JP5946976B2 - 流体使用設備管理方法、又は、流体使用設備管理システム - Google Patents

流体使用設備管理方法、又は、流体使用設備管理システム Download PDF

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Description

本発明は、流体使用設備の運転状態を最適化するための流体使用設備管理方法、又は、その流体使用設備管理方法を実施する流体使用設備管理システムに関する。
産業用プラントとして、蒸気や蒸気以外のガス(空気や、プロパン又はメタン等の各種ガス燃料)などの流体を用いて運転や生産を行う流体使用設備が広く一般に使用されている。例えば、この流体使用設備の一種である蒸気使用設備では、運転により蒸気から凝縮物としてのドレンが生じるので、このドレンを蒸気配管から除去するために、蒸気使用設備の蒸気配管に多数の蒸気トラップが分散配備されている。そして、この蒸気トラップに蒸気漏れやドレンが適切に排出されないといった異常が生じた場合には、エネルギーロスが発生するとともに蒸気使用設備の運転効率が下がって大きな損失が生じる。このため、蒸気使用設備を管理するのに、蒸気使用設備の蒸気配管に分散配備されている蒸気トラップの状態の監視が行われている。
従来、蒸気使用設備における個々の蒸気トラップを監視する方法として、センサにより検出したデータをコンピュータに送信する蒸気トラップ監視装置を個々の蒸気トラップにそれぞれ設置し、これら蒸気トラップ監視装置から個々の蒸気トラップのデータをコンピュータに収集して、コンピュータにおいてデータを分析し個々の蒸気トラップの状態を監視する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、上記事情は蒸気使用設備に限られるものではなく、流体使用設備全般に共通するものであり、また、上記従来の方法は流体使用設備全般に適用できる。この場合、「蒸気」を各種の「流体」に、「蒸気トラップ」を「ドレントラップ」に読み換えるなど各語句を適当な語句に読み換えればよい。
アメリカ特許公報US7912675B
例えば、蒸気使用設備について上記従来の方法を考えると、上記従来の方法は、個々の蒸気トラップの動作が正常であるかどうかや故障時期の予測など、あくまでも個々の蒸気トラップの状態を監視するに過ぎず、蒸気使用設備の運転状態を最適化するという点では不十分であった。
詳しく説明すると、まず、ここでいう最適化というのは、例えば、蒸気使用機器や蒸気トラップなどの蒸気システムを構成する機器の型式が蒸気使用設備の運転に適合したものであるとともにその作動状態が正常であること、蒸気を輸送する配管のレイアウトが適正であること、省蒸気が十分に図られていること、省蒸気の結果としてCOの削減も図られていること、ドレンの排出が適切に行われていることなどの様々なポイントにおいて、蒸気使用設備における蒸気システムが対象の蒸気使用設備の運転に対し適切なものになっている状態を意味する。例えば、蒸気システムが適切なものになっている状態、つまり、蒸気使用設備の運転状態の最適化状態においては、(1)蒸気系内で発生したドレンは適切かつ速やかに排出され、(2)蒸気系内から蒸気漏れが発生しておらず、(3)蒸気系内が常に蒸気で満たされている、という蒸気利用の原理原則に則った状態にある。
そして、蒸気使用設備では、ボイラーで発生させた蒸気を蒸気配管を通じて輸送し、各蒸気使用機器で使用したのち回収するが、蒸気の効率的な使用のため、蒸気使用設備において、蒸気の発生から回収までの間に蒸気は複数の蒸気使用機器で使用され、また、回収されたドレンは再蒸発によりいわゆるフラッシュ蒸気として再利用されるなど、蒸気使用設備における蒸気使用状況は複雑なものとなっている。
この複雑な蒸気使用状況のため、蒸気使用設備における蒸気配管やドレン配管の系統も複雑となり、また、蒸気配管に配備される蒸気トラップもその用途や型式などが多岐にわたることとなって、蒸気使用設備における蒸気システムが複雑化、及び、ブラックボックス化している。その結果、蒸気システムの的確な評価が困難となり、現行の蒸気システムがその蒸気使用設備において最適な状態のものなのか(即ち、上記した最適化のためのポイントを満たしているか)が十分に吟味されることなく、蒸気使用設備の運転が行われている。
このような現状では、蒸気使用設備の運転状態が最適化されているかが明確でなく、蒸気システムに何らかの根本的な問題を内包したまま蒸気使用設備の運転が行われている可能性がある。そうすると、例えば、蒸気システムがドレン排出に問題を抱えている場合には、蒸気使用機器に負荷を与えるとともに、蒸気使用設備の運転効率低下やエネルギーロスを生じさせることとなったり、蒸気システムにおいて省蒸気が十分に図られていない場合には、コストが嵩み、蒸気の処理量が多くなって蒸気トラップなどの機器に故障が生じ易くなるなど、蒸気システムにおける根本的な問題に派生して様々な問題が生じることとなる。
そして、上記従来の蒸気トラップの監視方法により、個々の蒸気トラップの状態を監視して、異常を検出するごとに順次修理・交換を行って、蒸気使用設備における蒸気トラップを健全な状態に保ったとしても、これでは、根本的な問題から派生して起こる問題の1つである蒸気トラップの故障の問題を単に場繋ぎ的に解消しているに過ぎず、蒸気使用設備の蒸気システムにおける根本的な問題を解決するものではなかった。上記従来の方法が、蒸気使用設備を総合的に管理するという点で不十分であるのはこのためである。
また、以下に、蒸気使用設備の運転状態が最適化されていないことによる具体的問題を例示する。
(1)蒸気システムがドレン排出に問題を抱えている場合の一例として、蒸気系内からドレンを適切かつ速やかに排出すべき個所(ドレン排出箇所:Condensate Discharge Location:CDL(登録商標))の特性に応じた最適な型式の蒸気トラップが選定されていない場合が考えられる。例えば、ドレンを溜めてはいけない蒸気使用機器や蒸気主管に温調トラップ(蒸気トラップの型式の一つで、ドレンを滞留させることにより温調を行う蒸気トラップ)を使用している場合がこれに該当する。
(2)蒸気システムがドレン排出に問題を抱えている場合の別の例として、蒸気トラップ不良の場合が考えられる。蒸気トラップ不良は、「ツマリ不良」と「モレ不良」の二つに大別される。「ツマリ不良」は蒸気トラップが詰まりドレンの排出が円滑に行われない不良で、蒸気使用機器や蒸気システムに重大な問題を起こす危険性がある。「モレ不良」は蒸気トラップの本来機能として蒸気の流出を阻止しながらドレンのみを排出することが要求されるのに対し蒸気が許容限度を超えて流出する不良で、蒸気ロスとなり得る。これらの不良は、大きな経済損失に繋がるだけではなく、ウォーターハンマー等の発生によるプラントの安全性・信頼性の低下、更にはCO排出量の増大という環境問題に繋がる。
(3)蒸気トラップが不良になった場合、速やかに最適型式に交換する必要があるところ、蒸気トラップ上流側に締切バルブが設置されていない場合や、締切バルブの設置場所が不明である場合においては、不良トラップへの蒸気の流入を止めることができないため不良トラップを交換できず、「ツマリ不良」と「モレ不良」に伴うリスクを直ちに解消できないことがある。
(4)温度が低下すれば流動性不良を起こすリスクのある生産物や重要計器に取り付ける銅管蒸気トレースが「蒸気システム」として管理されておらず(即ち、体系的な管理が行われている「蒸気システム」の管理項目に銅管蒸気トレースが含まれていない)、銅管蒸気トレースに装備した蒸気トラップが「ツマリ不良」になりそうかどうか、日々、触診で判断し、温度低下していると疑われれば、ジョイントを緩めて意図的に蒸気を漏らす、という危険かつ非経済的な作業が今尚、行われているケースも散見される。
(5)蒸気プラントの生産に直結する蒸気使用機器(蒸気タービン、反応釜、リボイラ、各種熱交換器など)が、蒸気系内で発生したドレンは適切かつ速やかに排出されるという上述の蒸気利用の原理原則に合致した状態で管理されているケースは少なく、このため、ドレンの排出に異常を抱えた状態で蒸気使用機器が運転し、DCS(Distributed Control System、分散制御システム)で管理している指標でアラームがなってはじめて管理者がその異常に気付くということが多々ある。
(6)蒸気トラップの管理が適切に実施されていなければ、蒸気トラップからの蒸気漏れのリスクは高まり、蒸気トラップの管理が不適切であることに伴って蒸気漏れにより失い得る蒸気の量は、蒸気トラップの台数に比例して増大する。さらに、蒸気系外への蒸気漏れは、蒸気トラップからの漏れだけではなく、蒸気トラップ以上に台数の多い各種のバルブ、継手などからも起こり得るものであり、バルブ、継手などからの漏れも無視できない量となり得る。
このように、現状の産業用プラント分野においては、蒸気系内は全く可視化されておらず、蒸気システムが最適状態にあるかどうかは不明であるといえる(ブラックボックス化状態)。しかしながら、例えば、全てのドレン排出箇所が最適化されている(蒸気トラップが詰まりも漏れもない正常状態である)こと、各蒸気使用設備(蒸気トレースも含め)が最適化されていること、さらには熱電バランスも最適化されていること等がそれぞれ「視える化」できれば、もはや蒸気システムはブラックボックスではなく、蒸気システム全体を重要なアセットの一つとしてマネジメント(アセットマネジメント)することが可能となる。
なお、本明細書において、「アセットマネジメント」の用語は、産業用プラントの安全安定操業において、ヒューマンエラーの占める割合が今後更に高まる中、各機器の使用許容範囲を明確にして管理することで、ヒューマンエラーを減らすことができるものの意で用いる場合を含む。よって、蒸気システムにおけるアセットマネジメントとは、蒸気トラップの選定(例えば主管に温調トラップを設置した場合等)、蒸気トラップの取付不具合、蒸気トラップ不良の放置等が、産業用プラントを構成する重要機器に与える事故の可能性を考慮し、より広範にアセット対象として蒸気システム(蒸気トラップ、蒸気配管、各種バルブ等を含む)を捉えた概念といえる。
なお、上記問題は蒸気使用設備に限られるものではなく、流体使用設備全般に共通するものであり、「蒸気」を各種の「流体」に、「蒸気トラップ」を「ドレントラップ」に読み換えるなど各語句を適当な語句に読み換えることができる。
これらの実情に鑑み、本発明の主たる課題は、流体使用設備の運転状態を最適化することのできる流体使用設備管理方法、及び、その方法に用いる流体使用設備管理システムを提供することにある。
本開示に係る流体使用設備管理方法は、
流体として少なくとも蒸気を用い、少なくとも蒸気を発生させるのに、第1燃料と、燃料機器により精製する第2燃料の一部と、前記燃料機器の運転において生じた廃熱と、を用いて蒸気を発生させる流体使用設備の各所に設置した検出器の検出情報に基づき、前記流体使用設備における流体使用機器として、前記燃料機器の作動状態を監視するとともに、ドレントラップの作動状態を監視し、
前記流体使用設備におけるエネルギーバランスとして、少なくとも前記燃料機器で精製される前記第2燃料の燃料量と蒸気の発生に使用される前記第2燃料の燃料量とに基づいて演算される燃料バランスと、蒸気の発生に用いる前記第1及び第2燃料の燃料使用量を含む蒸気の発生に使用される総燃料使用量に基づき蒸気の発生に使用される総燃料費を求め、前記流体使用設備における総蒸気発生量を前記総燃料費で除算した蒸気発生コストと、を演算し、
この監視結果と前記エネルギーバランスの演算結果とに基づいて前記流体使用設備の運転状態を最適化する。
