JP5948623B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速比を無段階に変更するバリエータと発進クラッチを備え、コーストストップ制御を行う車両に適用される無段変速機の制御装置に関するものである。
従来、走行中にエンジンを停止するコーストストップ制御時、副変速機構の締結中の締結要素を解放し、その後、電動オイルポンプから供給される作動油によってバリエータの変速比を最大変速比に変更するとともに、発進クラッチを締結直前の状態に維持する無段変速機の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−51468号公報
ここで、従来の無段変速機の制御装置にあっては、コーストストップ制御時のエンジン停止に伴うメカオイルポンプ(エンジンによって駆動されて油圧を発生させるオイルポンプ)の停止に対し、電動オイルポンプ(電動モータによって駆動されて油圧を発生させるオイルポンプ)を用いることで、コーストストップ制御中に発進クラッチやバリエータへ供給する作動油の油圧を確保していた。しかしながら、コスト抑制のために電動オイルポンプを廃した場合、エンジン停止によって作動油の油圧を確保することができず、コーストストップ制御を実行することで、発進クラッチ等に供給される作動油の油圧が低下する。
このため、コーストストップ制御終了後の再発進時に、発進クラッチに供給される作動油の油圧を速やかに上昇させなければ、発進クラッチの締結に時間がかかり、駆動輪にトルクが伝達されるまでに時間を要し、車両の発進性能が低下するという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、再発進時に発進クラッチに供給される作動油の油圧を速やかに上昇させ、発進性能の低下を抑制することができる無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の無段変速機の制御装置は、エンジンと、前記エンジンと駆動輪の間に介装され、変速比を無段階に変更可能なバリエータと、前記バリエータが介装された駆動系に設けられ、複数の締結要素の締結及び解放によって複数の変速段を切り替え可能な有段の副変速機構と、前記バリエータが介装された駆動系に設けられた発進クラッチと、前記エンジンにより駆動され、前記バリエータと前記締結要素と前記発進クラッチへの油圧を供給するメカオイルポンプと、開始条件が成立するとコーストストップ制御を開始して前記エンジンを停止し、終了条件が成立するとコーストストップ制御を終了して前記エンジンを再始動するコーストストップ制御手段と、前記バリエータの目標変速比及び前記副変速機構の目標変速段を制御する変速機制御手段と、を備える。
この無段変速機の制御装置において、前記変速機制御手段は、前記コーストストップ制御の実行中、前記副変速機構の締結要素が解放されたら、前記バリエータの目標変速比を、前記締結要素を解放した時点の目標バリエータ変速比に固定する。
よって、本願発明の無段変速機の制御装置では、変速機制御手段により、コーストストップ制御の実行中、副変速機構の締結要素が解放されたら、バリエータの目標変速比が、この締結要素を解放した時点の目標バリエータ変速比に固定される。
これにより、コーストストップ制御終了後の再発進時に、バリエータの変速比を変速するためにバリエータに作動油を供給する必要が生じず、締結される発進クラッチに供給される作動油量の低減を防止することができる。このため、再発進時に発進クラッチに供給される作動油の油圧を速やかに上昇させ、発進クラッチ締結完了までのタイムラグを小さく抑えて、車両の発進性能の低下を抑制することができる。
実施例1の制御装置が適用された副変速機付き無段変速機(無段変速機の一例)が搭載された車両の概略構成を示す全体システム図である。 実施例1の変速機コントローラを中心とする制御系構成を示す制御ブロック図である。 実施例1の変速機コントローラの記憶装置に格納されている変速マップの一例を示す変速マップ図である。 油圧制御回路のうちプライマリ油圧室とセカンダリ油圧室とローブレーキへの油圧回路構成を示す図である。 実施例1の変速機コントローラで実行されるコーストストップ対応変速機制御処理の流れを示すフローチャート1である。 実施例1の変速機コントローラで実行されるコーストストップ対応変速機制御処理の流れを示すフローチャート2である。 実施例1の変速機コントローラで実行されるコーストストップ対応変速機制御処理の流れを示すフローチャート3である。 実施例1の車両においてコーストストップ制御入り→解除におけるコーストストップ制御中フラグCS/FLG・エンジン回転数Ne・車速VSP・ロックアップクラッチ油圧L/U・ライン圧PL・ハイクラッチ油圧PH/C・ローブレーキへのクラッチ油圧指示値PL/B・プライマリ電流指示値PriSOL/Iの各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の車両においてコーストストップ制御入り→解除におけるコーストストップ制御中フラグCS/FLG・車速VSP・ハイクラッチ油圧PH/C・目標ギア位置tsubRatio、目標バリエータ変速比固定中フラグRF/FLG、目標スルー変速比tRatio、目標バリエータ変速比tvRatioの各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の無段変速機の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1の副変速機付き無段変速機(無段変速機の一例)の制御装置を、「全体システム構成」、「変速マップによる変速制御構成」、「コーストストップ制御構成」、「コーストストップ対応変速機制御構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の制御装置が適用された副変速機付き無段変速機が搭載された車両の概略構成を示し、図2は、変速機コントローラの内部構成を示す。以下、図1及び図2に基づき、全体システム構成を説明する。
なお、以下の説明において、ある変速機構の「変速比」は、当該変速機構の入力回転速度を当該変速機構の出力回転速度で割って得られる値である。また、「最ロー変速比」は当該変速機構の最大変速比を意味し、「最ハイ変速比」は当該変速機構の最小変速比を意味する。
前記副変速機付き無段変速機が搭載された車両は、動力源として、エンジン始動用のスタータモータ15を有するエンジン1を備える。エンジン1の出力回転は、ロックアップクラッチ9を有するトルクコンバータ2、リダクションギア対3、無段変速機(以下、単に「変速機4」という。)、ファイナルギア対5、終減速装置6を介して駆動輪7へと伝達される。ファイナルギア対5には、駐車時に変速機4の出力軸を機械的に回転不能にロックするパーキング機構8が設けられている。
また、車両には、エンジン1の動力により駆動されるメカオイルポンプ10と、メカオイルポンプ10からの吐出圧を調圧して変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11と、油圧制御回路11を制御する変速機コントローラ12と、統合コントローラ13と、エンジンコントローラ14と、が設けられている。以下、各構成について説明する。
前記変速機4は、ベルト式無段変速機構(以下、「バリエータ20」という。)と、バリエータ20に対して直列に設けられる副変速機構30とを備える。ここで、「直列に設けられる」とは、動力伝達経路においてバリエータ20の下流側(セカンダリプーリ22)に副変速機構30の入力軸が直接接続されているという意味である。副変速機構30は、この例のようにバリエータ20の出力軸に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギア列)を介して接続されていてもよい。
前記バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21,22の間に掛け回されるVベルト23とを備えるベルト式無段変速機構である。プーリ21,22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され、固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させるプライマリ油圧室23aとセカンダリ油圧室23bを備える。プライマリ油圧室23aとセカンダリ油圧室23bに供給される作動油の油圧によってVベルト23をプーリ21,22により挟持することで、バリエータ20でトルクを伝達する。また、プライマリ油圧室23aとセカンダリ油圧室23bに供給される作動油の油圧を調整すると、V溝の幅が変化してVベルト23と各プーリ21,22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比(以下、「バリエータ変速比vRatio」という)が無段階に変化する。
