JP2007148707A - 商品評価方法、商品評価装置、及び、商品評価用プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンピュータにより、複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求め、理想商品の各商品コンセプトについての合致水準を定義し、前記各商品と、前記理想商品との乖離度を求める商品評価方法とする。
【選択図】図1
Description
特許文献1では、複数の広告媒体の広告効果を同一の基準で比較できるように定量的に把握し、評価することを可能とする、広告効果評価装置、及び、広告効果評価方法について開示がされている。
このような評価結果は、「一番高い評価を得た評価対象が最も優れている」等の分析の一つの指標として利用することができる。
例えば、従来の評価手法においては、一番高い評価を得た評価対象が、その回答者が考える理想のものであるか否かを分析することは不可能である。
このため、一番高い評価を得た評価対象であっても、実は、回答者の理想、即ち、理想商品とかけ離れているといったことも生じ得ることになる。
例えば、顧客(回答者)にとっての理想商品はどのようなものであり、その理想商品に対し、新商品がどれほど近いものであるか、という評価をする場合について考える。
この評価について、理想商品を定義しつつ、その理想商品と新商品との比較を行い、仮に、その新商品が理想商品と近いと分析できたとすれば、実際に市場に新商品を送り出したときに、その新商品が市場において受け入れられる、即ち、新商品が確実に売れるものであるということが予想できる。
この点に関し、例えば、従来の評価手法において、開発時でのアンケートで或る新商品が、仮に、一番高い評価を得た場合であっても、その或る新商品が、市場において望まれている理想商品とかけ離れるような場合では、販売面で失敗してしまうということが容易に考え得る。
コンピュータにより、複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求めるステップ、
コンピュータにより、前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義するステップ、
コンピュータにより、複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求めるステップ、
コンピュータにより、前記各商品について、前記各商品コンセプトについての前記平均水準と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準の差異値を求めるステップ、
コンピュータにより、前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値から、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度を求めるステップ、
コンピュータにより、前記差異値と、前記重要度から、前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を求めるステップ、
を有する商品評価方法とするものである。
コンピュータにより、複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求めるステップ、
コンピュータにより、前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義するステップ、
コンピュータにより、複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求めるステップ、
コンピュータにより、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準と、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップを作成するステップ、
を有する商品評価方法とするものである。
複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果を入力する手段、
前記結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求める手段、
前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義する手段、
複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求める手段、
前記各商品について、前記各商品コンセプトについての前記平均水準と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準の差異値を求める手段、
前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値から、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度を求める手段、
前記差異値と、前記重要度から、前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を求める手段、
前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を出力する手段、
を具備する商品評価装置とするものである。
複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果を入力する手段、
前記結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求める手段、
前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義する手段、
複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求める手段、
前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準と、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップを作成する手段、
前記ポジショニングマップを出力する手段、
を有する商品評価装置とするものである。
理想商品の概念を取り入れた評価手法とすることで、より多面的な評価・分析を可能とするために、コンピュータを、
複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果を入力する手段、
前記結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求める手段、
前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義する手段、
複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求める手段、
前記各商品について、前記各商品コンセプトについての前記平均水準と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準の差異値を求める手段、