流体使用設備の一種である蒸気使用設備について説明すると、蒸気使用設備の運転状態を最適化するためには、まず、蒸気使用設備における蒸気システムの状態を明確に把握して(いわゆる、「視える化」して)、蒸気システムに内包された問題を明らかにする必要がある。特に、蒸気システムに内包された問題として、蒸気使用機器(流体使用機器の一種)や蒸気トラップ(ドレントラップの一種)などの型式の適合性や、配管のレイアウト、省蒸気、ドレン排出などの上述した最適化のポイントに関する問題は、蒸気使用設備の施工時では表面化し難く、実際に運転を開始してからその蒸気システムの状態を「視える化」することで明らかにされるものである。
そして、蒸気システムの状態の「視える化」には、蒸気使用設備における蒸気使用機器と蒸気トラップとの作動状態が重要となる。蒸気使用機器では蒸気が使用されることにより蒸気の状態が変化することとなり、蒸気使用設備における蒸気トラップでは蒸気配管中のドレンが回収される又は故障により蒸気漏れを起こすなどにより蒸気の状態が変化することとなる。即ち、蒸気使用設備における蒸気使用機器と蒸気トラップとは蒸気状態が変化する箇所である。蒸気システムが最適な状態であるならば、少なくとも蒸気状態が変化する箇所の作動状態は適切なものであり、且つ、そこでの蒸気状態の変化も理想的なものとなるものである。逆言すれば、蒸気状態が変化する箇所の作動状態によって、蒸気システムが最適な状態であるかの「視える化」が図れる。
そこで、上記構成では、蒸気使用設備の各所に設置した検出器によって、蒸気使用機器の作動状態と、蒸気トラップの作動状態、即ち、蒸気状態が変化する箇所の作動状態の監視を行う。上記構成によれば、この監視結果に基づくことにより蒸気システムの状態が最適なものであるかを「視える化」できる。そして、蒸気システムの「視える化」により、蒸気システムに内包された問題を明らかにすることができて、改善点を明確にすることが可能となるから、蒸気使用設備の運転状態を最適化することができる。
このように、蒸気使用設備の運転状態を最適化することにより、蒸気システムにおけるドレン障害・蒸気ロス・CO排出を可能な限り削減して、蒸気システム全体の安全性・信頼性・経済性を高めることのできる、産業用プラントの蒸気システムを対象としたアセットマネジメントの仕組みの構築に貢献することが可能となる。つまり、蒸気システム全体を、「重要アセット」の一つとして捉え、蒸気利用の原理原則((1)蒸気系内で発生したドレンは適切かつ速やかに排出され、(2)蒸気系内から蒸気モレが発生しておらず、(3)蒸気系内が常に蒸気で満たされている)に則って最適化してそれを維持する仕組みを提供することが可能となる。
さらに、この構成では、ハードとしての蒸気使用機器及び蒸気トラップの監視結果に加え、蒸気使用設備におけるエネルギーバランスを演算して、エネルギーといういわばソフトの面から蒸気システム全体の「視える化」を図る。これにより、例えば、ハードとしての蒸気使用機器及び蒸気トラップの監視結果では蒸気使用設備の運転状態は正常の範囲内にあるのに、ソフトとしてのエネルギーバランスの演算結果で十分な結果が得られない場合には、蒸気使用機器や蒸気トラップの型式や配置、配管レイアウトに何らかの問題があるのではないかという気づきになる。また、ソフトとしてのエネルギーバランスの演算結果から求めた理想的なエネルギーバランスを実現するための改善点を、ハードとしての蒸気使用機器や蒸気トラップの監視結果である蒸気使用設備の細部の具体的情報を用いることで明確なものにできる。このように、蒸気使用設備の運転状態をハード・ソフトの両面から相補的に判断することで、蒸気システムに内包された問題及び改善点を一層明確にできて、蒸気使用設備の運転状態を効果的に最適化できる。
またさらに、この構成によれば、流体使用設備の一種である蒸気使用設備において、例えば石油化学プラントなど、製品として出荷可能な状態にある燃料の一部を蒸気の発生に用いる蒸気使用設備において、演算されるエネルギーバランスが燃料バランス(つまり、生成した燃料のうちどれだけ蒸気使用設備の運転に使用し、どれだけ出荷するかのバランス)を含むから、例えば、蒸気使用設備の蒸気使用状況などの運転状況に対する燃料の出荷量・売上高のバランスから蒸気使用設備の運転状況を把握することができ、これにより、蒸気使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
また、上記作用効果を奏するのは蒸気使用設備に限られるものではなく、流体使用設備全般に第1特徴構成の流体使用設備管理方法を適用することで流体使用設備全般でも上記作用効果を得ることができる。この場合、「蒸気」を各種の「流体」に、「蒸気トラップ」を「ドレントラップ」に読み換えるなど各語句を適当な語句に読み換えればよい。
以下、本開示に係る流体使用設備管理方法の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本開示の範囲が限定される訳ではない。
一つの態様として、前記流体使用設備の運転状態を現行状態から最適化した場合に得られる経済効果又は環境効果を試算すると好適である。
つまり、上記した方法は「視える化」を機器の作動状態から図るものや、「視える化」をさらにエネルギーバランスの面から図るものであり、いずれも一見してその損得や最適化の価値は把握し難いものであったが、上記構成によれば、経済効果や環境効果という損得や最適化の価値がわかりやすい形で蒸気システムの「視える化」を図るから、流体使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
一つの態様として、前記エネルギーバランスとして、前記流体使用設備における蒸気使用状況に基づいて演算される蒸気バランスも演算すると好適である。
つまり、上記構成によれば、流体使用設備の一種である蒸気使用設備において、演算されるエネルギーバランスが蒸気使用状況に基づく蒸気バランス(つまり、蒸気使用設備において、どこでどの程度蒸気が発生し、どこでどの程度蒸気が使用されているかのバランス)を含むから、例えば、蒸気使用設備における蒸気システムにおいてどれだけの蒸気ロスが存在しているのか、どうすればどれだけのロスが削減できるのかなど、省蒸気の観点(さらにはその結果としてのCO削減の観点)から蒸気使用設備の運転状況を把握することができて、これにより、蒸気使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
特に、エネルギーバランスとして燃料バランスを含む方法と組み合わせることにより、蒸気使用設備における省蒸気の効果と、省蒸気に伴い蒸気の発生に使用される燃料量が減少して燃料の出荷量・売上高が増加する効果とを同時に把握することができ、これにより、蒸気使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
一つの態様として、前記流体使用機器として、蒸気を使用して発電を行う発電機の作動状態も監視し、前記エネルギーバランスとして、前記流体使用設備における総蒸気発生量と前記発電機における発電量とに基づいて演算される熱電バランスも演算すると好適である。
つまり、上記構成によれば、流体使用設備の一種である蒸気使用設備において、自ら発電した電気を用いて運転を行う蒸気使用設備において、演算されるエネルギーバランスが熱電バランス(つまり、総蒸気発生量のうちどれだけの蒸気(熱)を発電に使用するかのバランス)を含むから、例えば、燃料単価の変動などによる蒸気発生に要するコストの変動や、買電の電力量・価格変動を考慮した蒸気使用設備における最適な熱電バランスから蒸気使用設備の運転状況を把握することができて、これにより、蒸気使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
一つの態様として、前記エネルギーバランスの演算結果は、演算した前記エネルギーバランスと過去のエネルギーバランス又は基準とするエネルギーバランスとを比較した比較情報を含むと好適である。
つまり、上記構成によれば、演算したエネルギーバランスが過去又は基準のエネルギーバランスと比較してどの程度優れているのか、又は、劣っているのかが把握でき、これにより、流体使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
一つの態様として、前記流体使用機器の作動状態及び前記ドレントラップの作動状態に加え、バルブの作動状態を監視し、前記監視結果は、前記バルブの作動状態を含むと好適である。
流体使用設備の一種である蒸気使用設備について説明すると、蒸気使用設備において、バルブは、その操作により蒸気使用機器や蒸気トラップへの蒸気の流入や流量を制御するものであり、蒸気使用機器及び蒸気トラップの作動状態と密接に関わっている。また、バルブは、蒸気の制御を行う箇所であるため、その箇所において蒸気状態が変化し得る箇所でもある。さらに、バルブは、蒸気使用設備において発生したドレンを排出するためのドレン配管にも配備され、ドレンの流れを制御するものでもある。つまり、上記構成によれば、蒸気使用機器及び蒸気トラップの作動状態やドレンの排出と密接に関わるとともに蒸気状態が変化し得る箇所であるバルブの作動状態を監視して、監視結果にバルブの作動状態を含めるから、蒸気使用機器の作動状態や蒸気トラップの作動状態をより詳細に把握することができるなど蒸気システムを一層詳細に「視える化」できて、これにより、蒸気使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
また、上記作用効果を奏するのは蒸気使用設備に限られるものではなく、流体使用設備全般にこの流体使用設備管理方法を適用することで流体使用設備全般についても上記作用効果を得ることができる。この場合、「蒸気」を各種の「流体」に、「蒸気トラップ」を「ドレントラップ」に読み換えるなど各語句を適当な語句に読み換えればよい。
一つの態様として、前記ドレントラップ及び前記バルブが配備された配管の配管レイアウト、並びに、前記ドレントラップ及び前記バルブの型式及び作動状態から構成されるドレン排出データベースを作成し、前記監視結果は、前記ドレン排出データベースの情報を含むと好適である。
流体使用設備の一種である蒸気使用設備について説明すると、蒸気使用設備において、上記したように、蒸気使用設備の運転状態を最適化するポイントの一つに、ドレンの排出が適切に行われていることが挙げられる。そして、このドレンの排出には、ドレンを回収する蒸気トラップだけでなく、その蒸気トラップへの蒸気の流入や流量を制御するバルブやドレン配管に配備されてドレンの流れを制御するバルブも密接に関わっている。さらに、ドレンの円滑かつ効率的な排出には、蒸気トラップやバルブが配備された配管の配管レイアウトが適切であるかの情報も欠かせない。そして、上記構成によれば、ドレンの回収・排出に関連する蒸気トラップ及びバルブが配備された配管の配管レイアウトや、蒸気トラップ及びバルブの型式及び作動状態などのドレン排出に関連する情報から構成されるドレン排出データベースを監視結果に含めるから、ドレンの回収・排出の面で蒸気システムを「視える化」でき、これにより、特にドレンの円滑かつ効率的な回収・排出の観点から、蒸気使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
また、上記作用効果を奏するのは蒸気使用設備に限られるものではなく、流体使用設備全般にこの流体使用設備管理方法を適用することで流体使用設備全般についても上記作用効果を得ることができる。この場合、「蒸気」を各種の「流体」に、「蒸気トラップ」を「ドレントラップ」に読み換えるなど各語句を適当な語句に読み換えればよい。
一つの態様として、前記ドレン排出データベースを前記監視結果に基づいて更新し、前記監視結果は、更新した前記ドレン排出データベースの情報を含むと好適である。
