JP2005316756A - コンジョイント分析システム、コンジョイント分析方法、及びコンジョイント分析プログラム、並びにサーバ装置 - Google Patents

コンジョイント分析システム、コンジョイント分析方法、及びコンジョイント分析プログラム、並びにサーバ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便にデータを収集することが可能でありながら、より精緻に解析を行うことができる新たなコンジョイント分析を提案する。
【解決手段】 コンジョイント分析システムは、被験者が操作する少なくとも1つ以上の被験者端末機10と、コンジョイント分析を行うサーバ装置20とを備える。サーバ装置20は、被験者に対して提示された複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行う。したがって、コンジョイント分析システムにおいては、被験者に大きな負担を強いることがなく、プロファイル間の選好度の差を適切に反映したより精緻な解析を行うことができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、いわゆるコンジョイント分析を行うコンジョイント分析システム、コンジョイント分析方法、及びコンジョイント分析プログラム、並びにコンジョイント分析システムに用いられるサーバ装置に関する。
従来から、マーケティング・リサーチにおいては、商品のコンセプトを設計するに際して、いわゆるコンジョイント分析を用いることが多い。コンジョイント分析とは、プロファイル(仮想製品)についてアンケート調査を実施し、被験者から得られたアンケート調査の回答に基づいて選好順位を分析し、この選好順位に基づいて、商品の評価要因毎の効用値を求める手法である。
このようなコンジョイント分析を用いた技術としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特開2003−99587号公報
具体的には、特許文献1には、製品の開発を支援する製品開発支援方法が開示されている。特に、この製品開発支援方法は、製品の所定の性能の向上に対する効用値を算出する効用値算出工程と、この効用値算出工程によって算出された効用値から、製品の所定の性能の向上に対する顧客の追加支払意思額を算出する追加支払意思額算出工程と、この追加支払意思額算出工程によって算出された追加支払意思額から所定の性能の向上に対する顧客の追加支払意思額の総額を算出し、この追加支払意思額の総額と製品開発にともなう費用とを比較して、製品開発の適否を予測する予測工程とを備えるものである。そして、この製品開発支援方法においては、効用値算出工程にてコンジョイント分析を用いている。これにより、この製品開発支援方法においては、製品開発の判断材料を提示し、新製品の開発を支援することができるとしている。
ところで、上述したプロファイルを被験者に対して提示して選好順位を付与してもらう従来型コンジョイント分析においては、選好順位が低くなるほどその順位を付与するほどに差異がある場合が少なくなり、回答が困難となりがちとなることから、選択の基準について被験者の負担が大きいという問題があった。
これに対して、三者択一や四者択一といった複数選択肢からの選択に基づく選択型コンジョイント分析が提案されている。かかる選択型コンジョイント分析においては、被験者の回答として、複数のプロファイルの中から最も好ましいプロファイルを1つだけ選択してもらえばよいことから、従来型コンジョイント分析に比べ、選択の基準について被験者の負担が低いという利点がある。また、選択型コンジョイント分析は、需要関数を導出することができることから利便性が高く、これにともない、近年では従来型コンジョイント分析を凌ぐ勢いで多用されつつある。
しかしながら、この選択型コンジョイント分析は、プロファイルを記述した被験者に対して提示するカードが多数となり、1人の被験者が全てのカードについて回答することが困難となる。例えば、選択型コンジョイント分析においては、9つのプロファイルから3つのプロファイルを組み合わせる場合には、1人の被験者が=84枚のカードについて回答する必要がある。
そのため、選択型コンジョイント分析においては、通常、全てのカードの中から12枚乃至14枚程度のカードをランダムに選択し、これを被験者1人に回答させるカードとすることが多い。しかしながら、選択型コンジョイント分析においては、例えば14枚のカードを被験者1人に回答させるカードとした場合には、分析に必要な1単位分である全84枚のカードの回答を得るために、6人の被験者を必要とすることになり、被験者数が増大するという問題がなお存在する。
これに対して、"Louviere. J. J., D. A. Hensher, and J. D. Swait:『Stated Choice Methods』4.5「Design strategies for simple SP experiments」、Cambridge University Press, 2000, pp96−110"に記載されているように、所望のプロファイルをYES=1とするとともに所望でないプロファイルをNO=0とすることによって2値データを取得し、これを用いてロジスティック回帰を行う簡易的なコンジョイント分析が提案されている。この文献において、Louviere. J. J.等は、航空チケットを例とした2値データによるロジスティック回帰によるコンジョイント分析を紹介している。この例では、料金、出発時間、所要時間、乗り換えの有無、座席付設オーディオの有無、座席付設ビデオの有無、食事の有無、航空会社2社という、2値をとり得る8種類の項目を属性及び水準として設定した16個のプロファイルを使用している。
