JP5949358B2 - 遊星歯車機構の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、遊星歯車機構の潤滑構造に関する。
遊星歯車機構の潤滑構造として、例えば特許文献1には、ピニオンギヤ内部の潤滑油路へ潤滑油を導入するための導入油路を、径方向内側のサンギヤ方向と径方向外側のリングギヤ方向の両方向に開口させる構成が開示されている。これにより、キャリア回転時には遠心力で外周側へ流動する潤滑油を導入油路から潤滑油路へ導入できると共に、キャリアの回転停止時には自重で流下する潤滑油を導入油路で受け止めて潤滑油路へ導入できるので、キャリアの回転・停止状態に関係なく潤滑性を保つことができる。
特開2004−270736号公報
しかしながら、特許文献1に記載される従来の遊星歯車機構の潤滑構造では、ピニオンギヤの停止位置によっては、導入油路から潤滑油路へ潤滑油を導入しにくい状態が生じる可能性があり、潤滑性を向上させることについてさらなる改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、潤滑性を向上できる遊星歯車機構の潤滑構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る遊星歯車機構の潤滑構造は、回転軸まわりに自転かつ公転可能に配設されたピニオンギヤを有する遊星歯車機構と、前記ピニオンギヤの一方の端面にて開口する開口部を有し、該開口部から軸心方向に延在する軸方向油路と、前記遊星歯車機構の径方向外側へ流動する潤滑油を前記軸方向油路に導入する第一導入油路と、前記遊星歯車機構の径方向内側へ流動する潤滑油を前記軸方向油路に導入する第二導入油路と、を備え、前記第一導入油路及び前記第二導入油路が、前記軸方向油路の前記開口部の位置にて区分されることを特徴とする。
また、上記の遊星歯車機構の潤滑構造において、前記第一導入油路は、前記軸方向油路から前記遊星歯車機構の径方向内側へ向かって拡開し、前記第二導入油路は、前記軸方向油路から前記遊星歯車機構の径方向外側へ向かって拡開することが好ましい。
また、上記の遊星歯車機構の潤滑構造において、前記開口部を有する前記端面側にて前記遊星歯車機構のキャリアと一部接触して固設されるオイルレシーバを備え、前記第一導入油路及び前記第二導入油路は、前記キャリアと対向する前記オイルレシーバの面に設けられた凹形状部により形成されることが好ましい。
本発明に係る遊星歯車機構の潤滑構造は、遊星歯車機構のピニオンギヤの公転停止した位相がどのような角度でも、第一導入油路及び第二導入油路の少なくとも一方によって、ピニオンギヤの軸方向油路へ潤滑油を導入することが可能となり、この結果、潤滑性を向上できるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造が適用されたハイブリッド車両用駆動装置の概略構成を示すスケルトン図である。 図2は、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造に係る主要部分の構成を軸線方向からみた図である。 図3は、図2に示す構成のIII−III断面図である。 図4は、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造におけるHV走行時の潤滑油の導入経路を説明するための図である。 図5は、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造におけるEV走行時の潤滑油の導入経路を説明するための図である。 図6は、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造におけるEV走行時の潤滑油の導入経路を説明するための図である。
以下に、本発明に係る遊星歯車機構の潤滑構造の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造が適用されたハイブリッド車両用駆動装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造が適用されたハイブリッド車両用駆動装置の概略構成を示すスケルトン図である。
