JP5949362B2 - 車両用フリクション検出装置及び車両用フリクション検出方法 - Google Patents

車両用フリクション検出装置及び車両用フリクション検出方法 Download PDF

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本発明は、サスペンションに発生するフリクションを検出する車両用フリクション検出装置及び車両用フリクション検出方法に関する。
従来、車両の挙動を制御する技術として、例えば、特許文献1に記載されている技術がある。
特許文献1に記載されている技術では、車両に作用する横力に基づき、ショックアブソーバに生じるフリクションを検出して、サスペンションに発生するフリクションを検出する。そして、検出したフリクションを用い、車両の挙動を制御するための指令値を算出する。
特開2010−137796号公報
ところで、サスペンションにフリクションを発生させる要素としては、車両に作用する横力以外にも、車輪の制動力及び駆動力により、サスペンションに入力される前後力がある。しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、横力のみを用いてフリクションを検出するため、横力が作用しにくい直進走行時等には、サスペンションに発生するフリクションを適切に検出することが困難であるという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、サスペンションに発生するフリクションを、車両の走行状態に応じて適切に検出することが可能な、車両用フリクション検出装置及び車両用フリクション検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、車体と車輪とを連結するサスペンションに発生するフリクションを、制動力フリクションと駆動力フリクションを合算して、各サスペンションに対して個別に検出する。ここで、制動力フリクションは、算出した車輪の制動力に基づいてサスペンションに発生するフリクションであり、駆動力フリクションは、算出した車輪の駆動力に基づいてサスペンションに発生するフリクションである。
本発明によれば、横力が作用しにくい直進走行時等においても、車輪の制動力及び駆動力により、サスペンションが入力を受ける前後力に基づいて、各サスペンションに発生するフリクションを、適切に検出することが可能となる。これにより、車両の走行状態に応じた挙動制御をより適切に行うことが可能となる。
本発明の第一実施形態の車両用フリクション検出装置を備える車両の概略構成を示すブロック図である。 フリクション検出ブロックの概略構成を示すブロック図である。 制動力算出部の概略構成を示すブロック図である。 駆動力算出部の概略構成を示すブロック図である。 サスペンション状態算出部の概略構成を示すブロック図である。 サスペンション横力算出部の概略構成を示すブロック図である。 制動力フリクション算出マップを示す図である。 駆動力フリクション算出マップを示す図である。 ストローク位置フリクション算出マップを示す図である。 ストローク速度フリクション算出マップを示す図である。 横力フリクション算出マップを示す図である。 乗り心地制御ブロックの概略構成を示すブロック図である。 操縦安定性制御ブロックの概略構成を示すブロック図である。 車両用フリクション検出装置を用いて行なう動作のフローチャートである。 車両用フリクション検出装置を用いて行なう動作のうち、車両の挙動を算出する処理を示すフローチャートである。 各車輪の制動力を算出する処理のうち、左前輪の制動力を算出する処理を示すタイムチャートである。 車両用フリクション検出装置を用いて行なう動作のうち、フリクション検出ブロックで各輪総フリクションを算出する処理を示すフローチャートである。 総フリクションを算出する処理を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、本実施形態と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本実施形態の車両用フリクション検出装置1を備える車両Vの概略構成を示すブロック図である。
図1中に示すように、車両用フリクション検出装置1を備える車両Vは、Gセンサ2と、ヨーレートセンサ4と、操舵角センサ6と、ドライバブレーキ液圧センサ8と、アクセル開度センサ10を備える。これに加え、車両Vは、シフトポジションセンサ12と、ストロークセンサ14と、モードスイッチ16と、車輪速センサ18と、制駆動力コントローラ20と、ブレーキペダル22と、マスタシリンダ24を備える。さらに、車両Vは、ブレーキアクチュエータ26と、動力コントロールユニット28と、動力ユニット30と、ホイールシリンダ32と、車輪W(右前輪WFR、左前輪WFL、右後輪WRR、左後輪WRL)と、サスペンションSPを備える。
Gセンサ2は、バネ上上下加速度センサの機能を有するブロックと、バネ下上下加速度センサの機能を有するブロックと、横加速度センサの機能を有するブロックと、前後加速度センサの機能を有するブロックを備える。
バネ上上下加速度センサの機能を有するブロックは、車両Vに対し、車体のバネ上部分における上下方向への加速度を検出する。そして、検出した加速度を含む情報信号(以降の説明では、「バネ上上下加速度信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
バネ下上下加速度センサの機能を有するブロックは、車両Vに対し、車体のバネ下部分における上下方向への加速度を検出する。そして、検出した加速度を含む情報信号(以降の説明では、「バネ下上下加速度信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
横加速度センサの機能を有するブロックは、車両Vに対し、車体の横方向(車幅方向)への加速度(以降の説明では、「実測横加速度」と記載する場合がある)を検出する。そして、検出した実測横加速度を含む情報信号(以降の説明では、「実測横加速度信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
前後加速度センサの機能を有するブロックは、車両Vに対し、車体の前後方向(車両前後方向)への加速度を検出する。そして、検出した加速度を含む情報信号(以降の説明では、「前後加速度信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
ヨーレートセンサ4は、車両Vのヨーレート(車体が旋回する方向への回転角の変化速度)を検出し、検出したヨーレートを含む情報信号(以降の説明では、「ヨーレート信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
操舵角センサ6は、例えば、図示しない操舵操作子(例えば、ステアリングホール)を回転可能に支持するステアリングコラム(図示せず)に設ける。
また、操舵角センサ6は、中立位置を基準とした操舵操作子の現在の回転角度(操舵操作量)である、現在操舵角を検出する。そして、操舵角センサ6は、検出した現在操舵角を含む情報信号(以降の説明では、「現在操舵角信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
ドライバブレーキ液圧センサ8は、マスタシリンダ24で発生する液圧(ブレーキ液圧)のうち、運転者によるブレーキペダル22の踏込み操作により発生する液圧(ドライバブレーキ液圧)を検出する。そして、検出したドライバブレーキ液圧を含む情報信号(以降の説明では、「ドライバブレーキ液圧信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
アクセル開度センサ10は、図示しないアクセルペダルの開度を検出し、検出した開度を含む情報信号(以降の説明では、「アクセル開度信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
シフトポジションセンサ12は、シフトノブやシフトレバー等、車両Vのギヤ位置(例えば、「P」、「D」、「R」等)を変更する部材の位置を検出する。そして、検出した位置を含む情報信号(以降の説明では、「ギヤ位置信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
ストロークセンサ14は、サスペンションSPの実測ストローク量(実測変位量)を検出し、検出した実測ストローク量を含む情報信号(以降の説明では、「実測ストローク量信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。なお、ストロークセンサ14は、各車輪Wに対して設置したサスペンションSPの実測ストローク量を、それぞれ個別に検出して、実測ストローク量信号を生成する。
モードスイッチ16は、VDCの制御及びTCSの制御の「ON」または「OFF」を、運転者の操作により、それぞれ、個別に切り替えるスイッチである。また、モードスイッチ16は、VDCの制御及びTCSの制御が「ON」または「OFF」である状態を含む情報信号(以降の説明では、「モード状態信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。なお、VDCとは、「Vehicle Dynamics Control」の略称であり、TCSとは、「Traction Control System」の略称である。
車輪速センサ18は、車輪Wの回転速度を検出し、検出した回転速度を含む情報信号(以降の説明では、「車輪速信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
なお、図1中では、右前輪WFRの回転速度を検出する車輪速センサ18を、車輪速センサ18FRと示し、左前輪WFLの回転速度を検出する車輪速センサ18を、車輪速センサ18FLと示す。同様に、図1中では、右後輪WRRの回転速度を検出する車輪速センサ18を、車輪速センサ18RRと示し、左後輪WRLの回転速度を検出する車輪速センサ18を、車輪速センサ18RLと示す。また、以降の説明においても、各車輪Wや各車輪速センサ18を、上記のように示す場合がある。
制駆動力コントローラ20は、車両V全体を制御するものであり、マイクロコンピュータで構成する。なお、マイクロコンピュータは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えた構成である。
また、制駆動力コントローラ20は、入力される各種の情報信号に基づいて後述する各種の処理を行い、ブレーキアクチュエータ26及び動力ユニット30を制御するための指示信号(制動力指令値、駆動力指令値)を出力する。
また、制駆動力コントローラ20は、フリクション検出ブロック34と、乗り心地制御ブロック36と、操縦安定性制御ブロック38を備える。なお、フリクション検出ブロック34、乗り心地制御ブロック36、操縦安定性制御ブロック38の構成については、後述する。
