JP5943808B2 - Tdi方式リニアイメージセンサを用いた撮像システム、及びその駆動方法 - Google Patents

Tdi方式リニアイメージセンサを用いた撮像システム、及びその駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、リモートセンシング等の分野で用いられるリニアイメージセンサを用いた撮像システム、及びその駆動方法に関する。
半導体基板上に多数の光検出器をアレイ状に配置し、この光検出器からの信号電荷の読出回路及び出力アンプを同じ基板上に備えたイメージセンサが多数開発されている。また、例えば人工衛星から地表を撮像する等の、対象を遠隔から測定する手段であるリモートセンシングでは、光検出器を1次元アレイ状に配置したリニアイメージセンサを人工衛星等に搭載して、アレイ方向と垂直な方向を衛星の進行方向に一致させることによって、地表の2次元画像が撮影される。
リニアイメージセンサを衛星に搭載する場合、光学系の焦点面にリニアイメージセンサが配置される。このような、衛星に搭載したリニアイメージセンサでは、光学フィルタを組み合わせた複数のリニアイメージセンサを同一焦点面上に並べて配置することでカラー画像を取得する、あるいはまた、画素ピッチの異なる複数のリニアイメージセンサを並べて配置することで解像度が異なる画像を同時に取得する、といった応用例がある。
一方、画像解像度を向上させるには画素ピッチをできるだけ小さくすることが望ましいが、光検出器の面積が縮小する分だけ入射光量が減少し、S/Nが劣化するという課題がある。そのS/Nを改善するための巧妙な手段としてTDI方式(Time Delay and Integration)のイメージセンサが開発されている。TDI方式は、2次元イメージセンサであるFFT(フル・フレーム・トランスファ)型CCD(Charge Coupled Devices)を用い、電荷転送のタイミングを被写体像の移動タイミングに同期させることで信号電荷の積分を行い、S/Nを改善する読出し方式である。リモートセンシングの場合、画像における垂直方向の電荷転送を衛星の移動速度に合わせることでTDI動作が実現できる。垂直CCDでM段のTDI動作を行うと、蓄積時間が実効的にM倍となるため、感度がM倍向上し、S/Nは√M倍に改善される。
一方、このようなTDI方式において、イメージセンサにおける一般的な電荷転送を行った場合、得られる画像がぼける、つまりMTF(Modulation Transfer Function)が劣化するという問題が生じる。この問題を解決するために、例えば特許文献1では、信号電荷の水平転送期間を複数回に分割して垂直転送を行うことを開示している。
また、TDI方式ではないイメージセンサにおいて信号出力に発生するカップリングノイズを抑制する方法について、例えば特許文献2には、信号電荷の垂直転送時に水平転送を一時停止させる方法が開示されている。
特許3866699号公報 特開2009−302934号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の方法は、TDI方式及び通常タイプのリニアイメージセンサを単独で使用する場合にはMTFの抑制及びカップリングノイズ対策として有効である。しかしながら、画素ピッチの異なる複数のリニアイメージセンサを光学系の同一焦点面上に並べた撮像システムの場合には、従来の方法ではカップリングノイズの影響を除去することができないという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、MTFを劣化させず、かつカップリングノイズの影響を除去したTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システム、及びその駆動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の一態様における、撮像システムの駆動方法は、画素を形成し垂直転送方向へ信号電荷を転送する光電変換部を備え、該光電変換部に対し時間遅延積分動作にて上記信号電荷の転送を行うTDI方式のリニアイメージセンサを複数種類備えた撮像システムの駆動方法であって、各リニアイメージセンサに対して、複数相数の垂直転送クロックを供給して垂直転送方向へ信号電荷を転送し、上記信号電荷の転送にあたり各リニアイメージセンサ間において、複数の垂直転送クロックの切り替わりタイミングを一致させることを特徴とする。
上述の一態様における撮像システムの駆動方法によれば、複数種類のTDI方式リニアイメージセンサを用いる撮像システムにおいて、各リニアイメージセンサの垂直転送クロックの切り替わりタイミングを一致させる。これにより、カップリングノイズの出現頻度が低減され、画像補正及びノイズを回避した信号読み出し等のカップリングノイズ対策の適用が容易になるとともに、検出器面上に投影された被写体像の移動と垂直転送されるポテンシャル井戸の移動との乖離を小さくできるため、TDI方式の撮像におけるMTFの劣化も抑制することができる。
本発明の実施の形態1による、TDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法を説明するための図であり、(a)及び(b)は各リニアイメージセンサに供給する垂直転送クロックのタイミング図であり、(c)は出力信号に重畳するカップリングノイズを示す図である。 図1に示す垂直転送クロックが供給されるTDI方式リニアイメージセンサにおける一部の画素付近を拡大したレイアウト図であり、(a)はリニアイメージセンサAの、(b)はリニアイメージセンサBのレイアウト図である。 図1に示す垂直転送クロックが供給されるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法でセンサを駆動した場合の、垂直CCDに形成されるポテンシャル井戸の動きを表した図であり、(a)はリニアイメージセンサAの、(b)はリニアイメージセンサBの図である。 