図1に示すように、車両100は、エンジン1、ワンウェイクラッチ3、遊星歯車機構10、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2およびECU50を含んで構成されている。本実施形態のハイブリッド車両用駆動装置1−1は、エンジン1、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、遊星歯車機構10、ワンウェイクラッチ3、およびECU50を含んで構成されている。
エンジン1は、燃料の燃焼エネルギーを回転軸1aの回転運動に変換して出力する。エンジン1の回転軸1aは、入力軸2と接続されている。エンジン1の回転軸1aと入力軸2とは同軸上に配置されている。入力軸2は、遊星歯車機構10、各ギヤ15,16,17、作動装置20等を含んで構成される動力伝達装置の入力軸である。
入力軸2は、遊星歯車機構10のキャリア14と接続されている。遊星歯車機構10は、サンギヤ11、ピニオンギヤ12、リングギヤ13およびキャリア14を有する差動機構である。サンギヤ11は、入力軸2の径方向外側に配置されている。サンギヤ11は、入力軸2と同軸上に回転自在に配置されている。リングギヤ13は、サンギヤ11の径方向外側でかつサンギヤ11と同軸上に回転自在に配置されている。ピニオンギヤ12は、サンギヤ11とリングギヤ13との間に配置されており、サンギヤ11およびリングギヤ13とそれぞれ噛み合っている。
キャリア14は、入力軸2と同軸上に配置され、かつ入力軸2と連結されて入力軸2と一体回転する。キャリア14は、入力軸2を介してエンジン1と接続されており、遊星歯車機構10におけるエンジン1に対応する第二回転要素である。キャリア14は、エンジン1からの動力を出力側と第一回転電機MG1とに分割する動力分割機構としての機能を有する遊星歯車機構10におけるエンジン入力要素である。ピニオンギヤ12は、キャリア14によって回転自在に支持されている。従って、ピニオンギヤ12は、ピニオンギヤ12の中心軸線を回転中心として回転(自転)可能であると共に、キャリア14と一体となって入力軸2(回転軸)の中心軸線を回転中心として回転(公転)可能である。
サンギヤ11には、第一回転電機MG1が接続されている。第一回転電機MG1の回転軸30は、入力軸2と同軸上に配置されており、サンギヤ11と接続されている。従って、第一回転電機MG1のロータは、サンギヤ11と一体回転する。サンギヤ11は、第一回転電機MG1が接続された第一回転要素である。
リングギヤ13には、カウンタドライブギヤ15が接続されている。カウンタドライブギヤ15は、カウンタドリブンギヤ16と噛み合っている。また、カウンタドリブンギヤ16には、第二回転電機MG2のリダクションギヤ19が噛み合っている。リダクションギヤ19は、第二回転電機MG2の回転軸31に配置されており、回転軸31と一体回転する。第二回転電機MG2の出力するトルクは、リダクションギヤ19を介してカウンタドリブンギヤ16に伝達される。リダクションギヤ19は、カウンタドリブンギヤ16よりも小径であり、第二回転電機MG2の回転を減速してカウンタドリブンギヤ16に伝達する。
第一回転電機MG1および第二回転電機MG2は、インバータを介してバッテリと接続されている。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2は、バッテリから供給される電力を機械的な動力に変換して出力することができると共に、入力される動力によって駆動されて機械的な動力を電力に変換することができる。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2によって発電された電力は、バッテリに蓄電可能である。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。
カウンタドリブンギヤ16には、ドライブピニオンギヤ17が接続されている。ドライブピニオンギヤ17は、カウンタドリブンギヤ16と同軸上に配置されており、カウンタドリブンギヤ16と一体回転する。ドライブピニオンギヤ17は、作動装置20のデフリングギヤ18と噛み合っている。作動装置20は、左右の駆動軸21を介して駆動輪22と接続されている。つまり、リングギヤ13は、カウンタドライブギヤ15、カウンタドリブンギヤ16、ドライブピニオンギヤ17、作動装置20および駆動軸21を介して駆動輪22と接続されている。また、第二回転電機MG2は、リングギヤ13よりも駆動輪22側に配置され、リングギヤ13よりも駆動輪22側の動力伝達経路に対してトルクを出力可能に接続されている。リングギヤ13は、第二回転電機MG2および駆動輪22が接続された第三回転要素である。
