JP5947905B2 - 鋼帯材に熱浸漬被覆する方法およびそれを実現する設備 - Google Patents

鋼帯材に熱浸漬被覆する方法およびそれを実現する設備 Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼業に関し、より詳細には鋼帯材に熱浸漬被覆(hot−dip coating)を行う設備であって、それによって帯材が亜鉛または亜鉛合金層で覆われるか(亜鉛メッキの場合)、または別の種類の金属または、アルミニウムシリコン合金などの合金によって覆われる、設備である。
鋼帯材の熱浸漬被覆の間に、移動する帯材が、液体状態に維持された被覆金属または被覆合金を収納するパン(pan)の中に進むことが想起される。被膜は帯材上に堆積され、次いで、この帯材が浴から出て、被膜の厚さを制御するとともに、それの凝固をもたらす装置であって、一般に被膜の表面上にガスを放射するノズルによって形成される装置を通過する。帯材が浴中に貫入する前に、帯材と被膜の間に最適な付着条件を発生させるために、帯材は、焼鈍炉によって加熱され、次いで、浴の温度に近い温度まで冷却される。
浴を横断する間に、液体亜鉛を含有する亜鉛メッキ浴の場合には、本質的にZnおよびFeに基づいて、浴の内部で、酸化物および金属間化合物析出物の形成が起こり、この亜鉛メッキ浴について、以下の記載においては、それを本発明の排他的な応用とすることなく、優先的に考察する。これらの析出物は、「ドロス(dross)」と呼ばれる。あるドロスは、浴の密度よりも高い密度を有し、亜鉛メッキ工程と干渉することなく、パンの底から流出する。一方、その他のドロスは、浴の密度よりも低い密度を有し、浴の表面に浮遊する。それらは、帯材の被膜に組み込まれ、その結果、被膜内に欠陥を発生させることがある。これらの低密度ドロスが、以下の記述において考察する唯一のものであり、したがって、これらのドロスを、(この進入が、いつもそうとは限らないが、外気中で行われる場合には)帯材が浴に入る領域、および帯材が浴から出る領域から、できる限り遠ざけるとともに、それらが形成されるのに応じて、徐々にパンから除去しなくてはならない。
この目的で、最も慣例的には、パンの近傍に立つオペレータが、工具を用いて、帯材の入口領域および出口領域から離れて位置する容器の方向にドロスを押しやり、次いで、この容器がパンから引き出されて、自動化システムまたはそうではないシステムによって空にされる。その他の場合には、オペレータは、ロボットなどの装置がドロスをパンの外部の容器に向かって排出する、パンの領域に向かって、ドロスを押しやり、その容器の中にドロスが収集される。
この作業は、液体金属の熱および放射の可能性に関する不便さおよび危険が伴う状態で、オペレータは、高温液体金属の浴に密接して立たなくてはならないので、オペレータにとって、不快であるとともに潜在的な危険性がある。さらに、帯材上に堆積される被膜厚さを制御するシステムは、噴射ノズルからなり、被膜の酸化を制限するために窒素などの不活性ガスを使用することがある。これらの不活性ガスの使用も、これに伴う、パンのまわりの雰囲気における酸素不足が理由で、オペレータに対する危険の発生源である。
さらに、このドロスを清浄化する作業は、速度が高いとドロスの生成を促進し、それに対してオペレータおよびロボットがそれを除去する時間が必要であるので、帯材の移動速度に制限を課する。
また、帯材の速度が上がるにつれて、より多数の、被膜厚さを制御するためのノズルで、被膜厚さを一定に維持するために、大量のガスを放射しなくてはならない。このことは、噴射ガスが帯材および浴からオペレータの作業領域に向かって熱を運ぶので、浴のまわりの大気温度を上昇させる効果がある。
最後に、浴の加熱に関する熱エネルギー損失を制限するために、ある新規の被覆設備の全体をケースに包み込むことが考えられている。したがって、この場合には、設備の覆いの取り外しが頻繁になりすぎるのを避けるために、外部からの介入、とりわけドロスを除去するオペレータの介入を制限する必要がある。
したがって、この従来式技法と比較して、ドロスの除去に対する安全性、迅速性および効率性を向上させるが、実際の亜鉛メッキ方法およびそれを応用する設備の全体設計を根本的には変更しないことに対するニーズがある。
ある製鋼業者によって考案された一つの解決策は、ロボットの活動領域中にドロスを運び入れるための人間の介入を、電磁気装置の作用によって、少なくとも本質的に置換することであった。リニアモータなどの、インダクタによって発生されるスライド磁場(sliding field)を用いることによって、金属または液体合金がそれに対して感応性がある電磁気力(いわゆる、「起磁力(magnetomotive force)」)が、金属または液体合金の変位を生じさせて、この変位によって、ロボットが活動するパンの領域内にドロスを誘導するための、ドロス再循環経路を生成することによって、前記領域中にドロスが運び去られる。そのような装置は、例えば、特許文献、JP−A−10−053850、JP−A−54−33234、JP−A−2005−068545、JP−11−006046に記載されている。