ブレーキペダル22は、車両Vの運転者が制動操作を行う際に踏込むペダルであり、運転者によるペダル踏力を、マスタシリンダ24に伝達する。
マスタシリンダ24は、運転者のペダル踏力に応じて、二系統の液圧を生成する(タンデム式)。なお、本実施形態では、一例として、マスタシリンダ24が、プライマリ側を左前輪・右後輪のホイールシリンダ32に伝達し、セカンダリ側を右前輪・左後輪のホイールシリンダ32に伝達する方式(ダイアゴナルスプリット方式)を用いる場合を説明する。
ブレーキアクチュエータ26は、マスタシリンダ24と各ホイールシリンダ32との間に介装した液圧制御装置である。また、ブレーキアクチュエータ26は、制駆動力コントローラ20から入力を受けた制動力指令値に応じて、各ホイールシリンダ32の油圧を変化させ、各車輪Wに制動力を付与する。
また、ブレーキアクチュエータ26は、ABS制御が作動しているか否かを示すフラグ情報信号(以降の説明では、「ABS作動フラグ信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。なお、ABSとは、「Antilocked Braking System」の略称である。
また、ブレーキアクチュエータ26は、車両Vが備えるシステムにより車輪Wに加わるブレーキ液圧の指令値を含む情報信号(以降の説明では、「付加機能ブレーキ液圧信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
なお、車両Vが備えるシステムとは、例えば、先行車追従走行制御を行なうシステムであり、車両Vと先行車との車間距離を、車両Vの車速に応じた距離に制御するためのシステムである。
また、ブレーキアクチュエータ26は、上述したVDC制御により車輪Wに加わるブレーキ液圧の指令値を含む情報信号(図中では、「VDC液圧信号」と示す)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
動力コントロールユニット28は、制駆動力コントローラ20から入力を受けた駆動力指令値に応じて、動力ユニット30が発生させる駆動力を制御する。なお、本実施形態では、後述するように、動力ユニット30を、エンジンを用いて形成するため、動力コントロールユニット28は、エンジンが発生させる駆動力に関する値(例えば、駆動トルク、回転数、トランスミッションのギヤ比)を制御する。
また、動力コントロールユニット28は、上述したTCS制御が作動しているか否かを示すフラグ情報信号(以降の説明では、「TCS作動フラグ信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
また、動力コントロールユニット28は、前輪及び後輪に対するトルクの制御値(トルクコントロール値)を含む情報信号(以降の説明では、「トルクコントロール信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
なお、前輪及び後輪に対するトルクの制御値とは、例えば、前輪(右前輪WFR、左前輪WFL)及び後輪(右後輪WRR、左後輪WRL)に対し、動力ユニット30(エンジン)が発生させているトルクを配分する比率である。また、前輪及び後輪に対するトルクの制御値とは、例えば、上述したVDC制御により各車輪Wに加わるトルクである。
また、動力コントロールユニット28は、動力ユニット30(エンジン)が発生させている現在のトルク(エンジントルク)を含む情報信号(以降の説明では、「現在トルク信号」と記載する場合がある)を、制駆動力コントローラ20へ出力する。
動力ユニット30は、車両Vの駆動力を発生させる構成であり、ドライブシャフト(図示せず)等を介して、各車輪Wに駆動力を付与する。なお、本実施形態では、一例として、動力ユニット30を、エンジンを用いて形成した場合について説明する。
ホイールシリンダ32は、ディスクブレーキを構成するブレーキパッド(図示せず)を、各車輪Wと一体に回転するディスクロータ(図示せず)に押し付けるための押圧力を発生する。
なお、図1中では、右前輪WFRに対して配置したホイールシリンダ32を、ホイールシリンダ32FRと示し、左前輪WFLに対して配置したホイールシリンダ32を、ホイールシリンダ32FLと示す。同様に、図1中では、右後輪WRRに対して配置したホイールシリンダ32を、ホイールシリンダ32RRと示し、左後輪WRLに対して配置したホイールシリンダ32を、ホイールシリンダ32RLと示す。また、以降の説明においても、各ホイールシリンダ32を、上記のように示す場合がある。
サスペンションSP(サスペンション装置)は、各車輪Wと車両Vの車体との間に設置した懸架装置である。
また、サスペンションSPは、具体的に、車体と各車輪W側の部材とを連結するリンク部材と、各車輪Wと車体との相対運動を緩衝させるバネと、各車輪Wと車体との相対運動を減衰させるショックアブソーバを有する。
なお、図1中では、右前輪WFRに対して設置したサスペンションSPを、サスペンションSPFRと示し、左前輪WFLに対して設置したサスペンションSPを、サスペンションSPFLと示す。同様に、図1中では、右後輪WRRに対して設置したサスペンションSPを、サスペンションSPRRと示し、左後輪WRLに対して設置したサスペンションSPを、サスペンションSPRLと示す。また、以降の説明においても、各サスペンションSPを、上記のように示す場合がある。
(フリクション検出ブロック34の構成)
次に、図1を参照しつつ、図2から図11を用いて、フリクション検出ブロック34の構成を説明する。
図2は、フリクション検出ブロック34の概略構成を示すブロック図である。
図2中に示すように、フリクション検出ブロック34は、制動力算出部40と、駆動力算出部42と、サスペンション状態算出部44と、サスペンション横力算出部46を備える。これに加え、フリクション検出ブロック34は、制動力フリクション算出部48と、駆動力フリクション算出部50と、サスペンション状態フリクション算出部52と、横力フリクション算出部54と、総フリクション算出部56を備える。
図3は、制動力算出部40の概略構成を示すブロック図である。
図3中に示すように、制動力算出部40は、ブレーキ液圧合算部58と、ブレーキ液圧値選択部60と、車輪制動力算出部62を備える。
ここで、ブレーキ液圧合算部58、ブレーキ液圧値選択部60及び車輪制動力算出部62で行なう処理は、各車輪W(右前輪WFR、左前輪WFL、右後輪WRR、左後輪WRL)に対して個別に行なう。
ブレーキ液圧合算部58は、ドライバブレーキ液圧センサ8から、ドライバブレーキ液圧信号(図中では、「ドライバブレーキ液圧」と示す)の入力を受ける。また、ブレーキ液圧合算部58は、ブレーキアクチュエータ26から、付加機能ブレーキ液圧信号(図中では、「付加機能ブレーキ液圧」と示す)と、VDC液圧信号(図中では、「VDC液圧」と示す)の入力を受ける。
そして、ブレーキ液圧合算部58は、入力を受けたドライバブレーキ液圧信号が含む液圧と、付加機能ブレーキ液圧信号及びVDC液圧信号が含む指令値に応じた液圧を合算する。そして、合算した液圧を含む情報信号(以降の説明では、「液圧合算値信号」と記載する場合がある)を、ブレーキ液圧値選択部60へ出力する。
なお、VDC液圧信号が含む指令値に応じた液圧を他の液圧に合算する際には、例えば、モードスイッチ16が出力したモード状態信号を参照する。そして、VDCの制御が「ON」である状態がモード状態信号に含まれている場合のみ、VDC液圧信号が含む指令値に応じた液圧を他の液圧に合算する処理を行ってもよい。
ブレーキ液圧値選択部60は、例えば、マルチプレクサ(multiplexer)回路を用いて形成する。また、ブレーキ液圧値選択部60は、ブレーキアクチュエータ26から、ABS作動フラグ信号(図中では、「ABS作動フラグ」と示す)の入力を受ける。また、ブレーキ液圧値選択部60は、ブレーキ液圧合算部58から、液圧合算値信号の入力を受ける。また、ブレーキ液圧値選択部60は、予め記憶しているブレーキ液圧が「0」である場合の液圧値を示す情報信号(図中では、「液圧ゼロ」と示す)の入力を受ける。
そして、ABS作動フラグ信号が、ABS制御が作動している(「ON」)フラグ情報信号である場合、ブレーキ液圧が「0」である場合の液圧値を示す情報信号を選択する。一方、ABS作動フラグ信号が、ABS制御が作動していない(「OFF」)フラグ情報信号である場合、液圧合算値信号を選択する。さらに、選択した信号を、現在のブレーキ液圧を示す情報信号(以降の説明では、「現在液圧信号」と記載する場合がある)として、車輪制動力算出部62へ出力する。
車輪制動力算出部62は、ブレーキ液圧値選択部60から入力を受けた現在液圧信号が含むブレーキ液圧を、予め記憶している制動力算出マップに適合させて、車輪Wの制動力を算出する。そして、算出した各車輪W別の制動力と、制動力を算出した車輪Wの個別ID(右前輪、左前輪、右後輪、左後輪)を含む情報信号(以降の説明では、「個別車輪制動力信号」と記載する場合がある)を、制動力フリクション算出部48へ出力する。さらに、個別車輪制動力信号を、操縦安定性制御ブロック38へ出力する。
ここで、制動力算出マップは、図中に示すように、横軸にブレーキ液圧(図中では、「液圧」と示す)を示し、縦軸に車輪Wの制動力(図中では、「制動力」と示す)を示すマップである。また、制動力算出マップ中に示すブレーキ液圧と車輪Wの制動力との関係は、車輪Wを形成するタイヤのグリップ能力に応じて、その関係度合いが変化する。具体的には、ブレーキ液圧が増加して、車輪Wの制動力がタイヤのグリップ能力の限界に近づくほど、車輪Wの制動力は、その増加度合いが減少する。
以上により、制動力算出部40は、各車輪Wに対し、その制動力を個別に算出する。
図4は、駆動力算出部42の概略構成を示すブロック図である。
図4中に示すように、駆動力算出部42は、推定トルク算出部64と、トルク値選択部66と、車輪駆動力算出部68を備える。
ここで、推定トルク算出部64、トルク値選択部66及び車輪駆動力算出部68で行なう処理は、各車輪Wに対して個別に行なう。
推定トルク算出部64は、アクセル開度センサ10から、アクセル開度信号(図中では、「アクセル開度」と示す)の入力を受ける。また、推定トルク算出部64は、動力コントロールユニット28から、現在トルク信号(図中では、「現在エンジントルク」と示す)と、トルクコントロール信号(図中では、「トルクコントロール機能」と示す)の入力を受ける。
そして、推定トルク算出部64は、入力を受けたアクセル開度信号が含むアクセル開度と、現在トルク信号が含むトルクと、トルクコントロール信号が含むトルクに基づき、推定エンジントルクを算出する。そして、算出した推定エンジントルクを含む情報信号(以降の説明では、「推定エンジントルク信号」と記載する場合がある)を、トルク値選択部66へ出力する。
