JP5942827B2 - 情報処理装置及び情報処理プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
特許文献1には、顧客からの要求品質に関係する重要な全ての品質特性や機能を、抜けや誤りを生じすることなく、効率よく容易に確認できるように展開するのを支援できるようにすることを課題とし、製品名検索処理では、品質機能展開作業時において参考にする製品の製品名を品質機能展開データから検索し、機能・品質特性抽出処理では、製品名検索処理にて検索された製品名をもとに機能・品質特性の項目を品質機能展開データから検索し、確認項目抽出処理では、機能・品質特性抽出処理にて検索された製品名・機能・品質特性をもとに確認項目を品質機能展開データから抽出し、試験項目抽出処理では、確認項目抽出処理にて抽出された確認項目に関連付けられた試験項目を品質機能展開データから抽出することが開示されている。
特許文献2には、QFD作業時において、ユーザが、顧客要求に関係する重要な全ての品質特性を、誤りや抜けを生じることなく、効率よく容易に抽出できるように支援する方法及びプログラムを提供することを課題とし、過去に作成されたQFDデータを読込み、読込んだQFDデータの要求品質と品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質との組み合わせを抽出して品質特性データを作成し、データベースに登録し、ユーザの指示に応じて、データベース中のデータを編集し、品質機能展開作業時に、ユーザの指示に応じて、少なくとも要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いてデータベースに登録されている品質特性を検索し、検索の結果として得られたデータを検索結果データとして出力することが開示されている。
特開2008−287700号公報 特開2004−362480号公報
本発明は、項目名の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合であっても、2つ以上の品質機能展開表を統合するようにした情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、少なくとも3本以上の軸を有しており、該軸には階層構造を有している項目が付与されており、該各軸には軸の名称が付与されており、該各項目には項目の名称が付与されている品質機能展開表である第1の品質機能展開表を受け付ける第1の受付手段と、該第1の品質機能展開表とは異なる品質機能展開表である第2の品質機能展開表を受け付ける第2の受付手段と、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合に、該一致している部分を最上位の階層の項目名称とし、一致していない部分を最上位から次の階層の項目名称とした第3の品質機能展開表として、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表を統合する統合手段を具備することを特徴とする情報処理装置である。
請求項2の発明は、少なくとも3本以上の軸を有しており、該軸には階層構造を有している項目が付与されており、該各軸には軸の名称が付与されており、該各項目には項目の名称が付与されている品質機能展開表である第1の品質機能展開表を受け付ける第1の受付手段と、該第1の品質機能展開表とは異なる品質機能展開表である第2の品質機能展開表を受け付ける第2の受付手段と、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位から順に抽出した階層の項目名称が一致しており、それ以降の階層の項目名称は一致していない場合に、該一致している部分を該一致している階層の共通の項目名称とし、該一致していない階層の項目名称を並列に並べた第3の品質機能展開表として、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表を統合する統合手段を具備することを特徴とする情報処理装置である。
請求項3の発明は、前記統合手段は、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の階層構造を含めて項目名称が一致している場合は、2つの項目を1つに統合した第3の品質機能展開表とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置である。
請求項4の発明は、前記統合手段は、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位の階層が一致しており、最上位の階層以外の階層の項目名称が一致していない場合は、2つの項目を並列に並べた第3の品質機能展開表とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項5の発明は、前記統合手段は、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称が異なると判断した場合は、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表は統合できない旨を表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項6の発明は、前記品質機能展開表は、隣り合う2本の軸の間に項目間の因果関係を記入可能な配列が配置されており、前記統合手段は、前記2本の軸の項目が統合されており、該2本の軸間の配列を構成している要素内の因果関係を示す値が食い違う場合は、統合処理を行わないこと、統合できない旨を表示すること、又は、いずれか一方の品質機能展開表内の対応する要素内の因果関係を示す値を設定すること、のうちいずれかとすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項7の発明は、コンピュータを、少なくとも3本以上の軸を有しており、該軸には階層構造を有している項目が付与されており、該各軸には軸の名称が付与されており、該各項目には項目の名称が付与されている品質機能展開表である第1の品質機能展開表を受け付ける第1の受付手段と、該第1の品質機能展開表とは異なる品質機能展開表である第2の品質機能展開表を受け付ける第2の受付手段と、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合に、該一致している部分を最上位の階層の項目名称とし、一致していない部分を最上位から次の階層の項目名称とした第3の品質機能展開表として、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表を統合する統合手段として機能させるための情報処理プログラムである。
請求項8の発明は、コンピュータを、少なくとも3本以上の軸を有しており、該軸には階層構造を有している項目が付与されており、該各軸には軸の名称が付与されており、該各項目には項目の名称が付与されている品質機能展開表である第1の品質機能展開表を受け付ける第1の受付手段と、該第1の品質機能展開表とは異なる品質機能展開表である第2の品質機能展開表を受け付ける第2の受付手段と、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位から順に抽出した階層の項目名称が一致しており、それ以降の階層の項目名称は一致していない場合に、該一致している部分を該一致している階層の共通の項目名称とし、該一致していない階層の項目名称を並列に並べた第3の品質機能展開表として、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表を統合する統合手段として機能させるための情報処理プログラムである。
請求項1の情報処理装置によれば、項目名の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合であっても、2つの品質機能展開表を統合することができる。
請求項2の情報処理装置によれば、一部の階層の項目名が一致しており、他の部分は一致していない場合であっても、2つの品質機能展開表を統合することができる。
請求項3の情報処理装置によれば、項目名称が一致している場合は、2つの項目を1つに統合することができる。
請求項4の情報処理装置によれば、最上位の階層以外の階層の項目名称が一致していない場合は、2つの項目を並列に並べた品質機能展開表を生成することができる。
請求項5の情報処理装置によれば、最上位の階層の項目名称が異なるにもかかわらず、2つの品質機能展開表を統合してしまうことを防止することができる。
請求項6の情報処理装置によれば、配列内の要素の値が異なる場合について対処することができる。
請求項7の情報処理プログラムによれば、項目名の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合であっても、2つの品質機能展開表を統合することができる。
請求項8の情報処理プログラムによれば、一部の階層の項目名が一致しており、他の部分は一致していない場合であっても、2つの品質機能展開表を統合することができる。
