以下、図面を参照して、本発明に係る搬送設備について詳細に説明する。
まず、図1を用いて搬送設備1の構成について説明する。図1は、搬送設備1の上面図である。なお、本図および以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。
図1に示す搬送設備1は、食パンXA1を製造するラインで使用される。食パンXA1を製造するラインは、生地をオーブン(図示省略)で焼き上げて1本当たり2,3斤程度の重さの食パンXA1を複数本まとめて焼成する焼成工程と、食パンXA1を順次搬送しながら複数のカット片(符号省略)にカット(スライス)すると同時に両端の耳をカットして除去するカット工程と、複数のカット片にカットされた食パンXA1を1本分ずつ搬送しながら所定の分量(例えば、半斤や1斤)に分割して包装機(図示省略)に向けて搬送する搬送工程と、包装機において所定の分量の食パンXA1を1つの袋にまとめて包装する包装工程と、などを備えている。
この搬送設備1は、搬送工程で使用される。なお、本明細書では、食パンXA1を搬送する場合を例に説明するが、本発明は、その他の食品や日用品などの各種物品を搬送する場合に適用できる。また、本明細書では、包装機に向けて搬送する場合を例に説明するが、本発明は、搬送先が包装機に限定されるものではない。
搬送設備1には、前工程の設備(図示省略)から複数の食パンXA1が1本分ずつ順次供給され、その食パンXA1を後工程の包装機(図示省略)に向けて搬送する。搬送設備1は、3本の搬送経路R10,R20,R30に分岐して、それら3本の搬送経路R10,R20,R30が、それぞれ、互いに独立して動作する包装機に繋がっている。
第1搬送経路R10は、カット片を立てた駒立ての状態で食パンXA1を包装機に供給する場合と、カット片を倒して積み上げた段積みの状態(ただし、1枚の場合を含む。)で食パンXA1を包装機に供給する場合と、の兼用の経路であり、予め選択して設定されている状態で食パンXA1を1台目の包装機に供給する。すなわち、第1搬送経路R10は、駒立ての状態で設定されている場合には、駒立ての状態でのみ食パンXA1を包装機に供給する。また、第1搬送経路R10は、段積みの状態で設定されている場合には、段積みの状態でのみ食パンXA1を包装機に供給する。なお、第1搬送経路R10は、駒立て用の経路R11と、段積み用の経路R12と、に一旦分岐してから、再び1本の経路R10に合流して包装機に繋がっている。
第2搬送経路R20は、段積みの状態(ただし、1枚の場合を含む。)で食パンXA1を2台目の包装機に供給する場合に用いる経路である。第3搬送経路R30は、段積みの状態(ただし、1枚の場合を含む。)で食パンXA1を3台目の包装機に供給する場合に用いる経路である。
3台の包装機は、それぞれ、搬送設備1から搬送された食パンXA1の状態を維持したまま包装する。
ここで、図2を用いて、食パンXA1を包装材料YA1で包装した包装体ZA1,ZA2の構成について説明する。図2(A)は、食パンXA1を駒立ての状態で包装した包装体ZA1の外観斜視図である。図2(B)は、食パンXA1を段積みの状態で包装した包装体ZA2の外観斜視図である。
図2(A)に示すように、食パンXA1を駒立ての状態で包装した包装体ZA1は、包装材料YA1の長手方向に沿って、カット片が並ぶように包装されている。図2(B)に示すように、食パンXA1を段積みの状態で包装した包装体ZA2は、包装材料YA1の長手方向に沿って、カット片の上下が位置するように包装されている。なお、包装体ZA1,ZA2は、再封用クリップ付き包装体であってもよい。
なお、食パンXA1を1斤程度またはそれ以上の分量で包装する場合、駒立ての状態で搬送することが好ましい。また、食パンXA1を1枚〜半斤程度と少ない分量で包装する場合、段積みの状態で搬送することが好ましい。ただし、1斤未満の分量の食パンXA1を駒立ての状態で包装機に向けて搬送することも可能であるし、半斤を超える分量の食パンXA1を段積みの状態で包装機に向けて搬送することも可能である。
1斤程度またはそれ以上の分量毎に食パンXA1を駒立ての状態で包装する場合、第1搬送経路R10のみを使用する。1枚〜半斤程度と少ない分量毎に食パンXA1を段積みの状態で包装する場合、包装機の処理能力に応じて、動作させる搬送経路の数を設定して使用する。例えば、半斤毎に食パンXA1を段積みの状態で包装する場合、1斤毎に包装する場合と比較して、単位時間当たりの包装回数を2倍に増やす必要があるので、この場合、第1搬送経路R10と、第2搬送経路R20と、の2本の経路を使用する。あるいは、1斤が6枚のカット片にカットされている場合において、2枚毎に食パンXA1を段積みの状態で包装するとき、1斤毎に包装する場合と比較して、単位時間当たりの包装回数を3倍に増やす必要があるので、このとき、第1搬送経路R10と、第2搬送経路R20と、第3搬送経路R30と、の3本の経路を使用する。
具体的に、搬送設備1は、第1搬送コンベア装置100と、第1ターンテーブル装置200と、第2搬送コンベア装置300と、第3搬送コンベア装置400と、第2ターンテーブル装置500と、第4搬送コンベア装置600と、第5搬送コンベア装置700と、供給装置800と、第1分割搬出装置900と、第6搬送コンベア装置1000と、第3ターンテーブル装置1100と、第7搬送コンベア装置1200と、第8搬送コンベア装置1300と、第2分割搬出装置1400と、第9搬送コンベア装置1500と、第3分割搬出装置1600と、第10搬送コンベア装置1700と、制御ユニット(図示省略)と、を備えている。
これら搬送設備1の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、およびROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
第1搬送コンベア装置100は、第1搬送経路R10と、第2搬送経路R2と、第3搬送経路R30と、の3本の経路として兼用される。この第1搬送コンベア装置100は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、前工程の設備(図示省略)から自身の上流で引き継いで、第1ターンテーブル装置200の入口201に向けて搬送する。この第1搬送コンベア装置100において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態で搬送される。
具体的に、第1搬送コンベア装置100は、ベルトコンベアとして、複数のローラ(図示省略)と、これら複数のローラに引っ掛けられて走行する環状のベルト(図示省略)と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、食パンXA1を側方からガイドする一対のサイドガイド(図示省略)と、などを備えている。1つのローラは、サーボモータに連結して当該サーボモータの駆動によって定常回転する。残りのローラは、ベルトの定常走行によって、サーボモータに連結しているローラに連動して定常回転する。ベルトは、サーボモータに連結しているローラの定常回転によって循環するように定常走行する。
第1ターンテーブル装置200は、第1搬送経路R10と、第2搬送経路R2と、第3搬送経路R30と、の3本の経路として兼用される。この第1ターンテーブル装置200は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第1搬送コンベア装置100から自身の入口201に受け入れて、1つ目の出口である第1出口202と、2つ目の出口である第2出口203と、に向けて搬送する。すなわち、第1ターンテーブル装置200は、上流のラインから受け入れた食パンXA1を周方向に搬送して下流のラインへ送り出す。第1出口202に搬送された食パンXA1は、第3搬送コンベア装置400に送り出される。第2出口203に搬送された食パンXA1は、第2搬送コンベア装置300に送り出される。この第1ターンテーブル装置200において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態で受け入れられ、その後、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、設定されている幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられた状態で送り出される。
第1搬送経路R10として使用する場合、第1ターンテーブル装置200は、入口201から受け入れる食パンXA1を、第2出口203に向けて搬送する。第1搬送経路R10と、第2搬送経路R20と、の2本の経路として兼用する場合、第1ターンテーブル装置200は、入口201から順次受け入れる食パンXA1を、第1出口202および第2出口203の2つの出口に向けて半々の回数に分けて搬送する。第1搬送経路R10と、第2搬送経路R20と、第3搬送経路R30と、の3本の経路として兼用する場合、第1ターンテーブル装置200は、入口201から順次受け入れる食パンXA1を、第1出口202および第2出口203の2つの出口に向けて2対1の回数に分けて搬送する。
具体的に、図3〜図6を用いて第1ターンテーブル装置200の構成について説明する。図3は、第1ターンテーブル装置200の上面図である。図4は、第1ターンテーブル装置200の側面図である。図5(A)は、片寄せ手段260の概略図であり、片寄せる幅を小さくする場合を示す。図5(B)は、片寄せ手段260の概略図であり、片寄せる幅を小さくする場合を示す。図6は、テーブル傾斜手段250の概略図である。
図3〜図6に示す第1ターンテーブル装置200は、上面視で正方形を呈する。この第1ターンテーブル装置200は、上述のように、食パンXA1を受け入れる入口201と、食パンXA1を送り出す第1出口202および第2出口203と、を備えている。入口201は、当該第1ターンテーブル装置200における4つの側方の中の任意の1つの側方に設定されている。第1出口202は、当該第1ターンテーブル装置200における入口201の左隣の側方に設定されている。第2出口203は、当該第1ターンテーブル装置200における第1出口202の左隣の側方に設定されている。なお、第1出口202および第2出口203の位置は、これに限定されず、第1ターンテーブル装置200の使用態様に応じていずれの側方であってもよい。また、出口の数は、2つに限定されず、第1ターンテーブル装置200の使用態様に応じて3つであってもよい。
第1ターンテーブル装置200は、土台210と、回転台220と、テーブル230と、テーブル支持手段240と、テーブル傾斜手段250と、片寄せ手段260と、搬送補助手段270と、押入手段280と、押出手段290と、を備えている。
土台210は、底板211と、この底板211の上方に配置された上板212,213と、これらの上板212,213を支持する複数の支柱214と、を備えている。一方の上板212は、中央に円形の開口部212aを有する。他方の上板213は、上板212の開口部212aより小さい円板形状を呈する。この上板213は、開口部212aに配置され、上板212との間に円環状の隙間(符号省略)を形成する。この隙間には、片寄せ手段260を構成する片寄せ用レール261,262がスライド自在に配置される。また、上板213は、中央に円形の開口部213aを有する。この開口部213aには、回転台220を構成する回転軸222が回転自在に配置される。
回転台220は、動力源となるモータ221と、このモータ221によって回転する鉛直な回転軸222と、回転軸222の先端に取り付けられた回転盤223と、を備えている。モータ221は、底板211の上面中央に据え付けられている。回転軸222は、上板213の開口部213aを貫通する。回転盤223は、上板212,213の上方で回転する。この回転盤223は、複数の孔(符号省略)を有する。これら複数の孔には、テーブル傾斜手段250を構成するテーブル傾斜用押棒252、または、片寄せ手段260を構成する片寄せ用アーム265が、回転盤223を貫通するようにスライド自在に配置されている。回転盤223は、自身が回転軸222中心に回転することで、孔に貫通するテーブル傾斜用押棒252および片寄せ用アーム265、並びに自身の上に配置される各部材(後で詳述する。)を回転軸222中心に回転させる。
