JP3700511B2 - 変位量測定方法及び電磁駆動吸排気弁装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸排気弁を電磁的に駆動する電磁駆動吸排気弁装置とその可動子の変位を測定する変位量測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の吸排気バルブを現在主流であるカム駆動に変えて電動で駆動する構成が提案されている。吸排気バルブを電動駆動する構成によれば、カムシャフト等の回転機構を省略することができると共に、バルブタイミングの変更が容易であることから、内燃機関の運転状態に応じた理想的な開閉弁タイミングを任意に設定可能となり、出力特性、及び燃費特性を改善することが可能となる。
【0003】
そして、吸排気バルブの電動駆動装置としては電磁石を用いた電磁アクチュエータによる構成が提案されている。この電磁駆動吸排気弁装置の構成は、例えば特開平7−224624号公報に開示されている。この構成のアクチュエータにおいては、可動部をバルブの開弁方向に付勢するスプリングと可動部を閉弁方向に付勢するスプリングの2つのスプリングを有し、さらに可動部をそれぞれバルブの開弁方向と閉弁方向とに吸引する2つの電磁石を有している。
【0004】
この場合、可動部とバルブからなる可動系は、電磁石に電流が流れていない場合には2つのスプリングのバネ力により、2つの電磁石の吸引面からそれぞれ所定の位置だけ離間した中立位置に保持され、また開弁側または閉弁側のどちらか一方の電磁石に電流が通電すると、その際に生じる電磁吸引力により、吸引力がスプリングのばね力に打ち勝って一方の電磁石側に引き寄せられることになる。
【0005】
この状態で電磁石の電流を遮断すると、今度はスプリングのばね力により可動系は中立位置を一旦通過して他方の電磁石に接近する。このとき他方の電磁石に電流を流しておくと可動系は他方の電磁石に吸引される。
【0006】
このようにして2つの電磁石の電流の通電、遮断動作に従って可動部を所定の変位幅だけ変位させることを可能にしており、この変位を利用してバルブの開弁状態と閉弁状態とを切り替えている。
【0007】
このような電磁駆動吸排気弁装置において、電磁石電流の通電・遮断のみの制御では、可動子または弁体が変位端に高速度で衝突するため、大きい騒音・振動を発したり、衝突の衝撃による可動子や弁体の磨耗が激しくなり、また衝撃に耐えるように電磁駆動吸排気弁装置を強固な構造としなければならない。
【0008】
このため、可動子または弁体の変位量を検出する変位量検出手段を設け、検出された変位量に応じて電磁石の通電電流の大きさを制御し、変位端における衝突速度を低下させてソフトランディングさせる技術が不可欠である。
【0009】
このような変位量検出装置として、特開平7−224624号公報記載の技術が知られている。この技術によれば、電磁石の駆動コイルの内周部に変位検出用コイルを設け、その自己インダクタンスの変化によって弁体の変位量を検出していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の変位量検出装置においては、弁軸または弁軸と一体となって滑動する可動子の軸に傾きや曲がりがあると、磁界の対称性が崩れ、変位量測定値に許容できない誤差が生じるという問題点があった。
【0011】
上記電磁駆動吸排気弁装置は、コイルスプリングを用いているため、コイルスプリングの圧縮、伸長に伴う回転力が弁軸または可動子に働き、上記誤差が機関回転数に従って周期的に変動するという問題点があった。
【0012】
これらの問題点は、弁軸または可動子の軸部材の傾きや曲がりに起因し、上記検出用コイルの自己インダクタンスにより変位を検出する装置に限らず、例えば、可動部または固定部の一方に設けられた磁石と、他方に設けられた磁気検出素子により変位量を検出する装置、渦電流式の変位量検出装置等においても共通の問題点である。
【0013】
以上の問題点に鑑み本発明の課題は、可動子軸または弁軸に曲がりや倒れがあっても可動子の変位量又はバルブリフト量を正確に補正または制御できる変位量検出方法及び電磁駆動吸排気弁装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値を前記可動子が一方の変位端へ到達する毎に少なくとも2回記憶し、これら記憶された変位検出信号の値を参照して前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを要旨とする。
【0015】
上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号の最大値、最小値及び変動周期を参照して前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを要旨とする。