第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。 第1の実施の形態を実現するためのシステム構成を示す説明図である。 第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態による処理対象の品質機能展開表Aの例である。 第1の実施の形態による処理対象の品質機能展開表Bの例である。 第1の実施の形態による処理結果(統合結果)の品質機能展開表Cの例である。 第1の実施の形態による処理例を示す説明図である。 第2の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。 第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。 軸項目テーブルのデータ構造例を示す説明図である。 軸の名称を表示、選択する処理例を示す説明図である。 軸の項目を表示、選択する処理例を示す説明図である。 軸の名称と項目を選択した結果の表示例を示す説明図である。 部材品質機能展開表の表示例を示す説明図である。 システム品質機能展開表の表示例を示す説明図である。 第2の実施の形態による他の処理例を示すフローチャートである。 本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
まず、本実施の形態を説明する前に、その前提となる技術について説明する。なお、この説明は、本実施の形態の理解を容易にすることを目的とするものである。
技術・商品の構成が複雑になると、要因同士の因果関係が多くなり、さらに、それが互いに絡み合うために、関連性を把握することが困難になる。その結果、以下のようなことが発生する。
(1)要因間の因果関係を調べるのに時間がかかることとなる。ひいては、設計・開発の効率が落ちる。
(2)課題を見落とす可能性が高まり、その場合は、課題に気がついた時点で、プロセスの後戻り、足踏みが発生する。
(3)課題の見落としがあるままで製品を作ることで品質問題が発生する。
(4)想定外の問題が発生すると、現象の解析・分析のための技術構築に時間を要することとなる。ひいては、解決が遅れることとなる。
これらに対する施策として有効に機能するものが、QFD(Quality Function Deployment、品質機能展開)をベースとした要因分析と可視化の手法である。
QFDは、商品企画、商品開発など様々な段階において、顧客が要求する品質を商品作りに反映させるべく、目標、課題、アクションを明確にするための手法である。
典型的なQFDでは、顧客の要求項目から抽出した『要求品質』項目と、技術的に考慮すべき事柄から抽出した『品質特性』項目の間の関係をマトリックスで表す。また、『要求品質』項目同士、『品質特性』項目同士の関係を三角帽子と呼ばれる形で表示することもある。『要求品質』項目に各々の重要度を加味することで『企画品質』(どのような特徴を持たせると顧客が満足するかを示す)項目を抽出することができる。また、『品質特性』を部品の設計値に対応させることで『設計品質』(製品の仕様)を抽出することができる。以上の検討結果によって目標、課題、アクションの関係を明確にすることができる。つまり、QFD表は、複数の項目リストを互いに直交した軸上に配置し、隣り合った軸上の項目同士の因果関係をマトリックスで表示した表である。
QFDでは、『要求品質』、『品質特性』だけでなく、場面に応じて『部品展開』、『技術展開』、『業務展開』など様々な展開を行って、得られた項目間の因果関係を2元表で表すことが提案されている。さらに、この表を表示するコンピュータ・プログラムを作成し、各項目、マトリックスのセルにネットワーク上の情報に対するリンクを持たせることで、情報蓄積・共有のための枠組みとして活用することができる。
しかし、プリンタ、医療機器など、多数の部品・部材、複数の物理現象が相互に関連するような複雑な働きをする製品の開発では、取り扱うべき項目の数が膨大になり、加えて『要求品質』と『品質特性』、『部品展開』と『技術展開』のような単純な枠組みでは設計特性と品質の関係性を十分に記述することができない。また、現実に製品ができるまでのプロセスは、技術の開発、部材の開発、システムの開発、製造など多くの部門の連携によって成立している。よって、2元表を作成して、項目同士が「関係ありそう」、「関係なさそう」という記号を付与することができるが、「なぜそうなるのか」という現象のメカニズムを含めて設計特性と品質の関係性全体を一覧できない限りは、実際の設計・開発プロセスで活用することはできない。つまり、部品、部材の製造工程と製品の品質は、その間に様々な中間特性をもつ間接的な関係となっており、適切な中間特性と構成を持つ表でなければ製造工程と品質の関係を明確にできない。また、製品の設計条件と製品の品質も、間に様々な中間特性をもつ間接的な関係となっており、適切な中間特性と構成を持つ表でなければ、設計条件と品質の関係を明確にできない。
さらに、中間特性の定義があいまいになりがちで、表の統一性が取れないために活用が進まないということになる。
以上の問題は適切に定義された中間特性の軸を持つ因果関係の表を作成することができ、それらの中間特性の間の関係を一望できるような構成で関係性を表示することができ、さらに膨大な数になることが多い軸上の項目の入力とマトリックスの作成と表示を容易に行うことができるシステムを用意することで解決することができる。しかし、そのような表は3軸以上を有するものであり、特に項目の数が多くなった時には複雑かつ大規模になりすぎて、作成作業に支障をきたすことになる。そのような問題を解決するために、分割して作成した表を複数人数で分担して作成し、後に統合することで作業負荷を大幅に低減することができる。このときにそれぞれの表の軸を適切に統合できるかどうかが重要である。
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な各種の実施の形態の例を説明する。
図1は、第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
第1の実施の形態である情報処理装置100は、図1の例に示すように、情報処理装置100は、表A受付モジュール110A、表B受付モジュール110B、表統合モジュール120、因果関係確認モジュール130、因果関係不一致処理モジュール140、表示モジュール150を有している。
情報処理装置100は、技術・商品の開発を効率化するとともに成果の品質を高めるための設計・開発支援に用いられるものである。より具体的には、複数人の担当者が分担して又は一人の担当者が複数に分割して作成した複数の品質機能展開表を統合して、品質機能展開表を作成するために用いられる。
表A受付モジュール110Aは、表統合モジュール120と接続されている。表A受付モジュール110Aは、品質機能展開表Aを受け付ける。ここで、品質機能展開表とは、少なくとも3本以上の軸を有している。その軸には階層構造を有している項目が付与されている。また、その各軸には軸の名称が付与されており、その各項目には項目の名称が付与されている。さらに、隣り合う2本の軸の間に項目間の因果関係を記入可能な配列が配置されていてもよい。具体的には、図9以降を用いて後述する。品質機能展開表Aは、統合対象である。例えば、図5に示す品質機能展開表Aである。なお、図5、6、7に示す品質機能展開表における各軸(第1軸510等)は、図示していないが、小分類項目が付与されている。具体的には、図5に例示の第1軸510等は、大分類と小分類の2階層の項目が属しており、図7に例示の第2軸720等は、大分類と中分類と小分類の3階層の項目が属している。
表B受付モジュール110Bは、表統合モジュール120と接続されている。表B受付モジュール110Bは、品質機能展開表Bを受け付ける。もちろんのことながら、品質機能展開表Bは、品質機能展開表Aとは異なるものである。同一のものでは統合する意味がないからである。例えば、図6に示す品質機能展開表Bである。
表統合モジュール120は、表A受付モジュール110A、表B受付モジュール110B、因果関係確認モジュール130、因果関係不一致処理モジュール140、表示モジュール150と接続されている。表統合モジュール120は、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bを統合して、品質機能展開表Cを作成する。具体的には、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bの名称が一致している軸において、その軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合に、その一致している部分を最上位の階層の項目名称とし、一致していない部分を最上位から次の階層の項目名称とした品質機能展開表Cとする。
「品質機能展開表Aと品質機能展開表Bの名称が一致している軸」とは、軸が一致していることを前提としている。軸名称が一致しない場合は、統合の対象としない旨をディスプレイ等の表示装置に表示するようにしてもよい。例えば、品質機能展開表Aの軸名称が「性能」である場合は、品質機能展開表Bの軸名称が「性能」である軸を対象とする。図5と図6の例では、第2軸520と第2軸620である。
