JP5950227B2 - 循環ポンプの故障検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに設けられる循環ポンプの故障検知方法に関する。
燃料電池システムとして、アノード流路から流出したアノードオフガスに含まれる未反応の水素を再循環させるためにアノード循環流路を設け、当該アノード循環流路に循環ポンプを設置したものが知られている。
また、カソード流路から流出したカソードオフガスを再循環させるカソード循環流路を設け、当該カソード循環流路に循環ポンプを設置したものが知られている。
ところで、前記した循環ポンプが故障した場合、アノードオフガスの循環、又は、カソードオフガスの循環が止まってしまうため、発電効率の低下や燃料電池の劣化を招く。したがって、循環ポンプが故障した場合、当該故障を適切に検知して早期に対処する必要がある。
例えば、特許文献1には、燃料電池のガス循環流路に循環ポンプが設けられた燃料電池システムについて記載されている。なお、この燃料電池システムは、循環ポンプのポンプ温度が水の融点以上であり、かつ、循環ポンプの回転速度が所定値未満である場合に循環ポンプが故障していると判定する故障判定部を備えている。
特開2007−257929号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、循環ポンプの回転速度を検出するためのセンサを設置するとともに、制御回路に故障判定用のドライバを設ける必要がある。そうすると、前記センサ及びドライバを設置するぶん、コストがかかってしまうという問題がある。
そこで、本発明は、低コストで適切に循環ポンプの故障を検知できる循環ポンプの故障検知方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る循環ポンプの故障検知方法は、カソード流路にカソードガスが供給され、アノード流路にアノードガスが供給されて発電する燃料電池と、前記カソード流路の流入口に接続されるカソードガス供給流路と、前記カソード流路の流出口に接続されるカソードオフガス排出流路と、前記カソードガス供給流路に設けられる入口封止弁と、前記カソードオフガス排出流路に設けられる出口封止弁と、前記入口封止弁よりも下流側の前記カソードガス供給流路と、前記出口封止弁よりも上流側の前記カソードオフガス排出流路とに接続され、カソードオフガスが前記カソード流路に戻るように設けられる戻り流路と、前記戻り流路に設けられる循環ポンプと、前記カソードガス供給流路に設けられるカソード用圧力検出手段と、前記カソードガス供給流路に設けられる酸素濃度検出手段と前記燃料電池の発電電流を検出する発電電流検出手段と、のうち少なくとも1つを含むシステム状態量検出手段と、前記システム状態量検出手段によって検出されるシステム状態量に基づいて、前記循環ポンプの故障判定を行う制御手段と、を備える燃料電池システムで実行される循環ポンプの故障検知方法であって、前記制御手段は、前記入口封止弁及び前記出口封止弁を閉弁し、前記循環ポンプを駆動することで、前記戻り流路を介してカソードオフガスを循環させるカソードオフガス循環ステップと、前記燃料電池からの放電を行う放電ステップと、前記システム状態量検出手段によって検出されるシステム状態量に基づいて前記循環ポンプの故障判定を行う故障判定ステップと、を実行することを特徴とする。
かかる構成によれば、カソードオフガス循環ステップにおいて入口封止弁及び出口封止弁を閉弁し、循環ポンプを駆動すると、次のようにしてカソードオフガスが循環する。すなわち、燃料電池のカソード流路から流出したカソードオフガスは、カソードオフガス排出流路、戻り流路及びカソードガス供給流路を介してカソード流路に戻る。
このようにカソードオフガスを循環させつつアノードガスと反応させることで、カソードガス及びアノードガスの濃度を低減できる。
また、放電ステップにおいて燃料電池からの放電を行うことで、電極反応によって生成された電荷が放出されるとともに電極反応が進み、カソードガス及びアノードガスが消費される。
さらに、故障判定ステップにおいて、システム状態量に基づいて循環ポンプの故障判定を行う。ここで、システム状態量は、カソード用圧力検出手段と、酸素濃度検出手段と発電電流検出手段と、のうち少なくとも1つを含んでいる。このようなシステム状態量の挙動に基づいて循環ポンプの故障(停止又は回転不足)を検知するため、循環ポンプ自体に故障検知機能を設ける必要がなくなる。したがって、低コストで適切に循環ポンプの故障を検知できる。
また、前記循環ポンプの故障検知方法において、前記制御手段は、前記放電ステップを開始してから所定時間経過後、前記故障判定ステップで、前記発電電流検出手段によって検出される発電電流の積算値である発電電流積算値が所定値未満である場合、前記循環ポンプが故障していると判定することが好ましい。
かかる構成によれば、循環ポンプが故障している場合、カソード流路の流入口からカソードオフガスが流入しないため、カソード流路におけるカソードオフガスの流れが止まる。そうすると、アノードガスと電極反応するカソードガスの量が少なくなるため、前記電極反応によって生じる電流も小さくなる。
したがって、故障判定ステップで、発電電流検出手段によって検出される発電電流積算値が所定値未満である場合、循環ポンプが故障していると判定できる。
また、前記循環ポンプの故障検知方法において、前記制御手段は、前記放電ステップが終了した後、前記故障判定ステップで、前記カソード用圧力検出手段によって検出される圧力値が所定値を超える場合、前記循環ポンプが故障していると判定することが好ましい。
かかる構成によれば、循環ポンプが故障している場合、カソード流路におけるカソードオフガスの流れが止まる。そうすると、カソード供給流路のカソードオフガスがカソード流路に流入せず、カソードガスが消費されない状態でカソード供給流路に滞留する。