ワンウェイクラッチ3は、入力軸2の負回転を規制することができる規制装置である。ここで、負回転とは、エンジン1の運転時のキャリア14の回転方向を正方向とした場合の正方向と反対方向の回転を示す。ワンウェイクラッチ3は、例えば、入力軸2と接続された内輪と、車体側に固定された外輪と、内輪と外輪との間に配置されたスプラグとを有するスプラグ式のものとすることができる。ワンウェイクラッチ3は、入力軸2の負回転を規制することにより、キャリア14の負回転を規制する。
車両100には、ECU50が搭載されている。ECU50は、コンピュータを有する電子制御ユニットである。ECU50は、車両100の各部を制御する制御装置としての機能を有する。例えば、ECU50は、エンジン1、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2とそれぞれ接続されており、エンジン1、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2を制御することができる。
車両100は、ハイブリッド車両であり、EV走行あるいはHV走行を選択的に実行することができる。EV走行モードは、エンジン1の動力によらずに、第一回転電機MG1あるいは第二回転電機MG2の少なくともいずれか一方を動力源として車両100を走行させる所定走行モードである。車両100は、大きく分けて、単駆動EVモードあるいは両駆動EVモードのいずれかのモードでEV走行を行う。
単駆動EVモードは、第二回転電機MG2を単独の動力源として走行するEV走行モードである。第二回転電機MG2は、駆動輪22に対してトルクを出力し、車両100を走行させることができる。第二回転電機MG2の駆動力および回転は、リングギヤ13にも伝達され、リングギヤ13は正回転する。第一回転電機MG1は電動機としても発電機としても駆動されずに空転状態とされることが可能である。この場合、キャリア14は回転を停止し、第一回転電機MG1は負回転する。
両駆動EVモードは、ワンウェイクラッチ3が係合した状態で、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2を動力源として走行するEV走行モードである。第一回転電機MG1は、負トルクを発生して負回転することにより、リングギヤ13に正トルクを出力することができる。このときに、ワンウェイクラッチ3は、係合してキャリア14の負回転を規制する。従って、キャリア14は回転を停止して、第一回転電機MG1のトルクに対する反力受けとして機能し、第一回転電機MG1の負回転・負トルクをリングギヤ13に対して正回転・正トルクとして伝達することができる。これにより、リングギヤ13からは、第一回転電機MG1のトルクが、車両100を前進させる方向の駆動力として出力される。
HV走行モードは、エンジン1を動力源として車両100を走行させる走行モードである。このモードでは、エンジン1が駆動するため、キャリア14も回転する。HV走行では、エンジン1に加えて、第二回転電機MG2にアシストトルクを出力させて走行することが可能である。また、HV走行モードでは、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2を適宜発電機として機能させることや、空転状態とすることも可能である。
次に、図2,3も併せて参照して、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造について説明する。図2は、遊星歯車機構の潤滑構造に係る主要部分の構成を軸線方向からみた図であり、図3は、図2に示す構成のIII−III断面図である。
図1に示すように、入力軸2は、第一回転電機MG1の回転軸30の内側を通過して、エンジン1と反対側へ延在しており、機械式オイルポンプ4と接続されている。機械式オイルポンプ4は、エンジン1、ワンウェイクラッチ3、遊星歯車機構10、第一回転電機MG1と同軸上に配置され、遊星歯車機構10及び第一回転電機MG1を挟んでエンジン1と互いに対向している。機械式オイルポンプ4は、入力軸2を介してエンジン1の回転軸1aと接続され、エンジン1の駆動力によって駆動する。