図1に示す垂直転送クロックが供給されるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法でセンサを駆動した場合の、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸の関係を示す図である。 本発明の実施の形態2による、TDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法を説明するための図であり、(a)及び(b)は各リニアイメージセンサに供給する垂直転送クロックのタイミング図であり、(c)は出力信号に重畳するカップリングノイズを示す図である。 図5に示す垂直転送クロックが供給されるTDI方式リニアイメージセンサにおける一部の画素付近を拡大したレイアウト図であり、(a)はリニアイメージセンサAの、(b)はリニアイメージセンサBのレイアウト図である。 図5に示す垂直転送クロックが供給されるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法でセンサを駆動した場合の、垂直CCDに形成されるポテンシャル井戸の動きを表した図であり、(a)はリニアイメージセンサAの、(b)はリニアイメージセンサBの図である。 図5に示す垂直転送クロックが供給されるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法でセンサを駆動した場合の、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸の関係を示す図である。 本発明の実施の形態3による、TDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法を説明するための図であり、(a)及び(b)は各リニアイメージセンサに供給する垂直転送クロックのタイミング図であり、(c)は出力信号に重畳するカップリングノイズを示す図である。 図9に示す垂直転送クロックが供給されるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法でセンサを駆動した場合の、垂直CCDに形成されるポテンシャル井戸の動きを表した図であり、(a)はリニアイメージセンサAの、(b)はリニアイメージセンサBの図である。 図9に示す垂直転送クロックが供給されるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法でセンサを駆動した場合の、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸の関係を示す図である。 本発明の実施の形態1から3の撮像システムの概略構成を示すブロック図である。 従来のTDI方式リニアイメージセンサの素子部分の平面図である。 従来のTDI方式リニアイメージセンサの一部の画素付近を拡大したレイアウト図である。 従来のTDI方式リニアイメージセンサのCCD転送方法を示す図である。 従来の2次元イメージセンサの駆動方法を示す図である。 従来の2次元イメージセンサの駆動方法でセンサを駆動した場合の、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸の関係を示す図である。 従来のTDI方式リニアイメージセンサの駆動方法で単独のセンサを駆動した場合の、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸の関係を示す図である。 従来のTDI方式リニアイメージセンサの駆動方法と、φVカップリングノイズの関係を示す図である。 従来のTDI方式リニアイメージセンサの駆動方法で2種類のセンサを駆動した場合の、駆動方法とφVカップリングノイズの関係を示す図である。
本発明の実施形態である、TDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システム、及びその駆動方法について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。また、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け当業者の理解を容易にするため、既によく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。また、以下の説明及び添付図面の内容は、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
上記実施形態を説明するにあたり、その理解をより容易にするため、まず従来のTDI方式のイメージセンサの構成と駆動方法について、図面を用いて説明する。
図13は、垂直CCDとして4相駆動CCDを用いた、従来のTDI方式のイメージセンサの素子全体の平面構造を示すレイアウト図である。また図14は、図13に示したTDI方式のイメージセンサの画素領域の一部を拡大したレイアウト図である。
図13のレイアウトでは、Si基板表面上に画素1が2次元アレイ状に配列されている。ここで、TDI方式により時間遅延積分された信号電荷が水平CCD2に向かって垂直方向(図面下方)へと転送され、さらに水平CCD2で水平方向(図面右方)へと転送されて、出力アンプ5から読み出される。画素1と水平CCD2との間には、電荷蓄積部3が設けられている。また、画素1のアレイを挟み水平CCD2とは反対側(図面上方)に、不要な電荷を排出するための電荷排出ドレイン4が設けられている。図13の例では、垂直方向のTDI転送には4相駆動CCDが用いられている。
図14に示すように、Si基板上には、ポリシリコンからなる転送電極9a、9b、9c、9d(総括して転送電極9と記す場合もある)が配置され、その下に転送チャネル(図示せず)が形成される。この転送チャネルは、Si基板とは逆の導電型の不純物領域からなる分離領域10で電気的に分離されている。4相駆動CCDでは4本1組の転送電極9a〜9dによって画素1が形成される。この転送電極9a〜9dには、コンタクトホール6および金属配線7を介して、入力ピン8a〜8dからCCD転送クロックφV1〜φV4が与えられる。
