JP2004362480A - 品質機能展開支援方法とそのためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】QFD作業時において、ユーザが、顧客要求に関係する重要な全ての品質特性を、誤りや抜けを生じることなく、効率よく容易に抽出できるように支援する方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】過去に作成されたQFDデータを読込み、読込んだQFDデータの要求品質と品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質との組み合わせを抽出して品質特性データを作成し、データベースに登録する(S103)。ユーザの指示に応じて、データベース中のデータを編集する(S105)。品質機能展開作業時に、ユーザの指示に応じて、少なくとも要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いてデータベースに登録されている品質特性を検索し、検索の結果として得られたデータを検索結果データとして出力する(S112)。
【選択図】 図1
【解決手段】過去に作成されたQFDデータを読込み、読込んだQFDデータの要求品質と品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質との組み合わせを抽出して品質特性データを作成し、データベースに登録する(S103)。ユーザの指示に応じて、データベース中のデータを編集する(S105)。品質機能展開作業時に、ユーザの指示に応じて、少なくとも要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いてデータベースに登録されている品質特性を検索し、検索の結果として得られたデータを検索結果データとして出力する(S112)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品企画、製品の品質重要度の算出、および設計支援等に適用される品質機能展開を支援する方法とそのためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
製品を企画または開発する場合に、製品仕様の決定等を製品の品質特性の側面から行うための手法の一つとして、品質機能展開が知られている(例えば、非特許文献1参照)。品質機能展開手法は、一般的にQFD(Quality Function Deployment)手法と呼ばれており、製品に対する顧客からの要求品質を把握、分析し、当該要求品質を製品の機能(技術的品質、さらには部品仕様)に変換していくための手法である。このQFD手法は、コンピュータを利用したシステムにより実現され、製品企画、製品の品質重要度の算出、および設計支援等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このQFD手法において、ユーザは、コンピュータの画面上で品質機能展開表(QFD表)を表示し、このQFD表に要求品質を入力し、要求品質に関係付ける品質特性を入力し、要求品質と品質特性との対応関係とその関係付けの度合いを入力し、品質特性毎の設計品質値を入力する、という一連の品質機能展開作業(QFD作業)を行うことになる。
【0004】
QFD手法を利用した製品企画等においては、顧客からの要求品質に関係する重要な品質特性を全て抽出することが求められる。ここで、品質特性は、品質評価の対象となる性質・性能であり、顧客の真の要求に対する代用特性として数値等で客観的に表現可能な特性である。そして、そのような重要な品質特性を全て抽出することにより、それらの品質特性の各々について、顧客要求に十分に適合した設計品質値を得ることができ、それにより、顧客満足度の高い製品を企画することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−358332号公報
【非特許文献1】
大藤正、小野満照、赤尾洋二、「品質展開法(1)」、日科技連出版社、1990年
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、QFD作業にはQFD手法に関してある程度の専門知識や経験が必要であるため、作業者にそのような十分な知識や経験がない場合には、入力に誤りや抜けが生じ易く、作業負担が大きくなる。そのため、従来、QFD作業を支援する方法が提案されている。
【0007】
特許文献1においては、顧客からのアンケート結果やインタビュー結果として直接的に得られる顧客要求「VoC(Voice of Customer)」を表示して要求品質の抽出を支援する方法が提案されている。この方法は、VoCを表示して要求品質の抽出を支援し、抽出・入力された要求品質を表示してそれに関係付ける品質特性の抽出を支援し、抽出・入力された要求品質と品質特性との対応関係とその関係付けの度合いの抽出を支援し、抽出・入力された関係付けの妥当性を判定して妥当でない場合にはその妥当でない組み合わせを提示する、等の支援を行うものである。
【0008】
しかしながら、QFD手法を利用した製品企画等において、ユーザが、要求品質の表示のみを参照して顧客要求に関係する重要な品質特性を全て抽出することは容易ではなく、重要な品質特性の誤りや抜けを生じる可能性は高い。また、品質特性抽出時に品質特性に誤りや抜けがあった場合には、顧客要求に十分に適合した設計品質値を得ることができず、顧客満足度の高い製品を企画することができなくなってしまう。このことは、製品の売上に影響するだけでなく、設計段階においての後戻りが発生する等により、製品の企画・開発全体の効率が低下し、企画・開発コストの増大にもつながる等の問題を生じる。
【0009】
本発明は、これらの問題を解決するために提案されたものであり、その目的は、QFD作業時において、ユーザが、顧客要求に関係する重要な全ての品質特性を、誤りや抜けを生じることなく、効率よく容易に抽出できるように支援する方法およびプログラムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既存のQFDデータを読込み、データベースに登録可能とすると共に、要求品質、キーワード、等によりデータベースに登録されている品質特性を検索可能とすることにより、過去に作成されたQFDデータを有効利用して品質特性データベースを容易に構築し、ユーザが品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができるようにしたものである。
【0011】
なお、本発明において、重要な用語の定義は次の通りである。
「要求品質」は、品質機能展開の分野で一般的に使用されている用語であり、顧客の要求を、二つ以上の意味を含まない品質に関する簡潔な表現の言語情報を意味する。
「品質要素」は、品質機能展開の分野で一般的に使用されている用語であり、品質を評価する尺度となりうる各種の要素を意味する。
「品質特性」は、品質機能展開の分野で一般的に使用されている用語であり、品質評価の対象となる性質・性能を意味しており、顧客の真の要求に対する代用特性として数値等の何らかの指標値で客観的に表現可能な特性である。
【0012】
「品質機能展開表(QFD表)」は、品質機能展開の過程において作成される各種の二元表を含む広い概念である。
「QFDデータ」は、品質機能展開作業により得られた全てのデータを含む広い概念である。
「関係付けの度合い」は、関係付けの度合いを示す何らかの指標を意味しており、数値だけでなく、程度を表現する単語やマーク等の数値に関連付け可能な各種の指標を含む広い概念である。
【0013】
「設計品質値」は、品質機能展開の分野で一般的に使用されている用語であり、新規開発する製品に対し、最終的に設定される各品質特性の目標値を意味しており、具体的には、顧客要求の傾向および企業の製品戦略の傾向を要求品質に反映させて得られた要求品質の値と関係付けの度合いを示す値から得られた品質特性の値やその分析結果に基づいて設定される。
「製品」は、物品に限らず、顧客に提供される各種のサービスを含む広い概念である。
【0014】
「ユーザの指示」は、ユーザが具体的な指示内容を入力操作した場合に限らず、表示された確認内容に対して確認ボタンを押した場合等、ユーザの意図を示す何らかの操作が行われた全ての場合を含む広い概念である。
「ユーザによる指定」は、現時点でユーザにより指定された場合に限らず、ユーザにより予め設定されている場合、さらには初期設定に対してユーザの確認が得られた場合等、指定された対象に対してユーザの意図が何らかの形で反映されている全ての場合を含む広い概念である。
「指定」は、前記の意味における「ユーザによる指定」だけでなく、ユーザ以外のシステム開発者や各種関係者等により初期設定または設定変更されている場合等を含む広い概念である。
【0015】
請求項1の発明は、コンピュータを利用して、品質機能展開表に要求品質を入力し、前記要求品質に関係付ける品質特性を入力し、前記要求品質と前記品質特性との対応関係とその関係付けの度合いを入力し、品質特性毎の設計品質値を入力する一連の作業からなる品質機能展開を支援する方法において、登録ステップ、編集ステップ、検索ステップ、出力ステップ、を含むことを特徴としている。
【0016】
ここで、登録ステップは、過去の品質機能展開作業により得られた既存のQFDデータを読込み、読込んだQFDデータの前記要求品質と前記品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質との組み合わせを抽出して品質特性データを作成し、データベースに登録するステップである。また、編集ステップは、ユーザの指示に応じて、前記データベース中のデータを編集するステップである。
【0017】
さらに、検索ステップは、品質機能展開作業時に、ユーザの指示に応じて、少なくとも前記要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索するステップであり、出力ステップは、前記検索の結果として得られたデータを検索結果データとして出力するステップである。
【0018】
請求項15の発明は、請求項1の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したものであり、コンピュータを利用して、品質機能展開表に要求品質を入力し、前記要求品質に関係付ける品質特性を入力し、前記要求品質と前記品質特性との対応関係とその関係付けの度合いを入力し、品質特性毎の設計品質値を入力する一連の作業からなる品質機能展開を支援するためのプログラムにおいて、請求項1の発明における各ステップに対応する各機能、すなわち、登録機能、編集機能、検索機能、出力機能、をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0019】
以上のような発明によれば、既存のQFDデータを読込み、データベースに登録できるため、過去に作成されたQFDデータを有効利用して品質特性データベースを容易に構築することができる。また、ユーザの指示に応じて、データベース中のデータを編集できるため、データを変更したり、不要なデータを削除したり、必要なデータを追加したりすることにより、データベースの有用性を向上できる。さらに、品質機能展開作業時には、要求品質一覧、キーワード、等によりデータベースに登録されている品質特性を検索してユーザに品質特性一覧を提示することにより、ユーザは品質機能展開作業時における品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の品質機能展開支援方法において、登録ステップが、品質特性データ作成ステップを含むことを特徴としている。ここで、品質特性データ作成ステップは、前記要求品質と前記品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質の組み合わせを抽出し、抽出された各組み合わせに対して、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、を入力して品質特性データを作成するステップである。
【0021】
この発明によれば、既存のQFDデータから、品質特性と要求品質の組み合わせを自動的に抽出し、各組み合わせについて、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、を自動的に抽出して、それらの項目からなる品質特性データを自動的に作成できる。したがって、既存のQFDデータに対して、ユーザが何ら特別な作業を行うことなしに、そのQFDデータから、品質特性と要求品質の組み合わせ、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、等の項目を含む有用な品質特性データを自動的に作成できるため、有用な品質特性データベースを容易に構築することができる。
【0022】
請求項3の発明は、請求項2の品質機能展開支援方法において、品質特性データ作成ステップが、指定された数値をしきい値として、関係付けの度合いがそのしきい値以上である組み合わせのみの品質特性データを作成するステップ、を含むことを特徴としている。
【0023】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の品質機能展開支援方法において、品質特性データ作成ステップが、前記抽出された組み合わせのうち、ユーザにより指定された組み合わせのみの品質特性データを作成するステップ、を含むことを特徴としている。
【0024】
以上のような発明によれば、品質特性データの作成時に、関係付けの度合いが指定されたしきい値以上である組み合わせのみ、あるいは、ユーザにより指定された組み合わせのみの品質特性データを作成することにより、有用な品質特性データのみを効率よく作成することができ、無駄なデータの登録をできる限り回避して品質特性データベースの有用性を向上することができる。
【0025】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかの品質機能展開支援方法において、編集ステップが、品質要素入力ステップを含み、検索ステップが品質要素の一覧を検索キーとして用いることを特徴としている。ここで、品質要素入力ステップは、ユーザの指示に応じて、前記データベース中の各品質特性データに対して品質特性を評価する尺度となる品質要素を入力するステップである。また、検索ステップは、ユーザの指示に応じて、前記品質要素の一覧、前記要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索する。
【0026】
この発明によれば、要求品質の一覧やキーワードだけでなく、品質要素の一覧を利用して検索を行うことができるため、ユーザの意図に応じたより的確な検索が可能となり、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0027】
請求項6の発明は、請求項5の品質機能展開支援方法において、データベースが、前記品質特性データを登録する品質特性データベースと、前記品質要素を階層的に登録する品質要素データベース、を含むことを特徴としている。
【0028】
請求項7の発明は、請求項6の品質機能展開支援方法において、編集ステップが、前記品質特性データベースと前記品質要素データベースの両方に対してデータ編集を行うことを特徴としている。
【0029】
以上のような発明によれば、品質特性データベースとは別に品質要素データベースを構築し、その中のデータをユーザの意図に応じて編集することができるため、具体的な顧客要求や製品戦略に応じた柔軟で適切なデータ構成を有するデータベースの構築が可能となる。
【0030】
請求項8の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれかの品質機能展開支援方法において、検索ステップが、キー検索ステップと、検索項目作成ステップを含むことを特徴としている。ここで、キー検索ステップは、前記品質要素の一覧、前記要求品質の一覧、キーワード、の中から選択された検索キーを用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索するステップである。また、検索項目作成ステップは、前記キー検索ステップの前に、予め用意された前記品質要素の情報に基づき、品質要素の検索項目を作成してその一覧を前記品質要素の一覧としてユーザに提示するステップである。
【0031】
この発明によれば、予め用意されている品質要素の情報を利用して、品質要素の検索項目を自動的に作成することができる。特に、品質要素の情報は、概して階層的に構成されているため、複数の階層に亘る検索項目を自動的に作成してユーザに提示することができる。その結果、ユーザは、任意の階層における任意の検索項目を選択することにより、着目する品質要素に関係する品質特性の検索を容易に行うことができる。
【0032】
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかの品質機能展開支援方法において、出力ステップが、前記検索結果データとして得られた品質特性一覧をユーザに提示するステップと、前記品質特性一覧の中からユーザにより指定された品質特性の品質特性データを前記品質機能展開表に入力するステップを含み、品質特性データが、品質特性とそれに関係付けられた要求品質、品質特性の改善方向、関係付けの度合いを含む、ことを特徴としている。
【0033】