したがって、カソード用圧力検出手段によって検出されるカソード系の圧力値が所定値を超える場合、循環ポンプが故障していると判定できる。
また、本発明に係る循環ポンプの故障検知方法は、カソード流路にカソードガスが供給され、アノード流路にアノードガスが供給されて発電する燃料電池と、前記カソード流路の流入口に接続されるカソードガス供給流路と、前記カソード流路の流出口に接続されるカソードオフガス排出流路と、前記カソードガス供給流路に設けられる入口封止弁と、前記カソードオフガス排出流路に設けられる出口封止弁と、前記入口封止弁よりも下流側の前記カソードガス供給流路と、前記出口封止弁よりも上流側の前記カソードオフガス排出流路とに接続され、カソードオフガスが前記カソード流路に戻るように設けられる戻り流路と、前記戻り流路に設けられる循環ポンプと、前記アノード流路の流入口に接続されるアノードガス供給流路に設けられるアノード用圧力検出手段からなるシステム状態量検出手段と、前記アノード流路から流出するアノードオフガスを前記アノードガス供給流路に戻すように設けられるアノードオフガス循環流路と、前記アノードガス供給流路と前記アノードオフガス循環流路との合流点よりも上流側の前記アノードガス供給流路に設けられる遮断弁と、前記システム状態量検出手段によって検出されるシステム状態量に基づいて、前記循環ポンプの故障判定を行う制御手段と、を備える燃料電池システムで実行される循環ポンプの故障検知方法であって、前記制御手段は、前記入口封止弁及び前記出口封止弁を閉弁し、前記循環ポンプを駆動することで、前記戻り流路を介してカソードオフガスを循環させるカソードオフガス循環ステップと、前記遮断弁を閉弁し、前記アノードオフガス循環流路を介してアノードオフガスを循環させるアノードオフガス循環ステップと、
前記燃料電池からの放電を行う放電ステップと、前記システム状態量検出手段によって検出されるシステム状態量に基づいて前記循環ポンプの故障判定を行う故障判定ステップと、を実行し、前記制御手段は、前記放電ステップが終了した後、前記故障判定ステップで、前記アノード用圧力検出手段によって検出される圧力値が所定値を超える場合、前記循環ポンプが故障していると判定することを特徴とする。
かかる構成によれば、循環ポンプが故障している場合、カソード流路におけるカソードオフガスの流れが止まる。そうすると、カソード流路に存在するカソードガスが全てアノードガスと反応したとしても、当該反応によって消費されるカソードガスの量は、循環ポンプが正常である場合と比較して少なくなる。その結果、カソードガスと反応して消費されるアノードガスの量も少なくなる。
したがって、アノード用圧力検出手段によって検出されるアノード系の圧力値が所定値を超える場合、循環ポンプが故障していると判定できる。
また、前記循環ポンプの故障検知方法において、前記制御手段は、前記放電ステップが終了した後、前記故障判定ステップで、前記酸素濃度検出手段によって検出される酸素濃度が所定値を超える場合、前記循環ポンプが故障していると判定することが好ましい。
前記したように、循環ポンプが故障している場合、カソード流路におけるカソードオフガスの流れが止まる。そうすると、カソードガスが消費されず、高濃度の状態でカソード供給流路に滞留する。
したがって、酸素濃度検出手段によって検出される酸素濃度が所定値を超える場合、循環ポンプが故障していると判定できる。
本発明によれば、低コストで適切に循環ポンプの故障を検知できる循環ポンプの故障検知方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池システムにおいてオフガス再循環処理及び希釈器の掃気を行う際のタイムチャートであり、(a)はコンプレッサの回転速度、(b)は入口封止弁の開閉状態、(c)は出口封止弁の開閉状態、(d)は背圧弁の開度、(e)循環ポンプのオン/オフ、(f)はSTKバイパス流路弁の開閉状態の時間的変化を示している。 燃料電池システムにおいてオフガス再循環処理及び希釈器の掃気を行う際のタイムチャートであり、(a)は遮断弁の開閉状態、(b)はインジェクタのオン/オフ、(c)は水素ポンプのオン/オフ、(d)はアノード圧力、(e)はコンタクタのオン/オフ、(f)は燃料電池の出力電圧、(g)は燃料電池の放電電流の時間的変化を示している。 EGR準備処理及び希釈器の掃気を行う際のアノードオフガス及びカソードオフガスの流れを示す説明図である。 循環ポンプの故障検知処理の流れを示すフローチャートである。 循環ポンプの故障判定処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は燃料電池の発電電流積算値の時間的変化を示すグラフであり、(b)はアノード圧力の時間的変化を示すグラフであり、(c)はカソード流路の入口における酸素濃度の時間的変化を示すグラフである。
本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
以下、燃料電池システムが燃料電池自動車に搭載される場合について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、船舶、航空機などの移動体、家庭用や業務用の定置式のものなどにも適用できる。
≪第1実施形態≫
<燃料電池システムの構成>
図1に示す燃料電池システム1は、燃料電池10と、燃料電池10のアノードに対して水素(アノードガス)を供給するアノード系と、燃料電池10のカソードに対して酸素を含む空気(カソードガス)を供給するカソード系と、燃料電池10の発電電力を消費する電力消費系と、これらを制御するECU51と、を備えている。
(1.燃料電池)
燃料電池10は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を一対の導電性のセパレータ(図示せず)で挟持してなる単セル(図示せず)を複数積層して構成されている。