しかしながら、かかる2値データを用いるコンジョイント分析においては、選択されたプロファイルが全て一律に"1(購入)"とカウントされてしまうことから、プロファイル間の選好度の差が生じないことになる。すなわち、かかるコンジョイント分析においては、プロファイル間の選好順位に関する情報を得ることができず、これに起因して、精緻な解析を行うことができないおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、簡便にデータを収集することが可能でありながら、より精緻に解析を行うことができるコンジョイント分析システム、コンジョイント分析方法、及びコンジョイント分析プログラム、並びにコンジョイント分析システムに用いられるサーバ装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明にかかるコンジョイント分析システムは、コンジョイント分析を行うコンジョイント分析システムであって、被験者が操作する少なくとも1つ以上の被験者端末機と、上記被験者に対して提示された複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行うサーバ装置とを備えることを特徴としている。
このような本発明にかかるコンジョイント分析システムにおいては、被験者によって選択された各プロファイルに対する選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことから、被験者に大きな負担を強いることがなく、プロファイル間の選好度の差を適切に反映したより精緻な解析を行うことができる。
また、上記サーバ装置は、作成したプロファイルを上記被験者端末機に対して送信して表示画面に表示させ、上記被験者に対して当該プロファイルを提示し、上記任意数のプロファイルに関する回答としての選好順位及び選好度が上記被験者端末機から送信されるのに応じて、当該プロファイルに関する回答を取得する。これにより、本発明にかかるコンジョイント分析システムにおいては、被験者に対するプロファイルの提示、及び当該プロファイルに関する回答の取得を極めて容易に行うことができる。
具体的には、上記サーバ装置は、取得した各プロファイルの選好度の合計が所定数となるように変換して変換選好度を算出するとともに、この変換選好度の指数を算出し、算出した選好度の指数に基づいて、購買確率を算出する。このとき、上記サーバ装置は、上記変換選好度の指数を累積してその累積値を算出し、上記選好度の指数と上記累積値とに基づいて、購買確率を算出する。より具体的には、上記サーバ装置は、選好数の累積値と上記被験者から回答があった回答数とに基づいて、従属変数を算出し、この従属変数に基づいて、購買確率を算出する。
そして、上記サーバ装置は、所望の説明変数を展開し、展開した上記説明変数と算出した上記従属変数とに基づいて、各種効用値を求め、分析結果として作成することができる。上記サーバ装置は、この分析結果を表示手段に表示させることも可能である。
また、上述した目的を達成する本発明にかかるコンジョイント分析方法は、コンジョイント分析を行うコンジョイント分析方法であって、作成したプロファイルを被験者に対して提示する工程と、上記被験者に対して提示された複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度を回答として取得する工程と、取得した選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行う工程とを備えることを特徴としている。
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかるコンジョイント分析プログラムは、コンジョイント分析を行うコンピュータ実行可能なコンジョイント分析プログラムであって、作成したプロファイルを被験者に対して提示する処理と、上記被験者に対して提示された複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度を回答として取得する処理と、取得した選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行う処理とを備えることを特徴としている。
このような本発明にかかるコンジョイント分析方法及びコンジョイント分析プログラムにおいては、被験者によって選択された各プロファイルに対する選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことから、被験者に大きな負担を強いることがなく、プロファイル間の選好度の差を適切に反映したより精緻な解析を行うことが可能となる。
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかるサーバ装置は、コンジョイント分析を行うサーバ装置であって、被験者に対して提示した複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度を回答として取得する取得手段と、上記取得手段によって取得した選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行う分析処理手段とを備えることを特徴としている。
このような本発明にかかるサーバ装置においては、被験者から取得した各プロファイルに対する選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことにより、被験者に大きな負担を強いることがなく、プロファイル間の選好度の差を適切に反映したより精緻な解析を行うことができる。
また、本発明にかかるサーバ装置は、上記被験者が操作する少なくとも1つ以上の被験者端末機との間で通信を行う通信手段と、作成したプロファイルを上記被験者端末機に対して上記通信手段を介して送信して表示画面に表示させ、上記被験者に対して当該プロファイルを提示する提示手段とを備え、上記通信手段は、回答としての選好順位及び選好度を上記被験者端末機から上記通信手段を介して受信する。これにより、本発明にかかるサーバ装置においては、被験者に対するプロファイルの提示、及び当該プロファイルに関する回答の取得を極めて容易に行うことができる。
