JP5942334B2 - プライマー処理方法 - Google Patents

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本発明は、プライマー処理方法に関するものである。
従来、例えば、特許文献1に開示されているように、基板上に有機分子を反応させ、さらにその有機分子と同種または異種の有機分子を反応させる有機デバイスの製造方法が知られていた。また、特許文献2に開示されているように、基板上に気化された有機分子を導入し、水蒸気を追加することでさらに既に基板と反応した有機分子を加水分解し、気相中の有機分子を基板上の有機分子と反応させる単分子膜形成方法が知られていた。
特開2009−158691号公報 特開2009−256796号公報
しかしながら、特許文献1に記載の有機デバイスの製造方法は、1つの反応点から生まれる機能性有機分子が1つであったとき、反応点の面密度が低い場合は同時に機能性有機分子の面密度も低くなるという課題があった。
次に、特許文献2に記載の単分子膜形成方法は、成膜室に成膜原料が残っている状態で水蒸気を導入している。このため、成膜面上の単分子の官能基は加水分解し、さらに水分子と水素結合する。気中に存在する複数の原料は、気中で加水分解した後、水分子と水素結合することで基板上の反応点と化学反応ができなくなる。このような有機分子は、いずれ成膜面上に物理的に吸着する。次工程での加熱処理によって化学結合をさせているが、物理吸着したものが必ずしも成膜面上の単分子と水素結合をしているとは限らないため加熱処理で化学結合が実現されていない部分が残る。そして、この成膜面上に機械的または化学的なダメージを与えた場合、物理吸着が残っている部分は欠陥部分になってしまうという課題があった。そこで、有機分子の密度の高い膜を形成できる表面処理方法が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるプライマー処理方法は、MEMSに用いる接着剤と被接着体とを接着するときの前記被接着体のプライマー処理方法であって、4つの官能基が同じアルコキシ基を有するシランカップリング剤を第一有機分子とし、前記第一有機分子と、基板の表面に露出している水酸基とを減圧環境にて化学結合させる第一工程と、前記第一工程で前記表面と化学結合した前記第一有機分子の前記アルコキシ基と水分子とを減圧環境にて化学結合させ、前記第一有機分子の前記アルコキシ基を水酸基にする第二工程と、前記第一有機分子と異なる機能を有する官能基を1つ有し、その他2つまたは3つの官能基がアルコキシ基であるシランカップリング剤を第二有機分子として、前記第二有機分子の前記その他2つまたは3つの官能基であるアルコキシ基と前記第二工程で生成された前記水酸基とを減圧環境にて化学結合させる第三工程と、を有し、前記第二有機分子における前記第一有機分子と異なる機能を有する前記官能基がNH2を有するものであり、前記第一工程、前記第二工程、前記第三工程の前記減圧環境の圧力が0.1Paより大きく0.1MPaより小さいこと、を特徴とする。
本適用例によれば、第一工程によって3つまたは4つのアルコキシ基を有する第一有機分子の1つのアルコキシ基と表面の1つの水酸基が化学結合をする。さらに、第二工程で水分子を導入することによって表面に存在する残りの2つまたは3つのアルコキシ基が加水脱アルコール反応により2つまたは3つの水酸基になる。そして、第三工程により固有の機能を有した第二有機分子で表面が被覆される。これによって、表面上に1つしかなかった水酸基から第一工程及び第二工程を経ることで2つまたは3つの水酸基が生成されるため、固有の機能を有する第二有機分子の表面密度を高くすることができる。従って、高密度に化学結合をした第二有機分子を持つ表面を提供することができる。
また、本適用例によれば、被接着体におけるアミノ基の表面密度が高くなるため、接着剤との接着強度が強くなる。従って、MEMSを接着するときにおいて接着強度を強くすることができ、衝撃が加わるときにも接着した場所が剥がれることがない為、信頼性を高くすることができる。
第一工程及び第三工程における減圧環境の圧力は0.1Pa以上であり、粘性流領域となる圧力となっている。この圧力条件にすることにより、生産性良く反応を進めることができる。また、減圧環境の圧力は大気圧より低い圧力であり0.1MPaより小さいか等しい圧力となっている。この圧力条件にすることにより、加圧装置を付加する必要がないので装置構成を簡略にすることができる。