例えば、JP−A−54−33234は、スライド磁場を有するインダクタは、パンから出るときの帯材の領域内で、帯材の全周に配置しなくてはならず、このスライド磁場が、コンベヤベルトがあるパンの隅にドロスを運び入れ、このコンベヤベルトがドロスをパンから除去して、ドロスを収集する容器に入れることを教示している。その場合には、帯材を亜鉛メッキ浴に入れることは、よく行われるように、浴内に浸漬されて、上流で焼鈍炉に接続された管の内側で行われ、浴の表面において流出したドロスは、この領域において、帯材の表面と接触する可能性がない。したがって、帯材が存在する領域の周囲にインダクタを設置すれば十分である。
JP−A−10−053850は、パン内の帯材の入口領域において、帯材に平行にスクリーンを配置する必要があり、スライド磁場を有するインダクタは、各スクリーンの2つの端部の近傍に配置しなくてはならないことを教示している。それによって発生した磁場は、スクリーン間に構成され、帯材を含む領域の外にドロスを引きつける可能性を与える。
ロボットがない場合には、そのような装置は、いずれにせよ、オペレータの作業を容易にし、オペレータはパンのその領域で活動することだけが必要であり、その表面が比較的制限されている。
しかしながら、経験から、これらの装置の効率は、さらに改善されることで恩恵を受けることが示されている。特に、人の介入なしに、できる限り完全なドロスの除去を達成することが可能でなくてはならず、これを最少のインダクタで達成できなくてはならない。最適には、パンの寸法が小さい場合には、単一のインダクタで十分である。
特開平10−053850号公報 特開昭54−33234号公報 特開2005−068545号公報 特願11−006046号明細書
本発明の目的は、最少のインダクタを使用して、亜鉛メッキ浴の表面に浮遊する低密度ドロスを遠ざけて、既知の装置よりも良好な効率を保証する方法および装置を提案することである。
このために、本発明の目的は、パン内に収納される、亜鉛などの液体金属、または合金の浴内で、移動する鋼帯材に対する熱浸漬亜鉛メッキ方法であって、亜鉛メッキ中に形成されて、浴の表面に浮遊するドロスが、少なくとも1つのインダクタを用いて、帯材の表面から遠ざけられて、各インダクタは、所与の方向に沿って配向されたスライド電磁場を生成して、起磁力を発生させ、前記起磁力の全体が、ドロスを収集することを意図する容器に向かって、および/またはそこからドロスが排出される、浴の表面の領域に向かって、ドロスを移動させる方法において、前記インダクタの少なくとも1つに対して、そのスライド電磁場の前記方向が、パンの内部のドロスの流れを修正するように、断続的に反転されることを特徴とする方法である。
前記インダクタの間で、それらの少なくとも2つを、帯材が浴から出る領域に沿って配置することが可能であり、それらの磁場のそれぞれの方向が断続的に反転される。
本発明の目的はまた、鋼帯材を熱浸漬被覆する設備であって、パンおよび少なくとも1つのインダクタを含み、パンは、その中で帯材が移動する、液体金属または合金の浴を収納し、各インダクタは、被覆の間に発生したドロスを、それを受け入れることを意図する容器の近傍、および/またはそれを前記容器中に運び入れるロボットまたはオペレータの活動領域に運び入れるのに寄与する電磁場および起磁力を発生させる設備において、前記インダクタの少なくとも1つが、前記インダクタによって発生される電磁場の方向を反転させることを可能にする装置を含むことを特徴とする設備である。
その設備は、帯材が浴から出る領域の両側に位置する少なくとも2つのインダクタを備えてもよく、前記インダクタは、それが発生するその電磁場の方向を反転させる、装置をそれぞれ含む。
前記インダクタは、パンの上方でのその場所、および浴の表面からのその距離を調節することを可能にする、ブラケット上に装着してもよい。
前記設備は、インダクタの各々の間の距離、および浴の表面の高さをサーボ制御する、自動化された装置を備えてもよい。
一実施形態によれば、2つのインダクタが、それと平行にドロスを移動させることによって、ドロスを帯材の表面から遠ざけるように、帯材の浴から出る領域において帯材を取り囲み、2つのインダクタは、前記他の2つのインダクタの実質的に延長線上にある、パンの壁に沿ってそれぞれ配置されている。
この場合に、浴を収納するパンは、概して長方形を有し、ドロスがその中に収集される容器、および/またはドロスがそこから排出される、ロボットおよび/またはオペレータの活動領域は、インダクタの1つと反対側の、パンの隅に配置されており、ドロスを前記容器の方向に向けることを意図する1つのインダクタが、インダクタの他の1つの反対側のパンの隅に設置されている。
設備は、少なくとも1つのインダクタによって発生された電磁場の方向の反転を制御する手段を含んでもよく、この手段は、それ自体が、パンの少なくとも1つの領域内の、蓄積されたドロスの量を評価すること、およびそのような反転が望ましいときにモーメントを決定することを可能にする装置に従属している。
前記インダクタの少なくとも1つは、3相リニアモータとしてもよい。
好ましくは、前記3相リニアモータの少なくとも1つは、コイルが磁気コアを包囲するタイプである。
