジニウム、1−アルキル−1−アルコキシアルキルアルキルピロリジニウム、1,3−ジアルキルイミダゾリウム、1−アルケニル−3−アルキルイミダゾリウムもしくは1−アルコキシアルキル−3−アルキルイミダゾリウムの特に好ましい意味の1つを有する。
式Iまたは式I*で表される化合物の特に好適な有機カチオンは、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(2−メトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、トリブチル−メチルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリブチル−メチルホスホニウム、テトラ−フェニルホスホニウム、ジエチル−メチルスルホニウム、S−エチル−N,N,N’,N’−テトラメチルイソチオウロニウム、1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、1−アリル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−シアノメチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピニルイミダゾリウム、1,1−ジメチルピロリジニウムまたはトリメチルスルホニウムである。
本発明の化合物中の置換基、例えばC、H、N、O、Cl、Fが対応する同位体によって置き換えられていてもよいことは、当業者には言うまでもない。
式Iで表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオン(z=1)であり、xが1であり、式I−1
[Me][B(CN)(OR*)] I−1
式中、Meはアルカリ金属カチオン、例えばLi、Na、K、Rb、Cs、好ましくはNaおよびKであり、R*は上に記載した意味を有する、
で表される化合物を示す化合物を、例えば、式II
[Me][B(OR* II式中、[Me]は上に定義した意味を有し、R*は上に定義した意味を有する、で表される化合物の、アルキル基が独立して1〜4個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基を示すトリアルキルシリルシアニドとの反応によって、調製することができる。
テトラアルコキシボレートのトリアルキルシリルシアニドとのそのような反応は、文献に記載されていない。テトラフルオロボレートM[BF(M=Li、K)のトリメチルシリルシアニド(CHSiCNとの反応は、E. Bernhardt at al. [Z. fuer Anorg. und Allg. Chem., 629, (2003), p. 677-685]によって研究された。この反応が数時間ないし数週間の反応時間を伴って極めてゆっくり進行し、ジシアノジフルオロ[BF(CN)およびトリシアノフルオロボレート[BF(CN)の混合物が得られることが、報告された。モノシアノトリフルオロボレート[BF(CN)]を合成し、単離するすべての試行は、このようにして失敗した。
驚くべきことに、テトラフルオロボレートM[BFとの反応とは反対に、[B(OR*の(CHSiCNとの反応は、はるかに迅速に進行し、中間体としてのモノシアノ−アルコキシボレート(質量分析法およびNMR分光法によって検出した)ならびに主要な生成物としてのジシアノ−およびトリシアノ−アルコキシボレートの生成をもたらす。予想外に、トリメチルシリルシアニドは、ホウ素に結合したアルコキシ基を選択的に置換し、R*の炭素鎖中のフッ素原子を攻撃しない。
したがって、本発明はまた、式Iで表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオンであり、xが1を示し、式I−1
[Me][B(CN)(OR*)] I−1
式中、Meはアルカリ金属カチオンであり、R*は上に記載した意味を有する、
で表される化合物を示す化合物の製造方法であって、式II
[Me][B(OR* II
式中、[Me]は上に定義した意味を有し、R*は上に定義した意味を有する、で表される化合物の、アルキル基が独立して1〜4個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基を示す少なくとも3当量のトリアルキルシリルシアニドとの反応を含む、前記方法に関する。
このプロセスを、空気中で、好ましくは乾燥雰囲気中で、例えば乾燥空気、窒素またはアルゴンの下で行うことができる。
式IIで表される化合物は、いくつかの場合において商業的に入手できるか、または既知のプロセスによって、例えばアルカリ金属ホウ化水素(Me[BH])の、アルカリ金属およびR*が本明細書中に記載した意味を有するアルコールR*−OHとの、J.H. Golden et al, Inorg. Chem. 1992, 31, 1533による反応によって合成することができる。リチウムテトラメトキシボレートを、R. Koester、Houben-Weyl, Vol. VI 2, 1963中による、リチウムメタノラートのホウ酸トリメチルエステルとのメタノール中での反応によって調製してもよい。結論として、式IIで表される化合物を、アルカリ金属アルコキシレート(Me(OR*))のホウ酸トリアルキルエステルB(OR*との反応によって合成することができ、ここでMeはアルカリ金属であり、R*は本明細書中に記載した意味を有する。
式I−1で表される化合物の合成のために上に記載したプロセスにおいて、式IIで表される化合物を上に記載したようにin situで発生させることが可能であり、時々好ましい。
アルキル基が独立して1〜4個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基を示すトリアルキルシリルシアニドは、いくつかの場合において商業的に入手できるか、または既知のプロセスによって合成することができる。例えば、トリアルキルシリルシアニドを、アルカリ金属シアン化物のトリアルキルシリルクロリドとの、アルカリ金属ヨウ化物および任意に元素状ヨウ素の存在下での反応によって発生させることが可能である(M.T. Reetz, I. Chatziiosifidis, Synthesis, 1982, p. 330;J.K. Rasmussen, S. M. HeilmannおよびL.R. Krepski, The Chemistry of Cyanotrimethylsilane in G.L. Larson(編)、 ?Advances in Silicon Chemistry“, Vol. 1, p. 65-187, JAI Press Inc., 1991;WO 2008/102661 A1)。
シアン化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウムまたはシアン化カリウムまたはヨウ化カリウムの使用が、特に好ましい。好ましくは、アルカリ金属ヨウ化物を、1mol/lのアルカリシアン化物およびトリアルキルシリルクロリドに関して0.1mol/lで使用するであろう。当該反応を、乾燥雰囲気中で、例えば乾燥空気、窒素またはアルゴンの下で行わなければならない。
トリアルキルシリルシアニドのアルキル基は、同一であっても異なっていてもよい。好ましくは、それらは同一である。トリアルキルシリルシアニドの例は、例えばトリメチルシリルシアニド、トリエチルシリルシアニド、ジメチルエチルシリルシアニド、トリイソプロピルシリルシアニド、トリプロピルシリルシアニドまたはトリブチルシリルシアニドである。特に好ましいのは、トリメチルシリルシアニドの使用である。
式Iで表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオンであり、xが1を示し、上に記載したように式I−1で表される化合物を示す化合物の調製のためのプロセスを、1種の出発物質が反応温度で、10℃〜150℃の温度で液体である場合には有機溶媒中で、または有機溶媒の不在下で行ってもよい。
有用な有機溶媒は、例えばアセトニトリル、ジメトキシエタン、ジグライム、テトラヒドロフランまたはメチル−tert−ブチルエーテルである。
本発明の1つの態様において、化学量論量の式IIで表される化合物およびトリアルキルシリルシアニド(3当量)または過剰におけるトリアルキルシリルシアニドを使用する場合には、当該反応を、上に記載した溶媒中で10℃〜100℃の温度で行って、式I−1で表され、式中xが1である化合物を主要な生成物として得るのが、好ましい。好ましい温度範囲は、室温(25℃)〜80℃である。好ましい溶媒は、アセトニトリルである。
本発明の他の態様において、1当量のテトラ−アルコキシ−ボレートあたり2当量のトリアルキルシリルシアニドを乾燥雰囲気中で使用する場合には、当該反応を室温で有機溶媒の存在下で行って、式Iで表され、式中xが2である化合物を主要な生成物として得、それが式I−2で表される化合物を示すのが、好ましい。詳細については、それを例に言及する。
以下の一般的なスキームは、式I−1で表される化合物についてのこの問題に向けられ、式中Meはナトリウムである:
本発明はさらにまた、前に記載した式Iで表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオンであり、xが2を示す化合物または式I*で表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオンであり、それが式I−2