前記副変速機構30は、前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニヨ型遊星歯車機構31と、ラビニヨ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33、リバースブレーキ34)とを備える。各摩擦締結要素32〜34へ供給される作動油の油圧を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・解放状態を変更すると、副変速機構30の変速段が変更される。例えば、ローブレーキ32を締結し、ハイクラッチ33とリバースブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速となる。ハイクラッチ33を締結し、ローブレーキ32とリバースブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速よりも変速比が小さな2速となる。また、リバースブレーキ34を締結し、ローブレーキ32とハイクラッチ33を解放すれば副変速機構30の変速段は後進となる。なお、以下の説明では、副変速機構30の変速段が1速であるとき「変速機4が低速モードである」と表現し、2速であるとき「変速機4が高速モードである」と表現する。
前記変速機コントローラ12は、図2に示すように、CPU121と、RAM・ROMからなる記憶装置122と、入力インターフェース123と、出力インターフェース124と、これらを相互に接続するバス125とから構成される。
前記入力インターフェース123には、アクセルペダルの踏み込み開度(以下、「アクセル開度APO」という。)を検出するアクセル開度センサ41の出力信号、変速機4の入力回転速度(=プライマリプーリ21の回転速度、以下、「プライマリ回転数Npri」という。)を検出する回転数センサ42の出力信号、車両の走行速度(以下、「車速VSP」という。)を検出する車速センサ43の出力信号、変速機4のライン圧(以下、「ライン圧PL」という。)を検出するライン圧センサ44の出力信号、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、などが入力される。
前記記憶装置122には、変速機4の変速制御プログラム、この変速制御プログラムで用いる変速マップ(図3)が格納されている。CPU121は、記憶装置122に格納されている変速制御プログラムを読み出して実行し、入力インターフェース123を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して変速制御信号を生成し、生成した変速制御信号を、出力インターフェース124を介して油圧制御回路11に出力する。CPU121が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置122に適宜格納される。
前記油圧制御回路11は、複数の流路、複数の油圧制御弁で構成される。油圧制御回路11は、変速機コントローラ12からの変速制御信号に基づき、複数の油圧制御弁を制御して作動油の供給経路を切り換える。つまり、メカオイルポンプ10で発生した吐出圧からライン圧PLを調圧し、さらに、ライン圧PLを元圧として調圧されたプーリ圧やクラッチ圧に調圧された作動油を変速機4の各部位に供給する。これにより、バリエータ変速比vRatio、副変速機構30の変速段が変更され、変速機4の変速が行われる。
なお、この実施例1では、作動油の油圧を作り出すオイルポンプとしては、エンジン1により駆動されるメカオイルポンプ10のみを有しており、電動モータによって駆動するいわゆる電動オイルポンプは搭載していない。
前記統合コントローラ13は、変速機コントローラ12による変速機制御やエンジンコントローラ14によるエンジン制御などが適切に担保されるように、複数の車載コントローラの統合管理を行う。この統合コントローラ13は、変速機コントローラ12やエンジンコントローラ14などの車載コントローラとCAN通信線25を介して情報交換が可能に接続されている。
前記エンジンコントローラ14は、コースト減速時からエンジン1を停止するコーストストップ制御、停車時にエンジン1を停止するアイドルストップ制御、スタータモータ15を用いたエンジン始動制御、などを行う。つまり、このエンジンコントローラ14は、所定の開始条件が成立するとエンジン1を停止し、所定の終了条件が成立するとコーストストップ制御を終了してエンジン1を再始動するコーストストップ制御手段に相当する。このエンジンコントローラ14には、エンジン1の回転数(以下、「エンジン回転数Ne」という。)を検出するエンジン回転数センサ46の出力信号、などが入力される。
[変速マップによる変速制御構成]
図3は、変速機コントローラの記憶装置に格納される変速マップの一例を示す。以下、図3に基づき、変速マップによる変速制御構成を説明する。
前記変速機4の動作点は、図3に示す変速マップ上で車速VSPとプライマリ回転数Npriに基づき決定される。変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが変速機4の変速比(以下、「スルー変速比Ratio」という。)を表している。ここで、スルー変速比Ratioとは、バリエータ変速比vRatioに、副変速機構30の変速比(以下「副変速機構変速比subRatio」という。)を掛けて得られる変速機4全体の変速比である。
この変速マップには、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセル開度APO毎に変速線が設定されており、変速機4の変速はアクセル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。なお、図3には簡単のため、全負荷線F/L(アクセル開度APO=8/8のときの変速線)、パーシャル線P/L(アクセル開度APO=4/8のときの変速線)、コースト線C/L(アクセル開度APO=0のときの変速線)のみが示されている。
前記変速機4が低速モードのときには、変速機4はバリエータ変速比vRatioを最大にして得られる低速モード最ロー線LL/Lと、バリエータ変速比vRatioを最小にして得られる低速モード最ハイ線LH/Lと、の間で変速することができる。このとき、変速機4の動作点はA領域とB領域内を移動する。一方、変速機4が高速モードのときには、変速機4はバリエータ変速比vRatioを最大にして得られる高速モード最ロー線HL/Lと、バリエータ変速比vRatioを最小にして得られる高速モード最ハイ線HH/Lと、の間で変速することができる。このとき、変速機4の動作点はB領域とC領域内を移動する。
前記副変速機構変速比subRatioは、変速段ごとの固定値であるが、低速モード最ハイ線LH/Lに対応する変速比(低速モード最ハイ変速比)が高速モード最ロー線HL/Lに対応する変速比(高速モード最ロー変速比)よりも小さくなるように設定される。これにより、低速モードでとり得る変速機4のスルー変速比Ratioの範囲である低速モードレシオ範囲LREと、高速モードでとり得る変速機4のスルー変速比Ratioの範囲である高速モードレシオ範囲HREと、が部分的に重複する。変速機4の動作点が高速モード最ロー線HL/Lと低速モード最ハイ線LH/Lで挟まれるB領域(重複領域)にあるときは、変速機4は低速モード、高速モードのいずれのモードも選択可能になっている。
前記変速機コントローラ12は、この変速マップを参照して、車速VSP及びアクセル開度APO(車両の運転状態)に対応するスルー変速比Ratioを到達スルー変速比DRatioとして設定する。この到達スルー変速比DRatioは、当該運転状態でスルー変速比Ratioが最終的に到達すべき目標値である。そして、変速機コントローラ12は、スルー変速比Ratioを所望の応答特性で到達スルー変速比DRatioに追従させるための過渡的な目標値である目標スルー変速比tRatioを設定し、スルー変速比Ratioが目標スルー変速比tRatioに一致するようにバリエータ20及び副変速機構30を制御する。
前記変速マップ上には、副変速機構30のアップ変速を行うモード切換アップ変速線MU/L(副変速機構30の1→2アップ変速線)が、低速モード最ハイ線LH/L上に略重なるように設定されている。モード切換アップ変速線MU/Lに対応するスルー変速比Ratioは、低速モード最ハイ変速比に略等しい。また、変速マップ上には、副変速機構30のダウン変速を行うモード切換ダウン変速線MD/L(副変速機構30の2→1ダウン変速線)が、高速モード最ロー線HL/L上に略重なるように設定されている。モード切換ダウン変速線MD/Lに対応するスルー変速比Ratioは、高速モード最ロー変速比に略等しい。
そして、変速機4の動作点がモード切換アップ変速線MU/L又はモード切換ダウン変速線MD/Lを横切った場合、すなわち、変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切換変速比mRatioを跨いで変化した場合やモード切換変速比mRatioと一致した場合には、変速機コントローラ12はモード切換変速制御を行う。このモード切換変速制御では、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速を行うとともに、バリエータ変速比vRatioを副変速機構変速比subRatioが変化する方向と逆の方向に変化させるというように2つの変速を協調させる「協調変速制御」を行う。
