以下、本発明の実施の形態に係る照明用光源及び照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
以下の実施の形態では、照明用光源の一例として、電球形LEDランプ(LED電球)について説明する。
(電球形ランプの全体構成)
まず、本実施の形態に係る電球形ランプ1の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプの外観斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプの分解斜視図である。なお、図2では、リード線43a〜43dは省略している。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る電球形ランプ1は、電球形蛍光灯又は白熱電球の代替品となる電球形LEDランプであって、グローブ10と、光源であるLEDモジュール20と、LEDモジュール20を支持する支持部材30と、LEDモジュール20を発光させるための駆動回路40と、駆動回路40を囲むように構成された回路ケース50と、回路ケース50を囲むように構成された第1筐体60と、第1筐体60を囲むように構成されるとともに外郭をなす第2筐体70と、外部から電力を受電する口金80と、ネジ90とを備える。
なお、電球形ランプ1は、グローブ10と第2筐体70と口金80とによって外囲器が構成されている。すなわち、グローブ10と第2筐体70と口金80とは外部に露出しており、それぞれの外面は外気(大気)に曝されている。
以下、本実施の形態に係る電球形ランプ1の各構成要素について、図2を参照しながら、図3を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプの断面図である。
なお、図3において、紙面上下方向に沿って描かれた一点鎖線は電球形ランプのランプ軸J(中心軸)を示しており、本実施の形態において、ランプ軸Jは、グローブ軸と一致している。また、ランプ軸Jとは、電球形ランプ1を照明装置(不図示)のソケットに取り付ける際の回転中心となる軸であり、口金80の回転軸と一致している。また、図3において、駆動回路40は断面図ではなく側面図で示されている。
(グローブ)
図3に示すように、グローブ10は、LEDモジュール20から放出される光をランプ外部に取り出すための略半球状の透光性カバーである。本実施の形態におけるグローブ10は、可視光に対して透明なシリカガラス製のガラスバルブ(クリアバルブ)である。したがって、グローブ10内に収納されたLEDモジュール20は、グローブ10の外側から視認することができる。
LEDモジュール20は、グローブ10によって覆われている。これにより、グローブ10の内面に入射したLEDモジュール20の光は、グローブ10を透過してグローブ10の外部へと取り出される。本実施の形態において、グローブ10は、LEDモジュール20を収納するように構成されている。
グローブ10の形状は、一端が球状に閉塞され、他端に開口部11を有する形状である。具体的には、グローブ10の形状は、中空の球の一部が、球の中心部から遠ざかる方向に伸びながら狭まったような形状であり、球の中心部から遠ざかった位置に開口部11が形成されている。このような形状のグローブ10としては、一般的な電球形蛍光灯や白熱電球と同様の形状のガラスバルブを用いることができる。例えば、グローブ10として、A形、G形又はE形等のガラスバルブを用いることができる。
また、グローブ10の開口部11は、支持部材30と第2筐体70との間に位置する。この状態で、支持部材30と第2筐体70との間にシリコーン樹脂等の接着剤を塗布することによってグローブ10が固定される。
なお、グローブ10は、必ずしも可視光に対して透明である必要はなく、グローブ10に光拡散機能を持たせてもよい。例えば、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する樹脂や白色顔料等をグローブ10の内面又は外面の全面に塗布することによって乳白色の光拡散膜を形成することができる。このように、グローブ10に光拡散機能を持たせることにより、LEDモジュール20からグローブ10に入射する光を拡散させることができるので、ランプの配光角を拡大することができる。
また、グローブ10の形状としては、A形等に限らず、回転楕円体又は偏球体であってもよい。グローブ10の材質としては、ガラス材に限らず、アクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の樹脂等を用いてもよい。
(LEDモジュール)
LEDモジュール20は、発光素子を有する発光モジュールであって、白色等の所定の色(波長)の光を放出する。図3に示すように、LEDモジュール20は、グローブ10の内方に配置されており、グローブ10によって形成される球形状の中心位置(例えば、グローブ10の内径が大きい径大部分の内部)に配置されることが好ましい。このように、グローブ10の中心位置にLEDモジュール20が配置されることにより、従来のフィラメントコイルを用いた白熱電球と近似した配光特性を実現することができる。
また、LEDモジュール20は、支持部材30によってグローブ10内に中空状態で保持されており、リード線43a及び43bを介して駆動回路40から供給される電力によって発光する。
ここで、本発明の実施の形態に係るLEDモジュール20の各構成要素について、図4を用いて説明する。図4(a)は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプにおけるLEDモジュールの平面図であり、図4(b)は、(a)のX−X’線における同LEDモジュールの断面図である。図4(c)は、(c)のY−Y’線における同LEDモジュールの断面図である。
