JP5947177B2 - 廃用性筋萎縮の予防又は治療剤 - Google Patents

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本発明は、廃用性筋萎縮の予防又は治療剤に関する。
筋萎縮は、廃用性筋萎縮と進行性筋萎縮とに大別され、このうち、廃用性筋萎縮には、長期の不活動によって生じる骨格筋の顕著な変化であり、筋線維径の減少等の量的変化及び筋線維、筋タンパク質レベルでのタイプ移行といった質的変化であり、例えば、長期間の安静臥床や骨折等によるギプス固定、微小重力暴露(宇宙空間等での生活)、加齢過程等によって生じる。
従来、廃用性筋萎縮は、充分な運動やリハビリテーションで治療されてきたが、これらだけでは治療効果に限界がある。また、薬剤による治療には、医師による投与方法の煩雑さの問題や副作用の問題がある。このため、天然にも存在するビタミンEやポリフェノールを用いた治療が開示されている(特許文献1)。
他方、分岐鎖アミノ酸(BCAA)に富むタンパク質は、筋肉増強効果に優れることが知られており、その一つであるカゼイン等を筋肉増強が求められる者に従来投与している。
特開2001−89387号公報
しかし、カゼイン等では、廃用性筋萎縮の予防及び治療の効果が不十分であり、特に廃用性筋萎縮からの回復速度が遅いという問題がある。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、アミノ酸を含みかつ効果に優れた廃用性筋萎縮の予防又は治療剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、及びグリシンに富む動物タンパク質が、廃用性筋萎縮の予防又は治療効果に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1) 動物タンパク質又はその分解物を含有し、全窒素1gに対し、アルギニンを250mg以上、アラニンを260mg以上、アスパラギン酸を470mg以上、グリシンを130mg以上の量で含む廃用性筋萎縮の予防又は治療剤。
(2) 前記動物タンパク質は、魚肉タンパク質を含む(1)記載の予防又は治療剤。
(3) 前記魚肉タンパク質は、タラ目に属する魚の魚肉タンパク質を含む(2)記載の予防又は治療剤。
(4) タラ目に属する魚の魚肉タンパク質又はその分解物を含有する廃用性筋萎縮の予防又は治療剤。
(5) 前記廃用性筋萎縮は、少なくとも遅筋における症状である(1)から(4)いずれか記載の予防又は治療剤。
(6) 前記タンパク質又はその分解物は、0.5質量%以下の粗脂肪量を有する(1)から(5)いずれか記載の予防又は治療剤。
本発明によれば、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、及びグリシンに富む動物タンパク質又はその分解物を用いることで、廃用性筋萎縮の予防又は治療効果を向上することができる。
本発明の実施例に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤を含む飼料を投与したときの摂取エネルギー推移を示すグラフである。 本発明の実施例に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤を投与したときの筋肉回復の程度をグラフである。 本発明の実施例に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤を投与したときの筋肉回復の程度をグラフである。 本発明の実施例に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤を投与したときの筋肉回復の程度をグラフである。 本発明の実施例に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤を投与したときの筋肉回復の程度をグラフである。 本発明の実施例に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤を投与したときの筋肉回復の程度をグラフである。 本発明の実施例に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤を投与したときの筋肉回復の程度をグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明するが、これに本発明が限定されるものではない。