前記「協調変速制御」では、変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切換アップ変速線MU/LをB領域側からC領域側に向かって横切ったときや、B領域側からモード切換アップ変速線MU/Lと一致した場合に、変速機コントローラ12は、1→2アップ変速判定を出し、副変速機構30の変速段を1速から2速に変更するとともに、バリエータ変速比vRatioを最ハイ変速比からロー変速比側に変化させる。逆に、変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切換ダウン変速線MD/LをB領域側からA領域側に向かって横切ったときや、B領域側からモード切換ダウン変速線MD/Lと一致した場合、変速機コントローラ12は、2→1ダウン変速判定を出し、副変速機構30の変速段を2速から1速に変更するとともに、バリエータ変速比vRatioを最ロー変速比からハイ変速比側に変化させる。
前記モード切換アップ変速時又はモード切換ダウン変速時において、バリエータ変速比vRatioを変化させる「協調変速制御」を行う理由は、副変速機構変速比subRatioが段階的に変化することで発生する変速機4のスルー変速比Ratioの段差により生じる入力回転数の変化に伴う運転者の違和感を抑えることができるとともに、副変速機構30の変速ショックを緩和することができるからである。
[コーストストップ制御構成]
実施例1のエンジンコントローラ14は、燃料消費量をできる限り抑制するために、車両停止中にエンジン1を停止する「アイドルストップ制御」に加えて、車両のコースト走行(アクセルオフでの惰性走行中)からエンジン1を停止する「コーストストップ制御」を行う。なお、この「アイドルストップ制御」と「コーストストップ制御」は、いずれも所定の開始条件が成立するとエンジン1を停止し、所定の終了条件が成立するとエンジン停止制御を終了し、エンジン1を再始動するエンジン停止制御である。
前記「コーストストップ制御」では、低車速域で車両がコースト走行している間、エンジン1を自動的に停止させて燃料消費量を抑制する。なお、「コーストストップ制御」とアクセルオフ時に実行される「燃料カット制御」は、エンジン1への燃料供給を停止する点で共通する。しかしながら、通常の「燃料カット制御」は、比較的高速走行時において実行され、かつ、エンジンブレーキを確保するためにトルクコンバータ2のロックアップクラッチ9が係合されている。これに対し、「コーストストップ制御」は、車両停止直前の比較的低速でのコースト走行時に実行され、ロックアップクラッチ9を解放状態としてエンジン1の回転を停止させる点において相違する。
前記「コーストストップ制御」を実行するにあたって、エンジンコントローラ14は、例えば、以下に示す条件(a)〜(e)(以下、「コーストストップ制御の開始条件」という)を判断する。
(a):アクセルペダルから足が離されている(アクセル開度APO=0)
(b):ブレーキペダルが踏み込まれている(図示しないブレーキセンサがON)
(c):車速VSPが所定の低車速(例えば、15km/h)以下
(d):ロックアップクラッチ9が解放(例えば、車速13km/h)されている
(e):ハイクラッチ33の締結による高速モード(2速)が選択されている
なお、このコーストストップ制御の開始条件は、言い換えると運転者に停車意図があることを判断する条件である。
前記エンジンコントローラ14は、コーストストップ制御の開始条件が成立、つまり上記(a)〜(e)の全てが成立すると、エンジン1への燃料の供給を停止して、エンジン1の回転を停止させるコーストストップ制御の実行を開始する。これと同時に、コーストストップ制御の実行をあらわすコーストストップ制御中フラグCS/FLGを立て(CS/FLG=1)、統合コントローラ13と変速機コントローラ12へ出力する。なお、コーストストップ制御中、アクセル踏み込操作やブレーキ解除操作があり、(a)又は(b)の条件が不成立になると、これを終了条件(コーストストップ抜け条件)として、コーストストップ制御を終了し、コーストストップ制御中フラグCS/FLGを降ろす(CS/FLG=0)。
このコーストストップ制御が開始されると、エンジン1の駆動力によって作動油の油圧を発生させるメカオイルポンプ10もエンジン回転数の低下に伴って漸次停止し、メカオイルポンプ10からの吐出圧が油圧制御回路11に供給されなくなる。一方、エンジン1の停止中であっても、本来、バリエータ20の各プーリによるベルトの挟持力及び副変速機構30の摩擦締結要素の締結に油圧が必要である。このために、例えば、特開2013-204722号公報に記載されているように、オイルポンプとして、エンジン駆動のメカオイルポンプ以外に、エンジン停止中の油圧を補填する電動オイルポンプを搭載することがある。これに対し、実施例1では、主にシステムコストの低減を理由として電動オイルポンプを廃止し、メカオイルポンプ10のみを搭載したシステムとしている。このため、作動油の油圧が確保されないエンジン低回転〜停止領域において、コーストストップ対応変速機制御を行う必要が生じる。そこで、コーストストップ制御中フラグCS/FLGやエンジン回転数Neなどの入力情報に基づき、変速機コントローラ12側にてコーストストップ対応変速機制御を行うようにしている。つまり、この変速機コントローラ12は、コーストストップ制御中に、目標バリエータ変速比tvRatioを固定する変速機制御手段に相当する。
前記コーストストップ制御の開始条件には、上記のように、高速モード選択条件(e)が含まれるため、コーストストップ制御開始時にはハイクラッチ33が締結されており、コーストストップ制御を開始するときにこのハイクラッチ33が解放される。一方、車両停止状態にてコーストストップ制御を終了し、再発進する場合では、低速モードでの最ロー変速比による発進になるため、ローブレーキ32が発進クラッチとして締結される。
なお、このコーストストップ制御の開始条件には、高速モード選択条件(e)が含まれるため、走行中にローブレーキ32が締結されていると、コーストストップ制御は開始されない。このような状態で停止すると、アイドルストップ制御が実施される。前記アイドルストップ制御の場合、車両停止を条件として制御が開始されるため、停車後に、低速モードの選択により締結されているローブレーキ32が解放される。そして、アイドルストップ制御を終了し、再発進する場合では、コーストストップ制御の終了から再発進するときと同様に、低速モードでの最ロー変速比による発進になるため、ローブレーキ32が発進クラッチとして締結される。
次に、プライマリ油圧室23a及びセカンダリ油圧室23bへの油圧回路構成と、エンジン停止制御(コーストストップ制御/アイドルストップ制御)の終了後、発進クラッチとして締結されるローブレーキ32への油圧回路構成を、図4に基づき説明する。
前記ローブレーキ32は、多板摩擦締結要素構成であり、ブレーキピストン32aにより画成されるピストン油室32bを有する。そして、プライマリプーリ21のプライマリ油圧室23a及びセカンダリプーリ22のセカンダリ油圧室23bへ供給される作動油の変速油圧と、ローブレーキ32へ供給される作動油のクラッチ油圧は、エンジン1により駆動されるメカオイルポンプ10からの吐出圧に基づき油圧制御回路11により作り出される。この油圧制御回路11には、プレッシャレギュレータバルブ111と、パイロットバルブ112と、ローブレーキソレノイドバルブ113(ソレノイドバルブ)と、アキュムレータ114と、プライマリソレノイドバルブ118と、プライマリコントロールバルブ119と、を有する。
前記プレッシャレギュレータバルブ111は、ポンプ吐出圧からライン圧PLを調圧するバルブであり、ライン圧ポート111aと、閉鎖ポート111bと、ドレーンポート111cと、を有する。そして、バルブスプール111dの一端側にバネ力と図外のライン圧ソレノイドにて作り出される作動信号圧が作用し、他端側にフィードバック圧が作用する。ライン圧ポート111aには、ライン圧油路115が接続され、ライン圧油路115は、セカンダリ油圧室23bにバルブを介することなく接続される。また、ライン圧油路115は、パイロットバルブ112のライン圧ポート112aと、プライマリコントロールバルブ119のライン圧ポート119aに接続される。
前記パイロットバルブ112は、ライン圧PLの油圧上限が規制されたパイロット圧Ppを作り出すバルブであり、ライン圧ポート112aと、パイロット圧ポート112bと、ドレーンポート112cと、を有する。そして、バルブスプール112dの一端側にバネ力が作用し、他端側にフィードバック圧が作用する。パイロット圧ポート112bには、パイロット圧油路116が接続される。なお、パイロット圧油路116には、オリフィス116aと一方向弁116bが並列に設けられる。