図4の(a)〜(c)に示すように、LEDモジュール20は、基台21と、LED22と、封止部材23と、金属配線24と、ワイヤー25と、端子26a及び26bとを有する。本実施の形態におけるLEDモジュール20は、ベアチップが基台21上に直接実装されたCOB(Chip On Board)構造である。以下、LEDモジュール20の各構成要素について詳述する。
まず、基台21について説明する。基台21は、LED22を実装するための実装基板であり、LED22が実装される面である第1主面(表側面)と、当該第1主面に対向する第2主面(裏側面)とを有する。図4(a)に示すように、基台21は、例えば、平面視(グローブ10の頂部から見たとき)が長方形の矩形板状の基板である。
基台21としては、LED22から発せられる光に対して光透過率が低い基板、例えば全透過率が10%以下の白色アルミナ基板等の白色基板又は樹脂被膜された金属基板(メタルベース基板)等を用いることができる。このように、光透過率が低い基板を用いることにより、基台21を透過して第2主面ら光が出射することを抑制することができ、色ムラを抑制することができる。また、安価な白色基板を用いることができるので、低コスト化を実現することができる。
一方、基台21として、光透過率が高い透光性基板を用いることもできる。透光性基板を用いることにより、LED22の光は、基台21の内部を透過し、LED22が実装されていない面(裏側面)からも出射される。したがって、LED22が基台21の第1主面(表側面)だけに実装された場合であっても、第2主面(裏側面)からも光が出射されるので、白熱電球と近似した配光特性を得ることが可能となる。また、LEDモジュール20から全方位に光を放出させることができるので、全配光特性を実現することも可能となる。
透光性基板としては、例えば、可視光に対する全透過率が80%以上の基板、又は、可視光に対して透明な(すなわち透過率が極めて高く向こう側が透けて見える状態)透明基板を用いることができる。このような透光性基板としては、多結晶のアルミナや窒化アルミニウムからなる透光性セラミックス基板、ガラスからなる透明ガラス基板、水晶からなる水晶基板、サファイアからなるサファイア基板又は透明樹脂材料からなる透明樹脂基板等を用いることができる。
本実施の形態では、透光性を有する基台21として、焼結アルミナからなる白色の多結晶セラミックス基板を用いた。例えば、厚さ1mmで光の反射率が94%の白色アルミナ基板、又は、厚さ0.635mmで光の反射率が88%の白色アルミナ基板を用いることができる。
なお、その他に、基台21としては、樹脂基板又はフレキシブル基板を用いることもできる。また、基台21の形状としては、長方形に限らず、正方形又は円形等の他の形状のものを用いることもできる。
また、基台21には、支持部材30の頂部に設けられた凸部31aと嵌合する貫通孔27が設けられている。さらに、基台21には、2本のリード線43a及び43bとの電気的接続を行うために、2つの貫通孔28a及び28bが設けられている。リード線43a(43b)は、先端部が貫通孔28a(28b)に挿通されて基台21に形成された端子26a(26b)と半田接続されている。
次に、LED22について説明する。LED22は、発光素子の一例であって、所定の電力により発光する半導体発光素子である。複数のLED22は全て同じものが用いられており、いずれも単色の可視光を発するベアチップである。本実施の形態では、通電されれば青色光を発する青色発光LEDチップを用いている。青色LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm〜470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子を用いることができる。
また、LED22は、基台21の第1主面(表側面)のみに実装されており、基台21の長辺方向に沿って複数の列をなすようにして複数個実装されている。本実施の形態では、複数個のLED22を一列とする素子列が並行するように6列で配置されている。
なお、本実施の形態では、複数のLED22を実装したが、LED22の実装数は、電球形ランプの用途に応じて適宜変更すればよい。例えば、豆電球等に代替する低出力タイプのLEDランプの場合、LED22は1個としてもよい。一方、高出力タイプのLEDランプの場合は、1つの素子列内におけるLED22の実装数をさらに増やしてもよい。また、LED22の素子列は、6列に限らず、1〜5列としてもよいし、7列以上としてもよい。
ここで、本実施の形態で用いられるLED22について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプのLEDモジュールにおけるLED(LEDチップ)周辺の拡大断面図である。
図5に示すように、LED22は、サファイア基板22aと、当該サファイア基板22a上に積層された、互いに異なる組成からなる複数の窒化物半導体層22bとを有する。
窒化物半導体層22bの上面の両端部には、カソード電極22cとアノード電極22dとが設けられている。また、カソード電極22c及びアノード電極22dの上には、ワイヤーボンド部22e及び22fがそれぞれ設けられている。
互いに隣り合うLED22において、一方のLED22のカソード電極22cと他方のLED22のアノード電極22dとは、金属配線24とワイヤーボンド部22e及び22fとがワイヤー25によりワイヤボンディングされることによって接続されている。なお、金属配線24を介さずに、隣り合うLED22のワイヤーボンド部同士を直接ワイヤー25によって接続してもよい。
各LED22は、サファイア基板22a側の面が基台21の第1主面と対向するように、透光性のチップボンディング材22gにより基台21の上に実装されている。チップボンディング材22gには、酸化金属からなるフィラーを含有したシリコーン樹脂などを用いることができる。チップボンディング材22gに透光性材料を使用することにより、LED22の側面から出る光の損失を低減することができ、チップボンディング材22gによる影の発生を抑制することができる。