[Me][B(CN)(OR* I−2
で表される化合物を示し、R*が前に記載した意味を有する化合物の製造方法であって、式II
[Me][B(OR* II
式中、[Me]はアルカリ金属カチオンを示し、R*は、各場合において互いに独立して1〜12個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基を示す、
で表される化合物を、トリアルキルシリルシアニドと、室温で、有機溶媒および1当量の式IIで表される化合物あたり2当量のトリアルキルシリルシアニドの存在下で反応させることを含む、前記方法に関する。
本発明はさらにまた、式Iで表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオンであり、xが1を示し、式I−1
[Me][B(CN)(OR*)] I−1
式中、Meはアルカリ金属カチオンであり、R*は上に記載した意味を有する、
で表される化合物を示す化合物の製造方法であって、
式III
[Me][BF III
式中、[Me]は上に記載した意味を有する、
で表される化合物を、トリアルキルシリルシアニドと、およびアルコキシトリアルキルシランと反応させることを含み、ここでアルコキシがOR*を意味し、R*が上に記載した意味を有し、かつここでシリル化合物のアルキル基が、独立して1〜4個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基を示す、前記方法に関する。
またこのプロセスを、好ましくは乾燥雰囲気中で、例えば乾燥空気、窒素またはアルゴンの下で行わなければならない。
式IIIで表される化合物は、商業的に入手できる。
式Iで表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオンであり、xが1を示し、それが上に記載したように式I−1で表される化合物を示す化合物の調製のためのプロセスを、有機溶媒中で、または1種の出発物質が反応温度で、10℃〜150℃、好ましくは室温〜80℃の温度で液体である場合には有機溶媒の不在下で行ってもよい。
式I−1で表される化合物の合成のために上に記載した両方のプロセスにおいて、トリアルキルシリルシアニドを式IIまたはIIIで表される化合物の添加の前にin situで発生させることが可能であり、時々好ましい。このin situでの発生を、前に記載した反応条件の下で行ってもよい。
本発明の1つの特定の態様において、式Iで表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオンであり、xが本明細書中に記載したように1を示す化合物を示す化合物の合成のためのプロセスを、式Me[BF]で表されるアルカリ金属テトラフルオロボレートのR*OH、MeCNおよびトリアルキルシリルクロリドとの反応によって行い、ここでMeはアルカリ金属カチオン[Kt]z+であり、R*は上に記載した意味を有し、ケイ素化合物のアルキル基は、互いに独立して1〜4個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキルである。
本発明のさらなる態様において、Meがアルカリ金属カチオンであるMe[BF(CN)]を、式Iで表され、式中[Kt]z+がアルカリ金属カチオンであり、xが本明細書中に記載したように1を示す化合物の、トリアルキルシリルシアニドおよびアルコキシトリアルキルシランとの反応による合成のための出発物質として使用することができる。
式Iで表され、式中カチオンがアルカリ金属カチオン以外の有機カチオンまたは無機カチオンである化合物の調製のためのプロセスは、メタセシス反応(塩交換反応)であり、ここでカチオンが、一般的に知られているように交換される。
したがって、本発明はまた、[Kt]z+が上に記載した塩交換反応における出発物質中の使用されたアルカリ金属カチオン以外の他のカチオンである、式Iで表される化合物または式I*で表される化合物の調製方法であって、式I−1
[Me][B(CN)(OR*)] I−1
または式I−2
[Me][B(CN)(OR* I−2
で表され、式中Meがアルカリ金属カチオンまたはH[B(CN)(OR*)]またはH[B(CN)(OR*]であり、R*が上に記載した意味を有するアルカリ金属塩を、式V
KtA V、
式中、
Ktは、有機カチオンまたは式I−1もしくは式I−2で表される化合物のアルカリ金属カチオン以外の金属カチオンの意味を有し、
Aは、F、Cl、Br、I、OH(OHは式I−1で表される化合物の合成のためのみである)、[HF、[CN]、[SCN]、[RC(O)O]、[ROC(O)O]、[RSO、[RC(O)O]、[RSO、[ROSO、[SiF 2−、[BF、[HOCO、[HSO 1−、[NO、[(RP(O)O]、[R(RO)P(O)O]、[(RP(O)O]、[RP(O)O2−、トシレート、マロネートを示し、マロネートは、任意に1〜4個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基、[SO2−または[CO2−([SO2−または[CO2−は、金属カチオンを有する式Iで表される化合物の合成のためのみである)で置換されており、
ここで、Rは、各々、互いに独立してHまたは1〜12個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキル基であり、
は、各々、互いに独立して1〜12個のC原子を有する直鎖状または分枝状のパーフルオロ化されたアルキル基であり、かつここで電気的中性を、塩KtAの式において考慮しなければならない、
で表される化合物と反応させる
ことを特徴とする、前記方法に関する。
したがって、本発明はまた、[Kt]z+が上に記載した塩交換反応における出発物質中の使用されたアルカリ金属カチオン以外の他のカチオンである、式Iで表される化合物の調製方法であって、式I−2
[Me][B(CN)(OR*)] I−2
式中、Meは、アルカリ金属カチオンまたはHであり、R*は、上に記載した意味を有する、
で表されるアルカリ金属塩を、
式V
KtA V、
式中、
Ktは、有機カチオンまたは式I−1もしくは式I−2で表される化合物のアルカリ金属カチオン以外の金属カチオンの意味を有し、
Aは、F、Cl、Br、I、[HF、[CN]、[SCN]、[RC(O)O]、[ROC(O)O]、[RSO、[RCOO]、[RSO、[ROSO、[SiF 2−、[BF、[SO 2−、[HSO 1−、[NO、[(RP(O)O]、[R(RO)P(O)O]、[(RP(O)O]、[RP(O)O2−、トシレート、安息香酸、シュウ酸、コハク酸、スベリン酸、アスコビル酸、ソルビン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸またはマロネートを示し、マロネートは、任意に1〜4個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基で置換されており、
ここで、Rは、各々、互いに独立してHまたは1〜12個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキル基であり、
は、各々、互いに独立して1〜12個のC原子を有する直鎖状または分枝状のフッ素化された、もしくはパーフルオロ化されたアルキル基またはペンタフルオロフェニルであり、かつここで電気的中性を、塩KtAの式において考慮しなければならない、
で表される化合物と反応させる
ことを特徴とする、前記方法に関する。
は、特に好ましくはトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはノナフルオロブチル、極めて特に好ましくはトリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルである。
は、特に好ましくはメチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシルまたはn−オクチル、極めて特に好ましくはメチルまたはエチルである。
置換マロネートは、例えばマロン酸メチルまたはマロン酸エチルである。
式Vで表される化合物は、ほとんどの場合において商業的に入手できるか、または既知のプロセスによって合成することができる。式Vで表される化合物の調製のための既知のプロセスは、例えば、P. Wasserscheid, T. Welton(編)、Ionic Liquids in Synthesis、第2版、WILEY-VCH, Weinheim, 2008に記載されている。
式Vにおけるアニオンは、好ましくはOH(OHは式I−1で表される化合物の合成のためのみである)、Cl、Br、I、[HF、[CN]、[SCN]、[CHCOO]、[CHSO、[CFCOO]、[CFSO、[CHOSO、[SiF 2−、[BF、[HSO 1−、[NO、[COSO、[(CP(O)O]、[CP(O)O2−、トシレート、マロネートまたは[SO 2−および[CO 2−([SO 2−および[CO 2−は式I−1で表される化合物の合成のためのみである)、特に好ましくはOH(OHは式I−1で表される化合物の合成のためのみである)、Cl、Br、I、[CHSO、[CHOSO、[CFCOO]、[CFSO、[(CP(O)O]または[CO2 −、極めて特に好ましくはOH(OHは式I−1で表される化合物の合成のためのみである)、Cl、Br、[CHOSO、[CFSO、[CHSOまたは[(CP(O)O]である。
