JP2016175632A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリーズ方式のハイブリッド車両に用いられる車両用駆動装置を生産性高く製造可能とする。
【解決手段】車両用駆動装置(1)は、同軸配置される第一回転電機及び第二回転電機と、これらの間に同軸配置される第一差動歯車装置(40)及び第二差動歯車装置(50)とを備える。第一サンギヤ(41)が第一回転電機に連結され、第一キャリヤ(42)が入力部材(10)に連結され、第一リングギヤ(43)がケース(60)に固定されている。第二サンギヤ(51)が第二回転電機に連結され、第二キャリヤ(52)がケース(60)に固定され、第二リングギヤ(53)が出力部材(20)に連結されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用駆動装置に関する。
車輪の駆動力源として内燃機関と回転電機とを併用するハイブリッド車両が実用化されている。このようなハイブリッド車両に用いられる車両用駆動装置の一例として、特開2005−308094号公報(特許文献1)に開示された装置が知られている(特許文献1の図2に開示された構造を、本願の図13として転記して示す)。特許文献1の装置は、第一回転電機〔モータMG1〕と、第二回転電機〔モータMG2〕と、第一差動歯車装置〔第1プラネタリギヤ30〕と、第二差動歯車装置〔第2プラネタリギヤ35〕と、これらを収容するケース〔ケース50〕とを備えている。
特許文献1の装置において、第一差動歯車装置は、内燃機関〔エンジン12〕の駆動力を第一回転電機と車輪〔駆動輪16a,16b〕側とに分配する機能を果たす。第二差動歯車装置は、第二回転電機の回転を減速して車輪側に伝達する機能を果たす。第一差動歯車装置の出力回転と第二差動歯車装置の出力回転とは、共通の出力部材〔カウンターギヤ42に噛み合うギヤが形成された部材〕に伝達され、当該出力部材を介して車輪側に伝達される。
特許文献1の装置は、2モータスプリット方式のハイブリッド車両用の駆動装置に適したレイアウト構成となっている。しかし、2モータスプリット方式とは異なる方式のハイブリッド車両用の駆動装置に対するニーズも少なからず存在する。例えばシリーズ方式のハイブリッド車両用の駆動装置に対するニーズが存在する場合に、当該シリーズ方式のハイブリッド車両用の駆動装置を生産性高く製造できることが好ましい。
特開2005−308094号公報
シリーズ方式のハイブリッド車両に用いられる車両用駆動装置を生産性高く製造可能とすることが望まれている。
本開示に係る車両用駆動装置は、
内燃機関に駆動連結される入力部材と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
第一回転電機と、
第二回転電機と、
第一サンギヤ、第一キャリヤ、及び第一リングギヤを有する第一差動歯車装置と、
第二サンギヤ、第二キャリヤ、及び第二リングギヤを有する第二差動歯車装置と、
前記第一回転電機、前記第二回転電機、前記第一差動歯車装置、及び前記第二差動歯車装置を収容するケースと、を備え、
前記入力部材、前記第一回転電機、前記第二回転電機、前記第一差動歯車装置、前記第二差動歯車装置、及び前記出力部材が同軸に配置されているとともに、軸方向における前記第一回転電機と前記第二回転電機との間に前記第一差動歯車装置及び前記第二差動歯車装置が配置され、
前記第一サンギヤが前記第一回転電機に連結され、前記第一キャリヤが前記入力部材に連結され、前記第一リングギヤが前記ケースに固定され、
前記第二サンギヤが前記第二回転電機に連結され、前記第二キャリヤが前記ケースに固定され、前記第二リングギヤが前記出力部材に連結されている。
この構成によれば、入力部材及び第一回転電機が連結される第一差動歯車装置と、出力部材及び第二回転電機が連結される第二差動歯車装置とが、動力伝達の観点から互いに分離され、シリーズ方式のハイブリッド車両用の駆動装置を得ることができる。この場合において、入力部材、2つの回転電機、2つの差動歯車装置、及び出力部材が同軸に配置されているとともに軸方向における2つの回転電機どうしの間に2つの差動歯車装置が配置されたスプリット方式用のレイアウト(図13を参照)を部分的に利用して、生産性高く、シリーズ方式のハイブリッド車両用の駆動装置を得ることができる。
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
第1の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図 車両用駆動装置の断面図 図2の要部拡大図 第2の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図 車両用駆動装置の断面図 図5の要部拡大図 第二キャリヤの軸方向視図 第3の実施形態に係る車両用駆動装置の断面図 図8の要部拡大図 第4の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図 車両用駆動装置の断面図 図11の要部拡大図 公知のスプリット型装置のレイアウトを示す断面図
〔第1の実施形態〕
車両用駆動装置の第1の実施形態について説明する。この車両用駆動装置1は、車輪Wの駆動力源として内燃機関EG及び回転電機(第一回転電機30及び第二回転電機35)の双方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための駆動装置(ハイブリッド車両用駆動装置)である。本実施形態の車両用駆動装置1は、シリーズ方式のハイブリッド車両を駆動するためのシリーズハイブリッド車両用駆動装置として構成されている。
以下の説明において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いる。
また、2つの部材の配置に関して、「ある方向に見て重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。
図1及び図2に示すように、車両用駆動装置1は、入力部材10と、出力部材20と、第一回転電機30と、第二回転電機35と、第一差動歯車装置40と、第二差動歯車装置50とを備えている。また、車両用駆動装置1は、カウンタギヤ機構26と、出力装置(出力用差動歯車装置)27とをさらに備えている。これらは、ケース(駆動装置ケース)60内に収容されている。
入力部材10は、内燃機関EGに駆動連結される。内燃機関EGは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。入力部材10は、例えば軸部材で構成されて良い。入力部材10は、内燃機関EGの出力軸である内燃機関出力軸(クランクシャフト等)に駆動連結される。入力部材10と内燃機関出力軸とは、直接的に連結されても良いし、ダンパ等の他の部材を介して連結されても良い。入力部材10は、第一差動歯車装置40の第一キャリヤ42に連結されている。入力部材10は、第一キャリヤ42を構成する第一キャリヤカバー45に連結されている。
第一回転電機30は、ケース60に固定された第一ステータ31と、この第一ステータ31の径方向内側に回転自在に支持された第一ロータ32とを含む。第一ロータ32は、第一差動歯車装置40の第一サンギヤ41に駆動連結されている。第一ロータ32は、第一ロータ軸33及び第一サンギヤ形成部材44を介して、第一サンギヤ形成部材44の外周面に形成された第一サンギヤ41に連結されている。第一ロータ32は、第一ロータ軸33の外周面に接して配置された第一軸受91によってケース60に対して回転可能に支持されている。