図4に戻り、次に、封止部材23について説明する。封止部材23は、例えば樹脂からなり、LED22を覆うように構成されている。封止部材23は、複数のLED22の一列分を一括封止するように形成されている。本実施の形態では、LED22の素子列が6列で実装されているので、6本の封止部材23が形成される。6本の封止部材23の各々は、複数のLED22の並び方向(列方向)に沿って基台21の第1主面上に直線状に設けられている。
封止部材23は、主として透光性材料からなるが、LED22の光の波長を所定の波長に変換する必要がある場合には、波長変換材料が透光性材料に混入される。
本実施の形態における封止部材23は、波長変換材として蛍光体を含み、LED22が発する光の波長(色)を変換する波長変換部材である。このような封止部材23としては、例えば、蛍光体粒子を含有する絶縁性の樹脂材料(蛍光体含有樹脂)によって構成することができる。蛍光体粒子は、LED22が発する光によって励起されて所望の色(波長)の光を放出する。
封止部材23を構成する樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂を用いることができる。また、封止部材23には、光拡散材を分散させてもよい。なお、封止部材23は、必ずしも樹脂材料によって形成する必要はなく、フッ素系樹脂などの有機材のほか、低融点ガラスやゾルゲルガラス等の無機材によって形成してもよい。
封止部材23に含有させる蛍光体粒子としては、例えば、LED22が青色光を発光する青色発光LEDである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体粒子を用いることができる。これにより、LED22が発した青色光の一部は、封止部材23に含まれる黄色蛍光体粒子によって黄色光に波長変換される。そして、黄色蛍光体粒子に吸収されなかった青色光と、黄色蛍光体粒子によって波長変換された黄色光とは、封止部材23中で拡散及び混合されることにより、封止部材23から白色光となって出射される。また、光拡散材としては、シリカなどの粒子が用いられる。
本実施の形態における封止部材23は、シリコーン樹脂に所定の蛍光体粒子を分散させた蛍光体含有樹脂としており、ディスペンサーによって基台21の第1主面に塗布して硬化させることで形成することができる。この場合、封止部材23の長手方向に垂直な断面における形状は、略半円形となる。
なお、基台21の裏面側に向かう光(漏れ光)を波長変換するために、LED22と基台21との間あるいは基台21の第2主面(裏側面)に、第2波長変換部材として、蛍光体粒子とガラス等の無機結合材(バインダー)とからなる焼結体膜等の蛍光体膜(蛍光体層)又は基台21の表面と同じ蛍光体含有樹脂をさらに形成しても構わない。このように、基台21の第2主面に第2波長変換部材をさらに形成することにより基台21の両面から白色光を放出することができる。
次に、金属配線24について説明する。金属配線24は、LED22を発光させるための電流が流れる導電性配線であって、基台21の表面上に、所定形状にパターン形成される。図4(a)に示すように、金属配線24は、基台21の第1主面に形成される。金属配線24によって、リード線43a及び43bからLEDモジュール20に給電された電力が各LED22に供給される。
金属配線24は、各LED素子列における複数のLED同士を直列接続するために形成されている。例えば、金属配線24は、隣り合うLEDの間に島状に形成されている。また、金属配線24は、各素子列同士を並列接続するために形成されている。各LED22は、ワイヤー25を介して金属配線24と電気的に接続されている。
金属配線24は、例えば、金属材料からなる金属膜をパターニングしたり、印刷したりすることによって形成することができる。金属配線24の金属材料としては、例えば、銀(Ag)、タングステン(W)又は銅(Cu)等を用いることができる。なお、金属配線24の表面に、ニッケル(Ni)/金(Au)等のメッキ処理を施しても構わない。
また、封止部材23から露出する金属配線24については、端子26a及び26bを除いて、ガラス材によるガラス膜(ガラスコート膜)又は樹脂材による樹脂膜(樹脂コート膜)によって被覆することが好ましい。これにより、LEDモジュール20における絶縁性を向上させたり、基台21の表面の反射率を向上させたりすることができる。
ワイヤー25は、例えば金ワイヤー等の電線である。図4(b)に示すように、ワイヤー25は、LED22と金属配線24とを接続する。図5で説明したように、ワイヤー25により、LED22の上面に設けられたワイヤーボンド部22e(22f)とLED22の両側に隣接して形成された金属配線24とがワイヤボンディングされている。
なお、本実施の形態のように、ワイヤー25は、封止部材23から露出しないように、全体が封止部材23の中に埋め込まれている。
次に、端子26a及び26bについて説明する。端子26a及び26bは、LED22を発光させるための直流電力を、LEDモジュール20の外部から受電する外部接続端子である。本実施の形態において、端子26a及び26bは、リード線43a及び43bとの半田接続される。
端子26a及び26bは、貫通孔28a及び28bを囲むように基台21の第1主面に所定形状で形成される。端子26a及び26bは、金属配線24と連続して形成されており、金属配線24と電気的に接続されている。なお、端子26a及び26bは、金属配線24と同じ金属材料を用いて、金属配線24と同時にパターン形成される。
また、端子26a及び26bは、LEDモジュール20の給電部であって、リード線43a及び43bから受電した直流電力を、金属配線24とワイヤー25とを介して各LED22に供給する。
(支持部材)