次に、このように構成されたイメージセンサの駆動について説明する。
図15の(a)は、4相駆動CCDの転送方向に沿った断面構造の模式図と、転送チャネルのポテンシャル変化のようすとを時系列に表した図であり、図15の(b)は4相駆動CCDに与えるクロック波形を示している。
4相駆動CCDの転送電極9a〜9dに、入力ピン8a〜8dから図15の(b)に示す転送クロックφV1〜φV4を与えると、時刻t1〜t5における転送チャネルのポテンシャル分布は図15の(a)のようになる。ここで、CCD転送クロックのHigh電圧をH、Low電圧をLとする。図15の(a)に示すように、転送電極9のうち電圧Hが印加された転送電極の下にポテンシャル井戸11が形成される。ここで当該イメージセンサへの光入射によって発生した信号電荷を12とすると、CCDの転送動作によってポテンシャル井戸11が図面右方へと移動するのに伴って、信号電荷12は図面右方へと電荷転送される。このとき、被写体像の移動速度とCCD転送速度とを一致させることによりTDI(時間遅延積分)動作が実現でき、被写体像による光入射によって発生した信号電荷12は、その像位置に対応したポテンシャル井戸11に蓄積されながら垂直転送される。
一般的な2次元イメージセンサの場合、垂直方向への電荷転送は水平ブランキング期間に行われ、水平方向1ラインの信号読み出しごとに1段の垂直転送を行う。
一方、リモートセンシングに用いるTDI方式リニアイメージセンサにこの一般的な転送方法を適用した場合には、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸との位置関係に最大で1ライン分のずれが発生し、人工衛星の進行方向に沿ったMTFが劣化する、つまり画像がボケる、という問題が生じる。これは、被写体像の移動が連続的で滑らかであるのに対して、CCD転送によるポテンシャル井戸の移動が段階的であることに起因する。その模様について、図面を用いて説明する。
図16は、垂直転送に4相駆動CCDを用いた2次元イメージセンサの一般的な駆動方法であって、垂直転送クロックと信号出力のタイミングとを模式的に示すタイミング図である。ここでは、垂直方向の電荷転送は水平ブランキング期間に行われ、水平方向1ラインの信号読み出しごとに1段の垂直転送が行われる。
一方、図17は、図16に示した垂直転送クロックで、TDI方式リニアイメージセンサを駆動した場合の、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸との関係をグラフ化して示したものである。この駆動方法では、ポテンシャル井戸の移動は1撮像周期あたりに1回しか行われないため、タイミングによってポテンシャル井戸と被写体像とのズレつまり乖離が大きくなる場合がある。よって、光入射で発生した信号電荷が隣のポテンシャル井戸に蓄積される確率が増し、MTFを劣化させる。
被写体像とポテンシャル井戸との乖離を最小限にしてMTFの劣化を抑制するためには、例えば、4相駆動CCDで各相の実効的な電極長(つまり転送電極の転送方向長さの内、ゲートオーバーラップ等を除いた電極長、以下、単に「電極長」と記す)を互いに等しくするとよい。即ち、図15の(b)に示す転送クロックにおいて、時刻t1〜t5が等間隔になるように設定するとよい。この場合の、被写体像とポテンシャル井戸との関係を図18に示す。図18に示すように、信号読み出し期間(つまり撮像周期)中に垂直転送を複数回に分けて行うことで、被写体像とポテンシャル井戸との乖離を小さくすることができ、MTF劣化が抑制される。
しかしながら、信号読み出し期間中に垂直方向の電荷転送を行うと、信号出力にカップリングノイズが重畳するといった別の問題が発生する。その模様について、以下で図面を用いて説明する。
図19は、垂直転送に4相駆動CCDを用いたTDI方式リニアイメージセンサの、垂直転送クロックと信号出力のタイミングとを模式的に示すタイミング図である。図19の(a)に示すように、1撮像周期に垂直転送を1/4段ずつ4回に分けて行うことで、MTFの劣化を抑制している。このとき、センサの出力波形は、図19の(b)に示すように、信号出力期間中の時刻N1、N2、N3において垂直転送クロックが切り替わるため、これらの駆動クロックの干渉によって信号出力にスパイク状のカップリングノイズが重畳する問題が発生する。
このような問題の対策として、上記特許文献2では、予め暗時の画像を取得して外部メモリに保存しておき、撮像画像に対して外部メモリに保存した暗時出力画像を減算処理することで、φVカップリングノイズを除去する画像補正方法が提案されている。また特許文献1では、垂直転送クロックの立上り/立下り前後の一定期間、水平転送クロックを一時停止させることで、カップリングノイズの重畳を回避する方法が提案されている。
特許文献1及び特許文献2に記載の方法は、TDI方式リニアイメージセンサを単独で使用する場合にはφVカップリングノイズ対策として有効である。
しかしながら、画素ピッチの異なる複数のリニアイメージセンサを光学系の同一焦点面上に並べた撮像システムの場合には、1水平転送期間内に垂直転送クロックの立上り/立下りタイミングが数多く出現し、かつ水平転送期間ごと垂直転送クロックの立上り/立下りタイミングが一定にならないため、従来の方法ではカップリングノイズの影響を除去することができない。この模様について、以下で図面を用いて説明する。
画素ピッチPの異なる2種類のリニアイメージセンサAおよびBを同一焦点面上に並べた撮像システムにおいて、2種類のイメージセンサがいずれも垂直転送に4相駆動CCDを用いたTDI方式リニアイメージセンサであり、画素ピッチPの比率がPa:Pb=4:5である場合を例にとって説明する。