テーブル230は、回転盤223上の四方にそれぞれ設けられ、回転盤223と共に回転する。すなわち、テーブル230は、鉛直な回転軸222の周囲で周回する。各テーブル230は、入口201で受け入れた食パンXA1を1本ずつ載せて第1出口202または第2出口203まで搬送する。
テーブル支持手段240は、テーブル230を、水平な基本姿勢(図4参照)と、回転軸222側が下方となるように傾斜する傾斜姿勢(図8参照)と、で可変に支持する。具体的に、テーブル支持手段240は、回転盤223上に設けられた支柱241と、この支柱241の先端に設けられたヒンジ242と、を備えている。
テーブル傾斜手段250は、入口201、第1出口202、または第2出口203に対応する位置でテーブル230を基本姿勢にすると共に、食パンXA1を搬送する区間でテーブル230を基本姿勢から傾斜姿勢にする。具体的に、テーブル傾斜手段250は、テーブル傾斜用レール251と、テーブル傾斜用押棒252と、を備えている。
テーブル傾斜用レール251は、円環状を呈し、自身の上部が、テーブル傾斜用押棒252が走行する軌道となる。このテーブル傾斜用レール251は、上板212上に設けられている。すなわち、テーブル傾斜用レール251は、テーブル230が回転する軌道に沿って、当該テーブル230の下方に設けられている。また、テーブル傾斜用レール251は、第1ターンテーブル装置200の四方に対応する箇所が低くなり、且つ、第1ターンテーブル装置200の四隅に対応する箇所が高くなる起伏を有する。
テーブル傾斜用押棒252は、回転盤223を貫通するように、テーブル傾斜用レール251と、テーブル230と、の間に配置される。このテーブル傾斜用押棒252は、回転盤223の回転に伴って、テーブル230の回転と共にテーブル傾斜用レール251上を走行することで昇降する。すなわち、テーブル傾斜用押棒252は、テーブル傾斜用昇降部材として機能する。そして、テーブル傾斜用押棒252は、自身の上昇時にテーブル230を押し上げて当該テーブル230を傾斜姿勢にする。
片寄せ手段260は、テーブル230に載せて搬送中の食パンXA1を、第1出口202または第2出口203までの間に、テーブル230の幅方向の一方に片寄せる。すなわち、片寄せ手段260は、当該食パンXA1を、基準となる下流のラインの幅方向の一方に片寄せる。テーブル230の幅方向は、入口201の幅方向、第1出口202の幅方向、および第2出口203の幅方向とそれぞれ一致する。具体的に、片寄せ手段260は、片寄せ用レール261,262と、レール昇降手段263,264と、片寄せ用アーム265と、片寄せ用動力変換機構266と、サイドガイド267,268と、を備えている。
片寄せ用レール261は、円筒状を呈し、自身の上部が、片寄せ用アーム265が走行する軌道となる。この片寄せ用レール261は、自身の上部が、上板212と上板213との間に形成されている隙間から出入りするように昇降自在に設けられている。すなわち、片寄せ用レール261は、テーブル230が回転する軌道に沿って、当該テーブル230の下方に設けられている。また、片寄せ用レール261は、自身の上部が上板212,213の隙間から上方に出ている場合に軌道として機能する。すなわち、自身の上部が上板212,213の隙間の下方に入っている場合に軌道として機能しない。さらに、片寄せ用レール261は、入口201を過ぎてから第1出口202を経由して第2出口203までの区間が高くなり、且つ、第2出口203を過ぎてから入口201に戻り、当該入口201までの区間が低くなる起伏を有する。なお、図面に示している片寄せ用レール261の起伏は、理解を助けるように描いているものであり、実際の起伏形状とは異なる。
片寄せ用レール262は、円筒状の片寄せ用レール261の内側に収まる円筒状を呈し、自身の上部が、片寄せ用アーム265が走行する軌道となる。この片寄せ用レール262は、自身の上部が、上板212と上板213との間に形成されている隙間から出入りするように昇降自在に設けられている。すなわち、片寄せ用レール262は、テーブル230が回転する軌道に沿って、当該テーブル230の下方に設けられている。また、片寄せ用レール262は、自身の上部が上板212,213の隙間から上方に出ている場合に軌道として機能する。すなわち、自身の上部が上板212,213の隙間の下方に入っている場合に軌道として機能しない。さらに、片寄せ用レール262は、入口201を過ぎてから第1出口202を経由して第2出口203までの区間が高くなり、且つ、第2出口を過ぎてから入口201に戻り、当該入口201までの区間が低くなる起伏を有する。片寄せ用レール262の起伏の度合は、片寄せ用レール261の起伏の度合と比較して、大きく設定されている。なお、図面に示している片寄せ用レール262の起伏は、理解を助けるように描いているものであり、実際の起伏形状とは異なる。
レール昇降手段263,264は、エアシリンダであり、底板211の上面に据え付けられている。レール昇降手段263は、片寄せ用レール261を下方から支持して、当該片寄せ用レール261を昇降させる。レール昇降手段264は、片寄せ用レール262を下方から支持して、当該片寄せ用レール262を昇降させる。
片寄せ用アーム265は、回転盤223を貫通するように、片寄せ用レール261,262と、片寄せ用動力変換機構266と、の間に配置される。この片寄せ用アーム265は、片寄せ用レール261用の車輪265aと、片寄せ用レール262用の車輪265bと、を有している。片寄せ用アーム265は、片寄せ用レール261の上部が上板212,213の隙間から上方に出ている場合であって、且つ、片寄せ用レール262の上部が上板212,213の隙間の下方に入っている場合に、回転盤223の回転に伴って、テーブル230の回転と共に片寄せ用レール261上を車輪265aが走行することで昇降する。また、片寄せ用アーム265は、片寄せ用レール261の上部が上板212,213の隙間の下方に入っている場合であって、且つ、片寄せ用レール262の上部が上板212,213の隙間から上方に出ている場合に、回転盤223の回転に伴って、テーブル230の回転と共に片寄せ用レール262上を車輪265bが走行することで昇降する。すなわち、片寄せ用アーム265は、片寄せ用昇降部材として機能する。片寄せ用アーム265の昇降量は、片寄せ用レール261,262の起伏の度合に比例する。
片寄せ用動力変換機構266は、片寄せ用アーム265が昇降する動力を、テーブル230の幅方向の動力に変換する。具体的に、片寄せ用動力変換機構266は、片寄せ用アーム265と一体に昇降する鉛直ラック(図示省略)と、この鉛直ラックに噛み合うピニオン(図示省略)と、このピニオンに噛み合う水平方向の水平ラック(図示省略)と、この水平ラックと一体に移動する片寄せ用スライダ266aと、この片寄せ用スライダ266aの軌道となるスライダ用レール266bと、を備えている。鉛直ラックは、片寄せ用アーム265の昇降に伴って、当該片寄せ用アーム265の昇降量と同じ量だけ昇降する。ピニオンは、鉛直ラックの昇降に伴って、当該鉛直ラックの昇降量に比例する量だけ回転する。水平ラックは、ピニオンの回転に伴って、当該ピニオンの回転量に比例する量だけ水平に移動する。片寄せ用スライダ266aは、水平ラックの水平移動に伴って、当該水平ラックの移動量と同じ量だけ、スライダ用レール266b上を水平移動する。スライダ用レール266bは、回転盤223上に固定されている。
サイドガイド267,268は、テーブル230の上方において、当該テーブル230の幅方向の両側に配置され、テーブル230に載せて搬送中の食パンXA1の側面を案内する。サイドガイド267,268は、片寄せ用スライダ266aに固定され、当該片寄せ用スライダ266aと共にテーブル230の幅方向に移動する。すなわち、サイドガイド267,268は、回転軸222の同心円の接線方向に移動可能な構成となる。これにより、サイドガイド267,268は、テーブル230上の食パンXA1を側方へ押して当該食パンXA1を当該テーブル230の幅方向の一方に片寄せる。これにより、上流のラインにおける食パンXA1の搬送基準とは異なる基準で下流のラインへ送り出すことが可能になる。サイドガイド267,268の移動量は、片寄せ用スライダ266aの移動量と同じである。すなわち、所望するサイドガイド267,268の移動量に応じて、片寄せ用レール261,262の起伏を設定しておけばよい。また、サイドガイド267,268の移動量は、片寄せ用レール261を用いる場合と、片寄せ用レール261とは起伏の度合の異なる片寄せ用レール262を用いる場合と、で異なる。このため、食パンXA1を片寄せる量に応じて、どちらの片寄せ用レール261,262を用いるかを設定すればよい。なお、サイドガイド267,268は、テーブル230の回転(食パンXA1の搬送)に連動して移動する構成であるが、テーブル230の回転前(食パンXA1の搬送前)や、テーブル230の回転後(食パンXA1の搬送後)に、テーブル230とは独立して移動する構成としてもよい。
搬送補助手段270は、テーブル拡張プレート271と、このテーブル拡張プレート271を支持する複数の支柱272と、を備えている。テーブル拡張プレート271は、テーブル230と面一となるように、第1ターンテーブル装置200の四方にそれぞれ配置されている。各テーブル拡張プレート271は、テーブル230を拡張するプレートであって、食パンXA1の受入れや送出しを円滑に行わせる。
押入手段280は、入口201の外側から食パンXA1を押して、当該食パンXA1を入口201から入れる。具体的に、押入手段280は、食パンXA1を押す入口用押し部材281と、この入口用押し部材281を昇降させる入口用昇降エアシリンダ282と、この入口用昇降エアシリンダ282と共に入口用押し部材281を食パンXA1の受入れ方向に移動させる入口用水平エアシリンダ283と、を備えている。
押出手段290は、第1出口202または第2出口203の内側から食パンXA1を押して、当該食パンXA1を第1出口202または第2出口203から出す。具体的に、押出手段290は、食パンXA1を押す出口用押し部材291と、この出口用押し部材291を昇降させる出口用昇降エアシリンダ292と、この出口用昇降エアシリンダ292と共に出口用押し部材291を食パンXA1の送出し方向に移動させる出口用水平エアシリンダ293と、を備えている。
次に、第1ターンテーブル装置200の動作手順について、図7〜図9に基づいて説明する。図7〜図9は、第1ターンテーブル装置200の動作を説明する図であって、各図(A)は上面図であり、各図(B)および各図(C)は側面図である。図7は、動作開始時を示す。図8は、図7に示す動作の続きを示す。図9は、図8に示す動作の続きを示す。なお、片寄せ用レール261を用い、かつ、片寄せ用レール262を用いない場合を例に説明する。また、食パンXA1を載せた1つのテーブル230を基準に説明する。
食パンXA1が第1搬送コンベア装置100から送り込まれると、その食パンXA1は、図7(A)、図7(B)および図7(C)に示すように、テーブル230に載せられる。そして、回転盤223と共にテーブル230が回転する。
図8(A)、図8(B)および図8(C)に示すように、回転盤223の回転に伴って、テーブル傾斜用押棒252がテーブル傾斜用レール251上を走行しながら上昇する。上昇するテーブル傾斜用押棒252によって、テーブル230が下方から押し上げられ、当該テーブル230が回転軸222側を下方にするように傾斜する。また、回転盤223の回転に伴って、片寄せ用アーム265が片寄せ用レール261上を走行しながら上昇する。片寄せ用アーム265の上昇する動力が片寄せ用動力変換機構266に変換されることで、サイドガイド267,268がテーブル230の幅方向の一方に移動して、テーブル230上の食パンXA1を幅方向の一方に片寄せる。
その後、図9(A)、図9(B)および図9(C)に示すように、回転盤223の回転に伴って、テーブル傾斜用押棒252がテーブル傾斜用レール251上を走行しながら下降する。これにより、テーブル傾斜用押棒252によるテーブル230の押上げが解除され、当該テーブル230が水平になる。