前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値から、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度を求める手段、
前記差異値と、前記重要度から、前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を求める手段、
前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を出力する手段、
として機能させるための商品評価用プログラム、とするものである。
理想商品の概念を取り入れた評価手法とすることで、より多面的な評価・分析を可能とするために、コンピュータを、
複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果を入力する手段、
前記結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求める手段、
前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義する手段、
複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求める手段、
前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準と、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップを作成する手段、
前記ポジショニングマップを出力する手段、
として機能させるための商品評価用プログラム、とするものである。
図7の棒グラフGに示すごとく、各商品A〜Yについて、理想商品との乖離度K(y)(y:A、B、C、・・・)を得ることができ、各商品A〜Yの評価において、この乖離度を指標の一つとして利用することができる。
図8に示すごとく、ポジショニングマップM上における各商品A〜Yと理想商品Lの配置から、各商品A〜Y、及び、理想商品Lの位置付けをすることができ、この各商品A〜Y、及び、理想商品Lの相対関係を把握することができる。
コンピュータにより、複数の商品A〜Yを対象とする、選好水準1〜5、及び、複数ある商品コンセプトα・β・γの各商品コンセプトα・β・γについての合致水準1〜5、に対する官能評価の結果Rから、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトα・β・γの各合致水準1〜5の効用値Lα・Lβ・Lγを求めるステップS1、
コンピュータにより、前記各商品コンセプトα・β・γについての効用値Lα・Lβ・Lγの最大値を示す合致水準(図3の例では、5・4・3)を、前記理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・:図3参照;R(α)=5、R(β)=4、R(γ)=3)として定義するステップS2、
コンピュータにより、複数の前記結果Rの前記各商品A〜Y別(X、Yは、新商品案である。以下、同じ。)の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の各値から、前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;商品AについてE(α)=3.5、E(β)=4.3、E(γ)=2.1)を求めるステップS3、
コンピュータにより、前記各商品A〜Yについて、前記各商品コンセプトα・β・γについての前記平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・)と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・)の差異値D(x)(x:α、β、γ、・・・:図5参照:商品AについてD(α)=R(α)−E(α)=5−3.5)を求めるステップS4、
コンピュータにより、前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値Lα・Lβ・Lγから、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度J(x)(x:α、β、γ、・・・:図6参照:J(α)=Lα/(Lα+Lβ+Lγ))を求めるステップS5、
コンピュータにより、前記差異値D(x)と、前記重要度J(x)から、前記各商品A〜Yの前記理想商品に対する乖離度K(y)(y:A、B、C、・・・:図5・図7参照)を求めるステップS6、
を有する商品評価方法とするものである。
例えば、新商品を評価するシーンにおいて、新商品案Yの乖離度が小さければ、この新商品案Yは、顧客(回答者)の理想商品に近いものであり、この新商品案Yに基づく商品は、市場に受け入れられるものと予測することが可能となる。
コンピュータにより、複数の商品A〜Yを対象とする、選好水準1〜5、及び、複数ある商品コンセプトα・β・γの各商品コンセプトα・β・γについての合致水準1〜5、に対する官能評価の結果Rから、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトα・β・γの各合致水準1〜5の効用値Lα・Lβ・Lγを求めるステップS1、
コンピュータにより、前記各商品コンセプトα・β・γについての効用値Lα・Lβ・Lγの最大値を示す合致水準(図3の例では、5・4・3)を、前記理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・:図3参照;R(α)=5、R(β)=4、R(γ)=3)として定義するステップS2、
コンピュータにより、複数の前記結果Rの前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の各値から、前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;商品AについてE(α)=3.5、E(β)=4.3、E(γ)=2.1)を求めるステップS3、
コンピュータにより、前記理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・:図3参照;R(α)=5、R(β)=4、R(γ)=3)と、前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;商品AについてE(α)=3.5、E(β)=4.3、E(γ)=2.1)とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップM(図8参照)を作成するステップS7、
を有する商品評価方法とするものである。
例えば、新商品を評価するシーンにおいて、前記ポジショニングマップ上において、新商品案Yが理想商品Lと近い位置に配置されることになれば、前記新商品案Yは、理想商品Lと近い関係となり、この新商品案Yに基づく商品は、市場に受け入れられるものと予測することが可能となる。
α=斬新である
β=堂々としている
γ=かわいらしい
といったキーワードである。
この合致水準は、各キーワードに対して、どれだけ合致していると感じるかの度合を表すものである。
本実施例では、5段階評価としており、
5:非常にそう思う
4:思う
3:どちらとも言えない
2:思わない
1:まったくそう思わない