トルク値選択部66は、例えば、ブレーキ液圧値選択部60と同様、マルチプレクサ回路を用いて形成する。また、トルク値選択部66は、動力コントロールユニット28から、TCS作動フラグ信号(図中では、「TCS作動フラグ」と示す)の入力を受ける。また、トルク値選択部66は、推定トルク算出部64から、推定エンジントルク信号の入力を受ける。また、トルク値選択部66は、予め記憶しているトルクが「0」である状態を示す情報信号(図中では、「トルクゼロ」と示す)の入力を受ける。
そして、TCS作動フラグ信号が、TCS制御が作動している(「ON」)フラグ情報信号である場合、トルクが「0」である情報信号を選択する。一方、TCS作動フラグ信号が、TCS制御が作動していない(「OFF」)フラグ情報信号である場合、推定エンジントルク信号を選択する。さらに、選択した信号を、現在のトルクを示す情報信号(以降の説明では、「現在トルク信号」と記載する場合がある)として、車輪駆動力算出部68へ出力する。
車輪駆動力算出部68は、トルク値選択部66から入力を受けた現在トルク信号が含むトルクを、予め記憶している駆動力算出マップに適合させて、車輪Wの駆動力を算出する。そして、算出した各車輪W別の駆動力と、駆動力を算出した車輪Wの個別IDを含む情報信号(以降の説明では、「個別車輪駆動力信号」と記載する場合がある)を、駆動力フリクション算出部50及び操縦安定性制御ブロック38へ出力する。
ここで、駆動力算出マップは、図中に示すように、横軸にトルクを示し、縦軸に車輪Wの駆動力(図中では、「駆動力」と示す)を示すマップである。また、駆動力算出マップ中に示すトルクと車輪Wの駆動力との関係は、車輪Wを形成するタイヤのグリップ能力に応じて、その関係度合いが変化する。具体的には、トルクが増加して、車輪Wの駆動力がタイヤのグリップ能力の限界に近づくほど、車輪Wの駆動力は、その増加度合いが減少する。
以上により、駆動力算出部42は、各車輪Wに対し、その駆動力を個別に算出する。
図5は、サスペンション状態算出部44の概略構成を示すブロック図である。
図5中に示すように、サスペンション状態算出部44は、バネ上側積分処理部70と、バネ下側積分処理部72と、上下加速度加減算処理部74を備える。これに加え、サスペンション状態算出部44は、ストローク速度積分処理部76と、ストローク速度微分処理部78と、車輪ストローク選択部80と、車輪ストローク速度選択部82を備える。
ここで、バネ上側積分処理部70、バネ下側積分処理部72、上下加速度加減算処理部74、ストローク速度積分処理部76で行なう処理は、各サスペンションSPに対して個別に行なう。これに加え、ストローク速度微分処理部78、車輪ストローク選択部80、車輪ストローク速度選択部82で行なう処理は、各サスペンションSPに対して個別に行なう。
バネ上側積分処理部70は、バネ上上下加速度センサの機能を有するブロック(図中では、「バネ上上下Gセンサ」と示す)から、バネ上上下加速度信号の入力を受ける。そして、バネ上側積分処理部70は、入力を受けたバネ上上下加速度信号が含むバネ上部分における上下方向への加速度を積分し、バネ上部分における上下方向へのサスペンションSPの変位速度を算出する。そして、算出したバネ上部分における上下方向へのサスペンションSPの変位速度を含む情報信号(以降の説明では、「バネ上上下速度信号」と記載する場合がある)を、上下加速度加減算処理部74へ出力する。
バネ下側積分処理部72は、バネ下上下加速度センサの機能を有するブロック(図中では、「バネ下上下Gセンサ」と示す)から、バネ下上下加速度信号の入力を受ける。そして、バネ下側積分処理部72は、入力を受けたバネ下上下加速度信号が含むバネ下部分における上下方向への加速度を積分し、バネ下部分における上下方向へのサスペンションSPの変位速度を算出する。そして、算出したバネ下部分における上下方向へのサスペンションSPの変位速度を含む情報信号(以降の説明では、「バネ下上下速度信号」と記載する場合がある)を、上下加速度加減算処理部74へ出力する。
上下加速度加減算処理部74は、バネ上側積分処理部70からバネ上上下速度信号の入力を受け、バネ下側積分処理部72からバネ下上下速度信号の入力を受ける。そして、入力を受けたバネ上上下速度信号が含む変位速度から、入力を受けたバネ下上下速度信号が含む変位速度を減算し、サスペンションSPの推定ストローク速度を算出する。さらに、算出した推定ストローク速度を含む情報信号(以降の説明では、「推定ストローク速度信号」と記載する場合がある)を、ストローク速度積分処理部76及び車輪ストローク速度選択部82へ出力する。
ストローク速度積分処理部76は、上下加速度加減算処理部74から入力を受けた推定ストローク速度信号が含む推定ストローク速度を積分し、サスペンションSPの推定ストローク量(推定変位量)を算出する。そして、算出したサスペンションSPの推定ストローク量を含む情報信号(以降の説明では、「推定ストローク量信号」と記載する場合がある)を、車輪ストローク選択部80へ出力する。
ストローク速度微分処理部78は、ストロークセンサ14から入力を受けた実測ストローク量信号が含むサスペンションSPの実測ストローク量を単位時間で微分し、サスペンションSPの実測ストローク速度を算出する。そして、算出したサスペンションSPの実測ストローク速度を含む情報信号(以降の説明では、「実測ストローク速度信号」と記載する場合がある)を、車輪ストローク速度選択部82へ出力する。
車輪ストローク選択部80は、実測ストローク量信号が含む実測ストローク量と、推定ストローク量信号が含む推定ストローク量のうち一方を、サスペンションSPのストローク量として選択する。そして、選択したストローク量とサスペンションSPの中立位置に基づき、サスペンションSPのストローク位置を算出する。ここで、サスペンションSPの中立位置とは、無負荷の状態におけるサスペンションSPの位置である。また、サスペンションSPのストローク位置とは、無負荷の状態におけるサスペンションSPの位置を基準として、選択したストローク量だけ変位した位置である。
さらに、車輪ストローク選択部80は、算出したストローク位置を含む情報信号(以降の説明では、「サスペンションストローク位置信号」と記載する場合がある)を、サスペンション状態フリクション算出部52へ出力する。なお、サスペンションストローク位置信号は、ストローク量を選択したサスペンションSPを設置した車輪Wの個別IDを含む。
ここで、車輪ストローク選択部80は、例えば、ストロークセンサ14に故障等の異常が発生している場合に、推定ストローク量をサスペンションSPのストローク量として選択する処理を行う。
車輪ストローク速度選択部82は、推定ストローク速度信号が含む推定ストローク速度と、実測ストローク速度信号が含む実測ストローク速度のうち一方を、サスペンションSPのストローク速度として選択する。そして、選択したストローク速度を含む情報信号(以降の説明では、「サスペンションストローク速度信号」と記載する場合がある)を、サスペンション状態フリクション算出部52へ出力する。なお、サスペンションストローク速度信号は、ストローク速度を選択したサスペンションSPを設置した車輪Wの個別IDを含む。
ここで、車輪ストローク速度選択部82は、例えば、ストロークセンサ14に故障等の異常が発生している場合に、推定ストローク速度をサスペンションSPのストローク速度として選択する処理を行う。
以上により、サスペンション状態算出部44は、各サスペンションSP(サスペンションSPFR、サスペンションSPFL、サスペンションSPRR、サスペンションSPRL)に対し、そのストローク位置を個別に算出する。
また、サスペンション状態算出部44は、各サスペンションSPに対し、そのストローク速度を個別に算出する。
図6は、サスペンション横力算出部46の概略構成を示すブロック図である。
図6中に示すように、サスペンション横力算出部46は、車両状態算出部84と、横加速度選択部86と、第一車輪サスペンション横力算出部88と、第二車輪サスペンション横力算出部90と、横力決定部92を備える。
ここで、車両状態算出部84、横加速度選択部86、第一車輪サスペンション横力算出部88、第二車輪サスペンション横力算出部90、横力決定部92で行なう処理は、各サスペンションSPに対して個別に行なう。
車両状態算出部84は、車輪速センサ18から、車両Vの速度(車速)を検出するための車輪Wの回転速度を含む車輪速信号(図中では、「車速」と示す)の入力を受ける。また、車両状態算出部84は、操舵角センサ6から現在操舵角信号(図中では、「舵角」と示す)の入力を受ける。
そして、車両状態算出部84は、車輪速信号が含む車輪Wの回転速度に基づく車速と、現在操舵角信号が含む現在操舵角を用いて、推定横加速度を算出する。そして、算出した推定横加速度を含む情報信号(以降の説明では、「推定横加速度信号」と記載する場合がある)を、横加速度選択部86へ出力する。
ここで、推定横加速度の算出は、入力を受けた車速と操舵角を、予め記憶している運動方程式に代入して行なう。なお、運動方程式は、例えば、車両Vの構成が二輪駆動車(2WD)の場合と、四輪駆動車(4WD)の場合の二通りを記憶させておく。
また、車両状態算出部84は、車輪速信号が含む車輪Wの回転速度に基づく車速と、現在操舵角信号が含む現在操舵角を用いて、例えば、車輪Wに対し、予め設定した荷重当たりのスリップ角を、車両状態として算出する。そして、算出した車両状態を含む情報信号(以降の説明では、「算出車両状態信号」と記載する場合がある)を、第二車輪サスペンション横力算出部90へ出力する。
横加速度選択部86は、車両状態算出部84から推定横加速度信号の入力を受け、横加速度センサの機能を有するブロック(図中では、「横Gセンサ」と示す)から実測横加速度信号の入力を受ける。そして、推定横加速度信号が含む推定横加速度と、実測横加速度信号が含む実測横加速度のうち一方を、車体の横方向の加速度として選択する。そして、選択した横方向の加速度を含む情報信号(以降の説明では、「選択横方向加速度信号」と記載する場合がある)を、第一車輪サスペンション横力算出部88へ出力する。
ここで、横加速度選択部86は、例えば、Gセンサ2(横加速度センサの機能を有するブロック)に故障等の異常が発生している場合に、推定横加速度を車体の横方向の加速度として選択する処理を行う。
第一車輪サスペンション横力算出部88は、横加速度選択部86から入力を受けた選択横方向加速度信号が含む横方向の加速度を、予め記憶している横力算出マップに適合させて、サスペンションSPの横力を算出する。そして、算出した各サスペンションSP別の横力を含む情報信号(以降の説明では、「第一個別車輪横力信号」と記載する場合がある)を、横力決定部92へ出力する。なお、第一個別車輪横力信号は、横力を算出したサスペンションSPを設置した車輪Wの個別IDを含む。