前記ローブレーキソレノイドバルブ113は、パイロット圧Ppを元圧とし、ローブレーキ32へ供給される作動油の油圧(以下、「ローブレーキ油圧PL/B」という)を調圧するバルブであり、パイロット圧ポート113aと、ローブレーキ圧ポート113bと、ドレーンポート113cと、を有する。そして、バルブスプール113dの一端側にバネ力とフィードバック圧が作用し、他端側にソレノイド力が作用する。ソレノイド力の作用が無いと、ローブレーキ圧ポート113bとドレーンポート113cが連通状態になる。一方、ソレノイド力を変速機コントローラ12からのクラッチ油圧指示値PL/Bにより作用させると、パイロット圧ポート113aとローブレーキ圧ポート113bが連通状態になる。ローブレーキ圧ポート113bには、ローブレーキ圧油路117が接続される。なお、ローブレーキ圧油路117には、オリフィス117aが設けられる。
前記アキュムレータ114は、ローブレーキ圧油路117の途中位置に設けられ、ローブレーキ32のピストン油室32bへの油圧供給と油圧排出に遅れを持たせ、ローブレーキ32への油圧が急上昇するのを抑える。
前記プライマリソレノイドバルブ118は、パイロット圧Ppを元圧とし、プライマリコントロールバルブ119の作動信号圧を調圧するバルブであり、パイロット圧ポート118aと、作動信号圧ポート118bと、ドレーンポート118cと、を有する。そして、バルブスプール118dの一端側にバネ力が作用し、他端側にソレノイド力とフィードバック圧が作用する。ソレノイド力の作用が無いと、バネ力によりパイロット圧ポート118aと作動信号圧ポート118bが連通状態になる。一方、バネ力に打ち勝つソレノイド力を変速機コントローラ12からのプライマリ電流指示値PriSOL/Iにより作用させると、作動信号圧ポート118bとドレーンポート118cが連通し、パイロット圧ポート118aは閉じられる。
前記プライマリコントロールバルブ119は、ライン圧PLを元圧とし、プライマリ油圧室23aへのプライマリ圧Ppriを調圧するバルブであり、ライン圧ポート119aと、プライマリ圧ポート119bと、ドレーンポート119cと、を有する。そして、バルブスプール119dの一端側にバネ力とフィードバック圧が作用し、他端側にプライマリソレノイドバルブ118からの作動信号圧が作用する。作動信号圧の作用が無いと、バネ力によりプライマリ圧ポート119bとドレーンポート119cが連通し、ライン圧ポート119aは閉じられる。一方、作動信号圧の作用があると、ライン圧ポート119aとプライマリ圧ポート119bが連通状態になる。プライマリ圧ポート119bには、プライマリ圧油路120が接続される。
[コーストストップ対応変速機制御構成]
図5〜図7は、実施例1の変速機コントローラにて実行されるコーストストップ対応変速機制御処理流れを示す(変速機制御手段)。以下、コーストストップ対応変速機制御処理構成をあらわす図5〜図7の各ステップについて説明する。なお、コーストストップ制御の略称を「CS」といい、アイドルストップ制御の略称を「IS」という。
ステップS1では、コーストストップ制御への入りが許可であるか否かを判断する。YES(CS入り許可)の場合はステップS2へ進み、NO(CS入り不許可)の場合はエンドへ進む。
ここで、CS入り許可の判断は、コーストストップ制御中フラグCS/FLGが、CS/FLG=0(CS非制御:コーストストップ制御の開始条件が未成立)からCS/FLG=1(CS制御中:コーストストップ制御の開始条件が成立)に切り替わったことで行う。なお、CS入り許可のとき、エンジン制御側では、コーストストップ制御の開始条件が成立すると、燃料噴射をカットし、エンジン1の回転数を低下させた後、エンジン停止状態とするコーストストップ制御の実行が開始される。
ステップS2では、ステップS1でのCS入り許可であるとの判断、或いは、ステップS3でのエンジン回転数>所定値であるとの判断に続き、コーストストップ制御からの抜け判定が有りか否かを判定する。YES(CS抜け判定有り)の場合はステップS9へ進み、NO(CS抜け判定無し)の場合はステップS3へ進む。
ここで、CS抜け判定有りの判断は、コーストストップ制御中フラグCS/FLGが、CS/FLG=1(CS制御中:コーストストップ制御の終了条件が未成立)からCS/FLG=0(CS非制御:コーストストップ制御の終了条件が成立)に切り替わったことで行う。なお、CS抜け判定有りのとき、エンジン制御側では、コーストストップ制御の終了条件が成立した場合、エンジン回転数Neが所定回転数(例えば、1000rpm)以上であれば、スタータモータ15を用いることなく、燃料噴射と点火によりエンジン1を再始動(リカバ復帰)させる。エンジン回転数Neが所定回転数(例えば、1000rpm)より低く、リカバ復帰できない場合、エンジン回転数Neが十分に低下してから、スタータモータ15を用いてエンジンクランキングを行い、燃料噴射を再開してエンジン1を始動させるスタータ始動が行われる。
ステップS3では、ステップS2でのCS抜け判定無しであるとの判断に続き、エンジン回転数Neが、所定値(例えば、800rpm)以下であるか否かを判断する。YES(Ne≦所定値)の場合はステップS4へ進み、NO(Ne>所定値)の場合はステップS2へ戻る。
ここで、エンジン回転数Neの所定値(所定回転数)は、コーストストップ制御の開始時点で締結しているハイクラッチ33を解放したときのショックの発生を抑えつつ、アクセル踏み込み操作介入によるエンジン再始動に備えることができる回転数に設定される。また、このエンジン回転数Neの所定値(例えば、800rpm)は、エンジン1がリカバ復帰を開始するギリギリの回転数(例えば、1000rpm)でリカバ復帰して、リカバ復帰後に、エンジン回転数Neがアンダーシュートして、この回転数(1000rpm)を下回っても、エンジン1がリカバ復帰したにもかかわらず、ハイクラッチ33を解放しないようにする回転数(800rpm)でもある。
ステップS4では、ステップS3でのNe≦所定値であるとの判断に続き、締結されているハイクラッチ33の解放を開始し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4でのハイクラッチ解放、或いは、ステップS6でのハイクラッチ完全解放未完了であるとの判断に続き、ステップS2と同様に、コーストストップ制御からの抜け判定が有りか否かを判定する。YES(CS抜け判定有り)の場合はステップS9へ進み、NO(CS抜け判定無し)の場合はステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS5でのCS抜け判定無しであるとの判断に続き、ハイクラッチ33の完全解放が完了したか否かを判断する。YES(ハイクラッチ完全解放完了)の場合はステップS7へ進み、NO(ハイクラッチ完全解放未完了)の場合はステップS5へ戻る。
ステップS7では、ステップS6でのハイクラッチ完全解放完了であるとの判断に続き、CS/IS時変速制御を実行し、ステップS8へ進む。
ここで、CS/IS時変速制御では、
(a) 目標バリエータレシオ固定
(b) 目標スルーレシオ変化量制限無効化
(c) 副変速ギア位置2速→1速
(d) プライマリ電流指示値=CS/IS中指示電流値
の各制御が行われる。
なお、「(a)目標バリエータレシオ固定」とは、バリエータ20の目標変速比(以下、「目標バリエータ変速比tvRatio」という)を、副変速機構30における締結中の摩擦要素であるハイクラッチ33が完全解放した時点でのバリエータ変速比vRatioの目標値に固定することである。
また、「(b)目標スルーレシオ変化量制限無効化」とは、スルー変速比Ratioの目標値(目標スルーレシオ;以下、「目標スルー変速比tRatio」という)の単位時間当たりの変化量(変化速度)を制限せず、この目標スルー変速比tRatioを速やかに変更可能にすることである。さらにここでは、目標スルー変速比tRatioを、副変速機構30の目標変速段(以下、「目標ギア位置tsubRatio」という)を変更したときの車速VSPに応じた変速比に設定する。
また、「(c) 副変速ギア位置2速→1速」とは、目標ギア位置tsubRatioを2速から1速に変更する、つまり副変速機構30における目標変速比を大きくなる方向に変更することである。
また、「(d) プライマリ電流指示値=CS/IS中指示電流値」とは、プライマリ電流指示値PriSOL/Iを、あらかじめ設定されたCS/IS中指示電流値に設定することである。
ステップS8では、ステップS7でのCS/IS時変速制御、或いは、ステップS8でのCS抜け判定無しであるとの判断に続き、ステップS2やステップS5と同様に、コーストストップ制御からの抜け判定が有りか否かを判定する。YES(CS抜け判定有り)の場合はステップS9へ進み、NO(CS抜け判定無し)の場合はステップS8の判断を繰り返す。
ステップS9では、ステップS2又はステップS5又はステップS8でのCS抜け判定有りであるとの判断に続き、エンジン1の再始動がスタータエンジン始動であるか否かを判断する。YES(スタータエンジン始動)の場合はステップS11へ進み、NO(リカバ復帰)の場合はステップS10へ進む。