図20の(a)及び(b)は、この場合の垂直転送クロックと信号出力のタイミングとを模式的に示したタイミング図である。撮像周期Tは、TDI動作において被写体像が1画素分だけ移動する時間に相当するため、2つのセンサの撮像周期Tの比は、画素ピッチPの比に等しく、Ta:Tb=4:5となる。
図20の(c)は、2つのセンサを同時に駆動した場合の、リニアイメージセンサBの水平方向1ラインの出力(期間H1b)を抜き出して示したタイミング図である。このとき、リニアイメージセンサBの信号出力DObには、2つのセンサを駆動するための各々の垂直転送クロックによるカップリングノイズが重畳する。即ち、リニアイメージセンサAの垂直転送クロックが切り替わる時刻N1a〜N4aと、リニアイメージセンサBの垂直転送クロックが切り替わる時刻N1b〜N3bにおいて、信号出力DObにカップリングノイズが重畳する。その結果、リニアイメージセンサを単独で駆動する場合に比べて、水平方向1ラインの出力に重畳するカップリングノイズの出現頻度が増加することになる。
図20の(c)は、期間H1bの水平方向1ラインの出力を抜き出して示したものであるが、期間H2b〜H4bについても同様に、出力信号にはカップリングノイズが重畳する。また、図示していないが、そのカップリングノイズの出現タイミングは、期間H1b〜H4bごとに互いに異なっている。
したがって、特許文献1に開示される方法を用いて、カップリングノイズの出現タイミングを避けて信号読み出しを行う場合には、一時停止の回数を著しく増加させる必要があり、実質的にこのような転送は不可能である。
また、特許文献2に開示される方法で画像補正を試みた場合には、数ライン分の補正用データが必要となり、データの処理量及び外部メモリの数が増大するという問題が生じる。
以下に説明する実施の形態におけるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムは、このような問題を解決するための構成を備える。
具体的には、一態様として、TDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムにおけるリニアイメージセンサの駆動方法では、画素ピッチの比率が異なる2種類のTDI方式リニアイメージセンサを併用する撮像システムにおいて、画素ピッチが長い方のTDI方式リニアイメージセンサの垂直転送クロックの切り替わりタイミングを、画素ピッチが短い方のTDI方式リニアイメージセンサの垂直転送クロックの切り替わりタイミングに一致させる。
このように構成することで、2種類のセンサの垂直転送クロックの切り替わりタイミングの大部分が一致するため、カップリングノイズの出現頻度が低減され、画像補正及びノイズを回避した信号読み出し等のカップリングノイズ対策の適用が容易になる。
また、他の態様として、画素ピッチの比率が異なる2種類のTDI方式リニアイメージセンサを併用する撮像システムにおいて、それぞれのリニアイメージセンサの垂直CCDの転送電極の電極長を互いに一致させるとともに、それぞれのリニアイメージセンサの垂直CCDへの転送クロックの相数の比率を画素ピッチの比率に一致するように構成する。
さらにまた、別の態様として、画素ピッチの比率が異なる2種類のTDI方式リニアイメージセンサを併用する別の撮像システムにおいて、それぞれのリニアイメージセンサの垂直CCDに供給する転送クロックの相数を互いに一致させるとともに、それぞれのリニアイメージセンサの垂直CCDの転送電極の電極長を、垂直転送クロックのH期間の長さに応じて電極ごとに異なるように構成する。
上述のような、TDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システム、及びTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムによれば、2種類のセンサの垂直転送クロックの切り替わりタイミングが一致するような駆動を行った場合に、検出器面上に投影された被写体像の移動と垂直転送されるポテンシャル井戸の移動との乖離を小さくできるため、TDI撮像におけるMTFの劣化が抑制される。
これらのリニアイメージセンサの駆動方法、及び各撮像システムについて、以下でさらに詳しく説明する。
まず、以下に説明するTDI方式リニアイメージセンサの駆動方法が実行され下記の各実施の形態に適用可能な撮像システムの概略構成例を図12に示す。
図12に示すように、上記撮像システム110は、TDI方式リニアイメージセンサAと、TDI方式リニアイメージセンサBと、これらの各イメージセンサA,Bの駆動制御を行う駆動制御装置101とを備える。尚、図12では各実施の形態に関する部分のみを図示しており、イメージセンサに付属する光学系等、撮像システムで一般的に備わる構成部分については図示を省略している。また、このような撮像システム110は、例えば人工衛星に搭載することができる。
ここでリニアイメージセンサA,Bは、それぞれ、半導体基板上に、光電変換部の一例である光検出器を2次元アレイ状に配置し、垂直転送方向へ時間遅延積分された信号電荷を出力するTDI方式のイメージセンサである。また、光検出器から出力される信号電荷の読出回路及び出力アンプを、リニアイメージセンサA,Bと同じ基板上に備えることもできる。また、上記垂直転送方向は、信号電荷のTDI転送を行う方向であり、当該リニアイメージセンサA,Bを例えば人工衛星に搭載したときにおける衛星の進行方向に対応する方向である。また、図2、図6及び図9において「109」は垂直転送方向を示す。
また、以下に説明する各実施の形態では、リニアイメージセンサA、Bにおける画素ピッチは異なる。また、リニアイメージセンサA、Bは、従前と同様に、光学系の同一焦点面上に並列して配置される。
各リニアイメージセンサA,Bの駆動制御を行う駆動制御装置101は、コンピュータを用いて実現され、駆動制御機能に対応するソフトウェアと、これを実行するためのCPU(中央演算処理装置)及びメモリ等のハードウェアから構成されている。以下で説明するリニアイメージセンサA,Bの駆動制御動作は、この駆動制御装置101にて実行される。
実施の形態1.