燃料電池10の各セパレータには、それぞれの膜/電極接合体の全面に水素又は酸素を供給するための溝及び貫通孔が形成されており、これらの溝及び貫通孔がカソード流路11、アノード流路12として機能している。なお、セパレータには、燃料電池10を冷却するための冷媒(例えば、エチレングリコールを含む水)を通流させる冷媒流路(図示せず)も形成されている。
燃料電池10では、アノード流路12を介して水素が供給されると、(式1)の電極反応が起こり、カソード流路11を介して酸素を含む空気が供給されると、(式2)の電極反応が起こり、各単セルで電位差(Open Circuit Voltage:OCV)が発生する。
2H→4H+4e・・・(式1)
+4H+4e→2HO・・・(式2)
(2.カソード系)
カソード系は、コンプレッサ21と、加湿器22と、入口封止弁23と、出口封止弁24と、循環ポンプ25と、逆止弁Cと、背圧弁26と、STKバイパス流路弁27と、希釈器28と、第1圧力センサPと、酸素濃度計Dと、を備えている。
コンプレッサ21は、吸入側が配管a1を介して系外(車外)と連通し、吐出側が配管a2を介して加湿器22に接続されている。コンプレッサ21は、ECU51からの指令に従って内部の羽根車(図示せず)を回転させることにより系外から空気を吸引・圧縮し、カソードガス供給流路を介してカソード流路11に供給するものである。
なお、「カソードガス供給流路」は、配管a1〜a4を含んで構成され、カソード流路11の流入口に接続されている。
加湿器22は、カソード流路11に向かうカソードガスを加湿するものであり、配管a3を介して入口封止弁23に接続されている。加湿器22は、配管a2を介して流入する低湿潤の空気(カソードガス)と、配管a6を介して流入する高湿潤のカソードオフガスとの間で、中空糸膜(図示せず)を介した水分交換を行う。
入口封止弁23は、例えば電磁作動式の開閉弁であり、配管a4を介してカソード流路11の流入口に接続されている。つまり、入口封止弁23は、カソードガス供給流路に設けられ、閉状態において燃料電池10の空気供給側の配管a4を締め切る機能を有している。
出口封止弁24は、例えば電磁作動式の開閉弁であり、配管a5を介してカソード流路11の流出口に接続されている。つまり、出口封止弁24は、カソードオフガス排出流路に設けられ、閉状態において燃料電池10のカソードオフガス排出側の配管a5を締め切る機能を有している。
なお、「カソードオフガス排出流路」は、配管a5〜a8を含んで構成され、カソード流路11の流出口に接続されている。また、出口封止弁24の下流側は、配管a6を介して加湿器22に接続されている。
そして、入口封止弁23と出口封止弁24とをそれぞれ閉弁することによって、燃料電池10のカソード流路11が封止されることとなる。
ちなみに、入口封止弁23及び出口封止弁24は、常閉型の弁であってもよいし、常開型の弁であってもよい。
循環ポンプ25は、後記するオフガス再循環処理を行う際に駆動されるポンプであり、戻り流路に設置されている。なお、「戻り流路」は、配管b1〜b3を含んで構成される。
循環ポンプ25が駆動すると、戻り流路、配管a4、カソード流路11、及び配管a5を含む「カソード循環流路」を、カソードオフガスが循環する。そして、このカソードオフガスに含まれる酸素は、アノード流路12から移動してくる水素と前記(式2)の電極反応を起こして消費される。
なお、循環ポンプ25の吸入口は、出口封止弁よりも上流側の配管a5に、配管b1を介して接続されている。また、循環ポンプ25の吐出口は、配管b2を介して逆止弁Cに接続されている。
逆止弁Cは、戻り流路(配管b1〜b3)において、配管b2から配管b3に向かうカソードオフガスの流れを許容し、逆向きの流れを許容しないように設置されている。なお、逆止弁Cは入口封止弁23よりも下流側の配管a4に、配管b3を介して接続されている。
背圧弁26は、その開度を調整することによって燃料電池10のカソード流路11を通流する空気の圧力(背圧)を制御するものであり、上流側は配管a7を介して加湿器22に接続され、下流側は配管a8を介して希釈器28に接続されている。
STK(Stack)バイパス流路弁27は、例えば、電磁式の開閉弁であり、STKバイパス流路に設けられている。
ここで、「STKバイパス流路」は、配管c1,c2を含んで構成される。配管c1の一端は配管a2に接続され、他端はSTKバイパス流路弁27に接続されている。また、配管c2の一端はSTKバイパス流路弁27に接続され、他端は配管a8に接続されている。
なお、STKバイパス流路弁27は、コンプレッサ21から供給される空気によって希釈器28を掃気する際に開弁される(図4参照)。
希釈器28は、配管a8を介して背圧弁26に接続され、配管d9を介してパージ弁36に接続されている。希釈器28は、パージ弁36が開いた場合に配管d9を介して流入するアノードオフガスを、配管a8を介して流入するカソードオフガスで希釈し、配管d10を介して系外に排出する機能を有している。
第1圧力センサP(第1圧力検出手段)は、配管a4を通流する空気の圧力を検出し、ECU51に出力する機能を有している。
酸素濃度計D(酸素濃度検出手段)は、配管a4を通流する空気に含まれる酸素(カソードガス)の濃度を検出し、ECU51に出力する機能を有している。
(2.アノード系)
アノード系は、水素タンク31と、遮断弁32と、インジェクタ33と、エゼクタ34と、水素ポンプ35と、第2圧力センサPと、パージ弁36と、を備えている。
水素タンク31は、配管d1を介して遮断弁32に接続され、高純度の水素が高圧で圧縮充填されている。