【0016】
上記目的を達成するため請求項3記載の発明は、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数に基づいて前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを要旨とする。
【0017】
上記目的を達成するため請求項4記載の発明は、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数、前記記憶された前回値、及び前々回値に基づいて前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを要旨とする。
【0018】
上記目的を達成するため請求項5記載の発明は、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数に基づく前回の推定値と前回の検出値との差分に応じて、前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを要旨とする。
【0019】
上記目的を達成するため請求項6記載の発明は、内燃機関の吸気弁又は排気弁を電磁的に駆動する電磁駆動吸排気弁装置であって、前記吸気弁又は排気弁の弁軸と一体となって移動可能な可動子と、該可動子を駆動して一方の変位端と他方の変位端との間を移動させる少なくとも1つの駆動コイルと、前記可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段と、前記可動子の変位を検出して変位検出信号を出力する変位検出手段と、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値を前記可動子が一方の変位端へ到達する毎に記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された変位検出信号の値を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正する補正手段と、前記補正手段により補正された変位量または変位制御目標値に応じて前記駆動コイルの電流を制御する電流制御手段と、を備えたことを要旨とする。
【0020】
上記目的を達成するため請求項7記載の発明は、請求項6記載の電磁駆動吸排気弁装置において、前記補正手段は、前記記憶手段に記憶された変位検出信号の最大値、最小値及び変動周期を参照して前記可動子の変位量または変位制御目標値を補正することを要旨とする。
【0021】
上記目的を達成するため請求項8記載の発明は、請求項6記載の電磁駆動吸排気弁装置において、前記補正手段は、前記記憶手段に記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正することを要旨とする。
【0022】
上記目的を達成するため請求項9記載の発明は、請求項8記載の電磁駆動吸排気弁装置において、前記補正手段は、前記近似正弦関数と、前記記憶手段に記憶された前回値、及び前々回値を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正することを要旨とする。
【0023】
上記目的を達成するため請求項10記載の発明は、請求項8記載の電磁駆動吸排気弁装置において、前記補正手段は、前記近似正弦関数から求められた前回の推定値と前回の検出値との差分を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正することを要旨とする。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値を前記可動子が一方の変位端へ到達する毎に少なくとも2回記憶し、これら記憶された変位検出信号の値を参照して前記可動子の変位量または制御目標値を補正するようにしたので、過去の変位検出信号値を外挿して変位検出信号値の補正または制御目標値の補正を行うことができ、変位検出信号の誤差が時間的、又は一方の変位端に達する毎に変化する場合でも可動子の変位量を正確に制御することができるという効果がある。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号の最大値、最小値及び変動周期を参照して前記可動子の変位量または制御目標値を補正するようにしたので、過去の変位検出信号値に基づいて変位検出信号値の補正または制御目標値の補正を行うことができ、変位検出信号の誤差が周期的に変化する場合でも可動子の変位量を正確に制御することができるという効果がある。