まず、上述の撮像システムの駆動方法、つまり上述のリニアイメージセンサの駆動方法について説明する。
図1は本発明の実施の形態1によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法を説明するための図であり、各リニアイメージセンサに供給する垂直転送クロックのタイミング図である。また図2は、本発明の実施の形態1による撮像システムにおいて用いられる、2種類のTDI方式リニアイメージセンサの画素領域の一部を拡大したレイアウト図である。
本実施の形態1による撮像システムは、画素ピッチPの異なる2種類のリニアイメージセンサA及びリニアイメージセンサBを同一焦点面上に配置し、2つのリニアイメージセンサA,Bにおける画素ピッチPの比率をPa:Pb=4:5としている。このとき、図2の(a)に示すように、リニアイメージセンサAの垂直CCDを4相の転送クロックで駆動されるCCDとし、一方、図2の(b)に示すように、リニアイメージセンサBの垂直CCDを5相の転送クロックで駆動されるCCDとしている。また、本実施の形態1では、リニアイメージセンサA、Bに備わる垂直CCDの転送電極9の垂直転送方向109における電極長を、図2に示すように「W」で一致させている。
また、図1の(a)及び(b)は、それぞれ、リニアイメージセンサA、及びリニアイメージセンサBを駆動させるための垂直転送クロックと信号出力のタイミングとを模式的に示したタイミング図である。ここで撮像周期Tは、TDI動作において被写体像が1画素分だけ移動する時間に相当するため、2つのセンサA,Bの撮像周期Tの比は、画素ピッチPの比に等しく、Ta:Tb=4:5となる。
このように本実施の形態1では、各リニアイメージセンサに対して供給される、垂直転送方向へ信号電荷を転送する複数相数の垂直転送クロックについて、各リニアイメージセンサ間での垂直転送クロックの相数の比率を、各リニアイメージセンサ間での画素ピッチの比率に一致させた。
この構成により、以下でも説明するが、複数のリニアイメージセンサについて、検出器面上に投影された被写体像の移動と垂直転送されるポテンシャル井戸の移動との乖離を小さくするような垂直転送ができるため、TDI撮像におけるMTFの劣化が抑制される。
本実施の形態1によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法では、図1の(a)及び(b)に示すように、リニアイメージセンサBの垂直転送クロックの切り替わりタイミングN0b〜N4b、N5bを、リニアイメージセンサAの垂直転送クロックの切り替わりタイミングN0a〜N4a、N0aに一致させるように、駆動制御装置101は駆動クロックである垂直転送クロックを設定する。
このとき、従来のTDI方式リニアイメージセンサの場合と同様に、2つのリニアイメージセンサA,Bの信号出力DOaとDObには、カップリングノイズが相互に重畳する。
しかしながら、本実施形態では2つのリニアイメージセンサA,Bの垂直転送クロックの切り替わりタイミングを上述のように一致させているため、カップリングノイズの出現頻度は、図1の(c)に示すように、リニアイメージセンサを単独で駆動した場合と同程度となる。即ち、本実施の形態による駆動方法によれば、複数のイメージセンサの垂直転送クロックの相互干渉によって発生するカップリングノイズについて、1撮像周期あたりの出現頻度を低減させることができる。
その結果、例えば特許文献1に開示される従来の信号読み出し方法、及び特許文献2に開示される従来の画像補正方法を適用することで、φVカップリングノイズの影響を低減または回避することが可能になる。このように、画像補正やノイズを回避した信号読み出しが容易になる。
上述したように、本実施の形態1によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法によれば、上述のφVカップリングノイズの影響低減または回避とともに、TDI撮像におけるMTFの劣化も抑制することができる。
これについて図を用いて説明する。図3は、本実施の形態1によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法で各リニアイメージセンサA,Bを駆動した場合の、垂直CCDに形成されるポテンシャル井戸の動きを模式的に表した図である。図3では、図1に示したクロックタイミング図における時刻t1〜t5での転送電極下のチャネルポテンシャル分布を時系列に示している。
図3の(a)及び(b)がそれぞれリニアイメージセンサA及びリニアイメージセンサBにおけるポテンシャル井戸を示しており、図中の×印が、一つのポテンシャル井戸の中心位置を示している。また図4は、本実施の形態1によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法によってリニアイメージセンサA,Bを駆動した場合の、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸との関係をグラフ化して示したものである。
図4に示すように、本実施の形態1による撮像システムでは、画素ピッチの異なる2種類のリニアイメージセンサA及びリニアイメージセンサBは、共に、検出器面上に投影された被写体像の移動と垂直転送されるポテンシャル井戸の移動との乖離が小さくなるため、TDI撮像におけるMTFの劣化が抑制可能である。
本実施の形態1では、上述のようにリニアイメージセンサA,Bにおける画素ピッチの比率と、各リニアイメージセンサA,Bへ供給する各垂直転送クロックの相数の比率とを一致させ、かつ、リニアイメージセンサA,B間において、複数の垂直転送クロックの切り替わりタイミングを一致させた。
しかしながら、リニアイメージセンサA,Bにおける画素ピッチが同じ場合でも、上で説明したように、リニアイメージセンサA,B間において、複数の垂直転送クロックの切り替わりタイミングを一致させるだけでもよい。タイミングを一致させることで、上記カップリングノイズについて1撮像周期あたりの出現頻度を低減させることができる。よって、画像補正やノイズを回避した信号読み出しが容易になり、さらにTDI撮像におけるMTFの劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施の形態1による撮像システムでは、画像補正やノイズを回避した信号読み出しが容易になるため、画像処理部の小型化及び省電力化を図ることができる。