式Iまたは式I*で表され、式中[Kt]z+が有機カチオンである化合物の調製のための好適な有機塩は、式(1)〜(8)で表されるカチオンまたはそれらの好ましい態様を、上に記載したAとして定義したアニオンまたはその好ましい態様と一緒に有する塩であり、それは、好ましくは式(1)〜(8)で表されるカチオンまたはそれらの好ましい態様およびOH(OHは式I−1で表される化合物の合成のためのみである)、Cl、Br、[CHOSO、[CFSO、[CHSOまたは[(CP(O)O]の塩を意味する。
式I−1で表され、式中[Kt]z+が例えば銀、マグネシウム、銅、亜鉛およびカルシウムの群からの金属カチオンである化合物の調製のための好適な無機塩は、例えばAgO、AgCO、MgCO、CuO、ZnO、Zn[HCO、CaCOまたはCa(COCHである。カリウム以外の式Iで表される他のアルカリ金属塩へのメタセシス反応のための有用な塩は、例えばLiBF、または式I−1で表され、式中[Kt]z+=Hである化合物との反応のためのもの−NaCO、NaOH、LiCO、LiOH、CHC(O)OLi、RbCO、RbOH、CsCOもしくはCsOHである。
当該反応を、有利には式I−1で表される化合物の場合においては水中で、または式I−2で表される化合物の場合においては乾燥有機溶媒中で行い、ここで10°〜100℃、好ましくは15°〜60℃の温度、特に好ましくは室温が、好適である。
しかしながら、当該反応を、あるいはまた式I−1で表される化合物について、有機溶媒中で10°〜100℃の温度で行うことができる。ここでの適切な溶媒は、アセトニトリル、ジオキサン、ジクロロメタン、ジメトキシエタンまたはアルコール、例えばメタノールまたはエタノールである。
この塩交換反応の特定の態様において、式I−1またはI−2で表される化合物を、粗製の物質としてそれらの合成の後に精製された単離を伴わずに直接使用することが、可能である。揮発性の副生成物、例えば反応生成物であるトリアルキルシリルフルオリドおよびアルコキシトリアルキルシランまたは過剰のトリアルキルシリルシアニドを分離し、粗製の物質を塩交換反応のために使用するのが、好ましい。
本発明はさらに、上に詳細に記載した有機カチオンを有する式I*で表される化合物の、溶媒または溶媒添加剤としての、酸性触媒([Kt]z+がHである場合における)としての、相間移動触媒としての、抽出剤としての、伝熱媒体としての、界面活性物質としての、可塑剤としての、電気化学セルにおける伝導性塩、有機塩または添加剤としての使用に関する。さらに、式Iで表される化合物を、[Kt]z+がHである場合には酸性触媒として使用することができる。
式I*で表される前記有機塩の溶媒として使用の場合において、これらは、当業者に知られている任意のタイプの反応において、例えば遷移金属または酵素触媒反応、例えばヒドロホルミル化反応、オリゴマー化反応、エステル化または異性化のために好適であり、ここで前記リストは完全ではない。
抽出剤としての使用の際に、式I*で表される有機塩を使用して、反応生成物から分離し、しかしまた不純物を、それぞれの構成成分のイオン性液体への可溶性に依存して分離することができる。さらに、イオン性液体はまた、複数種の構成成分の分離における、例えば混合物の複数種の構成成分の蒸留的な(distillative)分離における分離媒体として作用し得る。
式I*で表される化合物についてのさらなる可能な用途は、高分子材料中の可塑剤としての、および様々な電気化学セルおよび例えばガルバーニ電池における、コンデンサにおける、または燃料電池における用途における伝導性塩または添加剤としての使用である。
式I*で表される有機塩の適用のさらなる分野は、本発明において、炭水化物含有固体、特に生体高分子およびその誘導体または分解生成物のための溶媒である。さらに、これらの新たな化合物を、機械類、例えばコンプレッサ、ポンプまたは水力装置のための潤滑剤、作動流体として適用することができる。さらなる適用の分野は、粒子またはナノ物質合成の分野であり、ここでこれらのイオン性液体は、媒体または添加剤として作用することができる。
有機カチオンを有する式I*で表される化合物、例えば本発明のイオン性液体を、好ましくは、電気化学的デバイスおよび/または光電子デバイスにおいて、特に電解質配合物において使用してもよい。
[Kt]z+がLiまたは有機カチオンである式Iで表される化合物または式I*で表される少なくとも1種の化合物を含む電解質配合物を、好ましくは一次電池、二次電池、コンデンサ、スーパーコンデンサまたは電気化学セルにおいて、任意にまたさらなる伝導性塩および/または添加剤と組み合わせて、高分子電解質または相間移動媒体の構成要素として使用することができる。好ましい電池は、リチウム電池またはリチウムイオン電池である。好ましいコンデンサは、リチウムイオンコンデンサである。
上に記載したかまたは好ましく記載した式Iで表される少なくとも1種の化合物を含む電解質配合物を、好ましくは、電気化学的デバイスおよび/または光電子デバイス、例えば光電池、発光デバイス、エレクトロクロミックまたはフォトエレクトロクロミックデバイス、電気化学的センサーおよび/またはバイオセンサーにおいて、特に好ましくは色素増感太陽電池において使用することができる。
本発明の電解質配合物は、既に知られている電解質配合物に対する代替である。それらは、特に色素増感太陽電池の電解質配合物の分野において、特に低温の下で増大した電力変換効率を示す。上に記載した式Iで表される化合物の使用の利点は、それらの低い粘度、およびその後特により低い温度でのオキシダント種のより小さいネルンスト拡散抵抗である。
上に記載した式Iaで表される本発明のボレートアニオンを含む化合物の電解質配合物中での典型的なモル濃度は、0.1〜5.5M、好ましくは0.8〜3.5Mの範囲内である。電解質中のこのモル濃度は、[Kt]z+が無機または有機カチオンである式Iで表される1種もしくは2種以上の化合物または式I*で表される1種もしくは2種以上の化合物で達成され得る。
好ましくは、当該モル濃度を、式Iまたは式I*で表され、式中[Kt]z+が上に記載したかまたは好ましく記載した有機カチオンである少なくとも1種の化合物で達成する。
本発明の目的のために、モル濃度は、25℃での濃度を指す。
本発明はさらに、上に記載したかまたは好ましく記載した少なくとも1種の式Iまたは式I*で表される化合物をレドックス活性種、例えばヨウ化物/三ヨウ化物、フェロセン誘導体またはCo(II)/Co(III)錯体対、例えばCo(II)/Co(III)(dbbip)と一緒に含む電解質配合物に関し、ここでdbbipは、2,6−ビス(1’−ブチルベンズイミダゾール−2’−イル)ピリジン、Co(II)/Co(III)(bpy)を意味し、ここでbpyは、ビピリジンまたはそのアルキル化ビピリジン誘導体を示し、対アニオンは、過塩素酸、フルオロパーフルオロアルキルホスフェート、例えばパーフルオロエチルペンタフルオロホスフェート、または(フルオロ)シアノボレート、特にテトラシアノボレート、好ましくはヨウ素および少なくとも1種のヨウ化物塩のレドックス対のいずれかである。
本発明の電解質配合物は、好ましくはヨウ素(I)を含む。好ましくは、それは、0.0005〜7mol/dm、より好ましくは0.01〜5mol/dmおよび最も好ましくは0.05〜1mol/dmのIを含む。
ヨウ化物塩は、無機または有機カチオンおよびアニオンとしてのIからなる。カチオンの種類に限定は存在しない。しかしながら、特にDSCのための電解質配合物中の様々なカチオンの量を限定するために、有機カチオンを、好ましくは、式Iまたは式I*で表される化合物について既に記載したように使用する。特に好ましくは、電解質配合物は、少なくとも1種のヨウ化物塩を含み、ここで有機カチオンは、以下の群
から独立して選択され、
式中、置換基
2’およびR3’は各々、互いに独立してHまたは1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキルを示し、
1’およびR4’は、各々、互いに独立して、
1〜20個のC原子を有し、任意に部分的にフッ素化されているかまたはパーフルオロ化されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有し、任意に部分的にフッ素化されていてもよい直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有し、任意に部分的にフッ素化されていてもよい直鎖状または分枝状アルキニル
を示す。
少なくとも1種のヨウ化物塩の特に好ましい例は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(emim I)、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(pmim I)、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムヨージド(bmim I)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(hmim I)、1,3−ジメチル−イミダゾリウムヨージド(mmim I)、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(amim I)、N−ブチル−N−メチル−ピロリジニウムヨージド(bmpl I)またはN,N−ジメチル−ピロリジニウムヨージド(mmpl I)である。