支持部材30は、LEDモジュール20を支持する支持台であり、支持部材30には、LEDモジュール20が取り付けられる。支持部材30は、金属又は樹脂によって構成することができる。支持部材30を樹脂によって構成する場合、白色等の有色の樹脂材料によって構成したり、透光性を有する樹脂材料によって構成したりすることができる。
支持部材30は、LEDモジュール20(LED22)で発生する熱を放熱させるための放熱部材(ヒートシンク)としても機能する。したがって、支持部材30は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)又は鉄(Fe)等を主成分とする金属材料又は熱伝導率の高い樹脂材料によって構成することが好ましい。これにより、支持部材30を介してLEDモジュール20で発生した熱を効率良く第1筐体60に伝導させることができる。
支持部材30は、主にグローブ10の内部に位置する支柱31と、主に第1筐体60に囲まれる台座32とによって構成されている。本実施の形態において、支柱31及び台座32は、いずれもアルミニウムを用いて成形されている。
支柱31は、グローブ10の開口部11の近傍からグローブ10の内方に向かって延びるように設けられている。支柱31は、LEDモジュール20を保持する保持部材として機能する。このように、グローブ10の内方に向かって延伸する支柱31にLEDモジュール20が設けられることにより、広配光角の配光特性を実現することができるので、白熱電球と同様の配光特性を得ることができる。
また、支柱31の一端はLEDモジュール20に接続され、支柱31の他端は台座32に接続されている。
支柱31の頂部には、LEDモジュール20の基台21を固定するための固定面が形成されており、当該固定面は、基台21の裏面と接触する接触面である。LEDモジュール20は、例えば、固定面に載置されて接着剤等によって固定面に接着される。本実施の形態では、支柱31の頂部には、固定面から突出する凸部31aが設けられている。凸部31aは、LEDモジュール20の基台21に設けられた貫通孔27と嵌合するように構成されている。凸部31aは、LEDモジュール20の位置を規制する位置規制部として機能し、平面視形状が長方形となるように構成されている。
台座32は、支柱31を支持する部材であり、グローブ10の開口部11を塞ぐように構成されている。台座32は、段差部を有する円盤状部材であって、直径が小さい径小部32aと直径が大きい径大部32bとによって構成されている。径小部32aと径大部32bとの直径の差によって台座32の段差部が構成され、当該段差部(径大部32bの上面)にはグローブ10の開口部11が当接している。これにより、グローブ10の開口部11が塞がれる。
また、台座32の段差部において、支持部材30と第1筐体60のグローブ側の開口端部との間にグローブ10の開口部11が挟まれた状態で、これらの周辺にシリコーン樹脂等の接着剤(不図示)を塗布することによって、支持部材30と第1筐体60とグローブ10の開口部11とを固着することができる。
径小部32aは、台座32における円板状に構成された部分であり、支柱31を支持するとともに、グローブ10の開口部11を塞ぐように構成されている。支柱31は径小部32aの中央部に配置されている。なお、径小部32aには、リード線43a及び43bを挿通するための2つの貫通孔が設けられている。
径大部(フィン)32bは、第1筐体60と嵌め合わされる部分であり、支持部材30は径大部32bの外周面が第1筐体60の内周面に接することで第1筐体60に接続されている。これにより、支持部材30(台座32)の熱を第1筐体60に効率良く伝導させることができる。
径大部32bは、径小部32aから口金側に向かって延設された構造となっており、例えば、外径が漸次変化する略円筒構造である。径大部32bは、例えば外面が円錐台の表面となるように構成することができる。
また、径大部32bの上部(LEDモジュール側端部)には、第1筐体60の一部をかしめる時のガイド穴として4つの凹部が形成されている。凹部は、径大部32bの上端部の一部を切り欠くようにして形成されている。
なお、本実施の形態では、支柱31を設けたが、支柱31は設けなくてもよい。つまり、台座32のみで支持部材30を構成してもよい。この場合、台座32の上面にLEDモジュール20を載置すればよい。
(駆動回路)
駆動回路(回路ユニット)40は、LEDモジュール20(LED22)を発光(点灯)させるための点灯回路(電源回路)であって、LEDモジュール20に所定の電力を供給する。例えば、駆動回路40は、一対のリード線43c及び43dを介して口金80から供給される交流電力を直流電力に変換し、一対のリード線43a及び43bを介して当該直流電力をLEDモジュール20に供給する。
駆動回路40は、回路基板41と、回路基板41に実装された複数の回路素子(電子部品)42とによって構成されている。
回路基板41は、金属配線がパターン形成されたプリント基板であり、当該回路基板41に実装された複数の回路素子42同士を電気的に接続する。本実施の形態において、回路基板41は、主面がランプ軸と直交する姿勢で配置されている。回路基板41は、ケース本体部51とキャップ部52とによって挟持されて保持されている。
回路素子42は、例えば、各種コンデンサ等の容量素子、抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。回路素子42の多くは、回路基板41の一方の主面に実装されている。
このように構成される駆動回路40は、回路ケース50内に収納されており、例えば、ねじ止め、接着又は係合などにより回路ケース50に固定されている。このように、駆動回路40は、回路ケース50に覆われることで絶縁性が確保されている。なお、駆動回路40には、調光回路や昇圧回路などを適宜選択して組み合わせてもよい。