本発明の第一形態に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤は、動物タンパク質又はその分解物を含有し、全窒素1gに対し、アルギニンを250mg以上、アラニンを260mg以上、アスパラギン酸を470mg以上、グリシンを130mg以上の量で含む。アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、及びグリシンの量が多く、また、動物タンパク質には他のアミノ酸がバランス良く含まれるため、廃用性筋萎縮が効果的に予防又は治療される。
本発明者らは、BCAA量の多いカゼインより、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、及びグリシンの量の多いタラタンパク質の方が、廃用性筋萎縮の予防又は治療に優れることから、廃用性筋萎縮の予防又は治療においては、従来、筋肉増強効果について着目されてきたBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)より、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、及びグリシンが重要であることを見出した。
上記4種のアミノ酸量は、過小であると、廃用性筋萎縮の予防又は治療効果が十分に得られにくい一方、過大であると、他のアミノ酸のバランスが悪化し、結果的に廃用性筋萎縮の予防又は治療効果が十分に得られにくい傾向にある。具体的に、アルギニン量の下限は350以上であることが好ましく、上限は470以下であることが好ましく、より好ましくは400以下である。アラニン量の下限は260以上であることが好ましく、より好ましくは350以上であり、上限は380未満(特に375以下)であることが好ましく、より好ましくは375以下である。アスパラギン酸量の下限は590以上であることが好ましく、より好ましくは630超(特に635以上)であり、上限は710以下(特に670以下、650以下)であることが好ましい。グリシン量の下限は130以上であることが好ましく、より好ましくは260以上、280以上、310超(特に315以上)であり、上限は400以下(特に350以下)である。また、上記4種アミノ酸の合計量の下限は、1100以上であることが好ましく、より好ましくは1540以上、1700超(特に1710以上)である。
本明細書におけるアミノ酸量は、いずれも全窒素1gに対するアミノ酸量(mg/g窒素)を指し、窒素量はケルダール法に基づき測定され、アミノ酸量は、アミノ酸自動分析法(ただし、トリプトファンは高速液体クロマトグラフ法)に基づき測定される(具体的には、資源調査分科会報告「日本食品標準成分表準拠 アミノ酸成分表2010」に記載のとおり)。
動物タンパク質は、元来、動物個体の一部を構成するものであるから、摂取者の組織構築に関わるアミノ酸(必須アミノ酸、BCAA等)をバランス良く含む。ただし、本発明が対象とする疾患は、廃用性筋萎縮であり、平常時又は過運動時の筋肉回復とは異なることから、多量のBCAAは必要でない。このため、BCAAの合計含有量は、1000以上であればよく、具体的には1070以上、1100以上であればよい一方、上限は他のアミノ酸とのバランスの点で、1400以下であることが好ましく、より好ましくは1150以下、1140以下、1110未満(特に1105以下)である。
本形態に係る予防又は治療剤は、全窒素1gに対し、アルギニンを250mg以上、アラニンを260mg以上、アスパラギン酸を470mg以上、グリシンを130mg以上の量で含む動物タンパク質又はその分解物で構成されてもよいし、あるいは、動物タンパク質又はその分解物に、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グリシンの1種以上を加えて、上記量に調整したものであってもよい。前者は、上記アミノ酸の添加工程を省略できる点で好ましく、後者は、原料として用いる動物タンパク質又はその分解物の自由度が広い点で好ましい。
従って、本形態における動物タンパク質は、特に限定されず、カゼイン等の乳タンパク質、牛、豚、羊、うさぎ、カンガルー等の畜肉及び獣肉、鶏、七面鳥、うずら等の鳥肉、魚、白身魚等の魚肉等の肉類タンパク質、又はそれらの処理物(典型的には脱脂処理)であってよい。魚肉タンパク質、特に白身魚の魚肉タンパク質、中でもタラ目に属する魚の魚肉タンパク質は、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グリシンの含有量が高く、また脂肪分が少ない等の点で好ましい。主な動物タンパク質及び大豆タンパク質の主要アミノ酸組成を表1に示す。
Figure 0005947177
タラ目に属する魚としては、スケトウダラ、ミナミダラ、ノーザンブルーホワイティング、キングクリップ、メルルーサ、マダラ及びホキ等が挙げられ、中でもスケトウダラが好ましい。例えば、魚肉タンパク質として、以下の工程で処理したスケトウダラ魚肉及びホキ魚肉を使用することができる。
