JP2005182371A - 複数施設における統合エネルギー最適化方法 - Google Patents

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【課題】複数施設における統合エネルギー最適化方法を提供する。
【解決手段】各々の施設において、プラントの運転状態から用役系についての熱力学的厳密モデルに基づいた計算を行うことにより各プラントの最適運転条件を求める第1のステップと、複数の施設から、上記各最適運転条件を示す運転諸元の中から、統合エネルギーを最適化するために必要となる運転諸元を収集して、複数の施設における統合エネルギーを求めてこれが最適であるか否かを判断し、最適でない場合に新たな熱エネルギーの共有条件を作成する第2のステップと、このステップにおいて得られた新たな熱エネルギーの共有条件を、各施設にフィードバックする第3のステップとを備え、第3のステップにおいてフィードバックされた新たな熱エネルギーの共有条件に基づいて、第2のステップで得られた統合エネルギーが最適値に到達したと判断されるまで再度第1〜第3のステップを繰り返す。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱的なプラントを有する独立した複数の施設が設けられた広域地区において、上記施設間で蒸気等の熱エネルギーを共有する仕組みを運用しているときに、当該地区全体としての統合エネルギーを最適化する方法に関するものである。
工業団地のような広域開発地区には、各種の工場や発電設備等の様々な独立した施設が設けられている。また特に、石油精製コンビナート等の特定工業地区においては、原油備蓄基地に隣接して石油精製工場や石油化学工場等の多くの施設が設けられている。
ところで、これらの工場や発電設備等の施設は、必要となる蒸気や温水を発生するためのボイラや、このボイラとコンバインされて発電機を駆動するガスタービンといった複数の装置によって構成された熱的なプラントを有している。
そして、このような熱的なプラントを有する複数の施設においては、地域全体としての省エネルギー化および低コスト化の観点から、各々の施設の生産活動に共用な消耗的資源である蒸気や電力等の用役について、これらを共有する試みが行われている。
例えば、下記特許文献1には、この種の従来技術として、複数の企業体で構成されるコンビナートにおいて、共用的な消耗資源である窒素および/または酸素を共有化して、一括管理するためのコンビナートにおける用役共有管理システムが開示されている。
この用役共有管理システムは、各企業体の端末から入力された当該企業体が使用している窒素および/または酸素の使用量および今後の使用予定量の情報を共通のサーバへと送り、それぞれこのサーバ内の使用量記憶手段および使用予定量記憶手段に記憶させるとともに、これら使用量記憶手段および使用予定量記憶手段に記憶された情報を、上記窒素および/または酸素の供給装置を有する企業体などへ通知することにより、各企業体の窒素および/または酸素の使用量および使用予定量から、コンビナート全体の必要量を求めるとともに、当該必要量を供給装置から各企業体に供給できるように管理したものである。
特開2002−62929号公報
ところで、上記従来の用役共有管理システムは、予め各企業体が、窒素および/または酸素について、現在使用している量および今後使用する予定の量を共通のサーバに送り、これらの情報を関係企業体で共有したり、あるいは供給装置から各企業体に供給したりするものである。このため、複数施設間において共有する用役の総量を管理し、無駄を省くことは可能になるものの、これら複数施設の全体における総合的かつ統合的な省エネルギー化を図ることまではできない。
また、特に熱的なプラントを有する複数の施設が設けられた広域地区において、当該地区全体の省エネルギー化を図ろうとする場合には、エネルギー消費の観点から燃料や電力の総使用量を把握するとともに、これら燃料や電力の消費と密接な関係を有する蒸気や温水等の用役を企業間で共有して、その運転条件を管理することが重要である。しかしながら、これらの用役は、各企業体における生産活動、より具体的には各企業体が有するプラントの稼働と併行して変化するために、上記従来の用役共有管理システムによっては、これらを経時的に正確に把握して当該企業間で遣り取りすることは困難である。