第二回転電機35は、ケース60に固定された第二ステータ36と、この第二ステータ36の径方向内側に回転自在に支持された第二ロータ37とを含む。第二ロータ37は、第二差動歯車装置50の第二サンギヤ51に駆動連結されている。第二ロータ37は、第二ロータ軸38及び第二サンギヤ形成部材54を介して、第二サンギヤ形成部材54の外周面に形成された第二サンギヤ51に連結されている。第二ロータ37は、第二ロータ軸38の外周面に接して配置された第二軸受92によってケース60に対して回転可能に支持されている。
第一差動歯車装置40は、第一サンギヤ41、第一キャリヤ42、及び第一リングギヤ43の3つの回転要素を有する。第一差動歯車装置40は、複数のピニオンを支持する第一キャリヤ42と、ピニオンにそれぞれ噛み合う第一サンギヤ41及び第一リングギヤ43とを有する。本実施形態では、第一差動歯車装置40は、シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている。
第一サンギヤ41は、第一回転電機30に連結されている。第一サンギヤ41は、第一サンギヤ形成部材44及び第一ロータ軸33を介して、第一ロータ32に連結されている。第一キャリヤ42は、入力部材10に連結されている。第一キャリヤ42は、第一キャリヤカバー45を介して入力部材10に連結されている。第一リングギヤ43は、ケース60に固定されている。本実施形態では、第一リングギヤ43が内周面に形成された第一リングギヤ形成部材70が、直接的に又は他の部材を介して間接的に、ケース60に固定されている。
第二差動歯車装置50は、第二サンギヤ51、第二キャリヤ52、及び第二リングギヤ53の3つの回転要素を有する。第二差動歯車装置50は、複数の第二ピニオン84を支持する第二キャリヤ52と、第二ピニオン84にそれぞれ噛み合う第二サンギヤ51及び第二リングギヤ53とを有する。本実施形態では、第二差動歯車装置50は、シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている。
第二サンギヤ51は、第二回転電機35に連結されている。第二サンギヤ51は、第二サンギヤ形成部材54及び第二ロータ軸38を介して、第二ロータ37に連結されている。第二キャリヤ52は、ケース60に固定されている。本実施形態では、第二キャリヤ52を構成する第二キャリヤカバー80が、直接的に又は他の部材を介して間接的に、ケース60に固定されている。第二キャリヤカバー80と入力部材10との間には、第三軸受93が配置されている。第二リングギヤ53は、出力部材20に連結されている。第二リングギヤ53は、円筒状の出力部材20の内周面に形成されることにより、出力部材20に連結されている。出力部材20は、当該出力部材20の外周面に形成された出力ギヤ23と、カウンタギヤ機構26と、出力装置27と、左右一対の車軸28とを介して、車輪Wに駆動連結されている。
第一差動歯車装置40は、第一キャリヤ42に伝達される入力部材10(内燃機関EG)の回転を増速して第一サンギヤ41及び第一回転電機30に伝達する。第一回転電機30は、内燃機関EGのトルクによって発電する。第二回転電機35は、第一回転電機30の発電によって生じた電力又は蓄電装置に蓄えられた電力を用いて力行する。第二差動歯車装置50は、第二サンギヤ51に伝達される第二回転電機35の回転を減速して(第二回転電機35のトルクを増幅して)第二リングギヤ53及び出力部材20に伝達する。
入力部材10、第一回転電機30、第二回転電機35、第一差動歯車装置40、第二差動歯車装置50、及び出力部材20は、同軸に配置されている。そして、第一差動歯車装置40及び第二差動歯車装置50は、軸方向Lにおける第一回転電機30と第二回転電機35との間に配置されている。第一回転電機30、第一差動歯車装置40、第二差動歯車装置50、及び第二回転電機35は、内燃機関EG側から記載の順に並んで配置されている。本実施形態では、出力部材20も、軸方向Lにおける第一回転電機30と第二回転電機35との間に配置されている。出力部材20は、第一差動歯車装置40及び第二差動歯車装置50の径方向外側であって、径方向に見て第一差動歯車装置40及び第二差動歯車装置50と重複する位置に配置されている。
図2に示すように、出力部材20は、円筒状に形成されている。出力部材20は、段付の円筒状部材として構成されている。出力部材20は、軸方向Lの異なる位置で当該出力部材20の外周面に接して配置された第四軸受94及び第五軸受95によって、ケース60に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、対をなす第四軸受94及び第五軸受95が「一対の軸受」に相当する。第四軸受94と第五軸受95とは、出力部材20の両端部に分かれて配置されている。出力部材20は、内周面に形成された第二リングギヤ53と、外周面に形成された出力ギヤ23とを含む。また、出力部材20は、平滑な内周面として構成された平滑内面21と、外周面に形成されたパーキングギヤ24とをさらに含む。
出力ギヤ23及びパーキングギヤ24は、軸方向Lに互いに隣接する状態で、軸方向Lにおける第四軸受94と第五軸受95との間に配置されている。出力ギヤ23が第二回転電機35側に配置され、パーキングギヤ24が第一回転電機30側に配置されている。第二リングギヤ53は、出力部材20における第二回転電機35側の端部に形成されている。第二リングギヤ53は、軸方向Lにおける出力ギヤ23の形成領域の少なくとも一部を含む領域に形成されている。第二リングギヤ53は、径方向に見て第五軸受95と重複するように配置されている。
平滑内面21は、出力部材20における軸方向Lの中央部から第一回転電機30側の端部に亘って形成されている。平滑内面21は、第二リングギヤ53よりも第一回転電機30側に形成されている。平滑内面21は、軸方向Lにおけるパーキングギヤ24の形成領域の全域と、出力ギヤ23の形成領域の少なくとも一部とを含む領域に形成されている。平滑内面21は、径方向に見て第四軸受94と重複するように配置されている。また、平滑内面21は、径方向に見て第一差動歯車装置40と重複するように配置されている。平滑内面21は、第一リングギヤ43が内周面に形成された第一リングギヤ形成部材70の外周面に対して、微小隙間を隔てた状態で対向配置されている。
ケース60は、第一回転電機30、第二回転電機35、第一差動歯車装置40、及び第二差動歯車装置50の外周を包囲する周壁と、軸方向Lにおけるこれらの両側を覆う端部壁とを含む(図示せず)。また、ケース60は、その内部に、周壁から延びる2つの中間壁である第一中間壁61と第二中間壁66とを含む。第一中間壁61は、軸方向Lにおける第一回転電機30と第一差動歯車装置40との間を径方向に延びている。本実施形態では、第一中間壁61が「中間壁」に相当する。第一中間壁61は、第一リングギヤ43よりも径方向内側(本例では第一キャリヤ42の第一ピニオン軸46の径方向位置付近)まで延びている。第一中間壁61の径方向内側の端部には、軸方向Lにおいて少なくとも第一差動歯車装置40側に向かって延びる円筒状の軸方向突出部62が形成されている。軸方向突出部62と入力部材10との径方向の間に、第一軸受91が配置されている。軸方向突出部62における第一中間壁61よりも第一差動歯車装置40側の外周面には、スプライン係合部63が設けられている。このスプライン係合部63には、後述する第一連結部材71に形成されたスプライン係合部71Bが係合する(図3を参照)。