遮断弁32は、配管d2を介してインジェクタ33に接続され、ECU51からの指令によって開かれると、水素タンク31からの水素がアノード供給流路を介してアノード流路12に供給されるようになっている。
なお、「アノード供給流路」は、配管d1〜d4を含んで構成される。
インジェクタ33は、配管d3を介してエゼクタ34に接続され、ECU51からの指令に従って水素を噴射するものである。すなわち、インジェクタ33は、配管d2を介して供給される水素を間欠的に噴射することで、アノード流路12に水素を供給する。
エゼクタ34は、配管d4を介してアノード流路12の流入口に接続され、水素タンク31から供給される水素をノズル(図示せず)から噴射することによって、ノズルの周囲に負圧を発生させるものである。これによって、アノード流路12の流出口から流出したアノードオフガス(未反応の水素を含む)が、配管d5を介して吸引される。
水素ポンプ35は、アノード流路12から流出したアノードオフガスを吸引し、アノード流路12の流入口に向けて圧送するポンプである。なお、水素ポンプ35の吸入側に接続される配管d6は、配管d5に接続されている。また、水素ポンプ35の吐出口に接続される配管d7は、配管d4に接続されている。
第2圧力センサP(第2圧力検出手段)は、配管d4を通流する水素の圧力を検出するセンサである。なお、第2圧力センサPによって検出された圧力値は、ECU51に出力される。
なお、配管d7にも、カソード側と同様に逆止弁が設けられている。
パージ弁36は、配管d5から分岐する配管d8に接続され、配管d9を介して希釈器28に接続されている。パージ弁36は、ECU51からの指令に従って開弁することにより、アノード側に蓄積した不純物(窒素、水分など)を希釈器28に排出する機能を有している。
<電力消費系>
電力消費系は、出力検出器41と、VCU42と、走行モータ43と、を備えている。
出力検出器41(発電電流検出手段)は、電流センサ(図示せず)及び電圧センサ(図示せず)を備え、燃料電池10の出力電流、出力電圧をそれぞれ検出してECU51に出力する機能を有している。
VCU42(Voltage Control Unit)は、ECU51からの指令に従って燃料電池10の発電電力やバッテリ(図示せず)の充放電を制御するものであり、DC/DCチョッパ、DC/DCコンバータなどの電子回路が内蔵されている。
走行モータ43は、燃料電池10及び/又はバッテリ(図示せず)から供給される電力によって回転する電動モータであり、燃料電池10が搭載される移動体の動力源となる。
なお、図1では、出力検出器41とVCU42との間に設置され、これらを電気的に接続するコンタクタの図示を省略している。また、図1では、VCU42と走行モータ43との間に設置され、直流電力を三相交流電力に変換するインバータの図示を省略している。
<制御系>
ECU51(Electric Control Unit)は、CPU、RAM、ROM、各種インタフェースなどの電子回路を備えて構成され、その内部に記憶したプログラムに従って各種機能を発揮する。
ECU51には、図1に示す第1圧力センサP、第2圧力センサP、酸素濃度計D、及び出力検出器41を含むセンサ類からの検出信号や、IG61のON/OFF信号などが入力される。そして、ECU51は、入力される各信号に応じて各弁の開閉、各ポンプの駆動、VCU42の動作などを制御する。
また、ECU51は、配管b1,b2を介してカソードオフガスをカソードガス供給流路に再循環させる処理(Exhaust Gas Recirculation:EGR)を行う際、次のような処理を実行する。すなわちECU51は、入口封止弁23及び出口封止弁24を閉弁し、循環ポンプ25を駆動する機能を有している。これによって、戻り流路(配管b1,b2)を介してカソードオフガスが循環する(カソードオフガス循環ステップ)。
また、ECU51は、VCU42によって出力電圧を略一定に制御しつつ、コンタクタ(図示せず)を介して燃料電池10からの発電電流を放電させ、負荷及び/又はバッテリ(図示せず)に供給する機能を有している(放電ステップ)。
さらに、ECU51は、第1圧力検出手段、第2圧力検出手段、酸素濃度計D、及び出力検出器41のうち少なくとも1つの検出値に基づいて、循環ポンプ25の故障判定を行う機能を有している(故障判定ステップ)。
<その他>
IG61(Ignition Switch)は、燃料電池10が搭載された燃料電池車の起動スイッチであり、運転席周りに配置されている。そして、IG61は、そのON/OFF信号をECU51に出力するようになっている。
その他、燃料電池システム1は、冷媒ポンプ(図示せず)を駆動することによって燃料電池10の冷媒流路に冷媒を循環させ、燃料電池10の温度を調整する冷媒系を備えている。
<燃料電池システムの動作>
循環ポンプ25の故障検知について説明する前に、循環ポンプ25が正常に機能している場合における燃料電池システム1の動作について説明する。
図2、図3の時刻t0では、IG61(図1参照)がON状態になっている。このとき、入口封止弁23及び出口封止弁24は開弁され(図2(b)、図2(c)参照)、STKバイパス流路弁27は閉弁された状態で(図2(f)参照)、コンプレッサ21が回転速度r1で駆動している(図2(a)参照)。これによって、燃料電池10のカソード流路11に空気が供給される。また、遮断弁32は開弁され(図3(a)参照)、水素タンク31から供給される水素がインジェクタ33から噴射される(図3(b)参照)。なお、当該水素は、エゼクタ34を介してアノード流路12に供給される。
(1.希釈器の掃気)
図2に示すタイムチャートの時刻t1においてIG61がONからOFFに切替えられると、ECU51は希釈器28の掃気を開始する。すなわち、ECU51は、入口封止弁23及び出口封止弁24を閉弁し(図2(b)、図2(c)参照)、STKバイパス流路弁27を開弁する(図2(f))。また、ECU51は、コンプレッサ21の回転を継続させる(図2(a)参照)。