この発明によれば、品質特性の一覧が検索結果データとしてユーザに提示された場合に、ユーザは、その中から必要な品質特性を指定するだけで、その品質特性に関する品質特性データに含まれる各項目、すなわち、品質特性とそれに関係付けられた要求品質、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、等の項目を現在作業中の品質機能展開表に自動的に入力することができる。
【0034】
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかの品質機能展開支援方法において、使用頻度記憶ステップを含むことを特徴としている。ここで、使用頻度記憶ステップは、前記データベースに登録された前記品質特性の各々について、当該品質特性が、品質機能展開作業時に前記品質機能展開表に入力された入力回数、および前記検索の結果として得られた検索回数のいずれか一方または両方をカウントして、当該品質特性の使用頻度として記憶するステップである。
【0035】
請求項11の発明は、請求項10の品質機能展開支援方法において、前記使用頻度に基づいて前記品質特性データを頻度条件付きデータベースに登録する品質特性データ更新ステップ、を含むことを特徴としている。
【0036】
請求項12の発明は、請求項10または請求項11の品質機能展開支援方法において、検索ステップが、指定されたレベルの前記使用頻度を検索手段として前記データベースに登録されている品質特性を検索する使用頻度検索ステップ、を含むことを特徴としている。
【0037】
以上のような発明によれば、ユーザによる品質特性の使用頻度に応じて、使用頻度に応じた単数または複数の品質特性データベースに登録したり、また、使用頻度のレベルを適宜指定して品質特性を検索することにより、ユーザは、低頻度の品質特性を無視して高頻度の品質特性のみを効率よく検索できるため、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0038】
請求項13の発明は、請求項10乃至請求項12のいずれかの品質機能展開支援方法において、出力ステップが、前記検索結果データとして得られた品質特性一覧をユーザに提示するステップと、前記品質特性一覧を表示する順序をユーザにより指定された順序に変更するステップとを含み、前記順序が、前記要求品質との関係付けの度合いに基づく順序、前記使用頻度に基づく順序、抽象度に基づく順序を含む、ことを特徴としている。
【0039】
この発明によれば、検索結果データである品質特性の一覧を、ユーザの意図する、見やすい順序で表示することができるため、ユーザは、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0040】
請求項14の発明は、請求項1乃至請求項13のいずれかの品質機能展開支援方法において、新規データ登録支援ステップを含むことを特徴としている。ここで、新規データ登録支援ステップは、品質機能展開作業時に、ユーザから与えられた品質特性を入力した場合に、その品質特性が前記データベースに既に登録されているか否かをチェックして、登録されていない場合には、ユーザに対してその品質特性の当該データベースへの登録を促すかまたはその品質特性を当該データベースにそのまま登録するステップである。
【0041】
この発明によれば、品質機能展開作業時に、ユーザから未登録の品質特性が入力された場合に、その品質特性のデータベースへの登録を促すかそのまま自動的に登録することにより、ユーザにより新規に生成された品質特性の登録漏れを防ぎ、次回以降の品質機能展開作業で円滑に再利用できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に沿って具体的に説明する。ただし、ここで記載する実施形態は、本発明を何ら限定するものではなく、本発明の一態様を例示するものにすぎない。
【0043】
本発明は、典型的には、コンピュータをソフトウェアで制御することにより実現される。この場合のソフトウェアは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで本発明の作用効果を実現するものであり、また、従来技術を適用可能な部分には好適な従来技術が適用される。さらに、本発明を実現するハードウェアやソフトウェアの具体的な種類や構成、ソフトウェアで処理する範囲などは自由に変更可能であり、例えば、本発明を実現するプログラムは本発明の一態様である。
【0044】
[1.処理全体の概要]
図1は、本発明を適用した基本的な実施形態に係る品質機能展開支援処理の概要を示すフローチャートである。
【0045】
この図1に示すように、品質機能展開支援処理は、QFD作業を支援するためのデータベース構築を直接の目的とする前処理的なデータベース構築支援処理(S101のYES)と、データベース中のデータを再利用してQFD作業のリアルタイム支援を行うリアルタイム支援処理(S101のNO)に大別される。なお、ユーザからの指示は、各処理を行わせる要求として作用するため、以下の説明中および図1中では、ユーザからの各処理に対する指示を「要求」と表現している。
【0046】
まず、メニュー選択等によりユーザからデータベース構築支援処理に分類される各処理が要求された場合(S101のYES)には、要求された処理に応じて各処理を行う。すなわち、ユーザから品質特性データ登録が要求された場合(S102のYES)には、品質特性データ登録処理として、過去に作成したQFDデータD0を読み込んで品質特性データを自動的に作成し、品質特性データベースD1に登録する(S103)。
【0047】
また、ユーザから品質特性データ編集が要求された場合(S104のYES)には、品質特性データ編集処理として、品質特性データベースD1中の品質特性データの詳細に関し、ユーザの要求に応じた編集を行う(S105)。一方、品質要素データについては、予め基本的な品質要素データを用意して品質要素データベースD2に登録しておく。そして、ユーザから品質要素データ編集が要求された場合(S106のYES)には、品質要素データ編集処理として、品質要素データベースD2中の品質要素データの詳細に関し、ユーザの要求に応じた編集を行う(S107)。
【0048】
ユーザから、データベース構築支援処理の継続、すなわち、品質特性データ登録、品質特性データ編集、品質要素データ編集、の継続が要求された場合(S108のYES)には、対応するステップ(S103、S105、S107)に戻って、各処理を行う。
【0049】
また、リアルタイム支援処理は、データベース構築支援処理がQFD作業におけるユーザの準備作業として行われた際に、それに続けて行う場合(S108のNO)もあるが、品質特性データベースD1や品質要素データベースD2が予め用意された状態からリアルタイム支援処理のみを行う場合(S101のNO)もある。
【0050】
いずれの場合においても、メニュー選択等によりユーザからデータ再利用のQFD入力支援が要求された場合(S111のYES)には、データ再利用のQFD入力支援処理として、ユーザの要求に応じて品質特性データベースD1に登録されている品質特性データを検索して出力し、ユーザの要求があれば作業中のQFD表に入力する(S112)。この場合、検索された品質特性をそのままQFD表中に自動的に入力することも可能であるが、ユーザの要求に応じて元の品質特性を適宜変更する、あるいは、ユーザが検索結果に基づいて新たに作成した品質特性を入力する、等も可能である。
【0051】
QFD入力支援処理においてQFD表中に品質特性が入力された場合(S113のYES)には、新規データ登録支援処理として、入力された品質特性が品質特性データベースD1に既に登録されているか否かをチェックして、未登録の品質特性については品質特性データベースD1への登録を促す(S114)。この場合、ユーザに登録確認の要求のみを行わせて自動的に登録してもよい。
【0052】
ユーザから品質機能展開支援処理の継続が要求された場合(S115のYES)には、要求に応じたステップに戻る。すなわち、データ再利用のQFD入力支援の継続が要求された場合には、S109に戻って処理を継続し、また、データベース構築支援処理の各処理が要求された場合には、要求に応じたステップ(S103、S105、S107)に戻って、各処理を行う。
【0053】
[2.各処理の流れ]
図2〜図6は、図1に示す品質機能展開支援処理中における下位の各処理、すなわち、品質特性データ登録処理、品質特性データ編集処理、品質要素データ編集処理、データ再利用のQFD入力支援処理、新規データ登録支援処理、の基本的な流れをそれぞれ示すフローチャートである。以下には、各処理の流れについて順次説明する。なお、以下の説明中において、「データ名」、「データベース名」は、個々のデータ、データベースを特定するための情報であり、通常「名称」と称される情報に限らず、コード化あるいは、番号化されたものも含む広い概念である。
【0054】
[2−1.品質特性データ登録処理]
図2に示すように、品質特性データ登録処理においては、まず、ユーザの指示に応じて、読み込む対象となる過去のQFDデータを特定する「QFDデータ名」を取得し(S201)、取得した「QFDデータ名」を使用して当該「過去のQFDデータ」D0の情報を取得する(S202)。
【0055】
また、初期設定等により予め指定されている対応関係度のしきい値、あるいは、ユーザにより指定された対応関係度のしきい値を、品質特性データ作成を行うためのしきい値情報として取得する(S203)。そして、当該「過去のQFDデータ」D0の中からそのしきい値以上の対応関係度を有する品質特性と要求品質との組み合わせのみの「品質特性データ」を、品質特性データベースに登録するデータ情報として取得する(S204)。
【0056】
さらに、初期設定等により予め指定されている登録先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された登録先の「品質特性データベース名」を取得し(S205)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1に対し、当該「品質特性データ」を登録する(S206)。
【0057】
[2−2.品質特性データ編集処理]
図3に示すように、品質特性データ編集処理においては、まず、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質特性データベース名」を取得し(S301)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1aの情報を取得する(S302)。
【0058】
また、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質要素データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質要素データベース名」を取得し(S303)、取得した「品質要素データベース名」を使用して当該「品質要素データベース」D2の情報を取得する(S304)。そして、取得した当該「品質特性データベース」D1aおよび当該「品質要素データベース」D2の情報をユーザに提示して品質特性データの編集作業を支援し、ユーザの指示に応じて、品質特性データに追加される品質要素の情報等の、品質特性データの編集情報を取得する(S305)。
【0059】
さらに、初期設定等により予め指定されている登録先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された登録先の「品質特性データベース名」を取得し(S306)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1bに対し、当該「編集情報」を登録する(S307)。
【0060】
なお、ここでは、読込先と異なるデータベースに編集情報を登録する場合を想定して、読込先の「品質特性データベース」D1aと、登録先の「品質特性データベース」D1bを異なる符合で示しているが、実際の運用上、両者は同一であってもよい。すなわち、特定の品質特性データベース中のデータを単純に編集する場合には、読込先と登録先は同一となる。また、第1のデータベースと同一の情報を保存するバックアップ用の第2のデータベースを有する場合には、第1のデータベースから読み込んだ情報の編集情報を、読込先と同一の登録先である第1のデータベースに加えて、第2のデータベースにも保存することになる。
【0061】
[2−3.品質要素データ編集処理]
図4に示すように、品質要素データ編集処理においては、まず、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質要素データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質要素データベース名」を取得し(S401)、取得した「品質要素データベース名」を使用して当該「品質要素データベース」D2aの情報を取得する(S402)。
【0062】
そして、取得した当該「品質要素データベース」D2aの情報をユーザに提示して品質要素データの編集を支援し、ユーザの指示に応じて、品質要素の階層構成の変更や追加される新規の品質要素情報等の、品質要素データの編集情報を取得する(S403)。
【0063】
さらに、初期設定等により予め指定されている登録先の「品質要素データベース名」あるいはユーザにより指定された登録先の「品質要素データベース名」を取得し(S404)、取得した「品質要素データベース名」を使用して当該「品質要素データベース」D2bに対し、当該「編集情報」を登録する(S405)。なお、読込先の「品質要素データベース」D2aと、登録先の「品質要素データベース」D2bを異なる符合で示しているが、両者の関係については、品質特性データベースの関係について前述した通りである。
【0064】
[2−4.データ再利用のQFD入力支援処理]
データ再利用のQFD入力支援処理は、QFD作業のうち、特に、QFD表に入力するための品質特性抽出作業を支援するために行われる。図5に示すように、データ再利用のQFD入力支援処理においては、まず、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質特性データベース名」を取得し(S501)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1の情報を取得する(S502)。
【0065】
また、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質要素データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質要素データベース名」を取得し(S503)、取得した「品質要素データベース名」を使用して当該「品質要素データベース」D2の情報を取得する(S504)。そして、取得した当該「品質要素データベース」D2の情報に基づき、品質要素の検索項目を自動作成し(S505)、ユーザに対して品質要素や品質特性の一覧を提示することにより、ユーザから品質要素や品質特性、キーワード、等を指定する検索情報を取得する(S506)。
【0066】
次に、取得した検索情報から得られる検索キーを用いて、当該「品質特性データベース」D1に登録されている品質特性の検索を実施して(S507)、得られた品質特性データd1を検索結果データとして出力することにより、ユーザの品質特性抽出作業を支援する(S508)。この場合、検索結果に基づき、品質特性の検索回数のカウントや履歴等、品質特性の検索に伴う付随的なデータを取得し、それによって読込先の当該「品質特性データベース」D1中の当該品質特性データを更新する(S509)。
【0067】
そして、ユーザが現時点で抽出されている品質特性データの全部または一部を指定して現在作業中のQFDデータへの入力を指示した場合(S510のYES)には、その指定された品質特性データを現在作業中のQFDデータに入力する(S511)。すなわち、当該品質特性データに含まれる各データをQFD表中の対応する各欄に入力する。この場合、品質特性の入力回数のカウントや履歴等、QFDデータへの入力に伴う付随的なデータを取得し、それによって読込先の当該「品質特性データベース」D1中の当該品質特性データを更新する(S512)。
【0068】
品質特性抽出作業中のユーザがデータ再利用のQFD入力支援処理の継続を指示する限り(S513のYES)、S506〜S513の処理を繰り返し、ユーザが、品質特性抽出作業を終了してデータ再利用のQFD入力支援処理の終了を指示した時点(S513のNO)で、一連のデータ再利用のQFD入力支援処理を終了する。
【0069】
[2−5.新規データ登録支援処理]
新規データ登録支援処理は、ユーザが品質特性抽出作業において現在作業中のQFDデータへの品質特性データの入力を指示した時点で、未登録の品質特性データの登録を支援するために行われる。図6に示すように、新規データ登録支援処理においては、まず、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質特性データベース名」を取得し(S601)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1の情報を取得する(S602)。
【0070】
次に、現在作業中のQFDデータに入力された品質特性データに関する情報を取得し(S603)、その品質特性を当該「品質特性データベース」D1の情報と照合して(S604)、既に登録されているか否かを判断する(S605)。そして、未登録の品質特性である場合(S605のYES)には、ユーザに対して登録を促すメッセージを表示するか、あるいは、新規の品質特性データとして当該「品質特性データベース」D1にそのまま登録する(S606)。