第二中間壁66は、軸方向Lにおける第二回転電機35と第二差動歯車装置50との間を径方向に延びている。第二中間壁66は、第二リングギヤ53よりも径方向内側(本例では第二キャリヤ52の第二ピニオン軸83の径方向位置付近)まで延びている。第二中間壁66の径方向内側の端部と第二ロータ軸38との径方向の間に、第二軸受92が配置されている。第二中間壁66における第二差動歯車装置50側の内面には、スプライン係合部67が設けられている。このスプライン係合部67には、第二キャリヤカバー80に形成されたスプライン係合部81Aが係合する。これにより、第二キャリヤ52が、回転不能な状態でケース60に固定されている。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置1は、円筒状に形成されているとともに内周面に第一リングギヤ43が形成された第一リングギヤ形成部材70を備えている。車両用駆動装置1は、内周面に第一リングギヤ43が形成された出力部材20とは別体の第一リングギヤ形成部材70を備えている。すなわち、第一リングギヤ形成部材70と出力部材20とは、互いに独立した別部材である。第一リングギヤ形成部材70は、出力部材20に対して径方向内側に配置されている。また、第一リングギヤ形成部材70は、径方向に見て出力部材20と重複する位置に配置されている。第一リングギヤ形成部材70は、出力部材20の平滑内面21に対して微小隙間を隔てた状態で対向配置されている。第一リングギヤ形成部材70は、第二リングギヤ53とは異なる軸方向位置(具体的には、第二リングギヤ53よりも第一回転電機30側の位置)に配置されている。これにより、第一リングギヤ43は、出力部材20に対して径方向内側における径方向に見て出力部材20と重複する位置であって第二リングギヤ53とは異なる軸方向位置に配置されている。
第一リングギヤ形成部材70は、軸方向Lに見て第二リングギヤ53と重複する位置に配置されている。すなわち、第一リングギヤ形成部材70は、第二リングギヤ53と同じ径方向領域を有するように配置されている。なお、第一リングギヤ43は、その全体が第二リングギヤ53よりも径方向内側に配置されており、軸方向Lに見て第二リングギヤ53とは重複していない。また、本実施形態では、第一リングギヤ形成部材70は、出力部材20における第一中間壁61側の端部よりもさらに第一中間壁61側に位置する部分を有するように配置されている。第一リングギヤ形成部材70は、第一キャリヤ42よりも第一中間壁61側に位置する部分を有するように配置されている。第一リングギヤ形成部材70は、径方向に見て第一中間壁61の軸方向突出部62に形成されたスプライン係合部63と重複する部分を有するように配置されている。
第一リングギヤ形成部材70とスプライン係合部63との軸方向Lの重複領域に、第一連結部材71が配置されている。第一連結部材71は、第一リングギヤ形成部材70とスプライン係合部63とに亘って径方向に延びている。第一連結部材71は、円環板状に形成されている。本実施形態では、第一連結部材71は、径方向外側部位に対して径方向内側部位が第一中間壁61側に位置するように断面クランク状に屈曲形成された、段付円環板状部材となっている。図3に示すように、第一連結部材71の径方向外側の端部には、第一リングギヤ43に噛み合う外歯係合部71Aが形成されている。第一連結部材71の径方向内側の端部には、軸方向突出部62のスプライン係合部63に係合するスプライン係合部71Bが形成されている。
第一連結部材71は、外歯係合部71Aが第一リングギヤ43に噛み合った状態で、スナップリング76によって第一リングギヤ形成部材70に対して軸方向Lに位置決めされている。また、第一連結部材71は、スプライン係合部71Bが軸方向突出部62のスプライン係合部63に係合した状態で、スナップリング77によって軸方向突出部62に対して軸方向Lに位置決めされている。このようにして、第一リングギヤ形成部材70は、第一連結部材71を介して、回転不能な状態でケース60(本実施形態では第一中間壁61)に固定されている。すなわち、第一リングギヤ43は、第一連結部材71を介して、回転不能な状態でケース60に固定されている。第一リングギヤ43は、第一中間壁61における第一リングギヤ43よりも径方向内側に形成された円筒状の軸方向突出部62に固定されている。
本実施形態の車両用駆動装置1と、図13に示す公知の2モータスプリット方式のハイブリッド車両用の駆動装置(以下、「スプリット型装置」という)とは、基本的なレイアウトが共通している。すなわち、本実施形態の車両用駆動装置1は、スプリット型装置と同様に、軸方向Lにおける第一回転電機30と第二回転電機35との間に第一差動歯車装置40及び第二差動歯車装置50が同軸配置された基本レイアウトとなっている。そして、第二リングギヤ53を有する出力部材20と第一リングギヤ43を有する第一リングギヤ形成部材70とを別体に形成し、第一リングギヤ形成部材70をケース60に固定することで、シリーズ方式のハイブリット駆動装置を実現している。スプリット型装置と基本レイアウトの多くが共通化されているので、スプリット型装置の製造ラインを利用して混流生産することができ、生産性高く、シリーズ方式のハイブリッド車両用の車両用駆動装置1を得ることができる。
〔第2の実施形態〕
車両用駆動装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、ケース60に対する第一リングギヤ43の固定態様が第1の実施形態とは異なっている。以下、本実施形態の車両用駆動装置1について、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の車両用駆動装置1では、第一リングギヤ43が第二キャリヤ52に連結され、第一リングギヤ43は第二キャリヤ52を介してケース60に固定されている。図5に示すように、第二キャリヤ52は、第二ピニオン軸83に回転可能に支持された第二ピニオン84を支持する第二キャリヤカバー80を含む。第二キャリヤカバー80は、軸方向Lに対向して配置されて互いに接合された第一カバー部81と第二カバー部82とを有する。第一カバー部81と第二カバー部82とに亘って複数の第二ピニオン軸83が支持されており、それぞれの第二ピニオン軸83に第二ピニオン84が回転可能に支持されている。第一カバー部81の径方向外側の端部には、第二中間壁66のスプライン係合部67に係合するスプライン係合部81Aが形成されている。スプライン係合部81Aとスプライン係合部67とが係合した状態で、第二キャリヤカバー80がケース60に固定されている。
本実施形態では、第二キャリヤ52が伝達可能なトルクを大きく確保するため、図7に示すように、第二キャリヤ52には、一般的な個数である3つを超える個数(本例では5つ)の第二ピニオン84が支持されている。このため、周方向に互いに隣接する第二ピニオン84どうしの間の領域(ここでは「ブリッジ部」と称する)が比較的小さくなっている。このようにブリッジ部が小さい第二キャリヤ52の強度を確保するため、本実施形態では、第二キャリヤカバー80は、プレス成型ではなく焼結によって形成されている。第二キャリヤ52は、第二カバー部82におけるそれぞれのブリッジ部に、軸方向Lに見た場合に三角形状を呈し、且つ、軸方向Lに延びる肉厚部82Aを有する。また、図6に示すように、第二キャリヤ52は、それぞれのブリッジ部に、肉厚部82Aから第一差動歯車装置40側に向かって軸方向Lに突出する柱状の突出座部82Bを有する。そして、それぞれの突出座部82B及びそこから連続する肉厚部82Aに、軸方向Lに沿って雌ネジ82Cが形成されている。この雌ネジ82Cを利用して、第二連結部材72がネジ止めされる。