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数に基づいて前記可動子の変位量または制御目標値を補正するようにしたので、周期的変動の大部分を占める正弦関数的誤差変動を更に正確に補正することができるという効果がある。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数、前記記憶された前回値、及び前々回値に基づいて前記可動子の変位量または制御目標値を補正するようにしたので、周期的な変位量誤差に時間軸方向の変動が生じても近似正弦関数を前回値と前々回値とに当てはめて、今回の変位における変位量誤差を算出することができるので、更に正確に可動子の変位量または制御目標値を補正することができるという効果がある。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数に基づく前回の推定値と前回の検出値との差分に応じて、前記可動子の変位量または制御目標値を補正するようにしたので、周期的な変位量誤差に変位量方向の変動が生じても近似正弦関数を前回値と前々回値とに当てはめて、今回の変位における変位量誤差を算出することができるので、更に正確に可動子の変位量または制御目標値を補正することができるという効果がある。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、内燃機関の吸気弁又は排気弁を電磁的に駆動する電磁駆動吸排気弁装置において、前記吸気弁又は排気弁の弁軸と一体となって移動可能な可動子の変位を変位検出手段により検出し、この可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値を前記可動子が一方の変位端へ到達する毎に記憶手段に記憶し、この記憶手段に記憶された変位検出信号の値を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正手段により補正し、この補正手段により補正された変位量または変位制御目標値に応じて駆動コイルの電流を電流制御手段により制御するようにしたので、過去の変位検出信号値を外挿して変位検出信号値の補正または制御目標値の補正を行うことができ、変位検出信号の誤差が時間的、又は一方の変位端に達する毎に変化する場合でも可動子の変位量またはバルブリフト量を正確に制御することができるという効果がある。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の発明の効果に加えて、前記補正手段は、前記記憶手段に記憶された変位検出信号の最大値、最小値及び変動周期を参照して前記可動子の変位量または変位制御目標値を補正するようにしたので、過去の変位検出信号値に基づいて変位検出信号値の補正または制御目標値の補正を行うことができ、変位検出信号の誤差が周期的に変化する場合でも可動子の変位量またはバルブリフト量を正確に制御することができるという効果がある。
【0031】
請求項8記載の発明によれば、請求項6記載の発明の効果に加えて、前記補正手段は、前記記憶手段に記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正するようにしたので、周期的変動の大部分を占める正弦関数的誤差変動に対して、可動子の変位量またはバルブリフト量を正確に制御することができるという効果がある。
【0032】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の発明の効果に加えて、前記補正手段は、前記近似正弦関数と、前記記憶手段に記憶された前回値、及び前々回値を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正するようにしたので、周期的な変位量誤差に時間軸方向の変動が生じても近似正弦関数を前回値と前々回値とに当てはめて、今回の変位における変位量誤差を算出することができるので、更に正確に可動子の変位量またはバルブリフト量を制御することができるという効果がある。
【0033】
請求項10記載の発明によれば、請求項8記載の発明の効果に加えて、前記補正手段は、前記近似正弦関数から求められた前回の推定値と前回の検出値との差分を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正するようにしたので、周期的な変位量誤差に変位量方向の変動が生じても近似正弦関数を前回値と前々回値とに当てはめて、今回の変位における変位量誤差を算出することができるので、更に正確に可動子の変位量または制御目標値を補正することができるという効果がある。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図3は、本実施形態に用いられる電磁駆動吸排気弁の詳細を示す縦断面図である。図3において、電磁駆動吸排気弁は、バルブ27、バルブリテーナ31、付勢手段としての閉弁側のコイルスプリングであるバルブスプリング26、筐体32、33、34、閉弁側電磁石23、開弁側電磁石25、可動子24、可動子24を電磁石23、25間に滑動可能に支持するシャフト35、スプリングシート36、付勢手段としての開弁側コイルスプリングである上側スプリング22、スプリングカバー37、変位量センサ21を備えている。