「その軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合」について説明する。まず、軸名称が同じ軸に属している項目を対象とする。項目は、階層構造を有している。例えば、大分類、中分類、小分類等のようである。なお、1つの階層(例えば、大分類のみ)であっても、階層構造を有しているという。そして、各階層においては項目名称がある。その中で最上位の階層(前述の例では大分類)の項目名称を対象として、項目名称の一部が一致しており、他の部分は一致していないかを判断する。例えば、図5と図6に示す第1軸510と第2軸620に属している項目内の最上位の階層の項目名称は、それぞれ「保持部の性能」、「加熱部の性能」である。この場合、「性能」という一部(単語)が一致しており、他の部分(「保持部」、「加熱部」)は一致していないので、この処理の対象となる。なお、項目名称の一部が一致しているか否かの判断をするのに、その項目名称を形態素解析して、単語に分割して、その単語間で判断するようにしてもよい。また、項目名称を連続する文字種(ひらがな、カタカナ、漢字、英字、数字等)毎に分け、その分けた文字列間で判断するようにしてもよい。なお、「の」のような助詞は、比較対象としないようにしてもよい。
「一致している部分を最上位の階層の項目名称とし、一致していない部分を最上位から次の階層の項目名称とする」について説明する。前述の例では、一致している部分は、「性能」である。この「性能」を品質機能展開表Cにおける軸の最上位の階層の項目名称とする。そして、「保持部」、「加熱部」を品質機能展開表Cにおける軸の最上位から次の階層の項目名称とする。図7の例に示す品質機能展開表Cのように、第2軸720内の第2軸720の項目を大分類項目721(「性能」)と中分類項目722(「加熱部」)と中分類項目723(「保持部」)に分けている。
表統合モジュール120は、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bの名称が一致している軸において、その軸に属している項目内の階層構造を含めて項目名称が一致している場合は、2つの項目を1つに統合した品質機能展開表Cとする。つまり、軸内の項目が完全一致している場合の処理である。完全一致とは、階層の階数、各階層における項目数、それぞれの階層における項目の項目名称が一致していることをいう。また、「2つの項目」とは、一致しているか否かの比較の対象としている品質機能展開表Aにおける項目と品質機能展開表Bにおける項目である。例えば、図5と図6に示す第1軸510と第1軸610が一致する例であり、統合結果は図7に示す第1軸710となる。
表統合モジュール120は、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bの名称が一致している軸において、その軸に属している項目内の最上位の階層が一致しており、最上位の階層以外の階層の項目名称が一致していない場合は、その一致していない2つの項目を並列に並べた品質機能展開表Cとする。例えば、大分類の項目名称が「性能」で一致しており、中分類が一致していない場合は、図7に例示の第2軸720のようになる。つまり、図5と図6の第2軸520と第2軸620の統合と同じ結果になる。
表統合モジュール120は、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bの名称が一致している軸において、その軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称が異なると判断した場合は、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bは統合できない旨をディスプレイ等の表示装置に表示する。ここで「項目名称が異なる」とは、前述の一部一致も含まない場合である。
表統合モジュール120は、隣り合う2本の軸の項目が統合されている場合は、因果関係確認モジュール130、因果関係不一致処理モジュール140による処理を行わせる。「隣り合う2本の軸の項目が統合されている場合」とは、隣り合う2本の軸において、その2本の各軸内に属している項目が完全一致している場合である。つまり、品質機能展開表A(又は品質機能展開表B)の軸内の項目がそのまま品質機能展開表Cにおける軸の項目になる場合である。なお、隣り合う2本の軸のうち片方だけの統合の場合(他方の軸は並列配置)は該当しない。
因果関係確認モジュール130は、表統合モジュール120、因果関係不一致処理モジュール140と接続されている。因果関係確認モジュール130は、隣り合う2本の軸間の配列(マトリックス)を構成している要素(セル)内の因果関係を示す値が食い違う(異なる、相違する)か否かを確認する。例えば、図5に示す第1軸第2軸関係マトリックス515内の各セル内の値と図6に示す第1軸第2軸関係マトリックス615内の各セル内の値が異なっている場合は、因果関係不一致処理モジュール140に処理を行わせる。異なっていない場合(一致している場合)は、その旨を示す情報を表統合モジュール120に渡す。表統合モジュール120は、品質機能展開表A(又は品質機能展開表B)のマトリックス(セル内の因果関係を示す値を含む)をそのまま品質機能展開表Cにおけるマトリックスとする。つまり、品質機能展開表A、品質機能展開表B、品質機能展開表Cにおいて、2本の軸(項目を含む)とその間にあるマトリックスは同じである。もちろんのことながら、比較するセルは、マトリックス内における位置(対応する項目によって特定される位置)が一致するセル同士である。
因果関係不一致処理モジュール140は、表統合モジュール120、因果関係確認モジュール130と接続されている。因果関係不一致処理モジュール140は、因果関係確認モジュール130によって、その2本の軸間のマトリックスを構成しているセル内の因果関係を示す値が異なっていると判断された場合は、いわゆるエラー処理を選択する。具体的には、統合処理を行わないこと、統合できない旨を表示すること、又は、いずれか一方の品質機能展開表内の対応する要素内の因果関係を示す値を設定すること、のうちいずれかとする。いずれを選択するかは、予め定められていてもよいし、操作者の操作によって選択してもよい。そして、その結果、表統合モジュール120は、統合処理を行わないこと、統合できない旨を表示すること、又は、いずれか一方の品質機能展開表内の対応する要素内の因果関係を示す値を設定すること、のうちいずれかを行う。
表示モジュール150は、表統合モジュール120と接続されている。表示モジュール150は、表統合モジュール120によって作成された品質機能展開表Cをディスプレイ等の表示装置に表示する。
図2は、第1の実施の形態(又は第2の実施の形態との組み合わせ)を実現するためのシステム構成を示す説明図である。特に、品質機能展開表の各項目とDB装置290内の情報を関連付けして、その情報を共有するための構成である。
情報処理装置100A、100B、100C等、DB装置290は、通信回線299を介してそれぞれ接続されている。情報処理装置100A、100B、100C等は、図1の例に示す情報処理装置100に該当する。DB装置290は、例えば、操作者Aの操作によって情報処理装置100Aが作成した品質機能展開表Aを記憶する。操作者Bの操作によって情報処理装置100Bが作成した品質機能展開表Bを記憶する。そして、操作者Cの操作によって情報処理装置100CがDB装置290内にある品質機能展開表Aと品質機能展開表Bを読み出し、統合して品質機能展開表Cを作成する。つまり、操作者Aと操作者Bの操作によって、品質機能展開表Cの一部である品質機能展開表Aと品質機能展開表Bをそれぞれ作成する。そして、操作者Cの操作によって、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bを合成して品質機能展開表Cを作成する。
図3は、第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS302では、表A受付モジュール110Aが、品質機能展開表Aを受け付ける。例えば、品質機能展開表Aとして図5に例示の品質機能展開表がある。
ステップS304では、表B受付モジュール110Bが、品質機能展開表Bを受け付ける。例えば、品質機能展開表Bとして図6に例示の品質機能展開表がある。
ステップS306では、表統合モジュール120が、項目の大分類名に同じ単語はあるか否かを判断し、ある場合はステップS308へ進み、それ以外の場合はステップS314に進む。図5、図6に例示の品質機能展開表における各軸の名称は、同じ単語(第1軸510と第1軸610では「片手鍋」と「品質」、第2軸520と第2軸620では「性能」、第3軸530と第3軸630では「構造・物性」、第4軸540と第4軸640では「工程・原材料」)があるので、ステップS308へ進むことになる。
ステップS308では、表統合モジュール120が、全て同じか否かを判断し、全て同じ場合はステップS310へ進み、それ以外の場合はステップS312へ進む。第1軸510と第1軸610では「片手鍋の品質」が同じであり、ステップS310へ進むことになり、他の軸(第2軸520と第2軸620、第3軸530と第3軸630、第4軸540と第4軸640)では異なる単語があるので、ステップS312へ進むことになる。