電解質配合物の他の構成成分は、1種または数種のさらなる塩、溶媒およびさらに以下に示す他のものである。
電解質配合物が二成分系である場合には、それは、2種の塩、1種のさらなる塩またはヨウ化物塩および上に記載した式Iまたは式I*で表される化合物を含む。電解質配合物が三成分系である場合には、それは、2種のさらなる塩および/またはヨウ化物塩および上に記載した式Iまたは式I*で表される化合物を含む。二成分系は、90〜10重量%、好ましくは70〜30重量%、より好ましくは55〜40重量%のさらなる塩またはヨウ化物塩および10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%またはより好ましくは45〜60重量%の上に記載した式Iで表される化合物を含む。
このパラグラフ中の百分率を、本発明の電解質配合物中に存在する塩の合計(=100重量%)に関して表現する。以下に示すさらなる一般的に任意の構成成分(添加剤)、例えば非共有電子対を有するN含有化合物、ヨウ素、溶媒、ポリマーおよびナノ粒子の量は、そこでは考慮しない。同一の百分率は、三成分系または四成分系に該当し、それは、さらなる塩の合計を所与の範囲において使用しなければならない、例えば2種のさらなるイオン性液体が本発明の電解質配合物中で例えば90〜10重量%において含まれることを意味する。
本発明の他の態様において、電解質配合物は、第四級窒素を含む有機カチオンおよびハロゲン化物イオン、例えばF、Cl、ポリハロゲン化物イオン、フルオロアルカンスルホネート、フルオロアルカンカルボキシレート、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド、硝酸、ヘキサフルオロホスフェート、トリス、ビスおよびモノ(フルオロアルキル)フルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、ジシアナミド、トリシアノメチド、テトラシアノボレート、チオシアン酸、アルキルスルホン酸またはアルキル硫酸から選択されたアニオンを有する少なくとも1種のさらなる塩を含み、フルオロアルカン鎖は1〜20個のC原子を有し、好ましくはパーフルオロ化されており、フルオロアルキルは1〜20個のC原子を有し、アルキルは1〜20個のC原子を有する。フルオロアルカン鎖またはフルオロアルキルは、好ましくはパーフルオロ化されている。
好ましくは、さらなる塩は、アニオン、例えばチオシアン酸またはテトラシアノボレートを含む塩から選択され、特に好ましいさらなる塩は、テトラシアノボレートである。
当該少なくとも1種のさらなる塩または好ましいさらなる塩のカチオンを、また好ましい意味を含む式Iまたは式I*で表される化合物について上に定義した有機カチオンから選択してもよい。
本発明の他の態様において、グアニジニウムチオシアネートを、本発明の電解質配合物に加えてもよい。
好ましい態様において、本発明の電解質配合物はさらに、非共有電子対を有する窒素原子を含む少なくとも1種の化合物を含む。そのような化合物の例は、EP 0 986 079 A2中で、2頁40〜55行で開始し、再び3頁14行から7頁54行にわたって見出され、それは、参照によって本明細書中に明確に組込まれる。非共有電子対を有する化合物の好ましい例は、イミダゾールおよびその誘導体、特にベンゾイミダゾールおよびその誘導体を含む。
本発明の電解質配合物は、50%未満の有機溶媒を含む。好ましくは、電解質配合物は、40%未満、より好ましくは30%未満、尚より好ましくは20%未満およびさらに10%未満を含む。最も好ましくは、電解質配合物は、5%未満の有機溶媒を含む。例えば、それは、実質的に有機溶媒を含まない。百分率を、重量%を基準として示す。
有機溶媒を、上に示したような量において存在する場合には、文献中に開示されているものから選択してもよい。好ましくは、溶媒は、存在する場合には摂氏160度より高い、より好ましくは190度より高い沸点を有し、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマ−ブチロラクトン、ガンマ−バレロラクトン、グルタロニトリル、アジポニトリル、N−メチルオキサゾリジノン、N−メチルピロリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、環状尿素、好ましくは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたは1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、グライム、好ましくはテトラグライム、スルホラン、好ましくは非対称的に置換されているスルホン、例えば2−エタンスルホニル−プロパン、1−エタンスルホニル−2−メチル−プロパンまたは2−(プロパン−2−スルホニル)−ブタン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェートおよびメトキシ置換ニトリルである。他の有用な溶媒は、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびまたはバレロニトリルである。
溶媒が電解質配合物中に存在する場合には、ゲル化剤としてのポリマーがさらに含まれていてもよく、ここでポリマーは、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ナフィオン(nafion)、ポリエチレンオキシド、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンである。これらのポリマーを電解質配合物に加える目的は、液体電解質を疑似固体(quasi-solid)または固体電解質とし、それにより特に熟成の間の溶剤残留を改善することである。
本発明の電解質配合物はさらに、金属酸化物ナノ粒子、例えばSiO、TiO、Al、MgOまたはZnOを含んでいてもよく、例えばそれはまた、固体性およびしたがって溶剤残留を増大させることが可能である。
本発明の電解質配合物は、多くの用途を有する。例えば、それを、光電子デバイスおよび/または電気化学的デバイス、例えば光電池、発光デバイス、エレクトロクロミックまたはフォトエレクトロクロミックデバイス、電気化学的センサーおよび/またはバイオセンサーにおいて使用してもよい。また、電気化学的電池における使用は、例えばリチウムイオン電池または二重層コンデンサにおいて可能である。
したがって、本発明はさらに、上に詳細に記載した電解質配合物の光電池、発光デバイス、エレクトロクロミックまたはフォトエレクトロクロミックデバイス、電気化学的センサーおよび/またはバイオセンサーである、電気化学的デバイスおよび/または光電子デバイスにおける使用に関する。好ましくは、電解質配合物を、色素増感太陽電池において使用してもよい。
したがって、本発明はさらに、電気化学的デバイスおよび/または光電子デバイス、例えば光電池、発光デバイス、エレクトロクロミックまたはフォトエレクトロクロミックデバイス、電気化学的センサー、バイオセンサー、一次電池、二次電池、コンデンサまたはスーパーコンデンサであって、式I
[Kt]z+z[B(CN)4−x(OR*
式中、[Kt]z+は、無機または有機カチオンを示し、
zは、1、2、3または4であり、
xは、1または2であり、R*は、各場合において互いに独立して、1〜12個のC原子を有し、Halによって部分的に置換され得る直鎖状または分枝状アルキル基であり、ならびに
Halは、F、Cl、BrもしくはIまたは上に記載した式Iで表されるそのような化合物の好ましい態様を示す、
で表される少なくとも1種の化合物を含む電解質配合物を含む、前記電気化学的デバイスおよび/または光電子デバイスに関する。
好ましい態様において、本発明のデバイスは、色素または量子ドット増感太陽電池、特に好ましくは色素増感太陽電池である。
量子ドット増感太陽電池は、例えばUS 6,861,722に開示されている。色素増感太陽電池において、色素を使用して、電気的エネルギーに変換するべき太陽光を吸収する。色素の例は、EP 0 986 079 A2、EP 1 180 774 A2またはEP 1 507 307 A1に開示されている。
好ましい色素は、有機色素、例えばMK−1、MK−2またはMK−3(その構造は、N. Koumura et al, J.Am.Chem.Soc. Vol 128, no.44, 2006, 14256-14257の図1に記載されている)、D102(CAS no. 652145-28-3)、D−149(CAS no. 786643-20-7)、D205(CAS no. 936336-21-9)、T. Bessho et al, Angew. Chem. Int. Ed. Vol 49, 37, 6646-6649, 2010に記載されているYD−2、Y123(CAS no. 1312465-92-1)、ビピリジン−ルテニウム触媒、例えばN3(CAS no. 141460-19-7)、N719(CAS no. 207347-46-4)、Z907(CAS no. 502693-09-6)、C101(CAS no. 1048964-93-7)、C106(CAS no. 1152310-69-4)、K19(CAS no. 847665-45-6)またはテルピリジン−ルテニウム色素、例えばN749(CAS no. 359415-47-7)である。