機械式オイルポンプ4は、エンジン1を駆動源として駆動することで、遊星歯車機構10に潤滑用オイルを供給するよう構成されている。機械式オイルポンプ4から吐出された潤滑油は、図3に示すように、入力軸2の内部に軸線方向に沿って形成される潤滑油供給流路41に導入される。潤滑油供給流路41に導入された潤滑油は、入力軸2の回転に伴う遠心力によって、潤滑油供給流路41から入力軸2の径方向外側へ連通する連通孔42から吐出され、遊星歯車機構10に供給される。
遊星歯車機構10のピニオンギヤ12は、図3に示すように入力軸2と平行にキャリア14と固設された支持ピン12aを回転中心として回転可能に配設されている。ピニオンギヤ12の支持ピン12aの内部には、ピニオンギヤ12の支持ピン12aの一方の端面12bから軸心方向に延在する軸方向油路43と、軸方向油路43から直角に曲がり径方向に連通する径方向油路44が設けられている。軸方向油路43は、ピニオンギヤ12の支持ピン12aの端面12bにて開口する開口部46を有する。
図2,3に示すように、軸方向油路43の開口部46が設けられた側のキャリア14には、入力軸2の連通孔42から吐出された潤滑油を軸方向油路43へ誘導するためのオイルレシーバ45が固設されている。
入力軸2の連通孔42から径方向外側へ吐出された潤滑油は、オイルレシーバ45によって受け止められ、オイルレシーバ45の壁面に沿って軸方向油路43に導入される。そして径方向油路44から外部へ流出させられ、ピニオンギヤ12と支持ピン12aとの間のベアリング等の回転要素が潤滑されると共に、ピニオンギヤ12と、リングギヤ13及びサンギヤ11との噛合部分等の潤滑に使用される。
オイルレシーバ45は、図2に示すように板状の円環形状をなし、入力軸2と同心状となるようキャリア14に取り付けられ、キャリア14と一体回転可能とされている。また、オイルレシーバ45は、図3に示すように、取付時にキャリア14と対向する側の面に凹凸形状部が設けられている。凸形状部の軸方向高さは一定とされ、この部分が、オイルレシーバ45がキャリア14に固設された際にはキャリア14と密着されて、図2に斜線で示すような接触領域Aを形成する。この接触領域Aは、オイルレシーバ45の周方向に沿って連続的に形成されており、これにより径方向内側に内周側輪郭線B1を画定し、径方向外側に外周側輪郭線B2を画定している。すなわち、オイルレシーバ45は、図2に示す接触領域Aにてキャリア14と一部接触して固設され、これにより、キャリア14との間の空間を、内周側輪郭線B1より径方向内側の部分と、外周側輪郭線B2より径方向外側の部分に区分している。
オイルレシーバ45に設けられた凹形状部は、キャリア14との間に潤滑油を軸方向油路43に導入するための第一導入油路47及び第二導入油路48を形成している。図2に示すように、第一導入油路47は、遊星歯車機構10の径方向内側から外側へ流動する潤滑油を軸方向油路43に導入するための油路であり、第二導入油路48は、遊星歯車機構10の径方向外側から内側へ流動する潤滑油を軸方向油路43に導入するための油路である。
第一導入油路47は、図2に示す軸線方向視において、径方向内側から軸方向油路43の開口部46に向かうにつれて、周方向の幅を徐々に狭くし、かつ、油路の方向を径方向からキャリア14の逆回転方向に向けて徐々に湾曲するよう形成されている。また、第一導入油路47は、軸方向油路43の開口部46と重畳する位置から内周側に向かって拡開している。言い換えると、オイルレシーバ45とキャリア14の接触領域Aの内周側輪郭線B1をみると、第一導入油路47の幅を画定する内周側輪郭線B1のなす周方向距離が、径方向内側へ向かって徐々に広がるよう形成されている。
第二導入油路48は、図2に示す軸線方向視において、径方向外側から軸方向油路43の開口部46に向かうにつれて、周方向の幅を徐々に狭くし、かつ、油路の方向を径方向からキャリア14の正回転方向に向けて徐々に湾曲するよう形成されている。また、第二導入油路48は、軸方向油路43の開口部46と重畳する位置から外周側に向かって拡開している。言い換えると、オイルレシーバ45とキャリア14の接触領域Aの外周側輪郭線B2をみると、第二導入油路48の幅を画定する外周側輪郭線B2のなす周方向距離が、径方向外側へ向かって徐々に広がるよう形成されている。
第一導入油路47及び第二導入油路48は、軸方向油路43の開口部46と重畳する位置において、それぞれの終端が配置され、両者から同一の開口部46に潤滑油を導入可能とされている。オイルレシーバ45とキャリア14の接触領域Aは、軸方向油路43の開口部46と重畳する位置において例えば図2に示すようなS字形状をとり、これにより第一導入油路47の終端と第二導入油路48の終端とが区分されている。