つまり、上記構成によれば、流体使用設備における最新のドレン排出データベースの情報を含む監視結果に基づくことにより、流体使用設備の運転状態を一層効果的に最適化できる。
本開示に係る、上記した流体使用設備管理方法を実施する流体使用設備管理システムは、
流体使用設備の各所に配置した検出器と、
前記検出情報に基づき前記流体使用設備における流体使用機器の作動状態及びドレントラップの作動状態を監視する監視部と、前記流体使用設備におけるエネルギーバランスをシミュレートするシミュレート部とを備える管理手段と、を備える。
つまり、上記構成によれば、上記した流体使用設備管理方法を好適に実施することができて、これにより、上記した流体使用設備管理方法で得られる前述の作用効果を効果的に得ることができる。
以下、本開示に係る流体使用設備管理システムの好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本開示の範囲が限定される訳ではない。
一つの態様として、前記監視部は、前記流体使用機器の作動状態及び前記ドレントラップの作動状態に加え、バルブの作動状態を監視すると好適である。
一つの態様として、前記管理手段は、前記ドレントラップ及び前記バルブが配備された流体配管の配管レイアウト、前記ドレントラップの型式、並びに、前記ドレントラップ及び前記バルブの作動状態から構成されるドレン排出データベースを記憶する記憶部を備えると好適である。
一つの態様として、前記監視部は、前記ドレン排出データベースを前記監視結果に基づいて更新すると好適である。
本開示に係る蒸気使用設備の運転状態の最適化の概要図 蒸気使用設備の蒸気配管系の全体構成の概略図 蒸気使用設備における蒸気トラップやバルブを示す図 蒸気使用設備の燃料配管系の全体構成の概略図 蒸気使用設備の第1中高圧タービンまわりの構成図 蒸気使用設備の中圧タービンまわりの構成図 蒸気使用設備管理システムにおける管理手段の構成図 蒸気発生コストのグラフ情報の出力画像の説明図 蒸気使用設備の蒸気配管系の出力画像の説明図 蒸気使用設備の燃料配管系の出力画像の説明図 蒸気使用設備の第1中高圧タービンまわりの出力画像の説明図 蒸気使用設備の中圧タービンまわりの出力画像の説明図 ドレン排出箇所の出力画像の説明図 改善アイデアが列挙された出力画像の説明図
図1は、本開示に係る流体使用設備管理システムを用いた流体使用設備の一種である蒸気使用設備(Steam Application:SA)の運転状態の最適化の方法の概要を示す。運転状態の最適化を行う蒸気使用設備1は、蒸気使用機器(流体使用機器の一種)2、蒸気トラップ3(ドレントラップの一種)、バルブ4、蒸気配管5、サブ機器6(蒸気使用機器2の稼働に関連して動作する機器、蒸気使用機器2の稼働を補助する機器等)から主に構成される。そして、本開示に係る流体使用設備管理システムは、主に、蒸気使用機器2、蒸気トラップ3、バルブ4、蒸気配管5、サブ機器6など図示しないものも含め蒸気使用設備1の各所に配置した検出器Dと、検出器Dから送信される検出情報を取得するデータ入力部S1、取得した検出情報に基づき蒸気使用設備1におけるエネルギーバランスをシミュレートするシミュレート部S2、及び、取得した検出情報に基づき蒸気使用設備1における蒸気使用機器2の作動状態及び蒸気トラップ3の作動状態を監視する監視部S3を備える管理手段Sと、から構成される。
検出器Dは通信により検出した検出情報を管理手段Sに送信可能に構成されている。この蒸気使用設備監視システムでは、検出器Dにより蒸気使用設備1の各所の検出情報を管理手段Sに送信して、管理手段Sにより蒸気使用設備1の全体の情報を一元的に管理する。
管理手段Sは、検出器Dから送信される蒸気使用設備1の各所の検出情報をデータ入力部S1で取得する。取得した検出情報に基づいて、シミュレート部S2は、取得した蒸気使用設備1の各所の検出情報に基づいて、蒸気使用設備1における現行のエネルギーバランスを演算し、この演算結果としてエネルギーバランス評価情報Iaを生成する。そして、監視部S3は、蒸気使用機器2の作動状態の監視結果として、蒸気使用機器2の運転効率や動作異常に関する機器評価情報Ibを生成し、蒸気トラップ3の作動状態の監視結果として、蒸気トラップ3などのドレン排出に関連する箇所(以下ではドレン排出箇所と称する)における蒸気漏れやドレン排出異常などに関するドレン排出評価情報Icを生成する。
詳しく説明すると、エネルギーバランス評価情報Iaは、蒸気使用設備1における蒸気使用状況に基づく蒸気バランス(つまり、蒸気使用設備において、どこでどの程度蒸気が発生し、どこでどの程度蒸気が使用されているかのバランス)、蒸気を使用して発電を行う発電機を有する場合は蒸気使用設備1における総蒸気発生量と発電機における発電量とに基づく熱電バランス(つまり、総蒸気発生量のうちどれだけの蒸気を発電に使用するかのバランス)、燃料を精製する燃料機器を含む場合は蒸気使用設備1において精製される燃料量と蒸気使用設備1で用いる蒸気の発生に使用される燃料量とに基づく燃料バランス(つまり、生成した燃料のうちどれだけ蒸気使用設備の運転に使用し、どれだけ出荷するかのバランス)などの各種のエネルギーバランスの評価情報から構成される。これにより、各種エネルギーの面から蒸気システムを「視える化」する。
監視部S3における蒸気使用機器2の作動状態の監視は、監視対象の蒸気使用機器2の検出情報だけでなく、対象の蒸気使用機器2を出入りする蒸気の状態を制御する蒸気制御器(例えば、蒸気中の凝縮水などのドレンを回収する蒸気トラップ2、蒸気配管における蒸気の流れる方向や流量を制御するバルブ3など)の検出情報と、対象の蒸気使用機器2に付属する蒸気配管5の検出情報と、蒸気使用機器2に付属するサブ機器6の検出情報とに基づく。そして、これら検出情報の各々、又は、予め設定された特定の組み合わせに対する様々なモニタリング項目に基づいて蒸気使用機器2の作動状態の監視を行う。
このように、監視部S3における蒸気使用機器2の作動状態の監視は、蒸気使用機器2の検出情報だけでなく、その蒸気使用機器2の作動に関連するあらゆる機器の情報に基づいて総合的に行う。多くの情報に基づくことで、蒸気使用機器2の作動状態の適否や異常の察知を的確に行える。
特に、蒸気制御器の検出情報を用いることで、蒸気使用機器2に出入りする蒸気が適切なものであるか(その温度やドレンの量など)や、蒸気使用機器2を蒸気が適切に通過しているかを推定することができ、これにより、蒸気使用機器2を作動させても問題ないか、このまま作動させていても不具合が生じる虞がないかなどの判断が可能となって、将来の異常発生の可能性を含めた蒸気使用機器2の作動状態の適否を的確に評価できる。また、蒸気使用機器2に不具合が生じる前の段階として生じる蒸気制御器の異常を察知することで、蒸気使用機器2の異常の兆候を早期に察知することができる。
そして、このような蒸気使用機器2の作動状態の監視の結果として、監視部S3は蒸気機器評価情報Ibを生成し、蒸気使用機器2の異常の兆候や将来の異常発生の可能性を含めた蒸気使用機器2の作動状態の面から蒸気システムを「視える化」する。
また、監視部S3における蒸気トラップ3の作動状態の監視において、必要に応じて、検出情報に基づいてバルブ4の作動状態もあわせて監視し、バルブ4の作動状態も含めた監視結果として、ドレン排出評価情報Icを生成する。さらには、予め蒸気トラップ3及びバルブ4が配備された配管5の配管レイアウトや、蒸気トラップ3及びバルブ4の型式及び作動状態などのドレン排出に関連する情報から構成されるドレン排出データベースを作成しておき、監視部S3は、取得した蒸気使用設備1の各所の検出情報に基づいてこのドレン排出データベースを更新し、更新後のドレン排出データベースをドレン排出評価情報Icに含める。
このようなドレン排出評価情報Icにより、蒸気トラップ3の作動状態を含めたドレン排出の面で蒸気システムを「視える化」する。
管理手段Sは、これらエネルギーバランス評価情報Iaと、蒸気機器評価情報Ibと、ドレン排出評価情報Icとの3つの観点から蒸気システムの「視える化」を行い、蒸気使用設備Pの管理担当者は、これら評価情報Ia〜Icを相補的に判断することで蒸気システムに内包された問題及び改善点を明確にできて、蒸気使用設備の運転状態の最適化が可能となる。
なお、上記流体使用設備管理システムは流体使用設備全般に適用することができ、この場合、上記実施形態において「蒸気」を各種の「流体」に、「蒸気トラップ」を「ドレントラップ」に読み換えるなど各語句を適当な語句に読み換えればよい。
次に、より具体的な例として、この流体使用設備管理システムを石油化学プラントである蒸気使用設備Pに適用した例について説明する。
図2は、蒸気使用設備Pの蒸気配管系の全体構成の概略図を示す。この蒸気使用設備Pの蒸気配管系は、主に、それぞれ異なる圧力の蒸気を給送する4つの蒸気管10〜13、蒸気発生機器Gs、蒸気使用機器Usから構成される。この蒸気使用設備Pでは、蒸気発生機器Gsで発生した蒸気が各蒸気管10〜13を通じて各種の蒸気使用機器Usに対し供給されて種々の用途で使用される。
各蒸気管10〜13について具体的に説明すると、10は高圧の蒸気(本実施形態では12000kPa(G))を給送する高圧蒸気管、11は中高圧の蒸気(本実施形態では4000kPa(G))を給送する中高圧蒸気管、12は中圧の蒸気(本実施形態では1000kPa(G))を給送する中圧蒸気管、13は低圧の蒸気(本実施形態では140kPa(G))を給送する低圧蒸気管である。
高圧蒸気管10には、蒸気発生機器Gsである第1ボイラー14から高圧の蒸気が供給される。第1ボイラー14は燃料ガスと燃料A(例えば石油、石炭など)とを併用して蒸気を発生させる。また、第1ボイラー14における蒸気の発生に用いる燃料ガスと燃料Aの比率は、蒸気発生量や蒸気使用設備の運転状況などに応じて適宜変化するようになっている。
高圧蒸気管10に供給された高圧の蒸気は、高圧蒸気管10に接続された蒸気使用機器Usである第1タービン発電機15に供給され、そこで使用される。高圧蒸気管10から第1タービン発電機15に供給された高圧の蒸気は、第1タービン発電機15での発電に使用されることで中高圧の蒸気に減圧されたのち、中高圧蒸気管11に供給される。
また、高圧蒸気管10は高圧蒸気管10の高圧の蒸気を減圧して中高圧の蒸気として中高圧蒸気管11に供給する第1減圧供給路16と接続してある。この第1減圧供給路16に介装した制御弁(図示しない)の開閉操作により高圧蒸気管10における一部蒸気が適宜に中高圧蒸気管11に供給される。
中高圧蒸気管11には、第1タービン発電機15、第1減圧供給路16、並びに、蒸気発生機器Gsである第2ボイラー17及び廃熱ボイラー18〜21から中高圧の蒸気が供給される。第2ボイラー17は燃料ガスを用いて蒸気を発生させる。廃熱ボイラー18〜21(及び、後述する廃熱ボイラー28及び31)は、蒸気使用設備Pの運転(例えば、後述する燃焼炉の運転)において生じた廃熱により蒸気を発生させる。即ち、廃熱ボイラー18〜21(及び、後述する廃熱ボイラー28及び31)では実質的に蒸気発生のための燃料は要さない。
中高圧蒸気管11に供給された中高圧の蒸気は、中高圧蒸気管11に接続された蒸気使用機器Usである第2タービン発電機22、第1中高圧タービン23、第2中高圧タービン24、第3中高圧タービン25、及び、熱交換器26に供給され、そこで使用される。