駆動回路40とLEDモジュール20とは、一対のリード線43a及び43bによって電気的に接続されている。また、駆動回路40と口金80とは、一対のリード線43c及び43dによって電気的に接続されている。これら4本のリード線43a〜43dは、例えば合金銅リード線であり、合金銅からなる芯線と当該芯線を被覆する絶縁性の樹脂被膜とからなる。
本実施の形態において、リード線43aは、駆動回路40からLEDモジュール20に正電圧を供給するための導線(プラス側出力端子線)であり、リード線43bは、駆動回路40からLEDモジュール20に負電圧を供給するための導線(マイナス側出力端子線)である。リード線43a及び43bは、支持部材30に設けられた貫通孔に挿通されてLEDモジュール側(グローブ10内)に引き出されている。
なお、リード線43a(43b)の各々の一端(芯線)は、LEDモジュール20の基台21の貫通孔28a(28b)を挿通して端子26a及び26bと半田接続されている。一方、リード線43a及び43bの各々の他端(芯線)は、回路基板41の金属配線と半田接続されている。
また、リード線43c及び43dは、LEDモジュール20を点灯させるための電力を、口金80から駆動回路40に供給するための電線である。リード線43c及び43dの各々の一端(芯線)は、口金80(シェル部81又はアイレット部83)と電気的に接続されるとともに、各々の他端(芯線)は、回路基板41の電力入力部(金属配線)と半田等によって電気的に接続されている。
(回路ケース)
回路ケース50は、駆動回路40を収納するための絶縁ケースであって、第1筐体60及び口金80内に収納される。回路ケース50は、ケース本体部51とキャップ部52とによって構成されている。
ケース本体部51は、両側が開口を有する絶縁性のケース(筐体)であり、第1筐体60と略同形の大径円筒状の第1ケース部51aと、第1ケース部51aに連結され、口金80と略同形の小径円筒状の第2ケース部51bとで構成されている。
グローブ側に位置する第1ケース部51aは第1筐体60内に収納されている。駆動回路40の大部分は、この第1ケース部51aによって覆われている。
一方、口金側に位置する第2ケース部51bは口金80内に収納されており、第2ケース部51bには口金80が外嵌されている。これにより、回路ケース50(ケース本体部51)の口金側の開口が塞がれる。本実施の形態では、第2ケース部51bの外周面には口金80と螺合するための螺合部が形成されており、口金80は第2ケース部51bにねじ込まれることによって回路ケース50(ケース本体部51)に固定される。ケース本体部51は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂材料等を用いて構成することができる。
キャップ部52は、キャップ状に構成された絶縁性の略有底円筒部材である。キャップ部52も、ケース本体部51と同様に、例えばPBT等の絶縁性樹脂材料等を用いて構成することができる。
キャップ部52の上面形状は、支持部材30の台座32の内面形状に沿うように構成されている。これにより、キャップ部52は台座32に嵌め込まれて、ネジ90によって支持部材30(台座32)に締め付け固定される。
なお、本実施の形態において、回路ケース50にはキャップ部52を設けたが、キャップ部52を設けずに、ケース本体部51のみによって回路ケース50を構成しても構わない。
このように構成される回路ケース50は、第1ケース部51aと第1筐体60との間に所定の間隔を空けるようにして配置されている。すなわち、第1ケース部51aの外面と第1筐体60の内面とは非接触状態となっている。
(第1筐体)
第1筐体60は、駆動回路40を囲むように構成されている。すなわち、第1筐体60の内方には駆動回路40が配置されている。本実施の形態において、第1筐体60は、回路ケース50を介して駆動回路40を囲っている。
また、第1筐体60は、ヒートシンク(放熱体)として機能し、支持部材30に接触した状態で支持部材30に接続されている。これにより、LEDモジュール20で発生した熱は、支持部材30を介して第1筐体60に伝導する。これにより、LEDモジュール20の熱を放熱させることができる。
第1筐体60は、熱伝導率が高い材料によって構成することが好ましく、例えば、金属製の金属部材とすることができる。本実施の形態における第1筐体60は、アルミニウムを用いて成形されている。アルミニウムの線膨張係数は、使用温度や組成によって異なるが、24×10−6/K程度である。なお、第1筐体60は、金属ではなく、樹脂等の非金属材料を用いて形成されていてもよい。この場合、第1筐体60は、熱伝導率の高い非金属材料を用いることが好ましい。
本実施の形態において、第1筐体60は、支持部材30の台座32と嵌め合わされるように構成されており、第1筐体60の当該嵌め合わされる部分は、所定のテーパ角を有するテーパ部となっている。本実施の形態では、第1筐体60の内周面と支持部材30の台座32の外周面とが面接触している。
第1筐体60は、グローブ側の開口(第1開口)と口金側の開口(第2開口)とを有する筒体であり、グローブ側の開口は口金側の開口よりも大きくなるように構成されている。具体的に、第1筐体60は、肉厚が一定で、内径及び外径が漸次変化する略円筒部材であり、例えば内面及び外面が円錐台の表面となるようにスカート状に構成されている。本実施の形態における第1筐体60は、口金80側に向かって漸次内径及び外径が小さくなるように構成されている。したがって、第1筐体60の内周面及び外周面は、ランプ軸Jに対して傾斜するように構成されたテーパ面(傾斜面)となっている。
このように構成される第1筐体60は、回路ケース50(第1ケース部51a)及び第2筐体70との間に所定の隙間を空けるようにして、回路ケース50と第2筐体70との間に配置されている。つまり、第1筐体60の内周面と回路ケース(第1ケース部51a)の外周面との間、及び、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面との間には、空気層が存在する。
(第2筐体)