の中から、最も該当するものが選択されることとしている。
本実施例では、5段階評価としており、数値1〜数値5を用い、高い好みを感じるほど、大きい数値が選択されることとしている。
このアンケート結果の集計は、コンピュータに入力・記憶され、以降の分析の元になるデータとして用いられる。図1の例では、選好水準、コンセプトの合致水準に対するアンケート結果が、それぞれ、回答者別にデータベース化されて利用される形態について表現している。
尚、アンケートの実施形態については、図2のような評価シート10を用いた形態による他、マークシートによる形態や、コンピュータを利用して回答者に回答を入力してもらう形態としてもよく、特別な実施形態に限定されるものではない。
尚、ここでいう官能評価は、一般的な意味での官能評価であり、回答者にとっての感じ方が表現されるものである。
まず、一つ目として、各効用値La・Lβ・Lγにおいて、その値が大きいほど、回答者に好まれているということがある。図3の例では、商品コンセプトα、β、γの順に、それぞれ、合致水準5、4、3における効用値が最大となっている。例えば、商品コンセプトαについては、合致水準5の場合が回答者にとって最も好まれており、商品コンセプトαにおいては、合致水準が高いほど、理想商品に近づくものと判断することができるものである。同様に、商品コンセプトβについては、合致水準4の場合が回答者にとって最も好まれ、商品コンセプトγについては、合致水準3の場合が回答者によって最も好まれるということを意味している。
商品コンセプトαについての合致水準は「5」、
商品コンセプトβについての合致水準は「4」、
商品コンセプトγについての合致水準は「3」、
となる合致水準の組合せ(バランス)が、理想的な合致水準の組合せであるということがいえる。
そして、このことから、理想商品は「5」「4」「3」の合致水準の組合せを有するものであり、この合致水準の組合せを実現するような設計、即ち、各コンセプト間で理想的なバランスを実現する設計を行えばよいということも解る。
そこで、この効用値の幅の概念を利用し、コンピュータにより、各コンセプトの重要度を求める(図1;ステップS5)。
例えば、商品コンセプトαについては、重要度J(α)=Lα/(Lα+Lβ+Lγ)にて求められるものであり、各商品コンセプトについての効用値を、全商品コンセプトの効用値の和で除した値を、重要度とするものである。
そして、この重要度の値が大きい商品コンセプトは、回答者にとって重要度が高い、つまりは、関心が強いコンセプトであるということになる。
より具体的には、図2に示される評価シート10の、商品とコンセプトの組合せで特定される欄の値につき、全ての評価シート10の合計値を求め、その合計値を、評価シート10の枚数で除した値を、平均水準Eとするものである。
また、図4の平均水準表示シート20の最下行においては、前述の理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(図4の例では、5・4・3)を示している。
そこで、コンピュータにより、前記各商品A〜Yについて、前記各商品コンセプトα・β・γについての前記平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・)と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・)の差異値D(x)(x:α、β、γ、・・・)を求める(図1;ステップS4)。
図4に示す平均水準表示シート20の例の商品Aについては、それぞれ、
差異値D(α)=R(α)−E(α)=5−3.5=2.5
差異値D(β)=R(β)−E(β)=4−4.3=−0.3
差異値D(γ)=R(γ)−E(γ)=3−2.1=0.9
となる。
即ち、図5に示すごとく、コンピュータにより、前記差異値D(x)と、前記重要度J(x)から、前記各商品A〜Yの前記理想商品に対する乖離度K(y)(y:A、B、C、・・・)を求めることとするものである。
そして、本実施例では、図5に示すごとく、差異値D(x)については、その二乗した値を用いることとしている。これは、差異値D(x)がマイナスの値を示す場合があり、その絶対値をもって評価しようとするものである。
例えば、図4の平均水準表示シート20が作成された場合、商品Aについての乖離度K(A)は、図5の下部に示される計算式で求められることになる。
これにより、回答者の嗜好をより的確に反映した上での、理想商品との比較検討(乖離度K(y)の大小の分析;定量的な分析)が可能となる。
この例でいえば、新商品案Yの乖離度K(Y)が最小であるため、新商品案Yが理想商品に最も近いものであるとの分析を定量的に行うことができる。
また、既存の商品A・B・Cのみを対象とした分析においては、商品Aが理想商品に最も近いものであるとの分析を定量的に行うことができる。
また、前記商品Aと、新商品案X・Yとの比較においては、新商品案X・Yのいずれもが、既存の商品Aの乖離度K(A)よりも、小さい乖離度K(X)、乖離度K(Y)を呈することから、新たに市場に投入した場合には、市場において有利な立場となる、即ち、販売面において、良好な成績を得ることができるものと予想することができる。
さらに、新商品案X・Yの間の比較においては、新商品案Yを採用することがベストの選択であるという分析を定量的に行うことができる。
即ち、コンピュータにより、前記理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;R(α)=5、R(β)=4、R(γ)=3)と、前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;商品AについてE(α)=3.5、E(β)=4.3、E(γ)=2.1)とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップM(図8参照)を作成するものである(図1:ステップS7)。
また、各商品A〜Y、さらに、商品コンセプトα・β・γも同様にマップ上に配置されることになる。
そして、このポジショニングマップMでは、各商品A〜Yや商品コンセプトα・β・γの間の互いの乖離度の大小を互いの距離で表現することとしている。即ち、乖離度が大きければ、その距離が大きく、乖離度が小さければ、その距離が小さくなり、その距離を反映した上で、各商品A〜YがポジショニングマップM上に配置されることとなっている。
また、商品コンセプトについては、商品コンセプトαが理想商品Lと近い位置に配置されており、理想商品Lは、商品コンセプトαとの乖離度が小さい、即ち、「α=斬新である」といったキーワード(イメージ)が、他の商品コンセプトと比較して、最も合致するものであるという分析を定量的に行うことができる。
この点、本発明によれば、理想商品の定義付けを行うため、この理想商品、即ち、顧客の理想に合致し、将来的に大ヒット商品となり得る商品が出現した場合における、既存の商品A・B・・・や、新商品案X・Yのポジションをシュミレーションするといった観点からの利用も可能であり、長期的な商品開発の戦略を立てる上で、非常に有効な評価手法となり得る。
このように、本発明に係る評価手法では、理想商品との関係で多面的な評価・分析を可能とする点が、既存の商品の相対的な評価にとどまる従来の評価手法と比べて大きな違いであり、また、優れた点でもある。