他方、各々の工場については、その保有するプラントの用役系についての熱力学的厳密モデルを作成し、当該プラントの運転状態から上記厳密モデルに基づいて上記用役系に関する計算を行い、最適運転条件を求める各種のソフトウエアを用いた省エネルギー化システムが開発され、既に幾つかの施設で運用されている。
この種のシステムに用いられるソフトウエアとしては、例えば、英国のKBC Process Technology Ltdが開発したOptiSteamと呼ばれる(日本における商標登録は無し)ソフトウエアが知られている。
このソフトウエアは、汎用ソフトであるExcel(マイクロソフト社の登録商標)上にフローシートの形式で作成した各工場のプラントに対する厳密なシミュレーションモデルについて、熱力物性関数および熱力装置関数を用いて蒸気と水の流量バランスおよび各装置のエネルギーバランス等を計算し、その結果を上記フローシート上に表示するものである。そして、このような省エネルギー化システムによれば、各工場におけるプラントの最適運転条件を高い精度で求めることができる。
そこで、当該省エネルギー化システムを用いて、複数の工場を含めた全体の熱力学的厳密モデルを作成して、その最適運転条件を求めれば、複数の施設が設けられた広域地区において、用役の共有を含めた当該地区全体としての統合エネルギーの最適化を行うことができることになる。
しかしながら、このようなシステムを用いた複数施設における統合エネルギー最適化方法にあっては、別個の独立した企業体に属する複数の工場間において、プラントの操業状態や燃料使用量およびコスト等の企業情報が他の工場にも開示されてしまうために、各企業体としての機密性を保持することができず、よって実現性に乏しいという問題点がある。
加えて、複数の工場を含めた広域地区が1のシステムによって管理されているために、何等かの理由によって一工場の情報が途絶すると、システム全体が機能しなくなってしまうという問題点もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、プラントの運転状態の経時的な変化に対しても正確に対応することができ、よって高信頼性を得ることができるとともに、施設間の機密保持を確保することができ、かつ局所的なトラブルに対しても影響を受けることがない複数施設における統合エネルギー最適化方法を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の複数施設における統合エネルギー最適化方法は、熱的なプラントを有し、かつ相互間で熱エネルギーを共有する複数の施設における統合エネルギーを最適化する方法であって、各々の施設において、当該施設におけるプラントの運転状態から、用役系についての熱力学的厳密モデルに基づいた計算を行うことにより当該施設における上記プラントの最適運転条件を求める第1のステップと、複数の上記施設から第1のステップで得られた個々の最適運転条件を示す運転諸元の中から、上記統合エネルギーを最適化するために必要となる運転諸元を収集し、複数の施設における統合エネルギーを求めて当該統合エネルギーが最適であるか否かを判断し、最適でない場合に新たな上記熱エネルギーの共有条件を作成する第2のステップと、第2のステップにおいて得られた新たな熱エネルギーの共有条件を、各施設にフィードバックする第3のステップと、第3のステップにおいて各々の施設にフィードバックされた新たな熱エネルギーの共有条件に基づいて、再度第1〜第3のステップを第2のステップにおいて得られた統合エネルギーが最適値に到達したと判断されるまで繰り返すことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の施設の相互間で共有する上記熱エネルギーが、例えば蒸気や温水のように、その熱媒体が上記複数の施設間を配管によって移送可能なものであることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記第2のステップにおいて統合エネルギーの最適化に必要となる上記運転諸元は、少なくとも燃料使用量、電力使用量およびそのコストであることを特徴とするものである。