ここで、横力算出マップは、図中に示すように、横軸に横方向の加速度(図中では、「横G」と示す)を示し、縦軸にサスペンションSPの横力(図中では、「サスペンション横力」と示す)を示すマップである。また、横力算出マップ中に示す横方向の加速度と横力との関係は、車輪Wを形成するタイヤのグリップ能力に応じて、その関係度合いが変化する。具体的には、トルクが増加して、サスペンションSPの横力がタイヤのグリップ能力の限界に近づくほど、サスペンションSPの横力は、その増加度合いが減少する。
第二車輪サスペンション横力算出部90は、車両状態算出部84から入力を受けた算出車両状態信号が含む車両状態を、予め記憶している車輪Wの諸元(タイヤモデル)に代入して、サスペンションSPの横力を算出する。そして、算出した各サスペンションSP別の横力を含む情報信号(以降の説明では、「第二個別車輪横力信号」と記載する場合がある)を、横力決定部92へ出力する。なお、第一個別車輪横力信号は、第二個別車輪横力信号と同様、横力を算出したサスペンションSPを設置した車輪Wの個別IDを含む。
なお、第二車輪サスペンション横力算出部90に記憶している車輪Wの諸元は、車両Vの走行距離等に応じて更新・変更してもよい。
横力決定部92は、第一個別車輪横力信号が含む横力と、第二個別車輪横力信号が含む横力のうち少なくとも一方に基づき、各サスペンションSP別の横力を算出する。そして、算出した各サスペンションSP別の横力を含む情報信号(以降の説明では、「各輪横力信号」と記載する場合がある)を、横力フリクション算出部54へ出力する。
ここで、横力決定部92が行なう処理では、例えば、第一個別車輪横力信号が含む横力と第二個別車輪横力信号が含む横力のうち一方を、各サスペンションSP別の横力として算出してもよい。また、二つの横力の平均値を、各サスペンションSP別の横力として算出してもよい。
以上により、サスペンション横力算出部46は、各サスペンションSPに対し、その横力を個別に算出する。
制動力フリクション算出部48は、制動力算出部40から入力を受けた個別車輪制動力信号が含む制動力を、予め記憶している制動力フリクション算出マップに適合させる。これにより、制動力によって、各サスペンションSPに発生するフリクションを算出する。そして、算出した各サスペンションSP別のフリクションを含む情報信号(以降の説明では、「制動力フリクション信号」と記載する場合がある)を、総フリクション算出部56へ出力する。なお、以降の説明では、制動力によりサスペンションSPに発生するフリクションを、「制動力フリクション」と記載する場合がある。
ここで、制動力フリクション算出マップは、図7中に示すように、横軸に車輪Wの制動力(図中では、「制動力[N]」と示す)を示すマップである。さらに、制動力フリクション算出マップは、縦軸に、制動力によりサスペンションSPに発生するフリクション(図中では、「フリクション‐制動力[N]」と示す)を示すマップである。なお、図7は、制動力フリクション算出マップを示す図である。また、図7中では、制動力により前輪WFと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPFR、サスペンションSPFL)に発生するフリクションを実線(図中では、「フリクション‐前軸制動力[N]」と示す)で示す。また、制動力により後輪WRと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPRR、サスペンションSPRL)に発生するフリクションを破線(図中では、「フリクション‐後軸制動力[N]」と示す)で示す。
以上により、制動力フリクション算出部48は、制動力算出部40が算出した制動力に基づいて発生する制動力フリクションを、各サスペンションSPに対して個別に算出する。なお、制動力フリクションは、制動力算出部40が算出した制動力に基づいてサスペンションSPに発生するフリクションの推定値である。
駆動力フリクション算出部50は、駆動力算出部42から入力を受けた個別車輪駆動力信号が含む駆動力を、予め記憶している駆動力フリクション算出マップに適合させる。これにより、駆動力によって、各サスペンションSPに発生するフリクションを算出する。そして、算出した各サスペンションSP別のフリクションを含む情報信号(以降の説明では、「駆動力フリクション信号」と記載する場合がある)を、総フリクション算出部56へ出力する。なお、以降の説明では、駆動力によりサスペンションSPに発生するフリクションを、「駆動力フリクション」と記載する場合がある。
ここで、駆動力フリクション算出マップは、図8中に示すように、横軸に車輪Wの駆動力(図中では、「駆動力[N]」と示す)を示すマップである。さらに、駆動力フリクション算出マップは、縦軸に、駆動力によりサスペンションSPに発生するフリクション(図中では、「フリクション‐駆動力[N]」と示す)を示すマップである。なお、図8は、駆動力フリクション算出マップを示す図である。また、図8中では、駆動力により前輪WFと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPFR、サスペンションSPFL)に発生するフリクションを実線(図中では、「フリクション‐前軸駆動力[N]」と示す)で示す。また、駆動力により後輪WRと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPRR、サスペンションSPRL)に発生するフリクションを破線(図中では、「フリクション‐後軸駆動力[N]」と示す)で示す。さらに、図8中に示す駆動力フリクション算出マップでは、マップの右半分を加速状態の領域として用い、マップの左半分をエンジンブレーキ作動状態の領域として用いる。
以上により、駆動力フリクション算出部50は、駆動力算出部42が算出した駆動力に基づいて発生する駆動力フリクションを、各サスペンションSPに対して個別に算出する。なお、駆動力フリクションは、駆動力算出部42が算出した駆動力に基づいてサスペンションSPに発生するフリクションの推定値である。
サスペンション状態フリクション算出部52は、サスペンション状態算出部44から入力を受けたサスペンションストローク位置信号が含むストローク位置を、予め記憶しているストローク位置フリクション算出マップに適合させる。これにより、サスペンション状態フリクション算出部52は、ストローク位置に応じてサスペンションSPに発生するフリクションを算出する。そして、算出した各サスペンションSP別のフリクションを含む情報信号(以降の説明では、「ストローク位置フリクション信号」と記載する場合がある)を、総フリクション算出部56へ出力する。なお、以降の説明では、ストローク位置に応じてサスペンションSPに発生するフリクションを、「ストローク位置フリクション」と記載する場合がある。
ここで、ストローク位置フリクション算出マップは、図9中に示すように、横軸にサスペンションSPのストローク位置(図中では、「ストローク位置[mm]」と示す)を示すマップである。さらに、ストローク位置フリクション算出マップは、縦軸に、ストローク位置に応じてサスペンションSPに発生するフリクション(図中では、「フリクション‐ストローク位置[N]」と示す)を示すマップである。なお、図9は、ストローク位置フリクション算出マップを示す図である。また、図9中では、ストローク位置に応じて前輪WFと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPFR、サスペンションSPFL)に発生するフリクションを実線(図中では、「フリクション‐前軸ストローク位置[mm]」と示す)で示す。また、ストローク位置に応じて後輪WRと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPRR、サスペンションSPRL)に発生するフリクションを破線(図中では、「フリクション‐後軸ストローク位置[mm]」と示す)で示す。さらに、図9中に示すストローク位置フリクション算出マップでは、マップの右半分を上方への変位を示す領域として用い、マップの左半分を下方への変位を示す領域として用いる。
また、サスペンション状態フリクション算出部52は、サスペンション状態算出部44から入力を受けたサスペンションストローク速度信号が含むストローク速度を、予め記憶しているストローク速度フリクション算出マップに適合させる。これにより、サスペンション状態フリクション算出部52は、ストローク速度に応じてサスペンションSPに発生するフリクションを算出する。そして、算出した各サスペンションSP別のフリクションを含む情報信号(以降の説明では、「ストローク速度フリクション信号」と記載する場合がある)を、総フリクション算出部56へ出力する。なお、以降の説明では、ストローク速度に応じてサスペンションSPに発生するフリクションを、「ストローク速度フリクション」と記載する場合がある。
ここで、ストローク速度フリクション算出マップは、図10中に示すように、横軸にサスペンションSPのストローク速度(図中では、「ストローク速度[m/s]」と示す)を示すマップである。さらに、ストローク速度フリクション算出マップは、縦軸に、ストローク速度に応じてサスペンションSPに発生するフリクション(図中では、「フリクション‐ストローク速度[N]」と示す)を示すマップである。なお、図10は、ストローク速度フリクション算出マップを示す図である。また、図10中では、ストローク速度に応じて前輪WFと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPFR、サスペンションSPFL)に発生するフリクションを実線(図中では、「フリクション‐前軸ストローク速度[m/s]」と示す)で示す。また、ストローク速度に応じて後輪WRと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPRR、サスペンションSPRL)に発生するフリクションを破線(図中では、「フリクション‐後軸ストローク速度[m/s]」と示す)で示す。さらに、図10中に示すストローク速度フリクション算出マップでは、マップの右半分を上方への変位を示す領域として用い、マップの左半分を下方への変位を示す領域として用いる。
以上により、サスペンション状態フリクション算出部52は、サスペンション状態算出部44が算出したストローク位置に基づいて発生するストローク位置フリクションを、各サスペンションSPに対して個別に算出する。なお、ストローク位置フリクションは、サスペンション状態算出部44が算出したストローク位置に基づいてサスペンションSPに発生するフリクションの推定値である。
また、サスペンション状態フリクション算出部52は、サスペンション状態算出部44が算出したストローク速度に基づいて発生するストローク速度フリクションを、各サスペンションSPに対して個別に算出する。なお、ストローク速度フリクションは、サスペンション状態算出部44が算出したストローク速度に基づいてサスペンションSPに発生するフリクションの推定値である。