このことが理解されるように、本発明は、スライド磁場を有するインダクタの使用に基づいており、それらの少なくとも1つは、その使用中にスライド磁場の方向、したがってドロスの変位を引き起こす起磁力の方向を断続的に変える可能性を有している。任意選択で、液体被覆金属を収納するパンの寸法が小さい場合には、本発明によるスライド磁場の方向を断続的に反転することができれば、単一のインダクタがあれば十分であることがある。
この磁場の方向の変化は、浴の表面において、ドロスの循環のための優先経路の定常構成を生じさせない可能性を与える。
実際に、本発明者らは、そのような循環経路の定常性は、ドロスを駆動する電磁気装置の効率性に対して不利益であったことを見出した。それは、パンのある領域に局在化された、死角領域(dead area)および閉再循環ループの生成につながる。したがってドロスは、そこに残るか、またはそこに蓄積される傾向があり、したがって、ドロスは、ロボットの活動領域が死角領域および再循環ループが位置する領域と関係しない場合には、ロボットによって除去されない。ドロスが、ドロスを収集する容器からさらに遠ざかると、オペレータは、安全性と作業状態について先述したすべての障害がある状態で、ドロスを容器中に、またはロボットの活動領域中に運び入れなければならない。
少なくとも1つのインダクタ、好ましくは、パン内の貫入領域における帯材の両側を取り囲むインダクタに少なくともよって、発生した磁場の方向を反転すること(一定間隔またはそうではなく実施される)によって、ドロスの循環経路を修正することが可能になる。これを行うことによって、磁場が所与の方向を有するときに確立されたかもしれない、死角領域および再循環ループは、この方向の反転によって「破壊」されて、その中に蓄積された可能性のあるドロスは循環回路中に運び戻されて、その循環回路は、ドロスをロボットの活動領域に向かって、またはそれを収集する容器へと直接、誘導する。したがって、このドロスの再循環を実行するのに、人の介入は必要ではない。また、パンの所与の領域、特に、帯材から比較的離れて位置する領域が、循環流と永久的に関係することが、明らかに必要ではないことを認識すると、浴の表面の全体上に存在するドロスを排出するのに必要なインダクタの数は低減してもよい。
本発明は、以下の添付の図面を参照して、以下に続く説明を読めば、よりよく理解される。
本発明の範囲内で使用できる、例示的なリニアモータを示す図である。 図1のリニアモータの電気回路図である。 図1のリニアモータによって発生される起磁力の向きの変化を、それを流れる電流の周波数に対して概略的に示す図である。 図1のリニアモータによって発生される起磁力の向きの変化を、それを流れる電流の周波数に対して概略的に示す図である。 図1のリニアモータによって発生される起磁力の向きの変化を、それを流れる電流の周波数に対して概略的に示す図である。 本発明を応用することのできる例示的亜鉛メッキ設備の概略斜視図である。 本発明によって達成することのできる、ドロスの流れの2つの可能な構成に対する、図6の設備の概略上面図である。 本発明によって達成することのできる、ドロスの流れの2つの可能な構成に対する、図6の設備の概略上面図である。 追加のリニアモータが使用される、図6の設備の代替案の概略上面図である。
本発明の好ましい実施例による、スライド磁場の発生を確実にする3相リニアモータの全体設計は標準的であるが、その寸法決めおよびその特性は、設備のニーズに対して適切でなくてはならない。1つの制約条件は、特に、モータが、亜鉛メッキ浴からある距離、最適には、20から100mmの間、浴の表面がモータと接触すること、または液体亜鉛の放射が行われてそれを劣化させることが回避される距離、に設置されるときに、スライド磁場の満足な効率を得ることである。
この距離が小さいほど、モータの効率が高くなることを認識すると、その他の条件がすべて等しければ、理論的には、1から350mmのモータ浴距離が可能である(モータの磁極ピッチ(pole pitch)および電力に応じて調整しなくてはならない)。しかし、最適な距離を選択するためには、亜鉛メッキ設備の幾何学形状および具体的な動作条件を考慮しなくてはならない。さらに、モータは、最適にはブラケット上にそれぞれ装着されて、このブラケットは、本発明の応用の即時的なニーズに従って、高さを含み、浴の上方でのそれらの厳密な位置設定の調節を可能にするものであり、この位置設定は、以下のような様々なパラメータ:
−浴の表面において多かれ少なかれ実質的な動揺を発生させる、帯材の移動速度および、その変動;
−さらに、とりわけ帯材の移動速度に依存するとともに、帯材が高速で移動していることから、それが重要であるときに、質量を帯材から遠ざけるために、モータの最大の効率を必要とする、ドロスの形成率、
によって変化する可能性があり、したがって、モータを浴の表面にできる限り近く設置するのが有利となる。
各モータの長さおよび体積の寸法は、特に既存の設備にそれを据え付けようとするときには、パン、帯材および、パンの上方にモータを移植するために利用可能なスペースの通常の寸法を考慮して、生産ラインにおいてモータの設置位置があるようにしなくてはならない。実際的には、モータの長さは、200から2000mm、その幅は100から1000mm、その高さは50から600mmである。