ステップS310では、表統合モジュール120が、小分類名が同じ項目は統合し、小分類名が異なる項目は並列配置する。階層を含めて完全一致する場合は、項目を統合する。ここで項目の統合とは、片方の品質機能展開表における軸内の項目をそのまま複写することである。大分類より下の階層において項目が異なる場合は、両方の項目を並列配置する。ここで項目の並列配置とは、両方の品質機能展開表における軸内の項目を、品質機能展開表Cの軸内の項目として複写することである。したがって、品質機能展開表Cにおけるその軸内の項目数は、品質機能展開表Aにおける対応する軸内の項目数と品質機能展開表Bにおける対応する軸内の項目数とを加算した数となる。
ステップS312では、表統合モジュール120が、同じ単語は大分類の項目名とし、小分類の項目は並列配置する。図5、図6の例に示す第2軸520と第2軸620、第3軸530と第3軸630、第4軸540と第4軸640から、それぞれ図7の例に示す大分類項目721、中分類項目722、中分類項目723からなる第2軸720、大分類項目731、中分類項目732、中分類項目733からなる第3軸730、大分類項目741、中分類項目742、中分類項目743からなる第4軸740を生成する。
ステップS314では、表示モジュール150が、エラーの可能性がある旨を表示する。大分類が一部一致も含まない場合には、統合対象の品質機能展開表ではないことを警告する。
この図3の例に示すフローチャートによる処理の後、表示モジュール150によって品質機能展開表Cをディスプレイ等の表示装置に表示してもよい。ただし、ここでの品質機能展開表Cは、マトリックス内のセルに値が記入されていない表である。また、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bのマトリックス内のセルの値を利用して、品質機能展開表Cのマトリックス内のセルに値を設定する場合は、図4の例に示すフローチャートによる処理を行う。
図4は、第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートによる処理は、図3の例に示すフローチャートの処理を行った後に行う。
ステップS402では、表統合モジュール120が、隣り合う軸の項目は統合されているか否かを判断し、隣り合う2本の軸に属している項目が統合されている場合はステップS404へ進み、それ以外の場合はステップS410へ進む。
ステップS404では、因果関係確認モジュール130が、セルの内容は一致するか否かを判断し、一致する場合はステップS406へ進み、それ以外の場合はステップS408へ進む。「セルの内容が一致する」とは、そのセルにおける品質機能展開表Aと品質機能展開表Bが矛盾していないことを示している。品質機能展開表Aを作成した人と品質機能展開表Bを作成した人の因果関係の判断結果が同じだったことを意味する。
ステップS406では、表統合モジュール120が、セル内に因果関係の値を設定する。つまり、品質機能展開表A(又は品質機能展開表B)のセル内の内容を品質機能展開表Cの対応するセルに設定する。
ステップS408では、表統合モジュール120が、因果関係不一致処理モジュール140の選択した不一致処理を行う。前述した通り、統合処理を行わないこと、統合できない旨を表示すること、又は、いずれか一方の品質機能展開表内の対応する要素内の因果関係を示す値を設定すること、のうちいずれかである。
ステップS410では、表統合モジュール120が、各セルに対応する品質機能展開表のセルの内容を設定する。つまり、品質機能展開表Aのマトリックス内の全てを品質機能展開表Cの対応するマトリックスに設定し、品質機能展開表Bのマトリックス内の全てを品質機能展開表Cの対応するマトリックスに設定する。
この後に、表示モジュール150が、品質機能展開表Cをディスプレイ等の表示装置に表示する。例えば、図5の品質機能展開表Aと図6の品質機能展開表Bを受け付けた場合は、図7の品質機能展開表Cを表示する。中分類項目722は図6の第2軸620に対応し、中分類項目723は図5の第2軸520に対応し、中分類項目732は図6の第3軸630に対応し、中分類項目733は図5の第3軸530に対応し、中分類項目742は図6の第4軸640に対応し、中分類項目743は図5の第4軸540に対応している。第1軸第2軸関係マトリックス(保持部)715Aは図5の第1軸第2軸関係マトリックス515に対応し、第1軸第2軸関係マトリックス(加熱部)715Bは図6の第1軸第2軸関係マトリックス615に対応し、第2軸第3軸関係マトリックス(保持部)725Aは図5の第2軸第3軸関係マトリックス525に対応し、第2軸第3軸関係マトリックス(加熱部)725Bは図6の第2軸第3軸関係マトリックス625に対応し、第3軸第4軸関係マトリックス(保持部)735Aは図5の第3軸第4軸関係マトリックス535に対応し、第3軸第4軸関係マトリックス(加熱部)735Bは図6の第3軸第4軸関係マトリックス635に対応している。
また、第1の実施の形態の変形例として、次のように表統合モジュール120が処理を行ってもよい。表統合モジュール120は、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bの名称が一致している軸において、その軸に属している項目内の最上位から順に抽出した階層の項目名称が一致しており、それ以降の階層の項目名称は一致していない場合に、一致している部分をその一致している階層の共通の項目名称とし、一致していない階層の項目名称を並列に並べた品質機能展開表Cとして、品質機能展開表Aと品質機能展開表Bを統合する。ここで「その軸に属している項目内の最上位から順に抽出した階層の項目名称が一致しており、それ以降の階層の項目名称は一致していない場合」とは、項目が階層構造を有しており、各階層における項目名称において、上位の階層の項目名称は一致しているが、下位の階層の項目名称は一致していない場合をいい、上位の階層から順に下位の階層へ走査した場合に、一致していない階層の項目名称があれば、その階層以下の下位の階層は、「階層の項目名称は一致していない」として扱う。
図8を用いて具体的に説明する。図8は、第1の実施の形態による処理例を示す説明図である。
図8(a)の例は品質機能展開表800aを示しており、図8(b)の例は品質機能展開表800bを示しており、図8(c)の例は品質機能展開表800cを示しており、品質機能展開表800aと品質機能展開表800bを統合したものが品質機能展開表800cである。
表統合モジュール120は、すべての軸の名称が一致しているので合成処理が可能であると判断する。第1軸である品質軸は、3層(大分類、中分類、小分類)の階層構造を持っている。
品質機能展開表800aと品質機能展開表800bの小分類aとbは、階層の最上位から大分類α、中分類A、小分類とも全て一致しているので、3階層とも共通の項目名称として統合して、品質機能展開表800cにおいては小分類aとbは1つである。
品質機能展開表800aの小分類cとd、表2の小分類kとmは、階層の最上位から大分類α、中分類Aが一致しているので、最上位からの2階層が共通の項目として統合される。そして、小分類cとdとkとmは、並列して並べられる。
品質機能展開表800aと品質機能展開表800bの小分類eとfは、階層の最上位から走査した結果、大分類αのみが一致している(中分類は一致していない)ので、大分類だけ共通の項目として統合される。そして、中分類BとE、小分類eとfは、並列して並べられる。
品質機能展開表800aと品質機能展開表800bの小分類gとhは、階層の最上位から走査すると大分類が一致していないので、統合せずに並列に並べられる。つまり、大分類βとγ、中分類C、小分類gとhは、並列して並べられる。
品質機能展開表800aの小分類iとj、品質機能展開表800bの小分類nとoは、中分類が一致しているが、最上位から走査すると大分類が一致していないので、統合せずに並列に並べられる。つまり、大分類βとγ、中分類D、小分類gとhは、並列して並べられる。
「発揮すべき性能」の軸は、1階層しかなく、最上位が第1階層なので、名称が一致している項目(性能1、性能2、性能3)が共通の項目として統合される。名称が一致していない項目(性能4、性能5)は並列して並べられる。
因果関係確認モジュール130によって因果関係に矛盾がない(対応する各セル内の値が一致している)と判断されれば、表統合モジュール120は、その因果関係をそのまま引き継ぐ。
小分類aと性能3の交点は、品質機能展開表800aが○、品質機能展開表800bが△となっており、食い違っている。このときには、表統合モジュール120は、どちらを採用するかユーザーに確認する画面を表示する。また、因果関係不一致処理モジュール140による選択処理によって、表統合モジュール120は、統合できない旨を表示して、処理を停止したり、どちらかの表の因果関係を常に優先するようにあらかじめ指定しておいてもよい。
なお、2つの品質機能展開表を対象として例示したが、3つ以上の品質機能展開表を対象として統合するようにしてもよい。例えば、2つの品質機能展開表を統合し、その統合した品質機能展開表と残りの品質機能展開表を統合させる処理を繰り返せばよい。