特に好ましい色素は、Z907またはZ907Naであり、それは共に、両親媒性ルテニウム増感剤またはD205である。
D205の構造は、
である。
極めて特に好ましい色素は、Z907またはZ907Naである。
好ましい態様において、色素は、ホスフィン酸と共に共吸着される。ホスフィン酸の好ましい例は、M. Wang et al, Dalton Trans., 2009, 10015-10020に開示されているビス(3,3−ジメチル−ブチル)−ホスフィン酸(DINHOP)である。
色素Z907Naは、NaRu(2,2’−ビピリジン−4−カルボン酸−4’−カルボキシレート)(4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン)(NCS)を意味する。
例えば、色素増感太陽電池は、光電極、対電極および、光電極と対電極との間に電解質配合物または荷電輸送材料を含み、かつここで増感色素は、対電極に面する側で光電極の表面上に吸収される。
本発明のデバイスの好ましい態様において、それは、半導体、上に記載した電解質配合物および対電極を含む。
本発明の好ましい態様において、半導体は、Si、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、GaP、InP、GaAs、CdTe、CuInSおよび/またはCuInSeの群から選択された材料に基づく。好ましくは、半導体は、メソ多孔性表面を含み、それにより任意に色素によって被覆され、電解質と接触する表面が増大する。好ましくは、半導体は、ガラス支持体またはプラスチックもしくは金属箔上に存在する。好ましくは、当該支持体は伝導性である。
本発明のデバイスは、好ましくは対電極を含む。例えば、Pt、好ましくは伝導性同素体の炭素、ポリアニリンまたはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)で被覆されたガラス(それぞれFTOまたはITOガラス)上のフッ素ドープ酸化スズまたはスズドープ酸化インジウム。金属基板、例えばステンレス鋼またはチタンシートは、ガラス以外の可能な基板であり得る。
本発明のデバイスを、従来技術の対応するデバイスとして、単に電解質を本発明の電解質配合物で交換することにより製造してもよい。例えば、色素増感太陽電池の場合において、デバイスアセンブリは、多数の特許文献、例えばWO 91/16719(例34および35)、しかしまた科学文献、例えばBarbe, C.J., Arendse, F., Comte, P., Jirousek, M., Lenzmann, F., Shklover, V., Graetzel, M. J. Am. Ceram. Soc. 1997, 80, 3157;およびWang, P., Zakeeruddin, S. M., Comte, P., Charvet, R., Humphry-Baker, R., Graetzel, M. J. Phys. Chem. B 2003, 107, 14336に開示されている。
好ましくは、増感半導体材料は、フォトアノード(photoanode)として作用する。好ましくは、対電極はカソードである。
本発明は、本発明の電解質配合物を半導体の表面と接触させるステップを含み、前記表面が任意に増感剤で被覆されている、光電池を製造する方法を提供する。好ましくは、半導体は、上に示した材料から選択され、増感剤は、好ましくは上に開示した量子ドットおよび/または色素から選択され、特に好ましくは色素から選択される。
好ましくは、電解質配合物を、単に半導体上で純粋にしてもよい(pured)。好ましくは、それを、既に対電極を含む他の方法で完成したデバイスに、真空をセルの内腔中に対電極の穴部を通って作成し、電解質配合物をWang et al., J. Phys. Chem. B 2003, 107, 14336の参考文献において開示されているように加えることにより適用する。
さらなるコメントがなくても、当業者は、上記の記載を最も広い範囲において利用することができるであろうことが推測される。したがって、好ましい態様および例は、単に記載的な開示であると見なされるべきであり、それはいかなる方法においても絶対に限定するものではない。
合成した化合物を、ラマン分光法、NMR分光法または元素分析によって特徴づけする。NMRスペクトルを、アセトン−D6(ロックとしての重水素を有するBruker Avance III)中で測定する。使用した周波数::H:400.17MHz、19F:376.54MHz、11B:128.39MHz、31P:161.99MHzおよび13C:100.61MHz、外部参照:Hおよび13CについてTMS;19FについてCClFおよび11BについてBF・EtO。
例1:Li[B(CN)OCH]の調製:
A:
Li[BF]+3(CHSiCN+(CHSiOCH→Li[B(CN)(OCH)]+4(CHSiF
Li[BF](15.0g、160.1mmol)を、(CHSiCN(120.0ml、899.9mmol)および(CHSiOCH(150ml、1092.3mmol)に溶解し、反応混合物を、室温で2日間撹拌する。得られた懸濁液を濾過し、無色固体をCHCl(20ml)で洗浄し、その後アセトン(50ml)に溶解する。CHCl(350ml)を溶液に加え、沈殿したLi[B(CN)OCH]を濾別する。収量:20.1g(158.5mmol、99%)。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする:
元素分析、観測値、%:C 37.96、H 2.18、N 33.50;CBLiNOについての計算値:C 37.88、H 2.38、N 33.13。

(CHSiCN(75.0ml、562.4mmol)を、Li[BF](15.0g、160.1mmol)をアセトニトリル(40ml)に溶解した溶液に、ガスの激しい発生を伴って加える。ガスの発生がおさまった後、(CHSiOCH(25.0ml、182.1mmol)を加える。反応混合物を40℃で2日間撹拌し、すべての揮発性構成成分を、その後十分に真空において除去する。残留物をアセトン(25ml)に溶解し、Li[B(CN)OCH]をCHCl(150ml)のゆっくりとした添加によって沈殿させ、濾過によって単離する。収量:20.2g(159.3mmol、99%)。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする。スペクトルは、例1Aに記載したスペクトルと同一である。
C:
Li[B(OCH]+3(CHSiCN→Li[B(CN)(OCH)]+3(CHSiOCH
Li[B(OCH](20mg、0.141mmol)を、ガラスバルブおよびテフロン(登録商標)軸を備えたNMR管中で(CHSiCN(0.3ml、2.2mmol)中に吸収させる。懸濁液を、80℃で2日間加熱する。[B(CN)OCHアニオンの生成(90%、使用した[B(OCHアニオンを基準として)を、11B NMR分光法によって検出する。すべての揮発性構成成分を真空において除去し、CDCNを残留物上に凝縮させる。この手順を2回繰り返し、固体残留物を100℃で真空において乾燥し、したがって(CHSiCNおよび(CHSiOCHを完全に除去し、それは残留物のCDCN溶液のH NMRスペクトルによって例証される。
D:
Na[B(CN)OCH](1.0g、6.997mmol)の溶液を、LiCl(296mg、6.981mmol)をアセトン(150ml)に溶解した溶液に、激しく撹拌しながら加える。生成した沈殿物(NaCl)を濾別し、乾燥する。量:407mg(6.964mmol、99.5%)。
濾液を、ロータリーエバポレーター中で40℃で5mlの容積に蒸発させ、クロロホルム(100ml)を加える。生成した沈殿物(Li[B(CN)OCH])を濾別し、真空において乾燥する。収量:883mg(6.964mmol、99.5%)。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする。スペクトルは、例1Aに記載したスペクトルと同一である。
例2:Na[B(CN)OCH]の調製
A:
CHONa(1.0g、18.5mmol)を、アセトニトリル(5ml)に懸濁させる。B(OCH(1.9g、2.1ml、18.5mmol)および(CHSiCN(9.0ml、67.5mmol)を加え、反応混合物を50℃で4日間撹拌する。すべての揮発性構成成分を、その後真空において除去する。残留物をH(30%、10ml)中に吸収させ、NaCOを分割して加える。過酸化物を、過酸化物についての試験(Merckoquant)が陰性であるまでNaを使用して還元する。生成物を、テトラヒドロフラン(3×50ml)で水相から抽出する。合わせたTHF相を、NaCOを使用して乾燥し、濾過し、真空において蒸発乾固させる。得られたベージュ色残留物を、CHCl(50ml)を使用してフリット(D4)上で洗浄し、真空において乾燥する。収量:1.8g(12.6mmol、68%)。生成物を、NMR、ラマン分光法および質量分析法(MS)によって特徴づけする:
ESI−MS[B(CN)OCH
計算値:120.0(100.0%)、119.0(24.5%)、121.0(5.7%)。
観測値:120.4(100.0%)、119.4(21.5%)、121.4(5.0%)。
MALDI−MS[B(CN)OCH
計算値:120.0(100.0%)、119.0(24.5%)、121.0(5.7%)。
観測値:119.6(100.0%)、118.6(20.2%)。
B:
Na[B(OCH](3.0g、18.9mmol)を、(CHSiCN(100.0ml、749.9mmol)中に吸収させ、混合物を60℃で2日間撹拌する。生成した過剰の(CHSiCNおよび(CHSiOCHを、蒸留して除去する。残留物をH(30%、20ml)に溶解し、NaCOをその後加える。Naを、過酸化物についての試験(Merckoquant)が陰性であるまで混合物に加える。溶液を、テトラヒドロフラン(3×20ml)で抽出する。合わせたTHF相を、NaCOを使用して乾燥し、濾過し、真空において蒸発乾固させる。残留物をアセトン(5ml)に溶解し、無色のNa[B(CN)OCH]を、CHCl(100ml)の添加によって沈殿させる。この沈殿物を濾別し、真空において乾燥する。収量:2.5g(17.5mmol、92%)。物質の一部をアセトン(含有水)から再結晶させ、元素分析のために送る。
Na[B(CN)OCH]・HOについての元素分析、観測値、%:C 29.94、H 2.79、N 26.22;CBNNaOについての計算値、%:C 29.86、H 3.13、N 26.12。
上記の塩の単結晶の構造分析は、1個の分子水が1単位のナトリウム塩あたり存在することを確認する。
C:
Na[BH](10.0g、264.5mmol)を、メタノール(600ml)に溶解する。発熱反応が完了した際に、反応溶液を、70℃でロータリーエバポレーター中で蒸発乾固させる。残留物を真空において乾燥し、(CHSiCN(250ml、1874.7mmol)を加える。反応混合物を60℃で5日間撹拌する。すべての揮発性構成成分を、その後蒸留して除去する。得られた残留物をH(30%、25ml)中に吸収させ、NaCOを分割して加える。Naを、過酸化物についての試験(Merckoquant)が陰性であるまで加える。生成物を、テトラヒドロフラン(5×100ml)で水相から抽出する。合わせたTHF相を、NaCOを使用して乾燥し、濾過し、真空において蒸発乾固させる。得られたベージュ色残留物を、無色になるまでCHCl(3×50ml)で洗浄し、真空において乾燥する。収量:34.3g(240.0mmol、91%)。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする。スペクトルは、例2Aに記載したスペクトルと同一である。
D:
Na[BF](25.0g、227.6mmol)を、(CHSiCNおよび(CHSiOCH(200ml、v/v〜1/1、それぞれ749.9および728.2mmol)の混合物に懸濁させ、混合物を還流下で2日間撹拌する。すべての揮発性構成成分を真空において除去し、残留物をCHCl(70ml)で洗浄する。固体を、その後アセトニトリル(100ml)中に吸収させ、5分間撹拌した後に、未溶解のNa[BF]を濾別する。濾液をロータリーエバポレーター中で蒸発乾固させ、残留物を、CHClを使用してフリット(D4)上で洗浄し、その後乾燥する。収量:24.1g(168.6mmol、74%)。
生成物は、Na[BF](4%)およびNa[BF(CN)](9%)を含む。
例3:Na[B(CN)OC]の調製
NaCN(3.0g、61.2mmol)を、アセトニトリル(10ml)中に懸濁させ、(CHSiCl(7.0ml、55.3mmol)、COH(0.72ml、19.8mmol)および数滴のトリエチルアミン、EtNを加える。Na[BF](0.78g、7.1mmol)をその後加え、反応混合物を室温で2日間撹拌する。懸濁液を、水性NaOH溶液を使用してアルカリ性とし、真空において蒸発乾固させる。残留物をテトラヒドロフラン(5×5ml)で抽出し、MgSOを使用して乾燥し、濾過する。THF相を約5mlまで蒸発させ、無色のNa[B(CN)OC]を、CHCl(25ml)の添加によって沈殿させる。生成物を濾別し、真空において乾燥する。収量:0.85g(5.4mmol、76%)。生成物を、NMR、ラマン分光法および質量分析法(MS)によって特徴づけする:
ESI−MS[B(CN)OC
計算値:134.1(100.0%)、133.1(24.4%)、135.1(5.7%)、135.0(1.1%)。
観測値:134.1(100.0%)、133.3(29.0%)。
MALDI−MS[B(CN)OC
計算値:134.1(100.0%)、133.1(24.4%)、135.1(5.7%)、135.0(1.1%)。
観測値:133.6(100.0%)、132.6(14.1%)、134.6(6.6%)。
B:
Na[B(OC](2.0g、9.3mmol)を、(CHSiCN(20.0ml、149.9mmol)中に吸収させ、混合物を60℃で2日間撹拌する。生成した過剰の(CHSiCNおよび(CHSiOCを、蒸留して除去する。粘液性の残留物をH中に吸収させ、NaCOを加える。Naをその後加え、混合物をテトラヒドロフラン(4×50ml)で抽出する。合わせたTHF相を、NaCOを使用して乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。残留物をアセトンに溶解し、CHCl/CHCl(1:1)を加える。生成した沈殿物を濾別し、真空において乾燥する。
収量:0.8g(5.1mmol、55%)。
元素分析、観測値、%:C 38.11、H 3.03、N 26.77;CBNNaOについての計算値、%:C 38.27、H 3.21、N 26.78。
C:
Na[BH](10.0g、264.5mmol)を、エタノール(600ml)中に吸収させる。反応混合物を、還流下で12時間加熱する。過剰のエタノールを、70℃でロータリーエバポレーター中で除去する。残留物を真空において乾燥し、あらかじめ2日間撹拌した、NaCN(80.0g、1632.3mmol)、NaI(10.0g、66.7mmol)および(CHSiCl(200.0ml、1583.2mmol)をアセトニトリル(25ml)に懸濁させた懸濁液中に吸収させる。得られた懸濁液を25℃で6日間撹拌し、すべての揮発性構成成分から真空において遊離させる。暗褐色残留物を、激しい発泡を伴ってH(30%、200ml)中に吸収させる。NaCOを分割して加え、混合物を1日間撹拌する。
過酸化物画分を、Naを使用して還元する。水相を、テトラヒドロフラン(5×100ml)で抽出する。黄色のTHF相を、NaCOを使用して乾燥し、濾過し、真空において蒸発乾固させる。残留物をアセトンに60℃で溶解し、その後CHCl(300ml)を使用して沈殿させる。淡い黄色の生成物を濾別し、真空において乾燥する。収量:37.3g(238.1mmol、90%)。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする。スペクトルは、例3Aに記載したスペクトルと同一である。
例4:Na[B(CN)(OCHCF)]の調製
Na[B(OCHCF](1.0g、2.4mmol)を、(CHSiCN(15.0ml、112.5mmol)中に吸収させ、混合物を80℃で2日間撹拌する。揮発性構成成分をその後除去し、黒色残留物をH(30%、20ml)に溶解する。NaCOを溶液に加える。過酸化物画分を、Naを使用して還元し、溶液をテトラヒドロフラン(3×20ml)で抽出する。THF相を、NaCOを使用して乾燥し、濾過し、真空において蒸発乾固させる。
収量:443mg(2.1mmol、87%)。生成物を、NMR、ラマン分光法および質量分析法(MS)によって特徴づけする:
例5:Na[B(CN)(OCHCF]の調製
Na[B(OCHCF](2.0g、4.7mmol)を、(CHSiCN(20.0ml、149.9mmol)中に吸収させ、混合物を室温で2日間撹拌する。すべての揮発性構成成分を蒸留して除去し、無色残留物を真空において乾燥する。固体をアセトンに溶解し、CHClを使用して沈殿させ、濾過し、真空において乾燥する。収量:1.2g(4.2mmol、89%)。生成物を、NMR、ラマン分光法および質量分析法(MS)によって特徴づけする:
例6:K[B(CN)OCH]の調製

最初のステップにおいて、K[BH](10.0g、185.5mmol)を、メタノール(500ml、12.3mol)中に、磁気撹拌棒を有するフラスコ(フラスコ1)中で、ガス(H)の発生を伴って吸収させ、混合物を還流下で2時間加熱する。反応混合物をロータリーエバポレーター中で蒸発乾固させ、無色残留物を真空において一晩乾燥する。平行して、NaCN(60.0g、1224.5mmol)および1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(10g;相間移動触媒として作用する)を、アセトニトリル(20ml)中に、磁気撹拌棒を有する第2のフラスコ(フラスコ2)中で吸収させ、トリメチルシリルクロリド(CHSiCl(140.0ml、1108.2mmol)を、加える。