中高圧蒸気管11から第2タービン発電機22に供給された中高圧の蒸気は、第2タービン発電機22での発電に使用されることで中圧の蒸気又は低圧の蒸気に減圧されたのち、中圧蒸気管12又は低圧蒸気管13に供給される。中高圧蒸気管11から第1中高圧タービン23に供給された中高圧の蒸気は、第1中高圧タービン23で使用されることで中圧の蒸気に減圧されたのち、中圧蒸気管12に供給される。中高圧蒸気管11から第2中高圧タービン24に供給された中高圧の蒸気は、第2中高圧タービン24で使用されることで低圧の蒸気に減圧されたのち、低圧蒸気管13に供給される。
中高圧蒸気管11は中高圧蒸気管11の中高圧の蒸気を減圧して中圧の蒸気として中圧蒸気管12に供給する第2減圧供給路27と接続してある。この第2減圧供給路27に介装した制御弁(図示しない)の開閉操作により中高圧蒸気管11における一部蒸気が適宜に中圧蒸気管12に供給される。
中圧蒸気管12には、第2タービン発電機22、第1中高圧タービン23、第2減圧供給路27、及び、蒸気発生機器Gsである廃熱ボイラー28を通じて中圧の蒸気が供給される。
中圧蒸気管12に供給された中圧の蒸気は、中圧蒸気管12に接続された蒸気使用機器Usである中圧タービン29、及び、熱交換器30に供給され、そこで使用される。中圧蒸気管12から中圧タービン29に供給された中圧の蒸気は、中圧タービン29で使用されることで低圧の蒸気に減圧されたのち、低圧蒸気管13に供給される。
低圧蒸気管13には、第2タービン発電機22、第2中高圧タービン24、中圧タービン29、及び、蒸気発生機器Gsである廃熱ボイラー31を通じて低圧の蒸気が供給される。
低圧蒸気管13に供給された低圧の蒸気は、蒸気使用機器Usである脱気器32、及び、熱交換器33に供給され、そこで使用される。脱気器32では、低圧蒸気管13から供給される低圧蒸気による加熱により、第1ボイラー14,第2ボイラー17、廃熱ボイラー18〜21,28,31に対し蒸気源として供給する水の脱気が行われる。また、低圧蒸気管13における余分の低圧の蒸気はベント管34を通じ不要蒸気として系外に放出される。
このように、蒸気使用設備Pは、蒸気発生機器Gsで発生した蒸気が蒸気使用機器Usで使用されたのち、より低圧側の蒸気管に接続された蒸気使用機器Usで順次再利用される構成となっている。
また、蒸気使用設備Pの蒸気配管系の各部には、各部を通過する蒸気の情報(流量、圧力、温度など)や、蒸気発生機器Gsにおける蒸気発生量、蒸気使用機器Usにおける蒸気使用量、第1及び第2タービン発電機15,22における発電量などの情報を検出して管理手段Sに送信する各種検出器D(図示しない)が設けられている。この検出器Dにより検出された情報は管理手段Sに送信される。なお、機器の設置場所や機器の検出する情報の監視の重要性に応じて、点検員による点検により各種情報を収集して、点検員が各種情報を管理手段Sに入力するようにしてもよい。
なお、図2はあくまでも概略図であり、図2において各機器10〜34はそれぞれ1つずつしか表示していないが、必ずしも蒸気使用設備Pの蒸気配管系において各機器10〜34がそれぞれ1つずつだけ設けられていることを意味しない。例えば、図2において、第1タービン発電機15は1つしか表示されていないが、これは、蒸気使用設備Pの全体において第1タービン発電機15が1つのみ設けられていることを示すのではなく、蒸気使用設備Pの全体において複数設けられている第1タービン発電機15が、簡略化して1の第1タービン発電機15としてまとめて表示されていることを含む。これは他の各機器10〜34についても同様である。
図3に示すように、蒸気使用設備Pにおける蒸気配管系の各部には、多数の蒸気トラップTやバルブBが分散配備されている。そして、機器状態検出用のセンサを備え、検出した機器状態情報(温度や振動など)を位置情報や設置機器の型式情報などとともに管理手段Sに送信する検出器Dが、監視対象として設定した蒸気トラップTやバルブBごとに装備されている。これにより、監視対象とする各蒸気トラップTや各バルブBの機器状態情報が管理手段Sに集計され、管理手段Sにより、ドレン排出箇所(蒸気トラップTやバルブB)の状態を常時又は定期的に監視できる。
なお、検出器Dを蒸気トラップTやバルブBに直接装備することなく、その近傍に装備して間接的に監視対象の蒸気トラップTやバルブBの機器状態情報(温度や振動など)を検出するようにしてもよい。
また、設置場所などのドレン排出箇所の設置環境やドレン排出箇所の監視の重要性によっては、検出器Dを用いず、点検員が各ドレン排出箇所(蒸気トラップTやバルブB)の機器状態情報を可搬式の検出器により収集し、収集した機器状態情報を管理手段Sに入力するようにしてもよい。この場合、この蒸気使用設備Pにおいて、各ドレン排出箇所の設置環境や監視の重要性などの条件に応じて、各ドレン排出箇所を検出器Dにより機器状態情報を収集するものと点検員による点検により機器状態情報を収集するものとに分類してもよい。
図4は、蒸気使用設備Pの燃料配管系の一部構成を示す。この蒸気使用設備Pの燃料配管系は、2つの燃料ガス管40,41、燃焼炉42〜45、上記した第1及び第2ボイラー14,17、液体のC4留分の燃料を貯留する燃料タンク46、C4留分の燃料が供給されるガスタービン47などから構成される。以下では、燃料ガス管40,41に燃料ガスを供給する機器を燃料ガス発生機器Gf、燃料ガス管40,41から燃料ガスの供給を受ける機器を燃料ガス使用機器Ufとする。
各燃料ガス管40,41について具体的に説明すると、40は高圧の燃料ガスを輸送する高圧ガス管、41は低圧の燃料ガスを輸送する低圧ガス管である。
高圧ガス管40では、燃料ガス発生機器Gfである燃焼炉42,43から供給される高圧の燃料ガスが図示しない輸送先へ輸送される。また、高圧ガス管40は、高圧ガス管40の高圧の燃料ガスを減圧して低圧の燃料ガスとして低圧ガス管41に供給する供給路48と接続してある。この供給路48に介装した制御弁(図示しない)の開閉操作により高圧ガス管40における燃料ガスが適宜に低圧ガス管31に供給される。
低圧ガス管41では、供給路48から供給される低圧の燃料ガスが図示しない輸送先へ輸送され、輸送される低圧の燃料ガスの一部は、燃料ガス使用機器Ufである燃焼炉44,45、上述した第1及び第2ボイラー14,17に供給される。燃料ガスが供給された燃焼炉44,45はC4留分の燃料を発生させて、発生したC4留分の燃料は燃料タンク46に貯留されるとともに、その一部が必要に応じて燃料ガス使用機器Ufであるガスタービン47に供給される。第1及び第2ボイラー14,17は、供給される燃料ガスにより蒸気を発生させる。また上述したように第1ボイラー14には燃料ガスとは異なる燃料A(図示しない)も供給される。
蒸気使用設備Pの燃料配管系の各部には、各部を通過する燃料ガスの情報(流量、圧力、温度など)や、燃料ガス発生機器Gfにおける燃料ガス発生量、燃料ガス使用機器Ufにおける燃料使用量、燃料タンクに貯留された液体燃料の量などの情報を検出して位置情報や型式情報などとともに管理手段Sに送信する検出器D(図示しない)が設けられている。この検出器Dにより検出された情報は管理手段Sに送信される。なお、機器の設置場所や機器の検出する情報の監視の重要性に応じて、点検員による点検により各種情報を収集して、点検員が各種情報を管理手段Sに入力するようにしてもよい。
なお、図3と同様に、図4における各機器14,17,40〜48は、図4においてそれぞれ1つずつしか表示していないが、必ずしも蒸気使用設備Pの燃料配管系において各機器14,17,40〜48がそれぞれ1つずつだけ設けられていることを意味せず、蒸気使用設備Pの全体において複数設けられている各機器14,17,40〜48が、簡略化して1つにまとめて表示されていることを含む。
次に、この蒸気使用設備Pにおける蒸気使用機器の用途及び蒸気使用機器まわりの構成について例示する。
例えば、図5は蒸気使用機器としての第1中高圧タービン23の用途の1つを示す第1中高圧タービン23まわりの構成図である。この第1中高圧タービン23まわりでは液体燃料の生成が行われる。
具体的に説明すると、第1中高圧タービン23はコンプレッサー50と連結してあり、中高圧蒸気管11と連通する蒸気入口路51から第1中高圧タービン23に蒸気Stが供給されることによりコンプレッサー50は駆動する。このコンプレッサー50の駆動により燃料ガス供給路53からコンプレッサー50に供給される燃料ガスFが液体燃料Lに圧縮生成される。そして、生成された液体燃料Lは液体燃料供給路54を通じて排出される。蒸気入口路51から第1中高圧タービン23に供給された蒸気Stは中圧蒸気管12と連通する蒸気出口路52を通じて排出される。また、第1中高圧タービン23に供給される蒸気Stの量は調節バルブ55により調節可能に構成されている。
第1中高圧タービン23及びコンプレッサー50は、前記した中圧タービン29と連結されたタービンポンプ56及びモーター57により駆動するモータポンプ58と潤滑油供給路59を介して接続されている。中圧タービン29に中圧蒸気管12と連通する蒸気入口路60から蒸気Stが供給されることによりタービンポンプ56は駆動する。蒸気入口路60から中圧タービン29に供給された蒸気Stは中圧蒸気管12と連通する蒸気出口路61を通じて排出される。これらタービンポンプ56及びモータポンプ58の駆動により、第1中高圧タービン23及びコンプレッサー50に潤滑油Oが供給される。潤滑油Oが安定的に供給されることにより、第1中高圧タービン23及びコンプレッサー50は円滑に駆動する。
また、基本的には、第1中高圧タービン23及びコンプレッサー50への潤滑油Oの供給はモータポンプ58が行い、潤滑油Oの供給圧力が設定値以下になった場合に、タービンポンプ56による潤滑油Oの供給も行う。このため、潤滑油Oの供給圧力が設定値以下になった場合に、調節バルブ62の調節によりタービンポンプ56に所定の運転をさせるのに必要な量の蒸気Stが中圧タービン29に供給される。なお、潤滑油Oの供給をモータポンプ58でのみ行う場合でも、調節バルブ62の調節により暖気のためのスローロール運転を行う程度の蒸気Stが中圧タービン29に供給される。
第1中高圧タービン23の蒸気入口路51及び蒸気出口路52、中圧タービン29の蒸気入口路60及び蒸気出口路61、並びに、中圧タービン29には蒸気トラップT(T1〜T7)が配備されている。そして、各蒸気トラップTを監視対象として、上記した検出器Dにより各蒸気トラップTの機器状態情報(温度、振動など)が検出され、管理手段Sに送信される。
第1中高圧タービン23の蒸気入口路51及び蒸気出口路52、コンプレッサー50の燃料ガス供給路53及び液体燃料供給路54、並びに、潤滑油供給路59には検出器Dとしての圧力計63〜68が装備され、各場所を流れる流体の圧力が検出される。第1中高圧タービン23の蒸気入口路51、及び、コンプレッサー50の液体燃料供給路54には検出器Dとしての流量計69,70が装備され、蒸気St又は液体燃料Lの流量が検出される。また、第1中高圧タービン23と接続された検出器Dとしての回転数計71により第1中高圧タービン23の回転数が計測される。また、モーター58には検出器Dとしての温度振動センサ72が装備されており、モーター58の温度や振動が検出される。そして圧力計63〜68、流量計69,70、回転数計71、温度振動センサ72で検出された各種情報は管理システムSに送信される。
同じく、蒸気使用設備Pにおける蒸気使用機器Usの用途及び蒸気使用機器Usまわりの構成の例示として、図6に蒸気使用機器Usとしての中圧タービン29まわりの構成図を示す。図6は、図5における中圧タービン29とは別の中圧タービン29であり、図5における中圧タービン29と異なる用途を示す。
この中圧タービン29まわりでは廃熱ボイラー18〜21,28,31への蒸気発生用の水の供給が行われる。