モータの長さおよび幅は、その活動表面を定義する:活動表面が大きいほど、モータが掃く面積は大きくなるが、モータの過密さもより深刻になり、これはその位置設定を困難にする。勿論、同じ設備のすべてのモータが、必ずしも同一である必要はない。モータの寸法の選択は、それが掃く必要のある面積の大きさに適合される。最適には、帯材を取り囲むモータは、帯材が亜鉛メッキ浴に貫入する領域の全体から、ドロスが遠ざけられることを保証するために、帯材の幅程度の長さを有する。しかしこの条件は、多様な幅(例えば、600から2000mm)を有する帯材を処理することを意図する設備においては、常に満足されるとは限らない。これに対する対応策を見出すために、以下のことが考えられる:
−異なる幅の帯材用の2つの亜鉛メッキ処理の間で迅速に変更することのできる、異なる幅の、いくつかの組のモータを有する;または
−以下でこれについて考察するように、被覆しようとする帯材の幅に応じて始動または停止することのできる、並んで配置された、いくつかのモータを使用する。
モータの磁極ピッチ、すなわち、同位相で給電される2つのコイル間の距離は、50から700mmまで変化してもよい。これは、磁場の活動領域に対応する。磁極ピッチが低減されるほど、ドロスの駆動に対する所与の効率を得るために、モータを浴の表面により近接して設置する必要がある。モータを浴の表面の100mmに設置すると、一般に、モータのその他の好ましい特性を考慮して、300mm程度の磁極ピッチを選択することを伴う。
モータの動作周波数は、1から500Hzの範囲としてもよい。これは、先に示されたように、液体Zn内の起磁力の方向に影響を与える。この力は、最適には、表面の最近傍からいかなる動揺(特に、パンの底において流出したドロス、または表面に浮遊するドロスを、元の位置に戻して浴の中心に入れる傾向がある動揺)も発生させないように、浴の表面に対してできる限り正接方向にして、表面に浮遊するドロスをできる限り効率よく変位させる。さらに、すべての条件、とりわけ磁極ピッチが等しいとすれば、周波数が低いので、起磁力はなおいっそう正接方向になる。
モータの各ノッチに流れる電流の強度は、所与の巻線に対して、電流の強度がより高くなると、発生する起磁力がより大きくなることを意識すると、1000から20000アンペア回数の起磁力を発生させるのに十分でなくてはならない。
図1は、本発明の範囲内でインダクタとして使用することのできる、それ自体で知られているタイプの3相リニアモータを概略的に示す。従来から、このリニアモータは、軟鉄シートの組合せによって形成される、長さL、幅lの磁気コア1を含む。軟鉄は、磁束を最大化するために使用されており、シート構造は、フーコー電流(Foucault current)の発生、その結果としてジュール効果による損失、を低減することを可能にする。コアは、コイル3−8を形成する電気導体が設置された、2つのスロット2を含み、これらのコイル3−8は、巻線を形成するために、それ自体で、互いに接続されている。図示例において、これは、交互に配置された2つのコイルの3つの巻線を含む、3相モータである。したがって、コイル3はコイル6に接続され、コイル4はコイル7に接続され、コイル5はコイル8に接続されている。各コイル3−8は、ドロスを磁場と同方向に沿って移動させる起磁力を発生させる、スライド磁場を発生させるために、2π/3の位相ずれで給電される。コイル3−8は、水の内部循環によって冷却してもよい。
図2は、スター結線がコイルの接続の交番を示す、モータの電気図を示す。
本発明を容易に応用するために、位相インバータ30が設けられており、この位相インバータ30は、位相3に接続されたコイル4、7の接続は不変のままであることを認識して、一回の作動動作において、瞬時にスライド磁場の方向を反転することができるように、位相1および2(図示例では、コイル3、5、6、8)にそれぞれ接続されたコイルの接続の変更を可能にする。すなわち、コイル3および6が位相1に接続され、コイル5および8が位相2に接続されている、図2における実線で示される構成において、磁場は、矢印31に従って左から右へとスライドする。コイル3および6が位相2に接続され、コイル5および8が位相1に接続されている、図2において点線で示された構成において、磁場は、矢印32に従って右から左へスライドする。
モータの磁極ピッチ、すなわち、同一位相で給電される2つのコイル、例えば、図示例においてはコイル3および6、の間の距離「p」は、既述のように、50から700mmである。600から700mmの長さのモータに対する、300mmの磁極ピッチは、調停しようとする異なる要件間の、よい妥協案であることがわかる:
−モータを、モータを損傷する可能性のある、亜鉛メッキ浴から低減されすぎた距離に設置する必要がないように、十分に長い磁極ピッチ;
−長さが過剰に長いモータにならないように、十分に低減された磁極ピッチ。