さらにその後、回転盤223の回転に伴って、片寄せ用アーム265が片寄せ用レール261上を走行しながら下降する。片寄せ用アーム265の下降する動力が片寄せ用動力変換機構266に変換されることで、サイドガイド267,268が元の位置に戻るように移動する。
図1に戻って説明する。第3搬送コンベア装置400は、第1搬送経路R10として使用される。この第3搬送コンベア装置400は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第1ターンテーブル装置200の第2出口203から自身の上流で引き継いで、第2ターンテーブル装置500の入口501に向けて搬送する。この第3搬送コンベア装置400において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられた状態で搬送される。第3搬送コンベア装置400具体的な構成は、第2搬送コンベア装置300の構成と同様である。
具体的に、図10(A)および図10(B)を用いて第2搬送コンベア装置300の構成について説明する。図10(A)は、第2搬送コンベア装置300の側面図であり、食パンXA1を待機させる状態を示す。図10(B)は、第2搬送コンベア装置300の側面図であり、食パンXA1を搬送する状態を示す。
図10(A)および図10(B)に示すように、第2搬送コンベア装置300は、ベルトコンベア310と、複数の待機ユニット320と、を備えている。なお、待機ユニット320の数は、図示している2個に限定されず、3個以上であってもよい。また、待機ユニット320の数は、複数であることに限定されず、1個であってもよい。
ベルトコンベア310は、複数のローラ311,312と、これら複数のローラ311,312に引っ掛けられて走行する環状のベルト313と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、食パンXA1を側方からガイドする一対のサイドガイド(図示省略)と、などを備えている。ベルトコンベア310の動作は、第1搬送コンベア装置100が備えるベルトコンベアの動作と同様であり、その説明を省略する。
複数の待機ユニット320は、下流の第2ターンテーブル装置500や互いの状況に応じて、互いに独立して動作して、搬送中の食パンXA1を1本分ずつベルトコンベア310上に待機させる。具体的に、待機ユニット320は、ベルトコンベア310の上方に設けられたゲート型の支持部321と、この支持部321に回動自在に設けられた回動軸322と、この回動軸322に設けられて当該回動軸322回りに回動するL字型の待機プレート323と、所定箇所の状況を検出するセンサ(図示省略)と、を備えている。
図1に戻って説明する。第2搬送コンベア装置300は、第2搬送経路R20と、第3搬送経路R30と、の2本の経路として兼用される。この第2搬送コンベア装置300は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第1ターンテーブル装置200の第1出口202から自身の上流で引き継いで、第3ターンテーブル装置1100の入口1101に向けて搬送する。この第2搬送コンベア装置300において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられた状態で搬送される。
第2ターンテーブル装置500は、第1搬送経路R10として使用される。すなわち、第2ターンテーブル装置500は、駒立て用の第1搬送経路R11と、段積み用の第1搬送経路R12と、の2本の経路として兼用される。この第2ターンテーブル装置500は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第2搬送コンベア装置300から自身の入口501に受け入れて、1つ目の出口である第1出口502と、2つ目の出口である第2出口503と、に向けて搬送する。第1出口502に搬送された食パンXA1は、第4搬送コンベア装置600に送り出される。第2出口503に搬送された食パンXA1は、第5搬送コンベア装置700に送り出される。この第2ターンテーブル装置500において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態で受け入れられ、その後、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、設定されている幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられた状態で送り出される。
駒立て用の第1搬送経路R11として使用する場合、第2ターンテーブル装置500は、入口501から受け入れる食パンXA1を、第1出口502に向けて搬送する。段積み用の第1搬送経路R12として使用する場合、第2ターンテーブル装置500は、入口501から受け入れる食パンXA1を、第2出口503に向けて搬送する。なお、第2ターンテーブル装置500の具体的な構成は、第1ターンテーブル装置200の構成と同様であり、その説明を省略する。
第4搬送コンベア装置600は、駒立て用の第1搬送経路R11として使用される。この第4搬送コンベア装置600は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第2ターンテーブル装置500の第1出口502から自身の上流で引き継いで、供給装置800の上流に向けて斜め下方(図示省略)に搬送する。この第4搬送コンベア装置600において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられた状態で搬送される。なお、第4搬送コンベア600の具体的な構成は、第2搬送コンベア装置300の構成と略同様であり、その説明を省略する。
第5搬送コンベア装置700は、段積み用の第1搬送経路R12として使用される。この第5搬送コンベア装置700は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第2ターンテーブル装置500の第2出口503から自身の上流で引き継いで、第1分割搬出装置900の上流に向けて搬送する。この第5搬送コンベア装置700において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられた状態で搬送される。なお、第5搬送コンベア装置700の具体的な構成は、第1搬送コンベア装置100の構成と同様であり、その説明を省略する。
供給装置800は、駒立て用の第1搬送経路R11として使用される。この供給装置800は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第4搬送コンベア装置600から自身の上流で引き継いで、所定数のカット片毎に分割してから第6搬送コンベア装置1000に送り出す。この供給装置800において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が搬送方向に並べられた状態で受け入れられ、その後、所定数のカット片毎に、当該所定数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態で送り出される。
具体的に、図11〜図18を用いて供給装置800の構成について説明する。図11は、供給装置800の上面図である。図12は、供給装置800の正面図である。図13は、供給装置800を下流側から上流側を視た側面図である。図14(A)は、先行支持部材817の斜視図であり、図14(B)は、後続支持部材818の斜視図である。図15は、先行支持部材817および後続支持部材818の互いの間隔を調整する搬送面815a,816aの動きを示す概略図であり、同図(A)は、当該間隔が食パンXA1"3斤分"の状態を示し、同図(B)は、当該間隔が食パンXA1"2斤分"の状態を示す。図16は、送出しユニット813の動きを示す上面図であり、同図(A)は、食パンXA1を搬送面815a,816a上から送り出す前の初期状態を示し、同図(B)は、食パンXA1を搬送面815a,816a上から送り出している途中の状態を示し、同図(C)は、食パンXA1を搬送面815a,816aから送り出した後の状態を示し、同図(D)は、初期状態に戻る途中の状態を示す。図17は、送出しユニット813を示す上面図であり、同図(A)は、プッシャ824の幅を狭めた状態を示し、同図(B)は、プッシャ824の幅を広げた状態を示す。図18は、保持ユニット814の動きを示す上面図であり、同図(A)は、食パンXA1の保持を解除した状態を示し、同図(B)は、食パンXA1を保持した状態を示す。
供給装置800は、バケットコンベア811を備えてなり、第4搬送コンベア装置600から自身の上流(図11および図12における右側)に送り込まれた食パンXA1を所定枚数ずつに分割して自身の下流(図11および図12における左側)の供給位置PO11から第6搬送コンベア装置1000に送り出す。食パンXA1は、例えば、6枚〜8枚毎に駒立てにされた状態で、第6搬送コンベア装置1000に送り出される。なお、供給位置PO11とは、食パンXA1を第6搬送コンベア装置1000に送り出す位置のことをいう。また、後述する待機位置PO12とは、供給位置PO11の上流側に隣接する位置であって、先行する所定枚数の食パンXA1を第6搬送コンベア装置1000に送り出している間に、後続する食パンXA1を待機させる位置のことをいう。
具体的に、供給装置800は、バケットコンベア811と、位置決めプレート812a,812bと、送出しユニット813と、保持ユニット814と、を備えている。
図11〜図15に示すバケットコンベア811は、上流から下流に向けて連続して配置された2列の走行プレート815,816と、食パンXA1に先行する位置で当該食パンXA1を下流側から支持する先行支持部材817と、食パンXA1に後続する位置で当該食パンXA1を上流側から支持する後続支持部材818と、食パンXA1を幅方向の両側から支持する一対のガイドバー819,820と、走行プレート815の動力源となるサーボモータ(図示省略)と、このサーボモータの動力を走行プレート815に伝達するチェーン(図示省略)およびスプロケット(図示省略)と、走行プレート816の動力源となるサーボモータ(図示省略)と、このサーボモータの動力を走行プレート816に伝達するチェーン(図示省略)およびスプロケット(図示省略)と、筐体821と、を備えている。
走行プレート815,816は、搬送面815a,816aを構成する。搬送面815a,816aには、第4搬送コンベア装置600から自身の上流に送り込まれた食パンXA1が載置される。具体的に、搬送面815a,816aには、スライスされた複数枚の食パンXA1が流れ方向に並ぶように群をなして載置される。搬送面815aおよび816aは、一緒になって上流から下流に向けて間欠的に走行することで、載置された複数枚の食パンXA1を搬送し、当該複数枚の食パンXA1を所定枚数毎に順次供給位置PO11に位置させる。
搬送面815aを有する走行プレート815は、何枚かに1枚(例えば、6枚に1枚)が、先行支持部材817と一体に構成されている。このため、先行支持部材817は、搬送面815aと一体に走行する。また、搬送面815a上に、複数の先行支持部材817が等間隔に配置されることとなる。先行支持部材817は、図14(A)に示すように、直立に配置したプレートの上下両端部に棒状の部材を左右に張り出すようにして水平に固定されたもので、食パンXA1の高さよりも低く、食パンXA1の高さの半分程度の高さに設定されている。先行支持部材817の上下から張り出す棒状の部材同士の間は、後述する一対の位置決めプレート812bが干渉することを防止する空間として機能すると共に、一対のガイドバー819,820が干渉することを防止する空間として機能する。
搬送面816aを有する走行プレート816は、何枚かに1枚(例えば、6枚に1枚)が、後続支持部材818と一体に構成されている。このため、後続支持部材818は、搬送面816aと一体に走行する。また、搬送面816a上に、複数の後続支持部材818が等間隔に配置されることとなる。後続支持部材818は、図14(B)に示すように、先行支持部材817と同一形状であり、食パンXA1の高さよりも低く、食パンXA1の高さの半分程度の高さに設定されている。後続支持部材818の上下から張り出す棒状の部材同士の間は、後述する一対の位置決めプレート812bが干渉することを防止する空間として機能すると共に、一対のガイドバー819,820が干渉することを防止する空間として機能する。