ここで、スタータエンジン始動であるかリカバ復帰であるかは、CS抜け判定有りの判断タイミングでのエンジン回転数で決まる。例えば、CS抜け判定があった時に、所定回転数(1000rpm)以上のエンジン回転数Neが保たれている場合は、燃料噴射と点火によりリカバ復帰できるが、エンジン回転数Neが所定回転数(1000rpm)未満まで低下すると、スタータモータ15を用いたスタータ始動となる。
ステップS10では、ステップS9でのリカバ復帰であるとの判断に続き、ハイクラッチ33の締結中以外か否かが判断される。YES(クラッチ締結中以外)の場合はステップS11へ進み、NO(クラッチ締結中)の場合はステップS26へ進む。
ここで、クラッチ締結中以外とは、ハイクラッチ33の状態が完全締結状態(ハイクラッチ33が滑っていない状態)をいう。
ステップS11では、ステップS9でのスタータエンジン始動であるとの判断、或いは、ステップS10でのクラッチ締結中以外であるとの判断に続き、解放されるハイクラッチ33へのクラッチ油圧指示値が0MPaであるか否かを判断する。YES(クラッチ油圧指示値=0MPa)の場合はステップS13へ進み、NO(クラッチ油圧指示値≠0MPa)の場合はステップS12へ進む。
ステップS12では、ステップS11でのクラッチ油圧指示値≠0MPaであるとの判断に続き、解放されるハイクラッチ33へのクラッチ油圧指示値を0MPaに切り替え(クラッチ油圧指示値=0MPa)、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS11でのクラッチ油圧指示値=0MPaであるとの判断、或いは、ステップS12でのクラッチ油圧指示値=0MPaへの切り替えに続き、プライマリ電流指示値PriSOL/Iを、1A(1アンペア)にするとともに、クラッチ油圧指示値PL/Bを、0MPaからストローク開始圧程度指示値に変更し、ステップS14へ進む。
ここで、1Aというプライマリ電流指示値PriSOL/Iは、プライマリソレノイドへ供給される基圧がない状態において、プライマリソレノイドのバネ付勢力に抗してプライマリ油圧室23aへの油圧回路を閉じることができる電流指示値である。
ステップS14では、ステップS13でのプライマリ電流指示値PriSOL/Iの設定とクラッチ油圧指示値PL/Bの変更に続き、エンジン回転数Neが所定値(例えば、500rpm)以上であるか否かを判断する。YES(Ne≧500rpm)の場合はステップS15へ進み、NO(Ne<500rpm)の場合はステップS14の判断を繰り返す。
ここで、エンジン回転数Neの所定値は、エンジン駆動のメカオイルポンプ10が、ローブレーキ32を締結する油圧制御が可能なライン圧PLを発生することができる回転数に設定される。
ステップS15では、ステップS14でのNe≧500rpmであるとの判断、或いは、ステップS16でのタイマ値<所定値であるとの判断に続き、ライン圧センサ44により検出される実際のライン圧(実ライン圧rPL)が所定値(例えば、0.5MPa)以上であるか否かを判断する。YES(rPL≧所定値)の場合はステップS17へ進み、NO(rPL<所定値)の場合はステップS16へ進む。
ステップS16では、ステップS15でのrPL<所定値であるとの判断に続き、Ne≧500rpmと判断された時点から起動され、時間の経過とともに加算されるタイマ値が、所定値以上であるか否かを判断する。YES(タイマ値≧所定値)の場合はステップS17へ進み、NO(タイマ値<所定値)の場合はステップS15へ戻る。
ステップS17では、ステップS15でのrPL≧所定値であるとの判断、或いは、ステップS16でのタイマ値≧所定値であるとの判断に続き、プライマリ電流指示値PriSOL/Iとして出力していた1A(1アンペア)を解除するとともに、クラッチ油圧指示値PL/Bを、ストローク開始圧程度指示値から油圧充填指示値に変更し、ステップS18へ進む。このプライマリ電流指示値PriSOL/Iの1A(1アンペア)の解除により、プライマリプーリ21のプライマリ油圧シリンダ23aには、目標油圧に基づいた油圧が供給されるようになる。
ステップS18では、ステップS17でのプライマリ電流指示値PriSOL/Iの解除とクラッチ油圧指示値PL/Bの変更に続き、再発進時に締結されるローブレーキ32への油圧充填が完了したか否かを判断する。YES(油圧充填完了)の場合はステップS19へ進み、NO(油圧充填未完了)の場合はステップS18の判断を繰り返す。
ステップS19では、ステップS18での油圧充填完了であるとの判断に続き、ステップS7にて固定された目標バリエータレシオ(目標バリエータ変速比tvRatio)の固定をクリア(解除)し、ステップS20へ進む。
これにより、目標バリエータ変速比tvRatioは、図3に示す変速マップ上の車速VSP、プライマリ回転数Npriにて決まる動作点に基づいて変更される。
ステップS20では、ステップS19での目標バリエータレシオ固定クリアに続き、ライン圧センサ44により検出される実ライン圧rPLに基づき、ローブレーキ32へのクラッチ油圧指示値PL/Bの上限値を規制するクラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxを演算し、ステップS21へ進む。
ここで、クラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxは、下記式(1)により演算される。
PL/Bmax=T(PL)−α …(1)
ここで、“T(PL)”は、実ライン圧rPLに基づき算出されたバリエータ20のベルト容量算出値(バリエータ20のトルク伝達容量)であり、“α”は所定のマージンである。
つまり、クラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxは、バリエータ20のベルト容量Tを実ライン圧rPLに基づき算出し、このベルト容量算出値T(PL)から所定のマージンα分を差し引いた値となる。
ステップS21では、ステップS20でのクラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxの演算に続き、発進クラッチであるローブレーキ32の後述するクラッチ締結指示油圧による締結を開始し、ステップS22へ進む。
ステップS22では、ステップS21でのクラッチ締結開始、或いは、ステップS25でのクラッチ締結未完了であるとの判断に続き、発進クラッチであるローブレーキ32へのローブレーキ油圧PL/Bを制御するクラッチ油圧指示値PL/Bが、クラッチ油圧上限規制値PL/Bmax未満であるか否かを判断する。YES(クラッチ油圧指示値<クラッチ油圧上限規制値)の場合はステップS23へ進み、NO(クラッチ油圧指示値≧クラッチ油圧上限規制値)の場合はステップS24へ進む。
ステップS23では、ステップS22でのクラッチ油圧指示値<クラッチ油圧上限規制値であるとの判断に続き、クラッチ油圧指示値PL/Bを、クラッチ締結指示油圧とし、ステップS25へ進む。
ここで、クラッチ締結指示油圧は、下記式(2)にて求められる。
クラッチ締結指示油圧=τNe2×t×ギア比+(回転低下に必要なトルク) …(2)
ここで、“τ”はトルク容量係数であり、“t”はトルク比であり、“τNe2×t”はタービントルクをあらわす。“ギア比”はリダクションギア比であり、“回転低下に必要なトルク”は、バリエータ20のイナーシャトルクに相当する。
ステップS24では、ステップS22でのクラッチ油圧指示値≧クラッチ油圧上限規制値であるとの判断に続き、クラッチ油圧指示値PL/Bを、クラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxとし、ステップS25へ進む。
ステップS25では、ステップS23又はステップS24でのクラッチ油圧指示値PL/Bの設定に続き、発進クラッチであるローブレーキ32の締結が完了したか否かを判断する。YES(クラッチ締結完了)の場合はステップS26へ進み、NO(クラッチ締結未完了)の場合はステップS22へ戻る。
ステップS26では、ステップS25でのクラッチ締結完了であるとの判断、或いは、ステップS10でのクラッチ締結中であるとの判断に続き、クラッチ油圧指示値PL/Bを、クラッチ締結維持指示油圧とし、エンドへ進む。
次に、作用を説明する。
実施例1の副変速機付き無段変速機の制御装置における作用を、「コーストストップ対応変速機制御の全体作用」、「再発進時における目標変速比制御作用」に分けて説明する。
[コーストストップ対応変速機制御の全体作用]
図8は、コーストストップ対応変速機制御によるタイムチャートを示す。以下、図5〜図8に基づき、コーストストップ対応変速機制御の全体作用を説明する。
コーストストップ制御条件の成立後、アクセル操作などの介入により車両停止前にCS抜けをすることなく、コーストストップ制御からアイドルストップへ移行し、その後、車両が発進する場合には、図5〜図7に示すフローチャートにおいて、下記のように進む。