図3から5は、10Hz(図3)、50Hz(図40)および250Hz(図5)のモータに流れる電流の周波数に対する、亜鉛メッキ浴9内の起磁力とその方位を図式化している。矢印は、その方位と長さに応じて、前記の力の優先方向と、その強度を示している。既述のように、周波数が低くなるほど、より大きい起磁力が、浴の表面10に対して正接方向に発揮され、したがって、等しい電流の強度に対して、ドロスを所望の方向に移動させるのに効率的である。しかしながら、低い周波数は、低強度の起磁力につながる。設備の適切な動作のために、最も好ましい設備の幾何学形状を得るために、電流の周波数の選択も、磁極ピッチの選択と合わせて実行しなくてはならない。最終的には、ドロスの適正な循環に対して効率的な方向に沿って主として発揮され、それにもかかわらず適当な強度を有する、起磁力を得るために、浴から小さすぎる距離でモータを設置することを強制されないように、相対的に低い周波数および比較的高い磁極ピッチを有することが、好ましいと推定される。周波数10Hzの電流、300mmの磁極ピッチ、それぞれに強度150Aの電流が通り、96回巻きの6つのコイルを含む、全長が600から700mmのモータ、およびしたがって15000アンペア回数の起磁力を与えることは、それが浴9の表面10から50mmから100mmの距離に設置される場合には、良好な妥協案を表わす。
最も標準的なリニアモータは、平面巻線を含み、平面コイルはコアを横断している(例えば、文献EP−A−0949749を参照)。特に幅において、モータをさらに小型化するために、図に概略的に示す構成とするのが好ましく、これらの図では、コイル3−8は、コア1のまわりに配置されている。文献「Fluid flow in a continuous casting mold driven by linear induction motors」(ISIJ International, 2001年, Vol.41 No.8, 頁851−858)は、そのようなリニアモータをより詳細に記述している。
図6は、図示例においては、図1のリニアモータのタイプの4つのリニアモータ11−14を備え、本発明を応用することができる、亜鉛メッキ設備を概略的に図示している。従来から、この設備は、概して長方形を有し、それが収納する、液体亜鉛、またはより一般的には亜鉛合金(または、注意事項として、帯材16を被覆するのに使用することのできる、その他任意の金属または合金)の浴9の温度を維持する手段が設けられた、パン15を含む。亜鉛メッキをしようとする移動する帯材16は、斜め方向に沿って浴9に貫入する。既述のように、この貫入は、実際には保護された管の内部で実行されることが非常に多く、その管は、上流部分において、帯材の温度を浴9の温度に近い値に調節することを可能にする、焼鈍ラインに接続されている。分かり易くするために、この管は図6だけでなく、図7、8および9にも示していない。帯材16は、タンク15の内側に位置するローラのまわりを通過して、亜鉛メッキ層で被覆されて、浴9から垂直に出て、それ自体として知られており、本発明の設計には影響のない、亜鉛メッキ設備の他の要素に向かう。知られているように、亜鉛メッキされた帯材16は、浴9から出ると、2つのガス噴出装置17、18の間を通過し、この装置は、帯材16の表面のそれぞれの被膜の厚さを調節するとともに、それを冷却し、したがって適正な凝固をもたらす。ドロスを収集するために、モータ11−14を用いてその中に押しやられた後に、ドロスをその中に収集することのできる、容器をパン15の隅に設置してもよい。それ以外には、図示のように、ドロスを浴9から引き出し、それをパン15の横に設置された容器19中に送りこむために、パン15の近傍に配置されたロボット20を、全空間方向に移動させてもよい。
リニアモータ11−14は、以下の項目:
−各モータ11−14の活動領域の場所;および
−浴9の表面10と、モータ11−14の各々の間の垂直距離
を最適化するために、浴9の上方でのモータのそれぞれの位置の修正を可能にする、ブラケット21−24の上に配置される。
実際に、亜鉛メッキ中に亜鉛が徐々に消費されることにより、浴9の液面は、動作中に低下する傾向にあり、モータ11−14と表面10の間の距離が増大する場合には、起磁力が減少する。そのブラケット21−24によりモータ11−14が徐々に下方に低下することにより、この距離を一定に維持し、したがって、その他の条件がすべて等しければ、方向および強度において起磁力を一定に保つ可能性が与えられる。起磁力に作用するための別の手段は、モータ11−14に流れる電流の強度を増大させることである。勿論のこと、モータ11−14と浴9の表面10の間の距離を調節することと、起磁力を制御するための電流の強度を調節することを組み合わせることができる。各モータ11−14と浴9の表面10の間の距離を、前記表面10の高さの変動に自動的に追従させる手段を設けてもよい。
図6に示されている設備の異なる主要素の配置は、図7および8においても現われる。2つのモータ11、12が、帯材16のそれが浴9から出る領域において帯材16を取り囲み、それによってドロスを帯材と平行に移動させることによって、ドロスを帯材16の表面から遠ざけるようにされている。図示された非限定の実施例において2つのモータ13、14は、それぞれ、実質的に2つの他のモータ11、12の延長線上に、パン15の側壁に沿い、それに平行に配置されて、それによって前記壁に沿って延びる、それぞれの活動領域中にドロスを貫入させるとともに、ロボット20の活動領域25に向かってドロスを送り、ロボット20がドロスをパン15に密接して位置する容器19中に押しやるようにされている。図示例において、ロボット20の活動領域25は、パン15の側壁に沿って配置された1つのモータ14の反対側に位置する。