具体的に説明すると、中圧タービン29まわりは、中圧タービン29と連結されたタービンポンプ80、モーター81により駆動するモータポンプ82により構成される。タービンポンプ80は中圧蒸気管12と連通する蒸気入口路83から中圧タービン29に蒸気Stが供給されることにより駆動する。これらタービンポンプ80及びモータポンプ82の駆動により、給水路85を通じて廃熱ボイラー18〜21,28,31へ蒸気発生用の水Wが供給される。蒸気入口路83から中圧タービン29に供給された蒸気Stは低圧蒸気管13と連通する蒸気出口路84を通じて排出される。中圧タービン29に供給される蒸気Stの量は調節バルブ86により調節可能に構成されている。
基本的には、廃熱ボイラー18〜21,28,31への蒸気発生用の水Wの供給はモータポンプ82が行い、水Wの供給圧力が設定値以下になった場合にタービンポンプ80による水Wの供給も行われる。このため、水Wの供給圧力が設定値以下になった場合にのみ、調節バルブ86の調節によりタービンポンプ80に所定の運転をさせるのに必要な量の蒸気Stが中圧タービン29に供給される。水Wの供給をモータポンプ82でのみ行う場合は、蒸気入口路83からの蒸気Stの供給は行われない。なお、蒸気出口路84の蒸気Stにより中圧タービン29が暖気される。
タービンポンプ80、並びに、タービンポンプ80の入口側の給水路85a及び出口側の給水路85bには、蒸気Stを通過させるトレース配管87がそれぞれ設けられている。そして、このトレース配管87への蒸気Stの供給と供給蒸気Stの遮断を適宜繰り返すことにより、又は通過させる蒸気量や蒸気Stの温度を変化させることにより、そこを流れる水Wの温度が適温に保たれる。供給蒸気Stから変化し、トレース配管87に滞留した復水や凝縮水などのドレンは、各トレース配管87に装備された蒸気トラップT(T12〜14)により排出される。
トレース配管87に加え、中圧蒸気管12、並びに、中圧タービン29の蒸気入口路83及び蒸気出口路84にも蒸気トラップT(T8〜11)は配備されている。そして、各蒸気トラップTを監視対象として、上記した検出器Dにより各蒸気トラップTの機器状態情報(温度、振動など)が検出され、管理手段Sに送信される。
中圧蒸気管12には検出器Dとしての圧力計88及び流量計89が装備されており、中圧蒸気管12から中圧タービン29の蒸気入口路83に供給される蒸気Stの圧力及び流量が検出される。給水路85にも検出器Dとしての圧力計90が装備されており、廃熱ボイラー18〜21,28,31へ供給される蒸気発生用の水Wの吐出圧力が検出される。中圧タービン29には検出器Dとしての回転数計91が装備されており、中圧タービン29の回転数が検出される。モーター81には検出器Dとしての電流計92及び温度振動センサ93が装備されており、モーター81の電流値、温度、振動が検出される。そして検出された各種情報は管理システムSに送信される。
次に、蒸気使用設備Pに対して適用する管理手段Sについて説明する。図7は管理手段Sのシステム構成を示す。管理手段Sは、データ入力部S1、シミュレート部S2、監視部S3、基準化演算部S4、閾値設定部S5、各種情報を記憶する記憶部S6、シミュレート部S2及び監視部S3に対する指示が入力される指示入力部S7とから構成される。
データ入力部S1は、蒸気使用設備Pに設けた各検出器Dから送信される情報(又は点検員により収集された情報)を取得する。なお、取得される各種情報は下記に示すように情報Ja〜Jdに分類されている。
詳しくは、取得された各種情報は、蒸気使用設備Pの蒸気配管系の各部を通過する蒸気量などの蒸気配管系情報Jaと、蒸気使用設備Pの燃料ガス配管系の各部を通過する燃料ガス量などに基づく燃料配管系情報Jbと、蒸気使用設備Pにおける機器(蒸気使用機器Usだけでなく蒸気発生機器Gsなども含む)ごとにその機器の情報とその周辺機器や配管などの情報を関連付けた状態でまとめた機器情報Jcと、蒸気使用設備Pにおけるドレン排出箇所の状態情報をまとめたドレン排出箇所情報Jdとに分類されている。
蒸気配管系情報Jaは、具体的には、図2に示した、蒸気発生機器Gsによる発生蒸気、蒸気発生機器Gsなどによる各蒸気管10〜13への供給蒸気、各蒸気使用機器Usによる使用蒸気、各タービン発電機又はタービン15,22〜24,29から各蒸気管10〜13への供給蒸気、ベント管34からの放出蒸気、第1及び第2減圧供給管16、27から中高圧及び中圧蒸気管11,12への供給蒸気、各蒸気管10〜13に接続された蒸気トラップT(例えば、図5、図6)での蒸気通過損失量と管中の凝縮とを併せた不明蒸気などの主な蒸気の情報(流量、圧力、温度などの情報)、各タービン発電機15、22での発電量の情報、蒸気使用設備Pの電力需要や受電量の情報などである。
燃料配管系情報Jbは、具体的には、燃料発生機器Gfによる発生燃料ガス、燃料発生機器Gfからの高圧ガス管40への供給燃料ガス、燃料使用機器Ufによる使用燃料ガス、供給路48から低圧ガス管41への供給燃料ガスなどの主な燃料ガスの情報(流量、圧力、温度などの情報)、燃焼炉44,45で発生するC4留分の燃料の量の情報、ガスタービン47でのC4留分の燃料の使用量、燃料タンク46のC4留分の燃料の貯留量などのC4留分の燃料の情報、第1ボイラー14への燃料Aの供給量の情報、第1及び第2ボイラー14、17において蒸気を発生させるのに要した燃料費の情報などである。
機器情報Jcは、蒸気使用機器Usである第1中高圧タービン23を例にすると、対象の第1中高圧タービン23やその周辺の蒸気トラップTやコンプレッサー50などの周辺機器に装備された検出器Dからの各種情報を関連付けた状態でまとめた情報である。
ドレン排出箇所情報Jdは、蒸気使用設備Pにおける監視対象の蒸気トラップT及びバルブBの機器状態情報(温度、振動など)と各蒸気トラップTやバルブBの位置関係及び蒸気トラップTとバルブBとの対応関係とを関連付けた情報である。
また、記憶部S6には、各情報Ja〜Jdの各値に対する基準値や、蒸気使用設備における各機器(蒸気発生機器Gs、蒸気使用機器Us、燃料発生機器Gf、燃料使用機器Ufやその周辺機器、各種配管など)の仕様や各蒸気発生機器Gsで使用する燃料の種類・価格などの基本情報をまとめた基準情報Je、蒸気使用設備に対する改善アイデアとその具体的実行内容をまとめた改善アイデア情報Jf、予め点検などにより作成した蒸気トラップT及びバルブBが配備された配管の配管レイアウトや、蒸気トラップT及びバルブBの型式、作動状態、位置などのドレン排出箇所に関連する情報から構成されるドレン排出データベースDbを格納してある。各基準値としては、蒸気使用設備Pの設計時における各情報の値や、蒸気使用設備Pの点検において検出された値などを格納してある。
そして、データ入力部S1は、各検出器Dから送信され、又は、点検員により収集された情報Ja〜Jdに加え、これら基準情報Je、改善アイデア情報Jf、ドレン排出データベースDbを記憶部S6から取得する。つまり、データ入力部S1は、各種情報Ja〜Jf、Dbを取得する。そして、これら取得された情報に基づいて、シミュレート部S2においてエネルギーバランス評価情報Iaが生成され、監視部S3において監視結果としての蒸気機器評価情報Ibとドレン排出評価情報Icとが生成される。そして、指示入力部S7により選択された各種情報Ia〜Icが出力手段S8に表示される。
次に、シミュレート部S2におけるエネルギーバランス評価情報Iaの生成について説明する。エネルギーバランス評価情報Iaは、蒸気発生コスト評価情報Ia1、蒸気配管系評価情報Ia2、燃料配管系評価情報Ia3から構成される。
蒸気発生コスト評価情報Ia1について説明すると、一般に、蒸気使用設備における蒸気発生機器で蒸気を発生させるために必要なコストは、例えば、各蒸気発生機器における蒸気発生量、各蒸気発生機器で使用する燃料の種類・価格・使用量(2種以上の燃料を併用する場合は各燃料について)、各蒸気発生機器における燃料使用量に対する蒸気発生効率など、複数の蒸気発生コスト要因により形成される。また、これらの蒸気発生コスト要因は蒸気使用設備の運転状態を反映する。
そこで、管理手段Sでは、蒸気使用設備の運転状態を反映する複数の蒸気発生コスト要因をわかりやすい単一の基準値にした蒸気発生コストCを演算し、蒸気発生コストCに基づいて、蒸気システムをコストの面から評価するとともに、蒸気使用設備の運転状態を特に蒸気使用設備に対する改善が必要であるか(改善必要性)について評価する蒸気発生コスト評価情報Ia1を生成する。蒸気使用設備に対する改善必要性の評価は、蒸気使用設備に対し何らかの問題がある、又は、改善点があることの気づきになり、蒸気使用設備の運転状態の最適化の助けになる。
蒸気発生コスト評価情報Ia1の生成は、まず、基準化演算部S4において、複数の蒸気発生コスト要因を単一の基準値に基準化(又は規格化)した値である蒸気発生コストCを演算する。例えば、蒸気発生コスト要因としては、各蒸気発生機器Gsにおける蒸気発生量、各蒸気発生機器Gsにおける燃料使用量、その燃料の種類や価格を用いる。
より具体的には、蒸気発生機器Gsにおける総蒸気発生量を、各ボイラー14、17〜21,28,31による発生蒸気量を合計することにより求める。次に、蒸気発生機器Gsにおける総燃料費を、第1及び第2ボイラー14、17における各燃料の燃料使用量(第1ボイラー14については燃料ガスと燃料A夫々の使用量、第2ボイラーについては燃料ガスの使用量)と各燃料の価格に基づいて求める(廃熱ボイラー18〜21,28,31については蒸気使用設備Pの運転において生じた廃熱により蒸気を発生させるため除いてある)。そして、蒸気発生機器Gsにおける総蒸気発生量を、蒸気発生機器Gsにおける総燃料費で除することにより蒸気発生コストCを演算する。
また、閾値設定部S5において、基準情報Jeのうち、蒸気使用設備Pにおける蒸気発生コストCの基準値に基づいて、蒸気使用設備に対する改善必要性を評価するための閾値を設定する。具体的には、基準値よりも高く蒸気使用設備に対する改善が必要であることの基準とする第1閾値x1、基準値よりも低く蒸気使用設備の運転が良好であることの基準とする第2閾値x2を設定する。なお、第1及び第2閾値x1,x2に代えて、又は、これに加えて、蒸気使用設備に対する改善必要性を評価するための閾値をさらに設定するようにしてもよい。
シミュレート部S2は、蒸気発生コスト評価情報Ia1として、蒸気使用設備に対する改善必要性を評価する。具体的には、演算した蒸気発生コストCが第1閾値x1を超えた場合に蒸気使用設備Pに対する改善が必要であると評価する。これにより、蒸気使用設備に対する改善が必要なことがわかり、蒸気使用設備の運転状態の最適化のための改善点を探索する気づきになる。また、蒸気発生コストCが第2閾値x2を下回った場合に蒸気使用設備Pの運転が良好であると評価する。これにより、蒸気使用設備の運転が良好であることがわかり、例えば、運転が良好と判断された蒸気使用設備の状態を蒸気使用設備の運転状態の最適化の参考とすることができる。
演算された蒸気発生コストCの値が第1閾値と第2閾値の間の値である場合には、シミュレート部S2は蒸気使用設備Pの運転が平常であると評価する。なお、閾値設定部S3において第1及び第2閾値x1,x2に加えてさらに閾値を設定するなどして、蒸気使用設備Pに対する改善必要性の評価を段階的に行うようにしてもよい(改善の緊急度の大中小や、運転の良好の度合いの大中小など)。
シミュレート部S2は、改善必要性の評価において、さらに蒸気使用設備Pへの改善策も生成するようにしてもよい。改善策は、例えば、取得された改善アイデア情報Jfを参照して、演算により現状の蒸気使用設備Pの改善に最適な1つの改善アイデア又は改善アイデアの組み合わせを導出することにより生成される。又は、予め記憶部S6に修理保守情報を記憶しておき、データ入力部S1で取得された各種情報Ja〜Jdにおける各値とこれに対応する基準情報Jeにおける各基準値との比較に基づいて異常箇所を判定する(例えば、蒸気使用設備Pにおいて基準値との差が許容範囲を超えた値を示す箇所を異常箇所として認定する、又は各情報の比較結果を組み合わせて判断した上で異常箇所を認定するなど)とともに、その異常箇所に対応する修理保守情報を取得するなど、他の適当な手段により生成してもよい。