コーストストップ制御への入り許可であり、かつ、コーストストップ制御からの抜け判定が無しのとき、図5のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。そして、エンジン回転数Neが所定値(例えば、800rpm)を超えている間、ステップS2→ステップS3へと進む流れが繰り返される。
エンジン回転数Neが所定値以下になったと判断されると、ステップS3からステップS4へと進み、コーストストップ制御への入り許可が出力された時点で締結されているハイクラッチ33の解放が開始される。ハイクラッチ33の解放中、コーストストップ制御からの抜け判定が無いと、ステップS4からステップS5→ステップS6へと進み、ハイクラッチ33が完全解放を完了するまでの間、ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返される。
ハイクラッチ33の完全解放が完了したと判断されると、ステップS6からステップS7へと進み、CS/IS時変速制御が実行される。すなわち、下記(a)〜(d)の各制御が行われる。
(a) 目標バリエータレシオ固定
(b) 目標スルーレシオ変化量制限無効化
(c) 副変速ギア位置2速→1速
(d) プライマリ電流指示値=CS/IS中指示電流値
これにより、目標バリエータ変速比tvRatioは、ハイクラッチ33の完全解放が完了したと判断された時点における目標バリエータ変速比tvRatioに固定される。また、目標スルー変速比tRatioは、目標ギア位置tsubRatioを2速から1速に変更したときの車速VSPに応じた変速比となるように、速やかに変更される。
そして、エンジン停止で停車している状況、つまり、リカバ復帰ではなくスタータ始動が行われる状況においてステップS8にてCS抜け判定有りと判断されると、ステップS9→ステップS11→ステップS13へと進む。ステップS13では、プライマリ電流指示値PriSOL/Iが、1A(1アンペア)にされるとともに、クラッチ油圧指示値PL/Bが、0MPaからストローク開始圧程度指示値に変更される。続いて、ステップS14へと進み、エンジン回転数Neが所定値(例えば、500rpm)以上であるか否かが判断される。そして、スタータ始動によりエンジン回転数Neが所定値以上になると、ステップS14からステップS15→ステップS17、或いは、ステップS14からステップS15→ステップS16→ステップS17へと進む。ステップS17では、プライマリ電流指示値PriSOL/Iとして出力していた1A(1アンペア)が解除されるとともに、クラッチ油圧指示値PL/Bが、ストローク開始圧程度指示値から油圧充填指示値に変更される。そして、ステップS18において、再発進時に締結されるローブレーキ32への油圧充填が完了したか否かが判断される。ローブレーキ32への油圧充填が完了し、ローブレーキ32が締結動作可能となる直前の状態になったら、ステップS19へ進み、ステップS19では、ステップS7にて目標バリエータレシオの固定がクリアされ、目標バリエータ変速比tvRatioは、図3に示す変速マップ上の車速VSP、プライマリ回転数Npriにて決まる動作点に基づいて変更される。
ローブレーキ32への油圧充填が完了し、目標バリエータレシオの固定がクリアされると、ステップS20へと進み、ライン圧センサ44により検出される実ライン圧rPLに基づいてローブレーキ32へのクラッチ油圧指示値PL/Bの上限値を規制するクラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxが演算される。そして、次のステップS21では、発進クラッチであるローブレーキ32の締結が開始される。ローブレーキ32の締結開始後、クラッチ油圧指示値<クラッチ油圧上限規制値である間は、ステップS22→ステップS23→ステップS25へと進む流れが繰り返され、ステップS23では、クラッチ油圧指示値PL/Bが、クラッチ締結指示油圧とされる。一方、ローブレーキ32の締結開始後、クラッチ油圧指示値≧クラッチ油圧上限規制値になると、ステップS22→ステップS24→ステップS25へと進む流れが繰り返され、ステップS24では、クラッチ油圧指示値PL/Bが、クラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxとされる。そして、ステップS25にて、発進クラッチであるローブレーキ32の締結が完了したと判断されると、ステップS25からステップS26へ進み、ステップS26では、クラッチ油圧指示値PL/Bが、クラッチ締結維持指示油圧とされ、エンドへ進んでコーストストップ対応変速機制御を終了する。
図8に示すタイムチャートにおいて、時刻t0はCS入り許可判定時刻、時刻t1はクラッチ解放開始時刻、時刻t2はクラッチ完全解放完了時刻、時刻t3は車両停止時刻である。そして、時刻t4はCS抜け判定時刻、時刻t5はストローク開始圧指示終了時刻、時刻t6は充填油圧指示終了時刻である。そして、時間T1はクラッチ解放時間、時間T2はクラッチ解放維持時間、時間T3はクラッチ元圧立ち上がり待ち時間、時間T4はクラッチ油圧充填時間、時刻T5はクラッチ締結時間である。
すなわち、時刻t0にてCS入り許可判定がなされると、エンジン回転数Neの低下を監視し、ハイクラッチ油圧PH/Cの特性に示すように、エンジン回転数Neが所定値以下となる時刻t1(矢印D点)からハイクラッチ33の解放を開始する。そして、時刻t2になるとハイクラッチ33の完全解放を完了する。このように、時刻t1から時刻t2までの時間がクラッチ解放時間T1となる。なお、ロックアップクラッチ9は、ロックアップクラッチ油圧L/Uの特性に示すように、ハイクラッチ33の解放開始とほぼ同時に解放が完了する。
クラッチ完全解放完了時刻t2になると、車両停止時刻t3を経過し、CS抜け判定時刻t4になるまでをクラッチ解放維持時間T2とし、CS/IS時変速制御が実行される。CS/IS時変速制御が実行されると、図9に示すように、目標ギア位置tsubRatioを2速から1速へと変更すると同時に目標バリエータ変速比tvRatioを固定すべく、バリエータ目標変速比固定中フラグを立てる(VRa/FRG=1)。これにより、目標バリエータ変速比tvRatioは、目標ギア位置tsubRatioを2速から1速へと変更した時点(時刻t2時点)の目標変速比に固定される。
また、このとき、目標スルー変速比tRatioの単位時間当たりの変化量(変化速度)の制限を無効にする。これにより、目標スルー変速比tRatioが車速VSPに応じて決まる値に追従して変化する。この目標スルー変速比tRatioは、車速VSPの低下に伴って最ロー変速比側に変化し、所定車速以下になった時点t2´以降最ロー変速比が維持される。
さらに、このクラッチ解放維持時間T2の間、図8に示すように、プライマリ電流指示値PriSOL/Iが、IS/CS中油圧指示値(=0A)とされる。また、目標スルー変速比tRatioの変化量制限が無効化される時間T6は、クラッチ解放維持時間T2に、クラッチ元圧立ち上がり待ち時間T3とクラッチ油圧充填時間T4を加えた時間とされる。
時刻t4にてCS抜け判定がなされると、エンジン1のスタータ始動が開始されることで、時刻t4より少し遅れた時刻t4’にてエンジン回転数Neが上昇を開始し、さらに、エンジン1により駆動されるメカオイルポンプ10からの吐出圧に基づきライン圧PLが立ち上がる。そして、CS抜け判定時刻t4からストローク開始圧指示終了時刻t5までをクラッチ元圧立ち上がり待ち時間T3とし、クラッチ油圧指示値PL/Bが、ストローク開始圧程度指示値とされ、プライマリ電流指示値PriSOL/Iが、電流飛ばし指示値(1A)とされる。
ストローク開始圧指示終了時刻t5になると、エンジン回転数Neがさらに上昇し、ライン圧PLも目標圧まで立ち上がる。そして、ストローク開始圧指示終了時刻t5から充填油圧指示終了時刻t6までをクラッチ油圧充填時間T4とし、クラッチ油圧指示値PL/Bが、油圧充填指示値とされ、プライマリ電流指示値PriSOL/Iが、電流飛ばし指示値(1A)から目標プライマリ圧を得る指示値へと斜め下げされる。
充填油圧指示終了時刻t6になり、ローブレーキ32への油圧充填が完了すると、ローブレーキ32が実際に締結し始め、実ライン圧rPLからクラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxが演算され、クラッチ油圧上限規制値PL/Bmaxを超えることがないクラッチ油圧指示値PL/Bを出力する。これにより、充填油圧指示終了時刻t6以降、ローブレーキ32の締結が進行し、ローブレーキ32の伝達トルク容量TL/Bが大きくなり、これに伴ってエンジン1の駆動力が駆動輪7へと伝達されて車速VSPも立ち上がる。つまり、ほぼ充填油圧指示終了時刻t6になるタイミングから車両の再発進が開始される。
また、この充填油圧指示終了時刻t6になったら、目標バリエータ変速比tvRatioの固定をクリア(解除)し、バリエータ目標変速比固定中フラグを降ろす(VRa/FRG=0)。