横力フリクション算出部54は、サスペンション横力算出部46から入力を受けた各輪横力信号が含む各サスペンションSP別の横力を、予め記憶している横力フリクション算出マップに適合させる。これにより、横力フリクション算出部54は、横力に応じてサスペンションSPに発生するフリクションを算出する。そして、算出した各サスペンションSP別のフリクションを含む情報信号(以降の説明では、「横力フリクション信号」と記載する場合がある)を、総フリクション算出部56へ出力する。なお、以降の説明では、横力に応じてサスペンションSPに発生するフリクションを、「横力フリクション」と記載する場合がある。
ここで、横力フリクション算出マップは、図11中に示すように、横軸に、サスペンションSPの横力(図中では、「横力[N]」と示す)を示すマップである。さらに、横力フリクション算出マップは、縦軸に、横力に応じてサスペンションSPに発生するフリクション(図中では、「フリクション‐横力[N]」と示す)を示すマップである。なお、図11は、横力フリクション算出マップを示す図である。また、図11中では、横力に応じて前輪WFと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPFR、サスペンションSPFL)に発生するフリクションを実線(図中では、「フリクション‐前軸横力[N]」と示す)で示す。また、横力に応じて後輪WRと車体とを連結するサスペンションSP(サスペンションSPRR、サスペンションSPRL)に発生するフリクションを破線(図中では、「フリクション‐後軸横力[N]」と示す)で示す。さらに、図11中に示す横力フリクション算出マップでは、マップの右半分を、車両Vを車両前後方向後方から見た右側への横力に対応した領域として用い、マップの左半分を、車両Vを車両前後方向後方から見た左側への横力に対応した領域として用いる。
以上により、横力フリクション算出部54は、サスペンション横力算出部46が算出した横力に基づいて発生する横力フリクションを、各サスペンションSPに対して個別に算出する。なお、横力フリクションは、サスペンション横力算出部46が算出した横力に基づいてサスペンションSPに発生するフリクションの推定値である。
なお、上述した制動力フリクション算出マップ、駆動力フリクション算出マップ、ストローク位置フリクション算出マップ、ストローク速度フリクション算出マップ、横力フリクション算出マップは、台上走行や路上走行等で計測したデータを用いて形成する。ここで、台上走行とは、例えば、シャシーダイナモメーター(chassis dynamometer)上の走行である。
総フリクション算出部56は、制動力フリクション算出部48から制動力フリクション信号の入力を受け、駆動力フリクション算出部50から駆動力フリクション信号の入力を受ける。これに加え、サスペンション状態フリクション算出部52からストローク位置フリクション信号及びストローク速度フリクション信号の入力を受け、横力フリクション算出部54から横力フリクション信号の入力を受ける。そして、制動力フリクションと、駆動力フリクションと、ストローク位置フリクションと、ストローク速度フリクションと、横力フリクションを合算する。
これにより、一つのサスペンションSPの総フリクション(以降の説明では、「各輪総フリクション」と記載する場合がある)を算出する。さらに、算出した各輪総フリクションを含む情報信号(以降の説明では、「各輪総フリクション信号」と記載する場合がある)を、乗り心地制御ブロック36及び操縦安定性制御ブロック38へ出力する。
(乗り心地制御ブロック36の構成)
次に、図1から図11を参照しつつ、図12を用いて、乗り心地制御ブロック36の構成を説明する。
図12は、乗り心地制御ブロック36の概略構成を示すブロック図である。
図12中に示すように、乗り心地制御ブロック36は、乗り心地制御側車両挙動算出部94と、乗り心地制御側目標フリクション算出部96と、乗り心地制御側制駆動力配分算出部98と、制動力指令値算出部100と、駆動力指令値算出部102を備える。
乗り心地制御側車両挙動算出部94は、上述した車輪速信号(図中では、「車速」と示す)、現在操舵角信号(図中では、「舵角」と示す)の入力を受ける。これに加え、乗り心地制御側車両挙動算出部94は、バネ上上下加速度信号、バネ下上下加速度信号及び実測ストローク量信号(図中では、「サスペンション」と示す)の入力を受ける。また、乗り心地制御側車両挙動算出部94には、予め、車両Vの諸元(車重、車重のバランス等、以降の説明では、「車両諸元」と記載する場合がある)を記憶させてある。
また、乗り心地制御側車両挙動算出部94は、バネ上上下加速度、バネ下上下加速度、実測ストローク量を用いて、車両Vの上下方向への挙動の推定値である、推定上下挙動を算出する。そして、算出した推定上下挙動を含む情報信号(以降の説明では、「推定上下挙動信号」と記載する場合がある)を、乗り心地制御側目標フリクション算出部96へ出力する。なお、推定上下挙動を算出する処理は、車両諸元を参照して行なってもよい。
また、乗り心地制御側車両挙動算出部94は、車速と現在操舵角を用いて、車両Vのヨーレートの推定値である、推定ヨーレートを算出する。そして、算出した推定ヨーレートを含む情報信号(以降の説明では、「推定ヨーレート信号」と記載する場合がある)を、乗り心地制御側制駆動力配分算出部98へ出力する。なお、推定ヨーレートを算出する処理は、車両諸元を参照して行なってもよい。
乗り心地制御側目標フリクション算出部96は、乗り心地制御側車両挙動算出部94から推定上下挙動信号の入力を受け、総フリクション算出部56から各輪総フリクション信号の入力を受ける。また、乗り心地制御側目標フリクション算出部96は、上述した車輪速信号の入力を受ける。
そして、乗り心地制御側目標フリクション算出部96は、推定上下挙動と、各輪総フリクションと、車速を用いて、乗り心地制御用各輪目標フリクションを算出する。
ここで、乗り心地制御用各輪目標フリクションとは、車両Vの上下挙動を緩和させるために、各サスペンションSPに発生させるフリクションの目標値である。
さらに、乗り心地制御側目標フリクション算出部96は、乗り心地制御用各輪目標フリクションと各輪総フリクションとの差分値である乗り心地制御用フリクション差分値を算出する。そして、算出した乗り心地制御用フリクション差分値を含む情報信号(以降の説明では、「乗り心地制御用フリクション差分値信号」と記載する場合がある)を、乗り心地制御側制駆動力配分算出部98へ出力する。
乗り心地制御側制駆動力配分算出部98は、乗り心地制御側目標フリクション算出部96から乗り心地制御用フリクション差分値信号の入力を受け、総フリクション算出部56から各輪総フリクション信号の入力を受ける。また、乗り心地制御側制駆動力配分算出部98は、乗り心地制御側車両挙動算出部94から推定ヨーレート信号の入力を受ける。
そして、乗り心地制御側制駆動力配分算出部98は、推定ヨーレート、各輪総フリクション及び乗り心地制御用各輪目標フリクションを用いて、乗り心地制御側制駆動力配分を算出する。
ここで、乗り心地制御側制駆動力配分とは、車両Vの上下挙動を緩和させるための、車輪Wの制動力と車輪Wの駆動力との配分である。すなわち、乗り心地制御側制駆動力配分は、乗り心地制御用各輪目標フリクション(目標値)に対する各車輪Wのフリクション(実際値)の過不足分を補正するために、車輪Wの制動力及び駆動力を制御するための配分である。
さらに、乗り心地制御側制駆動力配分算出部98は、算出した乗り心地制御側制駆動力配分を含む情報信号(以降の説明では、「乗り心地制御側制駆動力配分信号」と記載する場合がある)を、制動力指令値算出部100及び駆動力指令値算出部102へ出力する。
制動力指令値算出部100は、乗り心地制御側制駆動力配分算出部98から入力を受けた乗り心地制御側制駆動力配分信号が含む制駆動力配分のうち、車輪Wの制動力の配分を用いて、制動力指令値を算出する。そして、算出した制動力指令値を、ブレーキアクチュエータ26へ出力する。
駆動力指令値算出部102は、乗り心地制御側制駆動力配分算出部98から入力を受けた乗り心地制御側制駆動力配分信号が含む制駆動力配分のうち、車輪Wの駆動力の配分を用いて、駆動力指令値を算出する。そして、算出した駆動力指令値を、動力コントロールユニット28へ出力する。
(操縦安定性制御ブロック38の構成)
次に、図1から図12を参照しつつ、図13を用いて、操縦安定性制御ブロック38の構成を説明する。
図13は、操縦安定性制御ブロック38の概略構成を示すブロック図である。
図13中に示すように、操縦安定性制御ブロック38は、推定前後力算出部104と、操縦安定性制御側車両挙動算出部106と、操縦安定性制御側目標フリクション算出部108を備える。これに加え、操縦安定性制御ブロック38は、操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110と、制動力指令値算出部100と、駆動力指令値算出部102を備える。
推定前後力算出部104は、制動力算出部40から個別車輪制動力信号の入力を受け、駆動力算出部42から個別車輪駆動力信号の入力を受ける。そして、算出した各車輪W別の制動力及び個別IDと、算出した各車輪W別の駆動力及び個別IDを用いて、車両Vに作用する力のうち、車両前後方向への力の推定値である、推定前後力を算出する。
また、推定前後力算出部104は、算出した推定前後力を含む情報信号(以降の説明では、「推定前後力信号」と記載する場合がある)を、操縦安定性制御側車両挙動算出部106へ出力する。
操縦安定性制御側車両挙動算出部106は、上述した車輪速信号(図中では、「車速」と示す)、現在操舵角信号(図中では、「舵角」と示す)、推定前後力信号の入力を受ける。また、操縦安定性制御側車両挙動算出部106には、予め、車両諸元を記憶させてある。
また、操縦安定性制御側車両挙動算出部106は、車速と現在操舵角を用いて、車両Vのロールレートの推定値である推定ロールレートを算出する。そして、算出した推定ロールレートを含む情報信号(以降の説明では、「推定ロールレート信号」と記載する場合がある)を、操縦安定性制御側目標フリクション算出部108へ出力する。なお、推定ロールレートを算出する処理は、車両諸元を参照して行なってもよい。
また、操縦安定性制御側車両挙動算出部106は、車速と現在操舵角を用いて、乗り心地制御側車両挙動算出部94と同様、上述した推定ヨーレートを算出する。そして、推定ヨーレート信号を、操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110へ出力する。
また、操縦安定性制御側車両挙動算出部106は、推定前後力を用いて、車両Vのピッチレートの推定値である推定ピッチレートを算出する。そして、算出した推定ピッチレートを含む情報信号(以降の説明では、「推定ピッチレート信号」と記載する場合がある)を、操縦安定性制御側目標フリクション算出部108へ出力する。なお、推定ピッチレートを算出する処理は、車両諸元を参照して行なってもよい。