本発明においては、被験者から取得した各プロファイルに対する選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことにより、被験者に大きな負担を強いることがなく、プロファイル間の選好度の差を適切に反映したより精緻な解析を行うことができる。このとき、本発明においては、被験者が行うべき回答として、全てのプロファイルについて行う必要はなく、任意数の選好順位の付与と選好度の付与のみであることから、当該被験者の負担を著しく軽減することができる。また、本発明においては、効用値の差を計測することができるとともに、需要関数も求めることができ、また、分析結果がより精緻であることから、極めて高い利便を分析者に提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態は、いわゆるコンジョイント分析を行うコンジョイント分析システムである。特に、このコンジョイント分析システムは、購買確率を求めることができるいわゆる多項ロジット・モデルを利用した全く新たなコンジョイント分析を行うものである。
まず、本発明の理解を容易とすべく、コンジョイント分析システムの具体的な説明に先だって、多項ロジット・モデルの基礎となるロジスティック・モデルと、本発明にて新たに提案する多項ロジット・モデルを利用したコンジョイント分析の概念について説明する。
ロジスティック・モデルは、誤差項の確率分布がロジスティック分布であるものとし、次式(1)で表される当該ロジスティック分布の累積分布関数を用いて、従属変数Y=1となる確率を次式(2)とするモデルである。なお、次式(1)におけるpは、(r+0.5)/(n+1.0)である。また、r,nは、それぞれ、後述するパラメータである。
ここで、ロジスティック回帰について説明するために、所定のガラス製品の強度を測定するために衝撃の強さを徐々に大きくしていったときの破壊個数を求める破壊テストを考える。かかる破壊テストの結果は、衝撃の強さが小さいときにはガラス製品がほとんど破壊することはないが、衝撃の強さを大きくしていくのにともない破壊個数も増えていき、衝撃の強さが所定値以上になると破壊個数の割合が略100%になる、というものになる。このような衝撃の強さと破壊個数との関係をグラフとして表すと、S字型(シグモイド曲線)を呈することになる。このとき、ガラス製品が破壊される確率をpとし、p/(1−p)の値を対数に変換すると、S字型の曲線は、直線に変換されることから、回帰分析を行うことが可能となる。ロジスティック回帰は、このような変換を行うことによって回帰分析を行う手法である。
これを具体的に説明するために、9回の破壊テストを行った結果を次表1に示す。ここで、rは、破壊個数を示し、nは、検査個数を示している。この破壊個数r及び検査個数nについて、(r+0.5)/(n+1.0)=pとし、次式(3)に示すように、p/(1−p)の対数をとってロジット変換する。そして、このzについて、従属変数をYとするとともに、説明変数(衝撃の強さ)をXとして回帰分析を行う。なお、次表1において、a=r+0.5とするとともに、b=n−r+0.5とし、値a/bを求めているが、これは、(r+0.5)/(n+1)=pとしたときのz=p/(1−p)と値a/bとが同値となることによるものである。
ここで、コンジョイント分析においては、rとすべきパラメータは、破壊個数ではなく、被験者の購買確率となる。"Louviere, J. J., D. A. Hensher, and J. D. Swait:『Stated Choice Methods』4.5「Design strategies for simple SP experiments」、Cambridge University Press, 2000, pp96−110"において提案されているコンジョイント分析は、このパラメータrを購買確率とし、所望のプロファイルを購入とする場合には、r=1とする手法である。しかしながら、この手法においては、破壊テストと同様に、購入を所望して選択されたプロファイルが全て"1"とカウントされることから、プロファイル間の選好度の差が生じない。
そこで、本発明にて新たに提案するコンジョイント分析においては、多項ロジット・モデルを利用してパラメータrを求める。この多項ロジット・モデルは、次式(4)に示すように、選好度uが大きくなるのにともない、購買確率Pが指数関数的に大きくなるというモデルである。
例えば、選好度uがそれぞれ"5","3","2"である3つの商品A,B,Cがあるものとし、これら商品を10回購入することを考える。この場合、購入回数は、選好度に比例して、商品Aについて5回、商品Bについて3回、商品Cについて2回となることはほとんどない。むしろ、次表2に示すように、最も選好度が高い商品Aの購買確率が他の商品B,Cの購買確率に比べてはるかに高くなるという結果の方が、現実の消費活動を鑑みて妥当であるものと考えられる。このように、多項ロジット・モデルは、直感的に受け入れやすいモデルである。
このように、本発明は、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことにより、コンジョイント分析を行うものである。本件出願人は、この新たな多項ロジット・モデルを利用したコンジョイント分析の有効性を検証するために、以下のような調査を行った。
この調査は、「納豆」の食味試験の際に、20代から60代の各年齢階層に略同人数ずつ属する総勢52名の消費者モニターを被験者として行った。