[適用例2]上記適用例に記載のプライマー処理方法は、前記第一工程と前記第二工程とを反復することが好ましい。
本適用例によれば、第一工程と第二工程とを反復する毎に第一工程の前に表面に存在した水酸基の表面密度が2倍または3倍になる。従って、反復回数を制御することにより、所望の水酸基の表面密度を制御することができる。その結果、所望の表面密度の第二有機分子を得ることができる。
実施形態1にかかる表面処理工程を説明するための模式図。 装置の構成を示す模式平面図。 装置の構成を示す模式平面図。 気化器の構造を示す模式図。 変形例1にかかる表面処理工程を説明するための模式図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
図1は、表面処理工程を説明するための模式図である。図4は気化器の構造を示す模式図である。まず、実施形態1にかかる表面処理方法と処理を行なう装置の構成について説明する。
(表面処理チャンバー)
第一反応室としての表面処理チャンバーは、原料及び窒素等の供給系、基板と原料を反応させる反応系、反応系内に浮遊する未反応原料を排気する排気系、反応系内の圧力、温度を測定する測定系で構成されている。
各系の説明を供給系から順に行う。図4に示すように、原料の供給系は、液体である原料を熱により気化する装置であり気化器35を備えている。この気化器35の上流には原料が充填された一次タンク29が設置されており、一次タンクにつながる乾燥窒素30の圧力によって原料が下流に送られる。原料は一次タンク29から二次タンク28へ送られ、二次タンク28上部には気化部26があり原料の液面は液面センサー27により管理されている。
気化部26には熱源があり原料を気化することができ、温度は原料の沸点または分解温度より低い温度の範囲で設定される。気化器から表面処理チャンバーへは、配管でつながれており配管加熱部25は温度調節されている。気化温度は少なくとも沸点よりも低いために気化できない原料も気化器内に存在するが、この気化器は気化された原料分子のみを表面処理チャンバーへ送る構造になっており、未気化の原料は気化部26にそのまま残る。表面処理チャンバーへつながるその他の供給気体は、乾燥窒素、乾燥空気、乾燥アルゴン、乾燥酸素等の乾燥気体であり、原料の供給ラインとは別の場所から表面処理チャンバーへ供給される。
次に、反応系の説明をする。反応系には表面処理チャンバーと基板を置くためのステージが設置されている。ステージ及び表面処理チャンバーは温度調節できるようになっている。ステージ温度は気化温度と同じまたは気化温度よりも高く設定されている。表面処理チャンバーの内壁はステージに置かれた基板温度と同じになるように調節される。気化された原料分子は、反応系の中で気体のままでいるために、ステージ温度及びチャンバー温度での蒸気圧以下になるように供給系から原料が供給される。ここでチャンバー温度とは、表面処理チャンバーの内壁の温度であり、供給系、排気系、測定系につながれた配管の内壁の温度も含んでいる。配管加熱の範囲は、表面処理チャンバーから見た最初のバルブまでであり、表面処理チャンバー内の原料が拡散するところまでである。また、原料が拡散できる部位とは、気化器から反応系につながる配管、反応系であるチャンバー内壁、ステージ、基板、反応系につながる各配管に隣接するバルブまでの間である。
次に、排気系の説明をする。排気系の範囲は、表面処理チャンバーから真空ポンプにつながる配管のバルブから、工場の排気システムにつながるまでの範囲である。バルブから工場の排気システムに至る部分は温度調節されていない。室温において液体である原料は真空下において一部が再液化し、気体のままの分子は真空ポンプの下流(大気圧下)において再液化する。よって、真空ポンプの直後には液体を貯められる容器が備わっている。また、真空ポンプから容器までの間での再液化が無視できない場合は、真空ポンプとチャンバー側のバルブとの間に放電機能を備えた装置を設けることでAPTMS(アミノプロピルトリメトキシシラン)を分解し二酸化炭素等の気体として真空ポンプの下流まで気体として排気することができる。このとき、酸素または空気をバルブと放電装置の間に供給しても良い。