【0071】
ユーザがQFDデータへの品質特性データの入力の継続を指示する限り(S607のYES)、S603〜S607の処理を繰り返し、ユーザが、QFDデータへの品質特性データの入力の終了を指示した時点(S607のNO)で、一連の新規データ登録支援処理を終了する。
【0072】
[3.具体的な製品企画におけるQFD支援例]
以下には、具体的な製品企画として、『旅行好きな家族をターゲットとしたファミリーカーの商品企画』において、過去に作成されたQFDデータから品質特性データベースを作成し、QFD作業時にこれを再利用する際の、具体的なデータ構成の詳細と具体的なQFD支援処理の詳細について順次説明する。
【0073】
[3−1.QFDデータ]
図7は、過去に作成されたQFDデータとして、『旅行好きな家族をターゲットとしたファミリーカーの商品企画』において作成されたQFDデータの一例を一般的なQFD表の形式で表示したデータ表示図である。このQFD表は、表計算データから構成されており、顧客からの要求品質を表の縦方向に列記し、横方向に機能展開したものである。以下には、このQFDデータを構成する各データの内容と、QFD作業の流れについて簡単に説明する。
【0074】
この図7に示すQFDデータにおいて、顧客の要求としては、例えば、「乗り心地が良い」、「給油回数が少ない」、「運転しやすい」、などの項目が要求品質として入力される。この要求品質には、最高度を10とした場合の相対的な重要度がアンケート結果から割り当てられ、QFD表の要求品質重要度の欄に入力される。すなわち、このQFD表中においては、一例として、「乗り心地が良い」という要求品質に対しては、要求品質重要度として「8.3」が入力される。同様に、「給油回数が少ない」という要求品質に対しては、要求品質重要度として「6.7」が入力される。
【0075】
さらに、要求品質に対して、顧客の満足度が、現時点での自社および他社について10段階評価でアンケート結果から割り当てられ、要求品質の比較分析の欄に入力される。そして、次期製品に対して満足度の値をどれくらいにするかという目標値が、企画品質の欄に10段階で設定される。
【0076】
これに基づき、現在の満足度に対してどの程度の企画品質の改善が必要になるかを示すレベルアップ率が自動的に計算され、表示される。例えば、レベルアップ率は以下の式で求めることができる。
【数1】
レベルアップ率=1+0.1×(企画品質−自社の満足度)
【0077】
図7において、例えば、「乗り心地が良い」という要求品質に対して、自社の満足度は「5.3」であり、企画品質として「7.0」が設定されており、これらの値から、上記の式に基づいてレベルアップ率「1.2」が計算される。
【0078】
また、セールスポイントには、新製品、サービスをアピールする度合いが、「1.0(現在のレベルを保持)」、「1.2(ある程度のセールスポイント)」、「1.5(重要なセールスポイント)」の3段階の値でユーザにより設定される。絶対ウェートは、顧客要求と製品戦略の両方に関する複数の評価値から自動的に計算された総合評価値であり、例えば、以下のように、要求品質重要度、レベルアップ率、セールスポイントの各数値の積から自動的に算出することができる。
【数2】
絶対ウェート=要求品質重要度×レベルアップ率×セールスポイント
【0079】
図7において、例えば、「乗り心地が良い」という要求品質に対して、要求品質重要度が「8.33...」、レベルアップ率が「1.2」、セールスポイントが「1.5」であるため、これらの値から、上記の式に基づいて、絶対ウェート「14.6」が算出される。
【0080】
さらに、要求品質ウェートは、全体を100%とした場合の、各要求品質の絶対ウェートの重み係数を自動的に算出したものである。
【0081】
QFD作業においては、以上のようにして顧客の要求品質に対する各種の評価値が得られた後、次のようにして顧客の要求品質が製品の技術的品質特性に変換される。
【0082】
まず、要求品質の満足度を上昇するために必要な製品の技術的品質が抽出され、品質特性として入力される。また、その品質特性の値の改善方向が、改善方向の欄に入力される。改善方向は、値が大きくなるほうが良い「Maximize(↑)」、小さくなるほうが良い「Minimize(↓)」、ある値が最適である「Target(◎)」、の3種類の中から選択される。また、抽出した品質特性には、一方の性能を上げればもう一方の性能が下がる(Strong Negative)、といったトレードオフの関係も発生し、この関係は特性相関関係の欄に対応付けられる。特性相関関係には、一方の性能を上げればもう一方の性能も上がる(Strong Positive)、といった関係もある。
【0083】
次に、顧客の要求品質と品質特性の対応付けが行われ、各対応関係の強さ(関係付けの度合い)が、対応関係度として数値で表現される。対応関係度は、一例として、強い関係「●(9点)」、普通の関係「○(3点)」、弱い関係「△(1点)」、の3段階の値で表現される。具体的には、例えば「乗り心地が良い」という要求品質に対して、最も対応関係の強い品質特性としては「路面振動伝達率」が決定され、最大の対応関係度「●(9点)」が割り当てられる。また、普通の対応関係○「(3点)」にある品質特性としては「客室/空間容積比」が決定される。
【0084】
続いて、このように対応付けられた関係と要求品質の重要度、要求品質のウェート値から、品質特性の品質特性重要度および品質特性ウェートが自動的に算出される。品質特性重要度は、例えば、以下の式で求めることができる。
【数3】
品質特性の重要度=
Σ{要求品質(x)の重要度×求めたい品質特性との対応関係の値(x)}
ただし、x=1,n
【0085】
品質特性ウェートは、上記の式で要求品質重要度が要求品質ウェートに置き換わったものである。品質特性重要度は、顧客の重要度を基に算出された値であり、品質特性ウェートは顧客の重要度に企業の製品戦略(製品企画方針)を考慮した値であると言える。この計算により、「路面振動伝達率」の品質特性重要度は、「18.1」と算出される。
【0086】
なお、品質特性の比較分析値には、自社、他社製品の品質特性の実測値を入れ、この値で製品のベンチマークを行うこともできる。
【0087】
そして、最後に、設計品質(狙いの品質)に新規開発する製品における各品質特性の目標値、すなわち、ここでは、「旅行好きな家族をターゲットとしたファミリーカー」における各品質特性の目標値が設定される。この値が、最終的な製品の目標スペックになる。
【0088】
[3−2.品質特性データのデータ構成]
本実施形態の処理においてQFDデータから作成される品質特性データの具体的なデータ構成は、データの利用状況に応じて様々な形態が考えられうるが、ここでは、一例として、次のようなデータ構成を想定している。
【0089】
まず、品質特性データベースD1に登録される各品質特性データは、ID、品質特性、品質要素、要求品質、関係(点数)、改善方向、キーワード、プロジェクト名、等から構成される。
【0090】
これらのうち、品質特性、要求品質、関係(点数)、改善方向は、過去に作成されたQFDデータの中に含まれているものである。これに対して、品質要素は、品質要素データベースD2に予め用意してあるものを利用できる。この品質要素は、新規に追加することも可能である。ここでは、例えば、品質要素として、物理的要素、機能的要素、人間的要素、時間的要素、生産的要素、経済的要素、市場的要素、環境的要素の8つの要素が設定されており、また、それぞれの要素が、さらに細かく特性として分類されている。品質要素データベースD2には、品質要素のこのような階層構成を含む基本的な品質要素データが予め用意されており、品質特性データとは別に独立して管理される。
【0091】
ソフトウェアのQFDの場合は、品質要素として、ソフトウェア品質特性(ISO9126)の品質特性、副特性などを入力することもできる。特に、ソフトウェアのQFDは、品質特性の抽出が難しいと言われているが、品質要素にソフトウェア品質特性(ISO9126)を利用し、これを基に検索や品質特性の抽出を行うことにより、品質特性抽出作業を効率よく支援することができる。
【0092】
さらに、自由記述欄には、検索時に活用するためのキーワード等の各種の情報が入力される。
【0093】
図8は、階層構成を含む品質要素データの一例を示すデータ表示図であり、例えば、「物理的要素、外観特性」、で1つの品質要素として扱う。また、ソフトウェアを考慮する場合は、例えば、図9に示すようなソフトウェア品質特性(ISO9126)を品質要素として扱う。
【0094】
さらに、他の情報として、例えば、品質特性間におけるトレードオフや階層関係を保持するデータテーブル等を含めることも考えられる。しかし、以下の処理の詳細においては、簡略化の観点から、先に示した品質特性のデータ構成のみについて説明する。
【0095】
[3−3.品質特性データ登録処理の詳細]
図7に示した『旅行好きな家族をターゲットとしたファミリーカーの商品企画』のQFDデータから品質特性データベースを作成する場合には、まず、ユーザの指示に応じて、当該QFDデータの「QFDデータ名」を取得し(S201)、取得した「QFDデータ名」を使用して、図7に示したQFDデータの情報を取得する(S202)。
【0096】
この場合、ユーザによる対応関係度のしきい値の指定がなく、初期設定等のデフォルト値が「なし」、「全て」、等である場合(S203)には、読み込んだQFDデータに含まれる要求品質と品質特性の対応関係(品質表)に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質の全ての組み合わせを抽出して、品質特性の改善方向、対応関係度を示す点数を入力し、品質特性データを自動作成する(S204)。
【0097】
また、ユーザにより対応関係度のしきい値が指定された場合(S203)には、品質特性と要求品質の組み合わせのうち、指定されたしきい値以上の対応関係度を有するものだけに限定して品質特性データを自動作成する(S204)。さらに、抽出された品質特性と要求品質の組み合わせの一覧をユーザに一旦提示して、その中から組み合わせを指定させる等の支援により、ユーザから組み合わせが指定された場合には、その指定された組み合わせのみの品質特性データを自動作成することも可能である。
【0098】
図10は、以上のようにして図7に示したQFDデータを読込んだ一例を示すデータ表示図である。この図10においては、図7のQFDデータで関係付けられた品質特性と要求品質の組み合わせ、対応関係度(点数)、改善方向が取得されている。ここで、ユーザにより、例えば、対応関係度のしきい値として「9点以上」が指定された場合には、以下の表1に示す組み合わせのみの品質特性データが作成され、品質特性データベースD1に登録される。
【0099】
【表1】
最小回転半径[m] & 運転しやすい
最大積載量[l](シートアレンジを含む) & 荷物をたくさんつめる
室内騒音値[dB] & 騒音が少ない
燃費[km/l](60km/h 定地走行) & 給油回数が少ない
標準装備数[個] & 装備が充実している
路面振動伝達率[dB] & 乗り心地が良い
【0100】
また、このような組み合わせの一覧をユーザに提示して、ユーザがその中の一部の組み合わせだけを登録対象として指定した場合には、さらに、その指定された組み合わせの品質特性データだけが、品質特性データベースD1に登録される。この場合、全ての組み合わせの品質特性データを第1の品質特性データベースD1aに登録し、その中の指定された組み合わせの品質特性データを、第2の品質特性データベースD1bに登録する等、複数の品質特性データベースに異なるレベル・範囲の品質特性データを登録してもよい。
【0101】
さらに、いずれの場合においても、登録先の「品質特性データベース名」の指定は、予め設定したデフォルト値またはユーザによる指定の両方が可能であり、指定された品質特性データベースに対して、品質特性データの登録が行われる(S205、S206)。
【0102】
[3−4.品質特性データ編集処理の詳細]
上記のように自動作成された品質特性データは、品質特性データベースD1に登録されるが、登録された品質特性データの詳細について、品質特性データ編集処理によりデータ編集を行うことができる。
【0103】
特に、自動作成された段階の品質特性データについては、品質特性データベースの情報を取得する(S301、S302)だけでなく、品質要素データベースの情報を取得して(S303、S304)、登録されている自動作成された各品質特性データに、品質要素やキーワード等を入力して編集する(S305)。そして、編集により、品質特性と要求品質の組み合わせ、対応関係度(点数)、改善方向、等からなる自動作成された品質特性データに、品質要素やキーワード等を入力してなる編集後の品質特性データの情報(編集情報)を、元の品質特性データベースあるいは別の品質特性データベースに登録する(S306、S307)。このように、各品質特性データに対して品質要素やキーワード等を付加しておくことにより、検索時にこれらの情報を検索キーとして有効活用することができる。
【0104】
また、一般的なデータ編集と同様に、ユーザの指示に応じて品質特性データを変更・削除したり、あるいは新規の品質特性データを作成したりすることもできる。さらに、各部門毎に、自部門の関連分野の品質特性情報を予め入力しておくことにより、部門内の関係者が個々のQFD作業を行う場合の抽出作業を軽減することができる。
【0105】
図11は、以上のような編集処理により、図10に示した自動作成段階の各品質特性データに対して品質要素をそれぞれ入力し、また、他の品質特性と要求品質の組み合わせに関する品質特性データを新規に入力した一例を示すデータ表示図である。
【0106】
なお、多様な分野のQFDデータから品質特性データを作成する場合は、それぞれにデータを保管しておき、利用時に必要に応じてデータを選択して使用することとなる。
【0107】
[3−5.品質要素データ編集処理の詳細]
なお、予め用意された品質要素データの編集については、一般的なデータ編集と同様に、ユーザの指示に応じて品質要素データを変更・削除したり、あるいは新規の品質要素データを作成することができる。
【0108】
例えば、図8や図9に示すような階層構成を有する品質要素データが予め用意されている場合に、ユーザの指示に応じて、品質要素データを追加したり、階層構成を変更すること等が考えられる。また、QFD作業中のユーザの指示に応じて、作業途中で品質要素データ編集処理を行うこともできる。いずれにしても、一般的なデータ編集の手法自体は周知の技術であるため、ここでは説明を省略する。
【0109】
[3−6.データ再利用のQFD入力支援処理の詳細]
ユーザが、QFD作業時に要求品質から品質特性を抽出する際には、データ再利用のQFD入力支援処理により、品質特性データベースのデータの閲覧やQFDデータへの入力を行うことができる。
【0110】
まず、品質特性データベースの情報と品質要素データベースの情報を取得して(S501〜S504)、ユーザに対して検索用の文字列の指定を促す(S505)。この場合、例えば、ユーザに対してまず、検索種別の指定を促し、「品質要素による検索」、「要求品質による検索」、「キーワードによる検索」、のいずれかを指定させる。そして、ユーザによって指定された検索種別に応じて、「品質要素による検索」、「要求品質による検索」、の場合には、さらに、品質要素の一覧または要求品質の一覧を提示して特定の品質要素や要求品質の指定を促し、ユーザの指定に応じて、検索に使用する検索キーを作成する(S506)。
【0111】
また、ユーザによって「キーワードによる検索」が指定された場合には、キーワードの入力支援を行う。この場合、品質特性データの付加データとして予め登録されたキーワードの一覧を提示すると共に、別にキーワード入力窓を提示すること等が考えられる。このような入力支援を行うことにより、ユーザは、自らのテキスト入力操作によりキーワードを手動で指定するだけでなく、登録されたキーワードの中から検索キーとなるキーワードを選択したり、選択したキーワードの一部を変更したりすることで、意図に合ったキーワードを容易に指定することができる。
【0112】
いずれの場合でも、ユーザにより指定された検索キーを用いて、品質特性データベースD1に登録されている品質特性の検索を実施する(S507)。この検索の詳細は、検索種別に応じて異なるため、以下には、品質要素による検索、要求品質による検索、キーワードによる検索、の詳細について順次説明する。
【0113】
まず、品質要素による検索において、品質要素の一覧から、抽出しようとしている品質特性に関係する品質要素が指定されると、その指定された品質要素を検索キーとして品質要素データベース内の品質要素を検索し、これと関連付けられた品質特性一覧を得る(S507)。この場合、品質要素の一覧は、品質特性データベースの情報を元に、品質要素の検索項目を自動作成して表示する。
【0114】
例えば、図8に示すように、品質要素のデータが、上位階層の項目(物理的要素、生産的要素など)と下位階層の項目(外観特性、力学特性など)で構成されている場合は、図12に示すように、上位階層の項目とその下位に位置する下位階層の各項目の両方から検索キーを作成することにより、どちらの階層の項目でも検索することができる。
【0115】
この図12に示す品質要素の中から、例えば、「外観特性」を検索キーとして検索を行った場合には、以下の表2に示すような品質特性一覧を得ることができる。