操縦安定性制御側目標フリクション算出部108は、操縦安定性制御側車両挙動算出部106から推定ロールレート信号及び推定ピッチレート信号の入力を受け、総フリクション算出部56から各輪総フリクション信号の入力を受ける。また、操縦安定性制御側目標フリクション算出部108は、上述した車輪速信号の入力を受ける。
そして、操縦安定性制御側目標フリクション算出部108は、推定ロールレートと、推定ピッチレートと、各輪総フリクションと、車速を用いて、操縦安定性制御用各輪目標フリクションを算出する。
ここで、操縦安定性制御用各輪目標フリクションとは、運転者の運転操作や上述したTCS制御等により車両Vに発生する上屋挙動を緩和させるために、各サスペンションSPに発生させるフリクションの目標値である。
さらに、操縦安定性制御側目標フリクション算出部108は、操縦安定性制御用各輪目標フリクションと各輪総フリクションとの差分値である操縦安定性制御用フリクション差分値を算出する。そして、算出した操縦安定性制御用フリクション差分値を含む情報信号(以降の説明では、「操縦安定性制御用フリクション差分値信号」と記載する場合がある)を、操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110へ出力する。
操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110は、操縦安定性制御側目標フリクション算出部108から操縦安定性制御用フリクション差分値信号の入力を受け、総フリクション算出部56から各輪総フリクション信号の入力を受ける。また、操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110は、操縦安定性制御側車両挙動算出部106から推定ヨーレート信号の入力を受ける。
そして、操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110は、推定ヨーレート、各輪総フリクション及び操縦安定性制御用各輪目標フリクションを用いて、操縦安定性制御側制駆動力配分を算出する。
ここで、操縦安定性制御側制駆動力配分とは、車両Vに発生する上屋挙動を緩和させるための、車輪Wの制動力と車輪Wの駆動力との配分である。すなわち、操縦安定性制御側制駆動力配分は、操縦安定性制御用各輪目標フリクション(目標値)に対する各車輪Wのフリクション(実際値)の過不足分を補正するために、車輪Wの制動力及び駆動力を制御するための配分である。
さらに、操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110は、算出した操縦安定性制御側制駆動力配分を含む情報信号(以降の説明では、「操縦安定性制御側制駆動力配分信号」と記載する場合がある)を、制動力指令値算出部100へ出力する。これに加え、操縦安定性制御側制駆動力配分信号を、駆動力指令値算出部102へ出力する。
制動力指令値算出部100は、操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110から入力を受けた操縦安定性制御側制駆動力配分信号が含む操縦安定性制御側制駆動力配分のうち、車輪Wの制動力の配分を用いて、制動力指令値を算出する。そして、算出した制動力指令値を、ブレーキアクチュエータ26へ出力する。なお、操縦安定性制御ブロック38が備える制動力指令値算出部100は、乗り心地制御ブロック36が備える制動力指令値算出部100と共用してもよく、また、別個の構成としてもよい。
駆動力指令値算出部102は、操縦安定性制御側制駆動力配分算出部110から入力を受けた操縦安定性制御側制駆動力配分信号が含む操縦安定性制御側制駆動力配分のうち、車輪Wの駆動力の配分を用いて、駆動力指令値を算出する。そして、算出した駆動力指令値を、動力コントロールユニット28へ出力する。なお、操縦安定性制御ブロック38が備える駆動力指令値算出部102は、乗り心地制御ブロック36が備える駆動力指令値算出部102と共用してもよく、また、別個の構成としてもよい。
(動作)
次に、図1から図13を参照しつつ、図14から図18を用いて、本実施形態の車両用フリクション検出装置1を用いて行なう動作の一例を説明する。
図14は、車両用フリクション検出装置1を用いて行なう動作のフローチャートである。なお、車両用フリクション検出装置1は、予め設定したサンプリング時間(例えば、50[msec])毎に、以下に説明する処理を行う。
図14中に示すように、車両用フリクション検出装置1が処理を開始(START)すると、まず、ステップS100において、車両Vの状態を示す情報を取得する処理(図中に示す「車両状態取得」)を行う。ステップS100において、車両Vの状態を示す情報を取得する処理を行うと、車両用フリクション検出装置1が行なう処理は、ステップS200へ移行する。
ここで、車両Vの状態を示す情報とは、Gセンサ2が検出する各加速度の情報と、ヨーレートセンサ4が検出するヨーレートの情報と、操舵角センサ6が検出する現在操舵角の情報である。これに加え、車両Vの状態を示す情報とは、ドライバブレーキ液圧センサ8が検出するドライバブレーキ液圧の情報と、アクセル開度センサ10が検出するアクセルペダルの開度の情報と、シフトポジションセンサ12が検出するギヤ位置の情報である。さらに、車両Vの状態を示す情報とは、ストロークセンサ14が検出するストローク量の情報と、モードスイッチ16で切り換えた各種制御の「ON」/「OFF」の情報と、車輪速センサ18が検出した車輪Wの回転速度の情報等である。
ステップS200では、ステップS100で取得した各種情報を用いて、車両Vの挙動を算出する処理(図中に示す「車両挙動算出」)を行う。ステップS200において、車両Vの挙動を算出する処理を行うと、車両用フリクション検出装置1が行なう処理は、ステップS300へ移行する。なお、ステップS200で行なう具体的な処理については、後述する。
ステップS300では、ステップS100で取得した各種情報と、ステップS200で算出した車両Vの挙動を用いて、フリクション検出ブロック34で各輪総フリクションを算出するか否かを判定する処理(図中に示す「フリクション算出?」)を行う。ここで、ステップS300で行なう処理では、車両Vの状態や挙動に、フリクションを制御する必要が無い場合、フリクション検出ブロック34で各輪総フリクションを算出しないと判定する。
ステップS300において、フリクション検出ブロック34で各輪総フリクションを算出する(図中に示す「Yes」)と判定した場合、車両用フリクション検出装置1が行なう処理は、ステップS400へ移行する。
一方、ステップS300において、フリクション検出ブロック34で各輪総フリクションを算出しない(図中に示す「No」)と判定した場合、車両用フリクション検出装置1が行なう処理は、ステップS100の処理へ復帰する。
ステップS400では、ステップS100で取得した各種情報と、ステップS200で算出した車両Vの挙動を用いて、フリクション検出ブロック34で総フリクションを算出する処理(図中に示す「推定フリクション算出」)を行う。ステップS400において総フリクションを算出する処理を行うと、車両用フリクション検出装置1は、各輪総フリクション信号を乗り心地制御ブロック36及び操縦安定性制御ブロック38へ出力する処理を行なう。そして、車両用フリクション検出装置1が行なう処理は、ステップS100の処理へ復帰(RETURN)する。なお、ステップS400で行なう具体的な処理については、後述する。
次に、図1から図14を参照しつつ、図15を用いて、ステップS200で行なう具体的な処理について説明する。
図15は、車両用フリクション検出装置1を用いて行なう動作のうち、車両Vの挙動を算出する処理、すなわち、上述したステップS200で行なう処理を示すフローチャートである。
図15中に示すように、車両Vの挙動を算出する処理を開始(START)すると、まず、ステップS210において、制動力算出部40により、各車輪Wの制動力を算出する処理(図中に示す「各輪制動力算出」)を行う。さらに、個別車輪制動力信号を制動力フリクション算出部48へ出力する処理を行う。ステップS210において、各車輪Wの制動力を算出する処理と、個別車輪制動力信号を制動力フリクション算出部48へ出力する処理を行うと、車両Vの挙動を算出する処理は、ステップS220へ移行する。
ステップS220では、駆動力算出部42により、各車輪Wの駆動力を算出する処理(図中に示す「各輪駆動力算出」)を行う。さらに、個別車輪駆動力信号を駆動力フリクション算出部50へ出力する処理を行う。ステップS220において、各車輪Wの駆動力を算出する処理と、個別車輪駆動力信号を駆動力フリクション算出部50へ出力する処理を行うと、車両Vの挙動を算出する処理は、ステップS230へ移行する。
ステップS230では、サスペンション状態算出部44により、各車輪Wに対して設置したサスペンションSPのストローク位置を算出する処理(図中に示す「各輪ストローク位置算出」)を行う。さらに、サスペンションストローク位置信号をサスペンション状態フリクション算出部52へ出力する処理を行う。ステップS230において、各サスペンションSPのストローク量を算出する処理と、サスペンションストローク位置信号をサスペンション状態フリクション算出部52へ出力する処理を行うと、車両Vの挙動を算出する処理は、ステップS240へ移行する。
ステップS240では、サスペンション状態算出部44により、各車輪Wに対して設置したサスペンションSPのストローク速度を算出する処理(図中に示す「各輪ストローク速度算出」)を行う。さらに、サスペンションストローク速度信号をサスペンション状態フリクション算出部52へ出力する処理を行う。ステップS240において、各サスペンションSPのストローク速度を算出する処理と、サスペンションストローク速度信号をサスペンション状態フリクション算出部52へ出力する処理を行うと、車両Vの挙動を算出する処理は、ステップS250へ移行する。
ステップS250では、サスペンション横力算出部46により、各車輪Wに対して設置したサスペンションSPの横力を算出する処理(図中に示す「各輪横力算出」)を行う。さらに、各輪横力信号を横力フリクション算出部54へ出力する処理を行う。ステップS240において、各サスペンションSPの横力を算出する処理と、各輪横力信号を横力フリクション算出部54へ出力する処理を行うと、車両Vの挙動を算出する処理は、ステップS210の処理へ復帰(RETURN)する。
ここで、図1から図15を参照しつつ、図16を用いて、ステップS210で行なう処理の具体例を、タイムチャートを用いて説明する。なお、図16は、各車輪Wの制動力を算出する処理のうち、左前輪WFLの制動力を算出する処理を示すタイムチャートである。
図16中に示すように、左前輪WFLの制動力を算出する処理では、ドライバブレーキ制動力[N]と、付加機能ブレーキ制動力[N]と、VDC制動力[N]を合算する処理を行う。さらに、ABS作動フラグが「ON」の状態では、上述した各制動力[N]の合算値を「0」とする処理を行う。以上の処理により、左前輪WFLの制動力の合算値(図中では、「総制動力[N]」と示す)を算出する。