また、本実施の形態1では、上述のようにリニアイメージセンサA,Bにおける垂直CCDの転送電極の電極長を一致させているため、イメージセンサのレイアウト設計においては画素部のデザインルールを共通にすることができる。そのため、イメージセンサの製造工程においても例えばゲート形成のプロセス条件が同一になるといったメリットがあり、2種類のイメージセンサA,Bを同一ウエハ上に作製する場合には素子の製造歩留を向上させることができる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法を説明するための図であり、各リニアイメージセンサA,Bに供給する垂直転送クロックのタイミング図である。また図6は、本実施の形態2による撮像システムにおいて用いられる、2種類のTDI方式リニアイメージセンサの画素領域の一部を拡大したレイアウト図である。
本実施の形態2による撮像システムにおいても、実施の形態1の場合と同様に、画素ピッチPの異なる2種類のリニアイメージセンサA、Bを同一焦点面上に配置し、2つのセンサの画素ピッチPの比率をPa:Pb=4:5としている。
一方、本実施の形態2では、図6の(a)及び(b)に示すように、リニアイメージセンサA及びリニアイメージセンサBの垂直CCDを両者ともに4相の垂直転送クロックで駆動されるCCDとする。
また、リニアイメージセンサAの垂直CCDの4つの転送電極9(9a、9b、9c、9d)の垂直転送方向109における電極長(転送長ともいう)をWとするとき、リニアイメージセンサBの垂直CCDの4つの転送電極9(9a、9b、9c、9d)のうち、ここでは垂直転送クロックφV3が供給される1つの転送電極9cの電極長を2W、つまりWの2倍の長さとする。一方、残り3つの転送電極9a、9b、9d(これらには垂直転送クロックφV1、φV2、φV4がそれぞれ供給される)の電極長をWとする。また、図5の(b)に示すように、転送電極9c下にポテンシャル井戸が形成される期間が長くなるように、転送電極9cに供給される垂直転送クロックφV3のH電圧期間は、時刻t2から時刻t4である。これに対し、その他の転送電極9a,9b,9dに供給される垂直転送クロックφV1、φV2、φV4のH電圧期間は、例えば時刻t1から時刻t2である。このように本実施の形態2では、転送電極9の電極長は、各リニアイメージセンサにおいて、垂直転送クロックのH電圧期間の長さに対応した長さに設定している。
このように、本実施の形態2では、転送電極長の構成を変えることで、各リニアイメージセンサA、Bが同じ4相駆動でありながら、画素ピッチPの比率がPa:Pb=4:5と異なるリニアイメージセンサA、Bを実現している。
このような構成により、複数のリニアイメージセンサについて、検出器面上に投影された被写体像の移動と垂直転送されるポテンシャル井戸の移動との乖離を小さくするような垂直転送ができるため、TDI撮像におけるMTFの劣化が抑制される。
本実施の形態2によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法でも、実施の形態1の場合と同様で図5の(a)及び(b)に示すように、リニアイメージセンサBの垂直転送クロックの切り替わりタイミングN0b〜N4b、N5bを、リニアイメージセンサAの垂直転送クロックの切り替わりタイミングN0a〜N4a、N0aに一致させるように駆動クロックを設定する。このとき、従来のTDI方式リニアイメージセンサの場合と同様に、2つのリニアイメージセンサの信号出力DOa及びDObには、カップリングノイズが相互に重畳する。しかしながら、2つのリニアイメージセンサの垂直転送クロックの切り替わりタイミングが上述のように一致しているため、図5の(c)に示すように、カップリングノイズの出現頻度は、リニアイメージセンサを単独で駆動した場合と同程度である。
したがって、特許文献1に開示される従来の信号読み出し方法、及び特許文献2に開示される従来の画像補正方法を適用することで、φVカップリングノイズの影響を低減または回避することが可能になる。
このように、本実施の形態2によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法によれば、実施の形態1の場合と同様に、上述のφVカップリングノイズの影響低減または回避とともに、TDI撮像におけるMTFの劣化も抑制することができる。
これについて図を参照して説明する。図7は、本実施の形態2によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法で各リニアイメージセンサを駆動した場合の、垂直CCDに形成されるポテンシャル井戸の動きを模式的に表した図である。この図7では、図5に示したクロックタイミング図における時刻t1〜t5での転送電極9下のチャネルポテンシャル分布を時系列に示している。また、図7の(a)及び(b)がそれぞれリニアイメージセンサA及びリニアイメージセンサBの各ポテンシャルを示しており、図中の×印が、一つのポテンシャル井戸の中心位置を示している。また図8は、本実施の形態2によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法で各リニアイメージセンサを駆動した場合の、リニアイメージセンサBについて検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸との関係をグラフ化して示したものである。
上述したように、本実施の形態2による撮像システムでは、リニアイメージセンサBの垂直転送電極9の内、垂直転送クロックφV3が供給される転送電極9cの電極長を他の転送電極9a,9b,9dの電極長の2倍とし、さらに、リニアイメージセンサBに対して図5のクロックタイミング図に示したように、転送電極9c下にポテンシャル井戸が形成される期間が長くなるように駆動クロックφV3を設定している。
その結果、図8に示したように、リニアイメージセンサBでは、検出器面上に投影された被写体像の移動と垂直転送されるポテンシャル井戸の移動との乖離は、図17に示した一般的な2次元イメージセンサの駆動方法による場合に比べて小さくなる。よって、TDI撮像におけるMTFの劣化が抑制可能となる。なお、リニアイメージセンサAについては、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸との関係は、図4と同様であり、両者の乖離は小さくなる。よってリニアイメージセンサAについても、TDI撮像におけるMTFの劣化が抑制可能である。