第2筐体70は、第1筐体60の周囲を囲むように構成された絶縁性カバーである。絶縁性を有する第2筐体70によって金属製の第1筐体60を覆うことによって、電球形ランプ1の絶縁性を向上させることができる。
第2筐体70は、線膨張係数が第1筐体60よりも大きく、例えば、PBT等の絶縁性樹脂材料によって構成することができる。PBTの線膨張係数は、使用温度や組成によって異なるが、100×10−6/K程度である。
第2筐体70の外面は、ランプ外部(大気中)に露出している。一方、第2筐体70の内周面は、第1筐体60の外周面と対面している。本実施の形態において、第2筐体70の外周面と第1筐体60の内周面との間には隙間が設けられている。
第2筐体70は、肉厚一定で、内径及び外径が漸次変化する略円筒部材であり、例えば内面及び外面が円錐台の表面となるようにスカート状に構成することができる。本実施の形態において、第2筐体70は、口金80側に向かって漸次内径及び外径が小さくなるように構成されている。
(口金)
口金80は、LEDモジュール20(LED22)を発光させるための電力をランプ外部から受電する受電部である。口金80は、例えば、照明器具のソケットに取り付けられる。これにより、口金80は、電球形ランプ1を点灯させる際に、照明器具のソケットから電力を受けることができる。口金80には、例えばAC100Vの商用電源から交流電力が供給される。本実施の形態における口金80は二接点によって交流電力を受電し、口金80で受電した電力は、一対のリード線43c及び43bを介して駆動回路40の電力入力部に入力される。
口金80は、金属製の有底筒体形状であって、外周面が雄ネジとなっているシェル部81と、シェル部81に絶縁部82を介して装着されたアイレット部83とを備える。口金80の外周面には、照明器具のソケットに螺合させるための螺合部が形成されている。また、口金80の内周面には、回路ケース50のケース本体部51(第2ケース部51b)の螺合部に螺合させるための螺合部が形成されている。
口金80の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ねじ込み型のエジソンタイプ(E型)の口金を用いている。例えば、口金80として、E26形又はE17形、あるいはE16形等が挙げられる。本実施の形態では、E17形の口金を用いている。
以下、本実施の形態に係る電球形ランプ1の特徴について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプの要部拡大断面図(図3の破線Aで囲まれる領域の拡大図)である。
第1筐体60の線膨張係数と第2筐体70の線膨張係数とが異なっている場合、温度変化によって、第1筐体60及び第2筐体70にクラック(割れ)が発生するという問題がある。
特に、LED電球が低温環境下で使用される場合に、クラックが生じやすい。この原因の一つとして、LED電球は常温で設計されるということがある。
例えば、消灯状態であっても低温環境下にあるLED電球では、低温による部材の熱収縮差によってクラックが発生する。これは、同一温度では外側の部材の方が内側の部材よりも熱収縮するからである。特に、LED電球が寒冷環境下で使用される場合は、より顕著にクラックが発生する。
具体的には、本実施の形態のように、第1筐体60が金属製で、外郭をなす第2筐体70が樹脂製であって第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面とが面接触しているような場合、低温によって第1筐体60及び第2筐体70が熱収縮(体積収縮)すると、樹脂製の第2筐体70の方が金属製の第1筐体60よりも線膨張係数が数倍も高いことから、第1筐体60と第2筐体70との熱収縮差によって樹脂製の第2筐体70に応力歪みが生じてクラックが発生する。仮に、第1筐体60と第2筐体70との間に寸法公差程度の隙間があったとしても、第1筐体60と第2筐体70との熱収縮差を吸収することができない。なお、第1筐体60及び第2筐体70が熱収縮する方向は、第1筐体60(第2筐体70)の外周面に対して垂直な方向(紙面左右方向)が支配的となる。
また、低温環境下で点灯状態のLED電球は、LEDモジュール20及び駆動回路40から熱が発生するので、内側に存在する金属製の第1筐体60は高温となるが、外側に存在する樹脂製の第2筐体70は外気(冷気)に曝されるので低温となる。この場合、内側の金属製の第1筐体60のみが熱膨張(体積膨張)することになるので、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面とが面接触していると、第1筐体60と第2筐体70との熱膨張差によって樹脂製の第2筐体70に応力歪みが生じてクラックが発生する。仮に、第1筐体60と第2筐体70との間に寸法公差程度の隙間があったとしても、第1筐体60と第2筐体70との熱膨張差を吸収することができない。なお、第1筐体60及び第2筐体70が熱膨張する方向は、熱収縮する方向と同様に、第1筐体60(第2筐体70)の外周面に対して垂直な方向(紙面左右方向)が支配的となる。
特に、低温環境下でLED電球を点灯させたり消灯させたりすると、点灯時又は消灯時では温度変化が大きいので、第2筐体70にクラックが生じやすい。例えば、点灯中のLEDランプを消灯させると、外郭をなす第2筐体70が内側の第1筐体60よりも先に急激に冷却されるので、第2筐体70にクラックが生じやすい。
このように、LED電球が低温環境下にあると、樹脂製の第2筐体70にクラックが発生しやすい。
一方、LED電球が低温環境下にない場合であっても、第1筐体60と第2筐体70とが接着等によって固定されていると、第2筐体70にクラックが発生する。例えば、LED電球が高温環境下にある場合は、高温によって接着状態の第1筐体60及び第2筐体70が熱膨張(体積膨張)するので、第1筐体60と第2筐体70との熱膨張差によって樹脂製の第2筐体70に応力歪みが生じてクラックが発生する。あるいは、LED電球が常温下にある場合であっても、点灯状態のLED電球では、LEDモジュール20及び駆動回路40から熱が発生する。この熱によって第1筐体60及び第2筐体70が接着状態で熱膨張(体積膨張)するので、第1筐体60と第2筐体70との熱膨張差によって第2筐体70にクラックが発生する。