次に、測定系の説明をする。測定系は、表面処理チャンバー内の圧力を測るための圧力センサーと温度を測る温度センサーと水分を測る露点計が備わっている。圧力センサーは排気配管近傍に設置され、温度センサーは温度調節が必要な各部に設置されている。
(水蒸気処理チャンバー)
第二反応室としての水蒸気処理チャンバーも表面処理チャンバーと同様にステージ、供給系、反応系、排気系、測定系で構成されている。供給系は、水蒸気を供給する水供給装置と乾燥窒素を供給する窒素供給装置とが設置され、水供給装置と窒素供給装置とが水蒸気処理チャンバーに接続されている。反応系は、ステージ及びチャンバーを加熱する加熱装置を備えている。加熱装置はヒーターを備え、ヒーターは水蒸気処理チャンバー及び配管を加熱する。これにより、水蒸気処理チャンバーの内壁及び配管の内壁の温度は同じ温度になっている。各内壁温度の最高温度は表面処理チャンバーと同じ温度である。
排気系は、表面処理チャンバー同様にバルブより下流が加熱されていないが、バルブから真空ポンプまでの間に冷却機能を備えた冷却装置が設置されている。そして、排気を再液化することで蒸気を水として捕獲できるようになっている。測定系は、温度計、湿度計、真空計、露点計を備えている。温度計は水蒸気処理チャンバー及び配管における温度調節している部分、湿度系はステージ近傍、真空計は排気配管近傍にそれぞれ設置されている。
(搬送チャンバー)
搬送チャンバーも供給系、反応系、排気系、測定系を備えているが、チャンバー内で何かしらの反応をさせる訳ではない。反応系は加熱系としての機能を備えている。供給系は、乾燥窒素または乾燥空気を供給する機能を備えている。加熱系は、他のチャンバーと同様に温度管理する箇所を同じ温度範囲となるように同じ方法で温度調節している。排気系は、真空ポンプが接続されているだけで他のチャンバーのように原料や水を捕獲する機能は備えていない。測定系は、温度計、湿度計、真空計、露点計が水蒸気処理チャンバーと同様に設置されている。
(表面反応過程)
図1(a)に示すように、まず、第一工程にて表面処理チャンバー15内のステージに基板1が搭載される。基板1の設置表面処理が施される表面には水酸基2(OH基)が存在している。基板種は、電気的には金属、半導体、絶縁体等であり、材料としては純物質、酸化物等化合物であり水酸基2が表面に存在していれば表面処理の対象になる。
次に、表面処理チャンバー15を減圧して、表面処理チャンバー15内に気化した3つまたは4つのアルコキシ基を有するシランカップリング剤である第一有機分子5を導入する。その結果、水酸基2を有する基板1の表面が、気化した第一有機分子5の雰囲気に暴露される。その結果、図1(b)に示すように、この条件下において、1つのアルコキシ基と水酸基2が熱エネルギーにより脱アルコール反応を起こす。例えば、基板表面がシリコン(Si)でシランカップリング剤のアルコキシ基がメトキシ基(−OCH3)の場合、メタノール(CH3OH)を生成し、基板と有機分子はSi−O−Siで結合される。そして、アルコール4が生成される。
第一工程の後に気中の第一有機分子5を排気する。これにより、気中の第一有機分子5が加水脱アルコール反応で3つまたは4つの水酸基7を有する有機分子に変わることを防ぐことができる。そして、水酸基2を有する有機分子間での水素結合を防ぐことになる。仮にこれが防げなかったときは気中で有機分子間が結合し複数分子の塊として表面に到達することになる。この塊が到達した表面部分は、次工程の化学結合につながらないばかりか、表面の異物として不良の原因になる。
次に、第二工程を行う。図1(c)に示すように、水蒸気処理チャンバー11内のステージに基板1が搭載される。次に、水蒸気処理チャンバー11を減圧して、水蒸気処理チャンバー11内を水蒸気雰囲気にする。その結果、基板1は水分子6が浮遊する水蒸気雰囲気に暴露される。これによって、図1(d)に示すように、加水脱アルコール反応が起こり有機分子の残りの2つまたは3つのアルコキシ基は水酸基7に変化する。例えば、アルコキシ基がメトキシ基(−OCH3)の場合、水蒸気(H2O)との反応によりメタノール(CH3OH)が生成され、アルコキシ基があった場所は−OHに変化する。これにより、1つの水酸基2から2つまたは3つの水酸基7を生成することができる。