また、本実施の形態2による撮像システムにおいても、画像補正やノイズを回避した信号読み出しが容易になるため、画像処理部の小型化及び省電力化を図ることができる。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法を説明するための図であり、各リニアイメージセンサに供給する垂直転送クロックのタイミング図である。ここで、本実施の形態3による撮像システムにおいて用いられる2種類のTDI方式リニアイメージセンサの画素レイアウトは、図6に示した実施の形態2におけるTDI方式リニアイメージセンサの画素レイアウトと同様である。即ち、リニアイメージセンサA及びリニアイメージセンサBの垂直CCDを両者ともに4相駆動のCCDとし、リニアイメージセンサAの垂直CCDの4つの転送電極9の垂直転送方向における電極長をWとするとき、リニアイメージセンサBにおける垂直CCDの4つの転送電極9a,9b,9c,9dの内、垂直転送クロックφV3bが供給される1つの転送電極9cの垂直転送方向における電極長を2Wとし、残り3つの転送電極9a,9b,9dの垂直転送方向における電極長をWとしている。このような構成により、2つのリニアイメージセンサA,Bの画素ピッチPの比率をPa:Pb=4:5としている。
また、本実施の形態3によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法でも、上述の実施形態と同様に図9の(a)及び(b)に示すように、リニアイメージセンサBの垂直転送クロックの切り替わりタイミングN0b〜N4b、N5bを、リニアイメージセンサAの垂直転送クロックの切り替わりタイミングN0a〜N4a、N0aに一致させるように駆動クロックを設定する。このとき、従来のTDI方式リニアイメージセンサの場合と同様に、2つのリニアイメージセンサの信号出力DOa及びDObには、カップリングノイズが相互に重畳する。しかしながら、2つのリニアイメージセンサの垂直転送クロックの切り替わりタイミングが上述のように一致しているため、図5の(c)に示すように、カップリングノイズの出現頻度は、リニアイメージセンサを単独で駆動した場合と同程度である。
したがって、特許文献1に開示される従来の信号読み出し方法、及び特許文献2に開示される従来の画像補正方法を適用することで、φVカップリングノイズの影響を低減または回避することが可能になる。
さらに本実施の形態3では、リニアイメージセンサBに対して、図9の(b)に示すように、各転送電極9a,9b,9c,9dに対応して、各転送電極9へ供給する垂直転送クロックφV1b、φV2b、φV3b、φV4bのH電圧期間を変化させている。このとき、各転送電極9の長さと垂直転送クロックのH電圧期間とを適切に組み合わせることによって、垂直CCDに形成されるポテンシャル井戸の動きを一定間隔にすることができる。その場合の電極長の長短と垂直転送クロックのH電圧期間との関係について、以下で詳しく説明する。
図10は、本実施の形態3によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法で各リニアイメージセンサを駆動した場合の、リニアイメージセンサA,Bについて垂直CCDに形成されるポテンシャル井戸の動きを模式的に表した図である。この図10では、図9に示したクロックタイミング図における時刻t1〜t5での転送電極9下のチャネルポテンシャル分布を時系列に示している。また、図10の(a)及び(b)がそれぞれリニアイメージセンサA及びリニアイメージセンサBの各ポテンシャルを示しており、図中の×印が、各リニアイメージセンサA,Bの一つのポテンシャル井戸の中心位置を示している。また図11は、本実施の形態3によるTDI方式リニアイメージセンサを用いた撮像システムの駆動方法で各リニアイメージセンサを駆動した場合の、リニアイメージセンサBについて検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸との関係をグラフ化して示したものである。
本実施の形態3による撮像システムでは、リニアイメージセンサBの垂直転送電極9の構成は、実施の形態2における撮像システムの場合と同様である。即ち、4つの転送電極9の内、垂直転送クロックφV3bが供給される1つの転送電極9cの垂直転送方向における電極長を2Wとし、残り3つの転送電極9a,9b,9dの垂直転送方向における電極長をWとしている。
この場合の、リニアイメージセンサBにおける垂直転送クロックの与え方と、垂直CCDに形成されるポテンシャル分布におけるポテンシャル井戸の動きとの関係について、図10の(b)を用いて説明する。
まず、時刻t1においては、リニアイメージセンサBの4つの転送電極9のうち、転送電極9a,9bにH電圧の垂直転送クロック(φV1b、φV2b)を与えるように駆動する。次に時刻t2において、4つの転送電極9のうち転送電極9a,9b、9cの3つにH電圧の垂直転送クロック(φV1b、φV2b、φV3b)を与えるように駆動すると、時刻t1からt2にかけて、ポテンシャル井戸の中心が垂直転送方向109に電極長W分だけ移動する。次に時刻t3において4つの転送電極9のうち転送電極9cにのみH電圧の垂直転送クロック(φV3b)を与えるように駆動すると、時刻t2からt3にかけて、ポテンシャル井戸の中心が垂直転送方向109に電極長W分だけ移動する。次に時刻t4において4つの転送電極9のうち転送電極9c,9d、9aの3つにH電圧の垂直転送クロック(φV3b、φV4b、φV1b)を与えるように駆動すると、時刻t3からt4にかけて、ポテンシャル井戸の中心が垂直転送方向109に電極長W分だけ移動する。さらに時刻t5において4つの転送電極9のうち転送電極9a,9bにH電圧の垂直転送クロック(φV1b、φV2b)を与えるように駆動すると、時刻t4からt5にかけて、ポテンシャル井戸の中心が垂直転送方向109に電極長W分だけ移動する。
その結果、ポテンシャル井戸の移動が図11に示すように規則的な動きになり、検出器面上に投影された被写体像の移動と垂直転送されるポテンシャル井戸の移動との乖離が小さくなる。よって、TDI撮像におけるMTFの劣化が抑制可能となる。