【0116】
【表2】
ゴルフバックの数[個]
シートパッドの硬度[%]
客室/空間容積比[%]
客室内寸法(長さ/幅/高さ)[m]
最小回転半径[m]
最大積載量[l](シートアレンジを含む)
最低地上高[m]
視野角[deg]
車両重量[kg]
乗降口面積[cm^2]
燃料タンク容量[l]
【0117】
また、ソフトウェア開発のQFDの場合、一般的に品質特性の抽出が難しいと言われているが、例えば、「成熟性」という品質要素で検索をかけて、『平均故障間隔』や『故障率』などの品質特性を抽出して活用することができる。
【0118】
次に、要求品質による検索においては、品質特性データベース内に登録されている要求品質の一覧を表示し、その中から指定された要求品質を検索キーとしてこれと関連付けられた品質特性一覧を得る(S507)。また、QFDデータに入力されている要求品質を直接指定してこれと関連付けられた品質特性一覧を得ることもできる。
【0119】
例えば、図7、図10に示す要求品質の中から、「乗り心地がよい」を検索キーとして検索を行った場合には、以下の表3に示すような品質特性一覧を得ることができる。
【0120】
【表3】
標準装備数[個]
圧迫感[rating]
シートパッドの硬度[%]
客室/空間容積比[%]
客室内寸法(長さ/幅/高さ)[m]
サスペンションの剛性[Mpa]
室内騒音値[dB]
路面振動伝達率[dB]
【0121】
また、キーワードによる検索においては、入力されたキーワードと完全一致、部分一致、若しくは類似すると判断する所定の判断基準に基づいて、品質特性データベース内の検索を行い、判断基準に該当する品質特性の一覧を得てそれを表示する。
【0122】
例えば、「音」というキーワードで検索を行った場合には、以下の表4に示すような品質特性一覧を得ることができる。
【0123】
【表4】
室内騒音値[dB]
路面振動伝達率[dB]
【0124】
なお、以上のような3種類の検索種別による検索は、単独の検索種別だけで行ってもよいが、品質要素による検索とキーワードによる検索、要求品質による検索とキーワードによる検索、等のように複数の検索種別を組み合わせて検索を行うことも可能である。
【0125】
また、以上のような検索処理によって得た品質特性一覧から、詳細データを画面や用紙等に出力したり、あるいは、QFDデータ上の品質特性欄に直接、品質特性を入力したりすることができる(S508)。品質特性欄に直接入力する場合には、改善方向などの情報も自動的に入力される。違う改善方向で登録されている同名の品質特性がある場合は、選択しての入力になる。また、現時点でQFDデータに入力されている要求品質を直接指定して検索した場合には、対応関係も当該QFDデータに自動的に入力される。この場合も、同じ要求品質、品質特性の組み合わせで違う関係のものがある場合には、その中から選択しての入力になる。
【0126】
さらに、検索結果として表示された品質特性の一覧から品質特性が指定された場合には、図13に示すように、指定された品質特性のデータの詳細を表示する。
【0127】
また、品質特性間の相関関係や階層情報がデータ構造内に含まれる場合には、それらの関係を表示し、さらにその品質特性の詳細を表示することも可能となる。
【0128】
さらに、詳細を表示するだけでなく、QFDデータ中の品質特性が指定された場合に、QFDの品質特性の入力欄にその品質特性を埋め込むこともできる。例えば、図14に示すように、品質特性「路面振動伝達率[dB]」が指定された場合には、改善方向「↑」も一緒にQFDデータに入力される。ここでは、改善方向をデータとして持たせた例を示しているが、目標となる品質値である設計品質や自社他社の測定値をデータとして持たせて、これらを自動的にQFDデータに入力することも可能である。
【0129】
また、図15に示すように、QFDデータ中の要求品質「乗り心地が良い」の指定により検索を行い、品質特性「路面振動伝達率[dB]」が入力として指定された場合には、対応関係「●」もQFDデータに入力される。
【0130】
なお、検索結果を画面に表示する際には、品質特性と要求品質の対応関係度、品質特性の検索回数や入力回数等の使用頻度、品質特性の抽象度(予めデータに持たせたもの、あるいは品質特性どうしの階層情報のデータがある場合は、そこから抽出)等の順で表示することもできる。これにより、検索結果が利用者の意図する、見やすい順に表示され、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0131】
また、前述したように、検索時においては、品質特性ごとに検索された検索回数やQFDデータへの入力を行った入力回数等を使用回数(使用頻度)として記録するため、その検索回数や入力回数ごとにオリジナルとは別の頻度条件付き品質特性データベースを作成することができる。例えば、10回以上使用された品質特性のみを集めたデータベースを基本品質特性データベースとして作成しておき、それを検索に利用することもできる。
【0132】
また、使用回数が少ない場合は、特殊品質特性データベースに登録しておき、使用回数が増えてくると、そのデータベースから削除して、基本品質特性データベースに登録する、等の運用が考えられる。また、検索時に、基本品質特性データベースを検索先データベースとして選択して検索するという使い方以外にも、入力回数、検索回数等の使用回数をキーとして検索を行い、使用頻度による品質特性抽出作業の支援を行うことができる。
【0133】
[3−7.新規データ登録支援処理の詳細]
ユーザの指示に応じてQFDデータに品質特性を入力する際には、前述したように、新規データ登録支援処理により、その品質特性が既に品質特性データベースに登録されているか否かを判断し、登録されていない場合には、ユーザに品質特性データベースへ登録するように促すか、あるいは、ユーザに登録確認のみを促し、自動的に登録する。このような新規データ登録支援処理を行うことにより、新しく生み出した品質特性を次回QFD作業時に円滑に再利用できる環境を提供できる。
【0134】
[4.実施形態の作用]
本実施形態のQFD支援処理によれば、次のような作用が得られる。
【0135】
まず、既存のQFDデータを読込み、データベースに登録できるため、過去に作成されたQFDデータを有効利用して品質特性データベースを容易に構築することができる。また、ユーザの指示に応じて、データベース中のデータを編集できるため、データを変更したり、不要なデータを削除したり、必要なデータを追加したりすることにより、データベースの有用性を向上できる。さらに、品質機能展開作業時には、要求品質一覧、キーワード、等によりデータベースに登録されている品質特性を検索してユーザに品質特性一覧を提示することにより、ユーザは品質機能展開作業時における品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0136】
また、既存のQFDデータから、品質特性と要求品質の組み合わせを自動的に抽出し、各組み合わせについて、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、を自動的に抽出して、それらの項目からなる品質特性データを自動的に作成できる。したがって、既存のQFDデータに対して、ユーザが何ら特別な作業を行うことなしに、そのQFDデータから、品質特性と要求品質の組み合わせ、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、等の項目を含む有用な品質特性データを自動的に作成できるため、有用な品質特性データベースを容易に構築することができる。
【0137】
また、品質特性データの作成時に、対応関係度が指定されたしきい値以上である組み合わせのみ、あるいは、ユーザにより指定された組み合わせのみの品質特性データを作成することにより、有用な品質特性データのみを効率よく作成することができ、無駄なデータの登録をできる限り回避して品質特性データベースの有用性を向上することができる。
【0138】
また、要求品質の一覧やキーワードだけでなく、品質要素の一覧を利用して検索を行うことができるため、ユーザの意図に応じたより的確な検索が可能となり、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0139】
また、品質特性データベースとは別に品質要素データベースを構築し、その中のデータをユーザの意図に応じて編集することができるため、具体的な顧客要求や製品戦略に応じた柔軟で適切なデータ構成を有するデータベースの構築が可能となる。
【0140】
また、予め用意されている品質要素の情報を利用して、品質要素の検索項目を自動的に作成することができる。特に、品質要素の情報は、概して階層的に構成されているため、複数の階層に亘る検索項目を自動的に作成してユーザに提示することができる。その結果、ユーザは、任意の階層における任意の検索項目を選択することにより、着目する品質要素に関係する品質特性の検索を容易に行うことができる。
【0141】
また、品質特性の一覧が検索結果データとしてユーザに提示された場合に、ユーザは、その中から必要な品質特性を指定するだけで、その品質特性に関する品質特性データに含まれる各項目、すなわち、品質特性とそれに関係付けられた要求品質、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、等の項目を現在作業中の品質機能展開表に自動的に入力することができる。
【0142】
また、ユーザによる品質特性の使用頻度に応じて、使用頻度に応じた単数または複数の品質特性データベースに登録したり、また、使用頻度のレベルを適宜指定して品質特性を検索することにより、ユーザは、低頻度の品質特性を無視して高頻度の品質特性のみを効率よく検索できるため、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0143】
また、検索結果データである品質特性の一覧を、ユーザの意図する、見やすい順序で表示することができるため、ユーザは、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0144】
また、品質機能展開作業時に、ユーザから未登録の品質特性が入力された場合に、その品質特性のデータベースへの登録を促すかそのまま自動的に登録することにより、ユーザにより新規に生成された品質特性の登録漏れを防ぎ、次回以降の品質機能展開作業で円滑に再利用できる。
【0145】
[5.実施形態の効果]
本実施形態のQFD支援処理によれば、次のような効果が得られる。
【0146】
まず、過去に作成したQFDデータから品質特性のデータベースを作成し各種検索手段によりQFD作業時の品質特性抽出作業を効率よく実施させ、また顧客要求に強く関連する重要な品質特性の抽出漏れを防ぎ、QFDの結果の信頼度、QFDに基づき作成した製品の品質を高めることができる。
【0147】
また、多様な品質要素を定義することにより、品質要素に基づく品質特性の検索や検索結果や品質要素を基に新しい品質特性の抽出することを支援でき、新しい価値の創造にも繋がる。特に、ソフトウェアのQFD作業時等、品質特性の抽出が困難といわれる場合も、品質要素にソフトウェア品質特性などを定義することにより、品質特性抽出作業を効率よく容易に行えるように支援することができる。
【0148】
また、新しい品質特性が抽出された際に、その品質特性のデータベースへの登録を促し、それを再利用するというしくみを提供することができ品質特性の再利用のしくみを円滑に支援することができる。
【0149】
[6.他の実施形態]
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な形態が実施可能である。まず、各図に示した処理手順、データ構成、表示形式等は一例にすぎず、具体的な処理手順、データ構成、表示形式等は自由に選択可能である。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、既存のQFDデータを読込み、データベースに登録可能とすると共に、要求品質、キーワード、等によりデータベースに登録されている品質特性を検索可能とすることにより、QFD作業時において、ユーザが、顧客要求に関係する重要な全ての品質特性を、誤りや抜けを生じることなく、効率よく容易に抽出できるように支援する方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した基本的な実施形態に係る品質機能展開支援処理の概要を示すフローチャート。
【図2】図1に示す品質機能展開支援処理中における品質特性データ登録処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図3】図1に示す品質機能展開支援処理中における品質特性データ編集処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図4】図1に示す品質機能展開支援処理中における品質要素データ編集処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図5】図1に示す品質機能展開支援処理中におけるデータ再利用のQFD入力支援処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図6】図1に示す品質機能展開支援処理中における新規データ登録支援処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図7】過去に作成されたQFDデータの一例を一般的なQFD表の形式で表示したデータ表示図。
【図8】階層構成を含む品質要素データの一例を示すデータ表示図。
【図9】品質要素として扱うことが可能なソフトウェア品質特性(ISO9126)を示すデータ表示図。
【図10】図1に示す品質特性データ登録処理により、図7に示したQFDデータを読込んだ一例を示すデータ表示図。
【図11】図1に示す品質特性データ編集処理により編集した品質特性データの一例を示すデータ表示図。
【図12】図1に示すQFD入力支援処理により作成した品質要素一覧の一例を示すデータ表示図。
【図13】図1に示すQFD入力支援処理により表示された品質特性のデータの詳細の一例を示すデータ表示図。
【図14】図1に示すQFD入力支援処理によりQFDの品質特性の入力欄にその品質特性が埋め込まれた状態の一例を示すデータ表示図。
【図15】図1に示すQFD入力支援処理により、QFDデータ中の要求品質により検索を行い、品質特性が入力として指定された場合に、対応関係がQFDデータに入力された状態の一例を示すデータ表示図。
【符号の説明】
D0…過去のQFDデータ
D1…品質特性データベース
D2…品質要素データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品企画、製品の品質重要度の算出、および設計支援等に適用される品質機能展開を支援する方法とそのためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
製品を企画または開発する場合に、製品仕様の決定等を製品の品質特性の側面から行うための手法の一つとして、品質機能展開が知られている(例えば、非特許文献1参照)。品質機能展開手法は、一般的にQFD(Quality Function Deployment)手法と呼ばれており、製品に対する顧客からの要求品質を把握、分析し、当該要求品質を製品の機能(技術的品質、さらには部品仕様)に変換していくための手法である。このQFD手法は、コンピュータを利用したシステムにより実現され、製品企画、製品の品質重要度の算出、および設計支援等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このQFD手法において、ユーザは、コンピュータの画面上で品質機能展開表(QFD表)を表示し、このQFD表に要求品質を入力し、要求品質に関係付ける品質特性を入力し、要求品質と品質特性との対応関係とその関係付けの度合いを入力し、品質特性毎の設計品質値を入力する、という一連の品質機能展開作業(QFD作業)を行うことになる。
【0004】
QFD手法を利用した製品企画等においては、顧客からの要求品質に関係する重要な品質特性を全て抽出することが求められる。ここで、品質特性は、品質評価の対象となる性質・性能であり、顧客の真の要求に対する代用特性として数値等で客観的に表現可能な特性である。そして、そのような重要な品質特性を全て抽出することにより、それらの品質特性の各々について、顧客要求に十分に適合した設計品質値を得ることができ、それにより、顧客満足度の高い製品を企画することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−358332号公報
【非特許文献1】
大藤正、小野満照、赤尾洋二、「品質展開法(1)」、日科技連出版社、1990年
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、QFD作業にはQFD手法に関してある程度の専門知識や経験が必要であるため、作業者にそのような十分な知識や経験がない場合には、入力に誤りや抜けが生じ易く、作業負担が大きくなる。そのため、従来、QFD作業を支援する方法が提案されている。
【0007】