次に、第三工程を行う。図1(e)に示すように、第三工程にて表面処理チャンバー15内のステージに基板1が搭載される。次に、表面処理チャンバー15を減圧して、表面処理チャンバー15内に気化したアルコキシ基を有する第二有機分子3を導入する。これにより、気化されたアルコキシ基を有する第二有機分子3の雰囲気に基板1が暴露される。第二有機分子3は、脱アルコール反応により第一有機分子5の官能基があった場所と化学結合する。これにより、図1(f)に示すように、水酸基7から所望の官能基を有する第二有機分子3を化学結合させた有機分子8の膜を形成することが可能となる。基板表面の1つの水酸基2から最大で3つの所望の官能基を生成することができる。
(第一有機分子)
第一有機分子5は、3つまたは4つの官能基を有するシランカップリング剤である。例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
(第二有機分子)
第二有機分子3は、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、フッ素含有シランカップリング剤が挙げられる。
(表面処理装置)
図2に示すように表面処理装置は、表面処理チャンバー、水蒸気処理チャンバー、搬送チャンバーから構成されている。処理単位は基板1を1枚ずつ処理する所謂枚葉処理装置である。枚葉処理装置として、基板1が表面処理チャンバーから水蒸気処理チャンバーに直接移載することができず必ず搬送チャンバーを通って移載されるクラスター方式と、工程開始から終了まで一通であるワンパス方式の2つの方式がある。
(クラスター方式)
図2及び図3は、装置の構成を示す模式平面図であり、図2にクラスター方式の装置を示す。クラスター方式の表面処理装置36は、搬送チャンバー13を中心に表面処理チャンバー15と水蒸気処理チャンバー11がつながっており、表面処理チャンバー15と水蒸気処理チャンバー11はつながっていない。各チャンバーについては、上記した通りであるが、チャンバーをつなげることにより制約が生じる。
まず、表面処理チャンバー15内は乾燥状態を保たなければならないため、搬送チャンバー13の露点は表面処理チャンバー15と同じ程度の露点にしなければならない。第一工程及び第三工程における処理時の表面処理チャンバー15内の圧力は粘性流領域となる圧力であり、圧力は0.1Pa以上となっている。この圧力条件にすることにより、生産性良く反応を進めることができる。また、処理時の表面処理チャンバー15内の圧力は大気圧より低い圧力であり0.1MPaより小さいか等しい圧力となっている。この圧力条件にすることにより、加圧装置を付加する必要がないので装置構成を簡略にすることができる。
また、搬送チャンバー13にわずかに残る水蒸気を表面処理チャンバー15に極力拡散させないために、搬送時の圧力は粘性流領域であり、圧力は0.1Pa以上である。さらに、搬送チャンバー13の圧力は、表面処理チャンバー15と比較すると負圧に設定されている。
表面処理チャンバー15において、第一有機分子5及び第二有機分子3を導入している場合、圧力は0.1Pa〜大気圧までの処理が可能であるが、第一有機分子5及び第二有機分子3の分圧は、処理温度での各原料の蒸気圧以下にしなければならない。第一有機分子5及び第二有機分子3を用いる工程では水分を嫌うため、露点は−60℃以下にしなければならない。同様に搬送チャンバー13での露点も−60℃以下にしなければならず、露点が−60℃以下になったことを確認した上で表面処理チャンバー15と搬送チャンバー13との間にあるゲートバルブ14が開く設定になっている。
水蒸気処理チャンバー11において、水の沸点より低い温度帯では、湿度が50〜95RH%の範囲であることが好ましい。よって、搬送チャンバー13への水分の拡散を抑制するために、搬送時の圧力は粘性流領域であり、圧力は0.1Pa以上であり、水蒸気処理チャンバー11の圧力は、搬送チャンバー13と比較すると負圧に設定されている。第三工程においても、処理時の表面処理チャンバー15内の圧力は粘性流領域となる圧力であり、圧力は0.1Pa以上となっている。この圧力条件にすることにより、生産性良く反応を進めることができる。また、処理時の表面処理チャンバー15内の圧力は大気圧より低い圧力であり0.1MPaより小さいか等しい圧力となっている。この圧力条件にすることにより、加圧装置を付加する必要がないので装置構成を簡略にすることができる。