搬送面815aおよび816aは、独立した動力源を有しており、互いの間の位相差が変更可能になっている。この位相差は、図示を省略するハンドルの操作によって、搬送面815aを基準として搬送面916aが移動することで変更される。すなわち、位相差は、ハンドルの操作によって、先行支持部材817を基準として後続支持部材818が移動することで変更される。位相差を変更することで、搬送面815aに一体に構成されている先行支持部材817と、搬送面816aに一体に構成されている後続支持部材818と、の互いの間隔が調整される。すなわち、第4搬送コンベア装置600から送り込まれる食パンXA1の長さに応じて、先行支持部材817と後続支持部材818との間隔を、図15(A)に示すように食パンXA1"3斤分"に調整したり、図15(B)に示すように食パンXA1"2斤分"に調整したりできる。このような搬送面815a,816aは、先行支持部材817および後続支持部材818と共に、食パンXA1を収容して搬送するバケットとして機能する。
位置決めプレート812aは、先行支持部材817および後続支持部材818の走行経路の上方で、かつ、食パンXA1の上端よりも低い位置に配置されている。一対の位置決めプレート812bは、先行支持部材817および後続支持部材818の走行経路における位置決めプレート812aの下方において、先行支持部材817の上下からそれぞれ張り出した棒状の部材同士の間であって、かつ、後続支持部材818の上下からそれぞれ張り出した棒状の部材同士の間に、位置決めプレート812aと平行するように配置されている。これら一対の位置決めプレート812bは、それぞれ、L字型の形状を有している。具体的に、一対の位置決めプレート812bは、位置決めプレート812aと平行に配置されて食パンXA1が突き当たる面と、この面から下流方向に延びた面と、を備えている。これら一対の位置決めプレート812bは、下流側に延びた面で位置が固定される。そして、位置決めプレート812a,812bには、供給位置PO11に搬送された食パンXA1が突き当てられる。これにより、食パンXA1の位置決めをする。この位置決めプレート817は、供給位置PO11から送り出す食パンXA1の枚数に応じて、食パンXA1の流れ方向の位置を変更できるように構成されている。なお、位置決めプレート812a,812bは、図示を省略するネジなどによって、位置が固定される。
図11〜図13、図16および図17に示す送出しユニット813は、供給位置PO11に位置する所定枚数の食パンXA1を、搬送面815a,816aの停止中に、第6搬送コンベア装置1000に向けて送り出す。
具体的に、送出しユニット813は、動力源となるモータ(図示省略)と、このモータの回転動力を往復運動に変換する往復滑り子機構823と、この往復滑り子機構823の往復運動を利用して食パンXA1を押送するプッシャ824と、を備えている。
往復滑り子機構823は、基礎となるベース825と、このベース825に回転自在に取り付けられた円板826と、この円板826の偏心した位置に回転自在に延設されたアーム827と、このアーム827の先端に回転自在に連結されたスライダ828と、このスライダ828の軌道となる一対のレール829と、を備えている。円板826は、モータの回転動力によって回転する。アーム827は、円板826の回転に伴って移動する。スライダ828は、アーム827の移動に伴って、一対のレール829に沿って往復移動する。
プッシャ824は、スライダ828に固定されている。このため、プッシャ824は、スライダ828と一体となって、搬送面815a,816a上を幅方向に、図16(A)に示す初期位置と、図16(C)に示す送出し位置と、の間で往復移動する。すなわち、図16(A)→図16(B)→図16(C)→図16(D)→図16(A)→・・・の順に移動する。具体的に、図13(A)に示す初期位置は、プッシャ824が搬送面815a,816aの幅方向の一方の側に退避した位置である。また、図16(C)に示す送出し位置は、プッシャ824が搬送面815a,816aの上方を幅方向の他方に向けて横切った位置である。このようなプッシャ824は、供給位置PO11に位置する所定枚数の食パンXA1を、搬送面815a,816aの幅方向の一方から他方に押送する。
プッシャ824は、押送する食パンXA1の枚数に応じて、幅を変更できる。具体的に、プッシャ824は、メインフレーム830と、引出し部831と、を備えている。メインフレーム830は、引出し部831を収容可能に構成されている。引出し部831は、幅方向(食パンXA1の流れ方向)にスライドする。すなわち、図17(A)に示す狭幅位置と、図17(B)に示す広幅位置と、の間で往復する。具体的に、図17(A)に示す狭幅位置は、引出し部831の一部がメインフレーム830に収容されて残りが露呈する位置であり、プッシャ824の幅が食パンXA1"2斤分"になる。また、図17(B)に示す広幅位置は、引出し部831の略全部が露呈する位置であり、プッシャ824の幅が食パンXA1"3斤分"になる。なお、引出し部831は、図示を省略するネジなどによって、メインフレーム830に対する位置が固定される。
図11〜図13および図18に示す保持ユニット814は、待機位置PO12に位置する食パンXA1を、搬送面815a,816aの停止中に、供給位置PO11に位置する所定枚数の食パンXA1を送出しユニット813が送り出すことに先立って保持する。そして、保持ユニット814は、送出しユニット813が食パンXA1を送り出した後に、搬送面815a,816aが走行することに先立って、待機位置PO12で待機する食パンXA1の保持を解除する。
具体的に、保持ユニット814は、待機位置PO12に位置する食パンXA1を幅方向の両側から挟持する一対の挟持部材833,834と、待機位置PO12に位置する食パンXA1の下流側に回り込む回込み支持部材835と、動力源となる2つのエアシリンダ836,837と、を備えている。
一対の挟持部材833,834は、一対のガイドバー819,820の上方において、搬送面815a,816aの幅方向の両側に沿って配置されている。これら一対の挟持部材833は、それぞれ、下流側の端部が互いに向かって突出する挟持部833aを有している。これら一対の挟持部833aは、待機位置PO12の最も下流側に位置しており、待機位置PO12に位置する食パンXA1のうち、最も下流側に位置する1,2枚程度の食パンXA1を挟持する爪として機能する。そして、これら一対の挟持部材833,834は、別々のエアシリンダ836,837に固定されている。このため、一対の挟持部材833,834は、それぞれ、互いに近付いたり遠退いたりするように、バケットコンベア811の上方を往復移動する。すなわち、図18(B)に示す保持位置と、図18(A)に示す解除位置と、の間を往復移動する。具体的に、図18(B)に示す保持位置は、一対の挟持部材833,834が互いに最も近付く位置であり、この位置では、一対の挟持部833a,834aで食パンXA1を挟持することになる。また、図18(A)に示す解除位置は、一対の挟持部材833が互いに最も遠退く位置であり、この位置では、一対の挟持部833a,834aによる食パンXA1の挟持を解除することになる。
回込み支持部材835は、搬送面815a,816aの幅方向の一方の側(送出しユニット13が配置された側)に配置された挟持部材833の下流側の端部に固定されている。このため、回込み支持部材835は、挟持部材833と一体に動く。すなわち、図18(B)に示す回込み位置と、図18(A)に示す解除位置と、の間を往復運動する。具体的に、図18(B)に示す回込み位置は、回込み支持部材835が待機位置PO12の下流側に回り込む位置であり、搬送面815a,816aの上方である。また、図18(A)に示す解除位置は、回込み支持部材835が搬送面815a,816aの上方から退避した位置であり、この位置では、回込み支持部材835による回込みが解除される。このような回込み支持部材835は、回込み位置に移動する際に、供給位置PO11に位置する食パンXA1のうち、最も上流側の1枚の食パンXA1を、搬送面815a,816aの幅方向の一方から他方に押しながら、待機位置PO12で待機する食パンXA1の下流側に回り込む。これにより、待機位置PO12で待機する食パンXA1が、回込み支持部材835によって下流側から支持される。
次に、供給装置800の動作手順について、図19〜図25に基づいて説明する。図19〜図25は、供給装置800の動作を説明する図である。図19は、動作開始時を示す。図20は、図19に示す動作の続きを示す。図21〜図25についても、同様、一つ前の図に示す動作の続きを示す。なお、供給装置800自身の上流には、第4搬送コンベア装置600から順次食パンXA1が送り込まれるが、図面には、食パンXA1が送り込まれる回数を1回のみとして示し、当該図面の簡略化を図っている。
スライスされた複数枚の食パンXA1が、第4搬送コンベア装置600から供給装置800の上流に送り込まれると、その複数枚の食パンXA1は、図19に示すように、停止中の搬送面815a,816aにおける先行支持部材817と後続支持部材818との間に載置される。食パンXA1が搬送面815a,816aに載置されると、その搬送面815a,816aが走行して食パンXA1を供給位置PO11に向けて搬送する。供給位置PO11に向けて搬送された食パンXA1は、図20に示すように、位置決めプレート812a,812bに突き当たる。食パンXA1が位置決めプレート812a,812bに突き当たると、それと同時に、搬送面815a,816aは停止する。この時、先行する所定枚数の食パンXA1が供給位置PO11に位置し、後続する残りの食パンXA1が待機位置PO12に位置する。
搬送面815a,816aが停止すると、図21に示すように、保持ユニット814が、待機位置PO12に位置する食パンXA1を保持すると共に、供給位置PO11に位置する食パンXA1のうち、最も上流側の食パンXA1を、搬送面815a,816aの幅方向に押して、供給位置PO11に位置する食パンXA1を、待機位置PO12で待機する食パンXA1に対してずらす。その後、図22に示すように、送出しユニット813が、供給位置PO11に位置する所定枚数の食パンXA1を、包装機(図示省略)へと続く第6ベルトコンベア装置1000に向けて送り出す。
供給位置PO11に位置する食パンXA1が送り出されると、図23に示すように、送出しユニット813が、初期位置に退避する。そして、図24に示すように、保持ユニット814が、待機位置PO12に位置する食パンXA1の保持を解除する。これと同時に、搬送面815a,816aが走行して食パンXA1の供給位置PO11に向けた搬送を再開する。
供給位置PO11に向けて搬送された食パンXA1は、図25に示すように、位置決めプレート812a,812bに突き当たる。食パンXA1が位置決めプレート812a,812bに突き当たると、それと同時に、搬送面815a,816aは停止する。この時、先行する所定枚数の食パンXA1が供給位置PO11に位置し、後続する残りの食パンXA1が待機位置PO12に位置する。その後、図20〜図25に示す動作を繰り返す。
図1に戻って説明する。第1分割搬出装置900は、段積み用の第1搬送経路R12として使用される。この第1分割搬出装置900は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第5搬送コンベア装置700から自身の上流で引き継いで、所定数のカット片毎に分割してから第6搬送コンベア装置1000に送り出す。この第1分割搬出装置900において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が搬送方向に並べられた駒立ての状態で受け入れられ、その後、所定数のカット片毎に、当該所定数のカット片が横転された段積みの状態で送り出される。
具体的に、図26(A)および図26(B)を用いて第1分割搬出装置900の構成について説明する。図26(A)は、第1分割搬出装置900の上面図である。図26(B)は、第1分割搬出装置900の側面図である。