本実施形態では、出力部材20の径方向内側において径方向に見て出力部材20と重複する位置に配置された第一リングギヤ形成部材70は、第一キャリヤ42よりも第二キャリヤ52側に位置する部分を有するように配置されている。第一リングギヤ形成部材70は、径方向に見て第二キャリヤ52と重複する部分を有するように配置されている。第一リングギヤ形成部材70の径方向内側であって軸方向Lに見て第二キャリヤ52と重複する位置に、第二連結部材72が配置されている。第二連結部材72は、第一リングギヤ形成部材70と第二キャリヤカバー80の突出座部82Bとに亘って径方向に延びている。第二連結部材72は、円環板状に形成されている。第二連結部材72の径方向外側の端部には、第一リングギヤ43に噛み合う外歯係合部72Aが形成されている。第二連結部材72における第二キャリヤカバー80の雌ネジ82Cに対応する位置には、雌ネジ82Cよりも大径の挿通孔72Bが形成されている。
第二連結部材72は、外歯係合部72Aが第一リングギヤ43に噛み合った状態で、スナップリング78によって第一リングギヤ形成部材70に対して軸方向Lに位置決めされている。また、第二連結部材72は、挿通孔72Bに挿通されるネジ等の締結部材を用いて、第二キャリヤカバー80の突出座部82Bに接する状態で、第二キャリヤカバー80にネジ止めされて固定されている。このようにして、第一リングギヤ形成部材70(第一リングギヤ43)は、第二連結部材72を介して第二キャリヤカバー80に固定されている。そして、第一リングギヤ形成部材70(第一リングギヤ43)は、第二連結部材72と第二キャリヤカバー80とを介して、回転不能な状態でケース60(本実施形態では第二中間壁66)に固定されている。
本実施形態の車両用駆動装置1も、上述したスプリット型装置と基本レイアウトの多くが共通化されている。よって、第1の実施形態と同様、スプリット型装置の製造ラインを利用して混流生産することができ、生産性高く、シリーズ方式のハイブリッド車両用の車両用駆動装置1を得ることができる。また、本実施形態では、ケース60に固定された第二キャリヤカバー80に固定することによって第一リングギヤ43を固定するので、ケース60に関してもスプリット型装置と部品の共通化を図ることができる。よって、この点からも、シリーズ方式のハイブリッド車両用の車両用駆動装置1の生産性をさらに向上させることができる。
〔第3の実施形態〕
車両用駆動装置の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第二キャリヤ52に対する第一リングギヤ43の固定態様が第2の実施形態とは異なっている。以下、本実施形態の車両用駆動装置1について、主に第2の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第2の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図8及び図9に示すように、第二キャリヤ52は、第二キャリヤカバー80に支持された状態で第二ピニオン84を回転可能に支持する第二ピニオン軸83を含む。第二ピニオン軸83は、第二キャリヤカバー80を構成する第一カバー部81と第二カバー部82とに亘って軸方向Lに延びる円柱状の軸本体部83Aを有する。軸本体部83Aは、第一カバー部81を軸方向Lに貫通する状態で配置されている。第二ピニオン軸83は、軸本体部83Aにおける第二中間壁66側の端部に、軸本体部83Aよりも大径に形成されたフランジ部83Bを有する。フランジ部83Bは、第一カバー部81の第二中間壁66側の側面に接する状態で配置されている。軸本体部83Aにおけるフランジ部83B側とは反対側(第一差動歯車装置40側)の端部には、軸方向Lに沿って雌ネジ83Cが形成されている。この雌ネジ83Cを利用して、第三連結部材73がネジ止めされる。
本実施形態では、出力部材20の径方向内側において径方向に見て出力部材20と重複する位置に配置された第一リングギヤ形成部材70は、第一キャリヤ42よりも第二キャリヤ52側に位置する部分を有するように配置されている。第一リングギヤ形成部材70の径方向内側であって軸方向Lに見て第二キャリヤ52と重複する位置に、第三連結部材73が配置されている。第三連結部材73は、第一リングギヤ形成部材70と第二キャリヤ52の第二ピニオン軸83とに亘って径方向に延びている。第三連結部材73は、円環板状に形成されている。第三連結部材73は、径方向外側部位に対して径方向内側部位が第二キャリヤ52側に位置するように断面クランク状に屈曲形成された、段付円環板状部材となっている。第三連結部材73の径方向外側の端部には、第一リングギヤ43に噛み合う外歯係合部73Aが形成されている。第三連結部材73における第二ピニオン軸83の雌ネジ83Cに対応する位置には、雌ネジ83Cよりも大径の挿通孔73Bが形成されている。
第三連結部材73は、外歯係合部73Aが第一リングギヤ43に噛み合った状態で、スナップリング79によって第一リングギヤ形成部材70に対して軸方向Lに位置決めされている。また、第三連結部材73は、挿通孔73Bに挿通されるネジ等の締結部材を用いて、第二ピニオン軸83の第一差動歯車装置40側の端面に接する状態で、第二ピニオン軸83にネジ止めされて固定されている。このようにして、第一リングギヤ形成部材70(第一リングギヤ43)は、第三連結部材73を介して第二ピニオン軸83に固定されている。そして、第一リングギヤ形成部材70(第一リングギヤ43)は、第三連結部材73と第二ピニオン軸83及び第二キャリヤカバー80とを介して、回転不能な状態でケース60(本実施形態では第二中間壁66)に固定されている。
本実施形態の車両用駆動装置1も、上述したスプリット型装置と基本レイアウトの多くが共通化されている。よって、第2の実施形態と同様、スプリット型装置の製造ラインを利用して混流生産することができ、生産性高く、シリーズ方式のハイブリッド車両用の車両用駆動装置1を得ることができる。また、本実施形態では、ケース60に固定される第二キャリヤカバー80に支持された第二ピニオン軸83に固定することによって第一リングギヤ43を固定するので、第二キャリヤカバー80の形状を変更する必要もない。よって、この点からも、シリーズ方式のハイブリッド車両用の車両用駆動装置1の生産性をより一層向上させることができる。
なお、第二キャリヤ52の第二ピニオン軸83は、場合によっては、第一キャリヤカバー45に対する第一ピニオン軸46と同様に、第二キャリヤカバー80に対してかしめ固定されても良い。しかし、本実施形態では、第一リングギヤ43からの伝達トルクが作用する点も考慮して、第二キャリヤカバー80をフランジ部83Bと第三連結部材73とで軸方向Lに挟み込んで、第二ピニオン軸83を第二キャリヤカバー80に固定している。これにより、第一リングギヤ43を第二ピニオン軸83に固定する場合であっても、要求される強度を十分に確保することができる。第二ピニオン軸83の形状に対して軽微な変更を施すだけで良いので、生産性の観点からも好都合である。
〔第4の実施形態〕
車両用駆動装置の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、車両用駆動装置1が、シリーズ・パラレル方式のハイブリッド車両を駆動するためのシリーズ・パラレルハイブリッド車両用駆動装置として構成されている点で、第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態とは異なっている。以下、本実施形態の車両用駆動装置1について、主に第2の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第2の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態の車両用駆動装置1は、第一キャリヤ42と第二リングギヤ53とを連結又は連結解除する係合装置2を備えている。係合装置2は、第一キャリヤ42と第二リングギヤ53とを選択的に連結する。係合装置2が解放した状態では、第一差動歯車装置40と第二差動歯車装置50との間で動力伝達が行われないように互いに分離され、上記の各実施形態と同様に、シリーズモードが実現される。シリーズモードは、内燃機関EGのトルクにより第一回転電機30に発電させつつ、第二回転電機35のトルクを出力部材20に伝達させて車両を走行させる走行モードである。本実施形態では、シリーズモードでは、内燃機関EGの回転が第一差動歯車装置40によって増速されて第一回転電機30に伝達されると共に、第二回転電機35の回転が第二差動歯車装置50によって減速されて出力部材20に伝達される。