シミュレート部S2は、さらに、蒸気発生コスト評価情報Ia1の1つとして、図8に示すようなグラフ情報画像Gaを出力手段S8に表示する。グラフ情報画像Gaは、演算された蒸気発生コストCの値とその基準値、蒸気発生コストCの値が基準値を100%とした場合に何%かを表示する数値表示欄ga1と蒸気発生コストCの経時的な変化を示すグラフを表示するグラフ表示欄ga2から構成される。グラフ表示欄ga2には、蒸気発生コストの経時変化を示す線に併せて、蒸気発生コストの基準値を示す線が表示されている。
蒸気発生コストの経時的な変化により、現在の蒸気発生コストCだけでなく過去の蒸気発生コストCの変動を把握できるから、例えば、過去の蒸気使用設備Pの運転状況を参照するなどにより過去の蒸気発生コストCの変動の原因を分析することができて、これにより、蒸気使用設備に対する改善必要性の評価を的確に行うことができる。
なお、グラフ表示欄ga2には、蒸気使用設備Pにおいて消費される燃料の経時変化を示す線も併せて表示してもよい。蒸気使用設備Pのように廃熱ボイラー18〜21,28,31によっても蒸気を発生させる場合には、蒸気使用設備Pにおいて消費される燃料が少ない、即ち、蒸気使用設備Pの運転が停滞しているほど運転により生じる廃熱が減少して、廃熱ボイラー18〜21,28,31において発生する蒸気の量が減ることになる。すると、その分、第1及び第2ボイラーにおいて燃料を使用して蒸気を発生させなければならず、蒸気発生機器Gsにおける燃料使用量が増加し、その結果、蒸気発生コストCが増加することとなる。このように、蒸気発生コストCと蒸気使用設備Pにおいて消費される燃料にはある程度の相関があるため、蒸気発生コストの経時変化と蒸気使用設備Pにおいて消費される燃料の経時変化をあわせて表示することで、蒸気使用設備に対する改善必要性の評価をより的確に行うことができる。
また、シミュレート部S2で生成された改善必要性の評価や改善策は、グラフ情報画像Ga上に表示される。なお、図示しない通信部により管理者のコンピュータや携帯電話などの通信端末に改善必要性の評価や改善策の内容を送信するなどしてもよい。改善必要性の評価や改善策のグラフ情報画像Ga上への表示や通信端末への送信は、蒸気使用設備Pに対する改善が必要であると評価された場合や、蒸気使用設備Pの運転が良好であると評価された場合のみに行うなど、改善必要性の評価の内容に応じて行うようにしてもよい。
蒸気配管系評価情報Ia2について説明すると、シミュレート部S2は、蒸気配管系評価情報Ia2として、蒸気配管系情報Jaに基づいて、図9に示すような、蒸気配管系各部を表示体で示す蒸気使用設備Pの蒸気配管系の構成図である蒸気配管系画像Gbを出力手段S8に表示する。
シミュレート部S2は、蒸気配管系評価情報Ia2の生成において、蒸気配管系情報Jaにおける蒸気使用設備Pの蒸気配管系各部を通過する各蒸気量と、基準情報Jeにおけるこれらの蒸気量に対応する基準値との比較情報(大小関係やその差など)を演算する。そして、蒸気配管系画像Gbにおいて、各表示体の近傍の各々に、取得された蒸気量の値のうちの各表示体に対応する部位を通過する蒸気量の値がその比較情報と関連付けた状態で表示されるようにしてある。蒸気量の値を比較情報と関連付けた状態とは、例えば、蒸気量の値を基準値との大小関係や差に応じて、蒸気量の値を色分けして表示したり、数値を強調したり、数値を枠で囲む、網掛けして表示する、又は、各機器と配管をつなぐ矢印や線を色分けする若しくは強調するなどした状態である。
蒸気配管系画像Gbは、蒸気使用設備Pの蒸気配管系を示す設備構成表示欄gb1、蒸気使用設備Pの総蒸気発生量・不明蒸気量・不明蒸気率(総蒸気発生量に占める不明蒸気量の割合)を示す蒸気量表示欄gb2、蒸気使用設備Pにおける各燃料消費量、発電量、水の消費量、CO消費量などを示す燃料等表示欄gb3で構成される。
設備構成表示欄gb1には、図2で説明した各構成を示す表示体10〜34に加え、各蒸気管10〜13に接続された多数の蒸気トラップTでの通過蒸気損失量及び各蒸気管10〜13での給送中の凝縮などで損失する蒸気損失量の合計値を各蒸気管10〜13における不明蒸気量とし、この各不明蒸気量の行き先と仮定した表示体35〜37を表示する。そして、設備構成表示欄gb1における各表示体10〜37の近傍には、各表示体10〜37の各々を通過する蒸気量(t/h)の情報を比較情報と関連付けた状態で表示する(図9では基準値よりも高い値を示すものを網掛けして表示し、基準値よりも低い値を示すものを枠で囲んで表示してある)。
蒸気量表示欄gb2には、蒸気使用設備Pの総蒸気発生量・不明蒸気量・不明蒸気率を比較情報と関連付けた状態で表示する(図9では基準値よりも高い値を示すものを網掛けして表示してある)。
燃料等表示欄gb3では、各燃料消費量(本例では燃料(C4)、燃料ガス)、発電量、水の消費量と基準情報Jeにおけるこれらの基準値との差とその差の金額換算値、CO消費量の基準値との差を表示する。
蒸気配管系画像Gbにより、基準運転時と現状の運転における各蒸気量・各燃料消費量・発電量・水の消費量・CO消費量・これらの金額換算値を把握でき、蒸気使用設備Pの蒸気配管系における運転状況が明らかになる。
さらに、特に設備構成表示欄gb1や蒸気量表示欄gb2により、エネルギーバランスとして蒸気使用設備全体における蒸気バランスが明らかになり、例えば、蒸気使用設備における蒸気システムにおいてどれだけの蒸気ロスが存在しているのか、どうすればどれだけのロスが削減できるのかなど、省蒸気の観点から蒸気使用設備の運転状況を把握することができる。
また、蒸気量表示欄gb2における蒸気使用設備Pの総蒸気発生量と燃料等表示欄gb3における発電量とから熱電バランスが明らかになり、例えば、燃料単価の変動などによる蒸気発生に要するコストの変動や、買電の電力量・価格変動を考慮した蒸気使用設備における最適な熱電バランスを把握することができる。
燃料配管系評価情報Ia3について説明すると、シミュレート部S2は、燃料配管系評価情報Ia3として、燃料配管系情報Jbに基づいて、図10に示すような、燃料配管系各部を表示体で示す蒸気使用設備Pの燃料配管系の構成図である燃料配管系画像Gcを出力手段S8に表示する。
シミュレート部S2は、燃料配管系評価情報Ia3の生成において、燃料配管系情報Jbにおける蒸気使用設備Pの燃料配管系各部を通過する各燃料の量などの情報と、基準情報Jeにおけるこれらの情報に対応する基準値との比較情報(大小関係やその差など)を演算する。そして、燃料配管系画像Gcにおいて、各表示体の近傍の各々に、取得された燃料の量の値のうちの各表示体に対応する部位を通過する燃料量の値がその比較情報と関連付けた状態で表示されるようにしてある。燃料量の値を比較情報と関連付けた状態とは、例えば、各燃料の値を基準値との大小関係や差に応じて、各燃料の値を色分けして表示したり、数値を強調したり、数値を枠で囲む、網掛けして表示する、又は、各機器と配管をつなぐ矢印や線を色分けする若しくは強調するなどした状態である。
燃料配管系画像Gcは、蒸気使用設備Pの燃料配管系を示す設備構成表示欄gc1、蒸気使用設備Pの総燃料ガス発生量、総燃料ガス消費量・不明ガス量・不明ガス率(総燃料ガス発生量に占める不明蒸気量の割合)を示す燃料ガス消費量表示欄gb2、蒸気使用設備Pにおける各燃料の消費量を示す燃料等表示欄gb3で構成される。
設備構成表示欄gc1には、図2で説明した各構成を示す表示体40〜48を表示する。そして、設備構成表示欄g1における各表示体40〜48の近傍には、各表示体40〜48から給送される又は各表示体40〜48に供給される各燃料(本例では燃料ガス、C4留分の燃料)の量(t/h)の情報を比較情報と関連付けた状態で表示する(図10では基準値よりも高い値を示すものを網掛けして表示し、基準値よりも低い値を示すものを枠で囲んで表示してある)。
燃料ガス量表示欄gc2には、蒸気使用設備Pの総燃料ガス発生量、総燃料ガス消費量・不明ガス量・不明ガス率を比較情報と関連付けた状態で表示する(本例では基準値よりも高い値を示すものを網掛けして表示し、基準値よりも低い値を示すものを枠で囲んで表示するようにしてある)。
燃料等表示欄gc3では、各燃料消費量(本例では燃料ガス、C4留分の燃料、燃料Aの消費量)と基準情報Jeにおけるこれらの基準値との差とその差の金額換算値を表示する。
燃料配管系画像Gcにより、基準運転時と現状の運転における各燃料ガス量・各燃料消費量・これらの金額換算値を把握でき、蒸気使用設備Pの燃料配管系における運転状況が明らかになる。
さらに、特に設備構成表示欄gc1により、第1及び第2ボイラー14,17で消費される燃料量と燃料タンク46に貯留されて出荷される燃料量との燃料バランスが明らかになり、例えば、例えば、蒸気使用設備の蒸気使用状況などの運転状況に対する燃料の出荷量・売上高のバランスを把握することができる。
次に、監視部S3により生成される蒸気機器評価情報Ibについて説明する。この蒸気機器評価情報Ibは、作動状態判定情報Ib1と機器詳細情報Ib2とから構成される。
まず、作動状態判定情報Ib1の生成において、監視部S3では、検出器Dからの各検出情報に基づいて蒸気使用機器Usや蒸気発生機器Gsなどの各機器の作動状態の判定が行われる。
例えば、監視部S3は、図5に示す第1中高圧タービン23,中圧タービン29の作動状態の判定において、検出器Dからの各検出情報に対し、次のようなモニタリング項目に基づいて監視を行う。
(1)蒸気入口路51の圧力計63及び流量計69、蒸気出口路52の圧力計64、燃料ガス供給路53の圧力計65、液体燃料供給路54の圧力計66及び流量計70、第1中高圧蒸気タービン23の回転数計71からの検出情報に基づいて第1中高圧蒸気タービン23及びコンプレッサー50の動作を確認する
(2)潤滑油供給路59の圧力計67からの検出情報に基づいてモータポンプ57の動作を確認する
(3)タービンポンプ56の稼働時における潤滑油供給路の圧力計68からの検出情報に基づいてタービンポンプ56の動作を確認する
(4)モーター58の温度振動センサ72からの検出信号に基づいてモーター58の動作を確認する
さらに、この監視部S3では、蒸気トラップTに配備した検出器Dからの検出信号に基づいて、次のような項目を監視する。
(5)第1中高圧タービン23のスタンバイ時において、蒸気トラップT1〜T3のドレン滞留の有無を確認して、第1中高圧タービン23が即稼働可能状態にあるか(例えば、ウォーターハンマーが発生する危険性)を確認する
(6)第1中高圧タービン23の稼働中において、蒸気トラップT1〜T3のドレン滞留の有無を確認して、第1中高圧タービン23に供給される蒸気におけるドレン混入の危険性を確認する
(7)第1中高圧タービン23の稼働時において、蒸気トラップT1〜T3の温度が適切に変化するかを確認して、第1中高圧タービン23に蒸気が問題なく供給されたことを確認する
(8)中圧タービン29のスタンバイ時において、蒸気トラップT4〜T7のドレン滞留の有無を確認して、中圧タービン29が即稼働可能状態にあるか(例えば、ウォーターハンマーが発生する危険性)を確認する
(9)中圧タービン29の稼働中において、蒸気トラップT4〜T7のドレン滞留の有無を確認して、中圧タービン29に供給される蒸気におけるドレン混入の危険性を確認する
(10)中圧タービン29の稼働時において、蒸気トラップT4〜T7の温度が適切に変化するかを確認して、中圧タービン29に蒸気が問題なく供給されたことを確認する