得られた懸濁液を、室温で2日間撹拌する。この反応(フラスコ2)からのすべての揮発性構成成分を、150℃でK[BH]のメタノールとの反応(フラスコ1)からの無色残留物上に蒸留させる。得られた懸濁液を、室温で2日間撹拌する。すべての揮発性構成成分を、次に真空において除去し、無色残留物を、CHClを使用してフリット上に洗浄する。収量:17.2g(108.2mmol、58%)。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする:
B:
K[BF(CN)](15mg、0.107mmol)を、ガラスバルブおよびテフロン(登録商標)軸を備えたNMR管中で、(CHSiCNおよび(CHSiOCH(0.5ml、v/v 〜1/1、それぞれ1.9および1.8mmol)中に吸収させる。反応混合物を、その後80℃で2日間加熱する。[B(CN)OCHアニオンの生成(94%、使用した[BF(CN)アニオンを基準として)を、11B NMR分光法によって検出する。
例7:1−エチル−3−メチルイミダゾリウム[B(CN)OCH]の調製
Na[B(CN)OCH](8.0g、55.9mmol)を、蒸留水(10ml)中に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、[EMIM]Cl(8.2g、55.9mmol)と共に吸収させ、混合物を激しく撹拌する。水中の1−エチル−3−メチルイミダゾリウム[BOMe(CN)]のエマルジョンが、形成する。CHCl(50ml)を、次に反応混合物に加え、エマルジョンを15分間撹拌する。CHCl相を分離し、蒸留水(3×2〜3ml)で洗浄し、その後MgSOを使用して乾燥し、濾過する。当該溶液を真空において蒸発させ、得られたイオン性液体を真空において乾燥する。室温で液体である1−エチル−3−メチルイミダゾリウム[BOMe(CN)]の収量:9.1g(39.4mmol、70%)。粘度(20℃):20mPa・s。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする:
元素分析、観測値、%:C 51.35、H 6.35、N 30.76;C1014BNOについての計算値、%:C 51.98、H 6.11、N 30.31
例8:テトラエチルアンモニウム[B(CN)OCH]の調製
水酸化テトラエチルアンモニウム、[TEA]OH(HOに溶解した溶液、35重量%、20.2g、48.0mmol)を、蒸留水(5ml)中のNa[B(CN)OCH](6.8g、47.6mmol)に加え、混合物を撹拌する。CHCl(50ml)を得られたエマルジョンに加え、有機相を分離する。CHCl相を、その後蒸留水(3×5ml)で洗浄し、MgSOを使用して乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。得られたイオン性液体を、その後60℃で真空において乾燥する。室温で固体であるテトラエチルアンモニウム[B(CN)OCH]の収量:10.0g(39.9mmol、84%)。融点:33℃。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする:
例9:テトラブチルアンモニウム[B(CN)OCH]の調製

水酸化テトラブチルアンモニウム、[TBA]OH(水中〜40%、〜1.5M、25.0ml、37.5mmol)を、Na[B(CN)OCH](5.2g、36.4mmol)を蒸留水(10ml)に溶解した溶液に加える。CHCl(50ml)を得られたエマルジョンに加え、混合物を10分間撹拌する。CHCl相を、次に分離し、蒸留水(3×5ml)で洗浄し、MgSOを使用して乾燥し、濾過する。当該溶液を真空において蒸発させ、得られたイオン性液体を真空において乾燥する。室温で液体(高度に粘性の液体)であるテトラブチルアンモニウム[B(CN)OCH]の収量:11.6g(32.0mmol、88%)。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする:
元素分析、観測値、%:C 66.11、H 9.74、N 15.44;C1014BNOについての計算値、%:C 66.29、H 10.85、N 15.46

Na[B(OCH](300mg、1.9mmol)を、トリメチルシリルシアニド、(CHSiCN(50.0ml、374.9mol)に懸濁させ、混合物を、60℃で2日間撹拌する。すべての揮発性構成成分を真空において除去し、残留物を水性H(15%、20ml)中に吸収させる。KCOを溶液に加え、混合物を50℃で1時間撹拌する。臭化テトラブチルアンモニウム、[TBA]Br(806mg、2.5mmol)を加え、得られたエマルジョンをCHCl(3×5ml)で抽出する。ジクロロメタン相を分離し、蒸留水(2ml)で洗浄し、MgSOを使用して乾燥し、その後真空において除去する。イオン性液体を真空において乾燥する。室温で液体(高度に粘性の液体)であるテトラブチルアンモニウム[B(CN)OCH]の収量:600mg(1.6mmol、84%)。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする。スペクトルは、例9Aに記載したスペクトルと同一である。
例10.N−ブチルN−メチルピロリジニウム[B(CN)OCH]の調製
Na[B(CN)OCH](6.0g、41.9mmol)およびN−ブチル−N−メチルピロリジニウムクロリド、[BMPL]Cl(7.5g、42.2mmol)を、蒸留水(10ml)中に吸収させ、混合物を撹拌する。得られたエマルジョンを、CHCl(3×20ml)で抽出する。合わせた有機相を、蒸留水(3×5ml)で洗浄し、MgSOを使用して乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。得られたイオン性液体を、その後60℃で真空において乾燥する。室温で液体であるN−ブチル−N−メチルピロリジニウム[B(CN)OCH]の収量:9.1g(34.7mmol、83%)。粘度(20℃):42mPa・s。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする:
元素分析、観測値、%:C 59.60、H 9.65、N 21.47;C1323BNOについての計算値、%:C 59.56、H 8.84、N 21.37
例11:1−エチル−3−メチルイミダゾリウム[B(CN)OC]の調製
Na[B(CN)OC](7.0g、44.6mmol)を、蒸留水(10ml)に溶解し、蒸留水(10ml)中の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、[EMIM]Cl(6.5g、44.3mmol)を加え、混合物を激しく撹拌する。CHCl(50ml)を次に加え、エマルジョンを15分間撹拌する。CHCl相を分離し、蒸留水(3×2〜3ml)で洗浄し、その後MgSOを使用して乾燥し、濾過する。当該溶液を真空において蒸発させ、イオン性液体を真空において乾燥する。室温で液体である1−エチル−3−メチルイミダゾリウム[B(CN)OC]の収量:7.8g(31.8mmol、71%)。粘度(20℃):27mPa・s。生成物を、NMRおよびラマン分光法によって特徴づけする:
元素分析、観測値、%:C 53.45、H 6.87、N 27.81;C1116BNOについての計算値、%:C 53.91、H 6.58、N 28.57。
例12:テトラブチルアンモニウム[B(CN)OC]の調製
Na[B(CN)OC](5.0g、31.9mmol)を蒸留水(15ml)に溶解し、水酸化テトラブチルアンモニウム、[TBA]OH(水中〜40%、〜1.5mol l−1、22.0ml、33.0mmol)を加える。得られた懸濁液を、CHCl(5×50ml)で抽出する。合わせたCHCl相を、蒸留水(3×3ml)で洗浄し、MgSOを使用して乾燥し、濾過する。当該溶液を真空において蒸発させ、イオン性液体を真空において乾燥する。室温で液体(高度に粘性の液体)であるテトラブチルアンモニウム[B(CN)OC]の収量:10.9g(28.9mmol、91%)。生成物を、NMR分光法によって特徴づけする:
元素分析、観測値、%:C 66.63、H 12.34、N 13.78;C2141BNOについての計算値、%:C 67.01、H 10.98、N 14.89。
例13:Na[B(OMe)(CN)]の合成
トリメチルシリルシアニド、TMSCN(1.0mL、7.499mmol)を、Na[B(OMe)](592mg、3.749mmol)を乾燥アセトニトリル(30mL)に懸濁させた懸濁液に加え、室温で乾燥雰囲気中でさらに12時間撹拌する。撹拌を停止し、固体物質を放置して沈殿させる。透明な液体相を第2のフラスコ中に移送し、すべての揮発性物質を減圧下で除去する。白色固体Na[B(OMe)(CN)]の収量は、440mgである(3.08mmol、Na[B(OMe)]に相対させて82%。)。
生成物を、NMR分光法によって特徴づけする:
例A:配合物およびデバイス
以下の電解質配合物を合成して、本発明の電解質配合物の、EMIM TCBを含む従来技術の電解質配合物に対する利点を例証する。
例A:
1.電解質調製
使用するイオン性液体を、表1に要約する。