これによって、図4に示すように、コンプレッサ21から配管a2を介して送出された空気は、配管c1、STKバイパス流路弁27、及び配管c2を介して希釈器28に流入し、希釈器28の水素が希釈される。なお、希釈器28の掃気を行う際、背圧弁26は使用されず、全開状態となっている(後記するオフガス再循環処理の場合も同様:図2(d)参照)。
希釈器28の掃気が終了すると、図3の時刻t3においてECU51はコンプレッサ21の駆動を停止するとともに(図2(a)参照)、STKバイパス流路弁27(図2(f)参照)を閉弁する。
(2.オフガス再循環処理)
また、ECU51は、時刻t1において循環ポンプ25を駆動し(図2(e)参照)、オフガス再循環処理(Exhaust Gas Recirculation:EGR)の準備を開始する。ここで入口封止弁23及び出口封止弁24が閉弁されているため、循環ポンプ25が駆動すると、カソード循環流路(配管a5,b1〜b3,a4、カソード流路11)をカソードオフガスが循環する。
さらに、ECU51は時刻t1において遮断弁32を閉弁し(図3(a)参照)、燃料電池10への水素供給を止める。また、ECU51は、インジェクタ33及び水素ポンプ35を駆動することでアノード流路12にアノードオフガスを送り込み(図3(b)、図3(c)参照)、アノード圧力を所定値P1まで上昇させる(図3(d)参照)。なお、「アノード圧力」とは、第1圧力センサPによって検出される圧力である。
次に、図2、図3の時刻t2においてECU51は、燃料電池システム1のオフガス再循環処理(EGR)を開始し、当該処理によって生じた電荷を放電(ディスチャージ)する。すなわち、前記したEGR準備処理の状態から、インジェクタ33の駆動を停止し(図3(b)参照)、VCU42(図1参照)を用いて電圧V1を目標値とする定電圧制御を実行する(図3(f)参照)。なお、「定電圧制御」には、燃料電池10の目標出力電力を一定値にする場合のほか、燃料電池10の出力電力が予め設定された所定範囲内に収まるように電圧制御を行う場合も含まれる。
前記したように、循環ポンプ25を駆動することによって、カソード循環流路をカソードオフガスが循環する。
また、アノード側では遮断弁32が閉弁され、インジェクタ33を停止させた状態で水素ポンプ35を駆動することで、アノード循環流路(配管d4、アノード流路12、配管d5〜d7)をアノードオフガスが循環する。したがって、燃料電池10内で酸素及び水素が消費され、カソード流路11の酸素濃度は徐々に低下するとともに、アノード流路12の水素濃度も徐々に低下する。
なお、燃料電池10での電極反応によって生成された電荷は、コンタクタ(図示せず)及びVCU42を介して放電(ディスチャージ)される。なお、当該電力は、バッテリ(図示せず)に充電されるか、負荷に供給されるか、又はディスチャージ用の抵抗で消費される。また、前記電極反応によって生成される水は、循環ポンプ25からのカソードオフガスの流れに同伴し、カソード流路11から流出する。
このようにして、燃料電池10内での電極反応と、カソードオフガスの再循環とによって、カソード側の酸素濃度とアノード側の水素濃度とを除々に低下させつつ、放電(ディスチャージ)を行い、燃料電池10が備える単セルの劣化を抑制する。
そして、時刻t3においてECU51は、コンプレッサ21を停止させ(図2(a)参照)、STKバイパス流路弁27を閉弁し(図2(f)参照)、希釈器28の掃気を終了する。
さらに、時刻t2から所定時間が経過してオフガス再循環処理が終了すると、図3の時刻t4においてECU51はコンタクタ(図示せず)をONからOFFに切り替え(図3(e)参照)、燃料電池10と負荷とを切り離して発電を停止する(つまり、ソーク状態にする)。ちなみに、前記したように電圧V1を目標値とする定電圧制御を実行するため、ソーク状態でも高電圧になることはない。
そして、ECU51は、循環ポンプ25の故障検知処理を、オフガス再循環処理が終了した後に実行する(図2、図3の時刻t4〜t5参照)。
<循環ポンプの故障検知処理>
以下では、図5、図6のフローチャートを参照しながら、循環ポンプ25の故障検知処理について順次説明する。
なお、「循環ポンプ25の故障」とは、例えば、循環ポンプ25に対しECU51から駆動指令が入力されても循環ポンプ25が駆動しない場合である。
図5に示す「START」において、IG61(図1参照)はOFF状態であり、前記したEGR準備処理(図2、図3の時刻t1〜t2参照)が終了しているものとする。
ステップS101においてECU51は、オフガス再循環処理(EGR)を開始する。なお、オフガス再循環処理については前記したので、説明を省略する。
ステップS102においてECU51は、出力検出器41(図1参照)によって検出される発電電流値を逐次積算し、記憶手段(図示せず)に格納する。
次に、ステップS103においてECU51は、オフガス再循環処理(EGR)が終了したか否かを判定する。なお、当該判定処理は、例えばオフガス再循環処理を開始してから所定時間が経過したか否かに基づいて行う。
ちなみに、オフガス再循環処理の終了とともにコンタクタ(図示せず)をONからOFFに切り替え(図3(e)の時刻t4を参照)、バッテリなどへの放電も終了する(図3(g)の時刻t4を参照)。
オフガス再循環処理が終了した場合(S103→Yes)、ECU51の処理はステップS104に進む。一方、オフガス再循環処理が終了していない場合(S103→No)、ECU51の処理はステップS102に戻る。つまり、ECU51は、オフガス再循環処理を開始してから終了するまで(ディスチャージが終了するまで)の発電電流の積算値を算出し、記憶手段(図示せず)に格納する。