クラスター方式における基板1の搬送順は、搬送チャンバー13(基板導入)、表面処理チャンバー15(第一工程)、搬送チャンバー13(水蒸気処理前)、水蒸気処理チャンバー11(第二工程)、搬送チャンバー13(第二有機分子3処理前)、表面処理チャンバー15(第三工程)、搬送チャンバー13(基板取り出し)である。
(ワンパス方式)
図3にワンパス方式の装置概略図を示す。図3に示すようにワンパス方式の表面処理装置37の場合、表面処理チャンバーと搬送チャンバー、水蒸気処理チャンバーと搬送チャンバーとの関係はクラスター方式と同じである。ワンパス方式における基板1の搬送順は、搬送チャンバー16(基板導入)、ゲートバルブ17、表面処理チャンバー18(第一工程)、ゲートバルブ19、水蒸気処理チャンバー20(第二工程)、ゲートバルブ21、表面処理チャンバー22(第三工程)、ゲートバルブ23、搬送チャンバー24(基板取り出し)である。ワンパス方式の場合、第一有機分子5を使用する第一工程と第二有機分子3を使用する第三工程を別のチャンバーで行うため、メンテナンスや装置管理に関するメリットはあるが、装置が大きくなるデメリットもある。
以上述べたように、本実施形態にかかる表面処理方法(図1)によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)基板1の表面の反応点から複数の反応点を生成できることで官能基を高い面密度で覆うことができる。また、同時に2次元的な広がりを向上できるため欠陥密度を低減することができる。さらに、原料と水蒸気の処理工程を、チャンバーを変えることで明確に分離することができ、気中で生成される多量体が抑制され基板1の表面での物理吸着分を抑制することができるため信頼性の高い表面を形成することができる。
(2)第一工程及び第三工程における処理時の表面処理チャンバー15内の圧力は粘性流領域となる圧力であり、圧力は0.1Pa以上となっている。この圧力条件にすることにより、生産性良く反応を進めることができる。また、処理時の表面処理チャンバー15内の圧力は大気圧より低い圧力であり0.1MPaより小さいか等しい圧力となっている。この圧力条件にすることにより、加圧装置を付加する必要がないので装置構成を簡略にすることができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良等を加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図5は、変形例1にかかる表面処理工程を説明するための模式図である。上記実施形態1では、図1のように、表面の官能基が1種類であるものとして説明したが、この構成に限定するものではない。以下、変形例1にかかる表面処理方法について説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
実施形態1で表面処理した後、図5(a)に示すように、第二工程と同様に、水分子6が浮遊する再度水蒸気雰囲気に暴露する。その結果、図5(b)のように水酸基31が生成される。さらに、図5(c)に示すように、第三有機分子32処理として他種の官能基を有するシランカップリング剤雰囲気に暴露すると、生成された水酸基31と第三有機分子32は脱アルコール反応により化学結合する。結果として、図5(d)に示すように、基板表面には2種類の官能基が表面処理され、2種類の官能基を有する有機分子33を備える膜が形成される。
以上述べたように、本変形例にかかる表面処理方法によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。バイオセンサーのようなある1つの官能基がある種の物質とだけ相互作用をする特性を利用したデバイスにおいて、1つのトランジスターに複数種の官能基を表面処理することによって、1つのトランジスターで複数の物質を検知することができるデバイスが製造可能になる。これは、検知したい物質毎にデバイスを製造せず、予め複数種の官能基を有するバイオセンサーを製造しておけば汎用的なバイオセンサーを製造することができる、ということである。当然ではあるが、実施形態1の方法では、ある種の物質だけ検知するバイオセンサーを製造することが可能である。
(変形例2)