まず、多項ロジット・モデルの有効性を検証するために、これら被験者に対して、次表3に示すような所定のアンケート用紙に、「普段購入している、若しくは購入したことがある納豆のブランド」を2つから3つ記入してもらい、選好順位が1位であるブランドの選好度を"10"として、これを基準に選好順位が2位及び/又は3位のブランドについて任意に選好度を記入してもらった。さらに、10回納豆を購入しようとした際に、記入したブランドの納豆を実際に購入している回数を取得した。そして、この調査に基づいて、予測購買確率を求めると、次表4に示すような結果が得られた。なお、予測購買確率は、まず、次表4に示すように、各ブランドについて取得した選好度uの合計が例えば10点といった所定数となるように変換して変換選好度uを求め、この変換選好度uの指数u=exp(u)に基づいて、予測購買確率を求めた。
そして、実際の購買確率をYとするとともに、予測購買確率をXとして直線回帰を行うと、図1に示すような結果が得られた。同図から、相関値がR=0.86、R=0.74となり、この多項ロジット・モデルの有効性を確認することができた。
つぎに、コンジョイント分析で対象とする納豆は、100g入りのもの1パックとした。また、プロファイルとして記述する属性と水準は、3種類の価格(60円、100円、140円)、2種類の産地(外国産、国産)、3種類の粒の大きさ(小粒、中粒、大粒)、2種類の大豆品種(普通大豆、黒大豆)の、4属性3・2・3・2水準とした。そして、直交計画によって次表5に示すような9つのプロファイルを作成した。このとき、価格については、以下のようにして設定した。すなわち、生鮮野菜や納豆のように比較的低価格の商品について消費者が「高い」と感じ始める価格は、平均的な小売価格のおよそ1.2倍であり、「高すぎて買わない」と思い始める価格は、平均的な小売価格のおよそ1.5倍である。そこで、やや「高すぎて買わない」の方に重みを付与し、平均的な小売価格である100円を基準としたとき、その1.4倍である140円を高い価格として設定し、基準値である100円に対してこれと同じ幅をとって60円を安い価格として設定した。
まず、被験者が回答しやすくするために、上表5に示すように、当該被験者に、9つのプロファイルのうち、購入してもよいと思うプロファイルの順に1位〜3位又は1位〜4位について選好順位を付与してもらった。なお、このコンジョイント分析においては、ここで何番まで選好順位を付与するかは任意でよい。続いて、選好順位を付与したプロファイルの1位を10点とし、それを基準として、2位以下のプロファイルに点数を記入してもらった。そして、各回答用紙から取得された情報を用いて、上表4に示した多項ロジット・モデルの手続きにしたがってプロファイル毎の購買確率を求め、52名の被験者全員分のデータを累積したものを、各プロファイルのrとして算出した。回帰式は、次式(5)で表される。
なお、上式(5)において、Cは、定数項であり、Xは、価格であり、Xは、産地が外国産であることを示す外国産ダミー係数であり、Xは、粒の大きさを示す大きさダミー係数であり、Xは、黒大豆であることを示す黒大豆ダミー係数である。また、大きさダミー係数Xのうち、X31は、小粒ダミー係数であり、X32は、中粒ダミー係数である。すなわち、この回帰式は、プロファイル間の選好度の差を示す重み付けがなされたものであるといえる。なお、上式(5)においては、大粒ダミー係数が設けられていないが、これは、小粒ダミー係数=X31とし、中粒ダミー係数=X32とし、大粒ダミー係数=X33とすると、これら3つの係数の間にX31+X32+X33=1という線形関係が成立し、このままでは多重共線性のために解が定まらないことによるものであり、これにより、大粒ダミー係数は設けずに削除している。このとき、大粒の予測値は、求められた係数をX31=X32=0とすることによって算出することができる。
さて、上述した"Louviere, J. J., D. A. Hensher, and J. D. Swait:『Stated Choice Methods』4.5「Design strategies for simple SP experiments」、Cambridge University Press, 2000, pp96−110"において提案されているコンジョイント分析と比較するために、累積購買確率の他に、破壊テストと同様に選択された、すなわち、被験者によって順位付けされたプロファイルの選好度を"1"とカウントしたときの累積度数をも従属変数として算出した。次表6に、多項ロジット・モデルによって与えられた各プロファイルの累積購買確率と、順位付けされたプロファイルの選好度を"1"とカウントしたときの累積度数とを示す。
これら累積購買確率及び累積度数に基づいて係数を算出した結果、次表7及び次表8が得られた。次表7は、累積購買確率に基づく係数の算出結果を示し、次表8は、累積度数に基づく係数の算出結果を示している。累積度数に基づく算出結果は、産地ダミー係Xを除く全ての係数のt値が小さく、P値も有意とはいえない係数が多い。これにより、被験者によって順位付けされたプロファイルの選好度を"1"とカウントしたときの累積度数は、モデルの当てはまりが悪いことがわかる。一方、累積購買確率に基づく算出結果は、中粒ダミー係数X32と大豆の品種ダミー係数Xのt値がやや小さく、P値も有意とはいえないものの、概ね良好な結果が得られた。
係数を参照すると、双方の結果とも、産地が外国産であるものは国産に比べて大幅に人気がなく、粒の大きさや品種については、小粒、中粒、黒大豆、大粒の順に選好されていることがわかる。上式から求めた従属変数Yを次式(6)を用いて購買確率Pに変換する。この場合、「購買する」を"1"とするとともに「購買しない」を"0"とする2値データによる2項ロジット・モデルとなる。