これにより、目標バリエータ変速比tvRatioは、図3に示す変速マップ上の車速VSP、プライマリ回転数Npriにて決まる動作点に基づいて設定される。なお、実際のバリエータ変速比vRatioと、車速VSP及びプライマリ回転数Npriから設定された目標バリエータ変速比tvRatioとの中間値を暫定目標値とし、車速VSP及びプライマリ回転数Npriから設定する値に次第に近づけていってもよい。
[再発進時における目標変速比制御作用]
コーストストップ制御を行う車両であって、バリエータと副変速機構と発進クラッチを備えたものにおいて、電動オイルポンプを廃止し、オイルポンプとして、エンジン駆動のメカオイルポンプのみを備えた車両を比較例とする。
この比較例の場合、電動オイルポンプの廃止により、コーストストップ制御中の油圧を確保することができない。そのため、コーストストップ制御終了後に再発進するには、完全解放状態の発進クラッチを締結して再発進する必要がある。
また、コーストストップ制御中の油圧を確保できないことから、バリエータは変速途中で変速比が固定する。つまり、目標バリエータ変速比に追従するように制御している途中で、エンジン停止に伴う作動油の油圧低下により変速制御ができない状態になり、バリエータ変速比は固定する。このような状態でコーストストップ制御が終了し、再びエンジンが駆動して作動油の油圧が上昇すると、目標バリエータ変速比に追従すべくバリエータの変速のために作動油が供給される。
しかしながら、バリエータの変速のために作動油が供給されてしまうと、発進クラッチに供給される作動油量が少なくなってしまい、発進クラッチのトルク伝達容量の上昇に時間がかかってしまい、発進クラッチの締結完了までのタイムラグが大きくなる。
このため、駆動源(エンジン)が発生した駆動力を駆動輪7に伝達することができず、車両の発進性能が低下することがあった。
また、副変速機構の目標変速比を変更したとき、この副変速機構の変速によって変速器全体の変速比(スルー変速比)が変化してしまうことを防止するために、副変速機構の実変速比の変化を相殺するようにバリエータを変速する協調変速制御を行う場合を考える。
ここで、コーストストップ制御に入ると、直ちに副変速機構の締結中の締結要素(ハイクラッチ)が解放され、変速機をニュートラル状態にして車両停車状態にする。このとき、ハイクラッチを解放することで、副変速機構における目標変速段(目標ギア位置)が2速から1速(低速モード)になる。これに対し、ハイクラッチを解放した時点(コーストストップ制御に入った時点)で、スルー変速比の急激な変化を防止するために、図9において破線で示すように目標バリエータ変速比特性は最ハイ変速比に変化し、その後、ロー変速比側へと次第に変化する。
しかし、このロー変速比側への変速途中でライン圧PL不足によりバリエータの変速が不能状態になり、実際のバリエータ変速比が固定してしまう。しかしながら、目標バリエータ変速比は変化し続け、車両停止時刻t3時点で最ロー変速比に達し、その後この最ロー変速比が維持される。
そして、コーストストップ制御が終了し、再発進するときには、目標バリエータ変速比最ロー変速比であるため、変速途中であったバリエータが最ロー変速比になるように制御されてしまう。
つまり、協調変速制御を行う場合では、コーストストップ制御の開始時点でバリエータが最ハイ変速比に変速され、その後車速の低下に伴って最ロー変速比になるように制御されるものの、変速途中で実際のバリエータ変速比が固定するので、再発進時にバリエータを変速しなければならず、このバリエータに供給される作動油量が多くなり、発進クラッチの締結タイムラグが大きくなってしまうことが考えられる。
また、「協調変速制御」を行う場合では、副変速機構の目標変速段の変化に伴って目標バリエータ変速比を変化させる際、この目標バリエータ変速比の急変を抑制するため、目標スルー変速比の単位時間当たりの変化量を制限している。つまり、図9において破線で示すように、変速スルーレシオ特性は、ハイクラッチが解放された時点から徐々に最ロー変速比に向かうように変化する。
しかしながら、この場合、目標スルー変速比が最ロー変速比に達するまでに時間がかかるので、目標スルー変速比が最ロー変速比に達する前にCS抜け判定が生じて再発進することが考えられる。このときには、当然ながら実際のバリエータ変速比も最ロー変速比に達しておらず、バリエータの変速比を最ロー変速比に変速することが必要となり、発進クラッチの締結タイムラグが大きくなってしまう。
このように、電動オイルポンプを廃止したシステムとした場合、発進クラッチの締結タイムラグによる発進性能の低下が懸念される。以下、これを反映する再発進時における目標変速比制御作用を図9に示すタイムチャートに基づき説明する。
実施例1では、コーストストップ制御を実行する際、副変速機構30のハイクラッチ33が解放されたら、目標バリエータ変速比tvRatioが、ハイクラッチ33を解放した時点の目標値に固定される。
そのため、コーストストップ制御が終了し、エンジン1を再始動するとともに、発進クラッチであるローブレーキ32を締結する際、バリエータ20の変速する必要がなく、バリエータ20に作動油が供給されることがない。この結果、発進クラッチであるローブレーキ32の締結のためにこのローブレーキ32に供給される作動油量の低下が抑制でき、ローブレーキ32の締結タイムラグを小さくすることができる。そして、ローブレーキ32を速やかに締結することで、発進性能の低下を防止することができる。
また、コーストストップ制御の実行に伴ってハイクラッチ33を解放した時点では、車速VSPが低下している。そのため、このときの目標バリエータ変速比tvRatioは最ロー変速比に近い値になっている。そして、この最ロー変速比に近い値のまま目標バリエータ変速比tvRatioを固定することで、再発進時には、変速しなくてもすでにバリエータ変速比Ratioが最ロー変速比に近い値になっており、再発進に必要な駆動力を確保することができる。
また、この実施例1では、コーストストップ制御を実行しない場合には、目標ギア位置tsubRatioを変更したら、実際の副変速機構30の変速比subRatioの変化を相殺するように目標バリエータ変速比tvRatioを設定する「協調変速制御」を行う。そして、コーストストップ制御を実行した場合に限り、ハイクラッチ33が解放したら目標ギア位置tsubRatioを1速から2速に変更するものの、目標バリエータ変速比tvRatioは固定する。
これにより、バリエータ20の変速や発進クラッチ(ローブレーキ32)の締結に必要な作動油の油圧を確保できる状況下では、「協調変速制御」を行ことができ、スルー変速比Ratioの段差により生じる運転者の違和感を抑え、副変速機構30の変速ショックを緩和することができる。また、コーストストップ制御を実行した後の再発進時には、発進性能の低下を防止することができる。
そして、実施例1では、コーストストップ制御の実行中、目標スルー変速比tRatioの単位時間当たりの変化量(変化速度)の制限を無効にし、この目標スルー変速比tRatioを車速VSPに応じて決まる値に追従して変化させる。
これにより、目標スルー変速比tRatioが速やかに最ロー変速比へと変化するため、目標スルー変速比tRatioが最ロー変速比に達する前にCS抜け判定がなされることが少なくなり、再発進時にバリエータ20を最ロー変速比に変速する可能性を低くすることができる。これにより、発進性能の低下をさらに防止することができる。
さらに、この実施例1では、コーストストップ制御の終了条件が成立して、CS抜け判定がなされたら、まず発進クラッチであるローブレーキ32に供給する作動油をピストン油室32bに充填し、このローブレーキ32を締結作動可能となる直前の状態にする。そして、ローブレーキ32への油圧充填が完了してから目標バリエータ変速比tvRatioの固定をクリア(解除)する。
ここで、発進クラッチであるローブレーキ32への油圧充填中に目標バリエータ変速比tvRatioの固定をクリアしてしまうと、バリエータ20の変速が発生し、バリエータ20の変速のために作動油が供給されてしまう。このため、同時進行で実行されているローブレーキ32を締結する油圧制御に影響を与える。
これに対し、ローブレーキ32への油圧充填後に目標バリエータ変速比tvRatioの固定をクリアすることで、ローブレーキ32の締結油圧制御に影響が出ることを防止し、油圧充填時間がばらつくことを防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の無段変速機の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジン1と、
前記エンジン1と駆動輪7の間に介装され、変速比を無段階に変更可能なバリエータ20と、
前記バリエータ20が介装された駆動系に設けられ、複数の締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33)の締結及び解放によって複数の変速段を切り替え可能な有段の副変速機構30と、
前記バリエータ20が介装された駆動系に設けられた発進クラッチ(ローブレーキ32)と、
前記エンジン1により駆動され、前記バリエータ20と前記締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33)と前記発進クラッチ(ローブレーキ32)への油圧を供給するメカオイルポンプ10と、