図6、7および8に示されるような、パン15の側壁とモータ13、14の平行関係は、既述のように、非限定の配置例にすぎない。これらのモータ13、14の向きは、パン15の具体的な構成、およびロボット20の活動領域25の具体的な場所に応じて、最適化しなくてはならない。この最適化によって、これらのモータ13、14の少なくとも1つを、それが近接する、パン15の側壁に対して、斜めに配置することになる場合もある。
本発明者らは、少なくとも方向において実質的に一定の起磁力で、連続的に動作するようなシステムの効率は、ドロスの除去に対して、最大の効率を達成することを可能にしないことに気付いた。
実際に、浴9の表面における流れが安定であるために、長期的には、ドロスが蓄積して、モータ11−14の1つによって捕捉ができずに、不動のままとなる、死角領域が生成されるとともに、ドロスがループになって循環し、ロボット20の活動領域25に(または、容器が実際のパン15の中に設置されている場合には、直接、その中に)ドロスを誘導する正常な循環流に結合するために、脱出する可能性がほとんどない領域も生成される。したがって、ある領域でのドロスの蓄積が観察され、これは、浴9の全体に対する汚染源を形成することになり、亜鉛メッキの品質を劣化させる。
本発明は、モータ11−14の少なくとも1つが、それが発生させる電磁場の方向、それによってドロスの変位を生じさせる起磁力の方向の反転を可能にする手段を有するようにすることによって、この問題を解決する。この反転は、所定の時間間隔で体系的に発生させて、手動的または自動的に制御してもよく、予備実験によって、亜鉛メッキ条件(とりわけ、帯材16の移動速度、浴9の性質…)に応じて、この反転を実行すべき最適頻度を決定することが可能になる。この反転はまた、設備のオペレータによって決定されるか、または、例えば、パン15の所定の領域(複数を含む)において蓄積されるドロスの量を評価する手段に従属しながら動作する任意の自動化装置によって決定される時機に、不規則に発生させてもよい。
このような蓄積ドロスの量の評価は、例えば、ドロスの潜在的蓄積領域をねらうカメラ(赤外線カメラまたはその他)により取り込まれた画像を解析することによって行ってもよい。これは、オペレータ、または亜鉛メッキ設備を管理する自動式装置が、浴9の表面10のいくつかの場所におけるドロスの蓄積が、過剰になるところである、またはすでに過剰であること、および、したがって、モータ11−14の少なくとも1つの磁場の方向の前記反転を続けるのが望ましいことを推定するのを可能にする。
関連するモータ(複数を含む)11−14に関連する起磁力の方向の反転は、ドロスの循環の一時的動揺を引き起こし、このことは、それ以前に安定であった領域(死角領域または再循環ループ)を撹拌する可能性をもたらす。このような撹拌によって、これらの領域に見られるドロスが、撹拌によって発生した、ドロスの循環に対する新規の優先経路の内部に戻され、そうして前記ドロスを除去することができる。次には、新規の再循環経路が新規の死角領域および再循環ルートを発生させるが、それらは、同様にして、インダクタ11−14の少なくとも1つによって発生される磁場の方向を、続いて反転させることによって「破壊」することができる。
インダクタ11−14の磁場を反転させるためのこれらの手段は、様々なコイル3−8の給電を変更する、スイッチによって非常に簡単に形成してもよい。このために、図2に図解されているように、モータのコイルの給電を変更する、位相スイッチ30を設ければ十分である。このスイッチ30は、設備を制御するための電気キャビネット内に据え付けられて、オペレータおよび/または自動システムによって遠隔式で制御してもよい。スライド磁場の方向の変更は瞬時である。
図7および8に図解された事例では、これらは、浴9の出口領域において帯材16を包囲するモータ11、12であり、これらのモータは、これらが発生する電磁場の方向を反転する手段を備えている。
図7の事例では、モータ11−14の第1の動作状態が図解されており、モータ11、12は両方とも、パン15の左側壁に向かってドロスを駆動する。ドロスは、左側壁26に沿って位置するモータ14によって発生された磁場によって、その中にふたたび取り込まれて、容器19がパン15と一体化されている場合には、容器19に向かって送られるか、または図解のように、ロボット20の活動領域25の中に送られる。同時に、パン15の右側壁27に沿って位置するモータ13が、その電磁場が取り込むドロスを、右側壁27に沿って、ロボット20の活動領域25に向かって送る。これらのドロスも、パン15の前壁28によって、ロボット20の活動領域25に向かって、進路を変えられる傾向にある。図7に(ならびに、図8および9に)示されている異なる矢印は、様々なモータ11−14によって発生された起磁力によって誘発されたドロスの変位を示している。
図8は、モータ11−14の第2の動作状態を示しており、この場合には、図7の構成をある期間、使用した後の、帯材16を取り囲むモータ11、12によって発生された磁場の方向が、本発明によって、図7の事例に対して反転されている。このときに、帯材6の近傍において見られるドロスは、パン15の右側壁27に沿って位置するモータ13の方向に向けられている。モータ13、14は、図7の事例と同様に動作する。この反転は、浴9の表面10におけるドロスの動きを発生させるのに、すでに十分であり、この動きは、図7の構成において生成された、死角領域および再循環領域を「破壊」することができる。