双方の算出結果から、1万の購買世帯があったときにおける国産、小粒、黒大豆からなる納豆の予測購買世帯数を、求められた累積度数と累積購買確率との双方の係数に基づいて算出した。これを図2に示す。方法は、累積購買確率を例にすると、上式(5)から導出されるY=−1.328−0.009X+0.676+0.377の係数Xに、1円から400円までの価格を代入してYを求め、上式(6)によって求めた購買確率Pに対して10000を乗じるものである。累積購買確率の結果は、購買世帯数がかなり抑制された予測値となるが、累積度数の結果は、購買世帯数が極めて多く計測されるものとなった。これは、累積度数を用いる方法は、データが冗長である分、計算結果も冗長になることを意味しており、これにより、累積購買確率を求めることができる多項ロジット・モデルを利用した本コンジョイント分析の有効性が示された。
なお、求められた係数の利用方法について説明すると、以下のようになる。ここでは、累積購買確率の分析結果を例として、係数の利用方法について説明する。
まず、求められた計測式は、次式(7)である。次式(7)における係数を利用して、黒大豆と普通大豆の効用値を算出することを試みる。
国産、小粒、黒大豆、100円のときの従属変数Yは、Y=−1.328−0.009×100+0.676+0.377=−1.175となる。一方、国産、小粒、普通大豆、X円のときの従属変数Yは、Y=−1.328−0.009X+0.676となる。ここで、黒大豆と普通大豆の価格差を求めるために、−1.175=−1.328−0.009X+0.676とおき、国産、小粒、黒大豆、100円のときの従属変数Y=−1.175に相当するXを求めると、X=58.1となる。
したがって、黒大豆が100円であるとき、普通大豆は58.1円となる。すなわち、黒大豆は、普通大豆よりも41.9円高く評価されたことになる。この価格差が効用値の差となる。同様にして、小粒100円であるときの中粒の価格を求めると76.2円となる。
これに対して、累積度数の係数に基づいて、黒大豆と普通大豆の価格差、小粒と中粒の価格差を算出することを試みる。同様の計算を行った結果、累積度数においては、黒大豆が100円であるとき、普通大豆は67.7円となり、小粒が100円であるとき、中粒は96円となる。このように、累積度数を用いた場合には、価格差が小さくなり、分析の精度が低いことが伺える。
このように、多項ロジット・モデルを利用したコンジョイント分析は、被験者によって選択された各プロファイルに対する選好度に基づいて購買確率を求め、ロジスティック回帰を行うことにより、上述したLouviere. J. J.等が紹介したロジスティック回帰を利用したコンジョイント分析に比べ、被験者に大きな負担を強いることなくより精緻な解析を行うことができるものである。
また、この多項ロジット・モデルを利用したコンジョイント分析で用いる計算方法は、回帰分析であることから、例えばマイクロソフト(登録商標)社が提供する表計算ソフトウェアであるエクセル(Excel)の分析ツールを用いて計算することも可能である。なお、ロジスティック回帰分析においては、上述したzの等分散性の仮定が満たされないことから、重み付き最小2乗法を用いる方が厳密ではあるものの、実際の計算結果に大差は生じないことから、何ら問題はない。
このように、多項ロジット・モデルを利用したコンジョイント分析は、データ取得の簡便さや、計算の容易さ等の観点から、より現場に近い関係者にも普及しやすい手法であるといえる。
このようなコンジョイント分析は、従来のように、プロファイルを記述したカードを被験者に対して提示して行うことができるのは勿論であるが、パーソナルコンピュータをはじめとする各種情報処理装置を用いて行うこともできる。以下では、このような各種情報処理装置を用いてコンジョイント分析を行うコンジョイント分析システムについて、具体的に説明するものとする。
コンジョイント分析システムは、図3に示すように、被験者が操作する少なくとも1つ以上の被験者端末機10が、いわゆるインターネット等の所定のネットワークを介してコンジョイント分析を行うサーバ20に接続されて構成される。
被験者端末機10は、例えば、パーソナルコンピュータの他、携帯電話機や携帯情報端末機(Personal Digital Assistants;PDA)といった各種情報処理装置から構成される。被験者端末機10は、被験者が、提示された複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して選好順位及び選好度を選択するのに応じて、この入力操作を示す情報をサーバ20に対して送信する。
一方、サーバ20は、マーケティング・リサーチを行う業者等が所持するものであり、被験者端末機10から収集したデータに基づいて、コンジョイント分析を行う。具体的には、サーバ20は、図4に示すように、被験者端末機10を操作する被験者に対してプロファイルを提示するプロファイル提示部21と、被験者端末機10からプロファイルに関する回答を取得するプロファイル取得部22と、このプロファイル取得部22によって取得された選好度を上述した変換選好度に変換する選好度変換部23と、購買確率をはじめとする各種パラメータを算出する算出処理部24と、説明変数を展開する説明変数展開部25と、分析結果を作成する分析結果作成部26と、この分析結果をはじめとする各種情報を表示する表示手段である表示部27と、各種情報を記憶する記憶部28と、被験者端末機10との間で通信を行う通信部29とを備える。