そこで、本実施の形態における電球形ランプ1では、第1筐体60と第2筐体70との間に、第1筐体60及び第2筐体70の体積膨張(熱膨張)や体積収縮(熱収縮)を吸収するための物理的な隙間(空気層)が存在するようにして、第1筐体60と第2筐体70とを配置している。本実施の形態では、第2筐体70の内径を第1筐体60の外径よりも大きくすることで、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面との間に隙間(クリアランス)を設けている。このように、第1筐体60と第2筐体70との間の隙間は、第1筐体60(第2筐体70)が熱膨張(熱収縮)しやすい方向に設けられている。
これにより、線膨張係数の異なる第1筐体60と第2筐体70とが熱膨張又は熱収縮したとしても、第1筐体60と第2筐体70との熱膨張差又は熱収縮差を当該隙間によって吸収することができる。これにより、第2筐体70にクラックが発生することを抑制することができる。
なお、本実施の形態において、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面との一部は接触していても構わない。例えば、第1筐体60と第2筐体70との中心軸がずれて第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面の一部が接触していても構わない。この場合、接触している箇所の反対側には隙間が存在することになる。このように、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面との間のどこかに隙間が設けられていればよい。ただし、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面とは、全域において非接触であることが好ましい。
また、本実施の形態において、第1筐体60は、当該第1筐体60の円筒部材の内方に向かって折れ曲がるように設けられた屈曲部60aを有する。第1筐体60の屈曲部60aは、第1筐体60の円筒部材の口金側の開口端部に設けられている。さらに、第2筐体70も、当該第2筐体70の円筒部材の内方に向かって折れ曲がるように設けられた屈曲部70aを有する。さらに、回路ケース50も、当該回路ケース50の円筒部材の内方に向かって折れ曲がるように設けられた屈曲部50aを有する。屈曲部50a、屈曲部60a及び屈曲部70aの主面垂直方向は、いずれもランプ軸Jと平行であり、屈曲部60aは、屈曲部50aと屈曲部70aとによって挟持されている。
これにより、第1筐体60の屈曲部60aの外面と第2筐体70の屈曲部70aの内面とを接触させることができる。このため、第1筐体60に伝導したLEDモジュール20の熱を効率良く第2筐体70に伝導させることができるので、LEDモジュール20の放熱性を向上させることができる。
このように、屈曲部60aと屈曲部70aとを接触させることで、第2筐体70のクラックを防止するだけではなく、放熱性にも優れた電球形ランプを実現することができる。
なお、第1筐体60(第2筐体70)が熱膨張(熱収縮)する方向は、上述のとおり、第1筐体60(第2筐体70)の外周面に対して垂直な方向(ランプ軸Jと直交する方向)が支配的となり、屈曲部60aと屈曲部70aとの接触面における法線は、熱膨張(熱収縮)が支配的ではないランプ軸Jと平行な方向である。したがって、第1筐体60と第2筐体70とを屈曲部60a及び屈曲部70aの位置で接触させたとしても、第2筐体70にクラックは発生しない。
また、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面との間の隙間は、ランプ点灯時の温度と第1筐体60及び第2筐体70の線膨張係数とを考慮すると、少なくとも0.1mm以上とすることが好ましい。より好ましくは、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面との間の隙間は、0.15mm程度以上である。これは、LED電球程度のスケールであれば、常温環境から低温環境への温度変化の場合、外郭をなす樹脂製の第2筐体70は、内側の金属製の第1筐体60よりも径が0.15mm程度収縮するからである。
また、本実施の形態では、第1筐体60と第2筐体70との間だけではなく、第1筐体60の内周面と回路ケース50の外周面との間にも、第1筐体60及び回路ケース50の体積膨張(熱膨張)や体積収縮(熱収縮)を吸収するための所定の隙間が設けられている。これにより、線膨張係数の異なる金属製の第1筐体60と樹脂製の回路ケース50(ケース本体部51)とが熱膨張又は熱収縮したとしても、第1筐体60と回路ケース50との熱膨張差又は熱収縮差を当該隙間によって吸収することができる。これにより、第2筐体70にクラックが発生することを抑制することができる。
また、本実施の形態において、第1筐体60と第2筐体70との間の隙間(第1の隙間)は、第1筐体60と回路ケース50との間の隙間(第2の隙間)よりも小さい。すなわち、第1筐体60と第2筐体70との間の隙間の距離d1は、第1筐体60と回路ケース50(ケース本体部51)との間の隙間の距離d2よりも小さくなっている。これにより、第1筐体60と第2筐体70との間における熱伝導性を向上させつつ、第1筐体60と回路ケース50との間における熱伝導性を低下させることができる。この結果、駆動回路40で発生した熱の放熱経路とLEDモジュール20で発生した熱の放熱経路とを分けることができる。したがって、LEDモジュール20で発生した熱は、第1筐体60を介して第2筐体70に効率良く伝導させることができる。一方、駆動回路40で発生した熱は、主に、第1筐体60ではなく、口金80の方へと伝導させることができる。