図26(A)および図26(B)に示す第1分割搬出装置900は、載置面910を備えてなり、第5搬送コンベア装置700から載置面910に送り込まれた食パンXA1を、載置面910の下流の分割位置PO21で所定枚数のカット片に分割してから第6搬送コンベア装置1000に向けて搬出する。食パンXA1は、例えば、カット片が2枚〜3枚毎に段積みにされた状態で、第6搬送コンベア装置1000に向けて送り出される。なお、分割位置PO21とは、食パンXA1を第6搬送コンベア装置1000に向けて送り出すために、当該食パンXA1を所定枚数のカット片に分割する位置のことをいう。
具体的に、第1分割搬出装置900は、載置面910と、第1押しユニット920と、第2押しユニット930と、下流支持ユニット940と、下方支持ユニット950と、保持手段960と、横転手段970と、上流側ベルトコンベア980と、下流側ベルトコンベア990と、を備えている。
載置面910には、第5搬送コンベア装置700から送り込まれた食パンXA1が載置される。具体的に、載置面910には、複数のカット片にカットされた食パンXA1が流れ方向に並ぶように群をなして載置される。
第1押しユニット920は、載置面910に載置された食パンXA1を押して、所定枚数毎に載置面910の下流の分割位置PO21に向けて送り出す動作を、第2押しユニット930と交互に行う。
具体的に、第1押しユニット920は、載置面910上の食パンXA1を上流側から押す第1押し部材921と、この第1押し部材921を幅方向に移動させる第1幅方向エアシリンダ922と、第1押し部材921を流れ方向に移動させる第1流れ方向ロボシリンダ923と、を備えている。
第1押し部材921は、載置面910の上流から下流に向けて間欠的に走行することで、載置面910上の食パンXA1を上流側から押し、当該食パンXA1を所定数のカット片毎に分割位置PO21に順次移動させる。第1幅方向エアシリンダ922は、第1押し部材921を、載置面910上の位置と、載置面910から退避した位置と、の間で移動させる。第1流れ方向ロボシリンダ923は、第1押し部材921を第1幅方向エアシリンダ922と共に、載置面910の上流から、分割位置PO21の手前までの間で移動させる。
第2押しユニット930は、第1押しユニット920の下方に設けられ、当該第1押しユニット920と干渉することが防止されている。具体的に、第2押しユニット930は、第1押しユニット920と同様、第2押し部材931と、第2幅方向エアシリンダ932と、第2流れ方向ロボシリンダ933と、を備えている。なお、第2押しユニット930の動作は、第1押しユニット920の動作と同様であり、その説明を省略する。
下流支持ユニット940は、載置面910上に載置された食パンXA1を下流側から支持する。具体的に、下流支持ユニット940は、食パンXA1を下流側から支持する下流支持部材941と、この下流支持部材941を食パンXA1の流れに応じて移動させる下流支持用ロボシリンダ942と、を備えている。
下流支持用ロボシリンダ942は、下流支持部材941を、食パンXA1を載置面910に待機させる下流待機位置と、この下流待機位置から下流に退避して食パンXA1の分割位置PO21への移動を可能にする下流退避位置と、の間で移動させる。
下方支持ユニット950は、分割位置PO21において所定数のカット片に分割された食パンXA1を下方から支持する。具体的に、下方支持ユニット950は、食パンXA1を下方から支持する下方支持部材951と、この下方支持部材951を食パンXA1の流れに応じて退避させる下方支持用エアシリンダ952と、を備えている。
下方支持部材951は、載置面910と比較して低い位置に設けられている。このため、下方支持部材951に支持される食パンXA1は、載置面910上の食パンXA1と比較して、低い位置に配置される。下方支持用エアシリンダ952は、下方支持部材951を、分割位置PO21において食パンXA1を支持する下方支持位置と、この下方支持位置から上流に退避して食パンXA1を所定数のカット片毎に落下させる下方退避位置と、の間で移動させる。
保持手段960は、載置面910上の食パンXA1を、分割位置PO21の食パンXA1を落下させることに先立って保持する。具体的に、保持手段960は、載置面910上に位置する食パンXA1の下流側に回り込む回込み保持部材961と、この回込み保持部材961の動力源となる回込み保持用エアシリンダ962と、を備えている。
回込み保持用エアシリンダ962は、回込み保持部材961を、載置面910上に待機する食パンXA1の下流側に回り込ませる回込み保持位置と、この回込み保持位置から上方に退避して食パンXA1の保持を解除する解除位置と、の間で移動させる。
横転手段970は、所定数のカット片に分割されて分割位置PO21から落下した食パンXA1を受け入れてから、当該食パンXA1を前倒しになるように搬送方向に回転させることで横転させる(横倒させる)。具体的に、横転手段970は、分割位置PO21の下方において幅方向に平行な水平軸回りに回転する羽根車971と、この羽根車971の動力源となるサーボモータ(図示省略)と、などを備えている。羽根車971は、回転軸972と、この回転軸972に設けられた4枚の羽根973と、を備えている。4枚の羽根973は、互いに直交するように配置され、分割位置PO21から落下した食パンXA1を受け入れる受入部を構成する。羽根973の上に落下した食パンXA1は、羽根973の回転と共に上流側ベルトコンベア980に向けて横転させられて段積みの状態になる。なお、食パンXA1を横転させる向きが、搬送方向に向かった前倒しの方向であるので、横転後の食パンXA1は、搬送方向に向かって左右対称となる(図26(A)参照)。
上流側ベルトコンベア980は、横転手段970によって横転させられて段積みの状態となった食パンXA1を、自身の上流で引き継いで、下流側ベルトコンベア990に向けて搬送する。具体的に、上流側ベルトコンベア980は、複数のローラ981,982と、これら複数のローラ981,982に引っ掛けられて走行する環状のベルト983と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、などを備えている。なお、上流側ベルトコンベア980の具体的な構成は、原則として第1搬送コンベア装置100の構成と同様である。ただし、上流側ベルトコンベア980は、下流に向かって上り傾斜となるように設けられている。また、上流側ベルトコンベア980は、横転手段970から段積みの状態で食パンXA1を引き継ぐと、ベルト983を上流に向けて僅かに逆走させて、引き継いだ食パンXA1を横転手段970に押し付けて、段積みの状態を整える。その後、上流側ベルトコンベア980は、再び、ベルト983を下流に向けて走行させる。
下流側ベルトコンベア990は、段積みの状態の食パンXA1を、上流側ベルトコンベア980から自身の上流に引き継いで、第6搬送コンベア装置1000の上流に向けて搬送する。具体的に、下流側ベルトコンベア990は、複数のローラ991,992と、これら複数のローラ991,992に引っ掛けられて走行する環状のベルト993と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、などを備えている。なお、下流側コンベア990の具体的な構成は、第1搬送コンベア装置100の構成と同様である。ただし、下流側ベルトコンベア990は、下流に向かって上り傾斜となるように設けられている。
次に、第1分割搬出装置900の動作手順について、図27〜図35に基づいて説明する。図27〜図35は、第1分割搬出装置900の動作を説明する図であって、各図(A)は上面図であり、各図(B)は側面図である。図27は、動作開始時を示す。図28は、図27に示す動作の続きを示す。図29〜図35についても、同様、一つ前の図に示す動作の続きを示す。
図27(A)および図27(B)に示すように、載置面910の下流側には下流支持部材941が配置され、載置面910の上流側には第1押し部材921が配置されている。複数のカット片にカットされた食パンXA1が、第5搬送コンベア装置700から第1分割搬出装置900の載置面910に送り込まれると、その食パンXA1は、図28(A)および図28(B)に示すように、下流支持部材941と第1押し部材921との間に載置される。そして、下流支持部材941が下流に退避すると同時に、第1押し部材921が食パンXA1を押し、当該食パンXA1の所定数のカット片を分割位置PO21に移動させる。これにより、図29(A)および図29(B)に示すように、食パンXA1の所定数のカット片は、載置面910と比較して低い位置に設けられている下方支持部材951に載置される。
また、図30(A)および図30(B)に示すように、回込み保持部材961が載置面910上に位置する食パンXA1の下流側に回り込む。さらに、図31(A)および図31(B)に示すように、下流支持部材941が下流に退避する。次いで、図32(A)および図32(B)に示すように、下方支持部材951が上流に退避して、食パンXA1の所定数のカット片が横転手段970(図26参照)に向けて落下する。
その後、図33(A)および図33(B)に示すように、退避していた下流支持部材941が元に戻ると共に、退避していた下方支持部材951が元に戻る。そして、図34(A)および図34(B)に示すように、回込み保持部材961が上方に退避する。以後、図28〜図34に示す動作を繰り返す。載置面910上の食パンXA1がなくなると、図35(A)および図35(B)に示すように、載置面910の下流側には下流支持部材941が配置されると共に、載置面910の上流側には第2押し部材931が配置され、次の食パンXA1が送り込まれることに備える。
図1に戻って説明する。第6搬送コンベア装置1000は、駒立て用の第1搬送経路R11と、段積み用の第1搬送経路R12と、の2本の経路として兼用されるものであり、予め選択して設定されている経路で使用される。この第6搬送コンベア装置1000は、所定数のカット片に分割された食パンXA1を、供給装置800または第1分割搬出装置900から自身の上流で引き継いで、1台目の包装機(図示省略)に向けて搬送する。この第6搬出コンベア装置1000において、供給装置800から供給される食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた状態で搬送される。また、第6搬出コンベア装置1000において、第1分割搬出装置900から供給される食パンXA1は、横転された段積みの状態で搬送される。
具体的に、図36および図37を用いて第6搬送コンベア装置1000の構成について説明する。図36(A)は、図1における矢印A方向に視た第6搬送コンベア装置1000の側面図であり、駒立て用の第1搬送経路R11として使用する場合を示す。すなわち、図36(A)は、搬送路である第6搬送コンベア装置1000が、起立姿勢の食パンXA1を受け取って搬送する第1形態に切り替えられている場合を示す。図36(B)は、図1における矢印A方向に視た第6搬送コンベア装置1000の側面図であり、段積み用の第1搬送経路R12として使用する場合を示す。すなわち、図36(B)は、搬送路である第6搬送コンベア装置1000が、横倒し姿勢の食パンXA1を受け取って搬送する第2形態に切り替えられている場合を示す。図37(A)は、図1における矢印B方向に視た第6搬送コンベア装置1000の側面図であり、駒立て用の第1搬送経路R11として使用する場合(第1形態の場合)を示す。図37(B)は、図1における矢印B方向に視た第6搬送コンベア装置1000の側面図であり、段積み用の第1搬送経路R12として使用する場合(第2形態の場合)を示す。
図36および図37に示すように、第6搬送コンベア装置1000は、駒立て用コンベアユニット1010と、段積み用コンベアユニット1020と、兼用コンベアユニット1030と、を備えている。