次に、ステップS104においてECU51は、第1圧力センサP(図1参照)から入力されるカソード圧力と、第2圧力センサP(図1参照)から入力されるアノード圧力と、酸素濃度計D(図1参照)から入力される酸素濃度と、を記憶手段(図示せず)に読み込む。前記したように、当該読み込み処理は、燃料電池10からの放電(ディスチャージ)を終了させた後に実行される。
なお、前記した「カソード圧力」とは、カソードガス供給流路のうちカソード流路11の流入口付近の圧力を意味している。また、「アノード圧力」とは、アノードガス供給流路のうちアノード流路12の流入口付近の圧力を意味している。
ステップS105においてECU51は、循環ポンプ25の故障判定処理を実行する。すなわち、図6のステップS1051においてECU51は、オフガス再循環処理の開始から終了までの発電電流積算値IFC(SUM)が、閾値I1未満であるか否か判定する。なお、閾値I1はカソード流路11の体積などに基づいて予め設定され、記憶手段(図示せず)に格納されている。
発電電流積算値IFC(SUM)が閾値I1未満である場合(S1051→Yes)、ECU51の処理はステップS1055に進む。一方、発電電流積算値IFC(SUM)が閾値I1以上である場合(S1051→No)、ECU51の処理はステップS1052に進む。
循環ポンプ25が故障すると、ECU51から駆動指令が入力されても循環ポンプ25は駆動しないため、カソードオフガスがカソード流路11に流入しない。そうすると、カソード流路11(図1参照)で気流が発生しないため、アノード流路12から移動してくる水素と反応するのは、カソード流路11に滞留している空気中の酸素に限られる。
その結果、前記(式2)の電極反応で生成される電荷量は、循環ポンプ25が正常である場合の電荷量と比較して小さくなり、オフガス再循環処理中の発電電流積算値IFC(SUM)も小さくなる。
図7(a)は、燃料電池の発電電流積算値の時間的変化を示すグラフである。図7(a)の横軸はオフガス再循環処理を開始してからの経過時間であり、縦軸は燃料電池10の発電電流積算値である。
図7(a)に示すように、循環ポンプ25が正常である場合(破線)と比較して、循環ポンプ25が故障している場合(実線)、発電電流積算値が小さくなる(経過時間t〜t参照)。
したがって、発電電流積算値IFC(SUM)が所定の閾値未満である場合、循環ポンプ25が故障していると判定できる。
再び、図6に戻って説明を続ける。ステップS1052においてECU51は、第1圧力センサPから入力されるカソード圧力が閾値P1を超えているか否かを判定する。なお、閾値P1は事前の実験に基づいて予め設定され、記憶手段(図示せず)に格納されている。
カソード圧力が閾値P1を超えている場合(S1052→Yes)、ECU51の処理はステップS1055に進む。一方、カソード圧力が閾値P1以下である場合(S1052→No)、ECU51の処理はステップS1053に進む。
循環ポンプ25が故障すると、前記したように、循環ポンプ25の正常時と比較してアノード流路12からの水素と反応し得る酸素の量が少なくなる。したがって、燃料電池10の内部に滞留している酸素のみが消費され、すぐにセル電圧が低下する。
また、IG61がOFFになった時点でカソードガス供給流路の配管a4(図1参照)に存在していたカソードガスは、循環ポンプ25からカソードオフガスが送出されないため、そのまま配管a4内にとどまる。
その結果、配管a4内の酸素は消費されず、循環ポンプ25が正常である場合と比較して酸素濃度が高くなる。したがって、第1圧力センサPから入力されるカソード圧力が所定の閾値を超えている場合、循環ポンプ25が故障していると判定できる。
次に、ステップS1053においてECU51は、第2圧力センサPから入力されるアノード圧力が閾値P2を超えているか否かを判定する。なお、閾値P2は事前の実験に基づいて予め設定され、記憶手段(図示せず)に格納されている。
アノード圧力が閾値P2を超えている場合(S1053→Yes)、ECU51の処理はステップS1055に進む。一方、アノード圧力が閾値P2以下である場合(S1053→No)、ECU51の処理はステップS1054に進む。
循環ポンプ25が故障すると、前記(式2)の電極反応で消費される酸素の量が少なくなる。したがって、水素ポンプ35(図1参照)の駆動によってアノード流路12をアノードオフガスが循環しても、前記(式2)の電極反応で消費し得る水素の量も少なくなる
その結果、循環ポンプ25が正常である場合と比較して配管d4(図1参照)内のアノード圧力が高くなる。
図7(b)は、アノード圧力の時間的変化を示すグラフである。図7(b)の横軸はオフガス再循環処理を開始してからの経過時間であり、縦軸は第2圧力センサPによって検出されるアノード圧力である。なお、経過時間t付近からtにかけて水素を試験的に供給したため、アノード圧力が一時的に上昇している。
図7(b)に示すように、循環ポンプ25が正常である場合(破線)と比較して、循環ポンプ25が故障している場合(実線)、アノード圧力が高くなる(経過時間t〜t参照)。
したがって、第2圧力センサPから入力されるアノード圧力が所定の閾値を超えている場合、循環ポンプ25が故障していると判定できる。
再び、図6に戻って説明を続ける。ステップS1054においてECU51は、酸素濃度計Dから入力される酸素濃度D(O)が閾値D1を超えているか否かを判定する。なお、閾値D1は事前の実験に基づいて予め設定され、記憶手段(図示せず)に格納されている。
酸素濃度D(O)が閾値D1を超えている場合(S1054→Yes)、ECU51の処理はステップS1055に進む。一方、酸素濃度D(O)が閾値D1以下である場合(S1054→No)、ECU51の処理はステップS1056に進む。
循環ポンプ25が故障した場合、IG61がOFFになった時点でカソードガス供給流路の配管a4(図1参照)に存在していたカソードガスは、そのまま配管a4内の同じ位置にとどまる。