(11)液体燃料供給路54の流量計70からの検出情報から液体燃料Lの流量の低下が検出された場合において、蒸気入口路51及び蒸気出口路52の圧力計63,64における第1中高圧タービン23に対する蒸気の入出圧力、検出器Dからの蒸気トラップT1及びT2の温度に基づく蒸気の温度、並びに、第1中高圧タービン23の回転数計71における第1中高圧タービン23の回転数から第1中高圧タービン23のタービン効率を算出し、タービン効率に基づいて液体燃料Lの流量低下の原因が蒸気側とガス側とのいずれにあるかを判断する
この監視部S3では、以上のような(1)〜(11)のモニタリング項目を総合的に判断して、蒸気使用機器Usとしての第1中高圧タービン23,中圧タービン29の作動状態の判定が行われる。特に、第1中高圧タービン23,中圧タービン29の作動状態の判定に、蒸気トラップTの検出情報も用いているため、従来にない上記(5)〜(11)のモニタリング項目のような蒸気使用機器Usが即稼働可能状態にあるかの確認、供給蒸気のドレン混入の危険性の確認、蒸気使用機器Usの稼働時の蒸気の流れの確認、異常の原因の推定などが可能となっている。
また、監視部S3は、図6に示す中圧タービン29の作動状態の判定において、検出器Dからの各検出情報に対し、次のようなモニタリング項目に基づいて監視を行う。
(イ)中圧蒸気管12の圧力計88及び流量計89、中圧タービン29の回転数計91からの検出情報に基づいて中圧タービン29の動作を確認する
(ロ)給水路85の圧力計90、モーター81の電流計92及び温度振動センサ93からの検出情報に基づいてモーター81及びモータポンプ82の動作を確認する
さらに、この監視部S3では、蒸気トラップTに配備した検出器Dからの検出情報に基づいて、次のような項目を監視する。
(ハ)中圧タービン29のスタンバイ時において、蒸気トラップT8〜T11のドレン滞留の有無を確認して、中圧タービン29が即稼働可能状態にあるか(例えば、ウォーターハンマーが発生する危険性)を確認する
(ニ)中圧タービン29の稼働中において、蒸気トラップT8〜T11のドレン滞留の有無を確認して、中圧タービン29に供給される蒸気におけるドレン混入の危険性を確認する
(ホ)中圧タービン29の稼働時において、蒸気トラップT10の温度が適切に変化するかを確認して、中圧タービン29に蒸気が問題なく供給されたことを確認する
(へ)蒸気トラップT12〜T14のドレン滞留の有無を確認して、トレース配管87の動作を確認して、冬季などにおける給水路85の凍結可能性を確認する
この監視部S3では、以上のような(イ)〜(へ)のモニタリング項目を総合的に判断して、蒸気使用機器Usとしての中圧タービン29の作動状態の判定が行われる。特に、この監視部S3では、中圧タービン29の作動状態の判定に、蒸気トラップTの検出情報も用いているため、従来にない上記(ハ)〜(へ)のモニタリング項目のような蒸気使用機器が即稼働可能状態にあるかの確認、供給蒸気のドレン混入の危険性の確認、蒸気使用機器の稼働時の蒸気の流れの確認、給水路85の凍結可能性の確認などが可能となっている。
そして、監視部S3は、作動状態情報Ib1として、機器情報Jcと上記のような各機器の作動状態の判定結果(正常に作動しているかどうかなど)に基づいて、対象の機器(蒸気発生機器Gsや蒸気使用機器Usなど)ごとにその対象の機器に加えその周辺機器や配管を表示体で示す機器まわりの構成図である機器画像、例えば、図11,12に示すような機器画像Gd、Geを出力手段S8に表示する。そして、機器画像Gd、Geにおいて、各表示体が作動状態の判定結果と関連付けた状態で表示されるようにしてある。各表示体を作動状態の判定結果と関連付けた状態とは、例えば、判定結果に応じて、各表示体を色分けして表示したり、枠で囲んだり、強調するなどした状態である。
例えば、図11に示すような機器画像Gdでは、図5で説明した各構成を示す表示体23,29,50〜72、Tを各機器の作動状態の判定結果と関連付けた状態で表示する(例えば、ある箇所(図11では蒸気トラップT2、T5)が異常と判断された場合にその箇所を囲むようにしてある)。
また、例えば、図12に示すような機器画像Geでは、図6で説明した各構成を示す表示体29,80〜93、Tを比較情報と関連付けた状態で表示する(図11と同様に、ある箇所(図12では蒸気トラップT11、中圧タービン29の回転数計91)が異常と判断された場合にその箇所を囲むようにしてある)。
さらに、各機器画像において、指示入力部S7への選択処理により機器画像上の表示体を選択することで、選択した表示体に対応する機器詳細情報Ib2が出力手段S8に表示されるようにしてある。機器詳細情報Ib2としては、その機器の型式や作動状態の詳細、過去の故障情報や点検結果などの履歴情報、機器の作動状態に異常がある場合にはその異常に対応する工事指示情報が表示される。工事指示情報としては、例えば、対応する機器の画像やその配置場所の情報、及び、対応する機器の型式、その判定情報の内容(異常の種類、異常の度合いなど)に応じた適切な工事の指示が表示される。
履歴情報を参照することにより、機器の故障頻度や何が原因で故障してきているのかということが把握でき、設置機器の型式の見直しや周辺機器の変更の必要性などが判断でき、蒸気使用設備の運転状態の最適化につながる。また、工事指示情報により、異常に対する迅速な処理が可能となる。
次に、監視部S3におけるドレン排出評価情報Icの生成について説明する。この蒸気機器評価情報Icは、作動状態判定情報Ic1とドレン排出箇所詳細情報Ic2とから構成される。
作動状態判定情報Ic1として、監視部S3は、ドレン排出箇所情報Jdとドレン排出データベースDbとに基づいて、蒸気使用設備Pにおけるドレン排出箇所(蒸気トラップTやバルブB)を表示体で表示する配置図に各ドレン排出箇所の作動状態を組み合わせた画像、例えば、図13に示すようなドレン排出評価画像Gfを出力手段S8に表示する。
具体的には、監視部S3は、ドレン排出箇所情報Jd(各ドレン排出箇所の機器状態情報(温度、振動など))と基準情報Jeにおけるこれらに対応する基準値との比較に基づいて各ドレン排出箇所の作動状態の判定を行い、作動状態が正常であるか異常であるか、その異常の種類(蒸気漏れ異常、トラップ閉塞異常、温度異常など)、その異常の度合い(例えば、注意レベル、故障レベルなど)を判定する。
なお、蒸気漏れ異常(モレ不良)とは、蒸気トラップTの本来機能として蒸気の流出を阻止しながら復水のみを排出することが要求されるのに対し蒸気が許容限度を超えて流出する異常である。トラップ閉塞異常(ツマリ不良)とは復水の排出が円滑に行われない異常(すなわちトラップ詰まり)であり、温度異常とはトラップ温度ないしはトラップ周囲温度が適正範囲を低下側ないし上昇側に逸脱する異常である。
そして、各ドレン排出箇所の作動状態の判定結果に基づいて、監視部S3は、ドレン排出データベースDbを最新の状態に更新する。そして更新したドレン排出データベースDbに基づいて各ドレン排出箇所が表示体で表示された配置図(例えば、ドレン排出評価画像Gf)を生成するとともに、配置図上においてドレン排出箇所の各表示体が上記判定結果と関連付けられた状態で表示されるようにしてある。各表示体を判定結果と関連付けた状態とは、例えば、その判定結果の内容に応じて、各表示体を色分けする、強調する若しくはその表示を変更するなどした状態である。
例えば、ドレン排出箇所画像Gfは、蒸気使用設備Pの一部におけるドレン排出箇所の配置を示し、各ドレン排出箇所がその配置場所で表示体T、Bとして表示されている。そして、各表示体T、Bは上記判定情報と関連付けた状態で表示されている。本例では、例えば表示体Tの場合は、図13では、100は蒸気トラップTの状態が正常であることを示し、101は蒸気トラップTの状態が蒸気漏れ異常の注意レベルであることを示し、102は蒸気トラップTの状態が蒸気漏れ異常の故障レベルであることを示し、103は蒸気トラップTの状態が温度異常であること、104は使用していない蒸気トラップTであること、105はバルブの状態が正常であることを示す。このように、画像Gfにより、視覚的にドレン排出箇所の状態が把握できる。
さらに、作動状態判定情報Ic1としてのドレン排出箇所の配置図において、指示入力部S7への選択処理により各表示体T、Bを選択することで、選択した表示体Tに対応する配置場所に設置されたドレン排出箇所詳細情報Ic2が出力手段S8に表示されるようにしてある。ドレン排出箇所詳細情報Ic2としては、そのドレン排出箇所の状態の詳細や、過去の故障情報や点検結果などの履歴情報、ドレン排出箇所の作動状態に異常がある場合にはその異常に対応する工事指示情報が表示される。履歴情報は、現在その配置場所に設置されている蒸気トラップTやバルブBの情報に限らず、その配置場所に過去に配置され交換された歴代の蒸気トラップTやバルブBの情報にわたって表示される。工事指示情報としては、対応する蒸気トラップTやバルブBの画像やその配置場所の情報、及び、対応する蒸気トラップTやバルブBの場所や種類、その判定情報の内容(異常の種類、異常の度合いなど)に応じた適切な工事の指示が表示されるようにしてある。
履歴情報を参照することにより、蒸気トラップ・バルブの故障頻度や何が原因で故障してきているのかということが把握でき、蒸気トラップTやバルブBの型式の見直し、関連する蒸気トラップTやバルブB、又は、配管レイアウトの変更の必要性などが判断でき、蒸気使用設備の運転状態の最適化につながる。また、工事指示情報により、異常に対する迅速な処理が可能となる。
なお、ドレン排出箇所画像Gfは、蒸気使用設備Pにおけるプロセスフローを示すマップ上にドレン排出箇所(蒸気トラップTやバルブB)を表示体で表示するものでもよい。
以上のように、管理手段Sでは、シミュレート部S2と監視部S3とにより、エネルギーバランス評価情報Iaと、蒸気機器評価情報Ibと、ドレン排出評価情報Icとの3つの観点から蒸気システムの「視える化」を図り、蒸気使用設備Pの管理担当者による蒸気使用設備の運転状態の最適化に役立てる。
これら各評価情報Ia〜Icや、演算された蒸気発生コストC、更新したドレン排出データベースDb、データ入力部により取得された各情報Ja〜Jdは、記憶部S6に記憶される。これにより、過去の蒸気使用設備の運転状態まで遡って、蒸気システムを把握できる。
また、出力手段S8は、改善アイデア情報Jfに基づいて、図14に示すような改善アイデアが列挙された改善アイデア画像Ggを生成する。そして、列挙された改善アイデアの1つ又は複数を指示入力部S7により入力することで(又は、シミュレート部S2で生成した改善策に基づいて)、シミュレート部S2は、選択した改善アイデア(又は、上記した改善策)の実施後の情報である改善蒸気発生コスト、改善蒸気配管系情報、改善燃料配管系情報を演算する。なお、改善蒸気発生コストは改善実施後の蒸気発生コストCの値、改善蒸気配管系情報は蒸気配管系情報Jaの改善実施後の情報、改善燃料配管系情報は燃料配管系情報Jbの改善実施後の情報である。
なお、シミュレート部S2は、シミュレート部S2で生成した改善策に基づいて、その改善策の実施後の情報である改善蒸気発生コスト、改善蒸気配管系情報、改善燃料配管系情報を演算してもよい。