【0035】
バルブ27のバルブステム27aは、シリンダヘッド30に埋め込まれた円筒形のバルブガイド30aの内部を上下に摺動可能になっている。またバルブステム27aの上端部にはバルブリテーナ31が固定されている。バルブリテーナ31とシリンダヘッド30との間にはバルブスプリング26が圧縮されて装着されており、このためバルブ27はシリンダヘッド30のポート28を閉じる方向(閉弁方向)に付勢されることになる。
【0036】
シリンダヘッド30には装置の筐体である32、33、34が固定されている。筐体内には電磁石23および25が設けられている。電磁石23および25は直接筐体34および32に固定されて設置されている。
【0037】
電磁石23、25にはそれぞれ電磁コイル23a、25aが設けられており、各電磁コイル23a、25aには図外の制御部より駆動電流が供給され、可動子24に対して吸引力を発生することになる。
【0038】
電磁石23および25の中心部には、バルブステム27aに連接されたシャフト35が弁軸方向に摺動可能なように設置されている。シャフト35の中間部分には軟磁性体からなる可動子24が固着されている。
【0039】
また、シャフト35のシリンダヘッド30と反対側の端部にはスプリングシート36が固定されており、筐体に固定されたスプリングカバー37との間に圧縮されて設置されたコイルバネである上側スプリング22の作用により、シャフト35は開弁方向に付勢されている。
【0040】
シャフト35はバルブステム27aと同軸上に連設されており、そのためシャフト35に開弁方向(図の下向き)の力が作用した場合には、シャフト35がバルブ27を押して開弁し、逆にシャフト35が閉弁方向(図の上向き)に移動した場合には、バルブ27はバルブシート30bに当接してポート28を塞ぐまで閉弁方向に変位することになる。
【0041】
可動子24とバルブ27とを含む可動系は、電磁石23、25に電流が流れていない場合には2つのスプリング22、26のバネ力により、2つの電磁石23、25の吸引面からそれぞれ所定の位置だけ離間した中立位置に保持されている。
【0042】
機関始動前の初期動作において、電磁石23と電磁石25とに交互に通電する。そして、可動部を共振させることにより徐々に可動部の振幅を増大させ、初期動作の最終段階で、例えば閉弁側の電磁石23に可動子24が吸引され、この吸引状態が保持される。
【0043】
初期動作後に機関始動が行われると、以後機関回転数及び負荷に応じて、開弁側電磁石25と閉弁側電磁石23とに交互に通電することにより、吸気弁及び排気弁を開閉することができる。これらの開閉タイミングは、従来のカム駆動とは異なり電気的に制御されるので、運転状態に合わせた最適かつ柔軟なタイミングを実現することができる。
【0044】
変位量センサ21は、可動子24の変位量を検出するためのセンサであり、例えば、シャフト35の上端部に固着された永久磁石39と、スプリングカバー37に固定された磁気電気変換素子としてのホール素子38からなる。そして、シャフト35と一体となって上下する永久磁石39の磁束をホール素子38が検出することにより、スプリングカバー37に対するシャフト35の相対位置、即ち可動子24の変位量を検出するものである。
【0045】
可動子24は、バルブ27がバルブシート30bに着座するまでは、バルブ27と一体となって変位するので、この間の可動子24の変位量はバルブリフト量を示すものとして取り扱うことができる。
【0046】
ところで、可動子24は、シャフト35によりスプリングシート36と固着されているので、コイルスプリングを用いた上側スプリング22の圧縮、伸長に応じて正、逆方向へ回転力を受ける。この回転力は、上側スプリング22が圧縮されるときは圧力が高いので回転量は少なく、伸張時には圧力が低いので回転量が多くなる。従って、機関の回転に伴うバルブ27の開閉、即ち可動子24の上下動毎に一方向へシャフト35が回転することとなる。そして、バルブ27の1回の開閉当たりの回転角度が一定とすると、シャフト35の回転速度は機関回転速度に比例することとなる。
【0047】
ここで、シャフト35に傾きや曲がりがあれば、シャフト35の上下方向の変位量が一定であっても、シャフト35の回転に応じて、変位量センサ21を構成する永久磁石39とホール素子38との距離が変化する。この距離の変化は、検出される磁界強度の変化なり、変位量測定値に誤差を生じる。そして、この誤差の値は、シャフトの回転速度を周波数とする正弦関数的な時間変化をすることとなる。