なお、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、施設とは、複数の装置によって構成された熱的なプラントを有する工場、発電所、大規模な貯蔵基地、集合住宅等の総称である。
また、統合エネルギーの最適化とは、上記複数施設から収集された運転諸元から、これら複数施設の熱的プラントのエネルギー消費量(燃料使用量、電力使用量を、例えば原油換算した量)、CO2 排出量、エネルギーコストの1つあるいは複数に重みを付けて合算したものを求め、これが最適解(全体として最小値)となるようにすることをいう。
以上説明したように、請求項1〜3のいずれかに記載の本発明に係る統合エネルギー最適化方法によれば、各々の施設における最適運転条件を求めるための第1のステップにおいて、各プラントの運転状態から用役系についての熱力学的厳密モデルに基づいた計算を行っているので、経時的に変化する非常に広い運転条件においても、大きな誤差を生じることなく高い信頼性を得ることができるとともに、複数の施設における統合的なエネルギーの最適化を行う第2のステップS2においては、第1のステップで得られた運転諸元の中から、統合エネルギーの最適化に必要となる運転諸元のみを収集しているので、個々の施設における機密保持が可能となる。
さらに、各施設毎の最適運転条件を求める第1のステップと、これによって得られた諸元のうちから統合エネルギーを最適化するために必要となる運転諸元のみを抽出して複数施設における統合エネルギーを求め、これが最適であるか否かを判断し、最適でない場合に新たな上記熱エネルギーの共有条件を作成する第2のステップとの二階層構造を採用しているので、新たな施設が熱エネルギーの共有に参加する場合においても、その都度当該施設に上記第1のステップを実行するための用役系厳密モデルを追加作成し、同様にして得られた上記運転諸元のみを第2のステップの送ればよいために、拡張性に優れる。
また、万一、故障等の何等かの理由によって一の施設からの第1のステップの情報が途絶した場合においても、その影響を受けることなく、残る他の施設について第2のステップを実行することにより上記他の工場についての統合エネルギーの最適化を行うことができるために、いわゆるリスク分散性の観点からも優れた効果を奏する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の複数施設における統合エネルギー最適化方法の一実施形態について説明する。
図1に示すように、この統合エネルギー最適化方法は、それぞれボイラ10a、11aやガスタービン10b、11b等の複数の装置によって構成された熱的なプラント(スチームシステム)10、11を有する石油精製工場や石油化学工場等の複数(本実施形態では2つ)の工場(施設)1、2において、相互間で熱エネルギー、例えば温水V1および蒸気V2を共有する際の、両工場1、2における統合エネルギーを最適化するための方法である。
この統合エネルギー最適化方法は、各々の工場1、2において、上述した各プラント10、11の用役系についての熱力学的厳密モデルを作成し、その運転状態から上記厳密モデルに基づいて上記用役系に関する計算を行ってプラント10、11の最適運転条件を求める第1のステップS1と、この第1のステップS1で得られた個々のプラント10、11の最適運転条件を示す運転諸元の中から、工場1、2における統合エネルギーを最適化するために必要となる運転諸元を収集して、エネルギー消費量およびコストに重みを付けた工場1、2における統合エネルギーを求め、これが最適であるか否かを判断して、最適でない場合に新たな温水V1および蒸気V2の共有条件を作成する第2のステップS2と、この第2のステップS2において得られた新たな温水V1および蒸気V2の共有条件を、各工場1、2にフィードバックする第3のステップS3とから概略構成されたものである。そして、この第3のステップにおいて各々の工場1、2にフィードバックされた新たな温水V1および蒸気V2の共有条件に基づいて、再度上記第1〜第3のステップS1〜S3を第2のステップS2において得られた統合エネルギーが最適値に到達したと判断されるまで繰り返すものである。
先ず、上記第1のステップS1には、例えば、上述したOptiSteamと呼ばれるソフトウエアを使用することができる。