一方、係合装置2が係合した状態では、第一差動歯車装置40と第二差動歯車装置50とが連結され、パラレルモードが実現される。パラレルモードは、少なくとも内燃機関EGのトルクを出力部材20に伝達させて車両を走行させるモードである。本実施形態では、パラレルモードにおいて、内燃機関EGのトルクに加えて、必要に応じて、第二回転電機35のトルク及び第一回転電機30のトルクの一方又は双方のトルクを出力部材20に伝達することができる。この場合、パラレルモードでは、内燃機関EGの回転が第一差動歯車装置40を介して同速のまま出力部材20に伝達されると共に、第二回転電機35の回転が第二差動歯車装置50によって減速されて出力部材20に伝達される。また、パラレルモードでは、第一回転電機30の回転速度は、出力部材20の回転速度(すなわち、車速)に応じて定まる。この場合、第一回転電機30は、必要に応じて、空転し、或いは、内燃機関EG又は車輪Wから伝達されるトルクによって駆動されて発電を行い、或いは、力行して出力部材20に正トルクを伝達する。第二回転電機35も同様に、必要に応じて、空転し、或いは、内燃機関EG又は車輪Wから伝達されるトルクによって駆動されて発電を行い、或いは、力行して出力部材20に正トルクを伝達する。
本実施形態では、図11に示すように、係合装置2は、摩擦係合式のクラッチである。また、本実施形態では、係合装置2は、油圧駆動式のクラッチである。本実施形態では、係合装置2は、軸方向Lにおける第一回転電機30と第二回転電機35との間に配置されている。具体的には、係合装置2は、軸方向Lにおける第一回転電機30と第一差動歯車装置40との間に配置されている。係合装置2は、第一差動歯車装置40と同軸に配置されている。また、係合装置2は、軸方向Lに見て第一差動歯車装置40と重複する位置に配置されている。本実施形態では、ケース60は、その内部に、第一中間壁61及び第二中間壁66に加えて、第三中間壁68を含む。第三中間壁68は、軸方向Lにおける第一中間壁61と第一差動歯車装置40との間を径方向に延びている。係合装置2は、第三中間壁68に対して軸方向Lの第一差動歯車装置40側に配置されている。第三中間壁68は、係合装置2よりも径方向内側まで延びている。そして、第三中間壁68の径方向内側の端部には、軸方向Lにおいて第一差動歯車装置40側に向かって延びる円筒状の軸方向突出部69が形成されている。軸方向突出部69の内周面に、入力部材10及び第一サンギヤ形成部材44が挿通されている。係合装置2は、軸方向突出部69に対して径方向外側における径方向に見て軸方向突出部69と重複する位置に配置されている。軸方向突出部69の内部には、第一油路11及び第二油路12が形成されている。第一油路11や第二油路12には、油圧制御装置(図示せず)による制御後の油圧が、第三中間壁68の内部に形成された油路を経由して供給される。なお、第二油路12は、軸方向Lにおける第一差動歯車装置40側の端部において開口している。
図12に示すように、係合装置2は、第一摩擦部材3Aと、第一摩擦部材3Aを径方向内側から支持する内側支持部4と、第一摩擦部材3Aと摩擦係合する第二摩擦部材3Bとを備えている。第一摩擦部材3A及び第二摩擦部材3Bのそれぞれは、円環板状の部材である。係合装置2は、更に、第二摩擦部材3Bを径方向外側から支持する外側支持部5と、第一摩擦部材3A及び第二摩擦部材3Bを軸方向Lに押圧するピストン6Aと、ピストン6Aを軸方向Lに付勢する付勢部材6Bとを備えている。第一摩擦部材3Aは、内側支持部4に対して周方向の相対回転が規制された状態で軸方向Lに摺動自在に支持され、第二摩擦部材3Bは、外側支持部5に対して周方向の相対回転が規制された状態で軸方向Lに摺動自在に支持されている。本実施形態では、係合装置2は、複数の第一摩擦部材3Aと複数の第二摩擦部材3Bとを備え、第一摩擦部材3Aと第二摩擦部材3Bとは、軸方向Lに沿って1つずつ交互に配置されている。
内側支持部4は第一キャリヤ42に連結され、外側支持部5は第二リングギヤ53に連結される。よって、係合装置2が係合した状態では、第一摩擦部材3Aと第二摩擦部材3Bとの間に発生する摩擦力によって、第一キャリヤ42と第二リングギヤ53との間で、すなわち、内燃機関EGと出力部材20との間でトルクが伝達される。本実施形態では、内側支持部4は、第一キャリヤ42と一体回転するように連結されている。具体的には、内側支持部4は、第一摩擦部材3Aを支持する円筒状の第一筒状部4Aと、第一筒状部4Aよりも小径の円筒状に形成された第二筒状部4Cと、径方向に延びて第一筒状部4Aと第二筒状部4Cとを連結する第一径方向延在部4Bと、ピストン6Aに対して第一径方向延在部4Bとは軸方向Lの反対側において第二筒状部4Cから径方向外側に延びる第二径方向延在部4Dとを備えている。第一筒状部4A、第一径方向延在部4B、第二筒状部4C、及び第二径方向延在部4Dは、互いに一体回転するように連結されている。図12に示すように、第一キャリヤカバー45は、第一ピニオン軸46を支持する支持部45Aを備えている。支持部45Aは、第一ピニオン軸46によって支持される第一ピニオンに対して軸方向Lにおける係合装置2の側において、第一ピニオン軸46を支持する。支持部45Aの径方向外側の端部には、スプライン係合部45Bが形成されている。このスプライン係合部45Bには、第一筒状部4Aにおける第一差動歯車装置40側の軸方向Lの端部の内周面に形成されたスプライン係合部4Eが係合する。これにより、内側支持部4は、第一キャリヤ42と一体回転するように連結されている。
本実施形態では、第一径方向延在部4Bは、第二径方向延在部4Dよりも軸方向Lの第一差動歯車装置40側に配置されている。そして、第一径方向延在部4Bは、第一筒状部4Aにおける第一摩擦部材3Aとの係合部の形成箇所と、スプライン係合部4Eとの軸方向Lの間の位置において、第一筒状部4Aに連結されている。本例では、第一径方向延在部4Bは第一筒状部4Aと一体的に形成されている。ピストン6Aは、第一径方向延在部4Bと第二径方向延在部4Dとの間に配置されており、第一摩擦部材3A及び第二摩擦部材3Bを、軸方向Lにおける第一差動歯車装置40とは反対側から押圧するように構成されている。軸方向Lにおける第二径方向延在部4Dとピストン6Aとの間に、ピストン6Aの駆動用の油圧が供給されるシリンダ室7Aが形成されている。ピストン6Aは、付勢部材6Bによって、軸方向Lにおける第一差動歯車装置40から離れる側に付勢されており、シリンダ室7Aの油圧に応じてピストン6Aを軸方向Lに移動させることで、係合装置2の係合の状態が制御される。本実施形態では、図12に油の概略的な流れを矢印で示すように、油圧制御装置による制御後の油圧が、第一油路11、軸方向突出部69の筒状部を径方向に貫通する油孔、スリーブ部材90を径方向に貫通する油孔、及び第二筒状部4Cを径方向に貫通する油孔を経由して、シリンダ室7Aに供給される。なお、スリーブ部材90は、軸方向突出部69の外周面と第二筒状部4Cの内周面との間の径方向の隙間に配置されている。