なお、これら各部のうち、プロファイル提示部21、プロファイル取得部22、選好度変換部23、算出処理部24、説明変数展開部25、及び分析結果作成部26は、CPU(Central Processing Unit)によって実行される所定のソフトウェアプログラムとして実装することができる。このうち、プロファイル提示部21は、作成したプロファイルを被験者端末機10に対して通信部29を介して送信して表示画面に表示させ、被験者に対して当該プロファイルを提示する提示手段として構成される。また、プロファイル取得部22は、被験者に対して提示した複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度を回答として取得する取得手段として構成される。さらに、選好度変換部23、算出処理部24、説明変数展開部25、及び分析結果作成部26は、取得手段によって取得した選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行う分析処理手段として構成される。さらにまた、通信部29は、回答としての選好順位及び選好度を被験者端末機10から受信する通信手段として構成される。
プロファイル提示部21は、被験者に対してプロファイルを提示する。具体的には、プロファイル提示部21は、コンジョイント分析を行う分析者の操作のもとにプロファイルを作成し、このプロファイルを通信部28を介して被験者端末機10に対して送信して表示画面に表示させることにより、被験者に対してプロファイルを提示する。
プロファイル取得部22は、通信部28を介して被験者端末機10から受信したプロファイルに関する回答を取得する。プロファイル取得部22は、取得したプロファイルを記憶部27に一時的に記憶させる。
選好度変換部23は、プロファイル取得部22によって取得された各プロファイルの選好度の合計が例えば10点といった所定数となるように変換して変換選好度を算出する。選好度変換部23は、算出した変換選好度を記憶部27に一時的に記憶させる。
算出処理部24は、選好度変換部23によって変換された変換選好度に基づいて、購買確率や従属変数をはじめとする各種パラメータを算出する。具体的には、算出処理部24は、購買確率や従属変数を算出する過程で算出される各種パラメータを記憶部27に一時記憶させるとともに、最終的に算出した購買確率や従属変数を記憶部27に記憶させる。
説明変数展開部25は、算出処理部24によって購買確率や従属変数が算出されると、効用値を算出するために説明変数を展開する。説明変数展開部25は、展開した説明変数を記憶部27に一時記憶させる。
分析結果作成部26は、説明変数展開部25によって展開された説明変数と算出処理部24によって算出された従属変数とに基づいて、各種効用値を求め、分析結果として作成する。例えば、分析結果作成部26は、先に図1に示したような予測購買確率と実際の購買確率との関係を表すグラフや、先に図2に示したような累積購買確率に基づく予測購買世帯数を表すグラフ等、分析結果を視覚的に把握しやすい形態で、分析者任意に作成することができる。分析結果作成部26は、分析結果を記憶部27に記憶させる。
表示部27は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)といった各種表示デバイスからなるユーザ・インターフェースとして構成され、コンジョイント分析を行う分析者が視認可能な形態で、分析結果作成部26によって作成された分析結果をはじめとする各種情報を表示する。
記憶部28は、例えば、上述したCPUによって実行される所定のソフトウェアプログラムを格納する読み取り専用のROM(Read Only Memory)や、当該CPUがソフトウェアプログラムを実行する際のワークエリアとして機能して上述した各種パラメータを一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含む概念である。また、記憶部28は、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリの他、フレキシブルディスクやメモリカード等の記憶媒体に対して各種情報の読み出し及び/又は書き込みを行うドライブ装置等も含まれる概念である。具体的には、記憶部28は、プロファイル取得部22によって取得されたプロファイルに関する回答、選好度変換部23によって変換された変換選好度、算出処理部24によって算出された各種パラメータ、説明変数展開部25によって展開された説明変数、及び分析結果作成部26によって作成された分析結果等の各種情報を、読み出し可能に記憶する。
通信部29は、例えば、アナログ回線、いわゆるイーサネット(登録商標)等から構成されるLAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、若しくはFTTH(Fiber To The Home)等の各種ネットワーク回線、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11に準拠した無線LAN若しくはいわゆるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の各種無線通信方式、又はいわゆるFOMA(登録商標)等のW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式若しくはHDR(High Data Rate)等のCDMA−2000方式といった、各種方式に基づくネットワークに接続するためのインターフェースであり、被験者端末機10との間で通信を行う。具体的には、通信部29は、プロファイル提示部21によって作成されたプロファイルを被験者端末機10に対して送信する一方で、当該プロファイルに関する回答を受信する。
このような各部を備えるサーバ20は、例えば図5に示すような一連の工程を経ることにより、コンジョイント分析を行う。
まず、サーバ20は、同図に示すように、ステップS1において、プロファイル提示部21によって被験者に対してプロファイルを提示する。そして、サーバ20は、プロファイルに関する回答が被験者端末機10から送信されるのに応じて、ステップS2において、プロファイル取得部22によって当該プロファイルに関する回答を取得する。ここでは、n個のプロファイルに関する回答データprofile(n)を取得したものとする。