このソフトウエアは、各企業に設けられたコンピュータ12、13上において、上記Excel上に各工場1、2のプラント10、11に対する厳密なシミュレーションモデルをフローシートの形式で作成する。この際に、上記ボイラ10a、11aやガスタービン10b、11b等の主要な装置における効率などの性能スペックデータ、燃料や電力等の単価、電力契約上の制約条件等の初期条件を入力しておく。また、両工場1、2において共有する温水V1および蒸気V2の量を、初期条件V1(1)、V2(1)として設定しておく。
そして、上記シミュレーションモデルに対して、実際のプラント10、11の運転状態から分散型制御システムによって収集された運転データ、例えばボイラ蒸気の温度、圧力等の蒸気発生条件、タービン通気量および発電量、各蒸気ヘッダー毎のプラントへの送気量等の運転データや、ガスタービンの発電効率等のデータがコンピュータ12、13に入力される。
すると、上記ソフトウエアにおいて、主要装置の熱力計算、すなわちボイラ10a、11aやガスタービン10b、11bの燃料使用量、蒸気ヘッダにおける圧力、温度からその収支、蒸気タービンの出力、脱気に必要な蒸気量、減温に必要な水量、各種熱交換器における収支等を計算する。そしてさらに、これらから蒸気バランス、電力バランス、燃料バランスなどを計算し、工場1、2の全体における蒸気供給のコントロール機能の構築、電力コストの計算、燃料配分のコントロールなどを行うことにより、各々の工場1、2におけるプラント10、11の最適運転条件と本実施形態で必要となる各工場1、2における燃料使用量、電力使用量およびコストを求める。
次いで、この第1のステップS1において、プラント10,11の運転状態から熱力学的厳密モデルに基づいて、得られた各工場1、2の最適運転条件のうち、温水V1および蒸気V2を共有することによって工場1および工場2の統合エネルギーを最適化するのに必要となる運転諸元、本実施形態においては、燃料使用量、電力使用量およびコストを、通信ネットワークを介して共通のコンピュータ15へと送る。
このコンピュータ15には、コンピュータ12,13と同様なソフトウエアが組み込まれており、不等号および統合制約付き非線形最適化アルゴリズムを用いた最適化ソフトが組み込まれており、後述するように、上記2つの工場1、2間で共有する温水V1および蒸気V2の量、並びにこれら工場1、2から送られてくる上記燃料使用量、電力使用量およびコストに基づいて、エネルギー消費量およびコストに重みを付けた統合エネルギーを求め、温水V1および蒸気V2の共有条件が最適であるか否かを判断して、最適でない場合に新たな温水V1および蒸気V2の共有条件を作成する(第2のステップS2)。
この第2のステップS2を具体的に説明すると、先ず、共有している温水V1および蒸気V2の量の初期条件V1(1)、V2(1)下において、上記第1のステップS1で得られた工場1、2における燃料使用量F1(1)、F2(1)、電力使用量P1(1)、P2(1)およびコストC1(1)、C2(1)を共通のコンピュータ15へと送る。すると、上記コンピュータ15において、初期条件V1(1)、V2(1)下における総エネルギー消費量Et(1)=F1(1)+F2(1)+P1(1)+P2(1)、および総コストCt(1)=C1(1)+C2(1)を算出する。
次いで、共有量を少し変化させたV1(2)、V2(2)の条件下において、各々の工場1、2において上記第lのステップS1を実行し、得られた燃料使用量F1(2)、F2(2)、電力使用量P1(2)、P2(2)およびコストC1(2)、C2(2)を、同様に共通のコンピュータ15へと送る。そして、このコンピュータ15において、条件V1(2)、V2(2)下における総エネルギー消費量Et(2)=F1(2)+F2(2)+P1(2)+P2(2)、および総コストCt(2)=C1(2)+C2(2)を算出する。
次に、コンピュータ15に組み込まれた上記最適化ソフトが、図2に示すように、これら2点[Et(1)、Ct(1)]、[Et(2)、Ct(2)]から、どのような方向に温水V1および蒸気V2の共有量V1、V2を変化させて行けば、総エネルギー消費量Etまたは総コストCtを最小にすることができるかを判断し、当該方向に少し変化させた共有量V1(3)、V2(3)を算出する。