軸方向Lにおける第一径方向延在部4Bとピストン6Aとの間には、シリンダ室7Aで発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル室7Bが形成されている。付勢部材6Bは、このキャンセル室7Bに収容されている。本実施形態では、図12に油の概略的な流れを矢印で示すように、油圧制御装置による制御後の油圧が、第二油路12(図11参照)、及び第二筒状部4Cを径方向に貫通する油孔を経由して、キャンセル室7Bに供給される。また、油圧制御装置による制御後の油圧は、第二油路12、軸方向Lにおける第二筒状部4Cと支持部45A(第一キャリヤカバー45)との間の隙間、軸方向Lにおける第一径方向延在部4Bと支持部45Aとの間の隙間、及び第一径方向延在部4Bを軸方向Lに対して傾斜した方向に貫通する油孔を経由して、第一摩擦部材3A及び第二摩擦部材3Bに対して径方向内側から供給される。
本実施形態では、外側支持部5は、第二リングギヤ53と一体回転するように連結されている。本実施形態では、出力部材20の内周面に外側支持部5が形成されており、これにより、外側支持部5は、同じく出力部材20の内周面に形成された第二リングギヤ53と一体回転するように連結されている。具体的には、図12に示すように、出力部材20に対して径方向内側における径方向に見て出力部材20と重複する位置であって第二リングギヤ53に対して軸方向一方側(軸方向Lにおける係合装置2側)には、第一リングギヤ43が配置されている。そして、第一リングギヤ43を挟んで第二リングギヤ53側とは反対側における出力部材20の内周面に、第二摩擦部材3Bを径方向外側から支持する外側支持部5(すなわち、第二摩擦部材3Bとの係合部)が形成されている。すなわち、出力部材20は、第一差動歯車装置40の係合装置2側の軸方向Lの端部よりも更に軸方向Lにおける係合装置2側に位置する部分(以下、「延出部」という。)を有している。この延出部は、第一摩擦部材3A及び第二摩擦部材3Bを径方向外側から覆うように配置されており、当該延出部の内周面に、外側支持部5が形成されている。本実施形態では、出力部材20の第一回転電機30側の軸方向Lの端部の内周面に外側支持部5が形成されているため、平滑内面21は、出力部材20における第二リングギヤ53と外側支持部5との軸方向Lの間の領域に形成されている。
なお、本実施形態では、第2の実施形態と同様に、第一リングギヤ43は、第二キャリヤカバー80に固定されている。但し、第2の実施形態では、第一リングギヤ形成部材70が第二連結部材72を介して第二キャリヤカバー80に固定される構成を例として示したが(図6参照)、本実施形態では、図12に示すように、第一リングギヤ形成部材70は、第二キャリヤカバー80に直接固定されている。本例では、第一リングギヤ形成部材70における第二差動歯車装置50側の軸方向Lの端部の内周面が、第二カバー部82の外周面に外嵌した状態で、第一リングギヤ形成部材70と第二カバー部82とが固定されている。例えば、第一リングギヤ形成部材70と第二カバー部82とが溶接により固定された構成とすることができる。
本実施形態の車両用駆動装置1も、上述したスプリット型装置と基本レイアウトの多くが共通化されている。よって、第2の実施形態と同様、スプリット型装置の製造ラインを利用して混流生産することができ、生産性高く、シリーズ・パラレル方式のハイブリッド車両用の車両用駆動装置1を得ることができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の各実施形態では、第一リングギヤ形成部材70が、第一中間壁61の軸方向突出部62、第二キャリヤカバー80、及び第二ピニオン軸83のうちのいずれか1つに固定されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第一リングギヤ形成部材70が、軸方向突出部62、第二キャリヤカバー80、及び第二ピニオン軸83のうちの2つ以上に同時に固定されても良い。
(2)上記の各実施形態では、第一リングギヤ形成部材70が径方向に見て出力部材20と重複する位置に配置されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第一リングギヤ形成部材70が、径方向に見て出力部材20とは重複せずに当該出力部材20とは異なる軸方向位置に配置されても良い。
(3)上記の各実施形態では、第一リングギヤ形成部材70が軸方向Lに見て第二リングギヤ53と重複する位置に配置されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第一リングギヤ形成部材70が、軸方向Lに見て第二リングギヤ53とは重複せずに当該第二リングギヤ53とは異なる径方向位置に配置されても良い。この場合、例えば出力部材20の平滑内面21と第一リングギヤ形成部材70の外周面との間に軸受が配置される等しても良い。
(4)上記第1の実施形態では、第一リングギヤ形成部材70が第一連結部材71を介してケース60に固定されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第一リングギヤ形成部材70が第一中間壁61側に向かって軸方向Lに延びて、直接的にケース60(第一中間壁61)に固定されても良い。
(5)上記第1の実施形態では、第一リングギヤ形成部材70に連結された第一連結部材71が、第一リングギヤ43よりも径方向内側でケース60(第一中間壁61)を構成する軸方向突出部62にスプライン係合されて固定された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば径方向に見て第一リングギヤ形成部材70と出力部材20とが重複しない場合等には、第一リングギヤ形成部材70又は第一連結部材71が、第一リングギヤ43よりも径方向外側でケース60に固定されても良い。或いは、第一リングギヤ形成部材70又は第一連結部材71が、ケース60にネジ止めされて固定されても良い。
(6)上記第2の実施形態では、第一リングギヤ形成部材70に連結された第二連結部材72が第二キャリヤカバー80にネジ止め固定された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第二連結部材72と第二キャリヤカバー80とが、スプライン係合等によって回転不能な状態で固定されても良い。
(7)上記第3の実施形態では、出力部材20の内周面に外側支持部5が形成された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、外側支持部5が、出力部材20とは独立した部材に形成される構成とすることも可能である。この場合、例えば、外側支持部5が形成された部材が、出力部材20に対して径方向内側における径方向に見て出力部材20と部分的に重複する位置に配置された状態で、出力部材20と一体回転するように連結(例えば、スプライン連結等)される構成とすることができる。
(8)上記第3の実施形態では、第一リングギヤ形成部材70が第二キャリヤカバー80に固定される構成において、第一キャリヤ42と第二リングギヤ53とを連結又は連結解除する係合装置2が備えられる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第一リングギヤ形成部材70が第一中間壁61の軸方向突出部62に固定される構成や、第一リングギヤ形成部材70が及び第二ピニオン軸83に固定される構成等において、第一キャリヤ42と第二リングギヤ53とを連結又は連結解除する係合装置2が備えられても良い。