図9は、第2の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。第2の実施の形態は、前述の第1の実施の形態によって統合の対象となる品質機能展開表を作成、表示するものである。
第2の実施の形態である情報処理装置900は、図9の例に示すように、軸名称設定モジュール910、部材/システム選択モジュール915、軸対応項目作成モジュール920、軸間整合モジュール925、表示モジュール930、軸関連情報記憶モジュール950を有している。
情報処理装置900は、技術・商品の開発を効率化するとともに成果の品質を高めるための設計・開発支援に用いられるものである。
部材/システム選択モジュール915は、軸名称設定モジュール910と接続されている。部材/システム選択モジュール915は、(1)部品、部材の製造工程とそれらの部品を組み上げたときの製品の品質の関係を明確化するための品質機能展開表(以下、「部材品質機能展開表」ともいう)、(2)技術、商品の開発における設計条件と技術又は製品の品質の関係を明確化するための品質機能展開表(以下、「システム品質機能展開表」ともいう)、のいずれを作成するかを選択するものである。いずれにするかによって、後述する軸の名称、項目が異なってくる。この選択は、操作者の選択操作によって行ってもよい。また、操作者、操作者の所属部門、職種等に応じて、いずれかを選択するようにしてもよい。例えば、操作者を本実施の形態において一意に識別できる操作者識別子と「部材品質機能展開表」又は「システム品質機能展開表」のいずれかを対応付けたテーブルを軸関連情報記憶モジュール950に予め用意し、そのテーブルを用いて操作者識別子から選択するようにしてもよい。また、操作者と所属部門又は職種等を対応付けたテーブルと、所属部門又は職種等と「部材品質機能展開表」又は「システム品質機能展開表」のいずれかを対応付けたテーブルを軸関連情報記憶モジュール950に予め用意し、その2つのテーブルを用いて操作者識別子から選択するようにしてもよい。
軸名称設定モジュール910は、部材/システム選択モジュール915、軸対応項目作成モジュール920、軸関連情報記憶モジュール950と接続されている。軸名称設定モジュール910は、第1軸から第4軸の名称を設定する。なお、設定は、作成も含む概念として用いる。軸名称設定モジュール910は、部材/システム選択モジュール915による選択結果に基づいて、第1軸から第4軸の名称を設定するようにしてもよい。つまり、部材/システム選択モジュール915によって「部材品質機能展開表」が選択されている場合は、第1軸の名称として「製品の品質」、第2軸の名称として「発揮すべき性能」、第3軸の名称として「構造と物性」、第4軸の名称として「作成条件」を作成してもよい。そして、部材/システム選択モジュール915によって「システム品質機能展開表」が選択されている場合は、第1軸の名称として「製品の品質」、第2軸の名称として「メカニズム」、第3軸の名称として「物理的特性」、第4軸の名称として「設計条件」を設定してもよい。
軸対応項目作成モジュール920は、軸名称設定モジュール910、軸間整合モジュール925、表示モジュール930、軸関連情報記憶モジュール950と接続されている。軸対応項目作成モジュール920は、軸名称設定モジュール910によって名称が設定された軸に属する項目を作成する。そして、軸対応項目作成モジュール920は、(1)第1軸に属する項目として、製品の品質を示す項目、(2)第2軸に属する項目として、各部品、各部材が製品の品質を満たすために発揮すべき性能の度合いを示す項目、(3)第3軸に属する項目として、各部品、各部材の構造と物性についての項目、(4)第4軸に属する項目として、各部品、各部材の作成条件を定義する項目、を操作者が選択することによって、各軸に属する項目を作成する。
そして、軸対応項目作成モジュール920は、(1)第1軸に属する項目として、製品の品質を示す項目、(2)第2軸に属する項目として、各部品、各部材が製品の品質を満たすために発揮すべき性能の度合いを示す項目、(3)第3軸に属する項目として、各部品、各部材の構造と物性についての項目、(4)第4軸に属する項目として、各部品、各部材の作成条件を定義する項目、を操作者が選択することによって、各軸に属する項目を作成するようにしてもよい。特に、部材/システム選択モジュール915によって「部材品質機能展開表」が選択された場合は、このように作成する。
また、軸対応項目作成モジュール920は、(1)第1軸に属する項目として、製品の品質を示す項目、(2)第2軸に属する項目として、物理的な特性項目によって挙動が決定され、製品の品質を支配する物理的なメカニズムの項目、(3)第3軸に属する項目として、設計条件によって決まるシステムの物理的な特性を示す項目、(4)第4軸に属する項目として、設計条件を示す項目、を操作者が選択することによって、各軸に属する項目を作成するようにしてもよい。特に、部材/システム選択モジュール915によって「システム品質機能展開表」が選択された場合は、このように作成する。さらに、各軸の項目として、各部品、部材の他に「共通」(項目の大分類)を含めるようにしてもよい。
また、軸対応項目作成モジュール920は、軸間整合モジュール925によって作成した各軸間の項目の整合性を判断させてもよい。
また、軸対応項目作成モジュール920は、4軸のそれぞれの定義に合わない項目は、まとめて各軸の項目と並列になるように作成してもよい。例えば、各部材に共通の項目、システムのパラメータ、外乱等がある。
なお、軸に属する項目は、1階層以上の階層構造を有していてもよい。例えば、図11に示す軸項目テーブル1100のようであってもよい。図11は、軸項目テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。軸項目テーブル1100は、軸名称欄1110、項目名欄1120を有している。軸名称欄1110は、軸の名称を記憶している。項目名欄1120は、その軸に属する項目名を記憶している。そして、項目は階層構造を有しており、例えば、大分類、中分類、小分類の3階層を有している。項目名欄1120は、大分類欄1122、中分類欄1124、小分類欄1126を有している。大分類欄1122は、第1階層としての大分類を記憶している。中分類欄1124は、第2階層としての中分類を記憶している。小分類欄1126は、第3階層としての小分類を記憶している。なお、ここでの階層は、小分類だけの1階層、大分類と小分類の2階層、大分類と中分類と小分類の3階層がある。
軸間整合モジュール925は、軸対応項目作成モジュール920と接続されている。軸間整合モジュール925は、少なくとも第1軸と第2軸、第2軸と第3軸、第3軸と第4軸の項目の間に、その項目の予め定められた階層における項目が整合しているか否かを判断し、整合していないと判断した場合は、項目を修正するようにしてもよい。この項目の修正については、自動的に修正する、又は操作者の操作に応じて修正させる(例えば、修正したパターンを例示して操作者に選択させる、操作者に警告を発して修正を促す)ことが考えられる。
表示モジュール930は、軸対応項目作成モジュール920と接続されている。表示モジュール930は、軸名称設定モジュール910によって設定された軸の名称と軸対応項目作成モジュール920によって作成された項目に基づいて、製品を開発するために用いる品質機能展開表として、中心から上下左右に分けた領域内に、第1軸から第4軸の各々の名称を配置し、該中心から上下左右に伸びる方向に第1軸から第4軸の各々の軸に属する項目を配置し、少なくとも第1軸と第2軸、第2軸と第3軸、第3軸と第4軸の間に項目間の因果関係を記入可能な配列を配置した品質機能展開表を表示する。例えば、後述する図15に示す「部材品質機能展開表」、図16に示す「システム品質機能展開表」のようであってもよい。
軸関連情報記憶モジュール950は、軸名称設定モジュール910、軸対応項目作成モジュール920と接続されている。軸関連情報記憶モジュール950は、軸に関連する情報を記憶している。例えば、軸項目テーブル1100を記憶している。
図10は、第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1002では、軸名称設定モジュール910が、設定する4軸表の書誌情報を受け付ける。書誌情報としては、例えば、操作者名称、操作者識別子、作成日時、製品名等がある。
ステップS1004では、軸名称設定モジュール910が、変数:N=1とする。変数:Nは、軸を指し示す値である。
ステップS1006では、軸名称設定モジュール910が、軸名称のリストを表示する。図12は、軸の名称を表示、選択する処理例を示す説明図である。情報処理装置900に備え付けられている液晶ディスプレイ等上の設定画面1200に、第N軸設定欄1210、軸名称設定欄1220、軸項目設定欄1250を表示する。第N軸設定欄1210内には、ステップS1004又はステップS1024で設定された変数:Nの値に応じて、現在の対象軸は、第N軸であることを表示する。軸名称設定欄1220内が操作者の操作によって選択されると、軸名称リスト表示領域1230を含む軸名称選択領域1225を表示する。軸名称リスト表示領域1230内の軸名称を、カーソル1229を用いて選択させる。軸名称リスト表示領域1230内の軸名称は、軸項目テーブル1100の軸名称欄1110から抽出すればよい。