そして、これら共有量V1(3)、V2(3)の条件を、各工場1、2にフィードバックすることにより、当該共有量V1(3)、V2(3)の条件下における上記第1のステップS1を実行し、得られた結果から、上記第2のステップS2において、同様に総エネルギー消費量Et(3)および総コストCt(3)を算出する。
上記手順を、ステップS2において最適解(全体としての最小値)に到達したと判断されるまで繰り返して実行する。すなわち、図2に示されるように、最適化すべき対象が総エネルギー消費量Etである場合には、最終的にコストの制約Crを加味した上記工場1、2における合算的な最適エネルギー量EtのポイントXeを導出し、これを達成するための共有量V1(n)、V2(n)を各々の工場1、2における操業の目標としてフィードバックする。また、最適化すべき対象が総コストCtである場合には、最終的にエネルギー消費量の制約Erを加味した上記工場1、2における合算的な最終コストCtのポイントXcを導出し、これを達成するための共有量V1(n)、V2(n)を各々の工場1、2における操業の目標としてフィードバックする。
さらに、最適化すべき対象が総エネルギー消費量Etと総コストCtとの両方である場合には、両者に重み付けをして合算した値(=α×Et+β×Ct)が最小となるポイントXtを導出し、これを達成するための共有量V1(n)、V2(n)を各々の工場1、2における操業の目標としてフィードバックする(第3のステップ)。
そして、各工場1、2において、これを参考にして、相互にV1(n)の量の温水V1およびV2(n)の量の蒸気V2を遣り取りする(第4のステップS4)。
次いで、一定時間毎に、実際のプラント10、11の運転状態から分散型制御システムによって収集された運転データに基づいて、上記第1〜第4のステップが実行されることにより、経時的に2つの工場1、2間における最適な共有用役用V1(n)、V2(n)が決定される。したがって、これら温水V1および蒸気V2を、逐次フィードバックされる最適量V1(n)、V2(n)に基づいて相互に遣り取りすることにより、2つの工場1、2における統合エネルギーの最適化が達成される。
このように、以上の構成からなる統合エネルギー最適化方法によれば、第1のステップS1において、個々の工場1、2におけるプラント10、11の運転状態から、用役系についての熱力学的厳密モデルに基づいた計算を行うことによりこれら工場1、2におけるプラント10、11の最適運転条件を求めているので、経時的に変化する非常に広い運転条件においても、大きな誤差を生じることなく高い信頼性を得ることができる。
また、工場1、2における統合的なエネルギーの最適化を行う第2のステップS2においては、第1のステップS1で得られた個々の上記最適運転条件を示す運転諸元の中から、両工場1、2における統合エネルギーを最適化するために必要となる燃料使用量F1、F2、電力使用量P1、P2およびコストC1、C2のみを収集して、これら工場1、2における統合エネルギーを求めているので、第lのステップS1で用役系の熱力学的厳密モデルによって得られた一方の工場1(2)における運転諸元が、他方の工場2(1)に開示されることはなく、よって各工場1、2における企業体としての機密保持が可能となる。
さらに、この統合エネルギー最適化方法においては、各工場1、2毎の最適運転条件を求める第1のステップと、これによって得られた運転諸元のうちから統合エネルギーの最適化に必要となる燃料使用量F1、F2、電力使用量P1、P2およびコストC1、C2のみを抽出して工場1、2において統合エネルギーを求め、上記温水V1および蒸気V2の共有条件が最適であるか否かを判断し、最適でない場合に新たな上記温水V1および蒸気V2の共有条件を作成する第2のステップS2との、いわゆる二階層構造を採用している。このため、同一の広域地区内における他の施設が、新たに工場1、2とともに温水V1および/または蒸気V2の共有に参加する場合においても、その都度当該施設に上記第1のステップS1を実行するための用役系厳密モデルを追加作成し、同様にして得られた燃料使用量F等の運転諸元の情報のみを上記コンピュータ15に送ればよく、拡張性に優れる。