魚肉タンパク質は、例えば、次のような工程で製造してよい。魚肉を適当な大きさに切断し、切断した試料を凍結させた後、凍結乾燥機で凍結乾燥させる。凍結乾燥した試料を常法にて粉砕し、これにエタノール等を添加して脂溶性成分を溶出させる。次いで、エタノールを除去することにより魚肉タンパク質を得ることができる。また、摂取エネルギーを減少させることができる点で、0.5質量%以下の粗脂肪量を有するタンパク質又はその分解物が好ましく、これを得るために脱脂処理により脂質を除いてもよい。粗脂肪量は、ソックスレー抽出器を用いた従来公知のジエチルエーテル抽出法により測定される。
魚肉タンパク質を吸収しやすいように分解した、分解物も使用できる。最終的には、体内に吸収されたアミノ酸群を中心として廃用性筋萎縮の予防又は治療効果が奏されるため、魚肉タンパク質を部分的又は完全にアミノ酸へと分解しても、上記効果に重大な影響を及ぼさない。分解物は、パパイン、トリプシン、ペプシン、ブロメライン、フィシン及びアルカラーゼプロテアーゼ等のタンパク質分解酵素を使用して得ることができる。
本発明の第2形態に係る廃用性筋萎縮の予防又は治療剤は、タラ目に属する魚の魚肉タンパク質又はその分解物を含有する。前述のように、タラ目に属する魚(特にスケトウダラ)の魚肉タンパク質は、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グリシンに富み、他のアミノ酸をバランス良く含むため、これを有効成分として用いることで、廃用性筋萎縮の優れた予防又は治療効果が得られる。他の要素については、第1形態と重複するので、説明を省略する。
廃用性筋萎縮は、長期の不活動によって生じる骨格筋の顕著な変化であり、筋線維径の減少等の量的変化及び筋線維、筋タンパク質レベルでのタイプ移行といった質的変化であり、例えば、長期間の安静臥床や骨折等によるギプス固定、微小重力暴露(宇宙空間等での生活)、加齢過程等によって生じる。要するに、廃用性筋萎縮は、筋肉の不使用状態が長く続いたときに、筋肉量や筋力が低下する現象、筋組織の合成抑制、分解亢進といった状態であり、その予防又は治療は、平常時又は過運動時における筋肉量の増大、筋損傷(骨格筋細胞の壊死や部分変性、支配神経との連絡遮断により生じる)からの回復と、対象者及び作用機構において全く異なる。
廃用性筋萎縮は、遅筋及び速筋の一方又は双方において生じる状態である。本発明で有効成分として用い得るタラ魚肉タンパク質について、WO2012/026575号パンフレットには、遅筋を速筋タイプに変化させる速筋特異的な筋肉増強剤が開示されている。これに対し、本発明の予防又は治療剤は、遅筋及び速筋のいずれにおける廃用性筋萎縮も(つまり、少なくとも遅筋における症状であっても)予防又は治療することができる。
本発明に係る予防又は治療剤は、他の栄養成分(炭水化物等)、塩分(NaOH等)、pH調整剤(食用酸等)を更に含んでもよい。また、本発明に係る予防又は治療剤は、薬学的又は生理学的に許容される基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤及び着色剤等の1種以上等を更に含んでよい。
担体及び賦形剤としては、乳糖、ブドウ糖、白糖、マンニトール、馬鈴薯デンプン、トウモロコシデンプン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム及び結晶セルロース等が挙げられる。結合剤としては、デンプン、ゼラチン、シロップ、トラガントゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びカルボキシメチルセルロースカルシウム等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、水素添加植物油、タルク及びマクロゴール等が挙げられる。着色剤は、医薬品に添加することが許容されている任意の着色剤であってよい。
本発明に係る予防又は治療剤は、必要に応じて、白糖、ゼラチン、精製セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート及びメタアクリル酸重合体等の一層以上の被膜を有してもよい。また、本発明に係る予防又は治療剤は、必要に応じて、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤及び可溶化剤等を含んでもよい。
本発明に係る予防又は治療剤は、経口で投与される。その形態は、糖衣錠、バッカル錠、コーティング錠及びチュアブル錠等の錠剤、トローチ剤、丸剤、散剤及びソフトカプセルを含むカプセル剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、ドライシロップを含むシロップ剤、液剤が挙げられる。