次に、図4〜6を参照して、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造の作用を説明する。図4は、HV走行時の潤滑油の導入経路を説明するための図であり、図5、6は、EV走行時の潤滑油の導入経路を説明するための図である。
車両100がHV走行中には、エンジン1が駆動するため、遊星歯車機構10のキャリア14はエンジン1と共に正回転する。このとき、図4に示すように、潤滑油の遠心力を利用して、径方向内側の入力軸2の連通孔42から吐出された潤滑油は、内周側に対向しているオイルレシーバ45の第一導入油路47の壁面により受け止められる。キャリア14と連動したオイルレシーバ45の回転に伴い、壁面で受け止められた潤滑油は、第一導入油路47に沿って逆回転方向に移動し、同方向に湾曲した第一導入油路47の終端、すなわち軸方向油路43の開口部46に集約され、軸方向油路43に潤滑油が導入される。
一方、車両100がEV走行中には、エンジン1が停止するため、キャリア14及びオイルレシーバ45も回転を停止する。このとき、図5,6に示すように、エンジン1駆動時に入力軸2から第一導入油路47の壁面に吐出された潤滑油は、自重により壁面に沿って下方に移動し、主に回転中心の位置以下にて停止している第一導入油路47の終端に集約され、軸方向油路43に潤滑油が導入される。またこのとき、かき揚げオイルがハウジングから落ちてくることを利用することができる。径方向外側の上方から自重により落下してくる潤滑油が、外周側に対向しているオイルレシーバ45の第二導入油路48の壁面により受け止められる。第二導入油路48で受け止められた潤滑油は、自重により壁面に沿って下方に移動し、主に回転中心の位置以上にて停止している第二導入油路48の終端、すなわち軸方向油路43の開口部46に集約され、軸方向油路43に潤滑油が導入される。
例えば図5に示すように、公転停止した位相が0度のピニオンギヤ12−1と、位相が90度のピニオンギヤ12−2の場合、主に径方向外側の第二導入油路48から軸方向油路43に潤滑油が導入される。一方、位相が180度のピニオンギヤ12−3と、位相が270度のピニオンギヤ12−4の場合、主に径方向内側の第一導入油路47から軸方向油路43に潤滑油が導入される。
また、図6に示すように、公転停止した位相が45度のピニオンギヤ12−5と、位相が135度のピニオンギヤ12−6の場合、主に径方向外側の第二導入油路48から軸方向油路43に潤滑油が導入される。一方、位相が225度のピニオンギヤ12−7と、位相が315度のピニオンギヤ12−8の場合、主に径方向内側の第一導入油路47から軸方向油路43に潤滑油が導入される。
このように、ピニオンギヤ12の公転停止した位相がどのような角度でも、径方向内側の第一導入油路47と、径方向外側の第二導入油路48の少なくとも一方によって、ピニオンギヤ12の軸方向油路43へ潤滑油を導入することができる。
次に、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造の効果について説明する。
本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造は、遊星歯車機構10のピニオンギヤ12の一方の端面12bにて開口する開口部46を有し、開口部46から軸心方向に延在する軸方向油路43と、遊星歯車機構10の径方向外側へ流動する潤滑油を軸方向油路43に導入する第一導入油路47と、遊星歯車機構10の径方向内側へ流動する潤滑油を軸方向油路43に導入する第二導入油路48と、を備える。第一導入油路47及び第二導入油路48が、軸方向油路43の開口部46の位置にて区分される。
この構成により、径方向内側から潤滑油を導入する第一導入油路47と、径方向外側から潤滑油を導入する第二導入油路48とが、軸方向油路43の開口部46の位置に併せて配置される。このため、例えばEV走行時など遊星歯車機構10のキャリア14の回転が停止したときに、ピニオンギヤ12の公転停止した位相がどのような角度でも、第一導入油路47及び第二導入油路48の少なくとも一方によって、ピニオンギヤ12の軸方向油路43へ潤滑油を導入することが可能となる。この結果、遊星歯車機構10の潤滑構造の潤滑性を向上できる。