つまり、酸素濃度計Dによって検出される酸素濃度D(O)は、大気中の酸素濃度(約21%)とほぼ同じ値になり、循環ポンプ25が正常である場合の酸素濃度に比べて高くなる。
図7(c)は、カソード流路の入口における酸素濃度の時間的変化を示すグラフである。図7(c)の横軸はオフガス再循環処理を開始してからの経過時間であり、縦軸は酸素濃度計Dによって検出される酸素濃度である。
図7(c)に示すように、循環ポンプ25が正常である場合(破線)、カソード循環流路をカソードオフガスが循環することでカソード流路11内に気流が生じる。したがって、カソード循環流路内の酸素はまんべんなく消費され、酸素濃度計Dによって検出される酸素濃度は時間の経過とともに急激に減少する。
これに対して、循環ポンプ25が故障している場合(実線)、燃料電池10の膜近傍の酸素のみが消費される。したがって、酸素濃度計Dによって検出される酸素濃度が低下せず(図7(c)参照)、ほぼ一定の値(大気中の酸素濃度:約21%)で維持される。
つまり、酸素濃度D(O)が所定の閾値を超えている場合、循環ポンプ25が故障していると判定できる。
再び、図6に戻って説明を続ける。ステップS1055においてECU51は、循環ポンプ25の故障判定フラグをONにする。また、ステップS1056においてECU51は、循環ポンプ25の故障判定フラグをOFFにする。
つまり、前記したS1051〜S1054のうち少なくとも1つの条件が成立している場合、ECU51は故障判定フラグをONにする(S1055)。
次に、図5のS106においてECU51は、循環ポンプ25が故障しているか否かを判定する。なお、当該判定は、前記した故障判定フラグがONであるか否かによって行う。
循環ポンプ25が故障している場合(S106→Yes)、ECU51の処理はステップS107に進む。一方、循環ポンプ25が正常である場合、(S106→No)、ECU51は、循環ポンプ25の故障検知処理を終了する。
次に、ステップS107においてECU51は、循環ポンプ25が故障している旨をユーザに報知する。なお、当該報知は、例えば故障ランプの点灯や音声などにより行う。
<効果>
本実施形態に係る燃料電池システム1によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、燃料電池システム1では、カソード圧力、アノード圧力、発電電流積算値、酸素濃度などのシステム状態量に基づいて循環ポンプ25の故障を検知する。したがって、循環ポンプ25として故障検知機能を有するものを使用する必要がなくなり、汎用のポンプを使用できる。したがって、循環ポンプ25に要するコストを削減できる。
また、循環ポンプ25が正常である場合と、故障している場合とでは、EGRディスチャージ(オフガスを再循環させつつ燃料電池10から放電させる処理)が終了した後のシステム状態量が大きく異なる(図7参照)。したがって、当該システム状態量を所定の閾値と比較することで、循環ポンプ25の故障を適切に検知できる。
また、図1に示すような簡単かつ低コストの構成で、システム状態量に基づいた故障検知処理を行うことによって、循環ポンプ25の故障を適切かつ容易に検知できる。
また、循環ポンプ25の故障を検知した場合、ECU51は当該故障をユーザに報知する。したがって、ユーザは検知結果に応じて適切に対処できる。ちなみに、循環ポンプ25が故障すると、オフガス再循環処理を行った後もカソード循環流路に多量の酸素が残存する。その結果、酸素と水素との反応によってOHラジカル(ヒドロキシルラジカル)が発生し、燃料電池10の劣化をもたらす。
本実施形態では、循環ポンプ25の故障を適切に検知してユーザに報知するため、当該故障に対して早期に対応でき、燃料電池10の劣化を防止できる。
また、本実施形態によれば、例えば、オフガス循環流路を構成する配管の破損や詰まりなど、循環ポンプ25が備えるモータ(図示せず)の回転速度のみでは検知できない異常も検知できる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る燃料電池システム1について前記実施形態により説明したが、本発明の実施態様はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更などを行うことができる。
例えば、前記実施形態では、燃料電池10の発電電流値、カソード側の酸素濃度の変化、カソード圧力の変化、及びアノード圧力の変化に基づいて循環ポンプ25の故障検知を行う場合について説明したが、これに限らない。
すなわち、図6のS1051(発電電流積算値)、S1052(カソード圧力)、S1053(アノード圧力)、及びS1054(酸素濃度)のうちいずれか一つ又は複数の判定処理を行うことによって、循環ポンプ25の故障を検知してもよい。
また、前記実施形態では、オフガス再循環処理が終了した場合(図5のS103→Yes)、第1圧力センサP、第2圧力センサP、及び酸素濃度計Dの検出値を記憶手段(図示せず)に読み込む場合について説明したが、これに限らない。
すなわち、ECU51が、燃料電池10のディスチャージ(放電)を開始してから所定時間経過後に前記検出値を読み込み、当該検出値に基づいて循環ポンプ25の故障判定処理を実行してもよい。なお、前記所定時間は、循環ポンプ25が正常である場合と故障である場合とを区別し得る時間を適宜設定する。
また、例えば、放電(ディスチャージ)の開始時からの発電電流を積算し、放電開始から所定時間経過後における発電電流の積算値が所定値未満である場合、循環ポンプ25が故障していると判定してもよい。
また、前記実施形態では、加湿器22を入口封止弁23よりも上流側、出口封止弁24よりも下流側に配置する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、加湿器22を入口封止弁23よりも下流側、出口封止弁24よりも上流側に配置してもよい。