さらに10モル量のNBB、5モル量のヨウ素および2モル量のグアニジニウムチオシアネートを含む以下の電解質混合物を、調製する。
以下のモル比において示す電解質1:
36 mmim I、36 pmim I、72 emim TCB
以下のモル比において示す電解質2:
36 mmim I、36 emim I、72 emim TCB
以下のモル比において示す電解質3:
36 mmim I、36 amim I、72 emim TCB
以下のモル比において示す電解質4:
72 emim I、72 emim TCB
以下のモル比において示す電解質5:
36 mmimI、36 mohmim I、72 emim TCB
以下のモル比において示す電解質6:
36 mmim I、36 mmpl I、72 emim TCB
以下のモル比において示す電解質7:
36 mmim I、36 sm3 I、72 emim TCB
以下のモル比において示す電解質8:
36 mmim I、8 pmim I、12 amim I、8 hmim I、8 mmpl I、72 emim TCB
以下のモル比において示す電解質9:
36 mmim I、36 pmim I、72 emim トリシアノメトキシボレート
以下のモル比において示す電解質10:
36 mmim I、36 emim I、72 emim トリシアノメトキシボレート
以下のモル比において示す電解質11:
36 mmim I、36 amim I、72 emim トリシアノメトキシボレート
以下のモル比において示す電解質12:
72 emim I、72 emim トリシアノメトキシボレート
以下のモル比において示す電解質13:
36 mmimI、36 mohmmim I、72 emim トリシアノメトキシボレート
以下のモル比において示す電解質14:
36 mmim I、36 mmpl I、72 emim トリシアノメトキシボレート
以下のモル比において示す電解質15:
36 mmim I、36 sm3 I、72 emim トリシアノメトキシボレート
以下のモル比において示す電解質16:
36 mmim I、8 pmim I、12 amim I、8 hmim I、8 mmpl I、72 emim トリシアノメトキシボレート
化合物pmim I、amim I、hmim I、mmim I、emim I、I、N−ブチルベンズイミダゾールおよびグアニジニウムチオシアネートは、Merck, Darmstadtから商業的に入手できるか、または既知の文献に従って合成する。
emim I=1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド
mmim I=1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド
pmim I=1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド
amim I=1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨージド
mohmim I=1−ヒドロキシメチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド
mmpl I=1,3−ジメチルピロリジニウムヨージド
sm3 I=トリメチルスルホニウムヨージド。
2:色素増感太陽電池(DSSC)の製作:
色素増感太陽電池を、US 5,728,487またはWO 2007/093961に開示されているように製作する:
二重層のメソ多孔性TiO電極を、Wang P et al., J. Phys. Chem. B 2003, 107, 14336中に、特に14337頁に開示されているように調製して、二重層構造からなるフォトアノードを得る。透明なナノ多孔性TiO電極を調製するために、テルピネオール溶媒を含むスクリーン印刷ペーストおよび20nmの直径を有するアナターゼ相のナノ粒子状TiOを、透明な伝導性基板上に、5mm×5mmの正方形形状に、ハンドプリンターを使用することにより堆積させた。ペーストを、摂氏120度で10分間乾燥した。
400nmの直径を有するTiOを含む他のスクリーン印刷ペーストを、次にナノ多孔性層上に堆積させて、不透明層を調製した。二重層フィルムを、次に摂氏500度で1時間焼結し、その結果下部の透明層(厚さ7ミクロン)および上部の不透明層(厚さ4ミクロン)を生じた。焼結後に、電極をTiClの40mM水溶液(Merck)中に摂氏70度で30分間浸漬し、次に純水で十分に洗浄した。このようにしてTiClで処理した電極を、色素増感の直前に摂氏500度で30分間乾燥した。
電極を、アセトニトリル(Merck HPLC等級)およびtert−ブチルアルコール(Merck)、v:v=1:1の0.3mMのZ907色素溶液中に、摂氏19度で60時間浸漬した。対電極を、上記の参考文献に開示されている熱的熱分解方法で調製した。白金酸(Merck)の5mM溶液の小滴を、8μl/cm2で流し込み、伝導性基板上で乾燥した。色素増感太陽電池を、厚さ30ミクロンのBynel (DuPont, USA)ホットメルトフィルムを使用することにより組み立てて、加熱により密閉した。内部空間を上に記載した電解質配合物の各々で満たして、対応するデバイスを生産した。
色素Z907は、両親媒性ルテニウム増感剤Ru(2、2’−ビピリジン4,4’−ジカルボン酸)(4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン)(NCS)または同義的に[Ru(H2dcbpy)(dnbpy)(NCS)]である。
正確な光強度レベルを得るために、Air Mass 1.5 Global (AM 1.5G)模倣太陽光を、Seigo Ito et al, “Calibration of solar simulator for evaluation of dye-sensitized solar cells”, Solar Energy Materials & Solar Cells, 82, 2004, 421に従ってスペクトル的に補正する。
3.様々な温度におけるDSSC特性。
光電流−電圧曲線の測定を、Air Mass 1.5模倣太陽光(AM 1.5)の下で、1 Sun照明の下で25℃まで冷却した黒色板上に配置した電解質1〜4を含む、上に記載したように製作したデバイスについての温度制御を伴って行う。4mm×4mmのフォトマスクをデバイスの最上部上に配置して、光投影領域を規定する。セルギャップは、約20ミクロンである。特有の光起電パラメーターを、表2に要約する。
エネルギー変換効率は、一般的には、調整可能な耐性負荷を使用して電力出力を最適化することにより決定された、エネルギー用語におけるエネルギー変換機械の有効出力と光放射の入力との間の比率である。
表2は、短絡回路光電流密度(JSC)、開回路光起電力(V0C)、曲線因子(FF)および電力変換効率(η)によって表す、例Aに従って作製したデバイスの詳細な光起電パラメーターを示す。

Claims (5)

  1. 式I
    [Kt]z+z[B(CN)4−x(OR*
    式中
    は、1または2であり
    は、1、2、3または4であり
    *は、各場合において互いに独立して、1〜12個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基を示し
    Kt]z+ は、式(8)
    [HetN]z+ (8)
    ここで
    HetN z+
    であり
    ’およびR’は、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−〜C20−アルキル基、またはC−〜C−シクロアルキル基、これはC−〜C−アルキル基により置換されていてもよい、であり、および
    ’は、H、メチル、エチル、イソ−プロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである
    適合する複素環式カチオンである、
    で表される少なくとも1種の化合物を、ヨウ素とヨウ化物塩とのレドックス対とともに含む、電解質配合物であって、
    該電解質配合物に含有される該ヨウ化物塩が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムヨージド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1,3−ジメチル−イミダゾリウムヨージド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、N−ブチル−N−メチル−ピロリジニウムヨージドおよびN,N−ジメチル−ピロリジニウムヨージドから選択される少なくとも1種からなる、
    前記電解質配合物。
  2. 式Iで表される化合物を0.1〜5Mのモル濃度において含む、請求項1に記載の電解質配合物。
  3. 40重量%未満の有機溶媒を含む、請求項1または2に記載の電解質配合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解質配合物を含む、光電池。
  5. 色素または量子ドット増感太陽電池である、請求項4に記載の光電池。
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