続いて、サーバ20は、ステップS3において、選好度変換部23によって選好度を変換選好度に変換した後、ステップS4において、全ての回答データについて処理を行ったか否かを判定する。ここで、サーバ20は、全ての回答データについて処理を行っていないものと判定した場合には、算出処理部24によるステップS5へと処理を移行する一方で、全ての回答データについて処理を行ったものと判定した場合には、算出処理部24によるステップS16へと処理を移行する。ここでは、回答データについて何ら処理を行っていないことから、ステップS5へと処理を移行する。
サーバ20は、ステップS5において、i=1と設定した後、ステップS6において、i≦nであるか否かを判定する。すなわち、サーバ20は、全ての回答データについて処理を行ったか否かを判定する。
ここで、サーバ20は、i≦nであるものと判定した場合には、ステップS7乃至ステップS11の選好数rの算出を行う。すなわち、サーバ20は、ステップS7において、選好度uを算出して記憶部27に一時記憶させた後、ステップS8において、この選好度uの指数exp(u)を算出し、これを記憶部27に一時記憶させる。さらに、サーバ20は、ステップS9において、算出した選好度uの指数exp(u)を累積して累積値Σexp(u)を記憶部27に一時記憶させるとともに、ステップS10において、選好数rを累積して記憶部27に一時記憶させる。そして、サーバ20は、ステップS11において、iを"1"だけインクリメントした後、ステップS6からの処理を繰り返す。
サーバ20は、このようなステップS6乃至ステップS11の処理を繰り返し行い、ステップS6において、i=nとなったことを判定すると、ステップS12において、i=1と設定した後、ステップS13において、i≦nであるか否かを判定する。
ここで、サーバ20は、i≦nであるものと判定した場合には、ステップS14において、記憶部27に一時記憶されている選好度uの指数exp(u)とその累積値Σexp(u)とを読み出し、確率P=exp(u)/Σexp(u)を算出する。そして、サーバ20は、ステップS15において、iを"1"だけインクリメントした後、ステップS13からの処理を繰り返す。
サーバ20は、このようなステップS13及びステップS15の処理を繰り返し行い、ステップS13において、i=nとなったことを判定すると、ステップS4からの処理を繰り返す。
サーバ20は、このようなステップS4乃至ステップS15の処理を、全ての回答データについて行うまで繰り返し行い、ステップS4において、全ての回答データについて処理を行ったか否かを判定した場合には、ステップS16へと処理を移行する。
サーバ20は、ステップS16において、i=1と設定した後、ステップS17において、i≦nであるか否かを判定する。
ここで、サーバ20は、i≦nであるものと判定した場合には、ステップS18乃至ステップS20の従属変数Y及び購買確率Pの算出を行う。すなわち、サーバ20は、ステップS18において、記憶部27に一時記憶されている選好数rの累積値と被験者から回答があった回答数nとに基づいて、従属変数Y=log((r+0.5)/(n−r+0.5))を算出するとともに、ステップS19において、算出した従属変数Yに基づいて、購買確率P=exp(Y)/(exp(Y)+1)を算出し、これら算出した従属変数Y及び購買確率Pを記憶部27に記憶させる。そして、サーバ20は、ステップS20において、iを"1"だけインクリメントした後、ステップS17からの処理を繰り返す。
サーバ20は、このようなステップS17乃至ステップS20の処理を繰り返し行い、ステップS17において、i=nとなったことを判定すると、ステップS21へと処理を移行する。
そして、サーバ20は、ステップS21において、効用値を算出するために、説明変数展開部25によって所望の説明変数Xを展開し、ステップS22において、分析結果作成部26によって所望の分析結果を作成し、表示部27に表示させ、一連の処理を終了する。
サーバ20は、このような一連の工程を経ることにより、被験者から取得した各プロファイルの選好度及び選好順位に基づいて、コンジョイント分析を行うことができる。
以上説明したように、コンジョイント分析システムは、被験者によって選択された各プロファイルに対する選好度に基づいて購買確率を求め、ロジスティック回帰を行うことにより、上述したLouviere. J. J.等が紹介したロジスティック回帰を利用したコンジョイント分析に比べ、被験者に大きな負担を強いることなくより精緻な解析を行うことができる。このとき、コンジョイント分析システムにおいては、被験者が行うべき回答として、全てのプロファイルについて行う必要はなく、任意数の選好順位の付与と選好度の付与のみであることから、当該被験者の負担を著しく軽減することができる。また、このコンジョイント分析システムにおいては、従来の選択型コンジョイント分析と同様に、効用値の差を計測することができるとともに、需要関数も求めることができ、また、分析結果がLouviere. J. J.等による2値データを用いたロジスティック回帰よりも、より精緻であることから、極めて高い利便を分析者に提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、プロファイル提示部21によって作成されたプロファイルを通信部28を介して被験者端末機10に対して送信して表示画面に表示させることにより、被験者に対してプロファイルを提示するものとして説明したが、本発明は、かかるプロファイル提示部を設けずに、従来と同様に、プロファイルを記述したカード等を被験者に対して提示し、サーバによって回答のみを収集するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、分析結果として、先に図1に示したような予測購買確率と実際の購買確率との関係を表すグラフや、先に図2に示したような累積購買確率に基づく予測購買世帯数を表すグラフ等、分析結果を視覚的に把握しやすい形態で作成するものとして説明したが、本発明は、分析者が所望する分析結果であれば、いかなる形態のものであっても作成することができる。