また、評価対象の商品コンセプトの合致水準と、理想商品の合致水準との差異について、従来手法でありがちな、「どちらの水準値が大きいか否か」という観点で判断するといったことだけではなく、「大きすぎる(どれだけ大きいか)」、つまり、「どれだけ理想商品と離れているか」という観点から判断することも可能となる。
また、図5に示す乖離度K(y)の計算式、及び、図6に示す重要度J(α)の定義の形態は、あくまでも一例であり、これらの例で述べたものに限定されず、その意図するところが表現できるものであれば、他の計算式、定義の形態によって表現されるものであってもよい。
即ち、図1乃至図7に示すごとく、
複数の商品A〜Yを対象とする、選好水準1〜5、及び、複数ある商品コンセプトα・β・γの各商品コンセプトα・β・γについての合致水準1〜5、に対する官能評価の結果Rを入力する手段M1、
前記結果Rから、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトα・β・γの各合致水準1〜5の効用値Lα・Lβ・Lγを求める手段M2、
前記各商品コンセプトα・β・γについての効用値Lα・Lβ・Lγの最大値を示す合致水準(図3の例では、5・4・3)を、前記理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・:図3参照;R(α)=5、R(β)=4、R(γ)=3)として定義する手段M3、
複数の前記結果Rの前記各商品A〜Y別(X、Yは、新商品案である。以下、同じ。)の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の各値から、前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;商品AについてE(α)=3.5、E(β)=4.3、E(γ)=2.1)を求める手段M4、
前記各商品A〜Yについて、前記各商品コンセプトα・β・γについての前記平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・)と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・)の差異値D(x)(x:α、β、γ、・・・:図5参照:商品AについてD(α)=R(α)−E(α)=5−3.5)を求める手段M5、
前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値Lα・Lβ・Lγから、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度J(x)(x:α、β、γ、・・・:図6参照:J(α)=Lα/(Lα+Lβ+Lγ))を求める手段M6、
前記差異値D(x)と、前記重要度J(x)から、前記各商品A〜Yの前記理想商品に対する乖離度K(y)(y:A、B、C、・・・:図5・図7参照)を求める手段M7、
前記各商品A〜Yの前記理想商品に対する乖離度K(y)を出力する手段M8((図7の棒グラフG参照)、
を具備する商品評価装置とするものである。
即ち、前記手段M1〜手段M4に加え、
前記理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・:図3参照;R(α)=5、R(β)=4、R(γ)=3)と、前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;商品AについてE(α)=3.5、E(β)=4.3、E(γ)=2.1)とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップM(図8参照)を作成する手段M9、
前記ポジショニングマップMを出力する手段M10、
を有する商品評価装置とするものである。
即ち、図1乃至図7に示すごとく、
理想商品の概念を取り入れた評価手法とすることで、より多面的な評価・分析を可能とするために、コンピュータを、
複数の商品A〜Yを対象とする、選好水準1〜5、及び、複数ある商品コンセプトα・β・γの各商品コンセプトα・β・γについての合致水準1〜5、に対する官能評価の結果Rを入力する手段M1、
前記結果Rから、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトα・β・γの各合致水準1〜5の効用値Lα・Lβ・Lγを求める手段M2、
前記各商品コンセプトα・β・γについての効用値Lα・Lβ・Lγの最大値を示す合致水準(図3の例では、5・4・3)を、前記理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・:図3参照;R(α)=5、R(β)=4、R(γ)=3)として定義する手段M3、
複数の前記結果Rの前記各商品A〜Y別(X、Yは、新商品案である。以下、同じ。)の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の各値から、前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;商品AについてE(α)=3.5、E(β)=4.3、E(γ)=2.1)を求める手段M4、
前記各商品A〜Yについて、前記各商品コンセプトα・β・γについての前記平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・)と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・)の差異値D(x)(x:α、β、γ、・・・:図5参照:商品AについてD(α)=R(α)−E(α)=5−3.5)を求める手段M5、
前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値Lα・Lβ・Lγから、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度J(x)(x:α、β、γ、・・・:図6参照:J(α)=Lα/(Lα+Lβ+Lγ))を求める手段M6、
前記差異値D(x)と、前記重要度J(x)から、前記各商品A〜Yの前記理想商品に対する乖離度K(y)(y:A、B、C、・・・:図5・図7参照)を求める手段M7、
前記各商品A〜Yの前記理想商品に対する乖離度K(y)を出力する手段M8((図7の棒グラフG参照)、
として機能させるための商品評価用プログラム、とするものである。
即ち、前記手段M1〜手段M4に加え、
コンピュータを、
前記理想商品の各商品コンセプトα・β・γについての合致水準R(x)(x:α、β、γ、・・・:図3参照;R(α)=5、R(β)=4、R(γ)=3)と、前記各商品A〜Y別の前記各商品コンセプトα・β・γについての合致水準の平均水準E(x)(x:α、β、γ、・・・:図4参照;商品AについてE(α)=3.5、E(β)=4.3、E(γ)=2.1)とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップM(図8参照)を作成する手段M9、
前記ポジショニングマップMを出力する手段M10、
として機能させるための商品評価用プログラム、とするものである。
また、実施形態については、ネットワークを介したクライアント−サーバシステムによる実施、一台のコンピュータでの実施の形態であってもよく、上述した評価手法を実施できるものであれば、その形態については、特に限定されるものではない。
D(x) 差異値
J(x) 重要度
E(x) 平均水準