【0048】
本発明においては、この正弦関数的に時間変化する可動子24の変位量検出値を適切に補正することにより、電磁石23、25の電流値を制御して、可動子24及びバルブ27の変位端へのソフトランディングを実現することができる。
【0049】
尚、変位量センサとしては、上記磁気式センサのみならず、発光ダイオードまたはレーザダイオードが発する光を可動部に照射して、可動部からの反射光の角度を測定することにより、間接的に可動部の位置を検出する光学式変位量センサを用いても良い。
【0050】
図1は、本発明に係る電磁駆動吸排気弁装置の実施形態の構成を示すシステム構成図であり、例えば、車両用4サイクルガソリンエンジンに電磁駆動吸排気弁装置を用いた場合の1弁のみを示している。また、図3において詳述した電磁駆動弁と同じ構成要素には同じ符号を付与している。
【0051】
電磁駆動吸排気弁装置1は、制御部2と、ポート28を開閉する吸気弁または排気弁であるバルブ27と、一定の間隔をもって固定された閉弁側電磁石23及び開弁側電磁石25と、電磁石23、25間を可動な磁性体の可動子24と、可動子24の変位量に応じた物理量を検出し電気信号に変換する変位量センサ21と、可動子24を開弁側に付勢する上側スプリング22と、バルブ27を閉弁側に付勢する下側スプリングであるバルブスプリング26とを備えている。
【0052】
また、図1において、制御部2は、変位量センサの検出信号に基づいて可動子24の変位量信号を出力する変位量検出部3と、クランク角センサ信号及びスロットルセンサ信号に基づいてバルブタイミングを生成するバルブタイミング生成部4と、バルブタイミング生成部4が生成したバルブタイミングに応じて可動子24の変位量及び/又は変位速度の制御目標値を生成する制御目標値生成部7と、変位量検出部3が出力する変位量信号が一定の期間ほぼ同じ値であれば可動子24が一方の変位端に到達したと判定する変位端判定部6と、変位端判定部6が一方の変位端と判定する毎に変位量信号を記憶する変位量記憶部5と、可動子24が変位端に到達する毎に変位量記憶部5に記憶された変位量信号に基づいてこれらの値の時間変化を近似する近似正弦関数を計算する近似正弦関数計算部9と、近似正弦関数計算部9が計算した近似正弦関数の値により変位量信号を補正する変位量補正部8と、制御目標値及び補正された変位量信号に基づいて電磁石23及び25の制御電流値を算出する制御電流演算部10と、算出された制御電流値に応じて図外の電磁石用電源から各電磁石23、25に通電する電流を制御するD級増幅回路またはパルス巾変調(PWM)回路であるパワーアンプ(PA)11、12とを備えている。
【0053】
変位量検出部3は、例えば、変位量センサ21が検出した可動子24のアナログ変位量をディジタル数値に変換するA/D変換機能を備えていて、以下の処理は、ディジタル処理により実現することが好ましい。
【0054】
バルブタイミング生成部4は、クランク角センサ信号及び図示しないアクセル開度センサ信号に基づいて、吸排気弁開閉のためのバルブタイミングを生成する。このタイミング生成には、例えば、機関回転速度とアクセル開度毎に複数のマップを予め記憶しておき、運転時の機関回転速度とアクセル開度に対応するマップからバルブタイミングを読み出して利用してもよいし、予め記憶した計算式に運転時の機関回転速度とアクセル開度とを代入して算出してもよい。
【0055】
制御目標値生成部7は、バルブタイミング生成部4が生成したバルブタイミングに基づいて、実時間またはクランク軸回転角度に対応するバルブリフト量、即ち可動子24の変位量を制御目標値として一定時間または一定クランク角毎に出力するものである。
【0056】
変位端判定部6は、変位量検出部3から出力されるディジタル変位量検出値が一定時間または一定クランク角の間、変位端における検出値の初期値とほぼ同じ値を示したとき、可動子24は一方の変位端に到達していると判定して、変位量記憶部5に対して記憶指示信号を出力する。
【0057】
変位量記憶部5は、変位量判定部6が出力する記憶指示信号毎に、変位量検出部3が出力するディジタル変位量信号を記憶する。このとき、実時間またはクランク角信号による時間情報を同時に記憶することが好ましい。
【0058】
近似正弦関数計算部9は、変位量記憶部5に記憶した複数の変位量記憶値から、例えば一定時間毎に、これら記憶値を近似する近似正弦関数の形を決定するパラメータを計算したり、この決定された近似正弦関数に実時間値またはクランク角値を代入して、可動子変位量の補正値を求めたり、今回の変位端における変位量測定値を予測するものである。
【0059】
図4は、可動子のアナログ変位量を縦軸、時間を横軸として誤差を誇張して表現したグラフである。
【0060】