特許文献1においては、顧客からのアンケート結果やインタビュー結果として直接的に得られる顧客要求「VoC(Voice of Customer)」を表示して要求品質の抽出を支援する方法が提案されている。この方法は、VoCを表示して要求品質の抽出を支援し、抽出・入力された要求品質を表示してそれに関係付ける品質特性の抽出を支援し、抽出・入力された要求品質と品質特性との対応関係とその関係付けの度合いの抽出を支援し、抽出・入力された関係付けの妥当性を判定して妥当でない場合にはその妥当でない組み合わせを提示する、等の支援を行うものである。
【0008】
しかしながら、QFD手法を利用した製品企画等において、ユーザが、要求品質の表示のみを参照して顧客要求に関係する重要な品質特性を全て抽出することは容易ではなく、重要な品質特性の誤りや抜けを生じる可能性は高い。また、品質特性抽出時に品質特性に誤りや抜けがあった場合には、顧客要求に十分に適合した設計品質値を得ることができず、顧客満足度の高い製品を企画することができなくなってしまう。このことは、製品の売上に影響するだけでなく、設計段階においての後戻りが発生する等により、製品の企画・開発全体の効率が低下し、企画・開発コストの増大にもつながる等の問題を生じる。
【0009】
本発明は、これらの問題を解決するために提案されたものであり、その目的は、QFD作業時において、ユーザが、顧客要求に関係する重要な全ての品質特性を、誤りや抜けを生じることなく、効率よく容易に抽出できるように支援する方法およびプログラムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既存のQFDデータを読込み、データベースに登録可能とすると共に、要求品質、キーワード、等によりデータベースに登録されている品質特性を検索可能とすることにより、過去に作成されたQFDデータを有効利用して品質特性データベースを容易に構築し、ユーザが品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができるようにしたものである。
【0011】
なお、本発明において、重要な用語の定義は次の通りである。
「要求品質」は、品質機能展開の分野で一般的に使用されている用語であり、顧客の要求を、二つ以上の意味を含まない品質に関する簡潔な表現の言語情報を意味する。
「品質要素」は、品質機能展開の分野で一般的に使用されている用語であり、品質を評価する尺度となりうる各種の要素を意味する。
「品質特性」は、品質機能展開の分野で一般的に使用されている用語であり、品質評価の対象となる性質・性能を意味しており、顧客の真の要求に対する代用特性として数値等の何らかの指標値で客観的に表現可能な特性である。
【0012】
「品質機能展開表(QFD表)」は、品質機能展開の過程において作成される各種の二元表を含む広い概念である。
「QFDデータ」は、品質機能展開作業により得られた全てのデータを含む広い概念である。
「関係付けの度合い」は、関係付けの度合いを示す何らかの指標を意味しており、数値だけでなく、程度を表現する単語やマーク等の数値に関連付け可能な各種の指標を含む広い概念である。
【0013】
「設計品質値」は、品質機能展開の分野で一般的に使用されている用語であり、新規開発する製品に対し、最終的に設定される各品質特性の目標値を意味しており、具体的には、顧客要求の傾向および企業の製品戦略の傾向を要求品質に反映させて得られた要求品質の値と関係付けの度合いを示す値から得られた品質特性の値やその分析結果に基づいて設定される。
「製品」は、物品に限らず、顧客に提供される各種のサービスを含む広い概念である。
【0014】
「ユーザの指示」は、ユーザが具体的な指示内容を入力操作した場合に限らず、表示された確認内容に対して確認ボタンを押した場合等、ユーザの意図を示す何らかの操作が行われた全ての場合を含む広い概念である。
「ユーザによる指定」は、現時点でユーザにより指定された場合に限らず、ユーザにより予め設定されている場合、さらには初期設定に対してユーザの確認が得られた場合等、指定された対象に対してユーザの意図が何らかの形で反映されている全ての場合を含む広い概念である。
「指定」は、前記の意味における「ユーザによる指定」だけでなく、ユーザ以外のシステム開発者や各種関係者等により初期設定または設定変更されている場合等を含む広い概念である。
【0015】
請求項1の発明は、コンピュータを利用して、品質機能展開表に要求品質を入力し、前記要求品質に関係付ける品質特性を入力し、前記要求品質と前記品質特性との対応関係とその関係付けの度合いを入力し、品質特性毎の設計品質値を入力する一連の作業からなる品質機能展開を支援する方法において、登録ステップ、編集ステップ、検索ステップ、出力ステップ、を含むことを特徴としている。
【0016】
ここで、登録ステップは、過去の品質機能展開作業により得られた既存のQFDデータを読込み、読込んだQFDデータの前記要求品質と前記品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質との組み合わせを抽出して品質特性データを作成し、データベースに登録するステップである。また、編集ステップは、ユーザの指示に応じて、前記データベース中のデータを編集するステップである。
【0017】
さらに、検索ステップは、品質機能展開作業時に、ユーザの指示に応じて、少なくとも前記要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索するステップであり、出力ステップは、前記検索の結果として得られたデータを検索結果データとして出力するステップである。
【0018】
請求項15の発明は、請求項1の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したものであり、コンピュータを利用して、品質機能展開表に要求品質を入力し、前記要求品質に関係付ける品質特性を入力し、前記要求品質と前記品質特性との対応関係とその関係付けの度合いを入力し、品質特性毎の設計品質値を入力する一連の作業からなる品質機能展開を支援するためのプログラムにおいて、請求項1の発明における各ステップに対応する各機能、すなわち、登録機能、編集機能、検索機能、出力機能、をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0019】
以上のような発明によれば、既存のQFDデータを読込み、データベースに登録できるため、過去に作成されたQFDデータを有効利用して品質特性データベースを容易に構築することができる。また、ユーザの指示に応じて、データベース中のデータを編集できるため、データを変更したり、不要なデータを削除したり、必要なデータを追加したりすることにより、データベースの有用性を向上できる。さらに、品質機能展開作業時には、要求品質一覧、キーワード、等によりデータベースに登録されている品質特性を検索してユーザに品質特性一覧を提示することにより、ユーザは品質機能展開作業時における品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の品質機能展開支援方法において、登録ステップが、品質特性データ作成ステップを含むことを特徴としている。ここで、品質特性データ作成ステップは、前記要求品質と前記品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質の組み合わせを抽出し、抽出された各組み合わせに対して、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、を入力して品質特性データを作成するステップである。
【0021】
この発明によれば、既存のQFDデータから、品質特性と要求品質の組み合わせを自動的に抽出し、各組み合わせについて、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、を自動的に抽出して、それらの項目からなる品質特性データを自動的に作成できる。したがって、既存のQFDデータに対して、ユーザが何ら特別な作業を行うことなしに、そのQFDデータから、品質特性と要求品質の組み合わせ、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、等の項目を含む有用な品質特性データを自動的に作成できるため、有用な品質特性データベースを容易に構築することができる。
【0022】
請求項3の発明は、請求項2の品質機能展開支援方法において、品質特性データ作成ステップが、指定された数値をしきい値として、関係付けの度合いがそのしきい値以上である組み合わせのみの品質特性データを作成するステップ、を含むことを特徴としている。
【0023】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の品質機能展開支援方法において、品質特性データ作成ステップが、前記抽出された組み合わせのうち、ユーザにより指定された組み合わせのみの品質特性データを作成するステップ、を含むことを特徴としている。
【0024】
以上のような発明によれば、品質特性データの作成時に、関係付けの度合いが指定されたしきい値以上である組み合わせのみ、あるいは、ユーザにより指定された組み合わせのみの品質特性データを作成することにより、有用な品質特性データのみを効率よく作成することができ、無駄なデータの登録をできる限り回避して品質特性データベースの有用性を向上することができる。
【0025】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかの品質機能展開支援方法において、編集ステップが、品質要素入力ステップを含み、検索ステップが品質要素の一覧を検索キーとして用いることを特徴としている。ここで、品質要素入力ステップは、ユーザの指示に応じて、前記データベース中の各品質特性データに対して品質特性を評価する尺度となる品質要素を入力するステップである。また、検索ステップは、ユーザの指示に応じて、前記品質要素の一覧、前記要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索する。
【0026】
この発明によれば、要求品質の一覧やキーワードだけでなく、品質要素の一覧を利用して検索を行うことができるため、ユーザの意図に応じたより的確な検索が可能となり、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0027】
請求項6の発明は、請求項5の品質機能展開支援方法において、データベースが、前記品質特性データを登録する品質特性データベースと、前記品質要素を階層的に登録する品質要素データベース、を含むことを特徴としている。
【0028】
請求項7の発明は、請求項6の品質機能展開支援方法において、編集ステップが、前記品質特性データベースと前記品質要素データベースの両方に対してデータ編集を行うことを特徴としている。
【0029】
以上のような発明によれば、品質特性データベースとは別に品質要素データベースを構築し、その中のデータをユーザの意図に応じて編集することができるため、具体的な顧客要求や製品戦略に応じた柔軟で適切なデータ構成を有するデータベースの構築が可能となる。
【0030】
請求項8の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれかの品質機能展開支援方法において、検索ステップが、キー検索ステップと、検索項目作成ステップを含むことを特徴としている。ここで、キー検索ステップは、前記品質要素の一覧、前記要求品質の一覧、キーワード、の中から選択された検索キーを用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索するステップである。また、検索項目作成ステップは、前記キー検索ステップの前に、予め用意された前記品質要素の情報に基づき、品質要素の検索項目を作成してその一覧を前記品質要素の一覧としてユーザに提示するステップである。
【0031】
この発明によれば、予め用意されている品質要素の情報を利用して、品質要素の検索項目を自動的に作成することができる。特に、品質要素の情報は、概して階層的に構成されているため、複数の階層に亘る検索項目を自動的に作成してユーザに提示することができる。その結果、ユーザは、任意の階層における任意の検索項目を選択することにより、着目する品質要素に関係する品質特性の検索を容易に行うことができる。
【0032】
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかの品質機能展開支援方法において、出力ステップが、前記検索結果データとして得られた品質特性一覧をユーザに提示するステップと、前記品質特性一覧の中からユーザにより指定された品質特性の品質特性データを前記品質機能展開表に入力するステップを含み、品質特性データが、品質特性とそれに関係付けられた要求品質、品質特性の改善方向、関係付けの度合いを含む、ことを特徴としている。
【0033】
この発明によれば、品質特性の一覧が検索結果データとしてユーザに提示された場合に、ユーザは、その中から必要な品質特性を指定するだけで、その品質特性に関する品質特性データに含まれる各項目、すなわち、品質特性とそれに関係付けられた要求品質、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、等の項目を現在作業中の品質機能展開表に自動的に入力することができる。
【0034】
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかの品質機能展開支援方法において、使用頻度記憶ステップを含むことを特徴としている。ここで、使用頻度記憶ステップは、前記データベースに登録された前記品質特性の各々について、当該品質特性が、品質機能展開作業時に前記品質機能展開表に入力された入力回数、および前記検索の結果として得られた検索回数のいずれか一方または両方をカウントして、当該品質特性の使用頻度として記憶するステップである。
【0035】
請求項11の発明は、請求項10の品質機能展開支援方法において、前記使用頻度に基づいて前記品質特性データを頻度条件付きデータベースに登録する品質特性データ更新ステップ、を含むことを特徴としている。
【0036】
請求項12の発明は、請求項10または請求項11の品質機能展開支援方法において、検索ステップが、指定されたレベルの前記使用頻度を検索手段として前記データベースに登録されている品質特性を検索する使用頻度検索ステップ、を含むことを特徴としている。
【0037】
以上のような発明によれば、ユーザによる品質特性の使用頻度に応じて、使用頻度に応じた単数または複数の品質特性データベースに登録したり、また、使用頻度のレベルを適宜指定して品質特性を検索することにより、ユーザは、低頻度の品質特性を無視して高頻度の品質特性のみを効率よく検索できるため、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0038】
請求項13の発明は、請求項10乃至請求項12のいずれかの品質機能展開支援方法において、出力ステップが、前記検索結果データとして得られた品質特性一覧をユーザに提示するステップと、前記品質特性一覧を表示する順序をユーザにより指定された順序に変更するステップとを含み、前記順序が、前記要求品質との関係付けの度合いに基づく順序、前記使用頻度に基づく順序、抽象度に基づく順序を含む、ことを特徴としている。
【0039】
この発明によれば、検索結果データである品質特性の一覧を、ユーザの意図する、見やすい順序で表示することができるため、ユーザは、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0040】
請求項14の発明は、請求項1乃至請求項13のいずれかの品質機能展開支援方法において、新規データ登録支援ステップを含むことを特徴としている。ここで、新規データ登録支援ステップは、品質機能展開作業時に、ユーザから与えられた品質特性を入力した場合に、その品質特性が前記データベースに既に登録されているか否かをチェックして、登録されていない場合には、ユーザに対してその品質特性の当該データベースへの登録を促すかまたはその品質特性を当該データベースにそのまま登録するステップである。
【0041】
この発明によれば、品質機能展開作業時に、ユーザから未登録の品質特性が入力された場合に、その品質特性のデータベースへの登録を促すかそのまま自動的に登録することにより、ユーザにより新規に生成された品質特性の登録漏れを防ぎ、次回以降の品質機能展開作業で円滑に再利用できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に沿って具体的に説明する。ただし、ここで記載する実施形態は、本発明を何ら限定するものではなく、本発明の一態様を例示するものにすぎない。
【0043】
本発明は、典型的には、コンピュータをソフトウェアで制御することにより実現される。この場合のソフトウェアは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで本発明の作用効果を実現するものであり、また、従来技術を適用可能な部分には好適な従来技術が適用される。さらに、本発明を実現するハードウェアやソフトウェアの具体的な種類や構成、ソフトウェアで処理する範囲などは自由に変更可能であり、例えば、本発明を実現するプログラムは本発明の一態様である。
【0044】
[1.処理全体の概要]
図1は、本発明を適用した基本的な実施形態に係る品質機能展開支援処理の概要を示すフローチャートである。
【0045】