K(y) 乖離度
Claims (6)
- コンピュータにより、複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求めるステップ、
コンピュータにより、前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義するステップ、
コンピュータにより、複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求めるステップ、
コンピュータにより、前記各商品について、前記各商品コンセプトについての前記平均水準と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準の差異値を求めるステップ、
コンピュータにより、前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値から、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度を求めるステップ、
コンピュータにより、前記差異値と、前記重要度から、前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を求めるステップ、を有する商品評価方法。 - コンピュータにより、複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求めるステップ、
コンピュータにより、前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義するステップ、
コンピュータにより、複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求めるステップ、
コンピュータにより、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準と、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップを作成するステップ、を有する商品評価方法。 - 複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果を入力する手段、
前記結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求める手段、
前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義する手段、
複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求める手段、
前記各商品について、前記各商品コンセプトについての前記平均水準と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準の差異値を求める手段、
前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値から、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度を求める手段、
前記差異値と、前記重要度から、前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を求める手段、
前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を出力する手段、を具備する商品評価装置。 - 複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果を入力する手段、
前記結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求める手段、
前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義する手段、
複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求める手段、
前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準と、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップを作成する手段、
前記ポジショニングマップを出力する手段、を有する商品評価装置。 - 理想商品の概念を取り入れた評価手法とすることで、より多面的な評価・分析を可能とするために、コンピュータを、
複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果を入力する手段、
前記結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求める手段、
前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義する手段、
複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求める手段、
前記各商品について、前記各商品コンセプトについての前記平均水準と、前記理想商品の各商品コンセプトの合致水準の差異値を求める手段、
前記理想商品の各商品コンセプトについての効用値から、他の商品コンセプトとの関係で、各商品コンセプトの重要度を求める手段、
前記差異値と、前記重要度から、前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を求める手段、
前記各商品の前記理想商品に対する乖離度を出力する手段、
として機能させるための商品評価用プログラム。 - 理想商品の概念を取り入れた評価手法とすることで、より多面的な評価・分析を可能とするために、コンピュータを、
複数の商品を対象とする、選好水準、及び、複数ある商品コンセプトの各商品コンセプトについての合致水準、に対する官能評価の結果を入力する手段、
前記結果から、コンジョイント分析により、前記各商品コンセプトの各合致水準の効用値を求める手段、
前記各商品コンセプトについての効用値の最大値を示す合致水準を、前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準として定義する手段、
複数の前記結果の前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の各値から、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準を求める手段、
前記理想商品の各商品コンセプトについての合致水準と、前記各商品別の前記各商品コンセプトについての合致水準の平均水準とから、コレスポンデンス分析により、ポジショニングマップを作成する手段、
前記ポジショニングマップを出力する手段、
として機能させるための商品評価用プログラム。
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- 2005-11-28 JP JP2005341326A patent/JP4807054B2/ja not_active Expired - Fee Related
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