上記実施形態1では、第一工程、第二工程、第三工程と表面処理を行った。第一工程、第二工程、第一工程、第二工程、…というように第一工程及び第二工程を複数行った後で第三工程を行っても良い。
この方法によれば、第一工程の前に表面に存在した水酸基2の2倍または3倍の表面密度になるため、所望の水酸基2の表面密度を制御することとなる。これによって所望の表面密度の第二有機分子3の膜にすることができる。
(変形例3)
上記実施形態1の第三工程では水酸基7から所望の官能基を有する第二有機分子3を化学結合させた。第二有機分子3には官能基がCH3を有しても良い。そして、形成された膜を液晶表示装置の配向膜として使用しても良い。
本実施形態によれば、配向膜上の水酸基2を減少させるため、液晶と水酸基2との相互作用を抑えることとなる。これによって、可視光領域の光が当たり続けることで発生する水酸基2と相互作用している液晶の耐光性劣化を抑えられる。従って、耐光性向上という効果を得ることができる。
(変形例4)
上記実施形態1の第三工程では水酸基7から所望の官能基を有する第二有機分子3を化学結合させた。第二有機分子3には官能基がNH2を有しても良い。そして、形成された膜を半導体装置、MEMS及びプリンターヘッドに用いる接着剤と被接着体を接着するときもプライマー膜として使用しても良い。
本実施形態によれば、被接着体におけるアミノ基の表面密度が高くなるため、接着剤との接着強度が強くなる。これによって、例えばプリンターヘッドの接着部分においてインクと接する場所においてインク接液による耐久性を向上することができる。従って、プリンターヘッドの信頼性向上という効果を得ることができる。さらに、半導体装置、MEMSを接着するときにおいても接着強度を強くすることができる。従って、衝撃が加わるときにも接着した場所が剥がれることがない為、信頼性を高くすることができる。
(変形例5)
上記実施形態1の第三工程では水酸基7から所望の官能基を有する第二有機分子3を化学結合させた。第二有機分子3には官能基がCF3を有しても良い。そして、形成された膜を半導体装置、MEMS及びプリンターヘッドに用いる撥液膜として使用しても良い。
本実施形態によれば、被接着体におけるアミノ基の表面密度が高くなるため、撥インク面を機能させる有機分子の表面密度を高くすることができる。これによって、例えば、プリンターヘッドのノズルプレートにおける撥インク性を高くすることができる。従って、ノズル周りの残留インクを抑えることができる。その結果、プリンターヘッドの信頼性向上という効果を得ることができる。さらに、半導体装置、MEMSに撥液膜を形成するときにおいても撥液性を高くすることができる。従って、高い撥液性を備えた半導体装置、MEMSを提供することができる。
1…基板、2…水酸基、3…第二有機分子、5…第一有機分子、6…水分子。

Claims (2)

  1. MEMSに用いる接着剤と被接着体とを接着するときの前記被接着体のプライマー処理方法であって、
    4つの官能基が同じアルコキシ基を有するシランカップリング剤を第一有機分子とし、
    前記第一有機分子と、基板の表面に露出している水酸基とを減圧環境にて化学結合させる第一工程と、
    前記第一工程で前記表面と化学結合した前記第一有機分子の前記アルコキシ基と水分子とを減圧環境にて化学結合させ、前記第一有機分子の前記アルコキシ基を水酸基にする第二工程と、
    前記第一有機分子と異なる機能を有する官能基を1つ有し、その他2つまたは3つの官能基がアルコキシ基であるシランカップリング剤を第二有機分子として、
    前記第二有機分子の前記その他2つまたは3つの官能基であるアルコキシ基と前記第二工程で生成された前記水酸基とを減圧環境にて化学結合させる第三工程と、を有し、
    前記第二有機分子における前記第一有機分子と異なる機能を有する前記官能基がNH2を有するものであり、
    前記第一工程、前記第二工程、前記第三工程の前記減圧環境の圧力が0.1Paより大きく0.1MPaより小さいこと、を特徴とするプライマー処理方法。
  2. 請求項1に記載のプライマー処理方法において、
    前記第一工程と前記第二工程とを反復することを特徴とするプライマー処理方法
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