この図1に示すように、品質機能展開支援処理は、QFD作業を支援するためのデータベース構築を直接の目的とする前処理的なデータベース構築支援処理(S101のYES)と、データベース中のデータを再利用してQFD作業のリアルタイム支援を行うリアルタイム支援処理(S101のNO)に大別される。なお、ユーザからの指示は、各処理を行わせる要求として作用するため、以下の説明中および図1中では、ユーザからの各処理に対する指示を「要求」と表現している。
【0046】
まず、メニュー選択等によりユーザからデータベース構築支援処理に分類される各処理が要求された場合(S101のYES)には、要求された処理に応じて各処理を行う。すなわち、ユーザから品質特性データ登録が要求された場合(S102のYES)には、品質特性データ登録処理として、過去に作成したQFDデータD0を読み込んで品質特性データを自動的に作成し、品質特性データベースD1に登録する(S103)。
【0047】
また、ユーザから品質特性データ編集が要求された場合(S104のYES)には、品質特性データ編集処理として、品質特性データベースD1中の品質特性データの詳細に関し、ユーザの要求に応じた編集を行う(S105)。一方、品質要素データについては、予め基本的な品質要素データを用意して品質要素データベースD2に登録しておく。そして、ユーザから品質要素データ編集が要求された場合(S106のYES)には、品質要素データ編集処理として、品質要素データベースD2中の品質要素データの詳細に関し、ユーザの要求に応じた編集を行う(S107)。
【0048】
ユーザから、データベース構築支援処理の継続、すなわち、品質特性データ登録、品質特性データ編集、品質要素データ編集、の継続が要求された場合(S108のYES)には、対応するステップ(S103、S105、S107)に戻って、各処理を行う。
【0049】
また、リアルタイム支援処理は、データベース構築支援処理がQFD作業におけるユーザの準備作業として行われた際に、それに続けて行う場合(S108のNO)もあるが、品質特性データベースD1や品質要素データベースD2が予め用意された状態からリアルタイム支援処理のみを行う場合(S101のNO)もある。
【0050】
いずれの場合においても、メニュー選択等によりユーザからデータ再利用のQFD入力支援が要求された場合(S111のYES)には、データ再利用のQFD入力支援処理として、ユーザの要求に応じて品質特性データベースD1に登録されている品質特性データを検索して出力し、ユーザの要求があれば作業中のQFD表に入力する(S112)。この場合、検索された品質特性をそのままQFD表中に自動的に入力することも可能であるが、ユーザの要求に応じて元の品質特性を適宜変更する、あるいは、ユーザが検索結果に基づいて新たに作成した品質特性を入力する、等も可能である。
【0051】
QFD入力支援処理においてQFD表中に品質特性が入力された場合(S113のYES)には、新規データ登録支援処理として、入力された品質特性が品質特性データベースD1に既に登録されているか否かをチェックして、未登録の品質特性については品質特性データベースD1への登録を促す(S114)。この場合、ユーザに登録確認の要求のみを行わせて自動的に登録してもよい。
【0052】
ユーザから品質機能展開支援処理の継続が要求された場合(S115のYES)には、要求に応じたステップに戻る。すなわち、データ再利用のQFD入力支援の継続が要求された場合には、S109に戻って処理を継続し、また、データベース構築支援処理の各処理が要求された場合には、要求に応じたステップ(S103、S105、S107)に戻って、各処理を行う。
【0053】
[2.各処理の流れ]
図2〜図6は、図1に示す品質機能展開支援処理中における下位の各処理、すなわち、品質特性データ登録処理、品質特性データ編集処理、品質要素データ編集処理、データ再利用のQFD入力支援処理、新規データ登録支援処理、の基本的な流れをそれぞれ示すフローチャートである。以下には、各処理の流れについて順次説明する。なお、以下の説明中において、「データ名」、「データベース名」は、個々のデータ、データベースを特定するための情報であり、通常「名称」と称される情報に限らず、コード化あるいは、番号化されたものも含む広い概念である。
【0054】
[2−1.品質特性データ登録処理]
図2に示すように、品質特性データ登録処理においては、まず、ユーザの指示に応じて、読み込む対象となる過去のQFDデータを特定する「QFDデータ名」を取得し(S201)、取得した「QFDデータ名」を使用して当該「過去のQFDデータ」D0の情報を取得する(S202)。
【0055】
また、初期設定等により予め指定されている対応関係度のしきい値、あるいは、ユーザにより指定された対応関係度のしきい値を、品質特性データ作成を行うためのしきい値情報として取得する(S203)。そして、当該「過去のQFDデータ」D0の中からそのしきい値以上の対応関係度を有する品質特性と要求品質との組み合わせのみの「品質特性データ」を、品質特性データベースに登録するデータ情報として取得する(S204)。
【0056】
さらに、初期設定等により予め指定されている登録先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された登録先の「品質特性データベース名」を取得し(S205)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1に対し、当該「品質特性データ」を登録する(S206)。
【0057】
[2−2.品質特性データ編集処理]
図3に示すように、品質特性データ編集処理においては、まず、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質特性データベース名」を取得し(S301)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1aの情報を取得する(S302)。
【0058】
また、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質要素データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質要素データベース名」を取得し(S303)、取得した「品質要素データベース名」を使用して当該「品質要素データベース」D2の情報を取得する(S304)。そして、取得した当該「品質特性データベース」D1aおよび当該「品質要素データベース」D2の情報をユーザに提示して品質特性データの編集作業を支援し、ユーザの指示に応じて、品質特性データに追加される品質要素の情報等の、品質特性データの編集情報を取得する(S305)。
【0059】
さらに、初期設定等により予め指定されている登録先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された登録先の「品質特性データベース名」を取得し(S306)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1bに対し、当該「編集情報」を登録する(S307)。
【0060】
なお、ここでは、読込先と異なるデータベースに編集情報を登録する場合を想定して、読込先の「品質特性データベース」D1aと、登録先の「品質特性データベース」D1bを異なる符合で示しているが、実際の運用上、両者は同一であってもよい。すなわち、特定の品質特性データベース中のデータを単純に編集する場合には、読込先と登録先は同一となる。また、第1のデータベースと同一の情報を保存するバックアップ用の第2のデータベースを有する場合には、第1のデータベースから読み込んだ情報の編集情報を、読込先と同一の登録先である第1のデータベースに加えて、第2のデータベースにも保存することになる。
【0061】
[2−3.品質要素データ編集処理]
図4に示すように、品質要素データ編集処理においては、まず、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質要素データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質要素データベース名」を取得し(S401)、取得した「品質要素データベース名」を使用して当該「品質要素データベース」D2aの情報を取得する(S402)。
【0062】
そして、取得した当該「品質要素データベース」D2aの情報をユーザに提示して品質要素データの編集を支援し、ユーザの指示に応じて、品質要素の階層構成の変更や追加される新規の品質要素情報等の、品質要素データの編集情報を取得する(S403)。
【0063】
さらに、初期設定等により予め指定されている登録先の「品質要素データベース名」あるいはユーザにより指定された登録先の「品質要素データベース名」を取得し(S404)、取得した「品質要素データベース名」を使用して当該「品質要素データベース」D2bに対し、当該「編集情報」を登録する(S405)。なお、読込先の「品質要素データベース」D2aと、登録先の「品質要素データベース」D2bを異なる符合で示しているが、両者の関係については、品質特性データベースの関係について前述した通りである。
【0064】
[2−4.データ再利用のQFD入力支援処理]
データ再利用のQFD入力支援処理は、QFD作業のうち、特に、QFD表に入力するための品質特性抽出作業を支援するために行われる。図5に示すように、データ再利用のQFD入力支援処理においては、まず、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質特性データベース名」を取得し(S501)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1の情報を取得する(S502)。
【0065】
また、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質要素データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質要素データベース名」を取得し(S503)、取得した「品質要素データベース名」を使用して当該「品質要素データベース」D2の情報を取得する(S504)。そして、取得した当該「品質要素データベース」D2の情報に基づき、品質要素の検索項目を自動作成し(S505)、ユーザに対して品質要素や品質特性の一覧を提示することにより、ユーザから品質要素や品質特性、キーワード、等を指定する検索情報を取得する(S506)。
【0066】
次に、取得した検索情報から得られる検索キーを用いて、当該「品質特性データベース」D1に登録されている品質特性の検索を実施して(S507)、得られた品質特性データd1を検索結果データとして出力することにより、ユーザの品質特性抽出作業を支援する(S508)。この場合、検索結果に基づき、品質特性の検索回数のカウントや履歴等、品質特性の検索に伴う付随的なデータを取得し、それによって読込先の当該「品質特性データベース」D1中の当該品質特性データを更新する(S509)。
【0067】
そして、ユーザが現時点で抽出されている品質特性データの全部または一部を指定して現在作業中のQFDデータへの入力を指示した場合(S510のYES)には、その指定された品質特性データを現在作業中のQFDデータに入力する(S511)。すなわち、当該品質特性データに含まれる各データをQFD表中の対応する各欄に入力する。この場合、品質特性の入力回数のカウントや履歴等、QFDデータへの入力に伴う付随的なデータを取得し、それによって読込先の当該「品質特性データベース」D1中の当該品質特性データを更新する(S512)。
【0068】
品質特性抽出作業中のユーザがデータ再利用のQFD入力支援処理の継続を指示する限り(S513のYES)、S506〜S513の処理を繰り返し、ユーザが、品質特性抽出作業を終了してデータ再利用のQFD入力支援処理の終了を指示した時点(S513のNO)で、一連のデータ再利用のQFD入力支援処理を終了する。
【0069】
[2−5.新規データ登録支援処理]
新規データ登録支援処理は、ユーザが品質特性抽出作業において現在作業中のQFDデータへの品質特性データの入力を指示した時点で、未登録の品質特性データの登録を支援するために行われる。図6に示すように、新規データ登録支援処理においては、まず、初期設定等により予め指定されている読込先の「品質特性データベース名」あるいはユーザにより指定された読込先の「品質特性データベース名」を取得し(S601)、取得した「品質特性データベース名」を使用して当該「品質特性データベース」D1の情報を取得する(S602)。
【0070】
次に、現在作業中のQFDデータに入力された品質特性データに関する情報を取得し(S603)、その品質特性を当該「品質特性データベース」D1の情報と照合して(S604)、既に登録されているか否かを判断する(S605)。そして、未登録の品質特性である場合(S605のYES)には、ユーザに対して登録を促すメッセージを表示するか、あるいは、新規の品質特性データとして当該「品質特性データベース」D1にそのまま登録する(S606)。
【0071】
ユーザがQFDデータへの品質特性データの入力の継続を指示する限り(S607のYES)、S603〜S607の処理を繰り返し、ユーザが、QFDデータへの品質特性データの入力の終了を指示した時点(S607のNO)で、一連の新規データ登録支援処理を終了する。
【0072】
[3.具体的な製品企画におけるQFD支援例]
以下には、具体的な製品企画として、『旅行好きな家族をターゲットとしたファミリーカーの商品企画』において、過去に作成されたQFDデータから品質特性データベースを作成し、QFD作業時にこれを再利用する際の、具体的なデータ構成の詳細と具体的なQFD支援処理の詳細について順次説明する。
【0073】
[3−1.QFDデータ]
図7は、過去に作成されたQFDデータとして、『旅行好きな家族をターゲットとしたファミリーカーの商品企画』において作成されたQFDデータの一例を一般的なQFD表の形式で表示したデータ表示図である。このQFD表は、表計算データから構成されており、顧客からの要求品質を表の縦方向に列記し、横方向に機能展開したものである。以下には、このQFDデータを構成する各データの内容と、QFD作業の流れについて簡単に説明する。
【0074】
この図7に示すQFDデータにおいて、顧客の要求としては、例えば、「乗り心地が良い」、「給油回数が少ない」、「運転しやすい」、などの項目が要求品質として入力される。この要求品質には、最高度を10とした場合の相対的な重要度がアンケート結果から割り当てられ、QFD表の要求品質重要度の欄に入力される。すなわち、このQFD表中においては、一例として、「乗り心地が良い」という要求品質に対しては、要求品質重要度として「8.3」が入力される。同様に、「給油回数が少ない」という要求品質に対しては、要求品質重要度として「6.7」が入力される。
【0075】
さらに、要求品質に対して、顧客の満足度が、現時点での自社および他社について10段階評価でアンケート結果から割り当てられ、要求品質の比較分析の欄に入力される。そして、次期製品に対して満足度の値をどれくらいにするかという目標値が、企画品質の欄に10段階で設定される。
【0076】
これに基づき、現在の満足度に対してどの程度の企画品質の改善が必要になるかを示すレベルアップ率が自動的に計算され、表示される。例えば、レベルアップ率は以下の式で求めることができる。
【数1】
レベルアップ率=1+0.1×(企画品質−自社の満足度)
【0077】
図7において、例えば、「乗り心地が良い」という要求品質に対して、自社の満足度は「5.3」であり、企画品質として「7.0」が設定されており、これらの値から、上記の式に基づいてレベルアップ率「1.2」が計算される。
【0078】
また、セールスポイントには、新製品、サービスをアピールする度合いが、「1.0(現在のレベルを保持)」、「1.2(ある程度のセールスポイント)」、「1.5(重要なセールスポイント)」の3段階の値でユーザにより設定される。絶対ウェートは、顧客要求と製品戦略の両方に関する複数の評価値から自動的に計算された総合評価値であり、例えば、以下のように、要求品質重要度、レベルアップ率、セールスポイントの各数値の積から自動的に算出することができる。
【数2】
絶対ウェート=要求品質重要度×レベルアップ率×セールスポイント
【0079】
図7において、例えば、「乗り心地が良い」という要求品質に対して、要求品質重要度が「8.33...」、レベルアップ率が「1.2」、セールスポイントが「1.5」であるため、これらの値から、上記の式に基づいて、絶対ウェート「14.6」が算出される。
【0080】
さらに、要求品質ウェートは、全体を100%とした場合の、各要求品質の絶対ウェートの重み係数を自動的に算出したものである。
【0081】
QFD作業においては、以上のようにして顧客の要求品質に対する各種の評価値が得られた後、次のようにして顧客の要求品質が製品の技術的品質特性に変換される。
【0082】
まず、要求品質の満足度を上昇するために必要な製品の技術的品質が抽出され、品質特性として入力される。また、その品質特性の値の改善方向が、改善方向の欄に入力される。改善方向は、値が大きくなるほうが良い「Maximize(↑)」、小さくなるほうが良い「Minimize(↓)」、ある値が最適である「Target(◎)」、の3種類の中から選択される。また、抽出した品質特性には、一方の性能を上げればもう一方の性能が下がる(Strong Negative)、といったトレードオフの関係も発生し、この関係は特性相関関係の欄に対応付けられる。特性相関関係には、一方の性能を上げればもう一方の性能も上がる(Strong Positive)、といった関係もある。