駒立て用コンベアユニット1010は、段積み用コンベアユニット1020の下方に設けられている。この駒立て用コンベアユニット1010は、駒立ての状態の食パンXA1を、供給装置800から自身の上流で引き継いで、兼用コンベアユニット1030の上流に向けて搬送する。すなわち、駒立て用コンベアユニット1010は、駒立て状態の食パンXA1を、第1所定数のカット片毎に搬送する第1搬送路として機能する。具体的に、駒立て用コンベアユニット1010は、ベルトコンベアとして、複数のローラ1011,1012と、これら複数のローラ1011,1012に引っ掛けられて走行する環状のベルト1013と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、などを備えている。駒立て用コンベアユニット1010の各部の動作は、第1搬送コンベア装置100が備えるベルトコンベアの動作と同様であり、その説明を省略する。
段積み用コンベアユニット1020は、駒立て用コンベアユニット1010の上方に昇降可能に設けられている。この段積み用コンベアユニット1020は、上流側ベルトコンベア1021と、この上流側ベルトコンベア1021の下流に連続する下流側ベルトコンベア1022と、これら上流側ベルトコンベア1021および下流側ベルトコンベア1022を昇降させる昇降機構(図示省略)と、を備えている。
上流側ベルトコンベア1021は、段積みの状態の食パンXA1を、第1分割搬出装置900から自身の上流で引き継いで、下流側ベルトコンベア1022の上流に向けて斜め上方に搬送する。具体的に、上流側ベルトコンベア1021は、複数のローラ1023,1024と、これら複数のローラ1023,1024に引っ掛けられて走行する環状のベルト1025と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、などを備えている。
下流側ベルトコンベア1022は、段積みの状態の食パンXA1を、上流側ベルトコンベア1021から自身の上流で引き継いで、兼用コンベアユニット1030の上流に向けて搬送する。具体的に、下流側ベルトコンベア1022は、複数のローラ1026,1027と、これら複数のローラ1026,1027に引っ掛けられて走行する環状のベルト1028と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、などを備えている。
上流側ベルトコンベア1021および下流側ベルトコンベア1022の各部の動作は、第1搬送コンベア装置100が備えるベルトコンベアの動作と同様であり、その説明を省略する。このように、上流側ベルトコンベア1021および下流側ベルトコンベア1022を含む段積み用コンベアユニット1020は、段積み状態の食パンXA1を、第1所定数と異なる第2所定数のカット片毎に搬送する第2搬送路として機能する。
昇降機構は、圧縮空気のエネルギを往復動力に変換するエアシリンダを備えている。この昇降機構は、上流側ベルトコンベア1021および下流側ベルトコンベア1022を上方に退避させて駒立て用コンベアユニット1010を使用可能にする駒立て搬送位置(図36(A)および図37(A)参照)と、上流側ベルトコンベア1021および下流側ベルトコンベア1022を下方に位置させて段積み用コンベアユニット1020自身を使用可能にする段積み搬送位置(図36(B)および図37(B)参照)と、の間で上流側ベルトコンベア1021および下流側ベルトコンベア1022を昇降させる。なお、段積み搬送位置は、段積み用コンベアユニット1020が兼用コンベアユニット1030に連続する基本位置を意味する。また、駒立て搬送位置は、段積み用コンベアユニット1020が基本位置から上方に退避する退避位置を意味する。
兼用コンベアユニット1030は、駒立て用コンベアユニット1010および段積み用コンベアユニット1020の下流において、傾斜するように可変に設けられている。この兼用コンベアユニット1030は、上流側ベルトコンベア1031と、この上流側ベルトコンベア1031に連続する下流側ベルトコンベア1032と、上流側ベルトコンベア1031の姿勢を傾斜するように変更する姿勢変更機構(図示省略)と、を備えている。
上流側ベルトコンベア1031は、駒立て用の第1搬送経路R11として使用する場合、駒立ての状態の食パンXA1を、駒立て用コンベアユニット1010から自身の上流で引き継いで、下流側ベルトコンベア1032の上流に向けて斜め上方に搬送する(図36(A)および図37(A)参照)。また、上流側ベルトコンベア1031は、段積み用の第1搬送経路R12として使用する場合、段積みの状態の食パンXA1を、段積み用コンベアユニット1020から自身の上流で引き継いで、下流側ベルトコンベア1032の上流に向けて搬送する(図36(B)および図37(B)参照)。
具体的に、上流側ベルトコンベア1031は、複数のローラ1033,1034と、これら複数のローラ1033,1034に引っ掛けられて走行する環状のベルト1035と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、などを備えている。下流側ベルトコンベア1032は、複数のローラ1036,1037と、これら複数のローラ1036,1037に引っ掛けられて走行する環状のベルト1038と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、などを備えている。上流側ベルトコンベア1031および下流側ベルトコンベア1032の各部の動作は、第1搬送コンベア装置100が備えるベルトコンベアの動作と同様であり、その説明を省略する。
姿勢変更機構は、上流側ベルトコンベア1031の下流側を支点として揺動させて当該上流側ベルトコンベア1031の姿勢を変更する。具体的に、姿勢変更機構は、上流側が下方となるように上流側ベルトコンベア1031を傾斜させて駒立て用コンベアユニット1010に連続させる駒立て搬送姿勢(図36(A)および図37(A)参照)と、上流側ベルトコンベア1031を水平にして段積み用コンベアユニット1020に連続させる段積み搬送姿勢(図36(B)および図37(B)参照)と、の間で上流側ベルトコンベア1031の姿勢を変更する。
図36(A)および図37(B)に示すように、駒立て用の第1搬送経路R11として使用する場合、第6搬送コンベア装置1000は、段積み用コンベアユニット1020における上流側ベルトコンベアユニット1021および下流側ベルトコンベアユニット1022を駒立て搬送位置にすると共に、兼用コンベアユニット1030における上流側ベルトコンベア1031を駒立て搬送姿勢にする。
図36(B)および図37(B)に示すように、段積み用の第1搬送経路R12として使用する場合、第6搬送コンベア装置1000は、段積み用コンベアユニット1020における上流側ベルトコンベアユニット1021および下流側ベルトコンベアユニット1022を段積み搬送位置にすると共に、兼用コンベアユニット1030における上流側ベルトコンベア1031を段積み搬送姿勢にする。
すなわち、上記第6搬送コンベア装置1000として説明する本発明に係る1つ目の搬送装置は、複数のカット片にカットされた物品を所定数の前記カット片毎に搬送する搬送装置であって、前記物品を、第1所定数のカット片毎に搬送する第1搬送路と、前記第1搬送路の上方に設けられ、前記物品を、前記第1所定数と異なる第2所定数のカット片毎に搬送する第2搬送路と、前記第1搬送路および前記第2搬送路のうちの一方に連続する搬送路であって、自身の下流側を支点として、前記第1搬送路に連続する第1姿勢および前記第2搬送路に連続する第2姿勢の間で上下に揺動する揺動搬送路と、を備えることを特徴とする。
2つ目の搬送装置は、上記1つ目の搬送装置において、前記第2搬送路は、前記第2姿勢の前記揺動搬送路と連続する基本位置と、前記基本位置から上方に退避する退避位置と、の間で昇降可能であることを特徴とする。
3つ目の搬送装置は、上記1つ目または2つ目の搬送装置において、前記第1搬送路および前記第2搬送路は、選択的に設定されている一方のみが機能することを特徴とする。
また、上記搬送設備1として説明する本発明に係る1つ目の搬送設備は、上記1つ目〜3つ目のいずれかの搬送装置と、前記搬送装置の前記第1搬送路の上流端に連続するように設けられ、前記物品を供給位置において前記第1所定数の前記カット片毎に分割してから前記搬送装置の前記第1搬送路に送り出す供給装置と、を備え、前記供給装置は、前記物品が、流れ方向に前記複数のカット片が並ぶように載置される面であり、上流から下流に向けて間欠的に走行することで、前記物品を搬送し、該物品を前記第1所定数の前記カット片毎に順次前記供給位置に位置させる搬送面と、前記物品に先行する位置で前記搬送面と一体に走行し、該物品を下流側から支持する先行支持部材と、前記物品に後続する位置で前記搬送面と一体に走行し、該物品を上流側から支持する後続支持部材と、前記供給位置に位置する前記物品を、前記搬送面の停止中に、幅方向の一方から他方に押送して、前記第1所定数の前記カット片を前記搬送装置の前記第1搬送路に送り出す送出しユニットと、前記供給位置の上流側に隣接する待機位置で待機する後続の前記カット片を保持するユニットであって、前記搬送面の停止中に、前記供給位置から前記カット片を前記送出しユニットが送り出すことに先立って後続の前記カット片を保持すると共に、前記送出しユニットが送り出した後に、前記搬送面が走行することに先立って、後続の前記カット片の保持を解除する保持ユニットと、を備えることを特徴とする。
2つ目の搬送設備は、上記1つ目の搬送設備において、前記供給装置は、前記搬送面として、前記先行支持部材と一体に構成される第一搬送面と、前記後続支持部材と一体に構成される面であり、前記第一搬送面との間の位相差が変更可能なように該第一搬送面の幅方向に並べて配置される第二搬送面と、を備え、前記先行支持部材および前記後続支持部材は、前記第一搬送面および前記第二搬送面の間の位相差を変更することで、一方を基準に他方が移動して互いに間隔が調整可能であることを特徴とする。
3つ目の搬送設備は、上記1つ目または2つ目の搬送設備において、前記ターンテーブル装置を経由した前記物品を前記第2所定数の前記カット片毎に分割してから前記搬送装置の前記第2搬送路に搬出する分割搬出装置を備え、前記分割搬出装置は、前記物品が、流れ方向に前記複数のカット片が並ぶように載置される載置面と、上流から下流に向けて間欠的に走行することで、前記物品を上流側から押し、該物品を前記第2所定数の前記カット片毎に前記載置面から分割位置に順次移動させる押し部材と、前記物品を下流側から支持する部材であって、前記物品を前記載置面に待機させる下流待機位置、および前記下流待機位置から下流に退避して前記物品の前記分割位置への移動を可能にする下流退避位置、の間で移動する下流支持部材と、前記分割位置に移動した所定数の前記カット片を下方から支持する部材であって、該所定数のカット片を支持する下方支持位置、および前記下方支持位置から退避して該所定数のカット片を落下させる下方退避位置、の間で移動する下方支持部材と、前記分割位置に移動した前記カット片に後続する前記カット片を保持する手段であって、前記分割位置から前記カット片を落下させることに先立って後続の前記カット片を保持すると共に、前記カット片が落下してから前記下流支持部材が前記下流待機位置に移動した後に、前記押し部材が走行することに先立って、後続の前記カット片の保持を解除する保持手段と、を備えることを特徴とする。
4つ目の搬送設備は、上記3つ目の搬送設備において、前記分割搬出装置は、前記分割位置から落下した前記カット片を受け入れる受入部を有する手段であって、前記受入部と共に前記カット片を下流前記搬送装置の前記第2搬送路に向けて横転させる横転手段を備えることを特徴とする。
図1に戻って説明する。第3ターンテーブル装置1100は、第2搬送経路R20と、第3搬送経路R30と、の2本の経路として兼用される。この第3ターンテーブル装置1100は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第3搬送コンベア装置400から自身の入口1101に受け入れて、1つ目の出口である第1出口1102と、2つ目の出口である第2出口1103と、に向けて搬送する。第1出口1102に搬送された食パンXA1は、第7搬送コンベア装置1200に送り出される。第2出口1103に搬送された食パンXA1は、第8搬送コンベア装置1300に送り出される。この第3ターンテーブル装置1100において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態で受け入れられ、その後、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、設定されている幅方向の一方(本実施形態では、幅方向に向かって右側)に片寄せられた状態で送り出される。