また、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造では、第一導入油路47は、軸方向油路43から遊星歯車機構10の径方向内側へ向かって拡開し、第二導入油路48は、軸方向油路43から遊星歯車機構10の径方向外側へ向かって拡開する。
この構成により、潤滑油を効率よく第一導入油路47または第二導入油路48の終端に集約することができるので、潤滑油の導入性能を向上できる。
また、本実施形態に係る遊星歯車機構の潤滑構造では、開口部46を有する端面12b側にて遊星歯車機構10のキャリア14と一部接触して固設されるオイルレシーバ45を備え、第一導入油路47及び第二導入油路48は、キャリア14と対向するオイルレシーバ45の面に設けられた凹形状部により形成される。
この構成により、オイルレシーバ45の形状変更のみで第一導入油路47及び第二導入油路48を形成することができる。このため、オイルレシーバ45の製造ラインではプレス成型の型形状を変更するだけで、従来の製造ラインと共通化できる。また、オイルレシーバ45とキャリア14の取付方法は従来のものを採用できるので、キャリア構造や組み付けラインを共通化できる。また、オイルレシーバ45以外の遊星歯車機構10の部品を従来のものと共通化できる。これらにより、製造コストを低減できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、上記実施形態に例示したハイブリッド車両用駆動装置1−1以外の構成に対しても、遊星歯車機構のピニオンギヤが公転停止する状況が生じる場合には、本発明に係る遊星歯車機構の潤滑構造を適用することができる。
また、第一導入油路47と第二導入油路48は、両者から同一の開口部46に潤滑油を導入可能となるよう配置されていればよく、第一導入油路47の終端と第二導入油路48の終端とを区分する形状は、例えば逆S字状や直線状など、上記実施形態のS字形状以外としてもよい。
10 遊星歯車機構
12 ピニオンギヤ
12b ピニオンギヤの端面
14 キャリア
43 軸方向油路
45 オイルレシーバ
46 開口部
47 第一導入油路
48 第二導入油路

Claims (2)

  1. エンジンからの動力が入力される入力軸まわりに自転かつ公転可能に配設されたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを回転可能に支持する支持ピンと、を有する遊星歯車機構と、
    前記ピニオンギヤの前記支持ピンの一方の端面にて開口する開口部を有し、該開口部から軸心方向に延在する軸方向油路と、
    前記遊星歯車機構の径方向外側へ流動する潤滑油を前記軸方向油路に導入する第一導入油路と、
    前記遊星歯車機構の径方向内側へ流動する潤滑油を前記軸方向油路に導入する第二導入油路と、
    前記開口部を有する前記端面側にて前記遊星歯車機構のキャリアと一部接触して固設される円環状のオイルレシーバと、
    を備え、
    前記第一導入油路及び前記第二導入油路が、前記軸方向油路の前記開口部の位置にて区分され、かつ前記キャリアと対向する前記オイルレシーバの面に設けられた凹形状部により形成され、
    前記キャリアと前記オイルレシーバとが一部接触する接触領域は、前記オイルレシーバの周方向に沿って連続的に形成され、
    前記第一導入油路は、前記接触領域の内周側輪郭線に沿って円環状に形成され、前記遊星歯車機構の径方向内側から前記軸方向油路の開口部に向かうにつれて、油路の方向を径方向から前記キャリアの逆回転方向に向けて湾曲するように形成され、
    前記第二導入油路は、前記接触領域の外周側輪郭線に沿って形成され、前記遊星歯車機構の径方向外側から前記軸方向油路の開口部に向かうにつれて、油路の方向を径方向から前記キャリアの正回転方向に向けて湾曲するように形成されている
    ことを特徴とする遊星歯車機構の潤滑構造。
  2. 前記第一導入油路は、前記軸方向油路から前記遊星歯車機構の径方向内側へ向かって拡開し、
    前記第二導入油路は、前記軸方向油路から前記遊星歯車機構の径方向外側へ向かって拡開する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車機構の潤滑構造。
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