本発明の予防又は治療剤は、症状の程度、患者の年齢、体重及び健康状態等の条件に応じて、限定されないが、成人であれば動物タンパク質又はその分解物が100μg〜10g/kg/日、好ましくは0.1g〜1g/kg/日の量になるように、経口で1日1回又は2〜4回以上に分割し適宜の間隔をあけて、投与されてよい。また、本発明の予防又は治療剤は、飲食品とともに投与されてもよい。
冷凍のアラスカ産スケトウダラフィレー(ユニシー社製)をバンドソー(秋山機械社製、600ST)で1cm×1cm×1cm程度の大きさに切断した。切断した試料を凍結乾燥用トレーに一層に並べて、凍結乾燥機(東京理化器械社製、TF20−85ATNNN)にて−30℃で4時間の予備凍結後に、4昼夜凍結乾燥した。凍結乾燥試料を手で軽く砕き、ピンミル(槇野産業社製、EM−1A)にて粉砕した。粉砕した凍結乾燥試料に99.5%エタノール(和光純薬工業社製、試薬特級)を添加して脂溶性成分を溶出させた。1週間風乾させた後、残留エタノールをロータリーエバポレーター(東京理化器械社製、N−21NS)にて除去し、スケトウダラ魚肉タンパク質を得た。冷凍のスケトウダラフィレー10kgから、約1.5kgのスケトウダラ魚肉タンパク質が得られた。このタンパク質の組成を表2に示す。
Figure 0005947177
(試験)
5週齢のSD系雄ラットに高脂肪飼料(High fat−Casein、New Zealand Dairy Board社)を与え、6日間飼育し、馴化させた後、全てのラットの右後肢にギプス固定を行い、2週間飼育した(廃用性筋萎縮を形成)。その後ギプスを外して群分けし、高脂肪飼料、又は高脂肪飼料のタンパク質源のみカゼインからスケトウダラタンパク質に置き換えた飼料を与え、3週間飼育した(各群n=14)。この間の摂取量から、摂取エネルギーを求めた結果を図1に示す。また、筋萎縮を確認するため、群分け時に解剖を行った(n=5)。高脂肪飼料(「Casein」)及び高脂肪飼料のタンパク質をタラタンパク質に置き換えた飼料(「APP」)の組成を表3に示す。
Figure 0005947177
飼育終了後に各種骨格筋を採取し、固定を行っていない左後肢(図中「非ギプス」と表す)と併せて、骨格筋重量の回復速度を比較した。この結果を図2〜7に示す。各図及び表において、「Casein」は高脂肪飼料を投与した群、「APP」は高脂肪飼料においてカゼインをスケトウダラ魚肉タンパク質に置換した飼料を投与した群の結果を示す。また、各図の数値は、平均値±標準誤差を指す。図1における*は対応のないt検定でのPが0.5未満であること、**は対応のないt検定でのPが0.01未満であることを指す。図2〜4において、各バー上の文字が異なることはTurkeyの多重比較検定において有意に異なることを指す。
図1に示されるように、「Casein」群の方が、「APP」群に比べ、飼料の摂取量は有意に多かった。しかし、図2〜4に示されるように、遅筋及び速筋のいずれにおいても、筋肉回復量は「APP」群において「Casein」群より顕著に多かった。
なお、遅筋であるヒラメ筋に関する図2に示されるように、「APP」群では、ギプス固定された肢だけでなく、固定されていない肢の筋肉回復量も高かった。この結果は、WO2012/026575号パンフレットの開示から予測し得ないものであり、廃用性筋萎縮の予防又は治療が、平常時における筋肉量増大と異なる作用機構に基づくことを表している。
また、図5〜7に示されるように、「APP」群では、「Casein」群よりも、筋肉回復量が多かったという結果を示しつつ、同等程度又はそれ以上に、ギプス固定された肢及びされなかった肢の筋肉量の差が縮小した。これにより、魚肉タンパク質は、廃用性筋萎縮が局所的に強く生じたときに、他の部位の筋肉量とのバランス良く、早期に筋肉量を増大できることが分かった。

Claims (6)

  1. 動物タンパク質又はその分解物を含有し、全窒素1gに対し、アルギニンを250mg以上、アラニンを260mg以上、アスパラギン酸を470mg以上、グリシンを130mg以上の量で含む廃用性筋萎縮の予防又は治療剤。
  2. 前記動物タンパク質は、魚肉タンパク質を含む請求項1記載の予防又は治療剤。
  3. 前記魚肉タンパク質は、タラ目に属する魚の魚肉タンパク質を含む請求項2記載の予防又は治療剤。
  4. タラ目に属する魚の魚肉タンパク質又はその分解物を含有する廃用性筋萎縮の予防又は治療剤。
  5. 前記廃用性筋萎縮は、少なくとも遅筋における症状である請求項1から4いずれか記載の予防又は治療剤。
  6. 前記タンパク質又はその分解物は、0.5質量%以下の粗脂肪量を有する請求項1から5いずれか記載の予防又は治療剤。
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