1 燃料電池システム
10 燃料電池
11 カソード流路
12 アノード流路
21 コンプレッサ
23 入口封止弁
24 出口封止弁
25 循環ポンプ
41 出力検出器(発電電流検出手段)
51 ECU(制御手段)
第1圧力センサ(第1圧力検出手段)
第2圧力センサ(第2圧力検出手段)
D 酸素濃度計(酸素濃度検出手段)

Claims (5)

  1. カソード流路にカソードガスが供給され、アノード流路にアノードガスが供給されて発電する燃料電池と、
    前記カソード流路の流入口に接続されるカソードガス供給流路と、
    前記カソード流路の流出口に接続されるカソードオフガス排出流路と、
    前記カソードガス供給流路に設けられる入口封止弁と、
    前記カソードオフガス排出流路に設けられる出口封止弁と、
    前記入口封止弁よりも下流側の前記カソードガス供給流路と、前記出口封止弁よりも上流側の前記カソードオフガス排出流路とに接続され、カソードオフガスが前記カソード流路に戻るように設けられる戻り流路と、
    前記戻り流路に設けられる循環ポンプと、
    前記カソードガス供給流路に設けられるカソード用圧力検出手段と、前記カソードガス供給流路に設けられる酸素濃度検出手段と前記燃料電池の発電電流を検出する発電電流検出手段と、のうち少なくとも1つを含むシステム状態量検出手段と、
    前記システム状態量検出手段によって検出されるシステム状態量に基づいて、前記循環ポンプの故障判定を行う制御手段と、
    を備える燃料電池システムで実行される循環ポンプの故障検知方法であって、
    前記制御手段は、
    前記入口封止弁及び前記出口封止弁を閉弁し、前記循環ポンプを駆動することで、前記戻り流路を介してカソードオフガスを循環させるカソードオフガス循環ステップと、
    前記燃料電池からの放電を行う放電ステップと、
    前記システム状態量検出手段によって検出されるシステム状態量に基づいて前記循環ポンプの故障判定を行う故障判定ステップと、を実行すること
    を特徴とする循環ポンプの故障検知方法。
  2. 前記制御手段は、
    前記放電ステップを開始してから所定時間経過後、
    前記故障判定ステップで、前記発電電流検出手段によって検出される発電電流の積算値である発電電流積算値が所定値未満である場合、前記循環ポンプが故障していると判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の循環ポンプの故障検知方法。
  3. 前記制御手段は、
    前記放電ステップが終了した後、
    前記故障判定ステップで、前記カソード用圧力検出手段によって検出される圧力値が所定値を超える場合、前記循環ポンプが故障していると判定すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の循環ポンプの故障検知方法。
  4. 前記制御手段は、
    前記放電ステップが終了した後、
    前記故障判定ステップで、前記酸素濃度検出手段によって検出される酸素濃度が所定値を超える場合、前記循環ポンプが故障していると判定すること
    を特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の循環ポンプの故障検知方法。
  5. カソード流路にカソードガスが供給され、アノード流路にアノードガスが供給されて発電する燃料電池と、
    前記カソード流路の流入口に接続されるカソードガス供給流路と、
    前記カソード流路の流出口に接続されるカソードオフガス排出流路と、
    前記カソードガス供給流路に設けられる入口封止弁と、
    前記カソードオフガス排出流路に設けられる出口封止弁と、
    前記入口封止弁よりも下流側の前記カソードガス供給流路と、前記出口封止弁よりも上流側の前記カソードオフガス排出流路とに接続され、カソードオフガスが前記カソード流路に戻るように設けられる戻り流路と、
    前記戻り流路に設けられる循環ポンプと、
    記アノード流路の流入口に接続されるアノードガス供給流路に設けられるアノード用圧力検出手段からなるシステム状態量検出手段と、
    前記アノード流路から流出するアノードオフガスを前記アノードガス供給流路に戻すように設けられるアノードオフガス循環流路と、
    前記アノードガス供給流路と前記アノードオフガス循環流路との合流点よりも上流側の前記アノードガス供給流路に設けられる遮断弁と、
    前記システム状態量検出手段によって検出されるシステム状態量に基づいて、前記循環ポンプの故障判定を行う制御手段と、
    を備える燃料電池システムで実行される循環ポンプの故障検知方法であって、
    前記制御手段は、
    前記入口封止弁及び前記出口封止弁を閉弁し、前記循環ポンプを駆動することで、前記戻り流路を介してカソードオフガスを循環させるカソードオフガス循環ステップと、
    前記遮断弁を閉弁し、前記アノードオフガス循環流路を介してアノードオフガスを循環させるアノードオフガス循環ステップと、
    前記燃料電池からの放電を行う放電ステップと、
    前記システム状態量検出手段によって検出されるシステム状態量に基づいて前記循環ポンプの故障判定を行う故障判定ステップと、を実行し、
    前記制御手段は、
    前記放電ステップが終了した後、
    前記故障判定ステップで、前記アノード用圧力検出手段によって検出される圧力値が所定値を超える場合、前記循環ポンプが故障していると判定すること
    を特徴とする循環ポンプの故障検知方法。
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