JP5943487B2 - 半導体封止用樹脂組成物及びその硬化物を備えた半導体装置 - Google Patents
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Description
(A)1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネートエステル化合物
(B)1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物
(C)無機充填剤
(D)下記一般式(3)または(4)で表されるエポキシ樹脂
(F)モリブデン酸金属塩を無機担体に担持してなる物質、及び
(G)下記式で表されるハイドロタルサイト様化合物及び/または該ハイドロタルサイト様化合物の焼成物
[M 2+ 1−x M 3+ x (OH) 2 ] x+ [(A n− x/n )・mH 2 O] x−
(上記式中、M 2+ はMg 2+ 、Ca 2+ 、Zn 2+ 、Co 2+ 、Ni 2+ 、Cu 2+ 、又はMn 2+ であり、M 3+ はAl 3+ 、Fe 3+ 、又はCr 3+ であり、A n− はOH − 、Cl − 、CO 3 2− 、又はSO 4 2− であり、xは0より大きい数であり、mは0または0より大きい数である)
を含み、(A)シアネートエステル化合物中のシアナト基に対する(B)フェノール化合物中のフェノール性水酸基のモル比が0.2〜0.4であり、かつ(A)シアネートエステル化合物中のシアナト基に対する(D)エポキシ樹脂中のエポキシ基のモル比が0.04〜0.25である組成物である。
(A)成分は、1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネートエステル化合物である。本発明におけるシアネートエステル化合物は1分子中に2個以上のシアナト基を有するものであればよく、一般に公知のものが使用できる。該シアネートエステル化合物は、例えば下記一般式(1)で表すことができる。
(B)成分は1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物であり、1分子中に2個以上の水酸基を有するものであれば一般に公知のものが使用できる。該フェノール化合物は、例えば下記一般式(2)で表すことができる。
上記式中、R7は、互いに独立に、下記のいずれかである。
本発明において無機充填剤の種類は特に制限されず、半導体封止用樹脂組成物の無機充填剤として公知のものを使用できる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、クリストバライト等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛等が挙げられる。これら無機充填剤の平均粒径や形状は、用途に応じて選択されればよい。中でも、シリコンに近い熱膨張係数を得るためには、溶融シリカが好ましく、形状は球状のものが好適である。無機充填剤の平均粒径は0.1〜40μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜15μmであるのがよい。該平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
(D)成分は下記式(3)または(4)で表されるエポキシ樹脂である。
(E)成分は下記一般式(5)で表される化合物である。
(F)成分は、モリブデン酸金属塩を無機担体に担持してなる物質である。(F)成分は、組成物のpHを酸性から中性よりに変化させる効果、及びリードフレームやメッキ由来のCuイオンやAgイオンの遊離を抑制または捕捉する効果を有する。本発明は、(F)成分を下記に記載する(G)成分と併せて配合することを特徴とする。これにより、本発明の組成物の硬化物で封止したデバイスを高温下に長期間置いたときに生じる金属フレームの腐食を抑制し、かつ、高温下で硬化物と金属フレームとの優れた密着性を維持することができる。
(G)成分はハイドロタルサイト様化合物及び/またはハイドロタルサイト様化合物の焼成物である。ハイドロタルサイト様化合物とは例えば下記組成式で表される層状複水酸化物であり、陰イオン交換体として機能する。
[M2+ 1−xM3+ x(OH)2]x+[(An− x/n)・mH2O]x−
上記式中、M2+はMg2+、Ca2+、Zn2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Mn2+、などの2価金属イオンであり、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+などの3価金属イオンであり、An−はOH−、Cl−、CO3 2−、SO4 2−などのn価のアニオンである。xは0より大きい数であり、特には0.10〜0.50、さらには0.20〜0.33であり、mは0または0より大きい数であり、特には0〜10、さらには0〜4である。ハイドロタルサイト様化合物の焼成物は例えば一般式M2+ 1−xM3+ xO1+x/2(xは正数である)で表すことができる複酸化物である。また、本発明の(F)成分として、Mg3ZnAl2(OH)12CO3・wH2O、Mg3ZnAl2(OH)12CO3等の亜鉛変性ハイドロタルサイト系化合物を使用する事もできる(wは実数である)。
MgaAlb(OH)cCO3・nH2O (6)
上記式(6)中、a、b、及びcは2a+3b−c=2を満たす0より大きい数であり、nは0≦n≦4を満たす数である。
下記に示す各成分を表1に示す組成で配合し、高速混合機で均一に混合した後、加熱2本ロールで均一に混練、冷却後 粉砕することで樹脂組成物を得た。
[合成例1]
100gのフェノール化合物 MEH−7851SS(明和化成製)を600gの酢酸ブチル中に溶解した。その溶液を約−15℃に冷却し、32gのガス状塩化シアンを導入した。ついで、約30分間にわたって、50gのトリエチルアミンを攪拌下に滴下して加え、その間、温度は−10℃以下に保った。この温度にさらに30分間保った後、冷却を止めて反応混合物を濾過した。濾液を継続的にイオン交換体充填カラムに通した。続いて、減圧下、浴温度70℃で溶剤を除去し、その後揮発性の不純物(溶媒の残留物、遊離のトリエチルアミン、ジエチルシアナミドを含む)を、流下フィルム型蒸発器を用い、1mbar、130℃にて除去した。得られた生成物は下記式(8)で示すシアネートエステル化合物(シアネート基当量208)であった。