ステップS1008では、軸名称設定モジュール910が、第N軸の軸名称を受け付ける。
ステップS1010では、軸対応項目作成モジュール920が、選択した軸名称に属する項目名をリスト表示する。図13は、軸の項目を表示、選択する処理例を示す説明図である。設定画面1200に、第N軸設定欄1210、軸名称設定欄1220、軸項目設定欄1250を表示する。軸項目設定欄1250内が操作者の操作によって選択されると、項目選択テーブル1310、選択結果表示テーブル1320を含む項目選択領域1255を表示する。項目選択テーブル1310内の項目を、カーソル1229を用いて選択させると、選択結果表示テーブル1320内にその項目を移動して表示する。項目選択テーブル1310内の項目名称は、軸項目テーブル1100の項目名欄1120から抽出すればよい。
ステップS1012では、軸対応項目作成モジュール920が、項目名の1つ又は複数を受け付ける。
ステップS1014では、軸対応項目作成モジュール920が、受け付けた項目を選択リストに追加する。
ステップS1016では、軸対応項目作成モジュール920が、必要ならば選択リストを並べ替える。例えば、既に項目が選択された軸における項目順と合わせるように、項目を並べ替えてもよい。
ステップS1018では、軸対応項目作成モジュール920が、項目名選択が完了したか否かを判断し、完了した場合はステップS1020へ進み、それ以外の場合はステップS1012へ戻る。例えば、図13に例示の項目選択領域1255内のOKボタン1390が操作者の操作によって選択された場合が「項目名選択が完了」である。
ステップS1020では、軸対応項目作成モジュール920が、軸関連情報記憶モジュール950に選択リストの項目名を第N軸の項目名として格納する。図14は、軸の名称と項目を選択した結果の表示例を示す説明図である。第N軸設定欄1210に現在の対象となっている軸を表示し、軸名称設定欄1220にその軸の名称を表示し、軸項目設定欄1250内に軸・項目設定結果テーブル1410を表示する。第N軸設定欄1210、軸名称設定欄1220、軸・項目設定結果テーブル1410の組み合わせは、軸関連情報記憶モジュール950に記憶させる。
ステップS1022では、軸対応項目作成モジュール920が、変数:N=4であるか否かを判断し、変数:N=4である場合はステップS1026へ進み、それ以外の場合はステップS1024へ進む。
ステップS1024では、軸名称設定モジュール910が、変数:N=N+1(変数:Nをインクリメント)とする。
ここでは、第1軸から順に第4軸を受け付ける構成を示しているが、操作者が軸の名称と項目を与える軸の番号を任意に選択できる構成としてもよい。
ステップS1026では、表示モジュール930が、第1軸を上向きに、第2軸を右向きに、第3軸を下向きに、第4軸を左向きに配置して、4軸表を描画する。
例えば、図15に示す「部材品質機能展開表」、図16に示す「システム品質機能展開表」のように表示する。
図15の例では、4つの軸(品質軸(第1軸)1500、発揮すべき性能軸(第2軸)1520、構造と物性軸(第3軸)1540、作成条件軸(第4軸)1560)の一端(三角形領域である軸名称表示領域(品質)1502、軸名称表示領域(発揮すべき性能)1522、軸名称表示領域(構造と物性)1542、軸名称表示領域(作成条件)1562)にそれぞれの軸の名称を表示する。そして、その一端から品質軸(第1軸)1500は上方向に項目名表示領域1504を伸ばした軸に、発揮すべき性能軸(第2軸)1520は右方向に項目名表示領域1524を伸ばした軸に、構造と物性軸(第3軸)1540は下方向に項目名表示領域1544を伸ばした軸に、作成条件軸(第4軸)1560は左方向に項目名表示領域1564を伸ばした軸に、それぞれの軸に属する項目を表示する。次に、少なくても項目名表示領域1504と項目名表示領域1524によって囲まれている相関記入領域1510、項目名表示領域1524と項目名表示領域1544によって囲まれている相関記入領域1530、項目名表示領域1544と項目名表示領域1564によって囲まれている相関記入領域1550の3つの領域に各項目が交差する位置に、その項目間の因果関係を記入し得るマトリックスを生成する。例えば、項目名表示領域1504の項目「安全性・耐久性」の「やけどしない」と項目名表示領域1524の「保持部」の「基本性能」の「熱くなりにくい」には、強い相関があることを示す◎が記入されている。この相関の表し方については、数値で表してもよいし、色で表してもよいし、これらの組み合わせで表示してもよい。たとえば記号を正の相関の場合に赤字、負の相関の場合に青字とすれば、相関の強弱に加えて正負も表すことができる。なお、項目名表示領域1504と項目名表示領域1564によって囲まれている相関記入領域1570に、その項目間の因果関係を記入し得るマトリックスを生成してもよい。この「部材品質機能展開表」は、「作成条件」が「品質」に及ぼす影響を、「作成条件」と「構造と物性」、「構造と物性」と「発揮すべき性能」、「発揮すべき性能」と「品質」を介して、検証することができるようになる。つまり、結果としての「品質」(現象)へのメカニズムを「作成条件」から「構造と物性」、「発揮すべき性能」を通って解明することを、本実施の形態以外の情報処理装置よりも容易にするものである。例えば、品質向上のための施策が他の品質については悪化となってしまうこととその理由を、事前に把握可能になる。そして、開発上の技術的な課題が発生したときに、原因や施策を検討するための解析技術を抽出すること、そしてその解析技術を未然に獲得することを可能とする。
例えば、第2軸に関するマトリックスを記載するためには、各部品・部材の機能発現のメカニズムがわかっている必要がある。この項目を記載できない箇所を調べることで、必要な解析技術を抽出できる。
各軸は一般に異なる部門が担当する項目なので、部門間の協業を促進できる。
図16に示す例は、図15と同等のものであるが、「システム品質機能展開表」であるために、前述したように、各部品、部材の他に共通の項目がある。この「システム品質機能展開表」は、「設計条件」が「品質」に及ぼす影響を、「設計条件」と「物理的特性」、「物理的特性」と「メカニズム」、「メカニズム」と「品質」を介して、検証することができるようになる。つまり、結果としての「品質」(現象)へのメカニズムを「設計条件」から「物理的特性」、「メカニズム」を通って解明することを、本実施の形態以外の情報処理装置よりも容易にするものである。例えば、品質向上のための施策が他の品質については悪化となってしまうことを、事前に把握可能になる。そして、開発上の技術的な課題が発生したときに、原因や施策を検討するための解析技術を抽出すること、そしてその解析技術を未然に獲得することを可能とする。
例えば、第2軸に関するマトリックスを記載するためには、設計条件で決まる特性が品質に影響する物理メカニズムがわかっている必要がある。この項目を記載できない箇所を調べることで、必要な解析技術を抽出できる。
なお、操作者の操作によってマトリックス内に、項目間の相関関係の値が記入された後に、表示モジュール930は、マトリックス内で埋められていない箇所を示す項目について、その旨を表示するようにしてもよい。例えば、その箇所を他の箇所(既に因果関係が記載されている箇所)とは異なる色で表す等である。
また、第3軸に関するマトリックス内で値を記載できていない項目を抽出し、例えば、性能との関係における「構造と物性」の項目に示されているものの計測技術が不足している旨を表示するようにしてもよい。
図17は、第2の実施の形態による他の処理例を示すフローチャートである。前述した図10の例に示すフローチャートに対して、ステップS1710、ステップS1716、ステップS1718を付加したものである。したがって、そのステップの処理について、詳細に説明する。他のステップの処理は、図10の例に示すフローチャート内の処理と同等である。
ステップS1702では、軸名称設定モジュール910が、設定する4軸表の書誌情報を受け付ける。
ステップS1704では、軸名称設定モジュール910が、変数:N=1とする。
ステップS1706では、軸名称設定モジュール910が、軸名称のリストを表示する。
ステップS1708では、軸名称設定モジュール910が、第N軸の軸名称を受け付ける。
ステップS1710では、既に項目が設定された軸と整合する項目を抽出する。この処理は、軸対応項目作成モジュール920が軸間整合モジュール925に行わせる。例えば、既に設定された軸の項目の大分類の階層が一致する項目を抽出する。ここで「既に設定された軸」としては、対象としている軸とマトリックスを構成する軸としてもよい。例えば、第2軸の場合は第1軸、第3軸の場合は第2軸、第4軸の場合は第3軸となる。
ステップS1712では、軸対応項目作成モジュール920が、選択した軸名称に属する項目名をリスト表示する。ステップS1710で抽出した項目だけを表示するようにしてもよい。また、ステップS1710で抽出した項目以外の項目を含めるようにしてもよい。その場合は、ステップS1710で抽出した項目を他の項目とは異なる形態(形状、模様、色彩、又はこれらの組み合わせ)で表示するようにしてもよい。
ステップS1714では、軸対応項目作成モジュール920が、項目名の1つ又は複数を受け付ける。