新規の死角領域および発生された再循環ループにおける、ドロスの蓄積が、先に述べたように、過剰になるところであるとき、手動式または自動式のいずれかで、図7の構成への遷移が行われる。
図示例においては、帯材16を取り囲む2つのモータ11、12は、両方とも、同一方向にドロスを駆動する。しかし、この構成は必須ではなく、移動させようとするドロスの局在化がこれを必要とする場合には、前記モータ11、12の磁場の方向を反対にするとともに、これを永久的または一時的にすることが可能である。
また、図示例において、帯材16を取り囲んでいる両方のモータ11、12は、同じ長さであり、互いに正確に対向している。しかしこの構成は必須ではなく、使用されるパン15の特定の構成においてドロスの適当な除去に対して便益があることがわかった場合には、これらのモータ11、12が異なる長さを有し、および/または互いに位置をずらせるようにしてもよい。
図9は、図6から8の事例の代替案を概略的に示しており、この場合にはパン15の右前方隅に斜めに配置された第5のモータ29が追加されている。したがって、このモータは、パン15の右側壁27に沿って位置するモータ13によって押しやられるドロスの経路上に位置して、ドロスをロボット20の活動領域25に向かって送達する、このモータ13の作用を強化する機能を有する。したがって、ロボット20の活動領域25の大きさを低減するとともに、帯材16の近傍からロボット20の活動領域25に向かって、ドロスを排出する効率を全体的に増大することができる。帯材16を取り囲むモータ11、12は、図7および8の事例と同様に、一方または他方の方向に交番する、それぞれの電磁場を有する。
異なるモータ11−14もしくは11−14、29、または少なくともその一部を、動作中に、それらがドロスの変位を伴うことができる方向において可動とし、それによって、これらのドロスが、モータ11−14または11−14、29の初期の活動領域の下に位置するときには、モータ11−14または11−14、29がドロスに単一パルスを与えるだけの場合よりも、より長い期間にわたって所与のドロスの群の変位を補助することも考えられる。
勿論のこと、図6−9の実施例は、モータの数だけでなく、その配置の観点の両方から非限定である。帯材16を取り囲むモータ11、12以外(それらへの追加、またはそれらの代わり)のモータが、反転可能な活動方向を持つようにしてもよい。しかし、帯材16の出口領域の周辺は、一般的には、ドロスによる(帯材の入口領域が、そうである場合が多いように、焼鈍炉に接続された管で保護されている場合には)亜鉛堆積物、または被覆合金の汚染のリスクの点において最も敏感である。好ましくは、効率の高いモータをそこに配置すべきであることは明らかである。特に、これらのモータ11、12が、その装置の最も高出力のモータである場合には、好ましくは、これらのモータが、活動方向を反転させることにより最も便益を受けるモータである。可能な場合には、長さが帯材の幅と同じ程度である、これらの2つのモータ11、12の一方または両方を、互いに並べて配置されて、磁場が同方向を有する、より小さいサイズのいくつかのモータで置換することも可能である。これは、特に、帯材16が浴9に入る領域と帯材16が出る領域との間に位置するモータ12の場合に、浴中に大きいサイズの単一のモータを実装することにより課せられる、過密問題を解決する方法となり得る。また、これは、同一の被覆設備において、帯材16の幅がいくつかの異なる値をとる場合に、その幅に応じて、帯材16を取り囲むモータの活動領域の大きさを容易に変化させる方法とすることもできる。このためには、帯材16の幅を超えて突出するモータを電気的に停止させるか、またはそれらをパン15から離れて変位させることでも十分である。
勿論のこと、記述された実施例は非限定であり、特に、帯材16が浴9に貫入する領域が、それ自体で、ドロスのない状態でなければならないときに、帯材16が外気中にある、またはドロスを収集する容器19および/またはロボット20の活動領域25が、それらが図示例において存在する場所と違う場所に設置されている場合に、インダクタのその他の配置も考えられる。当業者であれば、インダクタの数および配置を、自分の被覆設備の特定の幾何学形状に適合させることが可能であり、重要な点は、ドロスの蓄積を促進する、浴9の表面10における死角領域および再循環ループが永続することを避けるために、インダクタの内の少なくとも1つの作用の方向を断続的に反転させる可能性があることである。
小さい寸法のパン15に対しては、それが発生させるスライド磁場の方向が断続的に変化する、単一のモータだけを使用することが考えられる。この場合には、モータの磁場が一方または他方の方向にスライドする期間中に変位させられたドロスを収集するために、それぞれが前記モータの延長線上にあるが、互いに反対の位置にある2つの容器19を設けるのが適当であり得る。