第2搬送経路R20として使用する場合、第3ターンテーブル装置1100は、入口1101から受け入れる食パンXA1を、第1出口1102に向けて搬送する。第2搬送経路R20と、第3搬送経路R30と、の2本の経路として兼用する場合、第3ターンテーブル装置1100は、入口1101から順次受け入れる食パンXA1を、第1出口1102および第2出口1103の2つの出口に向けて半々の回数に分けて搬送する。なお、第3ターンテーブル装置110の具体的な構成は、第1ターンテーブル装置200の構成と同様であり、その説明を省略する。
第7搬送コンベア装置1200は、第2搬送経路R20として使用される。この第7搬送コンベア装置1200は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第3ターンテーブル装置1100の第1出口1102から自身の上流で引き継いで、第2分割搬出装置1400の上流に向けて搬送する。この第7搬送コンベア装置1200において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられた状態で搬送される。なお、第7搬送コンベア装置1200の具体的な構成は、第1搬送コンベア装置100の構成と同様であり、その説明を省略する。
第8搬送コンベア装置1300は、第3搬送経路R30として使用される。この第8搬送コンベア装置1300は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第3ターンテーブル装置1100の第2出口1103から自身の上流で引き継いで、第3分割搬出装置1600の上流に向けて搬送する。この第8搬送コンベア装置1300において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が幅方向に並べられた駒立ての状態であって、且つ、幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられた状態で搬送される。なお、第8搬送コンベア装置1300の具体的な構成は、第2搬送コンベア装置300の構成と同様であり、その説明を省略する。
第2分割搬出装置1400は、第2搬送経路R20として使用される。この第2分割搬出装置1400は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第7搬送コンベア装置1200から自身の上流で引き継いで、所定数のカット片毎に分割してから第9搬送コンベア装置1500に送り出す。この第2分割搬出装置1400において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が搬送方向に並べられた駒立ての状態で受け入れられ、その後、所定数のカット片毎に、当該所定数のカット片が横転された段積みの状態で送り出される。なお、第2分割搬出装置1400の具体的な構成は、第1分割搬出装置900の構成と同様であり、その説明を省略する。
第9搬送コンベア装置1500は、第2搬送経路R20として使用される。この第9搬送コンベア装置1500は、所定数のカット片が段積みされた食パンXA1を、第2分割搬出装置1400から自身の上流で引き継いで、2台目の包装機(図示省略)に向けて搬送する。この第9搬送コンベア装置1500において、第2分割搬出装置1400から供給される食パンXA1は、横転された段積みの状態で搬送される。なお、第9搬送コンベア装置1500の具体的な構成は、第1搬送コンベア装置100の構成と同様であり、その説明を省略する。
第3分割搬出装置1600は、第3搬送経路R30として使用される。この第3分割搬出装置1600は、複数のカット片にカットされた1本分の食パンXA1を、第8搬送コンベア装置1300から自身の上流で引き継いで、所定数のカット片毎に分割してから第10搬送コンベア装置1700に送り出す。この第3分割搬出装置1600において、1本分の食パンXA1は、複数のカット片が搬送方向に並べられた駒立ての状態で受け入れられ、その後、所定数のカット片毎に、当該所定数のカット片が横転された段積みの状態で送り出される。なお、第3分割搬出装置1600の具体的な構成は、第1分割搬出装置900の構成と同様であり、その説明を省略する。
第10搬送コンベア装置1700は、第3搬送経路R30として使用される。この第10搬送コンベア装置1700は、所定数のカット片が段積みされた食パンXA1を、第3分割搬出装置1600から自身の上流で引き継いで、3台目の包装機(図示省略)に向けて搬送する。この第10搬送コンベア装置1700において、第3分割搬出装置1600から供給される食パンXA1は、横転された段積みの状態で搬送される。なお、第10搬送コンベア装置1700の具体的な構成は、第1搬送コンベア装置100の構成と同様であり、その説明を省略する。
次に、第1搬送経路R10を使用する場合における搬送設備1の動作手順について、図1に基づいて説明する。なお、搬送設備1には、前工程の設備(図示省略)から順次食パンXA1が送り込まれるが、1本分の食パンXA1のみを例に説明する。
まず、第1搬送経路R10を使用する場合を説明する。前工程の設備から送り込まれた食パンXA1は、第1搬送コンベア装置100によって搬送されて、入口201から第1ターンテーブル装置200に送り込まれる。第1ターンテーブル装置200に送り込まれた食パンXA1は、第2出口203まで搬送されて、第3搬送コンベア装置400に送り込まれる。食パンXA1は、第3搬送コンベア装置400によって搬送されて、入口501から第2ターンテーブル装置500に送り込まれる。第2ターンテーブル装置500に送り込まれた食パンXA1は、第1出口502まで搬送されて、第4搬送コンベア装置600に送り込まれる。第4搬送コンベア装置600に送り込まれた食パンXA1は、設定されている幅方向の一方(本実施形態では、搬送方向に向かって右側)に片寄せられている。食パンXA1は、第4搬送コンベア装置600によって搬送されて、供給装置800に送り込まれる。供給装置800に送り込まれた食パンXA1は、所定数のカット片毎に分割されて、駒立ての状態で第6搬送コンベア装置1000に送り込まれる。食パンXA1は、第6搬送コンベア装置1000によって搬送されて、1台目の包装機に供給される。
続いて、第1搬送経路R10および第2搬送経路R20の2本の経路を使用する場合を説明する。前工程の設備から送り込まれた食パンXA1は、第1搬送コンベア装置100によって搬送されて、入口201から第1ターンテーブル装置200に送り込まれる。第1ターンテーブル装置200に送り込まれた食パンXA1は、第1出口202まで搬送されて第2搬送コンベア装置300に送り込まれるか、または、第2出口203まで搬送されて第3搬送コンベア装置400に送り込まれる。すなわち、食パンXA1は、第1ターンテーブル装置200において、第1搬送経路R10および第2搬送経路R20に振り分けられる。
第3搬送コンベア装置400に送り込まれた食パンXA1は、当該第3搬送コンベア装置400によって搬送されて、入口501から第2ターンテーブル装置500に送り込まれる。第2ターンテーブル装置500に送り込まれた食パンXA1は、第2出口503まで搬送されて第5搬送コンベア装置700に送り込まれる。食パンXA1は、第5搬送コンベア装置700によって搬送されて、第1分割搬出装置900に送り込まれる。第1分割搬出装置900に送り込まれた食パンXA1は、所定数のカット片毎に分割されて、段積みの状態で第6搬送コンベア装置1000に送り込まれる。食パンXA1は、第6搬送コンベア装置1000によって搬送されて、1台目の包装機に供給される。
第2搬送コンベア装置300に送り込まれた食パンXA1は、当該第2搬送コンベア装置300によって搬送されて、入口1101から第3ターンテーブル装置1100に送り込まれる。第3ターンテーブル装置1100に送り込まれた食パンXA1は、第1出口1102まで搬送されて、第7搬送コンベア装置1200に送り込まれる。食パンXA1は、第7搬送コンベア装置1200によって搬送されて、第1分割搬出装置1400に送り込まれる。第1分割搬出装置1400に送り込まれた食パンXA1は、所定数のカット片毎に分割されて、段積みの状態で第9搬送コンベア装置1500に送り込まれる。食パンXA1は、第9搬送コンベア装置1500によって搬送されて、2台目の包装機に供給される。
最後に、第1搬送経路R10、第2搬送経路R20、および第3搬送経路R30の3本の経路を使用する場合を説明する。ただし、第1搬送経路R10および第2搬送経路R20の2本の経路を使用する場合と同様の部分についての説明は省略する。入口1101から第3ターンテーブル装置1100に送り込まれた食パンXA1は、第1出口1102まで搬送されて第7搬送コンベア装置1200に送り込まれるか、または、第2出口1103まで搬送されて第8搬送コンベア装置1300に送り込まれる。すなわち、食パンXA1は、第3ターンテーブル装置1100において、第2搬送経路R20および第3搬送経路R30に振り分けられる。
第7搬送コンベア装置1200に送り込まれた食パンXA1については、第1搬送経路R10および第2搬送経路R20の2本の経路を使用する場合と同様であり、その説明を省略する。第8搬送コンベア装置1300に送り込まれた食パンXA1は、当該第8搬送コンベア装置1300によって搬送されて、第3分割搬出装置1600に送り込まれる。第3分割搬出装置1600に送り込まれた食パンXA1は、所定数のカット片毎に分割されて、段積みの状態で第10搬送コンベア装置1700に送り込まれる。食パンXA1は、第10搬送コンベア装置1600によって搬送されて、3台目の包装機に供給される。
このように、本発明の上記実施形態によれば、次のような効果を奏する。すなわち、搬送する食パンXA1の大きさに応じて、当該食パンXA1をテーブル230上の所定の位置に移動させられるので、搬送する食パンXA1の大きさの変更に対応できる。
そして、第1ターンテーブル装置200によれば、入口201から順次受け入れた複数本の食パンXA1を、第1出口202および第2出口203に振り分けて送り出せる。2つの送出先の各々の包装機において、食パンXA1に対する包装を別々に施せる。このため、2つの送出先の各々の処理能力を上げずに、ライン全体としての処理能力の低下を防止できる。同様に、第3ターンテーブル装置1100によれば、入口1101から順次受け入れた複数本の食パンXA1を、第1出口1102および第2出口1103に振り分けて送り出せる。2つの送出先の各々の包装機において、食パンXA1に対する包装を別々に施せる。このため、2つの送出先の各々の処理能力を上げずに、ライン全体としての処理能力の低下を防止できる。
また、第2ターンテーブル装置500によれば、入口501から順次受け入れた複数の食パンXA1を、予め選択した特定の出口(第1出口502または第2出口503のいずれか)から送り出せる。第1出口502から送り出す場合、その第1出口502に対応する供給装置800において、食パンXA1を所定数のカット片に分割して駒立ての状態で送り出せる。第2出口503から送り出す場合、その第2出口503に対応する第1分割搬出装置900において、食パンXA1を所定数のカット片に分割して段積みの状態で送り出せる。すなわち、選択する出口を変更することで、食パンXA1に対する処理内容を変更できる。
さらに、第1ターンテーブル装置200によれば、第1出口202または第2出口203より下流における搬送方向に対する食パンXA1の姿勢を、入口201より上流における搬送方向に対する食パンXA1の姿勢と同様、複数のカット片が幅方向に並ぶようにすることができる。すなわち、第1ターンテーブル装置200の前後(上流および下流)において、搬送方向に対する食パンXA1の姿勢を変更せずに当該食パンXA1を搬送できる。このような効果や、以下に説明する第1ターンテーブル装置200の効果は、第2ターンテーブル装置500および第3ターンテーブル装置1100においても同様に奏される。