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
多項ロジット・モデルの有効性を検証するために被験者に対して行った調査に基づいて求めた予測購買確率と実際の購買確率との関係を表す図である。 累積購買確率及び累積度数に基づく予測購買世帯数を表す図である。 本発明の実施の形態として示すコンジョイント分析システムの構成を説明する図である。 同コンジョイント分析システムにおけるサーバの構成を説明するブロック図である。 同コンジョイント分析システムにおけるサーバによってコンジョイント分析を行う際の一連の工程を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 被験者端末機
20 サーバ
21 プロファイル提示部
22 プロファイル取得部
23 選好度変換部
24 算出処理部
25 説明変数展開部
26 分析結果作成部
27 表示部
28 記憶部
29 通信部

Claims (13)

  1. コンジョイント分析を行うコンジョイント分析システムであって、
    被験者が操作する少なくとも1つ以上の被験者端末機と、
    上記被験者に対して提示された複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行うサーバ装置とを備えること
    を特徴とするコンジョイント分析システム。
  2. 上記サーバ装置は、作成したプロファイルを上記被験者端末機に対して送信して表示画面に表示させ、上記被験者に対して当該プロファイルを提示し、上記任意数のプロファイルに関する回答としての選好順位及び選好度が上記被験者端末機から送信されるのに応じて、当該プロファイルに関する回答を取得すること
    を特徴とする請求項1記載のコンジョイント分析システム。
  3. 上記サーバ装置は、取得した各プロファイルの選好度の合計が所定数となるように変換して変換選好度を算出すること
    を特徴とする請求項2記載のコンジョイント分析システム。
  4. 上記サーバ装置は、上記変換選好度の指数を算出し、算出した選好度の指数に基づいて、購買確率を算出すること
    を特徴とする請求項3記載のコンジョイント分析システム。
  5. 上記サーバ装置は、上記変換選好度の指数を累積してその累積値を算出し、上記選好度の指数と上記累積値とに基づいて、購買確率を算出すること
    を特徴とする請求項4記載のコンジョイント分析システム。
  6. 上記サーバ装置は、選好数の累積値と上記被験者から回答があった回答数とに基づいて、従属変数を算出すること
    を特徴とする請求項5記載のコンジョイント分析システム。
  7. 上記サーバ装置は、上記従属変数に基づいて、購買確率を算出すること
    を特徴とする請求項6記載のコンジョイント分析システム。
  8. 上記サーバ装置は、所望の説明変数を展開し、展開した上記説明変数と算出した上記従属変数とに基づいて、各種効用値を求め、分析結果として作成すること
    を特徴とする請求項7記載のコンジョイント分析システム。
  9. 上記サーバ装置は、上記分析結果を表示手段に表示させること
    を特徴とする請求項8記載のコンジョイント分析システム。
  10. コンジョイント分析を行うコンジョイント分析方法であって、
    作成したプロファイルを被験者に対して提示する工程と、
    上記被験者に対して提示された複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度を回答として取得する工程と、
    取得した選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行う工程とを備えること
    を特徴とするコンジョイント分析方法。
  11. コンジョイント分析を行うコンピュータ実行可能なコンジョイント分析プログラムであって、
    作成したプロファイルを被験者に対して提示する処理と、
    上記被験者に対して提示された複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度を回答として取得する処理と、
    取得した選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行う処理とを備えること
    を特徴とするコンジョイント分析プログラム。
  12. コンジョイント分析を行うサーバ装置であって、
    被験者に対して提示した複数のプロファイルのうち任意数のプロファイルに対して当該被験者によって選択された選好順位及び選好度を回答として取得する取得手段と、
    上記取得手段によって取得した選好順位及び選好度に基づいて購買確率を求め、多項ロジット・モデルを用いたロジスティック回帰を行うことによってコンジョイント分析を行う分析処理手段とを備えること
    を特徴とするサーバ装置。
  13. 上記被験者が操作する少なくとも1つ以上の被験者端末機との間で通信を行う通信手段と、
    作成したプロファイルを上記被験者端末機に対して上記通信手段を介して送信して表示画面に表示させ、上記被験者に対して当該プロファイルを提示する提示手段とを備え、
    上記通信手段は、回答としての選好順位及び選好度を上記被験者端末機から上記通信手段を介して受信すること
    を特徴とする請求項12記載のサーバ装置。
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