開始条件が成立するとコーストストップ制御を開始して前記エンジン1を停止し、終了条件が成立するとコーストストップ制御を終了して前記エンジン1を再始動するコーストストップ制御手段(エンジンコントローラ14)と、
前記バリエータ20の目標変速比(目標バリエータ変速比tvRatio)及び前記副変速機構30の目標変速段(目標ギア段subRatio)を制御する変速機制御手段(変速機コントローラ12)と、を備えた無段変速機の制御装置において、
前記変速機制御手段(変速機コントローラ12)は、前記コーストストップ制御の実行中、前記副変速機構30の締結要素(ハイクラッチ33)が解放されたら、前記バリエータ20の目標変速比(目標バリエータ変速比tvRatio)を、前記締結要素(ハイクラッチ33)を解放した時点の目標バリエータ変速比に固定する構成とした。
このため、再発進時に発進クラッチ(ローブレーキ32)に供給される作動油の油圧を速やかに上昇させ、発進性能の低下を抑制することができる。
(2) 前記変速機制御手段(変速機コントローラ12)は、前記コーストストップ制御の非実行中、前記副変速機構30の目標変速段(目標ギア段subRatio)を変更したら、前記副変速機構30の実変速比の変化を相殺するように前記バリエータの目標変速比(目標バリエータ変速比tvRatio)を設定する協調変速制御を行い、
前記コーストストップ制御の実行中、前記副変速機構30の締結要素(ハイクラッチ33)が解放されたら、前記副変速機構30の目標変速段(目標ギア段subRatio)を変速比が大きくなる方向に変更すると共に、前記バリエータ20の目標変速比(目標バリエータ変速比tvRatio)を、前記締結要素(ハイクラッチ33)を解放した時点の目標バリエータ変速比に固定する構成とした。
このため、(1)の効果に加え、スルー変速比Ratioの段差により生じる運転者の違和感を抑えて副変速機構30の変速ショックを緩和しつつ、コーストストップ制御を実行した後の再発進時の発進性能の低下を防止することができる。
(3) 前記変速機制御手段(変速機コントローラ12)は、前記コーストストップ制御の実行中、前記バリエータ29及び前記副変速機構30の全体の変速比であるスルー変速比Ratioの目標変化量の制限を無効化し、前記スルー変速比Ratioの目標値(目標スルー変速比tRatio)を前記副変速機構30の目標変速段(目標ギア段subRatio)を変速比が大きくなる方向にしたときの車速VSPに応じた変速比に設定する構成とした。
このため、(2)の効果に加え、コーストストップ制御を実行した後の再発進時における発進性能の低下をさらに防止することができる。
(4) 前記変速機制御手段(変速機コントローラ12)は、前記コーストストップ制御終了条件が成立し、前記発進クラッチ(ローブレーキ32)への油圧充填が完了したら、前記バリエータ20の目標変速比(目標バリエータ変速比tvRatio)の固定を解除する構成とした。
このため、(1)〜(3)のいずれかの効果に加え、発進クラッチ(ローブレーキ32)への締結充填中の油圧制御に影響が出ることを防止し、油圧充填時間がばらつくことを防止できる。
以上、本発明の無段変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、副変速機構30の締結要素として、ハイクラッチ33とする例を示した。しかし、締結要素としては、同じシステムを用いる場合であっても、副変速機構30に有するローブレーキ32を用いる例としても良い。また、この実施例1では、発進クラッチとして、副変速機構30に有するローブレーキ32を用いる例を示した。しかし、発進クラッチとしては、同じシステムを用いる場合であっても、副変速機構30に有するハイクラッチ33を用いる例としても良い。また、発進クラッチは、副変速機構30以外に設けられたクラッチ、つまり、バリエータが介装された駆動系に設けられたクラッチであれば良い。
実施例1では、エンジン回転数Neが所定値以下になると、解放するクラッチとして、ハイクラッチ33とする例を示した。しかし、解放するクラッチとしては、燃料噴射をカットするとき、駆動力伝達のために締結されているクラッチであれば良い。
実施例1では、バリエータ20として、ベルト式無段変速機構を備えたものを示した。しかし、バリエータ20としては、Vベルト23の代わりにチェーンがプーリ21、22の間に掛け回される無段変速機構であってもよい。あるいは、バリエータ20としては、入力ディスクと出力ディスクの間に傾転可能なパワーローラを配置するトロイダル式無段変速機構であってもよい。
実施例1では、副変速機構30として、前進用の変速段として1速と2速の2段を有する変速機構を示した。しかし、副変速機構30としては、前進用の変速段として3段以上の変速段を有する変速機構としても構わない。
実施例1では、副変速機構30として、ラビニヨ型遊星歯車機構を用いて構成を示した。しかし、副変速機構30としては、通常の遊星歯車機構と摩擦締結要素を組み合わせて構成してもよいし、あるいは、ギア比の異なる複数の歯車列で構成される複数の動力伝達経路と、これら動力伝達経路を切り換える摩擦締結要素とによって構成してもよい。
実施例1では、バリエータ20のプーリ21、22の可動円錐板を軸方向に変位させるアクチュエータとして、油圧シリンダ23a、23bを備えたものを示した。しかし、バリエータのアクチュエータとしては、油圧で駆動されるものに限らず電気的に駆動されるものであってもよい。
実施例1では、本発明の制御装置を、副変速機付き無段変速機を搭載したエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の無段変速機の制御装置は、ハイブリッド車両に対しても適用することができる。駆動トルクを制御するにあたり、最低回転数(アイドル回転数)が必要な駆動源(例えば、エンジン)を有する車両であれば適用できる。
1 エンジン
4 変速機(副変速機付き無段変速機)
7 駆動輪
10 メカオイルポンプ
20 バリエータ
30 副変速機構
32 ローブレーキ(発進クラッチ)
33 ハイクラッチ(締結要素)
34 リバースブレーキ
11 油圧制御回路
12 変速機コントローラ(変速機制御手段)
13 統合コントローラ
14 エンジンコントローラ(コーストストップ制御手段)

Claims (4)

  1. エンジンと、
    前記エンジンと駆動輪の間に介装され、変速比を無段階に変更可能なバリエータと、
    前記バリエータが介装された駆動系に設けられ、複数の締結要素の締結及び解放によって複数の変速段を切り替え可能な有段の副変速機構と、
    前記バリエータが介装された駆動系に設けられた発進クラッチと、
    前記エンジンにより駆動され、前記バリエータと前記締結要素と前記発進クラッチへの油圧を供給するメカオイルポンプと、
    開始条件が成立するとコーストストップ制御を開始して前記エンジンを停止し、終了条件が成立するとコーストストップ制御を終了して前記エンジンを再始動するコーストストップ制御手段と、
    前記バリエータの目標変速比及び前記副変速機構の目標変速段を制御する変速機制御手段と、を備えた無段変速機の制御装置において、
    前記変速機制御手段は、前記コーストストップ制御の実行中、前記副変速機構の締結要素が解放されたら、前記バリエータの目標変速比を、前記締結要素を解放した時点の目標バリエータ変速比に固定する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記変速機制御手段は、前記コーストストップ制御の非実行中、前記副変速機構の目標変速段を変更したら、前記副変速機構の実変速比の変化を相殺するように前記バリエータの目標変速比を設定する協調変速制御を行い、
    前記コーストストップ制御の実行中、前記副変速機構の締結要素が解放されたら、前記副変速機構の目標変速段を変速比が大きくなる方向に変更すると共に、前記バリエータの目標変速比を、前記締結要素を解放した時点の目標バリエータ変速比に固定する
    ことを特徴とする無段変速機の制御手段。
  3. 請求項2に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記変速機制御手段は、前記コーストストップ制御の実行中、前記バリエータ及び前記副変速機構の全体の変速比であるスルー変速比の目標変化量の制限を無効化し、前記スルー変速比の目標値を前記副変速機構の目標変速段を変速比が大きくなる方向にしたときの車速に応じた変速比に設定する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記変速機制御手段は、前記コーストストップ制御終了条件が成立し、前記発進クラッチへの油圧充填が完了したら、前記バリエータの目標変速比の固定を解除する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
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