尚、リニアイメージセンサAについては、検出器面上に投影された被写体像と垂直転送されるポテンシャル井戸との関係は、図4に示した場合と同様であり、両者の乖離は小さくなる。よって、TDI撮像におけるMTFの劣化が抑制可能となる。
したがって本実施の形態3においても、上述のφVカップリングノイズの影響低減または回避とともに、TDI撮像におけるMTFの劣化も抑制することが可能である。
また、本実施の形態3による撮像システムにおいても、画像補正やノイズを回避した信号読み出しが容易になるため、画像処理部の小型化及び省電力化を図ることができる。
以上説明した各実施の形態1〜3では、リニアイメージセンサA、Bにおける画素ピッチの比率がPa:Pb=4:5の場合について示した。しかしながら、画素ピッチの比率は、これに限定されず、その他の比率の場合でも上述した考え方が適用可能である。
また、上述した各実施の形態で説明したように、各実施の形態は画素ピッチの異なる複数のリニアイメージセンサを同一焦点面上に配置した撮像システムに対して特に有効である。しかしながら、画素ピッチが同一である複数のリニアイメージセンサを有する撮像システムに適用することもできる。
また、各実施の形態1〜3では、画素ピッチの異なる2種類のリニアイメージセンサを同一焦点面上に配置した撮像システムについて示した。しかしながら、システム構成はこれに限定されるものではなく、画素ピッチの異なる3種類以上のリニアイメージセンサを同一焦点面上に配置した撮像システムについても、上述した考え方が適用可能である。
1 画素、6 コンタクトホール、7 金属配線、8 入力ピン、9 転送電極、
10 画素分離、11 ポテンシャル井戸、12 信号電荷、
101 駆動制御装置、110 撮像システム。

Claims (6)

  1. 画素を形成し垂直転送方向へ信号電荷を転送する光電変換部を備え、該光電変換部に対し時間遅延積分動作にて上記信号電荷の転送を行うTDI方式のリニアイメージセンサを複数種類備えた撮像システムの駆動方法であって、
    各リニアイメージセンサに対して、複数相数の垂直転送クロックを供給して垂直転送方向へ信号電荷を転送し、
    上記信号電荷の転送にあたり各リニアイメージセンサ間において、複数の垂直転送クロックの切り替わりタイミングを一致させ、
    各リニアイメージセンサは、異なる画素ピッチを有し、
    相対的に短い画素ピッチを有するリニアイメージセンサに供給される複数の第1垂直転送クロックの切り替わりタイミングを生成し、
    上記短い画素ピッチに比して長い画素ピッチを有するリニアイメージセンサに供給される複数の第2垂直転送クロックの切り替わりタイミングを、第1垂直転送クロックの切り替わりタイミングに一致させる、
    ことを特徴とする撮像システムの駆動方法。
  2. 画素を形成し垂直転送方向へ信号電荷を転送する光電変換部を備え、該光電変換部に対し時間遅延積分動作にて上記信号電荷の転送を行うTDI方式のリニアイメージセンサを複数種類備えた撮像システムであって、
    各リニアイメージセンサは、異なる画素ピッチを有し、
    各リニアイメージセンサに対して供給される、垂直転送方向へ信号電荷を転送する複数相数の垂直転送クロックについて、各リニアイメージセンサ間での垂直転送クロックの相数の比率を、各リニアイメージセンサ間での画素ピッチの比率に一致させた、
    ことを特徴とする撮像システム。
  3. 画素を形成し垂直転送方向へ信号電荷を転送する光電変換部を備え、該光電変換部に対し時間遅延積分動作にて上記信号電荷の転送を行うTDI方式のリニアイメージセンサを複数種類備えた撮像システムであって、
    各リニアイメージセンサは、異なる画素ピッチを有し、
    各リニアイメージセンサには、垂直転送方向へ信号電荷を転送する複数相数の垂直転送クロックが同数で供給され、
    各リニアイメージセンサは、上記垂直転送方向への信号電荷を転送するための電極であって垂直転送方向において電極長を有する転送電極を有し、上記電極長は、各リニアイメージセンサにおいて、上記垂直転送クロックのH電圧期間に、上記時間遅延積分動作によって被写体像が上記転送電極上を移動する長さである、
    ことを特徴とする撮像システム。
  4. 画素を形成し垂直転送方向へ信号電荷を転送する光電変換部を備え、該光電変換部に対し時間遅延積分動作にて上記信号電荷の転送を行うTDI方式のリニアイメージセンサを複数種類備えた撮像システムであって、
    各リニアイメージセンサに対して、垂直転送方向へ信号電荷を転送する複数相数の垂直転送クロックをそれぞれ供給し、かつ、各垂直転送クロックの切り替わりタイミングを各リニアイメージセンサ間で一致させる駆動制御装置を備え、
    各リニアイメージセンサは、異なる画素ピッチを有し、
    上記駆動制御装置は、相対的に短い画素ピッチを有するリニアイメージセンサに供給される複数相数の第1垂直転送クロックの切り替わりタイミングを決定し、上記短い画素ピッチに比して長い画素ピッチを有するリニアイメージセンサに供給される複数相数の第2垂直転送クロックの切り替わりタイミングを、第1垂直転送クロックの切り替わりタイミングに一致させる、
    ことを特徴とする撮像システム。
  5. 各リニアイメージセンサは、上記垂直転送方向への信号電荷を転送するための電極であって垂直転送方向において同じ電極長を有する転送電極を有し、
    上記駆動制御装置は、さらに、各リニアイメージセンサ間での画素ピッチの比率と、これらのリニアイメージセンサにそれぞれ供給される上記第1垂直転送クロックと上記第2垂直転送クロックの相数の比率とを一致させる、
    請求項に記載の撮像システム。
  6. 上記駆動制御装置は、各リニアイメージセンサに供給する上記第1垂直転送クロック及び上記第2垂直転送クロックにおける相数を同数とし、
    各リニアイメージセンサは、上記垂直転送方向への信号電荷を転送するための電極であって垂直転送方向における電極長を有する転送電極を有し、各リニアイメージセンサにおいて、上記電極長は、上記第1及び第2垂直転送クロックの各H電圧期間に、上記時間遅延積分動作によって被写体像が上記転送電極上を移動する長さである、
    請求項に記載の撮像システム。
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