次に、図1から図16を参照しつつ、図17を用いて、ステップS400で行なう具体的な処理について説明する。
図17は、車両用フリクション検出装置1を用いて行なう動作のうち、フリクション検出ブロック34で総フリクションを算出する処理、すなわち、上述したステップS400で行なう処理を示すフローチャートである。
図17中に示すように、総フリクションを算出する処理を開始(START)すると、まず、ステップS410の処理を行う。
ステップS410では、制動力フリクション算出部48により、制動力フリクションを算出する処理(図中に示す「制動力フリクション算出」)を行う。ステップS410において、制動力フリクションを算出する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS412へ移行する。
ステップS412では、ステップS410で算出したフリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可するか否かを判定する処理(図中に示す「加算許可?」)を行う。ここで、ステップS412で行なう処理では、例えば、走行中の車両Vにおいて、車輪Wがスリップしている場合には、ステップS410で算出した制動力フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可しないと判定する。これは、車輪Wがスリップしている状態では、制動力が、サスペンションSPに発生するフリクションに寄与していないと考えられるためである。
ステップS412において、ステップS410で算出した制動力フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可する(図中に示す「Yes」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS414へ移行する。
一方、ステップS412において、ステップS410で算出した制動力フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可しない(図中に示す「No」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS420へ移行する。
ステップS414では、総フリクション算出部56において、ステップS410で算出した制動力フリクションを総フリクションに加算する処理(図中に示す「総フリクションに加算」)を行う。ステップS414において、ステップS410で算出した制動力フリクションを総フリクションに加算する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS420へ移行する。
ステップS420では、駆動力フリクション算出部50により、駆動力フリクションを算出する処理(図中に示す「駆動力フリクション算出」)を行う。ステップS420において、駆動力フリクションを算出する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS422へ移行する。
ステップS422では、ステップS420で算出した駆動力フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可するか否かを判定する処理(図中に示す「加算許可?」)を行う。ここで、ステップS422で行なう処理では、例えば、車輪Wが空転(スピン)している場合に、ステップS420で算出した駆動力フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可しないと判定する。これは、車輪Wが空転している状態では、駆動力が、サスペンションSPに発生するフリクションに寄与していないと考えられるためである。なお、車輪Wが空転している状態とは、走行中の車両Vにおいて、上述したTCS制御が実施されている状態等である。
ステップS422において、ステップS420で算出した駆動力フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可する(図中に示す「Yes」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS424へ移行する。
一方、ステップS422において、ステップS420で算出した駆動力フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可しない(図中に示す「No」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS430へ移行する。
ステップS424では、総フリクション算出部56において、ステップS420で算出した駆動力フリクションを総フリクションに加算する処理(図中に示す「総フリクションに加算」)を行う。ステップS424において、ステップS420で算出した駆動力フリクションを総フリクションに加算する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS430へ移行する。
ステップS430では、サスペンション状態フリクション算出部52により、ストローク位置フリクションを算出する処理(図中に示す「ストローク位置フリクション算出」)を行う。ステップS430において、ストローク位置フリクションを算出する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS432へ移行する。
ステップS432では、ステップS430で算出したストローク位置フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可するか否かを判定する処理(図中に示す「加算許可?」)を行う。ここで、ステップS432で行なう処理では、例えば、Gセンサ2やストロークセンサ14に故障等が発生している場合に、ステップS430で算出したストローク位置フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可しないと判定する。
ステップS432において、ステップS430で算出したストローク位置フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可する(図中に示す「Yes」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS434へ移行する。
一方、ステップS432において、ステップS430で算出したストローク位置フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可しない(図中に示す「No」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS440へ移行する。
ステップS434では、総フリクション算出部56において、ステップS430で算出したストローク位置フリクションを総フリクションに加算する処理(図中に示す「総フリクションに加算」)を行う。ステップS434において、ステップS430で算出したストローク位置フリクションを総フリクションに加算する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS440へ移行する。
ステップS440では、サスペンション状態フリクション算出部52により、ストローク速度フリクションを算出する処理(図中に示す「ストローク速度フリクション算出」)を行う。ステップS440において、ストローク速度フリクションを算出する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS442へ移行する。
ステップS442では、ステップS440で算出したストローク速度フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可するか否かを判定する処理(図中に示す「加算許可?」)を行う。ここで、ステップS442で行なう処理では、例えば、Gセンサ2やストロークセンサ14に故障等が発生している場合に、ステップS440で算出したストローク速度フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可しないと判定する。
ステップS442において、ステップS440で算出したストローク速度フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可する(図中に示す「Yes」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS444へ移行する。
一方、ステップS442において、ステップS440で算出したストローク速度フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可しない(図中に示す「No」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS450へ移行する。
ステップS444では、総フリクション算出部56において、ステップS440で算出したストローク速度フリクションを総フリクションに加算する処理(図中に示す「総フリクションに加算」)を行う。ステップS444において、ステップS440で算出したストローク速度フリクションを総フリクションに加算する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS450へ移行する。
ステップS450では、各輪フリクションサスペンション横力算出部46により、横力フリクションを算出する処理(図中に示す「横力フリクション算出」)を行う。ステップS450において、横力フリクションを算出する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS452へ移行する。
ステップS452では、ステップS450で算出した横力フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可するか否かを判定する処理(図中に示す「加算許可?」)を行う。ここで、ステップS452で行なう処理では、例えば、Gセンサ2に故障等が発生している場合に、ステップS450で算出した横力フリクションを、総フリクションへ加算する演算を許可しないと判定する。
ステップS452において、ステップS450で算出した横力フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可する(図中に示す「Yes」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS454へ移行する。