そして、第1ターンテーブル装置200によれば、テーブル230が、自身の外側に位置する鉛直な回転軸の周囲に回転自在に設けられているので、テーブルが直線的に移動するものと仮定した場合と比較して、当該ターンテーブル装置200のコンパクト化を図れる。
また、第1ターンテーブル装置200によれば、片寄せ用レール261,262の起伏の度合を変更しておくことで、食パンXA1をテーブル230上で移動させる位置を、搬送する出口(第1出口202、第2出口203)毎に設定可能である。結果、食パンXA1をテーブル230上で移動させる位置を、搬送する出口毎に変更できる。
さらに、第1ターンテーブル装置200によれば、テーブル230を複数備えているので、入口201からの食パンXA1の受入れと、第1出口202または第2出口203からの食パンXA1の送出しと、を同時にするなど、複数本の食パンXA1を同時に処理できる。
また、第1ターンテーブル装置200によれば、テーブル230に載せて搬送中の食パンXA1を、第1出口202までの間に、当該第1出口202の幅方向と一致するテーブル230の幅方向の一方に片寄せる片寄せ手段260を備えているので、幅方向の長さを変更した食パンXA1が送り込まれた場合であっても、第2搬送コンベア装置300の幅調整は、一方のサイドガイド(図示省略)を位置調整するだけでよく、簡単に対応できる。
さらに、第2ターンテーブル装置500によれば、テーブルに載せて搬送中の食パンXA1を、第1出口502までの間に、当該第1出口502の幅方向と一致するテーブルの幅方向の一方に片寄せる片寄せ手段を備えているので、搬送先である供給装置800において、片寄せた側を基準として食パンXA1に対する処理を施せる。このため、食パンXA1の長さに変更がある場合であっても、基準を変えずに処理を施せる(図15参照)。
そして、第1ターンテーブル装置200によれば、テーブル230の回転動力を利用する片寄せ手段260を備えているので、食パンXA1をテーブル230の幅方向の一方に片寄せるサイドガイド268の動きを、テーブル230を回転させる動きに連動させられる。このため、複雑に制御することなく、食パンXA1をテーブル230の幅方向の一方に片寄せられる。
また、第1ターンテーブル装置200によれば、テーブル傾斜手段250を備えているので、テーブル230が傾斜姿勢となることで、テーブル230の回転時に遠心力によって食パンXA1がテーブル230内で移動して当該テーブル230から落下することを防止できる。
さらに、第1ターンテーブル装置200によれば、テーブル230の回転動力を利用するテーブル傾斜手段250を備えているので、テーブル230を基本姿勢から傾斜姿勢にする動きを、テーブル230を回転させる動きに連動させられる。このため、複雑に制御することなく、テーブル230の回転時に遠心力によって食パンXA1がテーブル230内で移動して当該テーブル230から落下することを防止できる。
そして、第1ターンテーブル装置200によれば、食パンXA1を押して当該食パンXA1を第1出口202または第2出口203から出す押出手段280を備えているので、当該第1ターンテーブル装置200内において食パンXA1に勢いをつけることなく、当該食パンXA1を第1出口202または第2出口203から送り出せる。このため、食パンXA1を所望の位置や姿勢に保つことが容易である。
また、第1ターンテーブル装置200によれば、食パンXA1を押して当該食パンXA1を入口201から入れる押入手段270を備えているので、入口201より上流において食パンXA1に勢いをつけることなく、当該食パンXA1を入口201から受け入れられる。このため、食パンXA1を所望の位置や姿勢に保つことが容易である。
さらに、第1分割搬出装置900によれば、第1押し部材921または第2押し部材931によって押される食パンXA1を任意の数のカット片毎に分割して搬出できる。また、分割位置PO21からカット片を落下させて食パンXA1を搬出する際に、載置面910で待機する後続のカット片を保持手段960によって保持しているので、待機中のカット片が倒れたり分割位置から落下したりするなどの不具合を防止できる。このような効果や、以下に説明する第1分割搬出装置900の効果は、第2分割搬出装置1400および第3分割搬出装置1600においても同様に奏される。
そして、第1分割搬出装置900によれば、カット片を下流に向けて横転させる横転手段970を備えているので、任意の数のカット片毎に分割された食パンXA1を、当該カット片を倒して積み上げた段積みの状態(ただし、カット片が1枚の場合を含む。)で搬出できる。すなわち、食パンXA1を少ない枚数(例えば、1、2枚)のカット片毎に搬出した場合に、後工程において、食パンXA1が倒れることはなく、食パンXA1の状態を一定にして搬送できる。
また、供給装置800によれば、供給位置PO11に位置させる食パンXA1の枚数が、第6搬送コンベア装置1000に送り出す食パンXA1の分量になる。このため、供給位置PO11に位置させる食パンXA1の枚数を予め調整しておくことで、第6搬送コンベア装置1000に送り出す食パンXA1の分量を決定できる。すなわち、第6搬送コンベア装置1000に送り出す食パンXA1の分量を変更できる。即ち、1本の食パンXA1を任意の枚数ずつに分割して第6搬送コンベア装置1000に供給することができる。また、食パンXA1を送り出す際に、待機位置PO12で待機する後続の食パンXA1を保持ユニット814によって保持しているので、待機中の食パンXA1が倒れるなどの不具合を防止できる。
そして、保持ユニット814が、待機位置PO12で待機する食パンXA1のうち、少なくとも最も下流側の食パンXA1を、幅方向の両側から挟持する一対の挟持部材833,834を備えているから、簡単な構成で、待機中の食パンXA1を保持できる。
また、供給位置PO11に位置する食パンXA1を送出しユニット813が送り出すことに先立って、供給位置PO11に位置する食パンXA1のうち、少なくとも最も上流側の食パンXA1を回込み支持部材835が押してずらすので、供給位置PO11に位置する食パンXA1を、待機位置PO12で待機する食パンXA1から確実に切り離せる。これにより、送出しユニット813による食パンXA1の第6搬送コンベア装置1000への送出しを円滑に行える。また、回込み支持部材835が待機中の食パンXA1の下流側に回り込んで支持するので、待機中の当該食パンXA1を確実に保持できる。
さらに、先行支持部材817および後続支持部材818が、搬送面815aおよび816aの間の位相差を変更することで、互いの間隔が調整可能であるので、第4搬送コンベア装置600から一時に送り込まれる食パンXA1の長さに変更がある場合であっても、先行支持部材817および後続支持部材818の互いの間隔を調整することで、簡単に対応できる。
そして、第6搬送コンベア装置1000によれば、搬送する食パンXA1の分量を、供給装置800から引き継ぐカット片の枚数と、第1分割搬出装置900から引き継ぐカット片の枚数と、の間で変更できる。すなわち、搬送する食パンXA1の分量の変更に対応できる。
また、段積み用コンベアユニット1020が昇降可能であるので、兼用コンベアユニット1030の揺動範囲を小さくできる。これにより、第6搬送コンベア装置1000のコンパクト化を実現できる。また、兼用コンベアユニット1030の傾斜角度を小さくできる。これにより、傾斜角度が大きくなる場合と比較して、搬送中の食パンXA1が倒れたり滑ったりする可能性を低減できる。
さらに、使用する搬送路として、駒立て用コンベアユニット1010および段積み用コンベアユニット1020を選択的に設定しておくことで、搬送する食パンXA1の分量を、供給装置800から引き継ぐカット片の枚数と、第1分割搬出装置900から引き継ぐカット片の枚数と、のうちの所望の一方に限定できる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、形状、材質、向き、数量などは適宜変更できる。例えば、テーブル傾斜用レール251の起伏の度合や、片寄せ用レール261,262の起伏やその度合などが挙げられる。片寄せ用レール261,262の起伏やその度合を変更することで、サイドガイド267,268は、食パンXA1をテーブル230の幅方向の一方に片寄せるのでなく、食パンXA1をテーブル230の幅方向の中心に寄せるように機能させることもできる。
上記実施形態において、挟持部材833,834は、待機位置PO12に位置する食パンXA1のうち、最も下流側に位置する1,2枚程度の食パンXA1を挟持するが、本発明はこれに限定されず、待機位置PO12に位置する食パンXA1のうち、最も下流側に位置する1枚の食パンXA1を挟持することができれば、何枚の食パンXA1を挟持するようにしてもよい。例えば、待機位置PO12に位置する全ての食パンXA1を挟持するようにしてもよい。
あるいは、上記実施形態において、回込み支持部材835は、供給位置PO11に位置する食パンXA1のうち、最も上流側に位置する1枚の食パンXA1を、搬送面815a,816aの幅方向に押すが、本発明はこれに限定されず、供給位置PO11に位置する食パンXA1のうち、最も上流側に位置する1枚の食パンXA1を押すことができれば、何枚の食パンXA1を押すようにしてもよい。例えば、供給位置PO11に位置する全ての食パンXA1を押すようにしてもよい。
あるいは、上記実施形態において、スライダ828に固定された上流側のメインフレーム830に対して、下流側引出し部831が幅方向(食パンXA1の流れ方向)にスライドすることで、プッシャ824の幅を変更しているが、下流側の引出し部831をスライダ828に固定すると共に、上流側のメインフレーム830を幅方向(食パンXA1の流れ方向)にスライドすることで、プッシャ824の幅を変更してもよい。この場合、下流側の引出し部831が幅方向(食パンXA1の流れ方向)について固定されているので、プッシャ824の幅を変更した場合であっても、位置決めプレート812a,812bの位置を変更しなくてよい。
あるいは、上記実施形態において、食パンXA1を後工程の包装機(図示省略)に向けて送り出す手段として、往復滑り子機構823の往復運動を利用して食パンXA1を押送する送出しユニット813を採用しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、サイドフィンガーコンベアやオーバーヘッドコンベアを採用するようにしてもよい。
次に、図38を用いて別形態に係る供給装置840の構成について説明する。図38は、送出しユニット841を示す上面図である。なお、ここでは、供給装置840の特徴部分のみを説明し、供給装置800と同様の構成、作用および効果についての説明は省略する。
供給装置840は、送出しユニット813を備える代わりに、送出しユニット841を備えている点で、供給装置800と異なる。
図38に示す送出しユニット841は、サイドフィンガーコンベアを採用したものである。具体的に、送出しユニット841は、動力源となるモータ(図示省略)と、このモータの回転動力によって回転するスプロケット842,843と、これらスプロケット842,843の回転に伴って走行する環状のチェーン844と、このチェーン844に固定された複数(本実施形態では3つ)のサイドフィンガー845と、を備えている。サイドフィンガー845は、チェーン844の走行に伴って、搬送面815a,816aの上方を幅方向の一方から他方に向けて横切るように走行する。これにより、サイドフィンガー845は、供給位置PO11に位置する所定枚数の食パンXA1を、搬送面815a,816aの幅方向の一方から他方に押送する。なお、サイドフィンガー845は送り出す枚数によって長さを調整することができる。
あるいは、上記実施形態において、第6搬送コンベア装置1000は、供給装置800からの第1搬送路となる駒立て用コンベアユニット1010と、第1分割搬出装置900からの第2搬送路となる段積み用コンベアユニット1020と、を備えているが、本発明は、これに限定されることはない。すなわち、本発明は、食パンXA1を、第1所定数のカット片毎に搬送する第1搬送路と、この第1搬送路の上方に設けられ、食パンXA1を、第1所定数と異なる第2所定数のカット片毎に搬送する第2搬送路と、を備えていればよい。