図5は、図4において、変位量として大きい値が検出される一方の変位端における変位量を該変位端に到達する毎に記憶し、これら記憶値に基づく近似正弦関数を求める方法を説明する図である。図5中で、実線で示された曲線は、一方の変位端に可動子が到達する毎に変位量記憶部5に記憶された記憶値に基づいて、近似正弦関数計算部で決定された近似正弦関数を示す。
【0061】
この近似正弦関数の形を決定するパラメータとして、近似正弦関数を次に示す式(1)、即ち、変位出力の平均(直流)レベルをA、正弦関数の振幅をB、振動数をω、位相角をαとして、説明する。
【0062】
【数1】
A+B sin〔2πωt+α〕 …(1)
変位量記憶部5に記憶された過去1周期分の記憶値の中から、最大の値をVMAX ,その時刻をtMX、最小の値をVMIN ,その時刻をtMN,tMXからtMNまでの時間をTMMとすれば、近似正弦関数の各パラメータは、
【数2】
式(2)により求めることができる。
【0063】
尚、上記近似正弦関数を求める際に、上記VMAX ,VMIN ,TMMを使用せずに、変位量記憶部5に記憶された複数の記憶値のそれぞれからの偏差の2乗が最小となる最小2乗法等の統計的手法を利用してもよい。
【0064】
ここで、正弦関数的誤差を仮定した場合、誤差のない変位量測定値は、A=VMIN +(VMAX −VMIN )/2と考えられる。
【0065】
また、式(1)の各パラメータを式(2)とする場合、時間tの基準点をVMAX が現れた時刻tMXをt=0としている。この時間tの基準点は、任意にとることができ、VMIN が現れた時刻tMNを基準点とすれば、α=−π/2である。
【0066】
このように、式(2)により近似正弦関数の形が定まるので、将来の任意の時刻tにおける一方の変位端における変位量の予測値を求めることができる。
【0067】
さらに、一方の変位端における変位量のみならず、両変位端間の変位量検出値に加算して正しい変位量を得るための補正値C(n) は、前記各パラメータを利用して式(3)に示すように求めることができる。
【0068】
【数3】
C(n)=−B sin〔2πωt+α〕 …(3)
変位量補正部8は、上記式(3)に示した補正値C(n) を用いて、変位量検出部3が出力した変位量をリアルタイムに補正し、正確な変位量を制御電流演算部10へ出力する。
【0069】
制御電流演算部10は、この補正後の正確な変位量を用いて、可動子24の位置及び又は速度を目標位置または目標速度に制御する制御電流値を例えば制御マップを参照して算出する。
【0070】
そして、パワーアンプ11、12から電磁石コイル23a、25aへ出力される駆動電流を制御して可動子24が変位端に到達する速度を低下させることで、衝撃が少ないソフトランディングを実現させ、騒音・振動を低下させるとともに、電磁駆動吸排気弁装置の寿命やメンテナンス間隔を長くすることができる。
【0071】
もしここで、可動子変位量を補正しなければ、変位量検出値が変位端到達前を示しているのにも係わらず、可動子またはバルブが変位端に衝突し、ソフトランディングが実現不可能となってしまうことは明らかである。
【0072】
次に、本実施形態の変形例について、説明する。
前述のように、シャフト35は、上側スプリング22の主として伸張時に回転力を受けて回転し、その回転速度は、他の条件が変わらなければ、機関速度に比例する。一方バルブステム27aは、下側スプリングであるバルブスプリング26の主として伸張時に回転力を受けて回転する。そして、シャフト35の下端は、バルブステム27aの上端と接しているので、機関運転条件が変化した場合には、この接触部の摩擦具合や、スプリングシート36と上側コイルスプリング22との摩擦具合に変動が生じると、シャフトの回転状態に変化が生じることとなる。この回転の変化は、近似正弦関数の局部的な周期の変化又は時間軸のずれとなって現れる。
【0073】
図6は、実線の近似正弦関数からはずれた前々回の変位量測定値V(n-2) 、及び前回の変位量測定値V(n-1) が一方の変位端における変位量として測定された場合を示す。このとき、近似正弦関数計算部9は、実線で示された近似正弦関数の位相を変化、言い換えれば近似正弦関数を時間軸上でシフトさせて、これら変位量測定値V(n-2) 及びV(n-1) を通るように位相変更し、破線の位相変更後の近似正弦関数を得る。これは、近似正弦関数とV(n-2) 及びV(n-1) との距離が最小となるように、式(2)のαの値を変えることにより達成される。そして位相変更後の近似正弦関数に基づいて、変位量測定値を補正したり、今回の変位端における変位量予測値VH(n)を求めることができる。
【0074】