(変形例1)
次に、本実施の形態の変形例1について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態の変形例1に係る電球形ランプの要部拡大断面図である。
図7に示すように、本変形例に係る電球形ランプは、上記の実施の形態における電球形ランプ1に対して、さらに、第1筐体60の屈曲部60aに孔部60a1が形成されているとともに、第2筐体70の屈曲部70aに凸部70a1が形成されている。
本変形例では、孔部60a1と凸部70a1とが嵌合するように構成されており、第1筐体60と第2筐体70とを組み合わせるときに、凸部70a1を孔部60a1に嵌合させることによって、第2筐体70に対する第1筐体60の位置を決定することができる。これにより、孔部60a1と凸部70a1とによって第1筐体60と第2筐体70との相対的な位置関係を決めることができる。
この結果、第1筐体60と第2筐体70との間の隙間が所定の間隔となるように、精度良く第1筐体60と第2筐体70とを配置することができる。また、第1筐体60と回路ケース50との間の隙間が所定の間隔となるように、精度良く第1筐体60と回路ケース50とを配置することもできる。
(変形例2)
次に、本実施の形態の変形例2について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態の変形例2に係る電球形ランプの要部拡大断面図である。
図8に示すように、本変形例に係る電球形ランプは、上記の実施の形態における電球形ランプ1に対して、さらに、第1筐体60に弾力性を有する爪部61が形成されている。爪部61は、金属製の第1筐体60の一部を切り欠いて、第2筐体70の内周面に向かって屈曲させることで構成することができる。本変形例において、爪部61の先端部は、第2筐体70の内周面に当接している。
このように、爪部61を設けることによって、第1筐体60の外周面と第2筐体70の内周面との間に隙間を設けつつ、第1筐体60の一部を第2筐体70の内周面に接触させることができる。
これにより、線膨張係数の異なる第1筐体60と第2筐体70とが熱膨張したとしても、爪部61が弾性力を有するので、第1筐体60と第2筐体70との接触状態を維持しつつ、第1筐体60と第2筐体70との熱膨張差又は熱収縮差を、上記隙間によって吸収することができる。
したがって、第2筐体70のクラックを防止するだけではなく、放熱性にも優れた電球形ランプを実現することができる。
(照明装置)
また、本発明は、このような電球形ランプとして実現することができるだけでなく、電球形ランプを備える照明装置としても実現することができる。以下、本発明の実施の形態に係る照明装置について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態に係る照明装置の概略断面図である。
図9に示すように、本発明の実施の形態に係る照明装置2は、例えば、室内の天井に装着されて使用され、上記の実施の形態に係る電球形ランプ1と、点灯器具3とを備える。
点灯器具3は、電球形ランプ1を消灯及び点灯させるものであり、天井に取り付けられる器具本体4と、電球形ランプ1を覆う透光性のランプカバー5とを備える。
器具本体4は、ソケット4aを有する。ソケット4aには、電球形ランプ1の口金80がねじ込まれる。このソケット4aを介して電球形ランプ1に電力が供給される。
(その他)
以上、本発明に係る電球形ランプ及び照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態及び変形例において、LEDモジュール20は基台21上にLEDチップを直接実装したCOB型の構成としたが、これに限らない。例えば、樹脂製の容器の凹部(キャビティ)の中にLEDチップ(発光素子)を実装して当該凹部内に封止部材(蛍光体含有樹脂)を封入したパッケージ型のLED素子(SMD型LED素子)を用いて、このLED素子を金属配線が形成された基台21上に複数個実装することで構成されたSMD型のLEDモジュールを用いても構わない。
また、上記の実施の形態及び変形例において、LEDモジュール20の基台21としては、1枚の白色基板を用いたが、表面にLED22及び封止部材23を形成した2枚の白色基板の裏側の面同士を貼り合わせることで、1つのLEDモジュール20を構成しても構わない。
また、上記の実施の形態及び変形例において、LEDモジュール20は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、演色性を高めるために、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、黄色蛍光体を用いずに、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることによりに白色光を放出するように構成することもできる。
また、上記の実施の形態及び変形例において、LEDチップは、青色以外の色を発光するLEDチップを用いても構わない。例えば、紫外線発光のLEDチップを用いる場合、蛍光体粒子としては、三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子を組み合わせたものを用いることができる。さらに、蛍光体粒子以外の波長変換材を用いてもよく、例えば、波長変換材として、半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を用いてもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の発光素子を用いてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。