【0083】
次に、顧客の要求品質と品質特性の対応付けが行われ、各対応関係の強さ(関係付けの度合い)が、対応関係度として数値で表現される。対応関係度は、一例として、強い関係「●(9点)」、普通の関係「○(3点)」、弱い関係「△(1点)」、の3段階の値で表現される。具体的には、例えば「乗り心地が良い」という要求品質に対して、最も対応関係の強い品質特性としては「路面振動伝達率」が決定され、最大の対応関係度「●(9点)」が割り当てられる。また、普通の対応関係○「(3点)」にある品質特性としては「客室/空間容積比」が決定される。
【0084】
続いて、このように対応付けられた関係と要求品質の重要度、要求品質のウェート値から、品質特性の品質特性重要度および品質特性ウェートが自動的に算出される。品質特性重要度は、例えば、以下の式で求めることができる。
【数3】
品質特性の重要度=
Σ{要求品質(x)の重要度×求めたい品質特性との対応関係の値(x)}
ただし、x=1,n
【0085】
品質特性ウェートは、上記の式で要求品質重要度が要求品質ウェートに置き換わったものである。品質特性重要度は、顧客の重要度を基に算出された値であり、品質特性ウェートは顧客の重要度に企業の製品戦略(製品企画方針)を考慮した値であると言える。この計算により、「路面振動伝達率」の品質特性重要度は、「18.1」と算出される。
【0086】
なお、品質特性の比較分析値には、自社、他社製品の品質特性の実測値を入れ、この値で製品のベンチマークを行うこともできる。
【0087】
そして、最後に、設計品質(狙いの品質)に新規開発する製品における各品質特性の目標値、すなわち、ここでは、「旅行好きな家族をターゲットとしたファミリーカー」における各品質特性の目標値が設定される。この値が、最終的な製品の目標スペックになる。
【0088】
[3−2.品質特性データのデータ構成]
本実施形態の処理においてQFDデータから作成される品質特性データの具体的なデータ構成は、データの利用状況に応じて様々な形態が考えられうるが、ここでは、一例として、次のようなデータ構成を想定している。
【0089】
まず、品質特性データベースD1に登録される各品質特性データは、ID、品質特性、品質要素、要求品質、関係(点数)、改善方向、キーワード、プロジェクト名、等から構成される。
【0090】
これらのうち、品質特性、要求品質、関係(点数)、改善方向は、過去に作成されたQFDデータの中に含まれているものである。これに対して、品質要素は、品質要素データベースD2に予め用意してあるものを利用できる。この品質要素は、新規に追加することも可能である。ここでは、例えば、品質要素として、物理的要素、機能的要素、人間的要素、時間的要素、生産的要素、経済的要素、市場的要素、環境的要素の8つの要素が設定されており、また、それぞれの要素が、さらに細かく特性として分類されている。品質要素データベースD2には、品質要素のこのような階層構成を含む基本的な品質要素データが予め用意されており、品質特性データとは別に独立して管理される。
【0091】
ソフトウェアのQFDの場合は、品質要素として、ソフトウェア品質特性(ISO9126)の品質特性、副特性などを入力することもできる。特に、ソフトウェアのQFDは、品質特性の抽出が難しいと言われているが、品質要素にソフトウェア品質特性(ISO9126)を利用し、これを基に検索や品質特性の抽出を行うことにより、品質特性抽出作業を効率よく支援することができる。
【0092】
さらに、自由記述欄には、検索時に活用するためのキーワード等の各種の情報が入力される。
【0093】
図8は、階層構成を含む品質要素データの一例を示すデータ表示図であり、例えば、「物理的要素、外観特性」、で1つの品質要素として扱う。また、ソフトウェアを考慮する場合は、例えば、図9に示すようなソフトウェア品質特性(ISO9126)を品質要素として扱う。
【0094】
さらに、他の情報として、例えば、品質特性間におけるトレードオフや階層関係を保持するデータテーブル等を含めることも考えられる。しかし、以下の処理の詳細においては、簡略化の観点から、先に示した品質特性のデータ構成のみについて説明する。
【0095】
[3−3.品質特性データ登録処理の詳細]
図7に示した『旅行好きな家族をターゲットとしたファミリーカーの商品企画』のQFDデータから品質特性データベースを作成する場合には、まず、ユーザの指示に応じて、当該QFDデータの「QFDデータ名」を取得し(S201)、取得した「QFDデータ名」を使用して、図7に示したQFDデータの情報を取得する(S202)。
【0096】
この場合、ユーザによる対応関係度のしきい値の指定がなく、初期設定等のデフォルト値が「なし」、「全て」、等である場合(S203)には、読み込んだQFDデータに含まれる要求品質と品質特性の対応関係(品質表)に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質の全ての組み合わせを抽出して、品質特性の改善方向、対応関係度を示す点数を入力し、品質特性データを自動作成する(S204)。
【0097】
また、ユーザにより対応関係度のしきい値が指定された場合(S203)には、品質特性と要求品質の組み合わせのうち、指定されたしきい値以上の対応関係度を有するものだけに限定して品質特性データを自動作成する(S204)。さらに、抽出された品質特性と要求品質の組み合わせの一覧をユーザに一旦提示して、その中から組み合わせを指定させる等の支援により、ユーザから組み合わせが指定された場合には、その指定された組み合わせのみの品質特性データを自動作成することも可能である。
【0098】
図10は、以上のようにして図7に示したQFDデータを読込んだ一例を示すデータ表示図である。この図10においては、図7のQFDデータで関係付けられた品質特性と要求品質の組み合わせ、対応関係度(点数)、改善方向が取得されている。ここで、ユーザにより、例えば、対応関係度のしきい値として「9点以上」が指定された場合には、以下の表1に示す組み合わせのみの品質特性データが作成され、品質特性データベースD1に登録される。
【0099】
【表1】
最小回転半径[m] & 運転しやすい
最大積載量[l](シートアレンジを含む) & 荷物をたくさんつめる
室内騒音値[dB] & 騒音が少ない
燃費[km/l](60km/h 定地走行) & 給油回数が少ない
標準装備数[個] & 装備が充実している
路面振動伝達率[dB] & 乗り心地が良い
【0100】
また、このような組み合わせの一覧をユーザに提示して、ユーザがその中の一部の組み合わせだけを登録対象として指定した場合には、さらに、その指定された組み合わせの品質特性データだけが、品質特性データベースD1に登録される。この場合、全ての組み合わせの品質特性データを第1の品質特性データベースD1aに登録し、その中の指定された組み合わせの品質特性データを、第2の品質特性データベースD1bに登録する等、複数の品質特性データベースに異なるレベル・範囲の品質特性データを登録してもよい。
【0101】
さらに、いずれの場合においても、登録先の「品質特性データベース名」の指定は、予め設定したデフォルト値またはユーザによる指定の両方が可能であり、指定された品質特性データベースに対して、品質特性データの登録が行われる(S205、S206)。
【0102】
[3−4.品質特性データ編集処理の詳細]
上記のように自動作成された品質特性データは、品質特性データベースD1に登録されるが、登録された品質特性データの詳細について、品質特性データ編集処理によりデータ編集を行うことができる。
【0103】
特に、自動作成された段階の品質特性データについては、品質特性データベースの情報を取得する(S301、S302)だけでなく、品質要素データベースの情報を取得して(S303、S304)、登録されている自動作成された各品質特性データに、品質要素やキーワード等を入力して編集する(S305)。そして、編集により、品質特性と要求品質の組み合わせ、対応関係度(点数)、改善方向、等からなる自動作成された品質特性データに、品質要素やキーワード等を入力してなる編集後の品質特性データの情報(編集情報)を、元の品質特性データベースあるいは別の品質特性データベースに登録する(S306、S307)。このように、各品質特性データに対して品質要素やキーワード等を付加しておくことにより、検索時にこれらの情報を検索キーとして有効活用することができる。
【0104】
また、一般的なデータ編集と同様に、ユーザの指示に応じて品質特性データを変更・削除したり、あるいは新規の品質特性データを作成したりすることもできる。さらに、各部門毎に、自部門の関連分野の品質特性情報を予め入力しておくことにより、部門内の関係者が個々のQFD作業を行う場合の抽出作業を軽減することができる。
【0105】
図11は、以上のような編集処理により、図10に示した自動作成段階の各品質特性データに対して品質要素をそれぞれ入力し、また、他の品質特性と要求品質の組み合わせに関する品質特性データを新規に入力した一例を示すデータ表示図である。
【0106】
なお、多様な分野のQFDデータから品質特性データを作成する場合は、それぞれにデータを保管しておき、利用時に必要に応じてデータを選択して使用することとなる。
【0107】
[3−5.品質要素データ編集処理の詳細]
なお、予め用意された品質要素データの編集については、一般的なデータ編集と同様に、ユーザの指示に応じて品質要素データを変更・削除したり、あるいは新規の品質要素データを作成することができる。
【0108】
例えば、図8や図9に示すような階層構成を有する品質要素データが予め用意されている場合に、ユーザの指示に応じて、品質要素データを追加したり、階層構成を変更すること等が考えられる。また、QFD作業中のユーザの指示に応じて、作業途中で品質要素データ編集処理を行うこともできる。いずれにしても、一般的なデータ編集の手法自体は周知の技術であるため、ここでは説明を省略する。
【0109】
[3−6.データ再利用のQFD入力支援処理の詳細]
ユーザが、QFD作業時に要求品質から品質特性を抽出する際には、データ再利用のQFD入力支援処理により、品質特性データベースのデータの閲覧やQFDデータへの入力を行うことができる。
【0110】
まず、品質特性データベースの情報と品質要素データベースの情報を取得して(S501〜S504)、ユーザに対して検索用の文字列の指定を促す(S505)。この場合、例えば、ユーザに対してまず、検索種別の指定を促し、「品質要素による検索」、「要求品質による検索」、「キーワードによる検索」、のいずれかを指定させる。そして、ユーザによって指定された検索種別に応じて、「品質要素による検索」、「要求品質による検索」、の場合には、さらに、品質要素の一覧または要求品質の一覧を提示して特定の品質要素や要求品質の指定を促し、ユーザの指定に応じて、検索に使用する検索キーを作成する(S506)。
【0111】
また、ユーザによって「キーワードによる検索」が指定された場合には、キーワードの入力支援を行う。この場合、品質特性データの付加データとして予め登録されたキーワードの一覧を提示すると共に、別にキーワード入力窓を提示すること等が考えられる。このような入力支援を行うことにより、ユーザは、自らのテキスト入力操作によりキーワードを手動で指定するだけでなく、登録されたキーワードの中から検索キーとなるキーワードを選択したり、選択したキーワードの一部を変更したりすることで、意図に合ったキーワードを容易に指定することができる。
【0112】
いずれの場合でも、ユーザにより指定された検索キーを用いて、品質特性データベースD1に登録されている品質特性の検索を実施する(S507)。この検索の詳細は、検索種別に応じて異なるため、以下には、品質要素による検索、要求品質による検索、キーワードによる検索、の詳細について順次説明する。
【0113】
まず、品質要素による検索において、品質要素の一覧から、抽出しようとしている品質特性に関係する品質要素が指定されると、その指定された品質要素を検索キーとして品質要素データベース内の品質要素を検索し、これと関連付けられた品質特性一覧を得る(S507)。この場合、品質要素の一覧は、品質特性データベースの情報を元に、品質要素の検索項目を自動作成して表示する。
【0114】
例えば、図8に示すように、品質要素のデータが、上位階層の項目(物理的要素、生産的要素など)と下位階層の項目(外観特性、力学特性など)で構成されている場合は、図12に示すように、上位階層の項目とその下位に位置する下位階層の各項目の両方から検索キーを作成することにより、どちらの階層の項目でも検索することができる。
【0115】
この図12に示す品質要素の中から、例えば、「外観特性」を検索キーとして検索を行った場合には、以下の表2に示すような品質特性一覧を得ることができる。
【0116】
【表2】
ゴルフバックの数[個]
シートパッドの硬度[%]
客室/空間容積比[%]
客室内寸法(長さ/幅/高さ)[m]
最小回転半径[m]
最大積載量[l](シートアレンジを含む)
最低地上高[m]
視野角[deg]
車両重量[kg]
乗降口面積[cm^2]
燃料タンク容量[l]
【0117】
また、ソフトウェア開発のQFDの場合、一般的に品質特性の抽出が難しいと言われているが、例えば、「成熟性」という品質要素で検索をかけて、『平均故障間隔』や『故障率』などの品質特性を抽出して活用することができる。
【0118】
次に、要求品質による検索においては、品質特性データベース内に登録されている要求品質の一覧を表示し、その中から指定された要求品質を検索キーとしてこれと関連付けられた品質特性一覧を得る(S507)。また、QFDデータに入力されている要求品質を直接指定してこれと関連付けられた品質特性一覧を得ることもできる。
【0119】
例えば、図7、図10に示す要求品質の中から、「乗り心地がよい」を検索キーとして検索を行った場合には、以下の表3に示すような品質特性一覧を得ることができる。
【0120】
【表3】
標準装備数[個]
圧迫感[rating]
シートパッドの硬度[%]
客室/空間容積比[%]
客室内寸法(長さ/幅/高さ)[m]
サスペンションの剛性[Mpa]
室内騒音値[dB]
路面振動伝達率[dB]
【0121】
また、キーワードによる検索においては、入力されたキーワードと完全一致、部分一致、若しくは類似すると判断する所定の判断基準に基づいて、品質特性データベース内の検索を行い、判断基準に該当する品質特性の一覧を得てそれを表示する。
【0122】
例えば、「音」というキーワードで検索を行った場合には、以下の表4に示すような品質特性一覧を得ることができる。
【0123】
【表4】
室内騒音値[dB]
路面振動伝達率[dB]
【0124】
なお、以上のような3種類の検索種別による検索は、単独の検索種別だけで行ってもよいが、品質要素による検索とキーワードによる検索、要求品質による検索とキーワードによる検索、等のように複数の検索種別を組み合わせて検索を行うことも可能である。
【0125】
また、以上のような検索処理によって得た品質特性一覧から、詳細データを画面や用紙等に出力したり、あるいは、QFDデータ上の品質特性欄に直接、品質特性を入力したりすることができる(S508)。品質特性欄に直接入力する場合には、改善方向などの情報も自動的に入力される。違う改善方向で登録されている同名の品質特性がある場合は、選択しての入力になる。また、現時点でQFDデータに入力されている要求品質を直接指定して検索した場合には、対応関係も当該QFDデータに自動的に入力される。この場合も、同じ要求品質、品質特性の組み合わせで違う関係のものがある場合には、その中から選択しての入力になる。
【0126】
さらに、検索結果として表示された品質特性の一覧から品質特性が指定された場合には、図13に示すように、指定された品質特性のデータの詳細を表示する。
【0127】
また、品質特性間の相関関係や階層情報がデータ構造内に含まれる場合には、それらの関係を表示し、さらにその品質特性の詳細を表示することも可能となる。
【0128】
さらに、詳細を表示するだけでなく、QFDデータ中の品質特性が指定された場合に、QFDの品質特性の入力欄にその品質特性を埋め込むこともできる。例えば、図14に示すように、品質特性「路面振動伝達率[dB]」が指定された場合には、改善方向「↑」も一緒にQFDデータに入力される。ここでは、改善方向をデータとして持たせた例を示しているが、目標となる品質値である設計品質や自社他社の測定値をデータとして持たせて、これらを自動的にQFDデータに入力することも可能である。
【0129】
また、図15に示すように、QFDデータ中の要求品質「乗り心地が良い」の指定により検索を行い、品質特性「路面振動伝達率[dB]」が入力として指定された場合には、対応関係「●」もQFDデータに入力される。
【0130】
なお、検索結果を画面に表示する際には、品質特性と要求品質の対応関係度、品質特性の検索回数や入力回数等の使用頻度、品質特性の抽象度(予めデータに持たせたもの、あるいは品質特性どうしの階層情報のデータがある場合は、そこから抽出)等の順で表示することもできる。これにより、検索結果が利用者の意図する、見やすい順に表示され、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0131】
また、前述したように、検索時においては、品質特性ごとに検索された検索回数やQFDデータへの入力を行った入力回数等を使用回数(使用頻度)として記録するため、その検索回数や入力回数ごとにオリジナルとは別の頻度条件付き品質特性データベースを作成することができる。例えば、10回以上使用された品質特性のみを集めたデータベースを基本品質特性データベースとして作成しておき、それを検索に利用することもできる。