そして、シミュレート部S2は、改善蒸気発生コスト、改善蒸気配管系情報、改善燃料配管系情報に基づいて、蒸気発生コスト評価情報Ia1、蒸気配管系評価情報Ia2、燃料配管系評価情報Ia3を更新し、更新後の情報Ia1〜Ia3を出力手段S8に表示する。なお、更新した蒸気配管系評価情報Ia2及び燃料配管系評価情報Ia3における各表示体は、基準情報Jeと改善蒸気配管系情報及び改善燃料配管系情報との比較情報を関連付けしたものであってもよいし、改善前の蒸気配管系情報Ja及び燃料配管系情報Jbと改善蒸気配管系情報及び改善燃料配管系情報との比較情報を関連付けしたものであってもよい。前者であれば、基準運転時に対する改善実施後の蒸気使用設備Pの運転状況を把握できる。後者であれば、改善を実施することによる効果が明確に把握できる。これら改善後の効果を確認することにより蒸気使用設備の運転状態の最適化のための改善策を探索することができる。
また、エネルギーバランス評価情報Iaと蒸気機器評価情報Ibとは関連付けしてある。具体的には、蒸気配管系画像Gb及び燃料配管系画像Gcにおける表示体10〜34,40〜48のいずれかを指示入力部S7により選択することで、選択された表示体に対応する機器の蒸気機器評価情報Ibの画像が表示される。例えば、図9の蒸気配管系画像Gbにおける表示体23を選択することにより、図11に示すような第1中高圧タービン23まわりの機器画像Gdが表示される。
さらに、蒸気機器評価情報Ibはドレン排出評価情報Icとも関連付けしてある。具体的には、蒸気機器評価情報Ibとしての画像に表示されるドレン排出箇所(蒸気トラップTやバルブB)の表示体T、Bを指示入力部S7により選択することで、選択された表示体T、Bに対応するドレン排出箇所詳細情報Ic2が表示される。
このように、管理手段Sでは、夫々観点の異なる3つの情報(エネルギーバランス評価情報Ia、蒸気機器評価情報Ib、ドレン排出評価情報Ic)を関連付けて、蒸気システムの把握を容易にして「視える化」を図り、蒸気使用設備の運転状態の最適化に役立ててある。
また、管理手段Sはインターネットにより外部からアクセス可能にしてあり、パソコンや携帯端末を通じて、蒸気使用設備の管理者や工事担当者、管理会社の担当者など複数人が管理手段Sを監視・操作をすることができるようにしてある。
次に、本開示に係る流体使用設備管理システムを用いて、蒸気使用設備Pの運転状態を最適化する方法について説明する。
まず、対象とする蒸気使用設備Pに対して、蒸気使用設備Pの基本情報を把握する設備現状調査を探索員により実施する。この設備現状調査において、探索員は、各機器(蒸気発生機器Gs、蒸気使用機器Us、燃料発生機器Gf、燃料使用機器Ufやその周辺機器、各種配管、蒸気トラップT、バルブBなどについて診断器等で実際に診断したり、設計図等から劣化状態を予測したりするなどの診断を行う(いわゆるサーベイ)。そして、この設備現状調査に基づいて、記憶部S6に格納する上記した基準情報Jeを作成する。
調査する情報としては、各機器(蒸気発生機器Gs、蒸気使用機器Us、燃料発生機器Gf、燃料使用機器Gfやその周辺機器、各種配管など)の仕様や状態、各蒸気発生機器Gsで使用する燃料の種類・価格などを調査する。特に、ドレン排出箇所(蒸気トラップT、バルブBなど)については、ドレン排出箇所の配管レイアウトに問題があるかどうか、蒸気トラップTの状態、設置場所における型式の整合性、蒸気トラップTの周辺のバルブBが正常かどうかなど総合的に診断し、その診断結果をドレン排出データベースDbとして管理手段Sの記憶部S6に格納する。
また、診断の際に、蒸気使用設備Pの状態を遠隔監視するために、蒸気トラップTやバルブB、各機器に対し、特に監視が必要な箇所など、必要に応じて各種の検出器Dを適宜設置する。
以上のような診断や検出器Dの設置を行った後、管理手段Sを用いて蒸気使用設備Pを管理する。管理手段Sは、各検出器Dから送信される各種情報(又は、点検員が収集した各種情報)を常時又は定期的にデータ入力部S1に取得し、取得した各種情報に基づいて、管理手段Sのシミュレート部S2及び監視部S3により、エネルギーバランス評価情報Ia、蒸気機器評価情報Ib、及び、ドレン排出評価情報Icを生成する。蒸気使用設備Pの管理者は(又は、外部の管理会社の担当者は)、指示入力部S7による選択処理により出力手段S8に所望の評価情報Ia〜Icを表示させて、蒸気使用設備Pの運転状態を把握し、これに基づいて、蒸気使用設備Pの運転状態の最適化を行う。
例えば、エネルギーバランス評価情報Iaのうち、蒸気発生コスト評価情報Ia1により蒸気発生コストCの経時的な変化を表示することで、複雑な蒸気使用設備Pの運転状況を単一の基準値の蒸気発生コストCで的確に把握・評価することができる。また、蒸気発生コスト評価情報Ia1によれば、蒸気使用設備Pに対し改善が必要であるか、運転が良好であるかなどが即座にわかる。そして、改善が必要である、又は、運転が良好であることが示された場合は、蒸気配管系評価情報Ia2、燃料配管系評価情報Ia3から蒸気使用設備Pにおける蒸気バランス・熱電バランス・燃料バランスを参照することにより、改善が必要となっている要因や運転が良好である要因の推定が可能となる。さらに、蒸気機器評価情報Ibのうちの作動状態判定情報Ib1や、ドレン排出評価情報Icのうちの作動状態判定情報Ic1により蒸気使用設備Pの各箇所の作動状態を参照することにより、改善が必要となっている箇所やその原因を特定することができる。またさらに、蒸気機器評価情報Ibのうちの機器詳細情報Ib2や、ドレン排出評価情報Icのうちのドレン排出箇所詳細情報Ic2によりその履歴情報や工事指示情報などを参照することで、その具体的な改善策を立案することができる。
さらに、立案した改善案や、蒸気発生コスト評価情報Ia1により示された改善策に基づいて、図14に示すような改善アイデア画像Ggから所望の改善アイデアを指示入力部S7により選択することで、改善による効果を確認できる。
また、蒸気配管系評価情報Ia2や燃料配管系評価情報Ia3と蒸気機器評価情報Ibとを組み合わせることにより、ある機器の作動状態や型式と実際にその機器で使用・発生させている蒸気量や使用している燃料ガス量とが適切なものであるかといったことが把握でき、その機器の型式やそこで使用・発生させている蒸気量や使用している燃料ガス量の見直しにつながる。
このように、流体使用設備管理システムによれば、蒸気発生コストC・蒸気量・燃料の量、いわば、蒸気使用設備Pにおける蒸気バランス、熱・電気バランスや運転コストなどの蒸気使用設備P全体のエネルギーバランスと、蒸気使用設備Pにおける機器状態、蒸気使用設備Pにおけるドレン排出状態を把握でき、つまり、蒸気使用設備Pをエネルギーバランス、機器状態、ドレン排出状態の3つの観点から総合的に把握できる。そして、これにより、蒸気使用設備Pに対する改善点を見出して最適な状態を探索することができて、蒸気使用設備Pの運転状態の最適化を図ることができる。
なお、各種の評価情報Ia〜Icの用途は上記したものに限られない。
なお、上記流体使用設備管理システムは蒸気使用設備Pに限らず流体使用設備全般に適用することができる。この場合、上記実施形態において「蒸気」を各種の「流体」に、「蒸気トラップ」を「ドレントラップ」に読み換えるなど各語句を適当な語句に読み換えればよい。
本開示の流体使用設備管理方法及び流体使用設備管理システムは各種分野における種々の蒸気使用設備の評価に適用することができる。
S 流体使用設備管理システム
S1 データ入力部
S2 シミュレート部
S3 監視部
1、P 流体使用設備(蒸気使用設備)
2、Us 流体使用機器(蒸気使用機器)
3、T ドレントラップ(蒸気トラップ)
4、B バルブ
D 検出器
15、22 発電機(第1タービン発電機、第2タービン発電機)
42〜45 燃料機器(燃焼炉)
Db ドレン排出データベース

Claims (12)

  1. 流体として少なくとも蒸気を用い、少なくとも蒸気を発生させるのに、第1燃料と、燃料機器により精製する第2燃料の一部と、前記燃料機器の運転において生じた廃熱と、を用いて蒸気を発生させる流体使用設備の各所に設置した検出器の検出情報に基づき、前記流体使用設備における流体使用機器として、前記燃料機器の作動状態を監視するとともに、ドレントラップの作動状態を監視し、
    前記流体使用設備におけるエネルギーバランスとして、少なくとも前記燃料機器で精製される前記第2燃料の燃料量と蒸気の発生に使用される前記第2燃料の燃料量とに基づいて演算される燃料バランスと、蒸気の発生に用いる前記第1及び第2燃料の燃料使用量を含む蒸気の発生に使用される総燃料使用量に基づき蒸気の発生に使用される総燃料費を求め、前記流体使用設備における総蒸気発生量を前記総燃料費で除算した蒸気発生コストと、を演算し、
    この監視結果と前記エネルギーバランスの演算結果とに基づいて前記流体使用設備の運転状態を最適化する流体使用設備管理方法。
  2. 前記流体使用設備の運転状態を現行状態から最適化した場合に得られる経済効果又は環境効果を試算する請求項1に記載の流体使用設備管理方法。
  3. 前記エネルギーバランスとして、前記蒸気使用設備における蒸気使用状況に基づいて演算される蒸気バランスも演算する請求項1又は2に記載の流体使用設備管理方法。
  4. 前記流体使用機器として、蒸気を使用して発電を行う発電機の作動状態も監視し、
    前記エネルギーバランスとして、前記流体使用設備における総蒸気発生量と前記発電機における発電量とに基づいて演算される熱電バランスも演算する請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体使用設備管理方法。
  5. 前記エネルギーバランスの演算結果は、演算した前記エネルギーバランスと過去のエネルギーバランス又は基準とするエネルギーバランスとを比較した比較情報を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体使用設備管理方法。
  6. 前記流体使用機器の作動状態及び前記ドレントラップの作動状態に加え、バルブの作動状態を監視し、
    前記監視結果は、前記バルブの作動状態を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体使用設備管理方法。
  7. 前記ドレントラップ及び前記バルブが配備された配管の配管レイアウト、並びに、前記ドレントラップ及び前記バルブの型式及び作動状態から構成されるドレン排出データベースを作成し、
    前記監視結果は、前記ドレン排出データベースの情報を含む請求項6に記載の流体使用設備管理方法。
  8. 前記ドレン排出データベースを前記監視結果に基づいて更新し、
    前記監視結果は、更新した前記ドレン排出データベースの情報を含む請求項7に記載の流体使用設備管理方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の流体使用設備管理方法を実施する流体使用設備管理システムであって、
    流体使用設備の各所に配置した検出器と、
    前記検出情報に基づき前記流体使用設備における流体使用機器の作動状態及びドレントラップの作動状態を監視する監視部と、前記流体使用設備におけるエネルギーバランスをシミュレートするシミュレート部とを備える管理手段とから構成される流体使用設備管理システム。
  10. 前記監視部は、前記流体使用機器の作動状態及び前記ドレントラップの作動状態に加え、バルブの作動状態を監視する請求項9に記載の流体使用設備管理システム。
  11. 前記管理手段は、前記ドレントラップ及び前記バルブが配備された流体配管の配管レイアウト、前記ドレントラップの型式、並びに、前記ドレントラップ及び前記バルブの作動状態から構成されるドレン排出データベースを記憶する記憶部を備える請求項10に記載の流体使用設備管理システム。
  12. 前記監視部は、前記ドレン排出データベースを前記監視結果に基づいて更新する請求項11に記載の流体使用設備管理システム。
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