(9)上記の各実施形態では、第二キャリヤ52が直接的にケース60(第二中間壁66)に固定されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第二キャリヤ52が、第二中間壁66には固定されずに第一リングギヤ形成部材70(第一リングギヤ43)を介して間接的にケース60(第一中間壁61)に固定されても良い。
(10)上記の各実施形態では、出力部材20が外周面に形成されたパーキングギヤ24を含む構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば出力部材20にパーキングギヤ24が設けられなくても良い。
(11)上記の各実施形態では、第一差動歯車装置40及び第二差動歯車装置50がいずれもシングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第一差動歯車装置40及び第二差動歯車装置50の少なくとも一方がダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成されても良い。
なお、上述した各実施形態(上記の各実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎないと理解されるべきである。従って、当業者は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔実施形態の概要〕
以上をまとめると、本開示に係る車両用駆動装置は、好適には、以下の各構成を備える。
[1]
車両用駆動装置(1)であって、
内燃機関(EG)に駆動連結される入力部材(10)と、
車輪(W)に駆動連結される出力部材(20)と、
第一回転電機(30)と、
第二回転電機(35)と、
第一サンギヤ(41)、第一キャリヤ(42)、及び第一リングギヤ(43)を有する第一差動歯車装置(40)と、
第二サンギヤ(51)、第二キャリヤ(52)、及び第二リングギヤ(53)を有する第二差動歯車装置(50)と、
前記第一回転電機(30)、前記第二回転電機(35)、前記第一差動歯車装置(40)、及び前記第二差動歯車装置(50)を収容するケース(60)と、を備え、
前記入力部材(10)、前記第一回転電機(30)、前記第二回転電機(35)、前記第一差動歯車装置(40)、前記第二差動歯車装置(50)、及び前記出力部材(20)が同軸に配置されているとともに、軸方向(L)における前記第一回転電機(30)と前記第二回転電機(35)との間に前記第一差動歯車装置(40)及び前記第二差動歯車装置(50)が配置され、
前記第一サンギヤ(41)が前記第一回転電機(30)に連結され、前記第一キャリヤ(42)が前記入力部材(10)に連結され、前記第一リングギヤ(43)が前記ケース(60)に固定され、
前記第二サンギヤ(51)が前記第二回転電機(35)に連結され、前記第二キャリヤ(52)が前記ケース(60)に固定され、前記第二リングギヤ(53)が前記出力部材(20)に連結されている。
この構成によれば、入力部材及び第一回転電機が連結される第一差動歯車装置と、出力部材及び第二回転電機が連結される第二差動歯車装置とが、動力伝達の観点から互いに分離され、シリーズ方式のハイブリッド車両用の駆動装置を得ることができる。この場合において、入力部材、2つの回転電機、2つの差動歯車装置、及び出力部材が同軸に配置されているとともに軸方向における2つの回転電機どうしの間に2つの差動歯車装置が配置されたスプリット方式用のレイアウト(図13を参照)を部分的に利用して、生産性高く、シリーズ方式のハイブリッド車両用の駆動装置を得ることができる。
[2]
前記出力部材(20)は、円筒状に形成されているとともに、内周面に形成された前記第二リングギヤ(53)と外周面に形成された出力ギヤ(23)とを含み、
前記出力部材(20)は、軸方向(L)の異なる位置で当該出力部材(20)の外周面に接して配置された一対の軸受(94,95)によって前記ケース(60)に対して回転可能に支持され、
前記第一リングギヤ(43)が、前記出力部材(20)に対して径方向内側における径方向に見て前記出力部材(20)と重複する位置であって前記第二リングギヤ(53)とは異なる軸方向位置に配置されている。
この構成によれば、単一の円筒状の出力部材の両面に第二リングギヤと出力ギヤとを形成することで、第二差動歯車装置の出力回転を車輪側に伝達する構造をコンパクトに実現できる。また、軸方向の異なる位置に配置される一対の軸受で出力部材の外周面を支持することで、出力部材の支持精度を高めることができる。また、出力部材の径方向内側であって径方向に見て出力部材と重複する位置に、第一リングギヤと第二リングギヤとを軸方向に並べて配置することで、2つの回転電機どうしの間に2つの差動歯車装置が配置されたレイアウトをコンパクトに実現できる。
[3]
前記出力部材(20)は、外周面に形成されたパーキングギヤ(24)をさらに含む。
この構成によれば、第一リングギヤと第二リングギヤとが軸方向に並び得るだけの軸方向長さを有する出力部材の外周面における出力ギヤの非形成領域を利用して、パーキングギヤをコンパクトに設けることができる。
[4]
前記ケース(60)は、軸方向(L)における前記第一回転電機(30)と前記第一差動歯車装置(40)との間を径方向に延びる中間壁(61)を含み、
前記第一リングギヤ(43)が、前記中間壁(61)における前記第一リングギヤ(43)よりも径方向内側に形成された円筒状の軸方向突出部(62)に固定されている。
この構成によれば、例えば第一回転電機の収容空間と第一差動歯車装置の収容空間とを区切るための中間壁に形成された軸方向突出部を利用して、ケースに対して第一リングギヤを適切に固定することができる。
[5]
前記第一リングギヤ(43)が、前記第二キャリヤ(52)を介して前記ケース(60)に固定されている。
この構成によれば、軸方向に比較的余裕のある第二キャリヤを利用して第一リングギヤの固定構造を実現することで、例えばケースの中間壁に第一リングギヤを固定する構造と比較して、装置の軸方向長さが大きくなるのを抑えることができる。
[6]
前記第二キャリヤ(52)は、第二ピニオン軸(83)に回転可能に支持された第二ピニオン(84)を支持するとともに前記ケース(60)に固定された第二キャリヤカバー(80)を含み、
前記第一リングギヤ(43)が、前記第二キャリヤカバー(80)に固定されている。
この構成によれば、ケースに固定される第二キャリヤに備えられる第二キャリヤカバーを介して、ケースに対して第一リングギヤを適切に固定することができる。
[7]
前記第二キャリヤ(52)は、前記ケース(60)に固定された第二キャリヤカバー(80)と、当該第二キャリヤカバー(80)に支持された状態で第二ピニオン(84)を回転可能に支持する第二ピニオン軸(83)と、を含み、
前記第一リングギヤ(43)が、前記第二ピニオン軸(83)に固定されている。
この構成によれば、ケースに固定される第二キャリヤに備えられる第二ピニオン軸と、当該第二ピニオン軸を支持する第二キャリヤカバーとを介して、ケースに対して第一リングギヤを適切に固定することができる。
[8]
前記第一キャリヤ(42)と前記第二リングギヤ(53)とを連結又は連結解除する係合装置(2)を更に備える。