【0132】
また、使用回数が少ない場合は、特殊品質特性データベースに登録しておき、使用回数が増えてくると、そのデータベースから削除して、基本品質特性データベースに登録する、等の運用が考えられる。また、検索時に、基本品質特性データベースを検索先データベースとして選択して検索するという使い方以外にも、入力回数、検索回数等の使用回数をキーとして検索を行い、使用頻度による品質特性抽出作業の支援を行うことができる。
【0133】
[3−7.新規データ登録支援処理の詳細]
ユーザの指示に応じてQFDデータに品質特性を入力する際には、前述したように、新規データ登録支援処理により、その品質特性が既に品質特性データベースに登録されているか否かを判断し、登録されていない場合には、ユーザに品質特性データベースへ登録するように促すか、あるいは、ユーザに登録確認のみを促し、自動的に登録する。このような新規データ登録支援処理を行うことにより、新しく生み出した品質特性を次回QFD作業時に円滑に再利用できる環境を提供できる。
【0134】
[4.実施形態の作用]
本実施形態のQFD支援処理によれば、次のような作用が得られる。
【0135】
まず、既存のQFDデータを読込み、データベースに登録できるため、過去に作成されたQFDデータを有効利用して品質特性データベースを容易に構築することができる。また、ユーザの指示に応じて、データベース中のデータを編集できるため、データを変更したり、不要なデータを削除したり、必要なデータを追加したりすることにより、データベースの有用性を向上できる。さらに、品質機能展開作業時には、要求品質一覧、キーワード、等によりデータベースに登録されている品質特性を検索してユーザに品質特性一覧を提示することにより、ユーザは品質機能展開作業時における品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0136】
また、既存のQFDデータから、品質特性と要求品質の組み合わせを自動的に抽出し、各組み合わせについて、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、を自動的に抽出して、それらの項目からなる品質特性データを自動的に作成できる。したがって、既存のQFDデータに対して、ユーザが何ら特別な作業を行うことなしに、そのQFDデータから、品質特性と要求品質の組み合わせ、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、等の項目を含む有用な品質特性データを自動的に作成できるため、有用な品質特性データベースを容易に構築することができる。
【0137】
また、品質特性データの作成時に、対応関係度が指定されたしきい値以上である組み合わせのみ、あるいは、ユーザにより指定された組み合わせのみの品質特性データを作成することにより、有用な品質特性データのみを効率よく作成することができ、無駄なデータの登録をできる限り回避して品質特性データベースの有用性を向上することができる。
【0138】
また、要求品質の一覧やキーワードだけでなく、品質要素の一覧を利用して検索を行うことができるため、ユーザの意図に応じたより的確な検索が可能となり、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0139】
また、品質特性データベースとは別に品質要素データベースを構築し、その中のデータをユーザの意図に応じて編集することができるため、具体的な顧客要求や製品戦略に応じた柔軟で適切なデータ構成を有するデータベースの構築が可能となる。
【0140】
また、予め用意されている品質要素の情報を利用して、品質要素の検索項目を自動的に作成することができる。特に、品質要素の情報は、概して階層的に構成されているため、複数の階層に亘る検索項目を自動的に作成してユーザに提示することができる。その結果、ユーザは、任意の階層における任意の検索項目を選択することにより、着目する品質要素に関係する品質特性の検索を容易に行うことができる。
【0141】
また、品質特性の一覧が検索結果データとしてユーザに提示された場合に、ユーザは、その中から必要な品質特性を指定するだけで、その品質特性に関する品質特性データに含まれる各項目、すなわち、品質特性とそれに関係付けられた要求品質、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、等の項目を現在作業中の品質機能展開表に自動的に入力することができる。
【0142】
また、ユーザによる品質特性の使用頻度に応じて、使用頻度に応じた単数または複数の品質特性データベースに登録したり、また、使用頻度のレベルを適宜指定して品質特性を検索することにより、ユーザは、低頻度の品質特性を無視して高頻度の品質特性のみを効率よく検索できるため、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0143】
また、検索結果データである品質特性の一覧を、ユーザの意図する、見やすい順序で表示することができるため、ユーザは、品質特性抽出作業を効率よく容易に行うことができる。
【0144】
また、品質機能展開作業時に、ユーザから未登録の品質特性が入力された場合に、その品質特性のデータベースへの登録を促すかそのまま自動的に登録することにより、ユーザにより新規に生成された品質特性の登録漏れを防ぎ、次回以降の品質機能展開作業で円滑に再利用できる。
【0145】
[5.実施形態の効果]
本実施形態のQFD支援処理によれば、次のような効果が得られる。
【0146】
まず、過去に作成したQFDデータから品質特性のデータベースを作成し各種検索手段によりQFD作業時の品質特性抽出作業を効率よく実施させ、また顧客要求に強く関連する重要な品質特性の抽出漏れを防ぎ、QFDの結果の信頼度、QFDに基づき作成した製品の品質を高めることができる。
【0147】
また、多様な品質要素を定義することにより、品質要素に基づく品質特性の検索や検索結果や品質要素を基に新しい品質特性の抽出することを支援でき、新しい価値の創造にも繋がる。特に、ソフトウェアのQFD作業時等、品質特性の抽出が困難といわれる場合も、品質要素にソフトウェア品質特性などを定義することにより、品質特性抽出作業を効率よく容易に行えるように支援することができる。
【0148】
また、新しい品質特性が抽出された際に、その品質特性のデータベースへの登録を促し、それを再利用するというしくみを提供することができ品質特性の再利用のしくみを円滑に支援することができる。
【0149】
[6.他の実施形態]
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な形態が実施可能である。まず、各図に示した処理手順、データ構成、表示形式等は一例にすぎず、具体的な処理手順、データ構成、表示形式等は自由に選択可能である。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、既存のQFDデータを読込み、データベースに登録可能とすると共に、要求品質、キーワード、等によりデータベースに登録されている品質特性を検索可能とすることにより、QFD作業時において、ユーザが、顧客要求に関係する重要な全ての品質特性を、誤りや抜けを生じることなく、効率よく容易に抽出できるように支援する方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した基本的な実施形態に係る品質機能展開支援処理の概要を示すフローチャート。
【図2】図1に示す品質機能展開支援処理中における品質特性データ登録処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図3】図1に示す品質機能展開支援処理中における品質特性データ編集処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図4】図1に示す品質機能展開支援処理中における品質要素データ編集処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図5】図1に示す品質機能展開支援処理中におけるデータ再利用のQFD入力支援処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図6】図1に示す品質機能展開支援処理中における新規データ登録支援処理の基本的な流れを示すフローチャート。
【図7】過去に作成されたQFDデータの一例を一般的なQFD表の形式で表示したデータ表示図。
【図8】階層構成を含む品質要素データの一例を示すデータ表示図。
【図9】品質要素として扱うことが可能なソフトウェア品質特性(ISO9126)を示すデータ表示図。
【図10】図1に示す品質特性データ登録処理により、図7に示したQFDデータを読込んだ一例を示すデータ表示図。
【図11】図1に示す品質特性データ編集処理により編集した品質特性データの一例を示すデータ表示図。
【図12】図1に示すQFD入力支援処理により作成した品質要素一覧の一例を示すデータ表示図。
【図13】図1に示すQFD入力支援処理により表示された品質特性のデータの詳細の一例を示すデータ表示図。
【図14】図1に示すQFD入力支援処理によりQFDの品質特性の入力欄にその品質特性が埋め込まれた状態の一例を示すデータ表示図。
【図15】図1に示すQFD入力支援処理により、QFDデータ中の要求品質により検索を行い、品質特性が入力として指定された場合に、対応関係がQFDデータに入力された状態の一例を示すデータ表示図。
【符号の説明】
D0…過去のQFDデータ
D1…品質特性データベース
D2…品質要素データベース
Claims (15)
- コンピュータを利用して、品質機能展開表に要求品質を入力し、前記要求品質に関係付ける品質特性を入力し、前記要求品質と前記品質特性との対応関係とその関係付けの度合いを入力し、品質特性毎の設計品質値を入力する一連の作業からなる品質機能展開を支援する方法において、
過去の品質機能展開作業により得られた既存のQFDデータを読込み、読込んだQFDデータの前記要求品質と前記品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質との組み合わせを抽出して品質特性データを作成し、データベースに登録する登録ステップと、
ユーザの指示に応じて、前記データベース中のデータを編集する編集ステップと、
品質機能展開作業時に、ユーザの指示に応じて、少なくとも前記要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索する検索ステップと、
前記検索の結果として得られたデータを検索結果データとして出力する出力ステップ、
を含むことを特徴とする品質機能展開支援方法。 - 前記登録ステップは、
前記要求品質と前記品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質の組み合わせを抽出し、抽出された各組み合わせに対して、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、を入力して品質特性データを作成する品質特性データ作成ステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の品質機能展開支援方法。 - 前記品質特性データ作成ステップは、
指定された数値をしきい値として、関係付けの度合いがそのしきい値以上である組み合わせのみの品質特性データを作成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の品質機能展開支援方法。 - 前記品質特性データ作成ステップは、
前記抽出された組み合わせのうち、ユーザにより指定された組み合わせのみの品質特性データを作成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の品質機能展開支援方法。 - 前記編集ステップは、ユーザの指示に応じて、前記データベース中の各品質特性データに対して品質特性を評価する尺度となる品質要素を入力する品質要素入力ステップを含み、
前記検索ステップは、ユーザの指示に応じて、前記品質要素の一覧、前記要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の品質機能展開支援方法。 - 前記データベースは、前記品質特性データを登録する品質特性データベースと、前記品質要素を階層的に登録する品質要素データベースを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の品質機能展開支援方法。 - 前記編集ステップは、前記品質特性データベースと前記品質要素データベースの両方に対してデータ編集を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の品質機能展開支援方法。 - 前記検索ステップは、
前記品質要素の一覧、前記要求品質の一覧、キーワード、の中から選択された検索キーを用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索するキー検索ステップと、
前記キー検索ステップの前に、予め用意された前記品質要素の情報に基づき、品質要素の検索項目を作成してその一覧を前記品質要素の一覧としてユーザに提示する検索項目作成ステップを含む、
ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の品質機能展開支援方法。 - 前記出力ステップは、
前記検索結果データとして得られた品質特性一覧をユーザに提示するステップと、
前記品質特性一覧の中からユーザにより指定された品質特性の品質特性データを前記品質機能展開表に入力するステップを含み、
前記品質特性データは、品質特性とそれに関係付けられた要求品質、品質特性の改善方向、関係付けの度合い、を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の品質機能展開支援方法。 - 前記データベースに登録された前記品質特性の各々について、当該品質特性が、品質機能展開作業時に前記品質機能展開表に入力された入力回数、および前記検索の結果として得られた検索回数のいずれか一方または両方をカウントして、当該品質特性の使用頻度として記憶する使用頻度記憶ステップ、
を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の品質機能展開支援方法。 - 前記使用頻度に基づいて前記品質特性データを頻度条件付きデータベースに登録する品質特性データ更新ステップ、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の品質機能展開支援方法。 - 前記検索ステップは、指定されたレベルの前記使用頻度を検索手段として前記データベースに登録されている品質特性を検索する使用頻度検索ステップを含む、
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の品質機能展開支援方法。 - 前記出力ステップは、
前記検索結果データとして得られた品質特性一覧をユーザに提示するステップと、
前記品質特性一覧を表示する順序をユーザにより指定された順序に変更するステップとを含み、
前記順序は、前記要求品質との関係付けの度合いに基づく順序、前記使用頻度に基づく順序、抽象度に基づく順序、を含む、
ことを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の品質機能展開支援方法。 - 品質機能展開作業時に、ユーザから与えられた品質特性を入力した場合に、その品質特性が前記データベースに既に登録されているか否かをチェックして、登録されていない場合には、ユーザに対してその品質特性の当該データベースへの登録を促すかまたはその品質特性を当該データベースにそのまま登録する新規データ登録支援ステップ、
を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の品質機能展開支援方法。 - コンピュータを利用して、品質機能展開表に要求品質を入力し、前記要求品質に関係付ける品質特性を入力し、前記要求品質と前記品質特性との対応関係とその関係付けの度合いを入力し、品質特性毎の設計品質値を入力する一連の作業からなる品質機能展開を支援するためのプログラムにおいて、
過去の品質機能展開作業により得られた既存のQFDデータを読込み、読込んだQFDデータの前記要求品質と前記品質特性の対応関係に基づき、関係付けられている品質特性と要求品質との組み合わせを抽出して品質特性データを作成し、データベースに登録する登録機能と、
ユーザの指示に応じて、前記データベース中のデータを編集する編集機能と、
品質機能展開作業時に、ユーザの指示に応じて、少なくとも前記要求品質の一覧、キーワード、を含む複数種類の文字列の中から選択された文字列を検索キーとして用いて前記データベースに登録されている品質特性を検索する検索機能と、
前記検索の結果として得られたデータを検索結果データとして出力する出力機能、
をコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
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