図7は、実線の近似正弦関数に基づく前回の変位量予測値VH(n-1)からはずれた前回の変位量測定値V(n-1) が得られたとき、前回の変位量予測値VH(n-1)と前回の変位量測定値V(n-1) との差分だけ、近似正弦関数の値が変化するように位相αの値を変化させるものである。そして破線の位相変更後の近似正弦関数に基づいて、変位量測定値を補正したり、今回の変位端における変位量予測値VH(n) を求めることができる。
【0075】
尚、本実施形態では、変位量検出値の誤差が正弦関数的に現れる場合を説明したが、誤差出現の原理によっては、三角波、台形波、方形波等の正弦波とは異なる形状で誤差が現れることがある。そのような場合には、それぞれの誤差出現の原理に従った誤差近似関数を求めて利用すればよい。
【0076】
〔第2実施形態〕
図2は、本発明に係る電磁駆動吸排気弁装置の第2実施形態の構成を示すシステム構成図であり、制御対象の電磁駆動吸排気弁そのものは、第1実施形態と同様である。
【0077】
図1に示した第1実施形態との相違は、制御部15において変位量検出部3が検出した変位量を補正するのではなく、制御目標値を補正するように構成されていることである。
【0078】
このため、第2実施形態の制御部15は、制御目標値生成部7が生成した可動子24の変位量及び/又は変位速度の制御目標値を近似正弦関数計算部9の計算結果により補正する制御目標値補正部16を備えている。その他の構成は、図1に示した第1の実施形態と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
【0079】
本第2実施形態では、変位量測定値を補正するのではなく、制御目標値を補正することにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
以上の第1、第2実施形態では、誤差変動の周期的現象を利用して、一方の変位端における誤差を含む変位量測定値を近似する近似正弦関数を求め、これに基づいて誤差を補正したり、制御目標値を変更する実施形態を説明した。
【0081】
〔第3実施形態〕
上記のような近似正弦関数を求める為には、多数の変位量測定値を記憶するための記憶容量や、近似正弦関数の形を決定するための計算量が多い。このため、記憶容量や、演算処理装置の演算能力に余裕のあるシステムでなければ、導入困難な場合がある。比較的簡単な構成で変位量補正を効率よく行う例として、線形近似法を用いた第3実施形態を図8を参照して説明する。
【0082】
第3実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態の構成において、近似正弦関数計算部9に変えて線形近似計算部を設け、線形近似することにある。
【0083】
この線形近似計算部は、一定時間間隔で前々回の変位量測定値V(n-2) 、及び前回の変位量測定値V(n-1) を記憶し、これら記憶された変位量測定値V(n-2) 、V(n-1) から今回の変位量予測値VH(n)を次に示す式(4)に従って予測するものである。
【0084】
【数4】
VH(n)=V(n-1) +〔V(n-1) −V(n-2) 〕
VH(n)=2V(n-1) −V(n-2) …(4)
この線形近似法によれば、少ない記憶容量及び少ない計算量で、可動子の変位量及びバルブリフト量の時間変化を制御し、ソフトランディングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁駆動吸排気弁装置の第1の実施形態の構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明に係る電磁駆動吸排気弁装置の第2の実施形態の構成を示すシステム構成図である。
【図3】本発明に係る電磁駆動吸排気弁装置の機構部分の構成を示す部分断面図である。
【図4】可動子のアナログ変位量を縦軸、時間を横軸として誤差を誇張して表現したグラフである。
【図5】近似正弦関数を求める方法を説明する図である。
【図6】近似正弦関数と、前々回の変位量測定値V(n-2) 、及び前回の変位量測定値V(n-1) を用いる方法を説明する図である。
【図7】近似正弦関数と、前回の変位量予測値VH(n-1)、及び前回の変位量測定値V(n-1) を用いる方法を説明する図である。
【図8】線形近似法による第3実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
1 電磁駆動吸排気弁装置
2 制御部
3 変位量検出部
4 バルブタイミング生成部
5 変位量記憶部
6 変位端判定部
7 制御目標値生成部
8 変位量補正部
9 近似正弦関数計算部
10 制御電流演算部
11 パワーアンプ(PA)
12 パワーアンプ(PA)
21 変位量センサ
22 上側スプリング
23 閉弁側電磁石
24 可動子
25 開弁側電磁石
26 バルブスプリング
27 バルブ
28 ポート
Claims (10)