加えて、上述した二階層構造を採用した結果、万一、故障等の何等かの理由によって一の工場からの第1のステップS1の情報が途絶した場合においても、その影響を受けることなく、第2のステップS2において、残る他の工場についての統合エネルギーの最適化を行うことができるために、いわゆるリスク分散性の観点からも優れた効果を奏する。
なお、上述した実施の形態においては、2つの工場1、2における統合エネルギー最適化方法について説明したが、これに限るものではなく、3以上の工場についても同様に適用することが可能である。また、本発明は、石油精製工場や石油化学工場等の工場1、2に限定されるものではなく、他の発電所、大規模な貯蔵基地、集合住宅等の複数の装置によって構成された熱的なプラントを有する各種の施設に対しても同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施の形態においては、第2のステップS2において、統合エネルギーに最適化を行う際に、エネルギー消費量およびコストに重みを付けた目的関数に対して、これを最適化する判断を行った場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、これらに代えて、あるいはこれらに加えて、エネルギー消費量から算出できるCO2 排出量等の要件に重みを付けた目的関数に対して、これを最適化するようにしてもよい。
さらに上記実施の形態では、2つの工場1、2間において、熱エネルギーとして温水V1および蒸気V2を共有する場合についてのみ説明したが、複数の施設間で共有することによりこれら複数施設における統合エネルギーの最適化に寄与する熱エネルギーであれば、例えば各種の化石燃料や電力等の熱エネルギーを共有する場合についても、同様に適用することができる。
また、プラント10、11の用役系についての熱力学的厳密モデルを作成して第1のステップS1を実行するソフトウエアとしても、上述したOptiSteamに限らず、各種のこの種のソフトウエアを使用することが可能である。
本発明の複数施設における統合エネルギー最適化方法の一実施形態を説明するための模式図である。 第2のステップにおける最適解を導出するための演算手法のイメージ図である。
符号の説明
1、2 工場(施設)
10、11 プラント
12,13,15 コンピュータ
S1 第1のステップ
S2 第2のステップ
S3 第3のステップ
S4 第4のステップ
V1 温水(熱エネルギー)
V2 蒸気(熱エネルギー)

Claims (3)

  1. 熱的なプラントを有し、かつ相互間で熱エネルギーを共有する複数の施設における統合エネルギーを最適化する方法であって、
    各々の上記施設において、当該施設における上記プラントの運転状態から、用役系についての熱力学的厳密モデルに基づいた計算を行うことにより当該施設における上記プラントの最適運転条件を求める第1のステップと、
    複数の上記施設から、上記第1のステップで得られた個々の上記最適運転条件を示す運転諸元の中から、上記統合エネルギーを最適化するために必要となる運転諸元を収集し、複数の上記施設における統合エネルギーを求めて当該統合エネルギーが最適であるか否かを判断し、最適でない場合に新たな上記熱エネルギーの共有条件を作成する第2のステップと、
    上記第2のステップにおいて得られた新たな上記熱エネルギーの共有条件を、各施設にフィードバックする第3のステップと、
    上記第3のステップにおいて各々の上記施設にフィードバックされた上記新たな熱エネルギーの共有条件に基づいて、再度上記第1〜第3のステップを上記第2のステップにおいて得られた上記統合エネルギーが最適値に到達したと判断されるまで繰り返すことを特徴とする複数施設における統合エネルギー最適化方法。
  2. 上記施設の相互間で共有する上記熱エネルギーは、その熱媒体が上記複数の施設間を配管によって移送可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の複数施設における統合エネルギー最適化方法。
  3. 上記第2のステップにおいて統合エネルギーの最適化に必要となる上記運転諸元は、少なくとも燃料使用量、電力使用量およびそのコストであることを特徴とする請求項1または2に記載の複数施設における統合エネルギー最適化方法。
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