非限定の例として、本発明を用いて、650から1350mmの幅を有し、通常、60−120m/minで移動するが、200m/minを超える速度で移動することのできる鋼帯材の亜鉛メッキ用設備に本発明を応用するために、4×3.20mの長方形パン15、および図6から8のように配置された4つのモータ11−14を使用することができる。これらのモータは、周波数10Hzの電流で給電される。これらは、それぞれ、300mmの磁極ピッチ、600から700mmの全長を有して、6つの96回巻きのコイル、それぞれを流れる強度150Aの電流を含み、したがって、15000アンペア回数の起磁力を提供する。

Claims (11)

  1. パン(15)内に収納される、液体金属または合金の浴(9)内で移動する鋼帯材(16)に対する熱浸漬被覆の方法であって、
    被覆中に形成されて、浴(9)の表面(10)に浮遊するドロスが、複数のコイルを備える少なくとも1つのリニアモータ(11−14、29)を用いて、帯材(16)の表面から遠ざけられて、各リニアモータ(11−14、29)は、所与の方向に沿って配向されたスライド電磁場を生成して、起磁力を発生させ、起磁力の全体が、ドロスを収集することを意図する容器(19)に向かって、および/またはそこからドロスが排出される、浴(9)の表面(10)の領域(25)に向かって、ドロスを変位させる方法において、
    リニアモータ(11−14、29)の少なくとも1つに対して、そのスライド電磁場の方向が、パン(15)の内部のドロスの流れを修正するように、リニアモータのコイルの接続の変更を可能にする位相反転装置を用いて、断続的に反転されることを特徴とする、方法。
  2. リニアモータ(11−14、29)の間で、その少なくとも2つ(11、12)は、帯材(16)が浴から出る領域に沿って配置されること、およびそれらの磁場のそれぞれの方向が断続的に反転されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 鋼帯材(16)を熱浸漬被覆する設備であって、パン(15)、および複数のコイルを備える少なくとも1つのリニアモータ(11−14、29)を含み、パン(15)は、その中で帯材(16)が移動する、液体状態で液体金属または合金の浴(9)を収納し、各リニアモータ(11−14、29)は、亜鉛メッキの間に発生したドロスを、それを受け入れることを意図する容器(19)の近傍、および/またはそれを容器(19)中に運び入れるロボット(20)またはオペレータの活動領域(25)に運び入れるのに寄与する電磁場および起磁力を発生させる設備において、
    リニアモータ(11−14、29)の少なくとも1つが、リニアモータ(11−14)によって発生される磁場の方向を反転させることを可能にするように、リニアモータのコイルの接続の変更を可能にする位相反転装置を含むことを特徴とする、設備。
  4. 浴(9)からの帯材(16)の出口領域の両側に位置する、2つのリニアモータ(11、12)を少なくとも含むこと、およびリニアモータ(11、12)は、それが発生する電磁場の方向の反転を可能にする、位相反転装置をそれぞれ含む、請求項3に記載の設備。
  5. リニアモータ(11−14、29)は、パン(15)の上方でのその場所、および浴(9)の表面(10)までのその距離を調節することを可能にする、ブラケット(21−24)上に装着されることを特徴とする、請求項3または4に記載の設備。
  6. リニアモータ(11−14、29)の各々の間の距離、および浴(9)の表面(10)の高さをサーボ制御する、自動化された装置を含むことを特徴とする、請求項3から5の一項に記載の設備。
  7. 2つのリニアモータ(11、12)が、それと平行にドロスを移動させることによって、ドロスを帯材(16)の表面から遠ざけるように、帯材が浴(9)から出る領域において帯材(16)を取り囲むこと、および2つのリニアモータ(13、14)が、他の2つのリニアモータ(11、12)の延長線上にある、パン(15)の壁(26、27)に沿ってそれぞれ配置されていることを特徴とする、請求項3から6の一項に記載の設備。
  8. 浴(9)を収納するパン(15)が、長方形を有すること、ドロスがその中に収集される容器(19)、またはロボット(20)またはオペレータの活動領域(25)が、リニアモータ(13、14)の1つと反対側の、パン(15)の隅に位置していること、および1つのリニアモータ(29)が、ドロスを容器(19)の方向に向けることを意図して、リニアモータ(13、14)の他の1つの反対側のパンの隅に設置されていることを特徴とする、請求項7に記載の設備。
  9. 少なくとも1つのリニアモータ(11−14、29)によって発生された電磁場の方向の反転を制御する手段を含み、この手段は、それ自体が、パン(15)の少なくとも1つの領域内の蓄積されたドロスの量を評価する装置に従属していることを特徴とする、請求項3から8の一項に記載の設備。
  10. リニアモータ(11−14、29)の少なくとも1つが、3相リニアモータであることを特徴とする、請求項3から9の一項に記載の設備。
  11. 3相リニアモータ(11−14、29)の少なくとも1つが、コイル(3−8)がコア(1)を包囲するタイプであることを特徴とする、請求項10に記載の設備。
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