- 一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、
前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値を前記可動子が一方の変位端へ到達する毎に少なくとも2回記憶し、これら記憶された変位検出信号の値を参照して前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを特徴とする変位量測定方法。 - 一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、
前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号の最大値、最小値及び変動周期を参照して前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを特徴とする変位量測定方法。 - 一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、
前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数に基づいて前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを特徴とする変位量測定方法。 - 一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、
前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数、前記記憶された前回値、及び前々回値に基づいて前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを特徴とする変位量測定方法。 - 一方の変位端と他方の変位端との間を移動可能な可動子と、該可動子を駆動して前記両変位端の間を移動させる少なくとも1つの駆動手段と、該可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段とを備えた可動子の往復駆動系における可動子の変位量を測定する変位量測定方法において、
前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値をその変動の1周期以上記憶し、これら記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数に基づく前回の推定値と前回の検出値との差分に応じて、前記可動子の変位量または制御目標値を補正することを特徴とする変位量測定方法。 - 内燃機関の吸気弁又は排気弁を電磁的に駆動する電磁駆動吸排気弁装置であって、
前記吸気弁又は排気弁の弁軸と一体となって移動可能な可動子と、
該可動子を駆動して一方の変位端と他方の変位端との間を移動させる少なくとも1つの駆動コイルと、
前記可動子を前記両変位端の中間位置方向に付勢する少なくとも1つの付勢手段と、
前記可動子の変位を検出して変位検出信号を出力する変位検出手段と、
前記可動子が一方の変位端にあるときの変位検出信号の値を前記可動子が一方の変位端へ到達する毎に記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された変位検出信号の値を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された変位量または変位制御目標値に応じて前記駆動コイルの電流を制御する電流制御手段と、
を備えたことを特徴とする電磁駆動吸排気弁装置。 - 前記補正手段は、前記記憶手段に記憶された変位検出信号の最大値、最小値及び変動周期を参照して前記可動子の変位量または変位制御目標値を補正することを特徴とする請求項6記載の電磁駆動吸排気弁装置。
- 前記補正手段は、前記記憶手段に記憶された変位検出信号に基づいて近似正弦関数を求め、この近似正弦関数を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正することを特徴とする請求項6記載の電磁駆動吸排気弁装置。
- 前記補正手段は、前記近似正弦関数と、前記記憶手段に記憶された前回値、及び前々回値を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正することを特徴とする請求項8記載の電磁駆動吸排気弁装置。
- 前記補正手段は、前記近似正弦関数から求められた前回の推定値と前回の検出値との差分を参照して前記可動子の変位量または前記可動子の変位制御目標値を補正することを特徴とする請求項8記載の電磁駆動吸排気弁装置。
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