ステップS1716では、軸間整合モジュール925が、既に項目が設定された軸と項目は整合するか否かを判断し、整合する場合はステップS1720へ進み、それ以外の場合はステップS1718へ進む。整合するとは、項目が階層構造を有しており、その階層における予め定められた階層の名称が一致することをいう。ここで「既に設定された軸」としては、前述の通り、対象としている軸とマトリックスを構成する軸としてもよい。整合していない項目がある場合は、ステップS1718へ進むことになる。
ステップS1718では、軸対応項目作成モジュール920が、対象軸又は他の軸の項目名を修正する。整合していない項目として、対象軸における項目又は既に設定された軸における項目がある。その項目を、操作者の操作に基づいて修正する機会を与える。なお、必ずしも修正されなくてもよい。
ステップS1720では、軸対応項目作成モジュール920が、受け付けた項目を選択リストに追加する。
ステップS1722では、軸対応項目作成モジュール920が、必要ならば選択リストを並べ替える。
ステップS1724では、軸対応項目作成モジュール920が、項目名選択が完了したか否かを判断し、完了した場合はステップS1726へ進み、それ以外の場合はステップS1714へ戻る。
ステップS1726では、軸対応項目作成モジュール920が、軸関連情報記憶モジュール950に選択リストの項目名を第N軸の項目名として格納する。
ステップS1728では、軸対応項目作成モジュール920が、変数:N=4であるか否かを判断し、変数:N=4である場合はステップS1732へ進み、それ以外の場合はステップS1730へ進む。
ステップS1730では、軸名称設定モジュール910が、変数:N=N+1とする。
ステップS1732では、表示モジュール930が、第1軸を上向きに、第2軸を右向きに、第3軸を下向きに、第4軸を左向きに配置して、4軸表を描画する。
図18を参照して、本実施の形態の情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。図18に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1817と、プリンタなどのデータ出力部1818を備えたハードウェア構成例を示している。
CPU(Central Processing Unit)1801は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、表A受付モジュール110A、表B受付モジュール110B、表統合モジュール120、因果関係確認モジュール130、因果関係不一致処理モジュール140、表示モジュール150、軸名称設定モジュール910、部材/システム選択モジュール915、軸対応項目作成モジュール920、軸間整合モジュール925、表示モジュール930等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
ROM(Read Only Memory)1802は、CPU1801が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1803は、CPU1801の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス1804により相互に接続されている。
ホストバス1804は、ブリッジ1805を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス1806に接続されている。
キーボード1808、マウス等のポインティングデバイス1809は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ1810は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などがあり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
HDD(Hard Disk Drive)1811は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1801によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、軸項目テーブル1100、設定された軸名称、項目名などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
ドライブ1812は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1813に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1807、外部バス1806、ブリッジ1805、及びホストバス1804を介して接続されているRAM1803に供給する。リムーバブル記録媒体1813も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
接続ポート1814は、外部接続機器1815を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1814は、インタフェース1807、及び外部バス1806、ブリッジ1805、ホストバス1804等を介してCPU1801等に接続されている。通信部1816は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1817は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1818は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
なお、図18に示す情報処理装置のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図18に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図18に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。
また、前述の実施の形態の説明において、予め定められた値との比較において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
図9以降を用いて説明した第2の実施の形態は、以下の発明のように把握できる。そして、第1の実施の形態は、これらの発明と組み合わせてもよい。
(A1) 第1軸から第4軸の名称を設定する軸名称設定手段と、
前記軸名称設定手段によって名称が設定された軸に属する項目を作成する項目作成手段と、
前記軸名称設定手段によって設定された軸の名称と前記項目作成手段によって作成された項目に基づいて、製品を開発するために用いる品質機能展開表として、中心から上下左右に分けた領域内に、第1軸から第4軸の各々の名称を配置し、該中心から上下左右に伸びる方向に第1軸から第4軸の各々の軸に属する項目を配置し、少なくとも第1軸と第2軸、第2軸と第3軸、第3軸と第4軸の間に項目間の因果関係を記入可能な配列を配置した品質機能展開表を表示する表示手段
を具備し、
前記項目作成手段は、
前記第1軸に属する項目として、製品の品質を示す項目、
前記第2軸に属する項目として、各部品、各部材が製品の品質を満たすために発揮すべき性能の度合いを示す項目、
前記第3軸に属する項目として、各部品、各部材の構造と物性についての項目、
前記第4軸に属する項目として、各部品、各部材の作成条件を定義する項目、
を操作者が選択することによって、各軸に属する項目を作成する
ことを特徴とする情報処理装置。
(A2) 第1軸から第4軸の名称を設定する軸名称設定手段と、
前記軸名称設定手段によって名称が設定された軸に属する項目を作成する項目作成手段と、
前記軸名称設定手段によって設定された軸の名称と前記項目作成手段によって作成された項目に基づいて、製品を開発するために用いる品質機能展開表として、中心から上下左右に分けた領域内に、第1軸から第4軸の各々の名称を配置し、該中心から上下左右に伸びる方向に第1軸から第4軸の各々の軸に属する項目を配置し、少なくとも第1軸と第2軸、第2軸と第3軸、第3軸と第4軸の間に項目間の因果関係を記入可能な配列を配置した品質機能展開表を表示する表示手段
を具備し、
前記項目作成手段は、
前記第1軸に属する項目として、製品の品質を示す項目、
前記第2軸に属する項目として、物理的な特性項目によって挙動が決定され、製品の品質を支配する物理的なメカニズムの項目、
前記第3軸に属する項目として、設計条件によって決まるシステムの物理的な特性を示す項目、
前記第4軸に属する項目として、設計条件を示す項目、
を操作者が選択することによって、各軸に属する項目を作成する
ことを特徴とする情報処理装置。
(A3) 前記軸名称設定手段は、軸名称のリストを操作者に対して表示し、当該軸名称のリストから操作者によって選択された名称を軸の名称とする
ことを特徴とする(A1)又は(A2)に記載の情報処理装置。
(A4) 前記項目作成手段は、項目のリストを操作者に対して表示し、当該項目のリストから操作者によって選択された項目を軸に属する項目とする
ことを特徴とする(A1)乃至(A3)に記載の情報処理装置。