この構成によれば、シリーズ・パラレル方式のハイブリッド車両用の駆動装置を得ることができる。すなわち、係合装置を解放させて第一キャリヤと第二リングギヤとの連結が解除された状態とすることで、入力部材及び第一回転電機が連結される第一差動歯車装置と、出力部材及び第二回転電機が連結される第二差動歯車装置との間で、動力伝達が行われないように互いに分離され、シリーズモードでの車両の走行が可能となる。また、係合装置を係合させて、第一差動歯車装置の第一キャリヤと、第二差動歯車装置の第二リングギヤとが連結された状態とすることで、パラレルモードでの車両の走行が可能となる。このパラレルモードは、第一キャリヤに伝達される入力部材のトルクを、第二リングギヤを介して出力部材に伝達させて車両を走行させるモードである。なお、このように係合装置を備える場合であっても、入力部材、2つの回転電機、2つの差動歯車装置、及び出力部材が同軸に配置されるとともに軸方向における2つの回転電機どうしの間に2つの差動歯車装置が配置されたスプリット方式のレイアウトを部分的に利用して、生産性高く、シリーズ・パラレル方式のハイブリッド車両用の駆動装置を得ることができる。
[9]
前記係合装置(2)は、第一摩擦部材(3A)と、前記第一摩擦部材(3A)を径方向内側から支持すると共に前記第一キャリヤ(42)に連結される内側支持部(4)と、前記第一摩擦部材(3A)と摩擦係合する第二摩擦部材(3B)とを備え、
前記出力部材(20)は、円筒状に形成されているとともに、内周面に形成された前記第二リングギヤ(53)と外周面に形成された出力ギヤ(23)とを含み、
前記出力部材(20)に対して径方向内側における径方向に見て前記出力部材(20)と重複する位置であって前記第二リングギヤ(53)に対して軸方向一方側に、前記第一リングギヤ(43)が配置され、
前記第一リングギヤ(43)を挟んで前記第二リングギヤ(53)側とは反対側における前記出力部材(20)の内周面に、前記第二摩擦部材(3B)を径方向外側から支持する外側支持部(5)が形成されている。
この構成によれば、単一の円筒状の出力部材の両面に第二リングギヤと出力ギヤとを形成することで、第二差動歯車装置の出力回転を車輪側に伝達する構造をコンパクトに実現できる。その上で、このような出力部材の内周面に外側支持部を形成することで、第二差動歯車装置の出力回転を車輪側に伝達する構造を利用して、第一差動歯車装置の出力回転(第一キャリヤの回転)を車輪側に伝達することができる。よって、第一差動歯車装置及び第二差動歯車装置の双方の出力回転を車輪側に伝達可能な構造をコンパクトに実現できる。また、出力ギヤの径方向内側の空間を利用して係合装置を配置することができるため、2つの回転電機どうしの間に2つの差動歯車装置と係合装置とが配置されたレイアウトをコンパクトに実現できる。
本開示に係る車両用駆動装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
本開示に係る技術は、例えば車両を駆動するための車両用駆動装置に利用することができる。
1 車両用駆動装置
2 係合装置
3A 第一摩擦部材
3B 第二摩擦部材
4 内側支持部
5 外側支持部
10 入力部材
20 出力部材
23 出力ギヤ
24 パーキングギヤ
30 第一回転電機
35 第二回転電機
40 第一差動歯車装置
41 第一サンギヤ
42 第一キャリヤ
43 第一リングギヤ
50 第二差動歯車装置
51 第二サンギヤ
52 第二キャリヤ
53 第二リングギヤ
60 ケース
61 第一中間壁(中間壁)
62 軸方向突出部
70 第一リングギヤ形成部材
80 第二キャリヤカバー
83 第二ピニオン軸
84 第二ピニオン
94 第四軸受(一対の軸受)
95 第五軸受(一対の軸受)
EG 内燃機関
W 車輪
L 軸方向

Claims (9)

  1. 内燃機関に駆動連結される入力部材と、
    車輪に駆動連結される出力部材と、
    第一回転電機と、
    第二回転電機と、
    第一サンギヤ、第一キャリヤ、及び第一リングギヤを有する第一差動歯車装置と、
    第二サンギヤ、第二キャリヤ、及び第二リングギヤを有する第二差動歯車装置と、
    前記第一回転電機、前記第二回転電機、前記第一差動歯車装置、及び前記第二差動歯車装置を収容するケースと、を備え、
    前記入力部材、前記第一回転電機、前記第二回転電機、前記第一差動歯車装置、前記第二差動歯車装置、及び前記出力部材が同軸に配置されているとともに、軸方向における前記第一回転電機と前記第二回転電機との間に前記第一差動歯車装置及び前記第二差動歯車装置が配置され、
    前記第一サンギヤが前記第一回転電機に連結され、前記第一キャリヤが前記入力部材に連結され、前記第一リングギヤが前記ケースに固定され、
    前記第二サンギヤが前記第二回転電機に連結され、前記第二キャリヤが前記ケースに固定され、前記第二リングギヤが前記出力部材に連結されている車両用駆動装置。
  2. 前記出力部材は、円筒状に形成されているとともに、内周面に形成された前記第二リングギヤと外周面に形成された出力ギヤとを含み、
    前記出力部材は、軸方向の異なる位置で当該出力部材の外周面に接して配置された一対の軸受によって前記ケースに対して回転可能に支持され、
    前記第一リングギヤが、前記出力部材に対して径方向内側における径方向に見て前記出力部材と重複する位置であって前記第二リングギヤとは異なる軸方向位置に配置されている請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記出力部材は、外周面に形成されたパーキングギヤをさらに含む請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記ケースは、軸方向における前記第一回転電機と前記第一差動歯車装置との間を径方向に延びる中間壁を含み、
    前記第一リングギヤが、前記中間壁における前記第一リングギヤよりも径方向内側に形成された円筒状の軸方向突出部に固定されている請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記第一リングギヤが、前記第二キャリヤを介して前記ケースに固定されている請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記第二キャリヤは、第二ピニオン軸に回転可能に支持された第二ピニオンを支持するとともに前記ケースに固定された第二キャリヤカバーを含み、
    前記第一リングギヤが、前記第二キャリヤカバーに固定されている請求項5に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記第二キャリヤは、前記ケースに固定された第二キャリヤカバーと、当該第二キャリヤカバーに支持された状態で第二ピニオンを回転可能に支持する第二ピニオン軸と、を含み、
    前記第一リングギヤが、前記第二ピニオン軸に固定されている請求項5又は6に記載の車両用駆動装置。
  8. 前記第一キャリヤと前記第二リングギヤとを連結又は連結解除する係合装置を更に備える請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  9. 前記係合装置は、第一摩擦部材と、前記第一摩擦部材を径方向内側から支持すると共に前記第一キャリヤに連結される内側支持部と、前記第一摩擦部材と摩擦係合する第二摩擦部材とを備え、
    前記出力部材は、円筒状に形成されているとともに、内周面に形成された前記第二リングギヤと外周面に形成された出力ギヤとを含み、
    前記出力部材に対して径方向内側における径方向に見て前記出力部材と重複する位置であって前記第二リングギヤに対して軸方向一方側に、前記第一リングギヤが配置され、
    前記第一リングギヤを挟んで前記第二リングギヤ側とは反対側における前記出力部材の内周面に、前記第二摩擦部材を径方向外側から支持する外側支持部が形成されている請求項8に記載の車両用駆動装置。
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