(ハ)下記式(9)で示すフェノール化合物(MEH−7800SS、明和化成製、フェノール性水酸基当量175)
(ニ)下記式(10)で示すフェノール化合物(MEH−7851SS、明和化成製、フェノール性水酸基当量203)
(ホ)下記式(11)で示すフェノール化合物(TD−2131、DIC製、フェノール性水酸基当量110)
(ヘ)平均粒径15μmの溶融球状シリカ(龍森製)
(ト)下記式(12)で示すエポキシ樹脂化合物(NC−3000、日本化薬製、エポキシ当量272)
(チ)下記式(13)で示すエポキシ樹脂化合物(HP−4770、日本化薬製、エポキシ当量204)
(ト)3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン:(CH3O)3−Si−C3H6−SH
(チ)モリブデン酸亜鉛担持酸化亜鉛(KEMGARD−911B、シャーウイン・ウイリアムズ製)
(リ)モリブデン酸亜鉛担持タルク(KEMGARD−911C、シャーウイン・ウイリアムズ製)
(ヌ)Mg6Al2(CO3)(OH)16・4H2Oの焼成品(DHT−4A−2、協和化学製)
・カルナバワックス(TOWAX−131、東亜化成製)
・イミダゾール(四国化成社製)
Cu合金(Olin C7025)製100pin QFPリードフレーム(ダイパッド部)を175℃x120秒間、成形圧6.9MPaの条件でトランスファー成形、次いで180℃、4時間ポストキュアした。リードフレームカッターでタイバーを切断し、20mmx14mmx2.7mmのQFPパッケージを得た。
このパッケージを225℃オーブン中に1000時間保管した。保管後、封止樹脂を機械的に破壊し、内部のダイパッド部の変色の有無を観察した。
ダイパッド部(8mmx8mm)及びワイヤーボンディング部がAgメッキされたCu 合金(Olin C7025)製100pin QFPリードフレームを175℃x120秒間、成形圧6.9MPaの条件でトランスファー成形、次いで180℃、4時間ポストキュアした。リードフレームカッターでタイバーを切断し、20mmx14mmx2.7mmのQFPパッケージを得た。
このパッケージを225℃オーブン中に1000時間保管した。保管後、封止樹脂を機械的に破壊し、内部のAgメッキダイパッド部の変色の有無を観察した。
ダイパッド部(8mmx8mm)及びワイヤーボンディング部がAgメッキされたCu 合金(Olin C7025)製 100pin QFPリードフレームを175℃x120秒間、成形圧6.9MPaの条件でトランスファー成形、次いで180℃、4時間ポストキュアした。リードフレームカッターでタイバーを切断し、20mmx14mmx2.7mmのQFPパッケージを得た。
このパッケージ12個を225℃オーブン中に1000時間保管した。保管後、超音波探傷装置を使用して、内部クラック及びリードフレームとの剥離の有無を観察した。クラックまたは剥離が生じたパッケージの個数を表に記載する。
ダイパッド部(8mmx8mm)及びワイヤーボンディング部がAgメッキされたCu 合金(Olin C7025)製100pin QFPリードフレームを175℃x120秒間、成形圧6.9MPaの条件でトランスファー成形、次いで180℃、4時間ポストキュアした。リードフレームカッターでタイバーを切断し、20mmx14mmx2.7mmのQFPパッケージを得た。
このパッケージ12個をPCT(121℃x100%RH 2.1atm)中に96時間保管し、保管後、超音波探傷装置を使用して内部クラック及びリードフレームとの剥離の有無を観察した。クラックまたは剥離が生じたパッケージの個数を表に記載する。
Claims (8)
- (A)1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネートエステル化合物
(B)1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物
(C)無機充填剤
(D)下記一般式(3)または(4)で表されるエポキシ樹脂
(F)モリブデン酸金属塩を無機担体に担持してなる物質、及び
(G)下記式で表されるハイドロタルサイト様化合物及び/または該ハイドロタルサイト様化合物の焼成物
[M 2+ 1−x M 3+ x (OH) 2 ] x+ [(A n− x/n )・mH 2 O] x−
(上記式中、M 2+ はMg 2+ 、Ca 2+ 、Zn 2+ 、Co 2+ 、Ni 2+ 、Cu 2+ 、又はMn 2+ であり、M 3+ はAl 3+ 、Fe 3+ 、又はCr 3+ であり、A n− はOH − 、Cl − 、CO 3 2− 、又はSO 4 2− であり、xは0より大きい数であり、mは0または0より大きい数である)
を含み、(A)シアネートエステル化合物中のシアナト基に対する(B)フェノール化合物中のフェノール性水酸基のモル比が0.2〜0.4であり、かつ(A)シアネートエステル化合物中のシアナト基に対する(D)エポキシ樹脂中のエポキシ基のモル比が0.04〜0.25である組成物。 - (F)成分が、シリカ、タルク、及び酸化亜鉛から選ばれる無機担体にモリブデン酸金属塩を担持させた物質である、請求項1に記載の組成物。
- モリブデン酸金属塩がモリブデン酸亜鉛である、請求項1または2記載の組成物。
- (G)成分が下記一般式(6)
MgaAlb(OH)cCO3・nH2O (6)
(式(6)中、a、b、及びcは2a+3b−c=2を満たす0より大きい数であり、nは0≦n≦4を満たす数である)
で表される化合物及び/または該化合物の焼成物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。 - 請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物の硬化物を備えた半導体装置。
- SiCまたはGaNからなる半導体素子を搭載している、請求項7記載の半導体装置。
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