(A5) 前記軸に属する項目は、階層構造を有しており、
前記項目作成手段は、少なくとも第1軸と第2軸、第2軸と第3軸、第3軸と第4軸の項目の間に、該項目の予め定められた階層における項目が整合しているか否かを判断し、整合していないと判断した場合は、項目を修正する
ことを特徴とする(A1)乃至(A4)に記載の情報処理装置。
(A6) コンピュータを、
第1軸から第4軸の名称を設定する軸名称設定手段と、
前記軸名称設定手段によって名称が設定された軸に属する項目を作成する項目作成手段と、
前記軸名称設定手段によって設定された軸の名称と前記項目作成手段によって作成された項目に基づいて、製品を開発するために用いる品質機能展開表として、中心から上下左右に分けた領域内に、第1軸から第4軸の各々の名称を配置し、該中心から上下左右に伸びる方向に第1軸から第4軸の各々の軸に属する項目を配置し、少なくとも第1軸と第2軸、第2軸と第3軸、第3軸と第4軸の間に項目間の因果関係を記入可能な配列を配置した品質機能展開表を表示する表示手段
として機能させ、
前記項目作成手段は、
前記第1軸に属する項目として、製品の品質を示す項目、
前記第2軸に属する項目として、各部品、各部材が製品の品質を満たすために発揮すべき性能の度合いを示す項目、
前記第3軸に属する項目として、各部品、各部材の構造と物性についての項目、
前記第4軸に属する項目として、各部品、各部材の作成条件を定義する項目、
を操作者が選択することによって、各軸に属する項目を作成する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
(A7) コンピュータを、
第1軸から第4軸の名称を設定する軸名称設定手段と、
前記軸名称設定手段によって名称が設定された軸に属する項目を作成する項目作成手段と、
前記軸名称設定手段によって設定された軸の名称と前記項目作成手段によって作成された項目に基づいて、製品を開発するために用いる品質機能展開表として、中心から上下左右に分けた領域内に、第1軸から第4軸の各々の名称を配置し、該中心から上下左右に伸びる方向に第1軸から第4軸の各々の軸に属する項目を配置し、少なくとも第1軸と第2軸、第2軸と第3軸、第3軸と第4軸の間に項目間の因果関係を記入可能な配列を配置した品質機能展開表を表示する表示手段
として機能させ、
前記項目作成手段は、
前記第1軸に属する項目として、製品の品質を示す項目、
前記第2軸に属する項目として、物理的な特性項目によって挙動が決定され、製品の品質を支配する物理的なメカニズムの項目、
前記第3軸に属する項目として、設計条件によって決まるシステムの物理的な特性を示す項目、
前記第4軸に属する項目として、設計条件を示す項目、
を操作者が選択することによって、各軸に属する項目を作成する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
100…情報処理装置
100A…情報処理装置
100B…情報処理装置
110A…表A受付モジュール
110B…表B受付モジュール
120…表統合モジュール
130…因果関係確認モジュール
140…因果関係不一致処理モジュール
150…表示モジュール
290…DB装置
299…通信回線
900…情報処理装置
910…軸名称設定モジュール
915…部材/システム選択モジュール
920…軸対応項目作成モジュール
925…軸間整合モジュール
930…表示モジュール
950…軸関連情報記憶モジュール

Claims (8)

  1. 少なくとも3本以上の軸を有しており、該軸には階層構造を有している項目が付与されており、該各軸には軸の名称が付与されており、該各項目には項目の名称が付与されている品質機能展開表である第1の品質機能展開表を受け付ける第1の受付手段と、
    該第1の品質機能展開表とは異なる品質機能展開表である第2の品質機能展開表を受け付ける第2の受付手段と、
    前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合に、該一致している部分を最上位の階層の項目名称とし、一致していない部分を最上位から次の階層の項目名称とした第3の品質機能展開表として、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表を統合する統合手段
    を具備することを特徴とする情報処理装置。
  2. 少なくとも3本以上の軸を有しており、該軸には階層構造を有している項目が付与されており、該各軸には軸の名称が付与されており、該各項目には項目の名称が付与されている品質機能展開表である第1の品質機能展開表を受け付ける第1の受付手段と、
    該第1の品質機能展開表とは異なる品質機能展開表である第2の品質機能展開表を受け付ける第2の受付手段と、
    前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位から順に抽出した階層の項目名称が一致しており、それ以降の階層の項目名称は一致していない場合に、該一致している部分を該一致している階層の共通の項目名称とし、該一致していない階層の項目名称を並列に並べた第3の品質機能展開表として、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表を統合する統合手段
    を具備することを特徴とする情報処理装置。
  3. 前記統合手段は、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の階層構造を含めて項目名称が一致している場合は、2つの項目を1つに統合した第3の品質機能展開表とする
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記統合手段は、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位の階層が一致しており、最上位の階層以外の階層の項目名称が一致していない場合は、2つの項目を並列に並べた第3の品質機能展開表とする
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  5. 前記統合手段は、前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称が異なると判断した場合は、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表は統合できない旨を表示する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記品質機能展開表は、隣り合う2本の軸の間に項目間の因果関係を記入可能な配列が配置されており、
    前記統合手段は、前記2本の軸の項目が統合されており、該2本の軸間の配列を構成している要素内の因果関係を示す値が食い違う場合は、統合処理を行わないこと、統合できない旨を表示すること、又は、いずれか一方の品質機能展開表内の対応する要素内の因果関係を示す値を設定すること、のうちいずれかとする
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. コンピュータを、
    少なくとも3本以上の軸を有しており、該軸には階層構造を有している項目が付与されており、該各軸には軸の名称が付与されており、該各項目には項目の名称が付与されている品質機能展開表である第1の品質機能展開表を受け付ける第1の受付手段と、
    該第1の品質機能展開表とは異なる品質機能展開表である第2の品質機能展開表を受け付ける第2の受付手段と、
    前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位の階層の項目名称の一部が一致しており、他の部分は一致していない場合に、該一致している部分を最上位の階層の項目名称とし、一致していない部分を最上位から次の階層の項目名称とした第3の品質機能展開表として、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表を統合する統合手段
    として機能させるための情報処理プログラム。
  8. コンピュータを、
    少なくとも3本以上の軸を有しており、該軸には階層構造を有している項目が付与されており、該各軸には軸の名称が付与されており、該各項目には項目の名称が付与されている品質機能展開表である第1の品質機能展開表を受け付ける第1の受付手段と、
    該第1の品質機能展開表とは異なる品質機能展開表である第2の品質機能展開表を受け付ける第2の受付手段と、
    前記第1の品質機能展開表と前記第2の品質機能展開表の名称が一致している軸において、該軸に属している項目内の最上位から順に抽出した階層の項目名称が一致しており、それ以降の階層の項目名称は一致していない場合に、該一致している部分を該一致している階層の共通の項目名称とし、該一致していない階層の項目名称を並列に並べた第3の品質機能展開表として、該第1の品質機能展開表と該第2の品質機能展開表を統合する統合手段
    として機能させるための情報処理プログラム。
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