一方、ステップS452において、ステップS450で算出した横力フリクションを総フリクションへ加算する演算を許可しない(図中に示す「No」)と判定した場合、総フリクションを算出する処理は、ステップS410の処理へ復帰(RETURN)する。
ステップS454では、総フリクション算出部56において、ステップS450で算出した横力フリクションを総フリクションに加算する処理(図中に示す「総フリクションに加算」)を行う。ステップS454において、ステップS450で算出した横力フリクションを総フリクションに加算する処理を行うと、総フリクションを算出する処理は、ステップS410の処理へ復帰(RETURN)する。
ここで、図1から図17を参照しつつ、図18を用いて、ステップS400で行なう処理の具体例を、タイムチャートを用いて説明する。なお、図18は、総フリクションを算出する処理を示すタイムチャートである。
図18中に示すように、総フリクション[N]を算出する処理では、制動力フリクション[N]と、駆動力フリクション[N]を合算する処理を行う。これに加え、総フリクション[N]を算出する処理では、ストローク位置フリクション[N]と、ストローク速度フリクション[N]と、横力フリクション[N]を合算する処理を行う。なお、図18中に示す総フリクション[N]は、左前輪WFL等、一つの車輪Wのみの総フリクションである。したがって、図18中に示す制動力フリクション[N]は、図16中に示す総制動力[N]に対応する。
なお、上述したサスペンション状態算出部44は、ストローク位置算出部と、ストローク速度算出部に対応する。
また、上述したサスペンション状態フリクション算出部52は、ストローク位置フリクション算出部と、ストローク速度フリクション算出部に対応する。
また、上述したように、本実施形態の車両用フリクション検出装置1の動作で実施する車両用フリクション検出方法は、算出した制動力フリクションと算出した駆動力フリクションを合算して、サスペンションSPに発生するフリクションを検出する方法である。
(第一実施形態の効果)
本実施形態の車両用フリクション検出装置1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)総フリクション算出部56が、制動力フリクション算出部48が算出した制動力フリクションと、駆動力フリクション算出部50が算出した駆動力フリクションとを合算して、サスペンションSPに発生するフリクションを検出する。そして、サスペンションSPに発生するフリクションを、各サスペンションSPに対して個別に検出する。
このため、横力が作用しにくい直進走行時等においても、車輪Wの制動力及び駆動力により、サスペンションSPが入力を受ける前後力に基づいて、サスペンションSPに発生するフリクションを適切に検出することが可能となる。
その結果、車両Vの走行状態に応じて適切に検出した、サスペンションSPに発生するフリクションを用いて、制動力指令値や駆動力指令値を算出することが可能となり、車両Vの走行状態に応じた挙動制御をより適切に行うことが可能となる。
これにより、車両Vの乗り心地や操縦安定性の低下を抑制することが可能となる。
(2)総フリクション算出部56が、制動力フリクション及び駆動力フリクションに、ストローク位置フリクション算出部が算出したストローク位置フリクションを合算して、サスペンションSPに発生するフリクションを検出する。
このため、サスペンションSPが入力を受ける前後力に加え、車両Vの走行時に変化するサスペンションSPのストローク位置に基づいて、サスペンションSPに発生するフリクションを適切に検出することが可能となる。
その結果、サスペンションSPのストローク位置に基づいて車両Vの走行状態に応じた検出精度を向上させた、サスペンションSPに発生するフリクションを用いて、制動力指令値や駆動力指令値を算出することが可能となる。
(3)総フリクション算出部56が、制動力フリクション及び駆動力フリクションに、ストローク速度フリクション算出部が算出したストローク速度フリクションを合算して、サスペンションSPに発生するフリクションを検出する。
このため、サスペンションSPが入力を受ける前後力に加え、車両Vの走行時に変化するサスペンションSPのストローク速度に基づいて、サスペンションSPに発生するフリクションを適切に検出することが可能となる。
その結果、サスペンションSPのストローク速度に基づいて車両Vの走行状態に応じた検出精度を向上させた、サスペンションSPに発生するフリクションを用いて、制動力指令値や駆動力指令値を算出することが可能となる。
(4)総フリクション算出部56が、制動力フリクション及び駆動力フリクションに、サスペンション横力フリクション算出部54が算出した横力フリクションを合算して、サスペンションSPに発生するフリクションを検出する。
このため、サスペンションSPが入力を受ける前後力に加え、車両Vの旋回走行時においてサスペンションSPに作用する横力に基づいて、サスペンションSPに発生するフリクションを適切に検出することが可能となる。
その結果、サスペンションSPに作用する横力に基づいて車両Vの走行状態に応じた検出精度を向上させた、サスペンションSPに発生するフリクションを用いて、制動力指令値や駆動力指令値を算出することが可能となる。
(5)本実施形態の車両用フリクション検出装置1の動作で実施する車両用フリクション検出方法では、算出した制動力フリクションと算出した駆動力フリクションを合算して、サスペンションSPに発生するフリクションを検出する。そして、サスペンションSPに発生するフリクションを、各サスペンションSPに対して個別に検出する。
このため、横力が作用しにくい直進走行時等においても、車輪Wの制動力及び駆動力により、サスペンションSPが入力を受ける前後力に基づいて、サスペンションSPに発生するフリクションを適切に検出することが可能となる。
その結果、車両Vの走行状態に応じて適切に検出した、サスペンションSPに発生するフリクションを用いて、制動力指令値や駆動力指令値を算出し、車両Vの挙動制御をより適切に行い、車両Vの乗り心地や操縦安定性の低下を抑制することが可能となる。
(変形例)
(1)本実施形態では、動力ユニット30を、エンジンを用いて形成したが、動力ユニット30の構成は、これに限定するものではない。すなわち、動力ユニット30を、例えば、モータを用いて形成してもよく、また、エンジン及びモータを用いて形成してもよい。
1 車両用フリクション検出装置
20 制駆動力コントローラ
34 フリクション検出ブロック
36 乗り心地制御ブロック
38 操縦安定性制御ブロック
40 制動力算出部
42 駆動力算出部
44 サスペンション状態算出部
46 サスペンション横力算出部
48 制動力フリクション算出部
50 駆動力フリクション算出部
52 サスペンション状態フリクション算出部
54 横力フリクション算出部
56 総フリクション算出部
100 制動力指令値算出部
102 駆動力指令値算出部
V 車両
W 車輪
SP サスペンション

Claims (5)

  1. 車体と車輪とを連結するサスペンションに発生するフリクションを、各サスペンションに対して個別に検出する車両用フリクション検出装置であって、
    前記車輪の制動力を算出する制動力算出部と、
    前記制動力算出部が算出した制動力に基づいて前記サスペンションに発生するフリクションである制動力フリクションを算出する制動力フリクション算出部と、
    前記車輪の駆動力を算出する駆動力算出部と、
    前記駆動力算出部が算出した駆動力に基づいて前記サスペンションに発生するフリクションである駆動力フリクションを算出する駆動力フリクション算出部と、
    前記制動力フリクション算出部が算出した制動力フリクションと、前記駆動力フリクション算出部が算出した駆動力フリクションと、を合算して、前記サスペンションに発生するフリクションを算出する総フリクション算出部と、を備えることを特徴とする車両用フリクション検出装置。
  2. 前記サスペンションのストローク位置を算出するストローク位置算出部と、
    前記ストローク位置算出部が算出したストローク位置に基づいて前記サスペンションに発生するフリクションであるストローク位置フリクションを算出するストローク位置フリクション算出部と、を備え、
    前記総フリクション算出部は、前記制動力フリクション算出部が算出した制動力フリクション及び前記駆動力フリクション算出部が算出した駆動力フリクションに、前記ストローク位置フリクション算出部が算出したストローク位置フリクションを合算して、前記サスペンションに発生するフリクションを検出することを特徴とする請求項1に記載した車両用フリクション検出装置。
  3. 前記サスペンションのストローク速度を算出するストローク速度算出部と、
    前記ストローク速度算出部が算出したストローク速度に基づいて前記サスペンションに発生するフリクションであるストローク速度フリクションを算出するストローク速度フリクション算出部と、を備え、
    前記総フリクション算出部は、前記制動力フリクション算出部が算出した制動力フリクション及び前記駆動力フリクション算出部が算出した駆動力フリクションに、前記ストローク速度フリクション算出部が算出したストローク速度フリクションを合算して、前記サスペンションに発生するフリクションを検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載した車両用フリクション検出装置。
  4. 前記サスペンションの横力を算出するサスペンション横力算出部と、
    前記サスペンション横力算出部が算出した横力に基づいて前記サスペンションに発生するフリクションである横力フリクションを算出するサスペンション横力フリクション算出部と、を備え、
    前記総フリクション算出部は、前記制動力フリクション算出部が算出した制動力フリクション及び前記駆動力フリクション算出部が算出した駆動力フリクションに、前記サスペンション横力フリクション算出部が算出した横力フリクションを合算して、前記サスペンションに発生するフリクションを検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した車両用フリクション検出装置。
  5. 車体と車輪とを連結するサスペンションに発生するフリクションを、各サスペンションに対して個別に検出する車両用フリクション検出方法であって、
    前記車輪の制動力を算出し、
    前記算出した制動力に基づいて前記サスペンションに発生するフリクションである制動力フリクションを算出し、
    前記車輪の駆動力を算出し、
    前記算出した駆動力に基づいて前記サスペンションに発生するフリクションである駆動力フリクションを算出し、
    前記算出した制動力フリクションと駆動力フリクションを合算して、前記サスペンションに発生するフリクションを検出することを特徴とする車両用フリクション検出方法。
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