JP5946280B2 - ロータリエンコーダ - Google Patents
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Description
一方で、ロータリエンコーダに、回転軸の軸方向の変位を検出するための専用のセンサ等を組み込むこととすれば、構成が複雑化し、ロータリエンコーダの大型化や高コスト化などを招くこととなる。
そこで、本発明は、ロータリエンコーダにおいて、回転軸の軸方向の変位を簡易な構成によって測定可能とすることを課題とする。
ここで、このようなロータリエンコーダには、さらに、前記シャフトに当該シャフトの軸方向の力が加わらない状態において、当該シャフトの当該シャフトの軸方向の位置が所定の中立位置に維持されるように、当該シャフトを当該シャフトの軸方向に付勢する付勢部材を備えるようにしてもよい。
図1aに、本実施形態に係るロータリエンコーダの外観を示す。
図示するようにロータリエンコーダは、本体部2と、本体部2から一端が突出するように本体部2に回転自在に支持されたシャフト1とを備えた装置である。
そして、ロータリエンコーダは、測定対象となる回転体に連結または押しつけられることにより当該回転体の回転に追従して回転するシャフト1の回転角度や回転速度や、シャフト1の軸方向の変位を測定するものである。
次に、図1bにロータリエンコーダの内部構成を示す。
図1bは、シャフト1の軸を通る平面によるロータリエンコーダの断面を表すものである。
図示するように、ロータリエンコーダの本体部2は、フレーム21、フレーム21に対してシャフト1の軸方向に滑動可能に組み込まれた可動ステージ22、可動ステージ22に固定されたベアリング23、可動ステージ22のシャフト1の軸方向についての両側に配置された二つのコイルバネ24、エンコーダ25、演算装置26を備えている。
また、可動ステージ22は、二つのバネによりシャフト1の軸方向について両側から反対方向に付勢されており、この二つのバネから加わる力によって、シャフト1からベアリング23を介してシャフト1の軸方向の力が加わっていないときには、所定の中立位置に、その位置が維持される。
次に、シャフト1の本体部2内側の端には永久磁石3が固定されている。そして、シャフト1と共に回転する永久磁石3のシャフト1の軸廻りの回転角と、永久磁石3のシャフト1の軸方向の変位とに応じた値をとる検出信号をエンコーダ25は出力し、演算装置26は、この検出信号を用いてシャフト1の回転角度や回転速度やシャフト1の軸方向の変位を算出する。
図示するように、エンコーダ25は、A1、A2、B1、B2の4つの磁界検出素子251と、A相減算器252と、B相減算器253を備えている。
4つの磁界検出素子251は、シャフト1の回転中心を中心とする、シャフト1の軸方向と垂直な方向を径方向とする円上に配列されている。また、A1の磁界検出素子251とA2の磁界検出素子251とは180度(π)異なる位相で円上に配置され、B1の磁界検出素子251とB2の磁界検出素子251とは180度(π)異なる位相で円上に配置され、A1の磁界検出素子251とB1の磁界検出素子251とは90度(π/2)異なる位相で円上に配置されている。
また、A相減算器252は、A1の磁界検出素子251の出力からA2の磁界検出素子251の出力を減算した信号をA相検出信号VAとして出力し、B相減算器253は、B1の磁界検出素子251の出力からB2の磁界検出素子251の出力を減算した信号をB相検出信号VBとして出力する。
したがって、シャフト1の回転に伴う永久磁石3の回転によって各磁界検出素子251に加わる磁界強度は増減し、図3aに示すように、シャフト1の回転角度を横軸にとって各検出信号を表すとA相検出信号VAはサイン波、B相検出信号VBはコサイン波となる。すなわち、A相検出信号VAとB相検出信号VBとは、シャフト1の回転角度を引数とする周期関数によって表される信号となる。
回転角度/速度算出部261は、A相検出信号VAとB相検出信号VBの、これら信号を表す、シャフト1の回転角度を引数とする周期関数上の位相よりシャフト1の回転角度として求めると共に、求めた回転角度の変化から回転速度を算出する。
より具体的には、回転角度/速度算出部261は、arctan(VA/VB)により、シャフト1の回転角度として求めると共に、求めた回転角度の変化から回転速度を算出する。
一方、変位算出部262は、A相検出信号VAやB相検出信号VBの振幅の大きさから、シャフト1の中立位置(可動ステージ22が中立位置にあるときのシャフト1の位置)からの軸方向の変位を求める。より具体的には、たとえば、A相検出信号VAやB相検出信号VBの振幅の大きさと変位との対応関係を予め実験的に求めて記憶しておき、記憶しておいた対応関係に従って、A相検出信号VAやB相検出信号VBの振幅の大きさより変位を算出する。
ところで、以上の実施形態は、変位算出部262において、算出したシャフト1の中立位置からの軸方向の変位量を表示したり、算出したシャフト1の変位の変化より求まるシャフト1の軸方向の振動の大きさや周波数を算出したり、算出したシャフト1の中立位置からの軸方向の変位量が所定の値より大きい場合に警告を出力する処理などを行うように構成してもよい。
Claims (3)
- シャフトの回転を検出するロータリエンコーダであって、
前記シャフトを、当該シャフトの軸廻りに回動可能かつ、当該シャフトの軸方向に移動可能に支持する支持体と、
前記シャフトの一端に固定された永久磁石と、
前記シャフトの軸方向に前記永久磁石と離間して当該永久磁石と対向するように配置された、前記支持体に対して固定された複数の磁界検出素子を備えたエンコーダと、
回転算出部と、
変位算出部とを有し、
前記エンコーダは、前記複数の磁界検出素子の出力から、当該エンコーダに前記永久磁石から加わる磁界の強さに応じた振幅を有する、前記永久磁石の前記シャフトの軸廻りの回転角を引数とする周期関数で表される検出信号を生成し出力し、
前記回転算出部は、前記検出信号の位相に基づいて前記シャフトの、当該シャフトの軸廻りの回転角を算出し、
前記変位算出部は、前記検出信号の振幅の大きさに基づいて前記シャフトの、当該シャフトの軸方向の変位を算出することを特徴とするロータリエンコーダ。 - 請求項1記載のロータリエンコーダであって、
前記シャフトに当該シャフトの軸方向の力が加わらない状態において、当該シャフトの当該シャフトの軸方向の位置が所定の中立位置に維持されるように、当該シャフトを当該シャフトの軸方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とするロータリエンコーダ。 - 請求項2記載のロータリエンコーダであって、
前記変位算出部が算出した変位と前記付勢部材のバネ定数に基づいて、前記シャフトに当該シャフトの軸方向に加わる力の大きさを算出する力算出部を有することを特徴とするロータリエンコーダ。
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